(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A47K3/28
(21)【出願番号】P 2021108519
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 友亮
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特許第6470943(JP,B2)
【文献】特開2020-25610(JP,A)
【文献】登録実用新案第3109225(JP,U)
【文献】特開2017-159676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0006514(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
F16B 21/06
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
散水板が組み込まれる開口を備えた容器状のヘッド部、及び該ヘッド部から筒状に延びるグリップ部を備えるハウジングと、該ハウジング内に組み込まれて前記散水板への流路を形成する流路部材と、を備えるシャワーヘッドであって、
前記流路部材が、前記開口から前記ヘッド部内に組み込まれるヘッド側流路部と、前記グリップ部内に筒軸方向の基端側から差し込まれて前記ヘッド側流路部と接続されるグリップ側流路部と、該グリップ側流路部の前記ヘッド側流路部に対する差し込みにより筒径方向の外側に押し出される撓みを伴って両者を嵌合させるスナップフィットと、を有し、
前記ハウジングが、前記スナップフィットの前記筒径方向の外側への撓みを当接により規制する規制部と、前記スナップフィットの前記筒径方向の外側への撓みを許容する許容部と、を有し、前記規制部が、前記ヘッド側流路部が前記ハウジングに固定される正規の組み付け位置にある場合の前記スナップフィットに対応する位置に設けられ、前記許容部が、前記ヘッド側流路部が前記正規の組み付け位置から前記筒軸方向にずれた片寄せ位置にある場合の前記スナップフィットに対応する位置に設けられるシャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記スナップフィットが、前記ヘッド側流路部から筒状に延びて前記ヘッド部内から前記グリップ部内へと通されるヘッド側接続部と、前記グリップ側流路部から筒状に延びて前記ヘッド側接続部に差し込まれて接続されるグリップ側接続部と、の間で設けられ、
前記規制部が、前記グリップ部内に設けられるシャワーヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載のシャワーヘッドであって、
前記許容部が、前記グリップ部内の前記規制部よりも前記筒軸方向の基端側に設けられるシャワーヘッド。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のシャワーヘッドであって、
前記スナップフィットが、互いに差し込まれる前記ヘッド側接続部及び前記グリップ側接続部のうちの外筒側となる一方から前記筒軸方向に同心円弧板状に張り出す張出片と、内筒側となる他方の外周部から爪状に突出して前記張出片に前記筒径方向の内側から押し出しながら引掛けられる爪片と、を有し、
前記張出片と前記爪片とが、筒周方向の回転対称位置に複数設けられ、前記規制部が、前記グリップ部の内周部から各前記張出片の外周面に向かって面状に対向するよう同心環状に膨らむ縮径部とされるシャワーヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のシャワーヘッドであって、
前記ヘッド側接続部が、その筒内に前記グリップ側接続部が差し込まれる外側筒部とされ、前記規制部が、前記ヘッド側流路部が前記片寄せ位置にある場合にも各前記張出片の根本側の一部の外周面に掛かるように内周面が前記筒軸方向に面一状に延びるシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドに関する。詳しくは、散水板が組み込まれる開口を備えた容器状のヘッド部、及びヘッド部から筒状に延びるグリップ部を備えるハウジングと、ハウジング内に組み込まれて散水板への流路を形成する流路部材と、を備えるシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴室で使用されるシャワーヘッドが開示されている。このシャワーヘッドは、ヘッド部及びグリップ部を備えるハウジングと、ハウジング内に組み込まれる湯水の流路を成す流路部材と、を備える。流路部材は、ヘッド部内に位置するヘッド側部材と、グリップ部内に位置するグリップ側部材と、に分割された構成とされる。
【0003】
流路部材は、ヘッド側部材をハウジングのヘッド部内にセットし、グリップ側部材をハウジングのグリップ部内に下方から差し込んでヘッド側部材にネジ螺合することで、ハウジング内に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、グリップ側部材をハウジングのグリップ部内でヘッド側部材に差し込んでネジ螺合しなければならず、組み付けの作業性が悪い。また、ネジ螺合が十分でないと、グリップ側部材がヘッド側部材から外れてしまうおそれがある。そこで、本発明は、ハウジング内に流路部材を簡便かつ確実に組み付けることが可能なシャワーヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のシャワーヘッドは次の手段をとる。すなわち、シャワーヘッドは、散水板が組み込まれる開口を備えた容器状のヘッド部、及びヘッド部から筒状に延びるグリップ部を備えるハウジングと、ハウジング内に組み込まれて散水板への流路を形成する流路部材と、を備える。流路部材が、上記開口からヘッド部内に組み込まれるヘッド側流路部と、グリップ部内に筒軸方向の基端側から差し込まれてヘッド側流路部と接続されるグリップ側流路部と、グリップ側流路部のヘッド側流路部に対する差し込みにより筒径方向の外側に押し出される撓みを伴って両者を嵌合させるスナップフィットと、を有する。
【0007】
ハウジングが、スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを当接により規制する規制部と、スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを許容する許容部と、を有する。規制部が、ヘッド側流路部がハウジングに固定される正規の組み付け位置にある場合のスナップフィットに対応する位置に設けられる。許容部が、ヘッド側流路部が正規の組み付け位置から筒軸方向にずれた片寄せ位置にある場合のスナップフィットに対応する位置に設けられる。
【0008】
上記構成によれば、ヘッド側流路部を片寄せ位置へと動かし、グリップ側流路部をヘッド側流路部に差し込むことで、両者がスナップフィットにより嵌合される。そして、スナップフィットの嵌合後にヘッド側流路部を正規の組み付け位置へと動かすことで、スナップフィットが規制部により撓み規制される状態となる。したがって、ヘッド側流路部が正規の組み付け位置に固定されることで、流路部材がスナップフィットの外れにくい状態として保持される。このように、シャワーヘッドのハウジング内に流路部材を簡便かつ確実に組み付けることができる。
【0009】
また、本発明のシャワーヘッドは、更に次のように構成されていてもよい。スナップフィットが、ヘッド側流路部から筒状に延びてヘッド部内からグリップ部内へと通されるヘッド側接続部と、グリップ側流路部から筒状に延びてヘッド側接続部に差し込まれて接続されるグリップ側接続部と、の間で設けられる。規制部が、グリップ部内に設けられる。
【0010】
上記構成によれば、筒状のグリップ部内に設けられる規制部により、スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを適切に規制することができる。
【0011】
また、本発明のシャワーヘッドは、更に次のように構成されていてもよい。許容部が、グリップ部内の規制部よりも筒軸方向の基端側に設けられる。
【0012】
上記構成によれば、グリップ側流路部を正規の組み付け位置よりも深く差し込むことなくヘッド側流路部に差し込んで接続することができる。したがって、グリップ側流路部をヘッド側流路部により簡便に組み付けることができる。
【0013】
また、本発明のシャワーヘッドは、更に次のように構成されていてもよい。スナップフィットが、互いに差し込まれるヘッド側接続部及びグリップ側接続部のうちの外筒側となる一方から筒軸方向に同心円弧板状に張り出す張出片と、内筒側となる他方の外周部から爪状に突出して張出片に筒径方向の内側から押し出しながら引掛けられる爪片と、を有する。張出片と爪片とが、筒周方向の回転対称位置に複数設けられる。規制部が、グリップ部の内周部から各張出片の外周面に向かって面状に対向するよう同心環状に膨らむ縮径部とされる。
【0014】
上記構成によれば、同心環状の縮径部から成る規制部により、筒周方向の回転対称位置に複数設けられる各張出片の筒径方向の外側への撓みをより適切に規制することができる。
【0015】
また、本発明のシャワーヘッドは、更に次のように構成されていてもよい。ヘッド側接続部が、その筒内にグリップ側接続部が差し込まれる外側筒部とされる。規制部が、ヘッド側流路部が片寄せ位置にある場合にも各張出片の根本側の一部の外周面に掛かるように内周面が筒軸方向に面一状に延びる。
【0016】
上記構成によれば、ヘッド側接続部を正規の組み付け位置から片寄せ位置へと動かしても、各張出片が規制部から完全に外されることなく、規制部の内周面上に一部が掛かった状態に保持される。したがって、各張出片を規制部に引掛けることなく、ヘッド側接続部を正規の組み付け位置と片寄せ位置との間でスムーズに動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態に係るシャワーヘッドの全体構成を表す斜視図である。
【
図2】シャワーヘッドの内部構造を表す斜視図である。
【
図4】ヘッド側流路部をハウジングのヘッド部内にセットした状態を表す斜視図である。
【
図5】ヘッド側流路部を片寄せ位置にずらした状態を表す部分断面斜視図である。
【
図7】ヘッド側流路部にグリップ側流路部を嵌合させた状態を表す部分断面斜視図である。
【
図9】ヘッド側流路部を正規の組み付け位置に動かした状態を表す部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
《第1の実施形態》
(シャワーヘッド1の概略構成)
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシャワーヘッド1の構成について、
図1~
図11を用いて説明する。なお、以下の説明において、手前、奥、上、下、左、右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
【0020】
各図中に示す方向は、それぞれ、シャワーヘッド1のヘッド正面に立つ使用者から見た方向となっている。以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、
図1~
図11のいずれかの図を適宜参照するものとする。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るシャワーヘッド1は、図示しない浴室の壁面に着脱可能なように設けられる散水器具として構成される。シャワーヘッド1は、図示しないシャワーホースを介して浴室内のシャワー装置と接続されている。シャワーヘッド1は、上記不図示のシャワー装置より吐出される湯水を内部に取り込んで、ヘッド正面に取り付けられた散水板30から使用者に向けて分散させて噴出する構成とされる。
【0022】
上記シャワーヘッド1は、その外装部品となる樹脂製のハウジング10と、ハウジング10内に組み込まれる樹脂製の流路部材20(
図2参照)と、ハウジング10のヘッド部11に組み込まれる樹脂製円板状の散水板30と、を備える。ハウジング10は、
図3に示すように、散水板30を手前側より組み込み可能な正円状の開口11Aを備えた浅い円筒容器状のヘッド部11と、ヘッド部11から図示下方に向かって筒状に延びるグリップ部12と、を備える。
【0023】
グリップ部12は、その基端部が、シャワーヘッド1を不図示の浴室の壁面に固定されたヘッドホルダに引掛けて固定する際の引掛部となるものである。また、グリップ部12は、使用者がシャワーヘッド1をヘッドホルダから外して手に持って使用する際の把持部となるものである。
【0024】
流路部材20は、上記ハウジング10の開口11Aからヘッド部11内に組み込まれる浅い円筒容器状のヘッド側流路部21と、ハウジング10のグリップ部12内に図示下端側(基端側)の開口から差し込まれてヘッド側流路部21と接続される縦長円筒状のグリップ側流路部22と、に2分割された構成とされる。更に、流路部材20は、上記グリップ側流路部22をヘッド側流路部21に下方から差し込むことで両者を弾性変形を伴う嵌合により一体的に接合することができるスナップフィット23を有する。
【0025】
上記スナップフィット23により、流路部材20は、ヘッド側流路部21とグリップ側流路部22とに2分割された構成であっても、これらをハウジング10内で簡便に組み付けることができる構成とされる。加えて、シャワーヘッド1は、スナップフィット23により接合したヘッド側流路部21とグリップ側流路部22とが、組み付け後にハウジング10内で外れてしまうことがないよう、これらをハウジング10内で強固に接合した状態に保持することができる構造を備える。
【0026】
(シャワーヘッド1の詳細構成)
以下、上記スナップフィット23の接合状態を強固に保持することのできる構造について、シャワーヘッド1の各部の構成と併せて詳しく説明する。
図3に示すように、シャワーヘッド1は、前述したハウジング10と、流路部材20と、散水板30と、に加え、更に、樹脂製リング板状の化粧キャップ40と、樹脂製リング状の固定リング50と、を備える。
【0027】
ハウジング10は、前述した浅い円筒容器状のヘッド部11と、ヘッド部11の図示下端側の筒壁部から図示下方に向かって筒状に延びるグリップ部12と、を備える。ヘッド部11は、図示手前側に向かって正円状に開く開口11Aを備えた円筒容器形状とされる。
【0028】
グリップ部12は、ヘッド部11の図示下端側の筒壁部から図示手前下方に斜めに屈曲する形となってストレート状に延びる筒形状とされる。グリップ部12は、その筒内部とヘッド部11の容器内部とが連通するよう貫通した形状とされる。
【0029】
グリップ部12は、その外周面が略台形状の横断面を成す筒型形状とされる。具体的には、グリップ部12は、その前面と後面とが前後方向に真っ直ぐ面を向ける平坦な面形状とされ、左右両側面が上記前面から後面に向かって先細り状となる傾斜面を成す横断面略台形状の筒型形状とされる。
【0030】
より詳しくは、グリップ部12の前面は、後面よりも広い横幅を備え、かつ、そのヘッド部11と接続される先端側(図示上端側)から基端側(図示下端側)に向かって横幅が先細り状に狭くなっていく形状とされる。グリップ部12の後面は、高さ方向の全域に亘って横幅が略一定となる形状とされる。上記形状により、グリップ部12は、使用者がその前面に親指を掛けてヘッド部11の正面を使用者側に向ける形に掴みやすい構成とされる。
【0031】
流路部材20は、浅い円筒容器状のヘッド側流路部21と、縦長円筒状のグリップ側流路部22と、に2分割された構成とされる。ヘッド側流路部21は、図示手前側に向かって正円状に開く開口を備えた浅い円筒容器状の本体部21Aと、本体部21Aの図示下端側の筒壁部から図示下方に向かって円筒状に延びる接続筒部21Bと、を備える。
【0032】
更に、ヘッド側流路部21は、接続筒部21Bの延びた先の端部の左右2箇所から、図示下方に向かって互いに左右対称な同心円弧板状に張り出す一対の張出片21Cを備える。ここで、接続筒部21Bが、本発明の「ヘッド側接続部」に相当する。
【0033】
本体部21Aは、ハウジング10のヘッド部11よりもひとまわり小さな浅い円筒容器形状に形成されている。本体部21Aは、
図4に示すように、ハウジング10のヘッド部11の開口11Aから円筒容器内にセットされて、止めねじS1により締結されることで一体的に本固定される。具体的には、本体部21Aは、ハウジング10のヘッド部11内において、互いの円筒容器の中心位置同士が同心位置に並ぶように合わされた正規の組み付け位置P1の状態で、止めねじS1によりヘッド部11に締結される構成とされる。
【0034】
図3に示すように、接続筒部21Bは、本体部21Aの図示下端側の筒壁部の奥寄りの箇所から、前述したハウジング10のグリップ部12と同様に、図示手前下方に斜めに屈曲する形となってストレート状に延びる円筒形状とされる。接続筒部21Bは、その筒内部と本体部21Aの容器内部とが連通するよう貫通した形状とされる。
【0035】
上記接続筒部21Bから下方に張り出す左右一対の張出片21Cは、前述したスナップフィット23を構成する部位とされる。具体的には、各張出片21Cは、グリップ側流路部22の図示上端側の接続筒部22Aの外周部に形成された対応する各爪片22Bとの間で、差し込みにより弾性変形を伴って嵌合されるスナップフィット23を構成するようになっている(
図5~
図8参照)。ここで、接続筒部22Aが、本発明の「グリップ側接続部」に相当する。
【0036】
各張出片21Cは、
図5~
図6に示すように、それらの外周面が、ヘッド側流路部21の接続筒部21Bの外周面よりも僅かに外側に張り出して筒軸方向に張り出す段差形状とされる。各張出片21Cは、
図6に示すように、それらの筒径方向の肉厚が、ヘッド側流路部21の接続筒部21Bの肉厚よりも僅かに薄い形状とされる。それにより、各張出片21Cは、それらの接続筒部21Bと接続された部位を基端に、筒径方向の内外に片持ち状に撓みやすい構成とされる。
【0037】
図5に示すように、各張出片21Cは、それぞれ、各々の中央部に筒径方向に貫通する四角孔形状の引掛孔Caが形成された構成とされる。各張出片21Cは、
図7~
図8に示すように、これらの間にグリップ側流路部22が下方から差し込まれることにより、それらの引掛孔Ca内にグリップ側流路部22の各爪片22Bが筒径方向の内側から弾性的に引掛けられて嵌合される構成とされる。なお、スナップフィット23の具体的な構成については、後に詳述する。
【0038】
図3を参照して、前述したヘッド側流路部21は、具体的には、次のようにハウジング10のヘッド部11内に組み込まれる。先ず、ヘッド側流路部21の左右一対の張出片21C及び接続筒部21Bをハウジング10の開口11Aからヘッド部11内へと通してグリップ部12内へと挿通する。そして、上記挿通と共に、本体部21Aをハウジング10のヘッド部11内に挿入する。
【0039】
具体的には、
図4に示すように、本体部21Aの底板の中心部に形成された奥側から手前側に向かって凹む段差状の締結座Aaを、ヘッド部11の底板の中心部から手前側に突出する小円筒状の雌ねじ筒11Bにあてがうように挿入する。上記締結座Aaは、本体部21Aの底板の中心部から図示上方に向かって長円状に細長く真っ直ぐ延びる形状とされる。
【0040】
上記構成により、ヘッド側流路部21は、本体部21Aをハウジング10のヘッド部11内にセットした後、
図5に示すように各張出片21Cと接続筒部21Bとをグリップ部12内に更に深く差し込むように全体をハウジング10に対して図示下方に片寄せすることができるようになっている。すなわち、ヘッド側流路部21は、そのハウジング10のヘッド部11内にセットされる本体部21Aが、ヘッド部11よりもひとまわり小さな円筒容器形状とされる。
【0041】
また、ヘッド側流路部21は、上記本体部21Aをヘッド部11内にセットするのに合わせてヘッド部11の雌ねじ筒11Bにあてがわれる凹状の締結座Aaが、雌ねじ筒11Bにあてがわれる中心部から図示上方に向かって長く延びる形状とされている。それにより、締結座Aaは、本体部21Aがヘッド部11内にセットされた位置から図示下方に片寄せられるように動かされても、雌ねじ筒11Bに引掛かることなく図示下方へと移動することができるようになっている。
【0042】
以上のことから、ヘッド側流路部21は、その本体部21Aをヘッド部11内にセットした位置から、ハウジング10に対して図示下方に片寄せすることができる構成とされる。すなわち、ヘッド側流路部21は、
図4に示すように、本体部21Aをハウジング10のヘッド部11に対して止めねじS1により締結することが可能な正規の組み付け位置P1(同心位置)と、この位置から
図5に示すように、各張出片21Cと接続筒部21Bとをグリップ部12内に更に深く差し込むように図示下方へと片寄せする片寄せ位置P2と、の間で動かすことができる構成とされる。
【0043】
ヘッド側流路部21は、
図5~
図6に示すように、その接続筒部21Bの上端部の周囲から角筒状に張り出す係止筒部21Dが、ハウジング10のグリップ部12内の上端内周部に形成された環状突起状の縮径部の上面に当たることで、図示下方への片寄せ移動が係止される。ヘッド側流路部21は、上記係止位置となる片寄せ位置P2まで動かされることにより、各張出片21Cが縮径部の内周面上から下方(筒軸方向)へと抜けて、筒内径の広い拡径部12Aへと移される。
【0044】
その際、各張出片21Cの接続筒部21Bから筒径方向の外側に段差状に張り出す基端部分(上端部分)は、縮径部を下方に抜けることなく縮径部の内周面上に位置する。したがって、各張出片21Cを片寄せ位置P2から図示上方に戻す際に、各張出片21Cの基端部分を縮径部に引掛けることなくスムーズに動かすことができる。
【0045】
縮径部は、グリップ部12内の上端内周部に沿って、筒径方向の内側に向かって円環状の内周面を形成する形に膨らむ形状とされている。縮径部は、その内周面が、ヘッド側流路部21の各張出片21C間の外径よりも僅かに大きな内径寸法を備える形状とされる。
【0046】
縮径部は、その内部に各張出片21Cが通されることで、その内周面が各張出片21Cの外周面に僅かな隙間を挟んで面状に対向する。それにより、縮径部は、各張出片21Cの筒径方向の外側への撓みを当接により規制することができる構成とされる。ここで、縮径部が、本発明の「規制部」に相当する。
【0047】
拡径部12Aは、上述した略台形状の横断面を成すグリップ部12の一般筒壁を構成する部位とされる。拡径部12Aは、縮径部よりも広い内径寸法を備えた略台形状の内周面を成す構成とされる。具体的には、拡径部12Aは、
図11に示すように、その内周面が、縮径部と互いに手前側の側面において面一状に連なる形状とされる。
【0048】
また、拡径部12Aは、その内周面が、縮径部よりも奥側に大きく広がる内径寸法を備える形状とされる。また、拡径部12Aは、
図5~
図6に示すように、その内周面が、縮径部よりも左右方向にも大きく広がる内径寸法を備える形状とされる。
【0049】
上記構成により、拡径部12Aは、各張出片21Cがその内部へと移されることにより、各張出片21Cの筒径方向の外側への撓みを許容することができる構成とされる。ここで、拡径部12Aが、本発明の「許容部」に相当する。
【0050】
したがって、
図7~
図8に示すように、各張出片21Cが拡径部12Aにある状態で、各張出片21Cの間に後述するグリップ側流路部22の先端の接続筒部22Aを下方から差し込むことで、各張出片21Cを接続筒部22Aの外周部に形成された対応する各爪片22Bにより筒径方向の外側に押し撓ませて、各爪片22Bを各張出片21Cに内側から弾性的に引掛けて嵌合させることができる。
【0051】
上記ヘッド側流路部21は、上記片寄せ位置P2において各張出片21Cに各爪片22Bを嵌合させた後、
図9~
図10に示すように、正規の組み付け位置P1へと戻されることにより、各張出片21Cが拡径部12Aから縮径部内へと戻される。それにより、各張出片21Cは、縮径部の内周面により筒径方向の外側への撓みが規制される状態となる。したがって、各爪片22Bが各張出片21Cとの嵌合状態から外されることを防止して、グリップ側流路部22をヘッド側流路部21に強固に接続した状態に保持することができる。
【0052】
ヘッド側流路部21は、正規の組み付け位置P1に戻された後、
図11に示すように、止めねじS1によりハウジング10のヘッド部11の中心位置に締結される。具体的には、ヘッド側流路部21の本体部21Aの締結座Aa上の中心部に対応する位置に形成された丸孔状の締結孔Abに手前側から止めねじS1を差し込んで、奥の雌ねじ筒11Bの筒孔に締結する。これにより、ヘッド側流路部21の本体部21Aが、ハウジング10のヘッド部11に対して、同心位置に合わされた状態に固定される。
【0053】
図3に示すように、グリップ側流路部22は、縦長な円筒形状を成し、ハウジング10のグリップ部12内に図示下端側から差し込まれてヘッド側流路部21と接続される構成とされる。具体的には、グリップ側流路部22は、その円筒形状の上端部分を成す接続筒部22Aが、
図5~
図6に示すようにグリップ部12内に上から挿通されているヘッド側流路部21の各張出片21Cの間に下方から差し込まれることにより、
図7~
図8に示すようにヘッド側流路部21の接続筒部21B内に差し込まれて、接続筒部21Bと互いの流路が接続される状態に嵌合される。
【0054】
そして、上記差し込みにより、グリップ側流路部22は、その接続筒部22Aの外周部上の左右2箇所から突出するスナップフィット23を構成する各爪片22Bが、対応する各張出片21Cの内側に潜り込む形に入り込み、各張出片21Cに内側から引掛けられる形に嵌合する。各爪片22Bは、それぞれ、図示上方に向かって接続筒部22Aからの突出高さが傾斜状に低くなっていく先細り形状とされる。
【0055】
また、各爪片22Bは、それぞれ、図示下端部が、接続筒部22Aから略直角状に立ち上がる形状とされる。各爪片22Bは、
図5~
図6に示すように、グリップ側流路部22の接続筒部22Aがヘッド側流路部21の各張出片21Cの間に図示下方から差し込まれることにより、それらの先端側の傾斜面が各張出片21Cの下縁部に当てられて各張出片21Cの内側に潜り込むように差し込まれる。
【0056】
それにより、各爪片22Bは、
図7~
図8に示すように、対応する各張出片21Cを筒径方向の外側へと押し撓ませながら図示上方へと移動する。そして、各爪片22Bは、対応する各張出片21Cの引掛孔Caに達する位置まで図示上方に差し込まれることにより、各張出片21Cが弾性復元力により筒径方向の内側に戻されて各引掛孔Ca内に嵌合する。
【0057】
それにより、各爪片22Bは、それらの直角状の立ち上がり面を成す下端部が、各張出片21Cの下枠部に図示上方から引掛けられた状態となる。この引掛けにより、グリップ側流路部22は、ヘッド側流路部21に対して図示下方に抜け落ちないように一体的に組み付けられる。グリップ側流路部22は、その下端部に図示しないシャワーホースが接続され、図示しないシャワー装置より吐出される湯水がシャワーホースから供給されるようになっている。
【0058】
図3に示すように、散水板30は、その円板上の所々の箇所に、図示しない無数の丸孔状の散水孔が形成された構成とされる。散水板30は、上述したヘッド側流路部21の本体部21Aの開口に蓋をする形にセットされて、ヘッド側流路部21内を通って供給される湯水を各散水孔から外部に分散させて噴出する構成とされる。
【0059】
散水板30は、次のようにヘッド側流路部21の本体部21Aに蓋をする形に組み付けられる。先ず、散水板30をヘッド側流路部21の本体部21A上に手前側から被せる形にセットする。それにより、散水板30は、ヘッド側流路部21の本体部21Aの底板上の周方向の4箇所の部位から突出する円筒状の各雌ねじ筒Ac上に手前側から当てられた状態にセットされる。
【0060】
次に、散水板30の各雌ねじ筒Acに対応する各箇所にあけられた丸孔状の締結孔31に手前側から止めねじS2をそれぞれ差し込んで、それらの奥にある各雌ねじ筒Acの筒孔に締結する。それにより、
図11に示すように、散水板30が、ヘッド側流路部21の本体部21Aに蓋をする形に一体的に組み付けられる。散水板30は、ヘッド側流路部21の本体部21Aの円筒部分の外径よりもひとまわり小さな外径寸法を備え、ヘッド部11に対して同心位置にセットされる。
【0061】
図3に示すように、化粧キャップ40は、略平坦なリング板形状に形成されている。化粧キャップ40は、上述した散水板30の各止めねじS2が締結される部分を外部に対して見栄え良く被覆するためのリング板状のカバーとして構成される。化粧キャップ40は、上述した散水板30に対し、手前側から各止めねじS2が締結される部分に被せられるように押し付けられることで、散水板30と一体を成すリング板状の凸面部分に嵌合して散水板30に一体的に組み付けられる(
図11参照)。
【0062】
図3に示すように、固定リング50は、略リング形状を成し、ハウジング10のヘッド部11の開口11A内に手前側から螺合されて固定される構成とされる。具体的には、
図11に示すように、固定リング50は、ハウジング10のヘッド部11内に組み込まれたヘッド側流路部21の本体部21Aに対し、この本体部21Aとヘッド部11との間に形成される環状の隙間内に差し込まれる。
【0063】
そして、固定リング50は、その奥側の円筒部分の内周面に形成された雌ねじ51が、本体部21Aの外周面に形成された雄ねじAdに螺合されて、本体部21Aと一体的に固定される。上記固定により、固定リング50は、本体部21Aとヘッド部11との間に形成される環状の隙間を外部に対して見栄え良く被覆した状態となる。また、上記固定により、固定リング50は、散水板30の外周縁を本体部21Aの円筒部分の開口端面に押さえ付けて位置固定した状態に保持する。
【0064】
(まとめ)
以上をまとめると、第1の実施形態に係るシャワーヘッド1は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0065】
すなわち、シャワーヘッド(1)は、散水板(30)が組み込まれる開口(11A)を備えた容器状のヘッド部(11)、及びヘッド部(11)から筒状に延びるグリップ部(12)を備えるハウジング(10)と、ハウジング(10)内に組み込まれて散水板(30)への流路を形成する流路部材(20)と、を備える。流路部材(20)が、上記開口(11A)からヘッド部(11)内に組み込まれるヘッド側流路部(21)と、グリップ部(12)内に筒軸方向の基端側から差し込まれてヘッド側流路部(21)と接続されるグリップ側流路部(22)と、グリップ側流路部(22)のヘッド側流路部(21)に対する差し込みにより筒径方向の外側に押し出される撓みを伴って両者を嵌合させるスナップフィット(23)と、を有する。
【0066】
ハウジング(10)が、スナップフィット(23)の筒径方向の外側への撓みを当接により規制する規制部(12B)と、スナップフィット(23)の筒径方向の外側への撓みを許容する許容部(12A)と、を有する。規制部(12B)が、ヘッド側流路部(21)がハウジング(10)に固定される正規の組み付け位置(P1)にある場合のスナップフィット(23)に対応する位置に設けられる。許容部(12A)が、ヘッド側流路部(21)が正規の組み付け位置(P1)から筒軸方向にずれた片寄せ位置(P2)にある場合のスナップフィット(23)に対応する位置に設けられる。
【0067】
上記構成によれば、ヘッド側流路部(21)を片寄せ位置(P2)へと動かし、グリップ側流路部(22)をヘッド側流路部(21)に差し込むことで、両者がスナップフィット(23)により嵌合される。そして、スナップフィット(23)の嵌合後にヘッド側流路部(21)を正規の組み付け位置(P1)へと動かすことで、スナップフィット(23)が規制部(12B)により撓み規制される状態となる。したがって、ヘッド側流路部(21)が正規の組み付け位置(P1)に固定されることで、流路部材(20)がスナップフィット(23)の外れにくい状態として保持される。このように、シャワーヘッド(1)のハウジング(10)内に流路部材(20)を簡便かつ確実に組み付けることができる。
【0068】
また、スナップフィット(23)が、ヘッド側流路部(21)から筒状に延びてヘッド部(11)内からグリップ部(12)内へと通されるヘッド側接続部(21B)と、グリップ側流路部(22)から筒状に延びてヘッド側接続部(21B)に差し込まれて接続されるグリップ側接続部(22A)と、の間で設けられる。規制部(12B)が、グリップ部(12)内に設けられる。上記構成によれば、筒状のグリップ部(12)内に設けられる規制部(12B)により、スナップフィット(23)の筒径方向の外側への撓みを適切に規制することができる。
【0069】
また、許容部(12A)が、グリップ部(12)内の規制部(12B)よりも筒軸方向の基端側に設けられる。上記構成によれば、グリップ側流路部(22)を正規の組み付け位置(P1)よりも深く差し込むことなくヘッド側流路部(21)に差し込んで接続することができる。したがって、グリップ側流路部(22)をヘッド側流路部(21)により簡便に組み付けることができる。
【0070】
また、スナップフィット(23)が、互いに差し込まれるヘッド側接続部(21B)及びグリップ側接続部(22A)のうちの外筒側となる一方から筒軸方向に同心円弧板状に張り出す張出片(21C)と、内筒側となる他方の外周部から爪状に突出して張出片(21C)に筒径方向の内側から押し出しながら引掛けられる爪片(22B)と、を有する。張出片(21C)と爪片(22B)とが、筒周方向の回転対称位置に複数設けられる。規制部(12B)が、グリップ部(12)の内周部から各張出片(21C)の外周面に向かって面状に対向するよう同心環状に膨らむ縮径部(12B)とされる。
【0071】
上記構成によれば、同心環状の縮径部(12B)から成る規制部(12B)により、筒周方向の回転対称位置に複数設けられる各張出片(21C)の筒径方向の外側への撓みをより適切に規制することができる。
【0072】
また、ヘッド側接続部(21B)が、その筒内にグリップ側接続部(22A)が差し込まれる外側筒部とされる。規制部(12B)が、ヘッド側流路部(21)が片寄せ位置(P2)にある場合にも各張出片(21C)の根本側の一部の外周面に掛かるように内周面が筒軸方向に面一状に延びる。
【0073】
上記構成によれば、ヘッド側接続部(21B)を正規の組み付け位置(P1)から片寄せ位置(P2)へと動かしても、各張出片(21C)が規制部(12B)から完全に外されることなく、規制部(12B)の内周面上に一部が掛かった状態に保持される。したがって、各張出片(21C)を規制部(12B)に引掛けることなく、ヘッド側接続部(21B)を正規の組み付け位置(P1)と片寄せ位置(P2)との間でスムーズに動かすことができる。
【0074】
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
【0075】
1.本発明のシャワーヘッドは、使用者が手で掴んで使用するいわゆるハンド式のシャワー構造から成るものの他、浴室の壁面や天井に固定されて使用者に頭上からシャワー水を散水するいわゆるオーバーヘッド式のシャワー構造から成るものであっても良い。
【0076】
2.上記実施形態では、スナップフィットとして、グリップ側接続部の外周部に爪片を設け、ヘッド側接続部に上記爪片により筒径方向の外側に押し撓まされて爪片に嵌合する張出片を設けた構成を示した。しかし、スナップフィットは、ヘッド側接続部に爪片を設け、グリップ側接続部に張出片を設ける構成であっても良い。
【0077】
また、上記実施形態では、スナップフィットとして、張出片が爪片の筒径方向の外側に位置して爪片との当接により外側に押し撓まされて嵌合する構成を示した。しかし、スナップフィットは、爪片が張出片の筒壁方向の外側に位置して張出片との当接により外側に押し撓まされて張出片に嵌合する構成であっても良い。
【0078】
具体的には、ヘッド側接続部及びグリップ側接続部のうちの外筒側となる一方に、内筒側となる他方に設けた嵌合孔や嵌合溝等の嵌合部(張出片に相当する部位)に対して筒径方向の外側から弾性変形を伴って嵌合することのできる爪片を設ける構成が挙げられる。爪片は、例えば、その基端側を残す周囲をスリットにより切り込んだり、上記一方から筒軸方向に片持ち状に張り出したりする構成とすることで、筒径方向に片持ち状に撓むことができる構成とすることができる。
【0079】
上記スナップフィットを構成する爪片と張出片等の嵌合部との組み合わせは、筒周方向の1箇所にのみ設けられるものや、3箇所以上に設けられるようになっていても良い。
【0080】
3.スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを当接により規制する規制部と、スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを許容する許容部と、の位置関係は次のようになっていても良い。すなわち、許容部が、ハウジングのグリップ部内に設けられる規制部よりも筒軸方向の奥側(グリップ側流路部が更に深く差し込まれる側)に位置する関係となっていても良い。
【0081】
このような構成の場合、グリップ側流路部を一旦、正規の組み付け位置に相当する位置よりも奥深くに差し込んでヘッド側流路部と接続し、その後に、グリップ側流路部を引き抜く方向に戻して正規の組み付け位置にする組み付け手順となる。また、上記構成の場合、許容部は、必ずしもハウジングのグリップ部内に設けられていなくても良く、ハウジングのヘッド部内に設けられていても良い。
【0082】
規制部は、スナップフィットの筒径方向の外側への撓みを当接により規制できる構成となっているものであれば良く、必ずしもグリップ内に環状を成す形に形成されるものでなくても良い。規制部は、スナップフィットの構成部材と面状に当接するものの他、点状や線状に当接するものであっても良い。
【0083】
4.ヘッド側接続部とグリップ側接続部とは、それぞれ円筒状に延びる形状に限らず、角筒状に延びる形状から成るものであっても良い。また、ヘッド側接続部は、筒状に延びる形状を備えず、グリップ側接続部を受け入れ可能な接続孔部として構成されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 シャワーヘッド
10 ハウジング
11 ヘッド部
11A 開口
11B 雌ねじ筒
12 グリップ部
12A 拡径部(許容部)
12B 縮径部(規制部)
20 流路部材
21 ヘッド側流路部
21A 本体部
21B 接続筒部(ヘッド側接続部)
21C 張出片
21D 係止筒部
22 グリップ側流路部
22A 接続筒部(グリップ側接続部)
22B 爪片
23 スナップフィット
30 散水板
31 締結孔
40 化粧キャップ
50 固定リング
51 雌ねじ
Aa 締結座
Ab 締結孔
Ac 雌ねじ筒
Ad 雄ねじ
Ca 引掛孔
P1 正規の組み付け位置
P2 片寄せ位置
S1 止めねじ
S2 止めねじ