(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A63F7/02 311C
A63F7/02 312A
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021189871
(22)【出願日】2021-11-24
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀明
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-137095(JP,A)
【文献】特開2011-087818(JP,A)
【文献】特開2008-126014(JP,A)
【文献】特開2016-116642(JP,A)
【文献】特開2009-254520(JP,A)
【文献】特開2011-206561(JP,A)
【文献】特開2003-000856(JP,A)
【文献】特開2003-265780(JP,A)
【文献】特開2015-213667(JP,A)
【文献】特開2013-188370(JP,A)
【文献】特開2009-297361(JP,A)
【文献】特開2019-198716(JP,A)
【文献】特開2019-187752(JP,A)
【文献】特開2020-188834(JP,A)
【文献】特開2018-064776(JP,A)
【文献】特開2005-204891(JP,A)
【文献】特開平11-239638(JP,A)
【文献】特開平10-113428(JP,A)
【文献】特許第7323579(JP,B2)
【文献】特許第7340571(JP,B2)
【文献】特許第7422116(JP,B2)
【文献】特許第7437458(JP,B1)
【文献】特許第7499287(JP,B2)
【文献】特許第7447178(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外レールと内レールとの間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域に案内する案内領域と、
遊技球が前記遊技領域から前記案内領域に戻ることを防止する球戻り防止機構と、
表示手段と、
前記表示手段において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記群には、前記群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタが存在せず、
前記球戻り防止機構は、第1状態と、第2状態と、第3状態と、に変位可能な変位部材
と、前記変位部材を保持可能な保持部材と、を有し、
前記変位部材は、前記外レールと対向する側面部と、前記側面部の先端側の先端部と、を有し、
前記先端部から前記外レールまでの距離を特定距離とし、
前記案内領域から前記遊技領域に案内される遊技球を一の遊技球とし、
前記遊技領域から前記案内領域に戻ろうとする遊技球を他の遊技球とすると、
前記第1状態は、前記特定距離が前記第2状態より短い状態であり、
前記第2状態は、前記特定距離が前記第1状態より長い状態であり、
前記第3状態は、前記一の遊技球が前記側面部と前記外レールと前記他の遊技球と接し、前記他の遊技球が前記先端部と前記外レールと前記一の遊技球と接することで、前記特定距離が前記第1状態より長く前記第2状態より短く、かつ、前記他の遊技球の最下点から前記外レールまでの距離より短い状態であ
り、
前記変位部材の末端は、前記第3状態において、前記保持部材の内側の空間に収まっている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機において、液晶ディスプレイにおいて群演出を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機では、演出効果を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、演出効果を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
表示手段と、
前記表示手段において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記群には、前記群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタが存在しない
ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の遊技機は、
表示手段と、
前記表示手段において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数のキャラクタには、第1キャラクタと、第2キャラクタと、を含む複数種類のキャラクタが存在し、
前記群の先頭のキャラクタは、前記第1キャラクタであり、
前記群には、前記第2キャラクタの中で先頭のキャラクタと、始点から終点までの移動軌跡が同一の前記第2キャラクタが存在しない
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の遊技機は、
表示手段と、
前記表示手段において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記群には、前記群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタが存在しない
ことを特徴とする遊技機。
【0009】
群演出においては、先頭のキャラクタや最後尾のキャラクタは特に注目度が高い。本発明によれば、注目度の高いキャラクタと移動軌跡が同一の同一種類のキャラクタが存在しないので、単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。
【0010】
また、本発明の遊技機は、
表示手段と、
前記表示手段において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数のキャラクタには、第2キャラクタと、第3キャラクタと、を含む複数種類のキャラクタが存在し、
前記群演出では、前記第2キャラクタの前面側に前記第3キャラクタが重なった表示がされ、
前記第2キャラクタの前面側に重なる前記第3キャラクタは、当該第3キャラクタと重なる前記第2キャラクタよりも移動速度が速い
ことを特徴とする遊技機。
【0011】
このような構成によれば、重なり合う2つのキャラクタの種類および移動速度が異なることにより単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。また、前面側のキャラクタの方が移動速度が速いことにより、群演出の迫力を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その外観構成を示す斜視図である。
【
図3】同、状態表示部の外観構成を示す正面図である。
【
図4】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図6】同、群演出に係る表示について説明するための図である。
【
図7】同、群演出に係る表示について説明するための図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、球戻り防止機構の分解斜視図である。
【
図9】同、球戻り防止部材が閉状態にあるときの球戻り防止機構の正面図である。
【
図10】同、球戻り防止部材が開状態にあるときの球戻り防止機構の正面図である。
【
図11】同、球戻り防止部材が閉状態と開状態との間の状態にあるときの、遊技領域に進入した遊技球が境界領域に戻ろうとしている様子を示す図である。
【
図12】同、
図11に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
【
図13】同、
図11に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
【
図14】同、遊技領域から境界領域に戻ってきた遊技球が球戻り防止部材と衝突している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10とを備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
【0016】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14(音響装置)が設けられている。
【0017】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0018】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0019】
また、上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0020】
図2は、
図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図2に示すように、遊技盤6には、円形状に外レール27が設けられており、外レール27に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール27に沿うように円弧状に内レール28が設けられており、外レール27と内レール28は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0021】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(表示手段)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。そしてディスプレイ枠34には、液晶ディスプレイ32の中央上方に、遊技を盛り上げるための演出光などを出力するディスプレイ枠ランプ38,39が設けられている。
【0022】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域(左打ち領域)4aか右側の遊技領域(右打ち領域)4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0023】
またディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0024】
ステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動口46が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(
図4参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0025】
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(
図4参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
【0026】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(
図4参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
【0027】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(
図4参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出しを実行させる。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0028】
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な普通役物54(補助手段)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
【0029】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(
図4参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、払出装置130に賞球の払い出し動作を実行させる。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0030】
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
【0031】
また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(
図4参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
【0032】
遊技球の発射装置は、
図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bを遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0033】
したがって遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0034】
なお、本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cに遊技球が入賞することがないようになっている。
【0035】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
【0036】
図3は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70は、
図3に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0037】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
【0038】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0039】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
【0040】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0041】
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
【0042】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0043】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(低確率状態)と、通常状態よりも大当りの当選確率が高く設定された確変状態(高確率状態・特殊状態)と、特別図柄抽選で大当りに当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別図柄抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態(特殊状態)の4種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
【0044】
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)および副制御基板202(副制御手段)を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200や副制御基板202等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0045】
主制御基板200は、遊技の進行を制御する。主制御基板200は、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、ゲートスイッチ102、第2始動口スイッチ103、カウントスイッチ104またはアウトスイッチ106等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示部70、普通役物54、特別役物56または払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
【0046】
副制御基板202は、主制御基板200から送信される情報に基づいて演出の実行を制御する。副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタン26に対する操作を検出する演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ32、ランプ12,38,39、スピーカ14、演出物駆動装置等の演出装置の動作制御を行う。
【0047】
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290を含んで構成されている。
【0048】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0049】
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。具体的には、普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
【0050】
普通当り決定処理は、普通当りの当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、普通当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当りが当選したか否かを判定する。そして、普通図柄抽選手段220は、普通当りが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当りの当選フラグをOFF状態に設定する。
【0051】
また、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、普通当りが当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、普通当りが当選する確率が高くなっている。
【0052】
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0053】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において普通当りが当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
【0054】
具体的には、本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動時間が1秒に設定されるようになっており、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0055】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0056】
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に、普通図柄が普通当りの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、20秒が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
【0057】
したがって、普通図柄抽選において普通当りとなった場合に、遊技状態が確変状態でも時短状態でもなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が確変状態あるいは時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。
【0058】
特別図柄抽選手段230は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。具体的には、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0059】
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りの当否を決定する処理である。ここで、1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0060】
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各大当り抽選テーブルは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当りまたはハズレが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した大当り抽選テーブルを参照して、読み出した1つの大当り決定乱数値が大当りに対応づけられているか否かを判定することにより、大当りに当選したか否かを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、大当りに当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当りの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当りの当選フラグをOFF状態に設定する
【0061】
また、遊技状態が確変状態である場合に選択される大当り抽選テーブルは、遊技状態が通常状態または時短状態である場合に選択される大当り抽選テーブルに比べ、大当りに当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が確変状態である場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)は、遊技状態が通常状態または時短状態ある場合に行われる大当り決定処理(特別図柄抽選)に比べ、大当りが当選する確率が高くなっている。
【0062】
図柄決定処理は、大当り決定処理で大当りに当選した場合に行われる処理であり、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、大当り図柄(大当りの種別)を16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のうちいずれにするかを決定する処理である。ここで1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~99の100個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0063】
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。ここで、各図柄抽選テーブルは、0~99の100個の図柄決定乱数値のそれぞれに対して、16ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、16ラウンド通常図柄、4ラウンド通常図柄のいずれかが対応付けられたものである。そして、特別図柄抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が複数種類の大当り図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。また、特別図柄抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当り図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
【0064】
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0065】
第1特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0066】
本実施形態では、4種類の大当り図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0067】
第2特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、所定の変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0068】
そして特別表示制御手段240は、大当り決定処理で大当りに当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理で大当りに当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0069】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0070】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0071】
遊技状態移行制御手段250は、
図5に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0072】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当りの当選確率が約1/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる。
【0073】
そして、通常状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が長く設定されており、普通役物54が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動口49に遊技球を進入させにくくなっている。
【0074】
特別遊技状態は、通常状態、確変状態または時短状態における特別図柄抽選において大当りに当選したことに基づいて開始され、大当り図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。
【0075】
具体的には、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0076】
また、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0077】
また、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0078】
また、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
【0079】
確変状態は、16ラウンド確変図柄または4ラウンド確変図柄(確変図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、確変状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、確変状態では、普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われ、大当りの当選確率が1/31に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、通常状態よりも遊技者に有利になっている。そして、確変状態は、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0080】
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、特別遊技状態が終了するとメインメモリ290の確変終了判定カウンタ2930に所定の遊技回数(例えば、9999回)に相当する値(例えば、9999)を書き込み、確変状態において特別図柄抽選が行われるごとに確変終了判定カウンタ2930の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして、確変終了判定カウンタ2930の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、確変状態を終了させて通常状態を開始させる。ただし、確変状態では、特別図柄抽選における大当りの当選確率が1/31に設定されるため、確変状態において特別図柄抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
【0081】
また、確変状態では、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
【0082】
また、確変状態では、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0083】
時短状態は、16ラウンド通常図柄または4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。また、時短状態では、確変状態と同様に普通当りの当選確率が約19/20に設定された普通図柄抽選テーブルを参照して普通図柄抽選が行われるものの、通常状態と同様に大当りの当選確率が約1/319に設定された大当り抽選テーブルを参照して特別図柄抽選が行われる点で、確変状態よりも遊技者に不利になっている。そして、時短状態は、時短状態において特別図柄抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
【0084】
具体的には、遊技状態移行制御手段250は、遊技状態が時短状態に移行されたことを契機として、メインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に所定の遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を書き込み、時短状態において特別図柄抽選が行われるごとに時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして時短終了判定カウンタ2932の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させる。
【0085】
また、時短状態では、確変状態と同様に、普通図柄抽選における普通当りの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物54が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動口49に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
【0086】
また、時短状態では、確変状態と同様に、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0087】
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技実行処理1~特別遊技実行処理4などを行う。
【0088】
特別遊技実行処理1は、特別図柄抽選において16ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0089】
具体的には、特別遊技実行処理1では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算される大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0090】
特別遊技実行処理2は、特別図柄抽選において4ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0091】
具体的には、特別遊技実行処理2では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0092】
特別遊技実行処理3は、特別図柄抽選において16ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0093】
具体的には、特別遊技実行処理3では、第1ラウンド~第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0094】
特別遊技実行処理4は、特別図柄抽選において4ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そして、ラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
【0095】
具体的には、特別遊技実行処理4では、第1ラウンド~第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物56の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
【0096】
払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号またはカウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口スイッチ100、一般入賞口スイッチ101、第2始動口スイッチ103またはカウントスイッチ104のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
【0097】
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また、払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出スイッチが備えられており、払出制御手段270は、払出スイッチからの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
【0098】
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを副制御基板202に送信する制御を行っている。なお、本実施形態の遊技機では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0099】
続いて、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302と、を備えている。また、サブメモリ302は、複数種類のRAMおよびROMを備えており、サブメモリ302に記憶される各種データは、各RAMやROMに記憶される。演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302のROMに記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、ランプ12,38,39等の発光部を点灯させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
【0100】
液晶ディスプレイ32は、その表示面に演出画像を表示させることにより、演出を実行する。また、液晶ディスプレイ32に表示される演出画像は、描画素材(素材画像)が配置された複数のレイヤを重ね合せて形成された合成画像となっている。
【0101】
液晶ディスプレイ32に表示される演出画面は、例えば1秒間が30コマ(以下、フレームという)で構成されている(いわゆる30fpsのフレームレート)。したがって、例えば1分間の長さを持った演出パターンの場合、その演出画面は全体で60秒×30フレームの計1800フレームにより成り立っている。
【0102】
各フレームの実体は、複数の描画素材が重ね合わせられた1つの合成画像である。各フレーム内には仮想的なレイヤがN枚存在し、各レイヤに各描画素材が配置される。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームを成す合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより最大N個の描画素材を重ね合わせて構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN個の描画素材から構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材がN個に満たない場合に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
【0103】
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、これらのレイヤを上位側(前面側)からみた合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ32に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ32で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、液晶ディスプレイ32における表示上の優先度が高いといえる。
【0104】
なお、各合成画像の描画処理は、サブメモリ302のVRAM内の1領域であるフレームバッファを用いて実行され、演出制御手段300が描画処理を行う。新たな描画素材を上位のレイヤに描画することは、新たな描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを意味する。あるフレームを構成する描画素材を優先度の低い方から順にフレームバッファに描画していき、全ての描画素材を描画し終えると、フレームバッファ上に完成した合成画像が当該フレームの画像として液晶ディスプレイ32に表示されることとなる。なお、描画素材は、サブメモリ302の描画素材記憶領域(ROM)に記憶されている。また、各描画素材は、静止画であってもよく、動画(ムービー)であってもよい。
【0105】
優先度の低い描画素材は、その上から優先度のより高い描画素材が重ねて描画されることにより、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度の設定が可能であり、上位に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下位側に隠れた描画素材の存在をフレーム画像で視認できる場合もある。加えて、さらに詳細に説明すると、描画素材は2次元のピクセルで構成されるとともに、各ピクセルはRGBA(RGB+A(アルファ値))で表現され、Aが透明度(不透明度)を示す。そして、例えば、Aが255(Aを8ビットで示す場合の上限値)に設定されたピクセルは透明となる。したがって、Aが所定値以上(例えば255)のピクセルの数によっては下位側の描画素材を確認できる。
【0106】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32を用いた演出として、群演出が用意されている。群演出は、例えば、大役抽選等の所定の抽選の結果を示唆するものであってもよい。換言すると、群演出は、所定の特典の付与(例えば大当り等の所定の当り)に関する期待度(遊技者にとっての有利度合い)を示唆するものであってもよい。換言すると、群演出では、遊技機の状態に関する所定の示唆がされてもよい。
【0107】
群演出は、液晶ディスプレイ32において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示が行われる演出である(
図6参照)。すなわち、群演出においては、液晶ディスプレイ32にキャラクタが複数表示される。ここで、1つの群には、1種類のキャラクタしか含まれていなくてもよく、複数種類のキャラクタが含まれていてもよい。また、1つの群には、同一種類のキャラクタが複数含まれていてもよい。
【0108】
群演出では、複数のキャラクタからなる群(キャラクタのそれぞれ)が液晶ディスプレイ32の画面(表示領域)において所定方向に移動する。ここで、群が所定方向に移動するとは、例えば、群(群を構成するキャラクタのそれぞれ)が、上下方向(下から上など)、左右方向(右から左など)、斜め方向(右上から左下など)、中心から周縁部に向かって広がる方向、または奥側から手前側に向かってくる方向などに移動することを意味する。本実施形態では、群が、右から左に向かって動くようになっている。なお、群演出は、各キャラクタが画面の端から端まで移動するものでなくてもよい。
【0109】
また、群演出では、同時に複数のキャラクタが表示される。換言すると、群演出における所定の時点においては、1画面に複数のキャラクタが表示される。
【0110】
群演出は、演出図柄を変動表示させる所定の演出、例えば、所定のリーチ演出中に実行されてもよい。なお、演出図柄とは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に伴って、液晶ディスプレイ32において変動表示される表示物である。本実施形態では、演出図柄として1~9のいずれかの数字が記された9種類の演出図柄が用意されており、9種類の演出図柄から構成される3つの演出図柄群が、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に伴って変動表示された後に停止表示される。そして、3つの演出図柄群の停止態様(停止表示される3つの演出図柄の組合せ)によって特別図柄抽選の結果が報知される。群演出は、例えば、演出図柄のリーチ表示中(同一種類の演出図柄が2つ停止している状態)において開始されてもよい。また、例えば、3つ目(最後)の演出図柄の停止に伴い出力される音(演出図柄が停止した旨を報知する音)が出力された時点では群が表示されており、3つ目の演出図柄が確定停止した時点(3つの演出図柄が停止し演出図柄の組合せが確定した時点)では、群が非表示となるようにしてもよい。換言すると、3つ目の演出図柄が停止する際に出力される所定音が出力される時点では群が表示されており、その後演出図柄の変動が開始(再開)されるまでの所定時点において、すべての演出図柄が停止しておりかつ群が非表示となっている表示がされるようにしてもよい。
【0111】
本実施形態の群演出におけるキャラクタの群を
図6に示す。群演出においては、
図6に示すキャラクタの群が右から左へ移動する表示が実行される。そして、移動中の群における液晶ディスプレイ32の画面内に存在する範囲(
図6において破線で示す範囲)が遊技者に視認される(
図7参照)。
【0112】
本実施形態の群演出では、キャラクタA1と、キャラクタA2と、キャラクタB1と、キャラクタB2と、キャラクタC1と、キャラクタC2と、を含む複数種類のキャラクタが表示される。また、群には、キャラクタA1、キャラクタA2、キャラクタB1、キャラクタB2、キャラクタC1およびキャラクタC2が、それぞれ複数含まれている。
なお、例えば、同一の主体(人物や動物等)が描写されたキャラクタ同士であっても、服装や表情やポーズ(動き)等が異なることにより異なる表示形態であると認識できる場合には、異なる種類のキャラクタといえる。また、形が同一でも、模様や色彩が異なる場合には、異なる種類のキャラクタといえる。
【0113】
なお、本実施形態では、キャラクタA1の表示とキャラクタA2の表示とが類似し、キャラクタB1の表示とキャラクタB2の表示とが類似し、キャラクタC1の表示とキャラクタC2の表示とが類似している。本実施形態では、類似するキャラクタ同士では、外形が相似(同一(合同)の場合を含む)しているとともに、模様や色彩が異なっている。なお、例えば、類似するキャラクタ同士は、同一の主体が描写されたものであって服装や表情等が異なるもの等であってもよい。また、各キャラクタの表示は、他のキャラクタの表示と類似していなくてもよい。
【0114】
群演出においては、キャラクタC1とキャラクタC2とが画面の前後方向(Z軸方向)に重なって移動する表示がされる(
図6中、矢印で示す箇所P参照)。具体的には、キャラクタC1が後側に位置し、キャラクタC2がキャラクタC1の前側に重なって移動する表示がされる。このとき、キャラクタC1のうち、キャラクタC2が重なる部分は、キャラクタC2によって覆い隠され見えない状態となる。具体的には、群演出では、キャラクタC1のうち1/2以上の範囲、より具体的には1/3以上の範囲、さらに具体的には8割以上の範囲が、キャラクタC2によって覆い隠される状態が存在する。換言すると、群演出では、キャラクタC1の顔が覆い隠され見えない状態が存在する。また、重なり合うキャラクタC1とキャラクタC2とでは、移動速度が異なっており、前側に位置するキャラクタC2の方が速く移動するようになっている。また、キャラクタC2は、C1よりも表示サイズが大きくなっている。
なお、キャラクタC1とキャラクタC2とが画面の前後方向に重なるとは、遊技者からの見た目上重なっていると認識できるものであればよく、フレームバッファにおける描画上キャラクタC1とキャラクタC2とをそれぞれ別のレイヤに描画するものでなくてもよい。
【0115】
群の先頭のキャラクタは、キャラクタA1となっている。また、群には、キャラクタA1が複数含まれているが、群の先頭のキャラクタA1と始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタA1は存在しないようになっている。換言すると、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点(表示開始地点)から終点(表示終了地点)までの移動軌跡が同一のキャラクタ(キャラクタA1)は存在しないようになっている。さらに換言すると、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタは全て、始点から終点までの移動軌跡が先頭のキャラクタと異なっている。具体的には、先頭のキャラクタと同一箇所から現れるとともに、先頭のキャラクタと同一箇所から消えるキャラクタA1は存在しない。
なお、始点から終点までの移動軌跡が同一とは、比較される2つのキャラクタについて、一方のキャラクタの特定の点(例えば、キャラクタの中心点、上端、下端、先端または後端等の所定の部分)が描く軌跡(表示開始地点(出現地点)から表示終了地点(消失地点)までを結ぶ一本の線)が、他方のキャラクタの特定の点が描く軌跡と同一であることとしてもよい。また、始点から終点までの移動軌跡が同一とは、比較される2つのキャラクタについて、全ての表示箇所(表示開始(出現)してから表示終了(消失)するまでの全ての表示箇所)における一方のキャラクタの表示について、いずれかの表示箇所における他方のキャラクタの表示を重ね合わせることが可能であるとともに、全ての表示箇所における当該他方のキャラクタの表示について、いずれかの表示箇所における当該一方のキャラクタの表示を重ね合わせることが可能であることとしてもよい。また、始点から終点までの移動軌跡が同一とは、比較される2つのキャラクタについて、一方のキャラクタの表示開始タイミング(出現タイミング)を他方のキャラクタの表示開始タイミングと合わせた場合を仮定したときに、当該2つのキャラクタが出現してから消失するまで常に完全に重なりあうこととしてもよい。
【0116】
すなわち、群演出においては、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタ(キャラクタA1)は視認できないようになっている。換言すると、群演出においては、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が先頭のキャラクタと同一であり、かつ視認性が同一のキャラクタは存在しないようになっている。さらに換言すると、群演出においては、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの表示態様(移動軌跡および視認性)が同一のキャラクタは存在しないようになっている。
なお、ここで視認性が同一とは、キャラクタの表示のうち見える範囲や透過具合が同一であることを意味する。本実施形態においては、群の先頭のキャラクタは、移動軌跡の全体(少なくとも半分以上の区間)において、他のキャラクタが前面側に被ることなく表示されており、当該先頭のキャラクタの一部分が画面外に位置している場合を除きキャラクタの全体が表示された状態となっている。これに対し、群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタ(キャラクタA1)であるが、他のキャラクタが前面側に被るなどして一部分が見えにくくなるキャラクタ(先頭のキャラクタに比べて視認性が阻害されているキャラクタ)は、先頭のキャラクタと視認性が異なるといえる。
なお、キャラクタの一部分が画面外に位置しているとは、遊技者からの見た目上画面外に位置していると認識できるものであればよく、フレームバッファにおける描画上、画面外に相当する部分に描画を行っていなくてもよい。
【0117】
また、群には複数のキャラクタC1が含まれている。そして、群においては、複数のキャラクタC1は全て、始点から終点までの移動軌跡が、複数のキャラクタC1の中で先頭に位置するキャラクタC1と異なっている。すなわち、群に含まれる複数のキャラクタC1のうち、先頭のキャラクタC1とその他のキャラクタC1とを比較する場合に、当該その他のキャラクタC1として先頭のキャラクタC1以外のいずれのキャラクタC1を選択した場合であっても、先頭のキャラクタC1と選択されたキャラクタC1とでは、始点から終点までの移動軌跡が同一となっていない。
【0118】
なお、キャラクタA1の中で先頭のキャラクタをキャラクタA1aとし、キャラクタA2の中で先頭のキャラクタをキャラクタA2aとし、キャラクタB1の中で先頭のキャラクタをキャラクタB1aとし、キャラクタB2の中で先頭のキャラクタをキャラクタB2aとし、キャラクタC1の中で先頭のキャラクタをキャラクタC1aとし、キャラクタC2の中で先頭のキャラクタをキャラクタC2aとすると、キャラクタA1a、キャラクタA2a、キャラクタB1a、キャラクタB2a、キャラクタC1aおよびキャラクタC21aのそれぞれと同一種類のキャラクタであって始点から終点までの移動軌跡(表示態様)が同一のキャラクタは存在しないこととしてもよい。換言すると、いずれの種類のキャラクタ(キャラクタA1,A2,B1,B2,C1,C2)も、各種類のキャラクタの中で先頭のキャラクタ(キャラクタA1a,A2a,B1a,B2a,C1a,C2a)は、同一種類の他のキャラクタ(2番目以降のキャラクタ)と移動軌跡が異なるようになっていてもよい。また、同一種類のキャラクタであって先頭のキャラクタを除く複数のキャラクタの中には(例えばキャラクタA1aを除く複数のキャラクタA1の中には)、始点から終点までの移動軌跡(表示態様)が同一の複数(例えば2体)のキャラクタが存在してもよく、存在しなくてもよい。例えば、キャラクタA1には、キャラクタA1aの他にキャラクタA1bおよびキャラクタA1cが含まれるとともに、キャラクタA1bとキャラクタA1cとは、始点から終点までの移動軌跡が同一となっていてもよい。
【0119】
群の最後尾のキャラクタは、キャラクタC1となっている。また、群には、キャラクタC1が複数含まれているが、群の最後尾のキャラクタC1と始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタC1は存在しないようになっている。換言すると、群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点(表示開始地点)から終点(表示終了地点)までの移動軌跡が同一のキャラクタ(キャラクタC1)は存在しないようになっている。さらに換言すると、群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタは全て、始点から終点までの移動軌跡が最後尾のキャラクタと異なっている。具体的には、最後尾のキャラクタと同一箇所から現れるとともに、最後尾のキャラクタと同一箇所から消えるキャラクタC1は存在しない。
【0120】
すなわち、群演出においては、群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタ(キャラクタC1)は視認できないようになっている。換言すると、群演出においては、群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が最後尾のキャラクタと同一であり、かつ視認性が同一のキャラクタは存在しないようになっている。さらに換言すると、群演出においては、群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの表示態様(移動軌跡および視認性)が同一のキャラクタは存在しないようになっている。
【0121】
なお、キャラクタA1の中で最後尾のキャラクタをキャラクタA1zとし、キャラクタA2の中で最後尾のキャラクタをキャラクタA2zとし、キャラクタB1の中で最後尾のキャラクタをキャラクタB1zとし、キャラクタB2の中で最後尾のキャラクタをキャラクタB2zとし、キャラクタC1の中で最後尾のキャラクタをキャラクタC1zとし、キャラクタC2の中で最後尾のキャラクタをキャラクタC2zとすると、キャラクタA1z、キャラクタA2z、キャラクタB1z、キャラクタB2z、キャラクタC1zおよびキャラクタC2zのそれぞれと同一種類のキャラクタであって始点から終点までの移動軌跡(表示態様)が同一のキャラクタは存在しないこととしてもよい。換言すると、いずれの種類のキャラクタ(キャラクタA1,A2,B1,B2,C1,C2)も、各種類のキャラクタの中で最後尾のキャラクタ(キャラクタA1z,A2z,B1z,B2z,C1z,C2z)は、同一種類の他のキャラクタと移動軌跡が異なるようになっていてもよい。また、同一種類のキャラクタであって最後尾のキャラクタを除く複数のキャラクタの中には(例えばキャラクタA1zを除く複数のキャラクタA1の中には)、始点から終点までの移動軌跡(表示態様)が同一の複数(例えば2体)のキャラクタが存在してもよく、存在しなくてもよい。例えば、キャラクタA1には、キャラクタA1zの他にキャラクタA1bおよびキャラクタA1cが含まれるとともに、キャラクタA1bとキャラクタA1cとは、始点から終点までの移動軌跡が同一となっていてもよい。
【0122】
なお、ここでは、先頭(群の先頭および各種類における先頭)のキャラクタおよび最後尾(群の最後尾および各種類における最後尾)のキャラクタと、その他の同一種類のキャラクタとの移動軌跡の関係について説明したが、先頭や最後尾に代えて、画面の最上位置のキャラクタ(最上部を移動するキャラクタ)や、画面の最下位置のキャラクタ(最下部を移動するキャラクタ)に対して本願発明を適用してもよい。すなわち、移動軌跡に係る説明について、「先頭」あるいは「最後尾」との記載を、「最上位置」あるいは「最下位置」と読み替えてもよい。また、ここでは、先頭、最後尾、最上位置または最下位置のキャラクタと、その他の同一種類のキャラクタとの移動軌跡の関係について説明したが、同一種類のキャラクタに限らず、その他の全てのキャラクタの移動軌跡との間で前述の各関係が成り立つことととしてもよい。具体的には、例えば、同一種類のキャラクタに限らず、群の先頭のキャラクタと始点(表示開始地点)から終点(表示終了地点)までの移動軌跡が同一のキャラクタは存在しないようになっていてもよい。また、前述の比較される2つのキャラクタの移動軌跡に係る各関係について、一方のキャラクタの特定の点が描く軌跡の全体が、他方のキャラクタの特定の点が描く軌跡に重なる場合がないようにしてもよい。
【0123】
画面の左右方向をX軸、上下方向をY軸と考えた場合に、群演出では複数のキャラクタが、X軸方向(所定方向)へ移動する。また、群演出では、
図7に示すように、所定のY軸上(所定方向に直交する仮想直線上)に複数のキャラクタが存在する場合がある。本実施形態では、Y軸は、画面の左右方向における中心を通るもの、すなわち液晶ディスプレイ32の画面の中心を通るものとして説明する。ただし、Y軸は、例えば、画面の左端(群の進行方向における先端)または右端(群の進行方向における後端)を通るものとしてもよい。また、Y軸は、遊技機を正面視した場合において第1始動口46(第1始動口46の直上)を通るものとしてもよい。また、Y軸は、Y軸上に存在するキャラクタの数が最も多くなるようにとることとしてもよい。また、Y軸は、群の上下方向寸法(Y軸方向における寸法)が最大となる位置にとることとしてもよい。
なお、以下では、画面の中心を通るようにY軸をとった場合におけるキャラクタ同士の関係について説明するが、上述した複数種類のY軸について(例えば画面の中心を通るようにY軸をとった場合と、画面の左端を通るようにY軸をとった場合と、画面の右端を通るようにY軸をとった場合との全てについて)、以下の関係が成り立つこととしてもよい。
【0124】
群演出においては、群に含まれる複数(2体以上)のキャラクタA1が、Y軸上に位置している期間が存在する。一方、複数(2体以上)のキャラクタA1がY軸に同時に到達することはないようにされている。
なお、キャラクタA1に限らず、群に含まれる他の種類のキャラクタについても当該関係が成立することとしてもよい。具体的には、例えば、いずれの種類についても(複数の種類について)、同一種類のキャラクタがY軸に同時に到達することがないようにされていてもよい。
【0125】
また、群演出においては、複数(2体以上)のキャラクタA1と、複数(2体以上)のキャラクタB1とが、Y軸上に位置している期間が存在する。ここで、当該期間においてY軸上に位置する2体のキャラクタA1を、Y軸への到達が速い方から順にキャラクタA1f、キャラクタA1gとし、当該期間においてY軸上に位置する2体のキャラクタB1を、Y軸への到達が速い方から順にキャラクタB1f、キャラクタB1gとする。そして、キャラクタA1fがY軸に到達してからキャラクタA1gがY軸に到達するまでの時間を第1時間とし、キャラクタB1fがY軸に到達してからキャラクタB1gがY軸に到達するまでの時間を第2時間とすると、第1時間は第2時間よりも短くなっている。換言すると、X軸方向におけるキャラクタA1fとキャラクタA1gとの間の距離は、X軸方向におけるキャラクタB1fとキャラクタB1gとの間の距離よりも短くなっている。また、キャラクタB1gがY軸に到達した時点において(キャラクタB1fがY軸に到達してから第2時間が経過した時点において)、キャラクタB1fは、X軸方向における先端から後端までの長さの1/2以上(少なくとも1/3以上)の範囲が、Y軸を越えている。換言すると、X軸方向におけるキャラクタB1fとキャラクタB1gとの間の距離は、キャラクタB1のX軸方向における長さの1/2以上(少なくとも1/3以上)となっている。
【0126】
なお、群演出には、特定種類のキャラクタが登場する場合と登場しない場合とが存在してもよい。また、特定種類のキャラクタが登場する場合の方が登場しない場合に比べ、遊技者にとっての有利度合い(特典の付与に関する期待度等)が高くなっていてもよい。そして、所定の期間においてY軸上に複数存在しているキャラクタであってY軸に複数が同時に到達することはないキャラクタ(キャラクタA1)や、キャラクタA1f,A1gあるいはキャラクタB1f,B1gは、特定種類のキャラクタであってもよい。
【0127】
本実施形態においては、サブメモリ302の描画素材記憶領域に、群演出用の描画素材としての1つの動画が用意されている。そして、演出制御手段300が、複数のレイヤのうちの1つのレイヤにおいて、当該動画を再生(描画)することにより、液晶ディスプレイ32を用いた群演出が実行される。なお、群演出は、複数の描画素材を複数のレイヤに描画していくことにより実現されてもよい。
【0128】
本実施形態の遊技機は、表示手段32と、表示手段32において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記群には、前記群の先頭のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタが存在しない。
【0129】
また、本実施形態の遊技機は、表示手段32と、前記表示手段32において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記複数のキャラクタには、第1キャラクタと、第2キャラクタと、を含む複数種類のキャラクタが存在し、前記群の先頭のキャラクタは、前記第1キャラクタであり、前記群には、前記第2キャラクタの中で先頭のキャラクタと、始点から終点までの移動軌跡が同一の前記第2キャラクタが存在しない。
【0130】
また、本実施形態の遊技機は、表示手段32と、前記表示手段32において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記群には、前記群の最後尾のキャラクタと同一種類のキャラクタであって、始点から終点までの移動軌跡が同一のキャラクタが存在しない。
【0131】
群演出においては、先頭のキャラクタや最後尾のキャラクタは特に注目度が高い。本実施形態の遊技機によれば、注目度の高いキャラクタと移動軌跡が同一の同一種類のキャラクタが存在しないので、単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。
【0132】
また、本実施形態の遊技機は、表示手段32と、前記表示手段32において複数のキャラクタからなる群が所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記複数のキャラクタには、第2キャラクタと、第3キャラクタと、を含む複数種類のキャラクタが存在し、前記群演出では、前記第2キャラクタの前面側に前記第3キャラクタが重なった表示がされ、前記第2キャラクタの前面側に重なる前記第3キャラクタは、当該第3キャラクタと重なる前記第2キャラクタよりも移動速度が速い。
【0133】
このような構成によれば、重なり合う2つのキャラクタの種類および移動速度が異なることにより単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。また、前面側のキャラクタの方が移動速度が速いことにより、群演出の迫力を向上させることができる。
【0134】
また、本実施形態の遊技機は、表示手段32と、前記表示手段32において複数のキャラクタが所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記複数のキャラクタには、複数の第1キャラクタが含まれ、前記所定方向に直交する仮想直線であって、前記表示手段の表示領域の中心を通る仮想直線を第1直線とすると、前記群演出では、前記第1直線上に複数の第1キャラクタが位置している期間が存在するが、前記第1直線に複数の第1キャラクタが同時に到達することはない。
このような構成によれば、所定の仮想直線上にいる同一種類のキャラクタであっても、移動方向における位置の差をつけることができ、単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。
【0135】
また、本実施形態の遊技機は、表示手段32と、前記表示手段32において複数のキャラクタが所定方向に移動する表示がされる群演出の実行を制御する演出制御手段300と、を備え、前記複数のキャラクタには、複数の第1キャラクタと、複数の第2キャラクタと、が含まれ、前記所定方向に直交する仮想直線であって、前記表示手段の表示領域の中心を通る仮想直線を第1直線とすると、前記群演出では、前記第1直線上に複数の第1キャラクタと複数の第2キャラクタとが位置している期間が存在し、前記期間において前記第1直線上に位置する2つの第1キャラクタのうち、一方の第1キャラクタが前記第1直線に到達してから他方の第1キャラクタが前記第1直線に到達するまでの時間を第1時間とし、前記期間において前記第1直線上に位置する2つの第2キャラクタのうち、一方の第2キャラクタが前記第1直線に到達してから他方の第2キャラクタが前記第1直線に到達するまでの時間を第2時間とすると、前記第1時間は前記第2時間よりも短く、前記他方の第2キャラクタが前記第1直線に到達した時点において、前記一方の第2キャラクタは、前記所定方向における先端から後端までの長さの1/3以上の範囲が前記第1直線を越えている。
このような構成によれば、キャラクタの密集感を出しつつも、キャラクタのランダムな配置感を出すことができ、遊技者の目をひく群演出であって単調な雰囲気の払拭された群演出が可能となる。
【0136】
(スロットマシンへの適用)
上記実施形態では、遊技価値として遊技球を用いるパチンコ遊技機に本発明を適用する例について説明したが、遊技価値としてメダルあるいは電子的情報を用いて賭数を設定し、スタートレバーに対する遊技開始操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンに対する停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンに適用してもよい。
【0137】
例えば、スロットマシンに上記実施形態に係る構成を適用する場合は、群演出を、遊技開始操作や所定の停止操作等の所定の操作を契機として行われるものとしてもよい。また、群演出は、遊技開始操作を契機として実行される所定の抽選で所定の結果が得られた場合(例えば、役の当否を決定する内部抽選で所定の役に当選した場合等)に実行され得ることとしてもよい。また、スロットマシンは、特定の役に当選した場合に、この特定役の入賞を可能とする停止操作の態様(操作順序や操作タイミングなど)を、表示手段32でのナビ画像の表示やスピーカ14からの所定の演出音の出力により報知(示唆)するナビ演出(指示演出、入賞補助演出)を行い特定役の入賞を補助するもの、すなわち、いわゆるAT(アシストタイム)を設けたスロットマシンとしてもよい。そして、群演出においては、ナビ演出に関する所定の期待度(例えば、ナビ演出の実行が可能であって遊技者に有利な所定の状態(AT演出状態)への移行の期待度や、ナビ演出の実行回数の増加に係る期待度等)が示唆されてもよい。また、群演出は、ボーナスの当選に係る期待度を示唆するもの等であってもよい。
【0138】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0139】
図9に示すように、本実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)は、外レール27と内レール28とを有する。また、外レール27と内レール28との間には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に案内する案内通路(案内領域)29が形成されている。また、
図8、
図9に示すように、案内通路29の上端部には、遊技領域4から案内通路29(発射装置側)に遊技球が戻ることを防止する球戻り防止機構50が設けられている。具体的には、球戻り防止機構50は、内レール28の上端部に設けられている。換言すると、球戻り防止機構50は、案内通路29と遊技領域4との境界部分としての境界領域700に設けられている。
【0140】
球戻り防止機構50は、本体ケース52と、カバー53と、球戻り防止部材54と、支軸56と、を有する。
【0141】
本体ケース52は、背面側が遊技盤6に接し前面側に球戻り防止部材54が載置される底面部52aと、球戻り防止部材54の遊技領域側4の部分を覆う壁部52bと、球戻り防止部材54の遊技領域4側への回動を規制するストッパ壁52cと、を有する。本実施形態では、壁部52bとストッパ壁52とは一体的に形成されており、壁部52bの上側部分(上端部)がストッパ壁52cとなっているともいえる。また、本実施形態では、本体ケース52は、内レール28と一体的に形成されているが、内レール28の上端とストッパ壁52cとの間には、隙間が形成されている。そして、本体ケース52は、底面部52aと壁部52bとに囲われた空間であって、球戻り防止部材54の一部(後述する錘部54c)が収容可能な空間としての切欠部Sを有している。また、切欠部Sの上面側、換言すると壁部52bの上端(ストッパ壁52c)と内レール28の上端との間の隙間(切欠部Sの上面開口)から、球戻り防止部材54の一部(後述する開閉弁54b)が突出するようになっている。
【0142】
底面部52aには、支軸56の一端部を挿入(支持)可能な第1軸受部52dと、後述する球戻り防止部材54の係合ピンが挿入可能なガイド溝52eと、が形成されている。また、底面部52aには、ネジ穴52fを有し前方に突出するボスと、カバー53の位置決めを可能とする位置決めピン52gと、が設けられている。
【0143】
カバー53は、略板状となっている。また、カバー53は、ネジ55を挿通可能なネジ挿通孔53aと、本体ケース52の位置決めピン52gを挿入可能なピン挿入孔53bと、支軸56の他端部を挿入(支持)可能な第2軸受部53cと、を有する。そして、本体ケース52の位置決めピン52gがピン挿入孔53bに挿入され、ネジ挿通孔53aに挿通されたねじが本体ケース52のネジ穴52fにねじ込まれることで、カバー53が本体ケース52に取り付けられるようになっている。また、カバー53は、本体ケース52に取り付けられた状態において、切欠部Sの前面側を覆うようになっている。
【0144】
球戻り防止部材54は、軸孔54aと、開閉弁54bと、錘部54cと、を有する。開閉弁54bおよび錘部54cは、軸孔54aを境にくの字状に屈曲するように形成されている。軸孔54aには支軸56が挿通されており、この支軸56の一端部が底面部52aの第1軸受部52dに係止され、他端部がカバー53の第2軸受部53cに係止されている。これにより、球戻り防止部材54は、本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持される。
【0145】
開閉弁54bは略矩形板状に形成されており、その長手方向(鉛直方向)の長さは、遊技領域4から境界領域700に戻ってきた遊技球が衝突するのに十分な長さとなっている。開閉弁54bは、案内通路29と対向する第1側面部540bと、第1側面部540bと反対側であって遊技領域4(左打ち領域4a)と対向する第2側面部541bと、を有する(
図9参照)。第1側面部540bは、発射装置から発射され、案内通路29を通過した遊技球と衝突する部分である。第2側面部541bは、遊技領域4から案内通路29に戻ろうとする遊技球と衝突する部分である。
【0146】
開閉弁54bの先端部は先細に形成されている。具体的には、第1側面部540bの鉛直方向の長さは、第2側面部541bの鉛直方向の長さよりも長くなっており、第1側面部540bの先端部から第2側面部541bの先端部に向かって下方傾斜している。また、第2側面部541bの中央部には、遊技領域4に向かって突出する突出部541cが形成されている。
【0147】
錘部54cは開閉弁54bよりも肉厚であって重量が大きい。錘部54cの背面側には、係合ピンが突設されており、この係合ピンが底面部52aのガイド溝52eに挿入されている。球戻り防止部材54は、上述したように本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持されており、開状態と閉状態との間で変位可能となっている。常態では、球戻り防止部材54は、錘部54cの自重によって支軸56を中心にして一方向(反時計回り)に回動するように付勢されており、係合ピンがガイド溝52eの一端部に当接している。これにより、球戻り防止部材54は、それ以上回動できず、閉状態を維持している。一方で、球戻り防止部材54は、発射装置から発射された遊技球と接触することで、その接触力により支軸56を中心にして他方向(時計回り)に回動して、上述したストッパ壁52cに当接することで開状態となる。なお、球戻り防止部材54は、ストッパ壁52cによって遊技領域4側への回動が規制されるものでなくてもよい。すなわち、ストッパ壁52cは、開状態における球戻り防止部材54と接するものであればよく、ここで接するとは、当接または近接する場合を意味する。
【0148】
次に、
図9および
図10を参照して、球戻り防止部材54が、閉状態(第1状態)にあるときの球戻り防止機構50と、開状態(第2状態)にあるときの球戻り防止機構50について説明する。
図9は球戻り防止部材54が閉状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図、
図10は球戻り防止部材54が開状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図である。
【0149】
図9に示すように、球戻り防止部材54が閉状態(第1状態)にあるとき、開閉弁54bが切欠部Sの上面開口から境界領域700の出口に向かって略垂直な姿勢で突出している。この状態においては、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも短く、かつ、最短となっている。なお、この距離は、球戻り防止部材54の開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外レール27までの最短の距離を意味する。そのため、一旦遊技領域4に進入した遊技球Bが、遊技領域4に配設された遊技釘36等に衝突して境界領域700に向かって跳ね戻されても、球戻り防止部材54に衝突することになる。また、球戻り防止部材54は、遊技球Bに衝突されても閉状態を維持するため、反時計回りに回動することもない。よって、球戻り防止部材54は、閉状態にあるとき、遊技領域4に進入した遊技球Bが案内通路29に戻ることを防止する。
【0150】
図9に示した状態で発射装置から遊技領域4に向かって発射された遊技球Bが案内通路29を上昇し、境界領域700に侵入して開閉弁54bに接触すると、その接触力で球戻り防止部材54は閉状態から開状態に変位可能となる。そして、
図10に示すように、球戻り防止部材54は、境界領域700の出口を開放する方向へ回動していき、ストッパ壁52cに衝突すると、それ以上の回動が規制されて開状態(第2状態)となる。この状態においては、開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも長く、かつ、最長となっている。よって、球戻り防止部材54は、開状態にあるとき、発射装置により発射された遊技球が境界領域700から遊技領域4に進入することを許容する。なお、球戻り防止部材54は、開状態に変位した後、錘部54cの付勢力を受けて逆方向(反時計周り)へ瞬時に回動して再び
図9に示した閉状態に変位する。
【0151】
上述したように、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域4に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止するように構成されているが、本実施形態では、さらに、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)でも遊技球の案内通路(案内領域)29への戻りを防止できるようになっている。
【0152】
図11は、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中の状態において、遊技領域4(左打ち領域4a)に進入した遊技球が境界領域700に戻ろうとしている様子を示す図、
図12および
図13は
図11に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
【0153】
図11では、発射装置から遊技領域4に向けて発射された一の遊技球B1が、案内通路29から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54(開閉弁54b)、外レール27および他の遊技球B2に接している。
図12では、一の遊技球B1と開閉弁54bの第1側面部540bとの接点を符号P1、外レール27との接点を符号P2、他の遊技球B2との接点を符号P3で示している。
【0154】
また、他の遊技球B2は、遊技領域4から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54の先端部、外レール27および一の遊技球B1に接している。
図12では、他の遊技球B2と開閉弁54bの先端部との接点を符号P4、外レール27との接点を符号P5、他の遊技球B2の最下点を符号P6で示している。
【0155】
図12に示す状態では、球戻り防止部材54の先端部から外レール27までの距離(特定距離)は、閉状態(
図9参照)のときよりも長く開状態(
図10参照)のときよりも短くなっている。換言すれば、閉状態と開状態との間の距離になっている。しかも、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも短い。換言すれば、他の遊技球B2と球戻り防止部材54の先端部との接点P4から外レール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも短い。つまり、球戻り防止部材54の先端部から外レール27に下した垂線L1の長さH1は、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27に下した垂線L2の長さH2よりも短くなっている。
【0156】
また、
図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、他の遊技球B2と球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部との接点P4から他の遊技球B2と一の遊技球B1との接点P3までの距離H3が、他の遊技球の最下点P6から接点P3までの距離H4よりも短い。つまり、接点P4と接点P3とを結ぶ線分L3の長さは、最下点P6と接点P3とを結ぶ線分L4の長さよりも短くなっている。
【0157】
また、
図12および
図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、球戻り防止部材54は、その先端部が他の遊技球B2の最下点P6に至るほど回動していない。具体的には、球戻り防止部材54の先端部は、鉛直方向において遊技球B2の最下点P6よりも高い位置にあり、水平方向において遊技球B2の最下点P6よりも左側(案内通路29側)に位置している。つまり、球戻り防止部材54の先端部は、最下点P6に対して左上に位置している。
【0158】
上記のような遊技球B1と遊技球B2との衝突後に、遊技球B2が、案内通路29に戻ろうとしても、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部に遊技領域4側から接触することになる。そのため、球戻り防止部材54は、遊技領域4側から案内通路29側に向かう接触力を付与されて反時計回りに回動する可能性が高くなる。したがって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を塞いでいき、遊技球B2が案内通路29に戻ることは困難となる。その結果、
図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時でも、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できる。つまり、遊技球が2球連続して案内通路29に戻ることを抑制できる。
【0159】
なお、
図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時において、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外レール27までの距離(特定距離)H1が、他の遊技球B2の最下点P6から外レール27までの距離H2よりも長くなっていると、その衝突後に遊技球B2が、球戻り防止部材54の先端部と外レール27との間に入り込むことが可能になる。そうすると、遊技球B2は、球戻り防止部材54の先端部にその上方から接触することが可能になるため、球戻り防止部材54は時計回りに回動する可能性が高くなる。よって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を開いていき、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できない。
【0160】
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、従来のパチンコ遊技機に比べて、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止について十分な改善が行われているが、以下に示すように、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止することで更なる戻り防止の改善を図っている。そこで、
図14を参照して、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かり防止について説明する。
図14は、遊技領域4から境界領域700に戻ってきた遊技球Bが球戻り防止部材54と衝突している状態を示す図である。
【0161】
図14に示すように、遊技球Bが、遊技領域4から境界領域700に戻ってきて球戻り防止部材54の開閉弁54bおよび本体ケース52と接している。具体的には、遊技球Bは、閉状態にある開閉弁54bの突出部541cと接し、かつ、本体ケース52の上端部(ストッパ壁52c)と接している。
図14では、遊技球Bと、開閉弁54bの突出部541cとの接点を符号P7、本体ケース52の上端部との接点をP8で示し、遊技球Bの最左点をP9で示している。
【0162】
このような状態において、遊技球Bと開閉弁54bの突出部541cとの接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置している。また、遊技球Bと本体ケース52の上端部との接点P8は、水平方向において遊技球Bの最下点P6よりも左側に位置しており、鉛直方向において遊技球Bの最下点P6よりも上方に位置している。つまり、接点P8は、最下点P6に対して左上に位置している。そして、接点P7から接点P8までの距離(第1距離)H5は、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離(第2距離)H6よりも短くなっている。そのため、遊技球Bは、本体ケース52における境界領域700と対向する上面側の開口(
図8参照)と、開閉弁54bの第2側面部541bにおける突出部541cよりも基端部側の部分と、の間の隙間領域SPに入り込めないようになっている。しかも、
図14の点線矢印で示すように、遊技球Bは、球戻り防止部材54との衝突時に、開閉弁54bの突出部541cから右方に力を付与され、本体ケース52の上端部から右斜め上方に力を付与されることで、遊技領域4に跳ね返る。そのため、遊技球Bが隙間領域SP内に入り込むことで球戻り防止機構50の開閉弁54bと本体ケース52との間に引っ掛かかることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
【0163】
このように構成された本実施形態に係るパチンコ遊技機によれば、以下の効果を奏することができる。
【0164】
球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域4に進入した遊技球が戻ることを防止するだけでなく、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中でも、遊技領域4に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを抑制できる。したがって、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止を向上させることができる。
【0165】
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、外レール27と内レール28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域4に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域4から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bと、開閉弁54bを保持可能な本体ケース(保持部材)52と、を有し、開閉弁54bは、遊技領域4と対向する第2側面部(側面部)541bと、第2側面部541bの先端側の先端部と、を有し、先端部から外レール27までの距離を特定距離とすると、閉状態は、特定距離が開状態よりも短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態よりも長い状態であり、本体ケース52は、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと当接するストッパ壁(接する接部)52cを有し、閉状態において遊技球が本体ケース(保持部材)52(具体的には、本体ケース52のストッパ壁52c)と第2側面部541b(の突出部541c)に接しているときの、遊技球と本体ケース52(ストッパ壁52c)の接点P8から遊技球と第2側面部541b(の突出部541c)の接点P7までの距離を第1距離H5とし、遊技球の最下点P6から最左点P9までの距離を第2距離H6とすると、第1距離H5は、第2距離H6よりも短いことを特徴とする。したがって、遊技領域4に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
【0166】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機やスロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。
【0167】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0168】
32 液晶ディスプレイ(表示手段)
300 演出制御手段