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特許7532042撮像制御装置、撮像制御装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】撮像制御装置、撮像制御装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240805BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240805BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240805BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20240805BHJP
   H04N 23/67 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
H04N23/63 330
G03B15/00 Q
G03B17/18
H04N23/611
H04N23/67 100
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020016217
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021125735
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】芝上 玄志郎
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-204249(JP,A)
【文献】特開2019-075719(JP,A)
【文献】特開2019-074928(JP,A)
【文献】特開2008-278458(JP,A)
【文献】特開2020-057871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G03B 15/00
G03B 17/18
H04N 23/611
H04N 23/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像より第1の種別、第2の種別を含む複数の種別の被写体を検出可能な検出手段と、
前記種別として、前記第1の種別と前記第2の種別にする被写体の種別を選択可能な種別選択手段と、
前記第1の種別と前記第2の種別のいずれかから所定の処理を行う種別を切り替える切替手段と、
前記検出された前記撮像画像内の前記第2の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択可能な選択手段と、
前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記第1の種別の第1の被写体を第1の表示形態で表示し、前記第2の種別の第2の被写体を第2の表示形態で表示し、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別から前記第2の種別へと切り替えられたことに応じて、前記第2の被写体を前記第1の表示形態で表示するように制御する制御手段とを有する撮像制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別から前記第2の種別へと切り替えられたことに応じて、前記選択手段により選択される前記第2の被写体を前記所定の処理の対象にすることを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記種別ごとの特徴データが登録されたマスターデータを記憶する記憶手段をさらに有し、
前記検出手段は、前記第1の種別及び前記第2の種別に対応する前記マスターデータを用いて、前記第1の種別及び前記第2の種別の前記被写体を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記検出された前記撮像画像内の前記第1の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択するための第1の操作に応じて、選択された前記被写体を前記第1の表示形態で表示するとともに、前記第1の表示形態で表示する前記第1の被写体を前記所定の処理の対象にすることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記検出された前記撮像画像内の前記第2の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択するための第2の操作に応じて、選択された前記被写体を第2の表示形態で表示するとともに、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別から前記第2の種別へと切り替えられたことに応じて、前記第2の表示形態で表示する前記第2の被写体を前記所定の処理の対象にすることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記検出された前記撮像画像内の前記第1の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択するための第1の操作と、前記検出された前記撮像画像内の前記第2の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択するための第2の操作とが設定されており、前記第1の操作と前記第2の操作とは、それぞれ異なる所定の操作部材の操作によって行われることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記種別は、人物、動物、人物及び動物の瞳、乗り物のうちの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記種別選択手段により前記第1の種別の前記種別が選択されたことに応じて、選択された前記種別の被写体を前記第1の表示形態で表示することを特徴とする請求項1乃至7何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第2の種別へと切り替えられている場合に、前記種別選択手段により前記第2の種別の前記種別が選択されたことに応じて、選択された前記種別の被写体を前記第2の表示形態で表示することを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項10】
前記種別選択手段は、前記第1の種別と前記第2の種別との所定の組み合わせから1つの前記組み合わせを選択することを特徴とする請求項乃至何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項11】
前記所定の処理は、AF処理、AE処理、追尾処理のうちの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至10何れか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項12】
撮像画像より第1の種別、第2の種別を含む複数の種別の被写体を検出可能な検出ステップと、
前記種別として、前記第1の種別と前記第2の種別にする被写体の種別を選択可能な種別選択ステップと、
前記第1の種別と前記第2の種別のいずれかから所定の処理を行う種別を切り替える切替ステップと、
前記検出された前記撮像画像内の前記第2の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択可能な選択ステップと、
前記切替ステップにより前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記第1の種別の第1の被写体を第1の表示形態で表示し、前記第2の種別の第2の被写体を第2の表示形態で表示し、前記切替ステップにより前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別から前記第2の種別へと切り替えられたことに応じて、前記第2の被写体を前記第1の表示形態で表示するように制御する制御ステップとを含む撮像制御装置の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至11何れか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至11何れか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像制御装置に関し、特に検出した被写体の中から何れかを選択する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影中の画像の中から人物の顔を検出する技術がある。特許文献1には、ユーザが検出する人種を選択し、選択した人種の特徴データに基づいて顔を検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-62655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法では、メニュー画面において選択された人種を検出することができるが、撮影中の画像を見ながら被写体の種類を変更することや、変更した種類の被写体において選択する被写体を切り替えることができない。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、複数の種類の被写体を検出可能な場合において、所望の被写体を操作性良く切り替えることができる撮像制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像制御装置は、撮像画像より第1の種別、第2の種別を含む複数の種別の被写体を検出可能な検出手段と、前記種別として、前記第1の種別と前記第2の種別にする被写体の種別を選択可能な種別選択手段と、前記第1の種別と前記第2の種別のいずれかから所定の処理を行う種別を切り替える切替手段と、前記検出された前記撮像画像内の前記第2の種別の複数の被写体からいずれかの被写体を選択可能な選択手段と、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別へと切り替えられている場合に、前記第1の種別の第1の被写体を第1の表示形態で表示し、前記第2の種別の第2の被写体を第2の表示形態で表示し、前記切替手段により前記所定の処理を行う種別として前記第1の種別から前記第2の種別へと切り替えられたことに応じて、前記第2の被写体を前記第1の表示形態で表示するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の種類の被写体を検出可能な場合において、所望の被写体を操作性良く切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るデジタルカメラの構成を示す外観図である。
図2】本実施形態に係るデジタルカメラの構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るデジタルカメラの実行する処理を示すフロー図である。
図4】本実施形態に係るメニュー画面の一例を示す図である。
図5a】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5b】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5c】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5d】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5e】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5f】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5g】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
図5h】被写体枠が表示されている状態の表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0010】
図1に本発明を適用可能な装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。デジタルカメラ100は撮像制御装置の一例であり、静止画像及び動画像を撮影することができる。
表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切り替えスイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は、パーソナルコンピュータやプリンタ等の外部機器と接続するためのコネクタであり、デジタルカメラ100を接続ケーブル111と接続させることができる。操作部70はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材より成る操作部である。
【0011】
コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。マルチファンクションボタン76は、操作部70に含まれる押しボタンである。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100と通信することにより、記録や再生が可能となる。蓋202は記録媒体スロット201の蓋である。図1においては、蓋202を開けて記録媒体スロット201から記録媒体200の一部が取り出されて露出された状態を示している。
【0012】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター101は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子と、AF評価値検出部23とを有する。撮像素子は、二次元状に配置された画素のそれぞれが複数の光電変換領域を有する。そして、各画素内で同じ位置に存在する光電変換領域群の出力から1つの視点の画像がそれぞれ形成されるため、1つの撮像素子で視点の異なる複数の視差画像を取得することができる。また、同時に画素ごとに複数の光電変換領域の出力を加算することで、各画素が1つの光電変換領域を有する通常の撮像素子で得られる撮像画像を取得することができる。
【0013】
本実施形態において、撮像素子は、各画素が独立した2つの光電変換領域(フォトダイオード)A,Bを有して構成されている。光電変換領域Aの出力と、光電変換領域Bの出力とをそれぞれ独立した画像として取得することにより、2つの視差画像A,Bを取得することができる。また、光電変換領域AとBの出力を画素ごとに加算することにより、通常の撮像画像を取得することができる。なお、撮像画像は、後述するように例えば画像処理部24でそれぞれの画素の複数の光電変換領域の信号を加算合成して得られるが、撮像部22で加算合成を行って取得されてもよい。このように、視差画像A,Bと撮像画像は一度の撮影(露光)で取得できる。
【0014】
なお、本実施形態の説明においては2つの視差画像を同時に取得する構成について説明するが、撮像面近傍に入射する光束をより多数の画素(例えば3×3画素)で受光してより多くの視差画像を同時に取得する構成であってもよい。また撮像部22はA/D変換処理機能を備えている。
AF評価値検出部(焦点検出部)23は、デジタル画像信号から得られるコントラスト情報や視差画像から得られる位相差からAF評価値(焦点状態)を算出し、得られたAF評価値を撮像部22からシステム制御部50に出力する。
【0015】
バリア102は、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うように設けられた保護部材であり、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部24は、撮像部22から出力される画像データ、又はメモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また画像処理部24は、被写体の距離情報を取得することができる。具体的には、入力した2つの視差画像から位相差を検出することで被写体までの距離を取得し、撮像部22から被写体までの距離情報を画素ごとに取得することが可能である。更に画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、システム制御部50の制御下でTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAE(自動露出)処理、EF(フラッシュ自動調光発光)処理が行われる。
【0016】
また画像処理部24では、システム制御部50の制御下でAF(オートフォーカス)処理が行われるが、このとき撮像部22に備えるAF評価値検出部23の出力が用いられることもある。更に画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50がTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0017】
画像処理部24では更に、撮像した画像データから特徴データが抽出される。メモリ32には、被写体の種別ごとの特徴データが登録されたマスターデータが記憶されている。マスターデータは、人物用、人物の瞳用、動物用、動物の瞳用、乗り物用等、被写体の種別ごとに用意されている。これにより、人物、人物の瞳、動物や動物の瞳、乗り物等の複数の被写体が検出可能である。また、不揮発性メモリ56には主被写体、副被写体として検出する種別を表す主被写体、副被写体の検出種別がそれぞれ記憶されている。主被写体の検出種別は第1の種別に相当し、副被写体の検出種別は第2の種別に相当する。
【0018】
メモリ制御部15の制御下でメモリ32から主被写体用のマスターデータ、副被写体用のマスターデータが読み出されると、システム制御部50が抽出された特徴データと読み出したマスターデータとを照合する。これにより、主被写体と、副被写体とをそれぞれ検出することが可能である。画像処理部24では更に、システム制御部50の制御下で、撮像した画像データから検出した被写体を、パターンマッチング等を用いて追尾する追尾処理を行うことが可能である。
【0019】
撮像部22の出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって取得、及びA/D変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。
【0020】
メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。メモリ32が記憶手段として機能する。また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器13を介して表示部28に表示される。
表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。撮像部22によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号がD/A変換器13においてアナログ変換され、表示部28に逐次転送される。これにより、表示部28は電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行う。
【0021】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムのことである。
【0022】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを有する制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、例えばRAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0023】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切り替えスイッチ60、シャッターボタン61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
【0024】
静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60で、これらのモードがいずれかに直接切り替えられる。或いは、モード切り替えスイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り替えられた後に、表示された複数のモードのいずれかが選択され、他の操作部材を用いて切り替えられるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0025】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0026】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作すること等により、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、メニューボタン、終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0027】
コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際等に使用される。コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部50はデジタルカメラ100の各部を制御する。システム制御部50は、このパルス信号によって、コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75が回転操作された角度や、何回転したか等を判定する。
【0028】
なお、コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75自体は回転せず、コントローラホイール73、サブ電子ダイヤル74、メイン電子ダイヤル75上でのユーザの指の動作等を検出するものであってもよい。
【0029】
電源制御部41は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部41はその検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部40は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池やLiイオン電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0030】
検出部55は、ジャイロセンサやその他のセンサを含み、デジタルカメラ100の角速度情報、姿勢情報等を取得する。なお、角速度情報は、デジタルカメラ100によるパンニング撮影時の角速度及び角加速度の情報を含む。また、姿勢情報は、水平方向に対するデジタルカメラ100の傾き等の情報を含む。
【0031】
次に、本実施形態のデジタルカメラ100の実行する処理の一例について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のフローチャートにおける各処理は、システム制御部50が、不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行し、各機能ブロックを制御することにより実現される。本処理は、デジタルカメラ100に電源が入り、表示部28のライブビュー表示が可能になると開始する。
【0032】
S301において、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を読み出す。これにより、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別に対応するマスターデータが画像処理部24に読み出される。なおマスターデータはメモリ32に格納されており、メモリ制御部15の制御下で画像処理部24に読み出して使用するが、検出処理にかかる時間が長いため、多くの種別の被写体を同時に検出すると処理に時間を要する可能性がある。そこで、本実施形態では、主被写体、副被写体の検出種別として設定可能な種別をそれぞれ1種類としているが、主被写体、副被写体の検出種別として設定可能な種別は1種類でなくてもよい。
なお本実施形態では、主被写体の検出種別に人物が設定され、副被写体の検出種別に乗り物が設定されており、人物用のマスターデータと乗り物用のマスターデータとが読み出される。
【0033】
S302において、システム制御部50は、S301に読み出された種別に応じて、撮像画像内の主被写体、副被写体をそれぞれ検出する。システム制御部50が検出手段として機能する。そして、表示部28に、主被写体として検出された被写体に主被写体枠を表示し、副被写体として検出された被写体に副被写体枠を表示する。即ち、システム制御部50は、主被写体を第1の表示形態で表示し、副被写体を第2の表示形態で表示する。システム制御部50が制御手段として機能する。
図5aは、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。501は、表示部28に表示されるライブビュー画像である。502は、副被写体として検出された被写体に表示される副被写体枠である。503は、主被写体として検出された被写体に表示される主被写体枠である。
【0034】
図5aでは、主被写体枠503が右側の人物に表示され、副被写体枠502が乗り物に表示されている。なお、S301で読み出された主被写体、副被写体の種別に該当する被写体が検出されていない場合には、主被写体枠503、副被写体枠502は表示されない。また、S301で主被写体として複数の被写体が検出されたとしても(例えば、図5aの右側の人物と左側の人物)、主被写体枠が表示される対象の被写体は1つである。同様にして、S301で副被写体として複数の被写体が検出されたとしても、副被写体枠が表示される対象の被写体は1つである。ただし、被写体の検出は主被写体、副被写体共に行われている。
【0035】
また主被写体枠と副被写体枠とは、識別可能なように表示態様が視覚的に異なる。本実施形態では、主被写体枠503を黒色にし、副被写体枠502をグレー色にして表示されているが、主被写体枠503及び副被写体枠502の表示態様はこれに限られない。例えば、実線と点線や、赤色と黒色のような異なる色で表示したり、いずれか一方の枠を点滅表示したりするような他の表示形態であってもよい。主被写体と副被写体とが識別可能であればよい。
【0036】
本実施形態において、システム制御部50は、主被写体枠が表示されている被写体に対して、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、追尾処理等の所定の処理を実行する。具体的には、追尾AF設定中の場合には、追尾AFの対象の主被写体枠が表示されている被写体が追尾AFの対象となり、1点AF設定中の場合には、AF指示に応じて主被写体枠が表示されている被写体にAF処理が実行される。例えば、図5aの主被写体枠503が表示されている右側の人物に対して、所定の処理、すなわちAF処理が実行される。一方で副被写体枠が表示されている被写体に対して、副被写体枠が表示されるが、AF処理は実行されない。なお、副被写体枠が表示されている被写体に対しても、主被写体とは異なる処理が実行されてもよい。例えば、副被写体枠が表示されている被写体に対して、測距、測光のみが実行される。
【0037】
S303において、システム制御部50は、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を切り替える操作が行われた否かを判定する。システム制御部50が種別を切り替える操作が行われたと判定した場合、処理はS304に移行する。システム制御部50が種別を切り替える操作が行われていないと判定した場合、処理はS306に移行する。
【0038】
主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を切り替える操作について、図4を用いて詳しく説明する。システム制御部50は、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を切り替える場合、表示部28に主被写体、副被写体の検出種別を切り替えるためのメニュー画面401を表示する。メニュー画面401には、切り替え可能な主被写体、副被写体の検出種別の組み合わせ(主被写体/副被写体)を表す項目一覧402が表示されている。
【0039】
図4の項目一覧402には、主被写体/副被写体として、「人物顔/人物瞳」、「人物顔/動物」、「人物顔/乗り物」、「動物/乗り物」が表示されている。403は、選択された主被写体、副被写体の検出種別の組み合わせを表すカーソルである。このメニュー画面401は、メニュー選択画面内から呼び出すことも可能であるし、コントローラホイール73を操作することにより呼び出すことも可能である。
【0040】
表示部28にメニュー画面401が表示された後に、ユーザはコントローラホイール73を操作することでカーソル403を移動させ、項目一覧402に表示される主被写体、副被写体の検出種別の組み合わせから1つの組み合わせを選択する。これにより、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を切り替えることができる。なお本実施形態では、主被写体、副被写体の検出種別を予め設定された組み合わせから選択するとしているが、主被写体の検出種別、副被写体の検出種別を、それぞれ選択するとしてもよい。
【0041】
S304において、システム制御部50は、主被写体、副被写体の検出種別に設定されている種別を切り替える操作によって選択された種別に応じて、不揮発性メモリ56に記憶される主被写体、副被写体の検出種別を切り替える。システム制御部50が、主被写体の検出種別と副被写体の検出種別を選択する種別選択手段として機能する。本実施形態では、主被写体、副被写体の検出種別が、人物/乗り物から人物/動物に変更されたため、副被写体の検出種別が、乗り物から動物に変更される。
【0042】
S305において、システム制御部50は、画像処理部24に設定されるマスターデータを、S304にて切り替えられた主被写体、副被写体の検出種別に応じて変更する。本実施形態では、動物用のマスターデータをメモリ32から読み出して、乗り物用マスターデータを動物用のマスターデータに変更する。
【0043】
図5eは、図5aの状態から、S305にてマスターデータの変更が行われた後で処理がS302に戻り、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。右側の人物に表示されている主被写体枠509はそのままであるが、乗り物に表示されていた副被写体枠510が下側の動物に移動して表示されている。このように、副被写体の検出種別が切り替えられた場合、切り替え後の種別(ここでは、動物)の被写体に副被写体枠が表示される。同様にして、主被写体の検出種別が切り替えられた場合、切り替え後の種別の被写体に主被写体枠が表示される。
【0044】
S306において、システム制御部50は、主被写体の検出種別に設定されている種別と副被写体の検出種別に設定されている種別とを切り替える操作(以下、主被写体、副被写体の切り替え操作という)が行われたか否かを判定する。本実施形態においてに主被写体、副被写体の切り替え操作は、マルチファンクションボタン76の押下により行うが、この機能が割り当てられている操作部材であればよいし、タッチ操作でもよい。システム制御部50が主被写体、副被写体の切り替え操作が行われたと判定した場合、処理はS307に移行する。システム制御部50が主被写体、副被写体の切り替え操作が行われていないと判定した場合、処理はS308に移行する。システム制御部50が主被写体、副被写体の切り替え操作を受け付け可能な切替手段として機能する。
【0045】
S307において、システム制御部50は、AF処理、AE処理等の所定の処理の対象となる被写体を、切り替え前に副被写体枠が表示されていた被写体に変更する。具体的には、追尾AF設定中の場合には、追尾AFの対象の被写体が、切り替え前に副被写体枠が表示されていた(副被写体のうち選択されていた)被写体に変更される。1点AF設定中の場合には、AF指示に応じて切り替え前に副被写体枠が表示されていた(副被写体のうち選択されていた)被写体にAF処理が実行される。なお、副被写体枠が表示されている被写体に対して、AF処理、AE処理等の所定の処理とは異なる処理が実行されるように設定されている場合には、システム制御部50は、切り替え前に主被写体枠が表示されていた被写体に対して上記の設定されている処理を実行する。
【0046】
S307の後処理がS302に戻ると、システム制御部50は、切り替え前に主被写体枠が表示されていた被写体に副被写体枠を表示し、切り替え前に副被写体枠が表示されていた被写体に主被写体枠を表示する。
図5bは、図5aの状態から、S307にて主被写体、副被写体の切り替えが行われた後で処理がS302に戻り、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。図5aと図5bのように、主被写体枠が表示されている被写体と、副被写体枠が表示されている被写体とが入れ替わる。具体的には、切り替え前は、図5aのように乗り物に副被写体枠502が表示され、右側の人物に主被写体枠503が表示されている。この状態でマルチファンクションボタン76の押下による切り替え操作が行われた場合、図5bのように乗り物に主被写体枠504が表示され、右側の人物に副被写体枠505が表示される。
このようにユーザはライブビュー画像を見ながらワンタッチ操作で主被写体と副被写体とを簡単に入れ替えることができる。よって、乗り物が近づいてくるまでは人物に合焦するようにし、乗り物が近づいてきたら乗り物に合焦するようにAF対象を容易に変更することができる。予め副被写体の選択をしているので、ワンタッチで次のAF対象を切り替えることができると、次の被写体を選択する操作を省くことができるので素早く次の撮影を行うことができる。
【0047】
S308において、システム制御部50は、主被写体の切り替え操作が行われたか否かを判定する。主被写体の切り替え操作とは、主被写体が複数検出されている場合に、いずれかの主被写体を選択するために、主被写体枠が表示される被写体を、主被写体の検出種別の他の被写体に切り替える操作であり、第1の操作に相当する。主被写体の切り替え操作は、メイン電子ダイヤル75の回転操作により行うが、この機能が割り当てられている操作部材の操作であれば、どのような操作でもよい。例えば、タッチパネルのタッチ操作により直接的に主被写体枠の表示される被写体を切り替えてもよい。
システム制御部50が、メイン電子ダイヤル75が回転操作され、主被写体の切り替え操作が行われたと判定した場合、処理はS309に移行する。システム制御部50が主被写体の切り替え操作が行われていないと判定した場合、処理はS310に移行する。
【0048】
S309において、システム制御部50は、S308の操作に応じて、AF処理、AE処理等の所定の処理の対象となる被写体を、主被写体の検出種別の他の被写体に切り替える。S309の後処理がS302に戻り、システム制御部50は、S308の操作に応じて主被写体枠を主被写体の検出種別の他の被写体に移動させて表示する。移動後の主被写体枠が表示される被写体が、所定の処理の対象となる。
図5fは、図5eの状態から、S309にて主被写体の切り替え操作が行われた後で処理がS302に戻り、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。図5eと図5fのように、主被写体枠が表示される被写体が入れ替わる。
【0049】
具体的には、主被写体の切り替え操作が行われる前は、図5eのように右側の人物に主被写体枠509が表示されて、下側の動物に副被写体枠510が表示されている。この状態でメイン電子ダイヤル75の回転操作による主被写体の切り替え操作が行われた場合、図5fのように下側の動物に表示されている副被写体枠510はそのままであるが、主被写体枠511が右側の人物から左側の人物に移動して表示される。
【0050】
本実施形態では、メイン電子ダイヤル75の回転方向(右回り、又は左回り)及び操作量に応じて、主被写体の検出種別の被写体の並び順に沿って右回り、又は左回りで主被写体枠が表示される被写体が順次切り替わる。なおボタン操作の操作回数に応じて、主被写体の検出種別の被写体の並び順に沿って右回り、左回り等の所定の方向で主被写体枠が表示される被写体が順次切り替わってもよい。
このようにユーザはライブビュー画像を見ながら直感的な操作で主被写体を同一種別内で容易に変更することができる。
【0051】
S310において、システム制御部50は、副被写体の切り替え操作が行われたか否かを判定する。副被写体の切り替え操作とは、副被写体が複数検出されている場合に、いずれかの副被写体を選択するために、副被写体枠が表示される被写体を、副被写体の検出種別の他の被写体に切り替える操作であり、第2の操作に相当する。副被写体の切り替え操作は、サブ電子ダイヤル74の回転操作により行うが、この機能が割り当てられている操作部材の操作であれば、どのような操作でもよい。例えば、タッチパネルのタッチ操作により直接的に副被写体枠の表示される被写体を切り替えてもよい。
システム制御部50が、サブ電子ダイヤル74が回転操作され、副被写体の切り替え操作が行われたと判定した場合、処理はS311に移行する。システム制御部50が副被写体の切り替え操作が行われていないと判定した場合、処理はS312に移行する。
【0052】
S311において、システム制御部50は、選択されている副被写体を、S310の操作に応じて、副被写体の検出種別の他の被写体に切り替える。S311の後処理がS302に戻り、システム制御部50は、副被写体枠を副被写体の検出種別の他の被写体に移動させて表示する。つまり、S306における主被写体と副被写体の切り替え操作が行われた時に、移動後の副被写体枠が表示される被写体に対してAF処理が行われるようになる。システム制御部50が、選択手段として機能する。
図5dは、図5cの状態から、S311にて副被写体の切り替え操作が行われた後で処理がS302に戻り、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。また、図5hは、図5gの状態から、S311にて副被写体の変更が行われた後で処理がS302に戻り、主被写体枠、副被写体枠が表示されている状態を示す図である。図5cと図5dや、図5gと図5hのように、副被写体枠が表示される被写体が入れ替わる。
【0053】
具体的には、副被写体の切り替え操作が行われる前は、図5cのように下側の動物に主被写体枠507が表示されて、右側の人物に副被写体枠506が表示されている。この状態でサブ電子ダイヤル74の回転操作による副被写体の切り替え操作が行われた場合、図5dのように、下側の動物に表示されている主被写体枠507はそのままであるが、副被写体枠508が右側の人物から左側の人物に移動して表示される。
【0054】
また、他の例として、副被写体の切り替え操作が行われる前は、図5gのように左側の人物に主被写体枠513が表示されて、左側の人物の瞳に副被写体枠512が表示されている。この状態でサブ電子ダイヤル74の回転操作による副被写体の切り替え操作が行われた場合、図5hのように、左側の人物に表示されている主被写体枠513はそのままであるが、副被写体枠514が左側の人物の瞳から右側の人物の瞳に移動して表示される。
【0055】
本実施形態では、サブ電子ダイヤル74の回転方向(右回り、又は左回り)及び操作量に応じて、検出された副被写体の並び順に沿って右回り、又は左回りで副被写体枠が表示される被写体が順次切り替わる。なおボタン操作の操作回数に応じて、副被写体の検出種別の被写体の並び順に沿って右回り、左回り等の所定の方向で副被写体枠が表示される被写体が順次切り替わってもよい。
このようにユーザはライブビュー画像を見ながら直感的な操作で副被写体を同一種別内で容易に変更することができる。
【0056】
S312において、システム制御部50は、主被写体、副被写体の選択を終了するか否を判定する。システム制御部50が主被写体、副被写体の選択を継続すると判定した場合、処理はS302に移行する。システム制御部50が主被写体、副被写体の選択を終了すると判定した場合、フローチャートに示す一連の処理が終了する。
【0057】
以上のような、本実施形態のデジタルカメラ100によれば、複数の種別の被写体が検出可能な撮像制御装置において、所望の被写体を操作性良く切り替えることができる。
【0058】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0059】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず撮像手段を有する機器であれば適用可能である。例えば、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー、タブレット端末、スマートフォン、投影装置、ディスプレイを備える家電装置や車載装置等に適用可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0060】
100:デジタルカメラ、24:画像処理部、28:表示部、32:メモリ、56:不揮発性メモリ
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図5h