(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240805BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240805BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03G21/00 386
G03G21/14
B41J29/46 Z
(21)【出願番号】P 2020123116
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】原田 真伍
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕基
(72)【発明者】
【氏名】鷹羽 亮
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-027159(JP,A)
【文献】特開2011-148106(JP,A)
【文献】特開2010-280097(JP,A)
【文献】特開2012-157992(JP,A)
【文献】特開2001-328328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/14
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する画像形成装置であって、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第1の排紙搬送手段と、
前記第1の排紙搬送手段よりもシートの搬送方向における下流に配置され、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第2の排紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第1の排紙部と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第2の排紙部と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備え、
前記第2の排紙部は、閉じた位置と開いた位置とに切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段と前記第2の排紙搬送手段によって排紙搬送路を搬送されて前記第1の排紙部へ排紙され、前記第2の排紙部が前記開いた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段によって搬送された後に前記第2の排紙搬送手段には搬送されず前記第2の排紙部へ排紙され、
前記ジョブの実行中に前記排紙搬送路において排紙搬送不良が発生した場合、前記メッセージ出力手段は前記排紙搬送不良となった第1のシートを取り除くことを促す第1のメッセージを出力し、
前記第1のシートが取り除かれ前記第2の排紙部が閉じた位置となった後から前記ジョブが完了するまでにおいて、前記画像形成手段により前記第1のシートに形成されていた画像が第2のシートに形成し直される前に、前記メッセージ出力手段は前記第2の排紙部を開いた位置に切り替えることを促す第2のメッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の排紙部が前記開いた位置に切り替わらないようにロックするロック手段、を備え、
前記メッセージ出力手段により前記第2のメッセージが出力された後、前記ロック手段が前記第2の排紙部のロックを解除することにより、前記第2の排紙部は前記開いた位置に切り替わることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メッセージ出力手段により前記第2のメッセージが出力された後に、前記第2の排紙部の開閉状態に関わらず、画像形成手段により前記第1のシートに形成されていた画像が第2のシートに形成し直される前に、シートへの画像形成を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第1の給紙部と、
前記第1の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送する第1の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第2の給紙部と、
前記第2の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送する第2の給紙搬送手段と、
前記第1の給紙搬送手段によって搬送されたシート、又は前記第2の給紙搬送手段によって搬送されたシートを前記画像形成手段へ搬送する第3の給紙搬送手段と、を有し、
前記第1の給紙搬送手段から前記第3の給紙搬送手段へシートが搬送される給紙搬送路において給紙搬送不良が発生した場合、前記メッセージ出力手段は前記給紙搬送不良となった第3のシートを取り除くことを促す第3のメッセージを出力し、
前記第3のシートが取り除かれた後から前記ジョブが完了するまでにおいて、前記第1の給紙部から第4のシートが給紙される前に、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えることを促す第4のメッセージを出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メッセージ出力手段により前記第4のメッセージが出力された後に、前記第1の給紙部、又は前記第2の給紙部から前記画像形成手段へのシートの給紙を開始させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記第2の排紙搬送手段は、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記第1の排紙部へ搬送するために第1の回転方向へ回転する状態と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向へ回転する状態とを切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙搬送手段が前記第1の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙部に排紙される第1の搬送方向に搬送され、前記第2の排紙搬送手段が前記第2の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の搬送方向から反転して第2の搬送方向に搬送され、
前記第2の排紙搬送手段によって前記第2の搬送方向へ搬送されたシートは両面搬送路を搬送されて前記第3の給紙搬送手段へ搬送され、
前記両面搬送路において両面搬送不良が発生した場合、前記メッセージ出力手段は前記排紙搬送不良となった第5のシートを取り除くことを促す第5のメッセージを出力し、
前記第5のシートが取り除かれ前記第2の排紙部が閉じた位置となった後から前記ジョブが完了するまでにおいて、前記画像形成手段により前記第5のシートに形成されていた画像が第6のシートに形成し直される前に、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えさせることと、前記第2の排紙部を前記開いた位置に切り替えることと、を促す第6のメッセージを出力することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記メッセージ出力手段により前記第6のメッセージが出力された後に、前記第1の給紙部、又は前記第2の給紙部から前記画像形成手段へのシートの給紙を開始させ、前記第2の排紙部の開閉状態に関わらず、前記画像形成手段により前記第5のシートに形成されていた画像が第6のシートに形成し直される前に、シートの排紙を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する画像形成装置であって、
前記印刷命令を受信する受信手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第1の排紙搬送手段と、
前記第1の排紙搬送手段よりもシートの搬送方向における下流に配置され、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第2の排紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第1の排紙部と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第2の排紙部と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、記憶手段と、を備え、
前記第2の排紙部は、閉じた位置と開いた位置とに切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段と前記第2の排紙搬送手段によって排紙搬送路を搬送されて前記第1の排紙部へ排紙され、前記第2の排紙部が前記開いた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段によって搬送された後に前記第2の排紙搬送手段には搬送されず前記第2の排紙部へ排紙され、
第1の印刷命令に応じた第1のジョブが完了する前に前記排紙搬送路において排紙搬送不良が発生した場合、前記排紙搬送不良が発生したことに関する情報が前記記憶手段に記憶され、
前記第1のジョブが完了した後に第2の印刷命令に応じた第2のジョブを実行する場合、前記受信手段が前記第2の印刷命令を受信してから、前記画像形成手段により前記第2のジョブにおける最後の画像がシートに形成される前に、前記記憶手段に記憶されている前記排紙搬送不良が発生したことに関する情報に応じて、前記メッセージ出力手段は前記第2の排紙部を開いた位置に切り替えることを促すメッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記第2の排紙部が前記開いた位置に切り替わらないようにロックするロック手段、を備え、
前記メッセージ出力手段により前記メッセージが出力された後、前記ロック手段が前記第2の排紙部のロックを解除することにより、前記第2の排紙部は前記開いた位置に切り替わることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記メッセージ出力手段により前記メッセージが出力された後に、前記第2の排紙部の開閉状態に関わらず、前記画像形成手段により前記第2のジョブにおける画像を形成することを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記記憶手段に前記排紙搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されている状態において、前記排紙搬送不良が所定回数連続して発生しなかった場合、前記記憶手段は、前記排紙搬送不良が発生したことに関する情報を削除することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第1の給紙部と、
前記第1の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送する第1の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第2の給紙部と、
前記第2の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送する第2の給紙搬送手段と、
前記第1の給紙搬送手段によって搬送されたシート、又は前記第2の給紙搬送手段によって搬送されたシートを前記画像形成手段へ搬送する第3の給紙搬送手段と、を有し、
第3の印刷命令に応じた第3のジョブが完了する前に、前記第1の給紙搬送手段から前記第3の給紙搬送手段へシートが搬送される給紙搬送路において給紙搬送不良が発生した場合、前記給紙搬送不良が発生したことに関する情報が前記記憶手段に記憶され、
前記第3のジョブが完了した後に第4の印刷命令に応じた第4のジョブを実行する場合、前記受信手段が前記第4の印刷命令を受信してから、前記第4のジョブにおける最後の画像が形成されるシートが給紙される前に、前記記憶手段に記憶されている前記給紙搬送不良が発生したことに関する情報に応じて、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えることを促すメッセージを出力することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記メッセージ出力手段により前記メッセージが出力された後に、前記第1の給紙部、又は前記第2の給紙部から前記画像形成手段へのシートの給紙を開始させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記記憶手段に前記給紙搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されている状態において、前記給紙搬送不良が所定回数連続して発生しなかった場合、前記記憶手段は、前記給紙搬送不良が発生したことに関する情報を削除することを特徴とする請求項12または13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記第2の排紙搬送手段は、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記第1の排紙部へ搬送するために第1の回転方向へ回転する状態と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向へ回転する状態とを切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙搬送手段が前記第1の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙部に排紙される第1の搬送方向に搬送され、前記第2の排紙搬送手段が前記第2の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の搬送方向から反転して第2の搬送方向に搬送され、
前記第2の排紙搬送手段によって前記第2の搬送方向へ搬送されたシートは両面搬送路を搬送されて前記第3の給紙搬送手段へ搬送され、
第5の印刷命令に応じた第5のジョブが完了する前に前記両面搬送路において両面搬送不良が発生した場合、前記両面搬送不良が発生したことに関する情報が前記記憶手段に記憶され、
前記第5のジョブが完了した後に第6の印刷命令に応じた第6のジョブを実行する場合、前記受信手段が前記第6の印刷命令を受信してから、前記第6のジョブにおける最後の画像が形成されるシートが給紙される前に、前記記憶手段に記憶されている前記両面搬送不良が発生したことに関する情報に応じて、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えることと、前記第2の排紙部を前記開いた位置に切り替えることと、を促すメッセージを出力することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記メッセージ出力手段により前記シートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えることと、前記第2の排紙部を前記開いた位置に切り替えることと、を促すメッセージが出力された後に、前記第1の給紙部、又は前記第2の給紙部から前記画像形成手段へのシートの給紙を開始させ、前記第2の排紙部の開閉状態に関わらず、前記画像形成手段により前記第6のジョブにおける画像を形成することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記記憶手段に前記両面搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されている状態において、前記両面搬送不良が所定回数連続して発生しなかった場合、前記記憶手段は、前記両面搬送不良が発生したことに関する情報を削除することを特徴とする請求項15又は16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成手段と前記第1の排紙搬送手段の間の搬送路に配置され、シートを検知していることに応じて第1の信号を出力し、シートを検知してないことに応じて第2の信号を出力する第1の紙有無センサ、を備え、
前記第1の紙有無センサにより出力された前記第1の信号を受信した時を起点として所定時間が経過した時に、前記第1の紙有無センサにより出力された前記第1の信号を受信した場合、前記排紙搬送不良が発生したと検知することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記第3の給紙搬送手段と前記画像形成手段の間の搬送路に配置され、シートを検知していることに応じて第5の信号を出力し、シートを検知していないことに応じて第6の信号を出力する第3の紙有無センサ、を備え、
前記第2の排紙搬送手段が前記第2の回転方向へ回転し始めた時を起点として、所定時間が経過した時に、前記第3の紙有無センサにより出力された前記第
6の信号を受信した場合、前記両面搬送不良が発生したと検知することを特徴とする請求項6、7、15、16、17のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する画像形成装置であって、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第1の給紙部と、
前記第1の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送を開始する第1の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第2の給紙部と、
前記第2の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送を開始する第2の給紙搬送手段と、
前記第1の給紙搬送手段によって搬送されたシート、又は前記第2の給紙搬送手段によって搬送されたシートを前記画像形成手段へ搬送する第3の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第1の排紙搬送手段と、
前記第1の排紙搬送手段よりもシートの搬送方向における下流に配置され、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第2の排紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第1の排紙部と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第2の排紙部と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備え、
前記第2の排紙部は、閉じた位置と開いた位置とに切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段と前記第2の排紙搬送手段によって排紙搬送路を搬送されて前記第1の排紙部へ排紙され、前記第2の排紙部が前記開いた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段によって搬送された後に前記第2の排紙搬送手段には搬送されず前記第2の排紙部へ排紙され、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記第2の排紙搬送手段は、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記第1の排紙部へ搬送するために第1の回転方向へ回転する状態と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向へ回転する状態とを切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙搬送手段が前記第1の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙部に排紙される第1の搬送方向に搬送され、前記第2の排紙搬送手段が前記第2の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の搬送方向から反転して第2の搬送方向に搬送され、
前記第2の排紙搬送手段によって前記第2の搬送方向へ搬送されたシートは両面搬送路を搬送されて前記第3の給紙搬送手段へ搬送され、
前記両面搬送路において両面搬送不良が発生した場合、前記メッセージ出力手段は前記両面搬送不良となった第1のシートを取り除くことを促す第1のメッセージを出力し、
前記第1のシートが取り除かれ前記第2の排紙部が閉じた位置となった後から前記ジョブが完了するまでにおいて、前記画像形成手段により前記第1のシートに形成されていた画像が第2のシートに形成し直される前に、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えさせることと、前記第2の排紙部を前記開いた位置に切り替えることと、を促す第2のメッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する画像形成装置であって、
前記印刷命令を受信する受信手段と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第1の給紙部と、
前記第1の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送を開始する第1の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段へ給紙されるシートが積載される第2の給紙部と、
前記第2の給紙部に積載されるシートを前記画像形成手段へ給紙するために搬送を開始する第2の給紙搬送手段と、
前記第1の給紙搬送手段によって搬送されたシート、又は前記第2の給紙搬送手段によって搬送されたシートを前記画像形成手段へ搬送する第3の給紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第1の排紙搬送手段と、
前記第1の排紙搬送手段よりもシートの搬送方向における下流に配置され、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第2の排紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第1の排紙部と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第2の排紙部と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、
記憶手段と、を備え、
前記第2の排紙部は、閉じた位置と開いた位置とに切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段と前記第2の排紙搬送手段によって排紙搬送路を搬送されて前記第1の排紙部へ排紙され、前記第2の排紙部が前記開いた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段によって搬送された後に前記第2の排紙搬送手段には搬送されず前記第2の排紙部へ排紙され、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記第2の排紙搬送手段は、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記第1の排紙部へ搬送するために第1の回転方向へ回転する状態と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを前記画像形成手段へ再び搬送するために前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向へ回転する状態とを切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙搬送手段が前記第1の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙部に排紙される第1の搬送方向に搬送され、前記第2の排紙搬送手段が前記第2の回転方向へ回転することで、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の搬送方向から反転して第2の搬送方向に搬送され、
前記第2の排紙搬送手段によって前記第2の搬送方向へ搬送されたシートは両面搬送路を搬送されて前記第3の給紙搬送手段へ搬送され、
第1の印刷命令に応じた第1のジョブが完了する前に前記両面搬送路において両面搬送不良が発生した場合、前記両面搬送不良が発生したことに関する情報が前記記憶手段に記憶され、
前記第1のジョブが完了した後に第2の印刷命令に応じた第2のジョブを実行する場合、前記受信手段が前記第2の印刷命令を受信してから、前記第2のジョブにおける最後の画像が形成されるシートが給紙される前に、前記記憶手段に記憶されている前記両面搬送不良が発生したことに関する情報に応じて、前記メッセージ出力手段はシートの給紙部を前記第1の給紙部から前記第2の給紙部に切り替えることと、前記第2の排紙部を前記開いた位置に切り替えることと、を促すメッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザービームプリンタ等の画像を形成する画像形成装置において、複数の搬送路を有し、複数の搬送路の中から1つを用いてシートを搬送する構成が記載されている。
【0003】
例えば、シートの上面に画像が形成される場合、画像が形成された後にシートの表裏が裏返される搬送路を通ることで、シートの画像が形成された面が下向きになるように排紙される排紙部である排紙トレイがある。この排紙トレイは、画像が形成された面をフェイスと表現すると、フェイスが下向きに排紙されるためフェイスダウン(以下、FDとも称する)トレイといわれる。一方、シートの上面に画像が形成される場合、画像が形成された後にシートの表裏が裏返されない搬送路を通ることで、シートの画像が形成された面が上向きになるように排紙される排紙部である排紙トレイがある。この排紙トレイは、フェイスが上向きのまま排紙されるためフェイスアップ(以下、FUとも称する)トレイといわれる。FUトレイは開閉可能な構成とされることがある。また、この構成において、FUトレイが閉じた状態ではFDトレイへシートを案内する案内部となり、開いた状態ではFDトレイへシートを案内せずにシートを積載できる排紙トレイとなる。ユーザは、用途に応じてシートの排紙部を切り替えることができる。
【0004】
また、例えば、積載されているシートの上面を下向きにして画像形成手段へ搬送する給紙搬送路を用いてシートを給紙する給紙手段である給紙カセットがある。一方、手差しでシートを積載することが可能であり、積載されているシートの上面が上向きのまま画像形成手段へ搬送する給紙搬送路を用いてシートを給紙する給紙手段であるMulti Purposeトレイ(以下、MPトレイとも称する)がある。ユーザは、用途に応じてシートの給紙部を切り替えることができる。
【0005】
さらに、例えば両面印刷を実行する場合、第1面に画像が形成されたシートをFDトレイへ搬送し排紙する前に搬送方向を切り替えて、再度画像形成手段にシートを搬送する両面搬送路を用いる両面印刷方法がある。一方、MPトレイからシートを給紙し、第1面に画像が形成されFUトレイへ排紙されたシートをユーザによりMPトレイへ積載させ、第2面に画像を形成させることにより両面搬送路を用いずに両面印刷を実行する両面印刷方法がある。ユーザは用途に応じて両面方法を切り替えることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複数の搬送路の中から1つを用いてシートを搬送する画像形成装置では、用いる搬送路によって搬送不良が発生する可能性が相対的に異なる場合がある。また、搬送不良が発生してしまうと、ユーザに搬送不良を発生させたシートの処理を行わせることとなり、ユーザビリティの低下につながる虞があった。
【0008】
このような状況において、搬送不良の発生を抑制するために、搬送路を切り替えることを促すためのメッセージを報知することが望まれる。
【0009】
本出願に係る発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものである。搬送不良の発生状況に応じて、搬送路を切り替えることを促すためのメッセージを出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0011】
印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する画像形成装置であって、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第1の排紙搬送手段と、
前記第1の排紙搬送手段よりもシートの搬送方向における下流に配置され、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを搬送する第2の排紙搬送手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第1の排紙部と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートが排紙される第2の排紙部と、
メッセージを出力するメッセージ出力手段と、を備え、
前記第2の排紙部は、閉じた位置と開いた位置とに切り替えることが可能であり、
前記第2の排紙部が前記閉じた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段と前記第2の排紙搬送手段によって排紙搬送路を搬送されて前記第1の排紙部へ排紙され、前記第2の排紙部が前記開いた位置にある場合、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートは、前記第1の排紙搬送手段によって搬送された後に前記第2の排紙搬送手段には搬送されず前記第2の排紙部へ排紙され、
前記ジョブの実行中に前記排紙搬送路において排紙搬送不良が発生した場合、前記メッセージ出力手段は前記排紙搬送不良となった第1のシートを取り除くことを促す第1のメッセージを出力し、
前記第1のシートが取り除かれ前記第2の排紙部が閉じた位置となった後から前記ジョブが完了するまでにおいて、前記画像形成手段により前記第1のシートに形成されていた画像が第2のシートに形成し直される前に、前記メッセージ出力手段は前記第2の排紙部を開いた位置に切り替えることを促す第2のメッセージを出力することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、搬送不良の発生状況に応じて、搬送路を切り替えることを促すためのメッセージを出力することにより搬送不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】(a)給紙カセット100およびMPトレイ140からの搬送路の曲率半径の一例を示した図(b)FUトレイ116および排紙トレイ115までの搬送路の曲率半径の一例を示した図
【
図3A】第1の実施形態におけるプリンタ制御システム全体の制御ブロック図
【
図3B】第1の実施形態におけるシート搬送制御に関わるハードウェアの制御ブロック図
【
図4】(a)~(c)FUトレイ開閉センサ117の説明図(d)REGセンサ106の説明図
【
図5A】(a)~(c)第1の実施形態におけるシートの動きの説明図
【
図5B】(d)~(f)第1の実施形態におけるシートの動きの説明図
【
図5C】(g)~(i)第1の実施形態におけるシートの動きの説明図
【
図5D】(j)~(m)第1の実施形態におけるシートの動きの説明図
【
図6A】排紙搬送不良についての処理のフローチャート
【
図6B】排紙搬送不良についての処理のフローチャート
【
図7A】給紙搬送不良についての処理のフローチャート
【
図7B】給紙搬送不良についての処理のフローチャート
【
図8A】両面搬送不良についての処理のフローチャート
【
図8B】両面搬送不良についての処理のフローチャート
【
図9A】第1の実施形態においてメッセージ出力手段によって出力されるメッセージの説明図
【
図9B】第1の実施形態においてメッセージ出力手段によって出力されるメッセージの説明図
【
図10A】第2の実施形態における画像形成装置の概略図
【
図10B】第2の実施形態におけるシート搬送制御に関わるハードウェアの制御ブロック図
【
図10C】(a)~(d)ロック手段およびFUトレイ116の開閉についての説明図
【
図11】第2の実施形態における処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施例1〕
<画像形成装置の構成>
図1は本実施形態の画像形成装置10の概略構成図である。画像形成装置10は、印刷命令に応じた一連の印刷動作であるジョブを実行する。
【0015】
まず、画像形成プロセスを行う画像形成手段について説明する。
図1において、感光ドラム122は有機感光体やアモルファスシリコン感光体で構成されており、時計まわりに所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム122は、帯電ローラ123によりその周面が所定の極性、電位に一様に帯電される。そして、帯電された感光ドラム122の周面に、光学装置109から出力されたレーザ光がレーザ光反射ミラー108によって反射され、照射されることで、走査露光が行われ、画像情報に対応した静電潜像が形成される。このときのレーザ光は、画像読取装置やコンピュータ等の画像信号発生装置(図示せず)から入力された目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ変換)される。
【0016】
このように目的の画像に対応して感光ドラム122上に形成された静電潜像は、現像器121により帯電ローラ123による帯電と同じ極性に帯電されたトナーが付着されることによって、トナー像として現像される。なお、静電潜像の形成開始はレジストレーションセンサ106(REGセンサ106)でシートの先端を検知したタイミングに応じて行われる。なお、本実施形態において、シートの搬送方向の下流側の端を先端、上流側の端を後端と称する。
【0017】
感光ドラム122に現像されたトナー像は、シートに転写される。このとき、転写ローラ107はシートの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することによって、感光ドラム122からシートにトナー像を転写する。このようにトナー像が転写されたシートは、感光ドラム122から分離されて定着装置130へ搬送される。定着装置130は、ヒータ132とヒータの温度を検知するサーミスタ131と定着スリーブ133と加圧ローラ134から構成される。定着装置130は、ヒータ132による熱と、定着スリーブ133と加圧ローラ134が形成する定着ニップによる加圧によって、シート上のトナー像をシートに定着させる。
【0018】
以上のように、シートに画像を形成する一連の画像形成プロセスに関わる各部材を画像形成手段と称する。
【0019】
<シートの給紙手段について>
次に、シートの給紙手段について説明する。給紙カセット100に積載されたシートが、給紙ローラ102によってピックアップされて、分離ローラ103によって1枚ずつ搬送ローラ104へ搬送される。このとき、給紙カセット100におけるシートの有無は、シート検知センサ101により検知される。また、搬送ローラ104へシートが搬送されたか否かは、給紙後紙有無センサ118により検知される。搬送ローラ104へ給紙されたシートは、搬送ローラ105に搬送される。
【0020】
このとき、給紙カセット100に積載されたシートは、積載された状態における上面を下向きにして搬送ローラ105に搬送され、画像形成手段によって、積載された状態における下面に画像が形成される。このときの給紙搬送路を第1の給紙搬送路とも称する。また、給紙カセット100を第1の給紙部とも称し、給紙ローラ102を第1の給紙搬送手段とも称する。
【0021】
続いて、もう一つのシートの給紙手段として、手差しでシートを給紙するためのMPトレイ140(MultiPurposeトレイ)からシートを給紙する場合について説明する。MPトレイ140は開いた状態の位置と閉じた状態の位置とを切り替え可能な開閉部材である。MPトレイ140が開いた状態の位置では、シートを給紙するための給紙口となり、MPトレイ140が閉じた状態の位置では、シートを給紙するための給紙口とならない。MPトレイ140からシートを給紙する場合は、MPトレイ140を開いた状態の位置に切り替え、シートを積載する。MPトレイ140を第2の給紙部とも称する。
【0022】
MPトレイ140からシートを給紙する場合、MPトレイ140に積載されたシートが、MP給紙ローラ142によってピックアップされて、MP分離ローラ143によって1枚ずつ搬送ローラ105へ搬送される。
【0023】
なお、MPトレイ140へのシートの積載の有無は、MP紙有無センサ141により検知される。MPトレイ140に積載されたシートは、積載された状態における上面を上向きにして搬送ローラ105に搬送され、画像形成手段によって、積載された状態における上面に画像が形成される。MPトレイ140からシートを給紙する時の給紙搬送路を、第2の給紙搬送路とも称する。また、MPトレイ140を第2の給紙部とも称し、MP給紙ローラ142を第2の給紙搬送手段とも称する。さらに、第1の給紙搬送路と第2の給紙搬送路が合流する搬送路に配置され、画像形成手段へシートを搬送する搬送ローラ105を第3の給紙搬送手段とも称する。
【0024】
オプション給紙トレイ200、300からシートを給紙する場合も同様に、オプション給紙ローラ202、302が、シートをピックアップして、オプション分離ローラ203、303によって1枚ずつオプション搬送ローラ204、304へ搬送される。このとき、給紙カセット100やMPトレイ140と同様に、オプション給紙トレイ200、300へのシートの積載の有無は、それぞれシート検知センサ201、301により検知される。また、搬送ローラ204、304へシートが搬送されたか否かは、給紙後紙有無センサ218、318により検知される。オプション搬送ローラ204、304へ搬送されたシートは、搬送ローラ105へ搬送される。
【0025】
以上のように、画像形成手段へのシートの給紙に関わる各部材を給紙手段と称する。
【0026】
<第1の給紙搬送路および第2の給紙搬送路の曲率半径>
第1の給紙搬送路および第2の給紙搬送路は、曲率半径が異なる。それぞれの給紙搬送路の曲率半径について、
図2(a)の画像形成装置の断面概略図と具体的な数値の例を用いて説明する。
図2(a)では、MPトレイ140が開いた状態であることを示している。シートが給紙カセット100から給紙される場合は、シートが分離ローラ103を通った後に搬送ローラ104を通る搬送路を搬送される。この搬送路の曲率半径は例えばR80(80mm)である。一方、シートがMPトレイ140から給紙される場合は、シートがMP分離ローラ143を通った後に搬送ローラ105を通る搬送路を搬送される。この搬送路の曲率半径は例えばR800(800mm)である。ここでは、曲率半径の数値の一例を用いて給紙カセット100からの搬送路とMPトレイ140からの搬送路を比較した。給紙カセット100から給紙される場合のシートの搬送路の曲率半径の最小値は、MPトレイ140から給紙される場合のシートの搬送路の曲率半径の最小値よりも小さいものとする。
【0027】
このため、例えば厚紙や封筒などの、紙のコシが強いシートを給紙カセット100から給紙する場合、曲率半径の小さい搬送路を通るため、搬送抵抗が大きく搬送不良や紙詰まりを起こしてしまう可能性がある。そこで、MPトレイ140から給紙することにより、シートが曲率半径の小さな搬送路を搬送されなくなるため、搬送不良や紙詰まりを起こしてしまうことを抑制することができる。
【0028】
<シートの排紙部について>
続いて、シートの排紙部について説明する。
【0029】
画像形成装置10は、フェイスダウン排紙(以下、FD排紙とも称する)される排紙トレイ115と、フェイスアップ排紙(以下、FU排紙とも称する)されるFUトレイ116を有する。排紙トレイ115までの排紙搬送路とFUトレイ116までの排紙搬送路は、それぞれ異なる。
【0030】
排紙トレイ115までの排紙搬送路は、シートがFUローラ111aおよびFUローラ111bによって搬送されてからFDローラ112を経て排紙トレイ115へ排紙されるまでの搬送経路である。排紙トレイ115までの排紙搬送路は、排紙搬送路とも称する。シートの上面に画像が形成されたシートは、排紙搬送路を搬送されると、排紙トレイ115において、画像が形成された面が下向き(フェイスダウン)(FD)に積載される。FDトレイ排紙センサ125は、排紙トレイ115へシートが排紙されたことを検知する。FDトレイ排紙センサ125については、後述する。なお、排紙トレイ115は、第1の排紙部とも称する。また、FUローラ111aおよびFUローラ111bを第1の排紙搬送手段、FDローラ112を第2の排紙搬送手段とも称する。
【0031】
FUトレイ116は開いた位置と閉じた位置とに切り替えることが可能な開閉部材である。FUトレイ116が閉じた位置にある場合、画像形成手段によって画像が形成されたシートがFUローラ111aおよびFUローラ111bとFDローラ112によって搬送される排紙搬送路を搬送されて排紙トレイ115へ排紙される。つまり、シートを排紙トレイ115へ案内する案内部となる。FUトレイ116が開いた位置にある場合、画像形成手段によって画像が形成されたシートがFUローラ111aおよびFUローラ111bによって搬送された後にFDローラ112には搬送されずFUトレイ116へ排紙される。つまり、排紙トレイ115へシートを案内する案内部とならずにシートを積載できる排紙トレイとなる。
【0032】
FUトレイ116までの排紙搬送路は、シートがFUローラ111aおよびFUローラ111bによって搬送されてからFUトレイ116に排紙されるまでの搬送経路である。FUトレイ116までの排紙搬送路は、第2の排紙搬送路とも称する。シートの上面に画像が形成されたシートは、第2の排紙搬送路を搬送されると、FUトレイ116において、画像が形成された面が上向き(フェイスアップ)(FU)に積載される。なお、FUトレイ116は、第2の排紙部とも称する。
【0033】
FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ116が閉じた位置にある場合第1の信号を出力し、FUトレイ116が開いた位置にある場合第2の信号を出力する。FUトレイ開閉センサ117は、開閉信号出力手段とも称する。FUトレイ開閉センサ117により出力された第1の信号または第2の信号に応じて、CPU601がFUトレイ116の開閉状態を検知する。FUトレイ開閉センサ117の詳細な機能は後述する。
【0034】
<排紙搬送路および第2の排紙搬送路の曲率半径>
排紙搬送路および第2の排紙搬送路は、曲率半径が異なる。それぞれの排紙搬送路の曲率半径について、
図2(b)の画像形成装置の断面概略図と具体的な数値の例を用いて説明する。
図2(b)では、FUトレイ116が開いた状態であることを点線で示している。FUトレイ116が閉じた状態である場合は、
図2(b)に実線で示しているように、シートはFUローラ111aおよびFUローラ111bによって搬送されてからFDローラ112を通る搬送路を搬送され、排紙トレイ115に排紙される。この搬送路の曲率半径は例えばR75(75mm)である。一方、FUトレイ116が開いた状態である場合は、シートはFUローラ111を通った後、
図2に点線で示しているような搬送路を搬送され、FUトレイ116に排紙される。この搬送路の曲率半径は例えばR400(400mm)である。ここでは、曲率半径の数値の一例を用いて排紙トレイ115への搬送路とFUトレイ116への搬送路を比較した。FUトレイ116が閉じた状態で形成されるシートの搬送路の曲率半径の最小値は、FUトレイ116が開いた状態で形成されるシートの搬送路の曲率半径の最小値よりも小さいものとする。
【0035】
このため、例えば厚紙や封筒などの、紙のコシが強いシートをFD排紙する場合、ヒータ132から受けた熱がシートに残った状態で曲率半径の小さい搬送路を通るため、シートにカールがついてしまう可能性がある。また、搬送路の曲率半径が小さいと搬送抵抗が大きく搬送不良を起こしてしまう可能性がある。そこで、FUトレイ116を開いた状態に切り替えることにより、シートが曲率半径の小さな搬送路を搬送されなくなるため、シートが搬送不良を起こしてしまうことを抑制することができる。
【0036】
<両面印刷について>
続いて、本実施形態において両面印刷を行う場合について説明する。画像形成装置10は、シートの両面に画像を形成する印刷動作を実行する場合、自動両面印刷モードと手動両面印刷モードを備えている。自動両面印刷モードを第1の両面印刷方法、手動両面印刷モードを第2の両面印刷方法とも称する。
【0037】
<自動両面印刷モード>
自動両面印刷モードで両面印刷を行う場合、FUトレイ116が閉じた状態で、片面のみに画像が形成されたシートの後端が定着後紙有無センサ110を通過してから所定時間後に、CPU601がステッピングモータ623の回転を逆回転させる。所定時間とは、CPU601が、シートの搬送速度と、定着後紙有無センサ110からFDローラ112までの距離によって算出する時間である。なお、CPU601は、FDトレイ排紙センサ125がシートの先端を検知した時を起点として、シートの搬送速度とシートの長さによって算出される時間が経過してから、ステッピングモータ623が逆回転を開始しても良い。
【0038】
ステッピングモータ623の回転が逆になると、FDローラ112の回転も逆になる。FDローラ112の回転が逆になると、
図5D(j)に示すようにシートの搬送方向も逆になる。搬送方向が逆になったシートは、FDローラ112からFUローラ111bおよびFUローラ111cへ搬送される。搬送方向が逆になったシートは、
図5D(k)に示すようにFUローラ111bおよびFUローラ111cへ搬送されると、両面搬送路L1へ搬送される。本実施形態では、FUローラ111bは第1の排紙搬送手段の機能も兼ねているが、第1の排紙搬送手段は、FUローラ111bとは別の部材であっても良く、別々に駆動が制御されても良い。
【0039】
なお、
図5A(b)に示すようにシートが排紙トレイ115へ排紙されるときの搬送方向を第1の搬送方向とも称し、
図5D(j)に示すようにFDローラ112の回転が逆になり、シートが反転した後の搬送方向を第2の搬送方向とも称する。また、本実施形態では、第2の排紙搬送手段は、シートを排紙トレイ115へ搬送するために第1の回転方向へ回転してシートを第1の搬送方向へ搬送する。また、第2の排紙搬送手段は、シートを画像形成手段へ再び搬送するために第2の回転方向へ回転しシートを第2の搬送方向へ搬送する。このように、第2の排紙搬送手段は、第1の回転方向へ回転してシートを第1の搬送方向へ搬送するか、第2の回転方向へ回転してシートを第2の搬送方向へ搬送するかを切り替えることが可能である。
【0040】
両面搬送路L1へ搬送されたシートは、両面搬送センサ113を通過し、両面搬送ローラ114によって搬送ローラ105に搬送される。シートが両面搬送ローラ114から搬送ローラ105へ搬送されるときに、シートの上面と下面が逆になり、画像が形成された面が下向きになって、画像形成手段に再び搬送される。画像形成手段に再び搬送されたシートは、画像が形成されていない面に画像が形成され、排紙トレイ115へ排紙される。なお、表面に形成する画像を第1の画像とも称し、画像が形成されていない面(裏面とも称する)に形成する画像を第2の画像とも称する。
【0041】
以上のように、CPU601は、第1の両面印刷方法において、FUトレイ116が閉じた状態で、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向を第2の排紙搬送手段により第2の搬送方向へ切り替えさせる。片面のみに第1の画像が形成されたシートは、第2の搬送方向へ搬送されると、画像形成手段へ再び搬送されることにより、片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像が形成される。
【0042】
このように、第1の両面印刷方法を用いて両面印刷を実行する場合、CPU601は、給紙カセット100からシートを給紙し、排紙トレイ115へシートを排紙する。つまり、シートが、第2の給紙搬送路よりも曲率半径の小さい第1の給紙搬送路と、第2の排紙搬送路よりも曲率半径の小さい排紙搬送路を搬送される。このため、例えば厚紙や封筒などの、紙のコシが強いシートをFD排紙する場合、ヒータ132から受けた熱がシートに残った状態で曲率半径の小さい搬送路を通るため、シートにカールがついてしまう可能性がある。また、搬送路の曲率半径が小さいと搬送抵抗が大きく搬送不良を起こしてしまう可能性がある。そこで、シートの給紙部を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替え、FUトレイ116を開いた状態に切り替えることにより、曲率半径の小さな搬送路を搬送されるよりもシートが搬送不良を起こしてしまうことを抑制することができる。この両面印刷方法を手動両面印刷モードとも称する。
【0043】
<手動両面印刷モード>
手動両面印刷モードで両面印刷を行う場合、シートの給紙部をMPトレイ140に切り替える。FUトレイ116が開いた状態で印刷を開始すると、片面に第1の画像が形成されたシートがFUトレイ116へ排紙される。
【0044】
続いて、以下で説明するような操作をユーザが行うことが必要である。本実施形態においては、メッセージ出力手段を用いて
図9B(h)のようなメッセージを出力してもよい。
【0045】
まずユーザは、片面に画像が形成され、FUトレイ116に排紙されたシートの画像が形成された面が下向きになるようにシートをMPトレイ140にセットする。ユーザによって、片面に画像が形成されたシートがMPトレイ140にセットされると、CPU601が休止した印刷動作を再開させる。ユーザによってMPトレイ140にセットされたシートは、MP給紙ローラ142によって画像形成手段に再び搬送される。画像形成手段に再び搬送されたシートは、画像が形成されていない面にトナー像が形成されて定着され、FUトレイ116へ排紙される。
【0046】
以上のように、CPU601は、第2の両面印刷方法においては、片面のみに第1の画像が形成されたシートを第2の排紙部へ排紙させる。第2の排紙部に排紙させたシートが給紙手段に積載されたことにより、画像形成手段へ再び搬送させ、片面のみに第1の画像が形成されたシートに第2の画像を形成させる。
【0047】
なお、本実施形態では、両面搬送路L1を用いなくても結果的にシートの両面に画像を形成することが出来る両面印刷方法を、手動両面印刷モードと称する。
【0048】
<メッセージ出力手段について>
また、画像形成装置10の上部には、オペレーションパネル626が備えられている。オペレーションパネル626は、画像や文字を表示してユーザへの指示内容などの情報を提供する液晶パネルとユーザからの指示を受け付けるキーパッドから構成される。本実施形態では、オペレーションパネル626を、ユーザへのメッセージを報知するための情報を出力するメッセージ出力手段とも称する。
【0049】
<プリンタ制御システムの構成>
図3Aは、本実施形態のプリンタ制御システム全体の構成を説明するブロック図である。なお、本実施形態の機能が実行されるのであれば、単体の機器あるいは、複数の機器からなるシステムあるいは、LAN、WAN等のネットワークを介して接続がなされて処理が行われるシステムであってもよい。
【0050】
図3Aにおいて、ホストコンピュータ200はCPU201を備える。CPU201は、ROM203のプログラム用ROMあるいは外部メモリ210に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。本実施形態において、CPU201は、例えばアプリケーションおよびグラフィックエンジン、プリンタドライバを用いて画像情報を処理する。
【0051】
CPU201は、メインバス204に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、ROM203のプログラム用ROMあるいは外部メモリ210は、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等を記憶する。ROM203のフォント用ROMあるいは外部メモリ210は、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶する。ROM203のデータ用ROMあるいは外部メモリ210は、上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0052】
キーボードコントローラ205は、キーボード208や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ206は、ディスプレイ209の表示を制御する。ユーザはキーボード208や不図示のポインティングデバイスを入力手段として用いて、印刷動作を選択する等の操作を行うことによって、所望する印刷動作をホストコンピュータ200へ入力する。
【0053】
ディスクコントローラ207は、外部メモリ210のアクセスを制御する。外部メモリ210は、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等である。外部メモリ210は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等を記憶する。
【0054】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行する。ラスタライズ処理は、ディスプレイ209上でのWYSIWYG(What You See Is What You Get)を可能にする。WYSIWYGとは、CPU201が最終的な仕上がりをディスプレイ209上に表示することで、ユーザが最終的な仕上がりを確認しながら編集できることである。また、CPU201は、ディスプレイ209上の不図示のマウスカーソル等によってユーザから指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは、印刷動作を実行する際、印刷動作の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行う。このような処理によって生成された画像情報は、ホストコンピュータ200からプリンタ装置212へ出力される。
【0055】
プリンタ装置212は
図1に示した画像形成装置10であり、前述した電子写真プロセスに従ってホストコンピュータ200から入力された画像情報に基づいてシートに画像を形成する。プリンタコントローラ213は、CPU214によって制御される。CPU214は、ROM216のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等に基づいて、メインバス204に接続される印刷部(プリンタエンジン)221へ第2の画像情報である画像信号を出力する。なお、ROM216のプログラムROMは、CPU214の制御プログラム等を記憶する。ROM216のフォント用ROMは、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM216のデータ用ROMは、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0056】
CPU214は、入力部218を介して双方向性インタフェイス(インタフェイス)211を用いてホストコンピュータ200と情報を通信することが可能であり、プリンタ装置212内の情報等をホストコンピュータ200に通知する。このとき入力部218は、ホストコンピュータ200から、例えば第1の画像情報などを含む情報を受信する受信手段として機能する。
【0057】
RAM215は、CPU214の主メモリや、ワークエリア等として機能し、増設ポート(不図示)に接続されるオプションRAM(不図示)によりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM215は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。
【0058】
本実施形態におけるプリンタ装置212は、オプションとして外部メモリ(不図示)が接続されてもよい。この外部メモリ(不図示)は、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、本実施形態におけるプリンタ装置212は、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した複数の外部メモリ(不図示)を接続できてもよい。
【0059】
図3Bは、本実施形態の印刷部221によって実現されるソフトウェア機能として、シート搬送制御に関わるハードウェアの構成を示したブロック図である。
【0060】
CPU601は、通信用のバス605を介して、ROM603、RAM604、NVRAM608、I/Oポート606、シリアル通信ポート607と通信する。CPU601は、ROM603およびRAM604、NVRAM608に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより印刷部221を制御する。CPU601は、ROM603に格納されたプログラムを実行し、実行時の演算結果を取得して、演算結果をRAM604に保存する。なお、マルチコアなどの複数のプロセッサを備えたCPU601およびMPU(不図示)が、複数のプロセッサにより印刷部221を制御してもよい。
【0061】
ROM603やRAM604などの1以上のメモリ等は、後述する各種動作を行うためのコンピュータプログラムや、無線通信のための通信パラメータなどの各種情報を記憶する。また、ROM603やRAM604などの1以上のメモリ等は、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。
【0062】
NVRAM608は、不揮発性ランダムアクセスメモリであり、CPU601が検知した情報を記憶することが出来る。以下で、CPU601は制御手段とも称し、NVRAM608を記憶手段とも称する。
【0063】
MP紙有無センサ141は、MP紙有無センサ入力回路610およびI/Oポート606を介してCPU601により制御される。
【0064】
MP給紙ソレノイド621は、MP給紙ソレノイド駆動回路611およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。MP給紙ソレノイド621が所定時間駆動することでMP給紙ローラ142が回転する。MP給紙ローラ142が回転することによって、MPトレイ140に積載されたシートがMP分離ローラ143に搬送される。
【0065】
DCブラシレスモータ622は、DCブラシレスモータ駆動回路612およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。DCブラシレスモータ622は、FUローラ111を駆動する。
【0066】
ステッピングモータ623は、ステッピングモータ駆動回路613およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。ステッピングモータ623は、FDローラ112を駆動する。
【0067】
FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0068】
給紙カセットソレノイド625は、給紙カセットソレノイド駆動回路615およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。給紙カセットソレノイド625が所定時間駆動することで給紙ローラ102が回転する。給紙ローラ102が回転することによって、給紙カセット100に積載されたシートが分離ローラ103に搬送される。
【0069】
REGセンサ106は、REGセンサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0070】
定着後紙有無センサ110は、定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0071】
両面搬送センサ113は、両面搬送センサ入力回路618およびI/Oポート606を介してCPU601により動作が制御される。
【0072】
FUトレイソレノイド144は、FUトレイソレノイド駆動回路619およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。
【0073】
シリアル通信ポート607は、オペレーションパネル制御回路620と接続されている。オペレーションパネル626は、オペレーションパネル制御回路620を介してCPU601により制御される。CPU601は、ユーザがオペレーションパネル626の液晶パネルやキーパットを用いて入力した情報を、シリアル通信ポート607を制御することにより取得する。
【0074】
<FUトレイ開閉センサ117によるFUトレイ116の開閉状態の検知方法>
以下で、本実施形態においてFUトレイ開閉センサ117がFUトレイ116の開閉状態を検知する方法について説明する。
図4(a)はFUトレイ116が開いている状態の画像形成装置10の斜視図である。
図4(b)は、
図4(a)に示した矢印の方向から見た画像形成装置10の断面図である。
図4(c)は、FUトレイ開閉センサ117の各部材の斜視図である。
【0075】
図4(b)、
図4(c)に示すように、FUトレイ開閉センサ117は、支持部材301、カム部材302、フラグ部材303、フォトインタラプタ304からなる(
図1では省略している)。フォトインタラプタ304は、検知部として用いる光センサの一例であり、フラグ部材303により光が遮られるか否かにより異なる信号を出力することができる。
【0076】
支持部材301は、FUトレイ116に取り付けられており、FUトレイ116が回動して開いた状態の位置に切り替えられるときに共に回動する。支持部材301は、カム部材302を支持している。
【0077】
カム部材302は、支持部材301が回動する動きをフラグ部材303の上下の動きに変える。
【0078】
フラグ部材303は、FUトレイ116が閉じた状態の位置ではフォトインタラプタ304の発光部304aからのセンサ光を遮っている。FUトレイ116が開いた状態の位置では、フラグ部材303がカム部材302により上に押し上げられ、発光部304aからのセンサ光が受光部304bへ受光される状態となる。なお、発光部304aと受光部304bの配置は、逆であっても良い。
【0079】
フォトインタラプタ304は、発光部304aのセンサ光が受光部304bで受光される状態と、フラグ部材303に遮られて受光されない状態と、の2種類の受光状態が切り替わることにより、異なる信号を出力する。すなわちフォトインタラプタ304は、FUトレイ116が閉じている場合、発光部304aのセンサ光がフラグ部材303により遮られ受光部304bにより受光されない状態となる。またフォトインタラプタ304は、FUトレイ116が開いている場合、発光部304aのセンサ光がフラグ部材303に遮られず受光部304bにより受光される状態となる。
【0080】
以上のように、FUトレイ116が閉じている場合、FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601へLOW信号を出力する。この信号を第1の信号とも称する。LOW信号(第1の信号)を受信したCPU601は、FUトレイ116が閉じている状態であると検知する。
【0081】
また、FUトレイ116が開いている場合、FUトレイ開閉センサ117は、FUトレイ開閉センサ入力回路614およびI/Oポート606を介してCPU601へHIGH信号を出力する。この信号を第2の信号とも称する。HIGH信号(第2の信号)を受信したCPU601は、FUトレイ116が開いている状態であると検知する。
【0082】
このように、FUトレイ116が閉じた状態において第1の信号を出力し、開いた状態において第2の信号を出力するFUトレイ開閉センサ117は、開閉信号出力手段とも称する。
【0083】
<搬送路においてシートを検知する方法>
以下で、搬送路においてシートを検知する方法について、一例として定着後紙有無センサ110を用いて説明する。定着後紙有無センサ110は、
図4(d)に示すように、フォトインタラプタ310とフラグ部材311によって構成されている。フラグ部材311は、フォトインタラプタ310の近傍に回動自在に設けられている。フォトインタラプタ310は、発光部310aのセンサ光が受光部310bで受光される状態とフラグ部材311に遮られて受光されない状態の2種類の受光状態の変化により異なる信号を出力する。
【0084】
搬送路にシートが無い場合、フラグ部材311は、自重で搬送路に当接するようになっている。このときフラグ部材311は、フォトインタラプタ310の発光部310aからのセンサ光を遮らない位置にあり、センサ光が受光部310bにより受光される状態となる。一方、定着後紙有無センサ110にシートが搬送されると、フラグ部材311は、シートと当接することによって回動し、フォトインタラプタ310の発光部310aからのセンサ光を遮る。なお、発光部310aと受光部310bの配置は、逆であっても良い。
【0085】
以上のように、搬送路にシートが無い場合、定着後紙有無センサ110が定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601へHIGH信号を出力する。HIGH信号を受信したCPU601は、搬送路にシートが無いと検知する。また、定着後紙有無センサ110にシートが搬送された場合、定着後紙有無センサ110が定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601へLOW信号を出力する。LOW信号を受信したCPU601は、定着後紙有無センサ110にシートが搬送されたと検知する。また、定着後紙有無センサ110がシートの後端まで搬送した場合、定着後紙有無センサ110が定着後紙有無センサ入力回路615およびI/Oポート606を介してCPU601へLOW信号の後にHIGH信号を出力する。
【0086】
CPU601は、定着後紙有無センサ110から受信していたHIGH信号がLOW信号に切り替わったことによって、シートの先端が通過したことを検知する。また、CPU601は、定着後紙有無センサ110から受信していたLOW信号がHIGH信号に切り替わったことによって、シートの後端が通過したことを検知する。
【0087】
なお、FDトレイ排紙センサ125と、定着後紙有無センサ110、給紙後紙有無センサ118、REGセンサ106、両面搬送センサ113も定着後紙有無センサ110と同様な構成であるため、説明を省略する。また、これらのセンサにより出力されるLOW信号を第1の信号、HIGH信号を第2の信号とも称する。
【0088】
FDトレイ排紙センサ125は、FDローラ112と排紙トレイ115の間の搬送路に配置され、シートが有る第1の信号またはシートが無い第2の信号を出力する。片面印刷を実行する場合であり、FDトレイ排紙センサ125によってシートが有る第1の信号が出力された後にシートが無い第2の信号が出力された場合、CPU601は、排紙トレイ115へシートが排紙されたと検知する。両面印刷を実行する場合であり、FDトレイ排紙センサ125によってシートが有る第1の信号が出力された後にシートが無い第2の信号が出力された場合、CPU601は、FDローラ112の回転が逆になり、シートが前記第2の搬送方向へ搬送されたと検知する。なお、FDトレイ排紙センサ125は、排紙トレイ115が満載である場合、シートが排紙トレイ115へ排紙された後もシートが有る第1の信号を出力し続ける。この場合、CPU601が、排紙トレイ115が満載であると検知し、例えば「排紙トレイ115に積載されているシートを取り除いてください」という内容のメッセージをオペレーションパネル626に出力してもいい。
【0089】
定着後紙有無センサ110は、画像形成手段とFUローラ111aおよびFUローラ111bの間の搬送路に配置され、シートが有る第1の信号またはシートが無い第2の信号を出力する。定着後紙有無センサ110は、第1の紙有無センサとも称する。
【0090】
給紙後紙有無センサ118は、給紙ローラ102と搬送ローラ105の間の搬送路に配置され、シートが有る第1の信号またはシートが無い第2の信号を出力する。給紙後紙有無センサ118は、第2の紙有無センサとも称する。
【0091】
REGセンサ106は、搬送ローラ105と画像形成手段の間の搬送路に配置され、シートが有る第1の信号またはシートが無い第2の信号を出力する。REGセンサ106は、第3の紙有無センサとも称する。
【0092】
<CPU601が搬送不良の発生を検知する方法>
次に、本実施形態において、搬送不良が発生した場合、CPU601がどのように搬送不良が発生したことに関する情報を取得するのかについて説明する。本実施形態における画像形成装置は、搬送路の様々な位置において搬送不良が発生したことを検知できるが、その中でも3つの場合について説明する。
【0093】
<排紙搬送不良(第1の検知方法)>
以下で、CPU601が、排紙搬送路において排紙搬送不良が発生したと検知する検知方法について説明する。
【0094】
まず、FUトレイ116が閉じた位置にあり、シートが正常に搬送される場合について説明する。シートが正常に搬送される場合、
図5A(a)のように定着後紙有無センサ110によってシートの先端が検知された時を起点として所定時間経過すると
図5A(b)のように、定着後紙有無センサ110によってシートが検知されなくなる。
【0095】
この場合の所定時間とは、給紙手段により給紙されたシートの長さとシートの搬送速度によって算出される時間である。ここでのシートの長さとは、ホストコンピュータ200においてユーザによって選択されたシートの種類に応じて規定されても良いし、画像形成装置10が印刷しうる最も長いシートの長さに設定されていても良い。また、ここでのシートの長さは、シートがREGセンサ106を通過する際にCPU601がREGセンサ106を用いて計測したシートの長さに設定されても良い。
【0096】
しかし、FUトレイ116が閉じた位置にあり、搬送不良が発生すると
図5A(c)のような状態になる。すなわち、定着後紙有無センサ110によってシートの先端が検知された時を起点として所定時間経過しても、定着後紙有無センサ110によってシートが検知され続ける。このときCPU601は、まずFUトレイ開閉センサ117により出力されたLOW信号を受信する。さらにCPU601は、定着後紙有無センサ110により出力されたLOW信号を受信した時を起点として所定時間が経過した後に定着後紙有無センサ110により出力されたLOW信号を受信する。CPU601は、これらの信号を受信した場合、排紙搬送不良が発生したと検知する。本実施形態において、この排紙搬送不良の検知方法を、第1の検知方法とも称する。
【0097】
なお、例えばA5サイズやA6サイズのようなサイズが小さいシートは、FUトレイ116が閉じた位置にある場合、FUローラ111a及びFUローラ111bにより搬送された後、
図5B(d)のように、どの紙有無センサにも検知されない状態になる。この場合、CPU601は、まずFUトレイ開閉センサ117により出力されたLOW信号を受信する。さらにCPU601は、定着後紙有無センサ110により出力されたLOW信号を受信した時を起点として所定時間が経過した後に前記第1の紙有無センサにより出力されたHIGH信号を受信する。CPU601は、これらの信号を受信した場合、残留ジャムが発生したと検知する。
【0098】
<排紙搬送不良(第2の検知方法)>
なお、CPU601は上記とは別の方法で排紙搬送不良を検知しても良い。まず、FUトレイ116が閉じた位置にあり、シートが正常に搬送される場合について説明する。シートが正常に搬送される場合、
図5A(a)のように定着後紙有無センサ110によってシートの先端を検知された時を起点として、所定時間経過すると
図5B(e)のようにFDトレイ排紙センサ125によってシートの先端が検知される。この場合の所定時間とは、定着後紙有無センサ110からFDトレイ排紙センサ125までの間の搬送路の長さとシートの搬送速度によって算出される時間である。
【0099】
しかし、FUトレイ116が閉じた位置にあり、搬送不良が発生すると
図5B(f)のような状態になる。すなわち、定着後紙有無センサ110によってシートの先端が検知された時を起点として所定時間経過しても、FDトレイ排紙センサ125によってシートの先端が検知されなくなる。このときCPU601は、まずFUトレイ開閉センサ117により出力されたLOW信号を受信する。さらに、定着後紙有無センサ110により出力されるLOW信号を受信した時を起点として所定時間が経過した後にFDトレイ排紙センサ125により出力されたHIGH信号を受信する。CPU601は、これらの信号を受信した場合、排紙搬送不良が発生したと検知してもいい。本実施形態において、この排紙搬送不良の検知方法を、第2の検知方法とも称する。
【0100】
<給紙搬送不良>
以下で、CPU601が、給紙搬送路において給紙搬送不良が発生したと検知する検知方法について説明する。
【0101】
まず、給紙ローラ102がシートの給紙を開始する。シートが正常に搬送される場合、
図5C(g)のように給紙後紙有無センサ118によってシートの先端が検知された時を起点として、所定時間経過すると
図5C(h)のように、給紙後紙有無センサ118によってシートが検知されなくなる。
【0102】
この場合の所定時間とは、シートの長さとシートの搬送速度によって算出される時間である。ここでのシートの長さとは、ホストコンピュータ200においてユーザによって選択されたシートの種類に応じて規定されても良いし、画像形成装置10が印刷しうる最も長いシートの長さに設定されていても良い。また、ここでのシートの長さは、シートが給紙後紙有センサ118を通過する際にCPU601が給紙後紙有センサ118を用いて計測したシートの長さに設定されても良い。
【0103】
しかし、搬送不良が発生すると
図5C(i)のような状態になる。すなわち、給紙後紙有無センサ118によってシートの先端が検知された時を起点として所定時間経過しても、給紙後紙有無センサ118によってシートが検知され続ける。このときCPU601は、給紙後紙有無センサ118により出力されるLOW信号を受信した時を起点として所定時間が経過した後に給紙後紙有無センサ118により出力されたLOW信号を受信した場合、給紙搬送不良が発生したと検知する。給紙後紙有無センサ118により出力されるLOW信号を第3の信号、HIGH信号を第4の信号とも称する。
【0104】
<両面搬送不良>
以下で、CPU601が、両面搬送路において両面搬送不良が発生したと検知する検知方法について説明する。
【0105】
第1の画像が形成されたシートをFDローラ112によって搬送させた後に画像形成手段へ再び搬送させる前に搬送不良が発生した場合である。
【0106】
まず、FUトレイ116が閉じた位置にあり、シートが正常に搬送される場合、
図5D(j)のようにFDローラ112が第1の回転方向から第2の回転方向へ逆回転を開始し、シートが第1の搬送方向から第2の搬送方向へ搬送される。続いて、
図5D(k)のようにシートが両面搬送路L1へ搬送される。FDローラ112が第2の回転方向へ逆回転を開始し、シートが第2の搬送方向へ搬送され始めた時を起点として、所定時間経過すると
図5D(l)のようにREGセンサ106によってシートの先端が検知される。この場合の所定時間とは、FDローラ112からFUローラ111bおよびFUローラ111cを経てREGセンサ106へ搬送される間の搬送路の長さとシートの搬送速度によって算出できる時間である。
【0107】
しかし、搬送不良が発生すると
図5D(m)のような状態になり、FDローラ112が逆回転を開始しシートが第2の搬送方向へ搬送され始めた時を起点として、所定時間経過してもREGセンサ106によってシートの先端が検知されなくなる。すなわち、ステッピングモータ623が逆回転を開始した時を起点として所定時間経過してもREGセンサ106によってHIGH信号が出力され続ける。このとき、まずFUトレイ開閉センサ117により出力されたLOW信号を受信する。さらにCPU601は、ステッピングモータ623が逆回転を開始した時を起点として所定時間が経過した後にREGセンサ106により出力されたHIGH信号を受信する。CPU601は、これらの信号を受信した場合、両面搬送不良が発生したと検知する。REGセンサ106により出力されるLOW信号を第5の信号、HIGH信号を第6の信号とも称する。
【0108】
<搬送不良が発生したことに関する情報の記憶方法>
CPU601は、ジョブの実行中に上記の搬送不良が発生したことを検知すると、それぞれの搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる。このときCPU601は、搬送不良が発生したことに関する情報を、例えば「0」または「1」のフラグを用いてNVRAM608に記憶させる。
【0109】
なお、CPU601は、ジョブの実行中に搬送不良が発生したことを検知すると、下記のようなメッセージをオペレーションパネル626に出力させるための情報をNVRAM608に記憶させても良い。この場合のメッセージとは、搬送不良を抑制するために搬送路を切り替えることを促すメッセージや、搬送不良が発生する可能性があること、或いは、搬送不良が発生した履歴があることをユーザに報知するためのメッセージである。CPU601が、このメッセージをオペレーションパネル626に出力させることによって、搬送不良を回避するための操作をユーザに促すことが出来、搬送不良が再び発生してしまうことを抑制することが出来る。
【0110】
NVRAM608は不揮発性メモリであるため、搬送不良が発生したジョブが完了した後に、所定時間が経過し、画像形成装置10の電源が切れたとしても、搬送不良が発生したことに関する情報は、NVRAM608に記憶された状態を維持する。このため、第1の印刷命令に応じた第1のジョブが完了した後に、所定時間経過後に第2の印刷命令に応じた第2のジョブを実行する場合であっても、CPU601は、上記のようなメッセージをオペレーションパネル626に出力させる。上記のようなメッセージを出力することによって、搬送不良が再び発生してしまうことを抑制することが出来る。なお、上記のようなメッセージは、第2のジョブにおける最後の画像が形成されるシートが給紙される前、あるいは、第2のジョブにおける最後の画像が形成される前に出力される。
【0111】
さらに、CPU601は、搬送不良が発生した回数をNVRAM608に記憶させ、搬送不良が所定回数発生すると、搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させてもいい。ここでの所定回数とは、搬送不良が発生する可能性が相対的に高まるとされる回数であり、例えば直近の10回分の通紙回数のうち5回以上搬送不良が発生する場合などである。なお、ユーザがオペレーションパネル626を用いて所定回数の設定を変更できても良い。
【0112】
さらにCPU601は、排紙搬送不良が所定回数連続して発生せず、正常に印刷動作を完了した場合、排紙搬送不良を検知したことに関する情報をNVRAM608から削除できる。ここでの所定枚数とは、例えば10枚であり、10枚のシートが連続して正常に搬送された場合、搬送不良を発生させる可能性が下がったとする。なお、ユーザがオペレーションパネル626を用いて所定枚数の設定を変更できても良い。
【0113】
以下で、3つの搬送不良のそれぞれの発生を抑制するための具体的な処理について説明する。
【0114】
<排紙搬送不良の発生を抑制するための処理>
本実施形態において、排紙搬送不良が発生した場合、再度同じ搬送不良が発生する可能性がある。この場合、FUトレイ116を開いた状態の位置に切り替えることをユーザに促すことにより、再度同じ搬送不良が発生してしまうことを抑制することが出来る。排紙搬送不良については、前述の<排紙搬送不良(第1の検知方法)>に記載した通りである。
【0115】
排紙搬送不良が発生する可能性がある場合、及び、排紙搬送不良が発生した場合における具体的な処理を
図6Aおよび
図6Bのフローチャートを用いて説明する。
図6Bのフローチャートは、
図6Aの変形例であり、同一のステップには同一の番号を付与し説明を省略する。
【0116】
まず、CPU601が、給紙手段によりシートを給紙させ、画像形成手段によりシートに画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作の情報を含む印刷命令をプリンタコントローラ213から受信する。CPU601は、印刷命令に応じてジョブを開始させる。
【0117】
S101では、CPU601は、排紙搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されている場合、処理をS102へ進める。S101において、排紙搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていない場合、FUトレイ116が閉じた状態で印刷動作を開始し、処理をS104へ進める。
【0118】
S102では、CPU601が、FUトレイ116を開いた位置に切り替えることを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、第2のメッセージとも称する。なお、このとき出力されるメッセージは、例えば
図9A(a)に示すような文章であっても良いし、例えば
図9A(b)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば
図9A(b)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0119】
また、S102においてオペレーションパネル626に出力されるメッセージにおいて、搬送不良が発生する可能性があること、或いは、搬送不良が発生した履歴があることをユーザに報知するためのメッセージを出力しても良い。このメッセージを出力することにより、ユーザがオペレーションパネル626に出力されたメッセージに応じてFUトレイ116を開いた状態の位置に切り替える。この操作を促すことによって、搬送不良が発生することを抑制することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0120】
S103では、ユーザによって第2のメッセージに設けられたOKボタンが押下され、CPU601が、第2のメッセージに設けられているOKボタンが押下されたことを示す情報を取得することにより処理をS104へ進める。
【0121】
S104では、
図5A(a)に示すように、画像形成手段によって画像が形成されたシートの先端が定着後紙有無センサ110を通過し、定着後紙有無センサ110がCPU601へ出力するHIGH信号がLOW信号に切り替わる。CPU601が定着後紙有無センサ110により出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS105へ進める。
【0122】
S105では、CPU601が所定時間経過したか否かを判断する。この場合の所定時間とは、給紙手段により給紙されたシートの長さとシートの搬送速度によって算出される時間である。所定時間が経過すると、CPU601が処理をS106へ進める。S106以降の処理は、搬送不良が発生したか否かによって異なる。
【0123】
シートが正常に搬送された場合、
図5A(b)に示すような状態になる。すなわち、S106において、シートがFDトレイ排紙センサ125により検知され、CPU601はFDトレイ排紙センサ125により出力されるLOW信号を受信し、処理をS107へ進める。S107では、シートが排紙トレイ115へ排紙されることにより処理がS115へ進む。
【0124】
また、FUトレイ116が開いた位置にあり、且つ、シートが正常に搬送された場合、S106において、シートがFDトレイ排紙センサ125により検知されない。このため、CPU601はFDトレイ排紙センサ125により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS108へ進める。S108において、シートは排紙後紙有無センサ110により検知されず、CPU601は排紙後紙有無センサ110により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS109へ進める。S109において、FUトレイ116が開いた位置にあり、CPU601は、FUトレイ開閉センサ117により出力されるHIGH信号を受信した場合、処理をS110へ進める。S110では、シートがFUトレイ116へ排紙されることにより処理がS115へ進む。
【0125】
搬送不良が発生した場合、
図5A(c)に示すような状態になる。すなわち、S106において、シートがFDトレイ排紙センサ125により検知されず、CPU601はFDトレイ排紙センサ125により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS108へ進める。また、S108において、シートが排紙後紙有無センサ110により検知され続けるため、CPU601は排紙後紙有無センサ110により出力されるLOW信号を受信し、処理をS111へ進める。
【0126】
また、A5サイズやA6サイズのようなサイズが小さいシートは搬送された場合、残留ジャムが発生した状態となり、
図5B(d)に示すような状態になる。すなわち、S106において、シートがFDトレイ排紙センサ125により検知されず、CPU601はFDトレイ排紙センサ125により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS108へ進める。また、S108において、シートが排紙後紙有無センサ110により検知されず、CPU601は定着後紙有無センサ110により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS109へ進める。S109において、FUトレイ116が閉じた位置にあり、CPU601は、FUトレイ開閉センサ117により出力されるLOW信号を受信した場合、処理をS111へ進める。
【0127】
S111においてCPU601は、排紙搬送不良が発生したと検知し、排紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させ、処理をS112へ進める。
【0128】
S112において、CPU601は、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、例えば
図9B(i)に示すような文章であっても良いし、絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、アニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。なお、搬送不良となったシートを第1のシートとも称し、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージを第1のメッセージとも称する。
【0129】
S113において、ユーザによって搬送不良となったシートが取り除かれると、CPU601は定着後紙有無センサ110により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS114へ進める。
【0130】
S114において、ユーザによってFUトレイ116が閉じた位置に切り替えられると、CPU601は、FUトレイ開閉センサ117により出力されるLOW信号を受信し、処理をS115へ進める。
【0131】
本実施形態では、CPU601がS113およびS114の処理を完了させると、ジャム処理が完了したと検知する。CPU601は、ジャム処理が完了したと検知すると、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始する。この処理をリプリントとも称する。なお、新たなシートを第2のシートとも称する。
【0132】
S115において、リプリントを実行する場合、CPU601は、処理をS101へ戻し、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始させる。
【0133】
S115において、S107またはS110までの処理でシートが正常に排紙されたがまだジョブが完了しておらず、CPU601が、プリンタコントローラ213から再度画像形成を実行する情報を受信した場合にも、処理をS101へ戻す。ジョブが完了し、再度画像を形成しない場合、CPU601は、処理を終了させる。
【0134】
なお、本実施形態では、CPU601が、
図6Bに示すようにS107の後に処理をS116へ進めても良い。
【0135】
S116では、シートが正常に排紙トレイ115へ排紙され、FDトレイ排紙センサ125により出力されるLOW信号を所定回数検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601は、処理をS117へ進める。
【0136】
S117では、排紙搬送不良を検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601が、NVRAM608から排紙搬送不良が発生したことに関する情報を削除し、処理をS115へ進める。
【0137】
S116およびS117の処理を実行することによって、搬送不良が発生した直後であり搬送不良が再度発生する可能性が高い場合にのみ、S102においてユーザに対してメッセージを出力することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0138】
なお、本フローチャートにおいて、第1の検知方法を用いて排紙搬送不良を検知する場合について記載したが、第2の検知方法を用いて排紙搬送不良を検知しても良い。
【0139】
以上で記載したように、CPU601は、FUトレイ116を開いた位置に切り替えることを促すためのメッセージを出力させることによって、排紙搬送不良が再び発生してしまうことを抑制することが出来る。
【0140】
<給紙搬送不良の発生を抑制するための処理>
本実施形態において、給紙搬送不良が発生していた場合、再度同じ搬送不良が発生する可能性がある。この場合、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140へ切り替えることをユーザに促すことにより、再度同じ搬送不良が発生してしまうことを抑制することが出来る。給紙搬送不良については、前述の<給紙搬送不良>に記載した通りである。
【0141】
給紙搬送不良が発生する可能性がある場合、及び、給紙搬送不良が発生した場合における具体的な処理を
図7Aおよび
図7Bのフローチャートを用いて説明する。
図7Bのフローチャートは、
図7Aの変形例であり、同一のステップには同一の番号を付与し説明を省略する。
【0142】
まず、CPU601が、給紙手段によりシートを給紙させ、画像形成手段によりシートに画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作の情報を含む印刷命令をプリンタコントローラ213から受信する。CPU601は、印刷命令に応じてジョブを開始させる。
【0143】
S201では、CPU601は、給紙搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されている場合、処理をS202へ進める。給紙搬送不良が発生したことを検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていない場合、処理をS205へ進める。
【0144】
S202では、CPU601が、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替え、MPトレイ140へシートを積載させることを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、第4のメッセージとも称する。なお、このとき出力されるメッセージは、例えば
図9A(c)に示すような文章であっても良いし、例えば
図9A(d)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば
図9A(d)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0145】
また、S202においてオペレーションパネル626に出力されるメッセージにおいて、搬送不良が発生する可能性があること、或いは、搬送不良が発生した履歴があることをユーザに報知するためのメッセージを出力しても良い。このメッセージを出力することにより、ユーザがオペレーションパネル626に出力されたメッセージに応じて給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替え、MPトレイ140へシートを積載させる。この操作を促すことによって、搬送不良が発生することを抑制することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0146】
S203では、ユーザによって第4のメッセージに設けられたOKボタンが押下され、CPU601が、第4のメッセージに設けられているOKボタンが押下されたことを示す情報を取得することにより処理をS204へ進める。
【0147】
S204では、MPトレイ140へシートが積載され、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS208へ進める。MPトレイ140へシートが積載されず、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたHIGH信号を受信した場合、処理をS205へ進める。
【0148】
S205では、給紙ローラ102を駆動する給紙カセットソレノイド625が駆動し始め、
図5B(d)に示すようにシートを給紙する。CPU601が給紙カセットソレノイド625から駆動を始めたことを示す情報を取得することにより、処理をS206へ進める。
【0149】
S206では、CPU601が所定時間経過したか否かを判断する。この場合の所定時間とは、給紙手段により給紙されたシートの長さとシートの搬送速度によって算出される時間である。所定時間経過すると、CPU601がS207へ進める。S207以降の処理は、搬送不良が発生したか否かによって異なる。
【0150】
シートが正常に搬送された場合、
図5C(h)に示すような状態になる。すなわち、S207において、シートが給紙後紙有無センサ118により検知されず、CPU601は給紙後紙有無センサ118により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS208へ進める。S208では、シートが画像形成手段へ搬送され、画像が形成されたシートが排紙トレイ115またはFUトレイ116へ排紙されることにより処理がS213へ進む。
【0151】
搬送不良が発生した場合、
図5C(i)に示すような状態になる。すなわち、S207において、シートが給紙後紙有無センサ118により検知され続け、CPU601は給紙後紙有無センサ118により出力されるLOW信号を受信し、処理をS209へ進める。
【0152】
S209においてCPU601は、給紙搬送不良が発生したと検知し、給紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させ、処理をS210へ進める。
【0153】
S210において、CPU601は、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、例えば
図9B(i)に示すような文章であっても良いし、絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、アニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。なお、搬送不良となったシートを第3のシートとも称し、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージを第3のメッセージとも称する。
【0154】
S211において、ユーザによって搬送不良となったシートが取り除かれると、CPU601は給紙後紙有無センサ118により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS212へ進める。
【0155】
S212では、搬送不良となったシートを取り除くためにユーザによって開かれた画像形成装置10のドア(不図示)が閉じた位置に切り替えられる。画像形成装置10のドア(不図示)が閉じた位置に切り替えられると、CPU601は、ドア(不図示)の開閉センサにより出力されるLOW信号を受信し、処理をS213へ進める。
【0156】
本実施形態では、CPU601がS211およびS212の処理を完了させると、ジャム処理が完了したと検知する。CPU601は、ジャム処理が完了したと検知すると、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始する。この処理をリプリントとも称する。なお、新たなシートを第2のシートとも称する。
【0157】
S213において、リプリントを実行する場合、CPU601は、処理をS201へ戻し、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始させる。このとき、搬送不良となったシートを第3のシート、新たなシートを第4のシートとも称する。
【0158】
S213において、S208の処理中にシートが正常に搬送されたが、まだジョブが完了しておらず、CPU601が、プリンタコントローラ213から再度画像形成を実行する情報を受信した場合にも、処理をS201へ戻す。ジョブが完了し、再度画像を形成しない場合、CPU601は、処理を終了させる。
【0159】
なお、給紙搬送不良が起きた場合のジョブにおける印刷命令を第3の印刷命令、給紙搬送不良が起きた場合のジョブを第3のジョブとも称する。また、給紙搬送不良が解消され、CPU601がプリンタコントローラ213から新たに受信する印刷命令を第4の印刷命令、CPU601がプリンタコントローラ213から新たに受信する印刷命令に応じて実行されるジョブを第4のジョブとも称する。
【0160】
なお、本実施形態では、CPU601が、
図7Bに示すようにS208の後に処理をS214へ進めても良い。
【0161】
S214では、シートが正常に画像形成手段へ搬送され、REGセンサ106により出力されるLOW信号を所定回数検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601は、処理をS215へ進める。
【0162】
S215では、給紙搬送不良を検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601が、NVRAM608から給紙搬送不良が発生したことに関する情報を削除し、処理をS213へ進める。
【0163】
S214およびS215の処理を実行することによって、搬送不良が発生した直後であり搬送不良が発生する可能性が高い場合にのみ、S202においてユーザに対してメッセージを出力することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0164】
以上で記載したように、CPU601は、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替え、MPトレイ140へシートを積載させることを促すためのメッセージを出力させる。このメッセージを出力させることによって、給紙搬送不良が再び発生してしまうことを抑制することが出来る。
【0165】
<両面搬送不良の発生を抑制するための処理>
本実施形態において、両面搬送不良が発生した場合、再度同じ搬送不良が発生する可能性がある。この場合、FUトレイ116を開いた位置に切り替えることと、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替えることを促すことにより、再度同じ搬送不良が発生してしまうことを抑制することが出来る。両面搬送不良については、前述の<両面搬送不良>に記載した通りである。
【0166】
両面搬送不良が発生する可能性がある場合、及び、両面搬送不良が発生した場合における具体的な処理を
図8Aおよび
図8Bのフローチャートを用いて説明する。
図8Bのフローチャートは、
図8Aの変形例であり、同一のステップには同一の番号を付与し説明を省略する。
【0167】
両面印刷動作の一例として、片面のみに第1の画像が形成されたシートの搬送方向をFDローラ112により第2の搬送方向へ切り替えさせた後に、画像形成手段へ再び搬送させることにより第2の画像を形成させる一連の動作を実行する場合について記載する。
【0168】
まず、CPU601は、一連の両面印刷動作の情報を含む印刷命令をプリンタコントローラ213から受信する。CPU601は、印刷命令に応じてジョブを開始させる。
【0169】
S301では、CPU601は、両面搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されている場合、処理をS302へ進める。S301において、CPU601が、両面搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていない場合、FUトレイ116が閉じた状態で印刷動作を開始し、処理をS307へ進める。
【0170】
S302では、CPU601が、FUトレイ116を開いた位置に切り替え、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替えることを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、第6のメッセージとも称する。なお、このとき出力されるメッセージは、例えば
図9B(g)に示すような文章であっても良いし、例えば
図9A(b)、
図9B(f)に示すような絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば
図9A(b)、
図9B(f)に示すような絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。
【0171】
また、S302においてオペレーションパネル626に出力されるメッセージにおいて、搬送不良が発生する可能性があること、或いは、搬送不良が発生した履歴があることをユーザに報知するためのメッセージを出力しても良い。このメッセージを出力することにより、ユーザがオペレーションパネル626に出力されたメッセージに応じてFUトレイ116を開いた位置に切り替え、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替える。この操作を促すことによって、搬送不良が発生することを抑制することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0172】
S303では、ユーザによって第6のメッセージに設けられたOKボタンが押下され、CPU601が、第6のメッセージに設けられているOKボタンが押下されたことを示す情報を取得することにより処理をS304へ進める。
【0173】
S304では、MPトレイ140へシートが積載され、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS305へ進める。MPトレイ140へシートが積載されず、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたLOW信号を受信しなかった場合、処理をS306へ進める。
【0174】
S305では、シートがMPトレイ140から給紙され、処理がS307へ進む。
【0175】
S306では、シートが給紙カセット100から給紙され、処理がS307へ進む。
【0176】
S307では、シートの先端がREGセンサ106を通過した場合、REGセンサ106によってCPU601へLOW信号が出力される。CPU601がREGセンサ106から出力されたLOW信号を受信すると、処理をS308へ進める。
【0177】
S308では、シートが画像形成手段へ搬送され、画像形成手段により第1の画像が形成されることにより、処理がS309へ進む。
【0178】
S309では、FUトレイ116が開いた位置にあり、CPU601がFUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信した場合、処理をS314へ進める。FUトレイ116が閉じた位置にあり、CPU601がFUトレイ開閉センサ117によって出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS310へ進める。先にS314以降の処理について説明する。
【0179】
S314では、画像形成手段により第1の画像が形成されたシートがFUトレイ116へ排紙されることにより、処理がS315へ進む。
【0180】
S315では、CPU601が、オペレーションパネル626に、片面のみに第1の画像が形成されたシートをMPトレイ140へ積載させることを促すためのメッセージを出力し、処理をS316へ進める。なお、このとき出力されるメッセージは、例えば
図9B(h)に示すようなメッセージであっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、例えば
図9B(h)に示すようなメッセージ中の絵をアニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。なお、このとき出力されるメッセージは、第5のメッセージとも称する。
【0181】
S316では、S315において出力されたメッセージに設けられたOKボタンがユーザによって押下され、CPU601が、OKボタンが押下されたことを示す情報を取得することにより処理をS317へ進める。
【0182】
S317では、MPトレイ140へシートが積載され、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたLOW信号を受信した場合、処理をS318へ進める。MPトレイ140へシートが積載されず、CPU601が、MP紙有無センサ141により出力されたLOW信号を受信しなかった場合、処理をS315へ戻す。
【0183】
S318では、片面のみに第1の画像が形成されたシートが画像形成手段へ搬送され、画像形成手段によって第2の画像が形成され、FUトレイ116へ排紙されることにより、処理がS323へ進む。
【0184】
続いてS310以降の処理について説明する。S310では、ステッピングモータ623が逆回転を開始し、FDローラ112が逆回転し、シートが第2の搬送方向へ搬送され始める。CPU601は、ステッピングモータ623が逆回転を開始したことを示す情報を受信することにより、処理をS311へ進める。
【0185】
S311では、CPU601が所定時間経過したか否かを判断する。この場合の所定時間とは、シートの搬送速度と、FDローラ112からREGセンサ106までの距離によって算出される時間である。所定時間経過すると、CPU601が処理をS312へ進める。S312以降の処理は、搬送不良が発生したか否かによって異なる。
【0186】
シートが正常に搬送された場合、
図5D(l)に示すような状態になる。すなわち、S312において、シートがREGセンサ106により検知され、CPU601はREGセンサ106により出力されるLOW信号を受信し、処理をS313へ進める。S313では、シートが排紙トレイ115へ排紙されることにより処理がS323へ進む。
【0187】
搬送不良が発生した場合、
図5D(m)に示すような状態になる。すなわち、S312において、シートがREGセンサ106により検知されず、CPU601はREGセンサ106により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS319へ進める。
【0188】
S320においてCPU601は、両面搬送不良が発生したと検知し、両面搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させ、処理をS320へ進める。
【0189】
S320において、CPU601は、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージをオペレーションパネル626に出力する。このとき出力されるメッセージは、例えば
図9B(i)に示すような文章であっても良いし、絵であっても良い。また、必要な操作をユーザが理解し易いように、アニメーションにしてオペレーションパネル626に表示してもよい。なお、搬送不良となったシートを第1のシートとも称し、搬送不良となったシートを取り除くことを促すためのメッセージを第5のメッセージとも称する。
【0190】
S321において、ユーザによって搬送不良となったシートが取り除かれると、CPU601は両面搬送センサ113により出力されるHIGH信号を受信し、処理をS322へ進める。
【0191】
S322では、搬送不良となったシートを取り除くためにユーザによって開かれた画像形成装置10のドア(不図示)が閉じた位置に切り替えられる。画像形成装置10のドア(不図示)が閉じた位置に切り替えられると、CPU601は、ドア(不図示)の開閉センサにより出力されるLOW信号を受信し、処理をS323へ進める。
【0192】
本実施形態では、CPU601がS321およびS322の処理を完了させると、ジャム処理が完了したと検知する。CPU601は、ジャム処理が完了したと検知すると、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始する。この処理をリプリントとも称する。なお、新たなシートを第2のシートとも称する。
【0193】
S323において、リプリントを実行する場合、CPU601は、処理をS301へ戻し、搬送不良となったシートに形成されていた画像を、新たなシートに形成し直す処理を開始させる。このとき、搬送不良となったシートを第5のシート、新たなシートを第6のシートとも称する。
【0194】
S323において、S313の処理中にシートが正常に排紙されたが、まだジョブが完了しておらず、CPU601が、プリンタコントローラ213から再度画像形成を実行する情報を受信した場合にも、処理をS301へ戻す。ジョブが完了し、再度画像を形成しない場合、CPU601は、処理を終了させる。
【0195】
なお、両面搬送不良が起きた場合のジョブにおける印刷命令を第5の印刷命令、両面搬送不良が起きた場合のジョブを第5のジョブとも称する。また、両面搬送不良が解消され、CPU601がプリンタコントローラ213から新たに受信する印刷命令を第6の印刷命令、CPU601がプリンタコントローラ213から新たに受信する印刷命令に応じて実行されるジョブを第6のジョブとも称する。
【0196】
なお、本実施形態では、CPU601が、
図8Bに示すようにS313の後に処理をS324へ進めても良い。
【0197】
S324では、シートが正常に画像形成手段へ搬送され、FDトレイ排紙センサ125により出力されるLOW信号を所定回数検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601は、処理をS325へ進める。
【0198】
S325では、両面搬送不良を検知したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていた場合、CPU601が、NVRAM608から給紙搬送不良が発生したことに関する情報を削除し、処理をS323へ進める。
【0199】
S324およびS325の処理を実行することによって、搬送不良が発生した直後であり搬送不良が発生する可能性が高い場合にのみ、S302においてユーザに対してメッセージを出力することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0200】
以上で記載したように、CPU601は、FUトレイ116を開いた位置に切り替え、給紙手段を給紙カセット100からMPトレイ140に切り替えることを促すためのメッセージを出力させる。このメッセージを出力させることによって、両面搬送不良が再び発生してしまうことを抑制することが出来る。
【0201】
なお、本実施形態におけるCPU601の機能は、マルチコアなどの複数のプロセッサを備えたCPU601およびMPU(不図示)が、複数のプロセッサにより実行しても良い。
【0202】
<第1の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、搬送不良が発生する3つの場合について、CPU601が搬送不良を検知し、再度同じ搬送不良が発生することを抑制するための制御について記載した。
【0203】
本実施形態では、CPU601は、定着後紙有無センサ110によって出力される信号に基づいて排紙搬送不良が発生したか否かを検知する。CPU601は、排紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる。NVRAM608に排紙搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されていた場合、オペレーションパネル626にFUトレイ116を開いた位置に切り替えることを促すためのメッセージを出力させる。
【0204】
また、本実施形態では、CPU601は、給紙後紙有無センサ118により出力される信号に基づいて給紙搬送不良が発生したか否かを検知する。CPU601は、給紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる。NVRAM608に給紙搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されていた場合、オペレーションパネル626にシートの給紙部を切り替えさせることを促すためのメッセージを出力させる。
【0205】
さらに、本実施形態では、CPU601は、第1の画像が形成されたシートをFDローラ112により第2の搬送方向へ搬送させた後にREGセンサ106により出力される信号に基づいて両面搬送不良が発生したか否かを検知する。CPU601は、両面搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる。NVRAM608に両面搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されていた場合、オペレーションパネル626にシートの給紙部を切り替えさせることとFUトレイ116を開いた状態の位置に切り替えることを促すためのメッセージを出力させる。
【0206】
以上で説明した機能によって、搬送不良の発生状況に応じて、搬送路を切り替えることを促すためのメッセージを出力することができ、搬送不良の発生を抑制することができる。
【0207】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、FUトレイ116の開閉がユーザによる手動の操作で実行される場合を記載した。本実施形態では、FUトレイ116の開閉は、自動で実行されても良い。また、FUトレイ116の開閉が必要ない場合は、FUトレイが開いた状態に切り替わらないようにロックすることができるロック機構を有しても良い。
【0208】
本実施形態では、CPU601が排紙搬送不良を検知し、再度同じ搬送不良が発生することを抑制するための制御について記載する。
【0209】
図10Aは、本実施形態の画像形成装置20の概略構成図である。画像形成装置20は、FUトレイソレノイド144を有し、FUトレイ116の開放を制限するロック手段を備えている。また、FUトレイ116は自動で開いた状態に切り替わる機構を有している。なお、画像形成装置20は、FUトレイソレノイド144とロック手段以外は、画像形成装置10と同じであるため、説明を省略する。
【0210】
図10Bは、本実施形態の印刷部221によって実現されるソフトウェア機能として、シート搬送制御に関わるハードウェアの構成を示したブロック図である。FUトレイソレノイド144、FUトレイソレノイド駆動回路619以外は
図3Bのブロック図と同じであるため、説明を省略する。
図10Bに示すように、FUトレイソレノイド144は、FUトレイソレノイド駆動回路619およびI/Oポート606を介してCPU601により駆動が制御される。
【0211】
<FUトレイ116のロック手段および自動で開いた状態に切り替わる機構>
以下で、本実施形態において画像形成装置20が有するロック手段および自動開閉機構について、
図10C(a)を用いて説明する。
【0212】
画像形成装置20は、FUトレイソレノイド144と、FUトレイソレノイド144と連動するメカ部材であるロック部材145aと、FUトレイ116に備えられロック部材145aの爪部145bが干渉するロック部材146と、をロック手段として有する。FUトレイソレノイド144は、FUトレイソレノイド駆動回路619を介してCPU601により駆動が制御される。
【0213】
ロック部材145aは、FUトレイソレノイド駆動回路619がOFFでありFUトレイソレノイド144がOFFの場合、
図10C(a)に示すように、FUトレイ116が開いた状態の位置に切り替わらないようにロックしている状態となる。このとき、ロック部材145aは、
図10C(c)に示すように、爪部145bがロック部材146に干渉することによりFU排紙トレイ116が開放することを防いでいる。
図10C(c)は、
図10C(a)に示す状態を、画像形成装置20本体の鉛直方向上側から見た図である。この状態を定常状態とする。
【0214】
なお、画像形成装置20の電源を切った場合、FUトレイ116が開放されることを防ぐために、本実施形態においてFUトレイソレノイド144は自己保持型ソレノイドとする。自己保持型ソレノイドにすることにより、FU排紙トレイソレノイド144は電源が供給されていない状態でもFUトレイ116が開いた状態の位置に切り替わらないようにロックしている状態を保持することができる。
【0215】
CPU601が、FUトレイソレノイド駆動回路619をONにし、FUトレイソレノイド144をONにした場合、ロック部材145aが回動し、爪部145bがロック部材146に干渉しなくなる。このため、
図10C(b)に示すようにFUトレイ116が自重で開いた状態の位置に切り替わる。FUトレイ116が自重で開いた状態の位置に切り替わると、FUトレイソレノイド駆動回路619がOFFになりFUトレイソレノイド144がOFFになることによって、ロック部材145aが
図10Aに示す定常状態の位置に戻る。
【0216】
FUトレイ116を閉じた状態の位置に切り替える場合は、FUトレイ116が、ユーザによる操作によって
図10C(d)に示すように矢印の方向へ力が加えられる。ロック部材146が、爪部145bの斜面と接触すると、ユーザによって加えられる力によりロック部材145aが落ち上げられ、最終的にロック部材145aが定常状態へ戻ることにより、再びロックされる状態に戻る。
【0217】
なお、FUトレイ116が開いた状態に切り替わり、CPU601がFUトレイ開閉センサ117により出力されるHIGH信号を検知することによって、FUトレイソレノイド駆動回路619をOFFに切り替えても良い。このような構成によってFUトレイソレノイド駆動回路619をOFFに切り替えることにより、FUトレイソレノイド144をOFFに切り替え、ロック部材145aを
図10Aに示す定常状態の位置に戻す構成であっても良い。
【0218】
<排紙搬送不良の発生を抑制するための処理>
本実施形態において、排紙搬送不良が発生した場合、再度同じ搬送不良が発生する可能性がある。この場合、CPU601がロック機構を解除することにより、FUトレイ116を開いた状態の位置に切り替え、再度同じ搬送不良が発生してしまうことを抑制することが出来る。排紙搬送不良については、前述の<排紙搬送不良>に記載した通りである。
【0219】
排紙搬送不良が発生する可能性がある場合、及び、排紙搬送不良が発生した場合における具体的な処理を
図11のフローチャートを用いて説明する。なお、
図11のフローチャートは、
図6Bの変形例であり、S1001とS1002のみが異なる。
【0220】
まず、CPU601が、給紙手段によりシートを給紙させ、画像形成手段によりシートに画像を形成させ、シートを排紙させる一連の印刷動作の情報を含む印刷命令をプリンタコントローラ213から受信する。CPU601は、印刷命令に応じてジョブを開始させる。
【0221】
S101では、CPU601は、排紙搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されている場合、処理をS102へ進める。S101において、排紙搬送不良が発生したことに関する情報がNVRAM608に記憶されていない場合、FUトレイ116が閉じた状態で印刷動作を開始し、処理をS1001へ進める。
【0222】
S1001では、CPU601が、FUトレイ116が開いた状態に切り替わらないようにロックするロック手段を解除する。CPU601は、FUトレイソレノイド駆動回路619をONにすることによりFUトレイソレノイド144をONにし、ロック部材145aを回動させることによってFUトレイ116を開いた状態の位置に切り替えると、処理をS1002へ進める。この機能によって、FUトレイ116が閉じた状態の位置であることに起因する搬送不良が発生することを抑制することができ、ユーザビリティの向上につながる。
【0223】
なお、CPU601は、ロック手段を解除する前に、オペレーションパネル626にFUトレイ116を開いた状態の位置に切り替えることを促すためのメッセージを出力させてもいい。
【0224】
さらに、CPU601は、排紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる際に、FUトレイ116が開いた状態に切り替わらないようにロックするロック手段を解除するための情報を記憶させても良い。
【0225】
S1002では、FUトレイ116が開き、CPU601が、FUトレイ開閉センサ117によって出力されたHIGH信号を受信することによって処理をS104へ進める。
【0226】
<第2の実施形態のまとめ>
以上説明したように本実施形態では、排紙搬送不良が発生する場合について、CPU601が搬送不良を検知し、排紙搬送不良が再度発生することを抑制するための制御について記載した。
【0227】
本実施形態では、CPU601は、定着後紙有無センサ110によって出力される信号に基づいて排紙搬送不良が発生したか否かを検知する。CPU601は、排紙搬送不良が発生したことに関する情報をNVRAM608に記憶させる。NVRAM608に排紙搬送不良が発生したことに関する情報が記憶されていた場合、FUトレイ116が開いた状態に切り替わらないようにロックするロック手段を解除することにより、FUトレイ116を開いた位置に切り替える。
【0228】
以上で説明した機能によって、排紙搬送不良の発生状況に応じて、ユーザによってFUトレイ116が操作されなくても、FUトレイ116を開いた位置に切り替えることができ、搬送不良の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0229】
106 REGセンサ
110 定着後紙有無センサ
113 両面搬送センサ
115 排紙トレイ
116 FUトレイ
117 FUトレイ開閉センサ
125 FDトレイ排紙センサ
140 MPトレイ
141 MP紙有無センサ