(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】有害物質処分場システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/34 20060101AFI20240805BHJP
G21F 9/36 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G21F9/34 C
G21F9/36 541M
G21F9/36 541D
(21)【出願番号】P 2021549527
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020019225
(87)【国際公開番号】W WO2020205083
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-06
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518222642
【氏名又は名称】ディープ アイソレーション, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, エリザベス エー.
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/226636(WO,A1)
【文献】特開2006-035068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害廃棄物貯蔵のための方向性掘削孔を形成する方法であって、前記方法は、
有害廃棄物を貯蔵するために好適な地下層を識別することと、
前記地下層を通して延びている1つ以上の断層を決定することと、
地表から前記地下層に向かって垂直掘削孔を形成することと、
前記垂直掘削孔から、方向性掘削孔を形成すること
であって、前記方向性掘削孔は、前記地下層の中または
前記地下層の下に延び、前記1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行であり、前記方向性掘削孔は、前記有害廃棄物を貯蔵するように構成された有害廃棄物処分場を備えている、
ことと、
前記地下層の最大水平応力の方向と垂直な前記方向性掘削孔を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記地震性活動は、地震を備えている、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記有害廃棄物は、放射性または核廃棄物を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を備えている、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を備え、前記方向性掘削孔を形成することは、前記少なくとも2つの平行断層の間にあり
かつ前記少なくとも2つの平行断層と平行な前記方向性掘削孔を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の断層を決定することは、
1つ以上の地震性記録、
1つ以上の地震性反射調査、
地質学的マッピング、または、
1つ以上の電磁(EM)調査
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記1つ以上の断層を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方向性掘削孔は、前記1つ以上の断層を横断しない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
有害廃棄物処分場システムであって、前記システムは、
地表に近接する入口から地下層まで延びている方向性掘削孔であって、前記地下層は、前記地下層を通して延びている1つ以上の断層を備え、前記方向性掘削孔は、
前記入口に結合された実質的に垂直な部分と、
前記実質的に垂直な部分に結合された移行部分と、
前記移行部分に結合された実質的に水平な部分と
を備え、前記実質的に水平な部分は、前記地下層の中に、または
前記地下層の下に形成され、前記1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行である、方向性掘削孔と、
前記方向性掘削孔の前記実質的に水平な部分内に形成された有害廃棄物処分場と、
前記有害廃棄物処分場内に位置付けられた貯蔵コンテナであって、前記貯蔵コンテナは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内容積を備えている、貯蔵コンテナと、
前記方向性掘削孔内に位置付けられたシールと
を備え、
前記シールは、前記有害廃棄物処分場を前記入口から隔離して
おり、
前記方向性掘削孔は、前記地下層の最大水平応力の方向と垂直に延びている、システム。
【請求項11】
前記地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置している、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記地震性活動は、地震を備えている、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記有害廃棄物物質は、放射性または核廃棄物を備えている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項14】
前記核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を備えている、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を備え、前記方向性掘削孔は、前記少なくとも2つの平行断
層の間に、かつ
前記少なくとも2つの平行断層と平行に延びている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上の断層は、
1つ以上の地震性記録、
1つ以上の地震性反射調査、
地質学的マッピング、または、
1つ以上の電磁(EM)調査
のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項
10に記載のシステム。
【請求項18】
前記方向性掘削孔は、前記1つ以上の断層を横断しない、請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有害物質処分場システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性廃棄物等の有害物質は、多くの場合、貯蔵される廃棄物の近くに住む住民間の健康問題を防ぐように、長期、恒久的、または半恒久的貯蔵状態に置かれる。そのような有害廃棄物貯蔵は、多くの場合、例えば、貯蔵場所識別および封じ込めの保証の観点から困難である。例えば、核廃棄物(例えば、商業用動力炉、試験炉、またはさらには軍事廃棄物からかにかかわらず、使用済み核燃料)の安全な貯蔵は、エネルギー技術の未解決課題のうちの1つと見なされている。長寿命放射性廃棄物の安全な貯蔵は、米国および世界中における原子力の採用への大きな障害である。従来の廃棄物貯蔵方法は、トンネルの使用を強調しており、Yucca Mountain貯蔵施設の設計によって例示される。他の技法は、結晶基盤岩の中に掘削される垂直掘削孔を含む掘削孔を含む。他の従来の技法は、人間のアクセスを可能にするために、浅い層内のトンネルの壁から発する掘削孔を伴うトンネルを形成することを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的実装では、有害廃棄物貯蔵のための方向性掘削孔を形成する方法は、有害廃棄物を貯蔵するために好適な地下層を識別することと、地下層を通して延びている1つ以上の断層を決定することと、地表から地下層に向かって垂直掘削孔を形成することと、垂直掘削孔から、地下層の中またはその下に延び、1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行である方向性掘削孔を形成することとを含む。方向性掘削孔は、有害廃棄物を貯蔵するように構成された有害廃棄物処分場を含む。
【0004】
一般的実装と組み合わせ可能な側面は、方向性掘削孔を地下層の最大水平応力の方向と垂直に形成することをさらに含む。
【0005】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置する。
【0006】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地震性活動は、地震を含む。
【0007】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物は、放射性または核廃棄物を含む。
【0008】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を含む。
【0009】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を含む。
【0011】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、方向性掘削孔を形成することは、方向性掘削孔を少なくとも2つの平行断層の間にかつそれと平行に形成することを含む。
【0012】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の断層を決定することは、1つ以上の地震性記録、1つ以上の地震性反射調査、地質学的マッピング、または1つ以上の電磁(EM)調査のうちの少なくとも1つに基づいて、1つ以上の断層を決定することを含む。
【0013】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、方向性掘削孔は、1つ以上の断層を横断しない。
【0014】
別の一般的実装では、有害廃棄物処分場システムは、地表に近接する入口から、地下層を通して延びている1つ以上の断層を含む地下層まで延びている方向性掘削孔を含む。方向性掘削孔は、入口に結合された実質的に垂直な部分と、実質的に垂直な部分に結合された移行部分と、移行部分に結合され、地下層の中に、またはその下に形成され、1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行である実質的に水平な部分とを含む。システムは、方向性掘削孔の実質的に水平な部分内に形成された有害廃棄物処分場と、有害廃棄物処分場内に位置付けられた貯蔵コンテナであって、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内容積を含む貯蔵コンテナと、有害廃棄物処分場を入口から隔離する方向性掘削孔内に位置付けられたシールとをさらに含む。
【0015】
一般的実装と組み合わせ可能なある側面において、方向性掘削孔は、地下層の最大水平応力の方向と垂直に延びている。
【0016】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置する。
【0017】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地震性活動は、地震を含む。
【0018】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、有害廃棄物物質は、放射性または核廃棄物を含む。
【0019】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を含む。
【0020】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を含む。
【0022】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、方向性掘削孔は、少なくとも2つの平行断層との間にかつそれらと平行に延びている。
【0023】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の断層は、1つ以上の地震性記録、1つ以上の地震性反射調査、地質学的マッピング、または1つ以上の電磁(EM)調査のうちの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0024】
前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、方向性掘削孔は、1つ以上の断層を横断しない。
【0025】
本開示による、有害廃棄物処分場システムおよび方法の実装は、以下の特徴のうちの1つ以上も含み得る。例えば、有害廃棄物処分場は、人間飲用水源から隔離されて、使用済み核燃料等の有害廃棄物物質を貯蔵するために使用され得る。有害廃棄物処分場は、最大、例えば、1,000,000年の持続時間にわたって、放射性または核廃棄物等の有害廃棄物を貯蔵するために好適であり得る。他の特徴も、本明細書に説明される。
【0026】
本開示に説明される主題の1つ以上の実装の詳細が、付随の図面および以下の説明に記載される。本主題の他の特徴、側面、および利点が、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
有害廃棄物貯蔵のための方向性掘削孔を形成する方法であって、前記方法は、
有害廃棄物を貯蔵するために好適な地下層を識別することと、
前記地下層を通して延びている1つ以上の断層を決定することと、
地表から前記地下層に向かって垂直掘削孔を形成することと、
前記垂直掘削孔から、方向性掘削孔を形成することと
を含み、
前記方向性掘削孔は、前記地下層の中またはその下に延び、前記1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行であり、前記方向性掘削孔は、前記有害廃棄物を貯蔵するように構成された有害廃棄物処分場を備えている、方法。
(項目2)
前記地下層の最大水平応力の方向と垂直な前記方向性掘削孔を形成することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置している、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記地震性活動は、地震を備えている、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記有害廃棄物は、放射性または核廃棄物を備えている、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を備えている、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を備え、前記方向性掘削孔を形成することは、前記少なくとも2つの平行断層の間にあり、それらと平行な前記方向性掘削孔を形成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記1つ以上の断層を決定することは、
1つ以上の地震性記録、
1つ以上の地震性反射調査、
地質学的マッピング、または、
1つ以上の電磁(EM)調査
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記1つ以上の断層を決定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記方向性掘削孔は、前記1つ以上の断層を横断しない、項目1に記載の方法。
(項目11)
有害廃棄物処分場システムであって、前記システムは、
地表に近接する入口から地下層まで延びている方向性掘削孔であって、前記地下層は、前記地下層を通して延びている1つ以上の断層を備え、前記方向性掘削孔は、
前記入口に結合された実質的に垂直な部分と、
前記実質的に垂直な部分に結合された移行部分と、
前記移行部分に結合された実質的に水平な部分と
を備え、前記実質的に水平な部分は、前記地下層の中に、またはその下に形成され、前記1つ以上の断層のうちの少なくとも1つと平行である、方向性掘削孔と、
前記方向性掘削孔の前記実質的に水平な部分内に形成された有害廃棄物処分場と、
前記有害廃棄物処分場内に位置付けられた貯蔵コンテナであって、前記貯蔵コンテナは、有害廃棄物物質を封入するようにサイズを決定された内容積を備えている、貯蔵コンテナと、
前記方向性掘削孔内に位置付けられたシールと
を備え、
前記シールは、前記有害廃棄物処分場を前記入口から隔離している、システム。
(項目12)
前記方向性掘削孔は、前記地下層の最大水平応力の方向と垂直に延びている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記地下層は、地震性活動の高リスクのエリアに位置している、項目11に記載のシステム。
(項目14)
前記地震性活動は、地震を備えている、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記有害廃棄物物質は、放射性または核廃棄物を備えている、項目11に記載のシステム。
(項目16)
前記核廃棄物は、使用済み核燃料または高レベル廃棄物を備えている、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記地下層は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている、項目11に記載のシステム。
(項目18)
前記1つ以上の断層は、少なくとも2つの平行断層を備え、前記方向性掘削孔は、前記少なくとも2つの平行断層との間に、かつそれらと平行に延びている、項目11に記載のシステム。
(項目19)
前記1つ以上の断層は、
1つ以上の地震性記録、
1つ以上の地震性反射調査、
地質学的マッピング、または、
1つ以上の電磁(EM)調査
のうちの少なくとも1つに基づいて決定される、項目11に記載のシステム。
(項目20)
前記方向性掘削孔は、前記1つ以上の断層を横断しない、項目11に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本開示による、1つ以上の有害物質キャニスタを含む有害廃棄物処分場の例示的実装の概略図である。
【0028】
【
図2】
図2は、1つ以上の断層を含む1つ以上の地下層内に形成される有害廃棄物処分場システムの例示的実装の概略上面図である。
【0029】
【
図3】
図3は、本開示による、有害廃棄物処分場のための掘削孔シールの例示的実装の概略図である。
【0030】
【
図4A】
図4A-4Bは、本開示による、有害廃棄物処分場のための1つ以上の核廃棄物キャニスタを封入する核廃棄物ドライキャスクの例示的実装の概略図である。
【
図4B】
図4A-4Bは、本開示による、有害廃棄物処分場のための1つ以上の核廃棄物キャニスタを封入する核廃棄物ドライキャスクの例示的実装の概略図である。
【0031】
【
図5A】
図5A-5Bは、本開示による、方向性掘削孔内の有害廃棄物処分場のための発電機システムの例示的実装の概略図である。
【
図5B】
図5A-5Bは、本開示による、方向性掘削孔内の有害廃棄物処分場のための発電機システムの例示的実装の概略図である。
【0032】
【
図5C】
図5Cは、本開示による、方向性掘削孔内の有害廃棄物処分場の温度プロファイルを図示するグラフである。
【0033】
【
図5D】
図5Dは、
図5Aの発電機システムを用いて電力を発生させることを含む例示的プロセスを例証するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、有害物質(例えば、2つの例として、使用済み核燃料(SNF)または高レベル廃棄物であり得る核廃棄物等の放射性物質)の長期(例えば、数十、数百、または数千年、またはそれを上回る)にわたってであるが、回収可能で安全かつ確実である貯蔵のための有害物質貯蔵処分場システム100(有害物質処分場システムとも称される)、例えば、地下場所の例示的実装の概略図である。例えば、この図は、有害物質の1つ以上のキャニスタ126が、地下層118内で展開された後の例示的有害物質貯蔵処分場システム100を図示する。図示されるように、有害物質貯蔵処分場システム100は、地表102から、複数の地下層112、114、116、および118を通して形成される(例えば、掘削される、または別様に)掘削孔104を含む。地表102は、地面として図示されるが、地表102は、湖または海底または水域下の他の表面等の海中または他の水中表面であり得る。したがって、本開示は、掘削孔104が、水域上またはそれに近接する掘削場所から水域下に形成され得ることを想定する。
【0035】
図示される掘削孔104は、有害物質貯蔵処分場システム100のこの例では、方向性掘削孔である。例えば、掘削孔104は、円弧または湾曲部分108に結合される、実質的に垂直な部分106を含み、円弧または湾曲部分108は、次に、実質的に水平な部分110に結合されている。本開示において使用される場合、掘削孔向きの文脈における「略」は、正確に垂直(例えば、地表102と正確に垂直)または正確に水平(例えば、地表102と正確に平行)ではないことも、地表102に対して特定の傾斜角度で正確に傾けられていないこともある掘削孔を指す。換言すると、垂直掘削孔は、多くの場合、真の垂直方向からずれてうねり、それらは、真の垂直から逸脱する角度で掘削され得、傾けられた掘削孔は、多くの場合、真の傾斜角度からずれてうねっている。さらに、いくつかの側面において、傾けられた掘削孔は、掘削孔の長さにわたって、正確に均一な傾斜(例えば、度単位)を有していないことも、示していないこともある。代わりに、掘削孔の傾斜は、その長さにわたって変動し得る(例えば、1~5度)。この例に図示されるように、掘削孔104の3つの部分、すなわち、垂直部分106、円弧部分108、および水平部分110は、地球の中に延びている連続した掘削孔104を形成する。本開示において使用される場合、掘削孔104(および説明される掘削孔部分)は、坑井ボアとも呼ばれ得る。したがって、本開示において使用される場合、掘削孔および坑井ボアは、主として、同義語であり、1つ以上の地下層を通して形成される人間占有のために好適ではない(すなわち、人間がその中に収まるには小さすぎる直径である)ボアを指す。
【0036】
図示される掘削孔104は、この例では、表面ケーシング120を有し、表面ケーシング120は、地表102から地球内の特定の深度の中に掘削孔104の周囲に位置付けられ、設定される。例えば、表面ケーシング120は、浅い層内の掘削孔104の周囲に設定された(例えば、セメントで固定された)比較的に大径管状部材(または部材のストリング)であり得る。本明細書で使用される場合、「管状」は、円形断面、楕円形断面、または他の成形断面を有する部材を指し得る。例えば、有害物質貯蔵処分場システム100の本実装では、表面ケーシング120は、地表から表面層112を通して延びている。表面層112は、この例では、1つ以上の層状岩石層から成る地質学的層である。いくつかの側面において、表面層112は、この例では、淡水帯水層、塩水、またはかん水源、または可動水(例えば、地質学的層を通して移動する水)の他の源を含む場合とそうではないこともある。いくつかの側面において、表面ケーシング120は、掘削孔104をそのような可動水から隔離し得、表面ケーシング120は、他のケーシングストリングが掘削孔104内に据え付けられるための吊り場所も提供し得る。さらに、図示されないが、ガイドケーシングが、表面ケーシング120の上方に(例えば、表面ケーシング120と表面102との間および表面層112内)に設定され、掘削流体が表面層112の中に漏れ出ることを防止し得る。
【0037】
図示されるように、生産ケーシング122は、表面ケーシング120の坑内の掘削孔104内に位置付けられ、設定される。「生産」ケーシングと称されるが、この例では、ケーシング122は、炭化水素生産作業を受ける場合とそうではないこともある。したがって、ケーシング122は、表面ケーシング120の坑内の掘削孔104内に設定(例えば、セメント結着)される任意の形態の管状部材を指し、それを含む。有害物質貯蔵処分場システム100のいくつかの例では、生産ケーシング122は、円弧部分108の端部から開始し、水平部分110全体を通して延び得る。ケーシング122は、円弧部分108の中および垂直部分106の中にも延び得る。
【0038】
示されるように、セメント130は、ケーシング120および122と掘削孔104との間の環状体内でケーシング120および122の周囲に位置付けられる(例えば、圧送される)。セメント130は、例えば、地表102下の地下層を通して、ケーシング120および122(および掘削孔104の任意の他のケーシングまたはライナ)を固定し得る。いくつかの側面において、セメント130は、ケーシング(例えば、ケーシング120および122および任意の他のケーシング)の全長に沿って据え付けられ得るか、または、セメント130は、特定の掘削孔102のために適正である場合、ケーシングのある部分に沿って使用され得る。セメント130はまた、キャニスタ126内の有害物質のための閉じ込めの追加の層を提供することができる。
【0039】
掘削孔104および関連付けられるケーシング120および122は、種々の例示的寸法を伴って、種々の例示的深度(例えば、真の垂直深度またはTVD)に形成され得る。例えば、ガイドケーシング(図示せず)は、約28インチ~60の直径を伴って、約120フィートTVDまで下方に延び得る。表面ケーシング120は、約22インチ~48インチの直径を伴って、約2,500フィートTVDまで下方に延び得る。表面ケーシング120と生産ケーシング122との間の中間ケーシング(図示せず)は、約16インチ~36インチの直径を伴って、約8,000フィートTVDまで下方に延び得る。生産ケーシング122は、約11インチ~22インチの直径を伴って、傾けられて延び得る(例えば、水平部分110をケースする(case)ために)。前述の寸法は、単に、例として提供され、他の寸法(例えば、直径、TVD、長さ)も、本開示によって想定される。例えば、直径およびTVDは、複数の地下層(112、114、116、および118)の特定の地質学的組成、特定の掘削技法、および有害物処分場100内に廃棄されるべき有害物質を含む有害物質キャニスタ126のサイズ、形状、または設計のうちの1つ以上に依存し得る。いくつかの代替例では、生産ケーシング122(または掘削孔104内の他のケーシング)は、円形断面、楕円形断面、またはある他の形状であり得る。
【0040】
図示されるように、掘削孔104の垂直部分106は、地下層112、114、および116を通して延び、この例では、地下層118内に着地する。上で議論されるように、表面層112は、可動水を含むことも、含まないこともある。この例では、可動水層114は、表面層112の下方にある(表面層112はまた、可動水または液体の1つ以上の源を含み得るが)。例えば、可動水層114は、淡水帯水層、塩水、またはかん水、または可動水の他の源等の可動水の1つ以上の源を含み得る。有害物処分場100のこの例では、可動水は、地下層の全部または一部を横断した圧力差に基づいて、地下層を通して移動する、水であり得る。例えば、可動水層114は、その中で水が自由に移動する(例えば、層114内の圧力差に起因して、または別様に)浸透性地質学的層であり得る。いくつかの側面において、可動水層114は、特定の地理的エリア内の人間飲用可能水の一次源であり得る。その可動水層114が構成され得る岩石層の例は、他の層の中でもとりわけ、多孔性砂岩および石灰石を含む。
【0041】
不浸透性層116および貯蔵層118等の他の図示される層は、不動水を含み得る。不動水は、いくつかの側面において、人間または動物または両方の飲用に適さない、水(例えば、淡水、塩水、かん水)である。不動水は、いくつかの側面において、層116または118(または両方)を通したその運動によって、10,000年以内にまたはそれを上回って(1,000,000年等)も、可動水層114、地表102、または両方に到達することができない水であり得る。
【0042】
有害物処分場100のこの例示的実装では、不浸透性層116が、可動水層114の下方にある。不浸透性層116は、この例では、可動水が通過することを可能にしないこともある。したがって、可動水層114に対して、不浸透性層116は、低浸透性、例えば、約ナノダルシー浸透性を有し得る。加えて、この例では、不浸透性層116は、比較的に非靭性(すなわち、脆い)地質学的層であり得る。非靭性の1つの尺度は、引張強度に対する圧縮応力の比率である脆性である。いくつかの例では、不浸透性層116の脆性は、約20MPa~40MPaであり得る。
【0043】
この例に示されるように、不浸透性層116は、貯蔵層118より浅い(例えば、地表102により近い)。この例では、その不浸透性層116が構成され得る岩石層は、例えば、上で説明されるように、浸透性および脆性特性を示すある種類の砂岩、泥岩、粘土、および粘板岩を含む。代替例では、不浸透性層116は、貯蔵層118より深く(例えば、地表102からより遠く)あり得る。そのような代替例では、不浸透性層116は、花崗岩等の火成岩から成り得る。
【0044】
不浸透性層116の下方に、貯蔵層118がある。貯蔵層118、この例では、いくつかの理由から、有害物質を貯蔵する水平部分110のための着地場として選定され得る。不浸透性層116または他の層に対して、貯蔵層118は、厚く、例えば、約100~200フィートの総垂直厚であり得る。貯蔵層118の厚さは、より容易な着地および方向性掘削を可能にし、それによって、建設(例えば、掘削)中、水平部分110が貯蔵層118内に容易に配置されることを可能にし得る。貯蔵層118の約水平中心を通して形成される場合、水平部分110は、貯蔵層118を備えている、地質学的層の約50~100フィートによって包囲され得る。さらに、貯蔵層118は、例えば、層118の非常に低い浸透性(例えば、約ミリまたはナノダルシー)に起因して、不動水のみを有し得る。加えて、貯蔵層118は、層118を備えている岩石層の脆性が約3MPa~10MPaであるように、十分な靭性を有し得る。貯蔵層118が構成され得る岩石層の例は、頁岩および硬石膏を含む。さらに、いくつかの側面において、有害物質は、貯蔵層が浸透性層を可動水層114から隔離するために十分な地質学的特性である場合、貯蔵層より下で、砂岩または石灰石等の浸透性層内においてさえ貯蔵され得る。
【0045】
いくつかの側面において、層118は、有害物質の長期閉じ込めのために、および可動水層(例えば、帯水層)および地表からのその隔離のために好適な特性を有し得る。そのような層は、地球の比較的に深く、典型的に、3,000フィートまたはそれを上回る場所に見出され、任意の淡水帯水層の下方に隔離して置かれ得る。例えば、適切な層は、物質の長期(例えば、数千年)隔離を向上させる、地質学的特性を含み得る。そのような特性は、例えば、そのような流体の実質的割合が周囲層(例えば、可動水層)の中に漏れ出さずに、炭化水素流体(例えば、ガス、液体、混合相流体)の長期貯蔵(例えば、数千万年)を通して例証されている。
【0046】
例えば、頁岩は、天然ガスを数百万年またはそれを上回って保持することが示されており、有害物質の長期貯蔵のための能力を証明している。例示的頁岩層(例えば、Marcellus、Eagle Ford、Barnett、およびその他)は、数百万年にわたって、水、油、およびガスの移動を防止することにおいて効果的であって、可動水を欠いており、廃棄後、数千年にわたって、有害物質(例えば、流体または固体)をシールすることが予期され得る(例えば、地質学的検討に基づいて)、多くの冗長シール層を含む、地層を有する。いくつかの側面において、層は、少なくとも部分的に数百年、数千年、数万年、数十万年、またはさらに数百万年にわたって、炭化水素または他の流体(例えば、二酸化炭素)のための層の貯蔵能力の証拠によって決定され得る漏出障壁、すなわち、流体漏出に対する障壁層を形成し得る。
【0047】
有利なこととして、有害物質貯蔵に役立ち得る頁岩の別の特定の品質は、その粘土含有量であり、それは、いくつかの側面において、他の不浸透性岩石層に見出されるそれを上回る靭性の尺度を提供する。例えば、頁岩は、階層化され、粘土(例えば、体積比約20~30%粘土)と他の鉱物との薄く交互する層から成り得る。そのような組成は、不浸透性層内の岩石層(例えば、ドロマイトまたはその他)と比較して、頁岩をあまり脆くせず、したがって、破壊(例えば、自然にまたは別様に)を受けにくくし得る。例えば、不浸透性層内の岩石層は、有害物質の長期貯蔵のために好適な浸透性を有し得るが、あまりにも脆ろく、一般に、破壊される。したがって、そのような層は、有害物質の長期貯蔵のために、十分なシール品質を有していないこともある(その地質学的特性を通して裏付けられるように)。
【0048】
いくつかの側面において、貯蔵層118および/または不浸透性層116の層は、少なくとも部分的に数百年、数千年、数万年、数十万年、またはさらに数百万年にわたって、炭化水素または他の流体(例えば、二酸化炭素)のための層の貯蔵能力の証拠によって決定され得る漏出障壁(または、流体漏出に対する障壁層)を形成し得る。例えば、貯蔵層118および/または不浸透性層116の障壁層は、炭化水素または他の流体貯蔵のそのような証拠に基づく10,000年を上回る(約10,000年および1,000,000年等)有害物質の漏出に関する時間定数によって定義され得る。
【0049】
本開示は、多くの他の層が、図示される地下層112、114、116、および118の間または中に存在し得ることを想定する。例えば、可動水層114、不浸透性層116、および貯蔵層118のうちの1つ以上の繰り返しパターンが存在し得る(例えば、垂直に)。さらに、いくつかの事例では、貯蔵層118は、可動水層114に、直接、すなわち、介在不浸透性層116を伴わずに隣接し得る(例えば、垂直に)。いくつかの例では、円弧掘削孔108および水平掘削孔110の全部または一部は、貯蔵層118(例えば、本明細書に説明されるような特性を伴う頁岩または他の地質学的層)が、水平掘削孔110と可動水層114との間に垂直に位置付けられるように、貯蔵層118の下方に形成され得る。
【0050】
この例では、掘削孔104の水平部分110は、その中に有害物質が、長期貯蔵のために、回収可能に設置され得る部分110の遠位部分内の貯蔵エリアを含む。例えば、作業ストリング(例えば、管類、コイル状管類、有線、またはその他)または他の坑内運搬機(例えば、トラクター)が、ケースされた掘削孔104の中に移動させられ、1つ以上の(3つが、示されるが、より多いまたはより少ないものが存在し得る)有害物質キャニスタ126を部分110内の長期であるが、いくつかの側面において回収可能である貯蔵部の中に設置し得る。
【0051】
各キャニスタ126は、有害物質(物質145として示される)を包囲し得る。そのような有害物質は、いくつかの例では、生物学的または化学的廃棄物または他の生物学的または化学的有害物質であり得る。いくつかの例では、有害物質は、原子炉(例えば、商業用動力炉または試験炉)または軍事核物質から回収されるSNF等の核物質を含み得る。核燃料ペレットの形態における使用済み核燃料は、原子炉から取り出され、改変されないこともある。核燃料ペレットは、固体であるが、それらは、三重水素(13年の半減期)、クリプトン-85(10.8年の半減期)、およびC-14(5,730年の半減期)を含む、二酸化炭素を含む種々の放射性ガスを含み、放出し得る。他の有害物質145は、例えば、商業用動力(または他の)炉からの放射性水等の放射性液体を含み得る。
【0052】
いくつかの側面において、貯蔵層118は、任意の放射性産物(例えば、ガス)を層118内に含むことが可能であるべきである(そのような産物がキャニスタ126から漏れ出る場合でも)。例えば、貯蔵層118は、層118を通した放射性産物の拡散時間に基づいて選択され得る。例えば、貯蔵層118から漏れ出る放射性産物の最小拡散時間は、例えば、核燃料ペレットの任意の特定の成分に関する半減期の50倍に設定され得る。最小拡散時間としての50半減期は、放射性産物の量を1×10-15分の1に低減させるであろう。別の例として、最小拡散時間を30半減期に設定することは、放射性産物の量を十億分の1に低減させるであろう。
【0053】
例えば、プルトニウム-239は、多くの場合、24,100年のその長い半減期により、SNFにおける有害廃棄物生産物と見なされる。この同位体に関して、50半減期は、120万年となるであろう。プルトニウム-239は、水中において低溶解度を有し、揮発性ではなく固体として存在する。その拡散時間は、図示される貯蔵層118(例えば、頁岩または他の層)を備えている岩石層の基質を通して、著しく短い(例えば、数百万年)。貯蔵層118は、例えば、頁岩から成り、数百万年にわたってガス状炭化水素(例えば、メタンおよびその他)を含む地質学的歴史によって示されるように、そのような隔離時間(例えば、数百万年)を有する能力をもたらし得る。対照的に、従来の核物質貯蔵方法では、一部のプルトニウムが閉じ込めからの漏れ出し時、可動地中水を含む層中に溶解し得る危険があった。
【0054】
いくつかの側面において、掘削孔104は、有害物質の長期貯蔵の主要目的のために形成され得る。代替側面において、掘削孔104は、炭化水素生産(例えば、油、ガス)の主要目的のために以前に形成されていることもある。例えば、貯蔵層118は、炭化水素が掘削孔104の中に、地表102へ生産された炭化水素産出層であり得る。いくつかの側面において、貯蔵層118は、炭化水素生産に先立って、油圧破壊されていることもある。さらに、いくつかの側面において、生産ケーシング122が、油圧破壊に先立って、穿孔されていることもある。そのような側面において、生産ケーシング122は、有害物質の廃棄作業に先立って、穿孔プロセスから作られた任意の孔を修理するためにパッチ(例えば、セメントで固定)され得る。加えて、ケーシングと掘削孔との間のセメントにおける任意の亀裂または開口部も、その時点で充填されることができる。
【0055】
この例に示されるように、プラグ、パッカ、または他のシール等の掘削孔シール134aが、方向性掘削孔104の垂直部分106内に位置付けられる。いくつかの側面において、掘削孔シール134aは、キャニスタ126内に貯蔵される有害廃棄物またはキャニスタ126内の有害廃棄物によって解放された固体または流体が、垂直部分106を通して地表102に向かって水平部分110から移動することを防止し得るか、または、防止することに役立ち得る。この例示的実装にさらに示されるように、掘削孔シール134aは、垂直掘削孔部分106内に設置される一方、掘削孔シール134bは、水平掘削孔部分110内に設置される。2つの掘削孔シール134aおよび134bが、示されるが、本開示による、より多いまたはより少ない掘削孔シールが、有害廃棄物処分場100の内に位置付けられ得る。さらに、いくつかの側面において、掘削孔シール134aおよび134bの両方(および適用可能なその他)が、垂直掘削孔部分106内に位置付けられ得る。代替として、掘削孔シール134aおよび134bの両方(および適用可能なその他)が、水平掘削孔部分110内に位置付けられ得る。いくつかの側面において、1つ以上の掘削孔シール(134aまたは134b等)が、移行掘削孔部分108内に位置付けられ得る。いくつかの側面において、2つ以上の掘削孔シール(134aおよび134b等)が、方向性掘削孔104内に互いに接触して位置付けられ得る。
【0056】
いくつかの側面において、システム100の前述の構成要素のうちの1つ以上は、有害廃棄物物質処分場100の工学的に設計された障壁を形成するように組み合わせられ得る。例えば、いくつかの側面において、工学的に設計された障壁は、以下の構成要素、すなわち、貯蔵層118、ケーシング130、裏込材料140、キャニスタ126、裏込材料150、シール134、および有害物質145自体のうちの1つ、いくつか、または全てから成る。いくつかの側面において、工学的に設計された障壁構成要素のうちの1つ以上は、
以下を行い得る(そのように行うようにエンジニアリングされる):掘削孔104内の腐食を防止または低減させること、有害物質145の漏れ出しを防止または低減させること;他の構成要素のうちの1つ以上の熱劣化を低減または防止すること;および、有害物質145が可動水層114(または地表102を含む表面層112)に到達しないことを確実にするための他の安全対策。
【0057】
図2は、1つ以上の断層(205および210)を含む1つ以上の地下層内に形成された有害廃棄物処分場システム200の例示的実装の概略上面図である。例えば、有害廃棄物処分場システム200は、1つまたはいくつかの有害廃棄物処分場100を含み得る。この例では、各有害廃棄物処分場100は、それぞれ、単一垂直掘削孔部分106に結合される、2つの水平掘削孔部分110(例えば、その中で核廃棄物等の有害廃棄物が、有害廃棄物キャニスタ126内に貯蔵される)を含む。他の例では、より多いまたはより少ない有害廃棄物処分場100が存在し得、各有害廃棄物処分場100は、垂直掘削孔部分106と水平掘削孔部分110の1:1比率を有し得る。この例に示されるように、1つ以上の断層205および210が、存在する。各断層205および210は、単一地下層(例えば、層114、または層116、または層118)を通して延び得る。代替として、ある場合、そのような断層205および210は、複数の地下層(例えば、地下層116および118)を通して延び得る。
【0058】
いくつかの側面において、断層205または210は、有害廃棄物を貯蔵する水平掘削孔部分110が形成される特定の地下層(例えば、層118)内に存在し得る(例えば、自然に)。そのような自然に生じる断層205または210に起因して、従来、核廃棄物(例えば、使用済み核燃料または高レベル廃棄物)の(例えば、深層の人間が占有不能な方向性掘削孔内への)地中廃棄は、その中に断層が生じる領域内では、これらの断層205または210に関連付けられる地震性活動(例えば、地震)の可能性が高いことに起因して、安全に行われることができない。いくつかの核廃棄物は、大規模かつ頻繁な地震を有する領域内で発生させられる(例えば、いくつか挙げると、カリフォルニア、台湾、韓国、および日本における商業用原子炉からの核廃棄物)ので、その仮定は、廃棄のために遠隔場所を要求する。遠隔廃棄は、法的問題(いくつかの国々は、国内に廃棄するように義務付けられている)および実際または認知された移送からのリスクを生成し得る。
【0059】
いくつかの側面において、近傍の地震によって引き起こされる振動は、(この例では)地下層118内に形成される深層方向性掘削孔104の有害廃棄物処分場内に位置付けられた核廃棄物キャニスタ126に対して主要な危険ではない。理由は、そのような加速が、典型的に、1g未満(すなわち、980ガル未満であって、ガルは、加速に関する標準的単位であって、1cm/秒に等しい)であるためである。そのような加速は、表面構造に対して脅威を示すが、核廃棄物キャニスタ126は、いくつかの側面において、はるかに強い加速に耐えるように設計され得る。
【0060】
地下層118のある深度における岩石は、例えば、方向性掘削孔110によってアクセスされるとき、典型的に、標準的地球物理学的技法を使用することによって測定される応力テンソルを有する。油圧破壊および油およびガスの抽出のための深層水平坑井ボアは、典型的に、最大岩石応力の方向に掘削される。例えば、シェールガスおよび/またはシェールオイルの領域にアクセスするために使用される水平坑井ボアは、そのような坑井ボアが形成される岩石層内で最大水平応力の方向に延びている。水平掘削孔の角度が最大水平応力の方向からそれる場所では、その局所的岩石のために、最大応力の方向が変化するので、それる。
【0061】
例えば、頁岩からの炭化水素回収では、最大水平応力の方向に沿った向きは、そうすることが油圧破壊のプロセスのために通常最適であるので、行われる。油圧破壊では、一連の穿孔が、水平区分におけるその長さに沿ってケーシング内に作製される。高圧水および砂が、次いで、ケーシングの中に、孔を通して外に圧送され、岩石を破壊する。この圧力下で、岩石は、掘削孔と垂直な方向に破壊する傾向にある。所望の結果は、掘削孔と垂直な破壊平面の組であり、それによって、多くの孔が破壊されると、これらの破壊が、大量の標的頁岩岩石全体を通して広がるであろう。破壊が掘削孔と平行であった場合、それらは、重複し、はるかに小さい体積が対象とされるであろう。
【0062】
放射性廃棄物(例えば、SNFまたは高レベル廃棄物)の地中廃棄または貯蔵のために、従来、任意の坑井ボアまたは人間が占有可能な地中処分場の向きは、例えば、岩石層の最大水平応力または岩石層を通した断層の方向に関係なく、恣意的方向において選択された。水平掘削孔部分110の恣意的掘削孔向き(例えば、垂直掘削孔部分106に対する)は、容認可能であり、ある場合、有用であり得るが、それらは、地震等の地震性事象を受けやすい地下層内に危険も引き起こし得る。断層が、滑った場合、すなわち、断層の片側上の岩石が、他方の側に対して移動し、この断層が、方向性掘削孔104の有害廃棄物処分場区分を横断した場合、その滑りは、掘削孔104の連続性を破壊し得、おそらく、水平掘削孔部分110内にある1つ以上の核廃棄物キャニスタ126を破壊し、同時に、ガスおよび液体を含む流体が容認不可能なほど短時間において廃棄区分から表面に到達することを可能にするであろう地表102までの経路を生成し得る。
【0063】
図2に示される有害廃棄物処分場システム200は、地震が、頻繁であり、および/または将来的に生じる可能性が高い領域内における1つ以上の地下層内に形成される1つ以上の有害廃棄物処分場100の例示的実装である。
図1に関して説明されるように、水平掘削孔部分110が、それを通した流体(例えば、液体またはガス)の浸透に対して不透過性または不浸透性シールであるか、または、それを含む地下層(例えば、層118)内または下に形成され得る。例えば、層は、頁岩、塩、粘土、または他のタイプの岩石であり得る。
【0064】
この例に示されるように、有害廃棄物処分場システム200では、有害廃棄物処分場100の水平掘削孔部分110の各々は、掘削孔部分110と同一地下層を通して延びている特定の断層205または210と平行に向けられている。例えば、いくつかの側面において、水平(または略水平)掘削孔110は、そのような掘削孔110が、最大水平応力の方向と垂直に整列させられている場合、地震断層205または210からの偶発的破裂に対してより大きい安全性を達成し得る。したがって、有害廃棄物処分場システム200は、地震性事象によって引き起こされる破壊が、既存の断層205または210(地質学者に公知である場合とそうではないこともある)の延長部または地震または他の地震性事象中の新しい断層の生成のいずれかから生じる可能性が最も高い方向と平行な水平掘削孔部分110を含む。この向きは、地震誘発破壊が深層方向性掘削孔104の有害廃棄物処分場エリアを横断するであろう可能性を著しく低減させ得る。
【0065】
例示的動作では、特定の地下層(例えば、貯蔵層118)が、有害廃棄物処分場として好適であると決定され得る。例えば、特定の地下層は、例えば、1つ以上の地質学的パラメータ(例えば、浸透性、靭性、脆性)、地下層に見出される液体(例えば、かん水)に関する1つ以上の試験結果、地理的場所、または他の基準に基づいて、好適であり得る。有害廃棄物処分場としての特定の地下層の適性は、例えば、長期間(例えば、数十年、数百年、数千年、数万年)のために核廃棄物をシールして貯蔵するその能力であり得る。
【0066】
次のステップでは、1つ以上の断層が特定の地下層を通して延びているかどうかの決定が行われ、該当する場合、そのような断層(または複数の断層)が延びている場所の決定が行われる。例えば、いくつかの側面において、断層は、地震性記録から位置特定(かつ把握)され得る。いくつかの側面において、断層は、地震性反射調査(コンピテント層内の不連続性示す)から、または地質学的マッピングを通して識別され得る。いくつかの側面において、間接方法、例えば、メタン漏出の検出が、断層が油圧伝導性である場合等に、地表における断層を検出し得る。いくつかの側面において、電磁(EM)調査も、断層場所を診断し得る。
【0067】
さらなる例として、断層は、多くの断層が共役平面内で生じるので、把握または決定され得る。例えば、CaliforniaにおけるHayward断層帯は、公知の断層であるが、Hayward断層に対してある鋭角(例えば、ちょうど90度ではない)にある断層も、存在し、それも、地震を生成し得る。したがって、いくつかの側面において、依然として、他の(あまり危険ではない)断層と交差するが、公知の(および最も危険な)断層と平行な深層方向性掘削孔が、形成され得る。別の例として、台湾は、衝突縁(例えば、地殻プレートが互いに向かって移動する収束縁)の例にある。したがって、このエリアでは、断層の大部分は、衝上逆断層であり、衝突方向に向けられた断層平面を有する。
【0068】
関連して、ある深度における岩石の応力テンソルは、油およびガス技術において使用される地球物理学的技法を使用して、決定されることができる。しかしながら、それは、掘削の前でも、近傍の断層のマッピングによって推定されることができる。その場所にわたってゆっくりとしか変動しない応力テンソルを有する領域では、地震断層は、平行であろう。したがって、マッピングが、所望の方向を与える。
【0069】
次のステップでは、方向性掘削孔(例えば、垂直部分、半径部分、および水平部分)が、形成され、掘削孔と断層との間に任意の交点を伴わずに、決定された1つ以上の断層と平行に向けられ得る。有害廃棄物処分場が、次いで、例えば、方向性掘削孔の水平部分内に形成され、有害廃棄物(例えば、放射性廃棄物)が、その中に配置される。いくつかの側面において、近傍の断層を有するエリアでは、深層方向性掘削孔のための最適場所は、2つの平行断層間にあり、断層と同一方向に生じさせられ得る。したがって、これらの断層のいずれも、深層方向性掘削孔の有害廃棄物処分場エリアと交差せず、そのような断層は、地震が断層を長くした場合でも、有害廃棄物処分場エリアと交差しないであろう。いくつかの側面において、これらの断層の存在は、岩石内に蓄積し得る応力;これらの既存の断層がなければ新しい断層を生成し得る応力の解消を提供する。
【0070】
図3は、
図1に示される有害廃棄物処分場100等の有害廃棄物処分場のための掘削孔シール300の例示的実装の概略図である。いくつかの側面において、掘削孔シール300は、処分場100内の掘削孔シール134aまたは134bの一方または両方として使用され得る。
図1の例示的実装に示されるように、例えば、掘削孔シール134aは、垂直掘削孔部分106内に位置付けられる。いくつかの側面において、掘削孔部分106等の掘削孔(または坑井ボア)が、生成されると、典型的に、生成された掘削孔の周りを囲む「乱されたゾーン」が存在し、それは、多くの場合、概ね掘削孔の半径に等しい距離、岩石層の中に延びている。この乱されたゾーンは、廃棄物(キャニスタ126から漏出される場合の有害廃棄物145等)が、例えば、流動する水およびかん水によって、地表102まで搬送されるための潜在的経路を提供する。別の可能な漏出経路は、ケーシング(例えば、ケーシング120)と、掘削孔104が延びている岩石層(例えば、層112-118およびその他)との間の空間302(例えば、環状体302)内にある。いくつかの掘削孔に関して、環状体302は、セメントで充填される。この場所における漏出を防止する能力は、いくつかの側面において、セメントの寿命に関連する。
【0071】
掘削孔シール300は、
図3に示されるように、有害廃棄物処分場100を含むか、またはその一部である深層方向性掘削孔104(例えば、人間が占有不能な掘削孔)の垂直掘削孔部分106内に設置される。いくつかの側面において、シール300(プラグとも呼ばれる)は、有利なこととして、(この例では)垂直掘削孔部分106をシールするために利用され得る「クリープ」と呼ばれる地質学的層特性を利用し得る。クリープは、例えば、頁岩内、粘土内、塩内、および他の岩石内で生じる。クリープは、概して、亀裂および他の断続面を充填する傾向にある岩石の低速流動である。
図3に示される例示的実装では、シール300は、クリープを示す複数の特定の岩石(または特定の岩石)でできている1つ以上の岩石部分を含む。
【0072】
図3に示されるように、(また、
図1に示される構成要素を参照すると)、掘削孔シール300は、少なくとも部分的に岩石(または他の天然)材料306を封入するフレームまたは筐体304を含む。岩石材料306は、いくつかの側面において、頁岩、または粘土、または塩、またはクリープを示す他の岩石材料である。いくつかの側面において、フレームまたは筐体304は、少なくとも部分的に環状体302、地下層116、または両方に対して開放している。したがって、いくつかの側面において、岩石材料306がクリープを示すにつれて、材料306は、フレーム302と、例えば、層116との間の空間を充填する(例えば、垂直掘削孔部分106の周囲の乱されたゾーンの全部または一部内を充填する)ように移動し得る。
【0073】
この例では、掘削孔シール300の直径dは、ケーシング120の直径Dより大きい。したがって、この例では、ケーシング120のミリング部分308(およびセメント130およびおそらく層116)は、垂直掘削孔部分106内への掘削孔シール300の据え付けに先立って除去され得る。そのような側面において、パッカ型デバイス等の掘削孔シール300の拡張可能部分(図示せず)は、拡張され、ミリング部分308の中へ掘削孔シール300を調節し得る。代替側面において、掘削孔シール300の直径dは、ケーシング120の直径D未満であり得る。そのような側面において、同様に、パッカ型デバイス等の掘削孔シール300の拡張可能部分(図示せず)は、拡張され、ケーシング120に接触するように掘削孔シール300を調節し得る。代替側面において、掘削孔シール300の直径dは、ケーシング120の直径Dに等しいか、またはほぼ等しくあり得る。
【0074】
掘削孔シール300の例示的実装は、組成において岩石材料306(例えば、頁岩、粘土、塩、または他の岩石)に類似する岩石層において使用されることができるが、岩石材料306に類似しない他の層(例えば、石灰石または玄武岩から成る岩石層)でも使用されることができる。いくつかの側面において、岩石材料306は、掘削孔104自体から取得され得る。より多くの材料306が、必要とされる場合(例えば、複数の掘削孔シール300のために)、そのような材料306は、別の場所から持ち込まれ得る。
【0075】
いくつかの側面において、塩も、シール300内での岩石材料306のために使用されることができる。例えば、塩は、局所的水がそれを溶解し得、それが損傷ゾーン(例えば、ミリング部分308に隣接する)の中に移動することに役立ち、掘削孔部分120の周りを囲む損傷ゾーンをシールすることに役立ち得る特性を有する。しかしながら、いくつかの側面において、任意の塩が深層かん水によって溶解しやすくならないことを保証するように配慮されなければならない。溶解に対する安全性のインジケータは、それらのかん水が、塩ですでに飽和させられている場合であろう。
【0076】
別の例示的実装では、岩石材料306は、複数のタイプの岩石から成り得、そのうちの少なくとも1つは、クリープの性質を示す。これらのタイプの岩石材料306のうちのいくつかは、例えば、地下層116内の岩石層に合致し得、したがって、孔をその深度で既存の岩石と同様に充填させる。シール300の岩石材料306は、おそらく、乱されたゾーン内で亀裂が入っているものの層116内の岩石が固体であろうから、地下層116と同一でないこともあるが、シール300内の岩石材料306は、定位置に置かれるために、より小さい部片から成り得る。いくつかの側面において、深度において岩石タイプを合致させることは、そうでなければ、従来の炭化水素作業シール(例えば、ブリッジプラグ、パッカ、またはその他)を用いて利用可能であろうより持続的シールを提供し得る。加えて、いくつかの側面において、掘削孔シール300は、例えば、セメント、ベントナイト、または他のシール材料等の他のシール材料を含み得る。
【0077】
垂直掘削孔部分106内に位置付けられるように説明されるが、掘削孔シール300は、任意の向きを伴う(または他の目的のために形成される)掘削孔とともに使用されることができる。本開示による、掘削孔シール300は、例えば、従来の油およびガス坑井をシールするために使用され得る。
【0078】
例示的動作では、廃棄物キャニスタが、方向性掘削孔104内に配置されると、(例えば、ケーシング120およびセメント130およびおそらく層116の一部の)ミリング部分308が、随意に、形成される(例えば、リーミングツールを用いて)。例えば、ケーシング120の一部が、シール300と周囲岩石層116との間の確実なシールを改良するために、除去され(例えば、ミリングまたは別様に切り取られ)得る。いくつかの側面において、シール/ケーシングシールは、それほど確実ではないこともある。例えば、ケーシング120の一部を除去することなく、おそらく、有害廃棄物145を含む、水またはかん水を地表102またはその近傍の表面まで(例えば、可動水の源まで)運搬し得る経路が、環状体302内に(または別様にケーシング120の外側に半径方向に)存在するであろう可能性が存在する。
【0079】
いくつかの側面において、ケーシング120の全てを除去する必要はないこともあり、垂直掘削孔106内のケーシング120の一部のみが、除去される。例えば、いくつかの側面において、その意図は、垂直掘削孔106を必ずしも、全ての深度においてではなく、いくつかの場所でシールすることである。ケーシング120の一部を除去することによって、ケーシング120(および、おそらく、垂直掘削孔部分106)の直径Dを上回る外径を伴うディスク形状部分が、垂直掘削孔部分106内の特定の深度に形成される。
【0080】
いくつかの側面において、水平廃棄処分場掘削孔は、適切なクリープ特性を有する岩石であり、粘土が豊富な頁岩の1つ以上の層の真下に位置する。垂直掘削孔部分106は、この層を貫通し得る。頁岩(例えば、「キャップ」層)は、自己回復性でもあり、ガスおよび液体が層を通して迅速に移動することを可能にし得る破壊および他の経路を低減させ得る。
【0081】
ケーシング120の一部が、除去されると、掘削孔シール300が、ケーシング部分が除去された深度において、掘削孔104の垂直部分106の中に挿入される。ケーシング120の除去によって生成されたディスク形状容積が、掘削孔シール300によって充填されるため、より浅い深度における岩石の圧力が、ある短期間(数日~数年)にわたって、岩石層116に対して押圧し、それによって、ディスク形状容積(例えば、ミリング部分308)内の小亀裂および断続面を「回復する」(例えば、その中を充填する)、クリープを引き起こす。説明されるように、坑内シール300は、クリープ材料306を保持する、または少なくとも部分的に包囲するフレーム304または他の構造(例えば、耐食性物質から作製される)を含み得る。
【0082】
そのような充填材料306は、より迅速なシールが、典型的に、所望されるため、油およびガス産業で孔をシールするために、標準的ではない。その理由から、セメントが、高頻度において、その構成要素である。しかしながら、本明細書に説明される掘削孔シール300の実装は、有害廃棄物処分場のためのより良好な長期シールを提供するために、クリープのプロセスを利用することによって、数千年にわたって、強固な隔離および保護のための工学的に設計された障壁を提供する。
【0083】
本開示は、方向性掘削孔104内に位置付けられた複数の掘削孔シール300を含む有害(例えば、核)廃棄物を貯蔵する方向性掘削孔104の一部(垂直部分106、水平部分110、または両方)をシールするためのシステムおよび方法の実装も想定する。例えば、廃棄物キャニスタ126が、方向性掘削孔104内に配置されると、2つ以上の深度におけるケーシング120の一部が、除去される。
【0084】
いくつかの側面において、各掘削孔シール300は、各シール300の特定の深度において天然地質学的層に合致する岩石材料306を含み、岩石材料306は、上方の岩石の圧力から、その地質学的層と良好なシールを形成する。いくつかの側面において、地表102と、有害廃棄物処分場が位置する層(例えば、地下層118)との間の各異なる地質学的層(例えば、地下層112、114、116、118)において、垂直部分106内に位置付けられたそれぞれの掘削孔シール300が存在し得る。代替として、地表102と、有害廃棄物処分場が位置する層118との間の地質学的層の全てより少ない層において、垂直部分106内に位置付けられたそれぞれの掘削孔シール300が存在し得る。
【0085】
各掘削孔シール300を据え付けるために、この例では、ケーシング120の一部が、前述のように除去される。良好なクリープ特性を有し、および/またはシール300の所望の設定深度における地質学的層に合致する材料306を含む特定の掘削孔シール300は、ケーシング部分が除去された深度において、掘削孔104の垂直部分106の中に挿入される。説明されるように、この例では、各シール300は、シール300が設定されるべき特定の深度における層に合致する岩石材料306を含む。クリープを促進するために、岩石材料306は、シール300の中に形成されることに先立って、小部片に分割され得る。例えば、部片間の空間が、0.1mm未満である場合、間隙を充填するためのクリープ時間は、数ミリメートルの間隙(またはそれを上回る距離)が存在する場合より短くなる。
【0086】
方法の例示的実装では、その深度における環状体302を充填するために使用される岩石材料306は、掘削孔104が元々形成されたときにその層(例えば、地下層112、114、116、または118)から取得された岩石であろう。代替として、岩石材料306は、別の掘削孔から取得された岩石であり得るか、または、同一地質学的層が、地表102により近い、またはそれに到達する場所から取得された岩石であり得る。したがって、シール300を形成するために使用される岩石材料306は、経時的に、充填部と掘削されていない岩石との間の不一致を殆どまたは全く伴わないであろうことを保証するために、可能な限り地質学的層との良好な合致を有し得る。
【0087】
いくつかの側面において、「層状ケーキ」地質学、すなわち、異なる種類の岩石の多くの層から成る地質学の場合、全ての層に合致するように設定されるシール300は、存在しない。いくつかの側面において、漏出に対してシールを提供するであろう層に設定される、1つのみのシール300が存在し得る。
【0088】
図4A-4Bは、本開示による、有害廃棄物処分場のための1つ以上の核廃棄物キャニスタ420を封入する核廃棄物ドライキャスク400の例示的実装の概略図である。示されるように、
図4Aは、複数の核廃棄物キャニスタ420が封入される核廃棄物ドライキャスク400の垂直断面を示す。
図4Bは、
図4Aから得られた半径方向断面を示す。概して、核廃棄物ドライキャスク400は、一時的な時間量にわたって、SNFまたは高レベル廃棄物等の核廃棄物を封入および貯蔵し得る。例えば、冷却槽内で数年経過後、SNFアセンブリの形態における核廃棄物は、「ドライキャスク」貯蔵所に移動させられ得る。現在、米国におけるSNFの保有量の約1/3は、そのような貯蔵所にあるが、その割合は、急速に増加することが予期される。従来のSNFアセンブリは、典型的に、直方体形状であり、幅8~12インチ(正方形断面の対角線寸法)、および長さ14フィートである。いくつかの側面において、36本以上のSNFアセンブリが、従来のキャニスタ内に設置される(約5フィートの直径を伴う)。キャニスタは、ヘリウムガスで充填され(アセンブリによって発生させられる熱を分散させるため)、シールされ、従来のコンクリートキャスクの内側に設置される。従来のキャスクは、典型的に、厚さ2フィートの壁を有し得、それは、キャスクの近傍の人々のための放射線(例えば、ガンマ線)遮蔽を提供する。空気が、(ドライキャスク内の)大型キャニスタの周囲に循環させられ、冷却を提供する。
【0089】
従来のドライキャスク貯蔵所は、一時的貯蔵のために設計(および許諾)される。恒久的貯蔵のために、上部コンクリート蓋が、除去され、キャニスタ溶接が、破壊され、SNFアセンブリが、外に持ち上げられ、廃棄キャニスタ内に設置される。これらのステップは、燃料アセンブリがガスおよび他の放射性物質を放出し得るので、水面下または「ホットセル」(例えば、核物質を取り扱うために認定された部屋)内のいずれかで行われなければならない。
【0090】
核廃棄物ドライキャスク400の例示的実装は、深層の人間が占有不能な方向性掘削孔(
図1における有害廃棄物処分場100に示される掘削孔104等)内への恒久的廃棄所(例えば、数千年とはいかないまでも、数百年にわたって)への核廃棄物ドライキャスク400内に貯蔵された1つ以上の核廃棄物キャニスタ420(円形、正方形、長方形、または他の形状の断面であり得る)の輸送を促進する。いくつかの側面において、キャニスタ426のうちの1つ内に例として示される核廃棄物426は、複数のSNFロッド428から形成された1つ以上のSNFアセンブリ内のSNFである。
図4A-4Bに示されるように、核廃棄物426は、複数のロッド428を伴う単一SNFアセンブリを表し得る(しかしながら、核廃棄物キャニスタ426の他の例示的実装は、複数のSNFアセンブリまたはさらに単一SNFアセンブリの一部のみを貯蔵し得る)。核廃棄物ドライキャスク400の他の実装は、高レベル核廃棄物を貯蔵し得る。
【0091】
この例示的実装では、各核廃棄物キャニスタ420は、蓋422および底部424がシールされる(例えば、核廃棄物426の配置に続いて)筐体421を含む。いくつかの側面において、例示的実装は、個々の核廃棄物キャニスタ420内へのSNFアセンブリ426の装填を含む(すなわち、各SNFアセンブリ426が、単一キャニスタ420の中に装填され、各キャニスタ420は、単一SNFアセンブリ426を封入するようにサイズを決定される)。いくつかの側面において、核廃棄物キャニスタ420は、キャニスタ420の蓋422または底部424(またはその一部として)ではなく、キャニスタ420の円周方向筐体421(例えば、蓋422から底部424までおよびその間)の周囲に(またはその一部として)、放射線遮蔽体(例えば、ガンマ線またはX線放射線のための)を含み得る。複数のキャニスタ420が、次いで、核廃棄物ドライキャスク400の中に装填され得る。したがって、核廃棄物ドライキャスク400のこの例示的実装では、多く(例えば、36本)のSNFアセンブリを保持する単一の大きいキャニスタが核廃棄物ドライキャスク400の中に設置されず、代わりに、複数のSNFキャニスタ420が、核廃棄物ドライキャスク400の中に装填される。装填されると、個々のSNFキャニスタ420は、後に、ホットセルまたは冷却槽の必要なく、除去されることができる。キャニスタ420は、シールされ、放射性物質(SNFアセンブリ426等)の漏出を防止する。
【0092】
図4Aに示されるように、核廃棄物ドライキャスク400は、上部404と底部406とを含み、それらは、筐体402と接続し、核廃棄物キャニスタ420が配置され得る内容積408を画定する。1つ以上の冷却流体流動経路410が、容積408内に画定され得、それを通して、冷却媒体(例えば、気流、液体冷却剤、またはその他)が、熱を核廃棄物キャニスタ420から除去するために循環させられる。さらに、上部404または底部406の一方または両方は、容積408を核廃棄物ドライキャスク400の外部の環境にさらすように移動可能であり得る。いくつかの側面において、上部404または底部406の一方または両方は、上部404または底部408と筐体402との間のヒンジ等を通して、上部404または底部406を筐体402から完全に取り外さずに移動可能である。代替として、上部404または底部406の一方または両方は、筐体402との旋回接続部の周りで半径方向に旋回し、動き(例えば、弧状に)、容積408を環境にさらし得る。
【0093】
この例示的実装では、核廃棄物ドライキャスク400の上部404、底部406、および筐体402の各々は、例えば、キャスク400の近傍のエリア内の人間をそのような放射線から保護するために十分である放射線(例えば、ガンマ線)遮蔽体を含むか、または、それから成る。いくつかの側面において、上部404、底部406、および筐体402は、そのような放射線遮蔽体を提供するために十分な厚さのコンクリートを含むか、または、それから作製される。代替として、上部404、底部406、および筐体402は、そのような放射線遮蔽体を提供するために十分な厚さのタングステン等の別の遮蔽体材料を含むか、または、それから作製される。いくつかの側面において、放射線遮蔽体のために十分なタングステン(非セメント質材料の例として)の厚さは、放射線遮蔽体のために十分なコンクリートの厚さより小さく、おそらく、数桁小さい。
【0094】
記載されるように、いくつかの側面において、各SNFキャニスタ420は、蓋422および底部424を除き、ガンマ線からの放射線遮蔽体を提供しないか、または除外する。SNFキャニスタ420が、核廃棄物ドライキャスク400から除去されると、キャニスタ420は、いくつかの側面において、より小さいコンクリート遮蔽体の中に挿入されるか、または、直接、深層方向性掘削孔104の垂直入口の中に降下させられる。例えば、核廃棄物ドライキャスク400内に貯蔵される核廃棄物キャニスタ420を垂直入口の中に挿入するとき、ドライキャスク400は、掘削孔104の(例えば、垂直部分106の)垂直開口部の上方に設置され得る。ドライキャスク400の底部406は、SNFキャニスタ420が封入されたキャスク400の内容積408をさらすように除去または移動させられ得る(例えば、核廃棄物ドライキャスク400の側方にスライドされる)。ドライキャスク400の位置は、SNFキャニスタ420のうちの特定の1つが、廃棄掘削孔104の垂直入口の上方の定位置に来るまで、調節され得る。キャニスタ420は、次いで、例えば、恒久的貯蔵のために、垂直入口を通して、最終的に、深層方向性掘削孔104の水平掘削孔部分110内の有害廃棄物処分場まで降下させられる。このプロセスは、例えば、核廃棄物ドライキャスク400内に貯蔵される各SNFキャニスタ420に関して、繰り返され得る。
【0095】
代替側面において、核廃棄物キャスク400の上部404は、内容積408をさらすように除去(例えば、完全に、スライドまたは回転)され、キャニスタ420は、より小さい輸送キャスクの中に引き上げられる。輸送キャスクは、いくつかの側面において、核廃棄物ドライキャスク400のより小さいバージョンであり得、典型的に、1つのSNFキャニスタ420を保持するように設計される(但し、2つ以上であるが核廃棄物ドライキャスク400未満を保持し得る)。輸送キャスクは、核廃棄物ドライキャスク400よりはるかに小さく、SNFキャニスタ420が(例えば、核廃棄物ドライキャスク400と比較して)短期間にわたってしかこの輸送キャスク内にないこともあるので、特定の冷却システムを含まないこともある。輸送キャスクは、次いで、説明されるように、廃棄掘削孔104まで移動させられ、SNFキャニスタ420は、垂直開口部の中に降下させられる。
【0096】
したがって、いくつかの側面において、内容積408がさらされると、1つ以上のSNFキャニスタ420は、容積408から深層方向性掘削孔104の垂直入口の中に(または代替として、輸送キャスクの中に)除去(例えば、降下)され得る。いくつかの側面において、追加のガンマ線遮蔽体(説明されるように、核廃棄物ドライキャスク400および個々のSNFキャニスタ420のそれに加え)は、SNFキャニスタ420を輸送キャスクの中に、または直接、方向性掘削孔104の中に設置するために要求または使用されない。本開示による核廃棄物ドライキャスク400の実装は、したがって、ドライキャスク一時的貯蔵所から深層方向性掘削孔内の恒久的廃棄所に輸送するプロセスをかなり簡略化し得る。
【0097】
図5A-5Bは、方向性掘削孔内の有害廃棄物処分場のための発電機システム500の例示的実装の概略図である。いくつかの側面では(
図1に説明され、示されるある構成要素を参照すると)、核廃棄物(例えば、SNFまたは高レベル廃棄物または両方)等の有害廃棄物が、人間が占有不能な深層方向性掘削孔内(例えば、掘削孔104内)等の地中に廃棄されるとき、有害廃棄物(例えば、有害廃棄物145)を貯蔵する1つ以上の有害廃棄物キャニスタ(例えば、キャニスタ126)の近傍に、またはそれと接触して設置される器具が存在し得る(有害廃棄物処分場監視システムの全部または一部として)。いくつかの側面において、器具(例えば、掘削孔104内のまたはそれを包囲する放射線、温度、圧力、および他の環境条件を測定するために)は、地表102と通信することが可能であり得る。そのような通信は、例えば、規制当局によっておそらく要求されるような有害廃棄物処分場100の「性能確認」を促進することができる。
【0098】
いくつかの側面において、有害廃棄物処分場監視システムの全部または一部(例えば、器具、センサ、コントローラ、またはその他)は、電力を利用する。従来、そのような電力は、方向性掘削孔104内で表面102まで延びているケーブルによって供給され得るが、そのケーブルは、次いで、それに沿って有害廃棄物が漏れ出し得る(例えば、可動液体を通して)経路を生成する。有線電力の従来の代替は、バッテリをある深度に含むことであり得るが、バッテリは、限定された寿命を有する。
【0099】
発電機システム500の例示的実装は、深層方向性掘削孔104の有害廃棄物処分場において電力を発生させ、例えば、処分場内に貯蔵される有害廃棄物を監視する1つ以上の器具に給電する。いくつかの側面において、有害廃棄物は、SNFまたは高レベル廃棄物等の放射性廃棄物である。いくつかの側面において、発電機システム500は、貯蔵される放射性廃棄物によって発生させられる熱を利用して、電力を発生させる。
【0100】
図5Aに示されるように、(
図1に示されるある構成要素を参照すると)、放射性廃棄物145(例えば、SNFアセンブリ)を封入する核廃棄物キャニスタ126は、方向性掘削孔104内の有害廃棄物処分場内に配置される。例えば、いくつかの側面において、方向性掘削孔104(より具体的に、水平掘削孔部分110)内に核廃棄物を貯蔵する単一核廃棄物キャニスタ126は、数百ワットの率で、熱エネルギーを生産する。そのエネルギーが、例えば、掘削孔部分110内の任意の充填物を通して、ケーシング120(ケーシングが使用される場合)を通して、地下層118の岩石の中に伝達されると、熱は、温度差を生成し、それは、電力(または機械的力)を取得するために活用可能である。
【0101】
ある例示的実装では、核廃棄物キャニスタ126は、単一使用済み核燃料アセンブリ(
図5Aでは、145として表される)を封入し得る。いくつかの核廃棄物キャニスタ126が、方向性掘削孔部分110の有害廃棄物処分場内に、端端で設置され得る。そのような構成の温度プロファイルが、(例えば、掘削孔部分110の)封入された掘削孔軸に沿って、キャニスタ126の中心からの半径方向距離における温度のチャート550として
図5Cに示される。チャート500では、x-軸は、キャニスタ126が配置された水平掘削孔部分110に沿った距離(メートル単位)を表す。y-軸は、キャニスタ126の中心線軸からの半径方向距離(メートル単位)を表す。
【0102】
この構成は、キャニスタ126あたり100Wの電力発生率と、キャニスタ126間の4フィート間隔とを仮定する。この例では、キャニスタ126の端部とキャニスタ間の4フィート間隙の中心(より低温)との間の温度は、約20℃である。この温度差は、いくつかの側面において、発電機システム500によって電力を発生させるために使用されることができる。
【0103】
発電機システム500の例示的実装では、熱電力は、核廃棄物145から産物される熱から発生させられる。例えば、発電機システム500は、放射性同位体熱発生機(RTG)を使用するか、または、含み得る。
図5Aに示されるように、発電機システム500は、例えば、隣接する核廃棄物キャニスタ126間の4フィート間隙間の環状空間内の方向性掘削孔104内(例えば、水平掘削孔部分110内)に位置付けられる。例示的発電機システム500は、熱伝達導体504と熱伝達導体502との間に位置付けられた少なくとも1つの平坦シート熱電発生機506を含む。この例では、熱伝達導体504は、それらが最も近い核廃棄物キャニスタ126の熱源に対してより近くに位置付けられるので、熱源導体504であり得る。熱伝達導体502は、それらが最も近い核廃棄物キャニスタ126の熱源からさらに遠くに(導体504と比較して)位置付けられるので、ヒートシンク導体502であり得る。
【0104】
熱電発生機506の例示的実装は、
図5Bに示される。示されるように、熱電発生機506は、プレート507および509(例えば、セラミックプレート)を含み、それらは、それぞれのヒートシンク導体502および熱源導体504との熱(例えば、伝導性)接触を提供する。いくつかの側面において、プレート507および509は、それぞれ、導体502および504であり得る。nおよびp型半導体物質が、プレート507と509との間に搭載され、それらは、伝導性部材513を通してプレート507および509と接触する。極514が、熱電発生機506に電気的に接続され、発生機506の動作に基づいて、電流Iを提供する。
【0105】
いくつかの例では、発電機システム500は、図示される構成要素を保持するために、コンテナを含むか、またはその中に設置され得る。示されるように、ばね508が、熱源導体504およびヒートシンク導体502をケーシング120に対して付勢するために、または押し付けるために含まれる。しかしながら、発電機システム500は、別の目的を果たすコンテナの内側に入れられることもできる。例えば、発電機システム500は、環境の温度および圧力および放射能を測定するデバイスの内側に設置され得、デバイスは、そのようなデータを記録するか、またはデータを遠隔レコーダ(例えば、地表102上の)にブロードキャストする。
【0106】
図5Aでは、熱電発生機506の平坦シートが、図と垂直に示されるが、発生機506は、任意の向きにあり得る。示されるように、ヒートシンク導体502の右の領域は、空である。しかしながら、いくつかの側面において、別の組の熱電導体506が、その領域内に同様に設置されることができる。例えば、
図5Aは、水平掘削孔部分110内の2つの核廃棄物キャニスタ126間の空間を充填する発電機システム500を示す。しかしながら、いくつかの側面において、発生させられる電力の所望の量に応じて、より少ない熱電発生機506が、使用されることができるが、より長い熱導体502および504が、次いで、掘削孔部分110の最も高温領域からの熱を取り込むために使用され得る。
【0107】
図5Aにさらに示されるように、放射線(例えば、ガンマ線)遮蔽体512が、核廃棄物キャニスタ126の端部上に設置され得る。さらなる放射線遮蔽体510も、発電機システム500の近傍に、またはそれと接触して位置付けられ、例えば、核廃棄物145からのガンマ線への熱電発生機506の暴露を低減させ得る。いくつかの側面において、追加の遮蔽体が、発電機システム500に追加され得る。いくつかの側面において、放射線遮蔽体は、タングステンがガンマ線吸収材であり、良好な長期防止腐食性質を有するので、タングステン遮蔽体である。他のガンマ線吸収物質が、使用され得る。
【0108】
いくつかの側面において、発電機システム500は、放射線耐性材料から作製される。放射線耐性材料を使用する例示的実装は、従来の材料を使用する設計ほど電力(例えば、電流)を発生させないこともある。そのような発生機は、例えば、半導体を使用するのではなく、互いに接触する異なる熱電特性を伴う金属を使用し得る。
【0109】
動作時、発電機システム500の例示的実装は、熱伝達導体502および504をケーシング120に対して押し付けるばね508以外の可動部品を有していない。動作中、電子のみが、移動する。熱源導体504は、核廃棄物キャニスタ126と熱電発生機506の片側との間の間隙に沿って、熱を伝導する。熱電発生機506の別の側は、ヒートシンク導体502を通して、例えば、キャニスタ126より低温の掘削孔部分110内の材料であるヒートシンクと熱接触する(例えば、伝導する)。例えば、ヒートシンク材料は、掘削孔部分110内の流体または他の充填材材料であり得るか、または、材料は、掘削孔ケーシング120(例えば、炭素鋼ケーシング)の内面であり得る。導体502と504との間および熱電発生機506を横断した温度差に基づいて、電流が、熱電発生機506によって発生させられ、それは、電力を必要とする有害廃棄物処分場内の1つ以上の構成要素またはシステム内に提供されることができる。
【0110】
いくつかの側面において、熱源導体504は、核廃棄物キャニスタ126またはキャニスタ126の近傍の高温領域内の掘削孔充填材またはケーシング120等の他の高温表面に取り付けられ得る。いくつかの側面において、熱源導体504またはヒートシンク導体502の一方または両方は、金属またはガラス等のある他の伝導性材料から作製されるロッドであり得る。代替として、熱源導体504またはヒートシンク導体502の一方または両方は、熱パイプまたはヘリウム等のガスを含む管等の他の熱伝達デバイスであり得る。
【0111】
いくつかの側面において、発電機システム500は、電力に加え、他の形態の出力を提供し得る。例えば、熱源とヒートシンクとの間の説明される温度差に基づいて、差圧ポンプが、温度差によって引き起こされる管の2つの端部における密度差に基づいて実装され得る。管が、次いで、途中で閉鎖された場合、密度差は、圧力差となり、この圧力差は、発生機を駆動するか、または音響波を使用して、信号を直接地表に送信するために使用され得る。別の例として、発電機システムは、電力を温度差からではなく、直接、核廃棄物によって発生させられるガンマ線から発生させ得る。
【0112】
図5Dは、
図5Aの発電機システム500を用いて電力を発生させることを含む例示的プロセス580を図示する、フローチャートである。プロセス580は、1つ以上の核廃棄物キャニスタおよび発電機システム(例えば、発電機システム500)を方向性掘削孔内の有害廃棄物処分場に設置することを含むステップ581から開始し得る。例えば、放射性または核廃棄物を封入する1つ以上の核廃棄物キャニスタが、方向性掘削孔の水平掘削孔部分内に配置され得る。いくつかの側面において、水平掘削孔部分の全部または一部が、有害廃棄物処分場を構成する。放射性廃棄物は、熱および放射線(例えば、ガンマ線)を発生させる。いくつかの側面において、発生させられた熱は、廃棄物からキャニスタに、ある場合、掘削孔部分の環状体に伝達される。例示的実施形態では、配置された発電機システムは、水平掘削孔部分内の隣接する核廃棄物キャニスタ間の空間内に位置付けられる。
【0113】
プロセス580は、発電機システムの熱伝達部材を有害廃棄物処分場内の熱源およびヒートシンクと熱接触するように押し付けることを含むステップ582において継続し得る。例えば、発電機システムは、熱源と熱接触(例えば、伝導性熱接触、または対流熱接触、または両方)するように押し付けられる(例えば、ばねまたは別の付勢部材を用いて)、第1の熱伝達部材を含み得る。熱源は、例えば、1つ以上の核廃棄物キャニスタ、1つ以上の核廃棄物キャニスタによって加熱されたケーシング部分、1つ以上の核廃棄物キャニスタによって加熱された掘削孔裏込材料、またはそれらの組み合わせであり得る。発電機システムは、ヒートシンクと熱接触(例えば、伝導性熱接触、または対流熱接触、または両方)するように押し付けられる(例えば、ばねまたは別の付勢部材を用いて)、第2の熱伝達部材を含み得る。ヒートシンクは、例えば、掘削孔内の流体、1つ以上の核廃棄物キャニスタによって加熱されないケーシング部分、1つ以上の核廃棄物キャニスタによって加熱されない掘削孔裏込材料、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0114】
プロセス580は、有害廃棄物処分場内の熱源を熱伝達部材と熱的に接触させることを含むステップ583において継続し得る。例えば、第1の熱伝達部材は、第1の熱伝達部材の温度が熱源の温度またはその近傍となるように調節されるように、熱源と熱接触(およびいくつかの側面において、物理的に接触)するように設置される。
【0115】
プロセス580は、有害廃棄物処分場内のヒートシンクを別の熱伝達部材と熱的に接触させることを含むステップ584において継続し得る。例えば、第2の熱伝達部材は、第2の熱伝達部材の温度が、ヒートシンクの温度(熱源未満である)またはその近傍となるように調節されるように、ヒートシンクと熱接触(いくつかの側面において、物理的に接触)するように設置される。
【0116】
プロセス580は、熱源とヒートシンクとの間の温度差に基づいて、熱伝達部材に熱的に結合される熱電発生機を用いて、電力を発生させることを含むステップ585継続し得る。例えば、熱電発生機は、熱源とヒートシンクとの間の温度差が、例えば、熱電発生機の半導体物質を横断して伝達されるように、熱伝達部材に熱的に結合される。半導体物質は、温度差に基づいて、電気電流を発生させる。
【0117】
プロセス580は、発生させられる電力を有害廃棄物処分場の一部に供給することを含むステップ586において継続し得る。例えば、いくつかの側面において、発生させられる電力は、放射線センサ、温度センサ、液体センサ、またはそのようなセンサに通信可能に結合された制御システム(例えば、マイクロプロセッサベースのシステム)等の有害廃棄物処分場監視システムの1つ以上の構成要素に供給され得る。いくつかの側面において、そのようなセンサまたは制御システム(例えば、米国特許出願第16/430,005号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように)は、水平掘削孔部分、方向性掘削孔の別の掘削孔部分、またはその中に有害廃棄物処分場が位置する地下層内に形成されるか、または、隣接した別の方向性または垂直掘削孔内に位置し得る。いくつかの側面において、そのようなセンサまたは制御システムは、地表またはその近傍に位置し得、電力は、発電機システムから地表に向かって供給される。
【0118】
本明細書は、多くの具体的実装詳細を含むが、これらは、任意の発明または請求され得るものの範囲に対する限定としてではなく、むしろ、特定の発明の特定の実装に特有な特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実装における組み合わせにおいて実装されることができる。逆に、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴は、複数の実装において、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることもできる。さらに、特徴は、ある組み合わせにおいて機能するように上で説明され、さらに、最初にそのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから除外されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例も対象とし得る。
【0119】
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写されるが、それは、そのような動作が、示される特定の順序において、または連続的順序において実施されること、または全ての例証される動作が望ましい結果を達成するために実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上で説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア生産物においてともに統合される、または複数のソフトウェア生産物の中にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0120】
本開示による、第1の例示的実装は、少なくとも部分的に複数の核廃棄物キャニスタを封入するようにサイズを決定された内容積を画定する筐体を含む核廃棄物ドライキャスクを含む。各核廃棄物キャニスタは、核廃棄物の一部を貯蔵するようにサイズを決定される。筐体は、放射線遮蔽体を含む。キャスクは、内容積の上部開口部を封入するようにサイズを決定され、放射線遮蔽体を備えている蓋と、内容積の底部開口部を封入するようにサイズを決定され、放射線遮蔽体を備えている底部とをさらに含む。
【0121】
第1の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、核廃棄物の一部は、使用済み核燃料(SNF)アセンブリを備えている。
【0122】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各核廃棄物キャニスタは、単一SNFアセンブリを貯蔵するようにサイズを決定される。
【0123】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、ガンマ線を吸収する、またはガンマ線がそれを通過することを防止する材料を備えている。
【0124】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、底部は、内容積の底部開口部をさらすように移動するように構成される。
【0125】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、底部は、内容積の底部開口部をさらすようにスライド可能である。
【0126】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各SNFキャニスタは、SNFキャニスタの上部表面および底部表面上にのみ、放射線遮蔽体を備えている。
【0127】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、コンクリートを備えている。
【0128】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、蓋は、内容積の上部開口部をさらすように移動するように構成される。
【0129】
第1の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、複数の核廃棄物キャニスタは、少なくとも15個の核廃棄物キャニスタを備えている。
【0130】
本開示による、第2の例示的実装は、少なくとも部分的に複数の核廃棄物キャニスタを封入するようにサイズを決定された内容積を画定する筐体を備えている核廃棄物ドライキャスク内に複数の核廃棄物キャニスタを設置することを含む核廃棄物を貯蔵する方法を含む。各核廃棄物キャニスタは、核廃棄物の一部を貯蔵するようにサイズを決定される。筐体は、放射線遮蔽体を含む。方法は、内容積の上部開口部を放射線遮蔽体を備えている蓋で包囲することと、内容積の底部開口部を放射線遮蔽体を備えている底部で包囲することとをさらに含む。
【0131】
第2の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、核廃棄物の一部は、使用済み核燃料(SNF)アセンブリを備えている。
【0132】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各核廃棄物キャニスタは、単一SNFアセンブリを貯蔵するようにサイズを決定される。
【0133】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、ガンマ線を吸収する、またはガンマ線がそれを通過することを防止する材料を備えている。
【0134】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、核廃棄物ドライキャスクを方向性掘削孔の垂直入口の上に移動させることをさらに含む。
【0135】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、底部を移動させ、内容積の底部開口部を垂直入口にさらすことをさらに含む。
【0136】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、底部を移動することは、底部をスライドさせ、内容積の底部開口部を垂直入口にさらすことを含む。
【0137】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、核廃棄物キャニスタのうちの少なくとも1つを内容積から外に、底部開口部を通して、垂直入口の中に移動させることをさらに含む。
【0138】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、核廃棄物キャニスタの全てを内容積から外に、底部開口部を通して、垂直入口の中に移動させることをさらに含む。
【0139】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、核廃棄物キャニスタのうちの少なくとも1つを方向性掘削孔の有害廃棄物処分場の中に移動させることをさらに含む。
【0140】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各SNFキャニスタは、SNFキャニスタの上部表面および底部表面上にのみ、放射線遮蔽体を備えている。
【0141】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、コンクリートを備えている。
【0142】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、蓋は、内容積の上部開口部をさらすように移動するように構成される。
【0143】
第2の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、複数の核廃棄物キャニスタは、少なくとも15個の核廃棄物キャニスタを備えている。
【0144】
本開示による、第3の例示的実装は、腐食耐性材料を備え、有害廃棄物処分場を備えている方向性掘削孔のミリング部分内に収まるようにサイズを決定されたフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する材料とを含む掘削孔プラグを含む。材料は、クリープを示し、それによって、材料は、フレームまたは筐体と方向性掘削孔のミリング部分に隣接する地下層との間の1つ以上の空隙を充填する。
【0145】
第3の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、ミリング部分は、方向性掘削孔の垂直部分に位置する。
【0146】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、ミリング部分は、ケーシングを含まず、方向性掘削孔の他の部分は、ケーシングを備えている。
【0147】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、材料は、天然材料を備えている。
【0148】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、天然材料は、岩石材料を備えている。
【0149】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている。
【0150】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、地下層と同じであるか、または実質的に同じである。
【0151】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、地下層と異なる。
【0152】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、プラグの外径は、方向性掘削孔の外径をより大きい。
【0153】
第3の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、プラグの外径は、ミリング部分の直径より小さい。
【0154】
本開示による、第4の例示的実装は、有害廃棄物処分場を備えている方向性掘削孔の一部をミリングすることと、掘削孔プラグをミリング部分の中に挿入することと、方向性掘削孔をフレームまたは筐体と方向性掘削孔のミリング部分に隣接する地下層との間の1つ以上の空隙を充填する掘削孔プラグの材料でシールすることとを含む掘削孔をシールする方法を含む。掘削孔プラグは、腐食耐性材料を備えているフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する材料とを含む。材料は、クリープを示す。
【0155】
第4の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、ミリング部分は、方向性掘削孔の垂直部分に位置する。
【0156】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、ミリング部分は、ケーシングを含まず、方向性掘削孔の他の部分は、ケーシングを備えている。
【0157】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、物質は、天然材料を備えている。
【0158】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、天然材料は、岩石材料を備えている。
【0159】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている。
【0160】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、地下層と同じであるか、または実質的に同じである。
【0161】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、岩石材料は、地下層と異なる。
【0162】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、プラグの外径は、方向性掘削孔の外径をより大きい。
【0163】
第4の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、プラグの外径は、ミリング部分の直径より小さい。
【0164】
本開示による、第5の例示的実装は、1つ以上の核廃棄物キャニスタ内に核廃棄物を貯蔵する方向性掘削孔の有害廃棄物処分場内の熱源と、有害廃棄物処分場内のヒートシンクとに接触するように構成された1つ以上の熱伝達部材と、1つ以上の熱伝達部材に熱的に結合され、熱源とヒートシンクとの間の温度差に基づいて、電力を発生させるように構成された1つ以上の熱電発生機とを含む発電機システムを含む。
【0165】
第5の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料を備えている。
【0166】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、熱源は、核廃棄物キャニスタまたは掘削孔内に配置されるケーシングのうちの1つを備えている。
【0167】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、ヒートシンクは、掘削孔内に配置されるケーシングまたは掘削孔を少なくとも部分的に充填する材料のうちの少なくとも1つを備えている。
【0168】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、材料は、液体を備えている。
【0169】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、1つ以上の熱伝達部材を熱源およびヒートシンクと熱接触するように押し付けるように構成された1つ以上の付勢部材を含む。
【0170】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、少なくとも1つの放射線遮蔽体をさらに含む。
【0171】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、タングステンを備えている。
【0172】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の熱伝達部材は、放射線耐性材料を備えている。
【0173】
第5の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の1つ以上の熱電発生機は、放射線耐性材料を備えている。
【0174】
本開示による、第6の例示的実装は、1つ以上の核廃棄物キャニスタ内に核廃棄物を貯蔵する方向性掘削孔の有害廃棄物処分場内の熱源を発電機システムの1つ以上の熱伝達部材と接触させることと、有害廃棄物処分場内のヒートシンクを発電機システムの1つ以上の熱伝達部材と接触させることと、熱源とヒートシンクとの間の温度差に基づいて、1つ以上の熱伝達部材に熱的に結合された1つ以上の熱電発生機を用いて、電力を発生させることとを含む核廃棄物を貯蔵する方向性掘削孔の有害廃棄物処分場内で電力を発生させるための方法を含む。
【0175】
第6の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、核廃棄物は、使用済み核燃料を備えている。
【0176】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、熱源は、掘削孔内に配置される核廃棄物キャニスタまたはケーシングのうちの1つを備えている。
【0177】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、ヒートシンクは、掘削孔内に配置されるケーシングまたは掘削孔を少なくとも部分的に充填する材料のうちの少なくとも1つを備えている。
【0178】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、物質は、液体を備えている。
【0179】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、発電機システムの1つ以上の付勢部材を用いて、1つ以上の熱伝達部材を熱源およびヒートシンクと熱接触するように押し付けることをさらに含む。
【0180】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、少なくとも1つの放射線遮蔽体を用いて、核廃棄物によって発生させられるガンマ線を発電機システムから遮蔽することを含む。
【0181】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、放射線遮蔽体は、タングステンを備えている。
【0182】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の熱伝達部材は、放射線耐性材料を備えている。
【0183】
第6の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、1つ以上の1つ以上の熱電発生機は、放射線耐性材料を備えている。
【0184】
本開示による、第7の例示的実装は、複数の掘削孔シールを含む掘削孔シールシステムを含む。各掘削孔シールは、腐食耐性材料を備え、有害廃棄物処分場を備えている、方向性掘削孔の特定のミリング部分内に収まるようにサイズを決定されたフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する特定の岩石材料とを含む。岩石材料は、特定の掘削孔シールが設定されたある深度における地質学的層に合致し、材料がフレームまたは筐体とその深度にあり方向性掘削孔の特定のミリング部分に隣接する地質学的層との間の1つ以上の空隙を充填するようにクリープを示すように選択される。
【0185】
第7の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、各特定のミリング部分は、方向性掘削孔の垂直部分に位置する。
【0186】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各特定のミリング部分は、ケーシングを含まず、方向性掘削孔の他の部分は、ケーシングを備えている。
【0187】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、特定の岩石材料は、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている。
【0188】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各掘削孔シールの外径は、方向性掘削孔の外径をより大きい。
【0189】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各掘削孔シールの外径は、特定のミリング部分の直径より小さい。
【0190】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、複数の掘削孔シールのうちの1つの特定の岩石材料は、複数の掘削孔シールの別のものの特定の岩石材料と異なる。
【0191】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、複数の掘削孔シールの数は、地表と有害廃棄物処分場が形成された地下層との間の地質学的層の数に合致する。
【0192】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、複数の掘削孔シールの各々の特定の岩石材料は、掘削孔シールに隣接するそれぞれの地質学的層に合致する。
【0193】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各フレームまたは筐体は、特定の岩石材料を緩く含む。
【0194】
第7の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、フレームまたは筐体は、ワイヤまたはメッシュエンクロージャを備えている。
【0195】
本開示による、第8の例示的実装は、有害廃棄物処分場を備えている、方向性掘削孔の第1の部分をミリングすることと、第1の掘削孔プラグを第1のミリング部分の中に挿入することとを含む掘削孔をシールする方法を含む。第1の掘削孔プラグは、腐食耐性材料を備えているフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する、第1の岩石材料とを含む。第1の岩石材料は、第1の掘削孔プラグが、設定されたある深度における地質学的層に合致し、第1の岩石材料がフレームまたは筐体とその深度にあり方向性掘削孔の第1のミリング部分に隣接する地質学的層との間の1つ以上の空隙を充填するようにクリープを示すように選択される。方法は、方向性掘削孔の第2の部分をミリングすることと、第2の掘削孔プラグを第2のミリング部分の中に挿入することとをさらに含む。第2の掘削孔プラグは、腐食耐性材料を備えているフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する第2の岩石材料とを含む。第2の岩石材料は、第2の掘削孔プラグが設定されたある深度における地質学的層に合致し、第2の岩石材料がフレームまたは筐体とその深度にあり方向性掘削孔の第2のミリング部分に隣接する地質学的層との間の1つ以上の空隙を充填するようにクリープを示すように選択される。方法はさらに、方向性掘削孔をそれぞれの第1および第2の掘削孔プラグの第1および第2の岩石材料でシールすることを含み、第1および第2の岩石材料は、フレームまたは筐体と方向性掘削孔の第1および第2のミリング部分に隣接する地下層との間の1つ以上の空隙を充填する。
【0196】
第8の例示的実装と組み合わせ可能なある側面において、第1または第2のミリング部分のうちの少なくとも1つは、方向性掘削孔の垂直部分に位置する。
【0197】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1および第2のミリング部分の各々は、ケーシングを含まず、方向性掘削孔の他の部分は、ケーシングを備えている。
【0198】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1または第2の岩石材料のうちの少なくとも1つは、頁岩、粘土、または塩のうちの少なくとも1つを備えている。
【0199】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1および第2の掘削孔プラグのそれぞれの外径は、方向性掘削孔の外径をより大きい。
【0200】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1および第2の掘削孔プラグのそれぞれの外径は、それぞれの第1および第2のミリング部分の直径より小さい。
【0201】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第1の岩石材料は、第2の岩石材料と異なる。
【0202】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、各フレームまたは筐体は、それぞれの第1または第2の岩石材料を緩く含む。
【0203】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、フレームまたは筐体は、ワイヤまたはメッシュエンクロージャを備えている。
【0204】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第2の掘削孔プラグは、第1の掘削孔プラグのより上にあり、それと接触する。
【0205】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面はさらに、方向性掘削孔の第3の部分をミリングすることと、第3の掘削孔プラグを第3のミリング部分の中に挿入することとを含む。
【0206】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第3の掘削孔プラグは、腐食耐性材料を備えているフレームまたは筐体と、フレームまたは筐体の少なくとも一部を充填する第3の岩石材料とを含む。
【0207】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第3の岩石材料は、第3の掘削孔プラグが設定される深度における地質学的層に合致するように選択される。
【0208】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面において、第3の岩石材料は、第3の岩石材料がフレームまたは筐体とその深度にあり方向性掘削孔の第3のミリング部分に隣接する地質学的層との間の1つ以上の空隙を充填するように、クリープを示す。
【0209】
第8の例示的実装の前述の側面のいずれかと組み合わせ可能な別の側面は、方向性掘削孔を第3の掘削孔プラグの第3の岩石材料でさらにシールすることをさらに含み、第3の岩石材料は、フレームまたは筐体と方向性掘削孔の第3のミリング部分に隣接する地下層との間の1つ以上の空隙を充填する。
【0210】
いくつかの実装が、説明された。それにもかかわらず、種々の修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、成され得ることを理解されたい。本明細書に説明される例示的動作、方法、またはプロセスは、説明されるものよりも多いステップまたは少ないステップを含み得る。さらに、そのような例示的動作、方法、またはプロセスにおけるステップは、説明される、または図に図示されるものと異なる並びにおいて実施され得る。故に、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。