(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】流体用バルブの固着特性を分析するための方法
(51)【国際特許分類】
G01M 13/003 20190101AFI20240805BHJP
【FI】
G01M13/003
(21)【出願番号】P 2024080408
(22)【出願日】2024-05-16
【審査請求日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】202310606350.1
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 晋
(72)【発明者】
【氏名】尹 文龍
(72)【発明者】
【氏名】高 紫通
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
(72)【発明者】
【氏名】李 瑩
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-162476(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112287498(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113567108(CN,A)
【文献】ZALOGIN Oleg et al.,CFD analysis of fuid flow inside spool valve at unsteady modes,2018 Global Fluid Power PhD Symposium(GFPS),2018年07月18日,DOI:10.1109/GFPS.2018.8472361
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 13/003
G06F 30/20
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、実体間のブーリアン演算により流体用バルブのフルードドメインを抽出するステップS1と、
流体用バルブの3次元幾何モデルとフルードドメインとをそれぞれ、メッシュ分割するステップS2と、
流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルを作成し、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの温度場と流体場を数値でシミュレーションして算出するステップS3と、
流体用バルブにおける熱及び物質を移動する際の基本的法則に従って、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの基本的制御方程式を作成するステップS31であって、
前記基本的法則には、流体用バルブ内において、各メッシュセル内における流体質量の増加が同一の時間間隔においてメッシュセルに流れ込む流体の正味質量と等しく、流体用バルブの質量保存則方程式を具体的に作成すると、
流体用バルブ内において各メッシュセルにおけるエネルギーの増加率がメッシュセルに流れ込む正味熱流量に、メッシュセルに対する物体力と表面力との仕事を加算したものと等しいということに従って、流体用バルブのエネルギー保存則方程式を具体的に作成すると、
流体用バルブにおいて、時間に対する各メッシュセルの運動量の変化率は当該メッシュセルに外部が作用する各種類の力の総計であり、圧縮可能流体の密度が時間の経過に伴い変化するということに従って、流体用バルブの圧縮可能流体Navier-Stokes方程式を具体的に作成すると、
流体用バルブにおいて、流体の圧縮可能性、高速流動及び渦巻き流動の特性に従って、流体用バルブのRNG k-ε乱流モデルを作成するステップS32であって、
前記RNG k-ε乱流モデルにおいて乱流動能k方程式とエネルギー消散率ε方程式を具体的に示すと、
流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルが固体液体界面に熱量と力との推移を発生することから、流体用バルブのフルードドメインと流体用バルブの固体ドメインは応力、移行及び熱流量と温度との保存を満たすことが必要であるステップS33であって、
前記保存が具体的に示されると、
流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルの境界条件を与えながら、モデルを初期化し、流体用バルブにおける固体ドメインの固体場、流体用バルブにおけるフルードドメインの流体場と温度場とについての状態と分布結果とを反復により算出するステップS34と、
ステップS3により得られた流体用バルブにおける温度場と流体場を数値でシミュレーションした結果に基づいて、異なるメッシュの数による温度場と流体場との結果を分析し、メッシュの数の差分が3倍以上になる場合には、分析した結果の誤差が5%以上であると、ステップS2とステップS3とに戻って実行する一方、分析した結果の誤差が5%未満であると、ステップS5を実行するステップS4と、
構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性から、それぞれ、流体用バルブの固着特性を分析すると共に流体用バルブの構成を最適化するステップS5と、を具体的に実施する、ことを特徴とする流体用バルブの固着特性を分析するための方法。
【請求項2】
前記境界条件は、流体用バルブにおける入出口の境界条件、流体用バルブにおける熱伝導係数及び流体用バルブにおける壁面条件を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の流体用バルブの固着特性を分析するための方法。
【請求項3】
ステップS5では、前記構成の変形を分析するステップは、具体的に、
流体用バルブが所在している高温と高圧での稼働状況に従って、ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から流体用バルブにおける固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷を抽出するステップS511と、
流体用バルブにおける固体場の温度負荷を流体用バルブにおける固体ドメインに対応する構成にかけ、固体液体界面における圧力負荷を流体用バルブにおける固体液体界面にかけると共に、流体用バルブについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析するステップS512と、
ステップS512により取得したものであって流体用バルブにおける構成の変形、運動対偶の隙間に変化するサイズ、及び、壁面における接触の応力から、変形の抵抗モーメントを取得するステップS513と、
ステップS513に基づいて、数が異なるメッシュについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、メッシュの数の差分が3倍以上になる場合に、分析した結果の誤差が5%未満であると、ステップS52を実行する一方、分析した結果の誤差が5%以上であると、ステップS511、ステップS512及びステップS513を再度実行するステップS514と、を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の流体用バルブの固着特性を分析するための方法。
【請求項4】
ステップS512では、前記構成の変形に、流体用バルブに力がかけられた変形と流体用バルブの熱変形が含まれており、
前記流体用バルブに力がかけられた変形が、
前記流体用バルブにおける熱変形が、
【請求項5】
ステップS5では、前記粒子の運動特性を分析するステップは、具体的に、
ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から、流体用バルブにおける流体場の入口パラメーターを抽出し、前記入口パラメーターには、流体用バルブにおける入口の平均速度と流体用バルブにおける入口の質量流量が含まれているステップS521と、
粒子含有量とステップS521により抽出した入口パラメーターとに従って粒子を注ぎ、オイラー=ラグランジュの参照系によるCFD-DPM両方向結合方法を用いて、流体場における粒子の運動特性を算出するステップS522と、
流体場における連続相の流動場の反復ステップに従って、各粒子の軌跡を算出し、連続相において、流体場の粒子相の軌跡を取得し、流体場の出口から流れ出した粒子の数と運動対偶の隙間に流れ込んだ粒子の数を統計し、運動対偶の隙間に侵入する粒子の速さを算出し、運動対偶の隙間に、異なる時間だけ、粒子の堆積量の変化グラフを算出するステップS523と、
堆積量が異なる粒子を流体用バルブにおける運動対偶の隙間に注ぎ、流体用バルブにおける粒子の固着トルクを取得するステップS524と、を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の流体用バルブの固着特性を分析するための方法。
【請求項6】
ステップS522では、粒子の力学的平衡に基づいて流体用バルブにおいて流体場における粒子の運動特性を算出し、前記粒子の力学的平衡方程式が、具体的に、
【請求項7】
ステップS5では、前記流動場の特性を分析するステップは、具体的に、
ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から、流体用バルブにおけるバルブコアの表面が流動場に受けられた流体の圧力を取得し、そして、流体用バルブにおける流動場トルクを取得するステップS531と、
ステップS531において、流体用バルブが異なる稼働状況と異なる開度とで受けられる流体場のトルクを抽出し、流動場の抵抗モーメントの変化グラフを取得するステップS532と、を実行する、ことを特徴とする請求項5に記載の流体用バルブの固着特性を分析するための方法。
【請求項8】
ステップS531では、前記流体用バルブにおける流動場のトルクが、具体的に、
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体圧力による流体用バルブの技術分野に関し、具体的に、流体用バルブの固着特性を分析するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業技術が段々発展していくにつれ、流体用バルブを適用することが十分に広がっている。流体用バルブは、主に、バルブコアを回転させたり水平移動させたりすることにより媒体の流動方向と流通の断面面積を制御し、液体圧力システムにおいて媒体パラメーターを調整し、媒体の流れ方向を制御し、又は、管路の開閉を制御するなどの役割を図る。バルブコアに受けられた抵抗力が大きすぎる場合には、バルブに開閉を行わせる反応時間が長くなり、バルブコアの運動が円滑にならず、ひいては、バルブコアを移動することができず、バルブが作動する能力を失うことになってしまう。当該現象は、流体用バルブの固着現象とも呼ばれる。液体圧力装置では、流体用バルブの固着によりなされる故障が、液体圧力システムにおける総故障に約20%だけ占める。固着してしまう確率は、比較的高い。また、バルブコアの固着現象は、実際のプロジェクトにおける適用をしている過程に、発生することが多い。流体用バルブは、複数回だけ動作を行うことがなければ、発見することができないため、早期に発見することが難しく、その危険性が高い。バルブコアの固着は、流体用バルブを使用する際に問題が非常であり、流体用バルブに固着特性を研究することが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流体用バルブの固着を招致してしまう原因には、主に、構成の変形、粒子の汚染、又は、流動場による作用がある。流体媒体は、流体用バルブの弁口を流れると粘性に温度が高まる。それと同時に、流体媒体に圧力が存在する。流体用バルブは、熱力が結合する役割により異なる程度で変形が構成に発生してしまう。それにより、流体用バルブの内部において、バルブコアと弁体が組み合わせる隙間が小さくなり、バルブコアに受けられる摩擦力が大きくなり、流体用バルブの固着が招致されやすくなる。流体用バルブには、使用の際に、成分が複雑であって粒径がばらばらである粒子が存在する。粒子は、バルブにおける運動対偶の隙間に集まると、バルブコアに受けられる抵抗力が大きくなり、流体用バルブに固着が招致されてしまう恐れがある。流体用バルブにおける媒体は、バルブコアにバランスが崩れた径方向のトルクである流動場のトルクが発生してしまい、この流動場のトルクによりバルブコアが偏心になり、バルブコアに運動抵抗力が大きくなり、ひいては、流体用バルブに固着が招致されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術に存在している問題に着目すると、本発明が提供する流体用バルブの固着特性を分析するための方法は、主に、流体用バルブの3次元幾何モデルを作成することにより、流体用バルブのフルードドメインを抽出し、3次元幾何モデルとフルードドメインとをそれぞれメッシュ分割すると共に、それぞれ質量保存則方程式、エネルギー保存則方程式、圧縮可能流体Navier-Stokes方程式及びRNG k-乱流モデルに基づいて、流体用バルブにおける温度場と流体場を数値でシミュレーションする。流体用バルブについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、CFD-DPM方法に基づいて粒子の運動特性を分析しながら粒子の堆積による粒子の抵抗モーメントを測定し、流動場による流動場の抵抗モーメントと流動場の状態を分析し、ひいては、構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性から、流体用バルブの固着特性をそれぞれ取得する。バルブの固着特性が製品に対する設計の要求を満たしているかどうかを判断することにより、故障の恐れが存在するバルブを調べ、バルブが稼働している際に固着や制御の失効などの故障を防ぎ、バルブが稼働している安全性を高め、最終的に、固着特性の結果を流体用バルブの構成を最適化にするようにフィードバックすることができる。
【0005】
本発明が提供する流体用バルブの固着特性を分析するための方法は、具体的に以下のステップを実行する。
ステップS1は、流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、実体間のブーリアン演算により流体用バルブのフルードドメインを抽出する。
ステップS2は、それぞれ、流体用バルブにおける3次元モデルとフルードドメインをメッシュ分割する。
ステップS3は、流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルを作成し、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの温度場と流体場とを数値でシミュレーションして算出する。
ステップS31は、流体用バルブにおける熱及び物質が移動する際の基本的法則に従って、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの基本的制御方程式を作成する。
ステップS32は、流体用バルブにおける流体の圧縮可能性、高速流動及び渦巻き流動などの特性に従って、流体用バルブのRNG k-ε乱流モデルを作成する。
ステップS33は、流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルが固体液体界面に熱量と力との推移を発生することから、応力、移行及び熱流量と温度との保存を満たすことが必要であり、前記保存が具体的に示されると、
ステップS34は、流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルの境界条件を与えながら、モデルを初期化し、流体用バルブにおける固体ドメインの固体場、流体用バルブにおけるフルードドメインの流体場と温度場との状態と分布結果を反復により算出する。
ステップS4は、ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果に基づいて、メッシュの数の差分が3倍以上になるメッシュについて温度場と流体場を分析し、分析した結果の誤差が5%以上であると、ステップS2とステップS3に戻って実行する一方、分析した結果の誤差が5%未満であると、ステップS5を実行する。
ステップS5は、それぞれ、構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性から、流体用バルブの固着特性を分析すると共に、流体用バルブの構成を最適化にする。
【0006】
好適には、ステップS31では、前記基本的法則に、単位時間にわたって流体用バルブにおいて、各メッシュセル内における流体質量の増加が、同一の時間間隔においてメッシュセルに流れ込む正味質量と等しく、流体用バルブの質量保存則方程式を具体的に、作成すると、
【0007】
流体用バルブ内においてメッシュセルにおけるエネルギーの増加率がメッシュセルに流れ込む正味熱流量に流体用バルブに対する物体力と表面力との仕事を加算したものと等しいということに従って、流体用バルブのエネルギー保存則方程式を具体的に示すと、
【0008】
流体用バルブにおいて、時間に対する各メッシュセルの運動量の変化率は、当該メッシュセルに外部が作用する各種類の力の総計であり、圧縮可能流体の密度が時間の経過に伴い変化するということに従って、流体用バルブ的圧縮可能流体Navier-Stokes方程式を具体的に示すと、
【0009】
好適には、ステップS32では、前記RNG k-ε乱流モデルにおいて、乱流動能k方程式とエネルギー消散率ε方程式を具体的に示すと、
【0010】
好適には、前記境界条件には、流体用バルブにおける入出口の境界条件、流体用バルブにおける熱伝導係数及び流体用バルブにおける壁面条件が含まれる。
【0011】
好適には、ステップS5では、前記構成の変形を分析するステップは、具体的に、
流体用バルブが所在している高温と高圧での稼働状況に従って、ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から、流体用バルブにおける固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷を抽出するステップS511と、
流体用バルブにおける固体場の温度負荷を流体用バルブにおける固体ドメインに対応する構成にかけ、固体液体界面における圧力負荷を流体用バルブにおける固体液体界面にかけると共に、流体用バルブについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析するステップS512と、
ステップS512から流体用バルブにおける構成の変形、運動対偶の隙間に変化するサイズ、及び、壁面における接触の応力を抽出して、変形の抵抗モーメントを取得するステップS513と、
ステップS513に基づいて、メッシュの数の差分が3倍以上になるメッシュについて、複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、分析した結果の誤差が5%未満であると、ステップS52を実行する一方、分析した結果の誤差が5%以上であると、ステップS511、ステップS512及びステップS513を再度実行するステップS514と、を実行する。
【0012】
好適には、ステップS512では、前記構成の変形に、流体用バルブに力が受けられた変形と流体用バルブの熱変形が含まれる。
【0013】
【0014】
【0015】
好適には、ステップS5では、前記粒子の運動特性を分析するステップは、具体的に、
ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から、流体用バルブにおける流体場の入口パラメーターを抽出し、前記入口パラメーターには、流体用バルブにおける入口の平均速度と流体用バルブにおける入口の質量流量が含まれているステップS521と、
粒子含有量とステップS521により抽出した入口パラメーターとに従って粒子を注ぎ、オイラー=ラグランジュ参考系によるCFD-DPM両方向結合方法を用いて流体場における粒子の運動特性を算出するステップS522と、
流体場における連続相の流動場の反復ステップに従って、各粒子の軌跡を算出し、連続相において、流体場の粒子相の軌跡を取得し、流体場の出口から流れ出した粒子の数と運動対偶の隙間に流れ込んだ粒子の数を統計し、運動対偶の隙間に侵入する粒子の速さを算出し、運動対偶の隙間に、異なる時間だけ、粒子の堆積量の変化グラフを算出するステップS523と、
堆積量が異なる粒子を流体用バルブにおける運動対偶の隙間に注ぎ、流体用バルブにおける粒子の固着トルクを取得するステップS524と、を実行する。
【0016】
好適には、ステップS522では、粒子の力学的平衡に基づいて流体用バルブにおいて流体場における粒子の運動特性を算出し、前記粒子の力学的平衡方程式が、具体的に、
【0017】
好適には、ステップS5では、前記流動場の特性を分析するステップは、具体的に、
ステップS3により取得したものであって数値によるシミュレーション結果から、流体用バルブにおけるバルブコアの表面が流動場に受けられた流体の圧力を取得し、そして、流体用バルブにおける流動場トルクを取得するステップS531と、
ステップS531において、流体用バルブが異なる稼働状況と異なる開度とで受けられる流体場のトルクを抽出し、流動場の抵抗モーメントの変化グラフを取得するステップS532と、を実行する。
【0018】
好適には、ステップS531では、前記流体用バルブにおける流動場のトルクが、具体的に、
【発明の効果】
【0019】
本発明は、従来の技術に比べると、以下の利点を備えている。
【0020】
1.本発明は、流体用バルブについて、温度分布と複数の場の結合する役割での構成の変形と、バルブ内粒子における流動特性及び招致された粒子の抵抗モーメント、並びに、流体用バルブにおける流動場の状態及び流動場の抵抗モーメントを正確に取得することができるため、流体用バルブにおける固着特性を判断し構成を設計する合理性を評価し、流体用バルブの固着特性が製品についての設計要求を満たすかどうかを判断することにより、故障の恐れが存在する流体用バルブを調べ、流体用バルブが稼働している際に固着や制御の失効などの故障が発生してしまうのを防ぎ、流体用バルブが稼働する安全性を高め、ひいては、航空エンジンの管路システム及び他の流体システムに安全性を高めることができる。
【0021】
2.本発明は、流体用バルブの固着特性を分析する方法により得られる数値によるシミュレーション及び試験による結果に基づいて、バルブについて複数回だけ改良を行い、構成を最適化にすることにより、固着の特性が優れると共に構成を合理的に設計する良いバルブのために必要なバルブを設計するパラメーターを直接に取得することができる。故に、本発明によるものは、数値による大量のシミュレーション、算出及び試験を行ってから確立するものであって、精度が高く、算出用コストが低く、研究と開発の周期が短いと共に、プロジェクトの実際状況に応じる分析方法である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法のフローチャートである。
【
図2】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、流体用バルブの流固結合メッシュを分割した結果の図である。
【
図3】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、流体用バルブにおける運動対偶の隙間を局所的に拡大した図である。
【
図4】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、流体用バルブにおける運動対偶の隙間の位置が変化する図である。
【
図5】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、異なる温度で流体用バルブにおける入口の質量流量が変化するグラフである。
【
図6】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、流体用バルブフルードドメインにおける粒子の軌跡の図である。
【
図7】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、粒子が流体用バルブにおける運動対偶の隙間に集まる速さが変化するグラフである。
【
図8】本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法において、流体用バルブは異なる開度で流動場のトルクが変化するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る技術の内容、達成しようとする目的及び効果を詳しく説明するためには、以下に、明細書と共に図面を参照しながら詳しく以下の通りに説明する。
【0024】
流体用バルブの固着特性を分析するための方法は、
図1に示すように、具体的に、以下のステップを実行する。
ステップS1は、流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、実体間のブーリアン演算により流体用バルブのフルードドメインモデルを抽出する。
ステップS2は、数値によるシミュレーションと算出を便宜にするために、流体用バルブと流体用バルブの内部とにおけるフルードドメインからなる流固結合モデルをメッシュ分割し、流体用バルブにおける大事な構成位置をメッシュで暗号化し、流体用バルブにおける固体ドメインメッシュ1と流体用バルブにおけるフルードドメインメッシュ2を取得する。
ステップS3は、流体用バルブにおける熱流体結合カップリング算出モデルを作成し、流体用バルブと流体用バルブの内部とにおけるフルードドメインの温度場と流体場を数値でシミュレーションして算出する。
ステップS4は、ステップS3により、流体用バルブにおける温度場と流体場とを数値でシミュレーションした結果を取得し、数量が異なるメッシュについて温度場と流体場との結果を分析し、例えば、入口の平均速度、固体液体界面の平均温度、最高圧力値及び運動対偶における隙間3の漏れ量を分析し、メッシュの数の差分が3倍以上になる場合に、分析した結果の誤差が5%以上であると、ステップS2とステップS3を実行する一方、分析した結果の誤差が5%未満であると、結果が確実であると判断してステップS5を継続的に実行する。
ステップS5は、流体用バルブに複数の場の結合する役割での構成が変形することから、変形量が流体用バルブにおける最小の組み合わせ隙間よりも大きい場合に、変形の抵抗モーメントが流体用バルブに発生する。流体用バルブにおける隙間に粒子が堆積する場合には、粒子の抵抗モーメントが発生する。流動場は、流体用バルブに流動場の抵抗モーメントを発生する。変形における抵抗モーメント、粒子における抵抗モーメントと流動場の抵抗モーメントは、存在すると、流体用バルブに固着という現象が発生することになる。流体用バルブにおける駆動トルクが変形の抵抗モーメント、粒子の抵抗モーメント及び流動場の抵抗モーメントを加算した総和よりも小さい場合には、流体用バルブにおいて制御に失効という故障が発生してしまう。故に、それぞれ、構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性に基づいて流体用バルブの固着特性を分析すると共に、流体用バルブの構成を最適化にする。
【0025】
さらに、ステップS3において、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの温度場と流体場を数値でシミュレーションして算出するステップは、具体的に、流体用バルブ内における流体場と温度場との状態と分布を正確にシミュレーションして算出するために、流体用バルブにおける熱及び物質の移動する際に従う基本的法則に従って、流体用バルブ及びそのフルードドメインについての基本的制御方程式を作成するステップS31を含む。
【0026】
いかなる流動問題も、質量保存法則を満たさなければならない。それは、単位時間にわたって流体用バルブにおいて、各メッシュセルにおける流体質量の増加が、同一の時間間隔にメッシュセルに流れ込む流体のマイクロエレメントの正味質量と等しいとして記載してもよい。質量保存則方程式を作成すると、
【0027】
熱交換を含んだ流動システムと固体熱伝導システムはエネルギー保存法則を満たさなければならない。それは、流体用バルブにおいてメッシュセルにおけるエネルギーの増加率が流体用バルブに入るメッシュセルの正味の熱流量にマイクロエレメントに対する物体力と表面力の仕事を加算したものとして記載してもよい。エネルギー保存則方程式を示すと、
【0028】
流体用バルブにおける流体が運動量保存法則を満たす。つまり、流体用バルブにおいて、時間に対する各メッシュセルにおける運動量の変化率は、当該手段のメッシュに外部が作用する各種類の力の総和と等しい。圧縮可能流体は、密度が時間の経過に伴い変化する。
【0029】
流体用バルブにおける圧縮可能流体Navier-Stokes方程式を作成すると、
【0030】
ステップS32は、流体用バルブにおける流体の圧縮可能性、高速流動及び渦巻き流動に基づいて、流体用バルブにおけるRNG k-ε乱流モデルを作成し、基本的制御方程式が閉鎖するようにし、流体用バルブについて流体場を数値でシミュレーションするように実現し、RNG k-ε乱流モデルにおける乱流動能k方程式とエネルギー消散率ε方程式を具体的に示すと、
【0031】
ステップS33は、熱流固の結合をシミュレーションして算出する際に、流体用バルブにおける固体液体界面に熱量と力との推移が発生し、それが応力、移行及び熱流量と温度との保存を満たさなければならない。保存則方程式を示すと、
【0032】
ステップS34は、熱流固の結合を数値でシミュレーションして算出する。上記の制御方程に基づいて、入出口の境界条件、材料の熱伝導係数及び壁面条件を含む流固モデル境界条件を与える。モデルを初期化にするように設置する。熱流固の結合を数値でシミュレーションする際には、流体用バルブにおけるフルードドメインの流体場と温度場の結果が初期値を反復して算出したものであり、反復の結果が目標としての誤差になる場合に、数値を算出することが終わる。流体用バルブにおける固体ドメインの固体場、流体用バルブにおけるフルードドメインの流体場、温度場状態及び分布結果、並びに、流体用バルブにおける流体場の状態と分布結果を抽出により取得し、例えば、温度の雲図、流動場の速度雲図、流動場の圧力雲図及び入出口の質量流量を抽出により取得する。
【0033】
さらに、ステップS5では、流体用バルブの固着特性を分析する具体的なプロセスが以下のステップを含む。
【0034】
ステップS51は、構成の変形を分析する。
ステップS511は、高温と高圧で流体用バルブを使用して稼働させる状況を参照すると、流体用バルブにおける構成の変形が固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷により影響される。ステップS3により取得した熱流固結合をシミュレーションして算出する結果に基づいて、流体用バルブにおける固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷を抽出する。
【0035】
ステップS512は、構成の変形を分析するために用いられる流体用バルブにおける固体ドメインについて移行と固定との約束を行い、流体用バルブにおける固体場の温度負荷を流体用バルブにおける対応する部品の構成にかけ、固体液体界面における圧力負荷を固体液体界面にかけ、流体用バルブについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、この変形には、流体用バルブに力が受けられた変形と熱変形が含まれる。
【0036】
流体用バルブに力が受けられる変形は、以下の式が満たされる。
【0037】
【0038】
ステップS513は、流体用バルブにおける構成の変形、運動対偶隙間3の変化するサイズ及び壁面の接触応力を抽出する。構成の変形により運動対偶隙間3がゼロになる場合には、運動対偶の壁面に接触により応力が発生すると、運動対偶における摩擦による抵抗モーメントが増えると共に、変形の抵抗モーメントが比較的大きくなり、流体用バルブの固着現象が招致される。
【0039】
ステップS514は、数量が異なるメッシュについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析する。メッシュの数の差分が3倍以上になる場合に、結果に誤差が5%未満であると、結果が確実であると判断し、ステップS52を実行する一方、結果に誤差が5%以上であると、メッシュを再度分割してステップS511、ステップS512とステップS513を繰り返す。
【0040】
ステップS52は、粒子の運動特性を分析する。
ステップS521は、粒子注ぎ条件を明確にするために、流体用バルブにおける入口の平均速度と流体用バルブにおける入口の質量流量を含む流体用バルブにおける流体場の入口のパラメーターを抽出する。
【0041】
ステップS522は、粒子の含有量と入口のパラメーターに基づいて、粒子を注ぐ。オイラー=ラグランジュ参考系によるCFD-DPM両方向結合方法を用いて流体場における粒子の運動特性を算出する。CFD-DPM両方向結合は、質量保存則方程式、エネルギー保存則方程式、圧縮可能流体Navier-Stokes方程式及びRNG k-ε乱流モデルに基づいて、流体用バルブにおける流体場を数値で算出したものである。
【0042】
CFD-DPM両方向結合モデルは、粒子における力学的平衡に基づいて、離散相の粒子の軌跡を予測する。CFD-DPM方法は、希有相の粒子の流れが運動する軌跡を正確かつ効果で予測することができる。粒子における力学的平衡方程式は、以下の通りに記載する。
【0043】
具体的に、CFD-DPM結合は、オイラー=ラグランジュ参考系によるモデルであり、離散的シミュレーションに典型的な代表であり、粒子相の体積の分数が10%よりも小さいと共に、粒子の体積を考慮せず、粒子と粒子との間における互いに作用する力を考慮していないものにしか適用されない。流動場と粒子間における互いの影響を考慮すると、両方向結合方法であればよい。
【0044】
ステップS523は、若干の連続相の流動場の反復ステップをおいて、各粒子について一つのステップ又は複数のステップを含む一回だけ軌跡を算出し、粒子が複数の回で徐々に軌跡に沿って進むようにし、粒子が連続相から流れ出すと、順に各ステップにより算出して更新した粒子の状態を取得し、ひいては連続相における粒子相の軌跡を取得する。取得した粒子の運動軌跡に基づいて、出口より流れ出す粒子の数量と運動対偶隙間3に流れ込む粒子の数量を統計し、運動対偶隙間3に侵入する粒子の侵入速さを算出し、異なる時間において運動対偶隙間3に粒子が堆積する堆積量の変化するグラフを算出する。
【0045】
ステップS524は、堆積量が異なる粒子を流体用バルブにおける運動対偶隙間3に注ぎ、流体用バルブにおける粒子にお固着トルクを取得する。
【0046】
ステップS53は、流動場の特性を分析する。
ステップS531は、ステップS3において熱流固の結合を算出した結果に基づいて、流体用バルブにおけるバルブコアの表面が流動場に受けられる流体の圧力を取得することができる。流体圧力は、バルブコアの面積に作用すると回転軸に流動場トルクを発生させる。各微小な面積によるトルク積分に基づいて、流体用バルブにおける流動場のトルクを算出することができる。流体用バルブにおけるバルブコアに受けられる流動場トルクが以下の式に従う。
【0047】
ステップS532は、流体用バルブは、異なる稼働状況と異なる開度とで、流体用バルブに受けられる流体場トルクを抽出し、流動場における抵抗モーメントの変化するグラフを取得する。
【0048】
ステップS51~ステップS53における変形の抵抗モーメント、粒子の抵抗モーメント及び流動場の抵抗モーメントに基づいて、流体用バルブの固着特性を評価する。ステップS51~ステップS53による構成の変形特性、粒子の運動特性及び流動場の特性に基づいて、流体用バルブの構成を最適化にする。
【0049】
本発明は、構成の変形、粒子の運動特性及び流動場の特性に基づいて、流体用バルブにおける固着特性を評価し、結果に基づいて、バルブにおける固着を防ぐ構成を最適化にしてフィードバックを行う。
【0050】
以下、実施例を説明しながら、本発明に係る流体用バルブの固着特性を分析するための方法を詳しく説明する。本実施例では、流体用バルブの固着特性を分析するための方法が以下のように実現される。
【0051】
ステップS1は、流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、実体間のブーリアン演算により、流体用バルブにおけるフルードドメインモデルを抽出し、具体的な操作の過程が以下の通りである。
【0052】
流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、実体間のブーリアン演算によりフルードドメインを抽出し、つまり、大空間から固体ドメインを引き、残りがフルードドメインになる。
【0053】
フルードドメインについては、流体対象の境界枠をシミュレーションの境界として定め、あらゆる流体対象がフルードドメインの内部に位置しなければならず、いかなる微小な液滴もフルードドメイン境界の外に移動することができず、フルードドメインが無形の力場からなる3次元空間に覆われる。
【0054】
ステップS2は、数値によるシミュレーション算出を便宜にするために、流体用バルブとそのフルードドメインからなる流固結合モデルをメッシュ分割すると共に、流体用バルブにおける大事な構成の位置をメッシュで暗号化し、それぞれ、流体用バルブにおける固体ドメインメッシュ1と流体用バルブにおけるフルードドメインメッシュ2を取得する。メッシュ分割した結果は、
図2に示される。
【0055】
ステップS3は、流体用バルブにおける熱流体結合カップリング算出モデルを作成し、流体用バルブとそのフルードドメインにおける温度場と流体場を数値でシミュレーションして算出する。
【0056】
ステップS31は、流体用バルブにおける流体場と温度場との状態と分布を正確にシミュレーションして算出するために、流体用バルブにおける熱及び物質の移動している際に従う基本的法則に基づいて、流体用バルブとそのフルードドメインにおける基本的制御方程式を作成する。
【0057】
ステップS32は、流体用バルブにおける流体の圧縮可能性、高速流動及び渦巻き流動などの特性に基づいて、流体用バルブのRNG k-ε乱流モデルを作成し、RNG k-εモデルは、Standard k-εモデルに基づいて、対応的に改良したものであり、高速流動の正確性と渦巻き流動の精度とを高め、低いレイノルズ数による影響を考慮したため、一層広い流動において正確と確実を図ることから、流体用バルブの流体場を数値でシミュレーションすることが実現される。
【0058】
ステップS33は、熱流固の結合をシミュレーションして算出する際に、流体用バルブにおける固体液体界面に熱量と力の推移が発生するため、応力、移行及び熱流量と温度との保存を満たすことが必要である。保存則方程式を示すと、
【0059】
ステップS34は、熱流固の結合を数値でシミュレーションして算出する。上記の制御方程式に基づいて、入出口の境界条件、材料熱伝導係数及び壁面条件を含む流固モデルの境界条件を与え、モデルを初期化にするように設置する。熱流固の結合を数値でシミュレーションする際には、フルードドメインにおける流体場と温度場との結果が初期値に基づいて反復して算出したものであり、反復した結果が目標としての誤差になる場合に、数値を算出することが終わる。流体用バルブにおける固体ドメインの固体場、フルードドメインにおいて流体場と温度場とにおける状態と分布との結果、及び、流体用バルブにおける流体場の状態と分布結果を抽出し、例えば、温度の雲図、流動場の速度雲図、流動場の圧力雲図、入出口の質量流量などを抽出する。
【0060】
ステップS4は、ステップS3により取得したものであって流体用バルブにおける温度場と流体場とを数値でシミュレーションした結果に、流動場圧力、流動場速度、流動場温度及び固体場温度が含まれる。また、メッシュの数量が異なる温度場と流体場との結果を分析し、例えば、入口の平均速度、固体液体界面の平均温度、最高圧力値、運動対偶隙間の漏れ量などを分析する。メッシュの数量の差分が3倍以上になる場合には、分析した結果に誤差が5%未満であると、結果が確実であると判断し、ステップS5を実行する。さもなければ、ステップS2とステップS3を再度実行し、分析した結果に誤差が5%未満であるまで、ステップS5を継続的に実行する。
【0061】
ステップS5は、構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性から、流体用バルブの固着特性をそれぞれ分析すると共に、流体用バルブにおける構成を最適化にする。
【0062】
ステップS51は、構成の変形を分析する。流体用バルブにおける固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷を抽出し、約束した固体ドメインメッシュにかけ、流体用バルブにおける複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、最終的に、流体用バルブにおける構成の変形、運動対偶隙間3のサイズ、及び、壁面の接触応力をそれぞれ、抽出する。
図3は、示すように、運動対偶隙間を局所的に拡大した図である。
【0063】
ステップS511は、流体用バルブを高温と高圧で使用して稼働させる状況を参照する。流体用バルブにおける構成の変形は、固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷により影響が招致される。ステップS3により取得した熱流固の結合をシミュレーションして算出した結果に基づいて、流体用バルブにおける固体場の温度負荷と固体液体界面における圧力負荷を抽出し、それらを構成の変形を分析するためにかけられる条件として用いて、同時に、単一の固体メッシュにおける構成又は非構成についてメッシュを分割する。
【0064】
ステップS512は、構成の変形を分析することに用いられる流体用バルブにおける固体ドメインについて移行と固定との約束を行い、流体用バルブにおける固体場の温度負荷を流体用バルブにおける対応する部品の構成にかけ、固体液体界面の圧力負荷を流体用バルブにおける固体液体界面にかけ、流体用バルブについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析し、この変形には、流体用バルブに力が受けられた変形と熱変形が含まれる。
【0065】
ステップS513は、流体用バルブにおける構成の変形、運動対偶隙間3の変化するサイズ及び壁面の接触応力を抽出する。流体用バルブにおける運動対偶隙間3の変化するサイズは、
図4に示すように、構成の変形により運動対偶隙間がゼロになる場合に、運動対偶の壁面に接触より応力が発生すると、運動対偶に摩擦による抵抗モーメントが増えると共に、変形の抵抗モーメントが比較的大きくなり、流体用バルブに固着現象が招致される。
【0066】
ステップS514は、数量が異なるメッシュについて複数の場の結合する役割での構成の変形を分析する。メッシュの数量の差分が3倍以上になる場合には、結果に誤差が5%未満であると、結果が確実であると判断してステップS52を実行する一方、メッシュを再度分割してステップS511、ステップS512及びステップS513を実行する。
【0067】
ステップS52は、粒子の運動特性を分析する。流動場における入口のパラメーターを抽出する。粒子の含有量と入口のパラメーターとに基づいて、粒子を注ぎ、CFD-DPM方法を用いて流動場における粒子の運動特性を算出する。異なる稼働状況において運動対偶隙間3に侵入する粒子の侵入速さを抽出し、運動対偶隙間3における粒子が異なる時間に堆積する堆積量を算出し、異なる堆積量の粒子を流体用バルブにおける運動対偶隙間3に注ぎ、流体用バルブにおける粒子の固着トルクを測定により取得する。
【0068】
ステップS521は、粒子を注ぐ条件を明確にするために、流体用バルブにおける入口の平均速度と入口の質量流量を含む流体用バルブにおける流体場の入口パラメーターを抽出する。
【0069】
ステップS522は、粒子含有量と入口のパラメーターに基づいて、粒子を注ぐ。オイラー=ラグランジュ参考系によるCFD-DPM両方向結合方法を用いて流体用バルブにおいて流体場における粒子の運動特性を算出する。CFD-DPM両方向結合は、質量保存則方程式、エネルギー保存則方程式、圧縮可能流体Navier-Stokes方程式及びRNG k-ε乱流モデルに基づいて、流体用バルブにおける流体場を数値で算出するものである。
【0070】
CFD-DPM両方向結合モデルは、粒子における力学的平衡により、離散相の粒子の軌跡を予測する。CFD-DPM方法は、希有相の粒子の流れが運動する軌跡を正確かつ効果で予測することができる。
【0071】
ステップS523は、若干の連続相の流動場の反復ステップをおいて、各粒子について一つのステップ又は複数のステップを含む一回だけ軌跡を算出し、粒子が複数の回で徐々に軌跡に沿って進むようにし、粒子が連続相から流れ出すと、順に各ステップにより算出して更新した粒子の状態を取得し、ひいては、連続相における粒子相の軌跡を取得する。
【0072】
流体用バルブの流動場を数値で算出して入口の平均速度、入口の流動場の質量流量を取得した結果を抽出する。異なる温度で流体用バルブの入口の質量流量を示すグラフは、
図5に示し、国家基準と流動場における入口のパラメーターに基づいて、粒子の素質、粒子の入口速度、粒子注ぎ量など、希有相の粒子の流れを実現する配合比率を含む粒子注ぎパラメーターを与える。
【0073】
流体用バルブにおける流体場に粒子を混入すると、粒子が流体用バルブの組み合わせ隙間に堆積する。それにより、流体用バルブに固着が招致される。CFD-DPM両方向結合方法により流体用バルブにおいて、流体場にける粒子の運動特性を算出する。
【0074】
流体用バルブにおける流体場の粒子軌跡4を抽出する。流体場における粒子の軌跡4は、
図6に示し運動対偶隙間3に入る粒子の数量を統計する。粒子を注ぐ数量と注ぎ速さに基づいて、運動対偶隙間3に侵入する粒子の侵入速さを算出する。流体用バルブは、異なる温度で運動対偶隙間3に堆積する粒子の堆積速さを示すグラフは、
図7に示される。
【0075】
ステップS524は、運動対偶隙間3に侵入する粒子の侵入速さに基づいて、運動対偶隙間3における異なる時間での粒子の堆積量を算出する。堆積量が異なる粒子を流体用バルブにおける運動対偶隙間3に注ぎ、流体用バルブにおける粒子の固着トルクを試験プラットフォームにより測定する。
【0076】
ステップS53は、流動場の特性を分析する。流体用バルブにおける熱流固の結合数値をシミュレーションした結果に基づいて、異なる稼働状況における流体用バルブの流動場トルクと流動場状態とを抽出する。
【0077】
ステップS531は、ステップS3における熱流固の結合する算出の結果に基づいて、流体用バルブにおいて、バルブコアの表面が流動場に受けられる流体の圧力を取得する。
【0078】
ステップS532は、
図8に示すように、流体用バルブは、異なる稼働状況と異なる開度で、流体用バルブに受けられる流体場のトルクを抽出し、流動場の抵抗モーメントが変化するグラフを抽出する。
【0079】
ステップS51~S53による変形の抵抗モーメント、粒子の抵抗モーメント及び流動場の抵抗モーメントに基づいて流体用バルブの固着特性を評価し、ステップS51~S53により取得した構成の変形特性、粒子の運動特性及び流動場の特性を纏めて流体用バルブの構成を最適化にする。
【0080】
流体用バルブについては、複数の場の結合する役割での構成の変形の数値を算出し、流体用バルブにおける構成の変形規律、運動対偶隙間3のサイズ、及び、壁面の接触応力を取得する。構成の変形が比較的大きい位置には、変形の固着が現れやすい。運動対偶隙間3のサイズが構成の変形後にゼロと等しい場合には、流体用バルブに構成の変形固着が現れる。接触を防ぐ応力がゼロよりも大きい場合には、流体用バルブに構成の変形固着が現れる。上記の要因を纏めて流体用バルブにおける構成の変形固着を分析する。
【0081】
CFD-DPM方法により、流体用バルブにおいて流体場における粒子の運動特性と集まり規律を算出する。試験により測量を行うことにより粒子の堆積による粒子の固着トルクを取得し、粒子の固着トルクが比較的大きい場合に、流体用バルブに粒子の固着現象が現れやすい。
【0082】
流動場を数値でシミュレーションして、流体用バルブにバランスが崩れたことによる流動場のトルクと流動場の状態を算出する。流動場のトルクは、バルブの開きに支障が招致され、流体用バルブにおいてバルブコアが偏心になり運動の抵抗力が大きすぎることになり、流動場の抵抗モーメントが大きすぎる場合に、流体用バルブに流動場の固着現象が現れやすい。
【0083】
上記結果による構成の変形、粒子の運動と流動場の状態に基づいて流体用バルブについて固着特性を総合的に分析しながら、既知の結果とデータに基づいて流体用バルブにおける固着を防ぐ構成を最適化にする。
【0084】
流体用バルブに固着を防ぐ構成を設計しようとする場合には、上記の流動場を継続的に繰り返し、比較的短い設計の周期で流体用バルブに固着を防ぐ構成を設計すると、航空エンジンの気体経路システム及び他の流体管路システムに安全性と安定性を高め、使用期間を伸ばすことができる。それと同時に本発明に係るステップは、実際のニーズに応じて順番について調整、合弁、削除又は削減しても構わない。
【0085】
以上に記載された実施例は、本発明の実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものでない。本発明を設計する趣旨を逸脱しない限り、当業者が本発明の技術手段についてした様々な変形や改良は、いずれも、本発明の請求の範囲により限定される保護範囲に入るべきである。
【符号の説明】
【0086】
1 流体用バルブにおける固体ドメインのメッシュ
2 流体用バルブにおけるフルードドメインのメッシュ
3 運動対偶における隙間
4 粒子の軌跡
【要約】
本発明は、流体用バルブの固着特性を分析するための方法を開示しており、液体圧力による流体用バルブの技術分野に関し、具体的なステップが以下の通りである。ステップS1は、流体用バルブの3次元幾何モデルを作成し、流体用バルブのフルードドメインを抽出する。ステップS2は、流体用バルブの3次元モデルとフルードドメインとをそれぞれメッシュ分割する。ステップS3は、流体用バルブの熱流体結合カップリング算出モデルを作成し、流体用バルブと流体用バルブ内とにおけるフルードドメインの温度場と流体場を数値でシミュレーションして算出する。ステップS4は、メッシュの数の差分が3倍以上になるメッシュについて温度場と流体場を分析する。ステップS5は、それぞれ、構成の変形、粒子の運動特性及び流体場の特性から、流体用バルブの固着特性を分析すると共に、流体用バルブの構成を最適化にする。本発明は、故障の恐れが存在する流体用バルブを早期に発見し、流体用バルブが稼働している際に固着や制御の失効などの故障が発生してしまうことを避け、流体用バルブに稼働の安全性を高めることができる。
【選択図】
図1