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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】サイドエッジ型面照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240805BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240805BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240805BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240805BHJP
【FI】
F21S2/00 431
F21V5/02 100
G02F1/13357
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020073402
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021170491
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】宮本 隆志
(72)【発明者】
【氏名】武内 敦
(72)【発明者】
【氏名】重野 信行
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-215464(JP,A)
【文献】国際公開第2013/121771(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110488518(CN,A)
【文献】特開2010-061096(JP,A)
【文献】特開2019-212387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/02
G02F 1/13357
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出光面、該出光面の反対側に設けられた配光制御面、該出光面及び該配光制御面の一端及び他端に設けられた入光面及び反入光面を有する導光板と、
前記導光板の入光面側に設けられた光源と、
前記導光板の出光面側に設けられ、前記導光板側へ突出した前記導光板の入光面に平行な複数の峰形状プリズムを有するプリズムシートと
を具備するサイドエッジ型面照明装置であって、
前記各峰形状プリズムの頂点形状及び頂点高さ並びに前記峰形状プリズムのピッチは一定であり、
前記各峰形状プリズムの傾斜角度は前記入光面から前記反入光面に向って漸次変化し、
前記峰形状プリズムは前記装置の左右方向に延在し、
前記各峰形状プリズムはその頂点を挟んで入射面及び反射面を有し、
前記プリズムシートの中央位置から前記導光板の入光面に近づくにつれて前記各峰形状プリズムの反射面は漸次倒れており、
前記プリズムシートの中央位置から前記導光板の非入光面に近づくにつれて前記各峰形状プリズムの反射面は漸次立上り、
前記プリズムシートの前記中央位置は前記導光板の前記入光面と前記導光板の前記反入光面とから非等距離であるサイドエッジ型面照明装置。
【請求項2】
出光面、該出光面の反対側に設けられた配光制御面、該出光面及び該配光制御面の一端及び他端に設けられた入光面及び反入光面を有する導光板と、
前記導光板の入光面側に設けられた光源と、
前記導光板の出光面側に設けられ、前記導光板側へ突出した前記導光板の入光面に平行な複数の峰形状プリズムを有するプリズムシートと
を具備し、
前記各峰形状プリズムの頂点形状及び頂点高さ並びに前記峰形状プリズムのピッチは一定であり、
前記各峰形状プリズムの傾斜角度は前記入光面から前記反入光面に向って漸次変化し、
前記各峰形状プリズムはその頂点を挟んで入射面及び反射面を有し、
前記プリズムシートの中央位置から前記導光板の入光面に近づくにつれて前記各峰形状プリズムの反射面は漸次倒れており、
前記プリズムシートの中央位置から前記導光板の非入光面に近づくにつれて前記各峰形状プリズムの反射面は漸次立上り、
前記プリズムシートの前記中央位置は前記導光板の前記入光面と前記導光板の前記反入光面とから非等距離であるサイドエッジ型面照明装置。
【請求項3】
前記各峰形状プリズムの傾斜角度は該峰形状プリズムの回転角度で与えられる請求項1又は2に記載のサイドエッジ型面照明装置。
【請求項4】
前記各峰形状プリズムの回転角度θは、
θ=a・x+b
但し、xは前記導光板の入光面位置からの距離
aは-0.0285≦a≦-0.0446
bは前記導光板の入光面位置での峰形状プリズムの回転角度
で与えられる請求項に記載のサイドエッジ型面照明装置。
【請求項5】
前記峰形状プリズムは前記導光板の入光面に対して凹状に湾曲している請求項1に記載のサイドエッジ型面照明装置。
【請求項6】
前記各峰形状プリズムはその頂点を挟んで入射面及び反射面を有し、
前記プリズムシートには、隣接する第1の峰形状プリズムの反射面と第2の峰形状プリズムの入射面との間に平坦部が設けられた請求項1又は2に記載のサイドエッジ型面照明装置。
【請求項7】
前記各峰形状プリズムは三角形状プリズムである請求項1から5のいずれかに記載のサイドエッジ型面照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示(LCD)装置等に用いられ、光源を一側方に有するサイドエッジ型面照明装置、特に、プリズムシートの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD装置の面照明装置(バックライト)として薄型化、軽量化の点で優れたサイドエッジ型面照明装置が用いられている。このとき、LCD装置を公共の場所で使用する際には、他者による側方からの覗き見を防止するために狭配光特性つまり狭い視角特性が必要である。
【0003】
図14は従来のサイドエッジ型面照明装置を示す斜視図である(参照:特許文献1)。
【0004】
図14において、サイドエッジ型面照明装置は、出光面S、配光制御面S、出光面S及び配光制御面Sの側方に設けられた入光面Sin1及び反入光面Sin2を有する導光板1と、導光板1の入光面Sin1側に設けられた光源としての複数の発光ダイオード(LED)素子2と、導光板1の出光面S側に設けられたプリズムシート3と、導光板1の配光制御面S側に設けられた反射シート4とによって構成される。尚、プリズムシート3の外側にはLCDパネル(図示せず)が設けられる。
【0005】
プリズムシート3は入光面Sin1に平行なY方向に沿って延びるように、かつ下側に突出して設けられた側面視で同一三角形状の複数の三角形状プリズム3aを有する。
【0006】
図14において、LED素子2からの光が導光板1の入光面Sin1に入射され、その一部は出光面Sからプリズムシート3を介して外部へ出光され、プリズムシート3から離れた視点Sの輝度Iが決定される。尚、I、I、Iは上+7°からの輝度、真下(0°)からの輝度、下-7°からの輝度を示す。残りは配光制御面Sから出光されて反射シート4によって反射される。尚、反射シート4の代りに吸光シートを設けてもよい。
【0007】
図15図14の導光板1の斜視図である。
【0008】
図15において、導光板1はアクリル樹脂又はポリカーボネート等の透明樹脂よりなり、入光面Sin1に垂直なX方向(光伝播方向)に沿って延びるように出光面S上に設けられた複数の上側プリズム11と、入光面Sin1に平行なY方向に沿って延びるように配光制御面S上に設けられた複数の下側プリズム12とを有する。
【0009】
導光板1の上側プリズム11はZ方向に突出し、X方向に平行に延在し、凸状断面が円弧、二等辺三角形等をなしている。
【0010】
図16図15の導光板1の詳細を示し、(A)は裏面図、(B)は部分断面図である。
【0011】
図16に示すように、配光制御面S上のX方向に延在する複数の平坦鏡面13を設け、光を導光板1の奥に均一に拡散するようにする。この場合、入光面Sin1から遠ざかる程、平坦鏡面13のY方向幅は小さくなる。また、配光制御面S上の平坦鏡面13に設けられていない領域にはY方向に沿った複数の下側プリズム12が設けられ、各下側プリズム12は大きな角α1を有する傾斜面12-1及び光を立ち上げるための小さな角α2(α2<α1)を有する傾斜面12-2よりなる。この場合、入光面Sin1から離れる程、下側プリズム12のY方向幅は大きくなる。
【0012】
図17図14の導光板1及びプリズムシート3の動作を説明するための断面図である。
【0013】
図17に示すように、LED素子2からの光L1は出光面S及び配光制御面Sの間を全反射し、その後、出光面S又は下側プリズム12の傾斜面12-2を屈折する。この場合、平坦鏡面13のY方向幅及び下側プリズム12のY方向幅はX方向に沿って変化するので、導光板1の出光面Sの光L2は、図18の(A)に示す配光特性となる。他方、光L2は配光制御面Sから漏れて光L3となり反射シート4によって反射される。また、導光板1の出光面Sからの光L2はプリズムシート3の三角形状プリズム3aによってコリメート光L4(焦点距離は無限に相当)となり、図18の(B)に示す配光特性を有する。
【0014】
中央視点から見た場合の輝度は図17の上部に示すごとく、上部(+7°方向)輝度Iは中央部(0°方向)輝度Iの20%となり、下部(-7°方向)輝度Iは中央部(0°方向)輝度Iの60%となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】特開2015-15083号公報(特許第6184205号)段落0003、0004、図14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
図19図14のサイドエッジ型面照明装置に対して上視点(+5°)から見たプリズムシート3上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は上視点位置を示し、(B)は上視点から見たプリズムシート3上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0017】
図19の(A)に示すごとく、上5°視点Sはプリズムシート3の中央から見て上5°に位置する。この場合、図19の(B)に示すごとく、上視点Sから見た輝度分布は輝度Iの影響を強く受け、上方の輝度が大きくなって明線を構成し、下方はダークバンドとなる。従って、図19の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差は大きくなる。
【0018】
図20図14のサイドエッジ型面照明装置に対して中央視点から見たプリズムシート3上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は中央視点位置を示し、(B)は中央視点から見たプリズムシート3上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の中央視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0019】
図20の(A)に示すごとく、中央視点Sはプリズムシート3の中央から見て真上に位置する。この場合、図20の(B)に示すごとく、中央視点Sから見た輝度分布は輝度Iの影響を強く受け、中央の輝度が大きくなって明線を構成し、上下方はダークバンドとなる。従って、図20の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差はやはり大きくなる。
【0020】
図21図14のサイドエッジ型面照明装置に対して下視点(-5°)から見たプリズムシート3上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は下視点位置を示し、(B)は下視点から見たプリズムシート3上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の下視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0021】
図21の(A)に示すごとく、下5°視点Sはプリズムシート3の中央から見て下5°に位置する。この場合、図21の(B)に示すごとく、下視点Sから見た輝度分布は輝度Iの影響を強く受け、下方の輝度が大きくなって明線を構成し、上方はダークバンドとなる。従って、図21の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差はやはり大きくなる。
【0022】
このように、上述の従来のサイドエッジ型面照明装置においては、上視点S、中央視点S、下視点Sにおける各平均輝度はあまり変化がない。しかし、上視点S、中央視点S、下視点Sのいずれにおいても輝度差が大きくなり、輝度均一性が得られないという課題がある。また、視点を上下方向に振った場合、明線が移動してダークバンドが強調されるという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の課題を解決するために、本発明に係るサイドエッジ型面照明装置は、出光面、該出光面の反対側に設けられた配光制御面、出光面及び配光制御面の一端及び他端に設けられた入光面及び反入光面を有する導光板と、導光板の入光面側に設けられた光源と、導光板の出光面側に設けられ、導光板側へ突出した導光板の入光面に平行な複数の峰形状プリズムを有するプリズムシートとを具備し、各峰形状プリズムの頂点形状及び頂点高さ並びに峰形状プリズムのピッチは一定であり、各峰形状プリズムの傾斜角度は入光面から反入光面に向って漸次変化し、峰形状プリズムは装置の左右方向に延在し、各峰形状プリズムはその頂点を挟んで入射面及び反射面を有し、プリズムシートの中央位置から導光板の入光面に近づくにつれて各峰形状プリズムの反射面は漸次倒れており、プリズムシートの中央位置から導光板の非入光面に近づくにつれて各峰形状プリズムの反射面は漸次立上り、プリズムシートの中央位置は導光板の入光面と導光板の反入光面とから非等距離であるものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、各視点において輝度均一性が得られる。また、視点を上下方向に振っても、明線の移動もなくかつダークバンドの強調もない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係るサイドエッジ型面照明装置の実施の形態を示す断面図である。
図2図1のサイドエッジ型面照明装置に対して上視点(+5°)から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は上視点位置を示し、(B)はプリズムシート上の各輝度分布を示し、(C)は、上視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図3図1のサイドエッジ型面照明装置に対して中央視点から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は中央視点位置を示し、(B)はプリズムシート上の各輝度分布を示し、(C)は、中央視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図4図1のサイドエッジ型面照明装置に対して下視点(-5°)から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は下視点位置を示し、(B)はプリズムシート上の各輝度分布を示し、(C)は、下視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図5図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシートとの距離dを600mmとし、導光板から狭配光光を受けて焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。
図6】(A)は図5における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(B)は図5における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(C)は図5における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図7図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシートとの距離dを600mmとし、導光板から狭配光光を受けて焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。
図8】(A)は図6における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(B)は図6における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(C)は図6における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図9図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシートとの距離dを500mmとし、導光板から狭配光光を受けて焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。
図10】(A)は図9における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(B)は図9における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、(C)は図9における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図11図1の三角形状プリズムの拡大断面図である。
図12図1の三角形状プリズムの変更例を説明するための図である。
図13図1のサイドエッジ型面照明装置及び図12の変更例のプリズムシートの製造方法の一例を説明するための図である。
図14】従来のサイドエッジ型面照明装置を示す斜視図である。
図15図14の導光板の斜視図である。
図16図15の導光板の詳細を示し、(A)は裏面図、(B)は部分断面図である。
図17図14の導光板及びプリズムシートの動作を説明するための断面図である。
図18図17の導光板及びプリズムシートの配光特性を示すグラフである。
図19図14のサイドエッジ型面照明装置に対して上視点(+5°)から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は上視点位置を示し、(B)は上視点から見たプリズムシート上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の上視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図20図14のサイドエッジ型面照明装置に対して中央視点から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は中央視点位置を示し、(B)は中央視点から見たプリズムシート上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の中央視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
図21図14のサイドエッジ型面照明装置に対して下視点(-5°)から見たプリズムシート上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は下視点位置を示し、(B)は下視点から見たプリズムシート上の輝度分布を示し、(C)は、(B)の下視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明に係るサイドエッジ型面照明装置の実施の形態を示す断面図である。図1においては、図14のプリズムシート3の代りにプリズムシート3’を設けてある。
【0027】
図1において、プリズムシート3’の各三角形状プリズム3’aは入射面3’a-1及び反射面3’a-2よりなる同一三角形状を有し、その頂角は一定たとえば60°、ピッチpは一定、高さhは一定である。ここで、x座標の原点(x=0)を導光板1の入光面Sin1の位置とし、プリズムシート3’の中央位置(入光面Sin1と反入光面Sin2との中間位置)からのずれをΔxとすると、各三角形状プリズム3’aは視点S(図示せず)が真上に位置する中央位置(Δx=0)から入光面Sin1側に向って(Δx<0)三角形状プリズム3’aの入射面3’a-1が立つ方向にかつ反射面3’a-2が倒れる方向に頂点を中心に時計回りに漸次、回転角度θで回転する。他方、中央位置(Δx=0)から反入光面Sin2側(Δx>0)に向って三角形状プリズム3’aの入射面3’a-1が倒れる方向にかつ反射面3’a-2が立つ方向に頂点を中心に反時計回りに漸次、回転角度θで回転する。その回転角度θ、θは入光面 in1 側及び反入光面Sin2に向うにつれて徐々に大きくなる。つまり、漸増する。入光面Sin1に向ってΔx(mm)の値を負とし、反入光面Sin2に向ってΔx(mm)の値を正と定義し、中央真上に位置する視点Sとプリズムシート3’との距離をdとすれば、
d=400mmのとき、
θ=-0.0565・Δx
d=500mmのとき、
θ=-0.0446・Δx
d=600mmのとき、
θ=-0.0381・Δx
d=700mmのとき、
θ=-0.0305・Δx
d=800mmのとき、
θ=-0.0286・Δx
で与えられる。尚、Δx≧0のとき、
θ=θ
Δx<0のとき、
θ=θ
である。すなわち、一般に、
θ=a・Δx
但し、aは-0.0285~-0.0446
であり、さらに、入光面Sin1の位置をx=0とし、三角形状プリズム3’aの位置をxとすれば、
θ=a・x+b
但し、bは入光面Sin1位置における三角形状プリズム3’aの回転角度
で表せる。尚、d=400~800mmは視点Sとプリズムシート3’(LCD装置)との実際の距離であり、上述の値が上述の範囲を超えると、合わなくなる。
【0028】
図2図1のサイドエッジ型面照明装置に対して上視点(+5°)から見たプリズムシート3’上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は上視点位置を示し、(B)は(A)のプリズムシート3’上の各輝度分布I、I、Iを示し、(C)は、上視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0029】
図2の(A)に示すごとく、上5°視点Sはプリズムシート3’の中央位置から見て上5°に位置する。この場合、プリズムシート3’からの光の焦点(集光位置)は、上5°視点Sとの同一距離の位置にあるものとする。従って、図2の(B)に示すごとく、上視点Sから見た輝度分布は各輝度I、I、Iの65%の影響を平等に受ける。従って、図2の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差は小さくなり、明線もダークバンドも存在しない。
【0030】
図3図1のサイドエッジ型面照明装置に対して中央視点から見たプリズムシート3上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は中央視点位置を示し、(B)は(A)のプリズムシート3’上の各輝度分布I、I、Iを示し、(C)は、中央視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0031】
図3の(A)に示すごとく、中央視点Sはプリズムシート3’の中央位置から見て真上に位置する。この場合、プリズムシート3’からの光の焦点(集光位置)は、中央視点Sとの同一距離の位置にあるものとする。従って、図3の(B)に示すごとく、中央視点Sから見た輝度分布は各輝度I、I、Iの100%の影響を平等に受ける。従って、図3の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差はやはり小さくなり、明線もダークバンドも存在しない
【0032】
図4図1のサイドエッジ型面照明装置に対して下視点(-5°)から見たプリズムシート3上の輝度分布を説明するための図であって、(A)は下視点位置を示し、(B)は(A)のプリズムシート3’上の各輝度分布I、I、Iを示し、(C)は、下視点から見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0033】
図4の(A)に示すごとく、下5°視点Sはプリズムシート3’の中央位置から見て下5°に位置する。この場合、プリズムシート3’からの光の焦点(集光位置)は、下5°視点Sとの同一距離の位置にあるものとする。従って、図4の(B)に示すごとく、下視点Sから見た輝度分布は各輝度I、I、Iの60%の影響を平等に受ける。従って、図4の(C)に示すごとく、中央輝度断面における輝度差はやはり小さくなり、明線もダークバンドも存在しない
【0034】
このように、図1のサイドエッジ型面照明装置においては、中央視点Sにおける平均輝度は大きく、上視点S、下視点Sの各平均輝度は小さい。しかし、上視点S、中央視点S、下視点Sにおける輝度差が小さくなり、輝度均一性が得られる。また、視点を上下方向に振った場合、明線の移動及びダークバンドの強調はない。
【0035】
図5図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシート3’との距離dを600mmとし、焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。この場合、導光板1からの出射光L2は図18の(A)に示す狭配光特性を有するものとする。たとえば、半値幅で30°~15°である。
【0036】
図6の(A)は図5における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図6の(B)は図5における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図6の(C)は図5における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0037】
図5図6に示すように、焦点距離Fが視点とプリズムシート3’との距離d(600mm)と一致すると、中央視点Sでの平均輝度は27000cd/mと大きく、他方、上5°視点S、下5°視点Sでの平均輝度は16000cd/mと小さいが、輝度差はいずれも小さい。従って、各視点S、S、Sにおいて、輝度均一性が得られ、視点を上下方向に振っても明線の移動もなく、ダークバンドの強調もない。焦点距離Fを500mmとした場合又は700mm~800mmとした場合には、各視点S、S、Sでの輝度差は大きくなり、狭配光特性により本発明の回転角度の漸次変化による焦点距離の分解能が高くなる。従って、視点とプリズムシート3’との距離dが600mmの場合、焦点距離Fは600mm~700mmが好ましい。
【0038】
図7図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシート3’との距離dを600mmとし、焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。この場合、導光板1からの出射光L2は図18の(A)に示す広配光特性を有するものとする。
【0039】
図8の(A)は図6における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図8の(B)は図6における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図8の(C)は図6における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0040】
図7図8に示すように、焦点距離Fが視点とプリズムシート3’との距離d(600mm)と一致すると、中央視点Sでの平均輝度は24000cd/mと大きく、他方、上5°視点S、下5°視点Sでの平均輝度は15000~16000cd/mと小さいが、輝度差はいずれも小さい。従って、各視点S、S、Sにおいて、輝度均一性が得られ、視点を上下方向に振っても明線の移動もなく、ダークバンドの強調もない。焦点距離Fを500mmとした場合又は700mm~800mmとした場合には、各視点S、S、Sでの輝度差は大きくなるが、広配光特性により本発明の回転角度の漸次変化による焦点距離の分解能が低くなる。従って、視点とプリズムシート3’との距離dが600mmの場合、焦点距離Fは600mm~650mmが好ましい。
【0041】
このように、導光板1の出光配光特性が狭配光になれば、本発明の三角形状プリズム3’aの回転角度の漸次変化効果により焦点距離Fの分解能が高くなる。つまり、配光重ね合わせの分解能が高くなる。
【0042】
図9図1のサイドエッジ型面照明装置に対して視点とプリズムシート3’との距離dを500mmとし、焦点距離Fを変化させた場合の輝度分布を示す写真である。この場合、導光板1からの出射光L2は図18の(A)に示す狭配光特性を有するものとする。たとえば、半値幅で30°~15°である。
【0043】
図10の(A)は図9における上5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図10の(B)は図9における中央視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示し、図10の(C)は図9における下5°視点Sから見た輝度分布の中央輝度断面を示す。
【0044】
図9図10に示すように、焦点距離Fが視点とプリズムシート3’との距離d(500mm)と一致すると、中央視点Sでの平均輝度は24000cd/mと大きく、他方、上5°視点S、下5°視点Sでの平均輝度は14000~15000cd/mと小さいが、輝度差はいずれも小さい。従って、各視点S、S、Sにおいて、輝度均一性が得られ、視点を上下方向に振っても明線の移動もなく、ダークバンドの強調もない。焦点距離Fを400mmとした場合又は600mmとした場合には、各視点S、S、Sでの輝度差は逆となり、狭配光特性により本発明の回転角度の漸次変化による焦点距離の分解能が高くなる。従って、視点とプリズムシート3’との距離dが500mmの場合、焦点距離Fは500mmが好ましい。
【0045】
図11図1の三角形状プリズム3’aの拡大断面図である。
【0046】
図11に示すように、各三角形状プリズム3’aは頂角が一定、ピッチpが一定、高さhが一定となっているが、三角形状プリズム3’aの回転角度θ、θに応じて三角形状プリズム3’a間の平坦部の距離Hが変化する。このとき、回転角度θ、θが変化しても平坦部の距離Hが所定値以上となるように、高さhを決定する。つまり、隣接する第1の三角形状プリズムの反射面3’a-2と第2の三角形状プリズムの入射面3’a-1との間に長さが所定値以上の距離Hの平坦部を設ける。これにより、プリズムシート3’を製造する際に金型を抜き易くして製造歩留りを向上させることができる。
【0047】
図12図1の三角形状プリズム3’aの変更例を説明するための図である。
【0048】
図1においては、プリズムシート3’の三角形状プリズム3’aは、図12の(A)に示すごとく、入光面Sin1に平行につまりY方向に沿って設けられており、従って、図12の(B)に示すごとく、中央視点から見たプリズムシート3’の輝度はX方向で均一であるがY方向では不均一である。これに対し、図12の(A’)に示すごとく、プリズムシート3”の三角形状プリズム3”aの頂角を入光面Sin1に対してに湾曲させると、図12(B’)に示すごとく、中央視点から見たプリズムシート3’の輝度はY方向でも均一となる。
【0049】
図13図1のサイドエッジ型面照明装置及び図12のプリズムシート3’、3”の製造方法の一例を説明するための図である。
【0050】
図13の(A)、(B)に示すように、図12の(A)、(A’)のプリズムシート3’、3”を製造する場合、予め本来の図12の(A)、(A’)のプリズムシート3’、3”より大きいサイズのプリズムシート3’L、3”Lを製造する。この場合、回転角度θ=0(Δx=0)はプリズムシート3’L、3”Lの中央位置である。図13の(A)、(B)のプリズムシート3’L、3”Lをカット位置Cでたとえば抜き型でカットすると、図13の(C)に示す中央視点Sを有するプリズムシート3’(3”)となる。この場合、中央視点Sはプリズムシート3’(3”)の中心と一致し、中央位置(Δx=0)に一致する。他方、図13の(A)、(B)のプリズムシート3’L、3”Lをカット位置Dでたとえば抜き型でカットすると、図13の(D)に示す上視点Sを有するプリズムシート3’(3”)となる。この場合、上視点Sは、プリズムシート3’(3”)の中心より上方にずれ、中央位置(Δx=0)に一致する。このように、大きいサイズのプリズムシート3’L、3”Lのカット位置を変更することにより視点位置及び中央位置(Δx=0)を簡単に変更できる。
【0051】
尚、上述の実施の形態において、中央位置(Δx=0)は入光面Sin1と反入光面Sin2との中間位置であるが、入光面Sin1と反入光面Sin2とから等距離位置に限定されない。たとえば、図13の(B)に示すごとく、中央位置(Δ=0)は入光面Sin1よりも反入光面Sin2に近くすることもできる。また、中央位置(Δx=0)は反入光面Sin2よりも入光面Sin1に近くすることもできる。
【0052】
また、上述の三角形状プリズム3’a、3”aにおいては、頂点が厳密な三角形状をなしている必要はなく、三角形状は曲率を持った面や多面形状を有しているプリズム形状でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係るサイドエッジ型面照明装置は、狭配光特性を有するので、他者による側方からの覗き見を防止できるLCD装置に利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1:導光板
in1:入光面
in2:反入光面
:出光面
:配光制御面
2:LED素子
3、3’、3”、3’L、3”L:プリズムシート
3a、3’ a、3”a:三角形状プリズム
3’a-1:入射面
3’a-2:反射面
4:反射シート
図1
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