(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240805BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03G21/16 119
G03G15/00 550
(21)【出願番号】P 2020086346
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 拓也
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-209711(JP,A)
【文献】特開2003-258447(JP,A)
【文献】特開2020-042126(JP,A)
【文献】特開2000-082881(JP,A)
【文献】特開平06-175419(JP,A)
【文献】特開平11-254788(JP,A)
【文献】特開平09-304985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0029497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
15/00
21/16-21/18
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納するシートカセットと、該シートカセットから取り出されたシートを搬送する第1搬送ローラを支持する第1枠体と、
前記第1枠体の鉛直方向の上部に配置され、前記第1枠体に連結される第2枠体であって、前記第1搬送ローラからシートを受け入れてシートを搬送する第2搬送ローラと、前記第2搬送ローラによって搬送されたシートに画像を形成する画像形成ユニットを支持する第2枠体と、
前記第1枠体の一部を構成する第1支柱であって、第1基部と、前記第1基部から略垂直に延びる第1板部と、前記第1板部と対向し、前記第1基部から略垂直に延びる第2板部とを有する第1支柱と、
前記第2枠体の一部を構成する第2支柱であって、前記第1基部の鉛直方向の上部に配置され、前記第1基部と接触する第2基部と、前記第2基部から略垂直に延び、前記第1板部の鉛直方向の上部に配置される第3板部と、前記第3板部と対向し、前記第2基部から略垂直に延び、前記第2板部の鉛直方向の上部に配置される第4板部とを有する第2支柱と、
前記第1支柱と前記第2支柱とを連結する連結部材であって、前記第1基部及び前記第2基部に対して間隔を空けて対向する基部と、前記基部から略垂直に延び、前記第1板部及び前記第3板部にそれぞれ連結される一方の板部と、前記一方の板部と対向し、前記基部から略垂直に延び、前記第2板部及び前記第4板部にそれぞれ連結される他方の板部とを有する連結部材と、
備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1支柱は、前記第1支柱を補強する補強部材を有し、
前記補強部材は、第3基部と、前記第3基部から略垂直に延び、前記第1支柱の前記第1板部に連結される第5板部と、前記第5板部と対向し、前記第3基部から略垂直に延び、前記第1支柱の前記第2板部に連結される第6板部とを有し、
前記補強部材の前記第3基部は前記第2支柱の前記第2基部に対して間隔を持って対向し、前記補強部材の前記第5板部は前記第2支柱の前記第3板部に連結され、前記補強部材の前記第6板部は前記第2支柱の前記第4板部に連結さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2支柱は、前記連結部材よりも鉛直方向の上方の位置に、前記第2支柱を補強する補強部材を有し、
前記補強部材は、前記第2支柱の前記第2基部に対して間隔を持って対向する第4基部と、前記第4基部から略垂直に延び、前記第2支柱の前記第3板部に連結される第7板部と、前記第7板部と対向し、前記第4基部から略垂直に延び、前記第2支柱の前記第4板部に連結される第8板部とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2枠体は、前記第2搬送ローラの回転軸線方向において前記第2支柱と対向して配置された側板と、前記第2支柱と前記側板にそれぞれ連結されるステーを備え、
前記ステーは、少なくとも鉛直方向における前記連結部材と前記補強部材との間の位置で、前記第2支柱の前記第2基部、前記第3板部、前記第4板部と共に長方形断面を形成するように前記第2支柱に連結されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2支柱の前記第3板部は、前記第1支柱の前記第1板部に形成された被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部が前記被係合部に係合することで、前記第2支柱の前記第1支柱に対する鉛直方向と交差する方向への移動が規制されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記被係合部は、前記第1支柱の前記第1板部の上端部の一部が下方に凹んだ凹部であり、
前記係合部は、前記第2支柱の前記第3板部の下端部に形成された突起であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連結部材は、ビスによって前記第1支柱と前記第2支柱にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連結部材は、溶接によって前記第1支柱と前記第2支柱にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1枠体は、前記第1搬送ローラの回転軸線方向と鉛直方向とに直交する方向において前記第1支柱と対向する第3支柱と、前記第1搬送ローラの回転軸線方向において前記第1支柱及び前記第3支柱と対向する第1後側板と、前記第1支柱、前記第3支柱、前記第1後側板の鉛直方向の下部に配置され、前記第1支柱、前記第3支柱、前記第1後側板が固定される底板と、を有し、
前記第2枠体は、前記第2搬送ローラの回転軸線方向と鉛直方向とに直交する方向において前記第2支柱と対向し、前記第3支柱に連結される第4支柱と、前記第2搬送ローラの回転軸線方向において前記第2支柱及び前記第4支柱と対向し、前記第1後側板に連結される第2後側板とを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第3支柱と前記第4支柱とを連結する他の連結部材を備え、
前記第3支柱は、前記第1基部と、前記第1板部と、前記第2板部と
を有する前記第1支柱と同一の形状を有し、
前記第4支柱は、前記第2基部と、前記第3板部と、前記第4板部と
を有する前記第2支柱と同一の形状を有し、
前記他の連結部材は、前記第1基部及び前記第2基部に対して間隔を空けて対向する基部と、前記基部から略垂直に延び、前記第1板部及び前記第3板部にそれぞれ連結される一方の板部と、前記一方の板部と対向し、前記基部から略垂直に延び、前記第2板部及び前記第4板部にそれぞれ連結される他方の板部とを有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1支柱と前記第1後側板とを連結する第1連結ステーと、前記第3支柱と前記第1後側板とを連結する第2連結ステーを備え、
前記第1連結ステーと前記第2連結ステーは、前記シートカセットのスライド移動をガイドすることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2支柱と前記第4支柱とに連結され、前記第2後側板とともに感光体を支持する支持部材を有することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2支柱は、前記第2支柱を補強する補強部材を有し、
前記補強部材は、前記第2支柱の前記第2基部に対して間隔を持って対向する第4基部と、前記第4基部から略垂直に延び、前記第2支柱の前記第3板部に連結される第7板部と、前記第7板部と対向し、前記第4基部から略垂直に延び、前記第2支柱の前記第4板部に連結される第8板部とを有し、
前記補強部材の前記第4基部は前記第1支柱の前記第1基部に対して間隔を持って対向し、前記補強部材の前記第7板部は前記第1支柱の前記第1板部に連結され、前記補強部材の前記第8板部は前記第1支柱の前記第2板部に連結さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1支柱は、前記連結部材よりも鉛直方向の
下方の位置に、前記第1支柱を補強する補強部材を有し、
前記補強部材は、前記第1支柱の前記第1基部に対して間隔を持って対向する第3基部と、前記第3基部から略垂直に延び、前記第1支柱の前記第1板部に連結される第5板部と、前記第5板部と対向し、前記第3基部から略垂直に延び、前記第1支柱の前記第2板部に連結される第6板部とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置の枠体として、特許文献1の構成のように、第1枠体と、第1枠体の鉛直方向の上方に配置された第2枠体を連結させる構成が知られている。第1枠体は、シートを収納するシートカセットや、シートカセットから取り出されたシートを搬送する第1搬送ローラを支持する。第2枠体は、第1搬送ローラからシートを受け入れて搬送する第2搬送ローラや、第2搬送ローラにより搬送されたシートに画像を形成する画像形成ユニットを支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置において、上述した画像形成ユニット、シートカセット、第1搬送ローラ、第2搬送ローラの位置精度は、枠体の一部を構成する支柱の位置精度に影響を受ける。即ち、第1枠体の一部を構成する第1支柱の位置精度は、第1枠体に支持されるシートカセットや第1搬送ローラの位置精度に影響を及ぼす。また第2枠体の一部を構成する第2支柱の位置精度は、第2枠体に支持される第2搬送ローラや画像形成ユニットの位置精度に影響を及ぼす。
【0005】
ここで特許文献1の構成では、第1枠体の一部を構成する第1支柱と、第2枠体の一部を構成し、第1支柱の鉛直方向の上部に配置される第2支柱とが連結されている。このように第1支柱と第2支柱とを連結する場合、連結部分の剛性が低いと、画像形成装置の運搬時などに加わる衝撃や装置自体の荷重によって当該連結部分に変形が生じ、第1支柱と第2支柱との相対位置精度が低下するおそれがある。
【0006】
第1支柱と第2支柱との相対位置精度が低下すると、これらの位置精度に影響を受ける第1搬送ローラと第2搬送ローラの相対位置精度も低下する。この場合、第1搬送ローラから第2搬送ローラにシートが受け渡される際にシートが斜行して、シートに対する画像位置がずれ、画像形成品質が悪化するおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、第1枠体の第1支柱と、第2枠体における第1支柱の鉛直方向の上部に配置される第2支柱との連結部分の剛性を高めることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、シートを収納するシートカセットと、該シートカセットから取り出されたシートを搬送する第1搬送ローラを支持する第1枠体と、前記第1枠体の鉛直方向の上部に配置され、前記第1枠体に連結される第2枠体であって、前記第1搬送ローラからシートを受け入れてシートを搬送する第2搬送ローラと、前記第2搬送ローラによって搬送されたシートに画像を形成する画像形成ユニットを支持する第2枠体と、前記第1枠体の一部を構成する第1支柱であって、第1基部と、前記第1基部から略垂直に延びる第1板部と、前記第1板部と対向し、前記第1基部から略垂直に延びる第2板部とを有する第1支柱と、前記第2枠体の一部を構成する第2支柱であって、前記第1基部の鉛直方向の上部に配置され、前記第1基部と接触する第2基部と、前記第2基部から略垂直に延び、前記第1板部の鉛直方向の上部に配置される第3板部と、前記第3板部と対向し、前記第2基部から略垂直に延び、前記第2板部の鉛直方向の上部に配置される第4板部とを有する第2支柱と、前記第1支柱と前記第2支柱とを連結する連結部材であって、前記第1基部及び前記第2基部に対して間隔を空けて対向する基部と、前記基部から略垂直に延び、前記第1板部及び前記第3板部にそれぞれ連結される一方の板部と、前記一方の板部と対向し、前記基部から略垂直に延び、前記第2板部及び前記第4板部にそれぞれ連結される他方の板部とを有する連結部材と、備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置において、第1枠体の第1支柱と、第2枠体における第1支柱の鉛直方向の上部に配置される第2支柱との連結部分の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
<画像形成装置>
以下、まず本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を画像形成時の動作とともに図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
本実施形態に係る画像形成装置Aは、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナーを中間転写ベルトに転写した後、シートに画像を転写して画像を形成する中間タンデム方式の画像形成装置である。なお、以下の説明において、上記各色のトナーを使用する部材には添え字としてY、M、C、Kを付するものの、各部材の構成や動作は使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じであるため、区別を要する場合以外は添え字を適宜省略する。
【0013】
図1は、画像形成装置Aの断面概略図である。
図1に示す様に、画像形成装置Aは、シートSに画像を形成する画像形成ユニット10と、画像形成ユニット10に向けてシートSを給送する給送ユニット20を備える。
【0014】
画像形成ユニット10は、感光体としての感光ドラム1(1Y、1M、1C、1K)、帯電ローラ2(2Y、2M、2C、2K)、現像装置4(4Y、4M、4C、4K)を備える。また画像形成ユニット10は、一次転写ローラ5(5Y、5M、5C、5K)、レーザスキャナユニット3、中間転写ベルト6、二次転写ローラ7、二次転写対向ローラ8などを備える。
【0015】
給送ユニット20は、シートSが収納されるシートカセット11a~11cと、シートカセット11a~11cに収納されているシートSをピックアップするピックローラ12a~12cを備える。またピックローラ12a~12cによりピックアップされたシートSを搬送パスに給送する給送ローラ13a~13cと、搬送パスにおいてシートSを搬送する搬送ローラ14a~14dと、レジストローラ15を備える。
【0016】
画像形成装置Aにより画像を形成する際は、まず不図示の制御部に画像形成ジョブ信号が入力される。これによりシートカセット11a~11cのいずれかに収納されたシートSがピックローラ12a~12cによってピックアップされる。次に、シートSは、給送ローラ13a~13c、搬送ローラ14a~14dによってレジストローラ15に送られる。その後、シートSは、レジストローラ15によって斜行の補正がなされた後、所定のタイミングで二次転写ローラ7と二次転写対向ローラ8から形成される二次転写部に送り込まれる。
【0017】
一方、画像形成ユニット10においては、まず帯電ローラ2Yにより感光ドラム1Y表面が帯電させられる。その後、不図示の外部機器から送信された画像データに応じてレーザスキャナユニット3が感光ドラム1Y表面にレーザ光を照射し、感光ドラム1Y表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置4Yにより感光ドラム1Yの表面に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させ、感光ドラム1Y表面にイエローのトナー像を形成する。感光ドラム1Y表面に形成されたトナー像は、一次転写ローラ5Yに一次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト6に一次転写される。
【0018】
同様のプロセスにより、感光ドラム1M、1C、1Kにも、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。そして一次転写ローラ5M、5C、5Kに一次転写バイアスが印加されることで、これらのトナー像が中間転写ベルト6上のイエローのトナー像に対して重畳的に転写される。これにより中間転写ベルト6の表面に画像信号に応じたフルカラーのトナー像が形成される。なお、一次転写後に感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに付着したトナーは、不図示のクリーニング部材によって除去されて、回収トナー容器18に回収される。
【0019】
その後、中間転写ベルト6が周回移動することで、フルカラーのトナー像が二次転写部に送られる。そして二次転写部において二次転写ローラ7に二次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト6上のフルカラーのトナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、搬送ローラ14eによって定着装置9に搬送され、定着装置9において加熱、加圧処理が施され、これによりシートS上のトナー像がシートSに定着される。その後、トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ17によって排出トレイ19に排出される。
【0020】
<画像形成装置の枠体>
次に、画像形成装置Aの枠体100の構成について説明する。
【0021】
図2は、画像形成装置Aの枠体100の斜視図である。
図3は、画像形成装置Aの枠体100の分解斜視図である。
図2、
図3に示す様に、画像形成装置Aの枠体100は、上部フレーム50と下部フレーム70が連結されて構成されている。上部フレーム50と下部フレーム70はそれぞれ板金で形成されており、上部フレーム50は下部フレーム70の鉛直方向の上部に配置される。なお、下部フレーム70は、枠体100として画像形成装置Aに標準的に搭載されるものであり、収容可能なシートSの枚数を増やす等の機能拡張のためにオプションとして任意に取り付けられるカセットペディスタルユニットとは異なる。また
図1に示す一点鎖線Vは、上部フレーム50と下部フレーム70との境目を示している。
【0022】
上部フレーム50(第2枠体)は、前側板53、後側板52、前側板53と後側板52とを連結するステー58、59、60、61から構成されている。前側板53は、右上支柱54(第2支柱)、左上支柱55、右上支柱54と左上支柱55を連結するステー56、57から構成されている。ステー56、57は、右上支柱54と左上支柱55に溶接されている。ステー58は、右上支柱54と後側板52に溶接されている。ステー59は、左上支柱55と後側板52に溶接されている。ステー60、61は、ステー56と後側板52に溶接されている。
【0023】
下部フレーム70(第1枠体)は、前側板73、後側板72、前側板73と後側板72を連結するステー77、78、底板71から構成されている。前側板73は、右下支柱74(第1支柱)、左下支柱75、右下支柱74と左下支柱75を連結するステー76から構成されている。ステー76は、右下支柱74と左下支柱75に溶接されている。ステー77は、右下支柱74と後側板72に溶接されている。ステー78は、左下支柱75と後側板72に溶接されている。
【0024】
図4は、画像形成装置Aの枠体100に対して感光ドラム1やシートカセット11を支持する部材を取り付けた状態を示す図である。
図4に示す様に、上部フレーム50の右上支柱54と左上支柱55には、感光ドラム1や現像装置4を支持する支持部材81が位置決めされて取り付けられている。支持部材81は、感光ドラム1や現像装置4が備える不図示の現像スリーブの回転軸線方向の一端部を回転可能に支持する。感光ドラム1や現像スリーブの回転軸線方向の他端部は、後側板52によって回転可能に支持される。
【0025】
また上部フレーム50の右上支柱54と左上支柱55には、中間転写ベルト6を支持するベルト支持部材82が位置決めされて取り付けられている。ベルト支持部材82は、中間転写ベルト6が張架される二次転写対向ローラ8やその他のローラの回転軸線方向の一端部を回転可能に支持する。二次転写対向ローラ8の回転軸線方向の他端部は、後側板52によって回転可能に支持される。
【0026】
また上部フレーム50の右上支柱54と左上支柱55には、定着装置9と搬送ローラ14eがユニット化された定着搬送ユニット84の正面側の枠体である前側板が取り付けられている。右上支柱54と左上支柱55に対する定着搬送ユニット84の位置は、右上支柱54に形成された嵌合孔54a2cと左上支柱55に形成された嵌合孔55aに対して定着搬送ユニット84の前側板の不図示のそれぞれピンが嵌合することで決められる。
【0027】
また定着搬送ユニット84の枠体には、搬送ローラ14d(第2搬送ローラ)が支持される。つまり右上支柱54と左上支柱55に対する定着搬送ユニット84の位置が決まることで搬送ローラ14dの位置も決まる。また右下支柱74には、搬送ローラ14dにシートSを受け渡す搬送ローラ14a(第1搬送ローラ)の回転軸線方向の一端部が位置決めされた上で回転可能に支持されている。搬送ローラ14aの回転軸線方向の他端部は、後側板52に回転可能に支持されている。
【0028】
また下部フレーム70の右下支柱74と左下支柱75には、シートカセット11aを支持する支持レール83a、シートカセット11bを支持する支持レール83bと、シートカセット11cを支持する支持レール83cが位置決めされて取り付けられている。支持レール83a、83b、83cは、右下支柱74及び左下支柱75と後側板72とを連結するステー(第1連結ステー、第2連結ステー)である。シートカセット11a~11cは、右下支柱74と左下支柱75との間の位置において、支持レール83a~83cにガイドされながらスライド移動し、矢印-Y方向に挿入され、矢印Y方向に引き出される。
【0029】
ここで本実施形態では、シートカセット11a~11cが引き出される方向である矢印Y方向に画像形成装置Aの正面が位置し、シートカセット11a~11cが挿入される方向である矢印-Y方向に画像形成装置Aの背面が位置する。また矢印Y、-Y方向と鉛直方向である矢印Z、-Z方向と直交する方向である矢印X方向に画像形成装置Aの右側面が位置し、その反対方向である矢印-X方向に画像形成装置Aの左側面が位置する。つまりシートカセット11a~11cの移動方向において、下部フレーム70の右下支柱74及び左下支柱75と後側板72は互いに対向して配置されている。また右下支柱74と左下支柱75は、シートカセット11a~11cの移動方向と鉛直方向に直交する方向において互いに対向して配置されている。
【0030】
<支柱>
次に、画像形成装置Aの枠体100の支柱の詳しい構成について説明する。なお、以下では、右上支柱54(第2支柱)と右下支柱74(第1支柱)について説明するものの、左上支柱55(第4支柱)と左下支柱75(第3支柱)も同様の構成である。
【0031】
図5(a)は、右上支柱54の斜視図である。
図5(b)は、右上支柱54を
図5(a)に示すK1-K1断面で切断した断面図である。
図5(a)、
図5(b)に示す様に、右上支柱54は、外側部材54aと内側部材54bから構成されており、両者は不図示のビスによって連結されている。なお、外側部材54aと内側部材54bを溶接によって連結する構成や、外側部材54aと内側部材54bを鋳造やプレス加工により一体成型する構成や、切削加工により一体的に形成する構成としてもよい。
【0032】
外側部材54aは、基部54a1(第2基部)と、基部54a1の一端部が略垂直に曲げられた曲げ部54a2(第3板部)と、基部54a1の他端部が曲げ部54a2と対向するように略垂直に曲げられた曲げ部54a3(第4板部)で構成されている。これにより外側部材54aは、全体としてコの字形状となっている。なお、本実施形態では、外側部材54aは、一つの板金に曲げ加工を施してコの字形状を形成しているものの、L字形状の二つの板金を組み合わせて略コの字形状を形成してもよい。また、ここでいう略直角は、基部54a1に対して曲げ部54a2、54a3が90度の構成だけでなく、寸法公差や製造誤差を含むものであり、例えば89度~91度は略直角に含まれる。また曲げ部54a2、54a3は、基部54a1に対して略直角で互いに対向する構成であれば段差を有していてもよい。また曲げ部54a2、54a3は、基部54a1に対して円弧を描くような形状であってもよい。
【0033】
内側部材54bは、基部54b1(第4基部)と、基部54b1の一端部が略垂直に曲げられた曲げ部54b2(第7板部)と、基部54b1の他端部が曲げ部54b2と対向するように略垂直に曲げられた曲げ部54b3(第8板部)で構成されている。内側部材54bは、全体としてコの字形状となっている。なお、本実施形態では、内側部材54bは、一つの板金に曲げ加工を施してコの字形状を形成しているものの、L字形状の二つの板金を組み合わせて略コの字形状を形成してもよい。また、ここでいう略直角は、基部54b1に対して曲げ部54b2、54b3が90度の構成だけでなく、寸法公差や製造誤差を含むものであり、例えば89度~91度は略直角に含まれる。また曲げ部54b2、54b3は、基部54b1に対して略直角で互いに対向する構成であれば段差を有していてもよい。また曲げ部54b2、54b3は、基部54b1に対して円弧を描くような形状であってもよい。
【0034】
外側部材54aと内側部材54bは、コの字形状の開口部が互いに向かい合うように配置されている。即ち、内側部材54bの基部54b1は外側部材54aの基部54a1に対して間隔を持って対向して配置されている。また内側部材54bの曲げ部54b2は外側部材54aの曲げ部54a2に不図示のビスによって連結され、内側部材54bの曲げ部54b3は外側部材54aの曲げ部54a3に不図示のビスによって連結されている。これにより右上支柱54の断面形状は長方形となり剛性が確保される。つまり内側部材54bは、右上支柱54の一部を構成するとともに、外側部材54aを補強する補強部材となっている。
【0035】
外側部材54aの曲げ部54a2、54a3には、ビス穴54a2b、54a3aがそれぞれ形成されている。また外側部材54aの曲げ部54a2の下端部には、矢印Y方向に突出する突起54a2a(係合部)が形成されている。また外側部材54aの下端部は、内側部材54bの下端部より下方に位置し、外側部材54aにおける内側部材54bに対して下方に突出した部分により形成される空間は右下支柱74を受け入れる受入部54a4となっている。
【0036】
図6(a)は、右下支柱74の斜視図である。
図6(b)は、右下支柱74を
図6(a)に示すK2-K2断面で切断した断面図である。
図6(a)、
図6(b)に示す様に、右下支柱74は、外側部材74aと内側部材74bから構成されており、両者は不図示のビスによって連結されている。なお、外側部材74aと内側部材74bを溶接によって連結する構成や、外側部材74aと内側部材74bを鋳造やプレス加工により一体成型する構成や、切削加工により一体的に形成する構成としてもよい。
【0037】
外側部材74aは、基部74a1(第1基部)と、基部74a1の一端部が略垂直に曲げられた曲げ部74a2(第1板部)と、基部74a1の他端部が曲げ部74a2と対向するように略垂直に曲げられた曲げ部74a3(第2板部)で構成されている。外側部材74aは、全体としてコの字形状となっている。なお、本実施形態では、外側部材74aは、一つの板金に曲げ加工を施してコの字形状を形成しているものの、L字形状の二つの板金を組み合わせて略コの字形状を形成してもよい。また、ここでいう略直角は、基部74a1に対して曲げ部74a2、74a3が90度の構成だけでなく、寸法公差や製造誤差を含むものであり、例えば89度~91度は略直角に含まれる。また曲げ部74a2、74a3は、基部74a1に対して略直角で互いに対向する構成であれば段差を有していてもよい。また曲げ部74a2、74a3は、基部74a1に対して円弧を描くような形状であってもよい。
【0038】
内側部材74bは、基部74b1(第3基部)と、基部74b1の一端部が略垂直に曲げられた曲げ部74b2(第5板部)と、基部74b1の他端部が曲げ部74b2と対向するように略垂直に曲げられた曲げ部74b3(第6板部)で構成されている。内側部材74bは、全体としてコの字形状となっている。なお、本実施形態では、内側部材74bは、一つの板金に曲げ加工を施してコの字形状を形成しているものの、L字形状の二つの板金を組み合わせて略コの字形状を形成してもよい。また、ここでいう略直角は、基部74b1に対して曲げ部74b2、74b3が90度の構成だけでなく、寸法公差や製造誤差を含むものであり、例えば89度~91度は略直角に含まれる。また曲げ部74b2、74b3は、基部74b1に対して略直角で互いに対向する構成であれば段差を有していてもよい。また曲げ部74b2、74b3は、基部74b1に対して円弧を描くような形状であってもよい。
【0039】
外側部材74aと内側部材74bは、コの字形状の開口部が互いに向かい合うように配置されている。即ち、内側部材74bの基部74b1は外側部材74aの基部74a1に対して間隔を持って対向して配置されている。また内側部材74bの曲げ部74b2は外側部材74aの曲げ部74a2に不図示のビスによって連結され、内側部材74bの曲げ部74b3は外側部材74aの曲げ部74a3に不図示のビスによって連結されている。これにより右下支柱74の断面形状は長方形となり右下支柱74の剛性が確保される。つまり内側部材74bは、右下支柱74の一部を構成するとともに、右下支柱74を補強する補強部材となっている。
【0040】
内側部材74bの曲げ部74b2、74b3には、ビス穴74b2a、74b3aがそれぞれ形成されている。また外側部材74aの曲げ部74a2の上端部には、鉛直方向の下方に凹む凹部74a2a(被係合部)が形成されている。また内側部材74bの上端部は、外側部材74aの上端部より上方に位置し、内側部材74bにおける外側部材74aに対して上方に突出した部分は右上支柱54の受入部54a4に受け入れられる突出部74b4となっている。
【0041】
図7(a)は、画像形成装置Aの枠体100を
図2に示すK3-K3断面で切断した断面図である。
図7(b)は、画像形成装置Aの枠体100を
図2に示すK4-K4断面で切断した断面図である。
図7(c)は、画像形成装置Aの枠体100を
図2に示すK5-K5断面で切断した断面図である。
【0042】
図7(a)に示す様に、
図2に示すK3-K3断面の位置では、右上支柱54の外側部材54aと内側部材54bにより長方形断面が形成されている。具体的には、外側部材54aの基部54a1、曲げ部54a2、曲げ部54a3と、内側部材54bの基部54b1をそれぞれの辺とする長方形断面が形成されている。なお、外側部材54aの曲げ部54a2と内側部材54bの曲げ部54b2、及び、外側部材54aの曲げ部54a3と内側部材54bの曲げ部54b3はそれぞれ重なるように配置されている。
【0043】
図7(b)に示す様に、
図2に示すK4-K4断面の位置では、右上支柱54の外側部材54aとステー58により長方形断面が形成されている。具体的には、外側部材54aの基部54a1、曲げ部54a2、曲げ部54a3とステー58をそれぞれの辺とする長方形断面が形成されている。つまりステー58は、鉛直方向における右上支柱54の内側部材54bと右下支柱74の内側部材74bとの間の位置で、外側部材54aの基部54a1、曲げ部54a2、曲げ部54a3と共に長方形断面を形成するように右上支柱54に連結される。
【0044】
図7(c)に示す様に、
図2に示すK5-K5断面の位置では、右上支柱54の外側部材54aと右下支柱74の内側部材74bにより長方形断面が形成されている。具体的には、右上支柱54の外側部材54aの基部54a1、曲げ部54a2、曲げ部54a3と、右下支柱74の内側部材74bの基部74b1をそれぞれの辺とする長方形断面が形成されている。なお、右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a2と右下支柱74の内側部材74bの曲げ部74b2、及び、右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a3と右下支柱74の内側部材74bの曲げ部74b3はそれぞれ重なるように配置されている。
【0045】
このように画像形成装置Aの枠体100の右側面側の支柱である右上支柱54と右下支柱74は、大部分の位置において長方形断面を形成しているため、剛性を高めることができる。同様に、画像形成装置Aの枠体100における左側の支柱である左上支柱55と左下支柱75は、大部分の位置において長方形断面を形成しているため、剛性を高めることができる。尚、本実施形態では支柱の断面形状を長方形としたが、四角形であれば正方形であっても剛性を高めることができるため、断面形状を正方形となるように構成してもよい。
【0046】
<支柱の連結構成>
上述した通り、画像形成ユニット10、シートカセット11a~11cや、搬送ローラ14a、14dは、右上支柱54、右下支柱74、左上支柱55、左下支柱75によって直接的または間接的に位置決めされる。このため、上部フレーム50と下部フレーム70を連結させる際に右上支柱54と右下支柱74との相対位置精度や、左上支柱55と左下支柱75との相対位置精度が低い場合、搬送ローラ14aと搬送ローラ14dとの相対位置精度が低くなる。この場合、搬送ローラ14aから搬送ローラ14dにシートSが受け渡される際にシートSが斜行して、シートSに対する画像位置がずれて画像形成品質が悪化するおそれがある。なお、レジストローラ15によってシートSの斜行補正が行われるものの、斜行量によっては斜行が補正し切れないことがある。そこで本実施形態では、次に説明する構成により、これらの支柱間の相対位置精度が低下することを抑制する。
【0047】
図8は、右上支柱54と右下支柱74の斜視図であり、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際の様子を
図8(a)~
図8(c)の順に示す図である。
図9は、右上支柱54と右下支柱74を矢印X方向から見た図であり、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際の様子を
図9(a)~
図9(c)の順に示す図である。
【0048】
図8(a)、
図8(b)、
図9(a)、
図9(b)に示す様に、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際、まず作業者は、右上支柱54を鉛直方向の下方に移動させて、右上支柱54の受入部54a4に対して右下支柱74の突出部74b4を進入させる。この時、右上支柱54の曲げ部54a2、54a3が右下支柱74の曲げ部74b2、74b3に接触することで右上支柱54の鉛直方向の移動が案内される。また右上支柱54の曲げ部54a2の内面と曲げ部54a3の内面との間隔L1は、右下支柱74の曲げ部74b2の外面と曲げ部74b3の外面との間隔L2より0.5mm広く構成されている。従って、右上支柱54の受入部54a4に右下支柱74の突出部74b4が進入すると、右上支柱54の右下支柱74に対する矢印Y方向の位置が0.5mmのガタを持った状態で決められる。
【0049】
次に、作業者は、
図8(c)、
図9(c)に示す様に、右上支柱54を鉛直方向の下方にさらに移動させる。これにより右上支柱54の基部54a1の下端部である突当部54a1aと、右下支柱74の基部74a1の上端部である突当部74a1aが突き当たり、右上支柱54の右下支柱74に対する鉛直方向の位置が決められる。また右下支柱74の曲げ部74a2に形成された凹部74a2aに対し、右上支柱54の曲げ部54a2に形成された突起54a2aが嵌合(係合)する。これにより右上支柱54の右下支柱74に対する矢印X方向の位置、即ち鉛直方向と直交(交差)する方向への移動が規制され、鉛直方向と直交(交差)する方向の位置が決められる。
【0050】
このように右上支柱54と右下支柱74との間で位置決めが行われると、右下支柱74の外側部材74aの基部74a1は右上支柱54の外側部材54aの基部54a1と鉛直方向において隣接して配置される。また外側部材74aの基部74a1の上端部は、外側部材54aの基部54a1の下端部と接触する。また右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a2は右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a2と鉛直方向において隣接して配置される。また右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a3は右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a3と鉛直方向において隣接して配置される。
【0051】
次に、作業者は、右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a2に形成されたビス穴54a2bと、右下支柱74の内側部材74bの曲げ部74b2に形成されたビス穴74b2aに対して不図示のビスを挿入して締結する。また作業者は、右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a3に形成されたビス穴54a3aと、右下支柱74の内側部材74bの曲げ部74b3に形成されたビス穴74b3aに対して不図示のビスを挿入して締結する。これにより右上支柱54と右下支柱74が連結される。これにより、右下支柱74に対する右上支柱54の矢印Y方向の位置、すなわち鉛直方向と直交(交差)する方向の位置が決められる。このように、上述した右上支柱54の突当部54a1aと右下支柱74の凹部74a2aとの嵌合及び右上支柱54と右下支柱74とのビス締結によって、右上支柱54と右下支柱74とは鉛直方向と直交する方向の全方位の位置が決められた状態で固定されている。即ち本実施形態では、右下支柱74の内側部材74bは、右下支柱74の一部を構成するとともに、右上支柱54と右下支柱74とを連結する連結部材も兼ねている。なお、右下支柱74の内側部材74bと右上支柱54の外側部材54aを溶接によって連結する構成としてもよい。
【0052】
このように本実施形態では、右上支柱54と右下支柱74との位置決めを両支柱によって直接的に行う。従って、右上支柱54や右下支柱74に取り付けられた部材によって位置決めを行う構成と比較して、公差の影響が少なくなるため、右上支柱54と右下支柱74との間の相対位置精度が低下することを抑制することができる。このため、搬送ローラ14aから搬送ローラ14dにシートSが受け渡される際にシートSが斜行することが抑制され、シートSに対する画像位置がずれることを抑制することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について図を用いて説明する。第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図10は、本実施形態に係る右上支柱54と右下支柱74の斜視図であり、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際の様子を
図10(a)~
図10(c)の順に示す図である。
図11は、本実施形態に係る右上支柱54と右下支柱74を矢印X方向から見た図であり、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際の様子を
図11(a)~
図11(c)の順に示す図である。
【0055】
図10(a)、
図11(a)に示す様に、本実施形態では、右下支柱74の外側部材74aの上端部は、内側部材74bの上端部より上方に位置している。外側部材74aにおける内側部材74bに対して上方に突出した部分により形成される空間は、右上支柱54を受け入れる受入部74a4となっている。また、右上支柱54の内側部材54bの下端部は、外側部材54aの下端部より下方に位置し、内側部材54bにおける外側部材54aに対して下方に突出した部分は右下支柱74の受入部74a4に受け入れられる突出部54b4となっている。即ち、本実施形態では、第1実施形態とは反対に、右下支柱74に受入部74a4が形成されており、右上支柱54に突出部54b4が形成されている。その他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0056】
図10(b)、
図11(b)に示す様に、右上支柱54と右下支柱74を連結させる際、まず作業者は、右上支柱54を鉛直方向の下方に移動させて、右下支柱74の受入部74a4に対して右上支柱54の突出部54b4を進入させる。この時、右上支柱54の曲げ部54b2、54b3が右下支柱74の曲げ部74a2、74a3に接触することで右上支柱54の鉛直方向の移動が案内される。また右上支柱54の曲げ部54b2の外面と曲げ部54b3の外面との間隔L3は、右下支柱74の曲げ部74a2の内面と曲げ部74a3の内面との間隔L4より0.5mm狭く構成されている。従って、右下支柱74の受入部74a4に右上支柱54の突出部54b4が進入すると、右上支柱54の右下支柱74に対する矢印Y方向の位置が0.5mmのガタを持った状態で決められる。
【0057】
次に、作業者は、
図10(c)、
図11(c)に示す様に、右上支柱54を鉛直方向の下方にさらに移動させる。これにより右上支柱54の基部54a1の下端部である突当部54a1aと、右下支柱74の基部74a1の上端部である突当部74a1aが突き当たり、右上支柱54の右下支柱74に対する鉛直方向の位置が決められる。また右下支柱74の曲げ部74a2に形成された凹部74a2aに対し、右上支柱54の曲げ部54a2に形成された突起54a2aが嵌合する。これにより右上支柱54の右下支柱74に対する矢印X方向の位置が決められる。
【0058】
このように右上支柱54と右下支柱74との間で位置決めが行われると、右下支柱74の外側部材74aの基部74a1は右上支柱54の外側部材54aの基部54a1と鉛直方向において隣接して配置される。また外側部材74aの基部74a1の上端部は、外側部材54aの基部54a1の下端部と接触する。また右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a2は右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a2と鉛直方向において隣接して配置される。また右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a3は右上支柱54の外側部材54aの曲げ部54a3と鉛直方向において隣接して配置される。
【0059】
次に、作業者は、右上支柱54の内側部材54bの曲げ部54b2に形成されたビス穴54b2aと、右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a2に形成されたビス穴74a2bに対して不図示のビスを挿入して締結する。また作業者は、右上支柱54の内側部材54bの曲げ部54b3に形成されたビス穴54b3aと、右下支柱74の外側部材74aの曲げ部74a3に形成されたビス穴74a3aに対して不図示のビスを挿入して締結する。これにより右上支柱54と右下支柱74が連結される。つまり本実施形態では、右上支柱54の内側部材54bは、右上支柱54の一部を構成するとともに、右上支柱54と右下支柱74とを連結する連結部材も兼ねている。なお、右上支柱54の内側部材54bと右下支柱74の外側部材74aを溶接によって連結する構成としてもよい。
【0060】
このように本実施形態においても、右上支柱54と右下支柱74との位置決めを両支柱によって直接的に行う。従って、右上支柱54や右下支柱74に取り付けられた部材によって位置決めを行う構成と比較して、公差の影響が少なくなるため、右上支柱54と右下支柱74との間の相対位置精度が低下することを抑制することができる。このため、搬送ローラ14aから搬送ローラ14dにシートSが受け渡される際にシートSが斜行することが抑制され、シートSに対する画像位置がずれることを抑制することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、画像形成ユニット10、シートカセット11a~11や、搬送ローラ14a、14dを、上部フレーム50の前側板53と下部フレーム70の前側板73で位置決めする構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。即ち、上部フレーム50の後側板52と下部フレーム70の後側板72によってこれらの部材を位置決めする構成としてもよい。この場合、上部フレーム50の後側板52と下部フレーム70の後側板72の支柱間の連結を、右上支柱54と右下支柱74の連結と同様に行うことで、上記同様の効果を得ることができる。
【0062】
また上部フレーム50や下部フレーム70に支持される部材の配置は適宜変更することができる。例えば
図12に示す様に、下部フレーム70に支持されるシートカセット11aを小型化してサイズが小さいシートSを収納する構成とし、これによって形成された空間に回収トナー容器18を配置する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10…画像形成ユニット
11a~11c…シートカセット
14a…搬送ローラ(第1搬送ローラ)
14d…搬送ローラ(第2搬送ローラ)
50…上部フレーム(第2枠体)
54…右上支柱(第2支柱)
54b…内側部材(補強部材、連結部材)
54a2a…突起(係合部)
58…ステー
70…下部フレーム(第1枠体)
74…右下支柱(第1支柱)
74b…内側部材(補強部材、連結部材)
74a2a…凹部(被係合部)
81…支持部材
A…画像形成装置