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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021011051
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114667
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀久
【審査官】松崎 孝大
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-175078(JP,A)
【文献】特開2006-17893(JP,A)
【文献】特開2006-39299(JP,A)
【文献】特開2007-178609(JP,A)
【文献】特開2014-170191(JP,A)
【文献】特開2014-191044(JP,A)
【文献】特開2015-108701(JP,A)
【文献】特開2019-207273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と複数のカラオケ装置が通信可能に接続されたカラオケシステムであって、
前記サーバ装置は、
利用者のカラオケ設定の設定値をカラオケ装置毎に記憶する第1の記憶部と、
カラオケ装置毎に設置空間に関する設置空間情報を記憶する第2の記憶部と、
利用者がログインした一のカラオケ装置に設定値を送信する設定値送信部と、を備え、
前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がある場合、前記設定値送信部が前記一のカラオケ装置に設定値を送信し、
前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がない場合、前記設定値送信部が前記第2の記憶部から前記一のカラオケ装置と設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置を特定して、前記第1の記憶部から前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の前記他のカラオケ装置に対する設定値を読み出して前記一のカラオケ装置に送信し、
前記複数のカラオケ装置は、
利用者が選曲した楽曲と共に設定値を予約待ち行列に登録する予約部を備えていることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記複数のカラオケ装置は、
前記設定値送信部から受信した設定値を変更する変更部と、
利用者のログアウト情報と共に変更後の設定値を前記サーバ装置に送信するログアウト情報送信部と、を備え、
前記第1の記憶部がログアウトした利用者の設定値として変更後の設定値を記憶することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記第2の記憶部は、設置空間情報としてカラオケルームの床面積、容積、及び壁面の材質の少なくとも1つに関する情報を記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がない場合、前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の前記他のカラオケ装置に対する設定値を、前記第1の記憶部が前記一のカラオケ装置に対する設定値として記憶することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記第1の記憶部は、利用者人数に応じた利用者のカラオケ設定の設定値をカラオケ装置毎に記憶しており、
前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者人数に応じた利用者の設定値がある場合、前記設定値送信部が前記一のカラオケ装置に設定値を送信し、
前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者人数に応じた利用者の設定値がない場合、前記設定値送信部が前記第2の記憶部から前記一のカラオケ装置と設置空間情報が同じ又は近似した前記他のカラオケ装置を特定し、前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者人数に応じて、利用者の前記他のカラオケ装置に対する設定値を前記第1の記憶部から読み出して前記一のカラオケ装置に送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置の利用者がカラオケ歌唱し易いように、音量、イコライザ、エコーレベル、サラウンドタイプ等のカラオケ設定を自動的に行うカラオケシステムが提案されている。例えば、利用者の識別情報と音場設定が対応付けて記憶されており、利用者に嗜好が似通った他の利用者の歌唱時に、この利用者の音場設定が自動的に適用されるカラオケシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、利用者毎に1以上の演奏パラメータセットが対応付けて記憶されており、利用者が所望のパラメータセットを選択可能なカラオケシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-191044号公報
【文献】特開2015-108701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同じ利用者が同じ機種のカラオケ装置を利用する場合であっても、カラオケ装置が設置されたカラオケルームの広さ等が異なれば、利用者にとって最適なカラオケ設定が異なる。特許文献1、2に記載のカラオケ装置では、利用者の嗜好に着目するだけで、カラオケ装置の設置空間に適したカラオケ設定を利用者に提供することはできない。
【0005】
本発明の目的は、利用者毎にカラオケ装置の設置空間に適したカラオケ設定を提供することができるカラオケシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、サーバ装置と複数のカラオケ装置が通信可能に接続されたカラオケシステムであって、前記サーバ装置は、利用者のカラオケ設定の設定値をカラオケ装置毎に記憶する第1の記憶部と、カラオケ装置毎に設置空間に関する設置空間情報を記憶する第2の記憶部と、利用者がログインした一のカラオケ装置に設定値を送信する設定値送信部と、を備え、前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がある場合、前記設定値送信部が前記一のカラオケ装置に設定値を送信し、前記第1の記憶部に前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がない場合、前記設定値送信部が前記第2の記憶部から前記一のカラオケ装置と設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置を特定して、前記第1の記憶部から前記一のカラオケ装置にログイン中の利用者の前記他のカラオケ装置に対する設定値を読み出して前記一のカラオケ装置に送信し、前記複数のカラオケ装置は、利用者が選曲した楽曲と共に設定値を予約待ち行列に登録する予約部を備えているカラオケシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がサーバ装置に記憶されている場合、この利用者によって前回ログイン時と同じ設置空間で設定された設定値が一のカラオケ装置に適用される。一方で、一のカラオケ装置にログイン中の利用者の設定値がサーバ装置に記憶されていない場合、一のカラオケ装置と設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置に対する利用者の設定値が一のカラオケ装置に適用される。よって、予約待ち行列に登録された楽曲のカラオケ歌唱時に、利用者毎に設置空間に適したカラオケ設定でカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のカラオケシステムの構成図である。
図2】第1実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。
図3】第1実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。
図4】第1実施形態のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図5】第1実施形態の設置空間情報の一例を示す図である。
図6】第1実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図7】第1実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図8】第1実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図9】第2実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。
図10】第2実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。
図11】第2実施形態のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図12】第2実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図13】第2実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
図14】第2実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、第1実施形態のカラオケシステムについて説明する。図1は、第1実施形態のカラオケシステムの構成図である。図2は、第1実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。なお、図2の機能ブロック図には、説明の便宜上、一部の処理を実現するための機能ブロックを図示しているが、カラオケ装置が通常備える構成については備えているものとする。また、以下の説明では、カラオケ装置には符号A-Dが付されているが、任意のカラオケ装置を特定しない場合にはA-Dを省略することもある。
【0010】
図1に示すように、カラオケシステム1には、データセンタ等に設置されたサーバ装置30と、カラオケルームに設置された複数のカラオケ装置10A-10Dと、が設けられている。サーバ装置30と複数のカラオケ装置10A-10Dはネットワーク5を介して通信可能に接続されている。サーバ装置30にはカラオケ装置10A-10Dに対する各利用者のカラオケ設定や、カラオケ装置10A-10Dが設置されたカラオケルームの床面積等が管理されている。カラオケ装置10A-10Dへの利用者のログインによって、利用者の嗜好やカラオケルームの広さ等に適した設定値がサーバ装置30によってカラオケ装置10A-10Dに適用される。
【0011】
各カラオケ装置10A-10Dには、装置本体11と、モニタ12と、スピーカ13と、マイクロフォン14と、リモコン装置15と、が設けられている。モニタ12は、装置本体11からの映像信号等に基づいて、カラオケ演奏に合わせて背景映像と共に歌詞テロップ等を表示する。スピーカ13は、装置本体11からの放音信号に基づいて、楽曲のカラオケ演奏音と共に利用者の歌唱音声を放音する。マイクロフォン14は、利用者の歌唱音声を歌唱音声信号に変換して装置本体11に入力する。リモコン装置15は、装置本体11に対する楽曲予約等の利用者による各種操作を受け付けている。
【0012】
装置本体11によってカラオケ演奏が開始されると、楽曲データの再生に同期して、歌詞テロップデータ及び背景映像データに基づいて歌詞テロップと背景映像がモニタ12に表示される。また、カラオケ演奏の演奏音信号とマイクロフォン14から装置本体11に入力された歌唱音声信号がミキサによって適切な比率でミキシングされて、このミキシング信号がアンプによって増幅されてスピーカ13から放音される。このように、利用者がカラオケ演奏に合わせて歌唱すると、スピーカ13からカラオケ演奏音と共に歌唱音声が放音される。さらに、利用者の歌唱音声は装置本体11において採点される。
【0013】
図2に示すように、サーバ装置30には、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、設定値送信部33と、が設けられている。第1の記憶部31には、利用者のカラオケ設定の設定値がカラオケ装置10毎に記憶されている。本実施形態の第1の記憶部31では、利用者の利用者識別情報及びカラオケ装置10の装置識別情報に、カラオケ設定の設定値としてカラオケ演奏音の音量設定値及び歌唱音声のエコーレベル設定値が対応付けられている(図4参照)。このように、サーバ装置30には、利用者の嗜好に合わせたカラオケ設定がカラオケ装置10毎に管理されている。
【0014】
第2の記憶部32には、カラオケ装置10毎に設置空間に関する設置空間情報が記憶されている。本実施形態の第2の記憶部32では、カラオケ装置10の装置識別情報に設置空間情報としてカラオケルームの床面積に関する情報が対応付けられている(図5参照)。例えば、カラオケ装置10が設置されたカラオケルームの床面積に関する情報として、「10m未満」、「10m以上20m未満」、「20m以上30m未満」、「30m以上」のいずれかが設定されている。このように、サーバ装置30には、カラオケ設定に加えて、カラオケ装置10が設置されたカラオケルームの広さも管理されている。
【0015】
なお、設置空間情報は、カラオケルームの床面積に関する情報に限らず、カラオケルームの容積や壁面の材質に関する情報でもよい。また、設置空間情報は、これらカラオケルームの床面積、容積、壁面の材質に関する情報のうち複数の情報を含んでいてもよい。壁面の材質に関する情報としては、例えば「反射率が高い材質」、「反射率が中間の材質」、「反射率が低い材質」のいずれかが設定される。また、カラオケシステム1に新たなカラオケ装置が追加される度に、第2の記憶部32にカラオケ装置の装置識別情報に設置空間情報が対応付けられて記憶される。
【0016】
設定値送信部33は、利用者がログインしたカラオケ装置(一のカラオケ装置)10に設定値を送信する。設定値送信部33がカラオケ装置10からログイン情報として利用者識別情報及び装置識別情報を受信すると、この利用者識別情報及び装置識別情報に対応付けられた設定値が第1の記憶部31にあるか否かが判定される。カラオケ装置10にログイン中の利用者の設定値が第1の記憶部31にある場合には、設定値送信部33によって利用者識別情報と共にカラオケ装置10に設定値が送信される。これにより、利用者によって以前と同じカラオケルーム(設置空間)で設定された設定値がカラオケ装置10に適用される。
【0017】
一方で、カラオケ装置10にログイン中の利用者の設定値が第1の記憶部31にない場合には、設定値送信部33によって第2の記憶部32からカラオケ装置10と設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置(図2では不図示)の他の装置識別情報が特定される。第1の記憶部31からカラオケ装置10にログイン中の利用者の他のカラオケ装置に対する設定値、すなわちこの利用者の利用者識別情報及び他の装置識別情報に対応付けられた設定値が読み出される。第1の記憶部31から読み出された設定値は、設定値送信部33によって利用者識別情報と共にカラオケ装置10に送信される。
【0018】
これにより、カラオケ装置10に対して利用者が音量設定等のカラオケ設定を行っていなくても、他のカラオケ装置に対して利用者がカラオケ設定を行っていれば、他のカラオケ装置の設定値がカラオケ装置10に適用される。カラオケ装置10と他のカラオケ装置のカラオケルームの広さが同じ又は近似しているため、カラオケ装置10の設置空間に適したカラオケ設定が提供される。利用者の嗜好だけでなく、カラオケ装置10が設置されたカラオケルームの広さ等を考慮した利用者の設定値がカラオケ装置10に対して自動的に適用される。
【0019】
また、カラオケ装置10にログイン中の利用者の設定値が第1の記憶部31にない場合には、カラオケ装置10にログイン中の利用者の他のカラオケ装置に対する設定値が、カラオケ装置10に対する設定値として第1の記憶部31に記憶される。この場合、第1の記憶部31によって利用者の利用者識別情報及びカラオケ装置10の装置識別情報に、他のカラオケ装置の設定値が対応付けられて記憶される。これにより、カラオケ装置10への利用者の次回のログイン時には、既にサーバ装置30に反映された設定値がカラオケ装置10に適用される。
【0020】
カラオケ装置10には、ログイン情報送信部21と、変更部22と、取得部23と、予約部24と、音響処理部25と、ログアウト情報送信部26と、が設けられている。ログイン情報送信部21は、利用者のログイン操作に応じて、利用者のログイン情報をサーバ装置30に送信する。ログイン情報には、利用者の利用者識別情報及びカラオケ装置10の装置識別情報が含まれている。カラオケ装置10のログイン情報送信部21からサーバ装置30にログイン情報が送信されることで、サーバ装置30の設定値送信部33からカラオケ装置10に対して利用者識別情報と共に設定値が送り返される。
【0021】
変更部22は、利用者の設定操作に応じて、サーバ装置30から受信した設定値を変更する。例えば、利用者によってエコーレベルが再設定されたときに、変更部22によって歌唱音声のエコーレベル設定値が変更される。取得部23は、サーバ装置30から受信した設定値又は変更部22による変更後の設定値を取得する。予約部24は、利用者の選曲操作に応じて、利用者が選曲した楽曲と共に設定値を予約待ち行列に登録する。より詳細には、リモコン装置15によって楽曲識別情報が入力されると、予約部24によって楽曲の楽曲識別情報、利用者の利用者識別情報、設定値が対応付けられて予約待ち行列の最後尾に登録される。
【0022】
音響処理部25は、予約待ち行列に登録された楽曲の楽曲データに基づいてカラオケ演奏する。音響処理部25は、MIDI音源、ミキサ、エフェクタ、アンプ(いずれも不図示)等で構成されている。MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源によって楽曲データが再生されて演奏音信号が出力される。音響処理部25には、マイクロフォン14から歌唱音声信号が入力されて、ミキサによって演奏音信号とエフェクタによりエコー(残響)効果が付与された歌唱音声信号がミキシングされてスピーカ13(図1参照)に出力される。このとき、音量設定値に基づいて演奏音信号の音量が調節され、エコーレベル設定値に基づいて歌唱音声信号に付与されるエコー効果の強さ、すなわちエコーレベルが調節される。
【0023】
ログアウト情報送信部26は、利用者のログアウト操作に応じて、ログアウト情報と共に変更後の設定値をサーバ装置30に送信する。ログアウト情報には、利用者の利用者識別情報及びカラオケ装置10の装置識別情報が含まれている。カラオケ装置10のログアウト情報送信部26からサーバ装置30にログアウト情報と変更後の設定値が送信されることで、カラオケ装置10からログアウトした利用者の設定値として変更後の設定値を第1の記憶部31に記憶させる。これにより、利用者のカラオケ設定の設定変更がサーバ装置30に反映されて、カラオケ装置10への利用者の次回のログイン時にカラオケ装置10に設定値が適用される。
【0024】
また、カラオケシステム1のサーバ装置30及びカラオケ装置10の各処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0025】
図3を参照して、第1実施形態のカラオケシステムの処理動作について具体例を挙げて説明する。図3は、第1実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。図4は、第1実施形態のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。図5は、第1実施形態の設置空間情報の一例を示す図である。図6図8は、第1実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。なお、ここでは、図1及び図2の符号を適宜使用して説明する。
【0026】
先ず、サーバ装置30が、カラオケ装置10Aにログイン中の利用者の設定値を記憶している場合について説明する。図3に示すように、カラオケ装置10Aが設置されたカラオケルームに利用者U1が入室し、利用者U1のログイン操作によってカラオケ装置10Aに利用者識別情報ID****U1が入力される(ステップS01)。カラオケ装置10Aには装置識別情報ID****KAが記憶されている。カラオケ装置10Aのログイン情報送信部21によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAがサーバ装置30に送信される(ステップS02)。
【0027】
サーバ装置30によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAが受信される(ステップS03)。サーバ装置30の設定値送信部33によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAに対応付けられた設定値が第1の記憶部31に記憶されているか否かが判定される(ステップS04)。第1の記憶部31には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAに対応付けられた設定値として音量設定値V1、エコーレベル設定値E1が記憶されている(図4参照、ステップS04でYes)。
【0028】
設定値送信部33によって第1の記憶部31から音量設定値V1、エコーレベル設定値E1が読み出されて、利用者識別情報ID****U1に対応付けられてカラオケ装置10Aに送信される(ステップS07)。利用者U1の予約操作によってカラオケ装置10Aに楽曲S1の楽曲識別情報ID****S1が入力される(ステップS08でYes)。このとき、カラオケ装置10Aでは利用者U1のカラオケ設定の変更操作も受け付けており、カラオケ装置10Aの変更部22によってサーバ装置30から送信された設定値が利用者U1の嗜好に合わせて変更可能になっている。
【0029】
このように、カラオケ装置10Aの取得部23によってサーバ装置30から受信した設定値又は利用者U1による変更後の設定値が取得される(ステップS09)。ここでは、エコーレベルが低く設定し直されて、エコーレベル設定値E1がエコーレベル設定値E1dに変更されている。カラオケ装置10Aの予約部24によって利用者識別情報ID****U1、楽曲識別情報ID****S1、音量設定値V1、エコーレベル設定値E1dが予約待ち行列の最後尾に登録される(ステップS10)。なお、音量設定値V1、エコーレベル設定値E1が変更されなくてもよいし、両方の設定値が変更されてもよい。
【0030】
利用者U1の指示に従って、カラオケ装置10Aによって楽曲S1のカラオケ演奏が実施される(ステップS11)。このとき、カラオケ装置10Aの音響処理部25によって音量設定値V1に基づいて演奏音信号の音量が調節され、エコーレベル設定値E1dに基づいて歌唱音声信号のエコーレベルが調節される。利用者U1のカラオケルームの利用時間が経過して、利用者U1によってカラオケ装置10Aに対するログアウト操作が実施されるまで、ステップS08からステップS11までの各処理が繰り返される(ステップS12でNo)。
【0031】
利用者U1によってカラオケ装置10Aに対するログアウト操作が実施されると(ステップS12でYes)、サーバ装置30から受信した設定値とカラオケ装置10Aで利用者U1に対応して適用中の設定値が異なるか否かが判定される(ステップS13)。本具体例では、サーバ装置30から受信したエコーレベル設定値E1とカラオケ装置10Aで利用者U1に対応して適用中のエコーレベル設定値E1dが異なっている(ステップS13でYes)。このため、ログアウト情報送信部26によって変更後のエコーレベル設定値E1dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAに対応付けられてサーバ装置30に送信される(ステップS14)。
【0032】
そして、サーバ装置30がエコーレベル設定値E1dを受信すると(ステップS15でYes)、第1の記憶部31によってエコーレベル設定値E1dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KAに対応付けられて記憶される(図6参照、ステップS16)。なお、設定値が変更されていない場合には、ログアウト情報送信部26によって設定値がサーバ装置30に送信されない。また、最後に変更された設定値がログアウト情報送信部26によってサーバ装置30に送信されているが、設定値が変更される度にログアウト情報送信部26によってサーバ装置30に送信されてもよい。
【0033】
次に、サーバ装置30が、カラオケ装置10Bにログイン中の利用者の設定値を記憶していない場合について説明する。カラオケ装置10Bが設置されたカラオケルームに利用者U1が入室し、利用者U1のログイン操作によってカラオケ装置10Bに利用者識別情報ID****U1が入力される(ステップS01)。カラオケ装置10Bには装置識別情報ID****KBが記憶されている。カラオケ装置10Bのログイン情報送信部21によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBがサーバ装置30に送信される(ステップS02)。
【0034】
サーバ装置30によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBが受信される(ステップS03)。サーバ装置30の設定値送信部33によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられた設定値が第1の記憶部31に記憶されているか否かが判定される(ステップS04)。第1の記憶部31には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられた設定値が記憶されていない(図4参照、ステップS04でNo)。
【0035】
設定値送信部33によって装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ他の装置識別情報が第2の記憶部32に照会される(ステップS05)。ここでは、装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ「床面積が20m以上30m未満」の他の装置識別情報ID****KE、ID****KFが特定される(図5参照)。設定値送信部33によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KEに対応付けられた設定値、及び利用者識別情報ID****U1、ID****KFに対応付けられた設定値が第1の記憶部31に記憶されているか否かが判定される(ステップS06)。
【0036】
第1の記憶部31には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KFに対応付けられた設定値は記憶されていない。しかしながら、第1の記憶部31には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KEに対応付けられた設定値として音量設定値V5、エコーレベル設定値E5が記憶されている(図4参照、ステップS06でYes)。設定値送信部33によって第1の記憶部31から音量設定値V5、エコーレベル設定値E5が読み出されて、利用者識別情報ID****U1に対応付けられてカラオケ装置10Bに送信される(ステップS07)。
【0037】
このとき、第1の記憶部31によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに音量設定値V5、エコーレベル設定値E5が対応付けられて記憶されてもよい(図7参照)。なお、第2の記憶部32に装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ装置識別情報が記憶されていない場合には、装置識別情報ID****KBに設置空間情報が近似した装置識別情報が特定される。例えば、設置空間情報「床面積が10m以上20m未満」の装置識別情報ID****KAが特定される。このように、第2の記憶部32から装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ又は近似した装置識別情報が特定される。
【0038】
また、第2の記憶部32には、装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ又は近似した他の装置識別情報があるとは限らない。また、第2の記憶部32に装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ又は近似した他の装置識別情報があっても、第1の記憶部31に利用者識別情報ID****U1及び他の装置識別情報に対応付けられた設定値があるとは限らない。このように第1、第2の記憶部31、32を参照しても適切な設定値が得られない場合には、設定値送信部33によってカラオケ装置10Bに設定値が送信されない。
【0039】
また、第2の記憶部32から複数の他の装置識別情報が特定されると、第1の記憶部31から複数の設定値が読み出される可能性がある。この場合には、設定値送信部33によって複数の他の装置識別情報の中からいずれか1つの他の装置識別情報が選択されてもよい。そして、選択された装置識別情報及び利用者識別情報ID****U1に対応付けられた設定値が第1の記憶部31から読み出されて、設定値送信部33によってカラオケ装置10Bに送信される。
【0040】
上記したように、カラオケ装置10Bに利用者U1がログインすると、カラオケ装置10Bにはサーバ装置30から利用者識別情報ID****U1と共に音量設定値V5、エコーレベル設定値E5が送信される。利用者U1の予約操作によってカラオケ装置10Bに楽曲S2の楽曲識別情報ID****S2が入力される(ステップS08でYes)。このとき、カラオケ装置10Bでは利用者U1のカラオケ設定の変更操作も受け付けており、カラオケ装置10Bの変更部22によってサーバ装置30から送信された設定値が利用者U1の嗜好に合わせて変更可能になっている。
【0041】
このように、カラオケ装置10Bの取得部23によってサーバ装置30から受信した設定値又は利用者U1による変更後の設定値が取得される(ステップS09)。ここでは、音量が大きく設定し直されると共に、エコーレベルが低く設定し直されて、音量設定値V5が音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5がエコーレベル設定値E5dに変更されている。カラオケ装置10Bの予約部24によって利用者識別情報ID****U1、楽曲識別情報ID****S2、音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5dが予約待ち行列の最後尾に登録される(ステップS10)。
【0042】
利用者U1の指示に従って、カラオケ装置10Bによって楽曲S2のカラオケ演奏が実施される(ステップS11)。このとき、カラオケ装置10Bの音響処理部25によって音量設定値V5iに基づいて演奏音信号の音量が調節され、エコーレベル設定値E5dに基づいて歌唱音声信号のエコーレベルが調節される。利用者U1のカラオケルームの利用時間が経過して、利用者U1によってカラオケ装置10Bに対するログアウト操作が実施されるまで、ステップS08からステップS11までの各処理が繰り返される(ステップS12でNo)。
【0043】
利用者U1によってカラオケ装置10Bに対するログアウト操作が実施されると(ステップS12でYes)、サーバ装置30から受信した設定値とカラオケ装置10Bで利用者U1に対応して適用中の設定値が異なるか否かが判定される(ステップS13)。本具体例では、サーバ装置30から受信した音量設定値V5、エコーレベル設定値E5とカラオケ装置10Bで利用者U1に対応して適用中の音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5dが異なっている(ステップS13でYes)。このため、ログアウト情報送信部26によって変更後の音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられてサーバ装置30に送信される(ステップS14)。
【0044】
そして、サーバ装置30が音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5dを受信すると(ステップS15でYes)、第1の記憶部31によって音量設定値V5i、エコーレベル設定値E5dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられて記憶される(図8参照、ステップS16)。なお、カラオケ装置10Bがサーバ装置30から設定値を受信しなかった場合、利用者U1によって音量及びエコーレベルが適宜設定され、設定された音量設定値、エコーレベル設定値が利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられてログアウト情報送信部26によりサーバ装置30に送信される。サーバ装置30が音量設定値、エコーレベル設定値を受信すると、第1の記憶部31によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KBに対応付けられて記憶される。また、複数の利用者がログインした場合でも、上記のカラオケシステム1の処理動作が個別に実施される。
【0045】
以上、第1実施形態によれば、カラオケ装置10Aにログイン中の利用者の設定値がサーバ装置30に記憶されている場合、この利用者によって前回ログイン時と同じ設置空間で設定された設定値がカラオケ装置10Aに適用される。一方で、カラオケ装置10Bにログイン中の利用者の設定値がサーバ装置30に記憶されていない場合、カラオケ装置10Bと設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置に対する利用者の設定値がカラオケ装置10Bに適用される。よって、予約待ち行列に登録された楽曲のカラオケ歌唱時に、利用者毎に設置空間に適したカラオケ設定でカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0046】
<第2実施形態>
第2実施形態のカラオケシステムについて説明する。図9は、第2実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。なお、第2実施形態のカラオケシステムは、利用者の嗜好、カラオケルームの広さに加えて、利用者人数を考慮したカラオケ設定をカラオケ装置に適用する点でのみ第1実施形態のカラオケシステムと相違している。したがって、第2実施形態については第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0047】
図9に示すように、第2実施形態のカラオケシステム2は、第1実施形態のカラオケシステム1と同様に構成されており、サーバ装置50とカラオケ装置40が通信可能に接続されている。サーバ装置50には、第1の記憶部51と、第2の記憶部52と、設定値送信部53と、が設けられている。カラオケ装置40には、ログイン情報送信部41と、変更部42と、取得部43と、予約部44と、音響処理部45と、ログアウト情報送信部46と、が設けられている。なお、第1の記憶部51、設定値送信部53、ログイン情報送信部41、ログアウト情報送信部46以外の構成は第1実施形態と同様である。
【0048】
サーバ装置50の第1の記憶部51には、利用者人数に応じた利用者のカラオケ設定の設定値がカラオケ装置40毎に記憶されている。本実施形態の第1の記憶部51では、利用者の利用者識別情報、カラオケ装置40の装置識別情報、利用者と共にログイン中の利用者人数に、カラオケ設定の設定値としてカラオケ演奏音の音量設定値及び歌唱音声のエコーレベル設定値が対応付けられている(図11参照)。例えば、第1の記憶部51には、利用者人数として、「1~2名」、「3~4名」、「5~6名」、「7名以上」のいずれかが設定されている。
【0049】
サーバ装置50の設定値送信部53は、利用者がログインしたカラオケ装置(一のカラオケ装置)40に設定値を送信する。設定値送信部53がカラオケ装置40からログイン情報として利用者識別情報、装置識別情報、利用者人数を受信すると、この利用者識別情報、装置識別情報、利用者人数に対応付けられた設定値が第1の記憶部51にあるか否かが判定される。第1の記憶部51にカラオケ装置40にログイン中の利用者人数に応じた利用者の設定値がある場合には、設定値送信部53によって利用者識別情報と共にカラオケ装置40に設定値が送信される。
【0050】
一方で、第1の記憶部51にカラオケ装置40にログイン中の利用者人数に応じた利用者の設定値がない場合には、設定値送信部53によって第2の記憶部52からカラオケ装置40と設置空間情報が同じ又は近似した他のカラオケ装置(図9では不図示)の他の装置識別情報が特定される。そして、第1の記憶部51からカラオケ装置40にログイン中の利用者人数に応じて利用者の他のカラオケ装置に対する設定値が読み出される。すなわち、この利用者の利用者識別情報、他の装置識別情報、利用者人数に対応付けられた設定値が第1の記憶部51から読み出される。第1の記憶部51から読み出された設定値は、設定値送信部53によって利用者識別情報と共にカラオケ装置40に送信される。
【0051】
カラオケ装置40のログイン情報送信部41は、カラオケ装置40にログインした複数の利用者の利用者識別情報に基づいて利用者人数を生成する。そして、ログイン情報送信部41は、ログイン情報として利用者識別情報、装置識別情報、利用者人数をサーバ装置50に送信する。カラオケ装置40のログアウト情報送信部46は、ログアウト情報として利用者識別情報、装置識別情報、利用者人数と共に変更後の設定値をサーバ装置50に送信する。これにより、サーバ装置50の第1の記憶部51には、利用者識別情報、装置識別情報、利用者人数に対応付けられて変更後の設定値が記憶される。
【0052】
図10は、第2実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。図11は、第2実施形態のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。図12図14は、第2実施形態の変更後のカラオケ設定の設定値の一例を示す図である。なお、ここでは、図9の符号を適宜使用して説明する。以下、カラオケ装置にログインした利用者のうち利用者U1に関わる処理について説明する。
【0053】
先ず、サーバ装置50が、カラオケ装置40Aにログイン中の利用者の設定値を記憶している場合について説明する。図10に示すように、カラオケ装置40Aが設置されたカラオケルームに利用者U1、U2、U3が入室し、利用者U1、U2、U3のログイン操作によってカラオケ装置40Aに利用者識別情報ID****U1、ID****U2、ID****U3が入力される(ステップS21)。カラオケ装置40Aには装置識別情報ID****KAが記憶されている。カラオケ装置40Aのログイン情報送信部41によって利用者識別情報ID****U1、ID****U2、ID****U3から利用者人数「3名」が生成される。そして、ログイン情報送信部41によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3名」がサーバ装置50に送信される(ステップS22)。
【0054】
サーバ装置50によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3名」が受信される(ステップS23)。サーバ装置50の設定値送信部53によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3名」に対応付けられた設定値が第1の記憶部51に記憶されているか否かが判定される(ステップS24)。第1の記憶部51には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3~4名」に対応付けられた設定値として音量設定値V12、エコーレベル設定値E12が記憶されている(図11参照、ステップS24でYes)。
【0055】
設定値送信部53によって第1の記憶部51から音量設定値V12、エコーレベル設定値E12が読み出されて、利用者識別情報ID****U1に対応付けられてカラオケ装置40Aに送信される(ステップS27)。利用者U1の予約操作によってカラオケ装置40Aに楽曲S1の楽曲識別情報ID****S1が入力される(ステップS28でYes)。このとき、カラオケ装置40Aでは利用者U1のカラオケ設定の変更操作も受け付けており、カラオケ装置40Aの変更部42によってサーバ装置50から送信された設定値が利用者U1の嗜好に合わせて変更可能になっている。
【0056】
このように、カラオケ装置40Aの取得部43によってサーバ装置50から受信した設定値又は利用者U1による変更後の設定値が取得される(ステップS29)。ここでは、エコーレベルが低く設定し直されて、エコーレベル設定値E12がエコーレベル設定値E12dに変更されている。カラオケ装置40Aの予約部44によって利用者識別情報ID****U1、楽曲識別情報ID****S1、音量設定値V12、エコーレベル設定値E12dが予約待ち行列の最後尾に登録される(ステップS30)。なお、音量設定値V12、エコーレベル設定値E12が変更されなくてもよいし、両方の設定値が変更されてもよい。
【0057】
利用者U1の指示に従って、カラオケ装置40Aによって楽曲S1のカラオケ演奏が実施される(ステップS31)。このとき、カラオケ装置40Aの音響処理部45によって音量設定値V12に基づいて演奏音信号の音量が調節され、エコーレベル設定値E12dに基づいて歌唱音声信号のエコーレベルが調節される。利用者U1、U2、U3のカラオケルームの利用時間が経過して、利用者U1によってカラオケ装置40Aに対するログアウト操作が実施されるまで、ステップS28からステップS31までの各処理が繰り返される(ステップS32でNo)。
【0058】
利用者U1によってカラオケ装置40Aに対するログアウト操作が実施されると(ステップS32でYes)、サーバ装置50から受信した設定値とカラオケ装置40Aで利用者U1に対応して適用中の設定値が異なるか否かが判定される(ステップS33)。本具体例では、サーバ装置50から受信したエコーレベル設定値E12とカラオケ装置40Aで利用者U1に対応して適用中のエコーレベル設定値E12dが異なっている(ステップS33でYes)。このため、ログアウト情報送信部46によって変更後のエコーレベル設定値E12dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3名」に対応付けられてサーバ装置50に送信される(ステップS34)。
【0059】
そして、サーバ装置50がエコーレベル設定値E12dを受信すると(ステップS35でYes)、第1の記憶部51によってエコーレベル設定値E12dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KA、利用者人数「3~4名」に対応付けられて記憶される(図12参照、ステップS36)。なお、他の利用者U2、U3についても、ログイン情報送信部41によって利用者人数「3名」が生成されて、上記のカラオケシステム2の処理動作が実施される。
【0060】
次に、サーバ装置50が、カラオケ装置40Bにログイン中の利用者の設定値を記憶していない場合について説明する。カラオケ装置40Bが設置されたカラオケルームに利用者U1、U4、U5、U6が入室し、利用者U1、U4、U5、U6のログイン操作によってカラオケ装置40Bに利用者識別情報ID****U1、ID****U4、ID****U5、ID****U6が入力される(ステップS21)。カラオケ装置40Bには装置識別情報ID****KBが記憶されている。カラオケ装置40Bのログイン情報送信部41によって利用者識別情報ID****U1、ID****U4、ID****U5、ID****U6から利用者人数「4名」が生成される。そして、ログイン情報送信部41によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「4名」がサーバ装置50に送信される(ステップS22)。
【0061】
サーバ装置50によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「4名」が受信される(ステップS23)。サーバ装置50の設定値送信部53によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「4名」に対応付けられた設定値が第1の記憶部51に記憶されているか否かが判定される(ステップS24)。第1の記憶部51には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「4名」に対応付けられた設定値が記憶されていない(図11参照、ステップS24でNo)。
【0062】
設定値送信部53によって装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ他の装置識別情報が第2の記憶部52に照会される(ステップS25)。ここでは、装置識別情報ID****KBと設置空間情報が同じ「床面積が20m以上30m未満」の他の装置識別情報ID****KE、ID****KFが特定される(図5参照)。設定値送信部33によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KE、利用者人数「4名」に対応付けられた設定値、及び利用者識別情報ID****U1、ID****KF、利用者人数「4名」に対応付けられた設定値が第1の記憶部51に記憶されているか否かが判定される(ステップS26)。
【0063】
第1の記憶部51には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KF、利用者人数「3~4名」に対応付けられた設定値は記憶されていない。しかしながら、第1の記憶部51には、利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KE、利用者人数「3~4名」に対応付けられた設定値として音量設定値V52、エコーレベル設定値E52が記憶されている(図11参照、ステップS26でYes)。設定値送信部53によって第1の記憶部51から音量設定値V52、エコーレベル設定値E52が読み出されて、利用者識別情報ID****U1に対応付けられてカラオケ装置40Bに送信される(ステップS27)。
【0064】
このとき、第1の記憶部51によって利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「3~4名」に音量設定値V52、エコーレベル設定値E52が対応付けられて記憶されてもよい(図13参照)。利用者U1の予約操作によってカラオケ装置40Bに楽曲S2の楽曲識別情報ID****S2が入力される(ステップS28でYes)。このとき、カラオケ装置40Bでは利用者U1のカラオケ設定の変更操作も受け付けており、カラオケ装置40Bの変更部42によってサーバ装置50から送信された設定値が利用者U1の嗜好に合わせて変更可能になっている。
【0065】
このように、カラオケ装置40Bの取得部43によってサーバ装置50から受信した設定値又は利用者U1による変更後の設定値が取得される(ステップS29)。ここでは、音量が大きく設定し直されると共に、エコーレベルが低く設定し直されて、音量設定値V52が音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52がエコーレベル設定値E52dに変更されている。カラオケ装置40Bの予約部44によって利用者識別情報ID****U1、楽曲識別情報ID****S2、音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52dが予約待ち行列の最後尾に登録される(ステップS30)。
【0066】
利用者U1の指示に従って、カラオケ装置40Bによって楽曲S2のカラオケ演奏が実施される(ステップS31)。このとき、カラオケ装置40Bの音響処理部45によって音量設定値V52iに基づいて演奏音信号の音量が調節され、エコーレベル設定値E52dに基づいて歌唱音声信号のエコーレベルが調節される。利用者U1、U4、U5、U6のカラオケルームの利用時間が経過して、利用者U1によってカラオケ装置40Bに対するログアウト操作が実施されるまで、ステップS28からステップS31までの各処理が繰り返される(ステップS32でNo)。
【0067】
利用者U1によってカラオケ装置40Bに対するログアウト操作が実施されると(ステップS32でYes)、サーバ装置50から受信した設定値とカラオケ装置40Bで利用者U1に対応して適用中の設定値が異なるか否かが判定される(ステップS33)。本具体例では、サーバ装置30から受信した音量設定値V52、エコーレベル設定値E52とカラオケ装置40Bで利用者U1に対応して適用中の音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52dが異なっている(ステップS33でYes)。このため、ログアウト情報送信部46によって変更後の音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「4名」に対応付けられてサーバ装置50に送信される(ステップS34)。
【0068】
そして、サーバ装置50が音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52dを受信すると(ステップS35でYes)、第1の記憶部51によって音量設定値V52i、エコーレベル設定値E52dが利用者識別情報ID****U1、装置識別情報ID****KB、利用者人数「3~4名」に対応付けられて記憶される(図14参照、ステップS36)。なお、他の利用者U4、U5、U6についても、ログイン情報送信部41によって利用者人数「4名」が生成されて、上記のカラオケシステム2の処理動作が実施される。
【0069】
以上、第2実施形態によれば、同じ広さのカラオケルームであっても、一人で利用する場合と数人で利用する場合の音響特性の違いを考慮して、カラオケ装置40A、40Bに適切なカラオケ設定を適用することができる。
【0070】
なお、第1実施形態及び第2実施形態において、サーバ装置及びカラオケ装置にプログラムをインストールすることによって、カラオケシステムにカラオケ設定の自動設定機能が追加されてもよい。のプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0071】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0072】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0073】
1、2 :カラオケシステム
10、40:カラオケ装置
22、42:変更部
24、44:予約部
26、46:ログアウト情報送信部
30、50:サーバ装置
31、51:第1の記憶部
32、52:第2の記憶部
33、53:設定値送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14