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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G03G21/16 152
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020093798
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189280
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山名 健太郎
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-248270(JP,A)
【文献】特開2006-010882(JP,A)
【文献】特開2000-227691(JP,A)
【文献】特開2013-003500(JP,A)
【文献】特開2013-130896(JP,A)
【文献】特開2001-318574(JP,A)
【文献】米国特許第09291954(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16 - 21/18
G03G 15/00
G03G 15/14 - 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第1ユニットと、
前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを含む二次転写ユニットを備えた第2ユニットであって、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、
前記第2ユニットに配置され、前記第2ユニットの前記第2ローラを介さずに前記第1ユニットの前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、
前記第2ユニットに配置され、前記高圧基板と電気的に接続された抵抗器と、
前記第2ユニットに配置され、前記抵抗器を冷却するファンと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記高圧基板は、前記二次転写ユニットの下方に配置され、
鉛直方向に見たときに、前記高圧基板は前記二次転写ユニットと重なる位置にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1ユニットに設けられ、前記第1ローラと電気的に接続された第1電気接点部と、
前記第2ユニットに設けられ、前記高圧基板と電気的に接続された第2電気接点部と、
をさらに備え、
前記第2ユニットが前記装置本体に装着された場合、前記第1電気接点部と前記第2電気接点部が接触することで、前記第1ユニットの前記第1ローラと前記第2ユニットの前記高圧基板とが前記第2ローラを介さずに導通される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2ユニットが前記装置本体から引き出された場合、前記第1電気接点部と前記第2電気接点部が離間することで、前記第1ユニットの前記第1ローラと前記第2ユニットの前記高圧基板との導通が遮断される、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1ユニットに配置され、前記第2ユニットが前記装置本体に装着された場合に前記第1ユニットに対して前記第2ユニットを位置決めする位置決め部材をさらに備え、
前記第1電気接点部は、前記位置決め部材に取り付けられ、且つ前記第1ローラと電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2ユニットは、前記第2ローラの軸方向に沿った方向に向かって前記装置本体に装着される、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1電気接点部は、
前記位置決め部材に固定された接点板と、
前記接点板に対して移動可能であり、前記第2電気接点部に押圧されることで前記第2ローラの軸方向に沿った方向に移動する接点ピンと、を含む、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有する第1ユニットと、
前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、
前記第2ユニットに配置され、前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、
前記第2ユニットにおいて前記高圧基板から離間した位置に配置され、前記高圧基板と導線で接続された抵抗器と、
前記第2ユニットに配置され、前記抵抗器を冷却するファンと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記装置本体に配置され、前記第1ローラに電圧を印加するための電力を前記高圧基板に供給する電源をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、
前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有する第1ユニットと、
前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、
前記第2ユニットに配置され、前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、
を備え、
前記第1ユニットは、
前記第1ローラを回転可能に支持する軸受と、
前記軸受を保持する保持部材と、
前記第1ローラの軸方向における前記第1ローラの端部と接触するように配置され、前記第1ローラと前記高圧基板とを電気的に接続する給電部材と、
絶縁体で形成され、前記給電部材を保持するカバーと、
をさらに有し、
前記カバーが前記保持部材に装着された状態において、前記第1ローラ及び前記軸受は前記軸方向の移動を規制され、
前記カバーが前記保持部材から取外された状態において、前記第1ローラ及び前記軸受は前記軸方向に移動されることで前記保持部材から取外し可能である、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写方式の画像形成装置では、感光体上に形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写した後、二次転写部において中間転写ベルトから記録材にトナー像を二次転写する。二次転写部は、中間転写ベルトの外面と接する二次転写ローラと、中間転写ベルトを挟んで二次転写ローラと対向する対向ローラとの間に形成されるニップ部である。
【0003】
ところで、二次転写ローラにトナーの正規帯電極性とは逆極性の電圧を印加することで二次転写を行う構成の場合、蒸着紙のような低抵抗の記録材を扱う際に転写性能が低下することがある。これは、二次転写ローラに供給される電流の一部が記録材の非転写面(トナー像が転写される転写面の裏面)を伝って他の搬送ローラ等へ漏れてしまい、トナーを静電的に付勢する転写電界の形成に寄与する有効な電流が減少するからである。
【0004】
これに対し、特許文献1には二次転写ローラを接地電位に接続し、対向ローラにトナーの正規帯電極性と同極性の電圧を印加することで二次転写を行う構成が記載されている。この構成は、対向ローラに供給される電流の大部分が記録材の転写面に到達するため、中間転写ベルトと記録材との間の転写電界の形成に寄与することになり、低抵抗の記録材を扱う場合でも安定した転写性能が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-184875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
中間転写ベルトの内側に位置する対向ローラに電圧を印加する高圧基板は、中間転写ベルトの内側に配置される場合が多い。しかし、画像形成装置の生産性向上に伴う高圧基板の高容量化や、高圧基板に付属する抵抗器の冷却ファンが必要な場合等、中間転写ベルトの内側に高圧基板を配置するスペースを確保することが難しい場合もある。
【0007】
そこで、本発明は、中間転写ベルトの内側に高圧基板用の大きな配置スペースを設けることなく、安定した転写性能を得ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第1ユニットと、前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを含む二次転写ユニットを備えた第2ユニットであって、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、前記第2ユニットに配置され、前記第2ユニットの前記第2ローラを介さずに前記第1ユニットの前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、前記第2ユニットに配置され、前記高圧基板と電気的に接続された抵抗器と、前記第2ユニットに配置され、前記抵抗器を冷却するファンと、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の一態様は、像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有する第1ユニットと、前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、前記第2ユニットに配置され、前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、前記第2ユニットにおいて前記高圧基板から離間した位置に配置され、前記高圧基板と導線で接続された抵抗器と、前記第2ユニットに配置され、前記抵抗器を冷却するファンと、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の他の一態様は、像担持体にトナー像を形成する画像形成部を備えた装置本体と、前記像担持体から前記トナー像を転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの内面に接触して前記中間転写ベルトを張架する第1ローラと、を有する第1ユニットと、前記第1ローラと協働して前記中間転写ベルトから記録材に前記トナー像を転写するための転写ニップを形成する第2ローラを有し、前記装置本体から引き出し可能に設けられた第2ユニットと、前記第2ユニットに配置され、前記第1ローラに電圧を印加する高圧基板と、を備え、前記第1ユニットは、前記第1ローラを回転可能に支持する軸受と、前記軸受を保持する保持部材と、前記第1ローラの軸方向における前記第1ローラの端部と接触するように配置され、前記第1ローラと前記高圧基板とを電気的に接続する給電部材と、絶縁体で形成され、前記給電部材を保持するカバーと、をさらに有し、前記カバーが前記保持部材に装着された状態において、前記第1ローラ及び前記軸受は前記軸方向の移動を規制され、前記カバーが前記保持部材から取外された状態において、前記第1ローラ及び前記軸受は前記軸方向に移動されることで前記保持部材から取外し可能である、ことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中間転写ベルトの内側に高圧基板用の大きな配置スペースを設けることなく、安定した転写性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略図。
図2】実施形態に係る画像形成装置の二次転写部周辺を示す概略図。
図3】実施形態に係る搬送ユニットの着脱を説明するための図(a、b)。
図4】実施例1に係る搬送ユニットの内部構成を示す概略図(a、b)。
図5】実施例1に係る二次転写ユニットと中間転写ベルトとの接続構成を示す概略図(a、b)。
図6】実施例1に係る対向ローラの支持構成及び給電構成を説明するための概略図。
図7】実施例2に係る画像形成装置について説明するための概略図(a、b)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は実施形態の1つに係る画像形成装置100の構成を示す概略図である。この画像形成装置100は、中間転写ベルト31の水平部に沿って4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Kが直列状に配置されたタンデム型中間転写方式の画像形成エンジンを装置本体110内に搭載した電子写真プリンタである。画像形成装置100は、例えば外部機器から送信される画像情報に応じてシート材Sに画像を形成する。なお、記録材として用いるシート材Sは、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材等、サイズ及び材質の異なる多様なシートを使用可能である。また、「画像形成装置」には、印刷機能のみのプリンタ以外にも、複写機や複合機、商業印刷機等が含まれる。
【0013】
各画像形成部1Y~1Kは、ドラム状の電子写真感光体である感光ドラム11と、帯電器12と、露光装置13と、現像器14と、ドラムクリーナ15と、を有している。画像形成装置100に対して画像情報及び画像形成動作の実行指示が入力されると、帯電器12が回転する感光ドラム11の表面を一様に帯電させる。露光装置13は画像情報に基づいて感光ドラム11の露光を行い、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの単色画像に対応する静電潜像を感光ドラム11の表面に形成する。現像器14は所定の正規帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム11に供給し、静電潜像をイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色トナー像に現像する。
【0014】
中間転写ベルト31は、駆動ローラ33、テンションローラ34及び対向ローラ32(二次転写内ローラとも呼ばれる)等に張架され、駆動ローラ33に駆動されて図中時計回り方向に回転する。中間転写ベルト31の内側には、中間転写ベルト31を挟んで各画像形成部1Y~1Kの感光ドラム11と対向する位置に一次転写ローラ35が配置されている。
【0015】
画像形成部1Y~1Kにおける上記のトナー像作成プロセスは並行して進められ、トナーの正規帯電極性とは逆極性のバイアス電圧(一次転写電圧)を印加される一次転写ローラ35によって、各色のトナー像が中間転写ベルト31に一次転写される。このとき、各色のトナー像が互いに重なり合うことで、中間転写ベルト31上にフルカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11に残留した転写残トナー等の付着物は、ドラムクリーナ15によって除去される。
【0016】
中間転写ベルト31に形成されたフルカラーのトナー像は、中間転写ベルト31の回転によって二次転写部へ向けて搬送される。二次転写部は、対向ローラ32と、中間転写ベルト31を挟んで対向ローラ32に対向する二次転写ローラ41との間に形成されるニップ部(転写ニップ)である。対向ローラ32は中間転写ベルト31の内面と当接可能な本実施形態の第1ローラとして機能する。二次転写ローラ41は中間転写ベルト31の外面と当接可能な本実施形態の第2ローラとして機能する。
【0017】
画像形成部1Y~1K及び中間転写ベルト31の動作に並行して、給送カセット61,62,63から二次転写部へ向けてシート材Sが1枚ずつ給送される。即ち、各給送カセット61,62,63に対応する給送ローラ64,64,65のいずれかが回転することで、給送カセット61,62,63に収納されているシート材Sが給送パス67に送り込まれる。給送パス67を介してレジストレーションローラ21にシート材Sが到達すると、レジストレーションローラ21は中間転写ベルト31に担持されたトナー像が二次転写部に到達するタイミングに合わせてシート材Sを二次転写部に送り込む。
【0018】
二次転写部において、中間転写ベルト31とシート材Sとの間には後述する二次転写電圧によってバイアス電界(転写電界)が形成されており、二次転写部において中間転写ベルト31からシート材Sへとトナー像が二次転写される。シート材Sに転写されずに中間転写ベルト31に残留した転写残トナー等の付着物は、ベルトクリーナ36によって除去される。
【0019】
二次転写部を通過したシート材Sは、搬送ベルト71を介して定着装置5に向けて搬送される。本実施形態の定着装置5は熱定着方式であり、ローラ又はベルトからなる回転体対と、ハロゲンランプ又はセラミックヒータ等の加熱手段と、を有する。定着装置5は、回転体対にシート材Sを挟持して搬送しながら、シート材S上のトナー像に熱及び圧力を加えることでトナー像をシート材Sに固着させる定着処理を行う。定着装置5を通過したシート材Sは、排出パス68を介して画像形成装置100の外部に設けられた排出トレイ69に排出される。シート材Sの両面に画像を形成する場合、第1面に画像形成されたシート材Sは反転パス70及び両面パス72を介して再びレジストレーションローラ21へ向けて搬送される。そして、二次転写部及び定着装置5を通過する間に第2面に画像形成された後、シート材Sは排出トレイ69に排出される。
【0020】
[二次転写部]
図2を用いて画像形成装置100の二次転写部について説明する。本実施形態において、中間転写ベルト31の回転方向R1における対向ローラ32の上流側には、中間転写ベルト31の内面と接するガイドローラ37が設けられている。そのため、中間転写ベルト31は、ガイドローラ37と対向ローラ32の外接線である張架線Tに沿って二次転写部に向かって移動する。
【0021】
また、二次転写ローラ41は、付勢部材としての二次転写ローラばね42によって対向ローラ32に接近する方向に付勢されている。従って、中間転写ベルト31を挟んで所定の加圧力で当接している二次転写ローラ41と対向ローラ32との間のニップ部として、二次転写部が形成されている。
【0022】
ここで、対向ローラ32には、画像形成部1Y~1Kがトナー像の作成に用いるトナーの正規帯電極性(ここでは負極性とする)と同極性の電圧(二次転写電圧)が印加される。一方、二次転写ローラ41は、例えば画像形成装置100の金属枠体を介して接地電位と接続されている。そのため、二次転写部には、帯電したトナー粒子を二次転写ローラ41側へ向けて静電的に付勢する転写電界が形成される。レジストレーションローラ21から送り出されるシート材Sが転写前ガイド43a,43bに案内されて二次転写部に到達すると、上記の転写電界に従ってトナー粒子が中間転写ベルト31からシート材Sに転移することで、トナー像の転写が行われる。
【0023】
上記のように中間転写ベルト31の内側の対向ローラ32にトナーと同極性の電圧を印加することで、対向ローラ32に供給される電流は、中間転写ベルト31とシート材Sとの間の転写電界を形成しながらシート材Sの転写面に到達する。シート材Sの転写面に到達した電流の一部は、シート材Sの転写面から非転写面へと流れて、接地された二次転写ローラ41に流れる。シート材Sの転写面に到達した電流の他の一部は、シート材Sの転写面を伝って二次転写ローラ41以外の部材(例えば、転写前ガイド43a)に流れる。
【0024】
二次転写ローラ41に流れずにシート材Sの転写面を伝って漏れる電流の大きさは、シート材Sの抵抗(特に、表面抵抗)に依存するため、蒸着紙のような低抵抗のシート材Sでは漏れ電流がより大きくなる。しかし、このような漏れ電流の大きさにかかわらず、対向ローラ32に供給される電流が転写電界を形成しながら少なくともシート材Sの転写面に到達するため、安定した転写電界が形成され、転写性能の安定性向上に貢献する。
【0025】
本実施形態の画像形成装置100は高生産性を実現する装置であり、中間転写ベルト31は400[mm/s]の速度(周速)で搬送され、トナーは負の極性に帯電している。この速度においても転写性能を確保するため、対向ローラ32には例えば-10[kV]の電圧を印加する。ただし、中間転写ベルト31の速度(画像形成動作のプロセス速度)、トナーの正規帯電極性及び二次転写電圧の値はこれに限定されるものではない。
【0026】
対向ローラ32に二次転写電圧を印加するためには高圧を発生させる高圧基板を要する。高圧基板とは、画像形成装置100が接続される商用電源(外部から画像形成装置100に供給される電圧)よりも大きな電圧を発生させる回路をもつ基板を指す。対向ローラ32は中間転写ベルト31の内側に位置するため、二次転写電圧用の高圧基板も中間転写ベルト31の内側の空間に配置することも考えられる。しかし、検討の結果、-10[kV]の高容量の高圧基板は比較的サイズが大きいため、中間転写ベルト31の内側に配置することが難しかった。例えば、高圧基板を中間転写ベルト31の内側に配置するために、中間転写ベルト31の周長を大きくしたり、中間転写ベルト31の張架経路を変更したりする必要が生じ、画像形成装置100が大型化してしまう可能性があった。
【0027】
また、高容量の高圧基板は発熱量も大きくなるため、高圧基板の冷却性能に注意する必要がある。例えば、高圧基板の周囲に冷却風が流れる空間を確保したり、主な熱源となる抵抗器を冷却するためのファンを配置したりすることが考えられる。このような構成も、画像形成装置100の大型化につながる。
【0028】
そこで、後述の各実施例で説明するように、本実施形態では高圧基板を中間転写ベルト31の外部の空間に配置する構成を作用する。なお、「中間転写ベルト31の内部の空間」とは、画像形成時の主走査方向(対向ローラ32及び二次転写ローラ41の軸線方向)に見て中間転写ベルト31に囲まれた空間であって、主走査方向に関して中間転写ベルト31の最大幅の内側の空間を指す。また、「中間転写ベルト31の外部の空間」とは、画像形成装置100において中間転写ベルト31の内部の空間を除いた空間を指す。
【0029】
[搬送ユニット着脱構成]
図3(a、b)を用いて本実施形態に係る画像形成装置の搬送ユニットの着脱構成について説明する。画像形成装置100は、装置内でシート材Sが詰まった場合や定期的なメンテナンスを行う場合等に、シート材Sの搬送経路にアクセスする必要が生じる。本実施形態の画像形成装置100は、図3(a、b)に示すように、画像形成装置の装置本体110(筐体)に対して引出及び挿入が可能な引出ユニットとしての搬送ユニット8を有し、搬送ユニット8を引き出すことで搬送経路へのアクセスを可能としている。以下、装置本体110から搬送ユニット8が引き出される方向を画像形成装置100の前側(正面側)とし、その反対側を画像形成装置100の後側(背面側)とする。
【0030】
画像形成装置100が画像形成動作を実行可能な使用状態では、搬送ユニット8は装置本体110内の所定の装着位置に装着され、ロックハンドル81が所定のロック位置(図3(a))にあって搬送ユニット8の引き出しが規制された装着状態にある。また、使用状態では前ドア101も閉められている。
【0031】
前ドア101を開けるとロックハンドル81へのアクセスが可能となる。ロックハンドル81を90度回転させると搬送ユニット8のロックが解除され、図3(b)に示すように搬送ユニット8を引き出すことができる。これにより、二次転写ローラ41等、画像形成装置100内でシート材Sが搬送される搬送経路を構成する搬送部材やガイド部材の少なくとも一部が装置本体110外に露出する。つまり、ユーザ又はメンテナンス担当者は、搬送ユニット8を図3(b)の引出状態とすることで、シート材Sの搬送経路にアクセスして作業を行うことができる。
【0032】
なお、搬送ユニット8を装着状態に戻す場合は、図3(b)の状態から搬送ユニット8を装置本体110の奥側に向かって装着位置まで押し込んだ後、ロックハンドル81を反対方向に90度回転させてロックすればよい。
【実施例1】
【0033】
本実施形態における二次転写電圧の給電構成の第1の形態(実施例1)について説明する。図4(a)は、本実施例の搬送ユニット8を上方から見た概略図であり、図4(b)は図4(a)における二次転写ユニット4及び定着前搬送ユニット7を透視した図である。
【0034】
図4(a)のように、搬送ユニット8には、レジストレーションローラ21を有するレジストレーションユニット2、二次転写ローラ41を有する二次転写ユニット4、搬送ベルト71を有する定着前搬送ユニット7、定着装置5が配置される。これらの要素は、搬送ユニット8の枠体の底部を構成する底板85aに取付けられている。また、搬送ユニット8は、画像形成時の主走査方向の一方側(矢印F)に向かって引き出され、主走査方向の他方側(矢印R)に向かって挿入される。
【0035】
さらに、図4(b)のように対向ローラ32に印加するための二次転写電圧を発生させる高圧基板82が底板85aに取付けられている。高圧基板82は、二次転写ユニット4及び定着前搬送ユニット7の下方に配置されており、搬送ユニット8を取り出した状態で二次転写ユニット4及び定着前搬送ユニット7を取外すことでアクセス可能である。
【0036】
本実施例では高圧基板82が-10[kV]の高圧バイアスを出力するため、高圧基板82上に抵抗器を配置すると、抵抗器の発熱によって高圧基板82上の他の回路素子が熱で損傷する可能性がある。そこで、高圧基板82から離間して配置された抵抗器83を搬送ユニット8の前側板85bに取付け、高圧基板82と束線で導通させている。また、抵抗器83自体が発熱によって損傷することを防ぐため、抵抗器83を冷却するファン84を前側板85bに配置している。
【0037】
高圧基板82に電力を供給する電源は装置本体に配置されており、搬送ユニット8が装着状態の場合に、ドロワーコネクタを介して電源と搬送ユニット8に配置された高圧基板82が電気的に導通するように構成されている。搬送ユニット8を装置本体から引き出すとドロワーコネクタが離脱して高圧基板82と電源との電気的な導通が遮断されるため、高圧基板82への電力供給をより確実に停止させることができる。
【0038】
なお、搬送ユニット8に配置される要素の組み合わせは図示したものに限らず、例えば定着装置5は装置本体に取付けられる構成であってもよい。この場合、画像形成装置100を、画像形成動作におけるシート材Sに対する二次転写工程までの工程を行うユニットを配置した第1本体枠と、定着工程以降の工程を行うユニットを配置した第2本体枠と、の2つの本体枠で構成してもよい。そして、第1本体枠に対して引き出し可能な搬送ユニットに、二次転写ユニット4及びレジストレーションユニット2と共に高圧基板82を配置してもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施例では、装置本体から引き出し可能な搬送ユニット8に高圧基板82を配置している。一方、高圧基板82が二次転写電圧を印加する対向ローラ32は、装置本体に配置されている。そこで、本実施例では、搬送ユニット8が引出状態から装着状態になる際に、中間転写ベルト31を含む中間転写ベルトユニットに対して二次転写ユニット4が位置決めされ、同時に高圧基板82と対向ローラ32が電気的に導通される構成を採用している。中間転写ベルトユニットは本実施例の第1ユニットであり、搬送ユニット8は本実施例の第2ユニットであり、いずれも装置本体に対して引き出し可能に構成される。
【0040】
[二次転写ユニットと中間転写ベルトユニットの接続構成]
まず、図5(a、b)を用いて二次転写ユニット4と中間転写ベルトユニット6の接続構成について説明する。図5(a)は、搬送ユニット8が装置本体の装着位置から引き出された状態(二次転写ユニット4の位置決めが解除されている状態)を表している。
【0041】
二次転写ユニット4は、位置決めピン47a,47bと、導通部材としての第1接点板45とを備えており、これらの位置決めピン47a,47b及び第1接点板45は二次転写ユニット4の枠体である二次転写フレーム44に取付けられている。第1接点板45には、高圧基板82と導通する第1高圧束線46が接続されており、第1高圧束線46は二次転写フレーム44に支持されている。
【0042】
図5(a、b)に示すように、装置本体に対して引き出し可能に設けられた中間転写フレーム39aには、二次転写ユニット保持部材38が取付けられている。中間転写フレーム39aは、中間転写ベルト31を張架する複数の張架ローラ(図1の駆動ローラ33、テンションローラ34及び対向ローラ32)を回転可能に支持するフレーム(中間転写ベルトユニット6の枠体)である。二次転写ユニット保持部材38には第2接点板382が取付けられている。さらに第1接点ピン381が軸方向に移動可能に二次転写ユニット保持部材38に保持されている。第2接点板382と第1接点ピン381の間には第1押圧バネ(不図示)が配置され、第1押圧バネを介して第2接点板382と第1接点ピン381が電気的に導通されている。なお、中間転写ベルトユニット6は、搬送ユニット8と共に、搬送ユニット8の引き出し方向(矢印F)及び装着方向(矢印R)と略等しい方向に引き出し及び装着することが可能である。
【0043】
図5(a)は搬送ユニット8が装置本体の装着位置から引き出された離脱状態を表しており、図5(b)は搬送ユニット8が装置本体に対して装着された装着状態を表している。いずれも、装置本体に対する搬送ユニット8の装着方向(矢印R)の奥側かつ下側から、二次転写ユニット保持部材38の周辺の様子を見た図である。
【0044】
装着状態において、二次転写ユニット4の2つの位置決めピン47a,47bは二次転写ユニット保持部材38に設けられた位置決め穴38a及び回転止め穴38bにそれぞれ挿入される。これにより、搬送ユニット8の着脱方向(矢印F,R)に交差する方向に関して、二次転写ユニット4は中間転写ベルトユニット6に対して位置決めされる。さらに、押圧バネにより矢印F方向に押圧されている第1接点ピン381が、第1接点板45と接触する(図5(b))ことで、二次転写用の高圧基板82と第2接点板382が電気的に導通される。つまり、第1接点部材としての第1接点ピン381と、第2接点部材としての第1接点板45とによって、搬送ユニット8の着脱に応じて高圧基板82及び対向ローラ32を電気的に接続及び接続解除する本実施例の電気接点部が構成されている。
【0045】
[対向ローラの支持構成と給電構成]
中間転写ベルトユニット6内部における、対向ローラの32の支持構成と二次転写電圧の給電構成について図6を用いて説明する。対向ローラ32の軸部は、軸方向の両端部を、2つの軸受322a,322bによって回転可能に支持されている。2つの軸受322a,322bはそれぞれ、対向ローラ32の軸部に設けられた段差320a,320bに当接しており、対向ローラ32に対して軸方向の内側に向かって移動することを規制されている。なお、軸受322a,322bは、図示したボール軸受に限らず、例えば円筒コロ軸受や滑り軸受としてもよい。
【0046】
さらに、各軸受322a,322bは、保持部材としての対向ローラ保持部材321a,321bで支持されている。対向ローラ保持部材321a,321bは、装置本体の枠体の一部として設けられ、又は枠体に対して固定されている。そして、軸方向の一方側(矢印F、第2接点板382の反対側)の対向ローラ保持部材321bが、例えば中間転写ベルトユニット6の枠体に対して固定される。これにより、対向ローラ32、軸受322a,322b及び他方側の対向ローラ保持部材321aの軸方向の一方側への移動が規制される。
【0047】
対向ローラ32に対し軸方向の他方側(矢印R)には、給電ユニット40が設けられている。給電ユニット40は、給電部材323、第2押圧バネ324、第2接点ピン325及び給電カバー326によって構成される。給電部材323、第2押圧バネ324及び第2接点ピン325は、いずれも導電性を有する材料で形成され、給電カバー326の内側に配置されている。
【0048】
給電部材323は、対向ローラ32の軸部に当接している。第2接点ピン325は、給電カバー326によって対向ローラ32の軸方向にスライド移動可能に支持され、給電カバー326の開口部から軸方向に突出可能である。第2押圧バネ324は軸方向における給電部材323と第2接点ピン325の間に配置され、給電部材323を軸方向の一方側に、第2接点ピン325を軸方向の他方側に向かって付勢している。
【0049】
給電カバー326は、対向ローラ保持部材321aに取付けられている。ここで、対向ローラ保持部材321aに取付けられた給電カバー326の一部が、軸受322aの段差320aに当接する面とは軸方向に反対側の面と当接する。このため、軸受322aが対向ローラ32に対して軸方向の外側(矢印R)に移動することが規制されている。
【0050】
給電ユニット40の内部では、第2押圧バネ324の弾発力によって、給電部材323が対向ローラ32の軸方向における一端部に対して押圧され、さらに第2接点ピン325が第2接点板382に対して押圧される。これにより、第2接点ピン325、第2押圧バネ324及び給電部材323を介して、第2接点板382と対向ローラ32とが電気的に導通される。
【0051】
前述したように搬送ユニット8が装置本体内の所定の装着位置に装着されているときは高圧基板82と第2接点板382とが電気的に導通される。つまり、搬送ユニット8が装着状態にあるときは、対向ローラ32が二次転写電圧用の高圧基板82と電気的に導通されることになる。
【0052】
本実施例では、給電カバー326の材質にPC+ABS樹脂(ポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエンスチレンのアロイ)を採用した絶縁体である。これは中間転写フレーム39aが接地電位に接続された板金等の導電体で構成されている場合に、給電部材323、第2押圧バネ324及び第2接点ピン325を流れる高圧電流がリークするのを防ぐためである。
【0053】
対向ローラ32の表面には、所定の抵抗値を有する導電性ゴムの層を形成することで、二次転写電流の安定化、及び、中間転写ベルト31の裏面に対する対向ローラ32のスリップの防止を実現することができる。ただし、長期間の使用によってゴム層の摩耗やトナー又はトナーの外添剤等の汚れの付着によって安定した二次転写電流の供給が難しくなるため、対向ローラ32の交換が必要となる場合がある。
【0054】
本実施例においては、給電ユニット40内に組み込まれた第2押圧バネ324を用いて対向ローラ32への給電接触圧を実現しており、給電ユニット40を対向ローラ32から分離すれば第2押圧バネ324の加圧は解除される。そのため、例えば対向ローラ32の軸部に対して径方向外側から圧接する板バネを給電部材兼付勢部材として用いる場合に比べて、対向ローラ32の交換時に給電部材及び付勢部材等の塑性変形が生じる可能性を低減できる。
【0055】
対向ローラ32の具体的な交換手順としてはまず、第2接点板382を支持する二次転写ユニット保持部材38を中間転写フレーム39aから取外し、中間転写ベルト31を取外す。そして、対向ローラ保持部材321aに対して例えばビスで締結されている給電カバー326を対向ローラ保持部材321aから取外す。これにより、対向ローラ32が軸方向(矢印R)に軸受322a,322bと共に移動可能となるため、対向ローラ保持部材321a,321bから対向ローラ32を取外すことができる。
【0056】
新しい対向ローラ32を装着するときは、以上の手順を逆にし、対向ローラ32を軸受322aと共に軸方向の他方(矢印F)に向けて差し込むことで、対向ローラ保持部材321a,321bに対向ローラ32を保持させる。そして、給電カバー326を対向ローラ保持部材321aに対して固定することで対向ローラ32の装着が完了する。
【0057】
(変形例)
図6を用いて上述したローラ部材の着脱構成は、中間転写ベルト31の内側に配置される対向ローラ32(二次転写内ローラ)以外の、画像形成装置においてトナー像の転写に関わるローラ部材にも適用可能である。例えば、一次転写電圧を印加されることで感光体から中間転写ベルト31にトナー像を転写する一次転写ローラ35(図1)が挙げられる。
【0058】
また、二次転写ローラ41にトナーの正規帯電極性と逆極性の電圧を印加する構成において、二次転写ローラ41に給電ユニット40を設けて実施で説明した着脱構成を適用してもよい。さらに、感光体から中間転写体を介さずに記録材にトナー像を転写する直接転写方式において、感光体に接する転写ローラに実施例1で説明した着脱構成を適用してもよい。
【実施例2】
【0059】
実施例1では、二次転写ユニット4を介して高圧基板82と対向ローラ32の電気的な導通を図る構成を説明したが、搬送ユニット8の高圧基板82と装置本体の対向ローラ32をより直接的に導通させることも可能である。以下、実施例2として、高圧基板82と対向ローラ32の接続構成が実施例1と異なる形態を説明する。以下の説明において、実施例1と共通の参照符号を付した要素は実施例1と実質的に同一の構成及び作用を有するものとし、実施例1と異なる要素を中心に説明する。
【0060】
図7(a)は、搬送ユニット8が引き出された状態における中間転写ベルトユニット6及び搬送ユニット8を上方から見た様子を表している。図7(b)は、搬送ユニット8が装着位置まで挿入された状態における中間転写ベルトユニット6及び搬送ユニット8を上方から見た様子を表している。
【0061】
中間転写ベルト31は、前述した通り対向ローラ32を含む複数の張架ローラに張架され、各ローラは装置本体に設けられた中間転写フレーム39a,39bに支持されている。対向ローラ32には、実施例1と同様の給電ユニット40が取付けられ、実施例1の第2接点ピン325(図6)に相当する第3接点ピン327が中間転写フレーム39bから突出している図7(a)。ただし、給電ユニット40は、実施例1とは異なり搬送ユニット8の装着方向の上流側(矢印F)に設けられており、第3接点ピン327は矢印Fの方向に突出している。また、第3接点ピン327は搬送ユニット8の装着方向に沿ってスライド可能であり、実施例1の第2押圧バネ324(図6)に相当する第3押圧バネにより、矢印Fの方向に付勢されている。
【0062】
一方、搬送ユニット8において、底板85aに配置される高圧基板82と、前側板85bに配置される第3接点板86とが、第2高圧束線87によって接続されている。第3接点板86は、搬送ユニット8の装着方向に第3接点ピン327と対向する位置に配置されている。
【0063】
以上のように装置本体の枠体に対して中間転写フレーム39が位置決めされており、引出状態の搬送ユニット8(図7(a))は矢印Rの方向に挿入されることで、装着状態(図7(b))となる。このとき、第3接点板86が第3押圧バネに付勢されている第3接点ピン327と接触することで、第2高圧束線87、第3接点板86及び給電ユニット40を介して高圧基板82と対向ローラ32とが電気的に導通する。つまり、第3接点部材としての第3接点ピン327と、第4接点部材としての第3接点板86とによって、搬送ユニット8の着脱に応じて高圧基板82及び対向ローラ32を電気的に接続及び接続解除する本実施例の電気接点部が構成されている。
【0064】
(その他の実施形態)
以上、図面を参照しながら例示的な実施形態を説明したが、本発明は例示された実施形態に限定解釈されるべきものではない。即ち、特許請求の範囲に記載された発明は、例示された実施形態の変形例並びに均等な構造及び機能を全て含むものとして最も広く解釈されるべきものである。
【符号の説明】
【0065】
1Y,1M,1C,1K…画像形成部/4…二次転写ユニット/6…第1ユニット(中間転写ベルトユニット)/8…第2ユニット(搬送ユニット)/31…中間転写ベルト/32…第1ローラ、ローラ部材(対向ローラ)/41…第2ローラ(二次転写ローラ)/45…電気接点部、第2接点部材(第1接点板)/82…高圧基板/83…抵抗器/84…ファン/86…電気接点部、第4接点部材(第3接点板)/322a,322b…軸受/323…給電部材/326…カバー/327…電気接点部、第3接点部材(第3接点ピン)/381…電気接点部、第1接点部材(第1接点ピン)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7