特許 7532104 現像剤収容容器、カートリッジ、及び画像形成装置。

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-08-02

(45)【発行日】2024-08-13

(54)【発明の名称】現像剤収容容器、カートリッジ、及び画像形成装置。

(51)【国際特許分類】

   G03G 15/08 20060101AFI20240805BHJP

【ＦＩ】

G03G15/08 362

【請求項の数】 17

(21)【出願番号】P 2020102717

(22)【出願日】2020-06-12

(65)【公開番号】P2021196496

(43)【公開日】2021-12-27

【審査請求日】2023-06-12

(73)【特許権者】

【識別番号】000001007

【氏名又は名称】キヤノン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002860

【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】勝箭 翔平

(72)【発明者】

【氏名】鴨志田 成実

(72)【発明者】

【氏名】樫出 陽介

【審査官】大浜 登世子

(56)【参考文献】

【文献】特開２００６－０７８９９２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００４－３０２３３８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００４－２０５９９９（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０３Ｇ １５／０８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

現像剤を収容する収容部に配置された搬送部材であって、回転可能な軸部材と、前記軸部材に固定された可撓性部材と、を有し、前記軸部材の回転により、前記可撓性部材が、前記収容部を形成する内壁面の少なくとも一部と接触しつつ、前記収容部に収容された現像剤を搬送する搬送部材と、
前記収容部を形成する前記内壁面を備え、前記軸部材の一方の端部を支持する支持部と、第１の溝形成面及び第２の溝形成面と、を有し、前記支持部が、前記軸部材の回転軸線と直交する方向について、前記一方の端部の移動を所定の範囲で許容するように前記一方の端部を収容する収容空間を形成し、前記第１の溝形成面及び前記第２の溝形成面が、前記収容空間から前記回転軸線と直交する方向に延びる溝部が形成されるように互いに対向する枠体と、
を有し、
前記支持部は前記第１の溝形成面と連なる第１の当接面と、前記第２の溝形成面と連なる第２の当接面とを有し、
前記溝部は前記収容空間から離れるにつれて重力方向で下方に向けて延び、かつ前記第１の当接面と前記第２の当接面は、前記溝部に近づくにつれて、前記重力方向で下方に向けて延び、
前記枠体は、凹形状部と、前記回転軸線に直交する方向に突出するとともに、前記凹形状部に挿入される凸形状部と、を有し、
前記凸形状部の先端面と前記凹形状部の底面との間に、前記支持部が形成され、
前記凸形状部の一方の側面と、前記一方の側面に対向する前記凹形状部の一方の側面との間に、前記溝部が形成され、
前記凸形状部は、前記先端面の裏側に中空の肉抜き部を有することを特徴とする現像剤収容容器。

【請求項2】

前記内壁面は前記可撓性部材と接触する第１の接触面を含み、前記回転軸線と直交する方向において、前記第１の接触面は前記支持部の一方の側に位置し、
前記可撓性部材が前記第１の接触面と接触する際に、前記回転軸線と直交する方向において、前記一方の端部は前記支持部の他方の側に付勢されることを特徴とする請求項１に記載の現像剤収容容器。

【請求項3】

前記内壁面は前記可撓性部材と接触する第２の接触面を含み、前記回転軸線と直交する方向において、前記第２の接触面は前記支持部の前記他方の側に位置し、
前記可撓性部材が前記第２の接触面と接触する際に、前記回転軸線と直交する方向において、前記一方の端部は前記支持部の前記一方の側に付勢されることを特徴とする請求項２に記載の現像剤収容容器。

【請求項4】

前記一方の側は、前記重力方向における下方であり、
前記他方の側は、前記重力方向における上方であることを特徴とする請求項３に記載の現像剤収容容器。

【請求項5】

前記溝部は現像剤の通過を許容し、
前記溝部が前記収容空間と接続される位置において、前記溝部の幅は、前記回転軸線に直交する方向における前記一方の端部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項6】

前記回転軸線は水平方向に延びていることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項7】

前記回転軸線に直交する方向において、前記溝部から離れる方向への前記一方の端部の移動と、前記溝部に近づく方向への前記一方の端部の移動が許容されるように、前記支持部は前記一方の端部を支持することを特徴とする請求項１～６のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項8】

前記一方の端部は、前記可撓性部材が前記内壁面と接触する際に、前記可撓性部材が前記内壁面から受ける反力によって、前記収容空間内を移動することを特徴とする請求項１～７のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項9】

前記溝部は、前記収容空間における前記一方の端部と前記支持部との間の隙間に侵入した現像剤を前記収容空間の外に逃がすための現像剤逃し溝であることを特徴とする請求項１～８のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項10】

前記中空の肉抜き部は、前記支持部から離れるにつれて前記重力方向の上方に向けて延びる上面を有することを特徴とする請求項１に記載の現像剤収容容器。

【請求項11】

前記中空の肉抜き部は、前記一方の端部と前記支持部との摺動により発生する熱を逃がすための形状であること特徴とする請求項１０に記載の現像剤収容容器。

【請求項12】

前記枠体は、前記軸部材の他方の端部を、前記回転軸線と直交する方向への前記他方の端部の移動を規制するように支持することを特徴とする請求項１～１１のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項13】

前記枠体は、前記収容部の外に現像剤を排出するための開口部を有し、
前記開口部は、重力方向において前記軸部材と略同じ高さに位置し、水平方向に開口していることを特徴とする請求項１～１２のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項14】

現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項１～１３のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項15】

現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカ
ートリッジに備えられた現像剤収容容器であることを特徴とする請求項１～１３のいずれか１項に記載の現像剤収容容器。

【請求項16】

現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカートリッジであって、
請求項１～１３のいずれか１項に記載の現像剤収容容器を備えることを特徴とするカートリッジ。

【請求項17】

請求項１～１５のいずれか１項に記載の現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器に収容された現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、電子写真画像形成装置に用いられる現像剤収容容器に関するものである。

【背景技術】

【0002】

電子写真画像形成方式を用いた画像形成装置では、像担持体としての感光体（以下、「感光体ドラム」という）を一様に帯電させる。次に、帯電した感光体ドラムを選択的に露光することにより、感光体ドラムの表面上に静電潜像を形成する。次に、感光体ドラムの表面上に形成された静電潜像を、現像装置から供給される現像剤としてのトナーによりトナー像として顕像化する。そして、感光ドラムの表面上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に、記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。

【0003】

現像剤は一般的に現像剤収容容器に蓄えられ逐次現像装置に供給される。ここで、現像剤収容容器から現像装置への現像剤の搬送には、回転可能な撹拌部材を用いることが一般的である。

【0004】

撹拌部材は現像剤収容容器の内部で支持されており、その支持部分では現像剤収容容器としての枠体と、回転する撹拌部材とがこすれあっている。ここにトナーが入りこむと、機械的に押し固められる場合や、熱的にトナー同士が溶け固まり、２０～２００μｍ程度のトナー粗粒が発生してしまう場合がある。このような大きなトナー粗粒はトナーに混ざり画像不良を引き起こす場合がある。

【0005】

これに対し、軸受け穴内壁を円錐状にすることで、撹拌部材と軸受け穴内壁の接触面積を減らし、トナー粗粒の発生を抑制する構成などが知られている（特許文献１）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２０００－０９８７１７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

しかしながら、特許文献１に記載の構成は撹拌部材の回転軸方向から見たときに、必ずしも現像剤が円錐部から現像剤収容容器内へ排出される構成ではない。ゆえに一度支持部に侵入した現像剤は繰り返し熱や圧力のような疲労を受け劣化し、いずれはトナーが溶け固まって粗粒になる恐れがある。特に近年の長寿命化・低消費電力化による現像剤の低融点化が進む状況においてはリスクが高まる場合がある。

【0008】

本発明は従来の技術を更に発展させたものであり、本発明の目的とするところは、支持部のトナーの入れ替わりを促し、現像剤の粗粒の発生を軽減させて、画像不良を防止することができる現像剤収容容器を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記目的を達成するため、本発明の現像剤収容容器は、
現像剤を収容する収容部に配置された搬送部材であって、回転可能な軸部材と、前記軸部材に固定された可撓性部材と、を有し、前記軸部材の回転により、前記可撓性部材が、前記収容部を形成する内壁面の少なくとも一部と接触しつつ、前記収容部に収容された現像剤を搬送する搬送部材と、
前記収容部を形成する前記内壁面を備え、前記軸部材の一方の端部を支持する支持部と、第１の溝形成面及び第２の溝形成面と、を有し、前記支持部が、前記軸部材の回転軸線と直交する方向について、前記一方の端部の移動を所定の範囲で許容するように前記一方の端部を収容する収容空間を形成し、前記第１の溝形成面及び前記第２の溝形成面が、前記収容空間から前記回転軸線と直交する方向に延びる溝部が形成されるように互いに対向する枠体と、
を有し、
前記支持部は前記第１の溝形成面と連なる第１の当接面と、前記第２の溝形成面と連なる第２の当接面とを有し、
前記溝部は前記収容空間から離れるにつれて重力方向で下方に向けて延び、かつ前記第１の当接面と前記第２の当接面は、前記溝部に近づくにつれて、前記重力方向で下方に向けて延び、
前記枠体は、凹形状部と、前記回転軸線に直交する方向に突出するとともに、前記凹形状部に挿入される凸形状部と、を有し、
前記凸形状部の先端面と前記凹形状部の底面との間に、前記支持部が形成され、
前記凸形状部の一方の側面と、前記一方の側面に対向する前記凹形状部の一方の側面との間に、前記溝部が形成され、
前記凸形状部は、前記先端面の裏側に中空の肉抜き部を有することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジは、
現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカートリッジであって、
本発明の現像剤収容容器を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
本発明の現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器に収容された現像剤を用いて記録材に画像を形成する画像形成部と
、
を備えることを特徴とする。

【発明の効果】

【0010】

以上説明したように、本発明によれば、支持部でのトナーの入れ替わりを促進することで、特定のトナーが繰り返し押しつぶされたり、熱による損傷を受けたりすることを抑制することができる現像剤収容容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】現像ユニットの非駆動側端部を長手方向駆動側から見た部分断面図

【図2】画像形成装置の画像形成装置本体及びカートリッジの断面図

【図3】カートリッジの断面図

【図4】カートリッジの構成を説明する斜視図

【図5】カートリッジの構成を説明する斜視図

【図6】カートリッジの装着を説明するための画像形成装置のガイド部の断面図

【図7】カートリッジの位置決めを説明するための画像形成装置の断面図

【図8】カートリッジが装置本体から駆動力を受ける構成を説明する斜視図

【図9】現像ユニットの構成を説明する斜視図

【図10】搬送部材の支持構成を説明する断面図

【図11】現像ユニットの駆動側端部を長手方向非駆動側から見た部分断面図

【図12】搬送部材の動作を説明する現像ユニットの断面図

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。

【0013】

＜実施例１＞
以下の本発明の実施例についての説明においては、電子写真感光体ドラムの回転軸線方
向を長手方向とする。また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。また、図３に示す画像形成装置の態様は、通常の設置状態として、画像形成装置が設置面としての水平面上に設置された状態を示しており、図の上下方向が重力方向となり、感光体ドラムや撹拌部材の回転軸線が、略水平方向に延びる設置状態となる。以下の説明において、重力方向の上下は、画像形成装置が水平面上に設置された状態であるとして説明する。本実施形態では、画像形成装置が画像形成動作を行う際の状態は、画像形成装置が水平面上に設置された状態と同じである。

【0014】

図２および図３を用いて全体構成および画像形成プロセスについて説明する。図２は、本発明の一実施の形態である電子写真画像形成装置の装置本体（電子写真画像形成装置本体、画像形成装置本体）Ａ及びプロセスカートリッジ（以下、カートリッジＢと記載する）の断面図である。図３は、カートリッジＢの断面図である。ここで、装置本体Ａとは、電子写真画像形成装置からカートリッジＢを除いた部分である。

【0015】

＜電子写真画像形成装置全体構成＞
図２に示す電子写真画像形成装置（画像形成装置）は、カートリッジＢを装置本体Ａに着脱自在（着脱可能）とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジＢが装置本体Ａに装着されたとき、カートリッジＢの像担持体としての電子写真感光体ドラム６２に潜像を形成するための露光装置３（レーザスキャナユニット）が配置される。また、カートリッジＢの下側に画像形成対象トナー記録媒体（以下、シート材（記録材）ＰＡと記載する）を収納したシートトレイ４が配置されている。電子写真感光体ドラム６２は、電子写真画像形成用に用いられる感光体（電子写真感光体）である。

【0016】

更に、装置本体Ａには、シート材ＰＡの搬送方向Ｄに沿って、ピックアップローラ５ａ、給送ローラ対５ｂ、転写ガイド６、転写ローラ７、搬送ガイド８、定着装置９、排出ローラ対１０、排出トレイ１１等が順次配置されている。なお、定着装置９は、加熱ローラ９ａ及び加圧ローラ９ｂにより構成されている。

【0017】

＜画像形成プロセス＞
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム（以下、感光体ドラム６２あるいは、単にドラム６２と記載する）は矢印Ｒ方向に所定の周速度（プロセススピード）をもって回転駆動される。

【0018】

バイアス電圧が印加された帯電ローラ（帯電部材）６６は、ドラム６２の外周面に接触し、ドラム６２の外周面を一様均一に帯電する（図３参照）。

【0019】

露光装置３は、画像情報に応じたレーザー光Ｌを出力する。そのレーザー光ＬはカートリッジＢのクリーニング枠体７１に設けられたレーザー開口７１ｈを通り、ドラム６２の外周面を走査露光する。これにより、ドラム６２の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。

【0020】

一方、図３に示すように、現像装置としての現像ユニット２０において、トナー室２９内のトナー（現像剤）Ｔは、トナー室２９に配置された搬送部材（撹拌部材）４３の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室２８に送り出される。現像剤収容部としてのトナー室２９と、現像剤の供給先としてのトナー供給室（現像室）２８と、を連通する開口部は、撹拌部材４３の回転軸としての軸部材（後述する）と略同じ高さ（重力方向）にあり略水平方向に開口している。

【0021】

トナーＴは、マグネットローラ３４（固定磁石）の磁力により、現像ローラ３２の表面
に担持される。現像ローラ３２は、ドラム６２に形成された潜像を現像するために、現像剤（トナーＴ）をその表面に担持する現像剤担持体である。トナーＴは、現像ブレード４２によって摩擦帯電されつつ、現像剤担持体としての現像ローラ３２周面上での層厚が規制される。

【0022】

そのトナーＴは、静電潜像に応じてドラム６２へ供給され、潜像を現像する。これにより、潜像はトナー像として可視像化される。ドラム６２はその表面に潜像や、トナーで形成される像（トナー像、現像剤像）を担持する像担持体である。また、図２に示すように、レーザー光Ｌの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ５ａ、給送ローラ対５ｂによって、装置本体Ａの下部に収納されたシート材ＰＡがシートトレイ４から送り出される。そして、そのシート材ＰＡが転写ガイド６を経由して、ドラム６２と転写ローラ７との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム６２からシート材ＰＡに順次転写されていく。

【0023】

トナー像が転写されたシート材ＰＡは、ドラム６２から分離されて搬送ガイド８に沿って定着装置９に搬送される。そしてシート材ＰＡは、定着装置９を構成する加熱ローラ９ａと加圧ローラ９ｂとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材ＰＡに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材ＰＡは、排出ローラ対１０まで搬送され、排出トレイ１１に排出される。

【0024】

一方、図３に示すように、転写後のドラム６２は、クリーニング部材７７により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム６２から除去されたトナーはクリーニングユニット６０の廃トナー室７１ｂに貯蔵される。クリーニングユニット６０は感光体ドラム６２を有する感光体ドラムユニットである。

【0025】

上記において、帯電ローラ６６、現像ローラ３２、転写ローラ７、クリーニング部材７７がドラム６２に作用するプロセス手段であり、画像形成部の主要構成である。

【0026】

＜カートリッジ全体の構成＞
次にカートリッジＢの全体構成について図３、図４、図５を用いて説明する。図３はカートリッジＢの断面図、図４、図５は、カートリッジＢの構成を説明する斜視図である。なお本実施例においては各部品を結合する際のビスに関しては省略して説明する。

【0027】

カートリッジＢは、クリーニングユニット（感光体保持ユニット、ドラム保持ユニット、像担持体保持ユニット、第１ユニット）６０と、現像ユニット（現像剤担持体保持ユニット、第２ユニット）２０を有する。

【0028】

図３に示すように、クリーニングユニット６０は、ドラム６２と、帯電ローラ６６と、クリーニング部材７７と、これらを支持するクリーニング枠体７１を有する。ドラム６２は、駆動側において、駆動側に設けられた駆動側ドラムフランジ６３がドラム軸受７３の穴部７３ａにより回転可能に支持される（図４参照）。広義には、ドラム軸受７３とクリーニング枠体７１を総称してクリーニング枠体と呼ぶこともできる。

【0029】

非駆動側において、図５に示すように、クリーニング枠体７１に設けられた穴部７１ｃに圧入されたドラム軸７８によって、非駆動側ドラムフランジの穴部（不図示）を回転可能に支持される構成となっている。各ドラムフランジは軸受部によって回転可能に支持される被軸受部である。

【0030】

図３に示すように、クリーニングユニット６０において、帯電ローラ６６、クリーニング部材７７は、それぞれドラム６２の外周面に接触して配置される。

【0031】

クリーニング部材７７は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード７７ａと、ゴムブレードを支持する支持部材７７ｂと、を有する。ゴムブレード７７ａは、ドラム６２の回転方向に対してカウンター方向にドラム６２に当接している。即ち、ゴムブレード７７ａは、その先端部がドラム６２の回転方向Ｒの上流側を向くようにドラム６２に当接している。

【0032】

クリーニング部材７７によってドラム６２の表面から除去された廃トナーは、クリーニング枠体７１とクリーニング部材７７によって形成された廃トナー室７１ｂに溜められる。また、図３に示すように、クリーニング枠体７１から廃トナーが漏れることを防止するためのスクイシート６５が、ドラム６２に当接するようにクリーニング枠体７１の縁部に設けられている。

【0033】

帯電ローラ６６は、クリーニング枠体７１の長手方向における両端部において、帯電ローラ軸受６７を介し、クリーニングユニット６０に回転可能に取り付けられている。

【0034】

なお、クリーニング枠体７１の長手方向（カートリッジＢの長手方向）は、ドラム６２の回転軸線が延びる方向（軸線方向）と略平行である。そのため以下、特に断りなく単に長手方向あるいは単に軸線方向といった場合には、ドラム６２の軸線方向を意味する。

【0035】

帯電ローラ６６は、帯電ローラ軸受６７が付勢部材６８によりドラム６２に向けて加圧されることでドラム６２に圧接されている。帯電ローラ６６は、ドラム６２の回転に従動回転する。

【0036】

図３に示すように、現像ユニット２０は、現像ローラ３２と、現像ローラ３２を支持する現像容器２３と、現像ブレード４２等を有する。現像ローラ３２は、両端に設けられた軸受部材２６（図４）、２７（図５）により回転可能に現像容器２３に取り付けられている。広義には、後述する現像枠体５００、軸受部材２６、軸受部材２７を総称して、現像枠体と呼ぶこともできる。

【0037】

また、現像ローラ３２内にはマグネットローラ３４が設けられている。現像ユニット２０において、現像ローラ３２上のトナー層を規制するための現像ブレード４２が配置されている。図４、図５に示すように、現像ローラ３２には間隔保持部材３８が現像ローラ３２の両端部に取り付けられており、間隔保持部材３８とドラム６２が当接することで、現像ローラ３２はドラム６２と微少隙間をもって保持される。また、図３に示すように、現像ユニット２０からトナーが漏れることを防止するための吹き出し防止シート３３が、現像ローラ３２に当接するように現像容器２３の縁部に設けられている。更に、現像容器２３と底部材２２によって形成された収容部としてのトナー室２９には、搬送部材４３が回転可能に設けられている。搬送部材４３は、トナー室２９に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給室２８へトナーを搬送する。

【0038】

図４、図５に示すように、カートリッジＢはクリーニングユニット６０と現像ユニット２０を合体して構成される。

【0039】

現像ユニット２０とクリーニングユニット６０の結合の際には、クリーニング枠体７１の駆動側の第１吊り穴７１ｉに対して軸受部材２６の現像第１支持ボス２６ａの中心を合わせる。同様に、非駆動側の第２吊り穴７１ｊに対して軸受部材２７の現像第２支持ボス２７ａの中心を合わせる。現像ユニット２０を矢印Ｇ方向に移動させることで、第１吊り穴７１ｉ、第２吊り穴７１ｊに現像第１支持ボス２６ａ、現像第２支持ボス２７ａが嵌合する。これにより、クリーニングユニット６０に対して現像ユニット２０が移動可能に連
結される。より詳細にいうと、クリーニングユニット６０に対して現像ユニット２０が回転移動可能（回動可能）に連結される。即ち、ドラム６２に対して現像ローラ３２が接離可能な状態で連結される。この後、ドラム軸受７３をクリーニングユニット６０に組み付けることによってカートリッジＢを構成する。

【0040】

本実施例においては非駆動側付勢部材４６Ｌ（図５）、駆動側付勢部材４６Ｒ（図４）は圧縮バネで形成されている。これらバネの付勢力により、駆動側付勢部材４６Ｌと非駆動側付勢部材４６Ｒが、現像ユニット２０をクリーニングユニット６０に付勢させることで現像ローラ３２をドラム６２の方向へ確実に押し付けるよう構成する。さらに、現像ローラ３２の両端部に取り付けられた間隔保持部材３８を備えている。即ち、ドラム６２と現像ローラ３２が間隔保持部材３８を介して所定の接触圧で接触することで、現像ローラ３２はドラム６２から所定の間隔をもって保持され、それぞれの相対位置が決まる。

【0041】

＜カートリッジ装着＞
次にカートリッジＢの装着について、図６（ａ）、図６（ｂ）、図７（ａ）、図７（ｂ）を用いて具体的に説明する。図６（ａ）はカートリッジＢの装着を説明するための画像形成装置Ａの駆動側ガイド部の断面図であり、図６（ｂ）はカートリッジＢの装着を説明するための画像形成装置Ａの非駆動側ガイド部の断面図である。図７（ａ）はカートリッジＢの位置決めを説明するための画像形成装置Ａの駆動側断面図である。図７（ｂ）はカートリッジＢの位置決めを説明するための画像形成装置Ａの非駆動側断面図である。

【0042】

カートリッジＢの装着の説明をする。図６（ａ）、図６（ｂ）に示すように、第１駆動側板１５は、ガイドとしてのガイドレール上１５ｇとガイドレール１５ｈとを有しており、非駆動側板１６はガイドレール上１６ｄとガイドレール１６ｅとを有している。また、カートリッジＢの駆動側に設けられたドラム軸受７３は、被回転止め部７３ｃを有している。なおカートリッジＢの装着方向は、ドラム６２（図３）の軸線と実質的に直交する方向（矢印Ｃ）である。

【0043】

またクリーニング枠体７１は長手方向において非駆動側に第１位置決め部としての被位置決め部７１ｄと、第２位置決め部としての被回転止め部７１ｆとを有している。カートリッジＢを装置本体Ａのカートリッジ挿入口１７から装着すると、カートリッジＢの駆動側がカートリッジＢの被回転止め部７３ｃとが装置本体Ａのガイドレール１５ｈにガイドされる。カートリッジＢの非駆動側はカートリッジＢの被位置決め部７１ｄと被回転止め部７１ｆとが装置本体Ａのガイドレール１６ｄとガイドレール１６ｅにガイドされる。これによって、カートリッジＢは装置本体Ａに装着される。

【0044】

次に、開閉扉１３を閉じる状態を説明する。図６（ａ）、図６（ｂ）、図７（ａ）、図７（ｂ）に示すように、第１駆動側板１５は、位置決めとしての位置決め部上１５ａと位置決め部下１５ｂと回転止め部１５ｃを有しており、非駆動側板１６は、位置決め部１６ａと回転止め部上１６ｃを有している。ドラム軸受７３は、被位置決め部上（第１の被位置決め部、第１の突起、第１の張出部）７３ｄと被位置決め部下（第２の被位置決め部、第２の突起、第２の張出部）７３ｆとを有している。

【0045】

また、カートリッジ押圧部材１、２は、開閉扉１３の軸方向両端に回転可能に取り付けられている。カートリッジ押圧バネ１９、２１は、それぞれ画像形成装置Ａに設けられた前板の長手方向において両端に取り付けられている。ドラム軸受７３は付勢力受け部としての被押圧部７３ｅを有し、クリーニング枠体７１は非駆動側にて被押圧部７１ｏを有す（図３参照）。開閉扉１３を閉じることにより、カートリッジＢの被押圧部７３ｅ、７１ｏが、装置本体Ａのカートリッジ押圧バネ１９、２１によって付勢されたカートリッジ押圧部材１、２によって押圧される（図７参照）。

【0046】

これによって、駆動側においては、カートリッジＢの被位置決め部上７３ｄと被位置決め部下７３ｆと回転止め部７３ｃとがそれぞれ装置本体Ａの位置決め部上１５ａと位置決め部下１５ｂと回転止め部１５ｃとに固定される。この結果、カートリッジＢやドラム６２が駆動側で位置決めされる。また、非駆動側において、カートリッジＢの被位置決め部７１ｄと被回転止め部７１ｆとがそれぞれ装置本体Ａの位置決め部１６ａと回転止め部１６ｃとに固定される。これによって非駆動側にてカートリッジＢやドラム６２が位置決めされる。

【0047】

これまで、装置本体Ａに対して、カートリッジＢの位置を決める構成の一例として記載したが、位置決めとしての手段を限定する趣旨の記載ではない。カートリッジＢの駆動側の被位置決め部７３ｄ、被回転止め部７３ｆ、及び、非駆動側の被位置決め部７１ｄ，被回転止め部７１ｆに直接作用して、位置決め部それぞれを固定する構成でも良い。

【0048】

次に、カートリッジＢが装置本体Ａから駆動力を受ける構成について、図８（ａ）、図８（ｂ）、図８（ｃ）、図８（ｄ）を用いて説明する。図８（ａ）は、装置本体Ａの駆動部の構成を示す図で、図８（ｂ）は、カートリッジＢの駆動部の構成を示す図である。図８（ｃ）は、装置本体ＡとカートリッジＢの駆動部が係合する前の状態を示す図である。図８（ｄ）は、装置本体Ａの電源が入って、装置本体ＡとカートリッジＢの駆動部が係合した状態を示す図である。

【0049】

図８（ａ）に示すように、装置本体Ａには、装置本体Ａの駆動源（不図示）から駆動力を受けて、カートリッジＢに駆動力を伝達する駆動伝達部材８１が設けられている。また、図８（ｂ）に示すように、カートリッジＢには、駆動伝達部材８１と係合して駆動力を受けるために、駆動側ドラムフランジ６３に駆動受動部６３ｂを設けている。ここで、開閉扉１３を閉じて、装置本体Ａの電源を入れると、駆動伝達部材８１は、図８（ｃ）の矢印Ｅ方向に移動する。

【0050】

そして、図８（ｄ）のように、駆動伝達部材８１の駆動伝達部８１ｂと、駆動側ドラムフランジ６３の駆動受動部６３ｂとが係合し、駆動側ドラムフランジ６３を介して、ドラム６２が回動する。また、駆動伝達部材８１の外周部には歯車形状８１ｇが設けられている。

【0051】

さらに、カートリッジＢの現像ローラ３２の端部には現像ローラギア９０が結合されている。そして、図８（ｄ）に示した駆動側ドラムフランジ６３の駆動受動部６３ｂが係合した状態のとき、駆動伝達部材８１に設けられた歯車形状８１ｇと現像ローラギア９０も噛合うように配置される。即ち、駆動伝達部材８１によって、駆動側ドラムフランジを介してドラム６２が回動すると同時に、現像ローラギア９０を介して現像ローラ６２も回動する。

【0052】

＜搬送部材の支持＞
図９、図１０、図１１及び図１を用いて、搬送部材４３の構成について説明する。図９は現像ユニット２０の構成を説明する斜視図である。図１０は搬送部材４３の支持構成を説明する断面図である。図１１は現像ユニット２０の駆動側端部を長手方向非駆動側から見た部分断面図である。図１は現像ユニット２０の非駆動側端部を長手方向駆動側から見た部分断面図である。図１（ａ）はトナー室２９内部で切断した断面図であり、図１（ｂ）は後述する第１支持部２２ｂで切断した断面図である。

【0053】

図９に示すように、搬送部材４３は、収容部内に回転可能に支持された軸部材４３ａと、可撓性部材としてのシート部材４３ｂと、を備える。シート部材４３ｂはスナップフィ
ットや、熱カシメ、両面テープなどの固定手段で軸部材４３ａに固定される。軸部材４３ａは、他方の端部としての、外部から駆動入力するための駆動開口４３ａ１と、一方の端部としての、円筒状の被支持部４３ａ２（図１０参照）と、を備える。

【0054】

一方、現像剤収容容器としての現像枠体５００は、図１０に示すように現像容器２３及び底部材２２が溶着などの接合手段によって一体に接合されて形成される。底部材２２は第３支持部２２ａ及び第１支持部２２ｂを備える。現像容器２３は第３支持部２２ａ及び第１支持部２２ｂとそれぞれ対向するように第４支持部２３ａ及び第２支持部２３ｂを備える。第３支持部２２ａと第１支持部２２ｂの間隔Ｌ２は軸部材４３ａの長手方向の長さＬ１より短く（Ｌ２＜Ｌ１）、第４支持部２３ａと第２支持部２３ｂの間隔Ｌ３も軸部材４３ａの長手方向の長さＬ１よりも短い（Ｌ３＜Ｌ１）。

【0055】

搬送部材４３は現像容器２３及び底部材２２を接合するときに、現像枠体５００内部に組み込まれる。図１０に示すように、軸部材４３の駆動開口４３ａ１近傍は、第３支持部２２ａ及び第４支持部２３ａに挟まれるように支持され、被支持部４３ｂは、第１支持部２２ｂ及び第２支持部２３ｂに挟まれるように支持される。

【0056】

軸部材４３ａの駆動側端部には、現像枠体５００と対向するように駆動開口４３ａ１が設けられている。現像枠体５００には駆動開口４３ａ１と対向するように開口５００ａ（図９参照）が設けられている。搬送ギア９３は現像枠体５００の長手外側から開口５００ａに挿入され、現像枠体５００の内部で駆動開口４３ａ１と係合する。搬送ギア９３と搬送現像ローラギア９０は第１アイドラギア９１及び第２アイドラギア９２によって駆動連結されている。

【0057】

ゆえに、駆動伝達部材８１による現像ローラギア９０の駆動に伴って搬送ギア９３が回転し、搬送ギア９３の回転に伴って搬送部材４３が回転する。一方、搬送ギア９３と現像枠体５００の間には搬送シール部材９４が縮設されている。搬送シール部材９４はウレタンフォームのようなクッション性や密着性に富んだ材質が選択される。搬送シール部材９４は搬送ギア９３及び現像枠体５００に密着するため、現像枠体５００内部のトナーが開口５００ａを通じて外部へ漏れ出すことを防ぐ。

【0058】

図１（ａ）に示すように、軸部材４３ａの非駆動側端部には円筒状の被支持部４３ａ２が備えられる。凸形状部としての第１支持部２２ｂは、底部材２２から突出した形状を有し、第１側面２２ｂ１及び第１当接面２２ｂ２を備える。凹形状部としての第２支持部２３ｂは、現像容器２３の非駆動側側面２３ｃの一部が突出あるいは陥没することによって形成されるＵ字の形状を有し、第２側面２３ｂ１及び第２当接面２３ｂ２を備える。第１支持部２２ｂは、第２支持部２３ｂに挿入されたような配置とされ、被支持部４３ａ２は、凸形状部の先端面としての第１当接面２２ｂ２と、凹形状部の底面としての第２当接面２３ｂ２とに挟まれるように配置される。本発明の支持部としての、第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は、それぞれ被支持部４３ａ２よりも大きい半径を持つ円弧形状であり、互いに対向することで、本発明の回転軸線方向に凹んだ収容空間としての、穴状の支持部５００ｂを形成する。

【0059】

被支持部４３ａ２を含む軸部材４３ａは現像枠体５００に対して所定の隙間Ｇ１をもって支持されるため、回転軸線周りに回転可能かつ、回転軸線と直交する方向に移動可能に支持される。すなわち、搬送部材４３の被支持部４３ａ２は、トナーＴで満たされたトナー室２９内部において、支持部５００ｂ（第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２）と摺動している。また、被支持部４３ａ２は、収容空間としての支持部５００ｂ内（収容空間内）において、回転軸線と直交する方向の移動が所定の範囲で許容されるように、支持部５００ｂ内に収容、支持されている。

【0060】

第１側面（第１の溝形成面）２２ｂ１と第２側面（第２の溝形成面）２３ｂ１は、一対の対向面として、互いに所定の隙間Ｇ２をもって対向し、第１の溝部（現像剤逃し溝）としての排出路５００ｃを形成する。排出路５００ｃは、支持部５００ｂに連通している。排出路５００ｃが支持部５００ｂと接続される位置において、排出路５００ｃの幅Ｇ１は、トナーＴが通過可能な大きさであり、かつ軸部材４３ａの回転軸線に直交する方向における被支持部４３ａ２の大きさよりも小さい。より具体的には、排出路５００ｃの幅Ｇ１は、被支持部４３ａ２の直径よりも小さい。その結果、被支持部４３ａ２が排出路５００ｃに入り込むことはない。排出路５００ｃは、支持部５００ｂから軸部材４３ａの回転軸線と直交する方向に延びる。排出路５００ｃは、支持部５００ｂから離れるにつれて、重力方向で下方に向かうように延びている。第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は、いずれも排出路５００ｃに接続されている。第１当接面２２ｂ２は、第１側面２２ｂ１に連なり、排出路５００ｃに近づくにつれて、重力方向（鉛直方向）で下方に向かうように延びている。第２当接面２３ｂ２は、第２側面２３ｂ１に連なり、排出路５００ｃに近づくにつれて、重力方向で下方に向かうように延びている。第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は、排出路５００ｃに向かうにつれて重力方向下方へ向かう形状となっている。すなわち、本発明の収容空間を形成する第１当接面２２ｂ２、第２当接面２３ｂ２のうち第１側面２２ｂ１、第２側面２３ｂ１と連なる領域が、排出路５００ｃに近づくにしたがって被支持部４３ａ２から離れる方向に延びている。本実施例においては、支持部５００ｂの中心（第１当接面２２ｂ２と第２当接面２３ｂ２で形成される仮想円の中心）を通る水平線よりも重力方向で下方の位置において、排出路５００ｃは支持部５００ｂに接続されている。また、第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は、支持部５００ｂの中心を通る水平線よりも重力方向で下方に位置する部分が、排出路５００ｃに近づくにつれて、重力方向で下方へ向かうように延びている。

【0061】

図１（ｂ）に示すように、第１支持部２２ｂの内部は中空形状（第１当接面２２ｂ２の裏側に中空の肉抜き部を有する形状）となっており、重力方向上方に中空部上面２２ｂ３を備える。中空部上面２２ｂ３は支持部５００ｂから離れるにつれて重力方向上方へ向かう面となっている。ゆえに、支持部５００ｂと被支持部４３ａ２の摺動により発生する摩擦熱が滞留しにくくなるため、過度な発熱を抑制できる。

【0062】

＜搬送部材の動作＞
図１２を用いて搬送部材４３の動作とトナーＴへの作用について説明する。図１２（ａ）、（ｃ）、（ｅ）は現像枠体５００の長手中央部を長手方向駆動側から見た断面図である。図１２（ｂ）、（ｄ）、（ｆ）は長手方向非駆動側端部を長手方向駆動側から見た部分断面図である。図１２（ａ）及び図１２（ｂ）はシート部材４３ｂの先端４３ｂ１が下方に位置するときを示す。図１２（ｃ）及び図（ｄ）はシート部材４３ｂが略水平となるときを示す。図１２（ｅ）及び図１２（ｆ）は先端４３ｂ１が上方に位置するときを示す。説明のため、図１２（ｂ）、（ｄ）、（ｆ）では被支持部４３ａ２の直径を実際の直径よりも小さく記載している。また、断面方向において軸部材４３ａの回転軸線とシート部材４３ｂの先端４３ｂ１によって定義される搬送部材４３の回転半径を単に回転半径５０１と呼ぶ。

【0063】

現像枠体５００の内壁の少なくとも一部（内壁面の少なくとも一部の領域）は、断面方向における回転軸線からの距離が回転半径５０１よりも小さくなっている。特に回転軸線より重力方向下方に位置する面を第１の摺擦面（第１の接触面）５００ｄと定義し、同上方に位置する面を第２の摺擦面（第２の接触面）５００ｅと定義する。前述の通り、搬送部材４３は駆動伝達部材８１から駆動を受けて回転する。軸部材４３ａの回転に伴ってシート部材４３ｂは現像枠体５００の内壁と当接、離間を繰り返す。

【0064】

軸部材４３ａの回転軸線に直交する方向について、支持部５００ｂは被支持部４３ａ２よりも大きく、被支持部４３ａ２は、支持部５００ｂの内部で移動することができる。具体的には、支持部５００ｂは、支持部５００ｂの内部において、搬送路５００ｃから離れる方向への被支持部４３ａ２の移動と、搬送路５００ｃに近づく方向への被支持部４３ａ２の移動が許容されるように、被支持部４３ａ２を支持する。図１２（ａ）に示すように、初めにシート部材４３ｂは第１の摺擦面５００ｄと当接しながら滑るように移動し、トナー室２９内のトナーＴをトナー供給室２８へと搬送する。この時、シート部材４３ｂは第１の摺擦面５００ｄとの接触による反力を受けるため、搬送部材４３全体が上方へ付勢される。したがって、図１２（ｂ）に示すように、被支持部４３ａ２は支持部５００ｂの上方へ突き当たり、トナーＴが支持部５００ｂの下部に侵入する。前述の通り、支持部５００ｂを構成する第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は排出路５００ｃに向かうにつれて重力方向下方へ向かう形状となっている。そのため、トナーＴは自重によって第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２に沿って排出路５００ｃへと移動する。これにより、支持部５００ｂでのトナーＴの滞留を抑制することが可能となる。

【0065】

搬送部材４３が更に回転すると、図１２（ｃ）に示すようにシート部材４３ｂは現像枠体５００から離れた離間状態となる。すると、シート部材４３ｂが第１の摺擦面５００ｄから受けていた反力がなくなるため、搬送部材４３は自重によって図１２（ｄ）に示す矢印５０２の方向へ移動する。この結果、支持部５００ｂに侵入していたトナーＴは被支持部４３ａ２によって搬送路５００ｃへ送り込まれるため、支持部５００ｂでのトナーＴの滞留をより抑制することが可能となる。

【0066】

軸部材４３ａの回転軸線から第２の摺擦面５００ｅの距離は回転半径５０１よりも小さいため図１２（ｅ）に示すように、シート部材４３ｂは第２の摺擦面５００ｅにも当接可能である。この時、シート部材４３ｂは第２の摺擦面５００ｅとの接触による力を受けるため、搬送部材４３全体が下方へ付勢され、図１２（ｆ）に示すように被支持部４３ａ２は支持部５００ｂの下方へ突き当たる。この結果、搬送部材４３の自重が軽く自重のみでは十分にトナーＴを搬送路５００ｃへ送り込めない場合であっても、より大きな力で搬送路５００ｃへ送り込むことが可能となり、支持部でのトナーＴの滞留を更に抑制することが可能となる。

【0067】

以上述べたように、支持部５００ｂの下方に排出路５００ｃを設け、被支持部４３ａ２が軸部材４３ａの回転軸線と直交する方向に移動可能であり、第１の摺擦面５００ｄ及び第２の摺擦面５００ｅによって被支持部４３ａ２の動きを制御する構成を提案した。これにより、支持部５００ｂでのトナーの入れ替わりを促進することが可能となり、特定のトナーが繰り返し押しつぶされたり、熱による損傷を受けたりすることを抑制することが可能となる。

【0068】

＜その他の実施例＞
被支持部４３ａ２は必ずしも円筒形状である必要はなく、また第１当接面２２ｂ２及び第２当接面２３ｂ２は必ずしも円弧形状である必要はない。例えば、被支持部４３ａ２が四角柱である場合や、第１当接面２２ｂ２が平面である場合でも、軸部材４３ａは回転可能かつ断面方向に移動可能であるため同様の効果が得られる。

【符号の説明】

【0069】

２２…底部材、２２ａ…第３支持部、２２ｂ…第１支持部、２２ｂ１…第１側面、２２ｂ２…第１当接面、２３…現像容器、２３ａ…第４支持部、２３ｂ…第２支持部、２３ｂ１…第２側面、２３ｂ２…第２当接面、２３ｂ３…中空部上面、２３ｃ…非駆動側側面、２６…軸受部材、２６ａ…現像第１支持ボス、２７…軸受部材、２７ａ…現像第２支持ボス、２８…トナー供給室、２９…トナー室、４３…搬送部材、４３ａ…軸部材、４３ａ１
…駆動開口、４３ａ２…被支持部、４３ｂ…シート部材、４３ｂ１…先端、５００…現像枠体、５００ａ…開口、５００ｂ…支持部、５００ｃ…排出路、５００ｄ…第１の摺擦面、５００ｅ…第２の摺擦面、Ｔ…トナー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】