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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G03G21/16 133
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020090175
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021185394
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】縄 里志
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-249165(JP,A)
【文献】特開2001-249594(JP,A)
【文献】特開2014-112143(JP,A)
【文献】特開平10-186764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
回転軸を中心として回転可能な像担持体を有し、前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたカートリッジと、
前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたユニットと、を備え、
前記カートリッジは、扉を有し、
前記扉は、前記装置本体に装着された状態の前記ユニットの装着方向の上流側において、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに少なくとも一部が前記ユニットに重なる第1位置と、前記ユニットが前記回転軸線方向に沿って着脱されるときに通過することのできる開口を成す第2位置と、に移動可能である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記扉は、底面が前記カートリッジの筐体の底面と同一面上に位置するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記扉を前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢手段を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体は、前記像担持体に当接して回転し、前記像担持体との間で転写ニップ部を形成する中間転写体と、前記像担持体に形成されたトナー像を前記中間転写体に転写する転写手段と、を有し、
前記カートリッジは、前記像担持体に形成された前記トナー像が前記中間転写体に転写された後に前記像担持体に付着した残トナーを清掃する清掃手段を有し、
前記ユニットは、少なくとも一部が前記像担持体と前記中間転写体と前記清掃手段とに囲まれる第1領域に配置され、
前記扉は、前記第1位置において、前記回転軸線方向から視て、少なくとも一部が前記第1領域に重なるように配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユニットは、前記中間転写体の表面のトナー濃度を検知する第1濃度検知ユニットである、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記像担持体に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、前記像担持体に当接して回転し、前記像担持体との間で転写ニップ部を形成する中間転写体と、前記像担持体に形成された前記トナー像を前記中間転写体に転写する転写手段と、を有し、
前記ユニットは、少なくとも一部が前記像担持体と前記中間転写体と前記現像装置とに囲まれる第2領域に配置され、
前記扉は、前記第1位置において、前記回転軸線方向から視て、少なくとも一部が前記第2領域に重なるように配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ユニットは、前記像担持体の表面のトナー濃度を検知する第2濃度検知ユニットである、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
回転軸を中心として回転可能な像担持体を有し、装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたカートリッジであって、
前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に装着されたユニットの装着方向の上流側において、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに少なくとも一部が前記ユニットに重なる第1位置と、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに前記ユニットから離隔した第2位置と、に移動可能な扉を有する、
ことを特徴とするカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等の画像形成装置と、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に装着されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複数の機能を有する複合機等として広く応用されている。このような画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムの表面を帯電させて、レーザースキャナにより露光して静電潜像を形成し、現像装置によってトナーを用いてトナー像を形成し、シート上に転写して可視化するプロセスが採用されている。このような画像形成のプロセスに関わる感光ドラム等の部品は、装置本体に内蔵される他の部材の寿命に比べて短寿命である。このため、そのような短寿命の部品をドラムカートリッジ(以下、カートリッジという)としてユニット化し、装置本体に対して着脱可能にして寿命に応じて交換するようにした画像形成装置が広く普及している(特許文献1参照)。また、このような画像形成装置において、カートリッジの装着位置の近傍には、例えばセンサ等、定期的に清掃などのメンテナンスが必要な部品やユニット等(以下、ユニットという)が着脱可能に装着されていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-44845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の画像形成装置では、カートリッジの近傍に着脱可能に装着されたユニットを交換する際に、カートリッジを取り外し、ユニットを交換し、再びカートリッジを装着する必要があった。このため、ユニットの交換作業の作業工数が多く、煩雑であった。
【0005】
本発明は、カートリッジ及びユニットの装着後であっても、ユニットを交換する際の作業性を向上可能な画像形成装置及びカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、装置本体と、回転軸を中心として回転可能な像担持体を有し、前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたカートリッジと、前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたユニットと、を備え、前記カートリッジは、扉を有し、前記扉は、前記装置本体に装着された状態の前記ユニットの装着方向の上流側において、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに少なくとも一部が前記ユニットに重なる第1位置と、前記ユニットが前記回転軸線方向に沿って着脱されるときに通過することのできる開口を成す第2位置と、に移動可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明のカートリッジは、回転軸を中心として回転可能な像担持体を有し、装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に設けられたカートリッジであって、前記装置本体に対して前記像担持体の回転軸線方向に沿って着脱可能に装着されたユニットの装着方向の上流側において、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに少なくとも一部が前記ユニットに重なる第1位置と、前記回転軸線方向に沿った視線で視たときに前記ユニットから離隔した第2位置と、に移動可能な扉を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カートリッジ及びユニットの装着後であっても、ユニットを交換する際の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図2】第1の実施形態に係る大径感光ドラムと排気ダクトを示す側面図である。
図3】第1の実施形態に係る画像形成装置において、扉が閉位置にある状態のドラムカートリッジを示す斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る画像形成装置において、扉が閉位置にある状態のドラムカートリッジと第1検知ユニットを示す正面図である。
図5】第1の実施形態に係る画像形成装置において、扉が開位置にある状態のドラムカートリッジと第1検知ユニットを示す斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る画像形成装置において、扉が閉位置にある状態のドラムカートリッジと第1検知ユニットを示す正面図である。
図7】第2の実施形態に係る画像形成装置において、扉が閉位置にある状態のドラムカートリッジと第1検知ユニットを示す斜視図である。
図8】第2の実施形態に係る画像形成装置において、扉が開位置にある状態のドラムカートリッジと第1検知ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、図1図5を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置1の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置1に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。
【0011】
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体1a内に4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部PY,PM,PC,PKを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。本実施形態では、画像形成部PY,PM,PC,PKを後述する中間転写ベルト40の回転方向R2に沿って配置した中間転写タンデム方式としている。画像形成装置1は、装置本体1aに接続された不図示の原稿読み取り装置又は装置本体1aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Sに形成する。記録材Sとしては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。尚、本実施形態では、各図に示すように、画像形成装置1に向かって手前側を前方向F、奥側(背側)を後方向B、左側を左方向L、右側を右方向R、上側を上方向U、下側を下方向Dとして表している。また、後述するドラムカートリッジ50の装置本体1aに対する装着方向を後方向B、取出方向を前方向Fとしている。
【0012】
画像形成プロセスについて説明する。まず、画像形成部PY,PM,PC,PKについて説明する。本実施形態では、画像形成部PY,PM,PC,PKは、トナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックとなっており、これらの中で画像形成部PKのみが異なる構成を有する。画像形成部PY,PM,PCは、トナーの色が異なる以外、ほぼ同一に構成される。そこで、以下では、ブラックの画像形成部PKとイエローの画像形成部PYを例に説明し、その他の画像形成部PM,PCについては説明を省略する。
【0013】
画像形成部PKは、主に大径感光ドラム2、帯電装置3、露光装置4、現像装置5、クリーナブレード6aを有する清掃装置6等を有している。大径感光ドラム2と清掃装置6とは枠体51に取り付けられて、カートリッジの一例であるドラムカートリッジ50としてユニット化されている。ドラムカートリッジ50は、装置本体1aに対して回転可能な大径感光ドラム2を有し、装置本体1aに前後方向に着脱可能に設けられている。尚、本実施形態では、ドラムカートリッジ50は装置本体1aに対して前後方向に着脱可能である場合について説明しているが、これには限られず、左右方向や上下方向に着脱可能であってもよい。このドラムカートリッジ50を画像形成装置1の装置本体1aへと装着した後、帯電装置3が取り付けられる。
【0014】
画像形成部PYは、主に小径感光ドラム12、帯電ローラ13、露光装置14、現像装置15、クリーナブレード16aを有する清掃装置16等を有している。小径感光ドラム12と、帯電ローラ13と、清掃装置16とは、ドラムユニット17としてユニット化されている。ドラムユニット17と現像装置15とは、プロセスカートリッジ18としてユニット化されている。
【0015】
プロセスカートリッジ18は、装置本体1aに取り付けられているガイドレール20に倣って、装置本体1aの前後方向である小径感光ドラム12の回転軸線方向(幅方向W)に移動されながら着脱される。ガイドレール20は、装置本体1aの左右方向Xに関してプロセスカートリッジ18の両側に設けられ、ドラムガイド部21と現像ガイド部22とを有している。ドラムガイド部21は、清掃装置16の右方向R側に対向して設けられ、プロセスカートリッジ18を装置本体1aへ装着する際にプロセスカートリッジ18の右方向R側をガイドする。現像ガイド部22は、現像装置15の左方向L側に対向して設けられ、プロセスカートリッジ18を装置本体1aへ装着する際にプロセスカートリッジ18の左方向L側をガイドする。ガイドレール20は、画像形成装置1の装置本体1aを構成するフレーム1bにビス23等の締結部材で締結されている。また、ガイドレール20は、他部品を取り付ける際にビス23への引っ掛かりを防止するために、ビス23よりも上方向Uに突出するような突起部24を有している。
【0016】
画像形成装置1は、後述する画像形成動作などの各種制御を行うための制御部10を備えている。画像形成装置1の各部の動作は、画像形成装置1に設けられた制御部10によって制御される。一連の画像形成動作は、装置本体1aの操作部、あるいは、ネットワークを経由した各入力信号に従って制御部10が制御している。制御部10は、演算制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら画像形成装置1の各部の制御を行う。RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
【0017】
以下、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。本実施形態では、像担持体としての感光ドラムとしては、1本の大径感光ドラム2と、3本の小径感光ドラム12とが設けられている。大径感光ドラム2は、コロナ帯電方式の帯電装置3により、また、小径感光ドラム12は接触帯電方式の帯電ローラ13により、それぞれ表面を一様な電荷に帯電される。コロナ帯電方式の帯電装置3が大径感光ドラム2の表面を帯電させる際には、オゾンが発生することがある。
【0018】
そこで、画像形成装置1には、帯電装置3で発生したオゾンを大径感光ドラム2の近傍から除去するためのエア循環装置30が設けられている。エア循環装置30は、給気ファン31と、帯電装置3の上部に配置された給気ダクト32と、1つ以上の吸入口33を有する排気ダクト34と、排気ダクト34に設けられた排気ファン35と、オゾンフィルタ36とを有している。排気ダクト34は、帯電装置3の大径感光ドラム2の回転方向R1の下流に配置されている。エア循環装置30によって、給気ファン31から取り込まれたエアは、給気ダクト32を流通し、帯電装置3へと送られる。帯電装置3へと送られたエアは、大径感光ドラム2の外周面の近傍を流通し、露光位置を通過した後、吸入口33から排気ファン35により減圧された排気ダクト34を流通し、オゾンフィルタ36を介して機外へ排出される。
【0019】
また、帯電装置3は、対向する大径感光ドラム2上を帯電する以外に、イオンも発生させることがある。発生したイオンは、オゾンを排気するエアフローや大径感光ドラム2の回転によって、大径感光ドラム2の回転方向R1の下流へ浮遊する。ここで、イオンが大径感光ドラム2の露光位置の近傍まで浮遊し、大径感光ドラム2上に形成された静電潜像に付着すると、露光によって除電された部分を再び帯電させ、画像不良が発生してしまう虞がある。これを防止するため、排気ダクト34の大径感光ドラム2と対向する面に接地させた導電シート38を設け(図2参照)、排気ダクト34側にイオンを引き付けて浮遊したイオンを回収するようにしている。
【0020】
また、大径感光ドラム2の露光位置と現像位置の間には、電位センサ39が排気ダクト34に取り付けられて設けられている。電位センサ39は、潜像電位の面内均一性を向上させるために、大径感光ドラム2の表面電位を検出する。排気ダクト34に設けられた電位センサ39のセンサ面と導電シート38との距離が近いと、電位センサ39の検知精度が悪化してしまう。そのため、本実施形態では、図2に示すように、排気ダクト34の大径感光ドラム2に対向する面の幅方向Wの略中央部に凹部34aを設けると共に、凹部34aの近傍に電位センサ39を設けている。これにより、この凹部34aに設けられた導電シート38は、電位センサ39のセンサ面から離れて設けられるようになる。
【0021】
露光装置4にはブラックの画像信号が入力され、露光装置14にはイエロー、マゼンタ、シアンの画像信号がそれぞれ入力される。露光装置4,14は、画像信号に応じてドラム表面をレーザ光により照射し、電荷を中和して静電潜像を形成する。大径感光ドラム2及び小径感光ドラム12に形成された静電潜像は、それぞれの現像装置5,15によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーによりトナー像に現像される。大径感光ドラム2及び小径感光ドラム12に現像されたトナー像は、大径感光ドラム2及び小径感光ドラム12とそれぞれ一次転写ニップ部T1を形成する一次転写ローラ8により中間転写体の一例である中間転写ベルト40へ順に一次転写される。
【0022】
即ち、中間転写ベルト40は、大径感光ドラム2に当接して回転し、大径感光ドラム2との間で一次転写ニップ部T1を形成する。また、一次転写ローラ8は、転写手段の一例であり、大径感光ドラム2に形成されたトナー像を中間転写ベルト40に転写する。これにより、中間転写ベルト40の表面上に、フルカラーのトナー像が形成される。尚、本実施形態では、中間転写体は中間転写ベルト40である場合について説明したが、これには限られず、中間転写ローラを適用してもよい。
【0023】
大径感光ドラム2に対向する一次転写ローラ8よりも中間転写ベルト40の回転方向R2の下流には、ユニットとしての第1濃度検知ユニットの一例である第1検知ユニット41が配置されている。第1検知ユニット41は、中間転写ベルト40の表面のトナー濃度を検知するために設けられ、レジ検センサと濃度センサを有するレジ濃度検知ユニットであり、これらはレジパッチや諧調パッチの位置に対応して配置されている。第1検知ユニット41は、ドラムカートリッジ50の装着時において、清掃装置6の下方向D側で、中間転写ベルト40の上方向U側で、大径感光ドラム2の右方向R側の領域である第1領域Ar1に配置されるように設けられている。即ち、第1検知ユニット41は、少なくとも一部が大径感光ドラム2と中間転写ベルト40と清掃装置6とに囲まれる第1領域Ar1に配置されている。また、第1検知ユニット41は、装置本体1aに対して幅方向Wに沿って着脱可能に設けられている。
【0024】
大径感光ドラム2に対向する一次転写ローラ8よりも大径感光ドラム2の回転方向R1の上流には、ユニットとしての第2濃度検知ユニットの一例である第2検知ユニット42が配置されている。第2検知ユニット42は、大径感光ドラム2の表面のトナー濃度、特に諧調パッチを読むために設けられている。第2検知ユニット42は、現像装置5と一次転写ニップ部T1との間に配置されている。第2検知ユニット42は、ドラムカートリッジ50の装着時において、現像装置5の下方向D側で、中間転写ベルト40の上方向U側で、大径感光ドラム2の左方向L側の領域である第2領域Ar2に配置されるように設けられている。即ち、第2検知ユニット42は、少なくとも一部が大径感光ドラム2と中間転写ベルト40と現像装置5とに囲まれる第2領域Ar2に配置されている。また、第2検知ユニット42は、装置本体1aに対して幅方向Wに沿って着脱可能に設けられている。
【0025】
大径感光ドラム2及び小径感光ドラム12上の転写残トナーは、クリーナブレード6a,16aにより掻き取られ、清掃装置6,16内を搬送され、不図示の回収トナーボックスへと回収される。即ち、清掃手段の一例である清掃装置6は、大径感光ドラム2に形成されたトナー像が中間転写ベルト40に転写された後に大径感光ドラム2に付着した残トナーを清掃する。
【0026】
一方、不図示のシート給送部から搬送された記録材Sは、中間転写ベルト40上のトナー像と同期して二次転写部43へ送られる。中間転写ベルト40上のトナー像は、二次転写部43にて記録材Sへ二次転写され、記録材Sは定着部44へ送られる。定着部44に送られた記録材Sは、定着部44で熱及び圧力により記録材Sにトナー像が定着された後、機外へと排出される。
【0027】
[ドラムカートリッジ]
図3図5に示すように、ブラックの画像形成部PKのドラムカートリッジ50は、枠体51と、枠体51に回転可能に設けられた大径感光ドラム2と、枠体51に固定された清掃装置6と、を有している。筐体の一例である枠体51は、幅方向Wの前方向F側に設けられた前側板52と、後方向B側に設けられた後側板53と、これら前側板52と後側板53とを幅方向Wに連結する中央ステー54とを有している。前側板52と後側板53とは、大径感光ドラム2と清掃装置6を幅方向Wに挟んで支持している。
【0028】
前側板52の前方向F側の側面には、大径感光ドラム2の回転軸を支持するための位置決め部材55が設けられている。前側板52には、ドラムカートリッジ50を引き出すために前方向F側に突出した形状の把持部56と、扉60とが設けられている。
【0029】
[扉]
以下、扉60の構成と動作について詳細に説明する。扉60は、前側板52に設けられ、第1位置である閉位置(図3及び図4参照)と、第2位置である開位置(図5参照)とに揺動により開閉可能(移動可能)に設けられている。即ち、ドラムカートリッジ50及び第1検知ユニット41の装着状態では、扉60は第1検知ユニット41の装着方向(後方向B)の上流側に配置されている。幅方向Wから視た場合に、扉60の閉位置は、扉60の少なくとも一部が第1検知ユニット41に重なる位置であり、扉60の開位置は、第1検知ユニット41から離隔した位置である。本実施形態では、扉60は、閉位置において、幅方向Wから視て、少なくとも一部が第1領域Ar1(図4参照)に重なるように配置されている。また、幅方向Wから視て、閉位置の扉60は、一次転写ニップ部T1より大径感光ドラム2の回転方向R1の下流の外周面よりも外側で、かつ、清掃装置6と中間転写ベルト40との間に配置されている。
【0030】
扉60は、上下方向を回転中心線とする回転軸61により、前側板52に揺動可能に設けられている。図4に示すように、回転軸61は、幅方向Wから視て大径感光ドラム2の回転中心Cよりも右方向R側、かつ、清掃装置6よりも左方向L側に設けられている。扉60を前方向F側に揺動して、図5に示すように、扉60が開位置に位置するときは、前側板52の右下部に開口部62が形成される。このとき、扉60と第1検知ユニット41とは幅方向Wから視て重ならないので、第1検知ユニット41を開口部62を通過させて装置本体1aに着脱することができる。このように、扉60の開放により開口部62を形成することで、ドラムカートリッジ50を取り外すことなく、第1検知ユニット41を着脱することができる。
【0031】
また、扉60を後方向B側に揺動して、図3及び図4に示すように、扉60が閉位置に位置するときは、開口部62(図5参照)が閉じられる。このとき、扉60と第1検知ユニット41とは幅方向Wから視て重なるので、第1検知ユニット41を着脱することはできない。第1検知ユニット41が装着されているときには、扉60が閉位置に位置することにより、第1検知ユニット41を誤って取り出してしまうことを防止し、第1検知ユニット41への光や埃の侵入を抑制することができる。
【0032】
本実施形態では、扉60の開放方向を前方向F側にしているので、装着された第1検知ユニット41に扉60が干渉することを防ぎ、前側板52と第1検知ユニット41の距離を短縮することでドラムカートリッジ50を小型化することができる。尚、本実施形態では、扉60の開放方向を前方向F側にした場合について説明したが、これには限られず、扉60の開放方向を後方向B側にしてもよい。あるいは、回転軸61は上下方向を長手方向に取り付けることには限られず、左右方向Xや斜め方向を長手方向としてもよい。更には、扉60は揺動により開閉する構成には限られず、例えば、前側板52に沿ってスライドすることで開閉する構成であってもよい。
【0033】
前側板52には、扉60を開位置から閉位置に向けて付勢する付勢手段の一例である捩りコイルばねからなる付勢ばね63が設けられている。付勢ばね63を設けることにより、扉60が開口部62を形成する必要がないときは閉位置に自動的に復帰するようにしている。ユーザは、第1検知ユニット41の着脱を行う際に、扉60を付勢ばね63に抗して開放する。第1検知ユニット41の着脱後、ユーザが扉60を閉め忘れても、自動的に閉じるので、扉60により第1検知ユニット41を閉塞することができる。
【0034】
また、図4に示すように、扉60の底面60aは、ドラムカートリッジ50の枠体51の前側板52の底面52aと後側板53の不図示の底面と、同一面上(図4中の面S1上)に位置するように配置されている。このため、ドラムカートリッジ50を装置本体1aから取り出して、例えば作業台等の平面に載置した場合に、枠体51と扉60とが平面に当接するようになる。これにより、扉60はドラムカートリッジ50の脚部として機能して、載置されたドラムカートリッジ50が倒れないように姿勢を安定して維持させることができる。
【0035】
上述したように、本実施形態のドラムカートリッジ50は、幅方向Wから視て少なくとも一部が第1検知ユニット41に重なる閉位置と、第1検知ユニット41から離隔した開位置と、に開閉可能な扉60を有している。このため、扉60が開位置にあるときは扉60と第1検知ユニット41とは幅方向Wから視て重ならないので、第1検知ユニット41を開口部62を通過させて装置本体1aに着脱することができる。これにより、ドラムカートリッジ50及び第1検知ユニット41の装置本体1aへの装着後であっても、ドラムカートリッジ50を取り外す必要が無く、第1検知ユニット41を交換する際の作業性を向上することができる。
【0036】
また、本実施形態のドラムカートリッジ50によれば、扉60の底面60aと枠体51の前側板52の底面52aと後側板53の不図示の底面とが、同一の面S1上に配置されている。このため、ドラムカートリッジ50を平面に載置した場合に、扉60はドラムカートリッジ50の脚部として機能して、載置されたドラムカートリッジ50が倒れないように姿勢を安定して維持させることができる。しかも、ドラムカートリッジ50を平面に載置するときに、扉60は付勢ばね63により自動的に閉位置に位置する。このため、例えば、ドラムカートリッジ50の重心が清掃装置6側にあって清掃装置6側に倒れやすい形状であっても、扉60によってドラムカートリッジ50が清掃装置6側に転倒し難くできる。
【0037】
尚、上述した本実施形態の画像形成装置1では、装置本体1aに着脱可能なユニットとして第1検知ユニット41を適用した場合について説明したが、これには限られず、ドラムカートリッジ50の着脱可能な周辺ユニットや部材を適用することができる。また、本実施形態の画像形成装置1では、帯電装置3及び現像装置5を装置本体1aが有する場合について説明したが、これには限られず、帯電装置3及び現像装置5をドラムカートリッジ50がプロセスカートリッジとして有するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態のドラムカートリッジ50では、扉60の底面60aと枠体51の前側板52の底面52aと後側板53の不図示の底面とが同一の面S1上に配置されている場合について説明したが、これには限られない。例えば、扉60の底面60aが枠体51の前側板52の底面52aと後側板53の不図示の底面とよりも上方向U側に位置するようにしてもよい。この場合、ドラムカートリッジ50を平面に載置したときに、扉60が平面に当接しないようにできる。
【0039】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、図6図8を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、装置本体1aに着脱可能なユニットとして第2検知ユニット42を適用している点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施形態では、図6図8に示すように、ブラックの画像形成部PKのドラムカートリッジ150は、枠体51(図3参照)と、枠体51に回転可能に設けられた大径感光ドラム2と、枠体51に固定された清掃装置6と、を有している。前側板52の前方向F側の側面には、大径感光ドラム2の回転軸を支持するための位置決め部材55が設けられている。前側板52には、ドラムカートリッジ150を引き出すために前方向F側に突出した形状の把持部56と、扉160とが設けられている。
【0041】
[扉]
以下、本実施形態の扉160の構成と動作について詳細に説明する。扉160は、前側板52に設けられ、第1位置である閉位置(図6及び図7参照)と、第2位置である開位置(図8参照)とに揺動により開閉可能(移動可能)に設けられている。即ち、ドラムカートリッジ150及び第2検知ユニット42の装着状態では、扉160は第2検知ユニット41の装着方向(後方向B)の上流側に配置されている。幅方向Wから視た場合に、扉160の閉位置は、扉160の少なくとも一部が第2検知ユニット42に重なる位置であり、扉160の開位置は、第2検知ユニット42から離隔した位置である。本実施形態では、扉160は、閉位置において、幅方向Wから視て、少なくとも一部が第2領域Ar2(図6参照)に重なるように配置されている。また、幅方向Wから視て、閉位置の扉160は、一次転写ニップ部T1より大径感光ドラム2の回転方向R1の上流の外周面よりも外側で、かつ、現像装置5と中間転写ベルト40との間に配置されている。
【0042】
扉160は、上下方向を回転中心線とする回転軸161により、前側板52に揺動可能に設けられている。図6に示すように、回転軸161は、幅方向Wから視て大径感光ドラム2の回転中心Cよりも左方向L側、かつ、現像装置5よりも右方向R側に設けられている。扉160を前方向F側に揺動して、図8に示すように、扉160が開位置に位置するときは、前側板52の左方向Lの下部に開口部162が形成される。このとき、扉160と第2検知ユニット42とは幅方向Wから視て重ならないので、第2検知ユニット42を開口部162を通過させて装置本体1aに着脱することができる。このように、扉160の開放により開口部162を形成することで、ドラムカートリッジ150を取り外すことなく、第2検知ユニット42を着脱することができる。
【0043】
また、扉160を後方向B側に揺動して、図6及び図7に示すように、扉160が閉位置に位置するときは、開口部162(図8参照)が閉じられる。このとき、扉160と第2検知ユニット42とは幅方向Wから視て重なるので、第2検知ユニット42を着脱することはできない。第2検知ユニット42が装着されているときには、扉160が閉位置に位置することにより、第2検知ユニット42を誤って取り出してしまうことを防止し、第2検知ユニット42への光や埃の侵入を抑制することができる。
【0044】
本実施形態では、扉160の開放方向を前方向F側にしているので、装着された第2検知ユニット42に扉160が干渉することを防ぎ、前側板52と第2検知ユニット42の距離を短縮することでドラムカートリッジ150を小型化することができる。
【0045】
前側板52には、扉160を開位置から閉位置に向けて付勢する付勢手段の一例である捩りコイルばねからなる付勢ばね163が設けられている。付勢ばね163を設けることにより、扉160が開口部162を形成する必要がないときは閉位置に自動的に復帰するようにしている。ユーザは、第2検知ユニット42の着脱を行う際に、扉160を付勢ばね163に抗して開放する。第2検知ユニット42の着脱後、ユーザが扉160を閉め忘れても、自動的に閉じるので、扉160により第2検知ユニット42を閉塞することができる。
【0046】
また、図6に示すように、扉160の底面160aは、ドラムカートリッジ150の枠体51の前側板52の底面52aと後側板53(図3参照)の不図示の底面と、同一面上(図6中の面S1上)に位置するように配置されている。このため、ドラムカートリッジ150を装置本体1aから取り出して、例えば作業台等の平面に載置した場合に、枠体51と扉160とが平面に当接するようになる。これにより、扉160はドラムカートリッジ150の脚部として機能して、載置されたドラムカートリッジ150が倒れないように姿勢を安定して維持させることができる。
【0047】
上述したように、本実施形態のドラムカートリッジ150は、幅方向Wから視て少なくとも一部が第2検知ユニット42に重なる閉位置と、第2検知ユニット42から離隔した開位置と、に開閉可能な扉160を有している。このため、扉160が開位置にあるときは扉160と第2検知ユニット42とは幅方向Wから視て重ならないので、第2検知ユニット42を開口部162を通過させて装置本体1aに着脱することができる。これにより、ドラムカートリッジ150及び第2検知ユニット42の装置本体1aへの装着後であっても、ドラムカートリッジ150を取り外す必要が無く、第2検知ユニット42を交換する際の作業性を向上することができる。
【0048】
尚、上述した本実施形態の画像形成装置1では、装置本体1aに着脱可能なユニットとして第2検知ユニット42を適用し、ドラムカートリッジ150に扉160を設けた場合について説明したが、これには限られない。例えば、装置本体1aに着脱可能なユニットとして、第1検知ユニット41及び第2検知ユニット42の両方を適用してもよい。この場合、ドラムカートリッジに、第1検知ユニット41を着脱可能にする扉60(図4参照)と、第2検知ユニット42を着脱可能にする扉160(図6参照)とを両方設けるようにする。
【0049】
上述した第1及び第2の実施形態のドラムカートリッジ50,150では、一次転写ニップ部T1の近傍に設けられた第1検知ユニット41又は第2検知ユニット42を着脱可能にする扉60,160を設けた場合について説明したが、これには限られない。ドラムカートリッジは、一次転写ニップ部T1の近傍以外の位置で、ドラムカートリッジ50,150の近傍に設けられたユニットを着脱可能にする扉を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…画像形成装置、1a…装置本体、2…大径感光ドラム(像担持体)、3…帯電装置(帯電手段)、4…露光装置(露光手段)、5…現像装置、6…清掃装置(清掃手段)、8…一次転写ローラ(転写手段)、40…中間転写ベルト(中間転写体)、41…第1検知ユニット(ユニット、第1濃度検知ユニット)、42…第2検知ユニット(ユニット、第2濃度検知ユニット)、50,150…ドラムカートリッジ(カートリッジ)、51…枠体(筐体)、52a…底面、60,160…扉、60a,160a…底面、62,162…付勢ばね(付勢手段)、Ar1…第1領域、Ar2…第2領域、B…後方向(装着方向)、T1…一次転写ニップ部(転写ニップ部)、W…幅方向(回転軸線方向)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8