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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】バイカッドフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 11/04 20060101AFI20240805BHJP
   H03H 11/12 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H03H11/04 G
H03H11/12 A
H03H11/04 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020148331
(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公開番号】P2022042760
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 亮
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-172009(JP,A)
【文献】特開2017-028630(JP,A)
【文献】特開2018-067907(JP,A)
【文献】米国特許第07010025(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H11/00-H03H11/54
H04B1/10-H04B15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1オペアンプと、前記第1オペアンプに接続される第1可変抵抗と第1コンデンサと、を含む第1積分器と、
第2オペアンプと、前記第2オペアンプに接続される第2可変抵抗と第2コンデンサと、を含む第2積分器と、
第3オペアンプと、前記第3オペアンプに接続される第3抵抗、第4抵抗、第5抵抗、及び第6抵抗と、を含む加算器と、
増幅率が1倍の反転アンプと、
バンドパスフィルタの出力端子と、
ローパスフィルタの出力端子と、
ハイパスフィルタの出力端子と、
入力信号が入力される入力端子と、
を備え、
前記第1積分器の出力端子は、前記第2積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の出力端子は、前記反転アンプを介して前記加算器の負極側の第1入力端子に接続され、
前記第1積分器の出力端子は、前記バンドパスフィルタの出力端子に接続され、
前記第2積分器の出力端子は、前記加算器の負極側の第2入力端子に接続され、
前記第2積分器の出力端子は、前記ローパスフィルタの出力端子に接続され、
前記入力信号が入力される入力端子は、前記加算器の負極側の第3入力端子に接続され、
前記加算器の出力端子は、前記第1積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記加算器の出力端子は、前記ハイパスフィルタの出力端子に接続され、
前記第1積分器の出力端子、前記第2積分器の出力端子、及び前記加算器の出力端子は、それぞれ、前記第1オペアンプの出力端子、前記第2オペアンプの出力端子、及び前記第3オペアンプの出力端子を含み、
前記第1積分器の負極側の入力端子は、前記第1可変抵抗の他方の端子を含み、
前記第2積分器の負極側の入力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子を含み、
前記加算器の負極側の第1入力端子は、前記第3抵抗の他方の端子を含み、前記加算器の負極側の第2入力端子は、前記第4抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第3入力端子は、前記第5抵抗の他方の端子を含み、
前記第1積分器の正極側の入力端子と、前記第2積分器の正極側の入力端子と、前記加算器の正極側の入力端子は接地され、
前記第1オペアンプの出力端子は、前記第1コンデンサの一方の端子と、前記第2可変抵抗の一方の端子と、前記反転アンプの入力端子と、前記バンドパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第1オペアンプの負極側の入力端子は、前記第1コンデンサの他方の端子と、前記第1可変抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第2オペアンプの出力端子は、前記第2コンデンサの一方の端子と、前記第4抵抗の一方の端子と、前記ローパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第2オペアンプの負極側の入力端子は、前記第2可変抵抗の他方の端子と、前記第2コンデンサの他方の端子とに接続され、
前記第3オペアンプの出力端子は、前記第6抵抗の一方の端子と、前記第1可変抵抗の他方の端子と、前記ハイパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第3オペアンプの負極側の入力端子は、前記第6抵抗の他方の端子と、前記第4抵抗の他方の端子と、前記第5抵抗の一方の端子と、前記第3抵抗の一方の端子とに接続され、
前記反転アンプの出力端子は、前記第3抵抗の他方の端子に接続され、
前記第5抵抗の他方の端子は、前記入力信号が入力される入力端子に接続される、バイカッドフィルタ。
【請求項2】
前記加算器の前記第3抵抗、前記第4抵抗、前記第5抵抗、及び前記第6抵抗は、可変抵抗である、請求項1に記載のバイカッドフィルタ。
【請求項3】
第1完全差動オペアンプと、前記第1完全差動オペアンプに接続される第1可変抵抗及び第3可変抵抗と、前記第1完全差動オペアンプに接続される第1コンデンサ及び第3コンデンサと、を含む第1積分器と、
第2完全差動オペアンプと、前記第2完全差動オペアンプに接続される第2可変抵抗及び第4可変抵抗と、前記第2完全差動オペアンプに接続される第2コンデンサ及び第4コンデンサと、を含む第2積分器と、
第3完全差動オペアンプと、前記第3完全差動オペアンプに接続される第5抵抗、第6抵抗、第7抵抗、第8抵抗、第9抵抗、第10抵抗、第11抵抗、及び第12抵抗と、を含む加算器と、
バンドパスフィルタの出力端子と、
ローパスフィルタの出力端子と、
ハイパスフィルタの出力端子と、
差動入力信号の正相または逆相のうち一方が印加される第1入力端子と、
前記差動入力信号の正相または逆相のうち他方が印加される第2入力端子と、
を備え、
前記第1積分器の正極側の出力端子は、前記第2積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の正極側の出力端子は、前記加算器の正極側の第1入力端子に接続され、
前記第1積分器の負極側の出力端子は、前記第2積分器の正極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の負極側の出力端子は、前記加算器の負極側の第1入力端子に接続され、
前記第2積分器の正極側の出力端子は、前記加算器の負極側の第2入力端子に接続され、
前記第2積分器の負極側の出力端子は、前記加算器の正極側の第2入力端子に接続され、
前記差動入力信号の正相または逆相のうち一方が印加される前記第1入力端子は、前記加算器の負極側の第3入力端子に接続され、
前記差動入力信号の正相または逆相のうち他方が印加される前記第2入力端子は、前記加算器の正極側の第3入力端子に接続され、
前記加算器の正極側の出力端子は、前記第1積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記加算器の負極側の出力端子は、前記第1積分器の正極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、前記バンドパスフィルタの出力端子に接続され、
前記第2積分器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、前記ローパスフィルタの出力端子に接続され、
前記加算器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、前記ハイパスフィルタの出力端子に接続され、
前記第1積分器の正極側の及び負極側の出力端子、前記第2積分器の正極側及び負極側の出力端子、並びに、前記加算器の正極側の出力端子及び負極側の出力端子は、それぞれ、前記第1完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子、前記第2完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子、並びに、前記第3完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子を含み、
前記第1積分器の正極側の入力端子は、前記第3可変抵抗の他方の端子を含み、前記第1積分器の負極側の入力端子は、前記第1可変抵抗の他方の端子を含み、
前記第2積分器の正極側の入力端子は、前記第4可変抵抗の一方の端子を含み、前記第2積分器の負極側の入力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子を含み、
前記加算器の正極側の第1入力端子は、前記第11抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の正極側の第2入力端子は、前記第10抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の正極側の第3入力端子は、前記第9抵抗の他方の端子を含み、
前記加算器の負極側の第1入力端子は、前記第5抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第2入力端子は、前記第6抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第3入力端子は、前記第7抵抗の他方の端子を含み、
前記第1完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子と、前記第1コンデンサの一方の端子と、前記第11抵抗の一方の端子と、前記バンドパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第4可変抵抗の一方の端子と、前記第3コンデンサの一方の端子と、前記第5抵抗の一方の端子と、前記バンドパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第3コンデンサの他方の端子と、前記第3可変抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第1コンデンサの他方の端子と、前記第1可変抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第2コンデンサの一方の端子と、前記第6抵抗の一方の端子と、前記ローパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第4コンデンサの一方の端子と、前記第10抵抗の一方の端子と、前記ローパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第4コンデンサの他方の端子と、前記第4可変抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第2コンデンサの他方の端子と、前記第2可変抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第8抵抗の一方の端子と、前記第1可変抵抗の他方の端子と、前記ハイパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第12抵抗の一方の端子と、前記第3可変抵抗の他方の端子と、前記ハイパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第9抵抗の一方の端子と、前記第10抵抗の他方の端子と、前記第11抵抗の他方の端子と、前記第12抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第5抵抗の他方の端子と、前記第6抵抗の他方の端子と、前記第7抵抗の一方の端子と、前記第8抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第7抵抗の他方の端子は、前記差動入力信号の正相または逆相のうち一方が印加される前記第1入力端子に接続され、
前記第9抵抗の他方の端子は、前記差動入力信号の正相または逆相のうち他方が印加される前記第2入力端子に接続される、バイカッドフィルタ。
【請求項4】
前記加算器の前記第5抵抗、前記第6抵抗、前記第7抵抗、前記第8抵抗、前記第9抵抗、前記第10抵抗、前記第11抵抗、及前記第12抵抗は、可変抵抗である、請求項3記載のバイカッドフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バイカッドフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機器等で不要信号を除去するために使用されるフィルタが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-034533号公報
【文献】特開2017-156314号公報
【文献】特開2015-012332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバイカッドフィルタでは、中心周波数やカットオフ周波数、尖鋭度、又は通過利得等の各パラメータは、バイカッドフィルタに含まれるコンデンサの容量値や抵抗の抵抗値を変えることにより調整されている。
しかしながら、半導体集積回路等においてチップ面積を小さくするという点で鑑みると、抵抗の抵抗値のみで各パラメータを調整することが好適である。ところが、抵抗の抵抗値のみでパラメータを調整する場合、所定のパラメータ(例えば周波数)に関する抵抗値を変化させると、それに伴い他のパラメータ(例えば尖鋭度)も変わってしまうという問題が生じる。
そこで本実施形態は、各パラメータを独立して調整可能なバイカッドフィルタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るバイカッドフィルタは、第1オペアンプと、前記第1オペアンプに接続される第1可変抵抗と第1コンデンサとを含む第1積分器と、第2オペアンプと、前記第2オペアンプに接続される第2可変抵抗と第2コンデンサとを含む第2積分器と、第3オペアンプと、前記第3オペアンプに接続される複数の抵抗とを含む加算器と、増幅率が1倍の反転アンプと、を備え、前記第1積分器の出力端子は、前記第2積分器の負極側の入力端子に接続され、前記第1積分器の出力端子は、前記反転アンプを介して前記加算器の負極側の第1入力端子に接続され、前記第2積分器の出力端子は、前記加算器の負極側の第2入力端子に接続され、入力信号が入力される入力端子は、前記加算器の負極側の第3入力端子に接続され、前記加算器の出力端子は、前記第1積分器の負極側の入力端子に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態1のバイカッドフィルタを示す回路図である。
図2図2は、実施形態1のバイカッドフィルタのうち、バンドパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
図3図3は、実施形態1のバイカッドフィルタのうち、ローパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
図4図4は、実施形態1のバイカッドフィルタのうち、ハイパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
図5図5は、可変抵抗及びその調整器を示す回路図である。
図6図6は、実施形態1におけるバイカッドフィルタの他の構成例を示す回路図である。
図7図7は、実施形態2におけるバイカッドフィルタを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係るバイカッドフィルタについて詳細に説明する。
【0008】
[実施形態1]
図1は、実施形態1のバイカッドフィルタを示す回路図である。図1に示すバイカッドフィルタFCは、オペアンプOP1と、オペアンプOP2と、オペアンプOP3と、抵抗R1と、抵抗R2と、抵抗R3と、抵抗R4と、抵抗R5と、抵抗R6と、コンデンサC1と、コンデンサC2と、増幅率が1倍の反転アンプROPと、を有している。図1に示すバイカッドフィルタFCは、バイカッドフィルタFCの入力端子VI、バンドパスフィルタの出力端子VB、ローパスフィルタの出力端子VL、ハイパスフィルタの出力端子VHを有している。
【0009】
本実施形態のバイカッドフィルタFCは、第1積分器ITG1と、第2積分器ITG2と、加算器ADDと、増幅率が1倍の反転アンプROPと、を備える。図1に示すバイカッドフィルタFCにおいて、第1積分器ITG1は、オペアンプOP1と、抵抗R3と、コンデンサC1と、を含む。第2積分器ITG2は、オペアンプOP2と、抵抗R2と、コンデンサC2と、を含む。加算器ADDは、オペアンプOP3と、複数の抵抗、具体的には、抵抗R1と、抵抗R4と、抵抗R5と、抵抗R6と、を含む。
【0010】
第1積分器ITG1の出力端子Toi1は、出力端子VBに接続される。第1積分器ITG1の出力端子Toi1は、第2積分器ITG2の負極側の入力端子Tiin2に接続される。第1積分器ITG1の出力端子Toi1は、反転アンプROPを介して、加算器ADDの負極側の第1入力端子Tian1に接続される。
第2積分器ITG2の出力端子Toi2は、出力端子VLに接続される。第2積分器ITG2の出力端子Toi2は、加算器ADDの負極側の第2入力端子Tian2に接続される。
入力信号が入力される入力端子VIは、加算器ADDの負極側の第3入力端子Tian3に接続される。加算器ADDの出力端子Toaは、出力端子VHに接続される。加算器ADDの出力端子Toaは、前記第1積分器ITG1の負極側の入力端子Tiin1に接続される。
第1積分器ITG1の正極側の入力端子Tiip1、第2積分器ITG2の正極側の入力端子Tiip2、及び加算器ADDの正極側の入力端子Tiapは接地される。
【0011】
図1に示すバイカッドフィルタFCでは、抵抗R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、可変抵抗である。抵抗R2及びR3は、外部からの制御信号CT1に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R1は、外部からの制御信号CT2に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R4は、外部からの制御信号CT3に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R5及びR6は、外部からの制御信号CT4に基づいて抵抗値が変化する。
なお抵抗R2及びR3のみ可変抵抗で、他の抵抗、すなわち抵抗R1、R4、R5、及びR6は固定抵抗であってもよい。詳細は後述する。
【0012】
本実施形態では、オペアンプOP1、可変抵抗である抵抗R3、コンデンサC1を、それぞれ、第1オペアンプ、第1可変抵抗、及び第1コンデンサと呼ぶこともある。オペアンプOP2、可変抵抗である抵抗R2、及びコンデンサC2を、それぞれ、第2オペアンプ、第2可変抵抗、及び第2コンデンサと呼ぶこともある。オペアンプOP3を、第3オペアンプと呼ぶこともある。加算器ADDの抵抗R1、R5、及びR4を、それぞれ、第3抵抗、第4抵抗、及び第5抵抗、又は加算器ADDの第1抵抗、第2抵抗、及び第3抵抗と呼ぶこともある。
下記の説明において、抵抗R1、R2、R3、R4、R5、及びR6の抵抗値を、それぞれ抵抗値R1、R2、R3、R4、R5、及びR6としている。同様に、コンデンサC1及びC2の容量値を、それぞれ容量値C1及びC2としている。
【0013】
具体的には、オペアンプOP1の出力端子Ot1は、コンデンサC1の一方の端子と、抵抗R2の一方の端子と、出力端子VBと、反転アンプROPの入力端子と、に接続されている。オペアンプOP1の負極側の入力端子In1は、コンデンサC1の他方の端子と、抵抗R3の一方の端子と、に接続されている。オペアンプOP1の正極側の入力端子Ip1は、接地される。
【0014】
オペアンプOP2の出力端子Ot2は、コンデンサC2の一方の端子と、抵抗R5の一方の端子と、出力端子VLと、に接続されている。オペアンプOP2の負極側の入力端子In2は、抵抗R2の他方の端子と、コンデンサC2の他方の端子とに接続されている。オペアンプOP2の正極側の入力端子Ip2は、接地される。
【0015】
オペアンプOP3の出力端子Ot3は、抵抗R6の一方の端子と、抵抗R3の他方の端子と、出力端子VHとに接続されている。オペアンプOP3の負極側の入力端子In3は、抵抗R6の他方の端子と、抵抗R5の他方の端子と、抵抗R4の一方の端子と、抵抗R1の一方の端子と、に接続されている。オペアンプOP3の正極側の入力端子Ip3は、接地される。
反転アンプROPの出力端子は、抵抗R1の他方の端子に接続されている。
抵抗R4の他方の端子は、入力端子VIに接続されている。
【0016】
第1積分器ITG1の出力端子Toi1は、オペアンプOP1の出力端子Ot1と、コンデンサC2の一方の端子と、抵抗R2の一方の端子と、反転アンプROPの入力端子と、出力端子VBと、に接続されている。第1積分器ITG1の負極側の入力端子Tiin1は、抵抗R3の他方の端子を含み、抵抗R3を介してオペアンプOP1の負極側の入力端子In1に接続されている。
第2積分器ITG2の出力端子Toi2は、オペアンプOP2の出力端子Ot2と、コンデンサC2の一方の端子と、抵抗R5の一方の端子と、出力端子VLと、に接続されている。第2積分器ITG2の負極側の入力端子Tiin2は、抵抗R2の一方の端子を含み、抵抗R2を介してオペアンプOP2の負極側の入力端子In2に接続されている。
【0017】
加算器ADDの出力端子Toaは、オペアンプOP3の出力端子Ot3と、抵抗R6の一方の端子と、抵抗R3の他方の端子と、出力端子VHとに接続されている。加算器ADDの負極側の第1入力端子Tian1は、抵抗R1の他方の端子を含む。加算器ADDの負極側の第2入力端子は、抵抗R5の一方の端子を含む。加算器ADDの負極側の第3入力端子は、抵抗R4の他方の端子を含む。加算器ADDの負極側の第1入力端子Tian1、第2入力端子Tian2、及び第3入力端子Tian3は、それぞれ抵抗R1、R5、及びR4を介して、オペアンプOP3の負極側の入力端子In3に接続されている。
【0018】
なお第1積分器ITG1の出力端子Toi1、第2積分器ITG2の出力端子Toi2、及び加算器ADDの出力端子Toaは、それぞれ、オペアンプOP1の出力端子Ot1、オペアンプOP2の出力端子Ot2、オペアンプOP3の出力端子Ot3を含んでいるといえる。第1積分器ITG1、第2積分器ITG2、及び加算器ADDの出力端子から出力される信号は、それぞれ、オペアンプOP1、オペアンプOP2、及びオペアンプOP3の出力端子から出力される信号と同等であるからである。
【0019】
図2は、実施形態1のバイカッドフィルタFCのうち、バンドパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
図1において、入力端子VIに入力される信号をvI、出力端子VBから出力される信号をvBとすると、バンドパスフィルタとしての伝達関数は、(式1)となる。
【0020】
【数1】
【0021】
ただし、(式1)において、ω0は中心周波数を、Qは尖鋭度を、Hは通過利得を示す。
(式1)において、C1=C2=C12、R2=R3=R23、R5=R6=R56、とすると、伝達関数と、中心周波数ω0と、尖鋭度Qと、通過利得Hとのパラメータはそれぞれ(式2)で表すことができる。
【0022】
【数2】
【0023】
(式2)に示す伝達関数による周波数特性を、図2にプロットPL1として示す。図2において、横軸は角周波数ω、横軸は利得Gainである。
【0024】
ここで抵抗値R23の値を変えることによって中心周波数ω0を調整する場合を考える。抵抗値R23は、(式2)で示す尖鋭度Qや通過利得Hには含まれない。中心周波数ω0のみを調整する場合の周波数特性を、図2のプロットPL2に示す。
【0025】
図2に示すプロットPL2での抵抗値R23は、例えば、プロットPL1の抵抗値R23より小さい。抵抗値R23aのプロットPL1と、抵抗値R23bのプロットPL2を比較すると、プロットPL2では、中心周波数ω0が高周波側にシフトしている。つまり抵抗値R23を小さくすると、中心周波数ω0が高周波側にシフトする。
プロットPL2に示されるように、中心周波数ω0のみを調整する場合では、他のパラメータ(尖鋭度Qや通過利得H)には影響を与えない。すなわち、中心周波数ω0を独立して調整することが可能である。
【0026】
尖鋭度Qを調整する場合も同様に、抵抗値R1の値を変えることにより、中心周波数ω0や通過利得Hのパラメータには影響を与えない。尖鋭度Qを調整する場合の周波数特性を、図2のプロットPL3に示す。プロットPL3での抵抗値R1は、例えば、プロットPL1の抵抗値R1より大きい。プロットPL3に示されるように、尖鋭度Qのみを独立して調整することが可能である。
【0027】
通過利得Hを調整する場合も同様に、抵抗値R4を変えることにより、中心周波数ω0や尖鋭度Qのパラメータには影響を与えない。通過利得Hを調整する場合の周波数特性を、図2のプロットPL4に示す。プロットPL4での抵抗値R4は、例えば、プロットPL1の抵抗値R4より小さい。プロットPL4に示されるように、通過利得Hのみを独立して調整することが可能である。
【0028】
図1において、入力端子VIに入力される信号をvI、出力端子VLから出力される信号をvLとすると、ローパスフィルタとしての伝達関数は(式3)となる。
【0029】
【数3】
【0030】
ただし(式3)において、ω0はカットオフ周波数を、Qは尖鋭度を、Hは通過利得を示す。
(式3)において、C1=C2=C12、R2=R3=R23、R5=R6=R56とすると、伝達関数と、カットオフ周波数ω0、尖鋭度Qと、通過利得Hとのパラメータは、それぞれ(式4)で表すことができる。
【0031】
【数4】
【0032】
図3は、実施形態1のバイカッドフィルタFCのうち、ローパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
ここで抵抗値R23を変えることにより、カットオフ周波数ω0を調整する場合を考える。カットオフ周波数ω0のみを調整する場合の周波数特性を、図3のプロットPL2に示す。プロットPL2での抵抗値R23は、例えば、プロットPL1の抵抗値R23より小さい。抵抗値R23は、尖鋭度Qや通過利得Hの式には含まれない。このためこれらのパラメータには影響を与えず、カットオフ周波数ω0のみを独立して調整することが可能である。
【0033】
尖鋭度Qを調整する場合も同様に、抵抗値R1を変えることにより、カットオフ周波数ω0や通過利得Hのパラメータには影響を与えず、尖鋭度Qのみを独立して調整することが可能である。尖鋭度Qを調整する場合の周波数特性を、図3のプロットPL3に示す。プロットPL3での抵抗値R1は、例えば、プロットPL1の抵抗値R1より大きい。プロットPL3に示されるように、尖鋭度Qのみを独立して調整することが可能である。
【0034】
通過利得Hを調整する場合も同様に、抵抗値R4を変えることにより、カットオフ周波数ω0や尖鋭度Qのパラメータには影響を与えず、通過利得Hのみを独立して調整することが可能である。通過利得Hを調整する場合の周波数特性を、図3のプロットPL4に示す。プロットPL4の抵抗値R4は、例えば、プロットPL1の抵抗値R4より小さい。プロットPL4に示されるように、通過利得Hのみを独立して調整することが可能である。
【0035】
図1において、入力端子VIに入力される信号をvI、出力端子VHから出力される信号をvHとすると、ハイパスフィルタとしての伝達関数は(式5)となる。
【0036】
【数5】
【0037】
ただし、(式5)において、ω0はカットオフ周波数を、Qは尖鋭度を、Hは通過利得を示す。
(式5)において、C1=C2=C12、R2=R3=R23、R5=R6=R56とすると、伝達関数と、カットオフ周波数ω0と、尖鋭度Qと、通過利得Hのパラメータはそれぞれ(式6)で表すことができる。
【0038】
【数6】
【0039】
図4は、実施形態1のバイカッドフィルタFCのうち、ハイパスフィルタとしての動作を説明するための図である。
ここで抵抗値R23を変えることにより、カットオフ周波数ω0を調整する場合を考える。抵抗値R23は、尖鋭度Qや通過利得Hの式には含まれない。このため、これらのパラメータには影響を与えず、カットオフ周波数ω0のみを独立して調整することが可能である。カットオフ周波数ω0のみを調整する場合の周波数特性を、図4のプロットPL2に示す。プロットPL2での抵抗値R23は、例えば、プロットPL1の抵抗値R23のより小さい。抵抗値R23は、尖鋭度Qや通過利得Hの式には含まれない。このためこれらのパラメータには影響を与えず、カットオフ周波数ω0のみを独立して調整することが可能である。
【0040】
尖鋭度Qを調整する場合も同様に、抵抗値R1を変えることにより、カットオフ周波数ω0や通過利得Hのパラメータには影響を与えず、尖鋭度Qのみを独立して調整することが可能である。尖鋭度Qを調整する場合の周波数特性を、図4のプロットPL3に示す。プロットPL3での抵抗値R1は、例えば、プロットPL1の抵抗値R1より大きい。プロットPL3に示されるように、尖鋭度Qのみを独立して調整することが可能である。
【0041】
通過利得Hを調整する場合も同様に、抵抗値R4の値を変えることにより、カットオフ周波数ω0や尖鋭度Qのパラメータには影響を与えず、通過利得Hのみを独立して調整することが可能である。通過利得Hを調整する場合の周波数特性を、図4のプロットPL4に示す。プロットPL4の抵抗値R4は、例えば、プロットPL1の抵抗値R4より小さい。プロットPL4に示されるように、通過利得Hのみを独立して調整することが可能である。
【0042】
ここで、制御信号CTにより、抵抗の抵抗値を変える可変抵抗及びその調整器について説明する。図5は、可変抵抗及びその調整器を示す回路図である。図5(A)は、抵抗を直列に接続した場合の可変抵抗及びその調整器を示し、図5(B)は抵抗を並列に接続した場合の可変抵抗及びその調整器を示している。
図5(A)に示す例では、可変抵抗VRaは、抵抗Ra0、Ra1、Ra2からRazまでの抵抗を有している。直列に接続される抵抗Ra1、Ra2からRazまでのそれぞれには、スイッチSwa1、Swa2からSwazまでのそれぞれが並列に接続されている。ここでスイッチSwa1、Swa2からSwazまでを調整器ADJとする。調整器ADJに制御信号CTが入力されると、制御信号CTに対応するスイッチがオン状態となる。
【0043】
例えば、スイッチSWa1及びSWa2がオフ状態となり、他のスイッチがオン状態となる場合、図5(A)に示す例における可変抵抗VRaの合成抵抗値SRaは、SRa=Ra0+Ra1+Ra2となる。このように制御信号CTにより調整器ADJのスイッチのオン状態及びオフ状態を制御することにより、可変抵抗VRaの合成抵抗値を変えることが可能である。
【0044】
図5(B)に示す例では、上述したように、抵抗Rb0、Rb1、Rb2からRbzが並列に接続されている。抵抗Rb1、Rb2からRbzまでのそれぞれには、スイッチSwb1、Swb2からSwbzまでのそれぞれが直列に接続されている。図5(A)と同様に、スイッチSwb1、Swb2からSwbzまでを調整器ADJとする。調整器ADJに制御信号CTが入力されると、制御信号CTに対応するスイッチがオン状態となる。
【0045】
例えば、スイッチSWb1及びSWb2がオン状態となり、他のスイッチがオフ状態となる場合、図5(b)に示す例における可変抵抗VRbの合成抵抗値SRbは、(1/SRb)=(1/Rb0)+(1/Rb1)+(1/Rb2)を満たす。よって、合成抵抗値SRbは、SRb=(Rb0×Rb1×Rb2)/{(Rb1×Rb2)+(Rb0×Rb2)+(Rb0×Rb1)}となる。このように制御信号CTにより調整器ADJのスイッチのオン状態及びオフ状態を制御することにより、可変抵抗VRbの合成抵抗値を変えることが可能である。
なお図5(A)及び(B)においては、それぞれ抵抗を直列に接続する場合及び並列に接続する場合を分けて説明したが、本実施形態の可変抵抗はこれに限定されない。本実施形態の可変抵抗では、直列及び並列に接続した抵抗、並びにその調整器を有していてもよい。
【0046】
以上本実施形態のバイカッドフィルタでは、所定の抵抗値を変えることで、周波数ω0(カットオフ周波数ω0又は中心周波数ω0)、尖鋭度Q、通過利得Hのパラメータを調整する場合に、調整したいパラメータと直接関係ない抵抗の抵抗値を変える必要がない。これにより、各パラメータを独立して調整することが可能となる。
【0047】
<構成例>
図6は、実施形態1におけるバイカッドフィルタの他の構成例を示す回路図である。図6に示す構成例では、可変抵抗の一部を固定抵抗にするという点で異なっている。
図6に示すバイカッドフィルタFCでは、図1に示した抵抗R1、R4、R5、及びR6が、固定抵抗に置き換えられている。すなわち、抵抗R2及びR3は可変抵抗である。
【0048】
図6に示す例においては、周波数ωo(中心周波数やカットオフ周波数)を主に独立して調整する場合に好適である。上述したように、周波数ω0は、抵抗R2及びR3(R23)を変えることにより調整可能である。つまり、図6に示す例では、他のパラメータに関する抵抗の抵抗値を変えることなく、周波数ω0を調整することができる。
【0049】
[実施形態2]
図7は、実施形態2におけるバイカッドフィルタを示す回路図である。図7に示すバイカッドフィルタでは、図1に示すバイカッドフィルタと比較して、全体を差動構成として、反転アンプを設けないという点で異なっている。
バイカッドフィルタFCは、完全差動オペアンプDOP1と、完全差動オペアンプDOP2と、完全差動オペアンプDOP3と、抵抗R1Aと、抵抗R2Aと、抵抗R3Aと、抵抗R4Aと、抵抗R5Aと、抵抗R6Aと、抵抗R1Bと、抵抗R2Bと、抵抗R3Bと、抵抗R4Bと、抵抗R5Bと、抵抗R6Bと、コンデンサC1Aと、コンデンサC2Aと、コンデンサC1Bと、コンデンサC2Bと、を有している。
【0050】
バイカッドフィルタFCは、正極側の入力端子VI1と、負極側の入力端子VI2と、バンドパスフィルタの正極側の出力端子VB1と、負極側の出力端子VB2と、ローパスフィルタの正極側の出力端子VL1と、負極側の出力端子VL2と、ハイパスフィルタの正極側の出力端子VH1と、負極側の出力端子VH2と、を有している。
【0051】
本実施形態のバイカッドフィルタFCは、第1積分器ITG1と、第2積分器ITG2と、加算器ADDと、を備える。第1積分器ITG1は、完全差動オペアンプDOP1と、抵抗R3Aと、抵抗R3Bと、コンデンサC1Aと、コンデンサC1Bとを含む。第2積分器ITG2は、完全差動オペアンプDOP2と、抵抗R2Aと、抵抗R2Bと、コンデンサC2Aと、コンデンサC2Bとを含む。加算器ADDは、完全差動オペアンプDOP3と、抵抗R1Aと、抵抗R4Aと、抵抗R5Aと、抵抗R6Aと、抵抗R1Bと、抵抗R4Bと、抵抗R5AB、抵抗R6Aとを含む。
【0052】
第1積分器ITG1の正極側の出力端子Toip1は、出力端子VB1に接続される。第1積分器ITG1の正極側の出力端子Toip1は、第2積分器ITG2の負極側の入力端子Tiin2に接続される。第1積分器ITG1の正極側の出力端子Toip1は、加算器ADDの正極側の第1入力端子Tiap1に接続される。
第1積分器ITG1の負極側の出力端子Toin1は、出力端子VB2に接続される。第1積分器ITG1の負極側の出力端子Toin1は、第2積分器ITG2の正極側の入力端子Tiip2に接続される。第1積分器ITG1の負極側の出力端子Toin1は、加算器ADDの負極側の第1入力端子Tian1に接続される。
【0053】
第2積分器ITG2の正極側の出力端子Toip2は、出力端子VL1に接続される。第2積分器ITG2の正極側の出力端子Toip2は、加算器ADDの負極側の第2入力端子Tian2に接続される。
第2積分器ITG2の負極側の出力端子Toin2は、出力端子VL2に接続されている。第2積分器ITG2の負極側の出力端子Toin2は、加算器の正極側の第2入力端子Tiap2に接続される。
【0054】
差動入力信号の正相または逆相のうち一方が入力される入力端子VI1は、加算器ADDの負極側の第3入力端子Tian3に接続されている。差動入力信号の正相または逆相のうち他方が入力される入力端子VI2は、加算器ADDの正極側の第3入力端子Tiap3に接続される。入力端子VI1及びVI2を、それぞれ、バイカッドフィルタFCの第1入力端子及び第2入力端子と呼ぶこともある。
【0055】
加算器ADDの正極側の出力端子Toapは、出力端子VH1に接続される。加算器ADDの正極側の出力端子Toapは、第1積分器ITG1の負極側の入力端子Tiin1に接続される。加算器ADDの負極側の出力端子Toanは、出力端子VH2に接続される。加算器ADDの負極側の出力端子Toanは、第1積分器ITG1の正極側の入力端子Tiip1に接続される。
【0056】
バイカッドフィルタFCでは、抵抗R1A、R2A、R3A、R4A、R5A、R6A、R1B、R2B、R3B、R4B、R5B、及びR6Bは、可変抵抗である。抵抗R2A、R3A、R2B、及びR3Bは、制御信号CT1に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R1A及びR1Bは、制御信号CT2に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R4A及びR4Bは、制御信号CT3に基づいて抵抗値が変化する。抵抗R5A、R6A、R5B、及びR6Bは、制御信号CT4に基づいて抵抗値が変化する。
【0057】
本実施形態では、完全差動オペアンプDOP1を、第1完全差動オペアンプと呼ぶ。可変抵抗である抵抗R3A及びR3Bを、併せて第1可変抵抗と呼ぶ。コンデンサC1A及びC1Bを、併せて第1コンデンサと呼ぶ。
完全差動オペアンプDOP2を、第2完全差動オペアンプと呼ぶ。可変抵抗である抵抗R2A及びR2Bを、併せて第2可変抵抗と呼ぶ。コンデンサC2A及びC2Bを、併せて第2コンデンサと呼ぶ。
完全差動オペアンプDOP3を、第3完全差動オペアンプと呼ぶ。抵抗R1A及びR1Bを併せて加算器ADDの第1抵抗、抵抗R5A及びR5Bを併せて加算器ADDの第2抵抗、抵抗R4A及びR4Bを併せて加算器ADDの第3抵抗、抵抗R6A及びR6Bを併せて加算器ADDの第4抵抗と呼ぶこともある。
【0058】
バンドパスフィルタの正極側の出力端子VB1及び負極側の出力端子VB2を、併せてバンドパスフィルタの出力端子と呼ぶこともある。ローパスフィルタの正極側の出力端子VL1及び負極側の出力端子VL2を、併せてローパスフィルタの出力端子と呼ぶこともある。ハイパスフィルタの正極側の出力端子VH1及び負極側の出力端子VH2を、併せてハイパスフィルタの出力端子と呼ぶこともある。
【0059】
ただし、抵抗、コンデンサ、もしくは出力端子に区別が必要な場合では、例えば抵抗R3Aを第1可変抵抗とし、抵抗R3Bを第3可変抵抗とする。抵抗R2A及びR2Bは、抵抗R2Aを第2可変抵抗とし、抵抗R2Bを第4可変抵抗とする。同様に、コンデンサC1A及びC2Aをそれぞれ、第1コンデンサ及び第2コンデンサとし、コンデンサC1B及びC2Bをそれぞれ、第3コンデンサ及び第4コンデンサとする。
抵抗R1A、R5A、R4A、R6A、R4B、R5B、R1B、R6Bを、それぞれ、第5抵抗、第6抵抗、第7抵抗、第8抵抗、第9抵抗、第10抵抗、第11抵抗、第12抵抗とすることもある。
【0060】
具体的には、完全差動オペアンプDOP1の正極側の出力端子Op1は、抵抗R2Aの一方の端子と、コンデンサC1Aの一方の端子と、抵抗R1Bの一方の端子と、出力端子VB1と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP1の負極側の出力端子On1は、抵抗R2Bの一方の端子と、コンデンサC1Bの一方の端子と、抵抗R1Aの一方の端子と、出力端子VB2に接続されている。
完全差動オペアンプDOP1の正極側の入力端子Ip1は、コンデンサC1Bの他方の端子と、抵抗R3Bの一方の端子と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP1の負極側の入力端子In1は、コンデンサC1Aの他方の端子と、抵抗R3Aの一方の端子と、に接続されている。
【0061】
完全差動オペアンプDOP2の正極側の出力端子Op2は、出力端子VL1と、コンデンサC2Aの一方の端子と、抵抗R5Aの一方の端子と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP2の負極側の出力端子On2は、出力端子VL2と、コンデンサC2Bの一方の端子と、抵抗R5Bの一方の端子と、に接続されている。
完全差動オペアンプDOP2の正極側の入力端子Ip2は、コンデンサC2Bの他方の端子と、抵抗R2Bの他方の端子と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP2の負極側の入力端子In2は、コンデンサC2Aの他方の端子と、抵抗R2Aの他方の端子と、に接続されている。
【0062】
完全差動オペアンプDOP3の正極側の出力端子Op3は、出力端子VH1と、抵抗R6Aの一方の端子と、抵抗R3Aの他方の端子と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP3の負極側の出力端子On3は、出力端子VH2と、抵抗R6Bの一方の端子と、抵抗R3Bの他方の端子と、に接続されている。
完全差動オペアンプDOP3の正極側の入力端子Ip3は、抵抗R1Bの他方の端子と、抵抗R5Bの他方の端子と、抵抗R4Bの一方の端子と、抵抗R6Bの他方の端子と、に接続されている。完全差動オペアンプDOP3の負極側の入力端子In3は、抵抗R1Aの他方の端子と、抵抗R5Aの他方の端子と、抵抗R4Aの一方の端子と、抵抗R6Aの他方の端子と、に接続されている。
抵抗R4Aの他方の端子は、入力端子VI1に接続されている。抵抗R4Bの他方の端子は、入力端子VI2に接続されている。
【0063】
第1積分器ITG1の正極側の出力端子Toip1は、完全差動オペアンプDOP1の正極側の出力端子Op1、抵抗R2Aの一方の端子、コンデンサC1Aの一方の端子、抵抗R1Bの一方の端子、及び出力端子VB1に接続されている。第1積分器ITG1の負極側の出力端子Toin1は、完全差動オペアンプDOP1の負極側の出力端子On1、抵抗R2Bの一方の端子、コンデンサC1Bの一方の端子、抵抗R1Aの一方の端子、及び出力端子VB2に接続されている。
【0064】
第1積分器ITG1の正極側の入力端子Tiip1は、抵抗R3Bの他方の端子を含み、抵抗R3Bを介して完全差動オペアンプDOP1の正極側の入力端子Ip1に接続されている。第1積分器ITG1の負極側の入力端子Tiin1は、抵抗R3Aの他方の端子を含み、抵抗R3Aを介して完全差動オペアンプDOP1の負極側の入力端子In1に接続されている。
【0065】
第2積分器ITG2の正極側の出力端子Toip2は、完全差動オペアンプDOP2の正極側の出力端子Op2、出力端子VL1、コンデンサC2Aの一方の端子、及び抵抗R5Aの一方の端子に接続されている。第2積分器ITG2の負極側の出力端子Toin2は、完全差動オペアンプDOP2の負極側の出力端子On2、出力端子VL2、コンデンサC2Bの一方の端子、及び抵抗R5Bの一方の端子に接続されている。
【0066】
第2積分器ITG2の正極側の入力端子Tiip2は、抵抗R2Bの一方の端子を含み、抵抗R2Bを介して完全差動オペアンプDOP2の正極側の入力端子Ip2に接続されている。第2積分器ITG2の負極側の入力端子Tiin2は、抵抗R2Aの一方の端子を含み、抵抗R2Aを介して完全差動オペアンプDOP2の負極側の入力端子In2に接続されている。
【0067】
加算器ADDの正極側の出力端子Toapは、完全差動オペアンプDOP3の正極側の出力端子Op3、出力端子VH1、抵抗R6Aの一方の端子、及び抵抗R3Aの他方の端子に接続されている。
加算器ADDの負極側の出力端子Toanは、完全差動オペアンプDOP3の負側の出力端子On3、出力端子VH2、抵抗R6Bの一方の端子、及び抵抗R3Bの他方の端子接続されている。
【0068】
加算器ADDの正極側の第1入力端子Tiap1は、抵抗R1Bの一方の端子を含み、抵抗R1Bを介して完全差動オペアンプDOP3の正極側の入力端子Ip3に接続される。加算器ADDの正極側の第2入力端子Tiap2は、抵抗R5Bの一方の端子を含み、抵抗R5Bを介して完全差動オペアンプDOP3の正極側の入力端子Ip3に接続される。加算器ADDの正極側の第3入力端子Tiap3は、抵抗R4Bの他方の端子を含み、抵抗R4Bを介して完全差動オペアンプDOP3の正極側の入力端子Ip3に接続される。
【0069】
加算器ADDの負極側の第1入力端子Tian1は、抵抗R1Aの一方の端子を含み、抵抗R1Aを介して完全差動オペアンプDOP3の負極側の入力端子In3に接続される。加算器ADDの負極側の第2入力端子Tian2は、抵抗R5Aの一方の端子を含み、抵抗R5Aを介して完全差動オペアンプDOP3の負極側の入力端子In3に接続される。加算器ADDの負極側の第3入力端子Tian3は、抵抗R4Aの他方の端子を含み、抵抗R4Aを介して完全差動オペアンプDOP3の負極側の入力端子In3に接続される。
【0070】
なお第1積分器ITG1の正極側の出力端子Toip1、第2積分器ITG2の正極側の出力端子Toip2、及び加算器ADDの正極側の出力端子Toapは、それぞれ、完全差動オペアンプDOP1の正極側の出力端子Op1、完全差動オペアンプDOP2の正極側の出力端子Op2、完全差動オペアンプDOP3の正極側の出力端子Op3を含んでいるといえる。
第1積分器ITG1の負極側の出力端子Toin1、第2積分器ITG2の負極側の出力端子Toin2、及び加算器ADDの負極側の出力端子Toanは、それぞれ、完全差動オペアンプDOP1の負極側の出力端子On1、完全差動オペアンプDOP2の負極側の出力端子On2、完全差動オペアンプDOP3の負極側の出力端子On3を含んでいるといえる。
第1積分器ITG1、第2積分器ITG2、及び加算器ADD、それぞれの正極側及び負極側の出力端子から出力される信号は、それぞれ、完全差動オペアンプDOP1、完全差動オペアンプOP2、及び完全差動オペアンプDOP3の正極側及び負極側の出力端子から出力される信号と同等であるからである。
【0071】
図7において、入力端子VI1に入力される信号と、入力端子VI2に入力される信号の差信号をvIとする。出力端子VB1から出力される信号と、出力端子VB2から出力される信号の差信号をvBとする。出力端子VL1から出力される信号と、出力端子VL2から出力される信号の差信号をvLとする。出力端子VH1から出力される信号と、出力端子VH2から出力される信号の差信号をvHとする。
さらに、R1A=R1B=R1、R2A=R2B=R2、R3A=R3B=R3、R4A=R4B=R4、R5A=R5B=R5、R6A=R6B=R6、C1A=C1B=C1、C2A=C2B=C2とすると、バンドパスフィルタとしての伝達関数は、実施形態で示した(式1)と同様となる。ローパスフィルタとしての伝達関数は、(式3)と同様である。ハイパスフィルタとしての伝達関数は、(式5)と同様となる。
【0072】
以上本実施形態においても、実施形態1と同様に、所定の抵抗値を変えることによって周波数ω0、尖鋭度Q、通過利得Hのパラメータを調整する場合において、調整したいパラメータと直接関係ない抵抗の抵抗値を変えることなく、各パラメータを独立して調整することができる。
【0073】
本明細書にて開示した構成から得られるバイカッドフィルタの一例を、以下に付記する。
(1)第1オペアンプと、前記第1オペアンプに接続される第1可変抵抗と第1コンデンサと、を含む第1積分器と、
第2オペアンプと、前記第2オペアンプに接続される第2可変抵抗と第2コンデンサと、を含む第2積分器と、
第3オペアンプと、前記第3オペアンプに接続される複数の抵抗と、を含む加算器と、
増幅率が1倍の反転アンプと、
を備え、
前記第1積分器の出力端子は、前記第2積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の出力端子は、前記反転アンプを介して前記加算器の負極側の第1入力端子に接続され、
前記第2積分器の出力端子は、前記加算器の負極側の第2入力端子に接続され、
入力信号が入力される入力端子は、前記加算器の負極側の第3入力端子に接続され、
前記加算器の出力端子は、前記第1積分器の負極側の入力端子に接続される、バイカッドフィルタ。
(2)前記第1積分器の出力端子は、バンドパスフィルタの出力端子に接続される、(1)に記載のバイカッドフィルタ。
(3)前記第2積分器の出力端子は、ローパスフィルタの出力端子に接続される、(1)に記載のバイカッドフィルタ。
(4)前記加算器の出力端子は、ハイパスフィルタの出力端子に接続される、(1)に記載のバイカッドフィルタ。
(5)前記加算器の前記複数の抵抗は、可変抵抗である、(1)から(4)までのいずれか1つに記載のバイカッドフィルタ。
(6)前記加算器は、第3抵抗と、第4抵抗と、第5抵抗と、第6抵抗とを備え、
前記第1オペアンプの出力端子は、前記第1コンデンサの一方の端子と、前記第2可変抵抗の一方の端子と、前記反転アンプの入力端子と、バンドパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第1オペアンプの負極側の入力端子は、前記第1コンデンサの他方の端子と、前記第1可変抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第2オペアンプの出力端子は、前記第2コンデンサの一方の端子と、前記第4抵抗の一方の端子と、ローパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第2オペアンプの負極側の入力端子は、第2可変抵抗の他方の端子と、第2コンデンサの他方の端子とに接続され、
前記第3オペアンプの出力端子は、第6抵抗の一方の端子と、第1可変抵抗の他方の端子と、ハイパスフィルタの出力端子とに接続され、
前記第3オペアンプの負極側の入力端子は、前記第6抵抗の他方の端子と、前記第4抵抗の他方の端子と、前記第5抵抗の一方の端子と、前記第3抵抗の一方の端子とに接続され、
前記反転アンプの出力端子は、前記第3抵抗の他方の端子に接続され、
前記第抵抗の他方の端子は、前記入力信号が入力される入力端子に接続される、(1)に記載のバイカッドフィルタ。
(7)前記第1積分器の出力端子、前記第2積分器の出力端子、及び前記加算器の出力端子は、それぞれ、前記第1オペアンプの出力端子、前記第2オペアンプの出力端子、及び前記第3オペアンプの出力端子を含み、
前記第1積分器の負極側の入力端子は、前記第1可変抵抗の他方の端子を含み、
前記第2積分器の負極側の入力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子を含み、
前記加算器の負極側の第1入力端子は、前記第3抵抗の他方の端子を含み、前記加算器の負極側の第2入力端子は、前記第4抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第3入力端子は、前記第5抵抗の他方の端子を含む、(6)に記載のバイカッドフィルタ。
(8)前記第1積分器の正極側の入力端子と、第2積分器の正極側の入力端子と、前記加算器の正極側の入力端子は接地される、(1)に記載のバイカッドフィルタ。
(9)第1完全差動オペアンプと、前記第1完全差動オペアンプに接続される第1可変抵抗と、前記第1完全差動オペアンプに接続される第1コンデンサと、を含む第1積分器と、
第2完全差動オペアンプと、前記第2完全差動オペアンプに接続される第2可変抵抗と、前記第2完全差動オペアンプに接続される第2コンデンサと、を含む第2積分器と、
第3完全差動オペアンプと、前記第3完全差動オペアンプに接続される複数の抵抗と、を含む加算器と、
を備え、
前記第1積分器の正極側の出力端子は、前記第2積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記第積分器の正極側の出力端子は、前記加算器の正極側の第1入力に接続され、
前記第1積分器の負極側の出力端子は、前記第2積分器の正極側の入力端子に接続され、
前記第1積分器の負極側の出力端子は、前記加算器の負極側の第1入力端子に接続され、
前記第2積分器の正極側の出力端子は、前記加算器の負極側の第2入力端子に接続され、
前記第2積分器の負極側の出力端子は、前記加算器の正極側の第2入力端子に接続され、
差動入力信号の正相または逆相のうち一方が印加される第1入力端子は、前記加算器の負極側の第3入力端子に接続され、
前記差動入力信号の正相または逆相のうち他方が印加される第2入力端子は、前記加算器の正極側の第3入力端子に接続され、
前記加算器の正極側の出力端子は、前記第1積分器の負極側の入力端子に接続され、
前記加算器の負極側の出力端子は、前記第1積分器の正極側の入力端子に接続される、バイカッドフィルタ。
(10)前記第1積分器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、バンドパスフィルタの出力端子に接続される、(9)に記載のバイカッドフィルタ。
(11)前記第2積分器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、ローパスフィルタの出力端子に接続される、(9)に記載のバイカッドフィルタ。
(12)前記加算器の正極側の出力端子および負極側の出力端子は、ハイパスフィルタの出力端子に接続される、(9)に記載のバイカッドフィルタ。
(13)前記加算器の前記複数の抵抗は、可変抵抗である、(9)から(12)までのいずれか1項に記載のバイカッドフィルタ。
(14)前記第1積分器は、第3コンデンサと、第3可変抵抗とを備え、
前記第2積分器は、第4コンデンサと、第4可変抵抗とを備え、
前記加算器は、第5抵抗と、第6抵抗と、第7抵抗と、第8抵抗と、第9抵抗と、第10抵抗と、第11抵抗と、第12抵抗とを備え、
前記第1完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子と、前記第1コンデンサの一方の端子と、前記第11抵抗の一方の端子と、バンドパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第4可変抵抗の一方の端子と、前記第3コンデンサの一方の端子と、前記第5抵抗の一方の端子と、前記バンドパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第3コンデンサの他方の端子と、前記第3抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第1完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第1コンデンサの他方の端子と、前記第1可変抵抗の一方の端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第2コンデンサの一方の端子と、前記第6抵抗の一方の端子と、ローパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第4コンデンサの一方の端子と、前記第10抵抗の一方の端子と、前記ローパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第4コンデンサの他方の端子と、前記第4可変抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第2完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第2コンデンサの他方の端子と、前記第2可変抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの正極側の出力端子は、前記第8抵抗の一方の端子と、前記第1可変抵抗の他方の端子と、ハイパスフィルタの正極側の出力端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの負極側の出力端子は、前記第12抵抗の一方の端子と、前記第3抵抗の他方の端子と、前記ハイパスフィルタの負極側の出力端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの正極側の入力端子は、前記第9抵抗の一方の端子と、前記第10抵抗の他方の端子と、前記第11抵抗の他方の端子と、前記第12抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第3完全差動オペアンプの負極側の入力端子は、前記第5抵抗の他方の端子と、前記第6抵抗の他方の端子と、前記第7抵抗の一方の端子と、前記第8抵抗の他方の端子とに接続され、
前記第7抵抗の他方の端子は、前記差動入力信号の正相または逆相のうち一方が印加される前記第1入力端子に接続され、
前記第9抵抗の他方の端子は、前記差動入力信号の正相または逆相のうち他方が印加される前記第2入力端子に接続される、(9)に記載のバイカッドフィルタ。
(15)前記第1積分器の正極側の及び負極側の出力端子、前記第2積分器の正極側及び負極側の出力端子、並びに、前記加算器の正極側及び負極側出力端子は、それぞれ、前記第1完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子、前記第2完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子、並びに、前記第3完全差動オペアンプの正極側及び負極側の出力端子を含み、
前記第1積分器の正極側の入力端子は、前記第3可変抵抗の他方の端子を含み、前記第1積分器の負極側の入力端子は、前記第1可変抵抗の他方の端子を含み、
前記第2積分器の正極側の入力端子は、前記第4可変抵抗の一方の端子を含み、前記第2積分器の負極側の入力端子は、前記第2可変抵抗の一方の端子を含み、
前記加算器の正極側の第1入力端子は、前記第11抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の正極側の第2入力端子は、前記第10抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の正極側の第3入力端子は、前記第9抵抗の他方の端子を含み、
前記加算器の負極側の第1入力端子は、前記第5抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第2入力端子は、前記第6抵抗の一方の端子を含み、前記加算器の負極側の第3入力端子は、前記第7抵抗の他方の端子を含む、(14)に記載のバイカッドフィルタ。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
ADD…加算器、FC…バイカッドフィルタ、C1…コンデンサ、C2…コンデンサ、DOP1…完全差動オペアンプ、DOP2…完全差動オペアンプ、DOP3…完全差動オペアンプ、H…通過利得、ITG1…第1積分器、ITG2…第2積分器、OP1…オペアンプ、OP2…オペアンプ、OP3…オペアンプ、Q…尖鋭度、R1…抵抗、R2…抵抗、R3…抵抗、R4…抵抗、R5…抵抗、R6…抵抗、VB…出力端子、VH…出力端子、VI…入力端子、VL…出力端子。
図1
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図7