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特許7532349スラッシュ飲料ディスペンサ及びスラッシュ飲料分配方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】スラッシュ飲料ディスペンサ及びスラッシュ飲料分配方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/70 20060101AFI20240805BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
   G07F 9/10 20060101ALI20240805BHJP
   A23G 9/04 20060101ALI20240805BHJP
   F25C 1/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G07F11/70 Z
G07F9/00 109F
G07F9/10 101Z
A23G9/04
F25C1/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021519168
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054946
(87)【国際公開番号】W WO2020076674
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】201841038006
(32)【優先日】2018-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】ブタニ,グルミート
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス,バイロン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ブライアン
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0012051(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177310(US,A1)
【文献】米国特許第03410452(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0179042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00-15/12
A23G 9/00- 9/52
F25C 1/00- 1/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサによって消費者にスラッシュ飲料を提供するための方法であって、
前記スラッシュ飲料を前記スラッシュ飲料の凝固点以下の所定の温度で収容する飲料容器を、前記飲料容器への消費者アクセスなしで、温度調節区画内に貯蔵することと、
前記飲料ディスペンサのユーザインターフェースにおいて、前記スラッシュ飲料に対する消費者選択を受信することと、
前記消費者選択に基づいて、前記飲料容器内の前記スラッシュ飲料が核形成を受けるように、前記飲料容器をシュートに沿って前記飲料ディスペンサのプラットフォーム上に重力落下させて、前記飲料容器を撹拌することと、
前記飲料ディスペンサの送達ポータルにおいて、前記飲料容器を前記消費者に提供することと、を含む、方法。
【請求項2】
約-2℃~約-12℃の温度で前記温度調節区画内に前記飲料容器を貯蔵することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飲料容器を前記消費者に提供することが、前記飲料容器を、前記温度調節区画から、消費者によってアクセス可能である、前記温度調節区画の外部のエリアに移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記消費者に前記飲料容器を提供する前に、消費者による支払いを受け入れることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
スラッシュ飲料ディスペンサであって、
ハウジングと、
1つ以上の飲料容器を、前記1つ以上の飲料容器が消費者によってアクセス可能ではないように貯蔵するように構成された、前記ハウジング内の温度調節区画であって、前記温度調節区画が、入口及び出口を含む、温度調節区画と、
前記温度調節区画を、前記1つ以上の飲料容器内のスラッシュ飲料の凝固点以下の第1の所定の温度に維持するための冷却システムと、
前記1つ以上の飲料容器内のスラッシュ飲料に核形成を受けさせるように構成されている、前記温度調節区画の前記出口に配設され、前記1つ以上の飲料容器をプラットフォーム上に落下させるように構成されたシュートを有する撹拌器と、
前記飲料容器を前記消費者に提供するために、前記撹拌器に動作可能に接続された送達ポータルと、を備える、ディスペンサ。
【請求項6】
ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースを更に備え、前記スラッシュ飲料ディスペンサが、前記ユーザ入力に基づいて飲料容器を選択的に分配する、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記第1の所定の温度が、約-2℃~約-12℃である、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記温度調節区画が、前記1つ以上の飲料容器を前記温度調節区画の前記入口から前記出口に順次案内するように構成された通路を備える、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記通路が、互いに離隔された複数の棚によって画定されている、請求項8に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記温度調節区画内に、前記温度調節区画内で保持された前記飲料容器の数を追跡するためのカウンタを更に備える、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記温度調節区画が、前記第1の所定の温度に維持された第1のゾーンと、前記第1のゾーンの上に配置され、第2の所定の温度に維持された第2のゾーンと、を含み、
前記第1の所定の温度が、前記第2の所定の温度未満であり、
前記1つ以上の飲料容器が、前記第2のゾーンから前記第1のゾーンへと通路に沿って移動するように構成されている、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記温度調節区画の前記第1のゾーン及び前記第2のゾーンが、断熱仕切りによって分離されている、請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記ハウジングが、前記温度調節区画が位置付けられている内部容積を画定する、基部、1つ以上の側壁、及び上壁を含み、前記送達ポータルが、前記1つ以上の側壁上に位置付けられている、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記ハウジングの前記上壁が、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能な選択的に開放可能な蓋を備え、それにより、前記選択的に開放可能な蓋が開放構成にあるときに前記温度調節区画の前記入口がアクセス可能であり、前記選択的に開放可能な蓋が閉鎖構成にあるときに前記入口がアクセス不可能である、請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記撹拌器が、シュートを含み、前記シュートは、前記飲料容器が前記シュートの上で摺動することを可能にし、それにより、プラットフォーム上への前記飲料容器の制御された重力落下を引き起こすように構成されている、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記シュートが、水平軸に対して傾斜している第1の部分と、前記水平軸に対して垂直に配置されている第2の部分と、丸みを帯びて前記第1の部分を前記第2の部分に接続するショルダ領域と、を含む、請求項15に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記ハウジング内にあって第2の入口と第2の出口とを有する二次温度調節区画を更に備え、
前記二次温度調節区画は、前記1つ以上の第2の飲料容器を、前記1つ以上の第2の飲料容器が消費者によってアクセス可能ではないように、貯蔵するように構成されている、請求項5に記載のディスペンサ。
【請求項18】
飲料ディスペンサによって消費者にスラッシュ飲料を提供するための方法であって、
ボトル又は缶からなる飲料容器であって前記スラッシュ飲料を含む飲料容器が、前記スラッシュ飲料の凝固点以下の温度の過冷却状態で前記飲料ディスペンサの温度調節された区画に貯蔵されており、前記飲料ディスペンサのユーザインターフェースにおいて、前記スラッシュ飲料に対する消費者選択を受信することと、
前記消費者選択に基づいて、前記飲料容器を前記温度調節された区画から前記飲料ディスペンサの撹拌器に放出することと、
過冷却状態の前記スラッシュ飲料が核形成を受けるように、消費者による介入なしで、前記飲料容器をプラットフォーム上に落下させて前記飲料容器を横向き配向から垂直配向に再配向するように構成されたシュートを有する前記撹拌器によって、前記過冷却状態の前記スラッシュ飲料を撹拌することと、
前記過冷却状態の前記スラッシュ飲料を撹拌後、前記飲料ディスペンサの送達ポータルにおいて、前記スラッシュ飲料を消費者に提供することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される実施形態は、概して、スラッシュ飲料を分配するための方法及びデバイスに関する。具体的には、本明細書に説明される実施形態は、スラッシュ飲料を収容する飲料容器を自動的に分配するためのスラッシュ飲料ディスペンサ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
販売機は、とりわけ、食料品店、コンビニエンスストア、ショッピングモール、スポーツ又はコンサート会場、ガソリンスタンド、オフィス、及び映画館などの様々な場所で、要求に応じて缶入り又はボトル入り飲料を消費者に分配するために一般的に使用されている。従来の販売機は、飲料を購入するための便利な手段を消費者に提供し得るが、販売機は、いくつかの欠点を有する。従来の販売機は、液体飲料を貯蔵及び分配するために一般的に使用されており、ボトル入り又は缶入りスラッシュ飲料を提供しない。液体飲料は、貯蔵された飲料を低温に維持するために、販売機の冷蔵エリア内に貯蔵される。しかしながら、飲料が分配されると、飲料は、急速に温められ得、飲料の味に悪影響を及ぼす。一部の消費者は、飲料を低温に維持するために、その飲料に氷を添加することを選択し得るが、飲料は、氷が溶けると希釈されることになり得、これもまた、望ましくない。更に、従来の販売機は、一般に、独特の又は興味深い消費者体験を提供せず、単に消費者によってアクセス可能なエリアに飲料を分配する。その結果、消費者が販売機から追加の飲料を購入するか、又は特定の販売機を再訪することに関して、動機がほとんど存在しない場合がある。
【0003】
それゆえに、消費者による更なる手動介入なしで、飲料の消費者の選択の際に、消費者にスラッシュ飲料を自動的に提供するための方法及びディスペンサに対する継続的な必要性が存在する。更に、使用が容易であり、独特の及び愉快な体験を提供する、スラッシュ飲料ディスペンサに対する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、飲料を飲料の凝固点以下の所定の温度で収容する飲料容器を、飲料容器への消費者アクセスなしで、温度調節区画内に貯蔵することと、飲料に対する消費者選択を受信することと、消費者選択に基づいて、飲料容器内の飲料が核形成を受けるように、飲料容器を撹拌することと、飲料容器を消費者に提供することと、を含む、消費者にスラッシュ飲料を提供するための方法を対象とする。
【0005】
いくつかの実施形態は、飲料に対する消費者選択を受信することであって、飲料が、飲料の凝固点以下の温度で貯蔵されている、受信することと、消費者選択に基づいて、飲料が消費者による介入なしで核形成を受けるように、飲料を撹拌することと、飲料を消費者に提供することと、を含む、消費者にスラッシュ飲料を提供するための方法を対象とする。
【0006】
いくつかの実施形態は、ハウジングと、1つ以上の飲料容器を、1つ以上の飲料容器が消費者によってアクセス可能ではないように貯蔵するように構成された、ハウジング内の温度調節区画であって、温度調節区画が、入口及び出口を含む、温度調節区画と、温度調節区画を、1つ以上の飲料容器内の飲料の凝固点以下の第1の所定の温度に維持するための冷却システムと、1つ以上の飲料容器内の飲料に核形成を受けさせるように構成されている、温度調節区画の出口に配設された撹拌器と、飲料容器を消費者に提供するために、撹拌器に動作可能に接続された送達ポータルと、を備える、スラッシュ飲料ディスペンサを対象とする。
【0007】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、飲料容器が、約-2℃~約-12℃の温度で貯蔵され得る。
【0008】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、飲料容器が、飲料容器を機械的衝撃にさらすことによって撹拌され得る。いくつかの実施形態では、飲料容器が、飲料容器を制御された重力落下にさらすことによって撹拌され得る。
【0009】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、飲料容器が、飲料容器を、温度調節区画から、消費者によってアクセス可能である、温度調節区画の外部のエリアに移動させることによってユーザに提供され得る。
【0010】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、スラッシュ飲料ディスペンサが、消費者に飲料容器を提供する前に消費者による支払いを受け入れることを含み得る。
【0011】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、スラッシュ飲料ディスペンサが、ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースを更に含み得、スラッシュ飲料ディスペンサが、ユーザ入力に基づいて飲料容器を選択的に分配する。
【0012】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、温度調節区画が、1つ以上の飲料容器を温度調節区画の入口から出口に順次案内するように構成された通路を含み得る。いくつかの実施形態では、通路が、互いに離隔された複数の棚によって画定され得る。
【0013】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、スラッシュ飲料ディスペンサが、温度調節区画内に、温度調節区画内で保持された飲料容器のを追跡するためのカウンタを更に含み得る。
【0014】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、温度調節区画が、第1の所定の温度に維持された第1のゾーンと、第2の所定の温度に維持された第2のゾーンと、を含み得、第1の所定の温度が、第2の所定の温度未満である。いくつかの実施形態では、温度調節区画の第1のゾーン及び第2のゾーンが、断熱仕切りによって分離され得る。
【0015】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、スラッシュ飲料ディスペンサのハウジングが、温度調節区画が位置付けられている内部容積を画定する、基部、1つ以上の側壁、及び上壁を含み得、送達ポータルが、1つ以上の側壁上に位置付けられている。いくつかの実施形態では、ハウジングが、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能な選択的に開放可能な蓋を更に含み得、それにより、選択的に開放可能な蓋が開放構成にあるときに温度調節区画の入口がアクセス可能であり、選択的に開放可能な蓋が閉鎖構成にあるときに入口がアクセス不可能である。
【0016】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、撹拌器が、シュートを含み得、シュートは、飲料容器がその上で摺動することを可能にし、それにより、プラットフォーム上への飲料容器の制御された重力落下を引き起こすように構成されている。いくつかの実施形態では、シュートが、水平軸に対して傾斜している第1の部分と、水平軸に対して垂直に配置されている第2の部分と、丸みを帯びて第1の部分を第2の部分に接続するショルダ領域と、を含む。
【0017】
本明細書で論じられる様々な実施形態のいずれかでは、スラッシュ飲料ディスペンサが、ハウジング内の二次温度調節区画を更に含み得、二次温度調節区画が、1つ以上の飲料容器を、1つ以上の飲料容器が消費者によってアクセス可能ではないように、貯蔵するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの斜視図を示す。
【0019】
図2】実施形態による、開放構成にある蓋を有するスラッシュ飲料ディスペンサの上端の斜視図を示す。
【0020】
図3】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサのユーザインターフェースを示す。
【0021】
図4】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの長手方向断面図を示す。
【0022】
図5】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの温度調節区画の長手方向断面図を示す。
【0023】
図6】実施形態による、温度調節区画の背面図を示す。
【0024】
図7】実施形態による、温度調節区画及び撹拌器の正面図を示す。
【0025】
図8】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの撹拌器の斜視図を示す。
【0026】
図9】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの分配器の側面図を示す。
【0027】
図10】実施形態による、分配効果を提供するスラッシュ飲料ディスペンサの図を示す。
【0028】
図11】実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以降、添付図面に例示されるような本発明の実施形態を参照して、本発明(複数可)を詳細に説明する。「1つの実施形態」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0030】
消費者は、様々な理由のために、ファウンテン又はドラフト飲料ではなく、ボトル入り又は缶入り飲料などの、包装された飲料を購入することを選択し得る。消費者が消費のために飲料を開封することを望むまで、包装された飲料は、密閉されたままであり、多くの場合、飲料は、開封されると再密閉され得る。したがって、包装された飲料は、多くの場合、カップ内に分配されるファウンテン又はドラフト飲料に対して、改善された携帯性を有する。加えて、一部の消費者は、プラスチック又は紙カップから飲むのではなく、缶又はボトルから直接飲む体験を好む場合がある。
【0031】
しかしながら、包装された飲料は、一般に、液体飲料に限定され、包装された飲料は、通常、スラッシュ飲料を収容しない。スラッシュ飲料は、消費者が独特の食感を有する冷涼及び清涼飲料を楽しむことを望む場合に所望され得る。スラッシュ飲料は、単に冷蔵されている飲料よりも長期間にわたって冷涼なままであり得る。スラッシュ飲料が、それ自体、部分的に凍結されると、スラッシュ飲料は、スラッシュ飲料の凍結部分が溶けたときに希釈されない。
【0032】
従来の販売機は、一般に、低温飲料を分配するが、一般に、スラッシュ飲料を分配しない。一部の飲料ディスペンサは、消費者にスラッシュ飲料を分配することが知られているが、そのような飲料ディスペンサは、一般に、消費者が分配プロセスの1つ以上の工程を実行することを必要とする。消費者は、飲料又は飲料容器を選択して手動で取り出し、飲料又は飲料容器を、充填される飲料容器又は冷却又は冷凍される飲料容器のための特定の場所に配置する必要があり得る。消費者は、飲料を手動で振ること、及び/又はレバー若しくはボタンを作動させて分配プロセスを進めるなどの、分配プロセスの工程を実行するための追加のタスクを実施する必要があり得る。スラッシュ飲料を分配するためにユーザに一連の工程を辿ることを要求することは、時間が掛かり、不便であると見られる場合があり、これは、消費者に飲料ディスペンサの否定的な印象を与え得る。ユーザに、分配プロセスの様々な工程を手動で実施することを要求することはまた、ユーザエラーの可能性を導入する。飲料ディスペンサは、プロセスの工程が消費者によって適切に実行されない場合、最適に機能しない場合がある。分配デバイスが正しく機能せず、スラッシュ飲料の分配に失敗する場合、消費者は、悪い体験を有する可能性があり、飲料ディスペンサから追加の飲料を購入する可能性が低くなり得る。
【0033】
加えて、多くの従来の飲料ディスペンサ及び販売機は、消費者によるアクセスのために飲料を単に分配する。そのような飲料ディスペンサは、純粋に機能的であり、消費者に追加の飲料を購入するか、又は最初の飲料購入後に飲料ディスペンサに戻ってくることを誘うための愉快な又は独特の体験を提供しない。結果として、消費者は、特定の飲料ディスペンサに戻るための動機をほとんど有しない場合があり、代わりに、他のディスペンサ又は店舗から飲料を購入することを選択し得る。
【0034】
ガラス若しくはプラスチックボトル又は缶などの飲料容器内にスラッシュ飲料を提供することは、包装された飲料の利便性を、スラッシュ飲料の味及び体験と組み合わせることが望ましい。更に、消費者が液体から部分的に凍結したスラッシュに変化する飲料のプロセスを目撃することを飲料ディスペンサが可能にする場合、消費者は、独特の体験を提供され得る。独特の体験は、消費者に追加の飲料を購入することを促すか、又は誘い得、消費者に、競合する飲料ディスペンサよりもスラッシュ飲料ディスペンサを使用するように選択させ得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じられるスラッシュ飲料ディスペンサは、消費者にスラッシュ飲料を自動的に分配する。いくつかの実施形態では、本明細書で論じられるスラッシュ飲料ディスペンサは、ユーザ入力を受信すると、消費者による更なる介入なしで、スラッシュ飲料を収容する飲料容器を消費者に自動的に分配する。スラッシュ飲料を調製及び分配するためのプロセスの工程を消費者が実行する必要性を排除することは、消費者にスラッシュ飲料を確実に提供する直感的かつ顧客にとって便利な体験を提供し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200が消費者によってアクセス可能ではないように、1つ以上の飲料容器200を所定の温度で貯蔵するための温度調節区画140を収容するハウジング110を含む。スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200内のスラッシュ飲料をユーザに提供するために、消費者による手動介入の必要性なしで、飲料容器200内の飲料に核形成を受けさせるための撹拌器170を更に含む。
【0037】
図1を参照すると、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、消費者にスラッシュ飲料を提供するように構成されている。スラッシュ飲料ディスペンサ100は、様々なタイプの飲料のいずれかを分配するために使用され得る。本明細書で使用される際、「飲料」という用語は、ソフトドリンク、水、炭酸水、乳飲料、ジュース、アルコール飲料、スポーツドリンク、スムージー、コーヒー飲料、茶飲料、及びミルクセーキを含むがこれらに限定されない、炭酸又は無炭酸であり得る、いずれかの消費可能な自由流動性液体又は半液体製品が含まれる。「スラッシュ飲料」という用語は、飲料が一部液体及び一部固体であるように、少なくとも部分的に凍結されている、本明細書に説明される任意の飲料を含む。
【0038】
実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、カウンタトップデバイスとしての使用に好適であるようにサイズ決め及び形状決めされ得る。他の実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、例えば、床を含む様々な支持表面のいずれかの上に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、スラッシュ飲料ディスペンサ100がスタンドアロンデバイスとして使用され得るように、支持構造体上に取り付けられてもよく、又は支持構造体と一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、壁ユニットを提供するために壁に一体化されてもよい。
【0039】
スラッシュ飲料ディスペンサ100は、内部容積を画定する、基部113、1つ以上の側壁114、及び上壁115を含むハウジング110を含む。基部113は、カウンタトップなどの、支持表面上に位置付けられるように構成されている。基部113は、支持表面に接触し、所望の場所にスラッシュ飲料ディスペンサ100を安定的に維持するための1つ以上の足部111を含み得る。
【0040】
スラッシュ飲料ディスペンサ100のハウジング110は、限定されるものではないが、アルミニウム若しくはステンレス鋼などの金属、限定されるものではないが、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、若しくはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含む、ポリマー若しくはポリマー系材料、又はこれらの組み合わせを含む、様々な材料のいずれかから形成され得る。ハウジング110は、一体型構造であってもよく、又は子部品のアセンブリとして形成されてもよい。ハウジング110は、とりわけ、射出成形、ブロー成形、又は圧縮成形などの成形によって形成され得る。
【0041】
送達ポータル112は、分配された飲料容器へのアクセスを消費者に提供するために、ハウジング110内に提供される。いくつかの実施形態では、送達ポータル112は、ハウジング110の側壁114によって画定され、送達ポータル112は、ハウジング110上の様々な位置のいずれかに位置し得る。送達ポータル112は、ハウジング110内の飲料容器が消費者によってアクセスされることを可能にする、ハウジング110の開口部として形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング110は、飲料容器がスラッシュ飲料ディスペンサ100から分配されるときまで、送達ポータル112を取り外し可能に覆うためのドア又は蓋を含み得る。ハウジング110は、図1に示されるような楕円形状の送達ポータル112を画定し得るが、実施形態では、送達ポータル112は、限定されるものではないが、正方形、矩形、ボトル形状、円筒形、缶型、及び他の好適な形状を含む、様々な形状のいずれかを有するように形成され得る。
【0042】
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100のハウジング110は、選択的に開放可能な蓋119を含む。いくつかの実施形態では、ハウジング110の上壁115は、選択的に開放可能な蓋119であってもよく、又はそれを含んでもよい。選択的に開放可能な蓋119は、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能である。開放構成では、温度調節区画140の入口141は、温度調節区画140に飲料容器を充填又は補充するなどのためにアクセス可能である。閉鎖構成では、蓋119は、入口141が消費者によってアクセス可能ではないように、入口141を覆う。入口141へのアクセスを防止することは、不正ユーザが、温度調節区画140の入口141を通じて飲料容器を取り外すことによって飲料容器を盗もうとすること、又は入口141内に異物を挿入することを防止することを助け得る。蓋119は、ハウジング110から完全に取り外し可能であり得るか、又は蓋119の縁に沿って位置付けられた1つ以上のヒンジなどによって、ハウジング110に枢動可能に接続され得る。蓋119は、当該技術分野で既知の他の係止デバイスの中でも、鍵付きロック、組み合わせロック又は電子ロックなどの、ロック機構を更に含み得、それにより、許可された個人のみが、蓋119を閉鎖から開放構成に移動させることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、例えば、図3に示されるように、飲料選択などのユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース120を更に含み得る。ユーザインターフェース120は、ハウジング110の側壁上などの、筐体110の様々な部分のいずれかに位置付けられ得る。ユーザインターフェース120は、図3に示されるように電子ディスプレイ画面121を含み得る。電子ディスプレイ画面121は、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよく、電子ディスプレイ画面121は、タッチ画面ディスプレイであってもよい。電子ディスプレイ画面121を有する実施形態では、電子ディスプレイ画面121は、グラフィカルユーザインターフェース122を表示するように構成されている。しかしながら、代替的な実施形態では、ユーザインターフェース120は、ボタン、レバー又はハンドルなどの一連のアクチュエータであり得、各アクチュエータは、特定の飲料に対応する。ユーザインターフェース120は、入手可能な飲料のリスト、並びに、任意選択的に、支払い情報及び命令などの、消費者に対する情報及び命令を表示する電子ディスプレイ画面121及びグラフィカルユーザインターフェース122を含み得る。電子ディスプレイ画面121がタッチ画面ディスプレイである場合、グラフィカルユーザインターフェース122は、アイコン124が表示される電子ディスプレイ画面121上の場所を押すことによって、ユーザによって選択される1つ以上のアイコン124を表示し得る。例えば、グラフィカルユーザインターフェース122は、異なる飲料に対応する一連のアイコン124を表示し得、各アイコン124は、飲料の画像及び/又は飲料の名称若しくはロゴであり得る。電子ディスプレイ画面121がタッチ画面ディスプレイではない場合、ユーザインターフェース120は、ボタン、レバー、又はハンドルなどの1つ以上のアクチュエータを更に含み、それにより、消費者がコマンドを入力し、アクチュエータを使用してグラフィカルユーザインターフェース122をナビゲートすることを可能にする。ユーザインターフェース120によるユーザ入力の受信は、スラッシュ飲料ディスペンサ100から飲料容器の分配を開始するように構成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、支払い処理システム130を更に含み得る。支払い処理システム130は、ユーザインターフェース120が、どのように支払いが行われ得るか、及び受け入れられた支払いのタイプに関する情報及び命令を表示するように、ユーザインターフェース120とは別個であってもよく、又はそれと一体化されてもよい。支払い処理システム130は、紙幣、硬貨、トークン、デビットカード、又はクレジットカードによる支払いなどの、異なるタイプの支払いを受け入れるための1つ以上のスロット132を含み得る。支払い処理システム130はまた、ユーザがモバイル支払いシステムを使用して支払いを行うことを可能にするスキャナ又はリーダを含み得る。いくつかの実施形態では、支払い処理システム130は、例えば、消費者の携帯電話を介して、キャッシュレス支払いを認識するように構成され得る。実施形態では、支払い処理システム130は、消費者の携帯電話から無線でアカウント情報を受信するための近距離無線通信又は無線周波数識別(「RFID」)リーダを備え得る。スラッシュ飲料ディスペンサ100は、消費者に飲料容器を提供する前に消費者が支払いを行うことを要求し得る。例示的な実施形態では、ユーザインターフェース120は、ユーザに飲料選択を行い、その後、選択された飲料の支払いを行うように促し得る。消費者の支払いの受け入れ及び確認の際、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、消費者によって選択される飲料容器の分配を開始し得る。
【0045】
例えば、図4及び図5に示されるように、温度調節区画140は、ハウジング110の内部容積116内に配設され、飲料容器200が消費者によってアクセス不可能であるように、1つ以上の飲料容器200を貯蔵するように構成されている。温度調節区画140は、飲料容器200が容易にアクセスされることができないように飲料容器200を取り囲み、温度調節区画140は、ハウジング110内に位置付けられ、貯蔵された飲料容器200へのアクセスを更に制限する。温度調節区画140は、矩形プリズムとして実質的に形状決めされているように示されているが、温度調節区画140は、様々な形状のいずれかを有してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、各温度調節区画140が特定の飲料を貯蔵するように構成されるように、1つ以上の追加の二次温度調節区画140を含み得る。例えば、第1の温度調節区画140は、ソーダなどの第1のタイプの飲料を貯蔵し得、第2の温度調節区画140は、スポーツ飲料、水、又は異なるタイプのソーダなどの第2のタイプの飲料を貯蔵し得る。このようにして、飲料の消費者選択は、飲料容器を、選択された飲料が貯蔵される対応する温度調節区画から分配させ得る。各温度調節区画140は、その中に任意の飲料容器が貯蔵される異なる所定の温度を有し得る。温度調節区画140及び任意の二次温度調節区画140は、構成及び動作が実質的に同一であり得る。更に、温度調節区画140及び任意の二次温度調節区画140は、ハウジング110内に並んで位置付けられ得る。
【0047】
スラッシュ飲料ディスペンサ100が、1つよりも多い温度調節区画140を含み得ることが理解されるが、単純化のために、以下の議論は、単一の温度調節区画140を指すことになる。温度調節区画140は、入口141及び出口147を画定する。いくつかの実施形態では、入口141は、温度調節区画140の上端151に位置し、出口147は、温度調節区画140の下端152に位置する。入口141は、温度調節区画140が入口141によって飲料容器200で充填又は再充填され得るように、温度調節区画140の内部容積へのアクセスを提供する。温度調節区画140は、入口141を取り外し可能に覆うための入口ドア142を任意選択的に含み得る。
【0048】
温度調節区画140内の飲料容器200は、温度調節区画140の外部にあるスラッシュ飲料ディスペンサ100のエリアに移動するように、出口147を介して温度調節区画140を出ることができる。いくつかの実施形態では、飲料容器200は、ユーザ入力に対応する飲料容器が分配されるように、スラッシュ飲料ディスペンサ100のユーザインターフェース120によるユーザ入力の受信時に、出口147を通って温度調節区画140を出ることを可能にされる。いくつかの実施形態では、温度調節区画140は、出口147を取り外し可能に覆い、かつ温度調節区画140内の飲料容器200が区画140を時期尚早に出ることを防止する、出口ドア148を含む。いくつかの実施形態では、制御ユニット128は、飲料容器200が出口147を介して温度調節区画140から出ることを選択的に可能にするなどの、スラッシュ飲料ディスペンサ100の動作を制御する。
【0049】
いくつかの実施形態では、温度調節区画140は、プラスチック又はガラスボトル又は缶などの、実質的に円筒形構成を有する飲料容器200を貯蔵するように構成されている。いくつかの実施形態では、円筒形飲料容器200は、各円筒形飲料容器200の長手方向軸が表面に対して平行である横向き配向で温度調節区画140内で貯蔵され得、表面は、飲料容器200がその表面上を転動することができるように飲料容器200が位置付けられる表面である。他の実施形態では、飲料容器200は、例えば、垂直構成などの他の構成で貯蔵されてもよい。
【0050】
一実施形態では、温度調節区画140は、飲料容器200を温度調節区画140の入口141から出口147に案内する通路153を画定する。通路153は、通路153内に挿入された第1の飲料容器が、出口147を通って温度調節区画140から分配される第1の飲料容器であり、温度調節区画140内に挿入された第2の飲料容器が、分配される第2のものであり、以下同様であるように、順次的な様式で飲料容器200を案内する。これは、温度調節区画140内に保持された飲料容器200の回転を確保することを助ける。
【0051】
実施形態では、例えば、図4図5に示されるように、通路153は、1つ以上の棚143によって画定される。棚143は、温度調節区画140の上端151から区画140の下端152に向かって互いに離隔されている。いくつかの実施形態では、棚143は、各連続する棚143の間の距離が同じ又は実質的に同じであるように、固定された間隔で離隔されている。各棚143は、実質的に平面であり得、温度調節区画140の一方側から反対側に向かって、反対側に到達せずに延在し得る。棚143は、温度調節区画140の第1の側部144及び対向する第2の側部145から由来して間に交互になり得、その結果、画定された通路153は、蛇行構成を有する。棚143は、仮定水平軸Xに対して角度θを形成するように勾配を有するか又は傾斜し得る。このようにして、各棚143の勾配は、飲料容器200が、重力の力の下で、棚143に沿って、かつ温度調節区画140の出口147に向かって転動することを可能にする。
【0052】
温度調節区画140は、出口147に向かう飲料容器200の移動を選択的に制限するために、温度調節区画140内に1つ以上の可動ゲート149を更に含み得、それにより、飲料容器200が温度調節区画140を時期尚早に出ることを更に阻止する。ゲート149は、例えば、棚143に沿った飲料容器200の前進を阻止するために、棚143上に位置付けられ得る。飲料容器200が分配されると、ゲート149は、飲料容器200が温度調節区画140の出口147に向かって前進することを可能にするように下がり得、一旦、飲料容器200が前進すると、ゲート149は、上昇して更なる移動を阻止し得る。いくつかの実施形態では、ゲート149の移動及びスラッシュ飲料ディスペンサ100の他の動作は、制御ユニット128によって制御され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、温度調節区画140は、第1の所定の温度に維持された第1のゾーン154と、第2の所定の温度に維持された第2のゾーン155とに分割され得る。いくつかの実施形態では、第2のゾーン155は、第1のゾーン154の上に配置され、それにより、温度調節区画140内に挿入された飲料容器200は、まず、第2のゾーン155に入り、飲料容器200が通路153に沿って移動すると、飲料容器200は、飲料容器200が出口147を介して温度調節区画140から出ることができる第1のゾーン154を通過することになる。実施形態では、第1のゾーン154は、第1の所定の温度に維持され、第2のゾーン155は、第2の所定の温度に維持され、第1のゾーンの温度は、第2のゾーンの温度よりも低い。第1のゾーン154は、温度調節区画140内に保持されることになる飲料の凝固点以下の第1の所定の温度に維持されている。第2のゾーン155は、温度調節区画140内に貯蔵された飲料容器200内の飲料の凝固点よりも高い温度に維持されている。一実施形態では、第2のゾーン155は、約0.1℃~約24℃、又は約1℃~約12℃の温度に維持されている。このようにして、第2のゾーン155は、温度調節区画140内に挿入された飲料容器200の温度を下げるように機能し、それにより、飲料容器200は、第2のゾーン155から第1のゾーン154内に移動したときに、第1の所定の温度により急速に到達することになる。温度調節区画140の第1のゾーン154よりも高い温度で第2のゾーン155を維持することは、温度調節区画140全体を第1の所定の温度に維持する必要性を排除することによって、スラッシュ飲料ディスペンサ100のエネルギー効率を改善することを助ける。
【0054】
実施形態では、温度調節区画140の第1のゾーン154及び第2のゾーン155は、断熱仕切り156によって分離されている。断熱仕切り156は、棚143と同様に形成され、実質的に平面であり、仮定横軸Xに対して角度を形成するように勾配を有するか又は傾斜し得る。断熱仕切り156を有する実施形態では、断熱仕切り156及び棚143は、温度調節区画140内に通路153を画定する。断熱仕切り156は、第1のゾーン154への熱伝達を阻止することによって、第1のゾーン154を第1の所定の温度に維持することを助けるように構成されている。断熱仕切り156は、断熱仕切り156が、温度調節区画140の内部容積にわたって、温度調節区画140の第1の側部144から反対側の第2の側部145まで完全に延在するという点で、棚143とは異なる。断熱効果を提供するために、絶縁仕切り156は、棚143よりも厚い厚さを有し得る、低熱伝導率を有する材料から形成され得る、及び/又は二重壁構造を有し得る。
【0055】
断熱仕切り156は、飲料容器200が第2のゾーン155から第1のゾーン154に通過し得る仕切り開口部157を画定する。仕切り開口部157は、開放構成と閉鎖構成との間で移動可能である断熱ドア158によって取り外し可能に覆われ得る。断熱ドア158が閉鎖構成にあるとき、断熱仕切り156及び断熱ドア158は、第1及び第2のゾーン154、155の間に障壁を提供する。断熱ドア158は、第1の所定の温度に第1のゾーン154を維持するために、閉鎖構成に向かって付勢され得る。断熱ドア158は、一時的に開放されて、飲料容器200が、絶縁ドア158上の飲料容器200の重量に起因して、仕切り開口部157を通過することを可能にし、一旦、飲料容器200が仕切り開口部157を通過すると、断熱ドア158は、自動的に閉鎖構成に戻り得る。あるいは、いくつかの実施形態では、絶縁ドア158の開閉は、制御ユニット128によって制御され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、温度調節区画140は、温度調節区画140内の飲料容器200の数を追跡するように構成されたカウンタ190を更に含む。図5に最良に示されるように、カウンタ190は、その長手方向軸を中心に回転し得る回転可能な軸192と、軸192に対して垂直に配置され、そこから半径方向に延在する複数のバッフル194と、を含む。カウンタ190は、図5に示されるように、3つのバッフル194を有し得る。しかしながら、他の実施形態では、カウンタ190は、追加の又はより少ないバッフル194を有してもよい。カウンタ190は、飲料容器200がカウンタ190と係合して、温度調節区画140の出口147に到達しなければならないように位置付けられている。動作中、飲料容器200が、温度調節区画140内の通路153に沿って移動すると、飲料容器200は、バッフル194に遭遇し、バッフル194に対する飲料容器200の移動は、カウンタ190を回転させ、それにより、カウンタ190は、ターンスタイルとして機能する。このようにして、カウンタ190は、カウンタ190の回転数に基づいて、温度調節区画140内の飲料容器200の数を追跡し得る。いくつかの実施形態では、カウンタ190は、通路153に沿った飲料容器200の前進を阻止するゲートとして更に機能し得る。飲料容器200が分配されたとき、カウンタ190は、飲料容器200が通路153に沿って前進することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、カウンタ190は、飲料容器が分配される際にカウンタ190が回転することを選択的に可能にするように、制御ユニット128によって制御され得る。更に、飲料容器200が温度調節区画140から分配され、残りの飲料容器200が出口147に向かって移動する際にカウンタ190が区画140内で回転しない場合、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、追加の飲料容器200で再充填されることを必要とし得る。
【0057】
スラッシュ飲料ディスペンサ100は、例えば、図6に示されるように、冷却システム160を更に含む。冷却システム160は、温度調節区画140を所定の温度に維持するように構成されている。温度調節区画140が第1のゾーン及び第2のゾーンを含む実施形態では、冷却システム160は、第1のゾーンを第1の所定の温度及び第2のゾーンを第2の所定の温度に維持するように構成され得る。更に、複数の温度調節区画140を有する実施形態では、冷却システム160は、複数の温度調節区画140を同じ又は異なる温度に維持するために使用され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、温度調節区画140の所定の温度は、温度調節区画140内に貯蔵される飲料の凝固点以下であり得る。所定の温度は、飲料が液体状態のままであるように選択され、それにより、飲料は、過冷却され、温度調節区画140内で時期尚早に固体にならない。当業者であれば、凝固点が1つの飲料と別の飲料とで異なることを理解し、適宜適切な温度を選択することができる。例えば、甘味料入りの炭酸飲料の凝固点は、一般に、精製飲料水の凝固点よりも低く、その結果、温度調節区画140は、温度調節区画140が精製飲料水を貯蔵するために使用される場合よりも、甘味料入りの炭酸飲料を貯蔵するために使用される場合により低温に維持されることを必要とし得る。いくつかの実施形態では、温度調節区画140の所定の温度は、約-24℃~約-0.1℃、約-18℃~約-1℃、又は約-12℃~約-2℃であり得る。
【0059】
実施形態では、冷却システム160は、冷媒を循環させるための複数の導管163を介してコンプレッサ162、凝縮器164及び膨張弁(図4に最良に示される)と連通する蒸発器166を備える。蒸発器166は、ダクト167を通して冷却された空気を温度調節区画140に供給する。温度調節区画140は、冷却された空気がダクト167から温度調節区画140内に流れ得る通気口159を有し得る。ダクト167は、温度調節区画140を通る冷却された空気の循環を促進するためにファン168に更に接続され得る。いくつかの実施形態では、冷却システム160は、区画140内の温度を決定するために、温度調節区画140内に位置付けられた1つ以上の温度センサを含み得る。冷却システム160は、温度センサの読み取り値に基づいて、温度調節区画140を所定の温度に維持するために、その動作を自動的に調整し得る。代替的な実施形態では、温度調節区画140が本明細書に議論されるように所定の温度に維持される限り、当該技術分野で既知の他のタイプの冷却システム160が使用されてもよい。
【0060】
スラッシュ飲料ディスペンサ100は、図7図8に示されるように、飲料容器200内の飲料に核形成を受けさせるように構成された撹拌器170を更に含む。撹拌器170は、スラッシュ飲料ディスペンサ100の温度調節区画140の出口147に配設されている。いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100によるユーザ入力を受信すると、飲料容器200は、温度調節区画140から出口147を通って撹拌器170に通過することを可能にされる。
【0061】
温度調節区画140内の飲料容器200内の飲料は、過冷却状態で飲料の凝固点以下の温度で貯蔵され、撹拌又はかき回されるまで液相のままである。撹拌器170は、飲料容器200を機械的衝撃にさらして、飲料に核形成を受けさせ、液体から固体又は部分固体、すなわち、スラッシュへの相変化を開始するように構成されている。機械的衝撃は、例えば、表面又はプラットフォーム上への飲料容器200の制御された重力落下によって提供され得る。あるいは、機械的衝撃は、飲料容器200を打撃することによって提供され得る。飲料容器200内の飲料が機械的影響を受けると、飲料の核形成が起こり始める。核形成は、液体の温度が凝固点よりも更に低下するにつれて、より急速に起こり得る。したがって、いくつかの実施形態では、核形成がより緩やかに起こり、分配された飲料容器内での飲料の核形成を消費者が目撃することを可能にするために、飲料の凝固点よりもわずかに低い温度、例えば、凝固点の20℃以内、凝固点の15℃以内、又は凝固点の10℃以内の温度で飲料を貯蔵することが望ましい。
【0062】
いくつかの実施形態では、撹拌器170は、飲料容器200に、プラットフォーム182などの表面上への制御された重力落下を受けさせるように構成されている。撹拌器170は、飲料容器200が、温度調節区画140の出口147からプラットフォーム182上に摺動し得るシュート172を含み得る。実施形態では、シュート172は、ハウジング110の内側部分に形成され、いくつかの実施形態では、ハウジング110と一体成形され得る。プラットフォーム182上に落下する飲料容器200の機械的衝撃が核形成を起こさせる。実施形態では、シュート172は、仮定水平軸Zとシュート172の第1の部分173との間で測定された角度θで仮定水平軸Zに対して勾配を有するか又は傾斜した第1の部分173を有する平滑な連続表面を有する。シュート172は、シュート172の第1の部分173と第2の部分175とを接続する丸みを帯びた遷移領域であるショルダ領域176を更に含む。第2の部分175は、シュート172の第2の部分175が仮定水平軸Zに対して垂直であるように、実質的に垂直に配置され得る。シュート172の第1の部分173は、飲料容器200をプラットフォーム182に向かって案内するように傾斜し得る。このようにして、温度調節区画140を出る飲料容器は、シュート172の第1の部分173上に転動し、第1の部分173上をショルダ領域176に向かって摺動し、ショルダ領域176に到達すると、飲料容器200は、重力の力の下で第2の部分175に沿ってプラットフォーム182上に落下する。シュート172は、飲料容器200がシュート172上に保持され、予期されないか又は制御されない方法で移動することができないように、シュート172の反対側の保持壁177及びハウジング110によって第1の側部に結合され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、例えば、図7に示されるように、飲料容器が位置付けられる表面に対して飲料容器の長手方向軸が垂直であるように、直立配向で飲料容器200を分配することが望ましい場合がある。そのような実施形態では、シュート172は、温度調節区画140内の横向きの配向で貯蔵された飲料容器200を、消費者への提示のために直立又は垂直配向に再配向するように構成され得る。
【0064】
2つの温度調節区画140を有する実施形態では、撹拌器170は、2つのシュート172を含み得、1つのシュート172が、各温度調節区画140に対応している。そのような実施形態では、シュート172は、各々、飲料容器を、共有プラットフォーム182上への制御された重力落下にさらすように構成され得る。したがって、図7に示されるように、2つのシュート172は、互いに鏡像である。
【0065】
一実施形態では、撹拌器170は、温度調節区画140の出口147を出る際に飲料容器200を打撃するように構成されているストライカを含む。ストライカは、実質的に静止し得る飲料容器200に作用することによって、飲料容器200を機械的衝撃にさらすように構成されている。ストライカの使用は、飲料容器200を落下又は振盪する必要性なしで飲料容器200が撹拌されることを可能にする。ストライカは、可動ロッド、バー、又はハンマを含む様々な形態のいずれかとすることができる。ストライカは、飲料容器200の側壁、上端、又は下端などの飲料容器200の様々な部分のいずれかを打撃するために使用され得る。ストライカは、飲料容器200を機械的衝撃にさらして、飲料容器200内の飲料の核形成を引き起こす。いくつかの実施形態では、ストライカによって付与される機械的衝撃は、飲料容器内の飲料に核形成を受けさせて核形成を促進するが、一方で、飲料容器200を打撃することから結果的に生じる飲料容器200又はストライカへのいかなる損傷も回避するように、最小限の十分な力である。ストライカの動作は、温度調節区画140を出た飲料容器を打撃するように制御ユニット128によって制御され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、一旦、飲料容器200が撹拌されると、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200を消費者に提供し得る。したがって、ハウジング110の送達ポータル112は、消費者が、撹拌器170から、具体的にはプラットフォーム182から、飲料容器200を直接取り出すことができるように、撹拌器170に動作可能に接続され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、送達ポータル112は、撹拌器170から離れて位置してもよく、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200を撹拌器170から送達ポータル112まで移動させる分配器180を更に含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、図9に示されるように、撹拌器170から送達ポータル112まで飲料容器200を移動させるための分配器180を更に含み得る。分配器180は、飲料容器200を撹拌器170から送達ポータル112まで移動させるように構成された可動プラットフォーム182を含む。分配器180は、消費者によって容易にアクセス可能であり、かつ分配された飲料が消費者によって容易に視認されることを可能にする場所で、送達ポータル112がスラッシュ飲料ディスペンサ100上に位置付けられることを可能にするために有用であり得る。更に、分配器180は、特定の様式で飲料容器200を消費者に提示することによって、スラッシュ飲料ディスペンサ100を使用するときのユーザ体験を改善するために使用され得る。
【0068】
一実施形態では、分配器180は、飲料容器200が、飲料容器200を送達ポータル112まで移動させるために位置付けられ得る可動プラットフォーム182を含む。可動プラットフォーム182は、飲料容器200が位置付けられ得る支持区分183と、ガイドロッド185に移動可能に接続されるロッド係合区分184と、を含む。ガイドロッド185は、下端186及び上端187を有し、上端187が下端186の上方に位置付けられるように垂直に配置されている。可動プラットフォーム182は、飲料容器200を撹拌器170から送達ポータル112まで移動させるために、下端186から上端187に向かってガイドロッド185に沿って移動し得る。停止部189は、可動プラットフォーム182がガイドロッド185に沿った移動のみを行うことができるように拘束されるように、ガイドロッド185の下端186及び上端187の各々に位置付けられ得る。可動プラットフォーム182は、モータ188によってガイドロッド185に沿って移動可能であり得、モータ188は、制御ユニット128.によって制御され得る。したがって、そのような実施形態では、分配器180は、飲料容器200を撹拌器170から、飲料容器200が消費者によって取り出され得る送達ポータル112まで上昇させるように構成されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、図10に示されるように、スラッシュ飲料ディスペンサ100から飲料容器200を分配する際に分配効果を提供するように更に構成され得る。このようにして、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200をスラッシュ飲料ディスペンサ100から分配する際に、独特の体験を消費者に提供する。一実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器200が送達ポータル112まで到達又は移動する際に、送達ポータル112を通じて水蒸気のミスト220を分配するように構成されている。スラッシュ飲料ディスペンサ100は、水蒸気のミスト220を提供するための効果ユニットを含み得る。効果ユニットは、ミスト220を放出するための選択的に開放可能な通気口を含み得る。ミスト220は、ミスト220を供給するための効果ユニットに動作可能に接続されている冷却システム160からのダクト167を介して供給され得る。いくつかの実施形態では、効果ユニットは、温度調節区画140又は冷却システム160から空気によって冷却される水蒸気のミスト220を供給するために、送達ポータル112に隣接する噴霧器を含み得る。送達ポータル112を介した効果ユニットによるミスト220の放出は、ミスト220の放出が、送達ポータル112を介した飲料容器200の分配と調和して、独特の視覚的効果を提供するように、制御ユニット128によって制御され得る。いくつかの実施形態では、効果ユニットは、代替的に又は追加的に、例えば、特定の色の光で送達ポータル112を照明すること、変化する又は交互の色の光を提供すること、又は飲料容器が分配されていることを示す点滅灯などの、照明効果を提供するように構成されてもよい。更に、効果ユニットは、音又は挨拶を再生することなどによって、聴覚的効果を提供するために使用されてもよい。
【0070】
図11は、一実施形態による、スラッシュ飲料ディスペンサの構成要素の概略図を示す。本明細書に説明されるようなスラッシュ飲料ディスペンサ100の例示的な動作では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、ユーザインターフェース120及び支払い処理システム130を備える。ユーザインターフェース120は、スラッシュ飲料ディスペンサ100内に貯蔵された飲料容器に関する名称、ロゴ、又は他の情報を表示する。スラッシュ飲料ディスペンサ100は、単一のタイプの飲料が保持される単一の温度調節区画140を含み得、各々が異なる飲料を貯蔵するように構成されている1つ以上の二次温度調節区画140を更に含み得る。飲料容器は、飲料が過冷却された液体であるように、飲料の凝固点以下の所定の温度で、温度調節区画(複数可)140内に貯蔵される。冷却システム160は、温度調節区画140を所定の温度に維持するように機能する。
【0071】
消費者は、ユーザインターフェース120を利用して選択を行うことができ、支払い処理システム130を介して任意の必要とされる支払いを提供することができる。消費者選択及び任意の必要とされる支払いに入ると、消費者選択に対応する飲料容器は、ハウジング110内に位置付けられた温度調節区画140を出ることを可能にされる。温度調節区画140から飲料容器は、飲料容器内で飲料の核形成を引き起こすように、飲料容器を機械的衝撃にさらす撹拌器170に放出される。撹拌器170は、飲料容器が消費者によってアクセス可能であるように、送達ポータル112に動作可能に接続されている。いくつかの実施形態では、分配器180は、消費者によるアクセスのために、飲料容器を撹拌器170から送達ポータル112に移動させるために更に提供される。いくつかの実施形態では、スラッシュ飲料ディスペンサ100は、飲料容器が送達ポータル112まで到達又は移動する際に水蒸気のミストを放出して、飲料容器200を分配するときに独特の視覚的効果を提供するように更に構成されている。
【0072】
スラッシュ飲料ディスペンサ100は、制御ユニット128と、本明細書に論じられる実施形態による分配動作を実行するための任意のハードウェア、ソフトウェア、及び電子機器を含む任意の必要なコンピュータシステム及び処理手段と、を更に含み得る。本明細書に説明される実施形態は、分配動作を実行するための特定のコンピュータシステムに限定されず、当業者は、既知のコンピュータ及び電子構成要素を使用して本明細書に説明される実施形態を容易に実装することができるであろう。コンピュータシステムは、プロセッサと、オペレーティングソフトウェアなどのコンピュータプログラムを記憶するためのメインメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、を含み得る。ソフトウェアは、コンピュータシステムに動作可能に接続されたユーザインターフェースを介して実行され得る。コンピュータシステムは、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステムと外部デバイスとの間で転送されることを可能にするための通信インターフェースを含み得る。コンピュータシステムは、二次メモリを含み得る。ユーザインターフェースによるユーザ入力を受信すると、コンピュータシステムのプロセッサは、オペレーティングソフトウェアに従って、温度調節区画から飲料容器の分配動作を実行し得る。分配動作は、飲料容器が出口を通過し得るように、温度調節区画の出口ドアを一時的に開放するように電子機器を作動させることを含み得る。更に、温度調節区画内の残りの飲料容器は、例えば、電子機器を作動させて、飲料容器が温度調節区画の出口に向かって前進することを可能にするように温度調節区画内の断熱仕切り上のゲート又は断熱ドアを一時的に開くことによって、後続の飲料容器が分配される準備が整うように、出口に向かって前進することを可能にされ得る。加えて、分配器を有する実施形態では、コンピュータシステムは、ユーザによるアクセスのために、飲料容器が撹拌器から送達ポータルに位置付けられるプラットフォームを移動させるためのモータを選択的に作動させ得る。
【0073】
発明の概要及び要約のセクションではなく、発明を実施するための形態のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約のセクションは、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明(複数可)の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明(複数可)及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0074】
これまでに、特定機能の実施、及びこれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックを使って、本発明(複数可)について説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0075】
特定実施形態の前述の説明により、本発明(複数可)の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明(複数可)の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0076】
本発明(複数可)の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
図1
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図11