(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 661
A63F5/04 652
(21)【出願番号】P 2020066282
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126401(JP,A)
【文献】特開2016-029982(JP,A)
【文献】特開2019-103736(JP,A)
【文献】特開2014-132971(JP,A)
【文献】特開2019-150251(JP,A)
【文献】特開2014-042675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による操作に基づき変動表示手段の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機において、
前記ゲームの実行に関連して特典を付与するか否かを決定可能な決定手段と、
前記決定手段による決定結果に基づき、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出が実行されている場合において、前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出を実行させることが可能な操作演出制御手段と、
前記決定手段が特別の特典を付与することを決定したことに基づき、所定のゲームにおいて、前記ゲームの実行に関わる操作を無効とするとともに前記変動表示手段による特別の変動表示を伴う特別演出を実行させることが可能な特別演出制御手段と、
を備え、
前記操作演出制御手段は、
前記特別演出とは異なる所定の演出が実行されている場合には、前記所定の演出が実行される場合の一部において前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出が実行されるように当該操作演出の制御を行うものとし、
前記特別演出が実行されている場合には、前
記所定の演出が実行されている場合よりも、前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出の実行確率が高まるように当
該操作演出の制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に複数の情報を表示可能な表示装置を備えたものが増えている。
このような遊技機においては、演出の実行中に、遊技者が操作可能な演出ボタンを模した演出ボタン画像を表示して、演出ボタンの操作を促す表示を行うとともに、遊技者が演出ボタンを操作した場合には、演出の結果を報知するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者による操作に基づき変動表示手段の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機において、
前記ゲームの実行に関連して特典を付与するか否かを決定可能な決定手段と、
前記決定手段による決定結果に基づき、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出が実行されている場合において、前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出を実行させることが可能な操作演出制御手段と、前記決定手段が特別の特典を付与することを決定したことに基づき、所定のゲームにおいて、前記ゲームの実行に関わる操作を無効とするとともに前記変動表示手段による特別の変動表示を伴う特別演出を実行させることが可能な特別演出制御手段と、を備え、前記操作演出制御手段は、前記特別演出とは異なる所定の演出が実行されている場合には、前記所定の演出が実行される場合の一部において前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出が実行されるように当該操作演出の制御を行うものとし、前記特別演出が実行されている場合には、前記所定の演出が実行されている場合よりも、前記操作手段の操作を促す報知を含む操作演出の実行確率が高まるように当該操作演出の制御を行う構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
【
図4】疑似ボーナス状態が発生するまでの遊技状態、及び演出を説明するためのタイミングチャートである。
【
図5】リール演出中のリールの回転状態、及び停止操作状態を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】通常遊技状態における当選演出中にボタン演出が発生するときのメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図7】通常遊技状態でのチャンス役当選時におけるボタン演出のパターンの選択率を示す図表である。
【
図8】リール演出中における通常操作態様でのボタン演出が実行されたときのリールの回転状態、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図9】リール演出中におけるボタン演出時の画像の選択率を示す図表である。
【
図10】リール演出中における特定操作態様でのボタン演出が実行されたときのリールの回転状態、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図11】リール演出中における上部演出ボタンの操作を要するボタン演出が実行されたときのリールの回転状態、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図12】変形例における疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームにおいて通常操作態様でのボタン演出が実行されたときのリールの回転状態、サブ表示器、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図13】変形例における疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームにおいて特定操作態様でのボタン演出が実行されたときのリールの回転状態、サブ表示器、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【
図14】変形例における連続演出から疑似ボーナス状態が発生するまでに高確率状態の予告表示が実行されたときのリールの回転状態、サブ表示器、及びメイン表示器での表示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、第1表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段としての上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「BAR」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、第2表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、ベットボタン2aが配設されている。また、操作手段(通常操作手段)としての演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2c及び停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4d及び有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、AT状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0027】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0028】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態やAT状態の移行抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0029】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、賞やAT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段(決定手段)を備えているのである。
また、主制御装置10は、遊技者に対して第1の特典として疑似ボーナス状態を付与(発生)するか否かを事前に決定可能な第1決定手段と、遊技者に対して第2の特典としてのAT状態を付与(発生)するか否かを事前に決定可能な第2決定手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0030】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0032】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0033】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、画像演出データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す画像演出、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0034】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10及び副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、決定手段、抽選手段、演出制御手段、操作演出制御手段、特別演出制御手段、特定演出制御手段が構成される。
【0035】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0036】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0037】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0038】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0039】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0040】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
【0041】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0042】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0043】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0044】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0045】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0046】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0047】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0048】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
【0049】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0050】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0051】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0052】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0053】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0054】
また、各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0055】
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0056】
図3に示すように、実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0057】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態において疑似ボーナス状態が通常確率状態における抽選確率での抽選により遊技可能な区間が含まれる。
なお、通常区間においては、疑似ボーナス状態に当選しないような抽選制御を行うようにしてもよい。
また、通常区間において、疑似ボーナス状態の抽選確率を高確率状態よりもさらに高めた超高確率状態としてもよく、例えば、通常区間において、所定のレア役に当選した場合には必ず疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0058】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、疑似ボーナス状態、疑似ボーナス状態の通常確率状態および高確率状態、疑似ボーナス状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0059】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0060】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0061】
次に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、及び移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0062】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述する前兆演出(疑似ボーナス前兆演出又は疑似ボーナスガセ前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8及びサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0063】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0064】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図3の矢印a)
通常遊技状態においては、決定手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別の決定結果となったことに基づき、特別遊技状態として疑似ボーナス状態を付与するものとなっている。
本実施形態においては、疑似ボーナス状態を第1の特典あるいは特別の特典としている。
【0065】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0066】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、第1の特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定してもよいし、前回の疑似ボーナス状態、あるいはAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、疑似ボーナス状態への移行を決定するようにしてもよいし、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった場合に疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、主にチャンス役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0068】
疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の疑似ボーナス前兆演出がメイン表示器8において実行される。
すなわち、副制御装置20は、決定手段としての主制御装置10が、疑似ボーナス状態を発生することを事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態を発生する前の所定期間において、事前演出としての疑似ボーナス前兆演出を実行させる制御を行うのである。
【0069】
また、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から疑似ボーナス前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、疑似ボーナス前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と、疑似ボーナス前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0070】
疑似ボーナス前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での画像演出が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、疑似ボーナス前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、詳細は後述するが、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0071】
また、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の疑似ボーナスガセ前兆演出がメイン表示器8において実行される。
なお、疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
すなわち、副制御装置20は、決定手段としての主制御装置10が第1の特典を付与することを事前に決定していない場合における所定条件の成立(50%、100%の確率条件の成立)に基づき、所定期間において、外れ事前演出としての疑似ボーナスガセ前兆演出を実行させる制御を行うのである。
【0072】
また、疑似ボーナスガセ前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選から疑似ボーナスガセ前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
疑似ボーナス前兆演出と疑似ボーナスガセ前兆演出は、基本的には画像演出(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0073】
また、待機期間中のゲームにおいては、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
【0074】
また、疑似ボーナス前兆演出及び疑似ボーナスガセ前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームから数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0075】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す画像演出が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されている疑似ボーナス状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、後述するが、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0076】
そして、疑似ボーナス状態に当選していた場合(疑似ボーナス前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に当選していなかった場合(疑似ボーナスガセ前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、疑似ボーナス前兆演出及び疑似ボーナスガセ前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0077】
また、疑似ボーナス前兆演出及び疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。また、疑似ボーナス前兆演出及び疑似ボーナスガセ前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0078】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。疑似ボーナス状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、及びハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0079】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
【0080】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役や強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0081】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10及び副制御装置20により、CZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
【0082】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)の遅延期間の経過の後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態の遅延期間中は、前述した疑似ボーナス状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
そして、遅延期間が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0083】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態の遅延期間中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0084】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定の所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0085】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態のガセ連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とガセ連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(ガセ連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような画像演出を実行してもよい。この場合、連続演出(ガセ連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する画像演出が実行される。
【0086】
また、CZ状態の遅延期間中に、前兆演出(疑似ボーナス前兆演出又は疑似ボーナスガセ前兆演出)と同様のCZ状態の前兆演出(CZ前兆選出又はCZガセ前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしてもよいし、CZ状態の前兆演出(CZ前兆選出又はCZガセ前兆演出)の後に連続演出又はガセ連続演出を実行するようにしてもよい。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の遅延期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
【0087】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(
図3の矢印g)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0088】
本実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、疑似ボーナスガセ前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0089】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも、各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0090】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0091】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
【0092】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0093】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する画像演出が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0094】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う画像演出が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0095】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
【0096】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0097】
(疑似ボーナス状態)
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、AT状態と同様に押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(20ゲーム、もしくは30ゲーム)継続して、その間に実行されるゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
したがって、疑似ボーナス状態は、当該スロットマシン1における主に遊技者が多数のメダルを獲得可能なAT状態を発生させるか否かを決定する遊技状態となっている。
なお、疑似ボーナス状態中においては、押し順ベル役に当選した場合の所定の確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行することで、AT状態中よりも押し順ナビの頻度を低まるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態が継続する期間は、実行されたゲーム数で規定する以外に、押し順ナビが実行される回数、払い出されたメダル数(払出枚数)、メダルの払い出しにより実際に増加したメダル数(純増枚数)等により規定するようにしてもよい。
【0098】
疑似ボーナス状態には、レギュラー疑似ボーナス状態と、ビッグ疑似ボーナス状態の2種類が設定され、各々継続ゲーム数が異なっていて、レギュラー疑似ボーナス状態では20ゲーム間継続し、ビッグ疑似ボーナス状態では30ゲーム間継続するように設定されている。
したがって、レギュラー疑似ボーナス状態よりもビッグ疑似ボーナス状態の方が、継続ゲーム数が多い分獲得可能なメダル数が多くなる他、AT状態の抽選機会も継続ゲーム数が多い分だけ多くなり、より遊技者に有利な状態となる。
【0099】
主制御装置10では、疑似ボーナス状態が当選した場合に、何れの疑似ボーナス状態にするかの選択制御が行われ、例えば、レギュラー疑似ボーナス状態を60%の確率で選択し、ビッグ疑似ボーナス状態を40%の確率で選択するようになっている。
なお、レギュラー疑似ボーナス状態とビッグ疑似ボーナス状態の選択率は、上記以外でもよく、確率設定装置14での設定値に応じて選択比率を変更するようにしてもよいし、疑似ボーナス状態が当選した状態において、選択比率を変更するようにしてもよく、例えば、高確率状態において疑似ボーナス状態に当選した場合には、その他の場合よりもビッグ疑似ボーナス状態の選択率が高くなるようにしてもよい。
【0100】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せを一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
したがって、リール演出が実行される期間は、ゲームの進行が一時的に中断する状態となっている。
【0101】
リール演出中に一旦停止する特定の図柄組合せは、ビッグ疑似ボーナス状態では、「7、7、7」で設定され、レギュラー疑似ボーナス状態では、「7、7、BAR」で設定されていて、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームにおいて、何れの疑似ボーナス状態であるかを報知するようにしている。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、後述するようにリール演出に対応する画像演出が表示されるようになっている。
本実施形態では、リール4において実行されるリール演出と、メイン表示器8において実行されるリール演出に対応する画像演出とを特別演出としている。
【0102】
リール演出が行われるリール演出期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、リール演出期間の終了時には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様となっているが、見た目上は、所謂ビッグボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0103】
また、リール演出期間が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
【0104】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(
図3の矢印f)
疑似ボーナス状態では、各ゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行う。
AT状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。AT状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が20%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が5%、ハズレ役当選時が3%である。AT状態の移行抽選は疑似ボーナス状態中のゲーム毎に行われるが、AT状態への移行の有無は疑似ボーナス状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームでAT状態への移行が報知された場合には、次ゲームから遊技状態がAT状態へ移行することとなる。
【0105】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態と高確率状態を有しているが、疑似ボーナス状態へ移行した時点で高確率状態となっている場合には、当該高確率状態が疑似ボーナス状態中にも引き継がれ、各ゲームにおけるAT状態の当選確率が、例えば、レア役当選時が30%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%となるように高められる。
したがって、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態の当選確率が高まる高確率状態が、疑似ボーナス状態においては、AT状態の当選確率が高まるものに変化することとなり、疑似ボーナス状態の発生により高確率状態が無駄に終了することを防止している。
また、疑似ボーナス状態中の高確率状態は、所定の転落条件が成立すると終了するものとなっていて、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、及びハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
なお、高確率状態は疑似ボーナス状態へ移行した場合に必ず引き継がなくてもよく、例えば、高確率状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合の所定の確率(例えば、50%)で引き継ぐようにしてもよい。
【0106】
なお、AT状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもAT状態の移行抽選は実行される。
また、各当選役の一部又は全部についてのAT状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時にAT状態の移行抽選処理を行わずに、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいてAT状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0107】
また、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0108】
また、疑似ボーナス状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス演出がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、17ゲーム間)で登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
また、疑似ボーナス状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する画像演出が表示される。そして、前述した各ゲームで実行されたAT移行抽選の何れかにおいて、AT移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利してAT状態へ移行することが報知される。
なお、疑似ボーナス状態の最後の数ゲーム間においても、その他のゲームと同様にAT移行抽選は行われる。
【0109】
また、疑似ボーナス状態の最後の数ゲーム間においては、疑似ボーナス状態中に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、疑似ボーナス状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されるようになっている。
【0110】
また、疑似ボーナス状態中にレア役に当選した場合には、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出が実行される。
当選演出は、メイン表示器8において、所定のキャラクタの現出とともに当選したレア役を報知可能なアイテム(例えば、スイカアイテム)を表示したり、所定のキャラクタの現出とともにAT状態の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類やAT状態の移行抽選結果に応じて画像を表示可能となっている。
【0111】
また、当選演出中には、ボタン演出が実行される場合もある。
ボタン演出は、例えば、当選演出の実行中に、先ず、メイン表示器8に、演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、表示された演出ボタン2dが操作された場合に、メイン表示器8に当選したレア役の種類を報知する画像や、遊技者の期待感を高めるような画像を現出させる演出となっている。
すなわち、演出制御手段としての副制御装置20は、演出が実行されている場合において、操作手段としての演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fの操作を要する操作演出(ボタン演出)を実行させることが可能な操作演出制御手段を備えているのである。
なお、疑似ボーナス状態中にレア役に当選した場合には、当選演出ではなく、複数のゲームに跨った演出(例えば、連続演出)を実行するようにしてもよい。
【0112】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印b)
疑似ボーナス状態において、AT状態の移行抽選に当選しなかった場合には、疑似ボーナス状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、疑似ボーナス演出において、主人公キャラクタが敗北してAT状態へ移行しないことが報知される。
【0113】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0114】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0115】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、50ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理され、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。また、AT状態の残ゲーム数は、AT状態中における所定条件の成立により上乗せされて、その分AT状態の継続期間が延長されるようになっている。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0116】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0117】
また、AT状態中は、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数が残ゲーム数に上乗せ(加算)される。
また、所定のレア役に当選した場合には、ゲーム数の上乗せに対する期待感を高めるための上乗せ演出が、メイン表示器8において実行される。上乗せ演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ演出の最終ゲームで当否の報知が行われるとともに上乗せゲーム数が報知される。
例えば、上乗せ演出を複数ゲーム(3ゲーム)に亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出がメイン表示器8或いはサブ表示器17で実行される。
【0118】
また、AT状態中において、特定条件の成立として所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としている。
上乗せ特化ゾーンは、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、リプレイ役以外の全ての役が上乗せの契機役となり、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められる。
【0119】
例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選し、強チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は50%の確率で上乗せに当選するが、上乗せ特化ゾーン中は100%で上乗せに当選するような制御が行われる。
【0120】
また、上乗せ特化ゾーン中以外は上乗せの可能性のないベル役(共通ベル役及び押し順ベル役)の当選時にも上乗せ抽選が行われ、ベル役の当選時は、80%で上乗せに当選するような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、AT状態の継続に関わる所定の特典として、複数の役の当選時に上乗せに当選する確率が高められるような制御が行われる。
なお、上乗せ特化ゾーン中はベル役に当選した場合にも100%の確率で上乗せに当選するようにしてもよい。
【0121】
また、上乗せ特化ゾーン中は、上乗せされるゲーム数も上乗せ特化ゾーン以外よりも大きいゲーム数が上乗せされ、例えば、弱チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は10ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は20ゲームのゲーム数が上乗せされ、強チェリー役の当選時には、上乗せ特化ゾーン中以外は20ゲームのゲーム数が上乗せされるが、上乗せ特化ゾーン中は50ゲームのゲーム数が上乗せされるような制御が行われる。したがって、上乗せ特化ゾーン中は、AT状態の継続に関わる所定の特典として、上乗せに当選した場合に上乗せされるゲーム数が多くなるような制御が行われる。
【0122】
上乗せ特化ゾーン中は、主制御装置10からの信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8に主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙する画像が表示され、ゲーム毎に主人公キャラクタが一方的に攻撃するような演出が行われる。そして、ゲームの実行に応じて主人公キャラクタが攻撃し、上乗せされない場合には攻撃が失敗し、上乗せされる場合には攻撃が成功して、ゲームの抽選に応じて決定された上乗せゲーム数が報知される。
このように、上乗せ特化ゾーンが実行されている場合において、その実行中の間(例えば、10ゲーム間)を通して主人公キャラクタが攻撃を繰り返すような一連の演出が実行され、上乗せ特化ゾーンの終了により、一連の演出が終了して元のAT状態中の画像に復帰することとなる。
【0123】
なお、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選した場合に、次ゲームから即座に上乗せ特化ゾーンを発生するようにしてもよいし、所定数のゲームの実行後に発生するようにしてもよい。
また、所定数のゲームの実行後に上乗せ特化ゾーンを発生させる場合には、上乗せ特化ゾーンの発生契機役である所定のレア役に当選後に、副制御装置20の制御により、上乗せ特化ゾーンの発生に対する期待感を高めるための上乗せ特化ゾーン発生演出を行うようにしてもよい。上乗せ特化ゾーン発生演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せ特化ゾーンに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ特化ゾーン発生演出の最終ゲームで当否の報知が行われるようにすることが好ましい。
【0124】
また、上乗せ特化ゾーン発生演出を複数ゲームに亘る一連の演出で実行する場合には、連続演出と同様に対戦演出により実行してもよい。
また、上乗せ特化ゾーン中の各役当選時の上乗せ当選確率や上乗せゲーム数は、上記以外でもよく、上乗せ特化ゾーン中以外よりも上乗せ特化ゾーン中の方が、遊技者に有利に上乗せに対する制御が行われるものであればいずれでもよい。
また、AT状態中における所定の条件の成立に基づき、AT状態を一時的に中断して、疑似ボーナス状態を発生するようにしてもよい。
【0125】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印h)
AT状態において、AT状態を継続させる残ゲーム数が無くなるとAT状態は終了し、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、AT状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0126】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0127】
次に、メイン表示器8におけるステージの移行抽選について説明する。
スロットマシン1の主制御装置10においては、前述したように通常遊技状態中における疑似ボーナス状態の抽選に関して、所定のレア役に当選した場合に、疑似ボーナス状態の移行確率が相対的に低い通常確率状態と、相対的に高い高確率状態との何れかの確率状態において疑似ボーナス状態の抽選制御が行われる。
【0128】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの通常確率状態と高確率状態を特定可能な情報に基づいて、メイン表示器8におけるステージの表示制御を行っている。
すなわち、通常確率状態と高確率状態の管理制御を行う主制御装置10からの制御情報に基づいて、副制御装置20がメイン表示器8におけるステージの画像を制御することで、ステージの表示制御が行われるのである。
メイン表示器8で表示されるステージは、背景画像、登場キャラクタ等からなる画像から構成され、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、背景画像や登場キャラクタの異なる複数のステージの何れかが表示可能とされ、遊技状態や確率状態に応じて表示するステージの選択が行われる。
【0129】
したがって、メイン表示器8に表示されるステージは、遊技状態の報知や確率状態の報知(示唆報知)を行う役目もある。
また、通常遊技状態中には、予め複数のステージが設定され、通常遊技状態中においてはステージA~Cの何れかをメイン表示器8に表示するようになっている。
【0130】
副制御装置20は、ゲームの実行に基づいてステージA~ステージCの何れかを選択する制御を行うが、この際の選択制御は、その時点の疑似ボーナス状態の移行抽選確率の状態、すなわち、通常確率状態か高確率状態かに応じて異なる選択制御が行われる。
したがって、メイン表示器8において表示されるステージの種類は、その時点の確率状態を反映したものとなる。ただし、ステージの選択は所定の確率に基づく抽選で行われることから、内部的な確率状態をそのまま反映したものではなく、遊技者がある程度推測できる範囲で行われることとなる。
【0131】
ステージの移行抽選、すなわち、現状のステージから他のステージに移行するか、あるいは現状のステージを維持するかの抽選は、ゲーム毎に実行され、高確率状態に移行していることに対する期待度が、ステージA<ステージB<ステージCの関係を形成するように実行される
例えば、通常確率状態においては、ステージAが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージCが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。一方、高確率状態においては、ステージCが選択される確率が最も高く、次いでステージBが選択される確率が高く、ステージAが選択される確率が最も低くなるような移行抽選が行われる。
このようなステージの移行抽選が行われる結果、ステージAよりもステージBの方が高確率状態に移行している期待度が高くなり、同様に、ステージA及びステージBよりもステージCの方が高確率状態に移行している期待度が高くなるのである。
【0132】
各ステージでは、例えば、主人公キャラクタが所定の場所を歩いているような演出が実行され、ステージAでは草原、ステージBでは街中、ステージCでは森の中等、主人公キャラクタが歩く場所により、ステージの違いを報知するようにしている。
各ステージは、他のステージに移行しない限り、背景や主人公キャラクタの動作等は同様の内容となっていて、次ゲームが開始されても変化しないようになっているので、ステージ毎の演出についても複数ゲームに亘る一連の演出と捉えることもできる。
【0133】
次に、
図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、ゲームの実行に応じた遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示について説明する。
図4は、確率状態が通常確率状態の通常遊技状態からゲームを開始する状態を例示している。また、メイン表示器8ではステージAを表示している。
実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する演出に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、疑似ボーナスガセ前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0134】
図4に示すように、通常遊技状態中の所定のゲーム(
図4の2ゲーム目)の実行により弱スイカ役に当選した場合(タイミングt0)、所定の確率で高確率状態への移行抽選が行われるが、移行抽選の結果、高確率状態への移行が決定されると、次ゲーム(3ゲーム目)の開始時(タイミングt1)に確率状態が高確率状態に変更される。なお、高確率状態への移行は、次ゲームではなく高確率状態への移行抽選が行われるゲームの開始時に行うようにしてもよい。
【0135】
また、3ゲーム目のゲーム実行時には、高確率状態中におけるステージの移行抽選が行われ、ステージの移行無しが決定されてステージの移行は行われていない。
そして、続く4ゲーム目のゲーム実行のステージ移行抽選でステージの移行が決定された結果、4ゲーム目の開始時(タイミングt2)でメイン表示器8に表示されるステージがステージAからステージCに移行される。また、ステージは、22ゲーム目までステージCを維持するような抽選結果となっている。
【0136】
また、
図4に示すように、10ゲーム目のゲーム実行時にチャンス役に当選した場合(タイミングt3)、この時点の確率状態は高確率状態であるので、通常確率状態よりも高い当選確率で疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
チャンス役の当選により、メイン表示器8において疑似ボーナス前兆演出が行われるが、所定の待機期間の設定により、疑似ボーナス前兆演出は、22ゲーム目の開始時(タイミングt4)から行われる。
なお、
図4の例では、決定手段としての主制御装置10が第1の特典として疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合でも、チャンス役の当選によりメイン表示器8においては疑似ボーナスガセ前兆演出が実行される。
【0137】
疑似ボーナス前兆演出は、40ゲーム目のゲーム実行まで行われるが、最終ゲームの直前の3ゲームに亘っては、疑似ボーナス前兆演出中の連続演出が実行される。すなわち、38ゲーム目のゲーム開始(タイミングt5)からメイン表示器8において主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出により連続演出が実行される。
例えば、38ゲーム目から40ゲーム目のゲーム毎に、主人公キャラクタ或いは敵キャラクタの何れかが攻撃を行うような対戦画像を表示し、前兆演出の最終ゲームである40ゲーム目のゲーム終了後に、何れかのキャラクタが勝利することにより疑似ボーナス状態の当否を報知するような演出が実行される。
【0138】
また、連続演出中にゲーム毎に実行される攻防画像は、疑似ボーナス状態に当選している場合には、主人公キャラクタの攻撃が多かったり、より敵キャラクタに大きな打撃を与えたりする画像を表示することで、遊技者に疑似ボーナス状態の発生に対する期待感を高められるようになっている。
【0139】
38ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt5)に実行された連続演出は、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後の時点(タイミングt6)で終了し、何れかのキャラクタが勝利する画像が表示されるが、
図4に示す例では、疑似ボーナス状態に当選しているので、40ゲーム目のゲーム終了から所定期間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間(タイミングt6~t7)においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、「勝利」の文字情報や、「ボーナス確定」等の文字情報が表示される。
その後、41ゲーム目のゲーム開始時(タイミングt7)から遊技状態が疑似ボーナス状態に移行し、メイン表示器8においては疑似ボーナス状態中の画像が表示されることとなる。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の変化、及びメイン表示器8での演出表示が行われる。
【0140】
次に、
図5のタイミングチャートを参照して、主制御装置10の制御により、上記した、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームにおいて実行される、特別演出として例示するリール演出について詳しく説明する。
なお、
図5に示す例は、前述した
図4で示した例における41ゲーム目のゲーム実行中を示している。
【0141】
図5に示すように、10ゲーム目のゲーム実行時にチャンス役に当選(
図4参照)して、決定手段としての主制御装置10が第1の特典として疑似ボーナス状態を発生することを予め決定し、その決定結果に基づき、41ゲーム目に疑似ボーナス状態を開始することを決定した場合には、40ゲーム目のゲーム終了後のスタートレバー3の操作時(タイミングt7)に疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始される。
そして、41ゲーム目のゲームが開始されると、主制御装置10により、リール4の全てが一斉に逆回転(図柄が表示窓6内を下から上へ移動する回転)を開始してリール演出が実行される。
【0142】
リール演出は、予め定められたリール演出期間(例えば、15秒)が終了する時点(タイミングt9)まで継続して実行される。
また、リール演出期間中は、リール4の停止操作が無効(停止ボタン5の入力が無効)となり、この間はゲームの進行が一時的に中断する状態となる。
なお、リール演出中におけるリール4の逆回転は、一定速度で回転するものとなっているが、その回転速度は、移動する図柄の種類が視認できる程度の低速度でもよいし、視認できない程度の高速度でもよい。また、リール演出中に速度が変更するものでもよし、途中で一時停止したり、正回転と逆回転を繰り返したりするものでもよい。
【0143】
リール演出期間におけるリールの逆回転は、所定時間(例えば、10秒)が経過する時点(タイミングt8)まで継続し、所定時間に達した場合には、リール4の全てが一斉に自動停止して、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が表示窓6内に一時停止した状態となる。
その後、リール4の停止状態は、所定の一時停止時間が経過する時点(タイミングt9)まで継続し、一時停止時間が終了した場合には、リール演出期間が終了し、特定の図柄組合せを表示した状態で一時停止していたリール4の各々が、開始タイミングをずらして正回転(図柄が表示窓6内を上から下へ移動する方向)での回転を自動開始して、通常のゲームへの移行が行われる。
また、通常のゲームに移行すると、リール4の停止操作が有効となって停止ボタン5の操作が可能となり、この状態で停止ボタン5の全てが操作(タイミングt10)されると、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが終了することとなる。
【0144】
以上のように、予め疑似ボーナス状態の発生が決定されていた場合には、前兆演出の実行後、疑似ボーナス状態が発生し、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームにおいては、ゲームの実行に関わる操作を無効とするとともにリール4を逆回転させるリール演出が実行される。
すなわち、特別演出制御手段としての主制御装置10は、予め第1の特典(特別の特典)として疑似ボーナス状態を発生(付与)することを決定したことに基づき、所定のゲームとして、例えば、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームにおいて、ゲームの実行に関わる操作を無効とするとともに変動表示手段としてのリール4による特別の変動表示(逆回転)を伴う特別演出(例えば、リール演出)を実行させることが可能な特別演出制御手段を備えるのである。
したがって、リール4の逆回転を伴うリール演出が実行されるので、遊技者に対して利益状態が発生したことに対する達成感を与えることが可能となるのである。
【0145】
また、リール演出は、通常とは異なるリール4の逆回転(特別の変動表示)により実行されるので、興趣性の高い態様で疑似ボーナス状態の発生を報知することが可能となるのである。
また、リール演出中には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が一時停止するので、疑似ボーナス状態が開始されることを確実に報知することが可能となるのである。
以上のように、疑似ボーナス状態における1ゲーム目のゲームが実行される。
【0146】
[通常遊技状態における当選演出時の画像表示例]
次に、
図6を参照して、主制御装置10からの制御信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8で実行される通常遊技状態における当選演出時の演出画像について説明する。
図6は、通常遊技状態において、所定のレア役として、例えば、チャンス役に当選した場合に実行される当選演出中の演出画像を示して、特に当選演出中にボタン演出が実行される場合を示している。
当選演出は、レア役に当選したゲームにおいて実行される演出であり、当該演出により、レア役に当選したこと、および当選したレア役の種類を報知する画像や、レア役の当選を契機に抽選される特典(例えば、疑似ボーナス状態)に対する期待度を変化させるような画像が表示される。
また、当選演出の実行中には、副制御装置20の制御によりスピーカ9から各種効果音が出力されるとともに、ランプ11により各種装飾発光が行われる。
【0147】
まず、
図6(a)は、通常遊技状態中に、所定のレア役(例えば、チャンス役)に当選した場合のゲーム開始時の画像演出を示している。
図6(a)に示すように、所定のレア役(例えば、チャンス役)に当選した場合のゲームが開始されると、メイン表示器8の画面主要部において、当選演出画像30が表示される。
なお、各図において図示する画像は、実際に表示される画像よりも簡略化したもとなっているが、実際には、予め設定されているキャラクタや背景等の画像がゲームの実行中にメイン表示器8に動画表示される。
例えば、ゲームの当初に所定のキャラクタを登場させて、その登場したキャラクタが、当選したレア役の種類を報知(或いは示唆)するアイテムを、ゲームの終了時に箱の中から取り出す等の一連の動画が表示される。
【0148】
また、このとき、副制御装置20の制御によりボタン演出の実行が決定されると、
図6(b)に示すように、メイン表示器8において当選演出画像30の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像31aが当選演出画像30の前方に表示されて、ボタン演出を伴う当選演出がゲームの開示時に実行される。
このとき表示される操作画像31aは、当選演出画像30における主要な画像(キャラクタやアイテム)が隠蔽されない位置に表示される。
なお、ボタン演出が実行される場合には、ゲーム開始時から当選演出画像30を表示せずに、一連のボタン演出が実行された後、当選演出画像30を表示するようにしてもよい。また、この場合には、演出ボタン2dを操作せずにリール4のうち最初のリールが停止された時点でボタン演出の実行がキャンセルされたものと判断して、その時点で当選演出画像30を表示することが好ましい。
【0149】
図6(c)は、ボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図6(c)に示すように、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31aが消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央上部に、「チャンス」の文字情報からなる第1チャンスアップ画像32aが当選演出画像30の前方に表示される。
【0150】
また、ボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合には、
図6(d)に示すように、第1チャンスアップ画像32a以外の画像も表示可能となっている。
図6(d)に示す例では、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31aが消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央上部に、「激アツ」の文字情報からなる第2チャンスアップ画像32bが当選演出画像30の前方に表示される。
このとき表示される第1チャンスアップ画像32aあるいは第2チャンスアップ画像32bは、当選演出画像30における主要な画像(キャラクタやアイテム)が隠蔽されない位置に表示される。
【0151】
遊技者が演出ボタン2dを操作した場合に、第1チャンスアップ画像32aを表示するか、あるいは第2チャンスアップ画像32bを表示するかの選択は、後述するように、副制御装置20の制御により、例えば、チャンス役当選における疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて実行される。
したがって、第1チャンスアップ画像32aあるいは第2チャンスアップ画像32bの表示により、特典(例えば、疑似ボーナス状態)の付与に対する遊技者の期待感を変化させることが可能となっている。
【0152】
なお、演出ボタン2dを操作した場合の画像は、上記した文字情報以外でもよく、例えば、当選したレア役を遊技者が認識できるような画像(例えば、チェリーを象った画像)や、当該レア役に対応する配色(例えば、紫色)のアイテムを表示するようにしてもよい。
また、ボタン演出を実行する場合には、当該ゲームの開始時点で、ボタン演出の実行を予告する予告音や、所定の予告画像が表示される予告演出を実行するようにしてもよい。
また、ボタン演出の実行は、ゲームの開始時以外でもよく、ゲームの実行中やゲームの終了時点で操作画像31aを表示して、ボタン演出を実行するようにしてもよい。
例えば、ボタン演出を当選演出と関連付けてゲームの実行中に実行するようにしてもよく、前述したキャラクタがアイテムを取り出す直前にボタン演出を実行し、演出ボタン2dの操作を契機にキャラクタがアイテムを取り出すようにしてもよい。この場合には、取り出されるアイテムは、レア役の種類を報知(或いは示唆)するアイテムに替えて、第1チャンスアップ画像32aあるいは第2チャンスアップ画像32bとすることが好ましい。
【0153】
次に、
図7を参照して、副制御装置20の制御により実行される、通常遊技状態でのチャンス役当選時におけるボタン演出の選択率について説明する。
【0154】
前述したように、例えば、通常遊技状態中にレア役に当選した場合には、1ゲームで完結する当選演出が実行されることとなるが、副制御装置20では、レア役に当選した場合に、当選したレア役の種類や、当選したレア役により特典が付与されるか否かにより、当選演出の種類(登場させるキャラクタの種類等)や、当選演出の実行中にボタン演出を併せて実行するか否か、およびボタン演出の実行により最終的に表示される画像を決定するようにしている。
すなわち、副制御装置20は、まずは当選演出の主要な演出である主演出を決定し、さらに、主演出に対してボタン演出を併行して実行するか否かを決定することで、当選演出全体のパターンを決定するようにしている。
【0155】
主演出としては、例えば、メイン表示器8において登場するキャラクタと、そのキャラクタの動作により取り出されるアイテムからなる一連の演出から構成され、当選したレア役の種類等により主演出のパターンが決定され、ボタン演出を併行して実行するか否か、およびボタン演出の実行により最終的に表示される画像は、特典が付与されるか否か等により決定される。
【0156】
図7は、レア役に当選した場合の当選演出の選択例として、第1の特典(特別の特典)としての疑似ボーナス状態の抽選契機となる、特定役としてのチャンス役に当選した場合の当選演出におけるボタン演出の選択率を示している。
したがって、
図7は、チャンス役当選時に既に決定している主演出に対して、ボタン演出を併行して実行するか否か、およびボタン演出の実行により最終的に表示される画像を決定する際に用いられる選択テーブルを示している。
【0157】
図7に示すように、疑似ボーナス状態の非当選時には、ボタン演出無し、すなわち、主演出に対してボタン演出を併行して実行しないことが選択される確率が95%、「チャンス」表示、すなわち、ボタン演出の実行中における演出ボタン2dの操作時に「チャンス」の文字情報を表示するパターンが選択される確率が4%、「激アツ」表示、すなわち、ボタン演出の実行中における演出ボタン2dの操作時に「激アツ」の文字情報を表示するパターンが選択される確率が1%、に各々設定されている。
一方、疑似ボーナス状態の当選時には、ボタン演出無しが選択される確率が80%、「チャンス」表示が選択される確率が15%、「激アツ」表示が選択される確率が5%、に各々設定されている。
【0158】
チャンス役の当選時に実行される当選演出におけるボタン演出が、
図7に示す各選択率で選択される結果、疑似ボーナス状態に当選しているか否かにかかわらず、当選演出においてボタン演出が実行される確率が、比較的低い確率(20%以下)に抑制されるように選択制御が行われることとなる。
したがって、当選演出中に頻繁にボタン演出が実行されることで、ボタン演出自体の信頼度が低下してしまうことを防止することができることとなる。
【0159】
また、疑似ボーナス状態に当選していた場合には、当選していない場合よりも、当選演出においてボタン演出が実行される確率が高くなるように選択制御が行われることとなる。
したがって、当選演出中にボタン演出が実行された場合には、疑似ボーナス状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態に当選していた場合には、当選していない場合よりも、「激アツ」の文字情報が表示される確率が高くなるように選択制御が行われることとなる。
したがって、当選演出中のボタン演出により「激アツ」の文字情報が表示された場合には、疑似ボーナス状態の発生に対する遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0160】
なお、
図7では、チャンス役の当選について説明したが、チャンス役以外のレア役に当選した場合にも、当選したレア役により期待できる特典の当選有無に応じて、チャンス役の当選時と同様の傾向となるように、チャンス役の当選時と同一あるいは所定の確率値を少し異ならせた値により、当選演出時のボタン演出の選択制御が行われる。
また、本実施形態においては、チャンス役当選時の確率状態が、通常確率状態か高確率状態かにかかわらず
図7に示した選択テーブルを用いるようにしているが、チャンス役当選時の確率状態が、通常確率状態か高確率状態かに応じてボタン演出を選択する際の選択テーブルを異ならせるようにしてもよく、例えば、通常確率状態では
図7に示した選択テーブルを用い、高確率状態では、通常確率状態よりも疑似ボーナス状態の当選時・非当選時共にボタン演出の実行確率が高くなり、さらに、「チャンス」よりも「激アツ」の文字情報が選択される確率が高くなるような選択テーブルを用いるようにしてもよい。ただし、この場合でも、当選演出中のボタン演出の実行確率が、リール演出中のボタン演出の実行確率よりも低くなるような値に設定することが好ましい。
また、当選演出以外の他の演出(前兆演出、連続演出等)を特定演出として、それらの演出が実行されている所定のゲームにおいてボタン演出を実行してもよく、この場合にも、チャンス役当選時の当選演出と同様の傾向となるように、例えば、ボタン演出の実行確率が比較的低い確率(例えば、20%以下)となるように設定することが好ましい。
以上のように、チャンス役の当選時におけるボタン演出の選択制御が行われる。
【0161】
[リール演出中における通常操作態様でのボタン演出時の画像表示例]
次に、
図8を参照して、特別演出制御手段としての主制御装置10の制御により、リール4で実行されるリール演出、および主制御装置10からの制御信号に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8で実行される通常の操作態様(通常操作態様)でのボタン演出時の画像演出について説明する。
図8は、前述の
図5で示した、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のリール演出が行われるゲームにおける、リール4の表示、およびメイン表示器8で実行される演出画像を示している。
疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲーム実行中には、上記リール演出と、メイン表示器8における疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出とからなる特別演出が実行されるが、その他、副制御装置20は、前述した当選演出時と同様に、確定演出においてボタン演出を併せて実行可能としている。
【0162】
まず、
図8(a)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始されると、左リール4a、中リール4b、右リール4cの全てが一斉に逆回転を開始してリール演出が開始される。
このとき、メイン表示器8の画面主要部においては、疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出として、例えば、所定のキャラクタが喜んだ様子を示す画像(動画も含む)からなるボーナス確定演出画像40が表示される。
また、確定演出中には、ボーナス確定演出画像40の表示とともに、疑似ボーナス状態の発生を報知する「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aが、画面のやや上部であってボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
【0163】
次に、
図8(b)は、疑似ボーナス状態の移行によりリール演出が開始された所定時間(例えば、2秒)経過後のリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
図8(b)に示すように、リール演出が開始されてから所定時間経過しても、リール4の逆回転はそのまま継続している。
また、このとき、副制御装置20の制御によりボタン演出が必ず実行され、
図8(b)に示すように、メイン表示器8においてボーナス確定演出画像40の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像31aが、それまで表示されていた第1確定画像41aに替えてボーナス確定演出画像40の前方に表示されて、確定演出中のボタン演出が実行される。
【0164】
このときのボタン演出も、当選演出時と同様に、演出ボタン2dの操作を促す画像を表示し、その後、表示された演出ボタン2dが操作された場合に、新たな画像を表示する演出となっている。
また、ボタン演出は、リール演出が終了する前に実行されることとなるので、リール演出が終了する前に演出ボタン2dを操作することで、リール演出の終了後の状態を、所定の画像の表示により予告表示可能となっている。
【0165】
次に、
図8(c)は、ボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合のメイン表示器8での画像演出を主に示している。
図8(c)に示すように、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31aが消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央上部に、ボタン演出の実行に伴い消去された第1確定画像41aが再びボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
【0166】
また、ボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合には、
図8(d)に示すように、第1確定画像41a以外の画像も表示可能となっている。
図8(d)に示す例では、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31aが消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央に、「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bがボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
したがって、リール演出の終了により特定の図柄組合せが停止される前に、ビッグ疑似ボーナス状態の発生が予告報知されることとなる。
【0167】
遊技者が演出ボタン2dを操作した場合に、第1確定画像41aを表示するか、あるいは第2確定画像41bを表示するかの選択は、後述するように、副制御装置20の制御により、疑似ボーナス状態がレギュラー疑似ボーナス状態か、ビッグ疑似ボーナス状態かに応じて実行される。
したがって、第1確定画像41aあるいは第2確定画像41bの表示により、付与される特典(疑似ボーナス状態)の大きさに対する遊技者の期待感を変化させることが可能となっている。
なお、第2確定画像41bが表示された場合には、ビッグ疑似ボーナス状態の発生が確定することとなるが、第1確定画像41aが表示された場合には、レギュラー疑似ボーナス状態が確定するのではなく、ビッグ疑似ボーナス状態が発生する場合もある。
【0168】
次に、
図8(e)は、疑似ボーナス状態の発生を報知する第1確定画像41aがメイン表示器8に表示された後、リール演出が終了したとき(
図5のタイミングt8~t9の間)のリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
特に、
図8(e)は、疑似ボーナス状態としてレギュラー疑似ボーナス状態が発生する場合を示している。
【0169】
図8(e)に示すように、リール演出が終了すると、左リール4a、中リール4b、右リール4cに、「7、7、BAR」からなるレギュラー疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することとなる。
また、このとき、メイン表示器8では、ボーナス確定演出画像40と第1確定画像41aが継続して表示される。
また、このときの特定の図柄組合せは、各リール4上の表示窓6内における図柄の停止位置が、全て中段に停止した図柄で形成される中段ライン、全て上段に停止した図柄で形成される上段ライン、全て下段に停止した図柄で形成される下段ライン、左から順に上段、中段、下段に停止した図柄で形成される斜め下がりライン、左から順に下段、中段、上段に停止した図柄で形成される斜め上がりラインのうち、中段ラインに形成される。
なお、特定の図柄組合せは、中段ライン以外のラインで形成するようにしてもよい。
【0170】
一方、
図8(f)は、ビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する第2確定画像41bがメイン表示器8に表示された後、リール演出が終了したときのリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
図8(f)に示すように、リール演出が終了すると、左リール4a、中リール4b、右リール4cに、「7、7、7」からなるビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することとなる。
【0171】
また、疑似ボーナス状態の発生を報知する第1確定画像41aがメイン表示器8に表示された後であっても、「7、7、7」からなるビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することもあり、その場合には、
図8(c)に示した第1確定画像41aが、
図8(f)に示す、「7、7、7」からなる特定の図柄組合せの停止とほぼ同時に、第2確定画像41bに変化して、ビッグ疑似ボーナス状態の発生が報知される再抽選演出が実行されることとなる。
なお、本実施形態では、リール演出中に必ずボタン演出を実行するようにしているが、所定の確率(例えば、80%)でボタン演出を実行するようにしてもよく、この場合には、ボタン演出が実行されずに第1確定画像41aが、リール4が一時停止するまでメイン表示器8に表示されることとなるが、ビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止した時点で上記再抽選演出を実行するようにしてもよい。
リール演出が終了すると、その後、一時停止した状態からリール4の正回転での回転が開始されるとともに通常のゲームが開始されることとなる。
【0172】
以上のように、疑似ボーナス状態が発生すると、その最初のゲームで、リール4を逆回転(特別の変動表示)させるリール演出が実行されるとともに、メイン表示器8においてリール演出に対応した確定演出が実行されることで特別演出が実行されるので、興趣性の高い態様で疑似ボーナス状態を報知することが可能となるのである。
また、リール演出の終了により特定の図柄組合せが表示される前に、ボタン演出の実行によりビッグ疑似ボーナス状態の発生が報知されるので、ボタン演出によりビッグ疑似ボーナス状態の発生を予告報知することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることができるのである。
また、リール演出中には、ボタン演出の実行に伴い疑似ボーナス状態の種類が報知されるので、疑似ボーナス状態の種類の報知を、より興趣性の高い態様で実行することが可能となり、さらに、ボタン演出によりビッグ疑似ボーナス状態の報知が行われた場合には、遊技者自らビッグ疑似ボーナス状態を発生させたような感覚を与えることが可能となり、遊技者の歓喜を高めることが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の当選契機役であるチャンス役の当選時に当選演出が実行されることとなるが、当選演出時にボタン演出が実行された場合には、当選演出とその後のリール演出でもボタン演出が実行されることとなるので、遊技の興趣性や遊技者の期待感をさらに高めることができるのである。
【0173】
また、リール4の逆回転を伴うリール演出は、比較的長い時間を要するので、この長い時間を利用したボタン演出の実行が可能となり、遊技者は余裕をもって演出ボタン2dの操作が可能となるし、また、リール4上の「7」を狙って演出ボタン2dを操作する場合には、狙う操作を余裕をもって行わせることが可能となるのである。
以上のように、リール演出およびリール演出に対応する表示演出が行われる。
【0174】
次に、
図9を参照して、副制御装置20の制御により実行される、リール演出中におけるボタン演出時の画像選択率について説明する。
【0175】
前述したように、リール演出中には、メイン表示器8においてボタン演出が実行され、ボタン演出の実行中に演出ボタン2dを操作すると、リール演出の開始時に表示されていた「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aがそのまま維持される場合と、第1確定画像41aから「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bに変更される場合との何れかによりボタン演出が実行されることとなる。
これらボタン演出のパターンは、予め決定されている疑似ボーナス状態の種類に応じて選択されるようになっている。
なお、前述した当選演出時とは異なり、リール演出においては、当選している疑似ボーナス状態の種類にかかわらず、ボタン演出が必ず実行されるようになっている。
また、後述するが本実施形態においては、ボタン演出時に演出ボタン2dを1回操作する通常操作態様以外にも、通常操作態様とは異なる特定操作態様を要するボタン演出も実行可能となっていて、「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aがそのまま維持される場合と、第1確定画像41aから「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bに変更される場合の各々が決定された後に、ボタン演出の操作態様を変更するか否かを決定する制御が行われる。
【0176】
図9は、リール演出時におけるボタン演出時に、演出ボタン2dを操作した場合に表示される画像の選択例を示している。
図9に示すように、レギュラー疑似ボーナス状態に当選している場合には、「ボーナス確定」を維持、すなわち、リール演出の開始時に表示されていた「ボーナス確定」の表示(第1確定画像41a)を、演出ボタン2dの操作時に再度表示(そのまま維持)するパターンが選択される確率が100%、「BIGボーナス確定」に変更、すなわち、リール演出の開始時に表示されていた「ボーナス確定」の表示(第1確定画像41a)を、演出ボタン2dの操作時に「BIGボーナス確定」の表示(第2確定画像41b)に変更するパターンが選択される確率が0%、に各々設定されている。
【0177】
一方、ビッグ疑似ボーナス状態に当選している場合には、「ボーナス確定」を維持するパターンが選択される確率が40%、「BIGボーナス確定」に変更するパターンが選択される確率が60%、に各々設定されている。
なお、ボタン演出が実行されたにもかかわらず、演出ボタン2dが操作されなかった場合には、「ボーナス確定」の文字情報が維持される。
また、ビッグ疑似ボーナス状態に当選している場合には、「ボーナス確定」を維持するパターンが選択された場合でも、リール演出の終了時には「BIGボーナス確定」の文字情報に変更される(
図8(c)から
図8(f)に移行するパターン)。
【0178】
リール演出時におけるボタン演出時の画像選択率が、
図9に示す各選択率で選択される結果、レギュラー疑似ボーナス状態に当選している場合には、「BIGボーナス確定」の文字情報に変更されることはなく、一方、ビッグ疑似ボーナス状態に当選している場合には、比較的高い確率で「BIGボーナス確定」の文字情報に変更されることとなる。
したがって、レギュラー疑似ボーナス状態に当選しているにもかかわらず、「BIGボーナス確定」の文字情報に変更されることで遊技者に不信感を与えることを防止することができる一方で、ビッグ疑似ボーナス状態に当選している場合には、比較的高い確率で「BIGボーナス確定」の文字情報に変更されるので、最後までビッグ疑似ボーナス状態の発生に対する遊技者の期待感を維持させることができるのである。
【0179】
また、ビッグ疑似ボーナス状態に当選している場合でも、ある程度の確率(極めて低い確率ではない確率)で「ボーナス確定」の文字情報が維持されるので、演出ボタン2dの操作時に「BIGボーナス確定」の文字情報に変更されない場合でも、ビッグ疑似ボーナス状態への当選の可能性が残ることとなり、遊技者の期待感がその時点で低下してしまうことを防止できるのである。
【0180】
なお、本実施形態においては、リール演出の実行時には必ず(100%の確率で)ボタン演出を実行するようにしているが、必ず実行しなくてもよく、少なくとも前述したチャンス役(特定役)の当選時に実行される当選演出時にボタン演出が実行される確率(20%)よりも高い確率(例えば、60%)になっていれば何れの確率でもよい。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、特別演出としてのリール演出が実行されている場合には、リール演出とは異なる所定の演出(当選演出)が実行されている場合よりも、所定の操作演出(ボタン演出)の実行確率が高まるように当該所定の操作演出の制御を行うのである。
【0181】
これは、当選演出時には、特典が付与されるか否かがまだ確定していないので、徒にボタン演出を実行してしまうと、ボタン演出自体の期待度が低下してしまうが、リール演出時には、既に特典の付与が決定されているので、ボタン演出の実行確率を高めても、期待度の変化に対する影響はそれほどないばかりか、歓喜している遊技者に対して、新たな楽しみを与えることが可能となるからである。
したがって、特別演出が実行されている場合には、相対的にボタン演出の実行確率が高まることとなり、特別演出の興趣性が向上することともに、遊技者の期待感を向上させることができるのである。
【0182】
また、リール演出(特別演出)が実行されている場合に、当選演出が実行されている場合よりもボタン演出の実行確率が高まるようになれば、上記以外でもよく、例えば、当選演出における疑似ボーナス状態の非当選と当選時の実行確率を合算した場合の平均ボタン演出実行確率と、リール演出におけるビッグ疑似ボーナス状態とレギュラー疑似ボーナス状態の実行確率を合算した場合の平均ボタン演出実行確率を比較して、リール演出における平均ボタン演出実行確率の方が当選演出における平均ボタン演出実行確率よりも高まるようにしてもよい。
【0183】
また、例えば、当選演出における疑似ボーナス状態の非当選(あるいは当選時)のボタン演出実行確率と、リール演出におけるレギュラー疑似ボーナス状態(あるいはビッグ疑似ボーナス状態)の当選時のボタン演出実行確率を比較して、リール演出におけるレギュラー疑似ボーナス状態(あるいはビッグ疑似ボーナス状態)の当選時のボタン演出実行確率の方が当選演出における疑似ボーナス状態の非当選(あるいは当選時)のボタン演出実行確率よりも高まるようにしてもよい。
また、例えば、後述するようにボタン演出時の演出ボタン2dの操作態様として、通常操作態様と特定操作態様とを設けて、当選演出における通常操作態様(あるいは特定操作態様)でのボタン演出実行確率と、リール演出における通常操作態様(あるいは特定操作態様)でのボタン演出実行確率を比較して、リール演出における通常操作態様(あるいは特定操作態様)でのボタン演出実行確率の方が当選演出における通常操作態様(あるいは特定操作態様)でのボタン演出実行確率よりも高まるようにしてもよい。
以上のように、リール演出中におけるボタン演出時の画像選択制御が行われる。
【0184】
[リール演出中における特定操作態様でのボタン演出時の画像表示例]
次に、リール演出中に実行されるボタン演出時における演出ボタン2dの操作態様に関して、別の操作態様である特定操作態様でのボタン演出について
図10を参照して説明する。
前述したように、リール演出中においてはボタン演出が実行されるが、このときの演出ボタン2dの操作態様は、演出ボタン2dの操作が促された場合に、演出ボタン2dを1回操作すれば、予め定められている画像が表示されるようになっているが、演出ボタン2dの操作態様は、1回の操作態様以外でもよく、
図10に示すような演出ボタン2dに対する特定操作態様に基づき所定の画像を表示するようにしてもよい。
なお、
図10は、前述した
図8で説明したリール演出中にボタン演出が実行されてからの状態を示している。したがって、ボタン演出が実行される前の説明は省略する。
【0185】
また、ボタン演出時の演出ボタン2dの操作態様を通常操作態様にするか、あるいは特定操作態様にするかの決定は、前述のリール演出中におけるボタン演出時の画像選択において、「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aがそのまま維持される場合と、第1確定画像41aから「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bに変更される場合の各々が決定された後に実行され、第1確定画像41aがそのまま維持される場合と、第1確定画像41aから第2確定画像41bに変更される場合の各々において所定の確率で特定操作態様でのボタン演出を決定するようにしている。
このときの決定される特定操作態様でのボタン演出の実行確率は、第1確定画像41aがそのまま維持される場合よりも第1確定画像41aから第2確定画像41bに変更される場合の方が高くなるようにすることが好ましく、このようにすれば、特定操作態様でのボタン演出が実行された場合に、第1確定画像41aから第2確定画像41bに変更される期待度が高まるようになる。
【0186】
図10(a)は、疑似ボーナス状態の移行によりリール演出が開始された所定時間(例えば、2秒)経過後のリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
図10(a)に示すように、リール演出が開始されてから所定時間経過しても、リール4の逆回転はそのまま継続している。
また、このとき、副制御装置20の制御により特定操作態様によるボタン演出の実行が決定されていると、
図10(a)に示すように、メイン表示器8においてボーナス確定演出画像40の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像31aが、それまで表示されていた第1確定画像41aに替えてボーナス確定演出画像40の前方に表示されて、ボタン演出が実行される。
【0187】
また、ボタン演出が実行されると、操作画像31aの右側の近傍位置に、「連打」の文字情報からなる特定操作態様画像31bが表示されて、演出ボタン2dの押圧操作と非押圧操作を複数回繰り返すことが促されて、所謂連打演出が実行される。
また、操作画像31aの下部には、連打演出の実行可能期間を示す、メーター画像31cが表示され、連打演出の実行可能期間が報知される。
メーター画像31cは、左側の領域(黒色部分)が連打演出の実行時間の経過とともに右側に増加していくようなメーター値を示していて、予め定められている連打演出の実行可能時間が終了するとメーター値が右側端部に到達するようになっている。
また、メーター画像31cの下部には、第2確定画像41bと第1確定画像41aが上下に並んだ状態で表示される。
【0188】
そして、ボタン演出(連打演出)が開始されると、メーター画像31cのメーター値が右側に移動するとともに、演出ボタン2dの押圧操作毎に、第2確定画像41bが第1確定画像41aを徐々に下方側へ押し退けるような演出が行われ、連打演出の実行可能時間(例えば、5秒)内の複数回の押圧操作により完全に第2確定画像41bが第1確定画像41aを押し退けた場合には、
図10(c)に示すように、操作画像31a、特定操作態様画像31bおよびメーター画像31cが消去されるとともに第2確定画像41bが画面のやや上部に表示されて、「BIGボーナス確定」の文字情報が確定的に報知されることとなる。
【0189】
一方、連打演出の実行可能時間(例えば、5秒)内に複数回の押圧操作を行っても完全に第2確定画像41bが第1確定画像41aを押し退けられなかった場合には、
図10(b)に示すように、操作画像31a、特定操作態様画像31bおよびメーター画像31cが消去されるとともに第1確定画像41aが画面のやや上部に表示されて、「ボーナス確定」の文字情報が確定的に報知されることとなる。
なお、連打演出の結果により確定表示される第1確定画像41aあるいは第2確定画像41bは、前述した
図9で示した選択確率での抽選により予め決定されているので、連打演出の実行可能時間内に可能な限り演出ボタン2dを押圧操作しても、第1確定画像41aの表示(維持)が決定している場合には、第2確定画像41bが表示(変更)されることはない。
同様に、連打演出の実行可能時間内に予め定められている回数分の演出ボタン2dの押圧操作を行わなければ、第2確定画像41bの表示(変更)が決定している場合でも、第1確定画像41aが表示(維持)される。この場合には、リール演出の終了時に第1確定画像41aから第2確定画像41bへの変更表示が行われる。
【0190】
なお、本実施形態においては、リール演出中にボタン演出を実行する際に、第1特定操作演出としての演出ボタン2dの特定操作態様での操作を要するボタン演出と、前述した通常操作演出としての演出ボタン2dを1回の操作する通常の操作態様を要するボタン演出とを、副制御装置20の制御により、選択的に実行するようにしている。
そして、異なる操作態様によるボタン演出を選択的に実行する場合、特典(例えば、疑似ボーナス状態)が付与される場合には、付与されない場合よりも、通常の操作態様での操作を要するボタン演出よりも、特定操作態様での操作を要するボタン演出の実行確率を高めるようにしている。したがって、特定操作態様での操作を要するボタン演出が実行された場合、特典の付与に対する期待度が高くなるのである。
【0191】
また、演出ボタン2dの特定操作態様での操作を要するボタン演出(第1特定操作演出)は、リール演出以外の演出(例えば、当選演出)でも実行可能としている。ただし、リール演出以外の演出(例えば、当選演出)中に、第1特定操作演出を実行する場合には、リール演出中に第1特定操作演出が実行される確率よりも低い確率で実行されるようになっている。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、特別演出としてのリール演出が実行されている場合には、当選演出が実行されている場合よりも、第1特定操作演出の実行確率が高まるように当該第1特定操作演出の制御を行うのである。
これは、例えば、当選演出時には、特典が付与されるか否かがまだ確定していないので、徒に第1特定操作演出を実行してしまうと、第1特定操作演出自体の期待度が低下してしまうが、リール演出時には、既に特典の付与が決定されているので、第1特定操作演出の実行確率を高めても、期待度の変化に対する影響はそれほどないばかりか、歓喜している遊技者に対して、新たな楽しみを与えることが可能となるからである。
【0192】
以上のように、特定操作態様での操作を要するボタン演出が実行されるので、演出内容に対する遊技者の介入率が高くなり、興趣性の高い遊技を実行することができるのである。
また、リール演出は所定時間内に実行されることから、この時間制限下で、連打演出の実行可能時間を設定することで、リール演出の実行時間を利用して効率よく連打演出を実行することが可能となる。また、例えば、極めて長時間演出ボタン2dの押圧操作を繰り返すといった行為も防止でき、遊技を適正に進行する上でも効果的となるのである。
【0193】
なお、演出ボタン2dに対する特定操作態様は、上記した演出ボタン2dの押圧操作と非押圧操作を複数回繰り返すもの以外でもよく、例えば、演出ボタン2dの押圧操作時間を所定時間継続する、所謂長押し演出でもよく、通常の操作態様とは異なる操作態様であれば何れでもよい。長押し演出でも実行可能時間を設定すれば、上記連打演出と同様の効果を得ることができる。
以上のように、演出ボタン2dの特定操作態様での操作を要するボタン演出が実行される。
【0194】
[リール演出中における上部演出ボタンの操作を要するボタン演出時の画像表示例]
次に、リール演出中に実行されるボタン演出に関して、前述した操作手段とは別の操作手段の操作を要するボタン演出について
図11を参照して説明する。
前述した実施形態では、リール演出中にボタン演出が実行された場合に、演出ボタン2dの操作を促す画像が表示されて、演出ボタン2dを操作すると、予め定められている画像が表示されるようになっているが、ボタン演出時に使用される操作手段は、演出ボタン2d以外に、
図11に示すように、上部演出ボタン2fを使用する場合もあり、上部演出ボタン2fの操作を促すボタン演出も実行可能となっている。
なお、
図11は、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始されてボーナス確定演出画像40が表示された後、ボタン演出が実行された時点までの状態を示している。したがって、ボタン演出の実行中のその他の状態についての説明は省略する。
【0195】
まず、
図11(a)に示すように、前述同様、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始されると、左リール4a、中リール4b、右リール4cの全てが一斉に逆回転を開始してリール演出が開始される。
このとき、メイン表示器8の画面主要部においては、疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出として、例えば、所定のキャラクタが喜んだ様子を示す画像(動画も含む)からなるボーナス確定演出画像40が表示される。
また、確定演出中には、ボーナス確定演出画像40の表示とともに、疑似ボーナス状態の発生を報知する「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aが、画面のやや上部であってボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
【0196】
次に、
図11(b)は、疑似ボーナス状態の移行によりリール演出が開始された所定時間(例えば、2秒)経過後のリール4およびメイン表示器8の状態を示している。
図11(b)に示すように、リール演出が開始されてから所定時間経過しても、リール4の逆回転はそのまま継続している。
また、このとき、副制御装置20の制御によりボタン演出が必ず実行されるが、このときのボタン演出が演出ボタン2dの操作を要するボタン演出として決定されると、前述同様に、
図11(b)に示すように、メイン表示器8においてボーナス確定演出画像40の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像31aが、それまで表示されていた第1確定画像41aに替えてボーナス確定演出画像40の前方に表示されて、確定演出中のボタン演出が実行される。
なお、操作が促された演出ボタン2dが操作された場合には、「ボーナス確定」あるいは「BIGボーナス確定」の何れかの文字情報が表示されるが、前述同様であるので、ここでは省略する。
【0197】
一方、このとき、副制御装置20の制御により上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出の実行が決定されると、
図11(c)に示すように、メイン表示器8においてボーナス確定演出画像40の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に上部演出ボタン2fを模した上部演出ボタン操作画像33が、それまで表示されていた第1確定画像41aに替えてボーナス確定演出画像40の前方に表示されて、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行される。
なお、上部演出ボタン操作画像33は、上部演出ボタン2fの操作を促す操作ボタンを模した画像と、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)とから構成されるが、上部演出ボタン2fを模した画像は、実際の上部演出ボタン2fの操作部の配色と同様の配色(図示斜線部)となっていて、演出ボタン2dを模した操作画像31aの配色(例えば、白色)との違いを明確にしている。
【0198】
このときのボタン演出も、演出ボタン2dの操作を促すときと同様に、操作が促された上部演出ボタン2fが操作された場合に、「ボーナス確定」あるいは「BIGボーナス確定」の何れかの文字情報が表示される演出となっている。
また、ボタン演出は、リール演出が終了する前に実行されることとなり、リール演出が終了する前に上部演出ボタン2fを操作して何れかの文字情報が予告表示されることとなる。
【0199】
なお、リール演出中にボタン演出を実行する際には、通常のボタン演出(通常操作演出)としての演出ボタン2dの操作を要するボタン演出と、第2特定操作演出としての上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出とが、副制御装置20の制御により、選択的に実行される。
そして、異なる操作手段の操作を要するボタン演出を選択的に実行する場合には、演出ボタン2dの操作を要するボタン演出よりも、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行された場合の方が、特典(例えば、疑似ボーナス状態)が付与される確率が高くなるようにボタン演出の選択制御が行われる。したがって、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行された場合、特典の付与に対する期待度が高くなるのである。
【0200】
また、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出は、リール演出以外の演出(例えば、当選演出)でも実行可能となっている。ただし、リール演出以外の演出(例えば、当選演出)中に、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出を実行する場合には、リール演出中に上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行される確率よりも低い確率で実行するようになっている。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、特別演出としてのリール演出が実行されている場合には、リール演出とは異なる演出(当選演出)が実行されている場合よりも、第2特定操作演出の実行確率が高まるように当該第2特定操作演出の制御を行うのである。
【0201】
これは、例えば、当選演出時には、特典が付与されるか否かがまだ確定していないので、徒に上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出を実行してしまうと、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出自体の期待度が低下してしまうが、リール演出時には、既に特典の付与が決定されているので、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出の実行確率を高めても、期待度の変化に対する影響はそれほどないばかりか、歓喜している遊技者に対して、新たな楽しみを与えることが可能となるからである。
【0202】
以上のように、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行されるので、斬新なボタン演出が実行されることとなり、興趣性の高い遊技を実行することができるのである。
また、上部演出ボタン2fは演出ボタン2dよりもリール4から離れた位置に配設されているので、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行される場合には、演出ボタン2dの操作を要するボタン演出が実行される場合よりも、遊技者は大きく腕を伸ばして操作する必要があるが、リール演出は比較的長時間を要する演出となっているので、この長時間を要するリール演出を利用して上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行されることとなり、遊技者は余裕をもって上部演出ボタン2fの操作を行うことが可能となるのである。
【0203】
なお、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出を実行する場合に、上部演出ボタン2fの押圧操作と非押圧操作を複数回繰り返す連打演出や、上部演出ボタン2fの押圧操作時間を所定時間継続する長押し演出を実行するようにしてもよく、この場合、大きく腕を伸ばす必要のある上部演出ボタン2fの操作を、さらに連打したり長押ししたりする必要が生じるが、リール演出は比較的長時間を要するので、遊技者は余裕をもって上部演出ボタン2fの操作(連打や長押し)を行うことが可能となるのである。
以上のように、上部演出ボタン2fの操作を要するボタン演出が実行される。
【0204】
<変形例>
次に、リール演出中の変形例として、リール演出中におけるサブ表示器17での演出について、
図12~
図14を参照して説明する。
なお、本変形例においては、前述した実施形態における、連続演出中、リール演出中、疑似ボーナス状態中にサブ表示器17で実行される演出が異なるのみであり、その他は前述した実施形態と同様となっている。
また、前述した本実施形態においては、リール演出中にサブ表示器17では、メイン表示器8で実行されている演出に対応する演出として、疑似ボーナス状態の発生を装飾する演出や報知効果を高めるような演出を行っているが、変形例においては、副制御装置20は、リール演出が実行されている間に、サブ表示器17において、リール演出に対応する演出とは異なる演出を実行するようにしている。
【0205】
すなわち、リール4において逆回転が実行されるリール演出中には、メイン表示器8において疑似ボーナス状態の発生を報知する確定演出が実行されるが、このときサブ表示器17において、確定演出と併行して当該確定演出とは異なる特定演出を実行可能としている。
サブ表示器17において実行される特定演出には、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームの実行時における抽選手段の抽選結果に基づき実行されるものと、疑似ボーナス状態の発生前に実行されたゲームの実行時における抽選手段の抽選結果に基づき実行されるものとがある。
【0206】
[疑似ボーナス状態の1ゲーム目に通常操作態様でのボタン演出が行われる場合の画像表示例]
まずは、
図12を参照して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームの実行時に、主制御装置10での抽選結果が所定のレア役(例えば、チャンス役)の当選結果となった場合における、副制御装置20の制御により実行される特定演出について説明する。
図12は、前述の
図5で示した、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のリール演出が行われるゲームにおける、リール4の表示、およびメイン表示器8とサブ表示器17で実行される画像演出を示している。
前述した実施形態と同様に、変形例においても、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲーム開始から所定時間経過後まではゲームの進行が中断されて、その間では、上記リール演出と、メイン表示器8における疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出とからなる特別演出が実行され、さらに、確定演出においてはボタン演出が併せて実行されるが、
図12では、メイン表示器8においてボタン演出が開始した時点からの画像演出を示している。
【0207】
まず、
図12(a)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始されてから所定時間(例えば、2秒)経過後には、左リール4a、中リール4b、右リール4cの全てが一斉に逆回転してリール演出が実行されている。
このとき、メイン表示器8の画面主要部においては、疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出が実行されてボーナス確定演出画像40が表示される。
また、このとき、副制御装置20の制御により確定演出でのボタン演出の実行が決定されると、メイン表示器8においてボーナス確定演出画像40の他に、メイン表示器8の画面のやや上部に演出ボタン2dを模した操作画像31aが、それまで表示されていた第1確定画像41a(
図8参照)に替えてボーナス確定演出画像40の前方に表示されて、確定演出中のボタン演出が実行される。
【0208】
一方、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームの実行時の主制御装置10での抽選により、例えば、チャンス役に当選すると、リール演出とメイン表示器8での確定演出からなる特別演出と併行して、チャンス役に当選したことを予告報知する、2つの感嘆符の記号からなる予告画像35が、サブ表示器17のやや上部に表示されて特定演出が実行される。
また、このときチャンス役の当選によりボタン演出を伴う当選演出を実行することが抽選により選択(
図7参照)されると、サブ表示器17における予告画像35の下部に、ボタン演出が実行されることを予告報知する、演出ボタン2dを模した画像と「待機」の文字情報からなる予告操作画像34aが特定演出中に表示される。
【0209】
予告操作画像34は、現時点ではボタン演出は未実行であるが、その後にボタン演出が実行されることを報知するものとなっている。したがって、演出ボタン2dを模した画像の内側には、ボタン演出の実行中に通常表示される「PUSH」の文字情報に替えて、「待機」の文字情報が表示され、現時点ではボタン演出が未だ待機中であることを報知するようになっている。
つまり、特別演出中は、リール4は回転しているがゲームの進行が一時的に中断している状態なので、この特定演出の実行により、その後にゲームの進行の中断が解除されてリール4の停止操作が可能となる時点での演出を事前に報知するために、予告画像35や予告操作画像34aが表示されて予告報知が実行されるのである。
すなわち、特定演出制御手段としての副制御装置20は、特定演出としての予告画像35や予告操作画像34aの表示により、特別演出の終了後に第2の特典としてチャンス役に当選となるゲームが実行されることを予告報知可能に構成されているのである。
【0210】
また、確定演出におけるボタン演出に対して演出ボタン2dを操作していない状態では、
図12(a)に示すように、操作画像31aと予告操作画像34aの2つの操作画像が同時に表示されることとなるが、予告操作画像34aはボタン演出の未実行を示すので、リール演出中は、副制御装置20が確定演出でのボタン演出に対してのみ演出ボタン2dを有効としている。
なお、リール演出中に、サブ表示器17に予告操作画像34aを表示せずに、予告画像35のみを表示してもよい。
【0211】
次に、
図12(b)は、確定演出でのボタン演出の実行により、遊技者が演出ボタン2dを操作した場合の、リール4の表示、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出を示していて、特に、ビッグ疑似ボーナス状態の発生が報知される場合を示している。
図12(b)に示すように、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31aが消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央に、「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bがボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
一方、この状態では、まだ特別演出中であるので、サブ表示器17には、予告画像35と予告操作画像34aが継続して表示される。
【0212】
次に、
図12(c)は、疑似ボーナス状態の発生を報知する第1確定画像41aがメイン表示器8に表示された後、リール演出が終了したとき(
図5のタイミングt8~t9の間)のリール4の表示、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出を示している。
図12(c)に示すように、リール演出が終了すると、左リール4a、中リール4b、右リール4cに、「7、7、7」からなるビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することとなる。
一方、この状態でも、まだ特別演出中であるので、サブ表示器17には、予告画像35と予告操作画像34aが継続して表示される。
【0213】
次に、
図12(d)に示すように、リール演出(特別演出)が終了すると、リール4が一時停止した状態から正回転による回転が開始されるとともに、ゲームの進行の一時中断が解除されて、リール4の停止(停止ボタン5の操作)が有効となり、通常のゲームが開始されることとなる。
そして、通常のゲームが開始されると、サブ表示器17に表示されていた予告画像35と予告操作画像34aが消去される。
【0214】
また、通常のゲームが開始されると、サブ表示器17の予告画像35と予告操作画像34aの消去に対応して、メイン表示器8において、チャンス役の当選に対応する当選演出が実行されて、当選演出画像30が疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲーム実行中に表示されるとともに、当選演出でのボタン演出の実行により操作画像31aが当選演出画像30の前面側に表示されて、演出ボタン2dの操作が有効となる。
すなわち、「待機」の文字情報を含む予告操作画像34aの消去に対応して、「PUSH」の文字情報を含む操作画像31aが表示されることで、それまで待機していたボタン演出の待機状態が解除されて実際にボタン演出が実行されることが報知されるのである。
【0215】
このように、リール演出(特別演出)が終了して通常のゲームが開始されると、それまで表示されていたサブ表示器17での予告画像35に対応して、メイン表示器8での当選演出画像30が表示され、同様に、それまで表示されていたサブ表示器17での予告操作画像34aに対応してメイン表示器8での当選演出時の操作画像31aが表示されることとなる。
その後、疑似ボーナス状態中における通常のゲームの開始に伴い当選演出が実行されて、演出ボタン2dが操作された場合には、前述同様にメイン表示器8に第1チャンスアップ画像32aあるいは第2チャンスアップ画像32b(
図6参照)の何れかが表示されることとなる。
なお、予告操作画像34aの消去に対応して操作画像31aを表示する際に、メイン表示器8およびサブ表示器17において、演出ボタン2dを模した画像が移動したことを示す所定のエフェクト画像や、所定のキャラクタが演出ボタン2dを模した画像をサブ表示器17からメイン表示器8に向けて放り投げるような演出画像(動画)を表示するようにしてもよい。
【0216】
以上のように、本変形例においては、副制御装置20の制御により、疑似ボーナス状態が開始される1ゲーム目のゲーム、すなわち、特別演出としてのリール演出が実行されるゲームにおいて、主制御装置10による第2の特典の付与としての所定のレア役(例えば、チャンス役)の当選に基づき、特別演出と併行して、サブ表示器17に予告画像35や予告操作画像34aが表示されて特定演出が実行されることとなる。
すなわち、副制御装置20は、決定手段としての主制御装置10が第2の特典を付与することを決定したことに基づき、所定のゲーム(特別演出が実行されるゲーム)において、特定演出を特別演出と併行して実行させることが可能な特定演出制御手段を構成するのである。
したがって、予め特別演出の実行が決定されているゲームにおいて、特別演出とは異なる特定演出も併行して実行することが可能となるので、付与される価値の異なる2つの特典に対する演出を同時に実行させることができ、その分遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0217】
また、特定演出の実行により、ゲームの進行の中断が解除されてリール4の停止操作が可能となる時点での演出を事前に報知(予告報知)されることとなるので、疑似ボーナス状態の発生により歓喜している遊技者に対して、さらに期待感を向上させることが可能となるのである。
すなわち、疑似ボーナス状態中にレア役に当選した場合には、AT状態の抽選が有利に行われることとなるので、まだ通常のゲームが開始されてない特別演出中から、AT状態の抽選に対する期待感を長時間向上させることが可能となるのである。
また、特別演出の実行中において、特別演出の終了後にチャンス役に当選となるゲームが実行されることが予告報知されるので、遊技者に対して、特別演出に対する期待感に加えて、その後の状態に対する期待感も高めることが可能となるのである。
【0218】
また、特別演出(確定演出)は、第1表示手段としてのメイン表示器8で実行され、特定演出は第2表示手段としてのサブ表示器17で実行されることとなる。
したがって、別々の表示手段において、特別演出と特定演出が実行されることとなり、各々の演出をより多彩に実行することが可能となるとともに、異なる2つの演出に対して遊技者が明確に認識できるような演出を実行することが可能となるのである。
【0219】
また、メイン表示器8での特別演出(確定演出)が終了した場合に、メイン表示器8において、第2の特典の付与としてのレア役の当選に関連した当選演出が実行されることとなる。
したがって、サブ表示器17における予告演出に引き続いて、当該予告演出に対応する当選演出がメイン表示器8において実行されることとなり、ゲームの進行の中断が解除されるタイミングに対応して、レア役の当選に対応した演出が、予告演出から当選演出に変更されることとなり、より分かり易い形で演出を進行させることが可能となるのである。
【0220】
また、特別演出が実行されるゲームにおいて、主制御装置10が第2の特典の付与として所定のレア役(例えば、チャンス役)を当選させた場合に、当該ゲームにおいて、特別演出と併行して、サブ表示器17に予告画像35や予告操作画像34aが表示されて特定演出が実行されることとなる。
すなわち、特定演出制御手段としての副制御装置20は、主制御装置10が、特別演出が実行されるゲームにおいて第2の特典を付与することを決定した場合に、当該ゲームにおいて、特定演出を特別演出と併行して実行させるのである。
したがって、特別演出が実行されるゲームにおいて第2の特典の付与が決定された場合でも、確実に特定演出を実行することが可能となるのである。
【0221】
また、1回のゲームにおいて、確定演出でのボタン演出と、当選演出でのボタン演出が立て続けに実行されることとなり、極めて興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
また、実際には、1回のゲームにおいて確定演出と当選演出が連続して実行されていることに対して、その前半部でサブ表示器17において後半部に対する予告報知が行われるので、特別演出の終了を挟んであたかも2回のゲームが実行されているような状態を形成することが可能となり、極めて斬新な遊技を実行することが可能となるのである。
【0222】
なお、特定演出は、特別演出と併行して実行されるものであれば、特別演出が実行されている期間全てで実行されるものでもよいし、特別演出が実行されている期間の一部で実行されるものでもよい。
また、上記実施形態では、チャンス役に当選した場合を例示しているが、その他のレア役、あるいはベル役やリプレイ役の当選に基づき、サブ表示器17に予告画像35や予告操作画像34aを表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、チャンス役に当選した場合に必ずサブ表示器17に予告画像35や予告操作画像34aを表示するようにしているが、所定の確率で予告画像35や予告操作画像34aを表示するようにしてもよい。この場合、AT状態の抽選に当選した場合には当選していない場合よりも、高い確率で予告画像35や予告操作画像34aを表示するようにしてもよい。
【0223】
また、チャンス役に当選した場合に、ボタン演出の実行が決定されなかった場合には、サブ表示器17に予告画像35のみが表示される。
以上のように、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームでレア役に当選した場合の演出が実行される。
【0224】
[疑似ボーナス状態の1ゲーム目に特定操作態様でのボタン演出が行われる場合の画像表示例]
次に、
図13を参照して、本変形例において、疑似ボーナス状態の1ゲーム目の特別演出の終了後に、前述したボタン演出とは異なる操作態様で実行される連打演出について説明する。
本変形例においては、
図13に示すように、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてレア役として、例えば、チャンス役の当選に基づき当選演出を実行する場合に、演出ボタン2dに対する通常の操作態様での操作を要する通常操作演出の他に、演出ボタン2dに対する特定操作態様での操作を要する特定操作演出(連打演出、長押し演出)と、を実行可能としている。
なお、通常操作演出と特定操作演出との選択に関しては、特定操作演出が実行された場合には、通常操作演出が実行された場合よりも、AT状態に当選している確率が高くなるような選択制御が副制御装置20により行われる。
【0225】
まずは、
図13(a)は、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームの実行時に、主制御装置10での抽選結果がチャンス役に当選結果となった場合において、メイン表示器8での確定演出におけるボタン演出が終了した時点、すなわち、メイン表示器8に、第2確定画像41bが表示された時点の、リール4の表示、およびメイン表示器8とサブ表示器17で実行される画像演出を示している。
したがって、それ以前におけるメイン表示器8の画像演出は前述同様(
図12(a)参照)であるので、ここでは省略する。
【0226】
図13(a)に示すように、遊技者が演出ボタン2dを操作すると、操作画像31a(
図12(a)参照)が消去されて替わりに、メイン表示器8の画面略中央に、「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bがボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
また、サブ表示器17に、当選演出の実行を予告する予告画像35と、ボタン演出の実行を予告する予告操作画像34aと、さらに、演出ボタン2dに対する特定操作態様での操作を要するボタン演出が実行されることを予告する、「連打待機」の文字情報からなる予告操作態様画像34bが予告操作画像34aの下部に、特別演出の開始時から表示される。
【0227】
これらサブ表示器17に表示された予告画像35、予告操作画像34a、予告操作態様画像34bにより、特別演出の終了後に通常のゲームへ移行してからボタン演出を伴う当選演出が実行され、さらに、当該ボタン演出が、演出ボタン2dに対する特定操作態様での操作を要するボタン演出となることが予告報知されることとなる。
すなわち、前述同様に、予告操作画像34の表示により、現時点ではボタン演出が未だ待機中であることが報知されるが、その他に、「連打待機」の文字情報からなる予告操作態様画像34bが表示されることで、特定操作態様での操作を要するボタン演出が待機中であることが報知されるのである。
【0228】
次に、
図13(b)は、疑似ボーナス状態の発生を報知する第1確定画像41aがメイン表示器8に表示された後、リール演出が終了したときのリール4の表示、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出を示している。
図13(b)に示すように、リール演出が終了すると、左リール4a、中リール4b、右リール4cに、「7、7、7」からなるビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することとなる。
一方、この状態でも、まだ特別演出中であるので、サブ表示器17には、予告画像35、予告操作画像34a、および予告操作態様画像34bが継続して表示される。
【0229】
次に、
図13(c)に示すように、リール演出(特別演出)が終了すると、リール4が一時停止した状態から正回転による回転が開始されることとなるが、
図13(c)に示す例では、通常のゲームへの移行時に、一時停止していたリール4を一斉に半コマ程度低速度で逆回転させるとともに、その位置でリール4を一時停止させる所謂リールロック演出が実行される。
したがって、特定の図柄組合せが揃った状態のまま、リール4の上段と中段の中間位置に移動した時点で所定時間(例えば、1秒)一時停止するようなリール4を使用したリールロック演出が、リール演出に引き続いて実行されることとなる。
そして、その後、リール4の各々が、開始タイミングをずらして正回転での回転を開始することとなる。
【0230】
また、リール演出に引き続いて行われるリールロック演出は、リール演出が終了してからリール4が正回転での回転が開始するまで継続し、このリールロック演出が実行される間は、リール演出中と同様にゲームの進行は中断することとなる。
そして、リールロック演出の終了に基づきリール4の正回転での回転が開始され、リール4の正回転での回転の開始に伴いゲームの進行の一時中断が解除されて、リール4の停止(停止ボタン5の操作)が有効となる。
また、リールロック演出が開始されると、ゲームの進行は中断したままであるが、通常のゲームへは移行しているので、サブ表示器17に表示されていた予告画像35、予告操作画像34aおよび予告操作態様画像34bは消去される。
【0231】
また、リールロック演出が開始されると、サブ表示器17の予告画像35、予告操作画像34aおよび予告操作態様画像34bの消去に対応して、メイン表示器8において、チャンス役の当選に対応する当選演出が実行されて、当選演出画像30が疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲーム実行中に表示されるとともに、当選演出でのボタン演出の実行により操作画像31aが当選演出画像30の前面側に表示されて、演出ボタン2dの操作が有効となる。
すなわち、
図13(b)に示したリール4に特定の図柄組合せが一時停止した状態から、
図13(c)に示したリール4が逆回転での回転を開始したタイミングで、ボタン演出が開始されて演出ボタン2dの操作が有効となるのである。
【0232】
また、ボタン演出が実行されると、操作画像31aの右側近傍位置に、「連打」の文字情報からなる特定操作態様画像31bが表示されて、演出ボタン2dの押圧操作と非押圧操作を複数回繰り返すことが促されて、所謂連打演出が実行される。
また、操作画像31aの下部には、連打演出の実行可能期間を示す、メーター画像31cが表示され、連打演出の実行可能期間が報知される。
メーター画像31cは、左側の領域(黒色部分)が連打演出の実行時間の経過とともに右側に増加していくようなメーター値を示していて、予め定められている連打演出の実行可能時間が終了するメーター値が右側端部に到達するようになっている。
また、メーター画像31cの下部には、第1チャンスアップ画像32aと第2チャンスアップ画像32bが上下に並んだ状態で表示される。
【0233】
そして、ボタン演出(連打演出)が開始されると、メーター画像31cのメーター値が右側に移動するとともに、演出ボタン2dの押圧操作毎に、第2チャンスアップ画像32bが第1チャンスアップ画像32aを徐々に下方側へ押し退けるような演出が行われ、連打演出の実行可能時間(例えば、5秒)内の複数回の押圧操作により完全に第2チャンスアップ画像32bが第1チャンスアップ画像32aを押し退けた場合には、
図13(e)に示すように、操作画像31a、特定操作態様画像31bおよびメーター画像31cが消去されるとともに第2チャンスアップ画像32bが画面のやや上部に表示されて、「激アツ」の文字情報が確定的に報知されることとなる。
【0234】
一方、連打演出の実行可能時間(例えば、5秒)内に複数回の押圧操作を行っても完全に第2チャンスアップ画像32bが第1チャンスアップ画像32aを押し退けられなかった場合には、
図13(d)に示すように、操作画像31a、特定操作態様画像31bおよびメーター画像31cが消去されるとともに第1チャンスアップ画像32aが画面のやや上部に表示されて、「チャンス」の文字情報が確定的に報知されることとなる。
なお、連打演出の結果により確定表示される第1チャンスアップ画像32aあるいは第2チャンスアップ画像32b、前述した
図7で示した選択確率での抽選により予め決定されているので、連打演出の実行可能時間内に可能な限り演出ボタン2dを押圧操作しても、第1チャンスアップ画像32aの表示が決定している場合には、第2チャンスアップ画像32bが表示されることはない。
同様に、連打演出の実行可能時間内に予め定められている回数分の演出ボタン2dの押圧操作を行わなければ、第2チャンスアップ画像32bの表示が決定している場合でも、第1チャンスアップ画像32aが表示される。
【0235】
以上のように、疑似ボーナス状態が開始される1ゲーム目のゲームにおける特別演出が実行されているときに、特別演出と併行して、サブ表示器17に予告画像35と予告操作画像34aの他に、予告操作画像34aが表示されて特定演出が実行されることとなる。
したがって、予め特別演出の実行が決定されているゲームにおいて、特別演出とは異なる特定演出も併行して実行することが可能となるので、付与される価値の異なる2つの特典に対する演出を同時に実行させることができ、その分遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0236】
また、特定演出の実行により、ゲームの進行の中断が解除されてリール4の停止操作が可能となる時点での演出を事前に報知(予告報知)されることとなるので、疑似ボーナス状態の発生により歓喜している遊技者に対して、さらに期待感を向上させることが可能となるのである。
さらに、特定演出の実行により、ボタン演出における操作手段の操作態様も事前に報知されることとなるので、比較的期待度の高いボタン演出が事前報知されることとなり、まだ通常のゲームが開始されてない特別演出中から、AT状態の抽選に対する期待感を長時間向上させることが可能となるのである。
また、操作手段の特定操作態様での操作が事前に報知されるので、複雑な操作を要するボタン演出が実行される場合でも、その操作に対して遊技者は事前に準備することができ、また、一定の時間制限下でボタン演出が行われた場合でも、操作の事前準備により操作が不十分なままボタン演出が終了してしまうことを防止できるので、遊技者は存分にボタン演出を楽しめることができるのである。
【0237】
また、リール演出の終了後に、リールロック演出が行われるので、リール4を使用した演出が立て続けに実行されることとなり、従来にない斬新かつ興趣性の高い遊技を実行することが可能となるし、特定の図柄組合せが揃った状態を利用してリールロック演出が実行されることとなるので、極めて斬新なリール4を使用した演出を実行することが可能となるのである。
また、リール演出の終了後にリールロック演出が行われると、複雑にリール4が動作することとなり、遊技者が、どのような状態が生じているかを認識できない可能性も生じるが、サブ表示器17で予め当選演出に関わる予告報知が実行されているので、リール4を使用した複雑な演出が実行されても、遊技者は、何ら問題なくそのときの状態を認識することが可能となるのである。
【0238】
また、1回のゲームにおいて、確定演出での連打演出と、当選演出での連打演出が立て続けに実行される可能性もあるので、極めて興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
なお、サブ表示器17で予告報知するボタン演出の操作態様は、連打操作以外に長押し操作でもよい。
以上のように、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームでレア役に当選した場合の演出が実行される。
【0239】
[連続演出から疑似ボーナス状態が発生する場合における画像表示例]
次に、
図14を参照して、本変形例において、疑似ボーナス状態への移行前のゲームにおける、主制御装置10での抽選処理の結果に基づき実行される特定演出について説明する。
前述したように、副制御装置20は、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームの実行時に、主制御装置10での抽選結果が所定のレア役(例えば、チャンス役)の当選結果となった場合において、そのゲームの実行中に特定演出を実行するようにしているが、本変形例においては、疑似ボーナス状態の移行抽選において、予め疑似ボーナス状態への移行抽選に当選している場合に、疑似ボーナス状態の1ゲーム目よりも前に実行されたゲームでの役の抽選結果に基づいても、特別演出と併行して特定演出を実行可能にしている。
【0240】
本変形例においては、前述した実施形態と同様に、疑似ボーナス状態への移行抽選を行う場合に、通常確率状態と高確率状態とを設けて、高確率状態に滞在している間には、通常確率状態に滞在しているときよりも疑似ボーナス状態の移行抽選確率が高くなるように制御している、
また、本変形例においては、確率状態が高確率状態になっているときに疑似ボーナス状態に移行した場合には、高確率状態を疑似ボーナス状態中にも継続させるとともに、その継続した高確率状態により疑似ボーナス状態においては、AT状態の抽選確率を高めるような制御を行うようにしている。
【0241】
そして、高確率状態を疑似ボーナス状態中に継続させる場合には、疑似ボーナス状態の1ゲーム目の特別演出中に高確率状態であることを報知するようにしている。
つまり、疑似ボーナス状態への移行が予め決定されている場合において、疑似ボーナス状態への移行前に実行されたゲームの結果に基づき付与された特典(高確率状態)に関わる情報を、疑似ボーナス状態の1ゲーム目の特別演出中に報知するような特定演出を行うのである。
【0242】
図14は、既に高確率状態に移行している状態において、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のリール演出が行われるゲームにおける、リール4の表示、およびメイン表示器8とサブ表示器17で実行される画像演出を示している。
まず、
図14(a)は、例えば、疑似ボーナス状態へ移行する1ゲーム前のゲーム実行中(リール4の回転中)の状態を示している。
前述したように、疑似ボーナス状態へ移行前には、メイン表示器8では、疑似ボーナス状態へ移行するか否かを最終的に報知する連続演出が実行されることから、連続演出に対応した連続演出画像50がメイン表示器8の画面主要部に表示される。
【0243】
また、メイン表示器8での連続演出画像50の報知に影響を与えないために、サブ表示器17において、この時点の確率状態が高確率状態であることを報知する、「高確率中」の文字情報からなる確率報知画像36が画面略中央部に表示される。
なお、このときの遊技状態は通常遊技状態となっているので、高確率状態の報知は、疑似ボーナス状態への移行抽選に対する報知となるが、その後に移行する疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選に対する報知を予告するものでもよい。
【0244】
また、通常では、確率状態に関する報知は、確率状態に応じてメイン表示器8におけるステージを切り替えることで確率状態を示唆可能な程度で行うようにしているが、連続演出中に限っては、連続演出の実行に対する特典として、高確率状態を明確に報知するようにしている。
なお、高確率状態の報知は、文字情報以外でもよく確率状態を報知可能な背景等の画像を表示するようにしてもよい。また、連続演出中においても、通常と同様に所定のステージを表示することで確率状態を示唆可能な構成としてもよい。
【0245】
次に、
図14(b)は、疑似ボーナス状態へ移行する1ゲーム前のゲーム終了後(リール4の停止中)の状態を示している。
前述したように、疑似ボーナス状態へ移行する1ゲーム前のゲーム終了時には、連続演出の結果として、疑似ボーナス状態の当選が報知されることとなるので、ここでの連続演出画像50としては、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示されることとなる。
また、この時点では、リール4の各々には、所定の図柄が停止されることとなる。
また、サブ表示器17には、疑似ボーナス状態への移行抽選に対する高確率状態を報知する確率報知画像36が画面略中央部に継続して表示される。
【0246】
次に、
図14(c)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、疑似ボーナス状態の1ゲーム目のゲームが開始されると、それまで停止していた左リール4a、中リール4b、右リール4cの全てが一斉に逆回転を開始してリール演出(特別演出)が開始される。
このとき、メイン表示器8の画面主要部においては、例えば、疑似ボーナス状態の発生を祝福する確定演出(特別演出)が実行されてボーナス確定演出画像40が表示される。
また、確定演出中には、ボーナス確定演出画像40の表示とともに、疑似ボーナス状態の発生を報知する「ボーナス確定」の文字情報からなる第1確定画像41aが、画面のやや上部であってボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
【0247】
また、サブ表示器17においては、疑似ボーナス状態が高確率状態で制御されることを事前に報知する、「高確率中」の文字情報からなる確率報知画像36が画面略中央部に表示される。
したがって、特別演出が実行されてゲームの進行が一時的に中断している状態から、その後に実行される疑似ボーナス状態中の通常のゲームにおける確率状態に関する情報が報知されることとなる。
なお、確率報知画像36は、連続演出からその表示を継続しているが、特別演出の実行が開始された時点で表示を開始するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態への移行により、高確率状態で制御される抽選対象が、疑似ボーナス状態からAT状態に変化することとなるので、疑似ボーナス状態への移行に応じて、「疑似ボーナス高確中」から「AT高確中」というように、報知態様を変更するようにしてもよい。
その後、確定演出でのボタン演出が実行されることとなるが、前述同様であるのでここでは省略する。
【0248】
次に、
図14(d)は、リール演出(特別演出)が終了したときの、リール4の表示、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出を示していて、特に、ビッグ疑似ボーナス状態の発生が報知される場合を示している。
図14(d)に示すように、リール演出(特別演出)が終了すると、メイン表示器8の画面略中央に、「BIGボーナス確定」の文字情報からなる第2確定画像41bがボーナス確定演出画像40の前方に表示される。
また、リール演出の終了により、左リール4a、中リール4b、右リール4cに、「7、7、7」からなるビッグ疑似ボーナス状態の発生を報知する特定の図柄組合せが一時停止することとなる。
また、この時点ではまだ特別演出中であるので、サブ表示器17には、確率報知画像36が継続して表示される。
【0249】
次に、
図14(e)は、特別演出の終了後、疑似ボーナス状態の1ゲーム目における通常のゲームが開始されたときの、リール4の表示、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像演出を示している。
図14(e)に示すように、疑似ボーナス状態の1ゲーム目における通常のゲームが開始されると、リール4において正回転での回転が開始されるとともに、ゲームの進行の一時的な中段が解除されて、リール4の停止(停止ボタン5の停止操作)が有効となる。
また、サブ表示器17に表示されていた確率報知画像36が消去される。
【0250】
また、疑似ボーナス状態の1ゲーム目における通常のゲームが開始されると、メイン表示器8においては疑似ボーナス状態中であることを報知する演出画像(疑似ボーナス演出)が表示されることとなるが、ここでは、AT状態の移行抽選が高確率で行われる高確率状態中の疑似ボーナス状態となるので、サブ表示器17での確率報知画像36の消去に対応して、疑似ボーナス状態中であることを報知するとともにAT状態の移行抽選が高確率状態で行われることを報知する高確疑似ボーナス状態画像60がメイン表示器8の画面主要部に表示される。
高確疑似ボーナス状態画像60は、所定の背景上に所定のキャラクタが登場するような動画構成となっていて、例えば、通常確率状態では、背景が昼間の背景となるのに対して、高確率状態では、背景が夜間の背景となっている。
その後、疑似ボーナス状態におけるゲームが実行されることとなる。
また、疑似ボーナス状態中の高確率状態は、疑似ボーナス状態以外のときと同様に、所定の役(例えば、リプレイ役)の当選を契機にして通常確率状態へ変更されるようになっている。
【0251】
以上のように、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を決定しているときに、さらに、疑似ボーナス状態中における高確率状態を決定している場合には、副制御装置20の制御により、疑似ボーナス状態における1ゲーム目のゲームにおけるリール演出(特別演出)中に、高確率状態を報知する特定演出が併行して実行されるのである。
すなわち、主制御装置10は、第1の特典として、遊技者に有利な特別遊技状態(疑似ボーナス状態)を発生可能とし、第2の特典として、特別遊技状態において高確率状態を発生可能し、副制御装置20は、高確率状態を報知する特定演出を、特別演出中に実行するのである。
したがって、予め特別演出の実行が決定されているゲームにおいて、特別演出とは異なる特定演出も併行して実行することが可能となるので、付与される価値の異なる2つの特典に対する演出を同時に実行させることができ、その分遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0252】
また、高確率状態は疑似ボーナス状態に移行する以前のゲームで決定されているので、疑似ボーナス状態への移行以前に決定されている高確率状態が、特別演出中に報知されることとなる。
つまり、特別演出中においては、第1の特典としての疑似ボーナス状態が発生する以前に決定されている第2の特典の付与に関する特定演出も実行可能としているのである。
したがって、複数の特典に対する複数の演出が、各々の特典の決定時期に関わらず、併行して実行されるので、より多彩な演出を実行できるとともに、異なる情報を特別演出の実行期間を利用して、集中して報知することが可能となるのである。
【0253】
なお、第2の特典として高確率状態が、疑似ボーナス状態に移行以前のゲームで決定される例を示しているが、第2の特典の決定は、疑似ボーナス状態に移行するゲーム以前に決定するものであれば何れの時期でもよく、疑似ボーナス状態が決定されるゲームにおいて同時に決定されるものでもよい。
また、第2の特典は、第1の特典としての疑似ボーナス状態の終了後に付与されるものでもよい。また、第2の特典は、遊技者が有利になれば高確率状態以外でもよく、CZ状態やAT状態であってもよい。
また、特定演出をサブ表示器17で実行するようにしているが、第2の特典に関わる所定の報知を実行可能なものであれば、サブ表示器17以外の報知手段で実行してもよい。
【0254】
また、本変形例においては、疑似ボーナス状態の開始前のゲームから1ゲーム目のゲームが開始されるときに、サブ表示器17において確率報知画像36をそのまま継続して表示するようにしているが、疑似ボーナス状態への移行時に高確率状態中であることを報知できれば、サブ表示器17における画像を、疑似ボーナス状態の開始前のゲームから1ゲーム目のゲームが開始されるときに変更するようにしてもよい。
例えば、サブ表示器17における「高確中」の文字色や、画面上の背景色を異なる背景色に変更したり、画面の明るさを変更したりするようにしてもよい。また、「高確中」の文字情報を小さいものから大きいものに変更することで、画像の視認性が高まるように変更してもよい。
【0255】
また、2つの表示器を設け、一方の表示器で疑似ボーナス状態の開始前の高確率状態中を報知し、疑似ボーナス状態の開始時点で、他方の表示器での高確率状態中の報知を開始することで、2つの表示器全体での表示態様の変更により、疑似ボーナス状態中の高確率状態を報知するようにしてもよい。
すなわち、特定演出制御手段としての副制御装置20は、第2表示手段としてのサブ表示器17での表示態様を変更することで、特定演出を実行可能とするのである。
このようにすれば、疑似ボーナス状態への移行時にサブ表示器17での表示態様の変更により特定演出が実行されることとなり、高確率状態中である旨がより明確に報知できることとなる。
以上のように、特別演出中における高確率状態の報知(特定演出)が実行される。
【0256】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による操作に基づき変動表示手段(リール4)の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、前記ゲームの実行に関連して特典を付与するか否かを決定可能な決定手段(主制御装置10)と、前記決定手段による決定結果に基づき、前記演出の制御を実行可能な演出制御手段(主制御装置10、副制御装置20)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン2d、上部演出ボタン2f)と、を備え、前記演出制御手段は、前記演出が実行されている場合において、前記操作手段の操作を要する操作演出(ボタン演出)を実行させることが可能な操作演出制御手段(副制御装置20)と、前記決定手段が特別の特典を付与することを決定したことに基づき、所定のゲームにおいて、前記ゲームの実行に関わる操作を無効とするとともに前記変動表示手段による特別の変動表示を伴う特別演出を実行させることが可能な特別演出制御手段(主制御装置10)と、を備え、前記操作演出制御手段は、前記特別演出が実行されている場合には、前記特別演出とは異なる所定の演出が実行されている場合よりも、所定の操作演出の実行確率が高まるように当該所定の操作演出の制御を行う構成としている。
【0257】
ここで、決定手段、演出制御手段、操作演出制御手段、特別演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、特典としては、AT状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、高確率状態、レア役の当選等の遊技者が有利となるものであれば何れでもよい。
【0258】
また、演出は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段で実行されるものでもよいし、スピーカや、ランプ等の発光手段で実行されるものでもよい。
また、所定のゲームとは、特別の特典の付与が決定された以降に実行されるゲームを示し、特別の特典の付与が決定された以降に実行されるゲームであれば、何れのゲームでもよい。
また、所定の演出は、特別演出とは異なる演出であれば何れの演出でもよく、1ゲームで完結する演出の他、複数のゲームに亘って実行される演出も含まれ、当選演出、連続演出等が例示される。
また、所定の操作演出は、複数の操作演出のうち全ての操作演出でもよし、そのうちの一部の演出でもよい。
【0259】
したがって、特別演出が実行されている場合には、相対的に操作演出の実行確率が高まることとなり、特別演出の興趣性が向上することともに、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、特典が付与されるか否かがまだ確定していない状態で、徒に操作演出を実行してしまうと、操作演出自体の期待度が低下してしまうが、特別演出時には、既に特別の特典の付与が決定されているので、操作演出の実行確率を相対的に高めても、期待度の変化に対する影響はそれほどないばかりか、歓喜している遊技者に対して、新たな楽しみを与えることが可能となる。
【0260】
また、前記決定手段は、役の抽選を実行可能な抽選手段を含み、前記操作演出制御手段は、前記特別演出が実行されている場合には、前記抽選手段による特定役の当選に対応した前記所定の演出としての当選演出が実行されている場合よりも、前記所定の操作演出の実行確率が高まるように当該所定の操作演出の制御を行う構成としている。
したがって、当選演出時における操作演出自体の期待度が低下してしまうことを防止できる上に、特別演出における操作演出の実行確率が高まるので、特別演出中における遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0261】
また、前記決定手段は、前記抽選手段による前記特定役の当選に基づき前記特別の特典を付与することを決定する構成としている。
したがって、特別演出と当選演出が関連することとなり遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、特定役の当選により特別の特典が付与された場合には、操作演出が当選演出と特別演出の両方で実行される可能性も生じることから遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0262】
また、前記操作演出制御手段は、通常操作演出(1回の押圧操作によるボタン演出)と、前記通常操作演出とは前記操作手段の操作態様が異なる特定操作態様での操作を要する第1特定操作演出(例えば、連打操作によるボタン演出)と、を実行可能とし、前記操作演出制御手段は、前記特別演出が実行されている場合には、前記所定の演出が実行されている場合よりも、前記第1特定操作演出の実行確率が高まるように当該第1特定操作演出の制御を行う構成としている。
したがって、操作態様が異なる複数の操作演出が実行されることとなるので、より操作演出の実行態様を多彩化でき、興趣性の高い遊技を実行することができる。
また、所定の演出時における第1特定操作演出自体の期待度が低下してしまうことを防止できる上に、特別演出における第1特定操作演出の実行確率が高まるので、特別演出中における遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となる。
【0263】
また、前記操作演出制御手段は、通常操作演出と、前記通常操作演出において操作される操作手段(演出ボタン2d)とは異なる操作手段(上部演出ボタン2f)の操作を要する第2特定操作演出と、を実行可能とし、前記操作演出制御手段は、前記特別演出が実行されている場合には、前記所定の演出が実行されている場合よりも、前記第2特定操作演出の実行確率が高まるように当該第2特定操作演出の制御を行う構成としている。
したがって、操作する操作手段が異なる複数の操作演出が実行されることとなるので、より操作演出の実行態様を多彩化でき、興趣性の高い遊技を実行することができる。
また、所定の演出時における第2特定操作演出自体の期待度が低下してしまうことを防止できる上に、特別演出における第2特定操作演出の実行確率が高まるので、特別演出中における遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となる。
【0264】
また、前記通常操作演出により操作される操作手段よりも前記第2特定操作演出により操作される操作手段の方を前記変動表示手段から離れた位置に配設する構成としている。
したがって、第2特定操作演出が実行された場合には、通常操作演出が実行される場合よりも、遊技者は大きく腕を伸ばして操作する必要があるが、特別演出の実行期間を利用して第2特定操作演出が実行されることとなり、遊技者は余裕をもって第2特定操作演出時における大きな動作を要する操作を行うことが可能となる。
【0265】
一方、特許文献1には、遊技者が操作可能な演出ボタンを模した演出ボタン画像を表示して、演出ボタンの操作を促す表示を行うとともに、遊技者が演出ボタンを操作した場合には、演出の結果を報知するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、演出ボタンの操作を伴う演出を効果的に実行できておらず、単調な遊技性になってしまい興趣性を高めるものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0266】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の他にボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0267】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしているが、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしてもよい。
【0268】
また、本実施形態では、操作手段の操作を促す操作画像を常に同じ大きさで表示するようにしているが、異なる大きさの操作画像を表示するようにしてもよい。また、特別演出、前兆演出、および連続演出の期待度に応じて操作画像の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0269】
また、本実施形態では、遊技者が操作を行う操作手段として演出ボタン2d、および上部演出ボタン2fを備えているが、各表示器の全部あるいは一部の画面に、遊技者の接触を検出可能なタッチセンサを設けるとともに、画面上にタッチする位置を促すタッチ画像(操作画像)を表示可能にし、副制御装置20は、タッチ画像への遊技者の接触に応じて操作(タッチ操作)を受け付けて、対応する表示器に所定の画像演出を表示するようにしてもよい。
【0270】
また、演出ボタン2d、あるいは上部演出ボタン2fにモータ等の作動により振動する振動手段を内蔵して、遊技者が操作する際に振動手段を作動させるようにしてもよい。この際、例えば、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、振動手段を作動させることが好ましい。このようにすれば、さらに遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0271】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が表示された場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0272】
また、遊技者の手が演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fに近づいたことを検出可能な検出センサ(例えば、赤外線センサ)を設け、ボタン演出が実行されている状態おいて、検出センサの検出信号に基づき、操作画像を通常の形状のものから大きい形状のものに変更するようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン2dあるいは上部演出ボタン2fを押圧操作する直前に、操作画像が変化するので、従来にない斬新な演出が可能となる。
【0273】
また、表示手段として、メイン表示器8及びサブ表示器17以外の表示器を別個設けるようにしてもよく、特別演出、特定演出、連続演出、および当選演出等の実行箇所として、各々の表示手段を選択可能としてもよい。
【0274】
また、前述の実施形態では、抽選手段(決定手段)などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0275】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0276】
1:スロットマシン
2d:演出ボタン
2f:上部演出ボタン
4:リール
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置