(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニット
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20240805BHJP
【FI】
B62M6/55
(21)【出願番号】P 2020146443
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】北原 洸佑
(72)【発明者】
【氏名】井澤 明浩
(72)【発明者】
【氏名】野田 慎一朗
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-176718(JP,A)
【文献】中国実用新案第201678014(CN,U)
【文献】特開2019-206315(JP,A)
【文献】特開2012-250580(JP,A)
【文献】特開2017-093165(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0166708(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、
前記ベース部に設けられ、前記モータの駆動力を回転体に伝達するように構成される減速機と、
前記減速機に接続される出力部と、
前記ベース部に設けられ、前記出力部を回転可能に支持する第3軸受と、
前記第3軸受に隣接して配置される、シール部材と、を備え、
前記モータは、
予め定める方向に延び、前記予め定める方向の第1端部にフリーエンドを有する出力軸と、
前記出力軸に固定されるロータと、
前記ロータに対向するステータと、を有し、
前記出力部は、
前記回転体が接続される接続部を有し、前記予め定める方向に延びる回転軸線まわりに回転するように構成され、
前記減速機は、
前記出力軸の前記第1端部に設けられる第1歯部と、
前記予め定める方向に実質的に平行に延びる減速軸と、
前記減速軸を支持する少なくとも1つの軸受と、
前記第1歯部に噛み合う第2歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられる第2歯車と、
第3歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられ、前記第2歯車の回転力が伝達される第3歯車と、を有し、
前記減速機の前記少なくとも1つの軸受は、
第1軸受と、
前記予め定める方向において前記第1軸受よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置される第2軸受と、を有し、
前記予め定める方向において、前記第3歯部は、前記第2歯部よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置され、
前記第2歯車は、前記第3歯車の直径よりも大きい直径を有し、
前記第1軸受の少なくとも一部は、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置さ
れ、
前記出力部の前記接続部は、前記予め定める方向において、前記第3歯車よりも前記第2歯車に近い位置に配置され、
前記シール部材と前記第3軸受との間に、前記ベース部の一部が配置される、ドライブユニット。
【請求項2】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、
前記ベース部に設けられ、前記モータの駆動力を回転体に伝達するように構成される減速機と、
前記減速機に接続される出力部と、
前記ベース部に設けられ、前記出力部を回転可能に支持する第3軸受と、を備え、
前記モータは、
予め定める方向に延び、前記予め定める方向の第1端部にフリーエンドを有する出力軸と、
前記出力軸に固定されるロータと、
前記ロータに対向するステータと、を有し、
前記出力部は、
前記回転体が接続される接続部を有し、前記予め定める方向に延びる回転軸線まわりに回転するように構成され、
前記減速機は、
前記出力軸の前記第1端部に設けられる第1歯部と、
前記予め定める方向に実質的に平行に延びる減速軸と、
前記減速軸を支持する少なくとも1つの軸受と、
前記第1歯部に噛み合う第2歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられる第2歯車と、
第3歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられ、前記第2歯車の回転力が伝達される第3歯車と、を有し、
前記第3歯部に噛み合う第4歯部を有し、かつ、前記出力部に設けられる第4歯車を含み、
前記減速機の前記少なくとも1つの軸受は、
第1軸受と、
前記予め定める方向において前記第1軸受よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置される第2軸受と、を有し、
前記予め定める方向において、前記第3歯部は、前記第2歯部よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置され、
前記第2歯車は、前記第3歯車の直径よりも大きい直径を有し、
前記第1軸受の少なくとも一部は、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置され、
前記出力部の前記接続部は、前記予め定める方向において、前記第3歯車よりも前記第2歯車に近い位置に配置され、
前記予め定める方向において、前記第3軸受は、前記接続部と、前記第4歯車との間に設けられる、ドライブユニット。
【請求項3】
前記第3軸受に隣接して配置される、シール部材をさらに備え、
前記シール部材と前記第3軸受との間に、前記ベース部の一部が配置される、請求項2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、
前記ベース部に設けられ、前記モータの駆動力を伝達するように構成される減速機と、
回転体が接続される接続部を有し、前記減速機に接続される出力部と、を備え、
前記モータは、
予め定める方向に延びる出力軸と、
前記出力軸に固定されるロータと、
前記ロータに対向するステータと、を有し、
前記減速機は、
前記出力軸に設けられる第1歯部と、
前記予め定める方向に平行に延びる減速軸と、
前記減速軸を支持する少なくとも1つの軸受と、
前記減速軸に設けられ、前記第1歯部に噛み合う第2歯部を外周部に有する第2歯車と、
前記減速軸に設けられ、第3歯部を外周部に有し、前記第2歯車の回転力が伝達される第3歯車と、を有し、
前記減速機の前記少なくとも1つの軸受は、
第1軸受と、
前記予め定める方向において前記第1軸受よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置される第2軸受と、を有し、
前記予め定める方向において、前記第2歯部は、前記第3歯部よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置され、
前記第2歯車は、前記第3歯車の直径よりも大きい直径を有し、
前記第1軸受の少なくとも一部は、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置され、
前記出力部は、前記予め定める方向に延びる回転軸線まわりに回転するように構成され、
前記出力部の前記接続部は、前記予め定める方向において、前記第3歯車よりも前記第2歯車に近い位置に配置される、ドライブユニット。
【請求項5】
前記ベース部に設けられ、前記出力部を回転可能に支持する第3軸受をさらに備える、請求
項4に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記第3軸受に隣接して配置される、シール部材をさらに備え、
前記シール部材と前記第3軸受との間に、前記ベース部の一部が配置される、請求項
5に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記減速機は、前記第3歯部に噛み合う第4歯部を有し、かつ、前記出力部に設けられる第4歯車をさらに含み、
前記予め定める方向において、前記第3軸受は、前記接続部と、前記第4歯車との間に設けられる、請求項
5または6に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記第2歯車は、前記予め定める方向において、第1端面と、第2端面と、を含み、
前記第1端面を含み、かつ、前記予め定める方向に垂直な第1平面と、前記第2端面を含み、かつ、前記予め定める方向に垂直な第2平面と、の間に前記第3軸受の少なくとも一部が配置される、請求項
1から3、および、5から7のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項9】
前記第3軸受は、前記第1平面と、前記第2平面との間に全体が配置される、請求項
8に記載のドライブユニット。
【請求項10】
前記第3軸受は、ラジアルベアリングを含む、請求項
1から3、および、5から9のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項11】
前記ベース部に設けられ、前記予め定める方向に延び、人力駆動力が入力される入力回転軸と、
前記第4歯車と、前記出力部との間に設けられるワンウェイクラッチと、をさらに備え、
前記入力回転軸は、少なくとも予め定める第1回転方向に回転する場合に、前記出力部に人力駆動力を伝達するように前記出力部に接続され、
前記ワンウェイクラッチは、前記入力回転軸が前記予め定める第1回転方向に回転し、かつ前記モータが停止している場合に、前記入力回転軸と、前記第4歯車との相対回転を許容するように構成される、請求項
2、3、および、7のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項12】
前記ベース部に設けられ、前記予め定める方向に延び、人力駆動力が入力される入力回転軸をさらに備え、
前記入力回転軸は、少なくとも予め定める第1回転方向に回転する場合に、前記出力部に人力駆動力を伝達するように前記出力部に接続される、請求項
1から10のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項13】
前記入力回転軸と、前記出力部とは、同軸に設けられる、請求項11または12に記載のドライブユニット。
【請求項14】
前記出力部は、前記入力回転軸と一体に回転するように構成される、請求項13に記載のドライブユニット。
【請求項15】
前記予め定める方向における
前記第1軸受の半分以上の部分が、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項16】
前記第1軸受は、ラジアルベアリングを含み、
前記第2軸受は、ラジアルベアリングを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用のコンポーネントは、減速機を含む。減速機は、軸受に支持される減速軸を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、減速軸の延びる方向において小型化できる人力駆動車用のドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、ベース部と、前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、前記ベース部に設けられ、前記モータの駆動力を回転体に伝達するように構成される減速機と、を備え、前記モータは、予め定める方向に延び、前記予め定める方向の第1端部にフリーエンドを有する出力軸と、前記出力軸に固定されるロータと、前記ロータに対向するステータと、を有し、前記減速機は、前記出力軸の前記第1端部に設けられる第1歯部と、前記予め定める方向に実質的に平行に延びる減速軸と、前記減速軸を支持する少なくとも1つの軸受と、前記第1歯部に噛み合う第2歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられる第2歯車と、第3歯部を外周部に有し、前記減速軸に設けられ、前記第2歯車の回転力が伝達される第3歯車と、を有し、前記減速機の前記少なくとも1つの軸受は、第1軸受と、前記予め定める方向において前記第1軸受よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置される第2軸受と、を有し、前記予め定める方向において、前記第3歯部は、前記第2歯部よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置され、前記第2歯車は、前記第3歯車の直径よりも大きい直径を有し、前記第1軸受の少なくとも一部は、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置される。
第1側面のドライブユニットによれば、第1軸受の少なくとも一部は、第2歯車の径方向において、第2歯部の内側に配置されるため、減速軸の延びる方向において小型化できる。第1側面のドライブユニットによれば、予め定める方向における出力軸の第1端部の端面に、第1歯部を近づけて配置しやすい。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記回転体が接続される接続部を有し、前記減速機に接続される出力部をさらに備える。
第2側面のドライブユニットによれば、出力部によってモータの駆動力を回転体に好適に伝達できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記出力部は、前記予め定める方向に延びる回転軸線まわりに回転するように構成され、前記出力部の前記接続部は、前記予め定める方向において、前記第3歯車よりも前記第2歯車に近い位置に配置される。
第3側面のドライブユニットによれば、第1歯車から出力部の接続部までの動力伝達経路の距離を短く構成しやすい。
【0008】
本開示の第4側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、ベース部と、前記ベース部に設けられ、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータと、前記ベース部に設けられ、前記モータの駆動力を伝達するように構成される減速機と、回転体が接続される接続部を有し、前記減速機に接続される出力部と、を備え、前記モータは、予め定める方向に延びる出力軸と、前記出力軸に固定されるロータと、前記ロータに対向するステータと、を有し、前記減速機は、前記出力軸に設けられる第1歯部と、前記予め定める方向に平行に延びる減速軸と、前記減速軸を支持する少なくとも1つの軸受と、前記減速軸に設けられ、前記第1歯部に噛み合う第2歯部を外周部に有する第2歯車と、前記減速軸に設けられ、第3歯部を外周部に有し、前記第2歯車の回転力が伝達される第3歯車と、を有し、前記減速機の前記少なくとも1つの軸受は、第1軸受と、前記予め定める方向において前記第1軸受よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置される第2軸受と、を有し、前記予め定める方向において、前記第2歯部は、前記第3歯部よりも前記ロータおよび前記ステータに近い位置に配置され、前記第2歯車は、前記第3歯車の直径よりも大きい直径を有し、前記第1軸受の少なくとも一部は、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置され、前記出力部は、前記予め定める方向に延びる回転軸線まわりに回転するように構成され、前記出力部の前記接続部は、前記予め定める方向において、前記第3歯車よりも前記第2歯車に近い位置に配置される。
第4側面のドライブユニットによれば、第1軸受の少なくとも一部は、第2歯車の径方向において、第2歯部の内側に配置されるため、減速軸の延びる方向において小型化できる。第4側面のドライブユニットによれば、第1歯車から出力部の接続部までの動力伝達経路の距離を短く構成しやすい。
【0009】
本開示の第3または第4側面に従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記ベース部に設けられ、前記出力部を回転可能に支持する第3軸受をさらに備える。
第5側面のドライブユニットによれば、出力部を円滑に回転させることができる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記第2歯車は、前記予め定める方向において、第1端面と、第2端面と、を含み、前記第1端面を含み、かつ、前記予め定める方向に垂直な第1平面と、前記第2端面を含み、かつ、前記予め定める方向に垂直な第2平面と、の間に前記第3軸受の少なくとも一部が配置される。
第6側面のドライブユニットによれば、予め定める方向において第3軸受が配置される部分の小型化できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記第3軸受は、前記第1平面と、前記第2平面との間に全体が配置される。
第7側面のドライブユニットによれば、予め定める方向において第3軸受が配置される部分を小型化できる。
【0012】
本開示の第5から第7側面のいずれか1つに従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記第3軸受は、ラジアルベアリングを含む。
第8側面のドライブユニットによれば、出力部の回転に伴う動力損失を低減できる。
【0013】
本開示の第5から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記第3軸受に隣接して配置される、シール部材をさらに備え、前記シール部材と前記第3軸受との間に、前記ベース部の一部が配置される。
第9側面のドライブユニットによれば、シール部材が第3軸受によって押し潰されることが抑制される。
【0014】
本開示の第5から第9側面のいずれか1つに従う第10側面のドライブユニットにおいて、前記減速機は、前記第3歯部に噛み合う第4歯部を有し、かつ、前記出力部に設けられる第4歯車をさらに含み、前記予め定める方向において、前記第3軸受は、前記接続部と、前記第4歯車との間に設けられる。
第10側面のドライブユニットによれば、出力部のうち回転力が入力される部分と、回転力が出力される部分との間に、第3軸受が設けられるので、出力部が安定して支持される。
【0015】
本開示の第10側面に従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記ベース部に設けられ、前記予め定める方向に延び、人力駆動力が入力される入力回転軸と、前記第4歯車と、前記出力部との間に設けられるワンウェイクラッチと、をさらに備え、前記入力回転軸は、少なくとも予め定める第1回転方向に回転する場合に、前記出力部に人力駆動力を伝達するように前記出力部に接続され、前記ワンウェイクラッチは、前記入力回転軸が前記予め定める第1回転方向に回転し、かつ前記モータが停止している場合に、前記入力回転軸と、前記第4歯車との相対回転を許容するように構成される。
第11側面のドライブユニットによれば、モータが停止している状態において、入力回転軸を予め定める第1回転方向に回転させる場合に、入力回転軸から第4歯車への駆動力の伝達が抑制されるので、人力駆動力の損失を抑制できる。
【0016】
本開示の第2から第10側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記ベース部に設けられ、前記予め定める方向に延び、人力駆動力が入力される入力回転軸をさらに備え、前記入力回転軸は、少なくとも予め定める第1回転方向に回転する場合に、前記出力部に人力駆動力を伝達するように前記出力部に接続される。
第12側面のドライブユニットによれば、人力駆動力によって入力回転軸を予め定める方向に回転させることによって、出力部を回転させることができる。
【0017】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記入力回転軸と、前記出力部とは、同軸に設けられる。
第13側面のドライブユニットによれば、ドライブユニットを小型化できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面のドライブユニットにおいて、前記出力部は、前記入力回転軸と一体に回転するように構成される。
第14側面のドライブユニットによれば、入力回転軸と出力部との間において人力駆動力の損失を低減できる。
【0019】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面のドライブユニットにおいて、前記予め定める方向における第1軸受の半分以上の部分が、前記第2歯車の径方向において、前記第2歯部の内側に配置される。
第15側面のドライブユニットによれば、減速軸の延びる方向においてさらに小型化できる。
【0020】
本開示の第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面のドライブユニットにおいて、前記第1軸受は、ラジアルベアリングを含み、前記第2軸受は、ラジアルベアリングを含む。
第16側面のドライブユニットによれば、減速軸の回転に伴う動力損失を低減できる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の人力駆動車用のドライブユニットは、減速軸の延びる方向において小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の側面図。
【
図2】実施形態の人力駆動車用のドライブユニットの斜視図。
【
図3】
図2の人力駆動車用のドライブユニットの第
1方向における第1側面図。
【
図4】
図2の人力駆動車用のドライブユニットの第
2方向における第2側面図。
【
図5】
図2の人力駆動車用のドライブユニットの平面図。
【
図6】
図4からカバー部を取り外した状態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
図1から
図7を参照して、実施形態の人力駆動車用のドライブユニット40について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、電動アシスト自転車として説明し、電動アシスト自転車の一例をロードバイクとして説明する。
【0024】
人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク12を備える。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪14と、車体16と、を、さらに備える。少なくとも1つの車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。クランク12は、フレーム18に対して回転可能な入力回転軸56と、入力回転軸56の軸方向の端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12Aとを含む。本実施形態において、入力回転軸56は、クランク軸である。各クランクアーム12Aには、一対のペダル20がそれぞれ連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。後輪14Aは、フレーム18に支持される。クランク12と後輪14Aとは、駆動機構22によって連結される。駆動機構22は、入力回転軸56に連結される回転体24を含む。回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。回転体24は、連結部材を介して、後輪14Aに接続される。連結部材は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0025】
人力駆動車10は、フロントディレーラを含んでいてもよい。人力駆動車10が、フロントディレーラを含む場合、回転体24は、複数のスプロケットを含んでいてもよい。フレーム18には、フロントフォーク30を介して前輪14Bが取り付けられている。フロントフォーク30には、ハンドルバーがステムを介して連結されている。本実施形態では、後輪14Aが駆動機構22によってクランク12に連結されるが、後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つが、駆動機構22によってクランク12に連結されてもよい。
【0026】
好ましくは、人力駆動車10は、バッテリ36をさらに含む。バッテリ36は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ36は、ドライブユニット40に電力を供給するように構成される。バッテリ36は、好ましくは、ドライブユニット40と電気ケーブルまたは無線通信装置を介して通信可能に接続される。バッテリ36は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によってドライブユニット40と通信可能である。
【0027】
ドライブユニット40は、ベース部42と、モータ44と、減速機46と、を備える。ベース部42は、例えば、ドライブユニット40のハウジングを構成する。ベース部42は、フレーム18に設けられる。ベース部42は、例えば、フレーム18に着脱可能に取り付けられる。ベース部42は、少なくとも1つの取付部42Aを有する。少なくとも1つの取付部42Aは、ベース部42の外周部に設けられる。少なくとも1つの取付部42Aは、それぞれ、孔および雌ねじ部の少なくとも1つを含む。好ましくは、孔および雌ねじ部は、入力回転軸56の回転軸線CAに平行な方向に延びる。少なくとも1つの取付部42Aおよびフレーム18にボルトが係合することによって、ベース部42がフレーム18に取り付けられる。
【0028】
少なくとも1つの取付部42Aは、入力回転軸56の回転軸線CAの延びる方向において、ベース部42の第1側壁部40Aおよびベース部42の第2側壁部40Bにそれぞれ設けられる。好ましくは、第1側壁部40Aには、3つの取付部42Aが設けられる。好ましくは、第2側壁部40Bには、2つの取付部42Aが設けられる。好ましくは、第1側壁部40Aに設けられる3つの取付部42Aのうちの2つは、入力回転軸56の回転軸線CAに平行な方向から見て、第2側壁部40Bに設けられる2つの取付部42Aのそれぞれに重なる位置に配置される。第1側壁部40Aに設けられる3つの取付部42Aは、入力回転軸56の回転軸線CAまわりに間隔をあけて配置される。好ましくは、第1側壁部40Aの3つの取付部42Aは、入力回転軸56の回転軸線CAに平行な方向から見て、3つの取付部42Aの中心を結ぶ三角形の領域に、入力回転軸56の回転軸線CAが配置されるように第1側壁部40Aに設けられる。
【0029】
好ましくは、ベース部42は、第1ハウジング42Xおよび第2ハウジング42Yを含む。第1ハウジング42Xは、ベース部42の第1側壁部40Aを含む。第2ハウジング42Yは、ベース部42の第2側壁部40Bを含む。第1ハウジング42Xと第2ハウジング42Yとは、例えば、ボルト等によって互いに取り付けられる。第1ハウジング42Xおよび第2ハウジング42Yは、収容空間42Zを形成する。モータ44は、収容空間42Zに配置される。本実施形態において、ベース部42は、金属によって形成される。ベース部42を形成する金属は、例えば、アルミニウム合金、または、マグネシウム合金を含む。ベース部42は、合成樹脂によって形成されてもよい。
【0030】
モータ44は、ベース部42に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。モータ44は、電気モータを含む。電気モータは、例えば、ブラシレスモータである。モータ44は、回転体24に回転力を伝達するように構成される。
【0031】
モータ44は、出力軸48と、ロータ50と、ステータ52とを有する。出力軸48は、予め定める方向Aに延び、予め定める方向Aの第1端部48Aにフリーエンドを有する。ロータ50は、出力軸48に固定される。ステータ52は、ロータ50に対向する。出力軸48は、予め定める方向Aにおいて、第1端部48Aとは反対側の第2端部48Bを備える。予め定める方向Aのうち、出力軸48の第1端部48Aから第2端部48Bに向かう方向を第1方向A1とする。予め定める方向Aのうち、出力軸48の第2端部48Bから第1端部48Aに向かう方向を第2方向A2とする。好ましくは、モータ44は、ラジアルギャップ型のモータである。好ましくは、モータ44は、インナロータ型のモータである。モータ44は、アウタロータ型のモータであってもよい。モータ44は、アキシャルギャップ型のモータであってもよい。第1端部48Aは、ベース部42の第1側壁部40Aの内面に対向する。第1端部48Aとベース部42の第1側壁部40Aの内面との間には、空隙が形成される。予め定める方向Aにおいて、第1端部48Aとベース部42の第1側壁部40Aの内面との間の距離は、1mm以上、10mm以下であり、好ましくは、1mm以上、5mm以下である。
【0032】
モータ44は、少なくとも1つのモータ軸受45をさらに含む。少なくとも1つのモータ軸受45は、第1モータ軸受45Aと、第2モータ軸受45Bとを含む。第1モータ軸受45Aは、予め定める方向Aにおける出力軸48の第1端部48Aと、予め定める方向Aにおける出力軸48の第2端部48Bと、の間の中間部を回転可能に支持する。第2モータ軸受45Bは、予め定める方向Aにおける出力軸48の第2端部48Bを回転可能に支持する。好ましくは、第1モータ軸受45Aは、ラジアルベアリングを含む。好ましくは、第2モータ軸受45Bは、ラジアルベアリングを含む。第1モータ軸受45Aは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。第2モータ軸受45Bは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。第1モータ軸受45Aの内輪の内径は、第2モータ軸受45Bの内輪の内径よりも大きい。第1モータ軸受45Aの外輪の外径は、第2モータ軸受45Bの外輪の外径よりも大きい。第1モータ軸受45Aは、第2側壁部40Bの内面部に形成される凹部43Aに支持される。
【0033】
本実施形態では、予め定める方向Aにおいて、第1モータ軸受45Aおよび第2モータ軸受45Bとの間に、ロータ50の一部が配置される。出力軸48のうち、ロータ50が設けられる部分の外径は、第1モータ軸受45Aが設けられる部分の外径よりも小さい。出力軸48のうち、ロータ50が設けられる部分と第1モータ軸受45Aが設けられる部分との間には、第1モータ軸受45Aの内輪に第1方向A1の下流側から接触する位置決め部が設けられる。位置決め部の外径は、第1モータ軸受45Aが設けられる部分の外径よりも大きい。本実施形態において、第1モータ軸受45Aの少なくとも一部および第2モータ軸受45Bの少なくとも一部は、それぞれ、環状に形成されるステータ52の内周面と、出力軸48との間に配置される。
【0034】
減速機46は、ベース部42に設けられ、モータ44の駆動力を回転体24に伝達するように構成される。好ましくは、ドライブユニット40は、出力部54をさらに備える。減速機46は、ベース部42の収容空間42Zに配置される。出力部54は、回転体24が接続される接続部54Aを有し、減速機46に接続される。出力部54は、予め定める方向Aに延びる回転軸線C1まわりに回転するように構成される。
【0035】
好ましくは、ドライブユニット40は、入力回転軸56をさらに備える。入力回転軸56は、ベース部42に設けられ、予め定める方向Aに延び、人力駆動力が入力される。入力回転軸56は、少なくとも予め定める第1回転方向R1に回転する場合に、出力部54に人力駆動力を伝達するように出力部54に接続される。好ましくは、入力回転軸56と、出力部54とは、同軸に設けられる。好ましくは、出力部54は、入力回転軸56の外周部に設けられる。入力回転軸56は、好ましくは、金属によって形成される。本実施形態では、入力回転軸56は、中空軸によって形成される。入力回転軸56は、中実軸によって形成されてもよい。
【0036】
ベース部42には、第1孔42Bおよび第2孔42Cが形成される。第1孔42Bは、第1側壁部40Aに形成される。第2孔42Cは、第2側壁部40Bに形成される。入力回転軸56は、入力回転軸56の延びる方向において、第1端部56Aおよび第2端部56Bを有する。入力回転軸56は、第1孔42Bおよび第2孔42Cを通過して、ベース部42の収容空間42Zからベース部42の外部に突出する。第1端部56Aは、第1孔42Bからベース部42の外部に露出する。第2端部56Bは、第2孔42Cからベース部42の外部に露出する。
【0037】
出力部54の少なくとも一部は、第1端部56Aのまわりに配置される。出力部54の少なくとも一部は、第1孔42Bに配置され、接続部54Aがベース部42の外部に露出する。出力部54は、実質的に円筒形状を有する。好ましくは、出力部54は、金属によって形成される。接続部54Aは、予め定める方向Aにおいて、出力部54の第1端部54Cに設けられる。接続部54Aは、第1端部54Cの外周部に設けられる。接続部54Aは、例えば、スプライン溝を有する。第1端部54Cの内周部には、接続部54Aに回転体24が接続される状態において、予め定める方向Aへの回転体24の移動を規制するロックリングが結合するように構成される雌ねじが形成される。出力部54の第1端部54Cは、ベース部42に形成される第1孔42Bを通過して、ベース部42の収容空間42Zから外部に突出する。好ましくは、接続部54Aは、ベース部42に含まれるハウジングの外部に配置される。
【0038】
好ましくは、出力部54は、入力回転軸56と一体に回転するように構成される。出力部54は、少なくとも入力回転軸56が予め定める第1回転方向R1に回転する場合に、入力回転軸56と一体に回転するように構成される。本実施形態では、出力部54は、入力回転軸56が予め定める第1回転方向R1に回転する場合に、入力回転軸56と一体に回転し、かつ、入力回転軸56が予め定める第1回転方向R1とは反対の予め定める第2回転方向R2に回転する場合にも、入力回転軸56と一体に回転する。
【0039】
例えば、入力回転軸56の外周部および出力部54の内周部の一方は、少なくとも1つの凸部を有し、入力回転軸56の外周部および出力部54の内周部の他方は、少なくとも1つの凸部と係合する、少なくとも1つの凹部を有する。本実施形態では、入力回転軸56の外周部に第1セレーションが形成され、出力部54の内周部に第1セレーションと嵌合する第2セレーションが形成される。第1セレーションは、第2セレーションに圧入されてもよく、接着剤によって固定されてもよい。
【0040】
減速機46は、モータ44の回転速度を2段階以上において減速して、回転体24にモータ44の駆動力を伝達するように構成される。本実施形態では、減速機46は、モータ44の回転速度を2段階において減速して回転体24にモータ44の駆動力を伝達するように構成される。減速機46は、第1歯部58と、減速軸60と、少なくとも1つの軸受62と、第2歯車64と、第3歯車66と、を有する。第1歯部58は、出力軸48の第1端部48Aに設けられる。減速軸60は、予め定める方向Aに実質的に平行に延びる。第2歯車64は、第1歯部58に噛み合う第2歯部64Aを外周部に有し、減速軸60に設けられる。第3歯車66は、第3歯部66Aを外周部に有し、減速軸60に設けられ、第2歯車64の回転力が伝達される。予め定める方向Aにおいて、第3歯部66Aは、第2歯部64Aよりもロータ50およびステータ52に近い位置に配置される。第2歯車64は、第3歯車66の直径よりも大きい直径を有する。
【0041】
第2歯車64は、第1歯部58の直径よりも大きい直径を有する。このため、第2歯車64の回転速度は、第1歯部58の回転速度よりも低くなる。第1歯部58および第2歯部64Aは、平歯車を構成していてもよく、はすば歯車を構成してもよい。好ましくは、減速機46は、第3歯部66Aに噛み合う第4歯部68Aを有し、かつ、出力部54に設けられる第4歯車68をさらに含む。第4歯車68は、第3歯車66の直径よりも大きい直径を有する。このため、第3歯車66の回転は、減速して第4歯車68に伝達される。第3歯部66Aおよび第4歯部68Aは、平歯車を構成していてもよく、はすば歯車を構成してもよい。
【0042】
第1歯部58は、出力軸48と一体に回転するように構成される。好ましくは、第1歯部58は、単一部材として出力軸48と一体に形成される。好ましくは、第1歯部58は、予め定める方向Aにおける出力軸48の第1端部48Aの端面48Cまで到達するように形成される。出力軸48は、金属によって形成される。単一部材として第1歯部58を出力軸48と一体に形成する場合、出力軸48を加工して第1歯部58を形成する。出力軸48を、例えば切削によって加工して第1歯部58を形成する場合、出力軸48の端面48Cから予め定める方向Aの第2端部48Bに向かって出力軸48を切削する。出力軸48の端面48Cから予め定める方向Aの第2端部48Bに向かって出力軸48を切削する場合、切削溝のうちの予め定める方向Aにおける第2端部48B側の端部において切削溝を徐々に浅くすることが好ましい。切削溝のうちの予め定める方向Aにおける第2端部48B側の端部において切削溝を徐々に浅くすることによって、出力軸48の強度が確保できる。切削溝のうち、切削溝が徐々に浅くなる部分は、第1歯部58として、使用できない。出力軸48の第1端部48Aに第1歯部58を形成することによって、切削溝が徐々に浅くなる部分を、第3歯部66Aの配置に必要な第1歯部58とロータ50との間の中間部に配置できる。出力軸48に第1歯部58を形成することによって、第1歯部58を出力軸48と別体に設けて出力軸48に取り付ける場合と比較して、部品点数の削減できる。
【0043】
第1歯部58は、出力軸48と別体に形成されて、出力軸48の第1端部48Aに固定されてもよい。第1歯部58は、出力軸48と別体に形成される場合、第1歯部58は、金属によって形成されてもよく、合成樹脂によって形成されてもよい。
【0044】
本実施形態では、第2歯車64は、減速軸60と一体に回転するように構成される。好ましくは、第2歯車64は、減速軸60と別体に形成されて、減速軸60に固定される。例えば、減速軸60は、金属によって形成される。好ましくは、第2歯車64は、合成樹脂によって形成される。第2歯車64は、金属によって形成されてもよい。第2歯車64は、単一部材として減速軸60と一体に形成されてもよい。本実施形態では、第3歯車66は、減速軸60と一体に回転するように構成される。好ましくは、第3歯車66は、減速軸60と一体に形成される。第3歯車66は、減速軸60と別体に形成されて減速軸60に固定されてもよい。第3歯車66は、合成樹脂によって形成されてもよく、金属によって形成されてもよい。好ましくは、減速軸60は、中空に形成される。減速軸60は、中実に形成されてもよい。
【0045】
好ましくは、第4歯車68は、出力部54と別体に形成されて出力部54に取り付けられる。好ましくは、第4歯車68は、金属によって形成される。第4歯車68は、合成樹脂によって形成されてもよい。第4歯車68は、予め定める方向Aから見て、第4歯車68の一部が、ステータ52に重なるように配置される。
【0046】
好ましくは、出力部54の接続部54Aは、予め定める方向Aにおいて、第3歯車66よりも第2歯車64に近い位置に配置される。第1方向A1において、第3歯車66は、第2歯車64の下流側に隣接して配置される。出力部54の接続部54Aの少なくとも一部は、予め定める方向Aにおいて、第2歯車64よりもロータ50およびステータ52から遠い位置に配置される。
【0047】
本実施形態では、予め定める方向Aと平行な方向から見た場合、出力軸48、減速軸60、および、出力部54は、出力軸48の回転軸線C2、減速軸60の回転軸線C3、および、出力部54の回転軸線C1が実質的に直線上に配置される。予め定める方向Aと平行な方向から見た場合、出力軸48、減速軸60、および、出力部54は、出力軸48の回転軸線C2、減速軸60の回転軸線C3、および、出力部54の回転軸線C1が、それぞれ三角形の頂点になるように配置されてもよい。
【0048】
例えば、出力軸48の回転軸線C2から減速軸60の回転軸線C3までの距離は、減速軸60の回転軸線C3から出力部54の回転軸線C1までの距離よりも短い。予め定める方向Aと平行な方向から見た場合、減速軸60は、ロータ50およびステータ52の少なくとも1つに重なる位置に配置される。予め定める方向Aと平行な方向から見た場合、第2歯車64は、ロータ50およびステータ52の少なくとも1つに重なる位置に配置される。予め定める方向Aと平行な方向から見た場合、第3歯車66は、ロータ50およびステータ52の少なくとも1つに重なる位置に配置される。
【0049】
少なくとも1つの軸受62は、減速軸60を支持する。減速機46の少なくとも1つの軸受62は、第1軸受62Aと、予め定める方向Aにおいて第1軸受62Aよりもロータ50およびステータ52に近い位置に配置される第2軸受62Bと、を有する。好ましくは、第1軸受62Aは、予め定める方向Aにおける減速軸60の第1端部60Aを支持する。好ましくは、第2軸受62Bは、予め定める方向Aにおける減速軸60の第2端部60Bを支持する。
【0050】
好ましくは、第1軸受62Aは、ラジアルベアリングを含む。好ましくは、第2軸受62Bは、ラジアルベアリングを含む。好ましくは、第1軸受62Aは、玉軸受またはころ軸受である。第1軸受62Aは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。例えば、第1軸受62Aの内輪は、減速軸60に固定され、好ましくは、第1軸受62Aの内輪は、減速軸60に圧入される。好ましくは、第1軸受62Aの外輪は、ベース部42に形成される第1凹部43Bに隙間嵌めされる。第1軸受62Aは、すべり軸受であってもよい。好ましくは、第2軸受62Bは、玉軸受またはころ軸受である。第2軸受62Bは、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。例えば、第2軸受62Bの内輪は、減速軸60に固定され、第2軸受62Bの外輪は、ベース部42に保持される。好ましくは、第2軸受62Bの内輪は、減速軸60に圧入される。好ましくは、第2軸受62Bの外輪は、ベース部42形成される第2凹部43Cに隙間嵌めされる。第2軸受62Bは、すべり軸受であってもよい。第2凹部43Cは、ベース部42の内壁部40Cに形成される。本実施形態では、第1軸受62Aの外輪の外径、および、第2軸受62Bの外輪の外径は、第3歯車66の直径よりも大きい。本実施形態では、第1軸受62Aの外輪の外径は、第2軸受62Bの外輪の外径に等しい。本実施形態では、第1軸受62Aの内輪の内径は、第2軸受62Bの内輪の内径よりも小さい。
【0051】
第1軸受62Aの少なくとも一部は、第2歯車64の径方向において、第2歯部64Aの内側に配置される。好ましくは、予め定める方向Aにおける第1軸受62Aの半分以上の部分が、第2歯車64の径方向において、第2歯部64Aの内側に配置される。第2歯車64は、減速軸60に取り付けられる中央部64Eと、第2歯部64Aが設けられる外周部64Fと、中央部64Eおよび外周部64Fとを接続する中間部64Bとを含む。本実施形態では、中央部64Eの内周面に雌ねじが形成される。減速軸60のうち中央部64Eが固定される部分には、中央部64Eの雌ねじが結合する雄ねじが形成される。人力駆動車10に推進力を付与するようにモータ44を駆動すると、出力軸48の回転力によって、第2歯車64には、第2歯車64が減速軸60に結合される方向に力が加わる。
【0052】
予め定める方向Aにおける中央部64Eの幅L1と、予め定める方向Aにおける中間部64Bの幅L2は、予め定める方向Aにおける外周部64Fの幅L3よりも小さい。予め定める方向Aにおける中央部64Eの幅L1は、予め定める方向Aにおける中間部64Bの幅L2よりも小さい。予め定める方向Aにおける中央部64Eの幅L1は、予め定める方向Aにおける中間部64Bの幅L2と等しくてもよい。好ましくは、幅L1は、幅L3の1/5以上、2/3以下である。好ましくは、幅L1は、幅L2の1/5以上、2/3以下である。第2歯車64の中央部64Eは、金属によって形成されてもよい。第2歯車64の中央部64Eが金属によって形成され、中間部64Bおよび外周部64Fが合成樹脂によって形成される場合、中間部64Bは中央部64Eにインサート成型される。中央部64Eは、圧入によって減速軸60に固定されてもよい。中央部64Eと、減速軸60のうち中央部64Eが形成される部分には、第2歯車64と減速軸60との相対回転を阻止するように凹部および凸部の少なくとも1つが形成されてもよい。
【0053】
第2歯車64の外周部64Fに第2歯部64Aが形成される。外周部64Fの内周面と、減速軸60との間には、第1軸受62Aの少なくとも一部が配置される第1配置空間42Wが形成される。第1配置空間42Wには、ベース部42の少なくとも一部も配置される。第1配置空間42Wには、ベース部42の第1凹部43Bの少なくとも一部が配置される。予め定める方向Aにおいて、第1軸受62Aの全体が、第1配置空間42Wに配置されてもよい。
【0054】
ベース部42は、予め定める方向Aにおいて、第1側壁部40Aと第2側壁部40Bとの間に配置される内壁部40Cを含む。内壁部40Cは、収容空間42Zに配置される。内壁部40Cは、収容空間42Zロータおよびステータが配置される第1収容空間と、減速機46が配置される第2収容空間とに区切るように形成される。内壁部40Cは、第1ハウジング42Xおよび第2ハウジング42Yとは別体に形成される。内壁部40Cは、例えばボルトによって、第2ハウジング42Yに着脱可能に固定される。内壁部40Cには、モータ44の出力軸48が通過する貫通孔40Dが形成される。第1モータ軸受45Aは、内壁部40Cに形成される凹部43Dに支持される。凹部43Dに貫通孔40Dが形成される。第1モータ軸受45Aの外輪は、第1方向A1の下流側から内壁部40Cに接触する。
【0055】
好ましくは、ドライブユニット40は、第3軸受70をさらに備える。第3軸受70は、ベース部42に設けられ、出力部54を回転可能に支持する。好ましくは、第3軸受70は、ラジアルベアリングを含む。好ましくは、第3軸受70は、玉軸受またはころ軸受である。第3軸受70は、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。例えば、第3軸受70の内輪は、出力部54に固定され、第3軸受70の外輪は、ベース部42に保持される。好ましくは、第3軸受70の内輪は、出力部54に圧入される。好ましくは、第3軸受70の外輪は、ベース部42形成される第3凹部43Eに隙間嵌めされる。第3軸受70は、すべり軸受であってもよい。
【0056】
第2歯車64は、予め定める方向Aにおいて、第1端面64Cと、第2端面64Dと、を含む。本実施形態では、第2歯車64のうち第1方向A1の上流側の端面を第1端面64Cとし、第2歯車64のうち第1方向A1の下流側の端面を第2端面64Dとする。好ましくは、第1端面64Cを含み、かつ、予め定める方向Aに垂直な第1平面S1と、第2端面64Dを含み、かつ、予め定める方向Aに垂直な第2平面S2と、の間に第3軸受70の少なくとも一部が配置される。好ましくは、第3軸受70は、第1平面S1と、第2平面S2との間に全体が配置される。出力部54の第1端部54Cと、出力部54の第2端部54Bとの間の出力部54の中間部と、入力回転軸56との間には、筒状部材57が設けられてもよい。筒状部材57は、スリーブまたはニードルベアリングを含む。筒状部材57は、出力部54の中間部の内周面と、入力回転軸56の外周面とに接触する。筒状部材57は、第1平面S1と、第2平面S2との間に少なくとも一部が配置される。筒状部材57は、第3軸受70の少なくとも径方向内側に、少なくとも一部が配置される。筒状部材57は、第4歯車68の径方向内側に、少なくとも一部が配置される。
【0057】
好ましくは、ドライブユニット40は、第3軸受70に隣接して配置される、シール部材72をさらに備える。好ましくは、シール部材72と第3軸受70との間に、ベース部42の一部が配置される。第3凹部43Eは、第3軸受70の外輪の外周面に接触する内周面43Xと、第3軸受70およびシール部材72の間に配置される第1側面部43Yとを含む。例えば、第3軸受70の外輪は、第1方向A1の下流側から第1側面部43Yに接触する。第1側壁部40Aの内周面は、第1孔42Bを定義する。第1孔42Bの内径は、出力部54のうち第1孔42Bに対向する部分の外径よりもわずかに大きい。シール部材72は、ベース部42と、出力部54との間に配置される。シール部材72は、弾性を有する。シール部材72は、例えば、ゴムによって形成される。シール部材72は、実質的に円環形状に形成される。シール部材72の外周部は、ベース部42に固定される。例えば、シール部材72の外周部は、ベース部42に形成される第4凹部43Fに圧入される。シール部材72の内周部は、出力部54の外周面に接触する。シール部材72は、第1ハウジング42Xの外側から、ベース部42に固定されるので、取り付けおよび交換が容易である。シール部材72は、第1孔42Bから収容空間42Zに異物が侵入することを抑制する。好ましくは、予め定める方向Aにおいて、第3軸受70は、接続部54Aと、第4歯車68との間に設けられる。
【0058】
好ましくは、ドライブユニット40は、第4軸受74をさらに備える。第4軸受74は、ベース部42に設けられ、入力回転軸56の第2端部56Bを回転可能に支持する。好ましくは、第4軸受74は、ラジアルベアリングを含む。好ましくは、第4軸受74は、玉軸受またはころ軸受である。例えば、第4軸受74の内輪は、入力回転軸56に固定され、第4軸受74の外輪は、ベース部42に保持される。好ましくは、第4軸受74の内輪は、入力回転軸56に圧入される。好ましくは、第4軸受74の外輪は、ベース部42形成される第5凹部43Gに隙間嵌めされる。第4軸受74は、すべり軸受であってもよい。
【0059】
好ましくは、ドライブユニット40は、第4軸受74に隣接して配置される、シール部材72Aをさらに備える。好ましくは、シール部材72Aと第4軸受74との間に、ベース部42の一部が配置される。第5凹部43Gは、第4軸受74の外輪の外周面に接触する内周面43Vと、第4軸受74およびシール部材72Aの間に配置される第2側面部43Wとを含む。
【0060】
好ましくは、予め定める方向Aにおいて、第4軸受74の外輪および第4軸受74の内輪の少なくとも1つと、第2側面部43Wとの間には、板ばねまたはワッシャの少なくとも1つが設けられる。板ばねまたはワッシャの少なくとも1つによって、入力回転軸56および、出力部54の、予め定める方向Aにおけるがたつきを抑制される。第2側面部43Wの内周面は、第2孔42Cを定義する。第2孔42Cの内径は、入力回転軸56のうち第2孔42Cに対向する部分の外径よりもわずかに大きい。シール部材72Aは、ベース部42と、入力回転軸56との間に配置される。シール部材72Aは、弾性を有する。シール部材72Aは、例えば、ゴムによって形成される。シール部材72Aは、実質的に円環形状に形成される。シール部材72Aの外周部は、ベース部42に固定される。例えば、シール部材72Aの外周部は、ベース部42に形成される第6凹部43Hに圧入される。シール部材72Aの内周部は、入力回転軸56の外周面に接触する。シール部材72Aは、第2ハウジング42Yの外側から、ベース部42に固定されるので、取り付けおよび交換が容易である。
【0061】
好ましくは、ドライブユニット40は、ワンウェイクラッチ78をさらに備える。ワンウェイクラッチ78は、第4歯車68と、出力部54との間に設けられる。ワンウェイクラッチ78は、入力回転軸56が予め定める第1回転方向R1に回転し、かつモータ44が停止している場合に、入力回転軸56と、第4歯車68との相対回転を許容するように構成される。ワンウェイクラッチ78は、例えば、ローラクラッチ、スプラグ式クラッチ、および、爪式クラッチの少なくとも1つを含む。ワンウェイクラッチ78は、例えば、第4歯車68の内周部と、出力部54との間に設けられる。ワンウェイクラッチ78は、内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体とを含む。ワンウェイクラッチ78の外輪は、単一部材として、第4歯車68と一体に形成されてもよい。ワンウェイクラッチ78の内輪は、単一部材として、出力部54と、一体に形成されてもよい。ワンウェイクラッチ78は、内輪と、外輪と、は、金属によって形成される。好ましくは、ワンウェイクラッチ78の複数の転動体は、キャリアによって保持される。ワンウェイクラッチ78は、予め定める方向Aにおいて、出力部54の第1端部54Cおよび第2端部54Bの間の中間部に設けられる。
【0062】
好ましくは、ドライブユニット40は、制御装置80を含む。制御装置80は、制御部を含む。制御部は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御装置80は、記憶部をさらに含む。記憶部には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。
【0063】
制御装置80は、収容空間42Zに配置される。制御装置80は、回路基板80Aを含む。回路基板80Aは、収容空間42Zに配置される。回路基板80Aは、第1収容空間に配置される。回路基板80Aは、回路基板80Aの実装面が予め定める方向Aに実質的に直交するように配置される。予め定める方向Aから見て、回路基板80Aは、回路基板80Aと、ステータ52の少なくとも一部とが重なるように配置される。ステータ52は、複数のコイルを含む。ステータ52は、複数のコイルが電気的に接続される複数の接続端子を含む。複数の接続端子は、予め定める方向Aに沿って延び、回路基板80Aに電気的に接続される。予め定める方向Aにおいて、回路基板80Aの少なくとも一部は、第2平面S2と、内壁部40Cとの間の領域に配置される。
【0064】
制御装置80、好ましくは、モータ44の駆動回路をさらに備える。駆動回路と、制御部とは、例えば同一の回路基板80Aに設けられてもよい。駆動回路は、インバータ回路を含む。駆動回路は、バッテリ36からモータ44に供給される電力を制御する。駆動回路は、制御部と、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。駆動回路は、制御部からの制御信号に応じてモータ44を駆動させる。
【0065】
好ましくは、ドライブユニット40は、クランク12に入力される人力駆動力を検出する第1センサ86をさらに含む。第1センサ86は、予め定める方向Aにおいて、例えば、出力部54の第2端部54Bと、ワンウェイクラッチ78との間に配置される。第1センサ86は、ひずみセンサを含んでいてもよく、磁歪センサを含んでいてもよい。ひずみセンサは、ひずみゲージを含む。第1センサ86は、出力部54の外周部または、外周部のまわりに設けられる。第1センサ86は、制御装置80と、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。第1センサ86は、一対のクランクアーム12Aの一方または両方に設けられてもよい。第1センサ86は、一対のクランクアーム12Aの一方または両方に設けられる場合、第1センサ86は、ひずみセンサを含む。
【0066】
好ましくは、ドライブユニット40は、クランク12の回転状態を検出する第2センサをさらに含む。第2センサは、入力回転軸56、または、出力部54の回転に応じて信号を出力する。第2センサは、例えば、磁気センサまたは光学センサを含む。第2センサは、入力回転軸56、または、出力部54に設けられる被検出部を検出するように構成される。被検出部は、例えば、環状の磁石またはスリットを含む環状部材である。第2センサは、制御装置80と、導電線、電気ケーブルまたは無線通信装置などを介して接続される。第2センサは、第1方向A1において第1センサ86の上流側に設けられてもよく、下流側に設けられてもよい。
【0067】
好ましくは、ドライブユニット40は、電気コネクタ82をさらに含む。電気コネクタ82は、制御装置80と接続される。電気コネクタ82は、例えば、バッテリ36と接続される電気ケーブル、および、人力駆動車のコンポーネントと接続される電気ケーブルの少なくとも1つと接続可能に構成される。電気コネクタ82は、例えば、第2側壁部40Bの外面に設けられる。好ましくは、ドライブユニット40は、電気コネクタ82の少なくとも一部を覆うカバー部84をさらに備える。カバー部84は、第2側壁部40Bの外面に取り付けられる。カバー部84は、入力回転軸56の第2端部56Bが配置される孔84Aを有する。カバー部84は、例えば、円盤形状に形成される。
【0068】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】
・出力軸48は、予め定める方向Aの第1端部48Aにフリーエンドを有していなくてもよい。この場合、ドライブユニット40は、ベース部42と、ベース部42に設けられ、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ44と、ベース部42に設けられ、モータ44の駆動力を伝達するように構成される減速機46と、回転体24が接続される接続部54Aを有し、減速機46に接続される出力部54と、を備える。モータ44は、予め定める方向Aに延びる出力軸48と、出力軸48に固定されるロータ50と、ロータ50に対向するステータ52と、を有する。減速機46は、出力軸48に設けられる第1歯部58と、予め定める方向Aに平行に延びる減速軸60と、減速軸60を支持する軸受62と、減速軸60に設けられ、第1歯部58に噛合う第2歯部64Aを外周部に有する第2歯車64と、減速軸60に設けられ、第3歯部66Aを外周部に有し、第2歯車64の回転力が伝達される第3歯車66と、を有する。減速機46の軸受62は、第1軸受62Aと、予め定める方向Aにおいて第1軸受62Aよりもロータ50およびステータ52に近い位置に配置される第2軸受62Bと、を有する。予め定める方向Aにおいて、第2歯部64Aは、第3歯部66Aよりもロータ50およびステータ52に近い位置に配置される。第2歯車64は、第3歯車66の直径よりも大きい直径を有する。第1軸受62Aの少なくとも一部は、第2歯車64の径方向において、第2歯部64Aの内側に配置される。出力部54は、予め定める方向Aに延びる回転軸線まわりに回転するように構成される。出力部54の接続部54Aは、予め定める方向Aにおいて、第3歯車66よりも第2歯車64に近い位置に配置される。例えば、第1モータ軸受45Aが出力軸48の中間部を支持するのではなく、第1端部48Aを回転可能に支持するように配置されてもよい。
【0070】
・減速軸60は、ベース部42に回転不能に支持されてもよい。この場合、軸受62は、ベース部42に対して減速軸60を回転不能に支持する。第2歯車64および第3歯車66は、第2歯車64と第3歯車66とが一体に回転するように、かつ、減速軸60に対して回転可能に設けられる。
【0071】
・第2歯車64は、減速軸60にワンウェイクラッチを介して取り付けられてもよい。この場合、例えば、ワンウェイクラッチ78が省略され、第2歯車64と減速軸60との間にワンウェイクラッチ78と同様のワンウェイクラッチが設けられる。ワンウェイクラッチ78が省略される場合、第4歯車68は、出力部54と一体に形成されてもよい。
【0072】
・第3歯車66は、減速軸60にワンウェイクラッチを介して取り付けられてもよい。この場合、例えば、ワンウェイクラッチ78が省略され、第3歯車66と減速軸60との間にワンウェイクラッチ78と同様のワンウェイクラッチが設けられる。
【0073】
・減速機46は、モータ44の回転速度を3段階以上において減速して、モータ44の駆動力を回転体24に伝達するように構成されてもよい。この場合、例えば、減速機46は、第3歯車66と、第4歯車68との間に、第3歯車66に噛み合う第5歯車と、第4歯車68に噛み合う第6歯車、第5歯車および第6歯車が設けられる軸部材を含む減速部を備える。第5歯車は、第6歯車と一体に回転する。減速機46は、第3歯車66と、第4歯車68との間に、歯車以外から構成される減速部を備えてもよい。歯車以外から構成される減速部は、例えば、プーリおよびベルトを備える。歯車以外から構成される減速部は、例えば、スプロケットおよびチェーンを備える。
【0074】
・入力回転軸56と、出力部54との間に第2ワンウェイクラッチが設けられてもよい。第2ワンウェイクラッチは、入力回転軸56が、第1回転方向R1に回転する場合に、入力回転軸56から出力部54に人力駆動力が伝達され、入力回転軸56が、第1回転方向R1とは反対の第2回転方向R2に回転する場合に、入力回転軸56と出力部54との相対回転を許容するように構成される。出力部54の第1端部54Cと第2端部54Bとの間に、第2ワンウェイクラッチが設けられてもよい。出力部54は、単一部材によって形成されてもよく、予め定める方向Aに分割される複数の部材を組み合わせて形成されてもよい。ドライブユニット40に第2ワンウェイクラッチが設けられる場合、入力回転軸56の第1端部56Aの外周部と、出力部54の第1端部54Cの内周部との間に、第3軸受70と同様な軸受が設けられる。
【0075】
・第1側壁部40Aに設けられる3つの取付部42Aのうちの2つは、例えば、入力回転軸56の回転軸線CAを含み、入力回転軸56の回転軸線CAと、モータ44の出力軸48の回転軸線C2を含む第3平面に垂直な第4平面と、モータ44の出力軸48の回転軸線C2を含み第3平面に垂直な第5平面の間に、設けられる。第1側壁部40Aに設けられる3つの取付部42Aのうちの1つは、例えば、第4平面に関してモータ44の出力軸48の回転軸線C2が配置される領域とは反対側の領域に配置される。第2側壁部40Bに設けられる2つの取付部42Aのうちの1つは、例えば、入力回転軸56の回転軸線CAを含み、入力回転軸56の回転軸線CAと、モータ44の出力軸48の回転軸線C2を含む第3平面に垂直な第4平面と、モータ44の出力軸48の回転軸線C2を含み第3平面に垂直な第5平面の間に、設けられる。第2側壁部40Bに設けられる2つの取付部42Aのうちの1つは、例えば、第4平面に関してモータ44の出力軸48の回転軸線C2が配置される領域とは反対側の領域に配置される。
【0076】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0077】
10…人力駆動車、24…回転体、40…ドライブユニット、42…ベース部、44…モータ、46…減速機、48…出力軸、48A…第1端部、50…ロータ、52…ステータ、54…出力部、54A…接続部、56…入力回転軸、58…第1歯部、60…減速軸、62…軸受、62A…第1軸受、62B…第2軸受、64…第2歯車、64A…第2歯部、64C…第1端面、64D…第2端面、66…第3歯車、66A…第3歯部、68…第4歯車、70…第3軸受、72…シール部材、78…ワンウェイクラッチ。