(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ショックアブソーバ構造及びこれを含むモビリティ装置
(51)【国際特許分類】
F16F 9/46 20060101AFI20240805BHJP
F16F 9/06 20060101ALI20240805BHJP
F16F 9/32 20060101ALI20240805BHJP
A63C 17/06 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
F16F9/46
F16F9/06
F16F9/32 C
F16F9/32 V
F16F9/32 H
A63C17/06
(21)【出願番号】P 2020069674
(22)【出願日】2020-04-08
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0094544
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン ファン
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-253726(JP,A)
【文献】実公昭39-002034(JP,Y1)
【文献】特開2017-108856(JP,A)
【文献】実開平07-027655(JP,U)
【文献】実開昭62-121163(JP,U)
【文献】米国特許第06286642(US,B1)
【文献】登録実用新案第3072731(JP,U)
【文献】登録実用新案第3074181(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 9/32
F16F 9/06
F16F 9/02
F16F 9/46
A63C 1/00- 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部、
長さ方向に延び、延びた方向を回転軸として固定部に回転可能に結合された操舵部、
操舵部との間に流体の含まれた内部空間を形成し、操舵部が延びた方向に沿って操舵部にスライド可能に結合されたスライド部、
両端部が操舵部とスライド部にそれぞれ結合され、操舵部とスライド部との間の内部空間が維持されるように操舵部及びスライド部を支持する弾性体、
スライド部に設けられ、流体が流動できるように操舵部とスライド部との間の内部空間を外部に連通させる流
路、
スライド部に回転可能に連結された操舵ホイール、
及び
前記流路の出口が設けられた位置で流路の出口の開度を可変させるようにスライド部に相対移動可能に結合されたコントロール部、を含むことを特徴とするショックアブソーバ構造。
【請求項2】
前記固定部は、操舵部の一部を外部から包み、固定部と操舵部とは、これらの間に介在するベアリングを介して結合されたことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項3】
前記操舵部は、固定部を貫通して操舵ハンドルと一体に回転するように連結されたことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項4】
前記操舵ハンドルから操舵部の内部に挿入されるように延び、操舵部の内部から操舵部と操舵部の外側を包む固定部とを同時に貫通するように延びたワイヤー、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項5】
前記操舵部には、内側
に空間が形成され、スライド部は、一部が操舵部の内部に挿入された状態で操舵部と互いにスライド可能に結合されたことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項6】
前記操舵部の端部に固定され、操舵部の内周面とスライド部の外周面との間をシールするシーリング材、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項7】
前記操舵部の端部には挿入突起が設けられ、スライド部の外周面にはスライド部のスライド方向に沿って延びた挿入溝が設けられ、挿入溝に挿入突起が挿入された状態でスライド部がスライドされることにより、操舵部とスライド部との相対回転が阻止されることを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項8】
前記操舵部とスライド部のうちのいずれか一つの中央部には、内部空間側に突出したガイド軸が設けられ、操舵部とスライド部のうちの残り一つの中央部には、内部空間側に突出し且つ内部にガイド軸が挿入されてスライドされるガイドホールを有する中空軸が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項9】
前記中空軸の端部またはガイド軸の端部に位置するか、或いは中空軸の端部またはガイド軸の端部に対応する位置でスライド部又は操舵部に位置して、操舵部とスライド部間のスライドを阻止するストッパー、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項10】
前記流路には、操舵部とスライド部との間の内部空間から外部へ排出される流体の流動を許容する第1流路、及び外部から操舵部とスライド部との間の内部空間へ流入する流体の流動を許容する第2流路、が含まれることを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項11】
前記流路にはそれぞれチェックバルブが設けられ、流体が一方向にのみ流動できるように許容されることを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項12】
前記流路の出口は、それぞれオリフィス構造を持つように設けられたことを特徴とする請求項1に記載のショックアブソーバ構造。
【請求項13】
請求項1に記載のショックアブソーバ構造が含まれているモビリティ装置であって、
操舵部と一体に回転するように固定部を貫通して連結された操舵ハンドル、
固定部から延びるか或いは固定部に一体に連結され、搭乗者の足を据え置くための領域が形成された踏み台部、及び
踏み台部に回転可能に結合された補助ホイール、をさらに含むことを特徴とするモビリティ装置。
【請求項14】
固定部、
長さ方向に延び、延びた方向を回転軸として固定部に回転可能に結合された操舵部、
操舵部との間に流体の含まれた内部空間を形成し、操舵部が延びた方向に沿って操舵部にスライド可能に結合されたスライド部、
両端部が操舵部とスライド部にそれぞれ結合され、操舵部とスライド部との間の内部空間が維持されるように操舵部及びスライド部を支持する弾性体、
スライド部に設けられ、流体が流動できるように操舵部とスライド部との間の内部空間を外部に連通させる流路、及び
スライド部に回転可能に連結された操舵ホイール、を含み、
前記操舵部の端部には挿入突起が設けられ、スライド部の外周面にはスライド部のスライド方向に沿って延びた挿入溝が設けられ、挿入溝に挿入突起が挿入された状態でスライド部がスライドされることにより、操舵部とスライド部との相対回転が阻止されることを特徴とするショックアブソーバ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショックアブソーバ構造及びこれを含むモビリティ装置に係り、より詳しくは、内部の流体を用いたダンパーが実現可能なモビリティ装置のショックアブソーバ構造及びこれを含むモビリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染問題及び使用上の楽しみによる需要の増加により、最近になってパーソナルモビリティ装置と呼ばれる1人用輸送装置の開発が増大している。
パーソナルモビリティ装置の一例として、キックボード(Kick Board)と呼ばれる輸送装置が広く使用されているが、キックボードは、大きくは、車輪付きの踏み台部と、ハンドル付きのハンドル部とから構成される。
従来のパーソナルモビリティ装置は、1つのスプリングまたは2つのスプリングが含まれたテレスコピック型、またはリンクを延長して荷重を伝達するリンク型のサスペンション構造を有していた。
ただし、テレスコピック型は、ダンパーがないため、残留振動を除去することが難しいという問題があり、リンク型は、複雑な構造とこれによる荷重増加の問題があった。また、これらはいずれも、配線が外部に露出されて美観を害するうえ、耐久性が低下するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許10-1995-7002918号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ダンピング動作が可能なダンパーが含まれ、収縮作用と膨張作用のダンピングが別個に調節可能なショックアブソーバ構造及びこれを含むモビリティ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るショックアブソーバ構造は、固定部、長さ方向に延び、延びた方向を回転軸として固定部に回転可能に結合された操舵部、操舵部との間に流体の含まれた内部空間を形成し、操舵部が延びた方向に沿って操舵部にスライド可能に結合されたスライド部、両端部が操舵部とスライド部にそれぞれ結合され、操舵部とスライド部との間の内部空間が維持されるように操舵部及びスライド部を支持する弾性体、スライド部に設けられ、流体が流動できるように操舵部とスライド部との間の内部空間を外部に連通させる流路、及びスライド部に回転可能に連結された操舵ホイール、を含むことを特徴とする。
【0006】
前記固定部は、操舵部の一部を外部から包み、固定部と操舵部とは、これらの間に介在するベアリングを介して結合されることを特徴とする。
【0007】
前記操舵部は、固定部を貫通して操舵ハンドルと一体に回転するように連結されることを特徴とする。
【0008】
前記操舵ハンドルから操舵部の内部に挿入されるように延び、操舵部の内部から操舵部と操舵部の外側を包む固定部とを同時に貫通するように延びたワイヤー、をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
前記操舵部には、内側に湾入した空間が形成され、スライド部は、一部が操舵部の内部に挿入された状態で操舵部と互いにスライド可能に結合されることを特徴とする。
【0010】
前記操舵部の端部に固定され、操舵部の内周面とスライド部の外周面との間をシールするシーリング材、をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
前記操舵部の端部には挿入突起が設けられ、スライド部の外周面にはスライド部のスライド方向に沿って延びた挿入溝が設けられ、挿入溝に挿入突起が挿入された状態でスライド部がスライドされることにより、操舵部とスライド部との相対回転が阻止できることを特徴とする。
【0012】
前記操舵部とスライド部のうちのいずれか一つの中央部には、内部空間側に突出したガイド軸が設けられ、操舵部とスライド部のうちの残り一つの中央部には、内部空間側に突出し且つ内部にガイド軸が挿入されてスライドされるガイドホールを有する中空軸が設けられることを特徴とする。
【0013】
前記中空軸の端部またはガイド軸の端部に位置するか、或いは中空軸の端部またはガイド軸の端部に対応する位置でスライド部又は操舵部に位置して、操舵部とスライド部間のスライドを阻止するストッパー、をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
前記流路には、操舵部とスライド部との間の内部空間から外部へ排出される流体の流動を許容する第1流路、及び外部から操舵部とスライド部との間の内部空間へ流入する流体の流動を許容する第2流路、が含まれることを特徴とする。
【0015】
前記流路にはそれぞれチェックバルブが設けられ、流体が一方向にのみ流動できるように許容することを特徴とする。
【0016】
前記流路の出口は、それぞれオリフィス構造を持つように設けられることを特徴とする。
【0017】
前記流路の出口が設けられた位置で流路の出口の開度を可変させるようにスライド部に相対移動可能に結合されたコントロール部、をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係るショックアブソーバ構造が含まれているモビリティ装置は、操舵部と一体に回転するように固定部を貫通して連結された操舵ハンドル、固定部から延びるか或いは固定部に一体に連結され、搭乗者の足を据え置くための領域が形成された踏み台部、及び踏み台部に回転可能に結合された補助ホイール、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のショックアブソーバ構造及びこれを含むモビリティ装置によれば、簡単な構造のみでダンパーを実現することにより、残留振動が減少するという効果がある。
また、ショックアブソーバの収縮作用と膨張作用のダンピング減衰力が別々に調節可能であって乗り心地を改善できる効果がある。
さらに、操舵ハンドルと踏み台部との間に連結される配線を内部に挿入することにより、美観が改善できるとともに耐久性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造を含むモビリティ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明について詳しく説明する。
図1及び
図2は本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の断面図、
図3及び
図4は本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造の斜視図及び断面図である。
図1乃至
図4に示す通り、本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造は、固定部100、長さ方向に延び、延びた方向を回転軸として固定部100に回転可能に結合された操舵部200、操舵部200との間に流体の含まれた内部空間を形成し、操舵部200が延びた方向に沿って操舵部200にスライド可能に結合されたスライド部300、両端部が操舵部200及びスライド部300にそれぞれ結合され、操舵部200とスライド部300との間の内部空間が維持されるように操舵部200とスライド部300を支持する弾性体400、スライド部300に設けられ、流体が流動できるように操舵部200とスライド部300との間の内部空間を外部に連通させる流路410、420、及びスライド部300に回転可能に連結された操舵ホイール500、を含む。
固定部100は、後述する操舵部200の側方を包むように形成できる。また、固定部100は、操舵部200及びスライド部300の回転とは独立して相対回転可能である。特に、後述するように、固定部100は、搭乗者が搭乗する踏み台部800に一体に連結できる。
【0022】
操舵部200は、上下方向に延びた形状をし、固定部100によって側方が包まれた状態で固定部100に回転可能に結合できる。操舵部200の回転軸は、操舵部200が延びた上下方向である。
スライド部300は、操舵部200が延びた方向である上下方向に沿って操舵部200にスライド可能に結合できる。操舵部200とスライド部300との間には内部空間が形成され、内部空間はスライド部300のスライドにより体積が可変となっている。
特に、操舵部200とスライド部300は、互いに向かい合う面において内部が湾入されて内部空間がさらに拡張できる。
内部空間は、弾性体400の弾性力によって空間が維持できる。弾性体400の一端部は操舵部200に結合され、弾性体の他端部はスライド部300に結合されることにより、操舵部200とスライド部300を互いに離隔させるように弾性力を印加することができる。逆に、弾性体400は、操舵部200とスライド部300が分離されないように操舵部200とスライド部300を引く方向にも弾性力を印加することができる。
内部空間には流体が充填できる。流体は圧縮性流体または非圧縮性流体である。簡単には、流体が空気である。
【0023】
流路410、420は、スライド部300と操舵部200との間の内部空間を外部に連通させるように設けられる。流路410、420のそれぞれは、流体を一方向にのみ流動させることができ、反対方向への流動を遮断することができる。
特に、流路410、420には、流体を外部から内部空間へ流入させる流路420と、流体を内部空間から外部へ排出させる流路410の両方が含まれる。
スライド部300には操舵ホイール500が連結できる。特に、操舵ホイール500の回転軸がスライド部300に固定されることにより、操舵ホイール500はスライド部300を基準として回転することができる。
スライド部300にはフォーク320が含まれる。フォーク320はスライド部300から延びて設けられ、操舵ホイール500の回転軸はフォーク320に固定される。
これにより、操舵部200とスライド部300との間の内部空間に設けられた流体によって操舵ホイール500のダンパーを実現することができるため、残留振動を速やかに除去することができるという効果を有する。
【0024】
固定部100は、操舵部200の一部を外部から包み、固定部100と操舵部200は、これらの間に介在するベアリング110を介して結合できる。
ベアリング110は、操舵部200と固定部100とが互いに回転可能に結合されるように操舵部200の外側面と固定部100の内周面との間に位置することができる。
操舵部200は、固定部100を貫通して操舵ハンドル700と一体に回転するように連結できる。
すなわち、操舵部200は、搭乗者が操舵する操舵ハンドル700によって回転するように、固定部100を貫通して操舵ハンドル700と連結できる。操舵部200が固定部100を貫通して上方に延びることにより操舵ハンドル700に連結されることも可能であり、逆に、操舵ハンドル700が固定部100を貫通して操舵部200に連結されることも可能である。
【0025】
操舵ハンドル700から操舵部200の内部に挿入されるように延び、操舵部200の内部から操舵部200と操舵部200の外側を包む固定部100とを同時に貫通するように延びたワイヤー900、をさらに含むことができる。
従来は、操舵ハンドル700から延びたワイヤー900が外部に露出されて美観を害するとともに、露出されたワイヤー900が損傷しやすいという問題があった。ここで、ワイヤー900は、電線、電源供給線またはブレーキ線などであってもよい。
本発明の一実施形態によれば、操舵ハンドル700から延びたワイヤー900は、操舵部200の内部に挿入できる。ワイヤーは、特に、操舵部200の上方に位置した操舵ハンドル700から操舵部200の上部に挿入できる。
操舵部200に挿入されたワイヤー900は、操舵部200の内部から側方に折り曲げられて操舵部200及び固定部100を同時に貫通して側方に延びることができる。ワイヤー900は、後述するように、固定部100から延びた踏み台部800に延ばすことができる。これにより、ワイヤー900は、外部に露出されずに延びることができる効果を有する。
【0026】
操舵部200には、内側に湾入した空間が形成され、スライド部300は、一部が操舵部200の内部に挿入された状態で操舵部200と互いにスライド可能に結合される。
スライド部300は、操舵部200の内側に湾入した空間に一部が挿入された状態でスライドできる。
スライド部300にも、内側に湾入した空間が形成され、それぞれの湾入した空間が連通して内部空間が拡張される。
操舵部200の端部に固定され、操舵部200の内周面とスライド部300の外周面との間をシールするシーリング材220、をさらに含むことができる。
シーリング材220は、例えばゴムリングであってもよく、操舵部200とスライド部300のスライド面同士の間に発生する流体の流れを遮断するように、操舵部200とスライド部300との間をシール(Sealing)することができる。
シーリング材220は、操舵部200の下端部に固定され、スライド部300がスライドされて相対移動してもシーリングを維持することができる。シーリング材220の外部にはシーリングホルダー221がさらに含まれ、シーリング材220の位置を固定させることができる。
【0027】
操舵部200とスライド部300とは、一体に回転するように結合できる。
具体的には、操舵部200の端部には挿入突起230が設けられ、スライド部300の外周面には、スライド部300のスライド方向に沿って延びた挿入溝330が設けられ、挿入溝330に挿入突起230が挿入された状態でスライド部300がスライドされることにより、操舵部200とスライド部300との相対回転が阻止される。
挿入突起230は、操舵部200の下端部から内側に突出して設けられ、挿入溝330は、スライド部300の外周面から内側に湾入して設けられる。挿入突起230及び挿入溝330は、操舵部200又はスライド部300の円周方向に沿って複数設けられる。
操舵部200とスライド部300のうちのいずれかの中央部には、内部空間側に突出したガイド軸310が設けられ、操舵部200とスライド部300のうちの残り一つの中央部には、内部空間側に突出し且つ内部にガイド軸310が挿入されてスライドされるガイドホール211を有する中空軸210が設けられる。
【0028】
具体的には、スライド部300には、中央部から突出して操舵部200側に延びたガイド軸310が設けられ。操舵部200には、中央部から突出してスライド部300側に延びた中空軸210が設けられ、中空軸210には、ガイド軸310が内部に挿入されてスライドされるガイドホール211が設けられる。これにより、スライド部300が操舵部200にスライドされるとともにガイド軸310が中空軸210にスライドされる。
これにより、スライド部300と操舵部200間のスライドが側方に回転しないようにガイドされる効果を有する。
中空軸210の端部又はガイドシャフト310の端部に位置するか、或いは中空軸210の端部またはガイドシャフト310の端部に対応する位置でスライド部300または操舵部200に位置して、操舵部200とスライド部300間のスライドを阻止するストッパー340、をさらに含むことができる。
【0029】
ストッパー340は、例えばゴムリングであってもよい。ストッパー340は、操舵部200とスライド部300とが直接衝突しないように中空軸210の端部またはガイドシャフト310の端部に位置するか、或いは中空軸210またはガイド軸310に接触する位置で操舵部200又はスライド部300に位置することができる。
これにより、操舵部200とスライド部300との衝突を防止することにより、衝撃を緩和するとともに耐久性を向上させるという効果を有する。
流路410、420には、操舵部200とスライド部300との間の内部空間から外部へ排出される流体の流動を許容する第1流路410、及び外部から操舵部200とスライド部300との間の内部空間へ流入する流体の流動を許容する第2流路420が含まれる。
第1流路410は、内部空間の流体が外部へ排出される流動のみを許容し、第2流路420は、内部空間の流体が外部から内部空間へ流入する流動のみを許容することができる。
具体的には、第1流路410及び第2流路420には、それぞれチェックバルブ(図示せず)が設けられ、流体が一方向にのみ流動可能に許容することができる。それぞれのチェックバルブ(図示せず)は互いに反対方向に配置できる。
【0030】
これにより、操舵部200とスライド部300間のスライドによる内部空間の圧縮と膨張の際に、互いに異なる流路を介して流体が別個に移動することにより、ダンピング力を別々に設定することができるという効果を有する。
流路410、420の出口は、それぞれオリフィス構造を有するように設けられる。第1流路410及び第2流路420の出口から流体が噴出されるように、オリフィス構造が形成できる。具体的には、第1流路410の出口は、流体が内部空間から外部へ噴出される方向に設けられ、第2流路420の出口は、流体が外部から内部空間へ噴出される方向に設けられる。
流路410、420の出口が設けられた位置で流路の出口の開度が変更できるようにスライド部300に相対移動可能に結合されたコントロール部600、をさらに含むことができる。
【0031】
コントロール部600は、スライド部300に螺合によって結合でき、スライド部300を基準として相対移動できる。コントロール部600は、第1流路410及び第2流路420の出口が設けられた位置で第1流路410及び第2流路420の出口の開度を調節することができる。
コントロール部600は、一つで第1流路410及び第2流路420の出口の開度を同時に調節することもでき、別に第1流路410または第2流路420の出口にそれぞれ位置して出口の開度を別々に調節することもできる。
これにより、コントロール部600の調節のみで、内部空間によって実現されるダンパーのダンピング力を変更させることができる効果を有する。特に、第1流路410及び第2流路420が別に設けられ、出口の開度も別々に調節可能であることにより、圧縮時と膨張時に互いに異なるダンピング力を有するようにできる。
さらに、流体が空気である場合には、第1流路410及び第2流路420の出口が外部に連結できるが、他の実施形態によって流体が空気ではない場合には、第1流路410及び第2流路420の出口は、内部に流体が貯蔵されたリザーバ(reservoir)(図示せず)に連結できる。
【0032】
図5は本発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造を含むモビリティ装置の斜視図である。
図5に示す通り、発明の一実施形態に係るショックアブソーバ構造を含むモビリティ装置は、操舵部200と一体に回転するように固定部100を貫通して連結された操舵ハンドル700、固定部100から延びるか或いは固定部100に一体に連結され、搭乗者の足を据え置くための領域が形成された踏み台部800、及び踏み台部800に回転可能に結合された補助ホイール810、をさらに含むことができる。
操舵ハンドル700は、操舵部200から上方に離隔した位置に設けられる。操舵ハンドル700と操舵部200との間は操舵軸によって連結できる。操舵ハンドル700は、操舵軸から側方に延びて設けられる。
踏み台部800は、搭乗者が搭乗する領域を形成するように地面と並んだ平面方向に延びることができる。固定部100は、踏み台部800の前方または後方に位置し、踏み台部800と一体に結合されるか、或いは固定部100が延びて踏み台部800が形成されてもよい。
補助ホイール810は、回転軸が踏み台部800に結合されて踏み台部800を基準として回転することができる。補助ホイール810は、駆動源によって駆動される駆動ホイールである。
【0033】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0034】
100 固定部
110 ベアリング
200 操舵部
210 中空軸
211 ガイドホール
220 シーリング材
230 挿入突起
300 スライド部
310 ガイド 、ガイド軸
320 フォーク
330 挿入溝
340 ストッパー
400 弾性体
410 第1流路
420 第2流路
500 操舵ホイール
600 コントロール部
700 操舵ハンドル
800 踏み台部
810 補助ホイール
900 ワイヤー