(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】油性組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/26 20060101AFI20240805BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240805BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20240805BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240805BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240805BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20240805BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240805BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61K8/26
A61K8/37
A61Q15/00
A61Q17/04
A61K8/33
A61K8/40
A61K8/27
A61K8/29
(21)【出願番号】P 2020059341
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】大谷 紘平
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 恵悟
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-088599(JP,A)
【文献】特開2014-240382(JP,A)
【文献】特開2011-148785(JP,A)
【文献】特開2020-033339(JP,A)
【文献】特開2019-178112(JP,A)
【文献】特開2017-114819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)~(C);
成分(A)硫酸アルミニウムカリウム、乾燥硫酸アルミニウムカリウム及びアルミニウムヒドロキシクロライドからなる群から選択される一種以上
成分(B)有機紫外線吸収剤
成分(C)疎水化処理金属酸化物
を含有
し、
前記成分(B)が、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、4-tert-ブチル-4´-メトキシ-ジベンゾイルメタン及び2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジンからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする油性組成物。
【請求項2】
前記成分(A)の平均粒子径が10nm~50μmである請求項1に記載の油性組成物。
【請求項3】
さらに成分(D)として、HLBが16以下である界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載の油性組成物。
【請求項4】
さらに成分(E)として、有機球状粉体を含有する請求項1~3のいずれかに記載の油性組成物。
【請求項5】
25℃において液状である請求項1~4のいずれかに記載の油性組成物。
【請求項6】
さらに成分(F)として、ジカプリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル、イソノナン酸イソノニル及びオレイン酸フィトステリルからなる群から選択される一種以上を含有する請求項1~5のいずれかに記載の油性組成物。
【請求項7】
前記成分(B)がメトキシケイ皮酸エチルヘキシルである請求項1~6のいずれかに記載の油性組成物。
【請求項8】
前記成分(A)と前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの含有質量割合(A)/(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)が0.01~8である請求項7に記載の油性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸アルミニウムカリウムなどの制汗成分を含有する油性組成物に関し、さらに詳細には、制汗成分の再分散性に優れる油性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発汗量を減少させる制汗成分として、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、乾燥硫酸アルミニウムカリウム(焼ミョウバン)、アルミニウムヒドロキシクロライドなどが知られている。これらの制汗成分は、汗腺を閉塞または収れんさせることによって発汗量を減少させるため、スプレーやローションタイプ等の制汗剤に用いられている。
【0003】
制汗剤には、制汗成分の他、汗腺からの分泌物を酸化・分解して臭いを発生する微生物の増殖を抑制するために抗菌成分等も使用されるが、制汗成分のミョウバンを特定の無機抗菌成分と組みわせると衣服に付着した際に変色が生じる。これに対し、酸化亜鉛を配合することによって変色を防止する技術が開示されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、確かに酸化亜鉛の使用によって衣服に付着した際の変色は防止されるものの、経時的にミョウバンと金属酸化物が凝集し、振とうしても再分散し難い凝集体を形成するため、ミョウバンや金属酸化物を均一に適用することが困難となり、その結果十分な制汗効果や日焼け止め効果が得られない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、硫酸アルミニウムカリウムなどの制汗成分と金属酸化物の再分散性に優れる組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、硫酸アルミニウムカリウムなどの制汗成分に、疎水化処理金属酸化物および有機紫外線吸収剤を組み合わせたうえで、油剤を主成分とする油性組成物とすることによって、再分散性が向上することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は以下を提供する。
[1]
以下の成分(A)~(C);
成分(A)硫酸アルミニウムカリウム、乾燥硫酸アルミニウムカリウム及びアルミニウムヒドロキシクロライドからなる群から選択される一種以上
成分(B)有機紫外線吸収剤
成分(C)疎水化処理金属酸化物
を含有することを特徴とする油性組成物である。
[2]
前記成分(A)の平均粒子径が10nm~50μmである[1]に記載の油性組成物。
[3]
さらに成分(D)として、HLBが16以下である界面活性剤を含有する[1]又は[2]に記載の油性組成物。
[4]
さらに成分(E)として、有機球状粉体を含有する[1]~[3]のいずれかに記載の油性組成物。
[5]
25℃において液状である[1]~[4]のいずれかに記載の油性組成物。
[6]
さらに成分(F)として、ジカプリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル、イソノナン酸イソノニル及びオレイン酸フィトステリルからなる群から選択される一種以上を含有する[1]~[5]のいずれかに記載の油性組成物。
[7]
前記成分(B)がメトキシケイ皮酸エチルヘキシルである[1]~[6]のいずれかに記載の油性組成物。
[8]
前記成分(A)と前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの含有質量割合(A)/(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)が0.01~8である[7]に記載の油性組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油性組成物は、硫酸アルミニウムカリウムなどの制汗成分と金属酸化物の再分散性に優れ、適用時に良好な制汗効果が得られる。また、本発明の油性組成物は日焼け止め効果に優れ、べたつきが小さく使用性にも優れる。さらに、本発明の油性組成物は、耐水性が高く、制汗及び日焼け止めなどの効果の持続性にも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0011】
本発明に用いられる成分(A)は、硫酸アルミニウムカリウム、乾燥硫酸アルミニウムカリウム及びアルミニウムヒドロキシクロライドからなる群から選択される一種以上の制汗成分である。
【0012】
硫酸アルミニウムカリウムは、化学式Al2(SO4)3・16H2Oで表され得る。硫酸アルミニウムカリウムを加熱等することで、脱水和したものが、乾燥硫酸アルミニウムカリウムである。
【0013】
硫酸アルミニウムカリウムは、カリミョウバンと呼ばれ得、乾燥硫酸アルミニウムカリウムは、焼きミョウバンと呼ばれ得る。
【0014】
アルミニウムヒドロキシクロライドは、アルミニウムイオンと水酸化物イオン、塩化物イオンが複塩を形成したアルミニウム塩である。クロルヒドロキシAlや、クロルヒドロキシアルミニウムと呼ばれ得る。
【0015】
本発明において、成分(A)は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に通常用いられるものであれば、特に限定されない。成分(A)の市販品としては、硫酸アルミニウムカリウムとして、カリ明バン粒状(大明化学工業社製)、乾燥硫酸アルミニウムカリウムとして、タイエースK150、タイエースK20(大明化学工業社製)、アルミニウムヒドロキシクロライドとして、アロキシコール 31L(BK Giulini GmbH社製)、アルミニウムヒドロキシクロライド(クラリアントジャパン社製)等を挙げることができる。
【0016】
成分(A)の平均粒子径は、特に限定されないが、成分(A)等の再分散性等の点から、10nm~50μmであることが好ましく、100nm~20μmであることがより好ましく、1~5μmであることが特に好ましい。
本発明において平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布計(HORIBA社製)を用い、体積平均粒子径(D50)として測定する。
【0017】
成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、制汗効果等の点で、0.1質量%(以下、単に「%」と表す)以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。また、成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、制汗効果の点で10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。
【0018】
本発明において、成分(B)は、有機紫外線吸収剤である。
【0019】
成分(B)は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に通常用いられるものであれば、特に限定されない。具体例としては、例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、パラアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン-1、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-6、ベンゾフェノン-9、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジオクチルブタミドトリアゾン、4-tert-ブチル-4´-メトキシ-ジベンゾイルメタン、2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、ポリシリコーン-15等が挙げられ、これらの一種以上を用いることができる。
これらの中でも、成分(B)は、成分(A)等の再分散性等の点から、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、4-tert-ブチル-4´-メトキシ-ジベンゾイルメタン及び2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジンからなる群から選択される一種以上であることが好ましく、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル及び2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジンからなる群から選択される一種以上であることがより好ましく、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルであることが特に好ましい。
【0020】
本発明において、成分(B)としてメトキシケイ皮酸エチルヘキシルを用いる場合、成分(A)とメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの含有質量割合(メトキシケイ皮酸エチルヘキシルに対する成分(A)の含有質量割合(A)/(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル))は、特に限定されないが、成分(A)等の再分散性等の点から、0.01以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.2以上であることがさらにより好ましい。また、含有質量割合(A)/(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)は、特に限定されないが、成分(A)等の再分散性等の点で、8以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらにより好ましい。
【0021】
成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、日焼け止め効果等の点から、1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、べたつきが小さいという使用性等の点で、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
【0022】
本発明においては、成分(C)は、疎水化処理金属酸化物である。
【0023】
成分(C)に用いられる金属酸化物は、化粧料、医薬部外品、医薬品等に通常用いられるものであれば、特に限定されないが、市場での入手のし易さから、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロムからなる群から選択される一種以上を好ましく挙げることができる。前記金属酸化物は、特に限定されないが、日焼け止め効果の点から、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウムからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。また、前記金属酸化物は+2価以上の微量元素を含有させることができ、鉄、ジルコニウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、イットリウム等の金属を、単独又は2種以上を適宜組み合わせて、前記金属酸化物に含有させることができる。
【0024】
前記金属酸化物の粒子径は、特に限定されないが、成分(A)等の再分散性等の点から、平均粒子径が1nm~1μmであることが好ましく、3nm~100nmであることがより好ましく、5nm~30nmであることがより好ましい。本発明において、平均粒子径は、レーザー散乱式粒度分布計(HORIBA社製)を用い、体積平均粒子径(D50)によって測定される値を意味する。
【0025】
前記金属酸化物の形状としては、特に限定されないが、例えば粒状、球状、紡錘状、樹枝状、バルーン状等が挙げられ、成分(A)等の再分散性等の点から、粒状、球状、紡錘状であることが好ましい。
【0026】
前記金属酸化物は、特に限定されないが、酸化亜鉛としては、例えばFINEX-25、FINEX-50、FINEX-75(堺化学社製)、MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(テイカ社製)、ZnO-350(住友大阪セメント社製)などが市販されている。酸化チタンとしては、TTO-55シリーズ、TTO-51シリーズ(石原産業社製)、JRシリーズ、JAシリーズ(テイカ社製)などが市販されている。また、酸化セリウムとしては、ニッキ社又はセイミケミカル社から販売される高純度セリウムが挙げられる。
【0027】
成分(C)の疎水化処理剤としては、化粧料、医薬部外品、医薬品等に通常用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン処理剤、フッ素処理剤、有機チタネート処理剤、脂肪酸処理剤、レシチン処理剤、アミノ酸処理剤、アシル化アミノ酸処理剤などが挙げられる。これらの中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、シリコーン処理剤、有機チタネート処理剤、脂肪酸処理剤及びアシル化アミノ酸処理から選択される一種以上が好ましく、さらにシリコーン処理剤、有機チタネート処理剤及びアシル化アミノ酸処理から選択される一種以上が特に好ましい。
【0028】
シリコーン処理剤としては、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン類、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等の変性シリコーン類、トリメチルシロキシケイ酸やアクリル-シリコーングラフト共重合体等のシリコーン樹脂類、シリコーンゴム類、部分又は全架橋オルガノポリシロキサン類、シリル化剤類、シランカップリング剤類等が挙げられ、これらからなる群から選択される一種以上を用いることができる。
【0029】
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、トリアルコキシアルキルシランが好ましい。トリアルコキシアルキルシランは、ケイ素原子に三つのアルコキシ基と一つのアルキル基が結合した化合物であり、該アルコキシ基が粉体表面の水酸基等と反応することにより、粉体表面を化学的に修飾する化合物である。該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルコキシ基は、炭素数1~3のアルコキシ基であるメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が好ましい。また、該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルキル基は、炭素数6~18のアルキル基であるヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が好ましい。このようなトリアルコキシアルキルシランは、例えば、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリエトキシオクチルシラン(OTS)、トリエトキシデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン等が挙げられる。これらの中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、トリメトキシオクチルシラン、トリエトキシオクチルシラン(OTS)からなる群から選択される一種以上がより好ましい。
【0030】
有機チタネート処理剤としては、長鎖カルボン酸型、ピロリン酸型、亜リン酸型、アミノ酸型等のアルキルチタネート等が挙げられ、炭素数8~24のアルキル基を有するアルキルチタネートが好ましい。前記アルキルチタネートは、具体的には、長鎖カルボン酸型のアルキルチタネートとして、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(ITT)、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられ、ピロリン酸型アルキルチタネートとして、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等が挙げられ、亜リン酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられ、アミノ酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(N-アミドエチル・アミノエチル)チタネート等が挙げられる。本発明においては、これらアルキルチタネートの中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、長鎖カルボン酸型のアルキルチタネートが好ましく、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(ITT)がより好ましい。
【0031】
脂肪酸処理剤としては、脂肪酸やその金属塩等が挙げられ、その中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、脂肪酸の炭素数が12~18のものが好ましく、またそれらの塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられ、アルミニウム塩が好ましい。その中でもステアリン酸やその金属塩が特に好ましい。
【0032】
アミノ酸処理剤としては、例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられ、これらの塩が含まれる。
【0033】
アシル化アミノ酸処理剤としては特に制限されないが、アシル基を構成する脂肪酸が炭素数6~23の脂肪酸が好ましく、炭素数8~20の脂肪酸がより好ましく、なかでも、ステアロイルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリジンが特に好ましい。
【0034】
成分(C)の疎水化処理として、成分(A)等の再分散性等の点から、メチルポリシロキサン(ジメチコン)処理、トリエトキシオクチルシラン(OTS)処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(ITT)処理、ステアリン酸処理、ラウロイルリジン処理から選択される一種以上が好ましい。
【0035】
成分(C)における疎水化処理の方法は特に制限はなく、通常公知の方法で製造できる。例えば、溶媒に疎水化処理剤と処理を施される粉体粒子を添加し、ボールミル等で撹拌処理した後、必要に応じて乾燥し、水洗、濾過を繰返し、夾雑物を除去した後、乾燥、粉砕することにより、目的の疎水化処理粉体を得ることができる。また、表面処理剤である数種類の化合物を同時に表面処理することもでき、何れか一つの化合物で予め表面処理をしてから、更に他の化合物を表面処理することもできる。金属酸化物に対する疎水化処理剤の処理量は特に制限されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、例えば、5~40%が好ましく、10~35%がより好ましい。
【0036】
成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、日焼け止め効果の点から、0.5%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましく、3%以上であることがさらにより好ましい。また、成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点で、30%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらにより好ましい。
【0037】
本発明においては、さらに成分(D)として、HLBが16以下である界面活性剤を含有することができる。成分(D)を含有することによって、成分(A)等の再分散性等においてより高い効果が得られる。
【0038】
ここで、本発明におけるHLB(Hydphile-Lipophile Balance)とは、親水性-親油性のバランスを示す指標であり、小田・寺村らによる下記(式1)で計算されるものである。
HLB=「無機性値(IV)/有機性値(OV)」×10・・・(式1)
(甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、11~17頁、三共出版、1984年発行参照)
【0039】
成分(D)におけるHLBは、日焼け止め効果の点から、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、さらにべたつきが小さく良好な使用性が得られる点から、5以下であることが好ましく、さらに成分(A)等の再分散性等の点から、4.3以下であることが好ましい。
【0040】
界面活性剤として、特に限定されるものではなく、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれでの使用できるが、ノニオン性界面活性剤が好ましく、例えば、脂肪酸エステル、アルキルエーテル、変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらの中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリヒドロキシ脂肪酸、ポリヒドロキシ脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、これらの中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリヒドロキシステアリン酸、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンから選択される一種以上であることが好ましい。
【0041】
成分(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、0.1%以上であることが好ましく、0.5%以上であることがより好ましく、1%以上であることがさらにより好ましい。また、成分(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点で5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらにより好ましい。
【0042】
本発明においては、さらに成分(E)として、有機球状粉体を含有することができる。成分(E)を含有させることにより、成分(A)等の再分散性等により優れたものとなる。
【0043】
成分(E)の有機球状粉体は、特に限定されないが、具体例としては、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ポリスチレン、ナイロン-12、ポリメチルシルセスキオキサン、網状型シリコーンや架橋型シリコーン、これらの複合粉体である架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体等のシリコーン粉体等が挙げられる。これらのシリコーン粉体をINCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー等が挙げられる。中でも、成分(A)等の再分散性等の点から、ポリエチレン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー及びポリメチルシルセスキオキサンからなる群から選択される一種以上が好ましい。
【0044】
成分(E)の平均粒子径は、特に限定されないが、成分(A)等の再分散性等の点から、0.5~20μmであることが好ましく、1~10μmであることがより好ましい。
【0045】
成分(E)の市販品としては、例えば、KSP-100、101、102、105、300(信越化学工業社製)、ミペロン XM-220、PM-200(三井化学社製)、マツモトマイクロスフェア M-101、M-305(松本油脂製薬社製)、TOSPEAL 3000A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)等を挙げることができる。
【0046】
成分(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、0.5%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。 また、成分(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
【0047】
本発明においては、さらに成分(F)として、ジカプリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル、イソノナン酸イソノニル及びオレイン酸フィトステリルからなる群から選択される一種以上を含有することができる。成分(F)を含有することにより、成分(A)等の再分散性等においてより優れる効果が得られる。成分(F)として、成分(A)等の再分散性等の点から、ジカプリン酸プロピレングリコール、安息香酸アルキル及びイソノナン酸イソノニルからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
【0048】
成分(F)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。また、成分(F)の含有量は、特に限定されるものではないが、成分(A)等の再分散性等の点から、40%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらにより好ましい。
【0049】
本発明の油性組成物には、上記成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料、医薬部外品、医薬品等に使用される成分を含有できる。すなわち、本発明の油性組成物には、上記成分以外である、水、界面活性剤、油剤、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、キレート剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、美容成分等を含有できる。
【0050】
本発明の油性組成物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、成分(A)~(C)、その他の任意成分を混合することによる製造などが挙げられる。混合する機器としては、ディスパーや、パドルミキサー等の分散機器を用いることができる。
【0051】
本発明の油性組成物は、油剤を主成分とするものであり、水の含有量が好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.1%以下のものである。油性組成物中の水分は、常圧加熱乾燥法によって測定される値を意味する。
【0052】
本発明の油性組成物は、塗布のしやすさ、べたつきが小さいという使用性の点から、25℃において液状であることが好ましい。本発明において、25℃において液状であるとは、25℃で流動性を有することを指す。塗布のしやすさや、べたつきが小さいという使用性の点から、本発明の油性組成物の粘度は、20000mPa・s以下であることが好ましく、10~15000mPa・sであることがより好ましく、50~12000mPa・sであることが特に好ましく、100~10000mPa・sであることが最も好ましい。ここで粘度は、25℃においてB型粘度計でローターNo.2または3を用いて測定できる。
【0053】
本発明の油性組成物は、特に限定されないが、化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いることができる。具体的には、スキンケア化粧料としては、美容液、リップクリーム、日焼け止め料等、メイクアップ化粧料としては、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、口紅、リップグロス等、頭皮又は毛髪用の化粧料等としては、ヘアリンス、ヘアクリーム、整髪料等にて実施することができる。また、その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法、噴霧剤、エアゾール剤として使用する方法等が挙げられる。
【0054】
本発明の油性組成物の用途は、特に限定されないが、例えば日焼け止め用、制汗用の化粧料等として好適に利用でき、さらに耐水性にも優れることから、日焼け止め用及び/または制汗用スキンケア化粧料として利用できる。
【0055】
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0056】
実施例及び比較例:制汗剤
表1~2に示す組成の制汗剤について、実施例1~28及び比較例1~2を下記製造方法により調製し、各試料の再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さの各評価項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1~2に示した。
【0057】
【0058】
(製造方法)
A:成分4~27を加熱混合し、室温まで冷却する。
B:Aに成分1~3、成分28~30を混合し、制汗剤を得た。
【0059】
〔評価方法1〕再分散性
各試料を、60mlの樹脂ボトル(直径4cm)に充填し、50℃、1か月静置保管し、その後、上下に振とうする。その際に、硫酸アルミニウムカリウムなどの制汗成分と金属酸化物の凝集が、均一に分散する振とう回数を測定した。その後、下記判定基準(イ)に従って判定した。
【0060】
(イ)判定基準
[判定]:[評価]
◎:振とう回数が10回以内で、分散し、均一な溶液となった
○:振とう回数が11回以上30回以下で、分散し、均一な溶液となった
×:振とう回数を30回としても、分散せず、均一な溶液とならなかった
【0061】
〔評価方法2〕日焼け止め効果
各試料を、PMMA板(Labsphere社製 HELIOPLATE HD6)に2mg/cm2塗布後、20分静置したサンプルについて、SPFアナライザー(Labsphere社製 UV-2000S)を用いたSPF測定を行い、前期プレート上を10点測定し、平均SPF値を算出し、下記(ロ)判定基準に従って判定した。
【0062】
(ロ)判定基準
[判定]:[平均SPF値]
◎:25以上
○:15以上25未満
×:15未満
【0063】
〔評価方法3〕べたつきの無さ
各試料を、専門評価パネル20名に、前腕に塗布してもらい、使用5分後のべたつきの小ささについて、下記(ハ)評価基準によって、評価した。その後、全パネルの評点の平均点を下記(ニ)判定基準に従って判定した。
(ハ)評価基準
[評点]:[評価結果]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
(ニ)判定基準
[判定]:[評点の平均点]
◎:4.0以上
○:2.0以上4.0未満
×:2.0未満
【0064】
表1~2の結果から明らかなように、実施例1~28は、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
これに対して、成分(B)を含有しない比較例1は、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れなかった。
成分(C)を含有せず、未処理酸化亜鉛を含有する比較例2は、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れなかった。
【0065】
実施例29:油性制汗日焼け止めオイル
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ミリスチン酸イソプロピル *12 5
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 10
4.2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]
安息香酸ヘキシルエステル 2
5.ジメチコン・水酸化AL・含水シリカ処理酸化チタン 15
6.PEG-10ジメチコン 2
7.イソドデカン 5
8.エタノール 15
9.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 3
10.硫酸アルミニウムカリウム *13 4
*12 IPM-EX(日本サーファクタント工業社製)
*13 カリ明バン粒状(大明化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1~4を加熱混合し、室温まで冷却する。
B:Aに成分5~9を添加し混合する。
C:Bに成分10を添加混合し、油性制汗日焼け止めオイルを得た。
【0066】
実施例29の油性制汗日焼け止めオイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0067】
実施例30:油性制汗日焼け止めオイル
【0068】
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ジカプリン酸PG 8
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 8
4.2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}
-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン 3
5. ラウロイルリジン処理酸化亜鉛 *14 15
6.PEG-12ジメチコン 2
7.イソドデカン 5
8.エタノール 15
9.(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー 3
10.硫酸アルミニウムカリウム (平均粒子径3μm) 4
*14 ラウロイルリジンの処理量は、酸化亜鉛の含有量に対して20%とした。
(製造方法)
A:成分1~4を加熱混合し、室温まで冷却する。
B:Aに成分5~9を添加し混合する。
C:Bに成分10を添加混合し、油性制汗日焼け止めオイルを得た。
【0069】
実施例30の油性制汗日焼け止めオイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0070】
実施例31:油性制汗日焼け止めオイル
【0071】
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ジカプリン酸PG 8
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 8
4.2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}
-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン 3
5.エチルヘキシルトリアジン 1.5
6. ジメチコン処理酸化亜鉛 15
7.PEG-10ジメチコン 2
8.イソドデカン 1.2
9.エタノール 15
10.(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー 3
11.硫酸アルミニウムカリウム (平均粒子径10μm) 2
12.乾燥硫酸アルミニウムカリウム (平均粒子径10μm) 1
13.アルミニウムヒドロキシクロライド (平均粒子径5nm) 1
(製造方法)
A:成分1~5を混合し加熱する。
B:Aに成分6~10を添加し混合する。
C:Bに成分11~13を添加混合し、油性制汗日焼け止めオイルを得た。
【0072】
実施例31の油性制汗日焼け止めオイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0073】
実施例32:美容オイル
【0074】
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ジカプリン酸PG 8
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 8
4.2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}
-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン 3
5.エチルヘキシルトリアジン 1.5
6.ジメチコン処理酸化亜鉛 15
7.PEG-10ジメチコン 2
8.イソドデカン 1.2
9.エタノール 15
10.アスタキサンチン 0.1
11.アルミニウムヒドロキシクロライド *15 4
*15 アルミニウムヒドロキシクロライド(クラリアントジャパン社製)
(製造方法)
A:成分1~5を混合し加熱する。
B:Aに成分6~10を添加し混合する。
C:Bに成分11を添加混合し、美容オイルを得た。
【0075】
実施例32の美容オイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0076】
実施例33:ヘアオイル
【0077】
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ジカプリン酸PG 8
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 8
4.2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}
-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン 3
5.エチルヘキシルトリアジン 1.5
6.ジメチコン処理酸化亜鉛 15
7.PEG-10ジメチコン 2
8.イソドデカン 1.2
9.エタノール 15
10.アスタキサンチン 0.1
11.乾燥硫酸アルミニウムカリウム *16 4
*16 タイエースK20(大明化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1~5を混合し加熱する。
B:Aに成分6~10を添加し混合する。
C:Bに成分11を添加混合し、ヘアオイルを得た。
【0078】
実施例33のヘアオイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0079】
実施例34:油性制汗日焼け止め
【0080】
(成分) (%)
1.2-エチルヘキサン酸セチル 残量
2.ジカプリン酸PG 8
3.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 8
4.2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシロキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}
-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン 3
5.ステアリン酸イヌリン *17 1.0
6.パルミチン酸デキストリン *18 0.5
7. ジメチコン処理酸化亜鉛 15
8.PEG-10ジメチコン 2
9.イソドデカン 1.2
10.エタノール 15
11.アスタキサンチン 0.1
12.硫酸アルミニウムカリウム (平均粒子径1nm) 4
*17 レオパールISK2 (千葉製粉社製)
*18 レオパールKL2 (千葉製粉社製)
(製造方法)
A:成分1~6を混合し加熱する。
B:Aに成分7~11を添加し混合する。
C:Bに成分12を添加混合し、油性制汗日焼け止めオイルを得た。
【0081】
実施例34の油性制汗日焼け止めオイルは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。
【0082】
実施例35:制汗スプレー
【0083】
(成分) (%)
<原液>
1.2-エチルヘキサン酸セチル 15
2.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 16
3.イソステアリン酸イソプロピル 1
4.パルミチン酸2-エチルヘキシル 1
5.ステアリン酸処理酸化亜鉛 18
6.球状無水ケイ酸(平均粒子径30μm) 1.5
7.エタノール 40
8.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
9.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
10.硫酸アルミニウムカリウム *13 6
<噴射剤>
1.LPG 90
2.窒素 5
3.二酸化炭素 5
(製造方法)
A:成分1~6を混合する。
B:Aに成分7~9を添加し混合する。
C:Bに成分10を添加混合し、原液を得た。
D:Cの原液をエアゾール容器に充填し、原液30部に対し、噴射剤を70部充填して制汗スプレーを得た。
【0084】
実施例35の制汗スプレーは、再分散性、日焼け止め効果、べたつきの無さに優れたものであった。