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特許7532037加圧ガスをタンクに充填するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】加圧ガスをタンクに充填するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
F17C13/02 301Z
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020001589
(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公開番号】P2020112266
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】1900192
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・ティボー
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-510352(JP,A)
【文献】特開2018-084329(JP,A)
【文献】特開2003-172497(JP,A)
【文献】特表2018-508000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ガスをタンクに充填するための装置であって、
少なくとも1つのガス源(2)と、
前記ガス源(2)に接続されている少なくとも1つの上流端を備える移送回路(3)と、
充填されるタンク(5)に取り外し可能な仕方で接続されるように意図されている少なくとも1つの下流端(4)と、を備え、
前記移送回路(3)は、その上流端と下流端との間に、それぞれの接続弁のセット(16-21)を介して前記移送回路(3)に並列に接続されているバッファ蓄積コンテナのセット(6-11)をさらに備え、
前記移送回路(3)は、ループ(12)を形成するパイプの部分を備え、
複数の前記バッファ蓄積コンテナ(6-11)は、前記ループ(12)に並列に接続されている、装置において、
前記移送回路(3)は、それぞれが取り外し可能な仕方で充填されるべきそれぞれのタンク(5)に接続されるように意図されている複数の別々の下流端(4)を備え、
前記下流端(4)は、前記ループ(12)に並列に接続され、それぞれの連結弁(40、140、240、340)のセットを備え、
前記接続弁の制御、及び前記連結弁の制御により、
少なくとも1つの第1のバッファ蓄積コンテナと、前記ループ(12)を介した第1の下流端との流体連結をもたらすこと、と同時に
少なくとも1つの第2のバッファ蓄積コンテナと、前記ループ(12)を介した第2の下流端との流体連結をもたらすこと、及び/又は、
2つの別々のバッファ蓄積コンテナと、前記ループ(12)を介した少なくとも1つの下流端との流体連結をもたらすこと、
が可能とされることを特徴とし、並びに
前記移送回路(3)のループ(12)は、遮断弁(13)のセットを備え、前記遮断弁(13)の閉/開状態にしたがって、前記ループ(12)中の循環の方向を制御することによって、バッファ蓄積コンテナへの、若しくはバッファ蓄積コンテナからの前記ループ(12)中の流体の循環を遮断し、又は許容するように構成されていること、を特徴とする、装置。
【請求項2】
前記遮断弁(13)のセットは、各バッファ蓄積コンテナに対して、前記ループ(12)と前記バッファ蓄積コンテナとの連結部のいずれの側にもそれぞれ位置付けられている2つの弁を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ループ(12)は、複数の下流端(4)の前記ループ(12)への2つの隣接する接続間に位置付けられている少なくとも1つの弁(13、23)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記移送回路(3)は少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備え、前記コンプレッサは、
前記ガス源(2)、及び/又は少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナに接続されている入口であって、圧縮されるべきガスに対する入口と、
少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、及び/又は前記移送回路(3)の複数の下流端(4)の少なくとも1つ、に接続されている圧縮ガス出口と、
を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記ガス源(2)と前記ループ(12)との間の前記移送回路中に直列に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備えており、すなわち、前記コンプレッサ(15、22)の入口が前記ガス源(2)に接続され、前記コンプレッサ(15、22)の出口が前記ループ(12)に接続されており、このことにより、前記バッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、前記移送回路の前記複数の下流端(4)のすべて若しくはいくつかに、前記ループ(12)を介して圧縮ガスを供給することを可能にすることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記移送回路(3)中に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備え、前記コンプレッサ(15、22)の入口は前記ループ(12)の一部分に接続され、前記コンプレッサ(15、22)の出口は前記ループ(12)の別の部分に接続されており、
前記ガス源(2)から
、及び/又は、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナから発出する流体を前記コンプレッサ(15、22)の入口に供給することを可能にし、ならびに、他のバッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、前記移送回路の下流端のすべて若しくはいくつかに、前記ループ(12)を介して前記コンプレッサ(15、22)によって圧縮されるガスを供給することを可能にするようになっていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記移送回路(3)に並列に又は直列に位置付けられている2つのコンプレッサ(15、22)を備えることを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の装置を使用して、加圧ガスをタンクに充填する方法であって、
該方法は、前記ループ(12)の第1の部分を介して、前記移送回路(3)の第1の下流端(4)に接続されている第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階を含む、方法。
【請求項9】
前記方法は、前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階と同時に、前記ループ(12)の第2の部分を介して前記移送回路(3)の第2の下流端(4)に接続されている第2のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階と同時に、前記ループ(12)の別の部分を介して、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナへ加圧ガスを移送する段階を含むことを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナへ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧ガスをタンクに充填するための装置及び方法に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、加圧ガスをタンクに、特に、自動車の水素ガスタンクに充填するための装置に関し、本装置は、少なくとも1つのガス源と、ガス源に接続されている少なくとも1つの上流端を備える移送回路と、充填されるべきタンクに取り外し可能な仕方で接続されているように意図されている少なくとも1つの下流端とを備え、移送回路は、それぞれの接続弁のセットを介して移送回路に並列に接続されているバッファ蓄積コンテナのセットを、その上流端と下流端との間にさらに備え、移送回路は、ループを形成するパイプの一部分を備え、複数のバッファ蓄積コンテナは、前記ループに並列に接続されている。
【背景技術】
【0003】
(1つ以上のバッファ蓄積コンテナと)平衡させるか若しくはカスケードによって、及び/又は、直接若しくは間接圧縮(例えば、JP20031742497又はFR 2 891 347 A参照)によって、加圧ガスをタンクに充填することは知られている。
【0004】
既知の装置の大部分では、充填のために使用されるバッファ蓄積コンテナの充填は、タンクが充填された後のみに可能である。
【0005】
さらに、既知の装置では、いくつかのタンクの同時の充填を可能にするが、これは、同じ初期圧力条件を有するタンクに対してである。異なる初期圧力条件を有するいくつかのタンクの同時の充填には、大きく高価な設備(各充填ラインに対する専用圧力ガス源がある)を費やして初めて可能である。
【0006】
本発明の1つの目的は、上述した先行技術の不利益のうちのすべて又はそのいくつかを克服することである。
【発明の概要】
【0007】
この目的のために、本発明にしたがう、さらには、上記の序文がそのために与える一般的定義にしたがう本装置は、本質的に、移送回路は、充填されるべきそれぞれのタンクに取り外し可能な仕方で接続されるようにそれぞれ意図されている複数の別々の下流端を備え、下流端は、ループに並列に接続され、それぞれの連結弁のセットを備えており、接続弁及び連結弁を制御することより、ループを介して、少なくとも1つの第1のバッファ蓄積コンテナを第1の下流端と流体連結させること、同時に、ループを介して、少なくとも1つの第2のバッファ蓄積コンテナを第2の下流端と流体連結させること、及び/又は、2つの別々のバッファ蓄積コンテナを流体連結させることが可能になることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
-移送回路のループは、遮断弁の閉/開状態にしたがって、ループ中の循環の方向を制御することによって、バッファ蓄積コンテナに又はバッファ蓄積コンテナからループ中の流体の循環を遮断し、又は許容するように構成されている遮断弁のセットを備えている。
-遮断弁のセットは、各バッファ蓄積コンテナに対して、ループとバッファ蓄積コンテナのと連結部のいずれの側にもそれぞれ位置付けられている2つの弁を備えている。
-ループは、複数の下流端のループへの2つの隣接する接続間に位置付けられている少なくとも1つの弁を備えている。
-移送回路は、少なくとも1つのコンプレッサを備えており、コンプレッサは、ガス源と少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナのうちの少なくとも1つに接続されている圧縮されるガス入口と、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、移送回路の複数の下流端のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つに接続されている圧縮ガス出口とを備えている。
-本装置は、ガス源とループとの間の移送回路中に直列に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサを備えており、すなわち、コンプレッサの入口はガス源に接続され、コンプレッサの出口はループに接続されていて、バッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、移送回路の下流端のすべて若しくはいくつかに、ループを介して圧縮ガスを供給することを可能にするようになっている。
-本装置は、移送回路中に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサを備え、コンプレッサの入口はループの一部分に接続され、コンプレッサの出口はループの別の部分に接続されており、ガス源から、及び/又は、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナから発出する流体をコンプレッサの入口に供給することを可能にし、ならびに、他のバッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、移送回路の下流端のすべて若しくはいくつかに、ループを介してコンプレッサによって圧縮されるガスを供給することを可能にするようになっている。
-本装置は、移送回路に並列に又は直列に位置付けられている2つのコンプレッサを備えている。
【0009】
本発明は、上記の又は以下の特徴のうちのいずれか1つにしたがう装置を使用して、加圧ガスをタンクに、特に、自動車の水素ガスタンクに充填する方法にも関連し、本方法は、ループの第1の部分を介して移送回路の第1の下流端に接続されている第1のタンクへ加圧ガスを移送する段階を備えている。
【0010】
他の可能な異なる特徴にしたがうと:
-本方法は、第1のタンクへ加圧ガスを移送する段階と同時に、ループの第2の部分を介して移送回路の第2の下流端に接続されている第2のタンクへ加圧ガスを移送する段階を備えている。
-第2のタンクへ加圧ガスを移送する段階の間、加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサによって提供される。
-本方法は、第1のタンクへ加圧ガスを移送する段階と同時に、ループの別の部分を介した少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナへ加圧ガスを移送する段階を備えている。
-少なくとも1つのバッファ保管タンクへ加圧ガスを移送する段階の間、加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサによって提供される。
-第1のタンクへ加圧ガスを移送する段階の間、加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサによって提供される。
【0011】
本発明は、特許請求の範囲内の上記又は下記特徴の任意の組合せを備える任意の代替装置又は方法に関することもできる。
【0012】
他の異なる特徴及び利点は、図を参照して下記説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明にしたがう装置の第1の実現例の構造と動作とを図示した概略及び部分図を表している。
図2図2は、本発明にしたがう装置の第2の実現例の構造と動作とを図示した概略及び部分図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1中に表す加圧ガスをタンクに充填するための装置1(例えば、サービスステーション)は、ガス源2、ガス源2に接続されている少なくとも1つの上流端を備える移送回路3と、充填されるそれぞれのタンク5に取り外し可能なし方で接続されるように意図されているいくつかの下流端4とを備えている。
【0015】
ガス源2は、加圧ガスのための1つ以上のタンク、及び/又は、(気化システムに関係付けられているか又はいない)液化ガスのための1つ以上の蓄積コンテナ、1つ以上の電解槽、及び/又は、他の何らかの適切な加圧ガスのガス源を備えることができる。
【0016】
移送回路3は、ループ12を形成する管の部分をその上流端と下流端との間に備えており、すなわち、ループ12は、ループ12の別個のポイントに接続されている2つの要素間で1つの方向への(又は反対の方向への)加圧ガスの循環を可能にする管の1つ以上のセクションから形成される。例えば、理論上は、ガスは、ループを通過し、1つの方向に又は反対の方向に循環することによって開始ポイントに戻ることができる。
【0017】
移送回路3は、それぞれの接続弁16-21のセットを介して、移送回路3に並列に接続されているバッファ蓄積コンテナ6-11のセットを備えている。より具体的には、バッファ蓄積コンテナ6-11は、前記ループに並列に接続され、すなわち、バッファ蓄積コンテナのそれぞれ(この例では6つ)は、(ループ12中で1つの方向に又は他の方向にガスが流れる)流れの仕方でループ12を介して他のバッファ蓄積コンテナに接続されることができる。
【0018】
同様に、回路3の下流端4(この例では3つ)は、前記ループ12に並列に接続される。好ましくは、下流端のそれぞれは、それぞれ連結弁40、140、240を備えている。
【0019】
したがって、接続弁16-21と連結弁40、140、240の制御により、各バッファ蓄積コンテナと、ループ12を介した第1の下流端4のそれぞれとの流体連結をもたらす(又はもたらさない)ことが可能となる。同様に、弁のこの同じ制御により、少なくとも1つの第1のバッファ蓄積コンテナと、ループ(12)を介した第1の下流端との流体連結をもたらすこと、少なくとも1つの第2のバッファ蓄積コンテナと、ループ(12)を介した第2の下流端との流体連結をもたらすこと、及び/又は2つの別々のバッファ蓄積コンテナとの流体連結をもたらすことが可能となり、すなわち、このアーキテクチャでは、異なるそれぞれのバッファ蓄積コンテナから同時にいくつかのタンク5を充填することが可能となる。同様に、これにより、適切であれば1つ以上のバッファ蓄積コンテナの同時の充填が可能となる。
【0020】
したがって、移送回路3のループ12は、このように好ましくは、遮断弁13のセットを備えており、遮断弁は、遮断弁の閉/開状態にしたがって、ループ12中の循環の方向を制御することによって、バッファ蓄積コンテナへの、又はバッファ蓄積コンテナからのループ12中の流体の循環を遮断し、又は許容するように構成されている。
【0021】
例えば、遮断弁13のセットは、各バッファ蓄積コンテナに対して、ループ12を有するバッファ蓄積コンテナの連結部のいずれかの側にそれぞれ位置付けられている2つの弁13を備えている。したがって、これらの2つの弁13を閉じることにより、バッファ蓄積コンテナへのアクセスが閉じられる。2つの弁のうちの1つが開くケースでは、閉じているもう1つの弁の後に位置付けられている隣接バッファ蓄積コンテナに影響を及ぼすことなく、ループ12と開いた弁の側上のバッファ蓄積コンテナとの間の流体の循環が可能である。
【0022】
同様に、図1中に図示しているように、ループ12は、好ましくは、ループ12の下流端4の2つの隣接する接続間に位置付けられている弁23を備えている。閉ポジションにおいて、この弁23により、(第1の循環方向にあるガスの循環を有するループの一部分を介して)この弁の片側上に位置付けられている下流端4に供給し、同時に、(第1の循環方向とは逆方向にあるガスの循環を有するループの別の部分を介して)この弁23の他の側上に位置付けられている下流端4に供給することが可能となる。
【0023】
移送回路3は、ガス源2とループ12との間に直列に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサ15を有利に備えることができる。図1中に見られるように、移送回路は、ガス源2とループ12との間に、並列にフィットされている2つ(又はそれ以上)のコンプレッサ15、22のセットを特に備えることができる。
【0024】
したがって、コンプレッサ15は、ガス源2に接続されている圧縮されるべきガスに対する入口と、ループ12に(したがって、バッファ蓄積コンテナに、及び移送回路の下流端4に)接続されている圧縮ガスに対する出口とを備えている。
【0025】
したがって、適切な弁の開を制御することにより、1つ以上のバッファ蓄積コンテナを充填すること、及び/又は、コンプレッサ15で1つ以上の下流端4に供給することを可能にしつつ、他方、例えば、他のバッファ蓄積コンテナは、他のタンク5を充填するために使用される。
【0026】
図2の実施形態は、コンプレッサ15、22がループ12の「中間に」位置付けられているという点で、すなわち、コンプレッサ15、22の入口がループ12の一部分に接続され、コンプレッサ15、12の出口がループ12の別の部分に接続されているという点で、図1の実施形態とは本質的に異なっている。この構成により、一方でガス源2から及び/又はバッファ蓄積コンテナのうちのいずれかから生じる流体をコンプレッサ15、22の入口に供給することが可能となり、他方では、コンプレッサ15、22を介して、圧縮ガスを、他のバッファ蓄積コンテナの及び/又は、回路の下流端4のすべてあるいは一部分に供給することが可能となる。
【0027】
したがって、本発明にしたがう装置によれば、任意のバッファ蓄積コンテナによって(例えば、最も高い圧力を有するバッファ蓄積コンテナによって)1つ以上のタンク5に加圧ガスを供給することが可能となり、同時に、(例えば、コンプレッサ15を介して)バッファ蓄積コンテナを(再)充填することが可能となる。
【0028】
したがって、1つ、2つ、又は3つのバッファ蓄積コンテナ6、7、8は、第1のタンク5の充填のために使用できる一方で、この間、1つ、2つ、又はすべての他のバッファ蓄積コンテナ9、10、11は、コンプレッサ15によって充填される。同様に、2つ以上のタンク5は、バッファ蓄積コンテナの2つのそれぞれのセットによって同時に充填されることができる一方で、同時に、バッファ蓄積コンテナの第3のセットは、コンプレッサ15によって充填される。
【0029】
したがって、構造において単純であり、安価であるが、本装置では、いくつかの同時のカスケード/いくつかのタンク5の充填を実行することが可能となる。
【0030】
これによれば、設備の充填と再加圧回数を最適化することが可能となる。
【0031】
この解決法は、柔軟な充填ホース(下流端4)毎に必要なバッファ蓄積コンテナの数を減少させることも可能にする。
【0032】
これは、なぜなら、例えば、各下流端4(ディスペンサー)のための3つのバッファ蓄積コンテナ(400リットル及び900バール)を使用する代わりに、これらのバッファ蓄積コンテナのうちの6つは、3つの下流端4(すなわち、タンク5のための3つの柔軟な充填ホース)に供給するのに十分であろうからである。
【0033】
この柔軟なモジュール共有によれば、50%の注文コスト低減が可能となる。
【0034】
後者の実施形態は、高圧ガス源(図2の場合のバッファ蓄積コンテナ)を使用できることから、この解決法は、コンプレッサ15の電力消費の最適化をも可能にし、ひいては、その電力消費を低減させ、その出力を増加させる。
【0035】
したがって、2つの使用間でバッファ蓄積コンテナの充填のために必要な時間が低減されることから、設備は充填動作のためにより頻繁に利用可能になる。
【0036】
構成要素(弁、コンプレッサ、及び、これらに類するもの)のすべて又は一部分は、例えば、マイクロプロセッサ、特に、コンピュータを備えるデータの記憶及び処理のための電子制御ユニットによって制御及び指示されることができる。従来は、タンク5に移送されるガスの流れ及び/又は圧力は、圧力/温度/濃度又はその他の(予め)定められた上昇に従うために、特に、制御されることができる。図示したように、ループには、コンプレッサがないこともある。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 加圧ガスをタンクに、特に、自動車の水素ガスタンクに充填するための装置であって、
少なくとも1つのガス源(2)と、
前記ガス源(2)に接続されている少なくとも1つの上流端を備える移送回路(3)と、
充填されるタンク(5)に取り外し可能な仕方で接続されるように意図されている少なくとも1つの下流端(4)とを備え、
前記移送回路(3)は、その上流端と下流端との間に、それぞれの接続弁のセット(16-21)を介して前記移送回路(3)に並列に接続されているバッファ蓄積コンテナのセット(6-11)をさらに備え、
前記移送回路(3)は、ループ(12)を形成するパイプの部分を備え、
複数の前記バッファ蓄積コンテナ(6-11)は、前記ループ(12)に並列に接続されている、装置において、
前記移送回路(3)は、それぞれが取り外し可能な仕方で充填されるべきそれぞれのタンク(5)に接続されるように意図されている複数の別々の下流端(4)を備え、
前記下流端(4)は、前記ループ(12)に並列に接続され、それぞれの連結弁(40、140、240、340)のセットを備え、前記接続弁の制御、及び、前記連結弁の制御が、少なくとも1つの第1のバッファ蓄積コンテナと、前記ループ(12)を介した第1の下流端との流体連結をもたらすこと、同時に、少なくとも1つの第2のバッファ蓄積コンテナと、前記ループ(12)を介した第2の下流端との流体連結をもたらすこと、及び/又は、2つの別々のバッファ蓄積コンテナとの流体連結をもたらすことを可能にすることを特徴とする、装置。
[2] 前記移送回路(3)のループ(12)は、遮断弁(13)の閉/開状態にしたがって、前記ループ(12)中の循環の方向を制御することによって、バッファ蓄積コンテナに、若しくはバッファ蓄積コンテナから前記ループ(12)中の流体の循環を遮断し、又は許容するように構成されている遮断弁(13)のセットを備えることを特徴とする、[1]に記載の装置。
[3] 前記遮断弁(13)のセットは、各バッファ蓄積コンテナに対して、前記ループ(12)と前記バッファ蓄積コンテナとの連結部のいずれの側にもそれぞれ位置付けられている2つの弁を備えていることを特徴とする、[2]に記載の装置。
[4] 前記ループ(12)は、複数の下流端(4)の前記ループ(12)への2つの隣接する接続間に位置付けられている少なくとも1つの弁(13、23)を備えていることを特徴とする、[1]から[3]のうちのいずれか1項に記載の装置。
[5] 前記移送回路(3)は、少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備え、前記コンプレッサは、前記ガス源(2)と少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナのうちの少なくとも1つに接続されている圧縮されるべきガスに対する入口と、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナと前記移送回路(3)の複数の下流端(4)のうちの少なくとも1つに接続されている圧縮ガス出口とを備える、[1]から[4]のうちのいずれか1項に記載の装置。
[6] 前記装置は、前記ガス源(2)と前記ループ(12)との間の前記移送回路中に直列に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備えており、すなわち、前記コンプレッサ(15、22)の入口が前記ガス源(2)に接続され、前記コンプレッサ(15、22)の出口が前記ループ(12)に接続されており、このことにより、前記バッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、前記ループ(12)を介した前記移送回路の前記複数の下流端(4)のすべて若しくはいくつかに、前記ループ(12)を介して圧縮ガスを供給することを可能にすることを特徴とする、[5]に記載の装置。
[7] 前記装置は、前記移送回路(3)中に位置付けられている少なくとも1つのコンプレッサ(15、22)を備え、前記コンプレッサ(15、22)の入口は前記ループ(12)の一部分に接続され、前記コンプレッサ(15、22)の出口は前記ループ(12)の別の部分に接続されており、
前記ガス源(2)から、及び/又は、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナから発出する流体を前記コンプレッサ(15、22)の入口に供給することを可能にし、ならびに、他のバッファ蓄積コンテナのすべて若しくはいくつかに、及び/又は、前記移送回路の下流端のすべて若しくはいくつかに、前記ループ(12)を介して前記コンプレッサ(15、22)によって圧縮されるガスを供給することを可能にするようになっていることを特徴とする、[5]に記載の装置。
[8] 前記装置は、前記移送回路(3)に並列に又は直列に位置付けられている2つのコンプレッサ(15、22)を備えることを特徴とする、[5]から[7]のうちのいずれか1項に記載の装置。
[9] [1]から[8]のうちのいずれか1項に記載の装置を使用して、加圧ガスをタンクに、特に、自動車の水素ガスタンクに充填する方法であって、
該方法は、前記ループ(12)の第1の部分を介して、前記移送回路(3)の第1の下流端(4)に接続されている第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階を含む、方法。
[10] 前記方法は、前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階と同時に、前記ループ(12)の第2の部分を介して前記移送回路(3)の第2の下流端(4)に接続されている第2のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階を含むことを特徴とする、[9]に記載の方法。
[11] 前記第2のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、[10]に記載の方法。
[12] 前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階と同時に、前記ループ(12)の別の部分を介して、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナへ加圧ガスを移送する段階を含むことを特徴とする、[9]から[11]のうちのいずれか1項に記載の方法。
[13] 前記少なくとも1つのバッファ保管タンクへ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、[12]に記載の方法。
[14] 前記第1のタンク(5)へ加圧ガスを移送する段階の間、前記加圧ガスは、少なくとも1つのバッファ蓄積コンテナ、特に、カスケードで連続して使用されるいくつかのバッファ蓄積コンテナによって、及び/又は、コンプレッサ(15、22)によって提供されることを特徴とする、[9]から[13]のうちのいずれか1項に記載の方法。
図1
図2