(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】乳幼児用寝具
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20240805BHJP
A47G 9/06 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A47G9/02 G
A47G9/02 Z
A47G9/06 H
(21)【出願番号】P 2024015952
(22)【出願日】2024-02-05
【審査請求日】2024-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524050224
【氏名又は名称】大山 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100107607
【氏名又は名称】加藤 実
(72)【発明者】
【氏名】大山 達也
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3221248(JP,U)
【文献】特開2007-159795(JP,A)
【文献】特開2007-288745(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218424(JP,U)
【文献】登録実用新案第3207126(JP,U)
【文献】実開昭58-012374(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0210585(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/02
A47G 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具本体と複数の紐状部材とを備えてなり、各々の紐状部材は、複数本の紐が撚り合わされた撚紐であり、その一端において寝具本体との接合端部を、他端において自由端部を有し、接合端部から自由端部までの間は
、使用時において乳幼児が掴むことができる可動域を形成し、可動域における紐状部材の長さは8~50cmであり、太さは直径1.0~3.5cmである、乳幼児用寝具。
【請求項2】
毛布、タオルケット、大型マフラー、シーツ、枕、又は枕カバーから選ばれるものである、請求項1に記載の乳幼児用寝具。
【請求項3】
各々の紐状部材は、左巻きに撚り合わされた撚紐である、請求項1に記載の乳幼児用寝具。
【請求項4】
各々の紐状部材は、2本又は3本の紐が撚り合わされた撚紐である、請求項1に記載の乳幼児用寝具。
【請求項5】
複数の紐状部材の一部は、複数の紐状部材の他の一部から離れた位置に配されてなる、請求項1に記載の乳幼児用寝具。
【請求項6】
請求項1に記載の乳幼児用寝具を着用させた乳幼児に胎児音を再生して聴かせるステップを含む、乳幼児用寝具の使用方法。
【請求項7】
請求項1に記載の乳幼児用寝具と、デバイスにより再生可能な胎児音の音源とを含む、乳幼児の入眠を促進するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児用寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
心理学者ハーロウは子ザルを用いた著名な代理母実験で、スキンシップ(接触)による安心感が、愛着形成に大きく関わることを実証した(非特許文献1)。
【0003】
接触を通じて乳幼児の知覚を刺激できる用具は、発達の過程に好ましい効果を与えることが期待される。そのような用具の例として、乳児が掴むことができる、柔らかな尾部材、取手部材、及び歯固めリングを備えた玩具が提案されている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6165355号公報
【文献】乘越,”愛 - 霊長類学からのアプローチ -“,心理学評論,心理学評論刊行会,1990年, 第33巻,第3号,p.290-304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現代社会において、乳幼児の健全な発育を促すと共に、育児の負担を軽減させることは重要な課題であり、乳幼児に適切な感触を与え、情緒を安定させることができる、より良い用具が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
へその緒(臍帯)は、一般的に50cm程度の長さと2cm程度の太さを有し、中に2本の動脈と1本の静脈が走行している。臍帯は、胎盤と胎児の間の物質を輸送する重要なパイプで、その外周はワルトン膠質という組織で守られ、生理的に軽い捻転(ねじれ)が与えられている。胎児は羊水中で臍帯に触れる機会が多くあると考えられている。
【0007】
本発明者は、臍帯の外形を模した構成を備えることで、乳幼児に安心感を与えることができる寝具を着想し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、寝具本体と複数の紐状部材とを備えてなり、各々の紐状部材は、複数本の紐が撚り合わされた撚紐であり、その一端において寝具本体との接合端部を、他端において自由端部を有し、接合端部から自由端部までの間は可動域を形成し、可動域における紐状部材の長さは8~50cmであり、太さは直径1.0~3.5cmである、乳幼児用寝具を提供する。
【0009】
本発明の乳幼児用寝具は、毛布、タオルケット、大型マフラー、シーツ、枕、又は枕カバーから選ばれるものであることが好ましい。
【0010】
本発明の乳幼児用寝具において、各々の紐状部材は、左巻きに撚り合わされた撚紐であることが好ましい。
【0011】
本発明の乳幼児用寝具において、各々の紐状部材は、2本又は3本の紐が撚り合わされた撚紐であることが好ましい。
【0012】
本発明の乳幼児用寝具において、複数の紐状部材の一部は、複数の紐状部材の他の一部から離れた位置に配されてなることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、本発明の乳幼児用寝具を着用させた乳幼児に胎児音を再生して聴かせるステップを含む、乳幼児用寝具の使用方法を提供する。
【0014】
本発明はさらに、本発明の乳幼児用寝具と、デバイスにより再生可能な胎児音の音源とを含む、乳幼児の入眠を促進するためのシステムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の乳幼児用寝具によれば、臍帯の外形を模した紐状部材の感触により、乳幼児に安心感を与えることができるため、乳幼児の情緒を安定させ、入眠を促進することができる。
【0016】
本発明の乳幼児用寝具を使用する方法、及び本発明の乳幼児用寝具を含むシステムによれば、寝具を着用させかつ胎児音を聴かせることで、より効果的に入眠を促進することができる。
【0017】
本発明の乳幼児用寝具、その使用方法及びシステムによれば、保護者の育児の負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の乳幼児用寝具の一実施形態を示す平面図である。
【
図2】本発明の乳幼児用寝具の一実施形態の使用状況を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図示した実施形態を参照しつつ、本発明の詳細を説明する。
【0020】
本発明の乳幼児用寝具は、寝具本体と複数の紐状部材とを備えてなる。
図1に示す本発明の実施形態である乳幼児用寝具10は、寝具本体20と、寝具本体に接合された複数の紐状部材30、40、50とを備えてなる。「乳幼児」とは、1歳未満の乳児と、1歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児を包含する用語である。本発明の乳幼児用寝具は、特に乳児及び概ね3歳以下の幼児に使用するとき、とりわけ乳児に使用するとき、高い効果が得られる。
【0021】
本発明の乳幼児用寝具は、毛布、タオルケット、大型マフラー、シーツ、枕、又は枕カバーから選ばれるものであることが好ましい。すなわち、本発明において寝具本体としては、毛布、タオルケット、大型マフラー、シーツ、枕、及び枕カバーを好ましく利用し得るが、これらに限定はされない。毛布は、ウール、綿等を厚く織って、又は編んで、起毛等を施した製品である。タオルケットは、厚手のタオル地で作られ、主に夏場に使われる製品である。シーツはベッドマットを覆うための布である。
図1の実施形態においては、寝具本体20は、長辺約80cm、短辺約70cmの毛布である。
【0022】
本発明において毛布及びタオルケットは、乳幼児の身体に掛けて寝具となし得る程度の大きさであればよく、大人用のひざ掛け等の防寒具を兼用するものであってもよい。本発明において大型マフラーの「大型」とは、乳幼児の身体に掛けて、毛布又はタオルケットに代用し得る程度の大きさであることをいう。すなわち、本発明の乳幼児用寝具は、大人用のマフラーを兼用するものであってもよい。本発明において枕及び枕カバーは、乳幼児用に使用し得るものであれば、特に限定はされない。枕代用品として使用するタオルも、本発明における「枕」に含まれる。
【0023】
本発明においては複数の紐状部材が寝具本体に接合されている。紐状部材の本数は、好ましくは4本以上であり、より好ましくは6本以上であり、更に好ましくは8本以上である。紐状部材が複数であることにより、乳幼児用寝具を乳幼児の身体に掛けて使用する際に、乳幼児にとって少なくとも一本の紐状部材が手の届くところにある状況を実現しやすい。
図1の実施形態においては、紐状部材30、40、50は各4本からなり、紐状部材の本数は合計12本である。紐状部材の本数の上限値は特に限定されないが、典型的には20本以下であり、好ましくは15本以下である。
【0024】
本発明において各々の紐状部材は、その一端において寝具本体との接合端部を、他端において自由端部を有し、接合端部から自由端部までの間は可動域を形成する。すなわち、接合端部から自由端部までの間には寝具本体との付加的な接合部は存しない。接合端部と付加的な接合部によってループが形成されると乳幼児の腕等がからまる可能性があるので、それを避けるためである。
【0025】
可動域における紐状部材の長さは8~50cmであり、好ましくは10~45cmであり、より好ましくは15~40cmである。複数の紐状部材が均一な長さである必要はない。むしろ、複数の紐状部材が不均一な長さを有するようにすることで、一の乳幼児用寝具で月齢や年齢の異なる乳幼児に適応できる場合がある。ここで「不均一な長さ」とは、複数の紐状部材のうち長さが最大のものと最小のものとの差が3cm以上であることをいう。長さが最大のものと最小のものとの差は、好ましくは5cm以上、より好ましくは8cm以上である。紐状部材が適度な長さであることにより、乳幼児にとっての紐状部材への手の届きやすさが向上する。可動域における紐状部材の太さは、直径1.0~3.5cmであり、好ましくは直径1.1~3.0cmであり、より好ましくは直径1.2~2.5cmである。ここで「直径」は紐状部材の断面に対する外接円の直径をいう。
【0026】
本発明において各々の紐状部材は、複数本の紐が撚り合わされた撚紐である。紐状部材が適度な太さの撚紐であることにより、紐状部材を手で掴んだ乳幼児に、臍帯の外形を想起させやすく、安心感を与えることができる。紐の素材は限定されないが、感触や吸汗性等の観点から綿を主体とする(すなわち、綿が最大重量成分をなす)素材であることが好ましく、綿100%であることがより好ましい。
【0027】
各々の紐状部材は、左巻き(左撚り)に撚り合わされた撚紐であることが好ましい。臍帯は左巻き方向にねじれているため、左巻きの撚り合わせにより、いっそう乳幼児に臍帯の外形を想起させやすくなる。各々の紐状部材の撚り数としては、15~50T/mが好ましく、20~45T/mがより好ましく、25~40T/mが更に好ましい。
【0028】
各々の紐状部材は、2本又は3本の紐が撚り合わされた撚紐であることが好ましい。2本又は3本の紐が比較的緩く撚り合わされていることにより、乳幼児は撚り合わせがほつれた隙間に指先を差し込むこともできるが、そのような指先への刺激は乳幼児の発達を促す効果が期待される。従って、撚紐の紐同士は互いに接着されていないことが好ましい。
【0029】
図1の実施形態においては、各々の紐状部材30、40、50は、長さが30~40cmの範囲にあり、太さが約1.5cmであり、3本の紐が左巻きに撚り合わされ、撚り数が約30T/mの撚紐である。
【0030】
本発明の乳幼児用寝具において、複数の紐状部材の一部は、複数の紐状部材の他の一部から離れた位置に配されてなることが好ましい。ここで「離れた位置に配され」とは、紐状部材の異なる結合端部の間の距離が、寝具本体の長尺方向の全長の5分の1以上、好ましくは4分の1以上、より好ましくは3分の1以上に相当することをいう。複数の紐状部材が互いに離れた位置に存するように寝具本体に結合されていることで、乳幼児にとっての紐状部材への手の届きやすさが更に向上する。
【0031】
具体的には、本発明の乳幼児用寝具において、寝具本体の長尺方向又は短尺方向のいずれかの方向(以下「所定の方向」ともいう)に対して、複数の紐状部材の一部は一方の端部領域に、複数の紐状部材の他の一部は当該一方の端部領域以外の領域に接合することができる。好ましくは、所定の方向に対して、複数の紐状部材の一部は第1の端部領域に、複数の紐状部材の他の一部は第2の端部領域に接合することができる。ここで「端部領域」とは、該当する最端部から幅10cm以内、好ましくは幅5cm以内の領域をいう。なお、長尺方向と短尺方向の長さが同一である、例えば略正方形の寝具本体も本発明で利用し得ることはいうまでもない。
【0032】
本発明の乳幼児用寝具がシーツである場合は、覆う対象となるベッドマットの上面の最端部と当接する部位をシーツの「最端部」として、上記の端部領域を規定することができる。この場合、寝具本体の長尺方向を所定の方向とすることが好ましい。
【0033】
本発明の乳幼児用寝具が毛布又はタオルケットである場合は、所定の方向に対して、複数の紐状部材の他の一部は中央部領域に接合することができる。この場合は、好ましくは、所定の方向に対して、複数の紐状部材の一部は第1の端部領域に、複数の紐状部材の他の一部は第2の端部領域に、そして複数の紐状部材の更に他の一部は中央領域に接合することができる。ここで「中央領域」とは、寝具本体を所定の方向に二等分する線を中心とする幅20cm以内、好ましくは幅10cm以内の領域をいう。
【0034】
図1の実施形態においては、紐状部材は、毛布の長尺方向に対して、右側(第1の)端部領域に紐状部材30が、中央領域に紐状部材40が、左側(第2の)端部領域に紐状部材50が、それぞれ接合されている。紐状部材30、40、50は、各4本の個別の紐状部材31~34、41~44、51~54から構成されている。紐状部材31は、一端が結合端部31aを、他端が自由端部31bをなす。同様に、紐状部材34は、一端が結合端部34aを、他端が自由端部34bをなす。紐状部材31及び34は、素材である一本の紐状部材(以下「素材紐」ともいう)の略中央部、すなわち結合端部31aから結合端部34aまでの領域を連続的に毛布に接合させることで作製されている。なお自由端部31b及び34bは紐がほつれないように固定されている(図示は省略する)。紐状部材31及び34と同様に、他の紐状部材32及び33、41及び44、42及び43、51及び54、並びに52及び53も構成されている(これらの
図1での結合端部及び自由端部の符号表示は省略する)。
【0035】
図1の実施形態では上記のように、一本の素材紐の略中央部を連続的に毛布に接合させることで、一対の紐状部材を作製している。略中央部の接合を連続的にしているのは、略中央部にループが形成されることを避けるためである。略中央部を設けることは必須ではなく、各一本の素材紐から各一本の紐状部材を作製してもよい。
【0036】
図1の実施形態では、略中央部を挟むことにより、紐状部材31及び32と、紐状部材33及び34とは互いに離れた位置にあり、同様に、紐状部材51及び52と、紐状部材53及び54とは互いに離れた位置にある。従って、
図1の実施形態では、毛布の短尺方向に対して、上側の端部領域に紐状部材33、34、43、44、53及び54が、上側の端部領域以外の領域に他の6本の紐状部材が、それぞれ接合されているともいえる。
【0037】
本発明の乳幼児用寝具は、毛布、タオルケット又は大型マフラーである場合には、乳幼児の身体に掛けて、就寝用途又は防寒用途に使用することができる。紐状部材が接合されていない面(「表面」ともいう)が乳幼児の身体に接するように掛けても、紐状部材が接合された面(「裏面」ともいう)が乳幼児の身体に接するように掛けてもよい。保護者は、乳幼児が自発的に紐状部材を掴むかどうかを観察しつつ、表面又は裏面のどちらを乳幼児の身体に接するようにするか、あるいは、長尺方向又は短尺方向のどちらを乳幼児の身長方向に沿わせるか等を試行することで、個々の乳幼児にとって最も紐状部材を掴みやすい最適な使用の態様を選択することができる。
図2は、
図1に示した乳幼児用寝具の一実施形態を乳幼児に対して使用した状況を例示する説明図である。
【0038】
本発明の乳幼児用寝具は、シーツである場合には、ベッドマットを覆い、乳幼児の身体を載せて就寝用途に使用することができる。保護者は、乳幼児が自発的に紐状部材を掴むかどうかを観察しつつ、適切な範囲で身体を置く位置を調整するか、あるいは、紐状部材の可動域が伸びる方向を修正するか等を試行することで、最適な使用の態様を選択することができる。
【0039】
本発明の乳幼児用寝具は、枕又は枕カバーである場合には、乳幼児にとって適切なサイズの枕として、あるいは当該枕と共に、頭部にあてがって就寝用途に使用することができる。本発明の乳幼児用寝具である枕に枕カバーを掛ける際には、枕に接合された紐状部材が覆い隠されないような枕カバーを選択する必要がある。これらの場合も、保護者は、乳幼児が自発的に紐状部材を掴むかどうかを観察しつつ、適切な範囲で枕の位置を調整するか、あるいは、紐状部材の可動域が伸びる方向を修正するか等を試行することで、最適な使用の態様を選択することができる。
【0040】
本発明の乳幼児用寝具を使用する一実施形態として、乳幼児用寝具を着用させた乳幼児に胎児音を再生して聴かせてもよい。ここで「着用」とは、身体に掛けること、身体を載せること及び頭部にあてがうことを含む、寝具本体の用途に沿った施用をいう。また、ここで「胎児音」とは、胎児が母体内で聞いていた音を模して作製された音をいう。胎児は妊娠20週目頃から聴覚を得て、母体の心臓が脈を打っている音や血液が流れる音を聴いているといわれる。本発明の乳幼児用寝具に設けられた紐状部材が、これを掴んだ乳幼児に臍帯の外形を想起させ得る状況において、更に胎児音を再生して聴かせることで、母体内にいるかのような感覚を与え、より大きな安心感を与えることができる。これにより、乳幼児の情緒を安定させ、乳幼児の入眠を促進する効果を高めることができる。
【0041】
従って、本発明の乳幼児用寝具を製品として販売するに当たっては、包装上に又は同梱する添付書面において、寝具を着用させた乳幼児に胎児音を再生して聴かせてもよい旨の記載を含めることができる。
【0042】
以上から明らかなように、本発明はその一実施形態として、本発明の乳幼児用寝具と、デバイスにより再生可能な胎児音の音源とを含む、乳幼児の入眠を促進するためのシステムを提供するものでもある。胎児音の音源の形式は特に限定されず、CD等の媒体に記録された音源や、ダウンロードして入手できる音声ファイル等を含む。これら音源の性質に応じて、再生用デバイスを適宜選択することができる。
【0043】
本発明の乳幼児用寝具、その使用方法及びシステムによれば、保護者の育児の負担を軽減させることができ、少子高齢化が進む現代における重要な社会的課題の解決に資することとなる。
【0044】
[付記]
本明細書は、上述の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
【0045】
[1]寝具本体と複数の紐状部材とを備えてなり、各々の紐状部材は、複数本の紐が撚り合わされた撚紐であり、その一端において寝具本体との接合端部を、他端において自由端部を有し、接合端部から自由端部までの間は可動域を形成し、可動域における紐状部材の長さは8~50cmであり、太さは直径1.0~3.5cmである、乳幼児用寝具。
【0046】
[2]毛布、タオルケット、大型マフラー、シーツ、枕、又は枕カバーから選ばれるものである、[1]に記載の乳幼児用寝具。
【0047】
[3]各々の紐状部材は、左巻きに撚り合わされた撚紐である、[1]又は[2]に記載の乳幼児用寝具。
【0048】
[4]各々の紐状部材は、2本又は3本の紐が撚り合わされた撚紐である、[1]から[3]いずれか一項に記載の乳幼児用寝具。
【0049】
[5]複数の紐状部材の一部は、複数の紐状部材の他の一部から離れた位置に配されてなる、[1]から[4]いずれか一項に記載の乳幼児用寝具。
【0050】
[6][1]から[5]いずれか一項に記載の乳幼児用寝具を着用させた乳幼児に胎児音を再生して聴かせるステップを含む、乳幼児用寝具の使用方法。
【0051】
[7][1]から[5]いずれか一項に記載の乳幼児用寝具と、デバイスにより再生可能な胎児音の音源とを含む、乳幼児の入眠を促進するためのシステム。
【符号の説明】
【0052】
10 乳幼児用寝具
20 寝具本体
30 紐状部材(右側)
31 個別の紐状部材
31a 結合端部
31b 自由端部
32 個別の紐状部材
33 個別の紐状部材
34 個別の紐状部材
34a 結合端部
34b 自由端部
40 紐状部材(中央)
41 個別の紐状部材
42 個別の紐状部材
43 個別の紐状部材
44 個別の紐状部材
50 紐状部材(左側)
51 個別の紐状部材
52 個別の紐状部材
53 個別の紐状部材
54 個別の紐状部材
【要約】
【課題】
臍帯の外形を模した構成を備えることで、乳幼児に安心感を与えることができる寝具を提供する。
【解決手段】
寝具本体と複数の紐状部材とを備えてなり、各々の紐状部材は、複数本の紐が撚り合わされた撚紐であり、その一端において寝具本体との接合端部を、他端において自由端部を有し、接合端部から自由端部までの間は可動域を形成し、可動域における紐状部材の長さは8~50cmであり、太さは直径1.0~3.5cmである、乳幼児用寝具。
【選択図】
図1