(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて、送信時間を決定するための方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240805BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240805BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W72/232
H04W72/0453
(21)【出願番号】P 2021505636
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 KR2019009558
(87)【国際公開番号】W WO2020027581
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0089512
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】スンジン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンソク・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンヒョン・バン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンホ・ヨ
(72)【発明者】
【氏名】ジンヨン・オ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0212717(US,A1)
【文献】Ericsson,On remaining issues of scheduling and HARQ management,3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1805189,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1805189.zip>,2018年04月07日
【文献】3GPP; TSG-RAN; NR; Physical layer procedures for Data(Release 15),3GPP TS 38.214 V15.2.0(2018-06),2018年06月29日
【文献】Qualcomm Incorporated,Summary of Maintenance for DL/UL Scheduling,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807681,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807681.zip>,2018年05月24日
【文献】NEC,SPS Activation and Deactivations in NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1801697,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1801697.zip>,2018年02月16日
【文献】Ericsson,Maintenance issues of DL/UL data scheduling and HARQ procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809407,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809407.zip>,2018年08月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて、UE(user equipment)がHARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を伝送するための方法において、
基地局からDL SPS(downlink semi-persistent scheduling)非活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を受信する段階と、
前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報
が多重化されたPUSCH(physical uplink shared channel)を含む上向きリンクチャネルを、前記基地局に伝送する段階と、を含み、
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(T
proc,3)以後に伝送され、
前記プロセッシング時間(T
proc,3
)は、T
proc,3
=(N
3
+1)・(2048+144)・κ・2
-μ
・T
c
に基づいて計算され、
前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
PDCCH
)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
UL
)のうち小さい値に対応し、
前記N
3
は、前記μに基づいて決定され、
前記T
c
は、T
c
=1/(△f
max
・N
f
)に基づいて計算され、△f
max
=480・10
3
Hz及びN
f
=4096であり、
前記κは、κ=T
s
/T
c
=64であり、T
s
=1/(△f
ref
・N
f,ref
)、△f
ref
=15・10
3
Hz及びN
f,ref
=2048である、方法。
【請求項2】
前記μが
0であるならば、前記N
3は、10であり、
前記μが
1であるならば、前記N
3は、12であり、
前記μが
2であるならば、前記N
3は、22であり、
前記μが
3であるならば、前記N
3は、25である、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが受信された時点から、前記プロセッシング時間以後、CP(cyclic prefix)が始まる最初シンボルより先に伝送されない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記PDCCHは、前記DL SPS解除のための情報を含むDCI(downlink control information)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記HARQ-ACK情報は、前記DL SPS解除のための情報を含む前記PDCCHに係わるACK(acknowledgement)情報またはNACK(negative acknowledgement)情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信システムにおいて、HARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を伝送するUE(user equipment)において、
送受信部と、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
基地局からDL SPS(downlink semi-persistent scheduling)非活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を受信するように前記送受信部を制御し、
前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報
が多重化されたPUSCH(physical uplink shared channel)を含む上向きリンクチャネルを、前記基地局に伝送するように前記送受信部を制御し、
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(T
proc,3)以後に伝送され、
前記プロセッシング時間(T
proc,3
)は、T
proc,3
=(N
3
+1)・(2048+144)・κ・2
-μ
・T
c
に基づいて計算され、
前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
PDCCH
)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
UL
)のうち小さい値に対応し、
前記N
3
は、前記μに基づいて決定され、
前記T
c
は、T
c
=1/(△f
max
・N
f
)に基づいて計算され、△f
max
=480・10
3
Hz及びN
f
=4096であり、
前記κは、κ=T
s
/T
c
=64であり、T
s
=1/(△f
ref
・N
f,ref
)、△f
ref
=15・10
3
Hz及びN
f,ref
=2048である、UE(user equipment)。
【請求項7】
無線通信システムにおいて、基地局がHARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を受信するための方法において、
UE(user equipment)にDL SPS(downlink semi-persistent scheduling)不活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を伝送する段階と、
前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点からプロセッシング時間(T
proc,3
)以後に伝送される上向きリンクチャネルをスケジューリングする段階と、
前記DL SPS不活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報
が多重化されたPUSCH(physical uplink shared channel)を含む
前記上向きリンクチャネルを前記UEから受信する段階と、を含み、
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から少なくとも
前記プロセッシング時間(T
proc,3)以後に受信され、
前記プロセッシング時間(T
proc,3
)は、T
proc,3
=(N
3
+1)・(2048+144)・κ・2
-μ
・T
c
に基づいて計算され、
前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
PDCCH
)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
UL
)のうち小さい値に対応し、
前記N
3
は、前記μに基づいて決定され、
前記T
c
は、T
c
=1/(△f
max
・N
f
)に基づいて計算され、△f
max
=480・10
3
Hz及びN
f
=4096であり、
前記κは、κ=T
s
/T
c
=64であり、T
s
=1/(△f
ref
・N
f,ref
)、△f
ref
=15・10
3
Hz及びN
f,ref
=2048である、方法。
【請求項8】
前記μが
0であるならば、前記N
3は、10であり、
前記μが
1であるならば、前記N
3は、12であり、
前記μが
2であるならば、前記N
3は、22であり、
前記μが
3であるならば、前記N
3は、25である、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、前記プロセッシング時間以後、CP(cyclic prefix)が始まる最初シンボルより先に受信されない、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記PDCCHは、前記DL SPS解除のための情報を含むDCI(downlink control information)を含み、
前記HARQ-ACK情報は、前記DL SPS解除のための情報を含む前記PDCCHに係わるACK(acknowledgement)情報またはNACK(negative acknowledgement)情報を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
無線通信システムにおいて、HARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を受信する基地局において、
送受信部と、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
UE(user equipment)にDL SPS(downlink semi-persistent scheduling)不活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を伝送するように、前記送受信部を制御し、
前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点からプロセッシング時間(T
proc,3
)以後に伝送される上向きリンクチャネルをスケジューリングし、
前記DL SPS不活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報
が多重化されたPUSCH(physical uplink shared channel)を含む
前記上向きリンクチャネルを、前記UEから受信するように、前記送受信部を制御し、
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から少なくとも
前記プロセッシング時間(T
proc,3)以後に受信され、
前記プロセッシング時間(T
proc,3
)は、T
proc,3
=(N
3
+1)・(2048+144)・κ・2
-μ
・T
c
に基づいて計算され、
前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
PDCCH
)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングパラメータ(μ
UL
)のうち小さい値に対応し、
前記N
3
は、前記μに基づいて決定され、
前記T
c
は、T
c
=1/(△f
max
・N
f
)に基づいて計算され、△f
max
=480・10
3
Hz及びN
f
=4096であり、
前記κは、κ=T
s
/T
c
=64であり、T
s
=1/(△f
ref
・N
f,ref
)、△f
ref
=15・10
3
Hz及びN
f,ref
=2048である、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに係り、信号の送信時間を決定する方法及びその装置に関する。さらに具体的には、端末が、基地局から伝送された下向きリンク信号と係わる上向きリンク信号伝送を行うとき、送信時間を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4G(4th-generation)通信システム商用化以後、増加趨勢にある無線データトラフィック需要を充足するために、改善された5G通信システムまたはpre-5G(5th-generation)通信システムを開発するための努力がなされている。そのような理由で、5G通信システムまたはpre-5G通信システムは、4Gネットワーク以後(beyond 4G network)通信システムまたはLTEシステム以後(post LTE(long term evolution))以後のシステムと呼ばれている。3GPP(3rd Generation Partnership Project)で定めた5G通信システムは、NR(new radio)システムと呼ばれている。高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは、超高周波(mmWave)帯域(例えば、60ギガ(60GHz)帯域)での具現が考慮されている。超高周波帯域での電波の経路損失緩和、及び電波の伝達距離を延長させるために、5G通信システムにおいては、ビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(massive MIMO(multiple-input multiple-output))、全次元多重入出力(FD(full dimension)-MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)、アナログビームフォーミング及び大規模アンテナ(large scale antenna)の技術が論議され、NRシステムに適用された。また、システムのネットワーク改善のために、5G通信システムにおいては、進化された小型セル、改善された小型セル(advanced small cell)、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN(radio access network)、超高密度ネットワーク(ultra-dense network)、機器間通信(D2D:device to device communication)、無線バックホール(wireless backhaul)、移動ネットワーク(moving network)、協力通信(cooperative communication)、CoMP(coordinated multi-points)及び受信干渉除去(interference cancellation)のような技術開発がなされている。それ以外にも、5Gシステムにおいては、進歩されたコーディング変調(ACM:advanced coding modulation)方式であるFQAM(hybrid FSK(frequency-shift keying) and QAM(quadrature amplitude modulation) modulation)及びSWSC(sliding window superposition coding)、並びに進歩された接続技術であるFBMC(filter bank multi carrier)、NOMA(non-orthogonal multiple access)及びSCMA(sparse code multiple access)などが開発されている。
【0003】
一方、インターネットは、人間が情報を生成して消費する人間中心の連結網において、事物のような分散された構成要素間において情報をやり取りして処理する事物インターネット(IoT:Internet of Things)網で進化している。クラウドサーバなどとの連結を介するビックデータ(Big Data)処理技術などがIoT技術に結合されたIoE(Internet of Everything)技術も出てきている。IoTを具現するために、センシング技術、有無線通信及びネットワークインフラ、サービスインターフェース技術、並びに保安技術のような技術要素が要求され、最近では、事物間連結のためのセンサネットワーク(sensor network)、事物通信(M2M:machine to machine)、MTC(machine type communication)のような技術が研究されている。IoT環境においては、連結された事物で生成されたデータを収集して分析し、人間の生活に新たな価値を新たに創出する知能型IT(internet technology)サービスが提供されうる。IoTは、既存のIT(information technology)技術と多様な産業との融合及び複合を介し、スマートホーム、スマートビルディング、スマートシティ、スマートカーまたはコネクティッドカー、スマートグリッド、ヘルスケア、スマート家電、先端医療サービスなどの分野にも応用される。
【0004】
そのために、5G通信システムをIoT網に適用するための多様な試みがなされている。例えば、センサネットワーク(sensor network)、事物通信(M2M)、MTCのような5G通信が、ビームフォーミング、MIMO及びアレイアンテナなどの技法によって具現されているのである。前述のビックデータ処理技術として、クラウド無線アクセスネットワーク(cloud RAN)が適用されることも、5G技術とIoT技術との融合一例と言えるであろう。
【0005】
前述のところと、移動通信システムの発展とにより、多様なサービスを提供することができることになることにより、そのようなサービスを効果的に提供するための方案が要求されている。
【0006】
前述の情報は、本開示理解の一助とするための背景情報としてのみ提示された。本開示と係わり、前述のいずれか一つでも先行技術として適用されうるということについて、いかなる決定もなされておらず、またいかなる主張も提起されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によるUE(user equipment)がHARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を伝送するための方法は、基地局からDL SPS(downlink semi-persistent scheduling)非活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を受信する段階、及び前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報を含む上向きリンクチャネルを前記基地局に伝送する段階を含み、前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(Tproc,3)以後に伝送され、前記プロセッシング時間は、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング(SCS:subcarrier spacing)値、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値のうち小さい値に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおける無線資源領域である時間・周波数資源領域の伝送構造を図示した図面である。
【
図2】一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおいて、eMBB(enhanced mobile broadband)用、URLLC(ultra-reliable and low-latency communications)用、mMTC用のデータを周波数・時間資源領域において割り当てる方法について説明するための図面である。
【
図3】一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおいて、端末が第1信号を受信し、それに対する応答として、第2信号を端末が送信するとき、タイミングアドバンスによる端末のプロセッシング時間について説明するための図面である。
【
図4】一部実施形態による、5GシステムまたはNRシステムにおいて、端末が第1信号を受信し、第1信号に対する応答として、第2信号を端末が送信するとき、多数HARQ(hybrid automatic request)発生による端末のプロセッシングについて説明するための図面である。
【
図5】一部実施形態による、DL SPS動作またはUL grant type 2動作について説明するための図面である。
【
図6】一部実施形態による、端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
【
図7】一部実施形態による、端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
【
図8】一部実施形態による、端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局にPUCCHとPUSCHで同時に送信可能である場合、第2信号送信を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
【
図9】一部実施形態による、端末の構造を図示するブロック図である。
【
図10】一部実施形態による、基地局の構造を図示するブロック図である。図面全体にわたり、同一であるか、あるいは類似した要素、特徴及び構造を示すために、類似した参照番号が使用されたことに留意しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態の前述及び他の側面、特徴及び利点は、添付の図面と共に、次のような説明によってさらに明確になるであろう。
【0010】
開示された側面は、少なくとも前述の問題及び/または短所を取り扱い、少なくとも以下で説明された長所を提供するためのものである。それにより、本開示の一側面は、移動通信システムにおいて、サービスを効果的に提供することができる装置及びその方法を提供する。
追加的な側面は、以下の説明である程度説明され、該説明により、ある程度明確になり、または本開示の実施形態によって知ることができるであろう。
【0011】
本開示の一側面による無線通信システムにおいて、UE(user equipment)がHARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)情報を伝送するための方法は、基地局から、DL SPS(downlink semi-persistent scheduling)非活性化(release)のための情報を含むPDCCH(physical downlink control channel)を受信する段階、及び前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報を含む上向きリンクチャネルを、前記基地局に伝送する段階を含み、前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(Tproc,3)以後に伝送され、前記プロセッシング時間は、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング(SCS:subcarrier spacing)値、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値のうち小さい値に基づいても決定される。
【0012】
前記上向きリンクチャネルは、前記HARQ-ACK情報が多重化(multiplexing)されたPUSCH(physical uplink shared channel)でもある。
【0013】
前記プロセッシング時間(Tproc,3)は、Tproc,3=(N3+d3)・(2048+144)・κ・2-μ・Tcに基づいて計算され、前記d3は、1であり、前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値(μUL)のうち小さい値であり、前記N3は、前記μに基づいて決定され、前記Tcは、Tc=1/(△fmax・Nf)に基づいて計算され、△fmax=480・103Hz及びNf=4096であり、前記κは、κ=Ts/Tc=64であり、Ts=1/(△fref・Nf,ref)、△fref=15・103Hz及びNf,ref=2048でもある。
【0014】
前記μが15kHzであるならば、前記N3は、10であり、前記μが30kHzであるならば、前記N3は、12であり、前記μが60kHzであるならば、前記N3は、22であり、前記μが120kHzであるならば、前記N3は、25でもある。
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、前記所定のプロセッシング時間以後、CP(cyclic prefix)が始まる最初シンボルより先に伝送されないのである。
前記PDCCHは、前記DL SPS解除のための情報を含むDCIを含んでもよい。
前記HARQ-ACK情報は、前記DL SPS解除のための情報を含む前記PDCCHに係わるACK(acknowledgement)情報またはNACK(negative acknowledgement)情報を含んでもよい。
【0015】
本開示の他の側面によるUEが提供される。前記UEは、送受信部と、前記送受信部と連結された少なくとも1つのプロセッサと、を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、基地局からDL SPS非活性化のための情報を含むPDCCHを受信し、前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報を含む上向きリンクチャネルを、前記基地局に伝送し、前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(Tproc,3)以後に伝送され、前記プロセッシング時間は、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング(SCS)値、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値のうち小さい値に基づいても決定される。
前記上向きリンクチャネルは、前記HARQ-ACK情報が多重化されたPUSCHでもある。
【0016】
前記プロセッシング時間(Tproc,3)は、Tproc,3=(N3+d3)・(2048+144)・κ・2-μ・Tcに基づいて計算され、前記d3は、1であり、前記μは、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値(μUL)のうち小さい値であり、前記N3は、前記μに基づいて決定され、前記Tcは、Tc=1/(△fmax・Nf)に基づいて計算され、△fmax=480・103Hz及びNf=4096であり、前記κは、κ=Ts/Tc=64であり、Ts=1/(△fref・Nf,ref)、△fref=15・103Hz及びNf,ref=2048でもある。
【0017】
前記μが15kHzであるならば、前記N3は、10であり、前記μが30kHzであるならば、前記N3は、12であり、前記μが60kHzであるならば、前記N3は、22であり、前記μが120kHzであるならば、前記N3は、25でもある。
【0018】
前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、前記所定のプロセッシング時間以後、CPが始まる最初シンボルより先に伝送されないのである。
【0019】
前記PDCCHは、前記DL SPS解除のための情報を含むDCIを含んでもよい。
前記HARQ-ACK情報は、前記DL SPS解除のための情報を含む前記PDCCHに係わるACK情報またはNACK情報を含んでもよい。
【0020】
本開示の他の側面による、非一時的コンピュータ記録媒体が提供される。非一時的コンピュータプログラムは、プログラムコードを含み、前記プログラムコードは、プロセッサによって実行されれば、前記プロセッサにして、基地局からDL SPS非活性化のための情報を含むPDCCHを受信し、前記DL SPS非活性化のための情報を含む前記PDCCHに係わるHARQ-ACK情報を含む上向きリンクチャネルを、前記基地局に伝送させ、前記上向きリンクチャネルの最初シンボルは、前記PDCCHの最後のシンボルが伝送された時点から、少なくともプロセッシング時間(Tproc,3)以後に伝送され、前記プロセッシング時間は、前記PDCCHのサブキャリアスペーシング値、及び前記上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値のうち小さい値に基づいても決定される。
【0021】
添付された図面を参照し、以下の説明は、特許請求の範囲、及びその均等物によって定義された本開示の多様な実施形態の包括的な理解の一助とするために提供される。その理解の一助とするために、多様な具体的な細部事項を含むが、それらは、ただ例示的なものと見なされなければならない。従って、当業者は、本明細書で説明された多様な実施形態の多様な変更及び修正が、本開示の範囲及び思想を外れずになされうるということを認識するであろう。また、周知の機能及び構成に係わる説明は、明確性と簡潔性とのために、省略されうる。
【0022】
以下の説明、及び特許請求の範囲で使用される用語及び単語は、書誌的意味に制限されるものではなく、本開示の明確であって一貫された理解を可能にするために、発明者によって使用されるのみである。従って、本開示の多様な実施形態に係わる以下の説明は、添付された特許請求の範囲、及びその均等物によって定義された開示を制限するためのものではなく、単に例示目的に提供されるということは、当業者に明白である。
【0023】
単数形態である「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明白に取り立てて指示しない限り、複数の指示対象を含むものであると理解されなければならない。従って、例えば、「構成要素表面」に係わる言及は、そのような表面中のうち1以上に係わる参照を含む。
【0024】
以下、本開示の多様な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
多様な実施形態についての説明において、本開示が属する技術分野に周知されており、本開示と直接に関連がない記述内容については、説明を省略する。それは、不要な説明を省略することにより、本開示の要旨を不明確にせず、さらに明確に伝達するためである。
【0025】
同じ理由により、添付図面において、一部構成要素は、誇張されたり省略されたりしても概略的に図示された。また、各構成要素の大きさは、実際サイズを全面的に反映させるものではない。各図面において、同一であったり対応したりする構成要素には、同一参照番号を付した。
【0026】
本開示の特徴、及びそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている多様な実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本開示は、以下で開示される多様な実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態にも具現され、単に本実施形態は、本開示の開示が完全にさせ、本開示が属する技術分野で当業者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたり、同一参照符号は、同一構成要素を指す。
【0027】
このとき、処理フローチャート、図面の各ブロックとフローチャートとの組み合わせは、コンピュータプログラムインストラクションによって遂行されうるということを理解することができるであろう。それらコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサに搭載されるうこので、コンピュータ、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備のプロセッサを介して遂行されるそのインストラクションが、フローチャートブロックで説明された機能を遂行する手段を生成することになる。それらコンピュータプログラムインストラクションは、特定方式で機能を具現するために、コンピュータ、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備を志向することができるコンピュータ利用可能メモリまたはコンピュータ可読メモリに保存されることも可能であるので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ可読メモリに保存されたインストラクションは、フローチャートブロックで説明された機能を遂行するインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータ上、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備上に搭載されることも可能であるので、コンピュータ上、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備上において、一連の動作段階が遂行され、コンピュータで実行されるプロセスを生成し、コンピュータ、またはその他プログラム可能なデータプロセッシング装備を遂行するインストラクションは、フローチャートブロックで説明された機能を遂行するための段階を提供することも可能である。
【0028】
また、各ブロックは、特定された論理的機能を遂行するための1以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができる。また、いくつかの代替実行例においては、ブロックにおいて言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目しなければならない。例えば、続けて図示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に遂行されることも可能であり、またはそのブロックが、時折当該機能によって逆順に遂行されることも可能である。
【0029】
このとき、本実施形態で使用される「~部」という用語は、ソフトウェアまたはFPGA(field programmable gate array)またはASIC(application-specific integrated circuit)のようなハードウェア構成要素を意味し、「~部」は、ある役割を遂行する。しかしながら、「~部」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」は、アドレッシングすることができる記録媒体にあるようにも構成され、1またはそれ以上のプロセッサを再生させるようにも構成される。従って、一例として、「~部」は、ソフトウェア構成要素、客体志向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素、並びにプロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、及び変数を含む。該構成要素と「~部」とのうちで提供される機能は、さらに少数の構成要素及び「~部」に結合されるか、あるいは追加的な構成要素と「~部」とにさらに分離されうる。それだけではなく、構成要素及び「~部」は、デバイス内または保安マルチメディアカード内の1またはそれ以上のCPU(central processing unit)を再生させるようにも具現される。また、多様な実施形態において「~部」は、1以上のプロセッサを含んでもよい。
【0030】
無線通信システムは、初期の音声中心のサービスを提供したことから抜け出し、例えば、3GPP(3rd-Generation Partnership Project)のHSPA(high speed packet access)、LTE(long term evolution)またはE-UTRA(evolved universal terrestrial radio access)、LTE-A(LTE-advanced)、3GPP2のHRPD(high rate packet data)、UMB(ultra mobile broadband)、及びIEEEの802.16eなどの通信標準のように、高速、高品質のパケットデータサービスを提供する広帯域無線通信システムに発展している。また、5世代無線通信システムにおいて、5GまたはNR(new radio)の通信標準が作られている。
【0031】
広帯域無線通信システムの代表的な例として、5GシステムまたはNRシステムにおいては、下向きリンク(DL:downlink)及び上向きリンク(UL:uplink)においては、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)方式を採用している。さらに具体的には、下向きリンクにおいては、CP-OFDM(cyclic-prefix OFDM)方式が採用され、上向きリンクにおいては、CP-OFDMと共に、DFT-S-OFDM(discrete Fourier transform spreading OFDM)方式の二つが採用された。上向きリンクは、端末(UE:user equipment)またはモバイルステーション(MS:mobile station)が基地局(gNodeBまたはBS:base station)に、データまたは制御信号を伝送する無線リンクを意味し、下向きリンクは、基地局が端末に、データまたは制御信号を伝送する無線リンクを意味する。前述の多重接続方式は、一般的に、各ユーザ別に、データまたは制御情報を載せて送る時間・周波数資源が互いに重ならないように、すなわち、直交性(orthogonality)がなされるように、割り当ててび運用することにより、各ユーザのデータまたは制御情報を区分することができる。
【0032】
5GシステムまたはNRシステムは、初期伝送において、復号失敗が発生した場合、物理階層において、当該データを再伝送するHARQ(hybrid automatic repeat request)方式を採用している。HARQ方式とは、受信器がデータを正確に復号(デコーディング)することができない場合、受信器が送信器にデコーディング失敗を知らせる情報(NACK:negative acknowledgement)を伝送し、送信器が物理階層において当該データを再伝送可能とする。受信器は、送信器が再伝送したデータを、以前にデコーディング失敗したデータと結合し、データ受信性能を高めることになる。また、受信器がデータを正確に復号した場合、送信器にデコーディング成功を知らせる情報(ACK:acknowledgement)を伝送し、送信器が新たなデータを伝送可能とする。
【0033】
一方、新たな5G通信であるNRアクセステクノロジーシステムは、時間資源及び周波数資源において、多様なサービスが自由に多重化されるようにするためにデザインされており、それにより、waveform/numerologyなどや基準信号などが、当該サービスの必要により、動的にまたは自由に割り当てられうる。無線通信において、端末に最適サービスを提供するためには、チャネルの質と干渉量との測定を介する最適化されたデータ送信が重要であり、それにより、正確なチャネル状態測定が必須である。しかし、周波数資源により、チャネル及び干渉の特性が大きく変化しない4G通信とは異なり、5GまたはNRチャネルの場合、サービスにより、チャネル及び干渉の特性が大きく変化するために、それらを分けて測定するようにするFRG(frequency resource group)次元のsubsetの支援が必要である。一方、5GシステムまたはNRシステムにおいては、支援されるサービスの種類を、eMBB(enhanced mobile broadband)、mMTC(massive machine type communications)、URLLC(ultra-reliable and low-latency communications)などのカテゴリーに分けることができる。eMBBは、高容量データの高速伝送、mMTCは、端末電力最小化、及び多数端末の接続、URLLCは、高信頼度と低遅延とを目標にするサービスと見ることができる。端末に適用されるサービスの種類により、互いに異なる要求事項が適用されうる。
【0034】
本開示において、第1信号は、基地局が端末に伝送する信号のうち、端末から応答を期待する信号でもある。例えば、本開示において、該第1信号は、上向きリンクスケジューリング承認信号または下向きリンクデータ信号でもある。また、本開示において、該第2信号は、該第1信号に対応する端末の応答信号でもある。例えば、本開示において、該第2信号は、上向きリンクスケジューリング承認信号に係わる上向きリンクデータ信号、または下向きリンクデータ信号に係わるHARQ ACK/NACKでもある。
【0035】
本開示において、該第1信号のサービス種類はeMBB、mMTC、URLLCのカテゴリーに属しうる。しかし、それは例示的なものであり、本発明において、該第1信号のサービス種類は、前述のカテゴリーに限定されるものではない。
【0036】
本開示において、第1信号のTTI(transmission time interval)長は、第1信号が伝送される時間の長さを意味するものである。また本開示で第2信号のTTI長さは、第2信号が送信される時間の長さを意味するものである。また、本開示において、第2信号伝送タイミングは、端末が第2信号をいつ送信し、基地局が第2信号をいつ受信するかということに係わる情報でもあり、第2信号送受信タイミングと同一意味でも使用される。
【0037】
本開示において、後述される用語は、本開示における機能を考慮して定義された用語であり、それは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによっても異なる。従って、その定義は、本明細書全般にわたる内容を基に下されなければならないであろう。以下、基地局は、端末の資源割り当てを行う主体であり、gNodeB(gNB)、eNodeB(eNB)、NodeB、BS、無線接続ユニット、基地局制御器、またはネットワーク上のノードのうち少なくとも一つでもある。該端末は、UE、MS、セルラフォン、スマートフォン、コンピュータ、または通信機能を遂行することができるマルチメディアシステムを含んでもよい。ここで、前記例示に制限されるものではないということは、言うまでもない。
【0038】
本開示において、下向きリンク(DL)は、基地局が端末に伝送する信号の無線伝送経路であり、上向きリンクは、(UL)は、端末が基地局に伝送する信号の無線伝送経路を意味するものである。また、以下において、NRシステムが例示されるが、類似した技術的背景またはチャネル形態を有する多様な通信システムにも、多様な実施形態が適用されうる。また、本開示の多様な実施形態は、当業者の判断をもって、本開示の範囲を大きく外れない範囲において、一部変形を介し、他の通信システムにも適用されうる。
【0039】
本開示においては、関連技術と係わる物理チャネル(physical channel)及び信号(signal)という用語を、データ信号または制御信号と混用して使用されうる。例えば、PDSCH(physical downlink shared channel)は、データが伝送される物理チャネルであるが、本開示においては、PDSCHをデータであると言うことができる。
【0040】
本開示において、上位シグナリングは、基地局から、物理階層の下向きリンクデータチャネルを利用し、端末に伝達する信号の信号伝達方法、または端末から、物理階層の上向きリンクデータチャネルを利用し、基地局に伝達する信号の信号伝達方法でもある。本開示において、該上位シグナリングは、RRCシグナリングまたはMAC(medium access control)制御要素(CE:control element)を含んでもよい。
【0041】
一方、最近、次世代通信システムに係わる研究が進められることにより、端末との通信をスケジューリングするさまざまな方案が論議されている。それにより、次世代通信システムの特性を考慮した効率的なスケジューリング方案及びデータ送受信方案が要求される実情である。
【0042】
そのように、通信システムにおいて、複数のサービスがユーザに提供され、そのような複数のサービスをユーザに提供するために、特徴に合うように、各サービスを同一時空間内において提供することができる方法、及びそれを利用した装置が要求される。
【0043】
図1は、一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおける無線資源領域である時間・周波数資源領域の伝送構造を図示した図面である。
【0044】
図1を参照すれば、無線資源領域において、横軸は、時間領域を示し、縦軸は、周波数領域を示す。時間領域における最小伝送単位は、OFDMシンボルであり、N
symb 102個のOFDMシンボルが集まり、1つのスロット106を構成する。サブフレームの長さは、1.0msにも定義され、ラジオフレーム114は、10msにも定義される。周波数領域における最小伝送単位は、サブキャリア(subcarrier)であり、全体システム伝送帯域(transmission bandwidth)の帯域幅は、総N
FB
DL 104個のサブキャリアによっても構成される。ただし、そのような具体的な数値は、システムによって可変的にも適用される。
【0045】
時間・周波数資源領域の基本単位は、リソースエレメント(RE:resource element)112であり、OFDMシンボルインデックス及びサブキャリアインデックスで示すことができる。リソースブロック(RB:resource block)108またはPRB(physical resource block)は、時間領域において、Nsymb 102個の連続したOFDMシンボルと、周波数領域において、NRB 110個の連続したサブキャリアによっても定義される。従って、1つのRB 108は、NsymbxNRB個のRE 112によっても構成される。
【0046】
一般的には、データの最小伝送単位は、RB単位でもある。5GシステムまたはNRシステムにおいて、一般的に、Nsymb=14、NRB=12であり、NFB
DL及びNRBは、システム伝送帯域の帯域幅に比例しうる。端末にスケジューリングされるRB個数に比例し、データレートが増大されうる。5GシステムまたはNRシステムにおいては、下向きリンクと上向きリンクとを周波数によって区分して運営するFDDシステムの場合、下向きリンク伝送帯域幅と上向きリンク伝送帯域幅とが互いに異なりうる。チャネル帯域幅は、システム伝送帯域幅に対応するRF帯域幅を示すことができる。以下の[表1]は、5Gシステム以前またはNRシステム以前、4世代無線通信であるLTEシステムに定義されたシステム伝送帯域幅とチャネル帯域幅(channel bandwidth)との対応関係を示す。例えば、10MHzチャネル帯域幅を有するLTEシステムは、伝送帯域幅が50個のRBで構成されうる。
【0047】
【0048】
5GシステムまたはNRシステムにおいては、[表1]で提示されたLTEのチャネル帯域幅よりさらに広いチャネル帯域幅で動作することができる。[表2]は、5GシステムまたはNRシステムにおいて、システム伝送帯域幅、チャネル帯域幅及びサブキャリアスペーシング(SCS:subcarrier spacing)の対応関係を示す。
【0049】
【0050】
5GシステムまたはNRシステムにおいて、下向きリンクデータまたは上向きリンクデータに係わるスケジューリング情報は、下向きリンク制御情報(DCI:downlink control information)を介し、基地局から端末に伝達されうる。DCIは、さまざまなフォーマットによっても定義され、各フォーマットにより、DCIが上向きリンクデータに係わるスケジューリング情報(UL grant)であるかということ、下向きリンクデータに係わるスケジューリング情報(DL grant)であるかということ、DCIが制御情報の大きさが小さいコンパクトDCIであるかということ、多重アンテナを使用した空間多重化(spatial multiplexing)を適用するか否かということ、及びDCIが電力制御用DCIであるか否かということを示すことができる。例えば、下向きリンクデータに係わるスケジューリング制御情報(DL grant)であるDCIformat 1-1は、次のような制御情報のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0051】
-キャリア指示子:どの周波数キャリアにおいて信号が伝送されるかということを指示する。
-DCIフォーマット指示子:当該DCIが下向きリンク用であるか上向きリンク用であるかということを区分する指示者である。
-帯域幅パート(BWP:band width part、以下BWP)指示子:どのBWPにおいて信号が伝送されるかということを指示する。
-周波数領域資源割り当て:データ伝送に割り当てられた周波数領域のRBを指示する。システム帯域幅方式及び資源割り当て方式によって表現する資源が決定されうる。
-時間領域資源割り当て(time domain resource assignment):どのスロットのどのOFDMシンボルにおいてデータ関連チャネルが伝送されるかということを指示する。
-VRB-to-PRBマッピング:仮想RB(VRB:virtual RB)インデックスと物理RB(PRB:physical RB:PRB)インデックスとをどの方式によってマッピングするかということを指示する。
-変調及びコーディング方式(MCS:modulation and coding scheme):データ伝送に使用された変調方式とコーディングレートとを指示する。QPSK(quadrature phase shift keying)であるか、16QAM(quadrature amplitude modulation)であるか、64QAMであるか、256QAMであるかということに係わる情報と共に、TBS(transport block size)情報及びチャネルコーディング情報を知らせるコーディングレート値を指示する。
-CBG伝送情報(codeblock group transmission information):CBG再伝送が設定されたとき、どのCBGが伝送されるかということに係わる情報を指示する。
-HARQプロセス番号(HARQ process number):HARQのプロセス番号を指示する。
-新たなデータ指示子(new data indicator):HARQ初期伝送であるか再伝送であるかということを指示する。
-重複バージョン(redundancy version):HARQの重複バージョン(redundancy version)を指示する。
-PUCCHのための伝送電力制御命令(TPC(transmit power control) command for PUCCH(physical uplink control channel)):上向きリンク制御チャネルであるPUCCHに対する伝送電力制御命令を指示する。
【0052】
前述のPUSCH伝送の場合、時間領域資源割り当ては、PUSCHが伝送されるスロットに係わる情報、及び当該スロットにおける開始OFDMシンボル位置Sと、PUSCHがマッピングされるOFDMシンボル個数Lとによって伝達されうる。前述のSは、スロットの開始から相対的な位置でもあり、Lは、連続したOFDMシンボル個数でもある。SとLは、下記のように定義される開始及び距離指示子値(SLIV:start and length indicator value:SLIV)から決定されうる。
if(L-1)≦7 then
SLIV=14・(L-1)+S
else
SLIV=14・(14-L+1)+(14-1-S)
where 0<L≦14-S
【0053】
5GシステムまたはNRシステムにおいては、端末は、一般的に、RRC設定を介し、1行にSLIV値、PUSCHマッピングタイプ、及びPUSCHが伝送されるスロットに係わる情報が含まれた表を設定されうる。その後、DCIの時間領域資源割り当てにおいては、前述の設定された表におけるインデックス値を指示することにより、基地局が端末に、SLIV値、PUSCHマッピングタイプ、及びPUSCHが伝送されるスロットに係わる情報を伝達することができる。
【0054】
5GシステムまたはNRシステムにおいて、PUSCHマッピングタイプは、タイプA(type A)とタイプB(type B)とに定義されうる。PUSCHマッピングタイプAにおいては、スロットの2番目または3番目のOFDMシンボルに、DMRS(demodulation reference signal) OFDMシンボルのうち最初OFDMシンボルが位置することができる。PUSCHマッピングタイプBにおいては、PUSCH伝送によって割り当てられた時間領域資源の最初OFDMシンボルに、DMRS OFDMシンボルのうち最初OFDMシンボルが位置することができる。
【0055】
DCIは、チャネルコーディング及び変調過程を経て、下向きリンク物理制御チャネルであるPDCCH(または、制御情報、以下、混用しても使用する)上でも伝送される。
【0056】
一般的に、DCIは、各端末に対して独立して、特定RNTI(radio network temporary identifier)(または、端末識別子)でスクランブルされ、CRC(cyclic redundancy check)が追加され、チャネルコーディングされた後、それぞれ独立したPDCCHに構成されて伝送されうる。PDCCHは、端末に設定された制御資源集合(CORESET:control resource set)でにッピングされて伝送されうる。
【0057】
下向きリンクデータは、下向きリンクデータ伝送用物理チャネルであるPDSCH上においても伝送されうる。該PDSCHは、制御チャネル伝送区間以後から伝送され、周波数領域における具体的なマッピング位置、変調方式などのスケジューリング情報は、PDCCHを介して伝送されるDCIを基に決定されうる。
【0058】
DCIを構成する制御情報において、MCSを介して基地局は、端末に伝送するPDSCHに適用された変調方式と、伝送するデータサイズ(TBS:transport block size)を通知することができる。一部実施形態によれば、MCSは、5ビット、またはそれよりさらに大きいか、あるいは小さいビットによっても構成される。該TBSは、基地局が伝送するデータ(TB:transport block)に、エラー訂正のためのチャネルコーディングが適用される以前のデータサイズでもある。
【0059】
本開示において、トランスポートブロック(TB)は、MAC(medium access control)ヘッダ、MAC制御要素(CE:control element)、1個以上のMAC SDU(service data unit)及びパッディング(padding)ビットなどを含んでもよい。また、TBは、MAC階層から物理階層(physical layer)に下がるデータの単位、またはMAC PDU(protocol data unit)を示すことができる。
【0060】
5GシステムまたはNRシステムで支援する変調方式は、QPSK、16QAM、64QAM及び256QAMであり、それぞれの変調オーダー(modulation order)Qmは、2、4、6、8に該当する。QPSK変調の場合、シンボル当たり2ビット、16QAM変調の場合、OFDMシンボル当たり4ビット、64QAM変調の場合、シンボル当たり6ビットを伝送することができ、256QAM変調の場合、シンボル当たり8ビットを伝送することができる。
【0061】
図2は、一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおいて、eMBB用データ、URLLC用データ、mMTC用データを、周波数・時間資源領域において割り当てる方法について説明するための図面である。
【0062】
図2を参照すれば、開示された一部実施形態により、全体システム周波数帯域(system bandwidth)200に、eMBB用データ、URLLC用データ、mMTC用データが割り当てられうる。eMBB 201とmMTC 209とが特定周波数帯域に割り当てられて伝送されている最中に、URLLCデータ203,205,207が発生し、URLLCデータ203,205,207の伝送が必要である場合、全体システム周波数帯域200において、eMBB 201及びmMTC 209がすでに割り当てられた部分が空くか、あるいはeMBB 201及びmMTC 209が伝送されず、URLLCデータ203,205,207が伝送されうる。
【0063】
前述のサービスにおいて、URLLCは、遅延時間を短縮させる必要があるために、eMBBが割り当てられた資源 201の一部分に、URLLCデータが割り当て(203,205,207)られて伝送されうる。eMBBが割り当てられた資源において、URLLCが追加して割り当てられて伝送される場合、重複される周波数・時間資源においては、eMBBデータが伝送されないのである。従って、eMBBデータの伝送性能が低くなり、URLLC割り当てによるeMBBデータ伝送失敗が発生しうる。
【0064】
図3は、一部実施形態による、5G、NR、またはそれと類似したシステムにおいて、端末が第1信号を受信し、それに対する応答として、第2信号を端末が送信するとき、タイミングアドバンスによる端末のプロセッシング時間について説明するための図面である。
【0065】
一部実施形態によれば、端末は、スロットn 304において第1信号を受信した場合、端末は、スロット(n+4)306において、第1信号に対応する第2信号を伝送することができる。基地局は、スロットn 302において第1信号を送信した場合、スロット(n+4)308において第2信号を受信することができる。
【0066】
図3を参照すれば、スロットn 302において、基地局が、上向きリンクスケジューリング承認、下向きリンク制御信号または下向きリンクデータを端末に送信すれば、該端末は、スロットn 304において、上向きリンクスケジューリング承認、下向きリンク制御信号または下向きリンクデータを受信することができる。該端末は、基地局が伝送した時間より、伝達遅延時間(T
P:propagation delay)310ほど第1信号を遅く受信することができる。該端末は、第2信号を基地局に送信するとき、第2信号が特定時間に基地局に到着するようにするために、端末が受信した第1信号基準で、スロット(n+4)より、タイミングアドバンス(T
A:timing advance)312ほど先だったタイミング306で、上向きリンクデータまたは下向きリンクデータに係わるHARQ ACK/NACKを伝送することができる。
【0067】
端末が上向きリンクスケジューリング承認を受け、上向きリンクデータ伝送を行うか、あるいは下向きリンクデータを受信し、HARQ ACKまたはNACKを伝達するために準備することができる時間は、3個スロットに該当する時間からTAを除いた時間314でもある。
【0068】
前述のタイミング決定のために、基地局は、当該端末のTA絶対値を計算することができる。該基地局は、該端末が初期接続したとき、ランダムアクセス(random access)段階において、最初に端末に伝達したTA値に、その後、上位シグナリングに伝達したTA値の変化量を加減しながら、TA絶対値を計算することができる。本開示において、TA絶対値は、端末が送信するn番目TTIの開始時間から、端末が受信したn番目TTIの開始時間を差し引いた値312にもなる。
【0069】
一方、セルラ無線通信システム性能の重要な基準のうち一つは、パケットデータ遅延時間(latency)である。LTEシステムにおいては、1msの送信時間区間(TTI)を有するサブフレーム単位でm信号の送受信がなされうる。LTEシステムにおいては、1msより短い伝送時間区間を有する端末(short-TTI UE)を支援することができる。5GシステムまたはNRシステムにおいて、伝送時間区間は、1msより短くもある。short-TTI端末は、遅延時間が重要であるVoLTE(voice over LTE)サービス、遠隔操縦のようなサービスにも適する。また、short-TTI端末は、セルラ基盤でもって、ミッションクリティカル(mission critical)な事物インターネット(IoT)を実現することができる手段でもある。
【0070】
一部実施形態によれば、5GシステムまたはNRシステムにおいて、基地局は、下向きリンクデータを含むPDSCH伝送時、PDSCHをスケジューリングするDCIにおいて、PDSCHのHARQ-ACK情報を端末が伝送するタイミング情報に該当する値であるK1値を指示することができる。
【0071】
HARQ-ACK情報がタイミングアドバンス(timing advance)を含み、OFDMシンボルL1より先に伝送されるように指示されない場合、端末は、HARQ-ACK情報を基地局に伝送することができる。該HARQ-ACK情報は、タイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL1と同じであるか、あるいはその後の時点に端末から基地局にも伝送される。
【0072】
HARQ-ACK情報がタイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL1より先に伝送されるように指示された場合、端末から基地局に伝送されるHARQ-ACK情報は、有効なHARQ-ACK情報ではないのである。OFDMシンボルL1は、PDSCHの最後OFDMシンボルの最後時点からTproc,1以後、CP(cyclic prefix)が始まる最初上向きリンクOFDMシンボルでもある。Tproc,1は、下記数式1のように計算されうる。
【0073】
【数1】
前述の数式1において、N
1、d
1,1、d
1,2、κ、μ、T
cは、下記のようにも定義される。
【0074】
-N1は、[表2]と[表3]とに提示されたμ値に基づいても定義され、μ値は、(μPDCCH、μPDSCH、μUL)のうち最も大きいTproc,1を生成する値と一致しうる。μ値は、μ=min(μPDCCH,μPDSCH,μUL)でもある。μPDCCHは、PDSCHをスケジューリングするPDCCHのサブキャリアスペーシングを意味するものである。μPDSCHは、スケジューリングされたPDSCHのサブキャリアスペーシングを意味するものである。μULは、HARQ-ACKが伝送される上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングを意味するものである。
【0075】
-HARQ-ACKがPUCCH(上向きリンク制御チャネル)に伝送されれば、d1,1=0でもあり、PUSCH(上向きリンク共有チャネル、データチャネル)に伝送されれば、d1,1=1でもある。
-端末が複数個の活性化された構成キャリアまたはキャリアを設定された場合、キャリア間最大タイミング差は、第2信号伝送にも反映される。
【0076】
-PDSCHがマッピングタイプAである場合(最初DMRS OFDMシンボル位置がスロットの3番目 OFDMシンボルまたは4番目OFDMシンボルである場合)、PDSCHの最後OFDMシンボルの位置インデックスiが7より小さければ、d1,2=7-iでもある。それ以外では、d1,2=0でもある。
【0077】
-UE processing capability 1につき、PDSCHがマッピングタイプBである場合(最初DMRS OFDMシンボル位置がPDSCHの最初OFDMシンボルである場合)、割り当てられたPDSCHの長さが4OFDMシンボルであるならば、d1,2=3でもあり、割り当てられたPDSCHの長さが2OFDMシンボルであるならば、d1,2=3+dでもある。ここで、dは、スケジューリングされたPDSCHとPDSCHとをスケジューリングする制御信号を含むPDCCHが重なるOFDMシンボルの数でもある。それ以外では、d1,2=0でもある。
【0078】
-UE processing capability 2につき、PDSCHがマッピングタイプBである場合(最初DMRS OFDMシンボル位置がPDSCHの最初OFDMシンボルである場合)、割り当てられたPDSCHの長さが2OFDMシンボルまたは4OFDMシンボルであるならば、d1,2は、スケジューリングされたPDSCHとPDSCHとをスケジューリングする制御信号を含むPDCCHが重なるOFDMシンボルの数でもある。それ以外では、d1,2=0でもある。
【0079】
-N1は、μ値により、下記の[表2]または[表3]のようにも定義される。μ=0,1,2,3は、それぞれサブキャリアスペーシング15kHz,30kHz,60kHz,120kHzを意味するものである。
【0080】
【0081】
【表4】
-N
1値は、UEのPDSCH processing capabilityにより、[表3]または[表4]のようにも定義される。
【0082】
-数式1において、Tc=1/(△fmax・Nf)、△fmax=480・103Hz、Nf=4096、κ=T3/Tc=64、Ts=1/(△fref・Nf,ref)、△fref=15・103Hz、Nf,ref=2048ともそれぞれ定義される。
【0083】
一部実施形態によれば、5GシステムまたはNRシステムにおいては、基地局は、上向きリンクスケジューリング承認を含む制御情報伝送時、端末が、上向きリンクデータまたはPUSCHを伝送するタイミング情報に該当するK2値を指示することができる。
【0084】
PUSCHがタイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL2より先に送られるように指示されない場合、該端末は、PUSCHを基地局に伝送することができる。PUSCHは、タイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL2と同じであるか、あるいはその後の時点で端末から基地局に伝送されうる。
【0085】
PUSCHがタイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL2より先に送られるように指示された場合、該端末は、基地局からの上向きリンクスケジューリング承認制御情報を無視することができる。OFDMシンボルL2は、スケジューリング承認を含むPDCCHの最後のOFDMシンボルの最後の時点からTproc,2以後に伝送されなければならないPUSCHOFDMシンボルのCPが始まる最初OFDMシンボルでもある。Tproc,2は、下記数式2のようにも計算される。
【0086】
【数2】
前述の数式2で、N
2、d
2,1、d
2,2、d
2,3、κ、μ、T
cは、下記のようにも定義される。
【0087】
-N2は、[表5]と[表6]とに提示されたμ値に基づいて定義され、μ値は、(μDL、μUL)において、最も大きいTproc,1を生成する値と一致しうる。μ値は、μ=min(μDL,μUL)でもある。μDLは、PUSCHをスケジューリングするDCIを含むPDSCHが伝送される下向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングを意味するものである。μULは、PUSCHが伝送される上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシングを意味するものである。
【0088】
-PUSCHが割り当てられたOFDMシンボルのうち最初OFDMシンボルがDMRSのみを含むならば、d2,1=0でもあり、それ以外では、d2,1=1でもある。
-HARQ-ACKが、前記スケジューリングされたPUSCHに多重化された場合、d2,2=1でもあり、それ以外では、d2,2=0でもある。
-端末が複数個の活性化された構成キャリアまたはキャリアを設定された場合、キャリア間最大タイミング差は、第2信号伝送においても反映される。
【0089】
-帯域幅パート(BWP)スイッチングを指示するDCIがスケジューリングされる場合、d2,3は、BWPスイッチングに必要となる所要時間を意味するものである。それ以外では、d2,3=0でもある。
-N2は、μ値により、下記の[表5]または[表6]のようにも定義される。μ=0,1,2,3は、それぞれサブキャリアスペーシング15kHz,30kHz,60kHz,120kHzを意味するものである。
【0090】
【0091】
【表6】
-N
2値は、UEのPUSCH timing capabilityにより、[表4]または[表5]のようにも定義される。
【0092】
-数式2において、Tc=1/(△fmax・Nf)、△fmax=480・103Hz、Nf=4096、κ=T3/Tc=64、Ts=1/(△fref・Nf,ref)、△fref=15・103Hz、Nf,ref=2048ともそれぞれ定義される。
【0093】
図4は、一部実施形態による、5GシステムまたはNRシステムにおいて、端末が第1信号を受信し、第1信号に対する応答として、第2信号を端末が送信するとき、多数HARQ発生による端末のプロセッシングについて説明するための図面である。
【0094】
図4を参照するとき、一部実施形態によれば、基地局は、n番目HARQプロセス400を介し、第1信号404を端末に送信し、該端末は、第1信号404に対応する第2信号406を基地局に送信することができる。該端末は、第1信号404と第2信号406との時間間隔412が、T
proc,1(または、T
proc,2)より長いか、あるいは同じである場合、第2信号406を基地局に送信することができる。第1信号404と第2信号406との時間間隔412がT
proc,1(または、T
proc,2)より短い場合、該端末は、第2信号伝送を無視するか、あるいは第2信号送信をドロップするか、あるいは有効ではない第2信号を基地局に送信することができる。
【0095】
一部実施形態によれば、基地局は、k番目HARQプロセス402を介し、第1信号408を端末に送信し、該端末は、第1信号408に対応する第2信号410を基地局に送信することができる。該端末は、第1信号408と第2信号410との時間間隔414がTproc,1(または、Tproc,2)より長いか、あるいは同じである場合、第2信号410を基地局に送信することができる。第1信号408と第2信号410との時間間隔414がTproc,1(または、Tproc,2)より短い場合、端末は、第2信号伝送を無視するか、第2信号送信をドロップするか、ありは有効ではない第2信号を基地局に送信することができる。
【0096】
一部実施形態によれば、端末プロセス420は、n番目HARQプロセス400とk番目HARQプロセス402との第1信号と第2信号との送受信のための端末処理を含んでもよい。第1信号が下向きリンクデータ情報であり、第2信号がHARQ-ACK情報である場合、第1信号と第2信号との送受信のための端末処理を行う端末プロセッサは、チャネル推定、復調、復号及びHARQ-ACK準備ブロックなどによっても構成される。該端末は、HARQプロセス数と関係なく、それぞれのブロックを一つずつ使用することができる。
【0097】
一部実施形態によれば、端末は、n番目HARQプロセス400の第1信号404と第1信号404とに対応する第2信号406処理のために、チャネル推定422、復調424、復号426、HARQ-ACK準備428のプロセスを遂行することができる。また、該端末は、k番目HARQプロセス402の第1信号408と第1信号408とに対応する第2信号410の処理のために、チャネル推定430、復調432、復号434、HARQ-ACK準備436の過程を遂行することができる。
【0098】
5GシステムまたはNRシステムにおいて、端末は、基本的に、パイプライン動作で多数個のHARQプロセスそれぞれの第1信号と、それぞれの第1信号に対応するそれぞれの第2信号とを処理することができる。端末プロセッサを構成するそれぞれのブロックは、
図4に図示されているように、HARQプロセス別に並列的に動作することができる。例えば、
図4において、n番目HARQプロセス400の第1信号404処理のためのチャネル推定プロセス422(あるいは、復調プロセス424、復号プロセス426またはHARQ ACK準備プロセス428)が完了するまでは、k番目HARQプロセス402の第1信号408処理のためのチャネル推定プロセス430(あるいは、復調プロセス432、復号プロセス434またはHARQ ACK準備プロセス436)が可能ではないのである。該端末は、パイプライン動作を介し、少ない資源(例えば、プロセッサを構成するブロックの数または性能など)を使用しながら、多数のHARQプロセスを支援することができる。
【0099】
図5は、一部実施形態による、DL SPS動作またはUL grant type 2動作について説明するための図面である。
図5を参照するとき、DL SPSは、downlink semi-persistent schedulingを意味し、該DL SPSは、基地局が端末に、特定下向き制御情報スケジューリングなしに、上位シグナリングによって設定された情報を基に、周期的に下向きデータ情報を送受信する方法を意味するものである。DL SPSは、VoIP(voice over internet protocol)、または周期的に発生するトラフィック状況においても適用される。該端末は、上位シグナリングによって設定された下向きリンク資源領域で下向きデータ受信を遂行することができる。基地局は、上位シグナリングによって設定された下向きリンク資源領域の活性化(activation)または非活性化(release)をL1シグナリングによって行うことができる。
【0100】
UL grant type 2またはUL grant type 1は、基地局が端末に、特定下向き制御情報スケジューリングなしに、上位シグナリングによって設定された情報を基に、周期的に上向きデータ情報を送受信する方法である。UL grant type 2またはUL grant type 1は、VoIP、または周期的に発生するトラフィック状況においても適用される。端末は、上位シグナリングによって設定された上向きリンク資源領域において、上向きデータ送信を行うことができる。UL grant type 2は、上位シグナリングによって設定された上向きリンク資源領域の活性化または非活性化を、L1シグナリングによって行う方法である。UL grant type 1は、別途のL1シグナリングなしに、上位シグナリングによって設定された上向きリンク資源領域を端末が活性化されたと判断することが可能な方法である。
【0101】
端末は、SPSまたはUL grant type 2スケジューリングの活性化たは非活性化のために、次の2種条件がいずれも満足される場合、DL SPS assignment PDCCHまたはconfigured UL grant type 2 PDCCHを検証する。
【0102】
-PDCCHで伝送されるDCIフォーマットのCRCビットが上位シグナリングによって設定されたCS-RNTIでスクランブリングされた場合
-活性化された伝送ブロックのためのNDI(new data indicator)フィールドが0に設定された場合
DL SPS assignment PDCCHまたはconfigured UL grant type 2 PDCCHによって伝送されるDCI formatを構成するフィールドのうち一部が、[表7]または[表8]に提示されたフィールド構成と同一である場合、端末は、DCI format内の情報が、DL SPSまたはUL grant type 2の有効な活性化であるか、あるいは有効な非活性化と判断することができる。例えば、端末が[表7]に提示された情報を含むDCI formatを検出する場合、該端末は、DL SPSまたはUL grant type 2が活性化されたと判断することができる。また、端末が[表8]に提示された情報を含むDCI formatを検出する場合、端末は、DL SPSまたはUL grant type 2が非活性化されたと判断することができる。
【0103】
DL SPS assignment PDCCHまたはconfigured UL grant type 2 PDCCHによって伝送されるDCI formatを構成するフィールドのうち一部が、[表7]または[表8]に提示されたフィールド構成と同一ではない場合、端末は、DCI formatがマッチングされないCRCが検出されたと判断することができる。
【0104】
【0105】
【0106】
端末は、PDCCH受信なしに PDSCHを受信するか、あるいはSPS PDSCH非活性化を指示するPDCCHを受信する場合、受信されたPDSCHまたはPDCCHに対応するHARQ-ACK情報ビットを生成することができる。また、端末は、1つのPUCCH資源に2以上のSPS PDSCH受信に係わるHARQ-ACK情報を伝送することを期待しないのである。端末は、1つのPUCCH資源に、1つのSPS PDSCH受信に係わるHARQ-ACK情報のみを含んでもよい。
【0107】
DL SPSは、P(primary) cell及びS(secondary) cellにおいても設定される。DL SPSは、1cellグループ内の2つserving cell以上については、設定されない。DL SPS上位シグナリングによって設定されうるパラメータは、次の通りである。
-periodicity:DL SPSの伝送周期
-nrofHARQ-processes:DL SPSのために設定されうるHARQ process数
-n1PUCCH-AN:DL SPSに係わるPUCCH HARQ資源であり、基地局は、PUCCH format 0または1と資源を設定
【0108】
図6は、一部実施形態による、端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
以下においては、説明の便宜のために、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を、プロセッシング時間とつづめて称する。
【0109】
一部実施形態によれば、端末は、DL SPSを非活性化するために、[表8]の構成情報を含む第1信号(例えば、DL SPS scheduling release)を受信し、第1信号に対応する第2信号(例えば、HARQ-ACK情報)を基地局に送信することができる。第2信号は、第1信号が伝送されるPDCCHの最後シンボルからNシンボル以後に伝送されうる。N3値は、サブキャリアスペーシングによっても異なり、[表9]は、サブキャリアスペーシングによるN値を示している。該第2信号が、第1信号が伝送されるPDCCHの最後シンボルからNシンボル以前に伝送されることによってスケジューリングされた場合、該端末は、有効ではない第2信号を基地局に送信するか、あるいは第2信号を送信しないのである。
【0110】
【表9】
図6を参照すれば段階610において、端末は、基地局から第1信号を受信することができる。
【0111】
一部実施形態によれば、端末が基地局から受信した第1信号は、DL SPSを非活性化するための情報を含んでもよい。DL SPSを非活性化するための情報は、DCIの一部として、第1信号にも含まれる。DL SPSを非活性化するための情報は、[表8]の構成情報を含んでもよい。
【0112】
段階620において、端末は、第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を決定することができる。
【0113】
一部実施形態によれば、該第2信号は、第1信号に係わるHARQ ACK/NACKでもある。例えば、該第2信号は、DL SPSを非活性化するための情報を含む第1信号に係わるHARQ ACK信号でもある。
【0114】
一部実施形態によれば、端末は、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値を、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定することができる。ここで、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値は、PDCCHスケジューリングに適用されたサブキャリアスペーシング値を意味するものである。
【0115】
端末は、PDCCHによって伝送される多数のPDCCH候補をブラインドデコーディングするのに必要となる時間を考慮し、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を決定することができる。例えば、該端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値に決定することができる。
【0116】
一部実施形態によれば、端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値を、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定することができる。ここで、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値は、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルスケジューリングに適用されたサブキャリアスペーシング値を意味するものである。
【0117】
端末は、DL SPS scheduling releaseを指示する第1信号(例えば、DCI)を受信した以後、HARQ-ACK生成に必要となる時間を考慮し、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を決定することができる。例えば、該端末は、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、端末がHARQ-ACK情報を含む第2信号を基地局に伝送する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値に決定することができる。
【0118】
一部実施形態によれば、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値と、端末が第2信号を基地局に送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値とのうち小さい値に決定することができる。
【0119】
一部実施形態によれば、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値と、端末が第2信号を基地局に送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値とのうち大きい値に決定することができる。
段階630において、端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルを決定することができる。
一部実施形態によれば、該端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定することができる。
【0120】
一部実施形態によれば、端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定することができる。例えば、端末がHARQ-ACK情報を、PUSCHに多重化して送信する場合、該端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定することができる。
【0121】
段階640において、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値、及び第2信号を送信する上向きリンクチャネルに基づき、プロセッシング時間を決定することができる。
【0122】
一部実施形態によれば、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定する場合、該端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に対応する既設定値にプロセッシング時間を決定することができる。プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に対応する既設定値は、[表9]に提示されたN値でもある。
【0123】
端末は、第1信号が受信されるPDCCHのサブキャリアスペーシング値を、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定し、PDCCHのサブキャリアスペーシング値に対応する[表9]に提示されたN値を、プロセッシング時間に決定することができる。例えば、PDCCHのサブキャリアスペーシング値が15kHzである場合、端末は、プロセッシング時間をN=10シンボルに決定することができる。
【0124】
一部実施形態によれば、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定した場合、該端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に対応する既設定値と補償時間とに基づき、プロセッシング時間を決定することができる。
【0125】
プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に対応する既設定値は、[表9]に提示されたN値でもある。端末は、第1信号が受信されるPDCCHのサブキャリアスペーシング値を、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定し、PDCCHのサブキャリアスペーシング値に対応する[表9]に提示されたN値を決定することができる。
【0126】
端末は、決定されたN値に補償時間を加えた値を、プロセッシング時間に決定することができる。例えば、該端末は、決定されたN値に、補償時間のkシンボルを加えた(N+k)をプロセッシング時間に決定することができる。ここで、kは、1以上の自然数でもある。
【0127】
HARQ-ACK情報がPUSCHに多重化される場合、端末は、HARQ-ACK情報を含む第2信号を送信するためのプロセッシング時間がさらに必要にもなる。従って、該端末は、第2信号をPUCCHによって送信する場合と比較し、第2信号を送信するために必要なプロセッシング時間がさらに多く必要ともなる。
【0128】
図7は、一部実施形態による、端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
以下においては、説明の便宜のために、端末が第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を、プロセッシング時間とつづめて称する。
【0129】
一部実施形態によればm5GシステムまたはNRシステムにおいて、基地局は、DL SPS非活性化に係わる第1信号(または、PDCCH)伝送時、PDCCHをスケジューリングするDCIにおいて、DL SPS非活性化のHARQ-ACK情報を端末が伝送するタイミング情報に該当する値であるK1値を指示することができる。
【0130】
HARQ-ACK情報がタイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL3より先に伝送されるように指示されない場合、端末は、HARQ-ACK情報を基地局に伝送することができる。HARQ-ACK情報は、タイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL3と同じであるか、あるいはその後の時点に端末から基地局にも伝送される。
【0131】
HARQ-ACK情報がタイミングアドバンスを含み、OFDMシンボルL3より先に伝送されるように指示された場合、端末から基地局に伝送されるHARQ-ACK情報は、有効なHARQ-ACK情報ではないのである。OFDMシンボルL3は、DL SPS非活性化が伝送されるPDCCHの最後OFDMシンボルの最後の時点からTproc,3以後にCPが始まる最初OFDMシンボルでもある。Tproc,3は、下記数式3のようにも計算される。
【0132】
【数3】
-N
3は、[表9]に提示されたサブキャリアスペーシング値に基づいても定義される。
-端末が複数個の活性化された構成キャリアまたはキャリアを設定されるならば、キャリア間最大タイミング差は、第2信号伝送にも反映される。
-数式3において、T
c=1/(△fmax・N
f)、△f
max=480・10
3Hz、N
f=4096、κ=T
3/T
c=64、T
s=1/(△f
ref・N
f,ref)、△f
ref=15・10
3Hz、N
f,ref=2048ともそれぞれ定義される。
【0133】
図7を参照すれば、段階710において、端末は、基地局から第1信号を受信することができる。段階710は、
図6の段階610に対応しうる。
段階720において、端末は、第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を決定することができる。
【0134】
一部実施形態によれば、第2信号は、第1信号に係わるHARQ ACK/NACKでもある。例えば、該第2信号は、DL SPSを非活性化するための情報を含む第1信号に係わるHARQ ACK信号でもある。
【0135】
一部実施形態によれば、端末は、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値を、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定することができる。以下においては、第1信号が受信されたPDCCHのサブキャリアスペーシング値をμPDCCHと称する。
【0136】
一部実施形態によれば、端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値を、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定することができる。以下においては、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値をμULと称する。
【0137】
一部実施形態によれば、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、第1信号が受信されるPDCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)と、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値(μUL)とのうち小さい値(min(μPDCCH,μUL))に決定することができる。
【0138】
一部実施形態によれば、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を、第1信号が受信されるPDCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)と、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルのサブキャリアスペーシング値(μUL)とのうち大きい値(max(μPDCCH,μUL))に決定することができる。
【0139】
段階730において、端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルを決定することができる。
一部実施形態によれば、端末は、第2信号を基地局に送信する上向きリンクチャネルにPUCCH(上向きリンク制御チャネル)と決定することができる。
一部実施形態によれば、端末は、第2信号を基地局に伝送する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定することができる。例えば、端末は、HARQ-ACK情報をPUSCHに多重化して基地局に送信する場合、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCH(上向きリンク共有チャネル、データチャネル)を決定することができる。
【0140】
段階740において、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値、及び第2信号を送信する上向きリンクチャネルを第1式に適用することにより、プロセッシング時間を決定することができる。
【0141】
一部実施形態によれば、第1式が数式3である場合、第1式のμは、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値でもある。例えば、μは、端末の決定により、μPDCCHまたはμULでもある。
【0142】
一部実施形態によれば、第1式が数式3である場合、第1式のN3値は、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値μに対応する[表9]に提示されたN値でもある。
【0143】
一部実施形態によれば、第1式が数式3である場合、端末は、第1式のd3値を、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルによって決定することができる。該端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定する場合、該端末は、d3を0に決定することができる。該端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定した場合、端末は、d3を1に決定することができる。
【0144】
一部実施形態によれば、第1式が数式3である場合、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値、端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにより、μ値、N3値及びd3値を第1式に適用し、Tproc,3値を獲得することができる。該端末は、獲得されたTproc,3値を、プロセッシング時間に決定することができる。
【0145】
例えば、該端末は、第1信号が受信されるPUCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)を、端末がプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値に決定し、第1式のμに適用することができる。該端末は、μ=μPDCCH値に対応する[表8]に提示されたN値を、第1式に適用することができる。また、該端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定する場合、決定された上向きリンクチャネルにより、d3値を第1式に適用することができる。
【0146】
PDCCHのサブキャリアスペーシング値(μPDCCH)が15kHzである場合、端末は、第1式にμ=15kHzを適用することができる。また、[表9]において、μ=15kHzに対応するN値は、10であり、端末は、N3=10を第1式に適用することができる。また、該端末は、第2信号が送信される上向きリンクチャネルにPUCCHを決定することにより、d3=0を第1式に適用することができる。該端末は、μ=15kHz、N3=10及びd3=0を第1式に適用することによって獲得したTproc,3をプロセッシング値に決定することができる。
【0147】
図8は、一部実施形態による端末が基地局から受信したDL SPS非活性化に係わる第1信号に対応し、第2信号を基地局に、PUCCHとPUSCHとで同時に送信することができる場合、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間を決定する方法を図示したフローチャートである。
以下においては、説明の便宜のために、端末が第2信号を基地局に伝送するために必要なプロセッシング時間を、プロセッシング時間とつづめて称する。
【0148】
図8を参照すれば、段階810において、端末は、基地局から第1信号を受信することができる。段階810は、
図6の段階610に対応しうる。
段階820において、端末は、第1信号に対応し、第2信号を基地局に送信するために必要なプロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値を決定することができる。段階820は、
図7の段階720に対応しうる。
段階830において、端末は、第2信号をPUSCHによって送信することができるか否かということを判断することができる。
【0149】
一部実施形態によれば、端末が第2信号をPUSCHによって送信することができる場合、該端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUSCHを決定(段階840)するか、あるいはPUCCHを決定(段階850)することができる。
【0150】
端末がPUCCHとPUSCHとによる同時送信を支援することができる状況において、該端末は、第2信号を、PUCCHによって伝送するか、あるいはPUSCHによって伝送するかということを、次のような方法によって決定することができる。
【0151】
方法1:PUSCHと関係なく、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定(段階850)
方法2:条件的に、PUSCHを第2信号を送信する上向きリンクチャネルに決定
端末は、PUSCHによって第2信号(例えば、HARQ-ACK情報を含む信号)を送ることができるとき、HARQ-ACK情報をPUSCHにピギーバックさせることができる。端末がHARQ-ACK情報をPUSCHにピギーバックさせることにより、送信時間が長くなる。
【0152】
端末がHARQ-ACK情報をPUSCHにピギーバックさせることによって長くなる送信時間により、端末がHARQ-ACK情報を有効ではない値で基地局に送信することになる場合、端末がピギーバックさせずに、PUCCHによっては、有効なHARQ-ACKを送信することができたら、該端末は、HARQ-ACK情報を含む第2信号を送信するチャネルにPUCCHを決定(段階840)することができる。
【0153】
端末がHARQ-ACK情報をPUSCHにピギーバックさせることによって伝送時間が長くなっても、HARQ-ACK情報を有効な値で基地局に送信することができる場合、該端末は、HARQ-ACK情報を含む第2信号を送信するチャネルにPUSCHを決定(段階840)することができる。
【0154】
一部実施形態によれば、端末が第2信号をPUSCHによって送信することができない場合、段階860において端末は、第2信号を送信する上向きリンクチャネルにPUCCHを決定することができる。
【0155】
段階870において、端末は、プロセッシング時間決定に利用するサブキャリアスペーシング値、及び端末が第2信号を送信する上向きリンクチャネルに基づき、プロセッシング時間を決定することができる。段階870は、
図7の段階740に対応しうる。
【0156】
図9は、実施形態による端末の構造を図示するブロック図である。
図9を参照すれば、本発明の端末は、プロセッサ901、送受信部902及びメモリ903を含んでもよい。ただし、端末の構成要素は、前述の例に限定されるものではない。例えば、該端末は、前述の構成要素よりさらに多くの構成要素を含むか、あるいはさらに少ない構成要素を含んでもよい。それだけではなく、プロセッサ901、送受信部902及びメモリ903が1つのチップ形態にも具現される。
【0157】
一部実施形態によれば、送受信部902は、基地局と信号を送受信することができる。端末が基地局と送受信する信号は、制御情報と、データとを含んでもよい。送受信部902は、送信される信号の周波数を上昇変換及び増幅するRF送信器と、受信される信号を低ノイズ増幅し、周波数を下降変換するRF受信器とによっても構成される。また、送受信部902は、無線チャネルを介して信号を受信し、プロセッサ901に出力し、プロセッサ901から出力された信号を無線チャネルを介して伝送することができる。
【0158】
プロセッサ901は、前述の実施形態によって端末が動作するように、一連の過程を制御することができる。例えば、端末のプロセッサ901は、本開示の多様な実施形態による、OFDM信号を使用した下向きリンク制御チャネル受信、及びRS、データチャネル送受信方法などを制御することができる。プロセッサ901は、複数個のプロセッサによっても構成され、プロセッサ901は、メモリ903に保存されたプログラムを実行することにより、送受信部902を介して基地局から受信した第1信号に対応し、第2信号を基地局に伝送するために必要なプロセッシング時間を決定するように制御することができる。
【0159】
一部実施形態によれば、メモリ903は、端末動作に必要なプログラム及びデータを保存することができる。また、メモリ903は、端末が送受信する信号に含まれた制御情報またはデータを保存することができる。メモリ903は、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、ハードディスク、CD-ROM(compact disc read only memory)及びDVD(digital versatile disc)のような記録媒体、または記録媒体の組み合わせによっても構成される。また、メモリ903は、複数個のメモリによっても構成される。一部実施形態によれば、メモリ903は、変調信号を送受信するためのプログラムを保存することができ、前述の意グループ変調方式の設定、及びグループ変調方式の送受信のためのプログラムを保存することができる。
【0160】
図10は、実施形態による基地局の構造を図示するブロック図である。
図10を参照すれば、基地局は、プロセッサ1001、送受信部1002及びメモリ1003を含んでもよい。ただし、基地局の構成要素は、前述の例に限定されるものではない。例えば、該基地局は、前述の構成要素よりさらに多くの構成要素を含むか、あるいはさらに少ない構成要素を含んでもよい。それだけではなく、プロセッサ1001、送受信部1002及びメモリ1003が1つのチップ形態にも具現される。
【0161】
一部実施形態によれば、プロセッサ1001は、前述の本開示の実施形態により、基地局が動作するように一連の過程を制御することができる。例えば、該基地局のプロセッサ1001は、本開示の多様な実施形態による、OFDM信号を使用した下向きリンク制御チャネル割り当て及びその送信、並びにRS、データチャネル資源マッピング及び送受信方法を制御することができる。プロセッサ1001は、複数個のプロセッサによっても構成され、プロセッサ1001は、メモリ1003に保存されたプログラムを実行することにより、端末への第1信号送信を制御することができる。
【0162】
送受信部1002は、端末と信号を送受信することができる。端末と送受信する信号は、制御情報とデータとを含んでもよい。一部実施形態によれば、送受信部1002は、送信される信号の周波数を上昇変換及び増幅するRF送信器と、受信される信号を低ノイズ増幅し、周波数を下降変換するRF受信器とによっても構成される。ただし、それは、送受信部1002の一実施形態であるのみ、送受信部1002の構成要素は、RF送信器及びRF受信器に限定されるものではない。また、送受信部1002は、無線チャネルを介して信号を受信してプロセッサ1001に出力し、プロセッサ1001から出力された信号を無線チャネルを介して伝送することができる。
【0163】
一部実施形態によれば、メモリ1003は、基地局の動作に必要なプログラム及びデータを保存することができる。また、メモリ1003は、基地局が送受信する信号に含まれた制御情報またはデータを保存することができる。メモリ1003は、ROM、RAM、ハードディスク、CD-ROM及びDVDのような記録媒体、または記録媒体の組み合わせによっても構成される。また、メモリ1003は、複数個のメモリによっても構成される。
【0164】
本開示の特許請求の範囲、または明細書に記載された多様な実施形態による方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせの形態によっても具現される。
【0165】
ソフトウェアで具現する場合、1以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を保存するコンピュータ可読記録媒体が提供されうる。該コンピュータ可読記録媒体に保存される1以上のプログラムは、電子装置内の1以上のプロセッサによって実行可能になるように構成される。1以上のプログラムは、電子装置をして、本開示の特許請求の範囲、または明細書に記載された多様な実施形態による方法を実行させる命令語を含む。
【0166】
そのようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)は、RAM,フラッシュメモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ROM、電気的削除可能プログラム可能ROM(EEPROM)、磁気ディスク保存装置、CD-ROM、DVDまたは他の形態の光学保存装置、マグネチックカセットにも保存される。または、それらの一部または全部の組み合わせによって構成されたメモリにも保存される。また、それぞれの構成メモリは、多数個含まれてもよい。
【0167】
また、プログラムは、インターネット、イントラネット(Intranet)、LAN(local area network)、WLAN(wide LAN)またはSAN(storage area network)のような通信ネットワーク、またはそれらの組み合わせによって構成された通信ネットワークを介してアクセスすることができる付着可能な(attachable)保存装置にも保存される。そのような保存装置は、外部ポートを介し、本開示の実施形態を遂行する装置に接続することができる。また、通信ネットワーク上の別途の保存装置が、本開示の実施形態を遂行する装置に接続することもできる。
【0168】
前述の本開示の具体的な実施形態において、本開示に含まれる構成要素は、提示された具体的な実施形態により、単数または複数に表現された。しかし、単数または複数の表現は、説明の便宜のために提示した状況に適して選択されたものであり、本開示は、単数または複数の構成要素に制限されるものではなく、複数に表現された構成要素であるとしても、単数にも構成されるか、あるいは単数によって表現された構成要素であるとしても、複数にも構成される。
【0169】
一方、明細書と図面とに開示された本開示の多様な実施形態は、本開示の記述内容を容易に説明し、本開示の理解の一助とするために特定例を提示したものであるのみ、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であるということは、本開示が属する技術分野で当業者に自明である。また、前記多様な実施形態は、必要により、互いに組み合わされても運用される。例えば、本開示の一実施形態と異なる一実施形態の一部分が互いに組み合わさせ、基地局と端末とが運用されうる。また、本開示の多様な実施形態は、NRシステムを基準に提示されたが、FDDシステムまたはTDD(time division multiplexing) LTEシステムのような他のシステムにも、前記多様な実施形態の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であろう。
【0170】
本開示は、多様な実施形態を参照して図示されて説明されたが、本技術分野の当業者であるならば、本開示の思想及び範囲を外れずに、形態及び細部事項の多様な変更がなされうるということを理解するであろう。特許請求の範囲、及びその等価物によって定義されうる。
【符号の説明】
【0171】
901 プロセッサ
902 送受信部
903 メモリ
1001 プロセッサ
1002 送受信部
1003 メモリ