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  • 特許-広告配布装置、およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】広告配布装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240805BHJP
   G06Q 30/0208 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06Q30/0208
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023223494
(22)【出願日】2023-12-28
(62)【分割の表示】P 2023073837の分割
【原出願日】2023-04-27
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520024120
【氏名又は名称】住吉販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平 哲也
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058088(JP,A)
【文献】特開2007-304634(JP,A)
【文献】特開2017-182338(JP,A)
【文献】特開2007-183721(JP,A)
【文献】特開2001-222542(JP,A)
【文献】特開2009-163646(JP,A)
【文献】特開2001-256277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の新聞販売エリア内に配置され、
前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を、近傍の情報処理装置に提供し、
前記電子広告を取得した前記情報処理装置に格納されている住所を、前記情報処理装置から取得し、
前記所定の新聞販売エリア内の世帯の住所が登録されたエリア住所情報から前記住所を除いて、前記ポスティング広告を配布する配布先を示すポスティング住所情報を生成する広告管理装置に、前記住所を送信し、
前記情報処理装置から取得した前記住所が前記新聞販売エリア内である場合、当該住所を前記広告管理装置に送信する、広告配布装置。
【請求項2】
所定の新聞販売エリア内に配置され、
前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を、近傍の情報処理装置に提供し、
前記電子広告を取得した前記情報処理装置に格納されている住所を、前記情報処理装置から取得し、
前記所定の新聞販売エリア内の世帯の住所が登録されたエリア住所情報から前記住所を除いて、前記ポスティング広告を配布する配布先を示すポスティング住所情報を生成する広告管理装置に、前記住所を送信し、
前記電子広告を受信した前記情報処理装置に対応付けられた新聞販売店コードが前記所定の新聞販売エリアを管轄する新聞販売店の新聞販売店コードと一致するとき、前記情報処理装置から取得した前記住所を前記広告管理装置に送信する、広告配布装置。
【請求項3】
近距離無線通信を行う通信部を備え、
前記通信部の通信可能範囲内の前記情報処理装置に対して前記電子広告を送信する、請求項1または2に記載の広告配布装置。
【請求項4】
表示部を備え、前記情報処理装置が撮像可能に前記表示部に前記電子広告を表示する、請求項1または2に記載の広告配布装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の広告配布装置と、
前記広告配布装置から、
前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を取得し、
自装置に格納している住所または当該住所を新聞販売エリア内に含む新聞販売店の新聞販売店コードを、前記広告配布装置に送信する情報処理装置と、を備えるシステム
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記広告配布装置から、近距離無線通信により前記電子広告を受信する、請求項に記載のシステム
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記広告配布装置の表示部に表示された前記電子広告を撮像することにより、前記電子広告を取得する、請求項に記載のシステム
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記電子広告を取得したとき、または、取得した前記電子広告を表示したとき、前記住所または前記新聞販売店コードを前記広告配布装置に送信する、請求項に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配布装置、情報処理装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の新聞、雑誌等の広告に加えて、インターネット上での広告、メールで配信される広告等が提供され、様々な広告媒体が混在するようになっている。広告主は、多種ある広告媒体の中で、どのような広告がより効果的であるか、費用対効果を比較し検討を行っている。特に広告の配布率(到達率)は、各広告を評価する上で、重要な指標の一つとなっている。
【0003】
下記の特許文献1には、施設関連情報に対応するクーポン(広告)の利用実績に応じて、単位期間ごとに最適なクーポンの配信数を決定する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-124390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来技術は、所定の配布対象エリア内において、当該クーポンの配布が完了した住所を特定することができないため、クーポンの配布率を向上させることができない。
【0006】
本発明の一態様は、所定の新聞販売エリア内において、広告を効率的に配布し、広告の配布率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様における広告配布装置は、所定の新聞販売エリア内に配置され、前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を、近傍の情報処理装置に提供し、前記電子広告を取得した前記情報処理装置に格納されている住所を、前記情報処理装置から取得し、前記所定の新聞販売エリア内の世帯の住所が登録されたエリア住所情報から前記住所を除いて、前記ポスティング広告を配布する配布先を示すポスティング住所情報を生成する広告管理装置に、前記住所を送信する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様における情報処理装置は、所定の新聞販売エリア内に配置された広告配布装置から、前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を取得し、自装置に格納している住所または当該住所を新聞販売エリア内に含む新聞販売店の新聞販売店コードを、前記広告配布装置に送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、所定の新聞販売エリア内において、広告を効率的に配布し、広告の配布率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係る広告管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示す新聞販売エリアおよび該エリアに配置される装置構成の一例を説明する図である。
図3図1に示すクーポン配布装置の一例を説明する図である。
図4図1に示すクーポン配布装置の制御部が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図1に示すクーポン管理サーバの制御部が実行する、ポスティング住所情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】ポスティング用地図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。ここで広告とは、広く一般に広告として認識されているものであり、例えば、新聞の折り込みチラシ、電子広告、およびクーポン等を含むものとする。
【0012】
また電子広告とは、電磁的手段により提供される広告であればよく、提供経路は限定されない。例えば、ウェブサイトに表示される広告、電子メールに表示または添付される広告、コンビニエンスストアの端末等に表示される広告、当該端末からの広告を含むデータの配信、広告が記録されたCD等の記録媒体、および、放送により提供される広告等を含むものとする。
【0013】
またクーポンとは、割引情報等のサービス情報を含むものであり、例えば、新聞の折り込みチラシ等に掲載される紙媒体のクーポン、およびインターネット等を介して配布される電子クーポン等を含むものとする。
【0014】
以下では、本発明に係る広告をクーポンとした例に基づいて説明するが、本発明はこの例に限らず、他の各種広告についても適用することができる。
【0015】
<新聞の顧客管理システム>
始めに、本発明の実施形態1に係る広告管理装置についての理解を容易にするために、新聞の顧客管理システムについて概略的に説明する。
【0016】
各地に存在する新聞販売店は、当該新聞販売店が管轄する新聞販売エリア内において、独占的に新聞を販売し個配する権利を有している。各新聞販売店は、新聞印刷所から配送された新聞を、各新聞販売店が管轄するエリア内に個配する。ここで個配とは、個別世帯単位の配送を意味し、一世帯宛に新聞等を配送することを意味する。
【0017】
新聞の顧客管理には、独自の顧客管理システムが構築されており、各新聞販売店は、管轄する新聞販売エリア内の全ての住所を把握し、当該新聞販売エリア内における新聞の購読者の住所、および新聞の購読者以外の住所を把握し管理している。
【0018】
また、各新聞販売店は、その新聞販売店を一意に識別する新聞販売店コードが新聞社から付与されている。
【0019】
本願発明者は、このように整備された新聞の顧客管理システムおよび新聞販売店コードを利用することにより、所定の新聞販売エリアにおいて、広告を効率的に配布することができる仕組みを想到した。
【0020】
<新聞販売エリア>
図2は、新聞販売エリアおよび該エリアに配置される装置構成の一例を説明する図である。上述したように、各新聞販売店は、当該新聞販売店が管轄する新聞販売エリア内において、独占的に新聞を販売し個配する権利を有しており、各新聞販売店を一意に識別する新聞販売店コードが付与されている。
【0021】
図2には、クーポン管理サーバ2(広告管理装置)と、所定の新聞販売エリアである、新聞販売エリア3Aおよび新聞販売エリア3Bとが示されている。
【0022】
新聞販売エリア3A、および新聞販売エリア3Bは、それぞれ新聞販売店4A、および新聞販売店4Bが管轄するエリアである。新聞販売エリア3A、および新聞販売エリア3Bは、例えば、「〇〇市池田町」、「△△市北区」等で示されるような地域であり、新聞販売店が新聞を配送する管轄地域のことである。
【0023】
新聞販売エリア3A内には、例えば、新聞販売エリア3Aを管轄する新聞販売店4A、コンビニエンスストア5A、および、スマートフォン6Aが存在する。
【0024】
新聞販売店4Aは、新聞販売エリア3A内の新聞の販売および配送を独占して行う新聞販売店であり、新聞販売店コード411Aが付与されている。新聞販売店4Aは、新聞等の個配を管理する個配管理装置41Aを備えている。
【0025】
個配管理装置41Aは、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット等の情報処理装置である。個配管理装置41Aは、記憶部(不図示)に新聞販売店コード411A、および、新聞購読者情報412Aを保管する。新聞購読者情報412Aは、新聞販売エリア3A内における新聞購読者のリストである。新聞販売店4Aは、新聞購読者情報412Aに記憶されている多数の新聞購読者に、新聞の折り込みチラシ等に掲載されるクーポンまたは新聞と共に配達される紙媒体のクーポン(以降「チラシ掲載クーポン」と称す)を配布する。チラシ掲載クーポンは、後述するポスティング用クーポン(ポスティング広告)と同内容を含むクーポンである。
【0026】
コンビニエンスストア5Aは、新聞販売エリア3A内に位置するコンビニエンスストアである。コンビニエンスストア5Aは、電子クーポン512(図1参照、電子広告)を配布するクーポン配布装置51A(広告配布装置)を備える。クーポン配布装置51Aが配布する電子クーポン512は、ポスティング用クーポンと同内容を含む電子クーポン512であり、クーポン配布装置51Aの近傍に位置するスマートフォン6A等に電子クーポン512を提供する。クーポン配布装置51Aによる電子クーポン512配布の詳細については後述する。なお、コンビニエンスストア5Aは、新聞販売エリア3A内に複数配置されてもよい。
【0027】
スマートフォン6A(情報処理装置)は、新聞販売エリア3A内に住所を有する所定のユーザが所持するスマートフォンであり、新聞販売エリア3A内に多数存在する。所定のユーザとは、クーポンアプリ10のユーザであり、かつ、新聞販売店4Aの新聞購読者情報412Aに含まれていないユーザのことである。スマートフォン6Aは情報処理装置であればよく、スマートフォンに限らず、例えば、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0028】
スマートフォン6Aは、クーポンアプリ10をインストールしているスマートフォンであるが、これに限らず、オンラインで利用できるクーポンアプリ10を使用することができるスマートフォンであってもよい。クーポンアプリ10は、所定の地域内の店舗情報、および電子クーポン等の情報を入手することができるアプリケーションソフトである。
【0029】
クーポンアプリ10をインストールする際には、ユーザは少なくとも、ユーザの住所621を入力してユーザ登録を行う必要がある。また、ユーザの住所621の他に、ユーザの氏名、年齢、生年月日、性別、メールアドレス等を入力してユーザ登録を行ってもよい。なお、ユーザが旅行者の場合、ユーザの住所621として滞在先の例えば宿泊施設の住所を登録してもよい。
【0030】
クーポンアプリ10は、入力されたユーザの住所621、または、ユーザの住所621を管轄する新聞販売店の新聞販売店コードを、スマートフォン6Aと対応付けて、スマートフォン6Aの記憶部62(図1参照)に保管する。例えば、ユーザの住所621が新聞販売エリア3A内に属するとき、クーポンアプリ10は、ユーザの住所621または新聞販売店コード411Aを、スマートフォン6AのMACアドレスまたはIPアドレス等と対応付けて記憶する。また、これに限らず、ユーザの住所621または新聞販売店コード411Aを、ユーザの氏名、メールアドレス、ユーザID等と対応付けて記憶してもよい。
【0031】
スマートフォン6Aは、コンビニエンスストア5Aに配置されているクーポン配布装置51Aから電子クーポン512を取得する。また、スマートフォン6Aは、クーポンアプリ10を使用して、所定のウェブページから電子クーポン512をダウンロードしてもよいし、電子クーポン512を添付した電子メールを受信することにより、電子クーポン512を取得してもよい。また、クーポンアプリ10は、スマートフォン6Aの位置情報をもとにして、現在地近くのコンビニエンスストア5Aへ誘導するSNS広告、チャット広告等を送信してもよい。
【0032】
また、スマートフォン6Aは、所定の周波数帯域(VHF、UHF等)の放送を受信可能であってもよい。スマートフォン6Aは、当該放送を介して、ポスティング用クーポンと同内容を含む電子クーポン512を受信する。スマートフォン6Aは、例えば、ユーザの住所621、ユーザの氏名、年齢、生年月日、性別、メールアドレス等と対応付けて、受信者リストに登録されている。
【0033】
なお、放送に用いる周波数帯はVHF、UHFに限定されない。例えば、低SHF帯以下(6GHz帯まで)、高SHF帯(6GHz~30GHz帯)、EHF帯(30GHz帯以降)であってもよい。また、いわゆるダイナミック周波数共用による通信であってもよい。また、通信規格6G(6th Generation)を見据えた、オール光ネットワーク、HAPS(High Altitude Platform Station)システム、量子暗号、インクルーシブインターフェースなどの技術を用いた通信媒体を用いてもよい。
【0034】
スマートフォン6Aによる電子クーポン512取得の詳細については後述する。
【0035】
一方、新聞販売エリア3B内にも、新聞販売エリア3A内と同様に、新聞販売エリア3Bを管轄する新聞販売店4B、コンビニエンスストア5B、および、スマートフォン6Bが存在する。
【0036】
新聞販売エリア3B内の構成等は、新聞販売エリア3Aにおいて説明した構成等と概ね同じである。したがって、上記新聞販売エリア3Aにて説明したものと同じ機能を有するものについては、対応する符号を付記し、その説明を省略する。
【0037】
(クーポン管理サーバ2)
クーポン管理サーバ2は、所定のエリアごとに、クーポンの配布を管理するサーバであり、例えば、新聞販売エリア3Aおよび新聞販売エリア3Bにおける、クーポンの配布を管理する。クーポン管理サーバ2は、新聞販売エリア3A内におけるクーポンの配布率が向上するように、クーポンの配布を管理する。また、新聞販売エリア3B内においても、クーポンの配布率が向上するようにクーポンの配布を管理する。
【0038】
クーポン管理サーバ2は、例えば、インターネット等により、個配管理装置41A,41B、クーポン配布装置51A,51B、およびスマートフォン6A,6Bと通信可能に接続されている。以下では、新聞販売エリア3A内におけるクーポン管理サーバ2の処理の例を説明する。なお、新聞販売エリア3B内についてもクーポン管理サーバ2は同様の処理を行う。
【0039】
クーポン管理サーバ2は、新聞販売エリア3A内において、例えば、新聞販売店4A、コンビニエンスストア5A、およびスマートフォン6A等から取得した情報に基づいて、ポスティング住所情報224を生成する。
【0040】
ポスティング住所情報224とは、新聞販売エリア3A内の世帯の住所から、クーポン配布済み住所を除いた住所のリストである。言い換えれば、新聞販売エリア3A内において、クーポン配布未完了の世帯の住所のリストであり、今後、新聞販売店4A等のポスティングによって、ポスティング用クーポンを配布する配布先を示す世帯の住所のリストである。
【0041】
クーポン管理サーバ2は、新聞販売エリア3A内の住所を世帯単位で管理する。このため、ポスティング住所情報224には、ポスティング用クーポンの配布先の住所が世帯単位で保管されている。
【0042】
ここで、世帯の住所とは、個人(世帯の構成員)を単位とする住所ではなく、世帯を単位とする住所であって、例えば、同一住所に家族等3人で構成される1つの世帯がある場合、世帯の住所の数は3つではなく1つとなる。また、同一住所に1つのマンションがあり、そのマンションに8世帯が住んでいる場合、各世帯の住所は、当該マンションの部屋番号を含む住所であり、世帯の住所の数は1つではなく8つとなる。
【0043】
新聞販売店4Aは、ポスティング住所情報224に保存されている世帯の住所のみに、ポスティング用クーポンを配布することにより、ポスティングに係る費用と時間を低減させることができる。また、クーポン配布未完了の世帯の住所にポスティング用クーポンを、より確実に配布することができ、新聞販売エリア3A内のクーポンの配布率を向上させることができる。ポスティング住所情報224の生成の詳細については、後述する。
【0044】
<広告管理システム1>
図1は、本発明の実施形態1に係る広告管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、広告管理システム1は、クーポン管理サーバ2、所定の新聞販売エリア3内の新聞販売店4、コンビニエンスストア5、およびスマートフォン6を含んで構成される。
【0045】
所定の新聞販売エリア3は、新聞販売店4が管轄する新聞販売エリアである。新聞販売店4は、所定の新聞販売エリア3内の新聞の販売および配送を独占して行う。新聞販売店4は、新聞販売店コード411が付与されている。
【0046】
新聞販売店4は、上述したように個配管理装置41を備え、個配管理装置41は、新聞販売店コード411、および、新聞販売エリア3内における新聞購読者のリストである新聞購読者情報412を保管する。個配管理装置41は、さらに、クーポン管理サーバ2から送信されるポスティング住所情報224を保管する。新聞販売店4は、後述するように、ポスティング住所情報224に記憶されている世帯の住所のみに、ポスティング用クーポンを配布してもよい。
【0047】
コンビニエンスストア5は、所定の新聞販売エリア3内に配置され、所定の新聞販売エリア3内の世帯に配布されるポスティング用クーポンと同内容を含む電子クーポン512を、近傍のスマートフォン6に提供するクーポン配布装置51を備える。
【0048】
クーポン配布装置51は、表示部511、他の装置と通信するための通信部513、および電子クーポン配布済住所生成部514を備える。
【0049】
スマートフォン6は、他の装置と通信するための通信部611、静止画や動画を撮像できる撮像部612、記憶部62を備える。記憶部62には、ユーザの住所621、ユーザの住所621を管轄する新聞販売店の新聞販売店コード411が記憶されている。
【0050】
クーポン配布装置51の表示部511は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する。表示部511には、スマートフォン6で撮像可能に電子クーポン512が表示される。
【0051】
スマートフォン6は、表示部511に表示された電子クーポン512を、撮像部612で撮像することにより、電子クーポン512を取得することができる。
【0052】
電子クーポン512は、電子クーポン512に含まれる情報をマトリクス型二次元コード(いわゆるQRコード:登録商標)の形態で表示部511に表示されてもよい。この場合、スマートフォン6は、表示されたQRコードを撮像し、QRコードの形態で電子クーポン512を取得する。
【0053】
クーポン配布装置51の通信部513はインターネット等を介して、クーポン管理サーバ2と通信可能に接続される。また、通信部513は近距離無線通信を行い、通信部513の通信可能範囲内のスマートフォン6に対して電子クーポン512を送信する。具体的には、スマートフォン6を所持した客がコンビニエンスストア5に入店し、通信部513の通信可能範囲内に入ったときに、通信部513は、スマートフォン6に対して電子クーポン512を送信する。なお、送信される電子クーポン512は、QRコードの形態であってもよい。
【0054】
なお、クーポン配布装置51が、表示部511に表示した電子クーポン512を撮像させて、スマートフォン6に電子クーポン512を提供する場合、クーポン配布装置51は、通信部513を備えていなくてもよい。これに限らず、電子クーポン512を表示する場合であっても、クーポン配布装置51は、通信部513を備えていてもよい。
【0055】
スマートフォン6は、クーポン配布装置51から近距離無線通信で電子クーポン512を受信することにより、電子クーポン512を取得する。
【0056】
このように、スマートフォン6は、所定の新聞販売エリア3内に配置されたクーポン配布装置51から、所定の新聞販売エリア3内の世帯に配布されるポスティング用クーポンと同内容を含む電子クーポン512を取得することができる。取得した電子クーポン512は、電子クーポン512が指定するコンビニエンスストア5またはその他の店舗のレジで、取得した電子クーポン512を表示することによって使用することができる。
【0057】
(電子クーポン配布済住所生成部514)
スマートフォン6は、上述したように、記憶部62に、ユーザの住所621、ユーザの住所621を管轄する新聞販売店の新聞販売店コード411が記憶されている。
【0058】
スマートフォン6は、電子クーポン512を取得したとき、クーポン配布装置51に対して、スマートフォン6に対応付けられたユーザの住所621、または、ユーザの住所621を管轄する新聞販売店4の新聞販売店コード411を送信する。
【0059】
クーポン配布装置51の電子クーポン配布済住所生成部514は、スマートフォン6からスマートフォン6に対応付けられたユーザの住所621が送信された場合、ユーザの住所621が新聞販売エリア3内であるか否かを判断する。ユーザの住所621が新聞販売エリア3内である場合、ユーザの住所621を、電子クーポン配布済住所515として、クーポン管理サーバ2に送信する。
【0060】
一方、電子クーポン配布済住所生成部514は、スマートフォン6からスマートフォン6に対応付けられた新聞販売店コード411が送信された場合、以下の処理を行う。電子クーポン配布済住所生成部514は、送信された新聞販売店コード411が、所定の新聞販売エリア3を管轄する新聞販売店4の新聞販売店コード411と一致するか否かを判断する。一致する場合、スマートフォン6は、スマートフォン6に対応付けられたユーザの住所621を、電子クーポン配布済住所515として、通信部611を介してクーポン管理サーバ2に送信する。
【0061】
ここで、電子クーポン配布済住所515とは、クーポン配布装置51によって、電子クーポン512が既に配布された新聞販売エリア3内の住所のことである。
【0062】
クーポン配布装置51によって、電子クーポン512を取得したユーザの住所621であっても、以下の場合は、電子クーポン配布済住所515としてクーポン管理サーバ2に送信しない。以下の場合とは、送信されたユーザの住所621が新聞販売エリア3の範囲外である場合、または送信された新聞販売店コードが新聞販売店コード411と一致しない場合である。
【0063】
この場合、ユーザの住所621が新聞販売エリア3の範囲外であるため、新聞販売エリア3内のポスティング用クーポンの配布対象とならず、後述する新聞販売エリア3内のクーポンの配布率の算出対象ともならないからである。
【0064】
クーポン配布装置51が通信部511を備えない場合、スマートフォン6は、以下の処理を行ってもよい。スマートフォン6は、所定のタイミングで、スマートフォン6に対応付けられたユーザの住所621、または、ユーザの住所621を管轄する新聞販売店4の新聞販売店コード411を、クーポン管理サーバ2等の外部へ送信する。
【0065】
ここで、所定のタイミングとは、スマートフォン6がクーポン配布装置51から電子クーポン512を取得したとき、または、電子クーポン512を使用する際に取得した電子クーポン512を表示したときのことである。
【0066】
この場合、クーポン管理サーバ2は、電子クーポン配布済住所生成部514に代わって、スマートフォン6に対応付けられたユーザの住所621が電子クーポン配布済住所515に該当するか否かの判断を行う。クーポン管理サーバ2は、ユーザの住所621が電子クーポン配布済住所515に該当すると判断した場合、後述する第1配布済住所222としてユーザの住所621を記憶する。
【0067】
なお、スマートフォン6が、クーポン管理サーバ2にユーザの住所621または新聞販売店コード411を送信する例について説明したが、これに限らず、スマートフォン6は、クーポン管理サーバ2とは別個の外部の装置に送信してもよい。この場合、外部の装置は、送信されたユーザの住所621が電子クーポン配布済住所515に該当するか否かの判断を行い、該当すると判断した場合、電子クーポン配布済住所515としてユーザの住所621をクーポン管理サーバ2に送信する。
【0068】
図3は、クーポン配布装置51の一例を説明する図である。図3に示すように、クーポン配布装置51は、表示部511に、スマートフォン6で撮像可能にQRコードの形態で電子クーポン512を表示する。
【0069】
スマートフォン6の撮像部612で、クーポン配布装置51に表示された電子クーポン512を撮像することにより、電子クーポン512を取得する。このとき、スマートフォン6は、記憶部62に記憶しているユーザの住所621、または新聞販売店コード411をクーポン配布装置51に送信する。
【0070】
クーポン配布装置51は、送信されたユーザの住所621または新聞販売店コード411によりユーザの住所621が所定の新聞販売エリア3内であると判断できるとき、ユーザの住所621を電子クーポン配布済住所515としてクーポン管理サーバ2に送信する。
【0071】
取得した電子クーポン512を使用する際には、電子クーポン512が指定する店舗Pに行き、スマートフォン6の画面に、電子クーポン512を表示させる。店舗PのQRコードリーダにて、電子クーポン512を読取らせることにより、電子クーポン512を使用することができる。
【0072】
クーポン配布装置51が通信部511を備えないときは、スマートフォン6は、以下の処理をしてもよい。スマートフォン6は、クーポン配布装置51から電子クーポン512を取得したとき、または店舗Pにて電子クーポン512を表示したときに、ユーザの住所621または新聞販売店コード411をクーポン管理サーバ2に送信する。
【0073】
(ポスティング住所情報の生成)
再び、図1を参照し、クーポン管理サーバ2の詳細について説明する。
【0074】
クーポン管理サーバ2は、上述したように、新聞販売エリア3におけるクーポンの配布を管理するサーバである。クーポン管理サーバ2は、インターネット等により、個配管理装置41、クーポン配布装置51、およびスマートフォン6と通信可能に接続されている。クーポン管理サーバ2は、新聞販売エリア3内において、例えば、新聞販売店4、コンビニエンスストア5、およびスマートフォン6等から取得した情報に基づいて、ポスティング住所情報224を生成する。
【0075】
図1に示すように、クーポン管理サーバ2は、クーポン管理サーバ2の各部を統括して制御する制御部21、制御部21が使用する各種データを記憶する記憶部22、および、他の装置と通信するための通信部23を備える。記憶部22は、クーポン管理サーバ2内の記憶部であってもよいし、クーポン管理サーバ2に通信可能に接続されるUSBメモリ等の外部ストレージであってもよい。
【0076】
制御部21は、第1取得部211、第2取得部212、配布率算出部213、ポスティング住所情報生成部214(生成部)、および判定部215を備えている。また、記憶部22は、エリア住所情報221、第1配布済住所222、第2配布済住所223、およびポスティング住所情報224を格納している。
【0077】
エリア住所情報221は、所定の新聞販売エリア3内の世帯の住所が登録されたデータベースである。
【0078】
第1配布済住所222は、所定の新聞販売エリア3内に配置されたクーポン配布装置51を介して、ポスティング用クーポンと同内容を含む電子クーポン512を取得したスマートフォン6に対応付けられた住所のリストである。換言すれば、第1配布済住所222は、新聞販売エリア3内において電子クーポン512を配布した、新聞販売エリア3内の住所のリストである。
【0079】
第1取得部211は、クーポン配布装置51から、通信部23を介して、電子クーポン配布済住所生成部514が生成した電子クーポン配布済住所515を、第1配布済住所222として取得し、記憶部22に格納する。また、電子クーポン512が、クーポンアプリ10を用いてウェブページ、電子メール等から取得された場合、第1取得部211は、クーポンアプリ10を介して、スマートフォン6からユーザの住所621を送信させ第1配布済住所222として取得してもよい。
【0080】
また、電子クーポン512が放送局からの放送によって配信される場合、第1取得部211は、当該放送の受信者リストに登録されているユーザの住所621を、第1配布済住所222として取得してもよい。
【0081】
なお、同一世帯内に電子クーポン512を取得したユーザが複数存在する場合、第1取得部211は、最初に電子クーポン512を受け取ったユーザの住所のみを第1配布済住所222に保管する。
【0082】
具体的に説明すると、同一世帯に属する他のユーザが、既に電子クーポン512を受け取っている場合、その住所は既に、第1取得部211によって第1配布済住所222に保管されている。その後、同一世帯に属する別のユーザが電子クーポン512を取得した場合、既に保管されている住所と同一の住所が、再びクーポン配布装置51から送信される。既に保管した住所と同一の住所を再び保管すると、同一の住所が重複して第1配布済住所222に保管されることになる。
【0083】
このような事態を避けるため、第1取得部211は、電子クーポン配布済住所515が送信されたとき、第1配布済住所222を参照し、送信された電子クーポン配布済住所515と同一の住所が、第1配布済住所222に保管されているか否かについて判断する。第1取得部211は、送信された電子クーポン配布済住所515が、第1配布済住所222に保管されていないと判断した場合、送信された電子クーポン配布済住所515を第1配布済住所222として保管する。第1配布済住所222に保管されていると判断した場合、第1取得部211は、送信された電子クーポン配布済住所515を保管しない。
【0084】
つまり、第1配布済住所222は、電子クーポン512を取得した世帯単位の住所であるといえる。これにより、電子クーポン配布済住所515が、重複して第1配布済住所222に保管されるのを防ぐことができる。
【0085】
第2配布済住所223は、新聞販売店4が、新聞購読者情報412に記憶されている新聞購読者に、ポスティング用クーポンと同内容を含むチラシ掲載クーポンを配布した世帯の住所のリストである。換言すれば、第2配布済住所223は、新聞販売エリア3内においてチラシ掲載クーポンを配布した世帯の住所のリストである。
【0086】
第2取得部212は、新聞販売店4の個配管理装置41から、通信部23を介して新聞購読者情報412を取得し、第2配布済住所223として記憶部22に格納する。
【0087】
ポスティング住所情報生成部214は、エリア住所情報221から、ポスティング用クーポンと同内容を含むクーポンを既に配布した配布済住所を除いて、ポスティング住所情報224を生成する。言い換えれば、ポスティング住所情報生成部214は、第1配布済住所222および第2配布済住所223を、エリア住所情報221から除いてポスティング住所情報224を生成する。ポスティング住所情報224とは、ポスティング用クーポンを配布する配布先の世帯を示す住所のリストである。
【0088】
ポスティング住所情報生成部214は、例えば、新聞の購読者が少ない等、新聞の購読者数を無視できる状況等の場合、第2配布済住所223のみをエリア住所情報221から除いてポスティング住所情報224を生成してもよい。
【0089】
クーポン管理サーバ2は、所定の新聞販売エリア3を管轄する新聞販売店4の個配管理装置41へ、ポスティング住所情報224を提供する。
【0090】
個配管理装置41は、クーポン管理サーバ2から提供されたポスティング住所情報224を保管する。新聞販売店4は、ポスティング住所情報224に保存されている世帯の住所のみに、ポスティング用クーポンを配布する。これにより、新聞販売店4は、クーポン配布未完了の世帯の住所にも、ポスティング用クーポンを配布することができるとともに、ポスティングの件数を減らし、ポスティングに係る費用と時間を低減させることができる。
【0091】
(配布率算出)
配布率算出部213は、新聞販売エリア3内におけるクーポンの配布率を算出する。配布率算出部213は、エリア住所情報221に登録された世帯の住所の数に対する、クーポンを配布した配布済住所の数の割合を算出する。
【0092】
配布済住所の数とは、第1配布済住所222に登録された世帯の住所と、第2配布済住所223に登録された世帯の住所との論理和として得られる住所の数である。なお、上述したように、第2配布済住所223を取得しない場合、配布済住所の数は、第1配布済住所222に登録された世帯の住所の数としてもよい。
【0093】
これにより、配布率算出部213は、新聞販売エリア3内におけるクーポンの配布率を算出することができる。仮に、新聞販売エリア3内の全世帯にクーポンを配布できたとすると、クーポンの配布率は100%となる。
【0094】
判定部215は、算出したクーポンの配布率が、予め定めた基準値に達したか否かを判定する。基準値は、例えば、65%、80%等であり、広告主等によりあらかじめ定められた値である。
【0095】
判定部215によりクーポンの配布率が基準値以下であると判定された場合、クーポン管理サーバ2は、ポスティング住所情報224を生成し、クーポンが未だ配布されていない住所に対して、ポスティング用クーポンを配布してもよい。
【0096】
これにより、クーポンの配布率が低い場合でも、新聞販売エリア3内の未だクーポンを配布していない世帯にポスティング用クーポンを配布することができ、クーポンの配布率を向上させることができる。
【0097】
<クーポン配布装置51の制御部の処理の流れ>
図4は、コンビニエンスストア5のクーポン配布装置51の制御部(不図示)が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
制御部は、通信可能範囲内にあるスマートフォン6に電子クーポン512を送信したとき、スマートフォン6からユーザの住所621、またはユーザの住所621を管轄する新聞販売店4の新聞販売店コード411を取得する(S1)。
【0099】
電子クーポン配布済住所生成部514は、スマートフォン6からユーザの住所621が送信された場合、ユーザの住所621が新聞販売エリア3内であるか否かを判断する。また、スマートフォン6から新聞販売店コード411が送信された場合、送信された新聞販売店コード411が、所定の新聞販売エリア3を管轄する新聞販売店4の新聞販売店コード411と一致するか否かを判断する(S2)。
【0100】
電子クーポン配布済住所生成部514は、ユーザの住所621が新聞販売エリア3内である場合(S2でYES)、ユーザの住所621を電子クーポン配布済住所515とする。また、送信された新聞販売店コード411が、新聞販売店4の新聞販売店コード411と一致する場合(S2でYES)、ユーザの住所621を電子クーポン配布済住所515とする(S3)。
【0101】
クーポン配布装置51の制御部は、通信部511を介して、ユーザの住所621を電子クーポン配布済住所515として、クーポン管理サーバ2に送信し、処理を終了する。
【0102】
ユーザの住所621が新聞販売エリア3内でない場合、または、新聞販売店コード411が一致しない場合(S2でNO)、制御部は、ユーザの住所621をクーポン管理サーバ2に送信しないで、処理を終了する。
【0103】
これにより、クーポン配布装置51は、電子クーポン512が既に配布された新聞販売エリア3内の住所を、電子クーポン配布済住所515としてクーポン管理サーバ2に送信することができる。よって、ポスティング用クーポンの配布件数を減らすことができ、ポスティングに係る費用と時間を低減させることができる。
【0104】
<フロー:管理装置>
図5は、クーポン管理サーバ2の制御部21が実行する、ポスティング住所情報生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
制御部21は、記憶部22から、所定の新聞販売エリア3内の世帯の住所が登録されたエリア住所情報221を取得する(S11)。
【0106】
第1取得部211は、コンビニエンスストア5のクーポン配布装置51から、通信部23を介して、電子クーポン配布済住所生成部514が生成した電子クーポン配布済住所515を第1配布済住所222として取得する(S12)。
【0107】
第2取得部212は、新聞販売店4の個配管理装置41から、通信部23を介して新聞購読者情報412を、第2配布済住所223として取得する(S13)。
【0108】
配布率算出部213は、エリア住所情報221に登録された世帯の住所の数に対する、クーポンを配布した世帯の配布済住所(第1配布済住所222および第2配布済住所223)の数の割合から、クーポンの配布率を算出する(S14)。
【0109】
判定部215は、算出したクーポンの配布率が、予め定めた基準値に達したか否かを判定する(S15)。
【0110】
判定部215によりクーポンの配布率が基準値以下であると判定された場合(S15でNO)、ポスティング住所情報生成部214は、第1配布済住所222および第2配布済住所223を、エリア住所情報221から除いてポスティング住所情報224を生成する(S16)。
【0111】
制御部21は、所定の新聞販売エリア3を管轄する新聞販売店4の個配管理装置41へ、ポスティング住所情報224を送信し(S17)、処理を終了する。
【0112】
判定部215によりクーポンの配布率が基準値を達成していると判定された場合(S15でYES)、制御部21は処理を終了する。
【0113】
これにより、クーポンの配布率が低い場合でも、新聞販売エリア3内の未だクーポンを配布していない世帯にポスティング用クーポンを配布することができ、クーポンの配布率を向上させることができる。
【0114】
<地図との連携>
クーポン管理サーバ2からポスティング住所情報224を受信した個配管理装置41を所有する新聞販売店4等のクーポン配布者は、ポスティング住所情報224に基づいて、ポスティング用クーポンを配布する。
【0115】
ポスティング住所情報224は、第1配布済住所222および第2配布済住所223と共に、地図上に表示してもよい。
【0116】
この場合、例えば、クーポン管理サーバ2は、第1配布済住所222、第2配布済住所223、およびポスティング住所情報224を、新聞販売エリア3の地図情報と連携させて、ポスティング用地図Pを作成してもよい。ポスティング用地図Pは、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット等の表示部に表示される。
【0117】
図6は、ポスティング用地図Pの一例を示す図である。図6に示すように、ポスティング用地図Pには、例えば、宅地、建屋、道路、河川等が示されている。
【0118】
各建屋は、クーポンの配布状況に応じて色分けされており、例えば、第1配布済住所222の建屋Jbは水色、第2配布済住所223の建屋Jcは緑色、ポスティング住所情報224の建屋Jaは赤色で表示される。建屋の表示は、これに限らず、建屋Ja、Jb、Jcの区別がわかればよく、表示態様は限定されない。
【0119】
ポスティング用地図Pは、リアルタイムに更新され、例えば、新たに電子クーポン512を取得したユーザの住所621が第1配布済住所222に登録されると、当該住所の建屋は、赤色から水色に変更される。
【0120】
これにより、新聞販売店4等のクーポン配布者は、ポスティング用地図Pに赤色で表示される建屋Jaに対してポスティング用クーポンを配布することができるので、ポスティング対象を間違えることなく、ポスティングを容易に行うことができる。
【0121】
なお、ポスティング用地図Pは、クーポン配布者の現在位置を表示してもよいし、配布経路を表示してもよい。
【0122】
また、ポスティング用地図Pは、ポスティング住所情報224のみを、地図情報に連携させたものであってもよい。また、クーポン管理サーバ2に限らず、他の装置により、ポスティング用地図Pを作成してもよい。
【0123】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0124】
実施形態1のクーポン管理サーバ2は、新聞販売エリア3A内の住所を世帯単位で管理するが、実施形態2のクーポン管理サーバ2Aは、個人単位で管理する点で、実施形態1のクーポン管理サーバ2と相違する。
【0125】
ここで、個人単位の住所とは、個人(世帯の構成員)を単位とする住所であって、例えば、氏名と対応付けた住所である。またこれに限らず、年齢、性別、メールアドレス、ユーザID等の個人を識別する少なくとも1つ以上の情報と対応付けた住所であってもよい。例えば、同一住所に家族等3人で構成される1つの世帯がある場合、住所の数は3つとなる。
【0126】
クーポン管理サーバ2Aのエリア住所情報221A、および第1配布済住所222Aは、実施形態1と異なり、個人単位の住所が保管されている。エリア住所情報221Aは、所定の新聞販売エリア3内の個人単位の住所のリストであり、例えば、氏名と住所とを対応付けて登録したデータベースである。
【0127】
第1配布済住所222Aは、新聞販売エリア3内において電子クーポン512を配布した、新聞販売エリア3内の個人単位の住所のリストである。同一世帯内に電子クーポン512を取得したユーザが複数存在する場合、電子クーポン512を取得した全てのユーザの住所が、第1配布済住所222に保管される。
【0128】
第2配布済住所223は、新聞販売店4が、新聞購読者情報412に記憶されている新聞購読者に、チラシ掲載クーポンを配布した世帯単位の住所のリストである。
【0129】
クーポン管理サーバ2Aの配布率算出部213Aは、個人単位のエリア住所情報221Aを参照し、第2配布済住所223を世帯単位から個人単位に修正し、個人単位の第2配布済住所223Aを生成する。例えば、チラシ掲載クーポンを配布した世帯に家族が複数いる場合、家族全員について、個人単位の住所を作成し、第2配布済住所223Aに保管する。
【0130】
配布率算出部213Aは、エリア住所情報221Aに登録された個人単位の住所の数に対する、クーポンを配布した個人単位の配布済住所(第1配布済住所222Aおよび第2配布済住所223A)の数の割合から、クーポンの配布率を算出する。これにより、所定の新聞販売エリア3内の全人口に対するクーポンの配布率を算出することができる。
【0131】
クーポン管理サーバ2Aの判定部215Aは、クーポンの配布率が基準値に達したか否かを判定し、クーポンの配布率が基準値以下であると判定された場合、ポスティング住所情報生成部214Aは、ポスティング住所情報224を生成する。
【0132】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る広告管理装置は、所定の新聞販売エリア内の世帯の住所が登録されたエリア住所情報から、ポスティング広告と同内容を含む前配布広告を配布した配布済住所を除いて、前記ポスティング広告を配布する配布先を示すポスティング住所情報を生成する生成部を備え、さらに、前記前配布広告は電子広告であり、前記電子広告を取得した情報処理装置に対応付けられた住所を第1配布済住所として取得する第1取得部を備え、前記生成部は、前記第1配布済住所を前記エリア住所情報から除いて前記ポスティング住所情報を生成する。
【0133】
本開示の態様2に係る広告管理装置は、上記態様1において、前記第1配布済住所は、前記所定の新聞販売エリア内に配置された広告配布装置を介して前記電子広告を取得した前記情報処理装置に対応付けられた住所であってもよい。
【0134】
本開示の態様3に係る広告管理装置は、上記態様1または2において、前記前配布広告は新聞の折り込みチラシであり、前記折り込みチラシを配布した住所を第2配布済住所として取得する第2取得部を備え、前記生成部は、前記第1配布済住所および前記第2配布済住所を前記エリア住所情報から除いて前記ポスティング住所情報を生成してもよい。
【0135】
本開示の態様4に係る広告管理装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記エリア住所情報に登録された住所の数に対する、前記前配布広告を配布した配布済住所の数の割合を算出し、前記割合が基準値以下である場合、前記ポスティング住所情報を生成してもよい。
【0136】
本開示の態様5に係る広告管理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記所定の新聞販売エリアを管轄する新聞販売店の個配管理装置へ、前記ポスティング住所情報を提供してもよい。
【0137】
本開示の態様6に係る広告配布装置は、所定の新聞販売エリア内に配置され、前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を、近傍の情報処理装置に提供する。
【0138】
本開示の態様7に係る広告配布装置は、上記態様6において、近距離無線通信を行う通信部を備え、前記通信部の通信可能範囲内の前記情報処理装置に対して前記電子広告を送信してもよい。
【0139】
本開示の態様8に係る広告配布装置は、上記態様7において、前記電子広告を受信した前記情報処理装置に対応付けられた住所が前記新聞販売エリア内である場合、当該住所を第1配布済住所としてもよい。
【0140】
本開示の態様9に係る広告配布装置は、上記態様7において、前記電子広告を受信した前記情報処理装置に対応付けられた新聞販売店コードが前記所定の新聞販売エリアを管轄する新聞販売店の新聞販売店コードと一致するとき、前記情報処理装置に対応付けられた住所を第1配布済住所としてもよい。
【0141】
本開示の態様10に係る広告配布装置は、上記態様6において、表示部を備え、前記情報処理装置が撮像可能に前記表示部に前記電子広告を表示してもよい。
【0142】
本開示の態様11に係る情報処理装置は、所定の新聞販売エリア内に配置された広告配布装置から、前記所定の新聞販売エリア内の世帯に配布されるポスティング広告と同内容を含む電子広告を取得する、
本開示の態様12に係る情報処理装置は、上記態様11において、前記広告配布装置から、近距離無線通信により前記電子広告を受信してもよい。
【0143】
本開示の態様13に係る情報処理装置は、上記態様12において、前記広告配布装置に対して、前記情報処理装置に対応付けられた住所、または、当該住所を管轄する新聞販売店の新聞販売店コードを送信してもよい。
【0144】
本開示の態様14に係る情報処理装置は、上記態様11において、前記広告配布装置の表示部に表示された前記電子広告を撮像することにより、前記電子広告を取得してもよい。
【0145】
本開示の態様15に係る情報処理装置は、上記態様14において、前記電子広告を取得したとき、または、取得した前記電子広告を表示したとき、前記情報処理装置に対応付けられた住所、または、当該住所を管轄する新聞販売店の新聞販売店コードを外部へ送信してもよい。
【0146】
本開示の態様16に係る広告管理装置は、所定の新聞販売エリア内の個人単位の住所が登録されたエリア住所情報から、世帯単位のポスティング広告と同内容を含む前配布広告を配布した配布済住所を除いて、前記ポスティング広告を配布する配布先を示すポスティング住所情報を生成する生成部を備え、さらに、前記前配布広告は電子広告であり、前記電子広告を取得した情報処理装置に対応付けられた住所を第1配布済住所として取得する第1取得部を備え、前記生成部は、前記第1配布済住所を前記エリア住所情報から除いて前記ポスティング住所情報を生成する。
【0147】
本開示の態様17に係る広告管理装置は、上記態様16において、前記第1配布済住所は、前記所定の新聞販売エリア内に配置された広告配布装置を介して前記電子広告を取得した前記情報処理装置に対応付けられた住所であってもよい。
【0148】
本開示の態様18に係る広告管理装置は、上記態様16または17において、前記前配布広告は新聞の折り込みチラシであり、前記折り込みチラシを配布した世帯の住所を第2配布済住所として取得する第2取得部を備え、前記生成部は、前記第1配布済住所および前記第2配布済住所を前記エリア住所情報から除いて前記ポスティング住所情報を生成してもよい。
【0149】
本開示の態様19に係る広告管理装置は、上記態様16から18のいずれかにおいて、前記エリア住所情報に登録された個人単位の住所の数に対する、前記前配布広告を配布した個人単位の配布済住所の数の割合を算出し、前記割合が基準値以下である場合、前記ポスティング住所情報を生成してもよい。
【0150】
本開示の態様20に係る広告管理装置は、上記態様16から19のいずれかにおいて、前記所定の新聞販売エリアを管轄する新聞販売店の個配管理装置へ、前記ポスティング住所情報を提供してもよい。
【0151】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0152】
2 クーポン管理サーバ(広告管理装置)
3 新聞販売エリア
4 新聞販売店
6 スマートフォン(情報処理装置
41 個配管理装置
51 クーポン配布装置(広告配布装置)
211 第1取得部
212 第2取得部
214 ポスティング住所情報生成部(生成部)
221 エリア住所情報
222 第1配布済住所
223 第2配布済住所
224 ポスティング住所情報
411 新聞販売店コード
511 通信部
512 電子クーポン(電子広告)
621 ユーザの住所
【要約】
【課題】所定の新聞販売エリア内において、広告を効率的に配布し、広告の配布率を向上させる。
【解決手段】広告配布装置(51)は、所定の新聞販売エリア内に配置され、ポスティング広告と同内容を含む電子広告(512)を近傍の情報処理装置(6)に提供し、電子広告を取得した情報処理装置に格納されている住所を、情報処理装置から取得し、エリア住所情報(221)から前記住所を除いて、ポスティング住所情報を生成する広告管理装置(2)に送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6