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特許7532089心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生の判定
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  • 特許-心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生の判定 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生の判定
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/367 20210101AFI20240805BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20240805BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61B5/367
A61B5/287
A61B18/12
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020092010
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2020192325
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】16/423,467
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0230721(US,A1)
【文献】国際公開第2017/165846(WO,A1)
【文献】特表2016-521165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるシステムの作動方法であって、
前記プロセッサが、患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(2D)電気解剖学的(EA)マップを受信することであって、前記2D EAマップが、前記内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(EP)値を含む、受信することと、
前記プロセッサが、複素解析関数を、前記2D EAマップの所与の領域内で測定された一組の前記EP値に適合させることと、
前記プロセッサが、適合された前記複素解析関数において、特異点を識別することと、
前記プロセッサが、前記領域を前記内面の三次元(3D)EAマップ上に投影することと、
前記プロセッサが、前記3D EAマップの少なくとも一部をユーザに提示することであって、適合された前記複素解析関数において識別された前記特異点に対応する、前記3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む、提示することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記特異点を識別することが、焦点特異点を識別することを含み、前記催不整脈EP活動を示すことが、焦点催不整脈EP活動を示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特異点を識別することが、回転子特異点を識別することを含み、前記催不整脈EP活動を示すことが、回転子催不整脈EP活動を示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記特異点を識別すること、及び前記催不整脈EP活動を提示することが、焦点催不整脈EP活動と、回転子催不整脈EP活動とを区別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記2D EAマップを受信することが、事前定義された座標変換を使用して、それぞれの3D EAマップから投影された2D EAマップを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
測定された前記EP値が、局所的活性化時間(LAT)値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
測定された前記EP値が、電圧を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特異点を識別することが、前記所与の領域内の前記複素解析関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の焦点ソースを示す、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特異点を識別することが、前記所与の領域を取り囲む曲線に沿って、前記複素解析関数の方向導関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の回転子回路を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
システムであって、
患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(2D)電気解剖学的(EA)マップを記憶するように構成されたメモリであって、前記2D EAマップが、前記内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(EP)値を含む、メモリと、
プロセッサであって、
複素解析関数を、前記2D EAマップの所与の領域内で測定された一組のEP値に適合させることと、
適合された前記複素解析関数において、特異点を識別することと、
前記領域を前記内面の三次元(3D)EAマップ上に投影することと、
前記3D EAマップの少なくとも一部をユーザに提示することであって、適合された前記複素解析関数において識別された前記特異点に対応する、前記3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む、提示することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項13】
前記プロセッサが、焦点特異点を識別することによって前記特異点を識別することと、焦点催不整脈EP活動を前記ユーザに示すことと、を行うように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサが、回転子特異点を識別することによって前記特異点を識別することと、回転子催不整脈EP活動を前記ユーザに示すことと、を行うように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、焦点催不整脈EP活動と、回転子催不整脈EP活動とを区別することによって、前記特異点を識別することと、前記催不整脈EP活動を提示することと、を行うように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサが、事前定義された座標変換を使用して、前記3D EAマップをそれぞれの2D EAマップに投影するように更に構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記所与の領域内の前記複素解析関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することによって、前記特異点を識別するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の焦点ソースを示す、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記所与の領域を取り囲む曲線に沿って、前記複素解析関数の方向導関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することによって、前記特異点を識別するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の回転子回路を示す、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、心臓マッピングに関し、特に、解剖学的心臓マップの分析に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓電気生理学的活動をモデル化する試みは、特許文献に既に報告されている。例えば、米国特許出願公開第2013/0079653号は、細動又は頻脈など不整脈を診断するための不整脈診断方法及び装置を記載している。不整脈診断方法は、(a)心臓特性長、及び(b)周波数、及び(c)心電波の伝導速度を測定する工程と、(d)工程(a)~(c)で測定された3つのパラメータを処理することによって得られる無次元数を使用することによって不整脈の発生又は非存在を判定する工程と、を含む。無次元パラメータにより、不整脈の原因の1つである電波竜巻を予測及び診断することが可能である。心臓組織内で発生する電波伝導を解析し、無次元パラメータを導出するために、電圧波拡散方程式が無次元方程式に変換される。
【0003】
別の例として、米国特許出願公開第2006/0084970号は、心腔内の電気生理学的データをマッピングする方法を記載している。取得した電気生理学的データは、判定したそれぞれの場所データと統合される。静電容量-導体場理論を用いて、チャンバ体積の高解像度電気生理学的マップの導出を支援するアルゴリズムが開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、プロセッサにおいて、患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(two-dimensional、2D)電気解剖学的(electroanatomical、EA)マップを受信することを含む方法を提供し、この2D EAマップは、内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(electrophysiological、EP)値を含む。複素解析関数は、2D EAマップの所与の領域内で測定された一組のEP値に適合される。適合された複素解析関数において、特異点が識別される。領域は、内面の三次元(three-dimensional、3D)EAマップ上に投影される。3D EAマップの少なくとも一部は、ユーザに提示され、適合された複素解析関数で識別された特異点に対応する、3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、特異点を識別することは、焦点特異点を識別することを含み、催不整脈EP活動を示すことは、焦点催不整脈EP活動を示すことを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、特異点を識別することは、回転子特異点を識別することを含み、催不整脈EP活動を示すことは、回転子催不整脈EP活動を示すことを含む。
【0007】
実施形態では、特異点を識別すること、及び催不整脈EP活動を提示することは、焦点催不整脈EP活動と、回転子催不整脈EP活動とを区別することを含む。
【0008】
別の実施形態では、2DマップEAマップを受信することは、事前定義された座標変換を使用して、それぞれの3D EPマップから投影された2D EAマップを受信することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、測定したEP値は、局所的活性化時間(local activation time、LAT)値を含む。他の実施形態では、測定したEP値は、電圧を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、特異点を識別することは、所与の領域内の複素解析関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の留数は、1つ又は2つ以上の焦点ソースを示す。
【0012】
実施形態では、特異点を識別することは、所与の領域を取り囲む曲線に沿って、複素解析関数の方向導関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む。別の実施形態では、1つ又は2つ以上の留数は、1つ又は2つ以上の回転子回路を示す。
【0013】
また、本発明の実施形態によれば、メモリ及びプロセッサを含むシステムが更に提供される。メモリは、患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(2D)電気解剖学的(EA)マップを記憶するように構成されており、この2D EAマップは、内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(EP)値を含む。プロセッサは、(a)2D EAマップの所与の領域内で測定された一組のEP値に複素解析関数を適合させることと、(b)適合された複素解析関数の特異点を識別することと、(c)領域を内面の三次元(3D)EAマップに投影することと、(d)3DEAマップの少なくとも一部をユーザに提示することであって、適合された複素解析関数で識別された特異点に対応する3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む、提示することと、を行うように構成されている。
【0014】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による、電気解剖学的(EA)マッピングのシステムの模式的な描写図である。
図2A】本発明の実施形態による、図1のシステムによって受信された空洞の内面の3D電気解剖学的(EA)マップの断面図、及び投影された2D EAマップの平面図をそれぞれ示す。
図2B】本発明の実施形態による、図1のシステムによって受信された空洞の内面の3D電気解剖学的(EA)マップの断面図、及び投影された2D EAマップの平面図をそれぞれ示す。
図3A】本発明の実施形態による、正常、焦点、及び回転子EP電位がそれぞれ流れていることを示す、図2の投影された2D電気解剖学的(EA)マップの部分平面図である。
図3B】本発明の実施形態による、正常、焦点、及び回転子EP電位がそれぞれ流れていることを示す、図2の投影された2D電気解剖学的(EA)マップの部分平面図である。
図3C】本発明の実施形態による、正常、焦点、及び回転子EP電位がそれぞれ流れていることを示す、図2の投影された2D電気解剖学的(EA)マップの部分平面図である。
図4】本発明の実施形態による、図2の3D EAマップの心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生を判定するための方法を概略的に説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概論
カテーテルベースの電気解剖学的マッピング技術は、心臓の左心房などの臓器の空洞の内面の様々なタイプの電気解剖学的(EA)マップを生成することができる。典型的には、EAマップは、レンダリングされた三次元(3D)解剖学的構造上に重ね合わせた電気生理学的(EP)パラメータの分布を提供する。重ね合わせたEPパラメータの例としては、電圧(すなわち、電位)及び活性化時間が挙げられる。医師などのユーザは、レンダリングされた3D解剖学的構造上のEP値の所与の分布が、異常なEP活動を示すかどうかを判定し、異常なEP活動を引き起こす内面上の組織の場所を識別するために、3D EAマップを解釈することを試みることができる。
【0017】
典型的には、異常な心臓EP活動は、焦点タイプの催不整脈活動又はらせん状(すなわち、回転子)タイプの催不整脈活動のいずれかである。焦点不整脈では、EP電位は、主として焦点ソースから離れた径方向に流れる。回転子不整脈では、EP電位は、主として回転の中心を中心に方位方向に流れる。
【0018】
3D EAマップの表面、すなわち、3D空間に埋め込まれた多様体の表面の解析は非常に困難であり、著しいアルゴリズム及び計算能力を必要とする。更に、例えば、3D空間内の多様体の完全な解析には、測定したEP値から得られるよりも多くの情報を必要とするため、このような解析は不完全な場合がある。
【0019】
3D EAに埋め込まれた多様体上のEP活動をモデル化する試みは、典型的には、波伝播の方程式の解として、それぞれのEPパラメータ(例えば、生体電位)の流れの説明をすることとなる。このような方程式の例としては、波動方程式及び波動拡散方程式の変形例が挙げられ、したがって、EP活動のモデル化は、明確な時間依存性EP波伝播の解を計算することを試みることになる。残念ながら、心臓組織におけるEP信号の流れの複雑な挙動により、考えられる様々なモデル方程式のうちのどれが事実を最良に反映しているかを結論付けることが困難になる。
【0020】
以下に記載される本発明の実施形態は、心臓組織の所与の領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生を識別するための改善された方法及びシステムを提供する。開示される技術は、投影された2D EAマップに複素解析の方法を適用することによって、複合2D平面C上に3D EAマップから投影された2D EAマップ上のEP活動を解析し、この方法で、不整脈のタイプ及びそれらの場所の表示を得る。
【0021】
具体的には、投影された2D EAマップの所与の領域にわたり解析されるCの複素解析(すなわち、正則)解を得るために、開示される技術は、3D波伝播のための上記の方程式が挙げられる3Dラプラシアン項の2Dバージョンを使用する。そのために、本方法は、以下で説明するように、投影された2D EAマップの所与の領域内で測定された各組のEP値を、その領域全体の2Dラプラシアン項の固有の調和解と適合させ、調和解を正則解に拡張する。
【0022】
したがって、開示される方法は、(a)EP多様体を3Dから2Dに投影することによって、ラプラシアン項を3Dから2Dに削減することと、(b)データに、それぞれの2Dポアソン方程式(すなわち、一般化されたラプラス方程式)の複素解析関数の解を適合させることと、(c)焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生を識別するために、適合された2D正則解を解析することと、によって、解析を大幅に簡素化する。
【0023】
2D EPマップの各所与の2D領域ごとに、開示される方法の2Dポアソン方程式の多数の考えられる解の中には、所与の領域内の測定された組のEP値に適合する固有の複素解析解を提供するものがある。この固有の解は、EP電位の自由流(例えば、正常)伝播であるか、又は2D領域内に位置する1つ若しくは2つ以上の焦点ソース及び/又は1つ若しくは2つ以上の回転子回路の少なくとも1つの結果であるかのどちらかである、領域内のEP活動を示す。
【0024】
EP活動は時間依存性であるが、不整脈は、以下に記載されるように適合された解析関数を使用して、所与のインスタンスにおけるEP値の測定された分布を解析することによって十分に判定される。
【0025】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、事前定義された座標変換を使用して、患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面のそれぞれの三次元(3D)EPマップから投影された2D EAマップを受信する。事前定義された変換のパラメータは、続いて、プロセッサによって使用されて、解析された2D EAマップを3D EAマップに逆投影することができる。他の実施形態では、プロセッサ自体が3D EPマップを2D平面上に投影して、投影された2D EAマップを生成する。
【0026】
いずれにしても、2D EAマップは、3D EAマップ上のそれぞれの投影された場所で測定された、電位値又は局所的活性化時間(LAT)値などのEP値を用いて重ね合わされる。次いで、2D EAマップのいずれかの所与の領域において、プロセッサは、領域内の測定されたEP値に複素解析関数を適合させる。プロセッサは、適合された関数を解析して、1つ又は2つ以上の焦点特異点及び回転子特異点タイプの催不整脈EP活動が所与の領域内に存在するかどうかを判定する。プロセッサは、必要な臓器部分を覆うのに十分な数の領域を解析する。次いで、プロセッサは、示された2D領域を3D EAマップ上に逆投影して、催不整脈EP活動が発生する1つ又は2つ以上のそれぞれの領域、並びにそのタイプを示す。最後に、プロセッサは、3D EAマップを示す領域をユーザに提示する。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、2D EAマップ上の所与の領域が、その領域内のEPデータに適合された複素解析関数の留数の数を推定することによって、1つ又は2つ以上の焦点ソースをホストするかどうかを判定する。留数は、領域を取り囲む曲線上の複素解析関数の線積分によって計算される。同様に、プロセッサは、同じ複素解析関数の方向導関数の留数の数を推定することに基づいて、所与の領域が回転子流の1つ又は2つ以上の場所をホストするかどうかを判定する。
【0028】
複素解析関数及びその方向導関数の両方の積分がゼロ値である場合、プロセッサは、所与の領域に焦点又は回転子タイプの催不整脈EP活動を実証する場所がないと結論付ける。複素解析関数の積分により有限数の留数が生じる一方で、その方向導関数積分の演算によりゼロ値が生じる場合、プロセッサは、所与の領域に、焦点催不整脈EP活動を実証する1つ又は2つ以上の場所が含まれていると推論する。複素解析関数の積分によりゼロ値が生じる一方で、その方向導関数の積分により有限数の留数が生じる場合、プロセッサは、所与の領域に、回転子催不整脈EP活動を実証する1つ又は2つ以上の場所が含まれていると推論する。
【0029】
通常、プロセッサは、プロセッサが、上で概略を述べたプロセッサ関連工程及び機能の各々を実行することを可能にする、特定のアルゴリズムを含むソフトウェアにプログラム化されている。
【0030】
開示される技術は、EAマップの解釈を簡素化し、計算リソースからの要件を低減することができ、そうすることによって、より正確でアクセス可能なカテーテルベースの心臓診断を提供することができる。
【0031】
システムの説明
図1は、本発明の実施形態による、電気解剖学的(EA)マッピングのシステムの模式的な描写図である。図1は、患者25の心臓23のEAマッピングを行うために、EA Pentaray(登録商標)カテーテル29を使用している医師27を示す。カテーテル29は、その遠位端に、機械的に可撓性であり得る1つ又は2つ以上のアーム20を備え、各アームに1つ又は2つ以上の電極22が連結されている。マッピング手技中に、電極22は、心臓23の組織から及び/又は心臓23の組織への単極信号及び/又は双極信号を取得及び/又は注入する。プロセッサ28は、電気的インターフェース35を介してこれらの信号を受信し、これらの信号に含められた情報を用いて3D EAマップ31を構築する。手技中に、及び/又は手技に続いて、プロセッサ28は、ディスプレイ26上にEAマップ31を表示することができる。いくつかの実施形態では、EAマップ31は、図2に示すように、測定したLAT値を含む。
【0032】
手技中に、追跡システムを使用して感知電極22のそれぞれの場所を追跡することで、信号の各々とその信号を取得した場所とを関連付けることができる。例えば、米国特許第8,456,182号で説明され、その開示が参照により本明細書に組み込まれるBiosense-Webster(Irvine California)製のActive Current Location(ACL)システムが使用されてもよい。ACLシステムでは、プロセッサは、感知電極22の各々と患者25の皮膚に連結されている複数の表面電極24との間で測定されたインピーダンスに基づいて電極のそれぞれの場所を推定する。例えば、3つの表面電極24を患者の胸部に、別の3つの表面電極を患者の背部に、連結してもよい。(例示しやすいように、1本の表面電極のみを図1に示す。)患者の心臓23内部の電極22と表面電極24との間に電流が流される。プロセッサ28は、表面電極24で測定して得られた電流振幅間(又はこれらの振幅によって示されるインピーダンス間)の比及び患者の身体上の電極24の既知の位置に基づいて、患者の心臓内の全ての電極22の推定位置を計算する。こうして、プロセッサは、電極22から受信した任意の所与のインピーダンス信号と信号が取得された位置とを関連付けることができる。
【0033】
図1に示す例示的な図は、純粋に、概念を分かりやすくするために選択されたものである。Carto(登録商標)4システム(Biosense Webster製)と同様に、電圧信号測定に基づくものなどの他の追跡方法を使用することができる。Lasso(登録商標)カテーテル(Biosense Webster製)など、他のタイプの感知カテーテルも同等に採用され得る。接触センサは、EAカテーテル29の遠位端に取り付けられてもよい。上述したように、アブレーションに使用される電極などの他のタイプの電極が、必要な位置データを取得するための電極22に取り付けられて同様の方法で利用されてもよい。したがって、この場合、位置データを収集するために使用されるアブレーション電極が、感知電極とみなされる。任意選択的な実施形態では、プロセッサ28は、測定中に電極22のそれぞれと心室の内面との間の物理的接触の質を示すように更に構成されている。
【0034】
プロセッサ28は、通常、本明細書に記載されている機能を実行するようにプログラムされたソフトウェアと共に汎用コンピュータを備える。具体的には、プロセッサ28は、以下で更に説明するように、本開示の工程をプロセッサ28が行うことを可能にする、図4を含む本明細書に開示される専用アルゴリズムを実行する。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができるか、又は代替的に若しくは付加的に、磁気メモリ、光学メモリ若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上で提供及び/若しくは記憶されてもよい。
【0035】
心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生の判定
図2A及び図2Bは、本発明の実施形態による、図1のシステムによって受信された空洞の内面の3D電気解剖学的(EA)マップ72の断面図、及び投影された2D EAマップ80の平面図をそれぞれ示す。3D EAマップ72は、内面上のそれぞれの場所76で測定された、電位などのEP値70を含む。場所76は、原点78を有する3D座標系(直交座標及び球面座標の両方によって示される)で画定される。セクション74は、場所76(簡略化のために1つのみ示されている)がどのように画定されるかを示すために、内面から切り取られている。
【0036】
図2Bは、表面のトポグラフィが輪郭線86及びパターンを使用してプロセッサ28によって符号化された2D EPマップ80を示しており、これにより、マップを見るユーザは、投影されたトポグラフィの相対的な高さを知覚することができる。符号化された2D EAマップは、くぼみ82及び隆起部84を含む。このように、2D EAマップ80は、プロセッサ28が2Dマップ上のそれぞれの投影された場所に重ね合わせたEP値70を保持する。
【0037】
3Dマップと部分的に平坦化された2Dマップとの間の投影は、通常、任意の好適な座標変換に従って行われる。図2A及び図2Bに示すマップ間の投影を行うための方法は、本特許出願の譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Map of Body Cavity」と題する2019年3月1日に出願された米国特許出願第16/289,843号に記載されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、プロセッサ28は、厳密に平坦な2D EPマップ上のEP流の解析を行い、これは、例えば、非平坦な2D多様体を使用することと比較して計算を簡素化する。しかしながら、一般に、計算、例えば、線積分は、非平坦な表面上で行うことができる。
【0039】
実施形態では、本明細書でプロセッサ28によって行われる計算は、2D座標系を使用するのに対し、局所的にほとんど小さい相対的な高さ値は無視される(例えば、ゼロに近似される)。代替的に、簡素化された厳密な2D状態を近似せずに維持するために、2D EAマップ上の問題の領域は、図3に例として示しているように、同じ高さを有するように符号化された領域内にのみ画定されてもよい。
【0040】
図3A図3Cは、本発明の実施形態による、正常、焦点、及び回転子EP電位がそれぞれ流れることを示す、図2の投影された2D電気解剖学的(EA)マップの部分平面図である。正常又は異常なEP活動のいずれかは、例えば、EP電位関数の分布を説明する2Dポアソン方程式の解u(r,θ)を使用して構築された、φ(z),z=reiθ式中、(r,θ)は極性座標である、複素解析関数を使用して示すことができる。
【0041】
本文脈では、複素関数φ(z)は、φ(z)がその領域の任意の点で区別可能である場合、φ(z)が特異である(例えば、極を有する)領域内の孤立点を除いて、複素平面Cの所与の領域内の解析関数として定義される。典型的には、複素解析関数は、複素平面の所与の領域(孤立特異点以外)内で無限に区別可能である。別の言い方をすれば、複素解析関数のテイラー級数は、複素平面の所与の領域内の任意の点(孤立特異点以外)の関数の値に収束する。
【0042】
関数φ(z)は、φ(r,θ)=u(r,θ)+iv(r,θ)として記述することができ、式中、u(r,θ)及びv(r,θ)は実関数であり、v(r,θ)はコーシー・リーマンの方程式、
【0043】
【数1】
を介してu(r,θ)に関連する。
【0044】
u(r,θ)は、ラプラス方程式の調和解と特殊解との和であり、したがって関数u(r,θ)は、ポアソン方程式の解であり、
【0045】
【数2】
【0046】
方程式1で、ソース項S(r,θ)がゼロでない場合、方程式1を解く固有のEP電位関数u(r,θ)は、焦点ソースから生じる電位を表す。そうでない場合、方程式1は、均質であり、u(r,θ)は、それぞれの正常流又は渦流下線を有する自由流(例えば、正常)又は渦タイプのEP電位分布を表すことができる。
【0047】
方程式1の解u(r,θ)例えば、任意の選択された基底の基底関数の線形結合によって広げることができる。しかしながら、ベッセル関数及び関連するルジャンドル多項式の基底は、焦点/回転子の幾何学的形状の異常な活動により、特に有用である。このような場合、解析解u(r,θ)は、
【0048】
【数3】
のように近似することができる。
【0049】
方程式2で、電位関数u(r,θ)解は、いくつかの基底関数(すなわち、指数nとlがいくつかの値に制限されている)の線形結合であり、2D EAマップ80の限定されたサイズ領域にわたり正確な正則関数への良好な近似として機能し、その領域でEP値70によって測定されたEP電位を反映する。領域の最適なサイズは、領域内のデータ点の数に依存する。
【0050】
u(r,θ)の明示的な形態は、所与の領域内のそれぞれの場所(r、θ)で測定されたEP値70を方程式2に代入し、aとbを抽出するために不均質な連立一次方程式を解くことによって導出される。適合された関数u(r,θ)の精度は、方程式2の可解のa及びb係数の数が、所与の領域で測定されたデータ点の数に等しいため、領域における利用可能なEP値の数に依存する。
【0051】
u(r、θ))が導出されると、上述のf(z)の特性を使用して、正則(すなわち、複素解析)関数φ(z)を構築することができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態は、関数φ(z)及び曲線γ、
【0053】
【数4】
にも沿って計算された複素解析流関数
【0054】
【数5】
の方向導関数の所与の領域を取り囲む曲線γ(例えば、曲線92)上の線積分
【数6】
を計算することによって、2D EAマップの所与の領域(例えば、領域90)内に1つ又は2つ以上の焦点特異点又は回転子特異点が存在するかどうかを示す。
【0055】
留数定理によれば、上記の2つの線積分が両方ともゼロに等しい場合、u(r、θ)が適合された対応するEP値は、所与の領域内の自由流の正常流を(例えば、図2Aの流れ92で)表す。
【0056】
関数φ(z)の線積分がゼロではなく、∇γφ(z)の線積分がゼロに等しいとき、φ(z)が適合された対応するEP値は、所与の領域における焦点ソースによるEP流を表す、すなわち、所与の領域内の焦点催不整脈ソース(例えば、図2Bの焦点ソース94)を表す。
【0057】
関数φ(z)の線積分がゼロであり、∇γφ(z)の線積分がゼロでないとき、φ(z)が適合された対応するEP値は、所与の領域における非回転渦EP流(例えば、渦96)を表す、すなわち、所与の領域内の回転子催不整脈回路(例えば、図2Cの回転子回路98)を表す。
【0058】
いくつかの催不整脈場所が所与の領域内に存在することが可能であり得る。上記の線積分の各々は、ゼロでないとき、形態
【0059】
【数7】
をもたらす。N及びMは、不整脈が発生する特定のタイプ(すなわち、焦点又は回転子)の催不整脈場所の整数である。各場所は、それぞれの解析関数φ及び∇γφの留数値ξ及びηをもたらす。したがって、開示される方法は、小領域内の複数の催不整脈場所の存在を示すことができる。
【0060】
図4は、本発明の実施形態による、図2の3D EAマップの心臓組織領域内の焦点及び/又は回転子催不整脈活動の発生を判定するための方法を概略的に説明するフローチャートである。提示された実施形態によるアルゴリズムは、プロセッサ28が、EPマップ投影工程100で2D EAマップを作成するために、事前定義された座標変換を使用して、事前指定された領域を有する3D EPマップ72を2D平面上に投影することから始まるプロセスを実行する。例として、投影されたEPマップの2D領域90は、3D EPマップ72上の事前指定された領域に対するそれぞれの領域である。典型的には、2D EAマップは、3D EAマップ上のそれぞれの投影された場所で測定された、電位値又は局所的活性化時間(LAT)値などのEP値を用いて重ね合わされる。
【0061】
次に、プロセッサ28は、適合工程102において、上述のプロセスを使用して、2D EAマップのそれぞれ2D領域における測定されたEP値に複素解析関数を適合させる。
【0062】
次に、プロセッサ28は、不整脈解析工程104において、上述したように、少なくとも1つ、又はそれ以上の焦点特異点及び回転子特異点タイプの催不整脈EP活動が、2D領域のいずれかに存在するかどうかを示すために(すなわち、催不整脈領域を識別するために)、線積分を解くことによって各解析関数を解析する。
【0063】
次いで、プロセッサ28は、領域表示工程106において、催不整脈活動が発生する2D EPマップ上の領域を示す(例えば、タグ付けする)。この工程は、典型的には、不整脈のタイプの表示を含む。
【0064】
次に、プロセッサは、領域逆投影工程108において、表示された2D領域を3D EAマップ上に逆投影して、領域当たりの催不整脈部位の数及びタイプの表示を維持する。
【0065】
最後に、プロセッサは、マップ提示工程110において、3D EAマップを示す領域をユーザに提示する。
【0066】
図4に示す例示的なフローチャートは、純粋に概念を明確にする目的で選択されている。任意選択的な本実施形態では、より簡素化されたフローチャートを提供するために本明細書では意図的に本開示から省略されている、アルゴリズムの様々な追加の工程を行うことができる。例えば、医用画像及び他のパラメータ(例えば、後続のアブレーション処置のパラメータの調整を支援するための組織壁厚)などのEPマップを用いて追加の層を自動的に記録する工程。
【0067】
本明細書に記述される実施形態は、主として心臓での用途に関するものであるが、本明細書に記載される方法及びシステムは例えば神経学などの他の用途で用いることもできる。
【0068】
したがって、上記に述べた実施形態は、例として引用したものであり、また本発明は、上文に具体的に示し説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及びその一部の組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者により想到されるであろう、また先行技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献においていずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
プロセッサにおいて、患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(2D)電気解剖学的(EA)マップを受信することであって、前記2D EAマップが、前記内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(EP)値を含む、受信することと、
複素解析関数を、前記2D EAマップの所与の領域内で測定された一組の前記EP値に適合させることと、
適合された前記複素解析関数において、特異点を識別することと、
前記領域を前記内面の三次元(3D)EAマップ上に投影することと、
前記3D EAマップの少なくとも一部をユーザに提示することであって、前記適合された複素解析関数において識別された前記特異点に対応する、前記3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む、提示することと、を含む、方法。
(2) 前記特異点を識別することが、焦点特異点(focal singularity)を識別することを含み、前記催不整脈EP活動を示すことが、焦点催不整脈EP活動を示すことを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記特異点を識別することが、回転子特異点(rotor singularity)を識別することを含み、前記催不整脈EP活動を示すことが、回転子催不整脈EP活動を示すことを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記特異点を識別すること、及び前記催不整脈EP活動を提示することが、焦点催不整脈EP活動と、回転子催不整脈EP活動とを区別することを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記2DマップEAマップを受信することが、事前定義された座標変換を使用して、それぞれの3D EPマップから投影された2D EAマップを受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0070】
(6) 測定された前記EP値が、局所的活性化時間(LAT)値を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 測定された前記EP値が、電圧を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記特異点を識別することが、前記所与の領域内の前記複素解析関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の焦点ソースを示す、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記特異点を識別することが、前記所与の領域を取り囲む曲線に沿って、前記複素解析関数の方向導関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0071】
(11) 前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の回転子回路を示す、実施態様10に記載の方法。
(12) システムであって、
患者の臓器の空洞の少なくとも一部分の内面の二次元(2D)電気解剖学的(EA)マップを記憶するように構成されたメモリであって、前記2D EAマップが、前記内面上のそれぞれの場所で測定された電気生理学的(EP)値を含む、メモリと、
プロセッサであって、
複素解析関数を、前記2D EAマップの所与の領域内で測定された一組のEP値に適合させることと、
適合された前記複素解析関数において、特異点を識別することと、
前記領域を前記内面の三次元(3D)EAマップ上に投影することと、
前記3D EAマップの少なくとも一部をユーザに提示することであって、適合された前記複素解析関数において識別された前記特異点に対応する、前記3D EAマップ上の場所における催不整脈EP活動を示すことを含む、提示することと、を行うように構成された、プロセッサと、を備える、システム。
(13) 前記プロセッサが、焦点特異点を識別することによって前記特異点を識別することと、焦点催不整脈EP活動を前記ユーザに示すことと、を行うように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記プロセッサが、回転子特異点を識別することによって前記特異点を識別することと、回転子催不整脈EP活動を前記ユーザに示すことと、を行うように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(15) 前記プロセッサが、焦点催不整脈EP活動と、回転子催不整脈EP活動とを区別することによって、前記特異点を識別することと、前記催不整脈EP活動を提示することと、を行うように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
【0072】
(16) 前記プロセッサが、事前定義された座標変換を使用して、前記3D EPマップをそれぞれの2DマップEAマップに投影するように更に構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(17) 前記プロセッサが、前記所与の領域内の前記複素解析関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することによって、前記特異点を識別するように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(18) 前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の焦点ソースを示す、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記プロセッサが、前記所与の領域を取り囲む曲線に沿って、前記複素解析関数の方向導関数の1つ又は2つ以上の留数を計算することによって、前記特異点を識別するように構成されている、実施態様12に記載のシステム。
(20) 前記1つ又は2つ以上の留数が、1つ又は2つ以上の回転子回路を示す、実施態様19に記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4