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▶ イフォクレール ヴィヴァデント アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】三次元製品の付加製造の方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/00 20060101AFI20240805BHJP
   A61C 13/007 20060101ALI20240805BHJP
   A61C 13/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61C13/00 B
A61C13/007
A61C13/08 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020014708
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2020142059
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】19161717
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501151539
【氏名又は名称】イフォクレール ヴィヴァデント アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Ivoclar Vivadent AG
【住所又は居所原語表記】Bendererstr.2 FL-9494 Schaan Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリック ジョン
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/022379(US,A1)
【文献】特開平03-244528(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/071989(US,A1)
【文献】特表2014-513637(JP,A)
【文献】特開2005-059477(JP,A)
【文献】Thomas Hafkamp, et al.,A TRADE-OFF ANALYSIS OF RECOATING METHODS FOR VAT PHOTOPOLYMERIZATION OF CERAMICS,Proceedings of the 28th Annual International Solid Freeform Fabrication Symposium - An additive Manufacturing Conference Reviewed Paper,2017年01月01日,pp. 2687-711
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/00
A61C 13/007
A61C 13/08
A61C 7/14
A61C 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップダウン光造形を使用して三次元製品付加製造するための方法であって、前記方法において、バット(50)における流動性でありかつ光重合性である材料は、上方からの露光によって局部選択的様式で固化され
前記バットにおける液体レベルの上方を移動可能であるブロア(2)の加圧されたガスノズルから、前記ブロア(2)移動方向を横切る方向に広がる加圧されたガス噴射が、前記流動性でありかつ光重合性である材料表面に向けられ、かつ、前記表面に渡って前記ブロアからの前記加圧されたガス噴射を移動させることによって前記表面を滑らかかつ平らにするために、固化される前記表面の領域に作用し、
前記方法は、
多構成要素製品を作製するために、トップダウン光造形による前記付加製造の方法が、作製される前記多構成要素製品の既存の構成要素に、作製される前記多構成要素製品の更なる構成要素を取り付けるために使用され、前記既存の構成要素は、前記既存の構成要素の下方に位置する作製プラットフォーム(20)によって保持され、
前記ブロア(2)の前記加圧されたガスノズルが、前記バットに対する調整可能な高さにおいて移動可能であり、
(a)前記作製プラットフォーム(20)が、新しい層を画定するために前記バット(50)において前記流動性でありかつ光重合性である材料内へ降下させられて、前記流動性でありかつ光重合性である材料において効果的に1層厚さ分だけさらに深く位置するために再び上昇させられ、
(b)前記加圧されたガスノズルが、前記流動性でありかつ光重合性である材料の表面を滑らかかつ平らにするために、固化させられる前記流動性でありかつ光重合性である材料の領域に渡って移動させられ、
(c)前記流動性であり光重合性である材料の前記表面が、局部選択的様式で露光され、
工程(a)~(c)が、前記更なる構成要素がうまく製造されて前記既存の構成要素に取り付けられるまで繰り返され、
前記既存の構成要素は、少なくとも1つの領域を伴う起伏構造を有し、前記少なくとも1つの領域は、工程(a)の前記作製プラットフォーム(20)の第1の降下後、かつ、工程(b)に先立って、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面から突出し、
前記ブロア(2)の前記加圧されたガスノズルの高さは、前記バットの上方の高さにあるように調整され、これにより、工程(a)の前記作製プラットフォーム(20)の前記第1の降下後、前記加圧されたガスノズルは、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面から突出している前記既存の構成要素の最も高い点よりも高く位置することによって特徴付けられている、方法。
【請求項2】
前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面までの距離が、前記ブロア(2)に固定的に接続されている距離センサで測定されること
によって特徴付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記距離センサによって測定される前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面までの前記距離が、前記ブロア(2)の動作パラメータを制御するために利用され、前記ブロア(2)は、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面を特定的に滑らかかつ平らにするために、前記加圧されたガス噴射が覆われた領域における流動性でありかつ光重合性である材料の位置依存的変位をもたらすという効果のために、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面に渡って移動させられるこ
によって特徴付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記距離センサによって測定される前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面までの前記距離が、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面に対する露光ユニットの画像平面を調整するために利用され、従って作製平面に対す露光ユニット画像平面を調整するために利用され、この目的のために、前記露光ユニットおよび/または前記バットは、移動させられること
によって特徴付けられている、請求項または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面を滑らかかつ平らにするために前記ブロア(2)動作を制御するためにパラメータ圧力、前記噴射の幅、体積流量、前記表面に対する前記ブロア(2)の前記加圧されたガスノズルの移動速度、および/または、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面上の直交軸に対する前記ブロア(2)の前記加圧されたガスノズルから排出された前記加圧されたガス噴射の傾きの角度が、固化される前記領域に渡って均一な、前記表面までの画定された距離を実現するために、かつ、この様式によって最後に硬化させられた領域の頂部における画定された均一な材料層を獲得するために、制御されること
によって特徴付けられている、請求項または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記加圧されたガスノズルが、エアーブレードとして細長いノズルギャップを伴って形成され、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面上の直交軸に対して+-45°の範囲内の入射の調整可能な角度で、好ましくは前記表面に直交して、前記流動性でありかつ光重合性である材料の前記表面に渡って移動させられること
によって特徴付けられている、請求項1~のうちのいずれか記載の方法。
【請求項7】
前記既存の構成要素が、選択的に取り付けられた固化させられた光重合体によって少なくとも部分的に組み込まれ、その結果組み込まれた部分は、固化させられた光重合体に包囲されること
によって特徴付けられている、請求項のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項8】
複数の更なる構成要素(36、37、38)を取り付けるための複数の工程において、いくつかの異なる光重合性材料が、前記多構成要素製品を作製するために作製材料として後続的に使用されること
によって特徴付けられている、請求項1~のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記多構成要素製品の前記既存の構成要素が、作製される前記三次元製品を作製するために使用される前記方法を使用して事前に作製されていること
によって特徴付けられてい請求項に記載の方法。
【請求項10】
第1の作製段階において、既存の構成要素(64)を挿入するための少なくとも1つの凹部(62)を含む前記多構成要素製品の第1の部品が、作製され、
前記既存の構成要素(64)が、前記少なくとも1つの凹部(62)に挿入されて、後続的に、その上に、前記多構成要素製品の更なる部品が、作製され、その結果、挿入された前記既存の構成要素(64)は作製部品によって組み込まれ、かつ、少なくとも部分的に封入されること
によって特徴付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記多構成要素製品の前記第1の部品が、歯科または歯列矯正製品の一部であり、既存の構成要素として、金属またはセラミックの構成要素(64)、または、プラスチックまたは複合体から作られた構成要素(64)が、前記第1の部品の前記少なくとも1つの凹部(62)に挿入され、
この既存の構成要素が、次に、前記既存の構成要素を封入するように作製された前記多構成要素製品の更なる部品によって組み込まれること
によって特徴付けられている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記既存の構成要素が、人工歯科弓またはその一部であり、前記人工歯科弓またはその一部は基底側が上を向いている状態で前記作製プラットフォーム(20)上で支持され、
更なる構成要素として、補綴基底(32)またはその一部が、前記人工歯科弓またはその一部基底領域の周りに取り付けられ、これにより、前記人工歯科弓またはその一部は、ポジティブ嵌合様式で取り付けられた前記補綴基底(32)に組み込まれること
によって特徴付けられてい、請求項のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項13】
全体補綴物、部分補綴物、または歯列矯正器等の歯科または歯列矯正製品前記多構成要素製品の更なる部品を既存の構成要素の周りに作製することによって生成され、その結果、前記歯科または歯列矯正製品は、前記既存の構成要素と取り付けられた前記更なる部品とのポジティブロック複合体として、それらを接合または接着によって接続することなく、形成されること
によって特徴付けられている、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロア(2)のための加圧されたガスとして、加圧された空気が使用され、前記加圧された空気は、ファン、コンプレッサによって、または加圧された空気リザーバによって加圧された空気ノズルとして形成された前記加圧されたガスノズルに供給されること
によって特徴付けられている、請求項1~13のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項15】
露光工程の後、前記作製プラットフォームが、前記液体レベルの上方に上昇させられ既に作製された部品は、接着している重合されていない超過材料を除去するために、清掃のための前記ブロア(2)からの前記加圧されたガス噴射でブローオフされ、
随意に、その後、前記作製プラットフォームが、清掃液体の槽に浸漬されて、再び前記清掃液体の外へ上昇させられて、その後、前記既に作製された部品は、乾燥のための前記ブロア(2)からの加圧されたガス噴射を使用してブローオフされること
によって特徴付けられている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バットにおける流動性でありかつ光重合性である材料が上からの局部選択的露光によって硬化させられるトップダウン光造形を利用する三次元製品の付加製造の方法に関する。
【0002】
本発明は、概して、光造形によって流動性でありかつ光重合性である材料を硬化させることによる三次元製品の付加製造に関係し、材料は、局部選択的様式で後続層において硬化させられ、各層の所定の局部選択的露光領域は、作製される製品の3Dモデルのデータによって決定される。
【0003】
本発明は、特に、歯科製品および歯列矯正製品の製造に関するものであり、特に、事前に製作された歯および歯肉の基底シミュレート部分から構成される歯科全体補綴物および部分補綴物に製造に関するものであり、基底および歯は、最良の様式で自然の特性をシミュレートできるように異なる材料からなる。
【背景技術】
【0004】
一般的に使用される全体補綴物または部分補綴物の製造のプロセスにおいて、事前に製作された歯は、位置決めテンプレートにおいて位置決めされ、位置決めテンプレートは、同時に射出金型を形成し、位置決めテンプレートは、挿入された歯が互いに対して正しく位置決めされている状態を保ち、その後、基底材料(例えば、ポリメチルメタクリレート)が歯の周りに射出される。
【0005】
デジタルプロセスチェーンにおいて、人工歯と基底とは、例えば、浸食または付加製造方法によって、別々に製造され、典型的な場合、別々に製造された基底と歯とは、糊付けによって取り付けられ、それによって基底において歯が留まる。事前に製造された歯は、事前に製造された標準歯であることができるか、または個別に製造された人工歯であることができる。
【0006】
いくつかの構成要素から歯科および歯列矯正製品(例えば、異なる種類の部分補綴物および歯科矯正器)を製造することは、依然として多くの手作業を伴う。モデル鋳造と、ワイヤおよび金属矯正器を曲げるためのロボットによる造形作業と、製品の更なる構成要素の付加製造工程とは、製造プロセスにおいて役に立ち得るが、完全かつ継続的にデジタルである作製プロセスは、今のところ依然として実現されることができない。これに関して、ワイヤまたは矯正器構成要素等の金属構成要素が例えばプラスチックから製造された更なる構成要素に組み込まれなければならない場合、特に問題である。今日に至るまで、これは、金属構成要素をプレス型内に導入することによって、および、金属構成要素の周りにオーバーモールド型を形成するために樹脂を射出することによって達成されてきた。代替的に、歯列矯正プレートは、プラスチックから作られることができ、当該プレートには、金属構成要素が一体化される凹部が提供されている。金属構成要素を凹部に挿入した後、凹部は、挿入された金属構成要素をオーバーモールドするように樹脂材料を手動で流し込むことによって充填されることができ、その後、表面は、研削および研磨によって仕上げられる。任意の場合において、実質的にデジタル化されたプロセスチェーンの妨げとなる多くの個別の製造工程および手動中間工程が必要である。
【0007】
WO 2016/083296 A1において、補綴物の基底を補綴物の歯の上にプリントすることによって歯科補綴物を製造する方法が説明されている。この方法において、補綴物の歯は、補綴物の歯の基底端部分が露光されるように咬合プレートにおいて固定される。全ての歯の基底表面は、全ての基底表面が同じ平面に位置するまでそれらを研削することによって短くされる。その後、補綴歯を含む咬合プレートは、光造形3Dプリンタのホルダ内に挿入される。これに関して、ボトムアップ光造形法が説明され、歯の基底端が下を向いている状態で歯が垂直に移動可能な作製プラットフォームから吊るされるように、咬合プレートは、作製プラットフォームに結合される。次に、補綴物歯の基底端部分は、作製プラットフォームを光重合性液体で充填されたバットに向かって降下させることによって、基底表面が下を向いている歯がバットの底プレートに当接するまで浸漬される。底プレートは、作製領域において透明であり、底プレートの下には、位置選択的露光用の露光ユニットが提供されている。このような様式によって、第1の層は、露光によって硬化させられることができ、当該第1の層は、浸漬された歯の基底端部分を組み込む。後続的に硬化させられた全ての層は、継続的に作製プラットフォームと歯とをそれらの上に既に形成された層と共に上昇させることによって、および補綴物の基底の層の更なる局部選択的硬化によって、形成される。この方法によって、付加製造された基底に組み込まれることができる歯の最大深度は、基底の光重合性材料の最大硬化深度に対応し、当該最大硬化深度は、典型的に、ミリメートルの範囲である。加えて、付加された補綴物基底と歯との間の境界線は、直線であり、即ち、基底表面がバットの底プレート上に接触しているときに作製プラットフォームを光重合性材料に向かって液体レベルだけ降下させた後に画定される光重合性材料の境界線である。人間の歯列において、歯肉と歯との間の境界線は、直線ではないため、これは、全体補綴物の不自然な見た目および外見をもたらす。特に、自然な歯肉乳頭をシミュレートするように隣接する歯の境界区域における上昇させられた部分を生成することは、説明された方法では可能ではない。
【0008】
上記の広範に説明された方法以外に、作製プラットフォーム上の歯が光重合性材料内へ降下させられ得、その後光重合性材料が上から露光され得ることも、言及されている。更には説明されていないこの代替方法は、硬化させられる光重合性材料が光重合性材料を広げるドクターブレードによって平らにされなければならないトップダウン光造形プロセスに対応する。先行技術文献おいて更には説明されていないこの代替方法は、請求項1の前文の基礎を形成する。
【0009】
ボトムアップ光造形法において、次に固化させられる層の層厚さは、形成される第1の層については、作製プラットフォームの下表面が所望の層厚さに対応するバット底の上のレベルの深度まで光重合性材料内へ作製プラットフォームを降下させることによって正確な様式で画定されることができる。即ち、作製プラットフォームとバット底との間の区域から材料を変位させることによって、作製プラットフォームの下表面とバット底との間の所望の層厚さは、正確に設定される。後続的に硬化させられる層について、最後に硬化させられた層の下表面からバット底までの間の距離は、前記説明に対応する様式で設定される。
【0010】
トップダウン光造形を使用する方法において、基準平面(同時に作製平面である)を使用して次に硬化させられる層に対する所望の厚さを伴うそのような層画定は、可能ではない。トップダウン光造形において、画定された層厚さを有する光重合性材料の層は、作製プラットフォームの上表面上(硬化させられる第1の層について)または最後に硬化させられた層の上表面上で画定されなければならない。この目的のために、作製プラットフォームは、光重合性材料が作製プラットフォームまたは最後に重合された層を覆って流動し得るように次の層の所望の層厚さとしてバットにおける光重合性材料内へ更に下に降下させられる(ディープディッピング(deep dipping)としても知られる)。その後、作製プラットフォームは、次の層の層厚さの所望のレベルまで再び上昇させられる。即ち、降下と再上昇と間の距離の差は、所望の層厚さに等しい。しかしながら、この様式によって、ほとんどの場合、滑らかな表面と均一な厚さとを有する層は獲得されず、作製プラットフォームまたは最後に硬化させられた層の上にメニスカスがそれぞれ形成され、典型的に、メニスカスの層厚さまたは高さは、典型的に0.05mm~0.15mmの範囲にある作製のための所望の層厚さよりも大きく、例えば、0.5mm~1.5mmである。材料の粘度および/または表面張力が高ければ高いほど、形成されるメニスカスは厚い。層毎の付加製造中にこれが起きる場合、硬化させられる層の正確な画定の欠如は、作製される対象の著しい不精密性をもたらす。そのようなメニスカスの形成は、図1に示され、図1a)において、作製プラットフォーム20は、バット50における光重合性材料へ既に降下させられている。図1b)に示されるように、作製プラットフォーム20は、光重合性材料が作製プラットフォーム20の表面に渡って流動するように、所望の層厚さよりも長い距離だけバット50内へ更に下に降下させられなければならない。その後、図1c)に示されるように、作製プラットフォーム20を側方から包囲している領域における液体レベルと比較して作製プラットフォームが所望の層厚さに等しいこのレベルより下の深度にくるまで、作製プラットフォームは、再び上昇させられる。しかしながら、作製プラットフォームをこのレベルまで上昇させるとき、作製プラットフォーム20の頂部にある材料も、上昇させられ、上記メニスカスが作製プラットフォーム20の頂部に残るように、作製プラットフォームから完全には流れ落ちない。所望の値を上回る層厚さの1mmを超える偏差をもたらし得るそのような不精密性は、許容不可能である。
【0011】
従来から、固体のドクターブレードは、光重合性材料の層の表面を滑らかにしかつ平らにするために使用され、当該ドクターブレードは、最後に形成された層の表面に渡って移動するように駆動させられることができる。ドクターブレードアセンブリは、水平移動可能(水平とは、液体レベルに対して平行な平面の方向である)に吊るされたドクターブレードを含み、ドクターブレードの下縁は、画定された高さに調整可能である。移動するドクターブレードによって光重合性材料が前に押されるような高さレベルで、かつ所望の層厚さを有する滑らかにされた光重合性材料の層がドクターブレードの後ろに残るように、移動可能なドクターブレードは、作製領域に渡って移動させられる。
【0012】
製品の作製プロセス中、別の材料の作製部品層が付加され取り付けられるべきである製品の以前に製造された作製部品が存在するとき、および他の光重合性材料の層について以前に製造された作製部品が他の材料の表面を超えて突起するとき等、ドクターブレードが使用できない状況およびコンステレーションが存在し得る。そのような状況において、表面に渡って移動するドクターブレードが突出部品と衝突するため、ドクターブレードアセンブリは、使用できない。
【0013】
作製される製品の側方隣に突出した突起を有する別の構造において製品が作製される場合、類似の問題が発生する。
【0014】
そのようなコンステレーションにおいて、ボトムアップ光造形自体は、使用できず、かつ巨大なドクターブレードを伴うトップダウン光造形も、実行されることができず、そのため、トップダウン光造形の適用性の分野も、限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】国際公開第2016/083296号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、上記状況においても使用可能な改善されたトップダウン光造形法を提供することであり、そのような状況では、これまでのところ、少なくとも、より粘性が高いが依然として流動性である平らにならない材料が使用される場合であるが、正確な様式による付加製造によって作製部品の製造を可能にするために次に硬化させられる層の層表面の正確な画定が必要とされる場合、トップダウン光造形法が使用できなかった。
【0017】
この目的は、三次元製品の付加製造の方法によって達成され、当該方法は、請求項1の特徴を備える。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において示される。
【0018】
トップダウン光造形を利用する三次元製品の付加製造の方法において、バットにおける流動性でありかつ光重合性である材料は、上からの露光によって局部選択的様式で硬化させられ、本発明に従い、流動は、次に硬化させられる材料層の表面を滑らかかつ平らにするために行われる。露光の前に同じ様式で以前に硬化させられた層が平らにされる限り、即ち、作製プラットフォームを包囲している領域における液体レベルと均一レベルにされる限り、この様式でも、画定されかつ均一である層厚さが生成される。バットにおける液体レベルの垂直方向の上の距離において移動可能なブロアの加圧されたガスノズルからの加圧されたガス噴射は、生成されて、硬化させられる表面の領域に渡って加圧されたガスノズルを有するブロアを移動させることによって光重合性材料の表面に向けられ、当該加圧されたガス噴射は、ガスノズルおよび当該ガス噴射の移動の方向を横断する方向に広がり、当該加圧されたガス噴射は、この表面に作用しながらこの表面に渡って移動させられ、表面を滑らかにする。表面に渡るその移動方向を横断して広がる加圧されたガス噴射の衝撃によって、光重合性材料は、光重合性材料の上昇させられた表面を有する区域から変位させられ、それによって、表面は、バットにおける作製物を側方から包囲している液体レベルと均一レベルまで平らにされる。加圧されたガスノズルから材料表面までの距離に言及する場合、この距離は、バットにおける作製プラットフォームの周囲にある流動性材料の表面レベルまでの直交距離として画定される。表面に渡って移動する加圧されたガス噴射によって滑らかかつ平らにすることが行われる前に、材料表面までの直交距離は、上記画定距離から逸脱し得、それは、作製プラットフォームの上の区域において、例えばそこに形成されたメニスカスが原因で、材料表面が変形し得るからである。
【0019】
本発明に従うと、トップダウン光造形法において、その移動方向を横断する方向に広がる加圧されたガス噴射は、加圧されたガスノズルによって生成されて、光重合性材料の表面に向けられて、表面を平らにするために表面に渡って移動させられる。加圧されたガスノズルは、エアードクターブレード(加圧されたガスとして加圧された空気である場合)としてその移動方向を横断して広がる加圧されたガス噴射を用いて作用し、エアードクターブレードは、従来の機械ドクターブレードとは異なり、光重合性材料の表面の上の距離にある加圧された空気ノズルによって生成されるが、それにも関わらず、加圧された空気流によって材料表面上に直接作用する。
【0020】
本開示の意味において、ブロアは、概して、形成された加圧された噴射としてかつ向けられた体積流動流として加圧されたガス源から加圧されたガス流を放出する加圧されたガスノズルを有する加圧されたガス源であるとみなされる。加圧されたガス源として、モータ駆動ポンプ(ファン)または加圧されたガスタンクが使用されることができる。加圧されたガス源は、加圧されたガスノズルに直接接続されることができ、加圧されたガス源と加圧されたガスノズルは、コヒーレントアセンブリを形成することができる。多くの場合、加圧された空気は、ブロアが加圧された空気源とそれに接続された加圧された空気噴射を排出する加圧された空気ノズルとを備えるように、加圧されたガスとして利用される。加圧された空気の代替として、材料表面上で阻害を低減または防止するために不活性ガス(例えば、窒素)等の別のガスが圧力下で供給されることができる。
【0021】
好ましい実施形態において、本発明の方法によって、作製される製品の既存の構成要素に作製される製品の更なる構成要素を取り付けるために、本発明に従った方法は、多構成要素製品を製造するために利用される。これに関して、既存の構成要素の下にある作製プラットフォームによって保持される既存の構成要素は、流動性でありかつ光重合性である材料を含むバットへ作製プラットフォームを降下させることによって、降下させられて、次に、より低い距離だけ再び上昇させられ、降下距離と上昇距離との間の差は、所望の層厚さと等しく、それによって、次に露光される層が形成される。これらの工程中、作製プラットフォームを降下させることによって既存の構成要素がバットにおける光重合性材料の液体レベルを下回る場合、流動性でありかつ光重合性である材料がこの既存の構成要素の部分も覆って流動することが可能である。加圧されたガスノズルは、既存の構成要素の最高地点よりも高いレベルで光重合性材料の新しい層を形成するための第1の降下および上昇の後に位置する高さレベルで水平移動可能に吊るされる。この理由により、加圧されたガスノズルは、バットに渡って移動可能である高さに対して調整可能となることができ、既存の構成要素の高さの上のレベルまで加圧されたガスノズルの高さを調整することを許容する。この様式によって、加圧されたガスの流れによって硬化させられる光重合性材料の領域を滑らかにしかつ平らにするために、既存の構成要素の突出部品と衝突することなく、作製領域に渡って加圧されたガスノズルが移動させられることができることが達成される。表面を平らにした後、光重合性材料は、層を所望の形で固化させるために、現在の層が硬化させられるように局部選択的に露光される。光重合性材料の新しい層を画定するための降下および上昇の工程と、次に硬化させられる層の表面を平らにするための次に硬化させられる層の表面に渡って加圧されたガスノズルをそれの加圧されたガス噴射を伴って移動させる工程と、固化のための後続の局部選択的露光の工程とは、作製される製品の更なる構成要素が既存の構成要素に取り付けられるまで必要なだけ頻繁に繰り返される。
【0022】
原則として、この方法によって、側方向および垂直方向における更なる部分を既存の構成要素に付加して取り付けることが可能である。
【0023】
この様式によって、異なる材料を使用して補綴歯の異なる区画も付加されることができる。
【0024】
好ましい実施形態において、光重合性材料の表面までの距離は、加圧されたガスノズルに固定して取り付けられた距離センサを使用して測定される。この様式によって、光重合性材料の表面までの距離は、位置依存的様式で決定されることができ、それによって、メニスカスの場合におけるような隆起が決定され、かつ、空気噴射を適用した後、材料を変位させることによる隆起の排除が決定される。この場合、距離センサによって測定された光重合性材料の表面までの距離が光重合性材料の表面に渡って移動するブロアの制御動作パラメータに使用されることが特に好ましい。この様式によって、加圧されたガスノズル(例えば、エアードクターブレード)の適用後に全体(例えば、作製プラットフォームを包囲する液体レベルを含む)として平らにされた表面が獲得され、かつ、位置選択的固化のための光重合性材料の画定された層厚さが形成される、即ち、均一な液体レベルが形成されるように、ガス噴射がメニスカスまたは任意の他の隆起の区域における光重合性材料を変位させて、表面を平らにするように、ガス噴射は、調整される。表面までの均一な距離、ひいては、均一な液体レベルが実現されるように、ノズルが作製領域に渡って移動させられている間、ガス流の強度は、ガス噴射の側方範囲、空気流速度、体積流量および光重合性材料の表面までの距離等の様々な制御変数を使用して制御されることができ、これは、光重合性材料の表面が制御された様式で滑らかかつ平らにされたこととメニスカスが排除されたこととを意味する。
【0025】
好ましい実施形態において、光重合性材料の表面を滑らかかつ平らにするためのブロアの動作パラメータの制御は、固化させられる領域の表面までの均一な距離を実現し、それによって均一な液体レベルを達成するために、ガスの圧力、加圧されたガス流の幅、体積流量、表面に渡る加圧されたガスノズルの移動速度、および/または光重合性材料の表面に直交する軸に対して加圧されたガスノズルによって排出される加圧されたガス噴射の傾きを制御することによって実施される。
【0026】
他方、そのような制御または調節は、必ずしも必要とされず、それは、光重合性材料の異なる材料特性に対して加圧されたガスノズルに好適な動作パラメータを前もって決定することと、特定の光重合性材料を使用する特定の作製プロセスに対してこの光重合性材料を変位させることおよび平らにすることに好適な関連付けられた動作パラメータを選択することとが、可能であるためである。
【0027】
好ましい実施形態において、加圧されたガスノズルは、硬化させられる光重合性材料の表面に渡って移動させられ、加圧されたガスノズルは、ノズルの移動方向を横断する方向に広がっている細長いノズルギャップによって形成され、かつエアードクターブレード(エアーブレード)として形成され、排出された加圧された空気流の傾きの角度は、光重合性材料の表面上の直交方向に対して+-45°の範囲で調整可能であり、特に表面に対して直交して方向付けられる。
【0028】
好ましい実施形態において、既存の構成要素は、更なる構成要素の作製領域において既存の構成要素が硬化させられた光重合体によって封入されるように、更なる構成要素として硬化させられた光重合体によって少なくとも部分的に封入される。
【0029】
好ましい実施形態において、現存する構成要素は、補綴または人工の歯科弓あるいはその一部である。人工歯科弓またはその一部は、基底側が上を向くように作製プラットフォームによって保持されている。更なる構成要素として、補綴基底またはその一部は、人工歯科弓またはその一部の基底部分を包囲するように取り付けられており、それによって、人工歯科弓またはその一部は、ポジティブロック嵌め(positive locking fit)で取り付けられた補綴基底に組み込まれたその基底部分と一緒になる。
【0030】
好ましい実施形態において、異なる光重合性材料は、製品を作製するためのいくつかの更なる構成要素を付加するために後続的に使用される。この様式によって、所望の材料区画と、材料積層と、材料多様性とが製品において生み出されることができる。
【0031】
好ましい実施形態において、上記方法を使用して更なる構成要素が取り付けられる既存の構成要素自体は、本発明に従った方法を使用して作製された構成要素である。
【0032】
好ましい実施形態において、本方法の第1段階において、製品の第1の部品が上記方法を使用して作製され、第1の部品において、既存の構成要素を挿入するための凹部が形成される。既存の構成要素は、少なくとも1つの凹部に置かれ、その後、凹部に挿入された既存の構成要素が2つの作製された部品によって封入されかつそこに少なくとも部分的に組み込まれるように、製品の残りの第2の部品が、上記方法を使用して、作製される。この好ましい方法は、例えば、部分的に一体化される金属部品(ワイヤ、ブラケット要素等)を含む歯列矯正プレートを備える歯科矯正器等の歯列矯正製品を作製するのに好適である。この場合、作製プロセスの第1の段階は、層毎の重合性材料によって歯列矯正プレートの第1の部品を作るために使用されることができ、この第1の部品は、構成要素が挿入されるための凹部を含む。第1の部品の完成後、第1の部品は、作製プラットフォームに残り、作製プラットフォームは、より容易な扱いのために、バットにおける材料から外に引き上げられ、第1の部品は、更なる構成要素を挿入する工程のために凹部をよりアクセス可能にするために、加圧されたガスノズルを使用してブローすることによって随意に清掃される。その後、これらの凹部内に、挿入構成要素が、提供された設計(例えば、挿入構成要素として、ワイヤおよびブラケット要素)に従って置かれ、その後、付加作製プロセスが歯列矯正プレートの第2の作製部品を作製することによって継続されることによって、凹部は、充填され、それによって、挿入構成要素は、組み込まれ、挿入構成要素は、歯列矯正プレートに少なくとも部分的に一体化される。
【0033】
本方法の好ましい実施形態において、既存の挿入構成要素は、金属部品、プラスチック部品、複合部品、またはセラミック部品であり、この様式によって、既存の構成要素は、歯科または歯列製品に少なくとも部分的に一体化される。
【0034】
本発明に従ったそのような方法によって、歯科部分補綴物を製造することが可能であり、歯と歯肉部分とは、本発明に従った付加製造によって作製され、鋳造金属からなる設置要素は、歯肉部分(補綴基底)において挿入構成要素として付加されて取り付けられ、それらは、ポジティブ嵌合様式で組み込まれる。
【0035】
好ましい実施形態において、作製プラットフォームは、露光工程の後、液面レベルの上のレベルまで引き上げられ、既に作製された部分は、接着している重合されていない材料の全ての超過物を除去するために、ブロアからの加圧されたガス噴射を使用してブローすることによって清掃され、その後、随意に、作製プラットフォームは、清掃液体の槽に浸漬されて、槽から再び上昇させられて、既に作製された部品は、部品にブロアからの加圧されたガス噴射を向けることによって乾燥させられる。
【0036】
更に、本発明に従った方法を実施する装置が提供され、当該装置は、製品として作製される構成要素のデジタル3Dモデルが格納されている制御ユニットと、制御ユニットの制御のもとで、上から局部選択的様式で層毎にバットにおける光重合性材料を露光するように適合された垂直移動可能な露光ユニットと、作製される製品を保持するための垂直移動可能な作製プラットフォームであって、当該作製プラットフォームは、制御ユニットの制御のもとでバットにおける光重合性材料内へ垂直に降下させられることができる、作製プラットフォームとを備えており、制御ユニットは、1つより多くの層厚さによって作製プラットフォームを継続的に降下するように、かつ、光重合性材料の新しい層を形成するために1つの層厚さ以外を再び上昇させるように、そしてその後、3Dモデルによって決定された所定の形において層を固化させるためにこの層のために前もって決定された領域おける局部選択的露光のために露光ユニットを操作するように、並びに、製品または製品の構成要素が所定の三次元の形に作製されるまで最後の2つの工程を繰り返すように、適合されている。加圧されたガス源と加圧されたガスノズルとを備えたブロアは、バットの頂部に設置され、加圧されたガスノズルは、バットの上に吊るされており、かつバットにおける光重合性材料の表面に渡って移動させられるように制御ユニットのもとで移動可能である。加圧されたガスノズルは、一体化されたアセンブリとして加圧されたガス源と共に移動可能となることができる。代替として、加圧されたガス源は、動かないように設置され、かつ可撓性チューブによって移動可能な加圧されたガスノズルに接続され得る。加圧されたガスノズルは、加圧されたガス噴射を光重合性材料の表面に向けるために構成され、当該加圧されたガス噴射は、表面に渡る加圧されたガスノズルの移動方向を横切る方向に広がり、それによって、光重合性材料の新しい層を形成するための作製プラットフォームの再度の更なる降下および上昇の各工程後の加圧されたガスノズルからの加圧されたガス噴射は、加圧されたガス噴射の作用によって、この層の表面を滑らかかつ平らにする。
【0037】
好ましい実施形態において、露光ユニットは、投影光学系を備え、投影光学系は、物体側においてテレセントリック撮像を実現する。これは、材料表面に向けられる露光ユニットからの光が、本質的に直交方向に沿って入射するという利点を有し、これは、材料層が付加的に取り付けられる表面の上に既存の構成要素が突出することによる表面の潜在的影を最小限にする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
トップダウン光造形を使用する三次元製品の付加製造の方法であって、該方法において、バット(50)における流動性でありかつ光重合性である材料は、上からの露光によって局部選択的様式で固化され、該方法は、
該バットにおける液体レベルの上を移動可能であるブロア(2)の加圧されたガスノズルから、該ブロア(2)の該移動方向を横切る方向に広がる加圧されたガス噴射が、該光重合性材料の該表面に向けられ、かつ、該表面に渡って該ブロアからの該加圧されたガス噴射を移動させることによって該表面を滑らかかつ平らにするために、固化される該材料表面の領域に作用すること
によって特徴付けられる、方法。
(項目2)
多構成要素製品を作製するために、上記項目に記載のトップダウン光造形による上記付加製造方法は、該作製される製品の既存の構成要素に該作製される製品の更なる構成要素を取り付けるために使用され、該既存の構成要素は、該既存の構成要素の下に位置する作製プラットフォーム(20)によって保持され、
該作製プラットフォーム(20)は、新しい層を画定するために上記バット(50)において上記流動性でありかつ光重合性である材料内へ降下させられて、該光重合性材料において効果的に1層厚さ分だけさらに深く位置するために再び上昇させられ、上記ブロア(2)の上記加圧されたガスノズルは、該作製プラットフォーム(20)の該第1の降下後、該加圧されたガスノズルが、該既存の構成要素の最高地点よりも高く位置するように、該バットの上の高さにおいて移動可能であり、
該加圧されたガスノズル(2)は、該光重合性材料の表面を滑らかかつ平らにするために、固化させられる該光重合性材料の領域に渡って移動させられ、
該光重合性材料の該表面は、局部選択的様式で露光され、
最後の3つの工程は、該更なる構成要素がうまく製造されて該既存の構成要素に取り付けられるまで繰り返される
ことによって特徴付けられる、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記光重合性材料の上記表面までの距離は、上記ブロア(2)に固定的に接続されている距離センサで測定されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記距離センサによって測定される上記光重合性材料の上記表面までの上記距離は、該光重合性材料の該表面を特定的に滑らかかつ平らにするために、上記生成された加圧されたガス流が覆われた領域における光重合性材料の位置依存的変位をもたらすという効果のために該光重合性材料の該表面に渡って移動させられる上記ブロア(2)の動作パラメータを制御するために利用されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記距離センサによって測定される上記光重合性材料の上記表面までの上記距離は、該光重合性材料の該表面に対する、従って上記作製平面に対する上記露光ユニットの上記画像平面を調整するために利用され、この目的のために、該露光ユニットおよび/または上記材料バットは、移動させられること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記光重合性材料の上記表面を滑らかかつ平らにするために上記ブロア(2)の上記動作を制御するために、上記パラメータ圧力、上記噴射の幅、体積流量、該表面に対する該ブロア(2)の上記加圧されたガスノズルの移動速度、および/または該光重合性材料の該表面上の直交軸に対する該ブロア(2)の該加圧されたガスノズルから排出された上記加圧されたガス噴射の傾きの角度は、固化される上記領域に渡って均一に該表面に対してまでの画定された距離を実現するために、かつ、この様式によって最後に硬化させられた領域の頂部における画定された均一な材料層を獲得するために、制御されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記加圧されたガスノズルは、エアーブレードとして細長いノズルギャップを伴って形成され、上記光重合性材料の上記表面上の直交軸に対して+-45°の範囲内の入射の調整可能な角度で、好ましくは該表面に直交して、該光重合性材料の該表面に渡って移動させられること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記既存の構成要素は、選択的に取り付けられた固化させられた光重合体によって少なくとも部分的に組み込まれ、その結果、該組み込まれた部分は、固化させられた光重合体に包囲されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
複数の更なる構成要素(36、37、38)を取り付けるための複数の工程において、いくつかの異なる光重合性材料は、上記製品を作製するために作製材料として後続的に使用されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記製品の上記既存の構成要素は、上記項目のいずれかに記載の方法を使用して事前に作製されていること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
第1の作製段階において、既存の構成要素を挿入するための少なくとも1つの凹部(62)を含む上記製品の第1の部品は、上記項目のいずれかに記載の方法を使用して作製され、
該既存の構成要素(64)は、該少なくとも1つの凹部(62)に挿入されて、後続的に、その上に、該製品(60)の更なる部品は、上記項目のいずれかに記載の方法を使用して作製され、その結果、該挿入された既存の構成要素(64)は、上記作製部品によって組み込まれ、かつ、少なくとも部分的に封入されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
上記製品の上記第1の部品は、上記項目のいずれかに記載の方法によって作製された、歯科または歯列矯正製品の一部であり、既存の構成要素として、金属またはセラミックの構成要素(64)、または、プラスチックまたは複合体から作られた構成要素(64)が、該第1の部品の上記凹部(62)に挿入され、
この既存の構成要素は、次に、上記項目のいずれかに記載の方法を使用することによって該既存の構成要素を封入するように作製された該製品の更なる部品によって組み込まれること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
上記既存の構成要素は、人工歯科弓またはその一部であり、該人工歯科弓または該その一部は、上記基底側が上を向いている状態で作製プラットフォーム(20)上で支持され、
更なる構成要素として、補綴基底(32)またはその一部は、該人工歯科弓または該その一部の上記基底領域の周りに取り付けられ、それによって該人工歯科弓または該その一部は、ポジティブ嵌合様式で該取り付けられた補綴基底(32)に組み込まれること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
全体補綴物、部分補綴物、または歯列矯正器等の歯科または歯列矯正製品は、上記項目のいずれかに記載の方法を使用して該製品の更なる部品を既存の構成要素の周りに作製することによって生成され、その結果、該歯科または歯列矯正製品は、該既存の構成要素と該取り付けられた更なる部品とのポジティブロック複合体として、それらを接合または接着によって接続することなく、形成されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記ブロア(2)のための加圧されたガスとして、加圧された空気が使用され、該加圧された空気は、ファン、コンプレッサによって、または加圧された空気リザーバによって加圧された空気ノズルとして形成された該加圧されたガスノズルに供給されること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
露光工程の後、上記作製プラットフォームは、上記液体レベルの上に上昇させられ、上記既に作製された部品は、接着している重合されていない超過材料を除去するために、清掃のための上記ブロア(2)からの上記加圧された空気流でブローオフされ、
随意に、その後、該作製プラットフォームは、清掃液体の槽に浸漬されて、再び該清掃液体の外へ上昇させられて、その後、該既に作製された部品は、乾燥のための該ブロア(2)からの加圧された空気流を使用してブローオフされること
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記項目のいずれかに記載の方法を実施する装置であって、該装置は、
上記作製される上記製品の上記構成要素のデジタル3Dモデルが格納されている制御ユニットと、
該制御ユニットの上記制御のもとで局部選択的様式での上からの露光によってバット(50)における光重合性材料を露光および固化するように適合された垂直移動可能な露光ユニット(40、42、44)と、
該作成される製品を保持する垂直移動可能な作製プラットフォーム(20)であって、該作製プラットフォームは、制御ユニットの該制御のもとで垂直方向に該バット(50)における該光重合性材料内へ降下させられることができる、作製プラットフォーム(20)と、
を備え、
該制御ユニットは、光重合性材料の新しい層を形成するために、層厚さよりも多く該作製プラットフォーム(20)を降下させて再び該作製プラットフォーム(20)を上昇させることであって、それによって、該作製プラットフォーム(20)は、層厚さだけ降下させる、ことと、上記所定の形に該層を固化するために、その後この層専用の上記所定の領域において局部選択的様式で露光するために該露光ユニット(40、42、44)を操作することと、該製品または該製品の構成要素が上記所定の三次元の形で作製されるまで最後の2つの工程を繰り返すこととを行うように配置され、
ブロア(2)の加圧されたガスノズルは、該バットの上に吊るされかつ該光重合性材料の上記表面に渡って該制御ユニットの該制御のもとで移動可能であり、各工程後または光重合性材料の新しい層を形成するために作製プラットフォーム(20)を更に降下および上昇させた後、その表面を、該加圧されたガスノズルからの該加圧されたガス噴射の上記作用によって滑らかかつ平らにするために、該加圧されたガスノズルは、その移動方向を横切る方向に広がる加圧されたガス噴射を該光重合性材料の該表面に向けるように配置されること
によって特徴付けられる、装置。
(項目18)
上記露光ユニットは、上記物体側にテレセントリック撮像を実行する投影光学系(44)を含むこと
によって特徴付けられる、上記項目のいずれかに記載の装置。
(摘要)
本発明は、トップダウン光造形を使用する三次元製品の付加的に製造の方法に関する発明に関し、バット(50)における流動性でありかつ光重合性である材料は、上からの露光によって局部選択的様式で固化され、方法は、加圧されたガス噴射は、光重合性材料の表面に向けられ、当該加圧されたガス噴射は、バットにおける液体レベルの上を移動可能であるブロア(2)の加圧されたガスノズルによって排出され、加圧されたガス噴射は、ブロアの移動方向を横切る方向に広がり、表面を滑らかかつ平らにするために固化する材料表面の領域に渡って加圧されたガスノズルを有するブロアを移動させてこの様式で表面に作用することによって、特徴付けられる。そのような方法によって、多構成要素製品が作製され得、当該製品において、更なる構成要素は、バットにおける液体レベルを超えて(部分的に)突出する既存の構成要素に取り付けられて作製されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
ここで、本発明は、以下の図に関連する例示的実施形態を参照して説明される。
【0039】
図1図1a)~c)は、光重合性材料を有するバット内への作製プラットフォームの降下中の後続的工程を示す。
図2図2a)~c)は、本発明の方法に従った光重合性材料の表面を平らにするための更なる後続的工程を示す。
図3図3a)~b)は、加圧されたガスノズルの2つの異なる方向からの2つの平面図を示し、当該加圧されたガスノズルは、製品を作製するための本発明に従った方法において使用可能である。
図4図4a)~c)は、加圧されたガスノズルを含むブロアの様々な実施形態の概略的例示を示し、加圧されたガスノズルによって、広いガス流は、供給された加圧されたガスから生成され、本発明に従った方法によって光重合性材料に作用することができる。
図5-1】図5a)~f)は、本発明の作製方法における後続的工程を示し、付加製造によって、補綴基底は、人工歯の基底側に取り付けられ、かつ、人工歯の基底端部分の周りに作製される。
図5-2】図5a)~f)は、本発明の作製方法における後続的工程を示し、付加製造によって、補綴基底は、人工歯の基底側に取り付けられ、かつ、人工歯の基底端部分の周りに作製される。
図6-1】図6a)~f)は、本発明の作製方法における後続的工程を示し、人工歯は、異なる材料を使用して作製される。
図6-2】図6a)~f)は、本発明の作製方法における後続的工程を示し、人工歯は、異なる材料を使用して作製される。
図6-3】図6g)~h)は、本発明の作製方法における後続的工程を示し、補綴基底のための材料は、人工歯の周りに取り付けられかつ作製される。
図7図7は、図6に従った方法を使用することによって作製された人工歯と、本発明に従った付加作製によって人工歯の基底側を組み込む補綴基底とを断面図で示す。
図8-1】図8a)~h)は、本発明に従った方法の後続的工程を示し、一体化された金属部品を有する歯列矯正プレートが作製される。
図8-2】図8a)~h)は、本発明に従った方法の後続的工程を示し、一体化された金属部品を有する歯列矯正プレートが作製される。
図8-3】図8a)~h)は、本発明に従った方法の後続的工程を示し、一体化された金属部品を有する歯列矯正プレートが作製される。
図9図9は、別の方法によって製作された人工歯の位置決めをするためのホルダを有する作製プラットフォームの概略的断面図を示し、当該人工歯は、図5a)~f)に示されるような方法によって補綴基底において人工歯の上方の露光した基底側に組み込まれる。
図10図10~12は、人工歯を作製するためおよび付加製造による補綴基底の後続的取り付けのための本発明に従った方法の後続的工程を示す。
図11図10~12は、人工歯を作製するためおよび付加製造による補綴基底の後続的取り付けのための本発明に従った方法の後続的工程を示す。
図12図10~12は、人工歯を作製するためおよび付加製造による補綴基底の後続的取り付けのための本発明に従った方法の後続的工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面に関して記載される以下の実施形態の説明において、加圧されたガスとして、光重合性材料の表面に作用するために広い加圧された空気流を生成するために加圧された空気ノズルに供給される加圧された空気が使用される、即ち、以下の図面説明を通して、用語は、加圧されたガスの代わりに加圧された空気が使用され、加圧されたガスノズルの代わりに加圧された空気ノズルが使用されると仮定される。加圧された空気は、ファンによって、または加圧された空気貯蔵タンクによって提供されることができ、かつ加圧された空気ノズルへ供給されることができ、ファンまたは加圧された空気貯蔵タンクは、加圧された空気ノズルと共に一体化されたアセンブリを形成し得る。
【0041】
図1a)~c)を参照すると、トップダウン光造形法において、作製プラットフォームの上において隆起した表面領域(メニスカス)の形成がどのように発生し得るのかが最初に説明される。図1a)~c)において、作製プラットフォーム20は、作製プラットフォームを保持するリフト機構無しで、概略化かつ簡易化して示される。固化させられて作製プラットフォームに取り付けられる光重合性材料の第1の層を形成するために、以下の工程が行われる。図1a)は、バット50における光重合性材料内へ降下させられている作製プラットフォーム20を示し、図1a)の降下の初期段階において、降下深度は、流動性であるがある程度の粘度を有する光重合性材料に対しては作製プラットフォーム20の表面に渡って流動するためには小さすぎる。この理由により、作製プラットフォームは、光重合性材料が作製プラットフォームに渡って流動できる深度まで、所望の層厚さのために実際に必要とされるので、更に深く降下させられる。これは、図1b)に示され、光重合性材料は、既に作製プラットフォーム20の表面に渡って流動している。
【0042】
所望の降下層厚さを有する作製プラットフォーム20上の光重合性材料の層を形成するために、作製プラットフォーム20は、作製プラットフォーム20を包囲している区域におけるバット50における光重合性材料の液体レベルの下(即ち、作製プラットフォームの側方隣の液体レベルの下)の所望の層深さの深度まで再び上昇させられる。液体レベルの下の層深さのこの深度まで作製プラットフォームを上昇させるとき、光重合性材料の全ての超過は作製プラットフォームから流れ落ちるわけではなく、上昇させられた領域は、図1c)に示されるように、メニスカスとして残る。そのようなメニスカスは、1mmを超える著しい高さを有し得るため、正確に画定された層厚さを有する光重合性材料の層の正確な画定に著しく干渉し得る。従来の方法において、ドクターブレードは、液体レベルに平行である下縁を有するドクターブレードが光重合性材料をメニスカスの区域の前方および外側に押し出すように移動させられることによって作製プラットフォーム上に画定された層厚さを有する滑らかな表面および層を形成する状況において使用される。
【0043】
冒頭において説明されたように、本発明に従った方法は、バットにおいて構成要素が液体レベルを超えて突出していることによって物理的ドクターブレードがその突出した構成要素と衝突するためにその物理的ドクターブレードの使用が不可能となる作製状況も扱われることができるように、物理的ドクターブレードの使用を回避することを狙っている。本発明に従うと、加圧された空気ノズルを含むブロア2は、利用され、光重合性材料の表面の上の距離において移動させられてその表面を滑らかかつ平らにし得、加圧された空気ノズルは、表面を滑らかかつ平らにするために表面に対して広い加圧された空気流を向ける。この様式によって、図2b)に例示されるように、特に、光重合性材料は、メニスカスの区域から変位させられる。メニスカスから光重合性材料を変位させることは、液体レベルが全体として平らにされたとき、作製プラットフォームの隣の液体レベルの最小限の上昇、ひいては、作製プラットフォームの上の液体レベルの最小限の上昇をもたらす。この効果は、メニスカスから光重合性材料を変位させた後、作製プラットフォームの上の所望の層厚さが残るように図2a)における液体レベルの下のレベルまで作製プラットフォーム20を上昇させることによる層厚さの画定において考慮されることができる。
【0044】
図3a)およびb)は、ブロア2の2つの平面図を示す。ブロア2は、ファンハウジング4におけるファンと、細長い加圧された空気噴射を排出する細長いノズルギャップを下端に有する加圧された空気ノズル8まで加圧された空気をファンから供給するためのハウジング部品6とを備える。図3a)は、ノズルギャップの長手方向が図平面に対して直角である側面図であり、図3b)は、図a)の視方向に対して90°回転させられた視方向を有する平面図であり、図3b)において、ノズルギャップの長手方向は、図平面内に位置する。加圧された空気ノズル8は、その上端が中間ハウジングまたは導管部品6に直接接続されている。図1a)およびb)の両方の図において、ノズルハウジングが、図1a)においてその下端で狭いノズルギャップとなるまでその下端に向かって先細るのに対し、図1b)における90°回転させられた図において長手方向に広がるノズルギャップを形成するために円錐台形に末広がりとなるように、加圧された空気ノズル8は、対向するかたちで円錐台形を有する。ノズルギャップの長手方向範囲は、典型的に、X方向またはY方向における作製場所の大きさに及ぶ。長手方向範囲に対して直角であるノズルギャップの幅は、例えば、0.1~10mmの範囲、好ましくは0.5~2mmの範囲であり得る。
【0045】
しかしながら、本発明の意味における加圧された空気ノズルが長手方向に広がるノズルギャップを有する加圧された空気ノズルに限定されないことは、留意されるべきである。大区域ノズル噴射が生成されるようにノズル開口の長手方向範囲と横断範囲とが同じまたは類似する大きさを有する他のノズル開口外形が可能である。アレイとして配置されるいくつかの別々のノズル開口が連携において領域を覆って広がる加圧された空気噴射を生成することも、可能である。
【0046】
加圧された空気ノズルを含むブロア2の代替実施形態は、概略図および斜視図として図4a)~c)に示される。これらの図において、加圧された空気ノズル8が接続されたハウジングまたは導管部品6が示されるのに対し、ハウジングまたは導管部品6に接続されたファンハウジング4は、例示を簡略化するために省略された。図4a)において、加圧された空気ノズルは、単一ノズル開口として細長いノズルギャップを備える細長いノズルギャップとして形成される。図4b)において、複数のノズル開口が形成され、当該複数のノズル開口は、加圧された空気ノズル8としてノズル開口の細長い直線状の配置で配置され、長手方向に広がるノズル開口の列は、ノズル開口の配置の長手方向に広がる細長い空気流を効果的に生成する。図4c)において、近接したノズル開口のマトリクスまたはアレイ配置を有する加圧された空気ノズル8が示される。領域を覆って分布されたノズル開口のアレイを有するこの加圧された空気ノズル8は、大きな領域を覆う表面に対して作用できる広い加圧された空気流を効果的に生成する。
【0047】
図3a)およびb)の実施形態において、更なるハウジング10がブロア2に取り付けられており、当該ハウジング10において、ハウジング部品4におけるブロアの動作のための駆動電子機器が収容されている。ケーブル12がハウジング10に接続されており、ケーブル12は、ブロアのための電気エネルギー供給のためのコンダクタと、駆動電子機器へ制御信号を伝送するためのコンダクタとを含む。加えて、ケーブル10は、センサ信号を駆動するための伝送線を含み得る。好ましい実施形態において、加圧された空気ノズルに固定して接続されておりかつ加圧された空気ノズルの下に存在する光重合性材料の表面までの距離を測定することができる距離センサが存在し得る。この距離センサを使用することで、加圧された空気ノズルが表面に渡って距離センサと共に移動させられるとき、一方でバットにおける材料の充填レベル(液体レベル)が測定されることができ、かつ他方で光重合性材料の表面の隆起または窪みが検出されることができる。そのようなセンサ14は、図2c)において概略的に例示される。制御ユニットは、隣接する液体レベルと比較して表面が隆起していることが検出された場合、パワーに関してブロアの動作を強めるように配置され得、増加したパワーを伴う強められた動作は、表面の隆起が光重合性材料の変位によって排除されるまで継続され、表面は、完全に平らにされる。他方で、ブロアの調整されたパワーのそのような調節は、必ずしも必要ではない。光重合性材料を変位させることができるようにするためにブロアの動作状態において光重合性材料上で加圧された空気噴射が十分な様式で作用する光重合性材料の粘度に依存して、光重合性材料について前もって決定されることができる。
【0048】
図5b)およびd)において概略的に例示されるように、ブロア2が加圧された空気噴射をバット50において含まれる光重合性材料の表面に向けることができるように、ブロア2は、トップダウン光造形装置のバット50の上に設置されている。例示を簡略化するために、ブロアは、図5a)およびc)において省略された。加圧された空気ノズルは、作製区域内におけるバットにおける光重合性材料の表面部分上に作用するために、バット50の上の垂直レベルにおいてバットに渡って水平方向に移動可能である。垂直方向および水平方向という方向に関して、「垂直」は、(完璧に平らにされた)液体レベルの直交軸の方向を指し、「水平」は、液体レベルに対して平行である平面における直線の方向を指す。これに関して、本発明の方法を行う前に作製される製品の特性に高さが適合されることができるように、バットの上の加圧された空気ノズルの高さは、調整可能であり得ることも図られる。これは、以下で更に説明されるように、本発明に従った方法によって製品の更なる構成要素が付加される既存の構成要素の最高地点より上の高さに加圧された空気ノズルが調整されることができることを意味する。この様式によって、加圧された空気ノズルが既存の構成要素と衝突できないことが保証される。
【0049】
ブロア2は、直線に沿って水平方向に移動可能となることができ、例示された実施形態において、ノズルギャップは、ノズル噴射が移動方向を横切る範囲を有するようにノズルギャップの長手方向範囲が移動方向に対してある角度に方向付けられている。移動方向に対するノズルギャップの長手方向の角度は、特に、90°となることができ、移動方向を横切る加圧された空気噴射の最大範囲をもたらす。代替として、光重合性材料の表面に渡って加圧された空気ノズルを動かすことに関する異なる移動パターンが、可能である。例えば、ブロア2の回転によって加圧された空気噴射が材料表面に沿って回転するように移動するように、ブロアは、垂直軸の周りを回転可能となるように吊るされることができる。また、回転軸は、ブロアが材料表面の上方における枢動を実行するように、ブロアの円筒ハウジング部品4および6の垂直軸に対してシフトされ得る。ブロアのそのような枢動は、細長い空気流に窓ガラスワイパに類似するように表面上を拭わせる。
【0050】
図5a)~f)を参照すると、トップダウン光造形法がここで説明され、当該方法において、光重合性材料の表面を滑らかにするための加圧された空気ノズルが利用される。光造形装置が非常に概略的な様式で例示されており、加圧された空気ノズルを有するブロア2は、概略的様式で図5b)~d)にのみ示され、例示を簡略化するために他の図では省略されている。光造形装置は、流動性でありかつ光重合性である材料で充填されているバット50を備える。作製プラットフォーム20が垂直方向に移動可能であり、かつバット50における光重合性材料内に浸漬されることができる。
【0051】
露光ユニットが図5c)においてバット50の上に示されるが、例示を簡略化するために他の図では省略されている。露光ユニットは、単一ユニットに一体化されるように概略的に示される光源40と空間光変調器42とを備え、その出力は、投影光学系44によって画像平面に投影される。空間光変調器(SLM)は、露光要素のアレイ(例えば、マイクロミラーのアレイ)を備え、当該露光要素は、光重合性材料の表面上の画像平面において画像要素を関連付けるために投影光学系44を通して光源から光を選択的に投影する。投影光学系44は、従来の投影を行うように設計されることができる。作製プロセスの歳差運動を改善するためには、投影光学系44は、作製領域全体において可能な限り最大限まで材料表面の位置選択的放射の直交する入射角度を保証するために好ましくはテレセントリック光学系として物体側に形成される。
【0052】
完全であるために、局部選択的露光を実現するために、画素毎に継続的に画像平面をスキャンする偏向ミラー/ジャイロスコープを有するレーザー源も使用されることができる。
【0053】
図5a)~f)の本実施形態において、本発明に従った方法は、更なる構成要素を層毎に既存の構成要素に付加するか、または既存の構成要素をその周りに作製された既に製造された更なる構成要素で包囲するために利用される。この場合、作製される製品は、補綴基底と歯とからなる歯科全体補綴物である。これに関して、この場合、歯科弓として配置されている補綴歯は、既存の構成要素とみなされる。補綴歯30は、図5a)において作製プラットフォーム20によって保持される歯科弓として示され、補綴歯30は、ピンのような接続具であるいわゆる支持構造によって保持され、支持構造は、補綴歯30がその基底側が露光されかつ上を向くように方向付けられるように、一方の側が補綴歯30の咬合側または切端側に接続されており、他方の側が作製プラットフォーム20に接続されている。
【0054】
初めに、作製プラットフォーム20は、制御ユニットの制御のもと、図5b)に示されるように、バット50における光重合性材料内へ降下させられる。以下説明および表現を簡略化するために、いくつかの場所においては特定の深度(層厚さ)によって降下工程が言及されるが、これは、より大きな降下距離による降下と後続の上昇工程との結果として理解されるべきものであり、降下距離と上昇距離との間の差は、層厚さに適応する。所定の深度まで降下することによって、既存の構成要素(補綴歯30)上のどこに更なる構成要素(補綴基底)の最高(基底から咬合/切端の方向)部分が付加されるのかが決定される。この所定の深度は、同じ座標系においてモデルデータを含む補綴基底と歯とのそれぞれの二つの3Dファイルから制御ユニットによって回収される。
【0055】
図5b)に示されるように所定の深度まで作製プラットフォーム20が降下させられた後、ブロア2の加圧された空気ノズルからの加圧された空気噴射は、表面を滑らかにするために、光重合性材料の表面に渡って移動させられる。図5b)から見て取れるように、加圧された空気ノズルは、補綴歯30の基底側が光重合性材料の表面から突出して出る区域に渡って移動させられることもできる。突出する補綴歯30の後者の状況は、表面から突出する補綴歯の基底端と衝突するため、ドクターブレードの使用を不可能にする。バットの上のレベルでブロア2の加圧された空気ノズルから加圧された空気噴射を移動させることによって、当該加圧された空気噴射は、移動方向を横切る方向に広がり、光重合性材料は、バットにおける光重合性材料の残りの液体レベルと比較して上昇した隆起した区域(メニスカス)から変位させられ、それによって、全体として表面が平らにされかつ共通する均一な液体レベルが画定される。
【0056】
その後、図5c)に示されるように、位置依存的露光が行われ、位置依存的露光は、作製される補綴基底のデジタル3Dモデルに従って空間光変調器42を制御することによって制御ユニットによって制御される。この場合、取り付けられる補綴基底の第1の部分32は、補綴歯上に光重合性材料を固化することによって作製される。この場合、これらは、実際の歯茎においては隣接する歯の遷移区画における歯肉乳頭に対応する、補綴基底の部分である。
【0057】
後続して、作製プラットフォームは、更なる層厚さによってバット50における光重合性材料内へ下方向に降下させられる。この状態は、図5d)において示される。次に、ブロア2は、その横に広がる加圧された空気噴射によって、光重合性材料の表面を滑らかかつ平らにするために、光重合性材料の表面と補綴歯30の突出している基底部分および端部分とに渡って再び移動させられる。
【0058】
ここで、図5e)に概略的に例示される次の露光工程に続く。この工程において、更なる層が固化されて、以前に固化された部分と補綴歯の部分とに取り付けられる。この様式によって、固化によって取り付けられた補綴基底の部分32は、層毎に大きくなる。
【0059】
段階的降下(図5d))と更なる層の後続的露光(図5e))とのこれらの工程は、図5f)に示されるように補綴基底32が完全に作製されるまで必要なだけ頻繁に繰り返される。
【0060】
層毎の付加製造によって補綴基底を取り付けることによって補綴歯の基底端部分を組み込むことは、更なる接合工程または接着剤の使用一切なしに、補綴歯および基底の強い化合物構造をもたらす。補綴歯の基底端部分は、補綴歯30の基底端部分が取り付けられた補綴基底32によってポジティブ係合されるように、補綴基底の材料に包囲されかつ補綴基底の材料に組み込まれている。
【0061】
図5a)~f)に関する上記実施形態において、補綴歯30は、作製の初めにおいて既存でありかつ作製プラットフォーム上に位置付けられていると仮定される。原則として、補綴歯30は、本発明に従ったトップダウン光造形法を使用して作製されることが可能である。補綴歯の作製プロセスのそのような実施形態は、図6a)~f)に例示される。例示を簡略化するために、単一補綴の作製プロセスが示される。しかしながら、そのような方法によって、いくつかの補綴歯も、並行して作製されるか、または歯科弓全体が作製されることができる。
【0062】
図6a)において、どのように作製プラットフォームが降下させられて円錐状の支持ピンの形をした支持構造34のための第1の層が露光および固化によって作製プラットフォームに取り付けられたかが示されており、各露光工程後、作製プラットフォーム20は、1つの層厚さ分だけより深くするために作製プラットフォーム20を効果的に降下させるために、降下とより低い距離だけの後続的上昇とによって上で説明したように降下させられ、その後、光重合性材料Aの表面は、ブロア2の加圧された空気ノズルからの広い加圧された空気噴射によって滑らかかつ平らにされる。支持構造34は、典型的に、第1の作製部分36にも使用される同じ第1の材料Aから作製され、この場合は、作製される補綴歯の咬合または切端部品である。作製された支持構造34は、図6b)に概略的に示される。
【0063】
支持構造34の上で第1の作製部品36(補綴歯の咬合層構造)が完成した後、作製プラットフォームは、材料Aから外へ上方向に上昇させられ、第1作製部品36は、超過材料Aを排除するためにブロア2を使用してエアーブローを受けて、清掃液体を使用して更なるバット(図7を参照)において随意に清掃されて、その後、ブロア2を使用してエアーブローによって乾燥させられる。
【0064】
第2の光重合性材料Bを使用する次の作製段階として、作製プラットフォームは、図3c)に示されるように、第1の作製部品36と支持構造34と共に更なるバット50における第2の光重合性材料B内へ降下させられる。第2の作製部品37の作製プロセスの初めにおいて、第1の作製部品36は、光重合性材料Bの表面を超えて突出していることが図6c)から見て取れる。このため、ブロア2から液体レベルまでの距離は、少なくとも、液体レベルに渡って移動するときに加圧された空気ノズルが第1の作製部品36に対してぶつからないように、十分に大きくなくてはならない。本発明に従うと、光重合される材料の表面を滑らかかつ平らにすることは、光重合性材料の表面の上の距離でブロア2を側方向に移動させることによって達成される。
【0065】
図6d)に示されるように、第2の作製材料Bの更なる層は、最終的に補綴歯の更なる部品37が作製されて以前の部品36に取り付けられるまで、露光によってうまく固化されて、補綴歯の咬合36に付加される。
【0066】
図6b)~d)に示される順序と同じ順序が図6e)~f)に示されるように基底部品38を取り付けるために第3の材料Cについて繰り返される。この場合においても、以前生成された作製部品37は、初めは光重合性材料Cの表面を超えて突出しており、そのため、材料レベルの上の距離に吊るされているブロア2の使用をして、加圧された空気流によって光重合性材料Cの表面を滑らかかつ平らにするために加圧された空気ノズルからの加圧された空気噴出によって表面に遠隔的に作用することを必要とする。
【0067】
補綴歯の作製された部品26、37および38に補綴基底を取り付ける図5a)~f)に関して説明された作製プロセスに類似して、補綴基底32は、第4の光重合性材料Dの層の継続的固化によって取り付けられることができる。この作製プロセスは、図6g)における状態から図6h)における状態への遷移によって概略的に例示される。
【0068】
最後の作製工程の完了後、作製プラットフォーム20と異なる材料から付加生成された完成した作製部品とは、ブロア2を使用してブローオフされることによって清掃されることができ、清掃槽において更に清掃されることができ、その後、ブロア2を使用してエアーブローすることによって乾燥させられる。
【0069】
図7は、臼歯の領域における左側と補綴部品の切歯の領域における右側とにおける作製プラットフォーム上で作製された製品の断面図を示し、各場合において咬合/切端部品36(切端領域)と、更なる部品37(象牙質)と、基底部品38(根)と、取り付けられた補綴基底32とを含み、これらは、図3a)~h)を参照して上記された方法を使用して作製されることができる。もちろん、補綴歯は、3つの部品36、37および38より少ないまたは多い部品で作製されることができる。
【0070】
図8a)~h)において、金属挿入部品を含む歯列矯正プレートの作製プロセスが概略的に示され、当該歯列矯正プレートは、本発明に従った方法によって作製されることができ、ワイヤおよび矯正器要素等の金属構成要素は、付加的に硬化させられた重合体層に組み込まれ、重合体プレートから部分的に突出し得る。
【0071】
第1の作製段階において本発明のトップダウン光造形法を適用する場合、本明細書においては円錐形に概略的に例示される支持構造34と凹部62を有する歯列矯正プレート60の下部とは、図8a)に示されるように、光重合性材料を層毎に付加することによって、および位置選択的露光によって、同じ材料Dを使用して作製プラットフォーム20上で作製される。
【0072】
この最初に作製された凹部62を含む歯列矯正プレート60の下部は、次に、図8b)に示されるように、凹部62を有する歯列矯正プレートの下部が自由にアクセス可能となるように、作製プラットフォーム20を上昇させることによってバットの外かつ光重合性材料Dの外へ移動させられる。
【0073】
その後、特別に曲げられたワイヤおよび矯正器要素等の事前に製作された金属要素64は、意図された凹部62内へ挿入される。この場合、図8c)に示される凹部と挿入された金属要素64とを有する歯列矯正プレート60の下部は、作製される歯科製品(完全な歯列矯正プレート)の既存の構成要素であるとも考えられ、製品を完成させるために、この既存の構成要素に、本発明の好ましい実施形態によって更なる構成要素が付加されなければならない。
【0074】
ここで、続く第2の作製段階において、図8d)に示されるように、挿入された金属部品64が置かれた凹部62は、作製プラットフォームを降下させることによって、エアードクターブレード(ブロア2)という手段で表面を滑らかにされ、位置依存的露光は、層毎に継続的に充填されて塞がれる。この様式によって、挿入構成要素64は、図8e)に示されるように、ポジティブ嵌合様式で歯列矯正プレートに組み込まれる。付加製造のこのプロセスに対し、作製プロセスを制御するために、同じ座標系における凹部62と凹部62における挿入構成要素とを含む歯列矯正プレート60において、支持構造のための3Dデータファイルがある。
【0075】
層毎の固化と凹部の充填とを伴う最下凹部(中心における)の位置で開始するために、凹部に挿入構成要素64を有する歯科矯正60の下部は、この場合もまた、既に作製された製品の部品が右側および左側において上方向に光重合性材料の表面を超えて突出する範囲までのみ、材料バット内へ降下させられる。図5d)を参照されたい。凹部62を充填するための層毎の作製工程中、層厚さに対応する距離だけの作製プラットフォームの各降下工程の後、表面と接触せずに、ここで固化される表面に向けられた加圧された空気流でブロア2を移動させることによって光重合性材料の表面を滑らかにする必要がある。従来のドクターブレードは、この場合もまた、表面を超えて突出している既に作製された構成要素の部品と衝突する。
【0076】
凹部62を塞ぐことによって第2の作製段階が完了した後、および必要な後処理(清掃、仕上げ、支持構造の排除、および研磨)の後、図8f)に示されるように、組み込まれた挿入構成要素64を含む完成した歯列矯正プレート60が獲得される。
【0077】
図9は、初期状況を概略的に示し、事前に製作された人工歯または事前に製作された人工歯科弓が既存の構成要素であり、図5a)~f)に関して説明されたように、補綴基底は、付加製造によって人工歯の基底側に取り付けられる。人工歯30も本発明の方法を実施することによって作製された、図6a)~h)を参照して説明された方法と比較して、図9の実施例において、異なる方法で製造された事前に製作された人工歯30が使用される。この場合、まずホルダ29がトップダウン光造形法によって作製プラットフォーム20上で作製され、ホルダ29には、凹部が提供され、凹部は、人工歯30が挿入されてホルダおける正確に画定された位置に保持され得るように人工歯の咬合/切端部分に対して相補的である。その後、人工歯30の基底部分が、最終的に、取り付けられた補綴基底(図示せず)にポジティブ嵌合様式で組み込まれるように、人工歯の基底側に補綴基底を取り付ける本発明に従ったトップダウン光造形法を使用して補綴基底が付加されることができる。
【0078】
図10~12において、本発明に従った作製プロセスが再度要約され、第1の段階において、補綴歯30が本発明に従ったトップダウン光造形法によって作製プラットフォーム上に作製されており、図6a)~h)に関して説明されたように、いくつかの異なる作製材料が使用されることができ、補綴歯の更なる構成要素を作製するための作製材料の各変更の前に、清掃プロセスが実施される。
【0079】
一つの作製材料から別の作製材料への遷移中に可能である清掃プロセスは、もう一度ここである程度詳細に説明される。作製段階の終了後、作製プラットフォーム20は、バットの外へ上昇させられて、作製部品は、依然として接着している重合化されていない材料を排除するために、ブロア2からの空気によってブローされる。この工程は、ブローオフされた材料が正しいバットに回収されるように、以前の作製段階(図11の左側を参照されたい)で使用されたバットと同じバットの上で行われる。随意に、清掃プロセスは、清掃バット52における清掃液体において続けられることができる。この場合、作製プラットフォーム20は、図11の右側に示されるように、清掃液体を有するバット内へ降下させられる。次に、その上に部品が作製された作製プラットフォームは、清掃液体の外へ再び上昇させられて、乾燥のために清掃バットの上でブロア2からの空気でブローオフされる。その後、更なる作製材料での更なる作製段階が行われることができる。
【0080】
図10において、補綴歯30を作製する最後の工程が示され、当該工程において、光重合性材料M1の層が補綴歯の最後の断片として固化される。
【0081】
その後、上記説明のように、補綴歯30の更なる清掃が行われる。次に、既存の構成要素としての補綴歯30に補綴基底を取り付けるために作製プラットフォーム20が光重合性材料M2を有するバット50内へ降下させられることができるように材料M2を有するバット50がこの作製プラットフォームの領域にあるように、バット50が移動させられることができ、補綴基底は、本発明に従った方法を使用して補綴基底を作製することによって取り付けられ、この作製段階の開始は、図12に示される。補綴歯の基底部分への補綴基底の層の取り付けと、それに続く作製プラットフォームの降下と、光重合性材料の新しい層を形成するための層厚さまでの作製プラットフォームの再度の上昇との各工程後、新しく画定された層の表面は、表面に渡って加圧された空気流を有するブロア2を移動させることによって滑らかかつ平らにされる。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図9
図10
図11
図12