(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】電気駐車ブレーキアクチュエータのためのケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
H01R4/48 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019126594
(22)【出願日】2019-07-08
【審査請求日】2022-05-13
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヴァッツェク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ザニーニ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ケーザー
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-024575(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1867277(KR,B1)
【文献】特開平10-136540(JP,A)
【文献】特開2018-095248(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03275748(EP,A1)
【文献】特表2006-518255(JP,A)
【文献】特開2005-251564(JP,A)
【文献】特開2017-005950(JP,A)
【文献】特開2017-225290(JP,A)
【文献】特開平05-283113(JP,A)
【文献】米国特許第05447455(US,A)
【文献】特表2009-508462(JP,A)
【文献】特開2012-192497(JP,A)
【文献】特開2016-111783(JP,A)
【文献】特開2007-153313(JP,A)
【文献】特開平09-182360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48- 4/56
H02G 3/22- 3/40
B25J 1/00-21/02
B60T 1/00- 7/10
B60T 10/00-17/22
F16D 49/00-71/04
H02K 5/00- 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータハウジング内に収容可能な電気端子と、ケーブルコネクタ組立体を有するモータを有し、
前記ケーブルコネクタ組立体は、第1のプレス部材収容部を有する第1のケーブルコネクタを含み、第1のプレス部材収容部は第1の導電性コンタクト及び第1の壁部分を含み、
前記第1の導電性コンタクトと接触するように前記第1のケーブルコネクタ上に配置可能な第1のケーブル端子を有するケーブルと、
前記第1の壁部分及び第1のケーブル端子と接触するように前記第1のプレス部材収容部へ挿入可能な第1のプレス部材であって、前記第1のケーブル端子を前記第1の導電性コンタクトに対して保持する第1のプレス部材と、
を備え、
前記モータの電気端子は前記ケーブルコネクタ組立体の前記第1の導電性コンタクトに電気的に接続されており、
前記第1の導電性コンタクトとしての前記モータの電気端子は、前記第1のプレス部材収容部へ挿入可能であるアクチュエータ。
【請求項2】
前記第1のプレス部材はバネ要素であり、前記バネ要素は、V字形又はU字形のバネである、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1のケーブルコネクタは、さらに、前記第1のプレス部材収容部に又はそれに隣接する位置にケーブル案内部を有し、前記ケーブルは少なくとも一部が前記ケーブル案内部に収容可能であり、前記ケーブル案内部は、互いに離間した第1及び第2のケーブル案内スロットを含み、前記第1及び第2のケーブル案内スロットの各々は、前記ケーブルを内部へつないで収容する寸法とされている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記ケーブル案内部は、前記第1及び第2のケーブル案内スロットのあいだにケーブル案内チャンバを含み、前記ケーブル案内部は、ケーブル端子を導電性コンタクトへ方向付けるための、面取りされた表面を有する端子方向付け肩部を備える、請求項3に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項5】
前記ケーブルは二つの前記ケーブル端子を有し、さらに前記第1及び第2のケーブルコネクタのそれぞれの導電性コンタクトに対して前記ケーブル端子を保持する第2のケーブルコネクタ及び第2のプレス部材を含み、第2のケーブルコネクタ及び第2のプレス部材のそれぞれは、前記第1のケーブルコネクタ及び第1のプレス部材と同じ形態を有する請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1のケーブルコネクタ及び前記第2のケーブルコネクタは、個別の部品として設けられている、請求項5に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項7】
前記ケーブル案内部は、前記ケーブルが、二つの前記プレス部材収容部のあいだで蛇行形、U字形、又はS字形の経路を画定するような形状とされている、請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
二つの前記ケーブルが設けられ、前記ケーブルの各ケーブル端子を前記ケーブルコネクタのそれぞれの導電性コンタクトに対して保持するための第3及び第4の前記ケーブルコネクタ及び第3及び第4のプレス部材がさらに設けられ、二つの
前記ケーブルの一方のための前記プレス部材収容部は、二つの
前記ケーブルの他方のための前記プレス部材収容部に関して対称的に配置されている、請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1のプレス部材収容部は、導電性コンタクトに接し
、該導電性コンタクトの過剰挿入を防ぐストップ部を有する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第1のプレス部材収容部は、前記第1のプレス部材をその中に保持するためのプレス部材保持手段を含んでおり、前記第1のプレス部材収容部は、前記第1のケーブルコネクタ内の凹部として形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第1のケーブルコネクタのコネクタ本体は、前記第1のプレス部材の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する材料から形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記第1のプレス部材は、前記第1のプレス部材収容部に収容可能な楔留めする要素として形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記第1のプレス部材の幅は、弛緩状態で、前記第1の導電性コンタクトと前記第1のプレス部材収容部の前記第1の壁部分とのあいだの間隔の50%から150%のあいだである、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記第1のプレス部材収容部は、前記アクチュエータハウジングと一体的に形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
アクチュエータのケーブルコネクタ組立体を請求項1に記載のアクチュエータのモータの電気端子へ接続する方法であって、
[a]前記第1の導電性コンタクトとして作用するよう、前記モータの前記電気端子をケーブルコネクタ組立体へ挿入する段階、
[b]前記ケーブルコネクタ組立体のケーブルのケーブル端子を前記ケーブルコネクタ組立体の前記第1のプレス部材収容部へ挿入する段階、
[c]前記ケーブルコネクタ組立体の前記プレス部材を前記プレス部材収容部へ挿入して、前記ケーブル端子を前記第1の導電性コンタクトに接触するよう付勢する段階であって、前記第1のプレス部材によって前記ケーブル端子と前記第1の壁部分とのあいだに与えられる力で、前記ケーブル端子を前記第1の導電性コンタクトと接触して保持する段階、
を含む方法。
【請求項16】
前記アクチュエータは、電気駐車ブレーキアクチュエータである、請求項1に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] この開示は、ケーブルコネクタ組立体に関し、他を排するものではないが好ましくは、振動に敏感な電気デバイスに関する。また、このようなケーブルコネクタ組立体を有する電気駐車ブレーキアクチュエータ、及び、この当該組立体の一部として使用できる振動に敏感な電気デバイスのためのケーブルコネクタが提供される。ケーブルを振動に敏感な電気デバイスの端子へ接続する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
[0002] 電気デバイスに対し、二つの部品の間を電気的に接続するためには、これらの間に電気的通路、典型的にはこの二つの部品の間の電気電導性の素子を含む通路が必要である。このような接続は、回路基板のような固体の基板に固着されたプリント回路接続、または差し込み可能な(plaggable)結合のようなしっかりとした接続インターフェイスによって与えられるが、部品間のワイヤ接続によって行うことも可能である。
【0003】
[0003] ワイヤ接続にある不利益によって、多くの応用においてワイヤ接続を選択することが望ましくない選択とされる。例えば、ワイヤと部品とを接続することは製造工程における追加的なステップとなり、これは複雑さを増すとともに電気デバイスのコストを増加させる。しかしながら、振動のリスクが高い応用では、ワイヤ接続が望ましい場合もある。
【0004】
[0004] 二つの端子間に延在するケーブルで形成されたワイヤ接続は、システム内の脆弱な部分へ力を伝達するというよりも、電気デバイスのどのような振動をも弱めることができる。典型的には、コネクタとこのコネクタが接続される部品とのあいだの接続点がこのような脆弱な部分となりうる。ソリッドシステムに対して、振動ははんだに対する損傷を得た得る原因となりうるし、物理的に取り付けられた部品が外れる原因ともなりうる。このようなことは、動く部品が存在する応用、特に振動の効果を緩和ために関連するハウジングへの減衰したコネクタを有するものに特に当てはまる。このような電気デバイスの一つに、内部に電気モータが取り付けられた電気駐車ブレーキアクチュエータがあり、電気モータは従来からモータの振動の効果を抑制するために小さい横方向の動きを許容するための弾性部材を介してハウジングへ結合されている。
【0005】
[0005] 現状は、電気駐車ブレーキアクチュエータのためのモータの端子を結合するためのコネクタが設けられており、各ケーブルにはケーブル端子用のクリンプされたシュー又はスリーブが設けられ、これはコネクタの所定部分に差し込むことができる。これにより弾性的な接続が与えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] このような構成の問題点は、クリンプされたシューを有するケーブルの対応する端子への取り付けが手作業で行われることである。ケーブルに柔軟性があることが組み立ての自動化をより複雑にし、不良の発生を多くする傾向がある。手作業よる組み立ては遅くかつ高価であり、したがって電気駐車ブレーキアクチュエータの製造において非効率なステップである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本開示は、自動組み立てを可能とする耐振動性のケーブルコネクタに対する接続機構を提供する。
【0008】
[0008] 本開示の第一の観点によれば、電気デバイスのためのケーブルコネクタ組立体であって、プレス部材収容部を有し、前記プレス部材収容部は導電性コンタクト、又は、導電性コンタクト及び対向すする壁部分のための収容部を含む、ケーブルコネクタと、前記導電性コンタクトと接触するように前記ケーブルコネクタ上に配置可能なケーブル端子を有するケーブルと、前記壁部及びケーブル端子と接触するように前記プレス部材収容部へ挿入可能なプレス部材であって、前記ケーブル端子を前記導電性コンタクトに対して保持するプレス部材と、を備えるケーブルコネクタ組立体が提供される。
【0009】
[0009] ケーブル端子を導電性コンタクトに対して所定の位置に付勢するのにプレス部材を利用できれば、クリンプされたケーブルのシューを接続ケーブルに取り付ける必要性を無くすことができる。クリンプする作業は時間的に非効率な手作業であったので、ケーブルをコネクタに挿入するための全体的なプロセスを自動化することができる。
【0010】
[0010] 好ましくは、前記プレス部材をバネ要素、例えばV字形又はU字形のバネとすることができる。
【0011】
[0011] プレス部材収容部の中で横方向に作用しうるバネ力を有するバネ要素を使用することによって、導電性コンタクトに対してケーブル端子を所定の位置に保持するための単純な機構を有利に生み出すことができ、バネ要素が導電性材料から作られていれば、それらのあいだの電気的な接触を改善する役割を果たすことができる。
【0012】
[0012] 前記ケーブルコネクタは、さらに、前記プレス部材収容部又はそれに隣接する場所にケーブル案内部を有することができ、前記ケーブルは少なくともその一部が前記ケーブル案内部に収容可能である。
【0013】
[0013] ケーブル案内部を設けることによって、プレス部材収容部に対するケーブルの位置を正確に維持することができ、これにより自動製造プロセスによって作られる異なるケーブルコネクタ組立体に対して接続の均一性が改善される。
【0014】
[0014] 選択的に、前記ケーブル案内部は、互いに離間した第1及び第2のケーブル案内スロットを含むことができ、前記第1及び第2のケーブル案内スロットの各々は、前記ケーブルをその内部へつないで収容する寸法とすることができる。
【0015】
[0015] ケーブル案内部の喉状部は、ケーブルの縦軸方向におけるケーブルの変位の可能性を制限することができるが、その理由は、ケーブルは直ちに所定の位置に押し込むことができるが強い振動の力によっても引き抜かれないからである。
【0016】
[0016] 前記ケーブル案内部は、前記第1及び第2のケーブル案内スロットのあいだにケーブル案内チャンバを含むことができる。
【0017】
[0017] その内部に取り付けられたケーブルのケーブル本体を受け入れるチャンバは、過酷な振動力が存在する場合であってもケーブルを保持することができ、ケーブルの所定位置への保持力をさらに改善することができる。
【0018】
[0018] 好ましくは、前記第1及び第2のケーブル案内スロットは、角度的又は位置的に互いにずらされており、好ましくは互いに垂直とされている。
【0019】
[0019] 第1及び第2のスロットを角度的にずらすことによって、ケーブルが振動を受けてケーブル案内部から軸方向に沿って外れる可能性が制限される。ケーブルの曲がりが、ケーブルをケーブル案内部の中に維持するのことを助ける。
【0020】
[0020] 前記ケーブル案内部は、ケーブル端子を導電性コンタクトへ方向付けるための端子方向付け肩部を備えることができ、端子方向付け肩部は面取りされた表面を有することが望ましい。
【0021】
[0021] ケーブル端子を所定位置へ折って曲げるための専用のかつ好ましい形状の面を設けることによって、高速の自動製造プロセスに対する大きなリスクとなりうる、製造プロセス中のケーブルへの損傷の可能性を制限することができる。
【0022】
[0022] 一つの実施形態において、前記ケーブルは二つの前記ケーブル端子を有し、さらに前記ケーブルコネクタのそれぞれの導電性コンタクトに対して前記ケーブル端子を保持する第2の前記ケーブルコネクタ及び第2の前記プレス部材を含むことができる。
【0023】
[0023] 一対のプレス部材収容部によって、単一のケーブルを両端において効果的に取り付けることが可能となり、これは例えば二つのモータ端子の確実な相互接続にとって重要となりうる。
【0024】
[0024] 前記第1のケーブルコネクタ及び前記第2のケーブルコネクタは、個別の部品として設けることが望ましい。
【0025】
[0025] 複数のケーブルコネクタは別々の部品とすることが効果的であり、またこれらを堅固で固定された中間体によって相互接続しないことが望ましい。これによりケーブルコネクタが潜在的に横方向へ移動することが可能となり、モータへの応用における振動の減衰をさらに改善する。
【0026】
[0026] 前記ケーブル案内部は、前記ケーブルが、二つの前記プレス部材収容部のあいだで蛇行形、U字形、又はS字形の経路を画定するような形状とすることができる。
【0027】
[0027] ケーブルが蛇行形またはこれに類似の形状とされ、離間したケーブル案内部のあいだで保持されていれば、強い振動力がかかった場合でもケーブルの張力によってケーブルが外れる可能性を低減させる。
【0028】
[0028] 他の実施形態において、二つの前記ケーブルを設け、前記ケーブルの各ケーブル端子を前記ケーブルコネクタのそれぞれの導電性コンタクトに対して保持するための第3及び第4の前記ケーブルコネクタ及び第3及び第4のプレス部材をさらに設けることができる。
【0029】
[0029] 選択的に、前記二つのケーブルの一方のための前記プレス部材収容部は、前記二つのケーブルの他方のための前記プレス部材収容部に関して対称的に配置することができる。
【0030】
[0030] 4端子モータの構成に対しては二重ケーブル構成が最も適合し、これは電気駐車ブレーキアクチュエータの応用において使用されるアクチュエータのなかで最も一般的なものである。
【0031】
[0031] 前記第1及び第3のケーブルコネクタは一体的に形成することができる。
【0032】
[0032] ケーブルコネクタのいくつかを一体的に形成することによって、これらを例えばデバイスのハウジング内の同じ場所に配置でき、これによりケーブルコネクタ組立体に関連するデバイスの構造的な完全性をアシストする。
【0033】
[0033] 前記プレス部材収容部は、前記プレス部材をその中に保持するためのプレス部材保持手段を含むことが望ましい。選択的に、プレス部材保持手段は、プレス部材収容部の位置又はその近傍に配置されたストップ部を含むことができる。
【0034】
[0034] プレス部材がプレス部材収容部から外れ出るのを防ぐために、唇状部又はストップ部のようなラッチのいくつかの形状が推奨される。これは、バネ要素が用いられる場合に、振動の力がバネをがたつかせてバネの力を減衰させバネ要素が所定位置から外れる可能性がある場合には、特に有用である。
【0035】
[0035] 前記ケーブルコネクタのコネクタ本体は、プラスチック材料のような前記プレス部材の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する材料から形成されることが好ましい。
【0036】
[0036] コネクタ本体をプラスチック材料から形成することによって、プレス部材収容部からの意図しない外れが生じないようにプレス部材が接触する十分な摩擦抵抗が与えられる。
【0037】
[0037] 前記プレス部材収容部は、前記ケーブルコネクタ内の凹部として形成することができる。
【0038】
[0038] 凹部状の収容部は、プレス部材を所定位置に差し込むという機械的にシンプルな動作をする機械に適合するという効果を有する。これにより、特に既存のコネクタ組立てで用いられるクリンプされたシューを手作業で取り付ける場合と比較して、組み立てプロセスが非常に効率的となる。
【0039】
[0039] 一つの選択的な実施形態において、前記プレス部材は、前記プレス部材収容部に収容可能な楔留めする要素として形成することができる。
【0040】
[0040] ばね要素の代わりとして、収容部に挿入可能な物理的ブロック又は楔によって、同様のプレス効果が得られる。
【0041】
[0041] 選択的に、前記プレス部材の幅は、弛緩状態で前記導電性コンタクトと前記プレス部材収容部の前記壁部とのあいだの間隔は好ましくは50%から150%のあいだとすることができる。
【0042】
[0042] この範囲の幅を有するプレス部材は、本構成において実現可能に利用される数多くのケーブルの厚さと互換性を有するだろう。例えばバネ要素は、弛緩状態でプレス部材収容部の幅と同じかこれよりも大きい幅とするのが効果的であり、こうすればケーブル端子に対して作用する実用的なバネ力が存在する。一方、楔部材は、およそプレス部材収容部からケーブル端子の幅を差し引いた幅とすることができる。
【0043】
[0043] 本開示の第二の観点によれば、アクチュエータハウジングと、前記アクチュエータハウジング内に収容可能な電気端子を有するモータと、以前の請求項のいずれかにおいてクレームされたケーブルコネクタ組立体とを含むアクチュエータであって、前記モータの前記端子は、前記ケーブルコネクタ組立体の前記導電性コンタクトに電気的に接続されているアクチュエータが提供される。
【0044】
[0044] 好ましくは、前記プレス部材収容部は、前記アクチュエータハウジングと一体的に形成することができる。
【0045】
[0045] アクチュエータの組み立てを簡略化するために、プレス部材収容部はハウジングと一体的に形成することが効果的であり、アクチュエータを組み立てるのに必要とされる部品の数が削減される。
【0046】
[0046] 好ましくは、アクチュエータは電気駐車ブレーキアクチュエータとすることができる。
【0047】
[0047] 電気駐車ブレーキは通常、自動車の中の振動が多い領域に配置され、このため本開示は、関連するアクチュエータに適合するケーブル接続を与えるのに非常に適する。
【0048】
[0048] 本開示の第三の観点によれば、電気デバイスのためのケーブルコネクタであって、プレス部材収容部を有し、前記プレス部材収容部は、導電性コンタクト又は導電性コンタクト及び対向すする壁部分のための収容部を含み、前記壁部分に接触するように前記プレス部材収容部へ挿入可能なプレス部材を有し、前記プレス部材は、その中に挿入されたケーブルのケーブル端子を前記導電性コンタクトに対して保持するケーブルコネクタが提供される。
【0049】
[0049] 本開示の第四の観点によれば、電気デバイスの端子へケーブルを接続する方法であって、[a]本開示の第三の観点に従ったケーブルコネクタの前記導電性コンタクトに前記端子を接続する段階、[b]前記ケーブルのケーブル端子を前記プレス部材収容部へ挿入する段階、[c]前記プレス部材を前記プレス部材収容部へ挿入して、前記ケーブル端子を前記導電性コンタクトに接触するよう付勢する段階であって、前記プレス部材によって前記ケーブル端子と前記壁部とのあいだに与えられる力で、前記ケーブル端子を前記導電性コンタクトと接触して保持する段階、を含む方法が提供される。
【0050】
[0050] プレス部材をケーブルコネクタのプレス部材収容部に挿入することによって、電気的接触を達成することができるシンプルな方法が提供される。特に、これは直ちに自動化される方法であり、したがってケーブルコネクタの使用に通常関連する労働集約的なステップを削減するこができる。
【0051】
[0051] 選択的に、上記段階[c]において、ケーブル端子をプレス部材によって所定位置に折り曲げることができる。
【0052】
[0052] プレス部材を使用することによって、いったん導電性コンタクトに接触したケーブル端子を所定位置に保持できるだけでなく、プレス部材の挿入によってケーブル端子を正しい位置に積極的に付勢することによって、取り付けプロセスを単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本開示の第1の観点によるケーブルコネクタ組立体の第1実施形態の上部斜視図であり、電気駐車ブレーキアクチュエータとの使用に適合する、四つのケーブルコネクタを含んでいる。
【
図2】(a)はプレス部材を挿入する前の、
図1のケーブルコネクタのプレス部材収容部の断面図であり、(b)は(a)に示したプレス部材収容部の正面図であり、(c)は(a)に示したプレス部材収容部の平面図である。
【
図3】(a)プレス部材を挿入したあとの、
図2(a)のプレス部材収容部の断面図であり、(b)は(a)に示したプレス部材収容部の正面図であり、(c)は(a)に示したプレス部材収容部の平面図である。
【
図4】本開示の第1の観点による、ケーブルコネクタ組立体の第2実施形態を用いたアクチュエータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
[0053] 本開示は、以下で添付図面を参照しながらより具体的に、例示としてのみ説明される。
【0055】
[0063]
図1を参照する。同図には、ケーブルコネクタ組立体の第1実施形態が、全体を符号10として示されている。これは、例えば電気駐車ブレーキアクチュエータのためのモータのような振動に敏感な電気デバイスにおいて端子間に電気的な接続を与えるのに適合する。
【0056】
[0064] ここで、ケーブルコネクタ組立体10には複数のケーブルコネクタ12a、12b、12c、12dが含まれ、各々は関連するモータ、モータハウジング、及び/又は、デバイスハウジングに取り付け可能又は接続可能とされている。ここで、第2及び第4のケーブルコネクタ12b、12dは支持部材14によって互いに接続されており、支持部材14は関連するモータと整列するように配置されて、潜在的にそのエンドキャップとしての役割を果たす。第1及び第3のケーブルコネクタ12a、12cもまた、ユニットとして互いに接続されうる。
【0057】
[0065] しかしながら、ケーブルコネクタ12a、12b、12c、12dは、例えばモータの端子、あるいはその先の他の導電性のコネクタの端子にそれぞれに取り付けられる個別のユニットとして設けることも可能である。
【0058】
[0066] 本実施形態には四つのケーブルコネクタ12a、12b、12c、12dが設けられており、これは電気駐車ブレーキアクチュエータに適合する構成である。第1及び第3のケーブルコネクタ12a、12cは、一体的に形成された部品として設けられ、例えば電気駐車ブレーキアクチュエータのその先の端子へ接続するために設けられている。
【0059】
[0067] 第2及び第4のケーブルコネクタ12b、12dは、ここでは個別の独立したユニットとして形成され、電気駐車ブレーキアクチュエータのモータの端子にそれぞれ接続可能とされている。したがって、第2及び第4のケーブルコネクタ12b、12dは、電気駐車ブレーキアクチュエータのデバイスハウジング内のモータと重なるように配置することができる。第2及び第4のケーブルコネクタ12b、12dを互いに分離し、かつ第1及び第3のケーブルコネクタ12a、12cから分離したことにより、さらに振動が減衰される。
【0060】
[0068] 各ケーブルコネクタ12a、12b、12c、12dには、少なくとも一つの、好ましくは複数のコネクタ本体18を設けることが好ましく、ここでは壁で囲まれたチャンバとして形成されおり、このチャンバにより、ケーブル20を挿入しこれにより完全なケーブルコネクタ組立体10を形成する領域が集合的に画定される。この構成では壁で囲まれたチャンバは二種類あり、一方は、バネ収容凹部として形成されたプレス部材収容部22で、ここにはケーブル20のケーブル端子24が挿入され、他方は、各ケーブル20の本体部、通常はその絶縁層が取り除かれていない部分を配置可能な領域を画定するケーブル案内チャンバ26である。
【0061】
[0069] 各コネクタ本体18、好ましくは少なくともプレス部材収容部22は、相対的に高い摩擦係数を有する材料、特に追加の製造プロセスを経て形成される場合には、好ましくはプラスチック材料などの対応するプレス部材よりも高い摩擦係数を有する材料から形成することが望ましい。しかしながら、各コネクタ本体18を伝統的な真空成形プロセスで形成することもできる。
【0062】
[0070] 各ケーブル案内チャンバ26は、関連するケーブル端子24が、結合のためにプレス部材を介して正しく整列されるのを確実にするために、それぞれのプレス部材収容部22の部分または近傍に配置することが望ましい。プレス部材は、ここではプレス部材収容部22に収容可能なバネ要素28として形成されている。
【0063】
[0071] 各ケーブル20の本体部を所定位置に保持するために、各ケーブル案内チャンバ26は、第1及び第2のケーブル案内スロット30a、30bを含むことが望ましい。ケーブル案内スロット30a、30bは、ケーブル20の挿入を可能とするスロットとしてケーブル案内チャンバ26の壁に形成することができる。好ましくは、各ケーブル案内スロット30a、30bの喉状部の最小幅は、絶縁材料を含んだケーブル20の幅よりも僅かに小さくする。これにより、ケーブル20を第1又は第2のケーブル案内スロット30a、30bへ挿入したときに、絶縁材料が僅かに変形してケーブル20を所定の位置につないで保持することができる。
【0064】
[0072] 第1のケーブル案内スロット30aは、プレス部材収容部22の位置又はその近傍に配置され、第2のケーブル案内スロット30bはここから離して設けられ、ケーブル20の一部は対応するケーブル案内チャンバ26の内部に収容される。第1及び第2のケーブル案内スロット30a、30bを互いにある角度で、好ましくは90度の角度で配置することによって、ケーブル20の改善された保持が達成される。ただし、第1及び第2のケーブル案内スロット30a、30bが互いに同軸にならない、この角度とは異なる角度とする選択肢も可能であるが、ただし直角とする配置が望ましい。
【0065】
[0073] 単一のケーブル20のための案内部は、互いに離間したいくつかのケーブル案内チャンバを含んでもよく、前記ケーブル案内チャンバ26の第2のケーブル案内スロット30bは、ここに挿入されたケーブル20が蛇行形、U字形、又はS字形の経路をとるように互いに相対的にずらして、ケーブル案内部におけるケーブル20の保持を改善させることができる。
【0066】
[0074] バネ要素28及びプレス部材収容部22は、ケーブル端子24の例えば関連するモータ端子への接続を可能にする。この接続方法は、
図2a~2c及び
図3a~3cに例示されている。図示されているのは第1のケーブルコネクタ12aであるが、この接続方法は、すべてのケーブルコネクタ12a、12b、12c、12dに適用可能であろう。
【0067】
[0075]
図2aは、上表面32上で曲げられていないケーブル端子24を有するプレス部材収容部22を詳細に示している。各プレス部材収容部22のベース部に埋め込まれた又は一体化された導電性要素34は、導電性コンタクト36を有しており、これはプレス部材収容部22のバネ収容凹部40の第1の壁38の少なくとも一部を形成する。ケーブル20とモータ端子のあいだの電気的接続を形成するために、ケーブル端子24を導電性コンタクト36と接触させなければならない。
【0068】
[0076] 導電性コンタクト36は、第1の壁38の全体を形成することも、あるいはそのうちケーブル端子24に整列する一部を形成することもできる。また、導電性要素34を個々のケーブルコネクタ12aの一部として形成するのではなく、導電性コンタクトのための収容部へ挿入可能とすることもできる。これは、関連する電気駐車ブレーキアクチュエータのモータ端子がモータの挿入可能なスタブ又は突出部として形成されている場合に最も適用可能である。プレス部材収容部22の内部で導電性コンタクト36の上端部が隣接するストップ部が設けられており、これにより例えばスタブの過剰挿入を防ぐことができる。
【0069】
[0077] ケーブル案内部に隣接するプレス部材収容部の上表面は、ケーブル端子24を導電性コンタクト36へ方向付けるための端子方向付け肩部42として形成することができ、これは、ケーブル端子24が曲げられるときにケーブル端子24への偶発的な損傷を防ぐために、面取りされた表面を有することが望ましい。
【0070】
[0078] 導電性コンタクト36に対向する側には第2の壁部44が設けられており、導電性コンタクト36及び第2の壁部44はともにプレス部材収容部22を形成する。プレス部材収容部22のベース46は、ここに挿入されるバネ要素28などのプレス部材への追加的な支持を提供し、例示された実施形態では、これを導電性の要素として形成するのが効果的である。これによって、バネ要素28を介したケーブル端子24と導電性コンタクト36とのあいだの全体としての潜在的な電気的接触が改善される。
【0071】
[0079]
図2bにおいて、第1のケーブル案内スロット30aをより分かりやすく見ることができ、ここでスロット30aは、所定位置にいったんプレス挿入されたケーブル20の垂直部分を保持するくびれた喉状部31aを含む。上部の好ましくは面取りされた面47aは、ケーブル20を第1のスロット30aへ案内する案内面としての役割を果たす。ケーブル20を第1のケーブル案内スロット30aを通して引き抜くためには、ケーブル20をここから取り外すために絶縁材料を僅かに変形させる必要があるため、そのための特別な上向きの力が必要とされる。このため、ケーブル20の振動による逸脱は起こらないようにされる。
【0072】
[0080] 第2のケーブル案内スロット30bも、所定位置にいったんプレス挿入されたケーブル20の垂直部分を保持する同様のくびれた喉状部31aを有するように形成されることが望ましい。スロット30bの好ましくは面取りされた上部の面は、同じくケーブル20を第2のスロット30bへ案内することができる。
【0073】
[0081]
図2cは、ケーブル端子24とプレス部材収容部22の相対的な位置を示している。ケーブル端子24は、ケーブル案内部の中に配置されたときに、導電性コンタクト36と対向する第2の壁44との間の空間に懸け渡るように、絶縁材料を取り去っておくことが望ましい。これによって、プレス部材収容部22への妨害が生じることなく、いったんプレス部材が挿入されるとケーブル端子24と導電性コンタクト36とのあいだの最大接触が確実となる。
【0074】
[0082]
図3a~
図3cは、バネ要素28がプレス部材収容部22へ挿入されたあとの
図2a~
図2cと同じ部分を示している。
【0075】
[0083]
図3aから分かるように、バネ要素28はここではV字又はU字形状のバネとして設けられており、弛緩状態で導電性コンタクト36と対向する壁44とのあいだの間隔の好ましくは90%から150%のあいだの幅を有する。これは、プレス部材収容部22の内側に、バネ要素28とケーブル端子24の両方に対して空間を与える。
【0076】
[0084] バネ要素28は、バネ要素28とともにケーブル端子24がプレス部材収容部22の中で下へ押されるように付勢される。ケーブル端子24は、バネ要素28がプレス部材収容部22へ進入するあいだにケーブル端子24と接触すると、端子方向付け肩部42の周囲の表面に沿って曲げられる。端子方向付け肩部42の表面は、ケーブルが第1のスロット30a内へ挿入されるときに偶発的な損傷を防ぐために、面取りしておくことができる。
【0077】
[0085] これにより、ケーブル端子24を導電性コンタクト36に対して手際よく折り曲げることができ、バネ要素28がケーブル端子24及び対向する壁44に対してバネの力で付勢される際に所定の位置に保持される。バネ要素28の寸法が導電性コンタクト36と対向する壁44とのあいだの間隔により近づくほど、ケーブル端子24に対して加わるバネの力は大きくなり、保持力はより確実となる。
【0078】
[0086]
図3b及び
図3cは、曲げられたケーブル端子24の配置を前方及び上方から見たときの、ケーブル端子24とバネ要素28のあいだの相対位置を示している。
【0079】
[0087]
図4及び
図5には、第2実施形態のケーブルコネクタ組立体110を用いたアクチュエータが、ケーブルコネクタ組立体110がアクチュエータハウジング148内の実際の場所に配置された状態で示されている。第2実施形態のケーブルコネクタ組立体の同一又は類似の部品は、同一又は類似の符号を用いて示され、さらなる詳細な説明は省略する。
【0080】
[0088] アクチュエータ100のモータ150は、アクチュエータハウジング148に収められされ、ケーブルコネクタ組立体110は、モータ端子152と他の電気部品、特にアクチュエータ100への電源とのあいだの電気的接続が可能となるようモータ150の周囲に収まるように配置される。電気駐車ブレーキアクチュエータの構成においては、通常、DCモータとして設けられるモータ150は、ハウジング148内でモータ150の横方向のいくらかの移動を許容するように弾性サスペンションとともにハウジング148内に固定される。電気的な接続は、この横方向への移動を許容できなければならない。
【0081】
[0089] ここでは、第2及び第4のケーブルコネクタ112b、112dがモータ端子152のところ又はこれに隣接して配置されるように、モータ150の端部に収められる支持部材114が設けられている。しかしながら、第1及び第3のケーブルコネクタ112a、112cは、アクチュエータ100の電源コネクタ154のところ又はこれに隣接して、アクチュエータハウジング148と一体的に形成される。これにより、バネ要素128をアクチュエータハウジング148に直接はめ込むことができるので、アクチュエータ100の製造及び組み立ての両方を簡素化できるという利点がある。支持部材114もまた、アクチュエータ100に設けられたギア156をよりよく収納するように形成することができる。
【0082】
[0090] 支持部材114がモータ150の周囲に配置されると、ケーブル120を所定の位置に挿入することができ、ここでは第1及び第2のケーブルコネクタ112a、112bと、第3及び第4のケーブルコネクタ112c、112dをそれぞれ相互に接続する。
【0083】
[0091] 本開示は、
図1において、関連する端子にケーブルが接続された四つの端子を有する振動に敏感な電気デバイスに適合するものとして示されている。しかしながら、ケーブル端子24を所定の位置に保持するためのプレス部材収容部22及びプレス部材の任意の個々のユニットを設けることができることを理解すべきであり、実際に、たった一つのプレス部材収容部22が設けられた場合は
図2a~
図2c及び
図3a~
図3cに示されている。しかしながら、単一のケーブル20のケーブル端子24を固定するためには、ケーブルコネクタ組立体10に少なくとも二つの前記プレス部材収容部22を含めることが推奨される。
【0084】
[0092] これまでのプレス部材収容部は、ケーブルコネクタ組立体の壁で囲んだチャンバ内に位置する凹部として説明されてきた。しかしながら、プレス部材がコネクタ支持部に挿入可能であるとすると、凹部が実際にあるかどうかにかかわらず、導電性コンタクトとの接続を確実にするために、ケーブル端子を保持することが可能であることが理解されるだろう。
【0085】
[0093] さらに、バネ要素がプレス部材として提案されているが、プレス部材収容部の中でケーブル端子に保持力を与えることのできる任意の適切な要素を考えることができることが理解されるだろう。
【0086】
[0094] 考えることができるいくつかの可能な選択肢が存在する。例えば、ラバー又は類似の変形可能な栓(bung)を、ケーブル端子を導電性コンタクに対して有効に楔留めすることで、収容部へ挿入可能なものとして設けることができる。これは、限定的なバネ力を用いるのではなく、外れるのを防ぐために体積的な付勢力を用いるものである。
【0087】
[0095] 選択的に、プレス部材収容部へはまり込む寸法とされたキャップ要素を設けることができる。これは例えばキャップ要素に差し渡るバー又はラッチを用いて所定位置で物理的にロックされるか、又は、キャップ要素上に把持手段、例えば、ケーブルの絶縁材料に食い込んでプレス部材収容部からの外れに抵抗するような小さい歯のようなものを設けることができる。
【0088】
[0096] 非バネ様のプレス部材を用いた場合、プレス部材の寸法は、ケーブル端子の幅を考慮すると、プレス部材はプレス部材収容部へちょうどはまるように、導電性コンタクトと対向する壁とあいだの距離の50%から100%のあいだとすることが望ましい。
【0089】
[0097] 振動許容型のデバイスに対して適合するものとして、減衰されたDCモータが設けられた電気駐車ブレーキアクチュエータなどのケーブルコネクタ組立体について説明してきた。この出願において、DCモータは二つの電気端子を有しているので、二組のケーブルコネクタが設けられている。しかしながら、設けられるケーブルコネクタの数は、関連するデバイスにおいて接続に必要とされる端子の数に対応するものとすべきであることは理解されるだろう。例えば、ケーブルコネクタの第3のペアが必要とされるグランド端子を有するモータを設けることができ、またステッパモータでは接続すべき四つ又はそれ以上の端子を有することができる。
【0090】
[0098] したがって、導電性コンタクトに対するケーブル端子の付勢は、プレス部材が接触することができる壁部分に対してなされることが理解される。したがって、プレス部材収容部の形状は多くの点で重要ではなく、適切な寸法のプレス部材収容部が用意されていれば、例えば円柱状又は非四角形などとすることもできる。
【0091】
[0099] したがって、クリンプされたケーブルのシューを設ける必要をなくすことによって、自動化された組み立てラインにおいて使用するのに適合したケーブルコネクタを提供することができる。これは、ケーブル端子を対応する導電性コンタクトに対して係留できるコネクタに関連づけられた、適切な寸法及び形状のプレス部材及びプレス部材収容部を用いることによって達成される。
【0092】
[0100] 「備える(comprises/comprising)」という語及び「有する/含む(having/including)」という語は、本開示を参照して本明細書で用いられる場合、説明する特徴、整数、工程又は部品の存在を規定するために使用され、他の1つ以上の特徴、整数、工程、部品又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0093】
[0101] 明確にするために別個の実施形態に関連して説明されている本開示の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供してもよいものと理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態に関連して説明されている本開示の種々の特徴を、個別に又はそれらを適当に組み合わせて提供してもよい。
【0094】
[0102] 上記の実施形態は単なる例示であり、本明細書で定義する本開示の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が、当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0095】
10 :ケーブルコネクタ組立体
12a :第3のケーブルコネクタ
12a :第1のケーブルコネクタ
12a :ケーブルコネクタ
12b :ケーブルコネクタ
12b :第4のケーブルコネクタ
12c :第3のケーブルコネクタ
12c :ケーブルコネクタ
12d :ケーブルコネクタ
12d :第4のケーブルコネクタ
14 :支持部材
18 :コネクタ本体
20 :ケーブル
22 :プレス部材収容部
24 :ケーブル端子
26 :ケーブル案内チャンバ
28 :バネ要素
30a :第1のケーブル案内スロット
30a :スロット
30a :第1のスロット
30a :ケーブル案内スロット
30a :第2のケーブル案内スロット
30b :ケーブル案内スロット
30b :第2のケーブル案内スロット
30b :スロット
30b :第2のスロット
31a :喉状部
32 :上表面
34 :導電性要素
36 :導電性コンタクト
38 :第1の壁
40 :バネ収容凹部
42 :端子方向付け肩部
44 :壁
44 :第2の壁
44 :第2の壁部
46 :ベース
47a :面
100 :アクチュエータ
110 :ケーブルコネクタ組立体
112a :第3のケーブルコネクタ
112a :第2のケーブルコネクタ
112b :第4のケーブルコネクタ
112b :第2のケーブルコネクタ
112c :第4のケーブルコネクタ
112c :第3のケーブルコネクタ
112d :第4のケーブルコネクタ
114 :支持部材
120 :ケーブル
128 :バネ要素
148 :ハウジング
148 :アクチュエータハウジング
150 :モータ
152 :モータ端子
154 :電源コネクタ
156 :ギア