(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびこれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240805BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240805BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240805BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240805BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240805BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M50/271 Z
H01M10/6555
H01M50/289
H01M10/653
H01M50/262 P
(21)【出願番号】P 2022573535
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2021002278
(87)【国際公開番号】W WO2021261702
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0078511
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨプ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-023296(JP,A)
【文献】特開2012-018915(JP,A)
【文献】特表2016-511509(JP,A)
【文献】特開2007-273149(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0016326(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0120154(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第105703038(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108666494(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01M 10/60-667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモジュール領域を含む下部パックハウジングと、
前記モジュール領域に位置する熱伝導性樹脂層と、
前記モジュール領域に装着され、前記熱伝導性樹脂層上に位置する電池モジュールと、
前記電池モジュールを覆う上部パックハウジングと、
を含む
電池パックにおいて、
前記電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体を含み、前記電池セル積層体は、前記熱伝導性樹脂層と直接対向し、
前記電池セル積層体は、前記複数の電池セルのうち互いに隣り合う電池セルの間に位置する冷却フィンを含み、
前記冷却フィンの端部は、前記熱伝導性樹脂層と接触
しており、
前記電池パックは、前記電池セル積層体の両端部に位置する一対の固定部材をさらに含み、
前記固定部材の一部は、前記電池セル積層体の上面および前記熱伝導性樹脂層と接触する電池パック。
【請求項2】
前記電池モジュールに含まれている前記電池セル積層体の上下面および両側面は、露出した領域を含み、
前記露出した領域のうち前記電池セル積層体の下部面が前記熱伝導性樹脂層に対向し、前記電池セル積層体の下部面と前記熱伝導性樹脂層との対向する方向と、前記電池セルの積層される方向とは、互いに垂直である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷却フィンと前記電池セルとの間に位置する少なくとも1つの接着層をさらに含み、
前記冷却フィンの両側面は、前記接着層によって前記電池セルに固定される、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記接着層は、少なくとも1つのストライプ状の接着部を含み、前記接着部は、前記電池セル積層体の積層方向と垂直な方向に延びている、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記冷却フィンの端部は、前記熱伝導性樹脂層に固定される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
前記固定部材は、前記電池セル積層体の4つの面を囲む、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記冷却フィンと前記電池セルとの間に位置する少なくとも1つの接着層をさらに含み、
前記冷却フィンの両側面は、前記接着層によって前記電池セルに固定され、
前記固定部材は、前記接着層から離隔している前記電池セルの端部に沿って配置される、請求項
1又は6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記冷却フィンは、アルミニウムを含む板材である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電池モジュールは、前記熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂が硬化する前に前記熱伝導性樹脂層上に装着されて、前記冷却フィンの端部が前記熱伝導性樹脂層の上部面に接触する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記モジュール領域を区画する複数の隔壁をさらに含み、
前記電池セル積層体に含まれる電池セルのうち最外郭の電池セルの面と前記隔壁とが互いに対向する、請求項1~
9のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項11】
前記電池セル積層体の中心部に形成された前記冷却フィンの密度に比べて、前記電池セル積層体の外郭部に形成された前記冷却フィンの密度がより高い、請求項1~
10のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2020年6月26日付の韓国特許出願第10-2020-0078511号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関し、より具体的には、冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台あたり1個または2、3、4個の電池セルが用いられるのに対し、自動車などのような中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが用いられる。
【0005】
中大型電池モジュールは、できるだけ小さい大きさと重量で製造されることが好ましいので、高い集積度で積層可能であり、容量対比重量の小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に用いられている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0006】
図1は、従来の電池モジュールの分解斜視図である。
図2は、
図1の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
図3は、
図2の切断線A-Aに沿った断面図である。
【0007】
図1~
図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11が一方向に積層されている電池セル積層体12と、電池セル積層体12を収容するモジュールフレーム20と、電池セル積層体の前後面をカバーするエンドプレート15と、エンドプレート15と電池セル積層体12の前後面との間に形成されたバスバーフレーム13とを含む。モジュールフレーム20は、電池セル積層体12の下部および両側面を覆う下部フレーム30と、電池セル積層体12の上面を覆う上部プレート40とを含む。電池モジュール10は、下部フレーム30において電池セル積層体120の下部を覆う底面に熱伝導性樹脂層31が塗布されて、電池セル積層体12の発生した熱を冷却することができる。
【0008】
この時、熱伝導性樹脂層31は、電池セル積層体12から発生した熱を電池モジュール10の外部に伝達する。ただし、この場合、電池セル積層体12から発生した熱は熱伝導性樹脂層31、下部フレーム30、下部フレーム30の下面に位置したヒートシンク(図示せず)の順に伝達されることによって、電池セル積層体12は間接的に冷却される。また、電池セル積層体12の電池セルそれぞれに対する別途の冷却手段がなくて、電池セル間の冷却偏差が激しくなる。特に、電池セル積層体12の最外郭の電池セルは、真ん中の電池セルに比べて外側に位置して熱伝達経路が減少し、これによって、従来の電池モジュール10は、最外郭の電池セルから真ん中の電池セルの間の冷却偏差が激しくなる。
【0009】
特に、電池セル11の温度はバッテリの出力を制限する要因の一つであることを考慮する時、電池セル積層体12内で発生する電池セル11間の冷却偏差の激しさはバッテリの出力を早期に制限する可能性が高くて、これを改善する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は、電池セルの冷却性能が向上した電池モジュールおよびこれを含む電池パックを提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例による電池パックは、複数のモジュール領域を含む下部パックハウジングと、前記モジュール領域に位置する熱伝導性樹脂層と、前記モジュール領域に装着され、前記熱伝導性樹脂層上に位置する電池モジュールと、前記電池モジュールを覆う上部パックハウジングと、を含み、前記電池モジュールは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体を含み、前記電池セル積層体は、前記熱伝導性樹脂層と直接対向し、前記電池セル積層体は、前記複数の電池セルのうち互いに隣り合う電池セルの間に位置する冷却フィンを含み、前記冷却フィンの端部は、前記熱伝導性樹脂層と接触する。
【0013】
前記電池モジュールに含まれている前記電池セル積層体の上下面および両側面は、露出した領域を含み、前記露出した領域のうち前記電池セル積層体の下部面が前記熱伝導性樹脂層に対向し、前記電池セル積層体の下部面と前記熱伝導性樹脂層との対向する方向と、前記電池セルの積層される方向とは、互いに垂直であってもよい。
【0014】
前記冷却フィンと前記電池セルとの間に位置する少なくとも1つの接着層をさらに含み、前記冷却フィンの両側面は、前記接着層によって前記電池セルに固定される。
【0015】
前記接着層は、少なくとも1つのストライプ状の接着部を含み、前記接着部は、前記電池セル積層体の積層方向と垂直な方向に延びることができる。
【0016】
前記冷却フィンの端部は、前記熱伝導性樹脂層に固定される。
【0017】
前記電池モジュールは、前記電池セル積層体の両端部に位置する固定部材をさらに含むことができる。
【0018】
前記固定部材は、前記電池セル積層体の4つの面を囲むことができる。
【0019】
前記固定部材は、前記接着層から離隔している前記電池セルの端部に沿って配置される。
【0020】
前記冷却フィンは、アルミニウムを含む板材であってもよい。
【0021】
前記電池モジュールは、前記熱伝導性樹脂層を形成する熱伝導性樹脂が硬化する前に前記熱伝導性樹脂層上に装着されて、前記冷却フィンの端部が前記熱伝導性樹脂層の上部面に接触することができる。
【0022】
前記モジュール領域を区画する複数の隔壁をさらに含み、前記電池セル積層体に含まれる電池セルのうち最外郭の電池セルの面と前記隔壁とが互いに対向することができる。
【0023】
前記電池セル積層体の中心部に形成された前記冷却フィンの密度に比べて、前記電池セル積層体の外郭部に形成された前記冷却フィンの密度がより高い。
【0024】
本発明の他の実施例によるデバイスは、前述した電池パックを含む。
【発明の効果】
【0025】
実施例によれば、電池セル積層体の外面の少なくとも一部が露出した電池モジュールがパックハウジングに装着され、前記電池モジュールが前記電池セル積層体および互いに隣り合う少なくとも2つの電池セルの間に位置した冷却フィンを含むことで、前記電池モジュールに含まれる電池セル積層体内の電池セル間の温度差を減少させることができる。
【0026】
本発明の効果が上述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】
図1の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
【
図5】
図4の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の他の実施例による
図5の切断線B-Bに沿った断面図である。
【
図8】
図5の電池モジュールがパックハウジングに結合される前の状態を示す斜視図である。
【
図9】
図5の電池モジュールがパックハウジングに結合された状態を示す斜視図である。
【
図10】
図9のB領域の切断線C-Cに沿った断面図である。
【
図11】比較例による電池モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0030】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のところに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0031】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0032】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0033】
以下、本発明の実施例による電池パックについて説明する。ただし、ここで、電池パックの前後面のうち前面を基準に説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、後面の場合にも同一または類似の内容で説明される。
【0034】
図4は、本発明の一実施例による電池モジュールの分解斜視図である。
図5は、
図4の電池モジュールを構成する構成要素を結合した状態を示す斜視図である。
図6は、
図5の切断線B-Bに沿った断面図である。
【0035】
図4および
図5を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100は、第1方向(y軸)に積層される電池セル積層体120と、電池セル積層体120の前面と後面にそれぞれ位置するバスバー130と、電池セル積層体120の両端部に位置する固定部材300とを含む。
【0036】
図4および
図5を参照すれば、本実施例による電池モジュール100は、電池セル積層体120の外面の少なくとも一部が露出した第1領域を含むことができる。このような第1領域は、
図6に示すように、電池セル積層体120に固定部材300が位置する領域を除いた電池セル積層体120の上下面および両側面が露出している領域A1であってもよい。つまり、
図5および
図6を参照すれば、第1領域A1は、電池モジュール100がモジュールフレームなしに電池セル積層体120が露出している領域であってもよい。つまり、本実施例による電池モジュール100は、第1領域A1を含むことによって、モジュールフレームなしに電池セル積層体120が露出しているモジュールレス構造であってもよい。
【0037】
これによって、本実施例による電池モジュール100は、第1領域A1を含むことで、従来の電池モジュールに比べてモジュールフレームが省略されることによって、簡素化および軽量化された構造を有することができる。また、本実施例による電池モジュール100は、モジュールフレームが省略されることによって電池セル積層体の電池セルの密度を高められて、電池モジュール100の性能がより向上できる。
【0038】
図4を参照すれば、本実施例による電池モジュール100は、電池セル積層体120に含まれる複数の電池セル110のうち互いに隣り合う少なくとも2つの電池セル110の間に位置する冷却フィン113を含むことができる。一例として、冷却フィン113は、アルミニウム材質の板材であってもよい。ただし、冷却フィン113は、アルミニウム材質に限定されず、熱伝導率が高い金属材質の板材であれば制限されない。これによって、冷却フィン113が軽量材質に相当して、本実施例の電池モジュール100は、重量増加の問題なしに電池セル110の冷却性能を向上させることができる。
【0039】
また、電池モジュール100は、電池セル110と冷却フィン113との間に少なくとも1つの接着層115をさらに含むことができる。これによって、冷却フィン113の両側面は、互いに隣り合う少なくとも2つの電池セル110の間に固定される。一例として、接着層115は、両面テープまたは接着剤のような接着部材によって形成される。ただし、接着層115は上述した内容に限定されず、電池セル110および冷却フィン113を互いに固定させることができる接着性能を有する物質であれば制限されない。これによって、本実施例の電池モジュール100は、電池セル110と冷却フィン113との間が接着層115によって相互接着可能で、電池セル積層体120の第1方向(y軸)への剛性およびエネルギー密度が向上できる。
【0040】
本実施例による接着層115は、少なくとも1つのストライプ状の接着部を含むことができる。
図4に示すように、2つの接着部が互いに平行に長く延びることができる。前記接着部は、電池セル積層体120が積層されている方向と垂直な方向に長く延びることができる。
【0041】
また、
図4および
図5を参照すれば、電池セル積層体120の両端部に位置する固定部材300は、前記電池セル積層体120の4つの面を囲むことができる。固定部材300は、接着層115から離隔している電池セル110の端部に沿って配置される。一例として、固定部材300は、ホールディングバンドのような弾性のある部材であってもよいが、これに制限されない。これによって、固定部材300は、電池セル積層体120の複数の電池セル110間の相対的ずれ現象を防止することができる。また、固定部材300は、電池セル110と冷却フィン113とが互いに接着することを補助することができる。
【0042】
図7は、本発明の他の実施例による
図5の切断線B-Bに沿った断面図である。
【0043】
図5および
図6を再び参照すれば、本実施例の電池モジュール100は、冷却フィン113が電池セル積層体120の複数の電池セル110のうち一定の間隔ごとに位置した互いに隣り合う電池セル110の間に位置することができる。また、冷却フィン113は、電池セル積層体120の複数の電池セル110のうち互いに隣り合う電池セル110の間ごとに位置することができる。
図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、電池セル11から発生した熱が電池セル11の下部に伝達された後、熱伝導性樹脂層310および下部フレーム30の底部を経て外部に伝達されるのとは異なり、本実施例による電池モジュール100は、電池セル110から発生した熱が冷却フィン113に直に伝達され、後述のように、
図8の下部パックハウジング1300に形成された熱伝導性樹脂層1315に冷却フィン113および/または電池セル110の熱が直ちに伝達される。これによって、本実施例における電池モジュール100は、より効率的に電池セル110から発生した熱を速やかに外部に伝達することができる。また、電池セル110の位置による冷却偏差が減少できる。
【0044】
図5および
図7を参照すれば、本実施例の電池モジュール100は、冷却フィン113が前記電池セル積層体120の中心部に比べて最外郭へいくほどより多く位置することができる。つまり、電池セル積層体120の中心部に形成された冷却フィン113の密度に比べて、電池セル積層体120の外郭部に形成された冷却フィン113の密度がより高い。
図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、電池セル11の位置が最外郭に比べて中心部にあるほど熱伝達がよく行われることによる冷却偏差が発生するのとは異なり、本実施例の電池モジュール100は、電池セル110の位置を考慮して冷却フィン113が位置することによって、電池セル110の位置による冷却偏差がより減少できる。また、電池セル110の位置を考慮することによって、互いに隣り合う電池セル110の間に冷却フィン113が位置しない場合もあり、電池セル積層体120のエネルギー密度もより向上できる。
【0045】
図8は、
図5の電池モジュールがパックハウジングに結合される前の状態を示す斜視図である。
図9は、
図5の電池モジュールがパックハウジングに結合された状態を示す斜視図である。
図10は、
図9のB領域の切断線C-Cに沿った断面図である。
【0046】
図8および
図9を参照すれば、本実施例による電池パック1000は、複数の電池モジュール100がそれぞれ装着される複数のモジュール領域1310を含む下部パックハウジング1300と、複数のモジュール領域1310の上部を覆う上部パックハウジング1400とを含む。
【0047】
本実施例による電池パック1000の下部パックハウジング1300において、モジュール領域1310は、電池モジュール100の大きさに対応する大きさを有することができる。また、複数のモジュール領域1310の間には複数の隔壁1350が位置することができ、電池モジュール100の電池セル積層体120に含まれる電池セル110のうち最外郭の電池セル110の面と隔壁1350とは、互いに対向することができる。これによって、隔壁1350は、電池モジュール100が装着される領域が区分されると同時に、電池モジュール100を外部の衝撃から保護することができる。
【0048】
また、
図10を参照すれば、電池モジュール100と隔壁1350との間にはサイドプレート119が含まれる。
図6および
図7で説明したように、サイドプレート119は、電池セル積層体120が露出している第1領域A1で最外郭の電池セル110の側面に対向することができる。サイドプレート119は、電池セル積層体120の最外郭の電池セル110の側面および隔壁1350の少なくとも1つに付着していてもよい。一例として、サイドプレートは、射出方式で製造されたプレートであるか、ゴム材質のプレートであってもよいが、これに制限されない。これによって、サイドプレート119は、電池モジュール100の損傷を追加的に防止することができる。
【0049】
図8および
図10を参照すれば、本実施例による電池パック1000の下部パックハウジング1300において、モジュール領域1310には熱伝導性樹脂層1315がそれぞれ位置することができる。熱伝導性樹脂層1315は、下部パックハウジング1300のモジュール領域1310に熱伝導性樹脂が塗布され、熱伝導性樹脂が硬化することによって形成される。
【0050】
図6および
図7で説明したように、電池セル積層体120が露出している第1領域A1で電池セル110の下部端部および冷却フィン113の下部端部の少なくとも一部が熱伝導性樹脂層1315と直接対向することができる。また、第1領域A1で熱伝導性樹脂層1315と接触する領域は、電池セル積層体120の下部面が露出している第2領域A2であってもよい。
【0051】
本実施例による電池パック1000は、熱伝導性樹脂層1315を形成する熱伝導性樹脂が硬化する前に電池モジュール100がモジュール領域1310に装着される。電池パック1000は、冷却フィン113の端部および電池セル積層体120の下部面と熱伝導性樹脂層1315とが互いに密着して接触することができる。冷却フィン113の端部および電池セル積層体120の下部面は、熱伝導性樹脂層1315に対向することができる。
図8を参照すれば、冷却フィン113の端部および電池セル積層体120の下部面が熱伝導性樹脂層1315に対向する方向(z軸)は、電池セル110が積層される方向(x軸)と互いに垂直であってもよい。さらに、熱伝導性樹脂層1315の熱伝導性樹脂が硬化することによって、冷却フィン113の端部および第2領域A2は、電池パック1000の下部パックハウジング1300に形成された熱伝導性樹脂層1315に固定される。
【0052】
また、
図3を参照すれば、従来の電池モジュール10は、電池セル11から発生した熱が電池セル11の下部、熱伝導性樹脂層31、下部フレーム30、ヒートシンク(図示せず)の順に伝達されることによって冷却される。この場合、熱伝導性樹脂層31とヒートシンク(図示せず)との間に下部フレーム30が位置することによって、下部フレーム30は、電池セル11から発生した熱が外部に熱伝達されることを妨げることができる。これとは異なり、本実施例の電池パック1000では、電池セル110の下部と熱伝導性樹脂層1315とが接触していて、電池モジュール100の電池セル110から発生した熱が熱伝導性樹脂層1315に直接伝達される。これによって、本実施例の電池パック1000は、従来に比べて電池セル110から発生した熱が外部に速やかに伝達することができる。
【0053】
これとともに、本実施例の電池パック1000において、電池モジュール100が互いに隣り合う電池セル110の間に冷却フィン113を含む場合、電池モジュール100の電池セル110から発生した熱が内部から冷却フィン113に直ちに伝達された後、冷却フィン113と接触する熱伝導性樹脂層1315に直接伝達される。これによって、本実施例の電池パック1000は、より効率的に電池セル110から発生した熱が外部に速やかに伝達することができる。また、電池セル110の位置による冷却偏差も減少できる。
【0054】
図11は、比較例による電池モジュールの分解斜視図である。
図11を参照すれば、従来の電池モジュール50は、複数の電池セルが積層された電池セル積層体52と、電池セル積層体52を収容するモジュールフレーム60と、電池セル積層体52の前後面をカバーするエンドプレート55と、エンドプレート55と電池セル積層体52の前後面との間に形成されたバスバーフレーム53とを含む。また、従来の電池モジュール50は、電池セル積層体52の側面に接する冷却フィン70を含み、冷却フィン70を電池モジュール50に固定させるための固定ボルト71、固定ホール73、固定フレーム79をさらに含む。これによって、従来の電池モジュール50は、冷却フィン70を介して電池セル積層体52から発生する熱を電池モジュール50の外部に伝達することができる。
【0055】
しかし、従来の電池モジュール50の場合、本実施例のように、冷却フィン70を電池モジュール50に含むことで冷却性能を向上しようとしたが、冷却フィン70を電池モジュール50に固定させるための固定ボルト71、固定ホール73、固定フレーム79が占める空間だけ電池セルの容量を確保することができず、これによる体積あたりの容量競争力および追加部品による価格競争力が低下する問題点がある。
【0056】
これとは異なり、
図4~
図10を参照する時、本実施例の電池パック1000は、電池モジュール100において電池セル積層体120の複数の電池セル110のうち互いに隣り合う電池セル110の間に冷却フィン113を含むことで、従来の電池モジュール50のような固定構造物(固定ボルト71、固定ホール73、固定フレーム79)なしに電池セル積層体120の内部に固定される。これによって、本実施例は、比較的単純化された工程により時間および費用効率的に電池モジュール100の冷却性能が向上できる。
【0057】
一方、本実施例による電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0059】
100:電池モジュール
110:電池セル
113:冷却フィン
115:接着層
120:電池セル積層体
300:固定部材
1000:電池パック