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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】防水型電気機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H05K5/06 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020200741
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088747
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】株式会社ツインバード
(72)【発明者】
【氏名】西澤 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 朋央
(72)【発明者】
【氏名】辻 和也
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114623(JP,A)
【文献】特開2018-098054(JP,A)
【文献】国際公開第2021/260992(WO,A1)
【文献】特開2004-241470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0011629(US,A1)
【文献】特開2016-018944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前本体と、後本体と、パッキンと、前記前本体と前記後本体を挟持する複数の固定部品と、で構成される防水型電気機器において、
前記前本体に前記パッキンと当接する第一当接部を設け、
前記後本体に防水領域を画定する側壁を設け、前記側壁の外側に前記パッキンを装着するための装着部を設け、前記装着部には前記パッキンと当接する第二当接部を設け、前記第二当接部の外側に外壁部を設け、前記第二当接部の内側に内壁部を設け、前記第二当接部は前記側壁に沿って連続して設けられ、前記外壁部と前記内壁部は前記第二当接部に沿って設けられ、
前記外壁部と前記内壁部の前記第二当接部からの突出高さは、一方が前記パッキンの厚さより低く、他方は前記パッキンの厚さより高くかつ前記前本体の厚さと前記パッキンの厚さを合わせた高さよりも低く、
前記パッキンは防水性を備えた弾性体であり、
前記固定部品は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、
前記パッキンが前記装着部に装着され、前記前本体が前記外壁部または前記内壁部に位置決めされるように装着され、前記前本体と前記後本体が前記固定部品で挟持され、前記パッキンを前記第一当接部と前記第二当接部に密着させ、前記固定部品が前記後本体に固定されることで、防水性が備わることを特徴とする防水型電気機器。
【請求項2】
前本体と、後本体と、パッキンと、前記前本体と前記後本体を挟持する複数の固定部品と、で構成される防水型電気機器において、
前記前本体に前記パッキンと当接する第一当接部を設け、
前記後本体に防水領域を画定する側壁を設け、前記側壁から外側に向かってフランジ部を設け、前記フランジ部に前記パッキンを装着するためのリブを設け、前記リブはフランジ部から前記前本体側に向かって突出し、前記リブの先端が前記パッキンと当接する第二当接部であり、前記フランジ部の外側に外壁部を設け、
前記フランジ部は前記側壁に沿って連続して設けられ、前記リブは前記フランジ部に沿って連続して設けられ、前記外壁部は前記フランジ部に沿って設けられ、
前記外壁部の前記フランジ部からの突出高さは、前記リブの突出高さと前記パッキンの厚さを足した高さより高くかつ前記リブの突出高さと前記パッキンの厚さと前記前本体の厚さを合わせた高さよりも低く、
前記パッキンは防水性を備えた弾性体であり、
前記固定部品は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、
前記パッキンが前記リブに装着され、前記前本体が前記外壁部に位置決めされるように装着され、前記前本体と前記後本体が前記固定部品で挟持され、前記パッキンを前記第一当接部と前記第二当接部に密着させ、前記固定部品が前記後本体に固定されることで、防水性が備わることを特徴とする防水型電気機器。
【請求項3】
前記固定部品が金属部品であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水型電気機器。
【請求項4】
前記固定部品が押し出し材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防水型電気機器。
【請求項5】
前記固定部品の断面形状と長さが共通であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水型電気機器。
【請求項6】
前記固定部品が前記前本体と接する部分を前腕部とし、前記後本体と接する部分を後腕部とし、前記前腕部に前腕先端部を設け、前記後腕部に後腕先端部を設け、
前記第一当接部と前記第二当接部と前記パッキンと前記前腕先端部と前記後腕先端部がほぼ直線上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水型電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば浴室テレビなどの水がかかるような環境で使用される防水型電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の防水型電気機器としては、スクリーン(本願発明の前本体に相当する)を両面テープによってフロントケースに取り付け、パッキンをフロントケースとリアケース(本願発明の後本体に相当する)の間で挟持する携帯型電子機器が知られている。(例えば、特許文献1参照。)また、第1の筐体部品(本願発明の後本体に相当する)と第2の筐体部品(本願発明の前本体に相当する)とシール部材(本願発明のパッキンに相当)を固定部品の爪部によって挟持する電子機器も知られている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-244052号公報
【文献】特許第6314709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような防水型電気機器で防水性を保つためには、スクリーンとフロントケースの間を両面テープで防水し、フロントケースとリアケースの間をパッキンで防水する必要があり、複数個所の防水に注意し、組み立てなければならないという問題があった。また、第2の筐体部品が第1の筐体部品の上でずれやすく、組立てが困難という問題があった。また、温度変化の大きい環境(例えば、浴室など)では爪のかかりが弱くなり、防水性が維持できなくなる虞があった。
【0005】
本発明は、防水箇所を減らすことで、組立性を改善し、コストを削減しつつ、また、温度変化の大きい環境であっても、良好な防水性を維持できる防水型電気機器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の防水型電気機器は、前本体と、後本体と、パッキンと、前記前本体と前記後本体を挟持する複数の固定部品と、で構成される防水型電気機器において、前記前本体に前記パッキンと当接する第一当接部を設け、前記後本体に防水領域を画定する側壁を設け、前記側壁の外側に前記パッキンを装着するための装着部を設け、前記装着部には前記パッキンと当接する第二当接部を設け、前記第二当接部の外側に外壁部を設け、前記第二当接部の内側に内壁部を設け、前記第二当接部は前記側壁に沿って連続して設けられ、前記外壁部と前記内壁部は前記第二当接部に沿って設けられ、前記外壁部と前記内壁部の前記第二当接部からの突出高さは、一方が前記パッキンの厚さより低く、他方は前記パッキンの厚さより高くかつ前記前本体の厚さと前記パッキンの厚さを合わせた高さよりも低く、前記パッキンは防水性を備えた弾性体であり、前記固定部品は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、前記パッキンが前記装着部に装着され、前記前本体が前記外壁部または前記内壁部に位置決めされるように装着され、前記前本体と前記後本体が前記固定部品で挟持され、前記パッキンを前記第一当接部と前記第二当接部に密着させ、前記固定部品が前記後本体に固定されることで、防水性が備わるものである。
また、本発明の請求項2に記載の防水型電気機器は、前本体と、後本体と、パッキンと、前記前本体と前記後本体を挟持する複数の固定部品と、で構成される防水型電気機器において、前記前本体に前記パッキンと当接する第一当接部を設け、前記後本体に防水領域を画定する側壁を設け、前記側壁から外側に向かってフランジ部を設け、前記フランジ部に前記パッキンを装着するためのリブを設け、前記リブはフランジ部から前記前本体側に向かって突出し、前記リブの先端が前記パッキンと当接する第二当接部であり、前記フランジ部の外側に外壁部を設け、前記フランジ部は前記側壁に沿って連続して設けられ、前記リブは前記フランジ部に沿って連続して設けられ、前記外壁部は前記フランジ部に沿って設けられ、前記外壁部の前記フランジ部からの突出高さは、前記リブの突出高さと前記パッキンの厚さを足した高さより高くかつ前記リブの突出高さと前記パッキンの厚さと前記前本体の厚さを合わせた高さよりも低く、前記パッキンは防水性を備えた弾性体であり、前記固定部品は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、前記パッキンが前記リブに装着され、前記前本体が前記外壁部に位置決めされるように装着され、前記前本体と前記後本体が前記固定部品で挟持され、前記パッキンを前記第一当接部と前記第二当接部に密着させ、前記固定部品が前記後本体に固定されることで、防水性が備わるものである。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の防水型電気機器は、請求項1または請求項2において、前記固定部品が金属部品であることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項4に記載の防水型電気機器は、請求項1から3のいずれか1項において、前記固定部品が押し出し材であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項5に記載の防水型電気機器は、請求項1または請求項2において、前記固定部品の断面形状と長さが共通であることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明の請求項6に記載の防水型電気機器は、請求項1または請求項2において、前記固定部品が前記前本体と接する部分を前腕部とし、前記後本体と接する部分を後腕部とし、前記前腕部に前腕先端部を設け、前記後腕部に後腕先端部を設け、前記第一当接部と前記第二当接部と前記パッキンと前記前腕先端部と前記後腕先端部がほぼ直線上に位置するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1および請求項2に記載の防水型電気機器は、以上のように構成することにより、前記前本体と前記後本体の間だけを、前記パッキンによって防水すれば、本体の防水性を保つことができるため、防水性および組立性が改善する。また、前記固定部品の断面を共通にすることにより、必要な金型を減らし、コストを削減することができる。
また、前記固定部品を金属部品にすることにより、温度変化の大きい環境下でも、安定した防水性能を維持することができる。
また、前記固定部品を押し出し材にすることにより、共通の口金で前記固定部品を製造することができるので、コストを削減できる。また、押し出し材であれば、前記固定部品の長さの調整が簡単なので、様々な大きさの防水型電気機器に対応することができる。
【0012】
また、前記固定部品の断面形状と長さが共通であることにより、共通の金型を使用することができるので、コストを削減できる。
【0013】
さらに、前記固定部品が前記前本体と接する部分を前腕部とし、前記後本体と接する部分を後腕部とし、前記前腕部に前腕先端部を設け、前記後腕部に後腕先端部を設け、前記第一当接部と前記第二当接部と前記パッキンと前記前腕先端部と前記後腕先端部がほぼ直線上に位置することにより、より安定した防水性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態を示す防水型電気機器の正面図である。
図2】同、前本体と固定部品を外した時の正面図である。
図3】同、A-A拡大断面図である。
図4】同、A-A分解拡大断面図である。
図5】同、固定部品を取り付ける前のA-A拡大断面図である。
図6】第二の実施形態の要部の拡大断面図である。
図7】同、要部の分解拡大断面図である。
図8】第三の実施形態の要部の拡大断面図である。
図9】同、要部の分解拡大断面図である。
図10】第四の実施形態の要部の拡大断面図である。
図11】同、要部の分解拡大断面図である。
図12】第五の実施形態の要部の拡大断面図である。
図13】同、要部の分解拡大断面図である。
図14】第六の実施形態の要部の拡大断面図である。
図15】同、要部の分解拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第一の実施形態について、図1から図5を用いて説明する。なお、本実施形態の防水型電気機器は、浴室テレビを想定して説明するが、浴室テレビに限らず他の電気機器にも利用できる。
また、図1における上、下、右、左をそれぞれ、上方向、下方向、右方向、左方向とする。また、各拡大断面図のY方向を高さ方向とする。
1は第一の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。この浴室テレビ1は、前本体2と、後本体3と、パッキン4と、固定部品9とで構成される。そして、固定部品9は、上固定部品5、下固定部品6、左固定部品7、右固定部品8とで構成される。
【0016】
前記前本体2は、板状の矩形であり、透明の部品であり、ガラスやアクリルなどで作られる。そして、後述する防水領域12内に収納されている電子部品10によって表示される映像等を視認できる。また、前記前本体2には、前記パッキン4が当接する第一当接部11がある。
【0017】
前記後本体3には、前記電子部品10を収納するための防水領域12を画定する側壁13が設けられ、前記側壁13は前記防水領域12を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁13の外側には、装着部14があり、前記側壁13に沿って連続して設けられる。そして、この装着部14には、第二当接部15が設けられる。この第二当接部15の内側に内壁部16が設けられ、外側に外壁部17が設けられる。
【0018】
前記パッキン4は、断面が矩形であり、連続してつながったリング状である。そして、前記第二当接部15と前記内壁部16と前記外壁部17で構成される凹部に前記パッキン4が配置される。
前記内壁部16は、前記第二当接部15に沿って矩形状に設けられる。そして、前記内壁部16の前記第二当接部15からの突出高さh11は、前記パッキン4の厚さt1より低くなっているため、前記前本体2と前記パッキン4が確実に当接する。
【0019】
前記外壁部17は、前記第二当接部15に沿って矩形状に設けられる。そして、前記外壁部17の前記第二当接部15からの突出高さh12は、前記パッキン4の厚さt1より高く、前記前本体2の厚さtaと前記パッキン4の厚さt1を足した厚みより低くなっている。このような突出高さh12にすることで、前記外壁部17は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
【0020】
前記前本体2と前記固定部品9が接触する部分には、保護部材18が貼付される。この保護部材18は、固定部品9によって前記前本体2が傷つくことを防止するためのものであり、防水性を付与するものではない。
【0021】
前記固定部品9は、長手方向に直線的な形状であり、前腕部19と後腕部20と腕接続部21が設けられる。前記前腕部19と前記後腕部20とで、前記パッキン4をつぶすように、前記前本体2と前記後本体3の前記装着部14を挟持するようになっている。前記前腕部19の先端と前記後腕部20に誘い込み部24を設けているため、前記前本体2と前記後本体3を前記固定部品9で挟持するときに。スムーズに組み立てることができる。このように構成することにより、前記電子部品10が収納される前記防水領域12が防水された状態となる。
【0022】
また、前記固定部品9はアルミ材であり、押し出し成型によってつくられている。そして、前記上固定部品5、前記下固定部品6、前記左固定部品7、前記右固定部品8は同じ断面形状であるので、一つの口金で作成することができる。そして、対向する辺に装着する前記上固定部品5と前記下固定部品6、前記左固定部品7と前記右固定部品8は、それぞれ同じ長さである。このため、各固定部品5、6、7、8は、押し出し材を適宜の長さで切って形成できるので、安価に製造することができる。また、前記固定部品9は、プラスチックで製造してもよい。ただし、周囲環境の温度変化の大きさによっては、プラスチックがその温度変化の影響で変形し、前記防水領域12の防水性を維持できないことがある。したがって、温度変化の大きい環境の場合は、前記固定部品9をアルミ材などの金属部品で製造することが望ましい。
【0023】
なお、本体形状が正方形のような場合は、各固定部品5、6、7、8を同じ長さにすることができる。
前記前腕部19が前記パッキン4からの反発力を受けている部分を前腕先端部22とし、前記後腕部20が前記パッキン4からの反発力を受けている部分を後腕先端部23とする。
前記パッキン4と前記第一当接部11と前記第二当接部15と前記前腕先端部22と前記後腕先端部23は、直線上に並ぶような位置関係である。そして、この直線方向は前記パッキン4の反発力の方向であり、第一の実施形態の場合は、前記第一当接部11の面と直交する方向、すなわち高さ方向である。このような位置関係にすることで、より安定した防水性を維持することができる。なお、前記腕接続部21は前記外壁部17に沿った位置にある。
【0024】
次に、組立て方法について説明する。前記後本体3に前記電子部品10を固定する。前記電子部品10はネジ止めや爪によって固定してもよいし、前記前本体2と前記後本体3とで挟んで固定してもよい。
【0025】
そして、前記装着部14に前記パッキン4を装着し、前記保護部材18が貼付された前記前本体2が前記外壁部17の内側に入り込むように、前記後本体3に被せる。
【0026】
そして、前記上固定部品5を上方向から、前記下固定部品6を下方向から、前記左固定部品7を左方向から、前記右固定部品8を右方向から、それぞれ第一当接部11と前記第二当接部15を挟むように嵌めることで、前記前本体2と前記後本体3が前記固定部品9によって挟持される。また、前記固定部品9には、前記前腕部19と前記後腕部20に誘い込み部24が設けられているため、上方向、下方向、左方向、右方向からそれぞれ嵌めるときに、スムーズに組立てることができる。そして、前記パッキン4と前記第一当接部11が当接し、前記パッキン4と前記第二当接部15が当接することで、前記防水領域12が防水される。そして、前記固定部品9は、前記後本体3にねじ止め等で固定される。
以上のように本実施形態は、前本体2と、後本体3と、パッキン4と、前記前本体2と前記後本体3を挟持する複数の固定部品9とで構成され、前記前本体2に前記パッキン4と当接する第一当接部11を設け、前記後本体3に電子部品10を収納するための防水領域12を画定する側壁13を設け、前記側壁13の外側に前記パッキン4を装着するための装着部14を設け、前記装着部14には前記パッキン4と当接する第二当接部15を設け、前記第二当接部15の外側に外壁部17を設け、前記第二当接部15の内側に内壁部16を設け、前記第二当接部15は前記側壁13に沿って連続して設けられ、前記外壁部17と前記内壁部16は前記第二当接部15に沿って設けられ、前記内壁部16の前記第二当接部15からの突出高さh11は、前記パッキン4の厚さt1より低く、前記外壁部17の前記第二当接部15からの突出高さh12は、前記パッキン4の厚さt1より高くかつ前記前本体2の厚さtaと前記パッキン4の厚さt1を合わせた高さよりも低く、前記パッキン4は防水性を備えた弾性体であり、前記固定部品9は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、前記パッキン4が前記装着部14に装着され、前記前本体2が前記外壁部17によって位置決めされるように装着され、前記前本体2と前記後本体3が前記固定部品9で挟持され、前記パッキン4を前記第一当接部11と前記第二当接部15に密着させ、前記固定部品9が前記後本体2に固定されるので、前記電子部品10が収納される前記防水領域12を防水することができ、前記外壁部17は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
また、前記固定部品9を、アルミ材などの金属にすることで、温度変化の大きい環境でも安定した防水性を維持することができる。
また、前記固定部品9の断面形状を共通にすることにより、押し出し成型の口金を共通にすることができ、コストが削減できる。
さらに、前記パッキン4と前記第一当接部11と前記第二当接部15と前記前腕先端部22と前記後腕先端部23は、前記第一当接部11の面と直交する方向に直線上に並ぶような位置関係であるので、より安定した防水性を維持することができる。
【0027】
次に、第二の実施形態について、図6図7を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0028】
30は第二の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。後本体33には、電子部品10を収納するための防水領域42を画定する側壁43が設けられ、前記側壁43は前記防水領域42を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁43の外側にはフランジ部44があり、前記側壁43に沿って連続して設けられる。そして、前記フランジ部44には、パッキン34を装着するためのリブ46が設けられ、前記フランジ部44の外側には外壁部47が設けられる。
【0029】
前記パッキン34は、凹部が形成されたコの字状の断面であり、連続してつながったリング状である。そして、前記パッキン34は、前記リブ46に装着される。
前記リブ46は前記フランジ44に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、前記リブ46の先端が第二当接部45である。そして、前記リブ46の前記フランジ部44からの突出高さh21は、前記パッキン34が装着できる程度の高さである。
【0030】
前記外壁部47は、前記フランジ44に沿って矩形状に設けられる。そして、前記外壁部47の前記フランジ部44からの突出高さh22は、前記リブ46の突出高さh21と前記パッキン34の凹部が形成された部分の厚さt2を足した高さより高く、前記リブ46の突出高さh21と前記パッキン34の凹部が形成された部分の厚さt2と前本体2の厚さtaを足した高さより低い。このような突出高さh22にすることで、前記外壁部47は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
【0031】
以上のように本実施形態は、前本体2と、後本体33と、パッキン34と、前記前本体2と前記後本体33を挟持する複数の固定部品9とで構成され、前記前本体2に前記パッキン34と当接する第一当接部11を設け、前記後本体33に電子部品10を収納するための防水領域42を画定する側壁43を設け、前記側壁43から外側に向かってフランジ部44を設け、前記フランジ部44に前記パッキン34を装着するためのリブ46を設け、前記リブ46はフランジ部44から前記前本体2側に向かって突出し、前記リブ46の先端が前記パッキン34と当接する第二当接部45であり、前記フランジ部44の外側に外壁部47を設け、前記フランジ部44は前記側壁43に沿って連続して設けられ、前記リブ46は前記フランジ部44に沿って連続して設けられ、前記外壁部47は前記フランジ部44に沿って設けられ、前記外壁部47の前記フランジ部44からの突出高さh22は、前記リブ46の突出高さh21と前記パッキン34の厚さt2を足した高さより高くかつ前記リブ46の突出高さh21と前記パッキン34の厚さt2と前記前本体2の厚さtaを合わせた高さよりも低く、前記パッキン34は防水性を備えた弾性体であり、前記固定部品9は長さ方向に直交する方向の断面形状が共通であり、前記パッキン34が前記リブ46に装着され、前記前本体2が前記外壁部47によって位置決めされるように装着され、前記前本体2と前記後本体33が前記固定部品9で挟持され、前記パッキン34を前記第一当接部11と前記第二当接部45に密着させ、前記固定部品9が前記後本体33に固定されるので、前記電子部品10が収納される前記防水領域42を防水することができ、前記外壁部47は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
【0032】
次に、第三の実施形態について、図8図9を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0033】
50は第三の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。後本体53には、電子部品10を収納するための防水領域62を画定する側壁63が設けられ、前記側壁63は前記防水領域62を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁63の外側にはフランジ部64が設けられ、前記側壁63に沿って連続して設けられる。そして、前記フランジ部64には、パッキン54を装着するためのU字溝形状の装着部66が設けられ、前記装着部66の外側には外壁部67が設けられる。
【0034】
前記パッキン54は、円断面であり、連続してつながったリング状である。そして、前記パッキン54は、前記装着部66に装着される。
前記装着部66は、前記フランジ部64に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、前記装着部66には、前記パッキン54と当接する第二当接部65が設けられる。そして、前記フランジ部64から前記第二当接部65までの深さh31は、前記パッキン54の直径dより小さいので、前本体2と前記パッキン54が確実に当接する。
【0035】
前記外壁部67は、前記フランジ64に沿って矩形状に設けられる。そして、前記外壁部67の前記第二当接部65からの突出高さh32は、前記パッキン54の直径dより高く、前記前本体2の厚さtaと前記パッキン54の直径dを足した高さより低い。このような突出高さh32にすることで、前記外壁部67は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
【0036】
次に、第四の実施形態について、図10図11を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0037】
70は第四の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。後本体73には、電子部品10を収納するための防水領域82を画定する側壁83が設けられ、前記側壁83は前記防水領域82を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁83の外側には内フランジ部84があり、前記側壁83に沿って連続して設けられる。そして、前記内フランジ部84の外側には、パッキン74を装着するためのV字溝形状の装着部86が設けられる。そして、前記装着部86の外側には、外フランジ部87が設けられ、前記外フランジ部87の外側には外壁部88が設けられる。
【0038】
前記パッキン74は、三角形の断面であり、連続してつながったリング状である。そして、前記パッキン74は、前記装着部86に装着される。
前記装着部86は、前記内フランジ部84に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、前記装着部86は、内側の第一斜面部89と、外側の第二斜面部90を有する。そして、前記装着部86の底または前記第一斜面部89または前記第二斜面部90のいずれか一つ、あるいはこれらのいくつかが、前記パッキン74と当接する第二当接部85となる。なお、前記内フランジ部84と前記外フランジ部87は同じ高さすなわち、面一である。また、前記内フランジ部84から前記装着部86の底までの深さh41は、前記パッキン74の高さ方向における厚さt3より小さいので、前本体2と前記パッキン74が確実に当接する。
【0039】
前記外壁部88は、前記外フランジ87に沿って矩形状に設けられる。そして、前記外壁部88の前記装着部86の底からの突出高さh42は、前記パッキン74の高さ方向における厚さt3より高く、前記前本体2の厚さtaと前記パッキン74の高さ方向における厚さt3を足した高さより低い。このような突出高さh42にすることで前記外壁部88は、前記前本体2の位置決めに利用することができる。
【0040】
なお、前述したように、前記第一斜面部89、前記第二斜面部90を第二当接部とすることもでき、パッキンが、前記装着部86の底に当接しないようにもできる。その場合、前記第一斜面部89、前記第二斜面部90とパッキンが当接している高さ方向の深さが、前記内フランジ部84から前記装着部86の底までの深さh41に相当する。
【0041】
次に、第五の実施形態について、図12図13を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0042】
91は第五の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。前本体92は、矩形であり、透明の部品であり、アクリルなどで作られる。そして、前記前本体92には、平面部94と段差部95と被挟持部96が設けられる。前記平面部94は矩形であり、前記段差部95は、前記平面部94に沿って連続して矩形状に設けられ、前記被挟持部96は、前記段差部95に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、後述する防水領域97内に収納されている電子部品10によって表示される映像等を視認できる。また、前記被挟持部96にはパッキン4が当接する第一当接部102が設けられる。
【0043】
前記段差部95は、内段差部95aと外段差部95bで構成され、前記外段差部95bの高さhbは、固定部品101の前腕部111の厚さtbとほぼ同じである。それにより、前記平面部94の高さと前記前腕部111の高さが同じになり、外観の見栄えが向上する。また、前記内段差部95aの高さhaは、前記外段差部95bの高さhbと同じである。
【0044】
前記後本体93には、前記電子部品10を収納するための防水領域97を画定する側壁103が設けられ、前記側壁103は前記防水領域97を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁103の外側には、フランジ部104が前記側壁103に沿って連続して設けられる。そして、前記フランジ部104の外側に前記パッキン4を装着するための装着部105が前記フランジ部104に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、この装着部105には、第二当接部106が設けられ、この第二当接部106の内側にリブ107が設けられ、外側に外壁部108が設けられる。
【0045】
前記リブ107と前記外壁部108の突出高さh51は、同じである。前記リブ107と前記外壁部108の前記第二当接部106からの突出高さh51は、前記パッキン4の厚さt1より低くなっているため、前記前本体92と前記パッキン4が確実に当接する。
【0046】
前記装着部105の内側には、内壁部109が設けられ、この内壁部109の前記第二当接部106からの突出高さh52は、前記パッキン4の厚さt1より高く、前記パッキン4の厚さt1と前記内段差部95aの高さhaを足した高さより低くなっている。このような突出高さh52にすることで、前記内壁部109は、前記前本体92の位置決めに利用することできる。
【0047】
前記前本体92と固定部品101が接触する部分には、保護部材18が貼付される。この保護部材18は、固定部品101によって前記前本体92が傷つくことを防止するためのものであり、防水性を付与するものではない。
【0048】
前記固定部品101は、長手方向に直線的な形状であり、前腕部111と後腕部112と腕接続部113が設けられる。前記前腕部111と前記後腕部112とで、前記パッキン4をつぶすように、前記前本体92の前記被挟持部96と前記後本体93の前記装着部105を挟持するようになっている。前記前腕部111と前記後腕部112に誘い込み部116を設けているため、前記前本体92と前記後本体93を前記固定部品101で挟持するときに、スムーズに組み立てることができる。このように構成することにより、前記電子部品10が収納される前記防水領域97が防水された状態となる。
また、前記前腕部111が前記パッキン4からの反発力を受けている部分を前腕先端部114とし、前記後腕部112が前記パッキン4からの反発力を受けている部分を後腕先端部115とする。前記パッキン4と前記第一当接部102と前記第二当接部106と前記前腕先端部114と前記後腕先端部115は、直線上に並ぶような位置関係である。そして、この直線方向は前記パッキン4の反発力の方向であり、第五の実施形態の場合は、前記第一当接部102の面と直交する方向、すなわち高さ方向である。このような位置関係にすることで、より安定した防水性を維持することができる。なお、前記腕接続部113は前記外壁部108に沿った位置にある。
【0049】
次に、第六の実施形態について、図14図15を用いて説明する。なお、前述の第一の実施形態及び第五の実施形態と共通する部分については、同一の符号を付し詳しい説明は省略する。
【0050】
119は第六の実施形態の防水型電気機器としての浴室テレビである。前本体120は、矩形であり、透明の部品であり、アクリルなどで作られる。そして、前記前本体120には、平面部121と段差部122と被挟持部131が設けられる。前記平面部121は矩形であり、前記段差部122は、前記平面部121に沿って連続して矩形状に設けられ、前記被挟持部131は、前記段差部122に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、後述する防水領域124内に収納されている電子部品10によって表示される映像等を視認できる。また、前記被挟持部131にはパッキン4が当接する第一当接部133が設けられる。
【0051】
前記段差部122は、内段差部122aと外段差部122bで構成され、前記外段差部122bの高さhdは、固定部品101の前腕部111の厚さtbとほぼ同じである。それにより、前記平面部121の高さと前記前腕部111の高さが同じになり、外観の見栄えが向上する。また、前記内段差部122aの高さhcは、前記外段差部122bの高さhdと同じである。
【0052】
後本体123には、前記電子部品10を収納するための防水領域124を画定する側壁125が設けられ、前記側壁125は前記防水領域124を取り囲むように連続して矩形状に設けられる。前記側壁125の外側には、フランジ部126が前記側壁125に沿って連続して設けられる。そして、前記フランジ部126の外側に前記パッキン4を装着するための装着部127が前記フランジ部126に沿って連続して矩形状に設けられる。そして、この装着部127には、第二当接部128が設けられ、この第二当接部128の内側にリブ129が設けられ、外側に外壁部130が設けられる。
【0053】
前記リブ129の前記第二当接部128からの突出高さh61は、前記パッキン4の厚さt1より低くなっているため、前本体120と前記パッキン4が確実に当接する。
【0054】
前記外壁部130の前記第二当接部128からの突出高さh62は、前記パッキン4の厚さt1より高く、前記パッキン4の厚さt1と前記前本体122の被挟持部131の厚さtcを足した高さより低くなっている。このような突出高さh62にすることで前記外壁部130は、前記前本体120の位置決めに利用することできる。
【0055】
前記装着部127の内側には、内壁部132が設けられ、この内壁部132の前記第二当接部128からの突出高さh63は、前記パッキン4の厚さt1より高く、前記パッキン4の厚さt1と内段差部122aの高さhcを足した高さより低くなっている。このような突出高さh63にすることで、前記内壁部132は、前記前本体120の位置決めに利用することできる。
また、前記パッキン4と前記第一当接部133と前記第二当接部128と前記前腕先端部114と前記後腕先端部115は、直線上に並ぶような位置関係である。そして、この直線方向は前記パッキン4の反発力の方向であり、第六の実施形態の場合は、前記第一当接部133の面と直交する方向、すなわち高さ方向である。このような位置関係にすることで、より安定した防水性を維持することができる。なお、前記腕接続部113は前記外壁部130に沿った位置にある。
【0056】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく発明の要旨の範囲内で種々の
変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、各辺に1つずつ計4つの固定部品を使用しているが、本体のサイズによっては、対向する2つの辺のみに固定部品を使用することで本体を構成することも可能である。また、上記各実施形態では、本体が矩形であることから、各辺に1つずつ計4つの固定部品を使用しているが、本体が多角形であれば、その辺の数に応じた固定部品を使用することになる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
上記防水型電気機器の一例として、浴室テレビを示したが、これ以外でも、防水性が求められる電気機器において採用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1,30,50,70,91,119 浴室テレビ
2,92,120 前本体
3,33,53,73,93,123 後本体
4,34,34,74 パッキン
9,101 固定部品
10 電子部品
11,102,133 第一当接部
12,42,62,82,97,124 防水領域
13,43,63,83,103,125 側壁
14,66,86,105,127 装着部
15,45,65,85,106,128 第二当接部
16,109,132 内壁部
17,47,67,88,108,130 外壁部
19,111 前腕部
20,112 後腕部
22,114 前腕先端部
23,115 後腕先端部
44,64,104,126 フランジ部
46 リブ
84 内フランジ部
87 外フランジ部
h11、h12 突出高さ
h21、h22 突出高さ
h31、h41 深さ
h32 突出高さ
h42 突出高さ (外壁部88)
h51、h52 突出高さ
h61、h62、h63 突出高さ
ha、hb、hc、hd 高さ
t1、t2、t3 厚さ
ta、tb、tc 厚さ
d 直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15