(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびそれを含む電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20240805BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240805BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240805BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240805BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20240805BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240805BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240805BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240805BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240805BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240805BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/211
H01M50/204 401D
H01M50/262 S
H01M50/262 P
H01M50/291
H01M50/271 S
H01M50/289 101
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/653
(21)【出願番号】P 2023506324
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 KR2022000283
(87)【国際公開番号】W WO2022149899
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003182
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ホング・ハン
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0066896(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0016326(KR,A)
【文献】特開2010-244894(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0054709(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0000551(KR,A)
【文献】特表2023-535947(JP,A)
【文献】特表2023-536453(JP,A)
【文献】特表2023-538576(JP,A)
【文献】特表2023-543748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
H01M10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体
、
前記電池セル積層体の前後面および両側面を包
み、弾性素材からなる外装部材
、
前記電池セル積層体の前後面に位置
し、前記電池セル積層体の前後面に突出した前記電池セルの電極リードをそれぞれ覆うブロック
、および
前記外装部材と前記電池セル積層体の両側面の間に位置する圧縮パッドを含み、
前記外装部材と前記電池セル積層体の前後面の間に前記
ブロックが位置し、
前記電池セル積層体の上下面が露出して
おり、
前記圧縮パッドは、前記複数の電池セルの膨張を吸収し、
前記外装部材は、前記圧縮パッドを介して前記電池セル積層体の両側面を加圧する、電池モジュール。
【請求項2】
前記電池モジュールの前記外装部材の外面が露出している、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記外装部材は前記電池セルの幅と同じ幅を有するか、それより小さい幅を有する、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記外装部材は前記電池セル積層体の下部に隣接するように位置する、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記外装部材は前記弾性素材のフィルムが前記電池セル積層体の前後面および両側面をラップして形成される、請求項
1から4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記外装部材は熱収縮チューブからなり、
前記熱収縮チューブの上下面が開放されている、請求項
1から4のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記圧縮パッドは前記電池セル積層体の側面に沿って延びている、請求項
1から6のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の電池モジュールがパックフレームに取り付けられ、
前記パックフレームは少なくとも二つの前記電池モジュールが取り付けられる下部パックフレームおよび前記少なくとも二つの電池モジュールの上部を覆う上部パックフレームを含む、電池パック。
【請求項9】
前記下部パックフレームは前記電池モジュールが取り付けられる複数のモジュール領域を含み、
前記複数のモジュール領域は前記下部パックフレームの一側面で他側面に向かって延びている複数のビームで区切られる、請求項
8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記電池セル積層体の両側面を包む前記外装部材の外面は前記ビームと互いに接する、請求項
9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記モジュール領域上に熱伝導性樹脂層がそれぞれ形成されている、請求項
9または
10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記電池セル積層体の下面は前記熱伝導性樹脂層と接する、請求項
11に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年1月11日付韓国特許出願第10-2021-0003182号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関し、より具体的には電池セルのスウェリング現象を改善し、冷却性能が向上した電池モジュールおよびそれを含む電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギ源としての二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギ源としても多くの関心を集めている。
【0004】
小型モバイル機器にはデバイス1台当り一つまたは複数の電池セルが使用されることに対して、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールはできる限り小型で軽量となるように製造されることが好ましいので、高い集積度で積層されることができ、容量に対して重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、前面と後面が開放されて電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0006】
図1は従来の電池モジュールの斜視図である。
図2は
図1の切断線A-Aに沿って切断した断面を示す図である。
図3は
図3の一部を拡大して示す図である。
【0007】
図1ないし
図3を参照すると、従来の電池モジュール10は複数の電池セル11が一方向に積層された電池セル積層体12、および電池セル積層体12を収容するモジュールフレーム30,40、電池セル積層体12の前後面をカバーするエンドプレート50およびエンドプレート50と電池セル積層体12の前後面の間に形成されたバスバーフレーム(図示せず)を含む。
【0008】
モジュールフレーム30,40は前後面と上面が開放されている下部フレーム30および上部プレート40を含み、下部フレーム30の両側面にマウンティング部35が形成されている。ここで、電池モジュール10はマウンティング部35に挿入されるマウンティングボルトにより電池パックのパックフレームに固定されるが、これは別の固定部材を要求する点で価格的に不利であり、固定部材が占める空間による電池密度の減少などの問題がある。
【0009】
電池モジュール10は電池セル積層体12の両側面に圧縮パッド15を付着した後、電池セル積層体12の両側面を加圧した状態で下部フレーム30に取り付けられる。そのため、従来の電池モジュール10は電池セル積層体12を加圧する別途の加圧工程が求められる点で、工程および生産ラインが複雑になる問題がある。
【0010】
また、
図3を参照すると、電池セル11は充放電過程で幅方向の変形11Aが発生して膨らむ。しかし、一般に圧縮パッド15は電池モジュール10の幅方向の変形を吸収するには制限的である問題がある。特に、電池セル11は充放電過程で膨張および収縮する過程を繰り返し、このような過程の中で電池モジュール10の幅方向の変形が十分に吸収されない場合、電池モジュールのスウェリング現象およびモジュールフレームの変形が発生する問題がある。
【0011】
そのため、電池モジュールの工程を比較的簡易にし、かつ電池セルの膨張および収縮による変形を十分に吸収し、冷却性能が向上した電池モジュールを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、電池セルのスウェリング現象を改善し、冷却性能が向上した電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することにある。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、第1方向に沿って積層された複数の電池セルを含む電池セル積層体;前記電池セル積層体の前後面および両側面を包む外装部材;および前記電池セル積層体の前後面に位置するセンシングブロックを含み、前記外装部材と前記電池セル積層体の前後面の間に前記センシングブロックが位置し、前記電池セル積層体の上下面が露出していてもよい。
【0015】
前記電池モジュールの前記外装部材の外面が露出していてもよい。
【0016】
前記外装部材は前記電池セルの幅と同じ幅を有するか、それより小さい幅を有し得る。
【0017】
前記外装部材は前記電池セル積層体の下部に隣接するように位置し得る。
【0018】
前記外装部材は弾性素材からなってもよい。
【0019】
前記外装部材は前記弾性素材のフィルムが前記電池セル積層体の前後面および両側面をラップして形成され得る。
【0020】
前記外装部材は熱収縮チューブからなり、前記熱収縮チューブの上下面が開放されていてもよい。
【0021】
前記外装部材と前記電池セル積層体の両側面の間に圧縮パッドが位置し得る。
【0022】
前記圧縮パッドは前記電池セル積層体の側面に沿って延びていてもよい。
【0023】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、上述した電池モジュールがパックフレームに取り付けられ、前記パックフレームは少なくとも二つの前記電池モジュールが取り付けられる下部パックフレームおよび前記少なくとも二つの電池モジュールの上部を覆う上部パックフレームを含む。
【0024】
前記下部パックフレームは前記電池モジュールが取り付けられる複数のモジュール領域を含み、前記複数のモジュール領域は前記下部パックフレームの一側面で他側面に向かって延びている複数のビームで区切られ得る。
【0025】
前記電池セル積層体の両側面を包む前記外装部材の外面は前記ビームと互いに接し得る。
【0026】
前記モジュール領域上に熱伝導性樹脂層がそれぞれ形成されていてもよい。
【0027】
前記電池セル積層体の下面は前記熱伝導性樹脂層と接し得る。
【発明の効果】
【0028】
実施形態によれば、本発明は電池セル積層体の前後面および両側面を包む外装部材を含んで、電池セルのスウェリング現象を改善し、冷却性能が向上した電池モジュールおよびそれを含む電池パックを提供することができる。
【0029】
本発明の効果は上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付する図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】
図1の切断線A-Aに沿って切断した断面を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【
図6】
図4の切断線B-Bに沿って切断した断面を示す図である。
【
図7】本発明の他の一実施形態による電池パックの斜視図である。
【
図8】
図7の電池パックにおける上部パックフレームを分解した斜視図である。
【
図9】
図7の電池パックの構成要素を分解した斜視図である。
【
図10】
図7の切断線C-Cに沿って切断した断面の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0032】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0033】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明は必ずしも示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを誇張して示した。そして図面で、説明の便宜上一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0034】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0035】
また、明細書全体で、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0036】
以下では、本発明の実施形態による電池モジュールについて説明する。ただし、ここで電池モジュールの前後面のうち前面を基準として説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく後面である場合にも同一または類似の内容で説明されることができる。
【0037】
図4は本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
図5は
図4の電池モジュールの分解斜視図である。
図6は
図4の切断線B-Bに沿って切断した断面を示す図である。
【0038】
図4および
図6を参照すると、本実施形態による電池モジュール100は、第1方向に沿って積層された複数の電池セル110を含む電池セル積層体120;電池セル積層体120の前後面および両側面を包む外装部材150;および電池セル積層体120の前後面に位置するセンシングブロック170を含む。
【0039】
外装部材150に包み込んでいる電池セル積層体120は複数の電池セル110が積層されているが、電池セル110はパウチ型電池セルであることが好ましい。電池セル110は電極組立体を樹脂層と金属層を含むラミネートシートのパウチケースに収納した後前記パウチケースのシーリング部を熱融着して製造されることができる。このような電池セル110は複数個で構成されることができ、複数の電池セル110は相互電気的に連結されるように積層された電池セル積層体120を形成する。
【0040】
図5および
図6を参照すると、外装部材150と電池セル積層体120の前後面の間にセンシングブロック170が位置することができる。ここで、センシングブロック170は電極リード(図示せず)が突出した電池セル積層体120の前後面をそれぞれ覆う。また、センシングブロック170は一種のバスケット形状を有し、電池セル積層体200の前記前面および前記後面をそれぞれ覆うように構成されることができる。ここで、センシングブロック170には少なくとも一つのスリット(図示せず)が形成され、センシングブロック170が配置される時電池セル110の電極リード(図示せず)が前記スリットを通過して、電極リード接合体が形成されることができる。
【0041】
そのため、外装部材150は電池セル積層体120の前後面に位置するセンシングブロック170を共に包むようになり、本実施形態による電池モジュール100はセンシングブロック170の前記スリットを通過して形成された電極リード接合体などに対する絶縁性能を確保することができる。
【0042】
一例として、センシングブロック170は電気的絶縁を示す素材を含み得、一例としてプラスチック素材、高分子素材または複合素材を含むことができる。ただし、これに限定されるものではなく、少なくとも一つのスリットが形成され得る剛性を確保しながらも、電気絶縁性を有する物質であれば制限なく適用することができる。
【0043】
図4ないし
図6を参照すると、外装部材150は電池セル積層体120の外面を包むことができる。ここで、外装部材150は両側面および前後面からなる部材であって、上下面が開放されている。すなわち、電池セル積層体120は外装部材150により両側面および前後面が包まれ、上下面が開放されていることができる。言葉を変えれば、電池セル積層体120の上下面は露出していることができる。
【0044】
一例として、外装部材150は弾性素材からなる。前記弾性素材はポリエチレン(PE,Polyethylene)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE,Polytetrafluoroethylene)のような物質のうち少なくともいずれか一つからなる。ここで、外装部材150は前記弾性素材のフィルムあるいは熱収縮チューブが前記電池セル積層体の外面をラップ(wrapping)して形成されることができる。ここで、前記熱収縮チューブは上下面が開放されている。ただし、これに限定されるものではなく、外部衝撃を効果的に吸収しながらも、電池セル積層体120に含まれた電池セル110を十分に加圧できる弾性を持つ物質であれば制限なく適用することができる。
【0045】
そのため、本実施形態で、外装部材150は電池セルのスウェリング現象を防止して、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。これと共に、外装部材150はそれ自体で弾性を有しており、電池セル110の体積変化によって変形されることを最小化できる利点がある。
【0046】
また、外装部材150の両側面および前後面は電池セル積層体120を包む前に、それぞれ電池セル積層体の外面の大きさと対応する大きさを有することができる。一例として、外装部材150の両側面は電池セル積層体120の側面と同じ大きさを有するか、それより小さい大きさを有することができる。また、外装部材150の前後面は電池セル積層体120の上下面と同じ大きさを有するか、それより小さい大きさを有することができる。
【0047】
そのため、本実施形態で、外装部材150は電池セル積層体120を一定の方向に加圧し、電池セル積層体120を包むことができる。すなわち、外装部材150は電池セル積層体120に含まれた電池セル110を一定の方向に加圧して、電池セルのスウェリング現象を防止し、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。また、電池セル積層体120が外装部材150に包まれる工程により、電池セル積層体120が同時に加圧され、別に電池セル積層体120を加圧する工程が必要でないので、工程および生産ラインが簡易になる。
【0048】
また、外装部材150は電池セル120の幅と同じ幅を有するか、それより小さい幅を有することができる。一例として、外装部材150は電池セル積層体120の下部に隣接するように位置することができる。そのため、本実施形態で、外装部材150の面積を最小化しながらも、電池セルのスウェリング現象を防止して、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。
【0049】
また、外装部材150は電池セル積層体120を包んだ状態で、外装部材150の外面が露出していることができる。すなわち、後述する工程で電池モジュール100が電池パック1000のパックフレーム1200,1300に取り付けられる場合、外装部材150がパックフレーム1200,1300と接することができる。
【0050】
そのため、本実施形態で、外装部材150が従来の電池モジュール10でのモジュールフレーム30,40の代わりとなることができ、工程およびコストの効率性を増大させ得る利点がある。
【0051】
また、外装部材150の内面に電池セル積層体120の外面がそれぞれ付着している。ここで、外装部材150に含まれた弾性素材自体が接着力を有することができる。また、外装部材150と電池セル積層体120は外装部材150の内面と電池セル積層体120の外面の間の摩擦力により固定されている。また、外装部材150と電池セル積層体120の間に別途の接着層が形成されていることができる。
【0052】
一例として、前記接着層はそれぞれテープからなるか、接着性バインダがコートされて形成されることができる。より好ましくは、前記接着層は接着性バインダでコートされるか両面テープからなり、電池セル積層体120と外装部材150が容易に固定されることができる。ただし、これに限定されるものではなく、電池セル110間あるいは電池セル110と外装部材150の間を互いに固定させ得る接着性能を持っている物質であれば制限なく適用することができる。
【0053】
そのため、電池セル積層体120は外装部材150内に安定的に収容されていることができる。
【0054】
図4ないし
図6を参照すると、外装部材150と電池セル積層体120の外側面間に圧縮パッド115が位置する。ここで、圧縮パッド115は電池セル積層体120の外側面に沿って延びている。また、圧縮パッド115は電池セル積層体120の外側面に比べて同一であるか小さい大きさを有することができる。
【0055】
一例として、圧縮パッド115はポリウレタン素材のパッドであり得る。ただし、これに限定されるものではなく、電池セル110の膨張時に体積変化を吸収できるほどの素材であれば適用可能である。
【0056】
そのため、圧縮パッド115は電池セル積層体120に含まれた電池セル110で発生する膨張を容易に吸収して、外装部材150が電池セル積層体120の外面を加圧することを補助することができる。
【0057】
また、圧縮パッド115と電池セル110は外装部材150から加えられる面圧によって固定されることができる。そのため、圧縮パッド115と電池セル110は別の接着層がなくとも互いに安定的に固定されていることができる。
【0058】
また、圧縮パッド115と電池セル110の間に接着層が位置することができる。一例として、前記接着層は両面テープまたは接着剤のような接着部材によって形成されることができる。ただし、前記接着層は上述した内容に限定されず、電池セル110および圧縮パッド115を互いに固定させることができる接着性能を持っている物質であれば制限されない。
【0059】
そのため、本実施形態の電池モジュール100は電池セル110と圧縮パッド115の間が相互接着されることができ、電池セル積層体120の前記第1方向(積層方向)への剛性およびエネルギ密度がより向上することができる。
【0060】
図7は本発明の他の一実施形態による電池パックの斜視図である。
図8は
図7の電池パックにおける上部パックフレームを分解した斜視図である。
図9は
図7の電池パックの構成要素を分解した斜視図である。
【0061】
図7ないし
図8を参照すると、本発明の他の一実施形態による電池パック1000は前記で説明した電池モジュール100を含む。一方、電池モジュール100は一つまたはそれ以上がパックフレーム1200,1300内にパッケージングされ、電池パック1000を形成することができる。
【0062】
より具体的には、
図8を参照すると、下部パックフレーム1300は電池モジュール100が取り付けられる複数のモジュール領域を含み、前記複数のモジュール領域は下部パックフレーム1300の一側面で他側面に向かって延びている複数のビーム1310で区切られる。複数のビーム1310は電池パック1000が取り付けられるデバイスの進行方向を基準として垂直あるいは水平方向に延びている。一例として、前記デバイスは自動車であり得、複数のビーム1310は電池パック1000が取り付けられる自動車の進行行方向を基準として垂直あるいは水平方向に延びていることができる。
【0063】
また、
図8および
図9を参照すると、本実施形態による電池パック1000で、複数のビーム1310で区分される前記モジュール領域上に熱伝導性樹脂層1340がそれぞれ形成されていることができる。一例として、熱伝導性樹脂層1340は複数のビーム1310で区分される前記モジュール領域に取り付けられる電池モジュール100と対応する位置にそれぞれ形成されていることができる。
【0064】
一例として、熱伝導性樹脂層1340は下部パックフレーム1300上に熱伝導性樹脂が塗布されて形成されることができる。すなわち、電池モジュール100が前記モジュール領域上に取り付けられる前に、あらかじめ塗布されている前記熱伝導性樹脂が硬化することにより、熱伝導性樹脂層1340が形成されることができる。そのため、熱伝導性樹脂が硬化することにより、電池モジュール100の下面と下部パックフレーム1300が互いに安定的に固定されることができる。また、別途の固定部材が求められない点で、価格競争力が向上して、電池密度が増加する利点がある。
【0065】
図10は
図7の切断線C-Cに沿って切断した断面の一部を示す図である。
図11は
図10の一部を拡大して示す図である。
【0066】
図9および
図10を参照すると、本実施形態による電池パック1000で、電池モジュール100の電池セル積層体120の下面が露出しており、電池セル積層体120の下面と熱伝導性樹脂層1340は互いに接することができる。そのため、電池セル積層体120の内部で発生した熱が熱伝導性樹脂層1340に直接伝達されることができ、電池モジュール100の冷却性能がより向上することができ、電池セル110の寿命もまた向上することができる。
【0067】
図10および
図11を参照すると、本実施形態による電池パック1000で、電池モジュール100の外装部材150の外面がビーム1310と互いに接することができる。より具体的には、電池セル積層体120の両側面を包む外装部材150の外面がビーム1310と互いに接することができる。ここで、電池パック1000の充放電過程で発生する幅方向の変形110Aに対して、ビーム1310はビーム1310と接する外装部材150の外面を加圧することができる。
【0068】
一例として、ビーム1310は弾性素材からなる。前記弾性素材は板ばねのようなスチール素材であるかプラスチック射出物材質のうち少なくともいずれか一つからなる。ただし、これに限定されるものではなく、外部衝撃を効果的に吸収しながらも、電池モジュール100の外装部材150の外面を十分に加圧できる弾性を持つ物質であれば制限なく適用することができる。
【0069】
そのため、本実施形態による電池パック1000は電池モジュール100の両側面をビーム1310により電池モジュール100の幅方向、言葉を変えれば電池セル積層体120の積層方向に弾性力を有し、電池モジュール100で発生する電池セルのスウェリング現象を防止して、電池モジュールの寸法安定性を向上させることができる。
【0070】
前述した電池モジュールおよびそれを含む電池パックは多様なデバイスに適用することができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用することが可能であり、これもまた本発明の権利範囲に属する。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0072】
100 電池モジュール
110 電池セル
115 圧縮パッド
120 電池セル積層体
150 外装部材
170 センシングブロック
1000 電池パック
1200 上部パックフレーム
1300 下部パックフレーム
1310 ビーム
1340 熱伝導性樹脂層