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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240805BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20240805BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H01L29/78 652L
H01L29/78 656A
H01L29/78 652S
H01L29/78 652G
H01L29/78 653C
H01L29/78 652P
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/78 652K
H01L29/78 658G
H01L29/78 652T
H01L29/50 M
H01L29/44 Y
H01L27/088 E
H01L27/06 102A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020157832
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051385
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 秀春
【審査官】戸川 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-110373(JP,A)
【文献】特開2018-049974(JP,A)
【文献】特開2006-156658(JP,A)
【文献】特開2013-016580(JP,A)
【文献】特開2014-017325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0256196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/06
H01L 21/336
H01L 29/12
H01L 29/417
H01L 29/41
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極で接する第1面と、前記第1面と対向する第2面と、を有し、前記第1面に平行な第1方向の長さよりも前記第1方向に交差し前記第1面に平行な第2方向の長さが短い第1溝を前記第1面に有する基板と、を備え、
前記基板は、
第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2面との間に設けられ、前記第1半導体層よりも前記第1導電型の不純物濃度が低い第2半導体層と、
前記第2半導体層と前記第2面との間に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域と前記第2面との間に設けられた、第1導電型の第2半導体領域と、
前記第2面から前記第2半導体層に到達し、前記第2方向に延びる第1トレンチ内に、前記第1半導体領域と第1絶縁膜を介して対向して設けられた第2電極と、
を備え
前記第1溝の中に第3溝が設けられ、前記第3溝の前記第1方向における長さは前記第1溝の前記第1方向における長さよりも短く、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において、前記第3溝の深さは前記第1溝の深さよりも深い半導体装置。
【請求項2】
前記第1溝は前記基板の側面を貫通していない請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記第1面の前記第1溝を被覆することで、前記第1溝に対応した第2溝を有する請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1面は、前記第2方向において前記第1溝と前記基板の端部の間に、前記第1溝よりも前記第2方向の長さが短い第4溝を有する請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1面は、前記第2方向において前記第1溝と前記基板の端部の間に、前記第1溝よりも前記第2方向の長さが長い第5溝を有する請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1面は、前記第1溝に対して前記第1方向に並ぶ複数の第6溝と、前記第1溝及び前記複数の第6溝のそれぞれに対して前記第2方向に並ぶ複数の第7溝と、を有する請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板は、
前記第2半導体層と前記第2面との間に設けられた前記第2導電型の第3半導体領域と、
前記第3半導体領域と前記第2面との間に設けられた、前記第1導電型の第4半導体領域と、
前記第2面から前記第2半導体層に到達し、前記第2方向に延びる第2トレンチ内に、前記第3半導体領域と第2絶縁膜を介して対向して設けられた第3電極と、
をさらに備え、
前記基板は、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域と前記第2電極とを有する第1領域と、前記第1領域に前記第2方向において隣接し、前記第3半導体領域と前記第4半導体領域と前記第3電極とを有する第2領域と、を有し、
前記第1溝は、前記第1領域と前記第2領域とに跨る請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体装置は、電力変換等の用途に用いられる。このような半導体装置については、歩留まりの高いことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-049974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、歩留まりの高い半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、第1電極と、第1電極で接する第1面と、第1面と対向する第2面と、を有し、第1面に平行な第1方向の長さよりも第1方向に交差し第1面に平行な第2方向の長さが短い第1溝を第1面に有する基板と、を備え、基板は、第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層と第2面との間に設けられ、第1半導体層よりも第1導電型の不純物濃度が低い第2半導体層と、第2半導体層と第2面との間に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、第1半導体領域と第2面との間に設けられた、第1導電型の第2半導体領域と、第2面から第2半導体層に到達し、第2方向に延びる第1トレンチ内に、第1半導体領域と第1絶縁膜を介して対向して設けられた第2電極と、を備え、第1溝の中に第3溝が設けられ、第3溝の第1方向における長さは第1溝の第1方向における長さよりも短く、第1方向及び第2方向に交差する第3方向において、第3溝の深さは第1溝の深さよりも深い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の模式的な電気回路図である。
図2】第1実施形態の半導体装置の模式上面図である。
図3】第1実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図4】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
図5】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図の他の一例である。
図6】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
図7】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図の他の一例である。
図8】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
図9】第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。
図10】第1実施形態の比較形態となる半導体装置の模式断面図である。
図11】第2実施形態の半導体装置の要部の模式図である。
図12】第2実施形態の半導体装置の製造工程の要部を示す模式断面図である。
図13】第3実施形態の半導体装置の要部の模式図である。
図14】第4実施形態の半導体装置の要部の模式図である。
図15】第5実施形態の半導体装置の要部の模式図である。
図16】第6実施形態の半導体装置の要部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
【0008】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0009】
以下、第1導電型がn型、第2導電型がp型である場合を例に説明する。
【0010】
以下の説明において、n、n、nおよび、p、p、pの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1電極と、第1電極で接する第1面と、第1面と対向する第2面と、を有し、第1面に平行な第1方向の長さよりも第1方向に交差し第1面に平行な第2方向の長さが短い第1溝を第1面に有する基板と、を備え、基板は、第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層と第2面との間に設けられ、第1半導体層よりも第1導電型の不純物濃度が低い第2半導体層と、第2半導体層と第2面との間に設けられた、第2導電型の第1半導体領域と、第1半導体領域と第2面との間に設けられた、第1導電型の第2半導体領域と、第2面から第2半導体層に到達し、第2方向に延びる第1トレンチ内に、第1半導体領域と第1絶縁膜を介して対向して設けられた第2電極と、を備える。
【0012】
さらに、本実施形態の半導体装置は、基板は、第2半導体層と第2面との間に設けられた第2導電型の第3半導体領域と、第3半導体領域と第2面との間に設けられた、第1導電型の第4半導体領域と、第2面から第2半導体層に到達し、第2方向に延びる第2トレンチ内に、第3半導体領域と第2絶縁膜を介して対向して設けられた第3電極と、をさらに備え、基板は、第1半導体領域と第2半導体領域と第2電極とを有する第1領域と、第1領域に第方向において隣接し、第3半導体領域と第4半導体領域と第3電極とを有する第2領域と、を有し、第1溝は、第1領域と第2領域とに跨る。
【0013】
図1は、本実施形態の半導体装置100の模式的な電気回路図である。本実施形態の半導体装置100の電気回路は、第1トランジスタTr1のドレインと第2トランジスタTr2のドレインが電気的に接続された電気回路である。例えば、半導体装置100の回路は、充放電可能な二次電池の、充電及び放電に用いられる電気回路である。例えば、図1において右から左へ流れる第1電流は、二次電池からの放電電流である。また、例えば、図1において左から右へ流れる第2電流は、二次電池への充電電流である。このように、半導体装置100の電気回路は、互いに反対の向きの、第1電流と第2電流を流すことが出来る。
【0014】
ここで、第1トランジスタTr1のみが設けられており、第2トランジスタTr2が設けられていない場合を考える。この場合、第1トランジスタTr1をオフにして第2電流の流れを止めようとしても、第1トランジスタTr1のボディダイオードBD1を介して第2電流が流れてしまう。
【0015】
また、第2トランジスタTr2のみが設けられており、第1トランジスタTr1が設けられていない場合を考える。この場合、第2トランジスタTr2をオフにして第1電流の流れを止めようとしても、第2トランジスタTr2のボディダイオードBD2を介して第1電流が流れてしまう。
【0016】
そこで、半導体装置100においては、第1トランジスタTr1のドレインと第2トランジスタTr2のドレインを電気的に接続している。このような接続により、ボディダイオードBD1のカソードとボディダイオードBD2のカソードが電気的に接続される。ここで、第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2をオフにして第2電流を止めることを考える。この場合、第2電流が第1トランジスタTr1のボディダイオードBD1を介して流れようとしても、ボディダイオードBD2のカソードがボディダイオードBD1のカソードに電気的に接続されているために、第2電流は流れない。また、第1トランジスタTr1と第2トランジスタTr2をオフにして第1電流を止めることを考える。この場合、第1電流が第2トランジスタTr2のボディダイオードBD2を介して流れようとしても、ボディダイオードBD1のカソードがボディダイオードBD2のカソードに電気的に接続されているために、第1電流は流れない。これにより、半導体装置100においては、第1電流及び第2電流の制御を行うことが可能である。
【0017】
図2は、本実施形態の半導体装置100の模式上面図である。図3は、本実施形態の半導体装置100の模式断面図である。図4は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図である。図5は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図の他の一例である。図6は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図である。図7は、本実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図の他の一例である。
【0018】
図2図3図4図5図6及び図7を用いて、本実施形態の半導体装置100について説明をする。
【0019】
半導体装置100は、基板30を備える。基板30は、第1面32と、第2面34と、側面38と、を有する。例えば図3(a)及び図3(b)には、側面38としての、側面38a及び側面38bが設けられている。
【0020】
ここで、X方向(第1方向の一例)と、X方向に対して垂直に交差するY方向(第2方向の一例)と、X方向及びY方向に垂直に交差するZ方向(第3方向の一例)を定義する。第1面32及び第2面34は、X方向及びY方向に平行なXY平面に対して平行に設けられた面である。
【0021】
また、半導体装置100には、第1領域96及び第2領域98(図2)が設けられている。第1領域96及び第2領域98は、それぞれ、図2に示したような、例えばY方向に並んだ矩形状の領域である。そして、例えば、第1領域96に第1トランジスタTr1(図1)が設けられており、第2領域98に第2トランジスタTr2(図1)が設けられている。第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2は、例えばそれぞれMOSFETであるが、これに限定されるものではない。
【0022】
図3(a)は、第1領域96の、A-A’線における、XZ平面に平行な面の模式断面図である。図3(b)は、第2領域98の、B-B’線における、XZ平面に平行な面の模式断面図である。図3(c)は、第1領域96及び第2領域98にわたったC-C’線における、YZ面に平行な面の模式断面図である。
【0023】
ドレイン電極(第1電極の一例)60は、基板30の下に設けられ、第1面32と接している。言い換えると、基板30は、ドレイン電極60の上に設けられている。ドレイン電極60は、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2における共通のドレイン電極として機能する。
【0024】
基板30の第1面32は、X方向の長さLよりもY方向の長さLが短い溝(第1溝の一例)36を有する。図3には、溝36として、溝36a、溝36b、溝36c、溝36d、溝36e、溝36f及び溝36gが図示されている。また、図3(a)及び図3(b)に示されるように、溝36b及び溝36eは、基板30の側面38(側面38a及び側面38b)を貫通していない。他の溝36a、溝36c、溝36d、溝36f及び溝36gも同様に、基板30の側面38を貫通していない。複数の溝36が設けられている場合には、すべての溝36が、基板30の側面38を貫通していないことが好ましい。また、溝36dは、第1領域96と第2領域98に跨がっている。
【0025】
溝36の部分が基板30に対して占める体積割合は、5%以上20%以下であることが好ましい。
【0026】
ドレイン電極60は、第1面32の溝36を被覆することで、溝36に対応した溝66(第2溝の一例)を有する。言い換えると、ドレイン電極60の底面62は、溝36の下に、X方向の長さLよりもY方向の長さLが短い溝(第2溝の一例)66を有する。図3には、溝66として、溝66a、溝66b、溝66c、溝66d、溝66e、溝66f及び溝66gが図示されている。ここで、L<Lであり、L<Lである。
【0027】
図4は、第1領域96における、半導体装置100の要部の模式断面図である。
【0028】
ドレイン層(第1半導体層の一例)10は、ドレイン電極60の上に設けられている。ドレイン層10は、例えば、n型の半導体材料である。
【0029】
ドリフト層(第2半導体層の一例)12は、ドレイン層10の上に設けられている。ドリフト層12は、MOSFETのドリフト層として機能する層である。ドリフト層12は、例えば、n型の半導体材料である。
【0030】
ベース領域(第1半導体領域の一例)14は、ドリフト層12の上に設けられている。ベース領域14は、MOSFETのベースとして機能する。ベース領域14は、後述する第1ゲート電極28に電圧が印加された場合にチャネルを形成し、ドレイン層10と後述するソース領域16の間にキャリアが流れることを可能とする領域である。ベース領域14は、例えば、p型の半導体材料である。
【0031】
ソース領域(第2半導体領域の一例)16は、ベース領域14の上に設けられている。ソース領域16は、MOSFETのソースとして機能する領域である。後述する第1ゲート電極28に適切な電圧が印加された場合に、ソース領域16とドレイン層10の間にキャリアが流れる。ソース領域16は、例えば、n型の半導体材料である。
【0032】
コンタクト領域18は、ベース領域14の上に設けられ、ベース領域14及びソース領域16と電気的に接続されている。コンタクト領域18は、ベース領域14及びソース領域16と、後述するソースメタル70の電気的接触を向上させるために設けられている。コンタクト領域18は、例えば、p型の半導体材料である。
【0033】
第1トレンチ20は、ベース領域14及びソース領域16の上からドリフト層12に到達するように設けられている。第1トレンチ20は、紙面奥方向(Y方向)に延びている。
【0034】
第3絶縁膜22は、第1トレンチ20内に設けられている。例えば、第3絶縁膜22は、後述する第1フィールドプレート電極24を覆うように設けられている。また、例えば、第3絶縁膜22は、第1フィールドプレート電極24と第1ゲート電極28の間に設けられている。しかし、第3絶縁膜22の形態は、これに限定されるものではない。第3絶縁膜22はSiO(酸化シリコン)を含むが、これに限定されるものではない。
【0035】
第1絶縁膜21は、第1トレンチ20内において、第3絶縁膜22の上の、ベース領域14と第1ゲート電極28の間及び後述する層間絶縁膜95とソース領域16の間に設けられている。第1絶縁膜21はSiO(酸化シリコン)を含むが、これに限定されるものではない。
【0036】
第1フィールドプレート電極24は、第1トレンチ20内において、ドリフト層12に第3絶縁膜22を介して、ドリフト層12と対向して設けられている。例えば、第1フィールドプレート電極24は、ドリフト層12と並んで設けられている。第1フィールドプレート電極24は、例えば、ベース領域14からドリフト層12へ空乏層が伸びることを助長し、耐圧を増加させるために設けられている。なお、第1フィールドプレート電極24は、設けられていなくても良い。
【0037】
第1ゲート電極(第2電極の一例)28は、第1フィールドプレート電極24の上に位置し、複数のベース領域14の間で、第1絶縁膜21を介して設けられている。第1ゲート電極28は、MOSFETのゲートとして機能する電極である。
【0038】
層間絶縁膜95は、ソース領域16、第1ゲート電極28及び第1絶縁膜21の上に設けられている。層間絶縁膜95は例えばSiOを含むが、これに限定されるものではない。
【0039】
ソースメタル70、及びソースメタル74(図3(a))は、ソース領域16及びコンタクト領域18の上に設けられ、ソース領域16及びコンタクト領域18と電気的に接続されている。
【0040】
図5は、第1領域96における、半導体装置100の要部の模式断面図の他の一例である。コンタクト領域18は設けられていなくてもかまわない。
【0041】
図6は、第2領域98における、半導体装置100の要部の模式断面図である。例えば、ドレイン電極60、ドレイン層10及びドリフト層12は、第1領域96と共通して設けられている。
【0042】
一方、第2領域98においては、ドリフト層12の上に、ベース領域(第3半導体領域の一例)54が設けられている。ベース領域54の上に、ソース領域(第4半導体領域の一例)56が設けられている。ベース領域54の上に、コンタクト領域58が設けられている。言い換えると、ベース領域、ソース領域及びコンタクト領域については、第1領域96と第2領域98で個別に設けられている。
【0043】
また、第1トレンチ20の代わりに、紙面奥方向(Y方向)に延びる第2トレンチ40が設けられている。第3絶縁膜22の代わりに、第4絶縁膜42が設けられている。第1絶縁膜21の代わりに、第2絶縁膜41が設けられている。第1フィールドプレート電極24の代わりに、第2フィールドプレート電極44が設けられている。なお、第2フィールドプレート電極44は、設けられていなくても良い。第1ゲート電極28の代わりに、第2ゲート電極(第3電極の一例)48が設けられている。ソースメタル70及びソースメタル74の代わりに、ソースメタル82及びソースメタル86(図3(a))が設けられている。
【0044】
図7は、第2領域98における、半導体装置100の要部の模式断面図の他の一例である。コンタクト領域58は設けられていなくてもかまわない。
【0045】
なお、第1領域96における構成と第2領域98における構成は、上記の関係に限定されるものではない。
【0046】
ゲートメタル72は、第1領域96において、ソースメタル70とソースメタル74の間に設けられている。
【0047】
ゲートメタル84は、第2領域98において、ソースメタル82とソースメタル86の間に設けられている。
【0048】
ゲートメタル72とソースメタル70は、層間絶縁膜95としての層間絶縁膜95bにより分離されている。ゲートメタル72とソースメタル74は、層間絶縁膜95としての層間絶縁膜95cにより分離されている。ゲートメタル84とソースメタル82は、層間絶縁膜95としての層間絶縁膜95fにより分離されている。ゲートメタル84とソースメタル86は、層間絶縁膜95としての層間絶縁膜95gにより分離されている。
【0049】
ソースメタル74とソースメタル86は、層間絶縁膜95としての層間絶縁膜95jにより分離されている。なお、ソースメタル70とソースメタル82、及びゲートメタル72とゲートメタル84も同様に、層間絶縁膜95により分離されている。
【0050】
図8は、第1実施形態の半導体装置100の要部の模式断面図である。図8は、第1フィールドプレート電極24とソースメタル70の接続方法の一例及び第1ゲート電極28とゲートメタル72の接続方法の一例を示すための模式断面図である。例えば、図4乃至図7の模式断面図は、図8のD-D’断面における模式断面図に相当している。
【0051】
第1フィールドプレート電極24は、Z方向に延びた部分を有する。そして、かかるZ方向に延びた部分を用いて、第1フィールドプレート電極24は、ソースメタル70と、層間絶縁膜95及び第3絶縁膜22に設けたコンタクトホールを介して、電気的に接続されている。
【0052】
第1ゲート電極28は、ゲートメタル72と、層間絶縁膜95に設けられたコンタクトホールを介して、電気的に接続されている。ソースメタル70及び第1フィールドプレート電極24は、層間絶縁膜95及び第3絶縁膜22により、第1ゲート電極28と絶縁されている。
【0053】
なお、ソースメタル74と第1フィールドプレート電極24の電気的接続、ソースメタル82と第2フィールドプレート電極44の電気的接続、ゲートメタル84と第2ゲート電極48の電気的接続、及びソースメタル86と第2フィールドプレート電極44の電気的接続についても、同様にして行うことが出来る。
【0054】
めっき層88、めっき層78、めっき層80、めっき層76、めっき層90及びめっき層92は、それぞれソースメタル70、ゲートメタル72、ソースメタル74、ソースメタル82、ゲートメタル84及びソースメタル86の上に設けられている。そして、めっき層88、めっき層78、めっき層80、めっき層76、めっき層90及びめっき層92は、それぞれソースメタル70、ゲートメタル72、ソースメタル74、ソースメタル82、ゲートメタル84及びソースメタル86とそれぞれ電気的に接続されている。めっき層88、めっき層78、めっき層80、めっき層76、めっき層90及びめっき層92は、図示しない外部電気回路とのはんだ等による接続の強度を出すために設けられている。
【0055】
めっき層88とめっき層78は、絶縁膜94としての絶縁膜94bにより分離されている。めっき層78とめっき層80は、絶縁膜94としての絶縁膜94cにより分離されている。めっき層76とめっき層90は、絶縁膜94としての絶縁膜94fにより分離されている。めっき層90とめっき層92は、絶縁膜94としての絶縁膜94gにより分離されている。めっき層80とめっき層92は、絶縁膜94としての絶縁膜94jにより分離されている。なお、めっき層88とめっき層76、及びめっき層78とめっき層90も、同様に絶縁膜94により分離されている。
【0056】
図9は、第1実施形態の半導体装置の要部の模式断面図である。図9は、溝36の断面の一例を示したものである。溝36は、プラズマエッチングにより形成されることが好ましい。ここでかかるプラズマエッチングは、F(フッ素)系ラジカルを用いた等方性エッチング、CF(四フッ化炭素)系ラジカルを含む保護膜の形成、及びF系イオンを用いた異方性エッチングを繰り返すことにより行われる。このようなプラズマエッチングにより、溝36の側面35には、貝殻状の形状を有するスキャロップ37が形成されている。具体的には、スキャロップ37a、スキャロップ37b、スキャロップ37c及びスキャロップ37dが、形成されている。なお、他の図面の溝36については、スキャロップ37の図示を省略している。
【0057】
基板30は、例えばシリコン基板である。しかし、基板30は、例えば炭化シリコン(SiC)基板、窒化ガリウム(GaN)基板又はヒ化ガリウム(GaAs)基板等であってもかまわない。
【0058】
半導体材料としてSiが用いられる場合、n型不純物としては例えばヒ素(As)、リン(P)又はアンチモン(Sb)を、またp型不純物としては例えばB(ホウ素)を、それぞれ用いることができる。
【0059】
第1フィールドプレート電極24、第2フィールドプレート電極44、第1ゲート電極28及び第2ゲート電極48は、例えば導電型不純物を含むポリシリコン等の導電材料を含む。
【0060】
ドレイン電極60、ソースメタル70、ゲートメタル72、ソースメタル74、ソースメタル82、ゲートメタル84、ソースメタル86は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)やCu(銅)等の金属材料を含み、例えばめっき法により形成される。
【0061】
次に、本実施形態の半導体装置の作用効果を記載する。
【0062】
図10は、第1実施形態の比較形態となる半導体装置の模式断面図である。
【0063】
本実施形態の半導体装置のような、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2を含む半導体装置においては、基板30の薄膜化によるドリフト層12の抵抗低減が特に求められている。ここで、基板30を薄膜化すると、基板30が反ってしまい、半導体装置の製造プロセスにおいて、搬送を行うことが出来なくなる等の問題があった。
【0064】
特に、半導体装置の微細化等において長所を有する、トレンチゲート構造の半導体装置においては、基板30の反りが大きくなるという問題があった。ここで、基板30の反りの態様としては、例えば、図10(a)に示すようにXZ平面内において中央部分が上の方向に反る場合と、図10(b)に示すようにXZ平面内において中央部分が下の方向に反る場合と、があった。これは、第1トレンチ20及び第2トレンチ40が延びるY方向に垂直な面内(XZ面内)において、大きな反りが発生しているものと理解することが可能であった。しかし、第1トレンチ20及び第2トレンチ40の形状や材料、第1ゲート電極28及び第2ゲート電極48の形状や材料、第1フィールドプレート電極24及び第2フィールドプレート電極44の形状や材料、ベース領域14及びソース領域16の形状や材料、ベース領域54及びソース領域56の形状や材料は、MOSFETの特性に直結する。そのため、かかる反りを抑制するため、上記の形状や材料を変更することは困難であった。
【0065】
そこで、本実施形態の半導体装置100は、基板30の第1面32に、第1面32に平行なX方向の長さよりもX方向に交差し第1面32に平行なY方向の長さが短い溝36を有する。また、基板30内において、第1トレンチ20及び第2トレンチ40が、Y方向に延びている。
【0066】
これによれば、XZ面内において発生し得る基板30の反りを、溝36を設けることにより、抑制することが出来る。また、溝36の形成により、基板30の一部を薄膜化して、ドリフト層12の抵抗低減を行うことが出来る。そのため、歩留まりの高い半導体装置の提供が可能となる。
【0067】
また、溝36は、プラズマエッチングにより形成されることが、基板30の反りの形状に応じて、形成される溝36の深さやパターンを容易に変更できるため好ましい。この場合、溝36の側面35は、スキャロップ37を有することになる。
【0068】
また、溝36は、基板30の側面38を貫通していないことが好ましい。これは、溝36が基板30の側面38を貫通すると、かかる貫通した部分の基板30の強度が弱くなってしまうためである。同様の理由により、複数の溝36が設けられている場合には、すべての溝36が、基板30の側面38を貫通していないことが好ましい。
【0069】
溝36が形成された基板30の第1面32にドレイン電極60を形成すると、ドレイン電極60の底面において、溝36の下に、X方向の長さLよりもY方向の長さLが短い溝66が形成される。ここで、例えばL<Lであり、L<Lである。これは、ドレイン電極60形成の際に、溝36の形状がドレイン電極60の形状にトレースされることにより形成されるものである。
【0070】
本実施形態の半導体装置100によれば、歩留まりの高い半導体装置100の提供が可能となる。
【0071】
(第2実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1溝の中に第3溝が設けられ、第3溝の長さは第1溝の長さよりも短く、第3溝の深さは第1溝の深さよりも深い点で、第1実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0072】
図11は、本実施形態の半導体装置110の模式図である。図11(a)は、基板30の第1面32及び第1面32に形成される溝36を示した模式図である。図11(b)は、図11(a)のE-E’断面における基板30及び溝36の模式断面図である。図11(a)には、溝36としての、溝36h(第1溝の一例)、溝36h、溝36h、溝36h(第3溝の一例)、溝36h、溝36h、溝36h、溝36h、溝36h及び溝36h10が図示されている。溝36hの中に溝36hが設けられている。図11(b)に示されるように、溝36hの長さL12は溝36hの長さL11より短い。また、図11(b)に示されるように、溝36hの深さdは溝36hの深さdより深い(長い)。
【0073】
例えば、図3に示した溝36d(第1溝の一例)の中に、溝36dよりも、長さが短く、深さが深い溝(第3溝の一例)をさらに設ける事が可能である。
【0074】
図12は、本実施形態の半導体装置110の製造工程の要部を示す模式断面図である。図12は、基板30の第1面32に対する溝36の製造工程の要部を示す模式断面図である。
【0075】
まず、基板30の第1面32に、長さL12の間隔を設けたフォトレジストPを形成する(図12(a))。
【0076】
次に、フォトレジストPが設けられていない部分の基板30の一部を、プラズマエッチングにより削り、溝36h及び溝36hを形成する(図12(b))。次に、フォトレジストPを除去する(図12(c))。
【0077】
次に、基板30の、溝36h及び溝36hが形成されていない第1面32の上に、X方向に長さL11を有する開口を設けたフォトレジストPを形成する(図12(d))。
【0078】
次に、フォトレジストPが設けられていない部分の基板30の一部を、プラズマエッチングにより削り、溝36h及び溝36hを形成する。次に、フォトレジストPを除去する(図12(e))。以上により、本実施形態の溝36h及び溝36hを形成可能である。
【0079】
基板30の反りをさらに抑制するために、本実施形態の製造方法を組み合わせることにより、様々な形状の溝36を形成可能である。例えば、図3に示した溝36dを、図11に示した溝36h及び溝36hのような形状の溝とすることにより、基板30の反りをさらに抑制できる可能性がある。そのため、本実施形態の半導体装置110によれば、さらに歩留まりの高い半導体装置の提供が可能となる。
【0080】
(第3実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1面は、第1溝と基板の端部の間に、第1溝よりも第2方向の長さが短い第4溝を有する点で、第1及び第2実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1及び第2実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0081】
図13は、本実施形態の半導体装置120の模式図である。図13は、基板30の第1面32及び第1面32に形成される溝36を示した模式図である。図13には、溝36としての、溝36i(第4溝の一例)、溝36i(第4溝の一例)、溝36i(第4溝の一例)、溝36i(第1溝の一例)、溝36i(第4溝の一例)、溝36i(第4溝の一例)及び溝36i(第4溝の一例)が図示されている。Y方向の溝36i、溝36i、溝36i、溝36i、溝36i及び溝36iの長さはdであり、Y方向の溝36iの長さdより短い。
【0082】
例えば、図3に示した、溝36a(第4溝の一例)、溝36b(第4溝の一例)、溝36c(第4溝の一例)、溝36e(第4溝の一例)、溝36f(第4溝の一例)及び溝36g(第4溝の一例)のY方向の長さを、溝36d(第1溝の一例)のY方向の長さより短くすることができる。
【0083】
第1面32の中央部分の溝36iのY方向の長さを、他の溝よりも長くすることにより、基板30の中央部分の反りがより強い場合に、かかる反りを抑制することが出来る。
【0084】
本実施形態の半導体装置120によれば、歩留まりの高い半導体装置120の提供が可能となる。
【0085】
(第4実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1面は、第1溝と基板の端部の間に、第1溝よりも第2方向の長さが長い第5溝を有する点で、第1乃至第3実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1乃至第3実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0086】
図14は、本実施形態の半導体装置130の模式図である。図14は、基板30の第1面32及び第1面32に形成される溝36を示した模式図である。図14には、溝36としての、溝36j(第5溝の一例)、溝36j(第1溝の一例)、溝36j(第1溝の一例)、溝36j(第1溝の一例)及び溝36j(第5溝の一例)が図示されている。Y方向の溝36j及び溝36jの長さはdであり、Y方向の溝36j、溝36j及び溝36jの長さdより長い。
【0087】
例えば、図3に示した、溝36a(第5溝の一例)、溝36b(第5溝の一例)、溝36c(第5溝の一例)、溝36e(第5溝の一例)、溝36f(第5溝の一例)及び溝36g(第5溝の一例)のY方向の長さを、溝36d(第1溝の一例)のY方向の長さより長くすることができる。
【0088】
第1面32の端の部分の溝36j及び溝36jのY方向の長さを、溝36j、溝36j及び溝36jのY方向の長さより長くすることにより、基板30の端部の反りがより強い場合に、かかる反りを抑制することが出来る。
【0089】
本実施形態の半導体装置130によれば、歩留まりの高い半導体装置130の提供が可能となる。
【0090】
(第5実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1面は、第1溝に対して第1方向に並ぶ複数の第6溝と、第1溝及び複数の第6溝のそれぞれに対して第2方向に並ぶ複数の第7溝と、を有する点で、第1乃至第4実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1乃至第4実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0091】
図15は、本実施形態の半導体装置140の模式図である。図15は、基板30の第1面32及び第1面32に形成される溝36を示した模式図である。図15には、溝36としての、溝36o、溝36o、溝36o、溝36o、溝36o、溝36o、溝36o、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l、溝36k、溝36k、溝36k、溝36k、溝36k、溝36k、溝36kが図示されている。
【0092】
溝36m(第1溝の一例)に対して、溝36o、溝36n、溝36l及び溝36k(複数の第6溝の一例)がX方向に並んでいる。溝36oに対して、溝36o、溝36o、溝36o、溝36o及び溝36o(複数の第7溝の一例)がY方向に並んでいる。溝36nに対して、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n、溝36n及び溝36n(複数の第7溝の一例)がY方向に並んでいる。溝36lに対して、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l、溝36l及び溝36l(複数の第7溝の一例)がY方向に並んでいる。溝36kに対して、溝36k、溝36k、溝36k、溝36k、溝36k及び溝36k(複数の第7溝の一例)がY方向に並んでいる。
【0093】
溝36mのY方向の幅はdである。溝36m及び溝36mのY方向の幅はdであり、d<dである。溝36m、溝36m、溝36m及び溝36mのY方向の幅はdであり、d<dである。一方、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m及び溝36mのX方向の幅は、dであり、いずれも等しい。本実施形態の溝36は、このような溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m、溝36m及び溝36mが、X方向に並べられたものである。
【0094】
例えば、図3に示した溝36a、溝36b、溝36c、溝36d、溝36e、溝36f及び溝36gをX方向に5分割し、Y方向の幅を変更することにより、図15に示した溝36を得ることが可能である。
【0095】
本実施形態の半導体装置140における溝36のかかる配置は、基板30が全体的によじれている場合に、かかるよじれを抑制することが出来る。
【0096】
本実施形態の半導体装置140によれば、歩留まりの高い半導体装置140の提供が可能となる。
【0097】
(第6実施形態)
本実施形態の半導体装置は、形状の異なる溝が、めっき層76の下、めっき層80の下、めっき層88の下及びめっき層92の下に配置されている点で、第1乃至第5実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1乃至第5実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0098】
図16は、本実施形態の半導体装置150の模式図である。図16は、基板30の第1面32及び第1面32に形成される溝36を示した模式図である。本実施形態の半導体装置150は、第1領域96の上の第2面34に設けられ、ソース領域16(第2半導体領域の一例)に電気的に接続されためっき層76(第4電極の一例)と、第1領域96の上の第2面34に設けられ、ソース領域16(第2半導体領域の一例)に電気的に接続されためっき層80(第5電極の一例)と、めっき層76(第4電極の一例)とめっき層80(第5電極の一例)の間の第2面34に設けられ、第1ゲート電極28(第2電極の一例)に電気的に接続されためっき層78(第6電極の一例)と、第2領域98の上の第2面34に設けられ、ソース領域56(第4半導体領域の一例)に電気的に接続されためっき層88(第7電極の一例)と、第2領域98の上の第2面34に設けられ、ソース領域56(第4半導体領域の一例)に電気的に接続されためっき層92(第8電極の一例)と、めっき層88(第7電極の一例)とめっき層92(第8電極の一例)の間の第2面34に設けられ、第2ゲート電極48(第3電極の一例)に電気的に接続されためっき層90(第9電極の一例)と、をさらに備え、第1面32は、めっき層76(第4電極の一例)の下に設けられた溝36p(第8溝の一例)と、めっき層80(第5電極の一例)の下に設けられた溝36p(第9溝の一例)、めっき層88(第7電極の一例)の下に設けられた溝36p(第10溝の一例)、めっき層92(第8電極の一例)の下に設けられた溝36p(第11溝の一例)と、をさらに有している。
【0099】
溝36p、溝36p、溝36p及び溝36pの形状はそれぞれ異なっている。具体的には、溝36p、溝36p、溝36p及び溝36pのX方向の長さd11、d12、d13及びd14は、それぞれ異なっている。また、溝36p、溝36p、溝36p及び溝36pのY方向の長さd21、d22、d23、d24は、それぞれ異なっている。なお、溝36p、溝36p、溝36p及び溝36pの形状の異なり方は、勿論上記のものに限定されるものではない。
【0100】
基板30が複雑な反りを有している場合に、上記のように溝36の形状を変化させることにより、反りの抑制が可能となる。
【0101】
本実施形態の半導体装置150によれば、歩留まりの高い半導体装置150の提供が可能となる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10 :ドレイン層(第1半導体層)
12 :ドリフト層(第2半導体層)
14 :ベース領域(第1半導体領域)
16 :ソース領域(第2半導体領域)
20 :第1トレンチ
21 :第1絶縁膜
28 :第1ゲート電極(第2電極)
30 :基板
32 :第1面
34 :第2面
35 :(溝の)側面
36 :溝(第1溝)
36h :溝(第1溝)
36h :溝(第3溝)
36i :溝(第4溝)
36i :溝(第1溝)
36j :溝(第5溝)
36j :溝(第1溝)
36k :溝(第6溝)
36m :溝(第1溝)
36p :溝(第8溝)
36p :第9溝
36p :第10溝
36p :第11溝
37 :スキャロップ
38 :(基板の)側面
40 :第2トレンチ
48 :第2ゲート電極(第3電極)
54 :ベース領域(第3半導体領域)
56 :ソース領域(第4半導体領域)
60 :ドレイン電極(第1電極)
62 :底面
66 :溝(第2溝)
76 :めっき層(第4電極)
78 :めっき層(第6電極)
80 :めっき層(第5電極)
88 :めっき層(第7電極)
90 :めっき層(第9電極)
92 :めっき層(第8電極)
94 :絶縁膜
95 :層間絶縁膜
96 :第1領域
98 :第2領域
100 :半導体装置
110 :半導体装置
120 :半導体装置
130 :半導体装置
140 :半導体装置
150 :半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16