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  • 特許-軸受組立体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】軸受組立体
(51)【国際特許分類】
   F16C 35/06 20060101AFI20240805BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20240805BHJP
   F16H 1/28 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
F16C35/06 Z
F16B5/02 E
F16H1/28
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018242701
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2019120406
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】10 2018 200 055.7
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508282993
【氏名又は名称】アクティエボラゲット・エスコーエッフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ティルマン・ハール
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・レック
(72)【発明者】
【氏名】インゴ・シュルツ
【審査官】角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103075431(CN,A)
【文献】特開2008-168817(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101280809(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 35/06-35/078
F16B 5/02
F16H 1/28- 1/36
1/46- 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の担持要素(2)を第2の担持要素(4)に対して回転可能に支持するための軸受組立体(1)であって、該軸受組立体は(1)、共通の回転の軸(10)の周りに回転可能である第1の部品(6)および第2の部品(8)を備え、前記第1の部品(6)は、少なくとも1つの第1の取付手段(16)を使用して前記第1の担持要素(2)に取り付け可能であり、前記第2の部品(8)は、少なくとも1つの第2の取付手段(18)を使用して前記第2の担持要素(4)に取り付け可能であり、
前記第1の部品(6)は少なくとも1つの第1の貫通孔を備え、前記第2の部品(8)は少なくとも1つの第2の貫通孔を備え、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは互いに対して連続して配置されて、これにより前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは互いに位置合わせされ、前記第2の取付手段(18)は、前記第1の貫通孔を通じて前記第2の貫通孔内へと滑り込むことができ、前記第2の部品(8)は前記第2の担持要素(4)に取り付けられ、前記第1の取付手段(16)は、前記第1の貫通孔内へと滑り込むことができ、前記第1の部品(6)を前記第1の担持要素(2)へと取り付け、
前記第1の部品および第2の部品はリングギヤであって、一体として歯車機構を構成し、前記共通の回転の軸は、2つの前記部品が支持される中心シャフトであり、または前記第1の部品および第2の部品は、前記中心シャフトを通じて互いに接続された2つの軸受けであることを特徴とする軸受組立体(1)。
【請求項2】
前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔は、前記共通の回転の軸(10)に対して同軸に延びる、請求項1に記載の軸受組立体(1)。
【請求項3】
前記第2の取付手段(18)は、前記第2の取付手段(18)を前記第2の担持要素(4)に取り付けるための工具を受け入れるための内部輪郭(20)を含む、請求項1または2に記載の軸受組立体(1)。
【請求項4】
前記第1の取付手段(16)は、前記第1の取付手段(16)を前記第1の部品(6)に取り付けるための工具を受け入れるための外部輪郭(22)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項5】
前記第1の貫通孔はねじ山を備え、前記第1の担持要素(2)は支持区域を含み、前記第1の取付手段(16)は、前記第1の貫通孔の前記ねじ山に係合し、前記第1の担持要素(2)の前記支持区域においてそれ自体を支持させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項6】
前記第2の担持要素(4)はねじ山を備え、前記第2の部品(8)は支持区域を含み、前記第2の取付手段(18)は、前記第2の担持要素(4)の前記ねじ山に係合し、前記第2の部品(8)の前記支持区域においてそれ自体を支持させるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項7】
前記軸受組立体(1)は、前記第1の部品(6)と前記第1の担持要素(2)との間、および/または前記第2の部品(8)と前記第2の担持要素(4)との間に配置される少なくとも1つの第3の部品を含み、前記第3の部品は、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔と位置合わせ可能な少なくとも1つの凹部を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項8】
前記軸受組立体(1)は変速装置筐体内に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項9】
前記第1の部品(6)および前記第2の部品(8)はラジアル軸受またはアキシアル軸受である、請求項1から8のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)。
【請求項10】
第1の担持要素(2)と、第2の担持要素(4)と、前記第1の担持要素(2)を前記第2の担持要素(4)に対して回転可能に支持するための、請求項1から9のいずれか一項に記載の軸受組立体(1)と、を備えるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前提部による、第1の担持要素を第2の担持要素に対して回転可能に支持するための軸受組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の担持要素を他方の担持要素に対して枢動または回転させることができるように、2つの担持要素を連結するために、例えばロボットのアームを基部に連結するために、軸受要素が使用され得る。これらの軸受要素は、単純な軸受とすることができるが、例えば遊星変速装置など、より複雑な構造とすることもできる。
【0003】
これらの軸受要素は、互いに対して回転可能に支持される担持要素間に配置され得る。ここで、軸受要素は共通の回転の軸の周りに回転可能であり、共通のシャフトに配置され得る。個々の要素、つまり2つの担持要素と軸受要素とを互いに取り付けるために、公知のシステムでは、すべての要素が配置され、次に第1の部品、つまり第1の軸受要素が、例えばアームといった第1の担持要素に取り付けられ、そのとき、取付ボルトまたは取付ねじが、第1の担持要素の外部から第1の担持要素を通じて第1の部品へと導入される。続いて、例えば基部といった第2の担持要素が、第2の部品、つまり第2の軸受に取り付けられ、そのとき、取付ボルトまたは取付ねじが、第2の担持要素の外部から第2の担持要素を通じて第2の部品へと導入される。ここで、2つの異なる取付方向(1つは第1の担持要素の外部からで、1つは第2の担持要素の外部から)があり、それによって完全に自動化された取付工程が実現するのに困難であることは、不利である。
【0004】
代替で、個々の要素を配置した後で、両取付ボルトまたは取付ねじを、2つの軸受要素、つまり異なる直径を有する第1の部品および第2の部品によって、同じ側、例えば第1の担持要素の側から導入することができる。このようにして、組み立てられた状態におけるボルトを受け入れるための開口に、両方の部品において一方の側から到達できる。しかしながら、これは、その比較的小さい大きさが比較的小さい荷重しか支持できないことによる比較的小さい荷重能力を有する比較的小さい部品、および/または比較的大きい重量を有する比較的大きい部品のいずれかに通じることになり、そのためより高価となるか、またはシャフトにおいて不均一な荷重分布をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、軸受組立体によって、第1および第2の担持要素がより単純に回転可能に支持でき、第1および第2の担持要素への軸受組立体の自動化された取付工程が可能である軸受組立体を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、特許請求項1による軸受組立体によって達成される。
【0007】
ここで、軸受組立体は、第2の担持要素における第1の担持要素の回転可能な支持のために寄与し、共通の回転の軸の周りで回転可能である第1の部品および第2の部品を備える。第1の部品は、少なくとも1つの第1の取付手段を使用して第1の担持要素に取り付け可能であり、第2の部品は、少なくとも1つの第2の取付手段を使用して第2の担持要素に取り付け可能である。
【0008】
取付けを単純化し、自動化された取付けを可能とするために、第1の部品は少なくとも1つの第1の貫通孔を備え、第2の部品は少なくとも1つの第2の貫通孔を備える。第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、互いに位置合わせされるように連続して配置される。次に、第2の取付手段は、第2の部品を第2の担持要素に取り付けるために、第1の貫通孔を通じて第2の貫通孔へと押し込むことができる。次に、第1の取付手段は、第1の部品を第1の担持要素に取り付けるために、第1の貫通孔へと押し込むことができる。
【0009】
第1の担持要素は、例えばロボットの枢動可能アームであり得る。第2の担持要素は、例えばロボットの本体であり得る。第2の担持要素は、第1の担持要素に対する相対的な基準システムを表す基礎要素として言及され得る。
【0010】
第1の部品と第2の部品とは、一体として歯車機構を構成できる。例えば、第1の部品と第2の部品とは遊星歯車機構の部品を構成でき、2つの部品はリングギヤであり得る。この場合、共通の回転の軸は、2つの部品が張出すように支持される中心シャフトであり得る。代替で、2つの部品は、中心シャフトを介して互いに連結される2つの軸受であってもよい。
【0011】
第1の貫通孔を通じた第2の貫通孔への第2の取付手段の通過のため、取付けは、一方の側、つまり第1の担持要素の側からもたらすことができる。そのため、他方の側、つまり、第2の担持要素の側からの取付けは、必要とされない。したがって、取付工程は、アクセスが一方の側だけからの単純に行えるため、完全に自動化して進めることができる。さらに、2つの部品の異なる直径が必要とされない。
【0012】
第1の貫通孔および第2の貫通孔は、共通の回転の軸に対して同軸または径方向に延びることができる。
【0013】
これは軸受の設計に依存する。軸受がラジアル軸受である場合、貫通孔は共通の回転の軸に対して径方向に延びる。2つの部品がアキシアル軸受である場合、貫通孔は共通の回転の軸に対して同軸に延びる。
【0014】
一実施形態によれば、第2の取付手段は、第2の取付手段を第2の担持要素に取り付けるための工具を受け入れるための内部輪郭を有する。
【0015】
ここで、内部輪郭は、例えば、六角形の内部輪郭であり得る。第2の取付手段が工具を受け入れるための内部輪郭を有するため、貫通孔は、取付手段だけが導入されるように寸法決定できる。工具が内部から取付手段に係合するため、工具のための追加の空間は存在してはいけない。
【0016】
第1の取付手段は、第1の取付手段を第1の部品に取り付けるための工具を受け入れるための外部輪郭を有することができる。
【0017】
ここで、外部輪郭も六角形の輪郭とすることができる。ここで、第1の取付手段は、取付けの後に第1の担持要素から突出することができる。代替で、第1の担持要素は、外部輪郭の深さに対応する凹部を備え、これにより外部輪郭が凹部内へと埋め込まれることができるようにしてもよい。凹部の直径は、外部輪郭を工具によって包囲させることができるだけの十分な大きさである。第1の取付手段が外部輪郭の代わりに内部輪郭を有することも可能である。内部輪郭は、例えばねじ回しを受け入れるための細長い溝であってもよい。
【0018】
第1の担持要素を第1の部品に連結するために、第1の貫通孔はねじ山を有することができ、第1の担持要素は支持区域を有することができる。
【0019】
そのため第1の取付手段は、第1の貫通孔のねじ山に係合し、第1の担持要素の支持区域において支持される。このようにして、第1の担持要素は、張力によって第1の部品に連結され得る。ここで、支持区域は、直接的に第1の担持要素の一部であり得るか、または座金などによって形成され得る。
【0020】
第2の担持要素はねじ山を備えることができ、第2の部品は支持区域を備えることができる。ここで、第2の取付手段は、第2の担持要素のねじ山に係合し、第2の取付手段を第2の部品の支持区域に支持させるように構成される。
【0021】
ここで、第2の部品の支持区域は、第2の取付手段が第2の部品において支持され得るように、第2の部品へと組み込まれる。ここで、取付手段は第2の部品において完全に消える。
【0022】
少なくとも1つの第3の部品が、第1の部品と第1の担持要素との間、および/または第2の部品と第2の担持要素との間にそれぞれ配置され得る。ここで、第3の部品は、第1の貫通孔および第2の貫通孔と位置合わせ可能な少なくとも1つの凹部を備える。
【0023】
第3の部品は、例えば第1の部品と第1の担持要素との間に間隔を提供するために、および/または第2の部品と第2の担持要素との間に間隔を提供するために、使用できる。第3の部品は、例えば凹部に相当する孔を有する円板として構成できるか、または径方向において波形とされた円板として構成できる。ここで、波形とされた円板の谷は凹部に相当する。
【0024】
軸受組立体は、例えば変速装置筐体に配置される遊星変速装置であり得る。この場合、第1の部品および第2の部品は、遊星変速装置の2つの部品に相当できる。ここで、例えば基礎要素といった第2の担持要素へと連結される第2の部品は、第1の部品に連結される第1の担持要素を制御する。第1の部品と第2の部品とは、異なる回転速度が第1の担持要素と第2の担持要素との間で可能となるように、変換ステップを形成できる。
【0025】
第1の部品と第2の部品とは、両方ともラジアル軸受として、または両方ともアキシアル軸受として、構成できる。これに依存して、貫通孔は、先に説明したように、回転の軸に対して同軸または径方向に配置され得る。
【0026】
軸受組立体は、例えばロボットに使用できる。これは、軸受組立体によって互いに対して回転可能または枢動可能に支持される第1の担持要素および第2の担持要素を備える。第1の担持要素は、第2の担持要素に対して回転可能または枢動可能に配置されることになるロボットの部品であり得る。ここで、第2の担持要素は、第1の担持要素のための固定された基準システムに相当し、それ自体がさらなる担持要素に対して回転可能に支持され得る。第1の担持要素は、例えばロボットのアームまたはアームの部品であり、ロボットのアームの場合、第2の担持要素はロボット本体とすることができ、ロボットのアームの部品の場合、第2の担持要素はロボットアームのさらなる部品とすることができる。軸受組立体は、第1の担持要素と第2の担持要素との間の関節として機能できる。
【0027】
さらなる態様によれば、第2の担持要素における第1の担持要素の回転可能な支持のための方法が提案される。ここで、第1のステップにおいて、第1の担持要素と第2の担持要素とが配置され、軸受組立体がこれら2つの担持要素の間に配置される。軸受組立体は、共通の回転の軸の周りに回転可能である第1の部品および第2の部品を備え、第1の部品は、少なくとも1つの第1の取付手段を使用して第1の担持要素に取り付け可能であり、第2の部品は、少なくとも1つの第2の取付手段を使用して第2の担持要素に取り付け可能である。
【0028】
第1の部品は少なくとも1つの第1の貫通孔を備え、第2の部品は少なくとも1つの第2の貫通孔を備える。第2のステップにおいて、第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、互いに位置合わせされるように連続して配置され、第2の取付手段は、第1の貫通孔を通じて第2の貫通孔へと滑り込むことができる。第2の取付手段がそれに応じて第3のステップで押し通される場合、第2の取付手段は第2の部品を第2の担持要素に取り付ける。
【0029】
第4のステップでは、第1の取付手段は、第1の貫通孔へと押し込まれ、第1の部品を第1の担持要素に取り付ける。
【0030】
さらなる利点および有利な実施形態が、説明、図面、および請求項において明示されている。ここで、具体的には、説明および図面において明示されている特徴の組み合わせは純粋に例示であり、そのため特徴は、個別に存在することもできるか、または他の方法で組み合わせることもできる。
【0031】
以下において、本発明は、図面に描写されている例示の実施形態に基づいて、より詳細に記載されている。ここで、例示の実施形態、および、例示の実施形態で示した組み合わせは、純粋に例示であり、本発明の範囲を定めるように意図されていない。この範囲は、継続中の請求項のみによって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の担持要素および第2の担持要素の回転可能な支持のための軸受組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下において、同一または機能的に同等の要素は、同じ符号によって示されている。
【0034】
図1は、例えば基部4にあるロボットのアーム2といった、2つの担持要素2、4を回転可能に支持するように構成されている軸受組立体1を示している。軸受組立体1は、共通の回転の軸10(概略的に示されているだけである)の周りに回転可能である第1の部品6および第2の部品8から成る。第1の部品6および第2の部品8は、単純な軸受とすることができるが、例えば遊星変速装置の部品など、より複雑な構造とすることもできる。遊星変速装置の場合、軸受組立体1は、変速装置筐体に配置される遊星変速装置であり得る。したがって、第1の部品6および第2の部品8は共通のシャフトに配置されている。図1で示しているように、第1の部品6および第2の部品8は、遊星変速装置の部品である歯車28、30を備え得る。さらに、リングギヤ24、26は第1および第2の部品6、8の要素であり得る。
【0035】
個々の要素2、4、6、8を互いに取り付けるために、すべての要素が最初に配置される。単純な自動化された取付けを可能にするために、図1に示した軸受組立体1は、一方の側からの取付けを提供する。
【0036】
以下において、この取付けは図1を参照して記載されている。
【0037】
第1の部品6は少なくとも1つの第1の貫通孔を備え、第2の部品8は少なくとも1つの第2の貫通孔を備える。第1の貫通孔と第2の貫通孔とは、互いに位置合わせされるように互いに対して連続して配置される。各々の部品6、8は、2つ以上の貫通孔を備えてもよい。
【0038】
始めに、例えば取付ボルトまたは取付ねじといった第2の取付手段18が、第2の部品8を第2の担持要素4に取り付けるために、第1の貫通孔を通じて第2の貫通孔へと押し込まれる。第2の部品8と第2の担持要素4とを留め付けるために、第2の取付手段18は、第2の担持要素4における相手のねじ山に係合するねじ山を備える。第2の取付手段18の反対側には内部輪郭20が設けられており、第2の取付手段18を回転させるために、工具が内部輪郭20へと係合できる。さらに、支持区域が第2の部品8に設けられており、その支持区域において、第2の取付手段18のねじ山の反対である端が支持され得る。
【0039】
続いて、例えば取付ボルトまたは取付ねじといった第1の取付手段16が、第1の部品6を第1の担持要素2に取り付けるために、第1の貫通孔へと押し込まれ得る。第1の部品6と第1の担持要素2とを留め付けるために、第1の取付手段16も、第1の部品6における相手のねじ山に係合するねじ山を備える。第1の取付手段16の反対側には外部輪郭22が設けられており、第1の取付手段16を回転させるために、外部輪郭22は工具の周りに係合できる。ここで、第1の担持要素2は、第1の取付手段16のねじ山の反対である端が支持され得る支持区域に相当する。代替で、支持区域は座金などによって形成されてもよい。
【0040】
第1の担持要素2と第1の部品6とが、および第2の部品8と第2の担持要素4とが、各々互いに取り付けられた後、軸受組立体1は、第2の担持要素4において第1の担持要素2を回転可能に支持する。ここで、取付けは、一方の側12だけから、同じ高さにおいて行われる。そのため、部品6、8が異なる直径を有する必要は必ずしもないが、必要な場合には有することができる。
【0041】
今まで知られてきた軸受組立体では、両方の外側から取付けを実施することが必要であった。この目的のために、取付ボルトまたは取付ねじ16は、第1の担持要素2の側から第1の担持要素2を通じて第1の部品6へと導入された。続いて第2の担持要素4が第2の部品8へと取り付けられ、そのとき、取付ボルトまたは取付ねじ18が、第2の担持要素4の側から第2の担持要素4を通じて第2の部品8へと導入された。しかしながら、2つの異なる取付方向のため、完全に自動化された取付工程を実現することが難しかった。
【0042】
今まで知られていた代替の取付けの可能性は、実際、一方の側から行われていたが、第2の部品8が第1の部品6より大きい直径を有する必要があった。第1の部品6と第1の担持要素2とは、取付ねじ16を使用して左から互いに取り付けられた。第2の部品8と第2の担持要素4とは、同じく取付ねじ18を使用して左から互いに取り付けられたが、第1の部品6および第1の担持要素2と異なる直径においてであった。これは、ある部品をより小さくする必要があることとなり、そのため比較的小さい荷重を支えることしかできない。
【0043】
これらの欠点は、図1において提案された軸受組立体1によって回避されている。第1の貫通孔を通じた第2の貫通孔への第2の取付手段18の通過のため、取付けは、一方の側だけから、つまり第1の担持要素2の側からもたらすことができる。したがって、取付工程は、アクセスが一方の側だけからの単純に行えるため、完全に自動化して進めることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 軸受組立体
2 第1の担持要素
4 第2の担持要素
6 第1の部品
8 第2の部品
10 回転の軸
12 取付方向
16 第1の取付手段
18 第2の取付手段
20 内部輪郭
22 外部輪郭
24 リングギヤ
26 リングギヤ
28 歯車
30 歯車
図1