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特許7531937ファイル処理プログラム及びファイル処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ファイル処理プログラム及びファイル処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240805BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023085446
(22)【出願日】2023-05-24
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】512045467
【氏名又は名称】株式会社NIコンサルティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 一洋
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-103846(JP,A)
【文献】Canon,ビジネスのアレコレ、ビジネスポケットから広がるDX ヒントはココに。,大塚商会 実践ソリューションフェア 2023 ,2023年02月08日,第26-27ページ
【文献】佐久間裕幸,こうなる!国税スキャナ・スマホ撮影保存 ,株式会社ぎょうせい,2016年06月01日,第68ページ,ISBN: 978-4-324-10150-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面にファイルの入力のためのファイル入力領域を表示することと、
前記ファイル入力領域に対して入力されたファイルのファイル情報、前記入力されたファイルに対する画像認識の結果及び前記入力されたファイルから抽出されるテキストの情報のうちの少なくとも1つに基づき、前記ファイルの用途毎に定められたファイルの種類を認識することと、
予め決められた前記ファイルの種類と業務管理プログラムの処理との関係に基づき、前記認識されたファイルの種類と対応する前記入力されたファイルを用いて実行され得る少なくとも1つの業務管理プログラムの処理を判定することと、
前記入力されたファイルを用いて前記判定された業務管理プログラムの処理を実行することと、
をプロセッサに実行させるためのファイル処理プログラム。
【請求項2】
前記判定は、記認識されたファイルの種類に対して実行された処理の回数を用いた統計的手法又は前記認識されたファイルの種類と処理との関係を学習した学習モデルによって行われる、
請求項1に記載のファイル処理プログラム。
【請求項3】
前記判定された業務管理プログラムの処理の一覧を前記ファイル入力領域に表示することをさらに前記プロセッサに実行させ、
前記入力されたファイルを用いて前記判定された業務管理プログラムの処理を実行することにおいては、前記一覧からユーザによって選択された前記業務管理プログラムの処理を実行させることを前記プロセッサに実行させる、
請求項1に記載のファイル処理プログラム。
【請求項4】
前記ファイル入力領域に対するファイルの入力は、前記ファイル入力領域に対するファイルのドロップ操作を含む、
請求項1に記載のファイル処理プログラム。
【請求項5】
前記ファイル入力領域に対するファイルの入力は、添付ファイルが添付された電子メールの受信、複合機からのファイルの入力、前記業務管理プログラムと連携する連携システムからのファイルの入力、前記業務管理プログラムと連携するアプリケーションからのファイルの入力をさらに含む、
請求項に記載のファイル処理プログラム。
【請求項6】
表示装置の表示画面にファイルの入力のためのファイル入力領域を表示することと、
前記ファイル入力領域に対して入力されたファイルのファイル情報、前記入力されたファイルに対する画像認識の結果及び前記入力されたファイルから抽出されるテキストの情報のうちの少なくとも1つに基づき、前記ファイルの用途毎に定められたファイルの種類を認識することと、
予め決められた前記ファイルの種類と業務管理プログラムの処理との関係に基づき、前記認識されたファイルの種類と対応する前記入力されたファイルを用いて実行され得る少なくとも1つの業務管理プログラムの処理を判定することと、
前記入力されたファイルを用いて前記判定された業務管理プログラムの処理を実行することと、
をプロセッサに実行させるためのファイル処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ファイル処理プログラム及びファイル処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビジネスの場において、各種のグループウェア及び営業支援システム(Sales Force Automation:SFA)といった業務管理ツールが利用されている。グループウェアは、主に、組織内の情報の管理に用いられる。一方、SFAは、主に、取引顧客の情報、取引顧客等の各パーソンの情報等の組織外の情報の管理に用いられる。近年では、グループウェアとSFAとは連携できるようになっていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-157898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業務管理ツールにおいては、各種のファイルが利用され得る。そして、業務管理ツールにおいては、請求書ファイルであれば支払管理、領収書ファイルであれば経費精算といったようにファイルの用途に応じて異なる処理を実行する必要があることが多々ある。業務管理ツールにおいては、これらのファイルの用途に応じた処理がそれぞれの処理に応じた異なる画面上での操作に従って行われることが多い。これらのファイルの用途に応じた処理が、簡単な操作で実施されることが望まれている。
【0005】
実施形態は、業務管理ツールにおいて、ファイルの用途に応じた処理が簡単な操作で実施されるファイル処理装置及びファイル処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、ファイル処理プログラムは、表示装置の表示画面にファイルの入力のためのファイル入力領域を表示することと、ファイル入力領域に対して入力されたファイルのファイル情報、入力されたファイルに対する画像認識の結果及び入力されたファイルから抽出されるテキストの情報のうちの少なくとも1つに基づき、ファイルの用途毎に定められたファイルの種類を認識することと、予め決められたファイルの種類と業務管理プログラムの処理との関係に基づき、認識されたファイルの種類と対応する入力されたファイルを用いて実行され得る少なくとも1つの業務管理プログラムの処理を判定することと、入力されたファイルを用いて判定された業務管理プログラムの処理を実行することとをプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、業務管理ツールにおいて、ファイルの用途に応じた処理が簡単な操作で実施されるファイル処理プログラム及びファイル処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る通信システムの一例の構成を示す図である。
図2図2は、業務管理プログラムの処理を示すフローチャートである。
図3図3は、業務管理プログラムにおけるポータル画面の一例を示す図である。
図4図4は、ファイル解析処理について示すフローチャートである。
図5図5は、ファイル認識処理について示すフローチャートである。
図6図6は、ファイル処理ポートレットへのファイルの入力があったときの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る通信システムの一例の構成を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、サーバ2と、端末3を有している。サーバ2と端末3とは、例えばネットワークNを介して互いに通信する。ネットワークNは、例えばイントラネットである。ネットワークNは、インターネット等の外部のネットワークにさらに接続されてもよい。サーバ2は、ネットワークNを介して図示しないファイルサーバ等と通信し得る。
【0010】
ファイル処理装置の一例としてのサーバ2は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信モジュール24とを有している。プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信モジュール24とは、互いに通信できるようにバス25に接続されている。ここで、サーバ2は、さらに、入力インターフェース、ディスプレイ等を有していてもよい。また、サーバ2は、単一のサーバでなくてもよい。サーバ2は、会社等の端末3のユーザの所属する組織によって管理されるサーバであり得る。サーバ2は、端末3のユーザの所属する組織から委託を受けた組織によって管理されるサーバであってもよい。
【0011】
プロセッサ21は、サーバ2の動作を制御するように構成されたプロセッサである。プロセッサ21は、例えばCPUである。プロセッサ21は、CPUではなく、MPU、GPU等であってもよい。また、プロセッサ21は、1つのCPU等によって構成されている必要はなく、複数のCPU等によって構成されてもよい。
【0012】
メモリ22は、ROM、RAMといったメモリを含む。ROMは、不揮発性のメモリである。ROMは、サーバ2の起動プログラム等を記憶している。RAMは、揮発性のメモリである。RAMは、例えばプロセッサ21における処理の際の作業メモリとして用いられる。
【0013】
ストレージ23は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブといったストレージである。ストレージ23は、OS231、業務管理プログラム232、ファイル処理プログラム233を格納している。ストレージ23は、OS231、業務管理プログラム232、ファイル処理プログラム233以外のプログラム及びデータを格納していてもよい。例えば、ストレージ23は、端末3のユーザの属する組織において共有される文書データを格納するための共有ストレージを有していてもよい。
【0014】
OS231は、サーバ2の基本的な機能を実現するためのプログラムである。ストレージ23に格納されている各種のプログラムは、OSの制御下で実行される。
【0015】
業務管理プログラム232は、例えば業務管理ツールの一例としてのグループウェアの処理をプロセッサ21に実行させるためのプログラム群である。業務管理プログラム232は、端末3のウェブブラウザ上で動作するプログラムであり得る。業務管理プログラム232は、例えば勤怠管理、スケジュール管理、プロジェクト管理等のユーザの各種の管理に関わる処理を実行させるためのプログラムであり得る。また、業務管理プログラム232は、有給休暇の申請、物品の購入申請、経費精算、交通費精算の申請といったユーザによる各種の申請に伴うワークフローの処理を実行させるためのプログラムであり得る。この他、業務管理プログラム232は、グループウェアとして、グループ間での文書の共有、設備・備品の予約、電子メールの送受信、To Doの管理といった各種の処理をプロセッサ21に実行させるためのプログラムであり得る。ここで、業務管理プログラム232は、SFA(Sales Force Automation)等の他の連携システムと連携した処理をプロセッサ21に実行させるプログラムであってもよい。SFAと連携することによって、業務管理プログラム232は、ユーザの顧客に関する各種の顧客情報、ユーザに関連する各パーソンの情報を表示させる処理等も行い得る。
【0016】
ファイル処理プログラム233は、業務管理プログラム232と連携したプログラムであり、ユーザによって入力されたファイルの用途に応じた種類を認識し、認識されたファイルの種類に対応付けられた業務管理プログラム232の処理を判別する。業務管理プログラム232は、判別された処理をプロセッサ21に実行させる。ここで、処理は、入力されたファイルを予め定められた特定の保存先に保存する処理、入力されたファイルから読み取られる情報をパラメタとして特定の入力先に入力する処理、入力されたファイル毎に定められたプログラムを起動する処理等を含む。
【0017】
通信モジュール24は、サーバ2が端末3と通信するときの処理をするように構成されたインターフェースを含むモジュールである。通信モジュール24は、携帯電話回線、無線LAN回線等を用いてネットワークNに接続するように構成されている。通信モジュール24は、有線回線を使用してネットワークに接続するように構成されていてもよい。
【0018】
端末3は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータといったユーザによって操作される端末である。端末3は、例えば、入力インターフェース、ディスプレイ、通信モジュールを有している。入力インターフェースは、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザからの入力を受け付けるためのインターフェースである。ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種の画面を表示するための表示装置である。ここで、図1では、端末3は、1つである。通信システム1は、2以上の端末3を有していてもよい。
【0019】
次に、実施形態における通信システムの動作を説明する。図2は、業務管理プログラム232の処理を示すフローチャートである。図2では、業務管理プログラム232における、ファイル処理プログラム233の処理と関連する処理が主に示されている。図2の処理は、端末3のユーザからの要求によって業務管理プログラム232が起動された場合に開始される。端末3のユーザは、ウェブブラウザを起動して、サーバ2にアクセスする。これを受けてサーバ2は、業務管理プログラム232を起動する。
【0020】
ステップS1において、プロセッサ21は、業務管理プログラム232におけるポータル画面を端末3の例えばウェブブラウザ上に表示させる。ポータル画面は、ユーザが業務管理プログラム232において使われることの多い各種の機能を集約して表示するための画面である。
【0021】
図3は、業務管理プログラム232におけるポータル画面の一例を示す図である。一例のポータル画面300には、ユーザ名表示欄301が設けられている。ユーザ名表示欄301は、端末3のユーザのユーザ名を表示するための表示欄である。ユーザ名表示欄301には、ユーザ名とともにユーザの組織における所属等が併せて表示されてもよい。
【0022】
また、一例のポータル画面300には、出退状況表示欄302が設けられている。出退状況表示欄302は、ユーザの会社等への出社、退社といった出退状況を表示するための表示欄である。出退状況表示欄302には、「在社」、「退社」といった項目を含むドロップダウンリストが設けられていてもよい。ユーザは、端末3を操作してドロップダウンリストから自分の状況を選択し得る。この選択に応じて業務管理プログラム232は、出退管理プログラムによって管理されるユーザの出退状況を更新することにより、出退状況表示欄302にタイムカード機能を持たせることができる。
【0023】
また、一例のポータル画面300には、ポートレット表示欄303が設けられている。ポートレット表示欄303には、ポートレットが表示される。ポートレットは、業務管理プログラム232のポータル画面上で実行可能なウェブコンポーネントである。ユーザは、ポートレット表示欄303に表示されたポートレットから、業務管理プログラム232の各種の機能に関わる操作を実施し得る。
【0024】
図3では、ポートレット表示欄303に、新着情報ポートレットと、メールポートレットと、伝言ポートレットと、文書管理ポートレットと、経費精算ポートレットとが表示されている。さらに、実施形態では、ポートレット表示欄303に、ファイル処理ポートレット3031が表示され得る。ユーザは、ポートレット表示欄303に図3で示した以外の自身が望むポートレットを配置し得る。
【0025】
新着情報ポートレットには、業務管理プログラム232の状況の更新に伴う各種の新着情報が表示される。ユーザは、新着情報ポートレットから新着情報を確認し得る。また、新着情報にリンクが設定されていれば、ユーザは、そのリンク先の情報も確認し得る。
【0026】
メールポートレットは、端末3のユーザに関わる電子メールの送受信をするためのポートレットである。ユーザは、メールポートレットから電子メールの送受信をし得る。
【0027】
伝言ポートレットには、端末3のユーザの属する組織のメンバーのそれぞれの在席状況の一覧が表示される。さらに、伝言ポートレットには、それぞれのメンバーによって記入された伝言も表示される。端末3のユーザは、在席状況と伝言とによってそれぞれのメンバーの状況を知り得る。
【0028】
文書管理ポートレットは、端末3のユーザの属する組織のメンバー間で共有される各種の文書データを管理するためのポートレットである。ユーザは、文書管理ポートレットから、必要な文書を閲覧し得る。
【0029】
経費精算ポートレットは、端末3のユーザが各種の経費申請をするためのポートレットである。ユーザは、経費精算ポートレットにおいて、予め定められた書式に従って経費精算のために必要な事項を記入し、必要な事項が記入済みの申請書ファイルを予め定められた提出先に提出する。これにより、経費精算の処理が開始される。
【0030】
ファイル処理ポートレット3031には、ユーザが各種ファイルを入力するためのファイル入力領域を備える。ファイル入力領域へは、例えばユーザがファイルをドロップすることによってファイルが入力される。ファイル処理ポートレット3031のファイル入力領域にファイルがドロップされることにより、ファイル処理プログラム233が起動し、ドロップされたファイルに応じた各種の処理が実行される。詳細については後で説明される。ここで、ファイル処理ポートレットのファイル入力領域は、ファイル処理ポートレット3031の表示領域の全体であってもよいし、ファイル処理ポートレット3031の表示領域に設けられた特定の絵柄の領域等であってもよい。
【0031】
ここで、それぞれのポートレットには、対応するポートレットについての設定をするための設定ボタン等が設けられていてもよい。
【0032】
また、一例のポータル画面300には、スケジュール表示欄304が設けられている。スケジュール表示欄304には、端末3のユーザの例えば1週間毎のスケジュールが表示される。ユーザは、スケジュール表示欄304において自身の予定を記入し、記入した予定を確認し得る。一例では、1週間毎のスケジュールが表示される例が示されている。スケジュール表示欄304に表示されるスケジュールは、1月毎等の1週間毎以外の他の期間に切り替えられてよい。
【0033】
また、一例のポータル画面300には、メニューボタン305が設けられていてもよい。メニューボタン305は、メニュー画面を表示させるためのボタンである。ユーザは、メニュー画面から、ポートレット表示欄303に表示されている以外の業務管理プログラム232の機能を実行し得る。ここで、メニューボタン305と同等の機能がボタン操作以外で実施され得るのであれば、メニューボタン305は設けられていなくてもよい。
【0034】
また、一例のポータル画面300は、設定ボタン306が設けられていてもよい。設定ボタン306は、設定画面を表示させるためのボタンである。ユーザは、設定画面から、業務管理プログラム232の各種の機能の設定をし得る。ここで、設定ボタン306と同等の機能がボタン操作以外で実施され得るのであれば、設定ボタン306は設けられていなくてもよい。
【0035】
ここで、図2の説明に戻る。ポータル画面の表示後のステップS2において、プロセッサ21は、ファイル処理ポートレットへのファイルの入力があるか否かを判定する。ユーザは、ファイルに関する処理を実行したいときに、そのファイルを例えばファイル処理ポートレットのファイル入力領域にドロップする。これを受けて、プロセッサ21は、ファイル処理ポートレットへのファイルの入力があると判定する。ステップS2において、ファイルの入力がないと判定されたときには、処理はステップS3に移行する。ステップS2において、ファイルの入力があると判定されたときには、処理はステップS4に移行する。ここで、ステップS2においてユーザによって一度に入力されるファイルは、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。また、入力されるファイルも特に限定されない。入力されるファイルは、例えば所定のフォルダに格納されたファイルであってもよいし、受信された電子メールの添付ファイルであってもよいし、ワークフローの処理の結果、決裁済みとなった書類ファイルであってもよいし、複合機のスキャン機能を用いて読み取られた書面の画像ファイルであってもよいし、SFA等の業務管理プログラム232と連携する他の連携システムにおいて生成されたファイルであってもよい。ここで、受信された電子メールの添付ファイルは、ユーザによる入力操作を経ることなく、ファイル処理ポートレットに入力されたものと処理されてもよい。また、複合機のスキャン機能を用いて読み取られた書面の画像ファイルも、業務管理プログラム232と複合機とのAPI(Application Program Interface)の連携により、ユーザによるドロップ操作を経ることなく、自動的にファイル処理ポートレットに入力されたものと処理されてもよい。さらに同様に、SFA等の他の連携システムにおいて生成されたファイルも、業務管理プログラム232と他の連携システムとのAPIの連携により、ユーザによる入力操作を経ることなく、自動的にファイル処理ポートレットに入力されたものと処理されてもよい。さらには、端末3にインストールされたウェブブラウザとは異なる他のアプリケーションにおいて管理されるファイルも、業務管理プログラム232と他のアプリケーションとの連携により、ユーザによる入力操作を経ることなく、自動的にファイル処理ポートレットに入力されたものと処理されてもよい。
【0036】
ステップS3において、プロセッサ21は、ファイル入力ポートレットへのファイルの入力があったとき以外のその他の処理を実行する。その他の処理は、例えば前述したそれぞれのポートレットを用いた処理である。ここで、処理によってはポータル画面300から別の画面に遷移することもあり得る。その他の処理についての詳細な説明は省略される。その他の処理の終了後、処理はステップS5に移行する。
【0037】
ステップS4において、プロセッサ21は、ファイル処理プログラム233を起動して、ファイル解析処理を実行する。ファイル解析処理の後、処理はステップS5に移行する。
【0038】
以下、ファイル解析処理について説明する。図4は、ファイル解析処理について示すフローチャートである。ファイル解析処理は、ファイル処理ポートレットに入力されたファイルの用途に応じた種類を認識し、認識したファイルの種類からユーザの所望するファイルに対する処理を判定する処理である。
【0039】
ステップS11において、プロセッサ21は、ファイル認識処理を実行する。ファイル認識処理の後、処理はステップS12に移行する。
【0040】
以下、ファイル認識処理について説明する。図5は、ファイル認識処理について示すフローチャートである。ファイル認識処理は、ファイル処理ポートレットにドロップされたファイルの種類を認識するための処理である。
【0041】
ステップS101において、プロセッサ21は、入力されたファイルのファイル情報を取得する。ファイル情報は、ファイルから取得される情報であり、例えば、ファイルのファイル名、拡張子、サイズ、作成日時又は更新日時、作成者又は更新者といった情報を含む。ファイル情報は、例えばファイルヘッダから取得される。ここで、カメラで撮影された画像から生成される写真ファイルのファイルヘッダには、Exif(Extensible Image file format)情報が含まれる。このような場合、ファイル情報として、Exif情報が取得されてもよい。Exif情報からは、撮影日、撮影者、撮影位置等の各種の情報が得られる。
【0042】
ステップS102において、プロセッサ21は、取得したファイル情報を例えばメモリ22に保存する。その後、処理はステップS103に移行する。
【0043】
ステップS103において、プロセッサ21は、入力されたファイルが画像ファイルであるか否かを判定する。入力されたファイルが画像ファイルであるか否かは、例えばファイルの拡張子から判定され得る。ここで、ステップS103における画像ファイルは、PDF(Portable Document Format)ファイル等を含み得る。ステップS103において、入力されたファイルが画像ファイルであると判定されたときには、処理はステップS104に移行する。ステップS103において、入力されたファイルが画像ファイルでないと判定されたときには、処理はステップS106に移行する。
【0044】
ステップS104において、プロセッサ21は、画像認識処理を行う。画像認識処理は、ファイルに含まれる画像に写っているものを認識する処理である。実施形態では、画像認識処理は、顔認識処理及びOCR(Optical Character Recognition)処理を含む。顔認識処理は、画像内の人物の顔を認識する処理である。顔認識処理は、認識した顔のデータを予め登録してある顔のデータと照合することによって個人を特定する個人認証処理を含み得る。また、OCR処理は、画像内のテキストを認識する処理である。顔認識処理及びOCR処理は、任意の手法で行われてよい。また、顔認識処理及びOCR処理は、専用の学習モデルを用いて行われてもよい。
【0045】
ステップS105において、プロセッサ21は、画像認識の結果を例えばメモリ22に保存する。その後、処理はステップS106に移行する。例えば、画像から顔が認識された場合には、プロセッサ21は、顔の位置、サイズ、特定されたユーザのユーザ名といった情報を保存する。また、画像からテキストが認識された場合には、プロセッサ21は、認識されたテキストの情報を保存する。
【0046】
ステップS106において、プロセッサ21は、入力されたファイルがテキストを含むか否かを判定する。入力されたファイルがテキストを含むか否かは、例えばファイルの拡張子から判定され得る。ここで、テキストを含むファイルは、文書ファイルであってもよいし、電子メールファイルであってもよいし、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイル等であってもよい。さらには、テキストは、XML(eXtensible Markup Language)形式等のタグを含む形式で記録されていてもよい。また、入力されたファイルがテキストを含むか否かは、実際にファイルを開くことでも判定され得る。ステップS106において、入力されたファイルがテキストを含むと判定されたときには、処理はステップS107に移行する。ステップS106において、入力されたファイルがテキストを含まないと判定されたときには、処理はステップS108に移行する。
【0047】
ステップS107において、プロセッサ21は、ファイルからテキストを抽出する。
【0048】
ステップS108において、プロセッサ21は、抽出したテキストを例えばメモリ22に保存する。その後、処理はステップS108に移行する。
【0049】
ステップS109において、プロセッサ21は、入力されたファイルの種類を認識できたか否かを判定する。ここでのファイルの種類は、領収書ファイル、契約書ファイル、写真ファイルといった、ファイルの用途毎に定められたファイルの種類である。例えば、ファイル名に「領収書」、「契約書」等のファイルの種類を直接的に含む文字列が含まれていれば、入力されたファイルの種類を認識できたと判定される。ファイル名にファイルの種類を含む文字列が含まれていなくとも、例えば顔認識処理の結果、顔が認識された場合には、入力されたファイルは写真ファイルであるとして、入力されたファイルの種類を認識できたと判定される。さらには、OCR処理の結果として認識されたテキストに「領収書」、「契約書」等のファイルの種類を直接的に含む文字列が含まれていれば、または直接的に含む文字列が含まれていなくとも、認識された文字列の組み合わせからファイルの種類を認識できたときには、入力されたファイルの種類を認識できたと判定される。ファイルの種類の認識手法は、ここで挙げたものに限るものではない。例えば、ファイルの種類の認識は、特定の文字列の出現回数等に基づく統計的手法によって行われてもよい。また、ファイルの種類の認識は、ファイル情報、画像認識処理の結果及び抽出されたテキストの情報を特徴量とし、これらの特徴量とファイルの種類との関係を学習した学習モデルを用いて行われてもよい。ステップS109において、認識できたと判定されたときには、処理はステップS110に移行する。ステップS109において、認識できなかったと判定されたときには、処理はステップS111に移行する。
【0050】
ステップS110において、プロセッサ21は、ファイルの種類の認識結果をそれまでに保存したファイル情報、画像認識結果及びテキストとともにメモリ22に保存する。その後、図5の処理は終了する。このメモリ22に保存された情報は、ファイルの種類の認識のための統計的手法や学習モデルの学習に利用されてよい。
【0051】
ステップS111において、プロセッサ21は、それまでに保存したファイル情報、画像認識結果及びテキストをメモリ22に保存する。その後、図5の処理は終了する。このメモリ22に保存された情報は、ファイルの種類の認識のための統計的手法や学習モデルの学習に利用されてよい。
【0052】
ここで、図4の説明に戻る。ファイル認識処理の後のステップS12において、プロセッサ21は、ファイルの認識結果が例えばメモリ22にあるか否かを判定する。ステップS12において、ファイルの認識結果があると判定されたときには、処理はステップS13に移行する。ステップS12において、ファイルの認識結果がないと判定されたときには、処理はステップS15に移行する。
【0053】
ステップS13において、プロセッサ21は、判定処理を行う。判定処理は、ファイルの種類から実行すべき処理を判定する処理である。実施形態においては、例えば領収書ファイルであれば経費精算用のフォルダに格納して経費精算の処理を実行する、契約書ファイルであれば対応する顧客情報のフォルダに格納するといったように、ファイルの種類と実行すべき処理との関係が予め定義されている。この関係は、ユーザによって定義されてもよい。ステップS13では、プロセッサ21は、予め決められたファイルの種類と処理との関係に基づき、実行すべき処理を判定する。ここで、1つの種類のファイルに対して複数の異なる処理が対応付けられていてもよい。この場合には、プロセッサ21は、複数の異なる処理のそれぞれを実行すべき処理と判定する。また、1つの入力されたファイルについて複数の種類のファイルに該当する場合もあり得る。この場合には、プロセッサ21は、それぞれの種類から実行すべき処理を判定する。また、判定処理は、入力されたファイルに対して過去にユーザに利用された処理の実績に基づく統計的手法によって行われてもよい。さらには、判定処理は、ファイル情報、画像認識処理の結果及び抽出されたテキストの情報を特徴量とし、これらの特徴量と処理との関係を学習した学習モデルを用いて行われてもよい。学習に用いられる教師データには、認識されたファイルの種類に対してユーザによって実際に実行された処理の情報が用いられてよい。認識されたファイルの種類に対して実際に実行された処理の情報として、例えば後で説明するユーザによる選択結果が用いられ得る。また、統計的手法又は学習モデルが利用される場合、予測結果が閾値に満たない処理は実行すべき処理と判定されないように処理されてもよい。逆に、予測結果が十分に高い処理は後で説明するユーザの選択を経ずして自動的に実行されてもよい。このような処理の自動実行のオン/オフをユーザが設定できてもよい。
【0054】
以下、ファイルの種類と処理との関係の例について示される。以下で示される例以外の関係が定義されていてもよいことは言うまでもない。
1)領収書ファイルであるとき、経費精算の処理を実行する。金額等のテキストが認識されているときには、対応するテキストから読み取られる内容をパラメタとして使用する。
2)領収書ファイルであるとき、経費精算の処理の実行結果とクレジットカードの明細とを紐づける。
3)請求書ファイルであるとき、支払管理の処理を実行する。支払日、支払先、請求金額等のテキストが認識されているときには、対応するテキストから読み取られる内容をパラメタとして使用する。
4)申請書ファイルであるとき、ワークフローシステムを起動する。申請に必要な事項のテキストが認識されているときには、対応するテキストから読み取られる内容をパラメタとして使用する。
5)電子帳簿保存法で保存することが義務付けられている帳簿又は書類ファイルであるとき、入力されたファイルを対応する共有ストレージに格納する。
6)共有ストレージに入力されたファイルの過去版のファイルが格納されているとき、入力されたファイルで既存のファイルを改版する。
7)入力されたファイルを共有ストレージに格納する。
8)メッセージを含むファイルであるとき、掲示板にメッセージを登録する。
9)メッセージを含むファイルであり、かつ、このメッセージが掲示板の過去のメッセージと関連するとき、掲示板の既存のメッセージを更新する。
10)予定を含むファイルであるとき、To Doリストを作成する。
11)回覧板を作成して入力されたファイルを添付する。
12)入力されたファイルを電子メールの添付ファイルにする。過去に同一人に同一内容の電子メールが複数回送信されているときには、宛先及びメール文面が過去の電子メールからコピーされてもよい。
13)予定を含むファイルであるとき、スケジュールを作成する。
14)スケジュールの添付ファイルとする。
15)顔を含む写真ファイルであるとき、社員名簿の顔写真として添付する。
16)入力されたファイルを社員名簿の添付ファイルに追加する。
17)顧客情報を含むファイルであるとき、名刺管理システムに転送する。顧客名、住所、電話番号等のテキストが認識されているときには、対応するテキストから読み取られる内容をパラメタとして使用する。
18)顧客情報を含むファイルであり、この顧客情報が既存の顧客情報にないとき、入力されたファイルから読み取られる顧客情報を新規登録する。
19)顧客情報を含むファイルであり、この顧客情報が既存の顧客情報にあるとき、入力されたファイルから読み取られる顧客情報で既存の顧客情報を更新する。
20)入力されたファイルを顧客情報に添付する。
21)パーソン情報を含むファイルであり、このパーソン情報が既存のパーソン情報にないとき、入力されたファイルから読み取られるパーソン情報を新規登録する。
22)パーソン情報を含むファイルであり、このパーソン情報が既存のパーソン情報にあるとき、入力されたファイルから読み取られるパーソン情報で既存のパーソン情報を更新する。
23)入力されたファイルをパーソン情報に添付する。
24)ユーザの仕掛中又は過去に担当した案件名を含むファイルであるとき、入力されたファイルを案件情報に添付する。
25)新規商談履歴を登録する。
26)入力されたファイルを商談履歴に添付する。
27)入力されたファイルから読み取られる内容をデータベースに登録する。
28)入力されたファイルをファイルサーバに保存する。
29)入力されたファイルを連携システムに送信する。
【0055】
ステップS14において、プロセッサ21は、判定結果をファイル処理ポートレット3031に表示させる。その後、図4の処理は終了する。ステップS15において、プロセッサ21は、入力されたファイルの解析が不能であった旨をファイル処理ポートレット3031に表示させる。その後、図4の処理は終了する。
【0056】
図6は、ファイル処理ポートレット3031へのファイルの入力があったときの表示例を示す図である。図6では、例えばファイル名3031a、解析の状態3031b、判定結果3031cが表示される。ファイル名3031aは、入力されたファイルのファイル名である。解析の状態3031bは、ファイル解析処理の進行度を示している。解析の状態3031bには、ファイル解析処理が終了していれば「解析終了」の文字列が、ファイル解析処理が終了していなければ「解析中」の文字列が表示される。判定結果3031cは、対応するファイルについて判定された処理の一覧が表示される。解析が不能であった場合、判定結果3031cには「解析不能」の文字列が表示される。
【0057】
ここで、図2の説明に戻る。解析処理の終了後のステップS5において、プロセッサ21は、ファイル処理ポートレット3031でユーザに提示した処理を実行するか否かを判定する。例えば、ファイル処理ポートレット3031に表示された何れかの判定結果3031cが選択された場合に、処理を実行すると判定される。ステップS5において、処理を実行すると判定されたときには、処理はステップS6に移行する。ステップS5において、処理を実行しないと判定されたときには、処理はステップS7に移行する。
【0058】
ステップS6において、プロセッサ21は、ユーザによって選択された処理を実行する。処理の完了後、処理はステップS7に移行する。なお、処理によってはポータル画面300から別の画面に遷移することもあり得る。
【0059】
ステップS7において、プロセッサ21は、業務管理プログラム232を終了するか否かを判定する。例えば、ウェブブラウザを閉じる操作等がされた場合に業務管理プログラム232を終了すると判定される。ステップS7において、業務管理プログラム232を終了しないと判定されたときには、処理はステップS2に戻る。ステップS7において、移行する。業務管理プログラム232を終了すると判定されたときには、図2の処理は終了する。
【0060】
以下、具体例を用いて実施形態の処理についてさらに説明する。
(第1の例:領収書)
第1の例は、紙の領収書の場合の処理である。ユーザは、領収書をスキャンして例えばPDFファイルを生成する。そして、ユーザは、生成した領収書のPDFファイルをファイル処理ポートレット3031のファイル入力領域にドロップする。これを受けてファイル解析処理が開始される。
【0061】
ファイル解析処理では、入力されたファイルがPDFファイルであるのでOCR処理が実行される。そして、OCR処理によって認識されたテキストの情報が例えばメモリ22に保存される。
【0062】
通常、紙の領収書には「領収書」等の文字列が含まれているから、OCR処理の結果からファイルの種類が領収書ファイルであることが判定される。そして、ファイルの種類の情報が例えばメモリ22に保存される。さらに、予め決められたルールに基づき、領収書ファイルについては経費精算の処理を実行すると判定される。この結果、ファイル処理ポートレット3031の判定結果3031cには、例えば「経費精算」の文字列が表示される。ここで、領収書ファイルであっても、他のルールに該当することもあり得る。その場合には、他の該当した処理も判定結果3031cに表示される。
【0063】
ユーザが「経費精算」の文字列を選択することによって、経費精算の処理が実行される。このとき、OCR処理によって認識された「利用日」、「支払先」、「支払金額」、「税率」のそれぞれとともに認識された数値が対応するパラメタとして使用される。併せて、経費精算の申請者としてファイルをドロップした端末3のユーザのユーザ名が登録される。
【0064】
(第2の例:契約書)
第2の例は、電子契約書の場合の処理である。ユーザは、例えば電子メールに添付されて送られてきた例えばPDF形式の電子契約書をファイル処理ポートレット3031のファイル入力領域にドロップする。これを受けてファイル解析処理が開始される。
【0065】
ファイル解析処理では、入力されたファイルがPDFファイルであるのでOCR処理が実行される。そして、OCR処理によって認識されたテキストの情報が例えばメモリ22に保存される。
【0066】
OCR処理の結果として得られたテキストから、ファイルの種類が契約書ファイルであることが判定される。そして、ファイルの種類の情報が例えばメモリ22に保存される。さらに、予め決められたルールに基づき、契約書ファイルについては対応する顧客情報に添付すると判定される。この結果、ファイル処理ポートレット3031の判定結果3031cには、例えば「顧客情報に添付」の文字列が表示される。
【0067】
ユーザが「顧客情報に添付」の文字列を選択することによって、顧客情報に添付の処理が実行される。ここで、添付先の顧客情報については、契約書ファイルのテキストから読み取られる契約相手の情報等から判定される。これにより、入力されたファイルがSFAによって管理される対応する顧客情報のフォルダに格納される。ここで、登録されるファイル名には「契約日」等の情報が追加されてもよい。
【0068】
(第3の例:写真データ)
第3の例は、商談履歴の作成に用いられる写真データの場合の処理である。ユーザは、例えば店舗を回って陳列の写真を撮影し、撮影により得られた写真データを含む画像ファイルをファイル処理ポートレット3031のファイル入力領域にドロップする。これを受けてファイル解析処理が開始される。
【0069】
ファイル解析処理では、画像ファイルのファイル名及びExif情報等が取得される。また、画像認識により、画像内に商品が写っていることが認識される。これらからファイルの種類が写真ファイルと判定される。さらに、写真ファイルから取得されたファイル名、Exif情報及び画像認識の結果から、予め決められたルールに基づき、入力されたファイルから商談履歴を作成すると判定される。この結果、ファイル処理ポートレット3031の判定結果3031cには、例えば「商談履歴を作成」の文字列が表示される。さらに、ファイルの種類が写真ファイルと判定されたことにより、予め決められたルールに基づき、入力されたファイルをファイルサーバに保存するとも判定される。この結果、ファイル処理ポートレット3031の判定結果3031cには、例えば「ファイルサーバに保存」の文字列が表示される。
【0070】
ユーザが「商談履歴を作成」の文字列を選択することによって、商談履歴を作成する処理が実行される。商談履歴の作成の際の店舗の情報は、例えばExif情報として記録される撮影位置情報が特定され得る。そして、作成された商談履歴に入力された写真ファイルが添付ファイルとして添付される。一方、ユーザが「ファイルサーバに保存」の文字列を選択することによって、入力されたファイルがファイルサーバに送信される。そして、入力されたファイルがファイルサーバの所定のフォルダに格納される。
【0071】
以上説明したように実施形態によれば、画面内に設けられたファイル入力用の領域に対するファイルの入力操作により、ファイルの解析が実行される。ファイルの解析では、ファイル情報、画像認識の結果、テキスト解析の結果等からファイルの種類が認識される。また、認識結果に基づいて、入力されたファイルを用いて実行すべき処理が判定される。そして、ファイルの解析の結果がユーザに提示される。ユーザは、提示された結果の中から所望の処理を選択する。これにより、ファイルに応じた処理が実行される。このように実施形態によれば、ユーザはファイル入力用の領域に対してファイルを入力する操作をするという簡単な操作だけで、所望の処理を実行し得る。
【0072】
(変形例)
以下、実施形態の変形例を説明する。実施形態においては、複数の判定結果3031cがあると判定されたときには、ユーザによって選択された処理が実行されるとされている。これに対し、複数の判定結果3031cがあると判定されたときには、そのすべての処理が実行されてもよい。また、判定処理において解析不能であった場合又はユーザが意図しない判定結果3031cが表示された場合に、ユーザが望む処理の内容を指定できるような処理が追加されてもよい。例えば、判定結果3031cとともに表示される修正ボタンが選択されたときに、前述した予め定義された処理の一覧が表示され、その一覧からの選択を受けて対応する判定結果3031cがユーザによって選択された内容に更新される処理が例えばステップS6の処理の前に追加されてもよい。また、このようなユーザによる修正の結果も学習モデルの学習に用いられてよい。
【0073】
また、実施形態におけるファイル認識処理は、基本的には、ファイル自体の情報からファイルの種類を認識するものとされている。これに対し、ファイル認識処理において、ファイル以外の情報が利用されてもよい。例えば、入力されたファイルが電子メールの添付ファイルであれば、ファイル認識処理において、電子メールの送信者の情報が用いられてもよい。さらには、パーソン情報等に基づき、電子メールの送信者と端末3のユーザとの関係の情報もファイル認識処理において用いられてもよい。
【0074】
また、実施形態においては、ファイル処理ポートレット3031は、ポータル画面300に表示されるとしている。これに対し、ポータル画面300から別の画面に遷移した後もファイル処理ポートレット3031と同様のファイル入力領域が表示されてもよい。
【0075】
また、実施形態では、判定結果3031cが選択されることにより、入力されたファイルを用いた処理が実行される。ここで、入力されたファイルから処理に必要なパラメタを読み取ることができない場合も想定される。このような場合には、判定結果3031cが選択されることにより、ファイルを処理するための画面に遷移するだけの処理が行われてもよい。
【0076】
また、実施形態の処理は、業務管理プログラム以外の処理に対しても適用され得る。つまり、業務管理プログラム以外の表示画面にもファイル入力ポートレットは設けられ得る。しかしながら、業務管理プログラムの場合、入力されるファイルの形式がある程度は定型的であるので、ファイルの種類の認識がし易い。したがって、実施形態の処理は、業務管理プログラムへの適用が特に好適である。
【0077】
また、実施形態の処理は、サーバ2によって行われるとされている。これに対し、実施形態の処理のすべては端末3において行われてもよい。この場合において、業務管理プログラム232及びファイル処理プログラム233は、サーバ2のプロセッサ21によって実行されるプログラムではなく、端末3にダウンロードされる又はインストールされるプログラムであってもよい。
【0078】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0079】
1 通信システム、2 サーバ、3 端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信モジュール、25 バス、231 OS、232 業務管理プログラム、233 ファイル処理プログラム。
【要約】
【課題】業務管理ツールにおいて、ファイルの用途に応じた処理が簡単な操作で実施されるファイル処理プログラム及びファイル処理装置を提供すること。
【解決手段】ファイル処理プログラムは、表示装置の表示画面にファイルの入力のためのファイル入力領域を表示することと、ファイル入力領域に対して入力されたファイルに対し、ファイルの用途毎に定められたファイルの種類を認識することと、認識されたファイルの種類から入力されたファイルを用いて実行され得る少なくとも1つの業務管理プログラムの処理を判定することと、入力されたファイルを用いて判定された業務管理プログラムの処理を実行することとをプロセッサに実行させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6