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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240805BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240805BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240805BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
G09G5/00 530H
G06T1/00 510
G09G5/02 B
H04N23/63 330
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020005072
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113847
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅泰
(72)【発明者】
【氏名】占部 弘文
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146949(JP,A)
【文献】特開2010-016798(JP,A)
【文献】特開2017-175219(JP,A)
【文献】特開2015-230411(JP,A)
【文献】米国特許第09786251(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0139204(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0255207(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107818553(CN,A)
【文献】特開2010-124147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G06T 1/00
G09G 5/02
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を取得する画像取得手段と、
前記動画の対象フレームの複数の画素のうち、輝度階調値の範囲である設定範囲に輝度階調値が含まれる画素を有彩色で表示し、前記設定範囲に輝度階調値が含まれない画素を無彩色で表示する表示手段と、
を有し、
前記設定範囲は、輝度階調値の上限または下限からの範囲であり、前記対象フレームにおいて全画素数に対する所定割合以上の画素が含まれるように設定された範囲であ
前記所定割合は、前記動画のフレーム間で同一である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記対象フレームにおける輝度情報を取得する情報取得手段と、
前記輝度情報に基づき前記設定範囲を決定する制御手段と、
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記対象フレームの輝度情報は、前記対象フレームにおける輝度階調値ごとの画素数を示す分布情報を含み、
前記制御手段は、前記分布情報に基づき前記設定範囲を決定する、
ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記対象フレームにおける前記設定範囲に輝度階調値が含まれる画素を輝度階調値に応じた有彩色で表示する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示手段を有する表示装置の制御方法であって、
動画を取得する画像取得工程と、
前記動画の対象フレームの複数の画素のうち、輝度階調値の範囲である設定範囲に輝度階調値が含まれる画素を有彩色で前記表示手段に表示し、前記設定範囲に輝度階調値が含まれない画素を無彩色で前記表示手段に表示する表示工程と、
を有し、
前記設定範囲は、輝度階調値の上限または下限からの範囲であり、前記対象フレームにおいて全画素数に対する所定割合以上の画素が含まれるように設定された範囲であ
前記所定割合は、前記動画のフレーム間で同一である、
ことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項6】
請求項に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、標準的なダイナミックレンジ(SDR:Standard Dynamic Range)よりも広いハイダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)の画像(画像信号)を取り扱う機会が増えている。このHDRの方式として、ITU-R(Radiocommunication Sector of ITU) BT.2100により規定されるPQ(Perceptual Quantizer)やHLG(Hybrid Log-Gamma)がある。PQ方式では、0~10000cd/mの輝度レンジを扱っており、低輝度から高輝度までの幅広い輝度レンジでHDRの画像の表現ができる。
【0003】
ここで、HDRの画像の制作において、高輝度から低輝度までの幅広い輝度レンジを使えているかを確認することが重要である。例えば、フレーム(フレーム画像)内でのピーク輝度(最高輝度)、最低輝度、および平均輝度を管理したいニーズがある。このため、画像の輝度を解析して表示する機能が搭載された表示装置がある。
【0004】
特許文献1には、記録画像のダイナミックレンジ(輝度範囲)に比べて表示された画像のダイナミックレンジが狭い場合には、記録画像のうち輝度階調値(Y値)が所定値以上の領域をゼブラ(縞模様)表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-167609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、ピーク輝度の画素を含む相対的に高輝度な領域や、最低輝度の画素を含む相対的に低輝度な領域を確認したいというニーズがある。しかし、特許文献1の技術では、記録画像のうち輝度階調値が所定値以上の領域が全てゼブラ表示されるため、ユーザは、表示されている画像のうち相対的に高輝度な領域や低輝度な領域を把握できない。
【0007】
そこで、本発明は、画像における相対的に高輝度な領域や低輝度な領域を容易にユーザに把握させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、
動画を取得する画像取得手段と、
前記動画の対象フレームの複数の画素のうち、輝度階調値の範囲である設定範囲に輝度階調値が含まれる画素を有彩色で表示し、前記設定範囲に輝度階調値が含まれない画素を無彩色で表示する表示手段と、
を有し、
前記設定範囲は、輝度階調値の上限または下限からの範囲であり、前記対象フレームにおいて全画素数に対する所定割合以上の画素が含まれるように設定された範囲であ
前記所定割合は、前記動画のフレーム間で同一である、
ことを特徴とする表示装置である。
【0011】
本発明の第2の態様は、
表示手段を有する表示装置の制御方法であって、
動画を取得する画像取得工程と、
前記動画の対象フレームの複数の画素のうち、輝度階調値の範囲である設定範囲に輝度階調値が含まれる画素を有彩色で前記表示手段に表示し、前記設定範囲に輝度階調値が含まれない画素を無彩色で前記表示手段に表示する表示工程と、
を有し、
前記設定範囲は、輝度階調値の上限または下限からの範囲であり、前記対象フレームにおいて全画素数に対する所定割合以上の画素が含まれるように設定された範囲であ
前記所定割合は、前記動画のフレーム間で同一である、
ことを特徴とする表示装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像における相対的に高輝度な領域や低輝度な領域を容易にユーザに把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る表示装置の構成図である。
図2】実施形態1に係る3D-LUTの生成処理を示すフローチャートである。
図3】実施形態1に係る輝度分布情報を示す図である。
図4】従来および実施形態1に係る輝度と色の対応関係を示す図である。
図5】実施形態1に係る表示画像を示す図である。
図6】実施形態1に係る表示画像を示す図である。
図7】実施形態1に係る着色度合いと着色階調幅と閾値との関係を示す図である。
図8】実施形態2に係る3D-LUTの生成処理を示すフローチャートである。
図9】実施形態2に係る輝度分布情報を示す図である。
図10】実施形態2,3に係る表示画像を示す図である。
図11】実施形態3に係る3D-LUTの生成処理を示すフローチャートである。
図12】実施形態3に係る輝度分布情報を説明する図である。
図13】フォルスカラーを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[アシスト機能について]
まず、以下にて、実施形態を説明する前に、画像の輝度を確認するためのアシスト機能について説明する。このようなアシスト機能として、ゼブラ表示、オーバーレンジ、フォルスカラー、波形モニタ、ピクセル値チェックなどの機能がある。なお、以下では、画像の「輝度」とは、当該画像のデータが示すデータ輝度でもあり、当該画像がHDRの画像として(アシスト機能を用いずに)表示される場合の表示輝度でもある。また、「高輝度領域」とは、対象の画像(フレーム)において相対的に高輝度な領域であり、「低輝度領域」とは、対象の画像(フレーム)において相対的に低輝度な領域である。また、「着色」とは、有彩色を付することをいう。
【0017】
ゼブラ表示とは、所定の輝度以上の画素からなる領域をゼブラ(縞模様)で表示する機能である。オーバーレンジとは、所定の輝度以上の画素を赤色などの所定の色で表示する機能である。フォルスカラーとは、輝度に応じた色で画像の各画素を着色して表示を行う機能であり、例えば、図13に示す輝度と色の関係に基づき着色表示する機能である。波形モニタとは、横軸を画像の横座標とし、縦軸を輝度とするグラフに輝度をプロットし、輝度の分布を波形として表示する機能である。ピクセル値チェックとは、ユーザが選択した画素の画素値や輝度を表示する機能である。
【0018】
ここで、画像制作において、ピーク輝度などの一点のみではなく、ピーク輝度の画素を含む高輝度領域や、最低輝度の画素を含む低輝度領域などを確認したい場合がある。その場合に、上述した機能では、これらの領域を把握できないまたは直感的に把握しづらい。
【0019】
ゼブラ表示では、例えば、1000cd/m以上の輝度の領域をゼブラ表示する設定にした場合には、ピーク輝度が1200cd/mであるフレームでは、1000cd/m~1200cd/mの輝度の領域がゼブラ表示される。このため、ユーザは、高輝度領域を把握することができる。しかし、例えば、ピーク輝度が300cd/mであるフレームでは、ゼブラ表示される領域が存在しないため、ゼブラ表示の設定をしなおす必要がある。しかしながら、フレームごとに変化するピーク輝度に合わせて、ユーザが設定を変更することは困難である。
【0020】
また、オーバーレンジでは、ゼブラ表示と同様に、フレームのピーク輝度に合わせてユ
ーザが設定を変更する必要があるため、フレーム内の高輝度領域をユーザが把握することは困難である。
【0021】
また、フォルスカラーでは、ピーク輝度が1200cd/mであるフレームにおいて、高輝度領域は黄色で表示され、高輝度領域以外の画素は緑色、藍色、青色などで表示される。また、ピーク輝度が300cd/mであるフレームでは、高輝度領域が藍色で表示され、高輝度領域以外の画素は青色などで表示される。このように、高輝度領域がフレームのピーク輝度に応じて異なる色で表示され、かつ、高輝度領域以外の領域も着色されてしまうため、ユーザが高輝度領域を把握することは困難である。
【0022】
また、波形モニタでは、波形とフレームを見比べて、波形モニタにおいて高輝度がプロットされている横座標から、フレーム内での高輝度領域を確認する必要がある。このため、高輝度領域を正確に把握することは困難である。
【0023】
また、ピクセル値チェックでは、ユーザが選択した画素の輝度は分かるが、それ以外の画素の輝度は分からないため、高輝度領域をユーザが把握することは困難である。
【0024】
<実施形態1>
実施形態1では、上述のようなアシスト機能よりも効果的に、入力画像における高輝度領域を容易にユーザに把握させることができる表示装置(表示方法;表示制御方法)について説明する。
【0025】
[表示装置の構成について]
図1は、本実施形態に係る表示装置100を示す構成図である。表示装置100は、画像取得部101、情報取得部102、処理部103、描画部104、表示部105、表示制御部106を有する。
【0026】
画像取得部101は、撮像装置や再生装置などの外部装置から入力画像(画像信号)を取得し、入力画像を情報取得部102に出力する。本実施形態では、画像取得部101が取得する入力画像は、複数のフレームを有する動画である。また、1つのフレームは、複数の画素(例えば、解像度が1920×1080である場合には、1920×1080=2073600個の画素)から構成される。画像取得部101は、例えば、SDIやHDMI(登録商標;High-Definition Multimedia Interface)などの規格に準拠した入力端子を含む。
【0027】
情報取得部102は、画像取得部101から取得した入力画像の各フレームを解析し、フレームごとにピーク輝度階調値と輝度分布情報を輝度情報として取得する。ここで、輝度階調値とは、入力画像の輝度を示す階調値(YCbCr/YPbPrのY値)である。ピーク輝度階調値とは、フレーム内の全画素の輝度階調値における最大値である。また、輝度分布情報とは、輝度階調値と画素数の関係を示す情報であり、例えば、10bitの信号で表される入力画像の場合には、0~1023の輝度階調値ごとの画素数を示す。なお、本実施形態では、PQ方式によって、輝度階調値と輝度が対応付けられるものとする。
【0028】
なお、輝度情報を入力画像の解析によって得るものとしたが、入力画像に重畳されるメタデータから得てもよい。メタデータには、SMPTE ST2094で定義される1フレーム毎のピーク輝度情報を含む動的メタデータなどが適用可能である。
【0029】
情報取得部102は、輝度情報を表示制御部106に出力する。また、情報取得部102は、入力画像を処理部103に出力する。
【0030】
処理部103は、着色設定が「オフ」である場合に、情報取得部102から取得した入力画像に対して画像処理を施し、画像処理後の画像を描画部104に出力する。ここで、着色設定とは、各画素の輝度(輝度階調値)に応じて入力画像を着色した状態で表示するか否かの設定である。表示装置100は、着色設定が「オン」であれば、入力画像を着色した状態で表示し、着色設定が「オフ」であれば、入力画像を着色せずに表示する。なお、着色設定は、ユーザが予め設定することが可能であり、例えば、不図示の記録部に記録される。
【0031】
例えば、処理部103は、着色設定が「オフ」である場合には、取得した入力画像(画像信号)を、表示部105が表示するための形式の画像(画像信号)に変換する。着色設定が「オン」である場合には、処理部103は、画像処理をせずに、入力画像を描画部104に出力する。なお、処理部103が行う変換は、例えば、表示制御部106から設定されるPQやHLG、ガンマ2.2などのEOTF(Electro Optical Transfer Function)設定に基づき行われる。また、処理部103が行う変換は、ITU-R BT.709やITU-R BT.2020など色域設定、LimitedレンジやFullレンジなどの信号レンジ設定に基づいて行われてもよい。なお、本実施形態では、処理部103は、画像処理として、PQ方式に従って入力画像を変換する処理を行う。
【0032】
描画部104は、着色設定が「オン」である場合には、処理部103から取得した入力画像に対して着色処理(描画処理)を施し、着色処理後の画像を表示部105に出力する。着色設定が「オフ」である場合には、処理部103から取得した画像に着色処理を施さずに、表示部105に出力する。着色処理は、表示制御部106から設定される3D-LUT(3Dimension-Look Up Table)に基づき行われる。本実施形態では、描画部104が3D-LUTに基づく着色処理を行うことによって、入力画像における高輝度領域をユーザに把握させることができる。なお、描画部104は、ゼブラパターンや図形が複数配置された模様(グラフィック)などの所定の模様で高輝度領域を表示することで、高輝度領域をユーザに把握させてもよい。
【0033】
表示部105は、バックライトと液晶パネルを有し、描画部104から取得した画像を液晶パネルに表示する。なお、表示部105は、画像を液晶パネルに表示するものに限らず、有機ELパネルやLEDパネルなどに表示するものであってもよいし、投影することによってスクリーンに表示するものであってもよい。
【0034】
表示制御部106は、不揮発メモリに記録されたプログラムを実行して、表示装置100の各ブロックを制御する。また、表示制御部106は、表示装置100の筐体に設置されたボタンなどに対するユーザ操作を受け付ける。表示制御部106は、ユーザ操作によって設定されたEOTF設定や色域設定、信号レンジ設定を処理部103に設定することもできる。
【0035】
表示制御部106は、ユーザ操作によって着色設定が「オン」に設定された場合には、情報取得部102から取得した輝度情報に基づき、3D-LUTを算出する。表示制御部106は、算出した3D-LUTを描画部104に出力する。なお、表示制御部106は、着色設定が「オン」に設定された場合には、入力画像の輝度階調値に応じて描画部104が着色処理をするため、画像処理を行わないように処理部103に指示する。
【0036】
[3D-LUTの生成処理について]
以降、表示制御部106における3D-LUTの生成処理について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、表示制御部106が、不図示の不揮発メモリに記録されたプ
ログラムを実行することによって、図2のフローチャートの各処理が実行される。以下では、入力画像の1つのフレーム(以下、「対象フレーム」とする)に対する3D-LUTの生成処理についてのみ説明するが、入力画像の各フレームについて図2のフローチャートの処理が行われる。また、表示制御部106が、対象フレームのピーク輝度階調値と輝度分布情報を情報取得部102から取得すると、図2のフローチャートの処理が開始する。
【0037】
S1001において、表示制御部106は、ユーザ操作によって設定されている着色設定を記録部から取得して、着色設定が「オン」と「オフ」のいずれであるかを判定する。着色設定が「オン」である場合には、S1002に進み、着色設定が「オフ」である場合には、本フローチャートの処理が終了する。
【0038】
S1002~S1005において、表示制御部106は、着色輝度範囲(設定範囲)を設定する。具体的には、表示制御部106は、入力画像の対象フレームについて、着色を行う対象の画素の輝度階調値の下限値(下限輝度階調値L_low)から上限値(上限輝度階調値L_up)までの範囲を着色輝度範囲として設定する。
【0039】
S1002において、表示制御部106は、上限輝度階調値L_upを1023に設定する。
【0040】
S1003において、表示制御部106は、情報取得部102から取得したピーク輝度階調値L_peakに基づき下限輝度階調値L_lowを決定する。S1003では、表示制御部106は、ピーク輝度階調値L_peakから着色階調幅αを減算した値を、下限輝度階調値L_lowとして決定する。着色階調幅αとは、ピーク輝度階調値L_peakからの階調幅であり、本実施形態では固定値とするが、ユーザが任意に設定することも可能である。
【0041】
ここで、着色階調幅αを予め決定しておくことによれば、ピーク輝度階調値L_peakから着色階調幅αを減算した階調値までの画素は必ず着色されることになる。つまり、ピーク輝度階調値L_peakの画素の数が多くても、ピーク輝度階調値L_peakに近い階調値の画素(高輝度領域)も確実に着色することができる。従って、ユーザは、ピーク輝度階調値L_peakの画素のみならず、ピーク輝度階調値L_peakに近い画素の領域(高輝度領域)を把握することができる。
【0042】
例えば、ピーク輝度階調値L_peak=740、着色階調幅α=10である場合には、下限輝度階調値L_lowは、下記の式1により730と決定できる。
L_low=L_peak-α=740-10=730・・・式1
【0043】
S1004において、表示制御部106は、上限輝度階調値L_upと下限輝度階調値L_lowと輝度分布情報とに基づき、対象フレームの全画素数に対する着色される画素数の割合Rが1%(ユーザが所望する値)以上であるか否かを判定する。割合Rが1%以上である場合には、S1006に進む。割合Rが1%以上ではない場合には、S1005に進む。
【0044】
対象フレームの全画素数は、例えば、入力画像の解像度が1920×1080の解像度である場合には、1920×1080=2073600である。対象フレームの全画素数は、輝度分布情報に基づき、各輝度階調値の画素数を足し合わせることで算出されてもよい。
【0045】
一方、着色される画素数は、上限輝度階調値L_up、下限輝度階調値L_lowおよ
び輝度分布情報から算出することができる。例えば、上限輝度階調値L_upが1023であり、下限輝度階調値L_lowが730であれば、着色される画素数は、730~1023の輝度階調値に存在する画素数(輝度分布情報から判断可能)を足し合わせた数である。具体的には、図3に示す輝度分布の場合には、着色される画素数は110である。なお、割合R=(110/2073600)×100≒0.0053%と算出されるため、割合Rは、1%以上ではない。
【0046】
S1005において、表示制御部106は、下限輝度階調値L_lowを1デクリメント、つまり値を1だけマイナスする。
【0047】
つまり、S1004およびS1005の処理により、割合Rが1%以上になるまで下限輝度階調値L_lowがデクリメントされる。図3が示す例では、下限輝度階調値L_lowが708になった場合に、着色される画素の割合Rが1%以上になる。従って、S1002~S1005の処理によって、下限輝度階調値L_low=708と決定され、上限輝度階調値L_up=1023と決定される。つまり、S1006に遷移する時点において、下限輝度階調値L_lowと上限輝度階調値L_upが確定して、着色輝度範囲が設定される。
【0048】
図3が示す輝度分布では、ピーク輝度近辺に少しの画素しかない。このため、例えば、ピーク輝度階調値L_peak=740と、着色階調幅α=10から算出した下限輝度階調値L_low=730との間の輝度階調値の画素に対して着色すると、110画素(全体の0.0053%)の小面積しか着色されない。このため、高輝度領域は視認しづらい。しかし、本実施形態のように、表示制御部106が、着色される画素の割合Rを所定割合以上にすることによって、フレーム内での高輝度領域を視認しやすくすることができる。
【0049】
S1006において、表示制御部106は、下限輝度階調値L_lowと上限輝度階調値L_upに基づき、3D-LUTを生成する。S1006において、表示制御部106は、着色輝度範囲に含まれない輝度階調値の画素の色をモノクロに変換し、着色輝度範囲に含まれる輝度階調値の画素の色を当該輝度階調値に対応する輝度に応じた色に変換するための3D-LUTを生成する。
【0050】
図4Aは、従来のようにフォルスカラーで表示する場合の輝度と色の対応関係の例を示す。これに対して、本実施形態では、図4Aが示す対応関係に基づき、着色輝度範囲(輝度階調値708~1023)の範囲外の輝度階調値に対応する輝度(0~858cd/mの輝度)の画素をモノクロで表示するような、図4Bが示す3D-LUTが生成される。つまり、3D-LUTを用いれば、0cd/m以上かつ858cd/m以下の輝度の画素の色は灰色(無彩色)に変換され、858cd/mより高く1000cd/m以下の輝度の画素の色は緑色に変換される。1000cd/mより高く2000cd/m以下の輝度の画素の色は黄色に変換される。2000cd/mより高く4000cd/m以下の輝度の画素の色は橙色に変換される。4000cd/mより高く10000cd/m以下の輝度の画素の色は赤色に変換される。
【0051】
なお、図3が示す輝度分布では、ピーク輝度階調値L_peakが740であり、ピーク輝度階調値は輝度換算で1200cd/mである。このため、2000cd/mを超える輝度の画素はフレーム内に存在しないので、橙色と赤色で着色される画素は存在しない。
【0052】
このように、表示制御部106が3D-LUTを生成することにより、表示部105は、対象フレームにおける着色輝度範囲内の輝度階調値の画素を、着色輝度範囲内でない輝
度階調値の画素とは異なる表示形態で表示することができる。
【0053】
S1007において、表示制御部106は、生成した3D-LUTを描画部104に出力する。そして、描画部104により、入力画像の対象フレームは、輝度階調値(輝度)に応じて着色処理がされ、図5Aが示すように表示部105に表示画像120として表示される。
【0054】
表示画像120における領域121は、1000cd/mより高く1200cd/m以下の輝度の画素の領域であり、黄色で表示される。また、領域122は、858cd/mより高く1000cd/m以下の輝度の画素の領域であり、緑色で表示される。それ以外の領域の画素は、輝度858cd/m以下の画素であり、灰色(無彩色)で表示される。このように、フレーム内で上位1%の高輝度の画素のみが有彩色で着色されており、さらに、高輝度の画素は輝度に応じて異なる有彩色で着色されている。
【0055】
このように、本実施形態では、着色輝度範囲をフレーム毎に算出しているため、フレーム間で一定の面積以上で高輝度の画素が着色された画像が表示される。
【0056】
[効果]
以上説明したように、入力画像のフレームのピーク輝度情報、輝度分布情報を基に着色輝度範囲を算出し、フレームの高輝度画素のみを有彩色で着色処理することにより、ユーザは直感的に高輝度領域を把握することができる。
【0057】
また、ピーク輝度に近い輝度を有する画素が少ないフレームにおいても、着色される画素の割合が所定割合以上とされるため、ユーザは、フレーム内での高輝度領域を視認しやすい。
【0058】
なお、本実施形態において、着色輝度範囲の上限輝度階調値L_upを1023に設定するとしたが、上限輝度階調値L_upは、ピーク輝度階調値L_peak以上(ピーク輝度階調値以上)であり、かつ、1023以下であれば任意の値であってもよい。
【0059】
また、本実施形態において、着色輝度範囲内の輝度階調値の画素の色は、輝度と色の対応関係に基づいて輝度に応じた色に変換するとしたが、着色輝度範囲内の輝度階調値の画素の全てを赤色などの所定の色で表示することができる。図5Bは、着色輝度範囲内の輝度階調値の画素を赤色で表示した場合の表示例を示す。表示画像130において、領域131は、着色輝度範囲内の輝度階調値に対応する輝度858~1200cd/mの画素の領域であり、赤色で表示される。また、領域131以外の領域は灰色で表示される。なお、着色された後の画素の輝度は、所定の輝度であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、入力画像の輝度に応じた輝度(入力画像の輝度と同じ輝度など)を、着色された後の画素の輝度としてもよい。また、着色された画素の輝度は所定の輝度で表示され、着色されていない画素は入力画像の輝度に応じた無彩色(モノクロ)で表示されてもよい。
【0060】
さらに、本実施形態において、着色輝度範囲内の輝度階調値の領域(画素の集合)をゼブラで表示し、着色輝度範囲外の輝度階調値の画素を着色無し(入力画像の本来の色)で表示することができる。図6は、着色輝度範囲内の輝度階調値の画素をゼブラで表示し、着色輝度範囲外の輝度階調値の画素を着色無しで表示する表示例を示す。表示画像140において、着色輝度範囲内の輝度階調値に対応する輝度858~1200cd/mの画素の領域である領域141がゼブラ表示される。領域141以外の領域は、入力画像の画素値に対応する色(入力画像の色)で表示される。なお、ユーザが着色輝度範囲内の画像を確認したい場合に、着色輝度範囲内の輝度階調値の領域(画素の集合)を着色無し(入力画像の本来の色)で表示し、着色輝度範囲外の輝度階調値の画素をゼブラで表示するよ
うに表示を切り替え可能であってもよい。
【0061】
本実施形態において、表示制御部106は、ピーク輝度情報および輝度分布情報に基づき着色輝度範囲の下限輝度階調値を決定したが、ピーク輝度情報のみに基づいて着色輝度範囲の下限輝度階調値を決定してもよい。
【0062】
ここで、ピーク輝度情報のみで算出する場合には、S1003において下限輝度階調値が算出されて、S1004とS1005の処理は実行されず、S1006に進む。この場合には、ピーク輝度階調値から一定階調値分(所定の幅)の高輝度領域を着色することが可能である。
【0063】
本実施形態において、表示制御部106は、割合Rが閾値(本実施形態では1%)以上になるまで下限輝度階調値L_lowをデクリメントしたが、着色される画素の数が所定数になるまで下限輝度階調値L_lowをデクリメントしてもよい。つまり、表示制御部106は、入力画像の各フレームにおいて一定の数以上の画素が着色されるように、フレームごとに下限輝度階調値L_low(着色輝度範囲)を決定すればよい。なお、この一定の数は、入力画像のフレーム間で同一の数である。
【0064】
また、本実施形態において、着色階調幅α(本実施形態では10)や着色される画素の割合の閾値(本実施形態では1%)は固定値として説明したが、ユーザ操作により設定される設定値に基づき変更される値であってもよい。
【0065】
図7は、着色度合い設定と、着色階調幅αおよび着色される画素の割合の閾値との関係の例を示すテーブルである。図7は、ユーザ操作により-5~+5の着色度合いの設定が行われる例である。表示制御部106は、図7に示したテーブルから、着色度合いの設定に基づき、着色階調幅αと着色される画素の割合の閾値を変更する。このことで、ユーザが任意に、着色輝度範囲を調整することができる。
【0066】
<実施形態2>
実施形態2に係る表示装置100について説明する。本実施形態では、表示装置100は、入力画像の最低輝度の情報(および輝度分布情報)に応じて低輝度領域を着色して表示する。
【0067】
本実施形態に係る表示装置100の構成は、実施形態1に係る表示装置100と同様の構成を有する。ここで、本実施形態では、情報取得部102と表示制御部106とが行う処理が実施形態1とは異なるため、以下では、情報取得部102と表示制御部106について詳細に説明する。
【0068】
情報取得部102は、入力画像の各フレームを解析することによって、フレームごとに最低輝度階調値と輝度分布情報を輝度情報として生成する。情報取得部102は、最低輝度階調値と輝度分布情報を輝度情報として表示制御部106に出力する。ここで、最低輝度階調値とは、フレーム内の全画素の輝度階調値における最小値である。また、情報取得部102は、最低輝度階調値などの輝度情報を入力画像の解析によって得るが、入力画像に重畳されるメタデータから輝度情報を得てもよい。
【0069】
表示制御部106は、図8のフローチャートの処理を行い、3D-LUTを生成する。
【0070】
[3D-LUT生成処理について]
本実施形態に係る表示制御部106における3D-LUTの生成処理について図8のフローチャートを用いて説明する。なお、表示制御部106が、不図示の不揮発メモリに記
録されたプログラムを実行することによって、図8のフローチャートの各処理が実行される。以下では、入力画像の対象フレームに対する3D-LUTの生成処理についてのみ説明するが、入力画像の各フレームについて図8のフローチャートの処理が行われる。また、表示制御部106が、対象フレームの最低輝度階調値と輝度分布情報を情報取得部102から取得すると、図8のフローチャートの処理が開始する。なお、S1001,S1004,S1006,S1007については、図3のフローチャートの処理と同様の処理がされるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
S1001において、表示制御部106は、着色設定が「オン」と「オフ」のいずれであるか判定する。着色設定が「オン」である場合には、S2002に進み、着色設定が「オフ」である場合には、本フローチャートの処理が終了する。
【0072】
S2002において、表示制御部106は、下限輝度階調値L_lowを0に設定する。なお、下限輝度階調値L_lowは、0である必要はなく、最低輝度階調値L_min以下(最低輝度階調値以下)に設定されればよい。
【0073】
S2003において、表示制御部106は、情報取得部102から出力された最低輝度階調値L_minに基づき上限輝度階調値L_upを決定する。S2003において、表示制御部106は、最低輝度階調値L_minから着色階調幅αを加算した値を上限輝度階調値L_upとして決定する。
【0074】
例えば、最低輝度階調値L_min=64であり、着色階調幅α=10である場合には、下記の式2から、上限輝度階調値L_upは74であると決定できる。
L_up=L_min+α=64+10=74・・・式2
【0075】
S1004において、表示制御部106は、対象フレームの全画素数に対する着色される画素数の割合Rが1%以上であるか否かを判定する。割合Rが1%以上ではない場合には、S2005に進む。割合Rが1%以上である場合にはS1006に進む。
【0076】
S2005では、表示制御部106は、上限輝度階調値L_upを1インクリメント、つまり値を1だけプラスする。
【0077】
このように、S1004およびS2005の処理により、割合Rが1%以上になるまで上限輝度階調値L_upがインクリメントされる。図9が示す輝度分布では、上限輝度階調値L_upが118になれば、割合Rが1%以上となる。
【0078】
S2002,S2003,S1004,S2005の処理によって、下限輝度階調値L_low=0と決定され、上限輝度階調値L_up=118と決定される。つまり、S2002,S2003,S1004,S2005において、表示制御部106は、着色輝度範囲(設定範囲)を設定している。
【0079】
本実施形態によって、図9が示す輝度分布の対象フレームに対して着色された表示画像210の表示例を図10Aに示す。表示画像210において、領域211の画素は、着色輝度範囲に含まれる輝度階調値0~118を有し、輝度換算で0~0.1cd/mの画素であるため、紫色で表示される。表示画像210における領域211以外の画素は灰色で表示される。
【0080】
本実施形態において、表示制御部106は、最低輝度階調値および輝度分布情報に基づき着色輝度範囲の上限輝度階調値を決定したが、最低輝度階調値のみに基づいて着色輝度範囲の上限輝度階調値を決定してもよい。
【0081】
ここで、最低輝度階調値のみで算出する場合には、S2003において上限輝度階調値が算出されて、S1004とS2005の処理は実行されず、S1006に進む。この場合には、最低輝度階調値から一定階調値分(所定の幅)の低輝度領域を着色することが可能である。
【0082】
以上説明したように、入力画像のフレームの最低輝度情報、輝度分布情報を基に着色輝度範囲を算出し、フレームの低輝度画素のみを有彩色で着色処理することにより、ユーザは直感的に低輝度領域を把握することができる。また、本実施形態においても一定数以上の画素が着色されるため、低輝度領域をユーザが視認しやすい。
【0083】
<実施形態3>
実施形態3について説明する。本実施形態では、表示装置100は、輝度分布情報に応じて、画素数が多い輝度階調値の画素を着色処理する。本実施形態では、表示装置100は、入力画像の対象フレームにおいて同一の輝度階調値の画素の数が一定の数以上の画素を、対象フレームにおいて同一の輝度階調値の画素の数が一定の数未満の画素とは異なる表示形態で表示する。なお、実施形態1と同様の処理を行うものについては説明を省略する。
【0084】
本実施形態は、実施形態1とは表示制御部106の処理のみが異なるため、図11のフローチャートを用いて表示制御部106の処理について説明する。なお、表示制御部106が、不図示の不揮発メモリに記録されたプログラムを実行することによって、図11のフローチャートの各処理が実行される。以下では、入力画像の対象フレームに対する3D-LUTの生成処理についてのみ説明するが、入力画像の各フレームについて図11のフローチャートの処理が行われる。また、表示制御部106が、対象フレームの輝度分布情報を情報取得部102から取得すると、図11のフローチャートの処理が開始する。
【0085】
S3001において、表示制御部106は、ユーザ操作によって設定されている着色設定を取得して、着色設定が「オン」と「オフ」のいずれであるか判定する。着色設定が「オン」である場合には、S3002に進み、着色設定が「オフ」である場合には、本フローチャートの処理が終了する。
【0086】
S3002において、表示制御部106は、情報取得部102から出力された輝度分布情報に基づき、同一の輝度階調値である画素数が所定割合以上(例えば、全体の画素数の1%以上)である画素の輝度階調値を抽出する。例えば、入力画像の解像度が1920×1080の場合、全体の画素数の1%は1920×1080×0.01=20736である。
【0087】
図12が示す輝度分布を有する対象フレームの場合には、表示制御部106は、輝度階調値340~355,472~479をそれぞれ抽出する。
【0088】
S3003において、表示制御部106は、S3002で抽出した輝度階調値のうち、連続した輝度階調値を1つのグループとして、グループごとに異なる有彩色を割り当てる。例えば、表示制御部106は、輝度階調値340~355には緑色を割り当て、輝度階調値472~479には黄色を割り当てる。
【0089】
S3004において、表示制御部106は、3D-LUTを生成する。ここで、3D-LUTは、S3002で抽出した輝度階調値に対応する輝度の画素の色をS3003で割り当てた有彩色に変換し、有彩色が割り当てられなかった輝度階調値に対応する輝度の画素の色を灰色に変換するテーブルである。
【0090】
S3005において、表示制御部106は、3D-LUTを描画部104に出力する。
【0091】
図12に示す輝度分布を有する対象フレームに対して着色された表示画像310の表示例を図10Bに示す。表示画像310において、領域311の画素は、輝度階調値が472~479であり、輝度換算で65~71cd/mであるため、黄色で表示される。領域312の画素では、輝度階調値が340~355であり、輝度換算で12~15cd/mであるため、緑色で表示される。表示画像310において、これらの領域以外の画素は灰色で表示される。
【0092】
以上説明したように、入力画像の輝度分布情報に基づき、画素数が全体の所定割合以上の輝度階調値の画素を有彩色で着色処理する。このことにより、ユーザは輝度の偏りの有無および、輝度の偏りが発生している領域を直感的に把握することができる。
【0093】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0094】
なお、上記の各実施形態や各変形例の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSPなどのハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサと、制御プログラムが格納されたメモリ(記憶媒体)とを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
【0095】
(その他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0096】
100:表示装置、101:画像取得部、105:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13