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特許7531969熱変色高分子を含む単位セル及びこれを用いた欠陥検出方法
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  • 特許-熱変色高分子を含む単位セル及びこれを用いた欠陥検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】熱変色高分子を含む単位セル及びこれを用いた欠陥検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/414 20210101AFI20240805BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20240805BHJP
【FI】
H01M50/414
H01M50/449
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022573365
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 KR2021011122
(87)【国際公開番号】W WO2022039553
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104833
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ス・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク・ヒョン・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ギ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・セム・パク
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-120093(JP,A)
【文献】特表2019-517722(JP,A)
【文献】特開2015-125882(JP,A)
【文献】特開2010-244943(JP,A)
【文献】特開2008-099667(JP,A)
【文献】特開2006-012825(JP,A)
【文献】特開2006-179433(JP,A)
【文献】特開2006-057293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に配置された分離膜を含む単位セルであって、
前記分離膜は、温度によって色相が変化する熱変色高分子を含み、
前記熱変色高分子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-共重合体からなる群から選択される高分子にトリフェニルメタン着色剤、ピリジニウムフェノラートベタイン、スルホフタレイン、ライハルト着色剤、サイロニン、指示薬着色剤、アゾ色素、及び2-クロロ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン着色剤からなる群から選択される熱変色染料を付け加えたものである、単位セル。
【請求項2】
前記分離膜は、分離膜基材、及び前記分離膜基材の少なくとも一面に位置するコーティング層を含み、
前記コーティング層は前記熱変色高分子を含む、請求項1に記載の単位セル。
【請求項3】
前記コーティング層は1μm~20μmの厚さを有する、請求項2に記載の単位セル。
【請求項4】
前記熱変色高分子は60℃~120℃の範囲で色相が転換する、請求項1から3の何れか一項に記載の単位セル。
【請求項5】
前記熱変色高分子は分離膜基材の表面またはコーティング層の表面に分布している、請求項1からの何れか一項に記載の単位セル。
【請求項6】
前記熱変色高分子は前記分離膜表面から0μm~2μmの地点に分布している、請求項に記載の単位セル。
【請求項7】
前記熱変色高分子は前記正極と対向する面及び前記負極と対向する面に分布している、請求項またはに記載の単位セル。
【請求項8】
S1)請求項1からのうちのいずれか一項に記載の単位セルを製作する段階と、
S2)前記単位セルをケースに収納した後、密封する段階と、
S3)前記単位セルの色相変化を確認する段階と、
S4)色相が変わった単位セルを不良と判別する段階と、を含む、欠陥検出方法。
【請求項9】
前記S3)段階で単位セルの色相変化の確認は、紫外線測定またはUVスペクトル測定のうちの少なくとも一方法で遂行する、請求項に記載の欠陥検出方法。
【請求項10】
外線測定装置または赤外線測定装置は前記ケースに一緒に内蔵されている、請求項に記載の欠陥検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年08月20日付の韓国特許出願第2020-0104833号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は熱変色高分子を含む単位セル及びこれを用いた欠陥検出方法に関する。具体的には、本発明は、正極、負極及び前記正極と前記負極との間に配置された分離膜を含む単位セルであって、前記分離膜は温度によって色相が変化する熱変色高分子を含む、単位セルに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、充放電可能な電池セルが、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に使われている。また、二次電池は、化石燃料を使う既存のガソリン車両、ディーゼル車両などによる大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug-InHEV)などの動力源としても注目されており、その他にも、高出力を要求する動力工具(power tool)、電気自転車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)、電気ゴルフカート(electric golf cart)、または電力貯蔵用システムにも用いられている。
【0004】
電池セルは、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒型電池セル及び角型電池セルと、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内蔵されているパウチ型電池セルとに分類される。そのうち、円筒型電池セルは相対的に容量が大きく構造的に安定であるという利点を有する。
【0005】
円筒型電池セルは、ゼリーロール型電極組立体が電解液とともに円筒形ケースに収納される方式で製造される。一般的に、前記ゼリーロール型電極組立体は、上方に突出した正極タブがキャップアセンブリーと結合し、トップキャップが正極端子の役割を果たし、下方に突出した負極タブは電池ケースと結合し、電池ケースが負極端子の役割を果たす。
【0006】
前記負極タブは通常電池ケースの底に溶接で付着されるが、溶接過程で溶接棒やワイヤの溶融金属が飛散するか周りの小粒の状態で一部が溶けて付いているか軽く付いているスパッター/スプラッシュなどが発生して電極組立体の欠陥が発生することがある。このような電極組立体を使う場合、電池の性能が減少するか、特定の部分で電極組立体が過熱して電池の安全性が低下することがある。
【0007】
これを解決するために、従来は、分離膜などのショート部分を確認するためにSEMまたは顕微鏡などでこれを直接観察して分析していたが、これは多くの時間を必要とし、ショート領域を探すためにCTなどで分析して観察しなければならない不便さがある。
【0008】
非特許文献1は、分離膜に温度によって体積が変わる物質を付け加えて分離膜のシャットダウン特性を向上させ、熱暴走などを防止しているが、これは特定の部分の欠陥を確認しにくく、ショート部分を確認するためには体積の変化を測定しなければならないという問題点がある。
【0009】
したがって、電池の安全性向上及び性能増大のために、二次電池の内部のショート部分や異常有無をすぐ認知して性能を改善することができるようにする構成が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】Temperature-responsive microspheres-coated separator for thermal shutdown protection of lithium ion batteries (RSC ADV. 2015, 5, 172) (Weixiao Ji et al.) (2014.11.21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、具体的にはショートが発生しやすい分離膜にショートや欠陥発生有無を知らせる物質を付け加えて損傷及び欠陥の有無を示すことができる単位セル及びこれを用いた欠陥検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するために、本発明は、正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に配置された分離膜を含む単位セルであって、前記分離膜は、温度によって色相が変化する熱変色高分子を含む、単位セルを提供する。
【0013】
前記分離膜は、分離膜基材、及び前記分離膜基材の少なくとも一面に位置するコーティング層を含み、前記コーティング層は前記熱変色高分子を含むことができる。
【0014】
前記コーティング層は1μm~20μmの厚さを有することができる。
【0015】
前記熱変色高分子は60℃~120℃の範囲で色相が転換することができる。
【0016】
前記熱変色高分子はポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(Poly(N-isopropylacrylamide));PNIPAAmであってもよい。
【0017】
前記熱変色高分子は前記分離膜基材の表面または前記コーティング層の表面に分布することができる。
【0018】
前記熱変色高分子は前記分離膜表面から0μm~2μmの地点に分布することができる。
【0019】
前記熱変色高分子は前記正極と対向する面及び前記負極と対向する面に分布することができる。
【0020】
また、本発明は、S1)上述の単位セルを製作する段階と、S2)前記単位セルをケースに収納した後、密封する段階と、S3)前記単位セルの色相変化を確認する段階と、S4)色相が変わった単位セルを不良と判別する段階とを含むことができる。
【0021】
前記S3)段階で単位セルの色相変化の確認は、紫外線測定またはUVスペクトル測定のうちの少なくとも一方法で遂行することができる。
【0022】
前記紫外線測定装置または赤外線測定装置は前記ケースに一緒に内蔵されることができる。
【0023】
本発明は、前記のような構成のうちで相反しない構成を一つ以上選んで組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上で説明したように、本発明による単位セルは、温度によって色相が変化する熱変色高分子を備えることで、溶接の際に飛散した金属の位置が分かるので、欠陥が発生した部分を検出することができる。
【0025】
また、分離膜に熱変色高分子を含むことで、分離膜の温度が分かるので、分離膜が短絡するかショートが発生する前、予め電力供給を遮断して電池の安全性を向上させることができる。
【0026】
さらに、分離膜にショートが発生した部分を明確に表示することで、その後に溶接または分離膜の性能強化に役立つことができる研究資料を得ることができる。
【0027】
また、欠陥が発生した部分を色相で示すことで、これを検出して分析する時間が減少し、コストも節減される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例による欠陥検出方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0030】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0031】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0032】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0033】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、A及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0034】
以下では、本発明の実施例に基づいて説明するが、これは本発明のより容易な理解のためのものであり、本発明の範疇がこれによって限定されるものではない。以下、本発明をより詳細に説明する。
【0035】
本発明による単位セルは、正極、負極、及び前記正極と前記負極の間に配置された分離膜を含み、前記分離膜は温度によって色相が変わる熱変色高分子を含むことを特徴とする。
【0036】
正極
前記正極は、例えば、正極集電体に、正極活物質粒子から構成された正極活物質と導電材及びバインダーとが混合された正極合剤を塗布することで製造することができ、必要に応じて、前記正極合剤に充填剤をさらに添加することができる。
【0037】
前記正極集電体は、一般的に3μm~500μmの厚さに製造され、当該電池の化学的変化を引き起こさないながらも高い導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、及びアルミニウム又はステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン又は銀で表面処理したものから選択される1種を使うことができ、詳細にはアルミニウムを使うことができる。集電体はその表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態が可能である。
【0038】
前記正極活物質は、例えば前記正極活物質粒子の他に、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物又は一つ又はそれ以上の遷移金属に置換された化合物;化学式Li1+xMn2-x(ここで、xは0~0.33)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B又はGa、x=0.01~0.3)で表現されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn又はTa、x=0.01~0.1)又はLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、Cu又はZn)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンに置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどから構成されることができるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0039】
前記導電材は、通常、正極活物質を含めた混合物総重量を基準に0.1~30重量%添加される。このような導電材は当該電池に化学的変化を引き起こさないながらも導電性を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、天然黒鉛又は人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維又は金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカ;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使うことができる。
【0040】
前記正極に含まれるバインダーは活物質と導電材などの結合と集電体に対する結合に役立つ成分であり、通常、正極活物質を含む混合物の総重量を基準に0.1~30重量%添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、多様な共重合体などを挙げることができる。
【0041】
負極
前記負極は負極集電体上に負極活物質を塗布して乾燥することによって製作され、必要に応じて、前述したような成分を選択的にさらに含むこともできる。
【0042】
前記負極集電体は一般的に3μm~500μmの厚さに作られる。このような負極集電体は当該電池に化学的変化を引き起こさないながらも導電性を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅ステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などを使うことができる。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態を使うことができる。
【0043】
前記負極活物質としては、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族及び3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、及びBiなどの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを使うことができる。
【0044】
分離膜
本発明による分離膜は分離膜基材のみでなっているか、前記分離膜基材の少なくとも一面に位置するコーティング層を含むことができる。
【0045】
前記熱変色高分子は前記分離膜基材または前記コーティング層のうちの少なくとも一方に含まれることができる。
【0046】
分離膜基材
前記分離膜基材は負極及び正極を電気的に絶縁させて短絡を防止しながらリチウムイオンの移動経路を提供することができるものであり、有機溶媒である電解液に対する耐性が高く、気孔の直径が微小な多孔質膜を使うことができる。前記分離膜基材としては、通常、二次電池の分離膜素材として使用可能なものであれば特に制限なしに使用することができ、例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)及びこれらの混合物または共重合体などの樹脂を含むか、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂を含むことができる。これらのうちでも、ポリオレフィン系樹脂は多孔性コーティング層用スラリーの塗布性に優れ、二次電池用分離膜の厚さを小さくして電池内の電極活物質層の比率を高めて体積当たり容量を高めることができるので好ましい。より好ましくは、本発明による分離膜基材は、ポリエチレン、またはポリプロピレンからなることができる。
【0047】
前記分離膜基材の厚さは1μm~100μm、好ましくは1μm~30μmとすることができ、前記分離膜基材の気孔直径は、一般的に0.01μm~10μmとすることができる。
【0048】
コーティング層
コーティング層の厚さは特に制限がないが、基本的には二次電池の容量を高めながらコーティング層付加の効果を発揮することができる厚さを有することが好ましい。これを考慮してみると、本発明のコーティング層は1μm~20μmとすることができる。コーティング層が1μmより小さい場合、熱変色高分子を充分に含まないため欠陥が発生した部分を示すのに足りず、20μmより大きい場合、分離膜にかかる温度が正確に分かりにくいため好ましくない。
【0049】
前記コーティング層は分離膜基材の少なくとも一面に位置することができる。ここで、分離膜の温度が正確に分かるために、本発明による熱変色高分子を含むコーティング層は前記分離膜基材の両側に位置することが好ましい。
【0050】
熱変色高分子
本発明による二次電池は、分離膜基材または分離膜基材の少なくとも一面に位置するコーティング層に熱変色高分子を含むことができる。前記熱変色高分子は、電池の性能に影響を及ぼさず、熱によって色相が変わる物質であればいずれも使うことができる。前記熱変色高分子は可逆的または非可逆的に変色することができ、可逆的に変色する高分子を使う場合、前記分離膜の色相変化を感知して特定の温度以上で電池の使用を中止させ、色相が回復する場合、これをまた使えるようにすることができる。
【0051】
また、非可逆的に変色する高分子を使う場合、変色した分離膜の過熱部位を確認することができるので、問題になった部分が明らかに分かるという利点がある。
【0052】
前記熱変色高分子はポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(Poly(N-isopropylacrylamide);PNIPAAm)であってもよい。また、前記熱変色高分子は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及び/またはアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン-共重合体のような高分子にトリフェニルメタン着色剤、ピリジニウムフェノラートベタイン(betaines)、スルホフタレイン(sulphophthalein)、ライハルト(Reichardt)着色剤、サイロニン(thyranines)、指示薬着色剤、アゾ色素、または、例えば2-クロロ-6-ジエチルアミノ-3-メチルフルオラン(fluoran)着色剤のような熱変色染料を付け加えたものであることができる。
【0053】
ここで、前記熱変色高分子は前記分離膜基材または前記コーティング層に少なくとも1種以上が含まれることができる。このことは、前記分離膜基材または前記コーティング層が温度変化によって多様な色を有するようにすることにより、電池の異常の有無を温度によって判別することができるようにする。
【0054】
前記熱変色高分子は、60℃~120℃の範囲で色相が転換することができる。これは電池セルの正常作動温度より高く、電池が発熱する直前の温度を基準にしているので、電池の使用環境によって前記温度は変わることができる。
【0055】
また、前記熱変色高分子は、前記分離膜基材の位置によって異なる色相を現すようにすることができる。前記のように、前記熱変色高分子が前記分離膜基材の位置によって異なる色相を現すようにすることで、前記分離膜を分離しなくても、レーザー照射などで特定波長の色相変化を検出することのみで分離膜の異常の有無を確認することができるようにする。
【0056】
前記熱変色高分子は前記分離膜基材の表面または前記コーティング層の表面に分布することができる。ここで、前記熱変色高分子は前記分離膜基材の表面または前記コーティング層の表面から0μm~2μmの地点に分布することができる。前記分離膜基材の表面または前記コーティング層の表面は、前記分離膜またはコーティング層が外部に接するすべての外表面またはその一部を意味することができる。前記熱変色高分子が前記のように分離膜基材の表面またはコーティング層の表面に位置する場合、前記熱変色高分子の色相変化をより早く感知することができ、前記熱変色高分子が前記分離膜に加わる熱を早く認知して、分離膜の収縮または分離膜のショートをより早く認識することができるようにする。
【0057】
また、本発明による熱変色高分子は前記正極と対向する面及び前記負極と対向する面に分布することができる。これは、前記正極と前記負極との間の絶縁の役割を果たす分離膜の欠陥が発生する場合、これを早く認知することができるようにして問題を解決するためである。
【0058】
本発明による分離膜基材またはコーティング層は、熱変色高分子の他に波長変換物質をさらに含むことができる。
【0059】
前記波長変換物質は、好ましくは量子ドットなどのナノ物質と燐光物質を含む燐光性物質である。検出手段によって異なる物質を使うことができるが、好ましくは、前記波長変換物質としては蛍光物質が好ましい。
【0060】
無機物
前記コーティング層は、分離膜の機械的強度を向上させるために、前記熱変色高分子以外の無機物をさらに含むことができる。前記無機物は、コーティング層の厚さを均一に形成し、適用される二次電池の作動電圧の範囲で酸化及び/または還元反応が起こらないものであれば特に限定されない。特に、イオン伝達能力を有する無機物粒子を使う場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能向上を図ることができる。また、無機物粒子として高誘電率の無機物粒子を使う場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度増加によって電解液のイオン伝導度を高めることができる。
【0061】
前記無機物の一例としては、リチウムイオン伝達能力、圧電性、及び難燃性のうちの少なくとも一特性を有する無機物を挙げることができる。
【0062】
前記リチウムイオン伝達能力のよい無機物は、リチウム元素を含むが、リチウムを貯蔵せずにリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を指すものであり、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によってリチウムイオンを伝達及び移動させることができるので、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能の向上を図ることができる。
【0063】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の例としては、リチウムフォスフェート、リチウムチタンフォスフェート、リチウムアルミニウムチタンフォスフェート、(LiAlTiP)系ガラス、リチウムランタンチタネート、リチウムゲルマニウムチオフォスフェート、LiNのような窒化リチウム(Li、0<x<4、0<y<2)、LiPO4-LiS-SiSのようなSiS系ガラス(LiSi、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、LiI-LiS-PのようなP系ガラス(Li、0<x<3、0<y<3、0<z<7)またはこれらの混合物からなる群から選択される1種以上であることができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
前記圧電性(piezoelectricity)無機物粒子は、常圧では不導体であるが、一定の圧力が印加された場合、内部構造の変化によって電気が通じる物性を有する物質を意味し、誘電率が100以上の高誘電率特性を現すだけでなく、一定圧力の印加によって引張または圧縮される場合、電荷が発生し、一面は正に、反対面は負にそれぞれ帯電することにより、両面の間に電位差が発生する機能を有する物質である。
【0065】
前記のような特徴を有する無機物粒子を使う場合、ローカルクラッシュ(Local crush)、ネール(Nail)などの外部衝撃によって両電極の内部短絡が発生する場合、分離膜にコーティングされた無機物粒子によって正極と負極とが直接接触しないだけでなく、無機物粒子の圧電性によって粒子内の電位差が発生し、これにより両電極の間の電子移動、すなわち微小電流が流れることにより、電池の緩い電圧減少及びこれによる安全性向上を図ることができる。
【0066】
前記圧電性を有する無機物粒子の例としては、BaTiO、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)ハフニア(HfO)またはこれらの混合物などがあるが、これに限定されるものではない。
【0067】
前記難燃性無機物は、アンチモン含有化合物、金属水酸化物または金属水和物、グアニジン系化合物、ホウ素含有化合物及びスズ酸亜鉛からなる群から選択される1種以上である。
【0068】
前記アンチモン含有化合物は、三酸化アンチモン(Sb)、四酸化アンチモン(Sb)、及び五酸化アンチモン(Sb)のうちから選択されるものであり、前記金属水酸化物または金属水和物は、水酸化マグネシウムを除いた、水酸化アルミニウム(Al(OH))、アルミニウムオキシヒドロキシド(AlO(OH))、及びCaO・Al・6HOのうちから選択されるものであり、前記グアニジン系化合物は、硝酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、及びリン酸グアニル尿素からなる群から選択されるものであり、前記ホウ素含有化合物は、HBOまたはHBOであり、前記スズ酸亜鉛化合物は、ZnSnO、ZnSnO、及びZnSn(OH)のうちから選択されるものである。
【0069】
好適な前記難燃性無機物は、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、アルミニウムオキシヒドロキシド(AlO(OH))、及びCaO・Al・6HOのうちの1種以上であることができる。
【0070】
前記難燃性無機物を付け加えることで、過充電を防止するだけでなく、分離膜に難燃特性を付け加えるか、電池の内部温度が急激に上昇することを防止することができる。本発明による難燃性無機物のうちの金属水酸化物は、温度が高まるのに伴って吸熱反応である脱水反応を起こしながら分解する。ここで、吸熱反応及び生成物によって追加的な難燃効果を得ることができる。
【0071】
ここで、前記難燃性無機物の難燃性を向上させるために、難燃上昇剤をさらに含むことができる。前記難燃上昇剤は、シリコン系添加剤、酸化亜鉛、酸化スズ、ニッケル化合物、ホウ酸亜鉛、メラミン化合物またはこれらのうちの2種以上の混合物であることができる。
【0072】
前記難燃上昇剤は、難燃性無機物の特性によって多様な組合せで使うことができ、難燃性無機物の効率を向上させる物質であれば、先に言及した難燃上昇剤以外の難燃上昇剤をさらに含むことができる。その他にも、ハロゲンをさらに添加することができ、リンまたはリン化合物も添加することができる。前記難燃上昇剤は難燃性無機物の効率を高める程度に投与することができ、難燃性無機物の総重量の0.001倍~0.1倍で添加することができる。
【0073】
その他にも、難燃性無機物で発生する水分子を吸収するための吸収剤も添加することができるが、これは電池の性能を低下させない物質に限定される。前記吸収剤としては、通常に使われる材料であれば制限なしに使うことができ、例えば、ゼオライト、多孔性シリカ、または多孔性アルミナがあるが、これに限定されない。
【0074】
前記無機物の粒子サイズは特に限定されないが、均一な厚さのコーティング層を形成するとともに適切な孔隙率を有するための旨を考慮すると、D50は20nm~10μmの範囲、詳細には100nm~1μmの範囲であることができる。
【0075】
D50は、粒子の粒径分布曲線で、個数累積量の50%に相当する粒子の粒径を意味し、無機物粒子の平均粒径は粒径分析器(Particle Size Analyzer)(製品名:MASTERSIZER 3000、Malvern社製)を用いて測定した。
【0076】
前記無機物は、前記コーティング層の固形分総重量を基準に10%以上~99%以下で含むことができる。前記無機物を10%未満で含む場合、前記無機物を付け加えることによって得られる効果を果たしにくく、前記無機物が99%を超える場合、バインダーの含量があまりにも少ないので、無機物間の接着力弱化によって無機物コーティング層が分離膜基材から脱離するか、コーティングの際に未コーティング領域が発生することがあるので、これも好ましくない。
【0077】
前記コーティング層は、前記無機物の他にバインダーなどをさらに含むことができる。前記無機物は前記バインダーとともに前記コーティング層に均一に分布することができる。前記無機物が前記バインダー内に均一に分布していることにより、前記二次電池の内部の抵抗が均一に形成され、特定の部分でショートが発生しないようにすることができる。
【0078】
前記バインダーは通常、高分子バインダーと言われ、液体電解液の含浸の際にゲル化して高い電解液含浸率(degree of swelling)を示す特徴を有することができる。実際に、前記バインダー高分子が電解液含浸率に優れた高分子の場合、電池組立の後に注入される電解液は前記高分子に染み込み、吸収された電解液を保有する高分子は電解質イオン伝導能力を有するようになる。また、従来の疎水性ポリオレフィン系分離膜に比べて、電池用電解液に対する濡れ性(wetting)が改善するだけでなく、従来使いにくかった電池用極性電解液の適用も可能であるという利点がある。よって、できれば溶解度指数が15~45MPa1/2の高分子が好ましく、15~25MPa1/2及び30~45MPa1/2の範囲がより好ましい。溶解度指数が15MPa1/2未満及び45MPa1/2超過の場合、通常の電池用液体電解液に含浸(swelling)されにくくなる。
【0079】
具体的には、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリド-トリクロロエチレン、ポリビニリデンフルオリド-コ-クロロトリフルオロエチレン(PVdF-CTFE)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、エチレン-コ-ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキシド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリアクリロニトリル-スチレン共重合体、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンジメチルエーテル、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素ゴム、及びポリイミドからなる群から選択される1種以上である。好ましくは、PVdF、TFE、及びポリイミドからなる群から選択される1種以上である。
【0080】
前記バインダー物質は、バイカリン、ルテオリン、タクシフォリン、ミリセチン、ケルセチン、ルチン、カテキン、エピガロカテキンガレート、ブテイン(butein)、ピセアタノール、タンニン酸を含むフェノール系化合物、ピロガロール酸、アミルローズ、アミロペクチン、キサンタンゴム、及び脂肪酸系水性または非水性高分子のうちの少なくとも1種以上をさらに含むことができる。このようなバインダー物質は多量のOH基を含むことにより、バインダー-無機物、基材-バインダーの接着力を高めるとともに、分離膜の一部損傷に対する自己治癒機能によって内部短絡を事前に防止し、分離膜と正極及び負極との接着力を向上させ、正極遷移金属の溶出に対応することができる。
【0081】
分散剤
前記コーティング層は、熱変色高分子を含む無機物の分散性をもっと向上させるために、分散剤をさらに含むことができる。前記分散剤は、コーティング層スラリーの製造の際、バインダー内での熱変色高分子の均一な分散状態を維持する機能を果たし、例えば、分散性を高めながら均一な分散を維持するために、陰イオン性界面活性剤を使うことができる。
【0082】
前記陰イオン性界面活性剤は、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、及び硫酸塩からなる群から選択される1種以上の塩を含む陰イオン性成分が頭部を構成する成分であることができる。そのうち、スルホン酸塩を陰イオン性界面活性剤の頭部として使うことが好ましい。
【0083】
前記陰イオン性界面活性剤の尾部は、非イオン性界面活性剤特性を有する物質を使うことができる。非イオン性界面活性剤特性を有する物質であればどの物質でも特に限定されないが、詳細には、アルキル基を含む物質であることができる。前記アルキル基を含む物質は、アルキレンオキシドの繰り返し単位が5から200のポリアルキレンオキシドであることができる。ここで、前記ポリアルキレンオキシドは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシド共重合体からなる群から選択される1種以上であることができる。
【0084】
陰イオン性界面活性剤の代表的な例としては、CMC(carboxyl methyl cellulose)がある。
【0085】
その他にも、分散剤として使える物質の例としては、油溶性ポリアミン、油溶性アミン化合物、脂肪酸類、脂肪アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル、タンニン酸、及びピロガロール酸のうちから選択されるいずれか1種以上を挙げることができる。
【0086】
このような分散剤の含量は、無機物100重量部に対して0.2重量部~10重量部であることができる。分散剤が無機物100重量部に対して0.2重量部未満であれば、無機物が沈降しやすい問題があり、反対に10重量部を超えれば、分離膜基材に対するコーティング層の接着力が減少するか、二次電池製造の際に電解液と反応して不純物が発生する問題点がある。
【0087】
欠陥検出方法
本発明による欠陥検出方法は、S1)前記記載した単位セルのうちのいずれか一つの単位セルを製作する段階と、S2)前記単位セルをケースに収納した後、密封する段階と、S3)前記単位セルの色相変化を確認する段階と、S4)色相が変わった単位セルを不良と判別する段階とを含むことができる。
【0088】
前記S3)段階で、前記単位セルの色相変化は、紫外線測定、赤外線測定または肉眼で検出することができる。
【0089】
前記紫外線測定または赤外線測定は、前記ケースに内蔵された測定装置を使って遂行することができる。図1は本発明の実施例による欠陥検出方法の模式図で、前記紫外線測定またはUVスペクトラム法の模式図である。
【0090】
図1に示すように、本発明による欠陥検出方法は、本発明による単位セルを使う円筒型二次電池100の上部または下部のうちの少なくとも一方にシリコンダイオードまたはUVスペクトロメータのような検出装置200を配置して遂行することができる。本発明による欠陥検出方法は、赤外線または紫外線を前記分離膜に照射することで、前記円筒型二次電池100を分解せずに遂行することができる。前記赤外線または紫外線が前記円筒型二次電池100の分離膜を貫通し、前記分離膜の変色を検出することにより、二次電池の異常の有無を外部に知らせることができる。前記検出装置200はバッテリー管理モジュールなどと連結されることで、前記二次電池の異常の際、前記電池の使用を中断させることもできる。
【0091】
また、前記欠陥検出方法は、本発明による単位セルを使う円筒型二次電池100の他に、パウチ型二次電池や角型電池などの多様な電池にも使うことができる。
【0092】
また、本発明による欠陥検出方法は肉眼で遂行することができる。この方法は本発明による単位セルの異常部位を判断して分析するために使うことができる。欠陥を検出するために、本発明による欠陥検出方法は、密封されている単位セルを分解した後、色相変化を肉眼で検出することができる。
【0093】
ここで、検出の便宜性のために、デジタルカメラで写真を撮った後、色相の変化を設定しておいたプログラムによって分析することもできる。
【0094】
本発明が属する当該技術分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0095】
100 二次電池
200 検出装置
図1