(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】撮像機用支持装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/02 20060101AFI20240805BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240805BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240805BHJP
G03B 17/08 20210101ALI20240805BHJP
【FI】
B60S1/02 400A
B60R11/02 Z
G03B17/02
G03B17/08
(21)【出願番号】P 2020158808
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 考弘
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093794(JP,A)
【文献】特開2016-034791(JP,A)
【文献】特開2003-343867(JP,A)
【文献】特開2017-185896(JP,A)
【文献】国際公開第2020/022520(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60S 1/02
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像機を支持する撮像機用支持装置であって、
前記撮像機を支持し、前記撮像機のレンズを内側に収容する切り欠き部、及び前記切り欠き部の両側に設けられ且つ光の入射を抑制する遮光壁を有するブラケットと、
前記ブラケットに着脱可能に支持され、前記遮光壁の間に位置して表面を加熱対象に向けて露出する着脱ユニットと、を備え、
前記着脱ユニットは、
発熱部を備える加熱装置と、
前記加熱装置を
前記加熱装置の裏面から支持する支持部と、
前記加熱装置の表面に設けられた反射抑制シートと、を備え、
前記加熱装置は、前記支持部のうち
前記加熱対象
側に設けられ、
前記支持部
の表面には、前記発熱部と接触しない1乃至複数の非接触部が設けられる
撮像機用支持装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記レンズを収容するための切り欠き部を有し、
前記支持部に形成された前記切り欠き部は、前記着脱ユニットが前記ブラケットに支持された状態で前記ブラケットに形成された前記切り欠き部と連なる、請求項1に記載の撮像機用支持装置。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記着脱ユニットの下方に位置する一対の係止脚を備え、
前記係止脚の各々と、前記撮像機に設けられた各突部とが嵌合することにより、前記着脱ユニットの下方にて前記撮像機が支持される、請求項1又は2に記載の撮像機用支持装置。
【請求項4】
撮像機と、前記撮像機を支持する撮像機用支持装置とを備える撮像装置であって、
前記撮像機用支持装置は、
前記撮像機を支持し、前記撮像機のレンズを内側に収容する切り欠き部、及び前記切り欠き部の両側に設けられ且つ光の入射を抑制する遮光壁を有するブラケットと、
前記ブラケットに着脱可能に支持され、前記遮光壁の間に位置して表面を加熱対象に向けて露出する着脱ユニットと、を備え、
前記着脱ユニットは、
発熱部を備える加熱装置と、
前記加熱装置を
前記加熱装置の裏面から支持する支持部と、
前記加熱装置の表面に設けられた反射抑制シートと、を備え、
前記加熱装置は、前記支持部のうち
前記加熱対象
側に設けられ、
前記支持部
の表面には、前記発熱部と接触しない1乃至複数の非接触部が設けられる
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の窓ガラスを介して車外を撮像する撮像機を支持する撮像機用支持装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の撮像機は、一例として車室内であって、車体の正面に設けられるウィンドシールドガラス付近に設けられ、自車両の前方に位置する他車両および障害物の有無を検知する。例えば、特許文献1に記載された撮像機は、ブラケット、カメラユニット、及び遮光加熱ユニットを備える。遮光加熱ユニットは、カメラユニットによって鮮明な画像を撮像することを目的とするものであって、カメラユニット付近のウィンドシールガラス(フロントウィンド)に付着した結露による水滴、霜、および、氷などの消失を図る機能を有する。遮光加熱ユニットは、遮光フード、ヒータモジュール、断熱材を備えている。ヒータモジュールは、遮光フードの両面のうち、カメラユニットと反対側の面に両面テープを介して取り付けられている。また、断熱材は、ヒータモジュールの両面のうち、遮光フードと反対側の面にヒューズモジュールを介して設けられている。断熱材は、ヒータモジュールで発生した熱が、断熱材の下面等から外部に逃げることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したような撮像機においては、状況によってはウィンドシールドガラスに付着した水滴等を消失しきれない場合が生じうる。このため、加熱効果をより向上することが要請されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する撮像機用支持装置は、撮像機を支持する撮像機用支持装置であって、発熱部を備える加熱装置と、前記加熱装置を支持する支持部と、を備え、前記加熱装置は、前記支持部のうち加熱対象側の表面に設けられ、前記支持部の前記表面には、前記発熱部と接触しない1乃至複数の非接触部が設けられる。
【0006】
上記課題を解決する撮像装置は、撮像機と、前記撮像機を支持する撮像機用支持装置とを備える撮像装置であって、前記撮像機用支持装置は、発熱部を備える加熱装置と、前記加熱装置を支持する支持部とを備え、前記加熱装置は、前記支持部のうち加熱対象側の表面に設けられ、前記支持部の前記表面には、前記発熱部と接触しない非接触部が設けられる。
【0007】
上記構成によれば、撮像機用支持装置は、加熱装置を、支持部のうち加熱対象側の表面に備える。この構成により、加熱装置の発熱部と加熱対象との距離が短くなるため、加熱装置は、加熱対象に熱を直接的且つ効率よく伝達することができる。また、支持部の裏面に、非接触部を備えたため、支持部及び発熱部との接触面積が縮小される。これにより、発熱部の裏面から失われる熱が少なくなるため、加熱効果をさらに向上することができる。
【0008】
上記撮像機用支持装置について、前記支持部は、前記発熱部に接触する突部を備えることが好ましい。
支持部は、発熱部に接触する突部を備え、突部は、発熱部を支持するため、発熱部を安定して支持することができる。
【0009】
上記撮像機用支持装置について、前記支持部は、一定の高さを有する前記突部を複数備えることが好ましい。
上記構成によれば、突部の高さは一定であるため、発熱部及び非接触部を区画する底面との間に一定の高さを有する非接触部を設けることができる。このため、発熱部に対する断熱効果を均一化できるため、発熱部の温度ムラを抑制することができる。
【0010】
上記撮像機用支持装置について、前記支持部は、前記発熱部に接触する一対の端部を備え、一対の前記端部の間に一つの前記非接触部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、支持部は、一対の端部の間に、一つの非接触部を備える。よって、一対の端部の間の空間を複数に区画する場合に比べ、非接触部の体積が大きくなるため、発熱部から伝わる熱の断熱効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加熱機能を備えた撮像機用支持装置及び撮像装置について、その加熱効果をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の撮像装置及び撮像機用支持装置の全体構造を示す斜視図。
【
図2】同実施形態の撮像機用支持装置の着脱ユニットを示す斜視図。
【
図4】同実施形態の撮像機用支持装置の断面構造の要部を示す図。
【
図5】第2実施形態の撮像装置及び撮像機用支持装置のレンズフードを示す斜視図。
【
図7】変形例の撮像装置及び撮像機用支持装置のレンズフードを示す斜視図。
【
図8】変形例の撮像装置及び撮像機用支持装置のレンズフードを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、撮像機用支持装置を具体化した一実施形態を説明する。
図1を参照して、撮像機用支持装置を備える撮像装置10の全体構成について説明する。撮像装置10は、撮像ユニット11、及び撮像機用支持装置12を備えている。なお、撮像機用支持装置12を、以下単に支持装置12という。また、撮像ユニット11は撮像機に対応する。
【0014】
撮像ユニット11は、本体11Aと、レンズ11Bとを備えている。本体11Aは、例えば、撮像素子、記録素子、および、これらの素子を内蔵する筐体等を備えている。レンズ11Bは、支持装置12の切り欠き部211を介して露出し、ウィンドシールドガラスに対向している。
【0015】
支持装置12は、ブラケット21、レンズフード22、加熱装置23及び反射抑制シート24を備えている。ブラケット21は、撮像ユニット11を支持する。ブラケット21は、一対の係止脚21Lを備えている。係止脚21Lの溝部210の各々に、撮像ユニット11に設けられた1対の突部110の各々が嵌ることにより、ブラケット21は撮像ユニット11を支持する。なお、撮像ユニット11に設けられる突部110は、1対ではなく、複数対設けられているが、その数は特に限定されない。レンズフード22は、加熱装置23を裏面から支持する支持部に対応する。ブラケット21及びレンズフード22は、樹脂を主な材料とする。樹脂は、1種類であっても複数種類であってもよい。また、ブラケット21及びレンズフード22は、樹脂と樹脂以外の材料の組み合わせから構成されてもよい。
【0016】
ブラケット21は、レンズ11Bを露出させる切り欠き部211と、切り欠き部211の両側に設けられた遮光壁21Wを備える。遮光壁21Wは、切り欠き部211側の基端部から、その反対側の先端部にかけて、他方の遮光壁21Wとの相対距離が長くなるように拡開している。このため、遮光壁21Wは、撮像ユニット11の視野範囲を確保しつつ、ブラケット21に入射する光の一部を遮断する。これにより、ウィンドシールドガラスからの反射光や余分な光が入射することにより生じるフレア等、撮像に悪影響を与える光の入射が抑制される。
【0017】
また、遮光壁21Wの間には、加熱装置23が配置されている。遮光壁21Wは、加熱装置23の輻射熱を反射する機能も兼ね備える。遮光壁21Wは、ウィンドシールドガラスに入射しなかった輻射熱をウィンドシールドガラス側に反射する二次的な輻射によってもウィンドシールドガラスを加熱する。
【0018】
ブラケット21は、レンズフード22、加熱装置23及び反射抑制シート24を支持する。レンズフード22、加熱装置23及び反射抑制シート24は、ブラケット21に対して着脱可能に取り付けられている。レンズフード22、加熱装置23及び反射抑制シート24は、着脱ユニット30を構成する。このため、着脱ユニット30をブラケット21から取り外すことにより、加熱装置23等のメンテナンスを行うことができる。
【0019】
次に
図2を参照して、着脱ユニット30について詳述する。
図2中、二点鎖線及び実線で示すようにレンズフード22の表面には、加熱装置23が設けられ、加熱装置23の表面には反射抑制シート24が設けられる。加熱装置23は、接着剤等によりレンズフード22に接合されている。また、反射抑制シート24は、接着剤等により加熱装置23に接合されている。
【0020】
レンズフード22は、加熱装置23を支持する。レンズフード22は、その背面22Bに、レンズ11Bを収容するための切り欠き部22Lを備える。切り欠き部22Lは、着脱ユニット30がブラケット21に支持された際にブラケット21の切り欠き部211に連なる。レンズフード22の表面22Fは、その幅Wが、背面22Bから正面22Aに向かうにつれて大きくなる略台形状を有している。なお、レンズフード22は上述したように1種類又は複数種類の樹脂から形成されるが、加熱装置23を支持できる強度を有していればよくその種類は限定されない。レンズフード22は、例えば発泡プラスチックなどであってもよい。
【0021】
また、レンズフード22の側面22C,22Dの各々には、係止突起22Eが設けられる。係止突起22Eがブラケット21に設けられた図示しない本体溝に係止されることにより、レンズフード22がブラケット21に支持される。
【0022】
レンズフード22の幅方向の両側には、側端部22Gが設けられる。また、レンズフード22は、表面22Fに、複数の非接触部220を有する。非接触部220の各々は、側端部22G、幅方向に延出する第1突条22H、幅方向に直交する方向に延出し第1突条22Hと交差する第2突条22Iによって区画される。非接触部220は、側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iによって区画される空間である。側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iは、同一面又はほぼ同一面にあり、非接触部220は、それらの面に対して凹状に設けられている。第1突条22H及び第1突条22Hの高さH(
図4参照)は一定である。なお、ここでいう高さHは、非接触部220を区画する底面22Jからの高さである。複数の非接触部220は、側端部22Gに挟まれた領域に格子状に配置される。
【0023】
加熱装置23は、発熱部23Aと、駆動部23Bとを備えている。発熱部23Aは、扁平状のヒーターであればよく、その種類は特に限定されない。例えば、発熱部23Aは、面状良導体、通電部、および、一対の絶縁フィルムを備えている。通電部は、1本の発熱線によって形成され、駆動部23Bに接続されている。通電部は、一対の絶縁フィルムによって挟まれている。面状良導体は、一方の絶縁フィルム上に貼り付けられている。駆動部23Bは、発熱部23Aに電気的に接続され、発熱部23Aに電流を供給する。駆動部23Bは、保護回路23Cを備えている。保護回路23Cは、温度ヒューズを備え、面状発熱体に流れる電流の大きさを、所定の範囲内に抑制する。
【0024】
レンズフード22の側端部22Gの表面、第1突条22H及び第2突条22Iの表面には、図示しない接着剤が設けられる。加熱装置23の発熱部23Aは、側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iに接着材を介して接合され、非接触部220には接触しない。また、第1突条22H及び第2突条22Iの高さは一定であるため、加熱装置23と、非接触部220を区画する底面22Jとの間に、一定の高さを有する空間が保持される。
【0025】
発熱部23Aには、接着剤又は接着層を介して、反射抑制シート24が接合される。反射抑制シート24は、発熱部23Aのほぼ全域を覆う形状を有している。反射抑制シート24は、例えば樹脂製のフィルムであり、反射抑制シート24に入射した光を吸収することによって光の反射を抑制する。反射抑制シート24は、光の反射を抑制するため、その表面に凹凸形状を有していても良い。
【0026】
図3及び
図4を参照して、撮像装置10の作用について説明する。
図3に示すように、撮像装置10は、レンズ11Bをウィンドシールドガラス100に向けた姿勢で取り付けられている。撮像装置10が取り付けられる被取付部は、特に限定されないが、例えばウィンドシールドガラス、ルーフ、インストルメントパネルの少なくとも一つであってもよい。なお、撮像装置10は、車両前方の他、車両後方又は車両側方を含む範囲を撮像範囲とする装置であってもよい。つまり、撮像装置10は、レンズ11Bを、ウィンドシールドガラス100の他、車体の後部に設けられたリアガラス、車体の側部であってドア等に設けられたサイドガラスに向けて設けられてもよい。
【0027】
図4に示すように、加熱装置23の発熱部23Aは、反射抑制シート24を介して輻射熱をウィンドシールドガラス100に伝達する。発熱部23Aがレンズフード22の裏面22K側に設けられた場合には、発熱部23Aからの熱が、レンズフード22に伝導した後にウィンドシールドガラス100に輻射熱として伝わる。このため、この場合にはレンズフード22における熱伝導による損失が大きいが、発熱部23Aを表面22Fに設けることで、レンズフード22を介して熱を伝導させる必要が無く、熱伝導による損失が少なくなる。また、加熱装置23をレンズフード22の表面22Fに設けた場合には、レンズフード22の裏面22Kに設けられている場合に比べ、ウィンドシールドガラス100との距離が短くなる。このため、加熱装置23は、ウィンドシールドガラス100に輻射熱を直接的且つ効率よく伝達することができる。
【0028】
一方、発熱部23Aの裏面23Dにおいては、レンズフード22が接しているため、主に熱伝導によりレンズフード22に熱が伝わる。このため、発熱部23Aの熱の一部は、ウィンドシールドガラス100に放射されることなく裏面23Dからレンズフード22に伝わって失われるが、レンズフード22に非接触部220を設けることで接触面積が縮小され、熱伝導率の低い非接触部220内の空気ではなく発熱部23Aと接触している側端部22Gや第1突条22H及び第2突条22Iを伝って移動する。このため、発熱部23Aからレンズフード22に伝導される熱が、非接触部220を設けない場合に比べ少なくなる。つまり、発熱部23Aの裏面23Dから失われる熱が少なくなるため、加熱効果が高められ、加熱装置23の起動時の昇温速度が高くなる。また、加熱中においても、発熱部23Aが到達する最高温度が高くなる。
【0029】
さらに、側端部22Gに加え、第1突条22H及び第2突条22Iにより、発熱部23Aの裏面23D全体を支持することができるため、車両の振動や衝撃が加わっても、その荷重に耐えることができる。また、仮に発熱部23Aが撓みやすい材料又は構成であったとしても、第1突条22H及び第2突条22Iによって支持することにより、自重による撓みを抑制することができる。第1突条22H及び第2突条22Iは一定の高さHを有するため、発熱部23A及び非接触部220を区画する底面との間に一定の高さを有する非接触部220を設けることができる。よって、発熱部23Aに対するレンズフード22の断熱効果の偏りがなくなるため、発熱部23Aの温度ムラを抑制することができる。このため、ウィンドシールドガラス100の加熱対象範囲を偏りなく加熱することができる。
【0030】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)支持装置12は、加熱装置23を、レンズフード22のうちウィンドシールドガラス100側の表面に備える。この構成により、加熱装置23の発熱部23Aとウィンドシールドガラス100との距離が短くなるため、加熱装置23は、ウィンドシールドガラス100に輻射熱を直接的且つ効率よく伝達することができる。また、レンズフード22の表面22Fに、非接触部220を備えたため、レンズフード22及び発熱部23Aとの接触面積が縮小される。これにより、発熱部23Aの裏面23Dから失われる熱が少なくなるため、加熱効果をさらに向上することができる。
【0031】
(2)レンズフード22は、発熱部23Aに接触する側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iを備え、非接触部220は側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iによって区画される。側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iは、発熱部23Aを支持するため、発熱部23Aを安定して支持することができる。
【0032】
(3)側端部22G、第1突条22H及び第2突条22Iの高さHは一定であるため、発熱部23A及び非接触部220を区画する底面との間に一定の高さを有する非接触部220を設けることができる。このため発熱部23Aの温度ムラを抑制することができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、撮像機用支持装置及び撮像機の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、レンズフードの構成が第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、レンズフード31は、その表面31Fに、一対の側端部31Gを備える。一対の側端部31Gの間には、一つの非接触部310が設けられている。つまり、第1実施形態の非接触部220は、第1突条22H及び第2突条22Iによって複数に区画されているのに対し、第2実施形態では第1突条22H及び第2突条22Iが設けられていない点で相違する。
【0035】
図6に示すように、レンズフード31に非接触部310が設けられることで、発熱部23Aとレンズフード31の接触面積が縮小される。このため、発熱部23Aの熱は、発熱部23Aと接触している側端部31Gを伝って移動する。このため、発熱部23Aからレンズフード31に伝導される熱が、非接触部310を設けない場合に比べ少なくなり、加熱効果を向上することができる。
【0036】
また、本実施形態の非接触部310は、第1実施形態の非接触部220に比べ占有体積が大きいため、発熱部23Aから伝わる熱の断熱効果を高めることができる。また、非接触部310は、第1実施形態の非接触部220に比べ、非接触部310内の熱の偏りが抑制されるので、発熱部23Aの温度ムラを抑制する効果も高められることが期待される。
【0037】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態に記載の(1)に記載の効果に加えて以下の効果が得られる。
(4)第2実施形態によれば、レンズフード31は、一つの非接触部310を備える。よって、複数の非接触部を設ける場合に比べ、非接触部310の体積が大きくなるため、発熱部23Aから伝わる熱の断熱効果を高めることができる。
【0038】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0039】
・第1実施形態では、レンズフード22に第1突条22H及び第2突条22Iを設けて、複数の非接触部220を区画した。第2実施形態では、一つの非接触部310を設けたが、非接触部の数は限定されない。また、複数の非接触部を区画する突部の形状も特に限定されない。例えば、
図7に示すように、レンズフード40の表面40Fをハニカム構造とし、壁部40Aによって非接触部400を区画してもよい。非接触部400は、表面側からみて六角形ではなく、円形や三角形状であってもよい。また、一つの非接触部に、発熱部23Aを裏面23Dから支持する突条とは異なる突部を設けるようにしてもよい。例えば、
図8に示すように、レンズフード41の表面41Fに一つの非接触部410を設け、その非接触部410に複数の円柱状の突部41Aを設けるようにしてもよい。突部41Aの形状は特に限定されず、四角柱等でもよい。
【0040】
・第1実施形態では、レンズフード22は、一定の高さを有する第1突条22H及び複数の第2突条22Iを備える。これに代えて若しくは加えて、レンズフード22に、互いに高さが異なる突条又は突条以外の突部を設けるようにしてもよい。例えば、レンズフード22に高さが異なる突部を設けることで、表面22Fを傾斜面としてもよい。また、レンズフード22のうち、特に温度が上昇しやすい部分については突部を高くして、非接触部の体積を増加させるようにしてもよい。
【0041】
・第1実施形態では、レンズフード22は、複数の第1突条22H及び複数の第2突条22Iを備える。これに代えて、レンズフード22に、1つの突条を設けるようにしてもよい。また、加熱装置23を支持可能であれば、突条以外の突部であってもよい。
【0042】
・上記各実施形態では、ブラケット21とレンズフード22とを別部材とした。これに代えて、ブラケット21とレンズフード22とを一体としてもよい。換言すると、ブラケット21は、レンズフード22と同様な構成の支持部を備えていてもよい。なお、この態様における支持部は、加熱装置23を支持し、発熱部と接触しない1乃至複数の非接触部を1乃至複数備えていればよく、上記各実施形態の形状に限定されない。また、この態様において、加熱装置23及び反射抑制シート24をブラケット21に対して着脱可能に設けるようにしてもよい。
【0043】
・本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、主旨を逸脱しない範囲で適切な設計変更をすることが可能である。例えば、レンズフード22は、平面からみて台形の形状ではなく、長方形の形状であってもよい。また、ブラケット21は、遮光壁21Wを省略した形状であってもよく、1つの係止脚を有する構成であってもよいし、係止脚が不要な場合にはこれを省略してもよい。
【0044】
・上記各実施形態では、撮像装置10を、車両周辺を撮像するために車両に搭載されるものとした。これに代えて、撮像装置10を、船舶、航空機等の車両以外の移動体、又は定位置に設置される撮像装置としてもよい。例えば移動体に搭載される撮像装置10は、移動体の窓ガラス付近に設けられ、移動体の外部環境を撮像する。また、定位置に設定される撮像装置は、施設等の窓ガラス付近に設けられ、施設等の外部環境を撮像する。
【符号の説明】
【0045】
10…撮像装置
12…撮像機用支持装置
22…支持部としてのレンズフード
23…加熱装置
220…非接触部