(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】熱拡散抑制構造を有する電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240805BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240805BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240805BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240805BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240805BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240805BHJP
A62C 3/16 20060101ALI20240805BHJP
H01M 50/211 20210101ALN20240805BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M10/6567
H01M50/289
H01M10/613
H01M50/291
H01M50/293
H01M10/625
H01M10/647
H01M50/262 S
H01M50/262 P
A62C3/16 C
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2022565908
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 KR2021016708
(87)【国際公開番号】W WO2022108291
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0157822
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ブム・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・キ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ギュ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】キュン・ウ・キム
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-536214(JP,A)
【文献】特表2014-517986(JP,A)
【文献】特開2015-207553(JP,A)
【文献】特開2011-254906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204
H01M 50/211
H01M 50/262
H01M 50/289ー50/293
H01M 10/6567
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/647
A62C 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セルスタックと、
前記電池セルスタックの全長方向の両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジングと、
前記電池セルまたは前記電池モジュールハウジングに冷却水を供給するため
に内部に冷却水を貯留するウォータータンクと、
複数の前記電池モジュールハウジングを収容する電池パックケースと、
を含み、
前記電池パックケースは、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビームを含
み、
前記ウォータータンクは、前記パックケース空間部及び前記クロスビームの少なくとも一方に設けられており、
前記第1面と対面する前記パックケース空間部の一側面、及び前記第2面と対面する前記クロスビームの一側面の少なくとも一方に貫通口が形成され、前記貫通口に密封部材が付加されており、
前記電池セルが正常状態にあるときは前記密封部材が前記貫通口を密封することによって前記ウォータータンクが密閉された状態が維持されるが、前記電池セルの温度が前記密封部材の溶融温度より増加すると前記密封部材の溶融によって前記貫通口が開放し、前記貫通口を通して、前記ウォータータンクの内部に貯留された冷却水が噴射される、電池パック。
【請求項2】
前記電池セルスタックは、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に平行な状態になるように積層されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池セルスタックは、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に垂直な状態になるように積層されている、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記ウォータータンクは、第1ウォータータンク及び第2ウォータータンクを含み、
前記パックケース空間部は前記第1ウォータータンクを含み、前記クロスビームは前記第2ウォータータンクを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記貫通口は、前記第1面と対面する前記パックケース空間部の一側面、及び前記第2面と対面する前記クロスビームの一側面
に形成さ
れている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記密封部材は、前記電池セルから放出される高温ガスまたはスパークによって溶融する素材からなる、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記貫通口は、複数の孔が均一に分散している形態を有するように形成されている、請求項5~
6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第1面及び前記第2面は少なくとも一部または全部が開放している形態を有する、請求項2または3に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池セルスタックと前記パックケース空間部との間、または前記電池セルスタックと前記クロスビームとの間に離隔空間が形成されている、請求項
8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記第1面及び前記第2面に金属バンドが付加されている、請求項8または
9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池モジュールハウジングの前記第1面及び前記第2面のそれぞれにはエンドカバーが付加されており、前記エンドカバーには開口が形成されている、請求項
8~
10のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項12】
前記第1面及び前記第2面にはエンドカバーが付加されており、前記電池モジュールハウジングは前記エンドカバーによって密閉した形態を有する、請求項2または3に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年11月23日付の韓国特許出願第2020-0157822号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は熱拡散抑制構造を有する電池パックに関するものである。具体的には、電池パックの内部にある電池セルで発火した火炎が拡散することを防止するために、発火した電池セルまたは前記発火した電池セルを含む電池モジュールハウジングに冷却水を注入することができるように熱拡散抑制構造を有する電池パックに関するものである。
【背景技術】
【0003】
リチウム二次電池に対する持続的な研究開発の結果、容量が増加し出力が向上したリチウム二次電池の製造及び商用化が可能になっている。また、環境汚染の問題がある化石燃料を代替することができるエネルギー源としてリチウム二次電池に対する需要が増加している。
【0004】
したがって、多様なデバイスに対するリチウム二次電池の適用が増加している。例えば、多機能小型製品であるワイヤレスモバイル機器(wireless mobile device)または身体に着用するウェアラブル機器(wearable device)のエネルギー源として広範囲に使われているだけでなく、既存のガソリン車両及びディーゼル車両に対する代案として提示される電気自動車やハイブリッド電気自動車などのエネルギー源または電力貯蔵装置(ESS)としても使われている。
【0005】
このように、リチウム二次電池が大容量及び高出力のエネルギー源として使われるのに伴って前記リチウム二次電池の安全性を確保する問題が重要な関心対象になっている。
【0006】
一般に、電力貯蔵装置は、内部に収容された電池セルで火災が発生する場合、別の注水装置を用いて電池モジュールや電池パックの内部に水を注入する方法を使っている。
【0007】
しかし、このような場合、前記注水装置を備えるための施設及び空間が必要であり、電池セルのベンティング(venting)によって排出されたガスのセンシング時点から注水までの時間差によって発火が拡散する問題がある。
【0008】
もしくは、電池モジュールまたは電池パックの内部または外部に断熱材や消火薬剤などを配置することで、電池セルの間に熱が伝達されることを遮断するか発火した電池セルを冷却する方法を使うことができる。
【0009】
しかし、断熱材を使う場合、火炎が伝播することは防ぐことができるが、消火機能を発揮することができない問題がある。消火薬剤を使う場合には、エネルギー密度を考慮して電池パックの内部空間に消火薬剤を配置した結果、消火薬剤を火災発生地点に正確に撒くことができない問題がある。
【0010】
特許文献1は、外ケース内に中ケース及び内ケースが収容され、複数の単電池が前記中ケースに収容され、消火剤は前記内ケースに収容され、前記単電池が上限温度以上に発熱すれば前記中ケース内に前記消火剤を投入するための注入管を含む。前記単電池が上限温度以上に発熱すれば、前記注入管が開放して、前記内ケースに収容された消火剤が中ケース内に注入される。
【0011】
特許文献1は消火剤を噴射するための圧縮ガス、注入管として使用するノズル、及び消火剤を内蔵する内ケースを含んでいるが、これらを備えるための追加の空間が必要であり、消火剤及び圧縮ガスを備えるための費用もさらに発生することになる。
【0012】
このように、電池パックの内部に収容された電池セルが発火する場合、火炎が拡散することを最小化するとともに、追加の空間を必要としなく、エネルギー密度が低下することを防止することができる技術に対する必要性が高い実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、電池セルの発火及び爆発の際、当該電池セルの発火を鎮火させ、さらに隣接した電池セルに火炎が伝達されることを防止することができる消火機能及び熱拡散抑制構造を有する電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するために、本発明による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セルスタックと、前記電池セルスタックの全長方向の両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジングと、前記電池セルまたは前記電池モジュールハウジングに冷却水を供給するためのウォータータンクと、複数の前記電池モジュールハウジングを収容する電池パックケースとを含み、前記電池パックケースは、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)を含むことができる。
【0016】
本発明による電池パックにおいて、前記電池セルスタックは、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に平行な状態になるように積層されることができる。
【0017】
本発明による電池パックにおいて、前記電池セルスタックは、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に垂直な状態になるように積層されることができる。
【0018】
本発明による電池パックにおいて、前記ウォータータンクは、第1ウォータータンク及び第2ウォータータンクを含み、前記パックケース空間部は第1ウォータータンクを含み、前記クロスビームは第2ウォータータンクを含むことができる。
【0019】
本発明による電池パックにおいて、前記第1面と対面する前記パックケース空間部の一側面、及び前記第2面と対面する前記クロスビームの一側面に貫通口が形成され、前記貫通口に密封部材が付加されることができる。
【0020】
本発明による電池パックにおいて、前記密封部材は、前記電池セルから放出される高温ガスまたはスパークによって溶融する素材からなることができる。
【0021】
本発明による電池パックにおいて、前記密封部材の溶融によって前記貫通口が開放し、
前記貫通口を通して、前記ウォータータンクの内部に収容された冷却水が噴射されることができる。
【0022】
本発明による電池パックにおいて、前記貫通口は複数の孔が均一に分散された形態を有するように形成されることができる。
【0023】
本発明による電池パックにおいて、前記第1面及び第2面は少なくとも一部または全部が開放している形態を有することができる。
【0024】
本発明による電池パックにおいて、前記電池セルスタックと前記パックケース空間部との間、または前記電池セルスタックと前記クロスビームとの間に離隔空間が形成されることができる。
【0025】
本発明による電池パックにおいて、前記第1面及び第2面に金属バンドが付加されることができる。
【0026】
本発明による電池パックにおいて、前記電池モジュールハウジングの第1面及び第2面のそれぞれにはエンドカバーが付加され、前記エンドカバーには開口が形成されることができる。
【0027】
本発明による電池パックにおいて、前記第1面及び第2面にはエンドカバーが付加され、前記電池モジュールハウジングは前記エンドカバーによって密閉した形態を有することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上で説明したように、本発明による電池パックは、内部にウォータータンクを備えることで、電池パックの外形を増大させず、発火した電池セルを早く冷却させることができるので、電池セルの熱暴走現象を確実に抑制することができる。
【0029】
また、密閉した形態の電池モジュールハウジングを含む場合には、発火した電池セルを含む電池モジュールハウジングの外面に冷却水を供給することができるので、隣接した電池モジュールに高い熱エネルギーが伝達されることを防止することができる。
【0030】
また、クロスビーム及びパックケース空間部に冷却水を収容し、これらの一側面には貫通口が形成され、密封部材が前記貫通口を満たす方式のウォータータンクを備えるので、前記密封部材の付加によって電池パックの総重量が増加することを最小化することができる。
【0031】
また、電池セルスタックを構成する全体電池セルのうちのいずれか一電池セルが発火しても、発火した電池セルに正確に冷却水を注入することができるので、大容量の電池パックに適用しても熱拡散遮断の効果を得ることができる。
【0032】
また、高価の消火薬剤の代わりに水を冷却水として使う場合、生産コストを節減することができる。
【0033】
電池パックの構造的安全性のために使われるクロスビームの内部空間をウォータータンクとして活用するので、空間活用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】第1実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図2】
図1のB部分の拡大図で、第1実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【
図3】第2実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図4】
図3のB部分の拡大図で、第2実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【
図5】第3実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図6】第4実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図7】
図5のB部分の拡大図で、第3実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【
図8】第5実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図9】第6実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図10】
図8のB部分の拡大図で、第5実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【
図11】第7実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図12】
図11のB部分の拡大図で、第7実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【
図13】第8実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図である。
【
図14】
図13のB部分の拡大図で、第8実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0036】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0038】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0039】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、A及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0040】
また、すべての数値範囲は、はっきりと除くという記載がない限り、両端の値とその間のすべての中間値とを含む。
【0041】
本発明を図面に基づいて詳細な実施例と一緒に説明する。
【0042】
図1は第1実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図2は
図1のB部分の拡大図で、第1実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0043】
図1及び
図2を参照すると、第1実施例による電池パックは、複数の電池セル130が積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池セル130に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含む。電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0044】
図1及び
図2の電池セル130は正極リード及び負極リードが互いに反対方向に突出する両方向パウチ型電池セルであることができ、または、正極リードと負極リードとが同じ方向に突出する単方向パウチ型電池セルであることができる。よって、
図1に示す電池セルにおいて、電極リード131が互いに異なる方向に突出する両方向電池セルとして示されていても、本発明に含まれるパウチ型電池セルの形態がこれに限定されるものではない。前記電池セルスタックを構成する複数の電池セル130は、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に平行な状態になるように積層されている。
【0045】
図1に示す電池パックは2行4列の8個の電池モジュール140を収容することができる形態を有し、1行の電池モジュールと2行の電池モジュールとの間にはクロスビーム120が配置されて電池パックケースの構造的な安全性を補強している。
【0046】
しかし、本発明に含まれる電池パックにおいて、電池モジュールの個数や位置は
図1に示す形態及び個数に限定されず、電池パックの所望の容量及び出力量を考慮して自由に設計変更することが可能である。
【0047】
リチウム二次電池からなる電池セルにおいて、電池セルに欠陷が発生するか、過充電または過熱したとき、電池セルの熱暴走現象が発生することがある。電池セルが熱暴走状態になれば、電池セルの温度はガスベンティングが発生する温度である約260℃まで上がることができる。また、ガスベンティングが発生しているうちにも電池セルの温度はずっと上昇することができる。
【0048】
複数の電池セルを電池パックケースに収容して電池パックを製造する場合、一つの電池セルが熱暴走状態になれば、高熱及び火炎は隣接した電池セルに伝達され、隣接した電池セルも過熱して熱暴走状態になることができる。また、熱暴走状態になった電池セルは他の隣接した電池セルを加熱することで、熱暴走が連鎖的に発生することができる。よって、熱暴走した電池セルが電池パックケース内に発生すれば、複数の電池セルの熱暴走をもたらし、これはより広範囲に拡散することができるので、大きな損害を引き起こすことがある。このように、複数の電池セルが熱暴走状態になれば約1,000℃以上の温度に到逹することができ、これは電池セルが全焼するまで持続するので、使用者が危ない状況に陥ることがある。
【0049】
したがって、発火した電池セルの火炎及び高熱が隣接した電池セルに拡散する前に発火した電池セルを消火させることが非常に重要な課題である。
【0050】
したがって、本発明による電池パックは、電池モジュールハウジングの第1面及び第2面の少なくとも一部または全部が開放している形態を有することができ、具体的には、前記電池セルスタックと前記パックケース空間部との間、または前記電池セルスタックと前記クロスビームとの間に離隔空間が形成された形態を有することができる。
【0051】
前記第1面及び第2面に隣接した位置に冷却水を収容しているウォータータンクを備え、前記冷却水が流出する貫通口を低溶融点の密封部材が密封する。したがって、電池セルが発火すれば、これに隣接した密封部材が溶融して貫通口が開放し、前記貫通口を通して、ウォータータンクの内部に収容された冷却水が発火した電池セルに向かって投入される。
【0052】
このような過程によって、過熱または発火したパウチ型電池セルを早く消火または冷却させることで、熱暴走が拡散することを速かに防止することができるので、外部にある注水施設を用いて電池セルの火炎を鎭火するのに必要な時間を確保することができる。
【0053】
また、本発明の電池パックが電気自動車のように使用者と密接な位置に装着されても、電池セルの火炎を早く鎮圧することができるので、使用者の安全性を確保することができる。
【0054】
具体的には、ウォータータンク200は、第1ウォータータンク及び第2ウォータータンクを含み、パックケース空間部110は第1ウォータータンクを含み、クロスビーム120は第2ウォータータンクを含む。
【0055】
例えば、パックケース空間部の内部に別に区画された空間に第1ウォータータンクを備え、クロスビームの内部に別に区画された空間に第2ウォータータンクを備えることができる。
【0056】
もしくは、パックケース空間部の内部に冷却水を備えることで、前記パックケース空間部自体が第1ウォータータンクとして機能することができ、クロスビームの内部に冷却水を備えることで、前記クロスビーム自体が第2ウォータータンクとして機能することができる。
【0057】
前記第1面と対面するパックケース空間部110の一側面、及び前記第2面と対面するクロスビーム120の一側面に貫通口220が形成され、貫通口220に密封部材210が備えられて貫通口220を密封している。密封部材210は、電池セル130から放出される高温ガスまたはスパークによって溶融する素材からなる。すなわち、電池セル130が正常状態にあるときは密封部材210が貫通口を密封した状態が維持されるが、電池セル130’のように発火した電池セルの温度が密封部材210の溶融温度より増加すれば、密封部材210が溶融して貫通口220が開放する。よって、ウォータータンク200の内部の冷却水が電池セルに直接投入されることができる。
【0058】
ウォータータンク200に収容された冷却水は電池セルの発火によって気化し、体積が増加して高圧状態になるので、貫通口220が開放するとき、発火した電池セルに向かって強い圧力で噴射されることができる。
【0059】
この際、発火した電池セル130’に隣接していない密封部材210は溶融せずに形態を維持することができるので、密封部材が除去された貫通口220からのみ冷却水が噴出されることができる。
【0060】
前記冷却水がパウチ型電池セルの内部に直接注入される点を考慮すると、冷却水の注入によって、前記パウチ型電池セルの火炎が大きくなるか爆発が起こることを防止する必要がある。よって、前記冷却水に含まれる添加剤は可燃性物質を含んでいないものが好ましい。もしくは、前記添加剤として可燃性物質を含む場合、前記添加剤の量はパウチ型電池セルの2次爆発を防止することができる程度であるとともに、前記冷却水が凍ることを防止するために不凍液として使われる程度であることができる。
【0061】
密封部材としては、溶融点が約200℃以下の熱可塑性の高分子樹脂を適用することができる。例えば、前記熱可塑性の高分子樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンなど、溶融点が約100℃以上200℃以下の物質を使うことができる。
【0062】
前記貫通口220は複数の孔が均一に分散している形態を有することができるので、どの電池セルで発火が起こってもこれに隣接して位置する密封部材が溶融することができる。
【0063】
前記貫通口のサイズは一つの電池セルの厚さに対応するサイズを有することができるので、密封部材が除去されて前記貫通口が開放する場合、一つの電池セルに対して冷却水が噴射されることができる。もしくは、前記貫通口のサイズは複数の電池セルの厚さの和に対応するサイズを有することができる。よって、密封部材が除去されて前記貫通口が開放する場合、複数の電池セルに対して冷却水が噴射されることができる。
【0064】
前記貫通口の形態は、円形、多角形、スリット形、または格子形を有することができる。
【0065】
このように、どの位置の電池セルが発火しても、電池セルの位置に関係なく、発火した電池セルに対して直接冷却水が注入されることができる。すなわち、ウォータータンクに形成された貫通口の個数は、電池モジュールハウジングのサイズ及び個数、前記電池モジュールハウジングに配置される電池セルの形態、サイズ及び個数などを考慮して設計することができる。
【0066】
図3は第2実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図4は
図3のB部分の拡大図で、第2実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0067】
図3及び
図4を参照すると、複数の電池セル130が積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池セル130に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含み、電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0068】
図3の電池セル130は正極リード及び負極リードが互いに反対方向に突出する両方向パウチ型電池セルであることができ、または、正極リードと負極リードとが同じ方向に突出する単方向パウチ型電池セルであることができる。よって、
図3に示す電池セルにおいて、電極リード131が互いに異なる方向に突出する両方向電池セルとして示されていても、本発明に含まれるパウチ型電池セルの形態がこれに限定されるものではない。前記電池セルスタックを構成する複数の電池セル130は、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に垂直な状態になるように積層されている。
【0069】
すなわち、第1実施例による電池パックと第2実施例による電池パックとを比較すると、第2実施例による電池パックは、電極組立体収納部の底が電池パックケースの下面に垂直な状態になるように電池セルスタックが配置された形態を有する点にのみ違いがある。
【0070】
したがって、電池セルスタックの配置方向を除いた第1実施例による電池パックについての説明は前記第2実施例による電池パックにも同様に適用することができる。また、第1実施例及び第2実施例の構成要素のうちでその対象が同じ範囲にあるものであれば同じ図面符号を適用することができる。
【0071】
図5は第3実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図6は第4実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図7は
図5のB部分の拡大図で、第3実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0072】
図5~
図7を参照すると、
図5に示す第3実施例による電池パック及び
図6に示す第4実施例による電池パックは、複数の電池セル130が積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池セル130に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含み、電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0073】
第3実施例による電池パックは、電池モジュールハウジング101の第1面及び第2面に金属バンド150が付加されている点を除き、前記第1実施例による電池パックと同様な構成を有する。
【0074】
第3実施例による電池パックにおいて、金属バンド150は一定の離隔間隔で第1面及び第2面に付着されているので、前記離隔間隔を通して電池セルが露出されることができる。
【0075】
図6に示す第4実施例による電池パックは、電池モジュールハウジング101の第1面及び第2面のそれぞれにエンドカバー160が付加されており、エンドカバー160には開口161が形成されている点を除き、前記第1実施例による電池パックと同様な構成を有する。
【0076】
第4実施例による電池パックにおいて、エンドカバー160に形成された開口161を通して電池セルが露出される。
【0077】
したがって、第3実施例及び第4実施例による電池パックは、電池セルの発火によって、隣接したウォータータンクの密封部材が溶融して貫通口が開放する場合、電池セルに向かって冷却水が直接噴射されることができる。
【0078】
また、密封部材が開放して噴射される冷却水が電池セルに直接噴射されることができるように、第3実施例による電池パックにおいて、金属バンドと金属バンドとの間に形成される離隔間隔は密封部材と対面する位置に形成され、第4実施例による電池パックにおいて、エンドカバーの開口は密封部材と対面する位置に形成されることが好ましい。
【0079】
第3実施例による電池パックのように電池モジュールハウジングの第1面及び第2面に金属バンドが付加される場合、及び第4実施例による電池パックのように電池モジュールハウジングの第1面及び第2面に開口が形成されたエンドカバーが付加される場合には、エンドカバーが付加される場合より電池モジュール及び電池パックの重さを減らすことができ、電池セルの発火の際、エンドカバーによって熱が遮断されず、密封部材まで熱エネルギーが移動する距離を減らすことができる。したがって、密封部材を早く溶融させることができ、冷却水が直接電池セルに注入されることができる。
【0080】
第3実施例による金属バンドの厚さ及び個数は設定によって多様な厚さ及び個数に設計変更することができ、前記金属バンドが電池モジュールハウジングを完全に取り囲む形態として使用する場合、電池セルの充放電によって電池セルスタックが膨張することを防止することができる。
【0081】
また、前記第4実施例のように開口が形成されたエンドカバーにおいて、前記開口のサイズは一つの電池セルに対応するサイズを有するか、または複数の電池セルに対応するサイズを有することができる。
【0082】
前記開口は、円形、楕円形、多角形、またはスリット形を有することができ、もしくは格子状のエンドカバーを適用することができる。
【0083】
第3実施例及び第4実施例による電池パックについての説明は、電池モジュールハウジングの第1面及び第2面に金属バンドまたは開口が形成されたエンドカバーが付加された点を除き、前記第1実施例による電池パックの説明を同様に適用することができる。また、第3実施例及び第4実施例の構成要素のうちでその対象が同じ範囲にあるものであれば同じ図面符号を適用することができる。
【0084】
一方、
図7は第1面及び第2面に金属バンドが付加された第3実施例による電池パックを示しているが、
図7の金属バンド150の位置に開口161が形成されたエンドカバー160が配置される場合、第4実施例による電池パックの垂直断面図のような形態を有することができる。
【0085】
図8は第5実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図9は第6実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図10は
図8のB部分の拡大図で、第5実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0086】
図8~
図10を参照すると、
図8に示す第5実施例による電池パック及び
図9に示す第6実施例による電池パックは、複数の電池セル130が積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池セル130に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含み、電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0087】
第5実施例及び第6実施例による電池パックは、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に垂直な状態になるように積層されている。
【0088】
すなわち、
図8に示す第5実施例による電池パックと
図5に示す第3実施例による電池パックと、かつ
図9に示す第6実施例による電池パックと
図6に示す第4実施例による電池パックとを比較すると、第5実施例及び第6実施例による電池パックは、電極組立体収納部の底が電池パックケースの下面に垂直な状態になるように電池セルスタックが配置された形態を有する点を除き、第3実施例及び第4実施例電池パックと同様な構成を有する。
【0089】
したがって、電池セルスタックの配置方向を除いた第5実施例及び第6実施例による電池パックについての説明は前記第3実施例及び第4実施例による電池パックと同様に適用することができる。また、第3実施例及び第4実施例の構成要素のうちでその対象が同じ範囲にあるものであれば同じ図面符号を適用することができる。
【0090】
一方、
図10は第1面及び第2面に金属バンドが付加された第5実施例による電池パックを示しているが、
図10の金属バンド150の位置に開口161が形成されたエンドカバー160が配置される場合、第6実施例による電池パックの垂直断面図のような形態を有することができる。
【0091】
図11は第7実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図12は
図11のB部分の拡大図で、第7実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0092】
図11及び
図12を参照すると、第7実施例による電池パックは、複数の電池セル130らが積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池モジュールハウジング101に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含み、電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0093】
図11及び
図12の電池セル130は正極リード及び負極リードが互いに反対方向に突出する両方向パウチ型電池セルであることができ、または、正極リードと負極リードとが同じ方向に突出する単方向パウチ型電池セルであることができる。よって、
図11に示す電池セルにおいて、電極リード131が互いに異なる方向に突出する両方向電池セルとして示されていても、本発明に含まれるパウチ型電池セルの形態がこれに限定されるものではない。前記電池セルスタックを構成する複数の電池セル130は、電極組立体収納部の底が前記電池パックケースの下面に平行な状態になるように積層されている。
【0094】
複数の電池セル130が積層された電池セルスタックの外面を取り囲む電池モジュールハウジングにおいて、電極リード131が突出する第1面及び第2面にはエンドカバー170が付加されており、エンドカバー170は別の開口が形成されていない形態を有するので、電池モジュールハウジングはエンドカバー170によって密閉した形態を有する。
【0095】
したがって、発火によって電池セル130’の温度が上昇すれば、隣接したパックケース空間部110及びクロスビーム120に熱が伝達されるので、発火した電池セル130’に隣接した密封部材210が溶融してウォータータンク200の貫通口220が開放することができる。しかし、電池モジュールハウジング101がエンドカバー170によって密閉した形態を有するので、パックケース空間部110に含まれた第1ウォータータンク200及びクロスビーム120に含まれた第2ウォータータンク200から冷却水が噴射されても電池セル130に直接噴射されることができず、電池モジュールハウジング101の外面にのみ冷却水が噴射されることができる。
【0096】
すなわち、このように密閉した電池モジュールハウジング101を使う場合には、ウォータータンクから噴射された冷却水は電池モジュールハウジング101の外面に噴射されるので、隣接した電池モジュールに熱が拡散することを防止ないし遅延する効果を発揮することができる。
【0097】
第7実施例による電池パックと第1実施例による電池パックとを比較するとき、第7実施例による電池パックは、電池モジュールハウジングの第1面及び第2面にエンドカバーが付加されて電池モジュールが密封した形態を有する点にのみ違いがある。
【0098】
よって、第7実施例による電池パックは、ウォータータンクが開放する場合、電池モジュールハウジングの外面に冷却水が噴射される一方で、第1実施例による電池パックはウォータータンクから噴射された冷却水が電池セルに直接噴射される。
【0099】
したがって、ウォータータンク、密封部材、貫通口などについての説明は、第1実施例で説明した内容を第7実施例にも同様に適用することができる。また、第1実施例及び第7実施例の構成要素のうちでその対象が同じ範囲にあるものであれば、同じ図面符号を適用することができる。
【0100】
図13は第8実施例による電池パックの斜視図及び断面図、並びに電池モジュールの部分斜視図であり、
図14は
図13のB部分の拡大図で、第8実施例による電池パックにおいて発火の際に熱拡散を抑制する状況を説明するための模式図である。
【0101】
図13及び
図14を参照すると、第8実施例による電池パックは、複数の電池セル130が積層された電池セルスタック、電池セルスタックの全長方向Lの両側端面である第1面及び第2面を除いて残った外面を取り囲む電池モジュールハウジング101、電池セル130に冷却水を供給するためのウォータータンク200、及び複数の電池モジュールハウジングを収容する電池パックケース100を含み、電池パックケース100は、前記第1面に隣接して位置するパックケース空間部110、及び前記第2面に隣接して位置するクロスビーム(crossbeam)120を含む。
【0102】
第8実施例による電池パックは、電極組立体収納部の底が電池パックケースの下面に垂直な状態になるように電池セルスタックが配置された形態を有する。
【0103】
すなわち、第8実施例による電池パックと第7実施例による電池パックとを比較すると、第8実施例による電池パックは、電極組立体収納部の底が電池パックケースの下面に垂直の状態になるように電池セルスタックが配置された形態を有する点にのみ違いがある。
【0104】
したがって、電池セルスタックの配置方向を除いた第7実施例による電池パックについての説明、及び前記第7実施例による電池パックで引用する第1実施例による電池パックについての説明は第8実施例による電池パックにも同様に適用することができる。また、第7実施例及び第8実施例の構成要素のうちでその対象が同じ範囲にあるものであれば、同じ図面符号を適用することができる。
【0105】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0106】
100 電池パックケース
101 電池モジュールハウジング
110 パックケース空間部
120 クロスビーム
130、130’ 電池セル
131 電極リード
140 電池モジュール
150 金属バンド
160、170 エンドカバー
161 開口
200 ウォータータンク
210 密封部材
220 貫通口