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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240805BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240805BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240805BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240805BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240805BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240805BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/00 346A
G09F9/30 338
G09G3/3233
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/20 624B
G09G3/20 611A
G09G3/20 611H
G09G3/20 621M
G02F1/1368
H10K59/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021538506
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(86)【国際出願番号】 IB2020056818
(87)【国際公開番号】W WO2021024063
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2019142922
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】小林 英智
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0211596(US,A1)
【文献】特開2018-022143(JP,A)
【文献】特開2005-142054(JP,A)
【文献】特開2004-200522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
G09G 1/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパルス出力回路と、第2のパルス出力回路とを有する駆動回路を設けた第1のシリコン基板と、
第1のソース配線および前記第1のソース配線と電気的に接続する第1のコンタクト部を有する第1の画素回路と、前記第1のソース配線と隣接する第2のソース配線および前記第2のソース配線と電気的に接続する第2のコンタクト部を有する第2の画素回路と、を有する表示部を設けた第2のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板と、前記第2のシリコン基板とが電気的に接続する接続部と、を有し、
前記表示部は前記駆動回路と重畳して配置され、
前記第1のパルス出力回路は、前記第1のコンタクト部を介して、前記第1の画素回路と電気的に接続し、
前記第2のパルス出力回路は、前記第2のコンタクト部を介して、前記第2の画素回路と電気的に接続し、
前記第1のコンタクト部と前記第2のコンタクト部とを結ぶ直線は、前記第1のソース配線、前記第2のソース配線およびゲート配線と交わるよう配置され、
前記接続部は、導電性を有するバンプを有し、
前記第1のソース配線と、前記第2のソース配線との間の間隔をS_Pitchとし、
前記第1のパルス出力回路の、前記第1のソース配線の延伸方向と平行方向の幅をW1とし、
前記第1のパルス出力回路の、前記ゲート配線の延伸方向と平行方向の長さをL1とすると、
S_Pitch<W1<L1が成り立つ表示装置。
【請求項2】
第1のパルス出力回路と、第2のパルス出力回路とを有する駆動回路を設けた第1のシリコン基板と、
第1のソース配線および前記第1のソース配線と電気的に接続する第1のコンタクト部を有する第1の画素回路と、前記第1のソース配線と隣接する第2のソース配線および前記第2のソース配線と電気的に接続する第2のコンタクト部を有する第2の画素回路と、を有する表示部を設けた第2のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板と、前記第2のシリコン基板とが電気的に接続する接続部と、を有し、
前記表示部は前記駆動回路と重畳して配置され、
前記第1のパルス出力回路は、前記第1のコンタクト部を介して、前記第1の画素回路と電気的に接続し、
前記第2のパルス出力回路は、前記第2のコンタクト部を介して、前記第2の画素回路と電気的に接続し、
前記第1のコンタクト部と前記第2のコンタクト部とを結ぶ直線は、前記第1のソース配線、前記第2のソース配線およびゲート配線と交わるよう配置され、
前記第1のシリコン基板は、前記第1の画素回路と電気的に接続するシリコン貫通電極が設けられ
前記第1のソース配線と、前記第2のソース配線との間の間隔をS_Pitchとし、
前記第1のパルス出力回路の、前記第1のソース配線の延伸方向と平行方向の幅をW1とし、
前記第1のパルス出力回路の、前記ゲート配線の延伸方向と平行方向の長さをL1とすると、
S_Pitch<W1<L1が成り立つ表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1の画素回路は、第1の表示素子を有し、
前記第1の表示素子は、可視光を発する機能または可視光を透過する機能を有する表示装置。
【請求項4】
請求項において、
前記第1の画素回路は、さらに第2の表示素子を有し、
前記第2の表示素子は、可視光を反射する機能を有する表示装置。
【請求項5】
第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板と、接続部と、を有し、
前記接続部は、前記第1のシリコン基板と電気的に接続され、
前記接続部は、前記第2のシリコン基板と電気的に接続され、
前記第1のシリコン基板には、ゲートドライバと、ソースドライバと、回路と、が設けられ、
前記第2のシリコン基板には、画素アレイが設けられ、
前記画素アレイは、画素を有し、
前記画素は、ゲート線を介して、前記ゲートドライバと電気的に接続され、
前記画素は、データ線を介して、前記ソースドライバと電気的に接続され、
前記画素アレイは、前記ゲートドライバと重なる領域を有し、
前記画素アレイは、前記ソースドライバと重なる領域を有し、
前記回路は、スタートパルス信号およびクロック信号を生成する制御回路として機能し、
前記接続部は、銅を含む配線を有する表示装置。
【請求項6】
請求項において、
前記第1のシリコン基板は、前記ゲートドライバと、前記ソースドライバと、が重なる領域を有し、
前記領域は、前記画素アレイと重なる領域を有する表示装置。
【請求項7】
請求項またはにおいて、
前記回路は、前記画素アレイと重なる領域を有する表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、発光装置、表示装置、電子機器、照明装置、それらの駆動方法、またはそれらの作製方法に関する。特に、表示装置(表示パネル)に関する。または、表示装置を備える電子機器、発光装置、照明装置、またはそれらの作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路、演算装置、記憶装置等は半導体装置の一態様である。また、発光装置、表示装置、照明装置および電子機器は半導体装置を有している場合がある。
【背景技術】
【0003】
電子機器などに用いられる液晶表示装置、EL(Electroluminescence)表示装置などの表示装置は、小型化やデザインの自由度を向上させるために狭額縁化することが求められている。
【0004】
また、狭額縁化を図るため、画素が設けられる領域(画素領域)にシフトレジスタなどの回路を設ける構成が提案されている。例えば、特許文献1では、画素領域にソースドライバ、またはゲートドライバを設け、デザインの自由度を向上させる構成について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/69529号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1に記載の構成では、ゲートドライバを画素領域内で分散して配置している。従って、ゲートドライバを構成するトランジスタが配置されている画素回路は、ゲートドライバを構成するトランジスタが配置されていない画素回路に比べて画素の面積が増大してしまい、高精細化が困難となる問題がある。また、2種類の画素回路が存在するため、回路設計が複雑になる。つまり、ゲートドライバと、画素を接続するための引き回し配線も、複雑になる。
【0007】
本発明の一態様は、狭額縁の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、デザイン、および装置設計の自由度を向上させる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、精細度が高い表示装置の画素回路を提供することを目的の一つとする。または、回路設計の自由度が高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置を提供することを目的の一つとする。または上記表示装置(表示パネル)を備えた電子機器を提供することを目的の一つとする。または、新規な電子機器を提供することを目的の一つとする。
【0008】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。また、上記以外の課題は、明細書等の記載から自ずと明らかになるものであり、明細書等の記載から上記以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、第1のパルス出力回路と、第2のパルス出力回路とを有する駆動回路を設けた第1のシリコン基板と、第1のソース配線および第1のソース配線と電気的に接続する第1のコンタクト部を有する第1の画素回路と、第1のソース配線と隣接する第2のソース配線および第2のソース配線と電気的に接続する第2のコンタクト部を有する第2の画素回路と、を有する表示部を設けた第2のシリコン基板と、第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板とが電気的に接続する接続部と、を有し、表示部は駆動回路と重畳して配置され、第1のパルス出力回路は、第1のコンタクト部を介して、第1の画素回路と電気的に接続し、第2のパルス出力回路は、第2のコンタクト部を介して、第2の画素回路と電気的に接続し、第1のパルス出力回路は、第1のコンタクト部と第2のコンタクト部とを結ぶ直線に対し、第2のパルス出力回路と、対向する側に配置され、接続部は、銅を含む配線を有する。
【0010】
本発明の一態様は、第1のパルス出力回路と、第2のパルス出力回路とを有する駆動回路を設けた第1のシリコン基板と、第1のソース配線および第1のソース配線と電気的に接続する第1のコンタクト部を有する第1の画素回路と、第1のソース配線と隣接する第2のソース配線および第2のソース配線と電気的に接続する第2のコンタクト部を有する第2の画素回路と、を有する表示部を設けた第2のシリコン基板と、第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板とが電気的に接続する接続部と、を有し、表示部は駆動回路と重畳して配置され、第1のパルス出力回路は、第1のコンタクト部を介して、第1の画素回路と電気的に接続し、第2のパルス出力回路は、第2のコンタクト部を介して、第2の画素回路と電気的に接続し、第1のコンタクト部と第2のコンタクト部とを結ぶ直線は、ソース線およびゲート線の双方と交わるよう配置され、接続部は、導電性を有するバンプを有する。
【0011】
本発明の一態様は、第1のパルス出力回路と、第2のパルス出力回路とを有する駆動回路を設けた第1のシリコン基板と、第1のソース配線および第1のソース配線と電気的に接続する第1のコンタクト部を有する第1の画素回路と、第1のソース配線と隣接する第2のソース配線および第2のソース配線と電気的に接続する第2のコンタクト部を有する第2の画素回路と、を有する表示部を設けた第2のシリコン基板と、第1のシリコン基板と、第2のシリコン基板とが電気的に接続する接続部と、を有し、表示部は駆動回路と重畳して配置され、第1のパルス出力回路は、第1のコンタクト部を介して、第1の画素回路と電気的に接続し、第2のパルス出力回路は、第2のコンタクト部を介して、第2の画素回路と電気的に接続し、第1のコンタクト部と第2のコンタクト部とを結ぶ直線は、ソース線およびゲート線の双方と交わるよう配置され、第1のシリコン基板は、画素回路と電気的に接続するシリコン貫通電極が設けられる。
【0012】
本発明の一態様において、第1の画素回路は、第1の表示素子を有し、第1の表示素子は、可視光を発する機能または可視光を透過する機能を有する。
【0013】
本発明の一態様において、さらに第2の表示素子を有し、第2の表示素子は、可視光を反射する機能を有する。
【0014】
なお、本明細書中において、表示素子にコネクター、例えばFPC(Flexible
Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも、表示装置に含む場合がある。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様は、狭額縁の表示装置を提供することができる。または、デザイン、および装置設計の自由度を向上させる表示装置を提供することができる。または、精細度を高めることができる画素回路を有する表示装置を提供することができる。または、回路設計の複雑化を回避できる表示装置を提供することができる。または、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置を提供することができる。または上記表示装置(表示パネル)を備えた電子機器を提供することができる。または、新規な電子機器を提供することができる。
【0016】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1B、および図1Cは表示装置を説明する図である。
図2A、および図2Bは表示部を説明する図である。
図3A、および図3Bは表示部を説明する図である。
図4A、および図4Bは表示部を説明する図である。
図5は表示装置の構成例を示す図である。
図6は表示装置の構成例を示す図である。
図7は表示装置の構成例を示す図である。
図8は表示装置の構成例を示す図である。
図9は表示装置の構成例を示す図である。
図10は表示装置の構成例を示す図である。
図11は表示装置の構成例を示す図である。
図12は表示装置の構成例を示すブロック図である。
図13はDA変換回路の構成例を示す回路図である。
図14はシフトレジスタの構成例を示すブロック図である。
図15Aはシフトレジスタの構成例を示すブロック図である。図15Bはシフトレジスタの構成例を示す回路図である。
図16はゲートドライバ回路及びソースドライバ回路の配置の例を示す模式図である。
図17はゲートドライバ回路及びソースドライバ回路の構成例を示す上面図である。
図18A図18B図18C図18D図18E図18F図18Gは画素の構成例を示す図である。
図19A図19Bは画素の構成例を示す回路図である。
図20Aは画素の構成例を示す回路図である。図20Bは画素の動作方法の一例を示すタイミングチャートである。
図21A図21B図21C図21D図21Eは画素の構成例を示す回路図である。
図22は表示装置の構成例を示す図である。
図23は表示装置の動作例を説明する図である。
図24A図24B図24C図24D図24E図24Fは電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0020】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0021】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の一態様の表示装置は、表示部において、画素回路を構成するトランジスタを有する層と、駆動回路を構成するトランジスタを有する層と、を積層して設ける。上層には画素回路を構成するトランジスタを配置し、下層には駆動回路であるソースドライバ、またはゲートドライバを構成するトランジスタを配置する。
【0023】
額縁部分に設けるソースドライバ、またはゲートドライバを表示部の下層に配置することで、狭額縁化等のデザインの自由度を高めることができる。特に、ソースドライバおよびゲートドライバを画素回路と同基板上に設けた場合、ソースドライバ、またはゲートドライバから、画素回路への出力配線のピッチは、高精細化した画素回路におけるソース線またはゲート線のピッチよりも大きくなる蓋然性が高い。従って、当該出力配線のピッチを、画素回路におけるはソース線またはゲート線のピッチに調整する必要があった。画素回路とソースドライバおよびゲートドライバを別基板に形成し、貼り合わせることで、接合部により、ピッチの調整が可能となる。つまり、ソースドライバおよびゲートドライバが配置された領域と、画素領域との間の配線ピッチを調整するための領域も、画素領域と重畳して形成することができるため、狭額縁化が可能となる。
【0024】
また表示部の上層に画素回路となるトランジスタを配置することにより、同じ回路配置の画素回路を繰り返して設計できるため、回路設計が複雑化することを回避することができる。また、画素回路を設ける基板において、駆動回路が不要となるため、1ショットの露光領域内において、画素回路の取り数の向上、または画素回路を大きく設計することができる。
【0025】
<積層構造を有する表示装置>
表示装置の構成について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1Aは、表示装置の構成を説明するための図である。表示装置11は、駆動回路91、表示部92、駆動回路93を有する。表示部92は、複数の画素回路94および表示素子を有する。なお画素回路94および表示素子を併せて、画素という場合がある。
【0027】
駆動回路91は、複数のパルス出力回路を有する。駆動回路91は、ソース側クロック信号(SCLK)、ソース側クロック反転信号(SCLKb)、ソース側スタートパルス(SSP)などの信号が、駆動回路93から入力される。駆動回路91は、ソース信号線駆動回路としての機能を有する。図1Aでは、複数のパルス出力回路の一例としてパルス出力回路91_1乃至91_4を図示している。パルス出力回路91_1乃至91_4はシフトレジスタとしての機能を有し、ソース線SL_1乃至SL_4を介して、画像データを画素回路94に出力する機能を有する。
【0028】
駆動回路91が有するパルス出力回路91_1乃至91_4はそれぞれ、複数のトランジスタを有する。なお、駆動回路91が有するトランジスタに、シリコンを用いたトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を用いることで、高速動作とCMOS回路での構成を両立することができる。また、シフトレジスタなどの回路を単極性のトランジスタで構成してもよい。
【0029】
駆動回路93は、ゲート線駆動回路、表示コントローラとしての機能を有する集積回路である。駆動回路93は、ゲートクロック信号およびゲートスタートパルスをゲート線(図示せず)を介して画素回路94に出力する機能を有する。
【0030】
画素回路94は、階調表示を行うための画像データの電圧に応じて、表示素子に与える電圧または電流を制御するための回路である。表示素子は、液晶素子またはEL表示素子に印加する電圧または電流に応じて階調を制御できる素子である。
【0031】
画素回路94は、複数のトランジスタを有する。なお、画素回路が有するトランジスタは、シリコンを用いたトランジスタや、単極性のトランジスタで構成するとよい。
【0032】
図1Bは、図1Aの表示装置11の積層構造を説明するための図である。表示装置11では、駆動回路91を構成するトランジスタを設けた基板101と、画素回路94を構成するトランジスタおよび表示素子を設けた基板103と、基板101と基板103とを貼り合わせる接続部102と、を積層して設ける。
【0033】
接続部102は、基板101と、基板103とが、電気的に接続された領域とする。なお、基板101と基板103との接合には、導電性を有するバンプ(以降、バンプ)を用いた手法、Cu-Cu(カッパー・カッパー)直接接合手法などを用いることができる。特に、基板103に、シリコン基板を用いた場合、Si貫通電極(TSV:through-silicon via、シリコン貫通電極ともいう)を形成してもよい。また、半導体基板の厚さは100~300μmであるが、研磨により、10~100μmに薄片化しても良い。上記手法を用いることで、FPC(フレキシブルプリントサーキット)などを用いることなく、基板101と基板103とを接合することができる。
【0034】
図1Cは、図1Aに図示した表示装置11の構成に、図1Bの積層構造とする構成を反映させた図である。なお図1Cでは、x方向、y方向およびz方向を図示している。x方向は、図1Cで図示するように、ソース線SL_1乃至SL_4に平行な方向である。y方向は、x方向に対し垂直な方向である。z方向は、x方向およびy方向で規定される平面に対して垂直な方向である。
【0035】
図1Cでは、駆動回路91を構成するトランジスタを設けた基板101と、画素回路94を構成するトランジスタ、および表示素子を設けた基板103とを図示している。基板101は、パルス出力回路91_1乃至91_4を有する。基板103は、画素回路94およびソース線SL_1乃至SL_4を有する。なお図1Cでは、駆動回路93を図示したが、基板101および基板103とは異なる基板に設けてもよい。
【0036】
図1A乃至図1Cで説明したように本発明の一態様の表示装置11では、画素回路94を有する表示部92において、画素回路94を構成するトランジスタ、および表示素子を設けた基板103と、パルス出力回路91_1乃至91_4を有する駆動回路91を構成するトランジスタを設けた基板101と、を積層して設ける構成とする。
【0037】
当該構成により、額縁部分に設けるソースドライバ、またはゲートドライバとして機能する駆動回路91を表示部92の下層に配置することで、狭額縁化等のデザインの自由度を高めることができる。また表示部92の上層に画素回路94となるトランジスタを配置することで、同じ回路配置の画素回路94を繰り返すことで設計できるため、回路設計が複雑化することを回避することができる。
【0038】
なお図1Aおよび図1Cにおいて、駆動回路91が有するパルス出力回路として、パルス出力回路91_1乃至91_4を示したが、パルス出力回路は4つ以上の構成でもよい。
【0039】
なお図1Cに示す構成において、ソース線SL_1乃至SL_4は基板103に設けるよう図示したが、図2Aに図示するように基板101に配置する構成としてもよい。また図1Cに示す構成において、画素回路94は基板103に設けるよう図示したが、図2Bに図示するように画素回路の一部の回路94Bを基板101に配置する構成としてもよい。
【0040】
以上説明したように本発明の一態様の表示装置は、表示部において、画素回路を構成するトランジスタを有する層と、駆動回路を構成するトランジスタを有する層と、を積層して設ける。上層には画素回路を構成するトランジスタを配置し、下層には駆動回路であるゲートドライバを構成するトランジスタを配置する。額縁部分に設けるゲートドライバを表示部の下層に配置することで、狭額縁化等のデザインの自由度を高めることができる。また表示部の上層に画素回路となるトランジスタを配置することで、同じ回路配置の画素回路を繰り返すことで設計できるため、回路設計が複雑化することを回避することができる。
【0041】
ここで、図3、および図4を用いて、基板101と、基板103とを貼り合わせた場合の、基板101、基板103、および接続部102について説明する。
【0042】
図3A、および図4Aは、基板103に設けられた表示部92のレイアウトの一例である。また、図3Bおよび図4Bは、図3Aおよび図4Aに示す表示部92と重畳する基板101の領域に配置された駆動回路91、および駆動回路93のレイアウトの一例である。
【0043】
図3、および図4に示すように、ソース線SL_1乃至SL_4は、コンタクト部SC_1乃至SC_4により、パルス出力回路91_1乃至91_4と電気的に接続する。また、ゲート線GLも、コンタクト部GCにより、駆動回路93と電気的に接続する。
【0044】
一つのパルス出力回路91_1は、複数の画素回路94と重なるように設けることができる。
【0045】
具体的には、図3Aまた図4Aに示すように、ソース線SL_1と、ソース線SL_1と隣接するソース線SL_2との間隔、つまり各ソース線SLの配線間隔を、S_Pitchとする。また、各パルス出力回路のソース線と平行方向の幅(W1)、および各パルス出力回路のゲート線と平行方向の長さ(L1)とした場合、S_Pitch<W1<L1が成り立つように、設計することができる。
【0046】
また、図3に示すように、ソース線SL_1と電気的に接続するために設けられたコンタクト部SC_1と、ソース線SL_1に近接して配置されたソース線SL_2と電気的に接続するために設けられたコンタクト部SC_2とを通る直線は、ソース線およびゲート線の双方と交わるよう配置することが好ましい。当該レイアウトにより、コンタクト間の設計マージンを広くすることができる。
【0047】
また、図4Aおよび図4Bに示すように、コンタクト部SC_1と、コンタクト部SC_1に最も近接して配置されたコンタクト部SC_2とを通る直線に対し、パルス出力回路91_1乃至91_4が、互い違いに形成されていてもよい。
【0048】
なお、図4に示すレイアウトでは、ソース線SL_1乃至SL_4と電気的に接続するコンタクト部SC_1乃至SC_4が、各ソース配線の中央に配置することができるため、配線抵抗を低減することができる。
【0049】
なお、図4では、各コンタクト部を結ぶ直線が、ゲート線と平行となるように示したが、当該レイアウトに限定されない。例えば、ソース線の中央付近の一定の幅を有する領域において、コンタクト部SC_1とコンタクト部SC_2とを結ぶ直線、およびコンタクト部SC_1とコンタクト部SC_4とを結ぶ直線が、ゲート線と交わるように配置し、コンタクト部SC_1とコンタクト部SC_3とを結ぶ直線が、ゲート線と平行となるように配置してもよい。
【0050】
表示部92と駆動回路91とを重畳させ、かつ、画素回路領域のソース線SLの配線間隔(S_Pitch)<1つの画素回路を駆動するパルス出力回路のソース線と平行方向の幅(W1)<1つの画素回路を駆動するパルス出力回路のゲート線と平行方向の長さ(L1)となるレイアウトにより、駆動回路91の設計自由度を高くすることができる。
【0051】
<表示装置の構成例>
以下では、表示装置の各構成について、説明する。
【0052】
図5は、本発明の一態様の表示装置である表示装置810の構成例を示す図である。表示装置810は、層820と、層820の上方に積層された層830を有する。層820はゲートドライバ回路821と、ソースドライバ回路822と、回路840と、を有する。層830は画素834を有し、画素834がマトリクス状に配列されて画素アレイ833が構成されている。層820と層830の間には、層間絶縁体を設けることができる。なお、層830の上方に層820を積層して設けてもよい。
【0053】
回路840は、ソースドライバ回路822と電気的に接続されている。なお、回路840は、その他の回路等と電気的に接続されていてもよい。
【0054】
同一行の画素834は、配線831を介してゲートドライバ回路821と電気的に接続され、同一列の画素834は、配線832を介してソースドライバ回路822と電気的に接続されている。配線831は、走査線としての機能を有し、配線832は、データ線としての機能を有する。
【0055】
なお、図5では、1行の画素834が1本の配線831によって電気的に接続され、1列の画素834が1本の配線832によって電気的に接続されている構成を示しているが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、1行の画素834が2本以上の配線831によって電気的に接続されていてもよいし、1列の画素834が2本以上の配線832によって電気的に接続されていてもよい。つまり、例えば1個の画素834が、2本以上の走査線と電気的に接続されていてもよいし、2本以上のデータ線と電気的に接続されていてもよい。また、例えば1本の配線831が、2行以上の画素834と電気的に接続されていてもよいし、1本の配線832が2列以上の画素834と電気的に接続されていてもよい。つまり、例えば1本の配線831を2行以上の画素834で共有してもよいし、1本の配線832を2列以上の画素834で共有してもよい。
【0056】
ゲートドライバ回路821は、画素834の動作を制御するための信号を生成し、配線831を介して当該信号を画素834に供給する機能を有する。ソースドライバ回路822は、画像信号を生成し、配線832を介して当該信号を画素834に供給する機能を有する。回路840は、例えば、ソースドライバ回路822が生成する画像信号の基となる画像データを受信し、受信した画像データをソースドライバ回路822に供給する機能を有する。また、回路840は、スタートパルス信号及びクロック信号等を生成する、制御回路としての機能を有する。その他、回路840は、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822が有さない機能を有する回路とすることができる。
【0057】
画素アレイ833は、ソースドライバ回路822が画素834に供給した画像信号に対応する画像を表示する機能を有する。具体的には、上記画像信号に対応する輝度の光を画素834から射出することにより、画素アレイ833に画像が表示される。
【0058】
図5では、層820と層830の位置関係を一点鎖線及び白抜き丸印で示しており、一点鎖線で結ばれた、層820の白抜き丸印と層830の白抜き丸印が互いに重なっている。なお、他の図においても、同様の表記を行う。
【0059】
表示装置810は、層820に設けられたゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822が、画素アレイ833と重なる領域を有している。例えば、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822は、画素834と重なる領域を有している。ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822と、画素アレイ833と、を、互いに重なる領域を有するように積層して設けることで、表示装置810を狭額縁化することができ、また小型化することができる。
【0060】
また、ゲートドライバ回路821とソースドライバ回路822は、明確に分離されず、重なる領域を有する。当該領域を、領域823とする。領域823を有することにより、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822の占有面積を小さくすることができる。よって、画素アレイ833の面積が小さい場合であっても、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822を、画素アレイ833からはみ出すことなく設けることができる。又は、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822の、画素アレイ833と重ならない領域の面積を小さくすることができる。以上より、領域823を有さない場合よりさらに狭額縁化することができ、また小型化することができる。
【0061】
回路840は、画素アレイ833と重ならないように設けることができる。なお、回路840を、画素アレイ833と重なる領域を有するように設けてもよい。
【0062】
図5には、層820にゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822が1個ずつ設けられ、層830に画素アレイ833が1個設けられた構成例を示しているが、層830に画素アレイ833を複数設けてもよい。つまり、層830に設けられた画素アレイを分割してもよい。図6は、図5に示す構成の変形例であり、層830に3行3列の画素アレイ833が設けられる場合の、表示装置810の構成例を示している。なお、層830には、2行2列の画素アレイ833が設けられていてもよいし、4行4列以上の画素アレイ833が設けられていてもよい。また、層830に設けられる画素アレイ833の行数と列数は異なっていてもよい。図6に示す構成の表示装置810では、例えば全ての画素アレイ833を用いて1枚の画像を表示することができる。
【0063】
図6は、図の明瞭化のために、配線831、及び配線832を省略しているが、実際には、図6に示す構成の表示装置810には配線831、及び配線832が設けられている。また、回路840の電気的な接続関係を省略しているが、実際にはソースドライバ回路822と電気的に接続されている。なお、他の図においても、図6と同様に一部の構成要素等を省略している場合がある。
【0064】
層820には、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822を、例えば画素アレイ833と同数設けることができる。この場合、ゲートドライバ回路821を、当該ゲートドライバ回路821が信号を供給する画素834が設けられた画素アレイ833と重なるように設けることができる。また、ソースドライバ回路822を、当該ソースドライバ回路822が画像信号を供給する画素834が設けられた画素アレイ833と重なるように設けることができる。
【0065】
画素アレイ833を複数設け、これに合わせてゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822を設けることにより、1個の画素アレイ833に設けられる画素834の個数を減らすことができる。複数設けられたゲートドライバ回路821は、それぞれ並列して動作させることができ、複数設けられたソースドライバ回路822は、それぞれ並列して動作させることができるので、例えば1フレームの画像に対応する画像信号を画素834に書き込むために要する時間を短くすることができる。よって、1フレーム期間の長さを短くすることができ、表示装置810の動作を高速化することができる。このため、表示装置810が有する画素834の個数を多くすることができ、表示装置810の精細度を高めることができる。また、本発明の一態様の表示装置により表示することができる画像の精細度を、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路が画素アレイと重ならない構成の表示装置により表示することができる画像の精細度より高めることができる。さらに、クロック周波数を小さくすることができるので、表示装置810の消費電力を小さくすることができる。
【0066】
ここで、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路が画素アレイと重ならない構成とする場合、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路は、例えば画素アレイの外周部に設けることとなる。この場合、2行2列分より多くの画素アレイを設けることは、ソースドライバ回路の設置場所等の観点から難しい。一方、表示装置810では、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路を、画素アレイが設けられた層とは異なる層に設けることにより、画素アレイと重なる領域を有するように設けることができるので、図6に示すように2行2列分より多くの画素アレイを設けることができる。つまり、表示装置810には、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路を、それぞれ5個以上設けることができる。
【0067】
以上より、表示装置810は、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路が画素アレイと重ならない構成の表示装置より、例えば高速に動作させることができる。よって、表示装置810の精細度を、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路が画素アレイと重ならない構成の表示装置より高めることができる。例えば、表示装置810の画素密度を1000ppi以上とすることができ、5000ppi以上とすることができ、10000ppiとすることができる。よって、表示装置810に、粒状感が少ない高品位の画像を表示することができ、臨場感の高い画像を表示することができる。
【0068】
また、表示装置810により表示することができる画像の解像度を、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路が画素アレイと重ならない構成の表示装置により表示することができる画像の解像度より高めることができる。例えば、表示装置810は4K2K、8K4K、又はそれ以上の解像度の画像を表示することができる。
【0069】
なお、層820にソースドライバ回路822等が複数設けられ、層830に画素アレイ833が複数設けられた構成であっても、図5に示す場合と同様に、表示装置810に設けられる回路840の個数は1個とすることができる。よって、図6に示すように、回路840は、いずれの画素アレイ833にも重ならないように設けることができる。なお、回路840を、いずれかの画素アレイ833と重なる領域を有するように設けてもよい。
【0070】
図6には、ゲートドライバ回路821が画素アレイ833と同数設けられた構成例を示しているが、本発明の一態様はこれに限らない。図7は、図6に示す構成の変形例であり、ゲートドライバ回路821が画素アレイ833の列数と同数設けられる場合の、表示装置810の構成例を示している。図7に示す構成の表示装置810では、3列の画素アレイ833が設けられているので、ゲートドライバ回路821が3個設けられている。また、3行の画素アレイ833が設けられており、3行1列の画素アレイ833が1個のゲートドライバ回路821を共有している。
【0071】
図8は、図6に示す構成の変形例であり、画素アレイ833が複数設けられ、ゲートドライバ回路821が1個設けられる場合の、表示装置810の構成例を示している。図8に示す構成の表示装置810では、3行3列の画素アレイ833が1個のゲートドライバ回路821を共有している。なお、図8に示す構成の表示装置810では、ゲートドライバ回路821が画素アレイ833と重ならない構成とすることができる。
【0072】
また、図示しないが、ソースドライバ回路822も、画素アレイ833と同数設ける構成としなくてもよい。表示装置810が有するソースドライバ回路822の個数は、表示装置810に設けられる画素アレイ833の個数より多くてもよいし、少なくてもよい。
【0073】
図5には、層820に回路840を設ける構成例を示しているが、層820に回路840を設けなくてもよい。図9は、図5に示す構成の変形例であり、層830に回路840が設けられる場合の、表示装置810の構成例を示している。なお、回路840を構成する要素を、層820と層830に分散して設けてもよい。
【0074】
図5には、画素アレイ833とゲートドライバ回路を1個ずつ設けられた構成例を示しているが、ゲートドライバ回路を、画素アレイ833より多く設けてもよい。図10は、図5に示す構成の変形例であり、1個の画素アレイ833に対しゲートドライバ回路を2個(ゲートドライバ回路821a、ゲートドライバ回路821b)設ける場合の、表示装置810の構成例を示している。
【0075】
図10に示す構成の表示装置810では、奇数行目の画素834は、配線831aを介してゲートドライバ回路821aと電気的に接続され、偶数行目の画素834は、配線831bを介してゲートドライバ回路821bと電気的に接続されている。配線831a及び配線831bは、配線831と同様に走査線としての機能を有する。
【0076】
ゲートドライバ回路821aは、奇数行目の画素834の動作を制御するための信号を生成し、配線831aを介して当該信号を画素834に供給する機能を有する。ゲートドライバ回路821bは、偶数行目の画素834の動作を制御するための信号を生成し、配線831bを介して当該信号を画素834に供給する機能を有する。
【0077】
ゲートドライバ回路821a及びゲートドライバ回路821bは、ゲートドライバ回路821と同様に、画素アレイ833と重なる領域を有している。例えば、ゲートドライバ回路821a及びゲートドライバ回路821bは、ゲートドライバ回路821と同様に、画素834と重なる領域を有している。また、ゲートドライバ回路821aは、ソースドライバ回路822と明確に分離されず、重なる領域である領域823aを有する。さらに、ゲートドライバ回路821bは、ソースドライバ回路822と明確に分離されず、重なる領域である領域823bを有する。
【0078】
図10に示す構成の表示装置810では、ゲートドライバ回路821aを動作させて奇数行目の全ての画素834に画像信号を書き込んだ後、ゲートドライバ回路821bを動作させて偶数行目の全ての画素834に画像信号を書き込むことができる。つまり、図10に示す構成の表示装置810では、インターレース方式により動作させることができる。インターレース方式により動作させることにより、表示装置810の動作を高速化し、フレーム周波数を高めることができる。また、1フレーム期間に画像信号が書き込まれる画素834の個数を、プログレッシブ方式により表示装置810を動作させる場合の半分とすることができる。よって、表示装置810をインターレース方式により動作させる場合、プログレッシブ方式により動作させる場合よりクロック周波数を小さくすることができるので、表示装置810の消費電力を小さくすることができる。
【0079】
図5には、配線832の一端のみが、ソースドライバ回路822と接続された構成例を示しているが、配線832の複数箇所がソースドライバ回路822と接続されていてもよい。図11は、ソースドライバ回路822が、配線832の両端と接続されている場合の、表示装置810の構成例を示している。配線832の複数箇所をソースドライバ回路822と接続することにより、配線抵抗、寄生容量等に起因する、信号遅延等を抑制することができる。これにより、表示装置810の動作を高速化することができる。
【0080】
なお、配線832の一端及び他端だけでなく、配線832の他の部分がソースドライバ回路822と接続されていてもよい。例えば、配線832の中心部が、ソースドライバ回路822と接続されていてもよい。配線832と、ソースドライバ回路822と、の接続箇所を増加させることにより、信号遅延等をさらに抑制することができ、表示装置810の動作をさらに高速化することができる。なお、例えば配線832の一端と、配線832の中心部と、がソースドライバ回路822と接続され、配線832の他端はソースドライバ回路822と接続されていなくてもよい。
【0081】
また、1個のソースドライバ回路822が、配線832の複数箇所と接続される場合、図11に示すようにソースドライバ回路822の占有面積が大きくなる。この場合であっても、ソースドライバ回路822は画素アレイ833と重なる領域を有するように積層して設けられているので、表示装置810が大型化することを抑制することができる。なお、図11では、ゲートドライバ回路821の全体が、ソースドライバ回路822と明確に分離されずに重なっているが、1個のソースドライバ回路822が配線832の複数箇所と接続される場合であっても、ゲートドライバ回路821の一部のみがソースドライバ回路822と重なる構成としてもよい。
【0082】
なお、配線831の複数箇所が1個のゲートドライバ回路821と接続されていてもよい。これによっても、信号遅延等を抑制し、表示装置810の動作を高速化することができる。このような構成とする場合、図11に示すソースドライバ回路822と同様に占有面積が大きくなるが、ゲートドライバ回路821が画素アレイ833と重なる領域を有するように積層して設けられているので、表示装置810が大型化することを抑制することができる。
【0083】
図5乃至図11に示す表示装置810の構成は、適宜組み合わせることができる。例えば、図6に示す構成と図10に示す構成を組み合わせることができる。この場合、表示装置810の構成を、例えば、画素アレイ833を複数設け、ゲートドライバ回路を画素アレイ833の個数を2倍した数設け、ソースドライバ回路822を画素アレイ833と同数設けた構成とすることができる。
【0084】
<回路840及びソースドライバ回路822の構成例>
図12は、回路840及びソースドライバ回路822の構成例を示す図である。なお、図12ではソースドライバ回路822を1個だけ示しているが、回路840は複数のソースドライバ回路822と電気的に接続されている構成とすることができる。
【0085】
回路840は、受信回路841と、シリアルパラレル変換回路842と、電位生成回路846aと、を有する。ソースドライバ回路822は、バッファ回路843と、シフトレジスタ回路844と、ラッチ回路845と、パストランジスタロジック回路846bと、アンプ回路847と、を有する。ここで、電位生成回路846aと、パストランジスタロジック回路846bと、によりデジタルアナログ変換回路(以下、DA変換回路)844を構成する。
【0086】
受信回路841はシリアルパラレル変換回路842と電気的に接続され、シリアルパラレル変換回路842はバッファ回路843と電気的に接続され、バッファ回路843はシフトレジスタ回路844及びラッチ回路845と電気的に接続されている。シフトレジスタ回路844はラッチ回路845と電気的に接続され、ラッチ回路845及び電位生成回路846aはパストランジスタロジック回路846bと電気的に接続されている。パストランジスタロジック回路846bはアンプ回路847の入力端子と電気的に接続され、アンプ回路847の出力端子は配線832と電気的に接続されている。
【0087】
受信回路841は、ソースドライバ回路822が生成する画像信号の基となる画像データを受信する機能を有する。当該画像データは、シングルエンドの画像データとすることができる。受信回路841は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等のデータ伝送用信号を用いて画像データを受信する場合、内部処理可能な信号規格に変換する機能を有してもよい。
【0088】
シリアルパラレル変換回路842は、受信回路841が出力した、シングルエンドの画像データをパラレル変換する機能を有する。回路840にシリアルパラレル変換回路842を設けることにより、回路840からソースドライバ回路822等への画像データ等の伝送時の負荷が大きくても、回路840からソースドライバ回路822等へ画像データ等を伝送することができるようになる。
【0089】
バッファ回路843は、例えばユニティゲインバッファとすることができる。バッファ回路843は、シリアルパラレル変換回路842から出力される画像データと同一のデータを出力する機能を有する。ソースドライバ回路822にバッファ回路843を設けることにより、シリアルパラレル変換回路842から出力される画像データに対応する電位が、回路840からソースドライバ回路822に伝送される際に配線抵抗等により低下したとしても、当該低下分を回復させることができる。これにより、回路840からソースドライバ回路822等への画像データ等の伝送時の負荷が大きくても、ソースドライバ回路822等の駆動能力の低下を抑制することができる。
【0090】
シフトレジスタ回路844は、ラッチ回路845の動作を制御するための信号を生成する機能を有する。ラッチ回路845は、バッファ回路843が出力した画像データを保持又は出力する機能を有する。ラッチ回路845において、画像データの保持又は出力のどちらの動作を行うかは、シフトレジスタ回路844から供給された信号に基づいて選択される。
【0091】
DA変換回路846は、ラッチ回路845が出力したデジタルの画像データを、アナログの画像信号に変換する機能を有する。電位生成回路846aは、DA変換可能な画像データのビット数に応じた種類の電位を生成し、パストランジスタロジック回路846bに供給する機能を有する。例えば、DA変換回路846が8ビットの画像データをアナログの画像信号に変換する機能を有する場合は、電位生成回路846aは互いに大きさの異なる256種類の電位を生成することができる。
【0092】
パストランジスタロジック回路846bは、ラッチ回路845から画像データを受信し、受信した画像データのデジタル値を基にして、電位生成回路846aが生成した電位のいずれかを出力する機能を有する。例えば、画像データのデジタル値が大きいほど、パストランジスタロジック回路846bが出力する電位を大きくすることができる。パストランジスタロジック回路846bが出力した電位を、画像信号とすることができる。
【0093】
図12に示すように、表示装置810では、DA変換回路846を構成する回路をソースドライバ回路822と回路840に分散して設ける構成とすることができる。具体的には、パストランジスタロジック回路846bのような、ソースドライバ回路ごとに設けることが好ましい回路はソースドライバ回路822に設け、電位生成回路846aのような、ソースドライバ回路ごとに設けなくてもよい回路は回路840に設ける構成とすることができる。これにより、例えばDA変換回路846を構成する回路を全てソースドライバ回路822に設ける場合より、ソースドライバ回路822の占有面積を小さくすることができるので、層820に設けるソースドライバ回路822の個数を増加させることができる。よって、層830に設ける画素アレイ833の数を増加させることができ、表示装置810の動作の高速化、消費電力の低減、精細度の向上、表示可能な画像の解像度の増加等を実現することができる。ここで、DA変換回路846以外の回路においても、当該回路の構成要素をソースドライバ回路822と回路840に分散して設ける構成とすることができる。
【0094】
なお、図12に示すように、DA変換回路846を構成する回路をソースドライバ回路822と回路840に分散して設ける構成とする場合、表示装置810が、例えば電位生成回路846aを1個有し、パストランジスタロジック回路846bをソースドライバ回路822と同数有する構成とすることができる。
【0095】
アンプ回路847は、パストランジスタロジック回路846bが出力した画像信号を増幅して、データ線としての機能を有する配線832に出力する機能を有する。アンプ回路847を設けることにより、画像信号を安定的に画素834に供給することができる。アンプ回路847としては、オペアンプ等を有するボルテージフォロワ回路等を適用することができる。なお、アンプ回路として差動入力回路を有する回路を用いる場合、当該差動入力回路のオフセット電圧は、限りなく0Vとすることが好ましい。
【0096】
なお、回路840は、受信回路841、シリアルパラレル変換回路842、及び電位生成回路846aの他、様々な回路を設けることができる。例えば、回路840には、スタートパルス信号及びクロック信号等を生成する機能を有する、制御回路を設けることができる。
【0097】
<DA変換回路846の構成例>
図13は、DA変換回路846を構成する、電位生成回路846a、及びパストランジスタロジック回路846bの構成例を示す回路図である。図13に示す構成のDA変換回路846は、8ビットの画像データD<1>乃至画像データD<8>を、アナログの画像信号ISに変換することができる。
【0098】
本明細書等において、例えば1ビット目の画像データDを画像データD<1>と記載して示し、2ビット目の画像データDを画像データD<2>と記載して示し、8ビット目の画像データDを画像データD<8>と記載して示す。
【0099】
図13に示す構成の電位生成回路846aは、抵抗素子848[1]乃至抵抗素子848[256]を有し、これらが直列に接続されている。つまり、DA変換回路846は、抵抗ストリング型のDA変換回路とすることができる。
【0100】
抵抗素子848[1]の一方の端子には、電位VDDを供給することができる。抵抗素子848[256]の一方の端子には、電位VSSを供給することができる。これにより、抵抗素子848[1]乃至抵抗素子848[256]の各端子から、異なる大きさの電位V乃至V256を出力することができる。なお、図13では、電位Vを電位VDDとする場合の電位生成回路846aの構成例を示しているが、電位V256を電位VSSとする構成としてもよい。また、抵抗素子848[256]を設けず、電位Vを電位VDD、電位V256を電位VSSとしてもよい。
【0101】
本明細書等において、電位VDDは例えば高電位とすることができ、電位VSSは例えば低電位とすることができる。ここで、低電位は、例えば接地電位とすることができる。また、高電位は、低電位より高い電位であり、低電位が接地電位である場合は、正電位とすることができる。
【0102】
図13に示す構成のパストランジスタロジック回路846bは、8段のパストランジスタ849で構成されている。具体的には、パストランジスタロジック回路846bは、1段につき、電気的に2経路に枝分かれする構成となっており、合計256本の経路を有する。つまり、パストランジスタ849は、トーナメント方式で電気的に接続されているということができる。最終段である8段目のパストランジスタ849のソース又はドレインの一方からは、アナログの画像信号ISを出力することができる。
【0103】
例えば、画像データD<1>は1段目のパストランジスタ849に供給することができ、画像データD<2>は2段目のパストランジスタ849に供給することができ、画像データD<8>は8段目のパストランジスタ849に供給することができる。以上により、画像信号ISの電位を、画像データDに応じて、電位V乃至電位V256のいずれかとすることができる。よって、デジタルの画像データを、アナログの画像信号ISに変換することができる。
【0104】
なお、図13に示すパストランジスタロジック回路846bには、nチャネル型のパストランジスタ849と、pチャネル型のパストランジスタ849と、の両方が設けられているが、nチャネル型のパストランジスタ849のみを設ける構成とすることもできる。例えば、画像データD<1>乃至画像データD<8>の他、これらの相補データをパストランジスタ849のゲートに供給することにより、パストランジスタロジック回路846bに設けられるパストランジスタ849を、全てnチャネル型のトランジスタとすることができる。
【0105】
図13に示す構成は、8ビット以外のビット数の画像データDをDA変換する機能を有するDA変換回路846にも適用することができる。例えば、電位生成回路846aに抵抗素子848を1024個又は1023個設け、パストランジスタロジック回路846bに10段のパストランジスタ849を設けることで、DA変換回路846は、10ビットの画像データDをDA変換する機能を有することができる。
【0106】
<ゲートドライバ回路821の構成例>
図14は、ゲートドライバ回路821の構成例を示すブロック図である。ゲートドライバ回路821は、複数のセット・リセットフリップフロップで構成されるシフトレジスタ回路SRを有する。シフトレジスタ回路SRは、走査線としての機能を有する配線831と電気的に接続されており、配線831に信号を出力する機能を有する。
【0107】
信号RESはリセット信号であり、信号RESを例えば高電位とすることでシフトレジスタ回路SRの出力を全て低電位とすることができる。信号SPはスタートパルス信号であり、当該信号をゲートドライバ回路821に入力することにより、シフトレジスタ回路SRによるシフト動作を開始することができる。信号PWCはパルス幅制御信号であり、シフトレジスタ回路SRが配線831に出力する信号のパルス幅を制御する機能を有する。信号CLK[1]、信号CLK[2]、信号CLK[3]、及び信号CLK[4]はクロック信号であり、1個のシフトレジスタ回路SRには、信号CLK[1]乃至信号CLK[4]のうち、例えば2つの信号を入力することができる。
【0108】
なお、図14に示す構成は、シフトレジスタ回路SRと電気的に接続された配線831を他の配線とすること等により、ソースドライバ回路822が有するシフトレジスタ回路844等にも適用することができる。
【0109】
図15Aは、シフトレジスタ回路SRに入力される信号、及びシフトレジスタ回路SRから出力される信号を示す図である。ここで、図15Aでは、クロック信号として、信号CLK[1]及び信号CLK[3]が入力される場合を示している。
【0110】
信号FOは出力信号であり、例えば配線831に出力される信号である。信号SROUTはシフト信号であり、次段のシフトレジスタ回路SRに入力される信号LINとすることができる。以上、図15Aに示す信号のうち、信号RES、信号PWC、信号CLK[1]、信号CLK[3]、及び信号LINはシフトレジスタ回路SRに入力される信号であり、信号FO、及び信号SROUTはシフトレジスタ回路SRから出力される信号である。
【0111】
図15Bは、入出力信号が図15Aに示す信号であるシフトレジスタ回路SRの構成例を示す回路図である。シフトレジスタ回路SRは、トランジスタ851乃至トランジスタ863と、容量素子864乃至容量素子866と、を有する。
【0112】
トランジスタ851のソース又はドレインの一方は、トランジスタ852のソース又はドレインの一方、トランジスタ856のソース又はドレインの一方、及びトランジスタ859のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ852のゲートは、トランジスタ853のソース又はドレインの一方、トランジスタ854のソース又はドレインの一方、トランジスタ855のソース又はドレインの一方、トランジスタ858のゲート、トランジスタ861のゲート、及び容量素子864の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ856のソース又はドレインの他方は、トランジスタ857のゲート、及び容量素子865の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ859のソース又はドレインの他方は、トランジスタ860のゲート、及び容量素子866の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ860のソース又はドレインの一方は、トランジスタ861のソース又はドレインの一方、トランジスタ862のゲート、及び容量素子866の他方の電極と電気的に接続されている。
【0113】
トランジスタ851のゲート、及びトランジスタ855のゲートには、信号LINが入力される。トランジスタ853のゲートには、信号CLK[3]が入力される。トランジスタ854のゲートには、信号RESが入力される。トランジスタ857のソース又はドレインの一方には、信号CLK[1]が入力される。トランジスタ860のソース又はドレインの他方には、信号PWCが入力される。
【0114】
トランジスタ862のソース又はドレインの一方、及びトランジスタ863のソース又はドレインの一方は、配線831と電気的に接続されており、前述のように配線831からは信号FOが出力される。トランジスタ857のソース又はドレインの他方、トランジスタ858のソース又はドレインの一方、及び容量素子865の他方の電極からは、信号SROUTが出力される。
【0115】
トランジスタ851のソース又はドレインの他方、トランジスタ853のソース又はドレインの他方、トランジスタ854のソース又はドレインの他方、トランジスタ856のゲート、トランジスタ859のゲート、及びトランジスタ862のソース又はドレインの他方には、電位VDDが供給される。トランジスタ852のソース又はドレインの他方、トランジスタ855のソース又はドレインの他方、トランジスタ858のソース又はドレインの他方、トランジスタ861のソース又はドレインの他方、トランジスタ863のソース又はドレインの他方、及び容量素子864の他方の電極には、電位VSSが供給される。
【0116】
トランジスタ863は、バイアストランジスタであり、定電流源としての機能を有する。トランジスタ863のゲートには、バイアス電位である電位Vbiasを供給することができる。
【0117】
トランジスタ862と、トランジスタ863と、によりソースフォロワ回路867が構成される。シフトレジスタ回路SRにソースフォロワ回路867を設けることにより、シフトレジスタ回路SRの内部で配線抵抗、寄生容量等に起因する信号の減衰等が発生しても、これに起因する信号FOの電位の低下を抑制することができる。これにより、表示装置810の動作を高速化することができる。なお、ソースフォロワ回路867は、バッファとしての機能を有していれば、ソースフォロワ回路以外の回路としてもよい。
【0118】
<領域823の構成例>
図16は、ゲートドライバ回路821とソースドライバ回路822が重なる領域である領域823の構成例を示す図である。図16に示すように、領域823には、ゲートドライバ回路821を構成する素子を有する領域と、ソースドライバ回路822を構成する素子を有する領域と、が一定の規則性を持って設けられる。図16では、ゲートドライバ回路821を構成する素子としてトランジスタ871を示し、ソースドライバ回路822を構成する素子としてトランジスタ872を示している。
【0119】
図16では、ゲートドライバ回路821を構成する素子を有する領域が1行目と3行目に設けられ、ソースドライバ回路822を構成する素子を有する領域が2行目と4行目に設けられる場合を示している。領域823において、ゲートドライバ回路821を構成する素子を有する各領域の間には、ダミー素子が設けられる。また、ソースドライバ回路822を構成する素子を有する各領域の間には、ダミー素子が設けられる。図16には、トランジスタ871の四方、及びトランジスタ872の四方に、ダミー素子としてダミートランジスタ873が設けられる場合の、領域823の構成例を示している。
【0120】
領域823にダミートランジスタ873等のダミー素子を設けることにより、当該ダミー素子が不純物を吸収し、トランジスタ871及びトランジスタ872等に不純物が拡散することを抑制することができる。これにより、トランジスタ871及びトランジスタ872等の信頼性を高めることができるので、表示装置810の信頼性を高めることができる。なお、図16では、トランジスタ871及びトランジスタ872、並びにダミートランジスタ873がマトリクス状に配列されているが、マトリクス状に配列されていなくてもよい。
【0121】
図17は、領域823の一部である領域870の構成例を示す上面図である。図16図17に示すように、領域870には、トランジスタ871が1個、トランジスタ872が1個、ダミートランジスタ873が2個設けられている。図17に示すように、トランジスタ871は、チャネル形成領域110と、ソース領域111と、ドレイン領域112と、を有する。また、チャネル形成領域110と重なる領域を有するように、ゲート電極113を有する。
【0122】
なお、図17では、ゲート絶縁体等の構成要素は省略している。また、図17ではチャネル形成領域と、ソース領域と、ドレイン領域と、を明確に分離せず記載している。
【0123】
ソース領域111には開口部114が設けられ、開口部114を介してソース領域111は配線115と電気的に接続されている。ドレイン領域112には開口部116が設けられ、開口部116を介してドレイン領域112は配線117と電気的に接続されている。
【0124】
ゲート電極113には開口部118が設けられ、開口部118を介してゲート電極113は配線121と電気的に接続されている。配線115には開口部119が設けられ、開口部119を介して配線115は配線122と電気的に接続されている。配線117には開口部120が設けられ、開口部120を介して配線117は配線123と電気的に接続されている。つまり、ソース領域111は配線115を介して配線122と電気的に接続され、ドレイン領域112は配線117を介して配線123と電気的に接続されている。
【0125】
トランジスタ872は、チャネル形成領域130と、ソース領域131と、ドレイン領域132と、を有する。また、チャネル形成領域130と重なる領域を有するように、ゲート電極133を有する。
【0126】
ソース領域131には開口部134が設けられ、開口部134を介してソース領域131は配線135と電気的に接続されている。ドレイン領域132には開口部136が設けられ、開口部136を介してドレイン領域132は配線137と電気的に接続されている。
【0127】
ゲート電極133には開口部138が設けられ、開口部138を介してゲート電極133は配線141と電気的に接続されている。配線135には開口部139が設けられ、開口部139を介して配線135は配線142と電気的に接続されている。配線137には開口部140が設けられ、開口部140を介して配線137は配線143と電気的に接続されている。つまり、ソース領域131は配線135を介して配線142と電気的に接続され、ドレイン領域132は配線137を介して配線143と電気的に接続されている。
【0128】
なお、チャネル形成領域110と、チャネル形成領域130と、は互いに同一の層に設けることができる。また、ソース領域111及びドレイン領域112と、ソース領域131及びドレイン領域132と、は互いに同一の層に設けることができる。また、ゲート電極113と、ゲート電極133と、は互いに同一の層に設けることができる。また、配線115及び配線117と、配線135及び配線137と、は互いに同一の層に設けることができる。つまり、トランジスタ871と、トランジスタ872と、は互いに同一の層に設けることができる。これにより、トランジスタ871と、トランジスタ872と、を互いに異なる層に設ける場合より、表示装置810の作製工程を簡略にすることができ、表示装置810を低価格なものとすることができる。
【0129】
ゲートドライバ回路821を構成するトランジスタ871と電気的に接続されている配線121乃至配線123は、互いに同一の層に設けられている。また、ソースドライバ回路822を構成するトランジスタ872と電気的に接続されている配線141乃至配線143は、互いに同一の層に設けられている。さらに、配線121乃至配線123は、配線141乃至配線143と異なる層に設けられている。以上により、ゲートドライバ回路821を構成する素子であるトランジスタ871と、ソースドライバ回路822を構成する素子であるトランジスタ872と、が電気的に短絡することを抑制することができる。よって、ゲートドライバ回路821とソースドライバ回路822が明確に分離されず、重なる領域を有していても、ゲートドライバ回路821及びソースドライバ回路822の誤動作を抑制することができる。これにより、表示装置810の信頼性を高めることができる。
【0130】
本明細書等において、「Aと同一の層」とは、例えばAと同一工程において形成された同一材料を有する層を意味する。
【0131】
図17では、配線121乃至配線123より上層に配線141乃至配線143が設けられる構成を示しているが、配線121乃至配線123より下層に配線141乃至配線143を設けてもよい。
【0132】
また、図17では配線121乃至配線123が水平方向に延伸し、配線141乃至配線143が垂直方向に延伸する構成を示しているが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、配線121乃至配線123を垂直方向に延伸し、配線141乃至配線143を水平方向に延伸する構成としてもよい。又は、配線121乃至配線123、及び配線141乃至配線143の両方が、水平方向に延伸、又は垂直方向に延伸していてもよい。
【0133】
ダミートランジスタ873は、半導体151と、導電体152と、を有する。導電体152は半導体151と重なる領域を有する。半導体151は、トランジスタ871及びトランジスタ872のチャネル形成領域と同一の層に形成することができる。また、導電体152は、トランジスタ871及びトランジスタ872のゲート電極と同一の層に形成することができる。なお、ダミートランジスタ873は、半導体151又は導電体152の一方を有さない構成としてもよい。
【0134】
半導体151及び導電体152は、他の配線等と電気的に接続されない構成とすることができる。半導体151及び/又は導電体152には、定電位を供給してもよい。例えば、接地電位を供給してもよい。
【0135】
<画素834の構成例>
図18A乃至図18Gは、表示装置810に設けられる画素834が呈する色について説明する図である。図18Aに示すように、赤色光(R)を射出する機能を有する画素834、緑色光(G)を射出する機能を有する画素834、及び青色光(B)を射出する機能を有する画素834を本発明の一態様の表示装置に設けることができる。又は、図18Bに示すように、シアン(C)の光を射出する機能を有する画素834、マゼンタ(M)の光を射出する機能を有する画素834、及び黄色(Y)の光を射出する機能を有する画素834が表示装置810に設けられていてもよい。
【0136】
又は、図18Cに示すように、赤色光(R)を射出する機能を有する画素834、緑色光(G)を射出する機能を有する画素834、青色光(B)を射出する機能を有する画素834、及び白色光(W)を射出する機能を有する画素834が表示装置810に設けられていてもよい。又は、図18Dに示すように、赤色光(R)を射出する機能を有する画素834、緑色光(G)を射出する機能を有する画素834、青色光(B)を射出する機能を有する画素834、及び黄色(Y)の光を射出する機能を有する画素834が表示装置810に設けられていてもよい。又は、図18Eに示すように、シアン(C)の光を射出する機能を有する画素834、マゼンタ(M)の光を射出する機能を有する画素834、黄色(Y)の光を射出する機能を有する画素834、及び白色光(W)を射出する機能を有する画素834が表示装置810に設けられていてもよい。
【0137】
図18C図18Eに示すように、白色光(W)を射出する機能を有する画素834を表示装置810に設けることで、表示される画像の輝度を高めることができる。また、図18D等に示すように、画素834が射出する色の種類を増やすことで、中間色の再現性を高めることができるため、表示品位を高めることができる。
【0138】
なお、図18Fに示すように、表示装置810は、赤色光(R)を射出する機能を有する画素834、緑色光(G)を射出する機能を有する画素834、及び青色光(B)を射出する機能を有する画素834の他、赤外光(IR)を射出する機能を有する画素834を有してもよい。又は、図18Gに示すように、表示装置810は、シアン(C)の光を射出する機能を有する画素834、マゼンタ(M)の光を射出する機能を有する画素834、黄色(Y)の光を射出する機能を有する画素834の他、赤外光(IR)を射出する機能を有する画素834を有してもよい。また、表示装置810は、図18F図18Gに示す画素834の他、白色光(W)を射出する機能を有する画素834を有してもよい。
【0139】
図19A図19Bは、画素834の構成例を示す回路図である。図19Aに示す構成の画素834は、トランジスタ552と、トランジスタ554と、容量素子562と、発光デバイス572と、を有する。発光デバイス572としては、例えばエレクトロルミネッセンスを利用するELデバイスを適用することができる。ELデバイスは、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(以下、EL層ともいう。)を有する。一対の電極間に、ELデバイスのしきい値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
【0140】
また、ELデバイスは、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機ELデバイス、後者は無機ELデバイスと呼ばれている。
【0141】
有機ELデバイスは、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子及び正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光デバイスは、電流励起型の発光デバイスと呼ばれる。
【0142】
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を有していてもよい。
【0143】
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0144】
無機ELデバイスは、そのデバイス構成により、分散型無機ELデバイスと薄膜型無機ELデバイスとに分類される。分散型無機ELデバイスは、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機ELデバイスは、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。
【0145】
発光デバイスは発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタ及び発光デバイスを形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造、及び両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光デバイスがあり、どの射出構造の発光デバイスも適用することができる。
【0146】
なお、発光デバイス572以外の発光デバイスについても、発光デバイス572と同様のデバイスを用いることができる。
【0147】
トランジスタ552のソース又はドレインの一方は、配線832と電気的に接続されている。トランジスタ552のソース又はドレインの他方は、容量素子562の一方の電極、及びトランジスタ554のゲートと電気的に接続されている。容量素子562の他方の電極は、配線835aと電気的に接続されている。トランジスタ552のゲートは、配線831と電気的に接続されている。トランジスタ554のソース又はドレインの一方は、配線835aと電気的に接続されている。トランジスタ554のソース又はドレインの他方は、発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、配線835bと電気的に接続されている。配線835aには電位VSSが供給され、配線835bには電位VDDが供給される。配線835a及び配線835bは、電源線としての機能を有する。
【0148】
図19Aに示す構成の画素834では、トランジスタ554のゲートに供給される電位に応じて、発光デバイス572に流れる電流が制御されることにより、発光デバイス572からの発光輝度が制御される。
【0149】
図19Aに示す構成の画素834と異なる構成を図19Bに示す。図19Bに示す構成の画素834において、トランジスタ552のソース又はドレインの一方は、配線832と電気的に接続されている。トランジスタ552のソース又はドレインの他方は、容量素子562の一方の電極、及びトランジスタ554のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ552のゲートは、配線831と電気的に接続されている。トランジスタ554のソース又はドレインの一方は、配線835aと電気的に接続されている。トランジスタ554のソース又はドレインの他方は、容量素子562の他方の電極、及び発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、配線835bと電気的に接続されている。配線835aには電位VDDが供給され、配線835bには電位VSSが供給される。
【0150】
図20Aは、画素834の構成例であり、メモリを有する点が図19A乃至図19Bに示す構成の画素834と異なる。図20Aに示す構成の画素834は、トランジスタ511、トランジスタ513、トランジスタ521、容量素子515、容量素子517、及び発光デバイス572を有する。また画素834には、走査線としての機能を有する配線831として配線831_1及び配線831_2が電気的に接続され、データ線としての機能を有する配線832として配線832_1及び配線832_2が電気的に接続されている。
【0151】
トランジスタ511のソース又はドレインの一方は、配線832_1と電気的に接続されている。トランジスタ511のソース又はドレインの他方は、容量素子515の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ511のゲートは、配線831_1と電気的に接続されている。トランジスタ513のソース又はドレインの一方は、配線832_2と電気的に接続されている。トランジスタ513のソース又はドレインの他方は、容量素子515の他方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ513のゲートは、配線831_2と電気的に接続されている。容量素子515の他方の電極は、容量素子517の一方の電極と電気的に接続されている。容量素子517の一方の電極は、トランジスタ521のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの一方は、発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。容量素子517の他方の電極は、配線535と電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの他方は、配線537と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、配線539と電気的に接続されている。
【0152】
本明細書等において、発光デバイスに供給される電圧とは、当該発光デバイスの一方の電極に印加される電位と、当該発光デバイスの他方の電極に印加される電位と、の差を示す。
【0153】
トランジスタ511のソース又はドレインの他方と、容量素子515の一方の電極と、が電気的に接続されたノードをノードN1とする。トランジスタ513のソース又はドレインの他方と、容量素子517の一方の電極と、トランジスタ521のゲートと、が電気的に接続されたノードをノードN2とする。また、図20Aにおいて、容量素子517と、トランジスタ521と、発光デバイス572と、から構成される回路を回路401とする。
【0154】
配線535は、表示装置810に設けられた例えば全ての画素834について、共通の配線とすることができる。この場合、配線535に供給される電位は共通電位となる。また、配線537及び配線539には、定電位を供給することができる。例えば、配線537には高電位を供給することができ、配線539には低電位を供給することができる。配線537及び配線539は、電源線としての機能を有する。
【0155】
トランジスタ521は、発光デバイス572に供給する電流を制御する機能を有する。容量素子517は保持容量としての機能を有する。容量素子517は省略してもよい。
【0156】
なお、図20Aでは発光デバイス572のアノード側がトランジスタ521と電気的に接続される構成を示しているが、カソード側にトランジスタ521を電気的に接続してもよい。この場合は、配線537の電位の値と配線539の電位の値を適宜変更することができる。
【0157】
画素834は、トランジスタ511をオフ状態とすることで、ノードN1の電位を保持することができる。また、トランジスタ513をオフ状態とすることで、ノードN2の電位を保持することができる。さらに、トランジスタ513をオフ状態として、トランジスタ511を介してノードN1に所定の電位を書き込むことで、容量素子515を介した容量結合により、ノードN1の電位の変位に応じてノードN2の電位を変化させることができる。
【0158】
ここで、トランジスタ511及びトランジスタ513には、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう。)を適用することができる。金属酸化物は、バンドギャップを2eV以上、又は2.5eV以上とすることができる。よって、OSトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流(オフ電流)が小さくなる。よって、トランジスタ511及びトランジスタ513にOSトランジスタを適用することにより、ノードN1及びノードN2の電位を長期間に亘って保持することができる。
【0159】
金属酸化物として、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、又は錫を用いるとよい。また、金属酸化物として、酸化インジウム、酸化亜鉛、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、Ga-Zn酸化物、又は酸化ガリウムを用いてもよい。
【0160】
〔画素834の動作方法の一例〕
続いて、図20Bを用いて、図20Aに示す構成の画素834の動作方法の一例を説明する。図20Bは、図20Aに示す構成の画素834の動作に係るタイミングチャートである。なお、ここでは説明を容易にするため、配線抵抗等の各種抵抗、トランジスタや配線等の寄生容量、及びトランジスタのしきい値電圧等の影響は考慮しない。
【0161】
図20Bに示す動作では、1フレーム期間を期間T1と期間T2とに分ける。期間T1はノードN2に電位を書き込む期間であり、期間T2はノードN1に電位を書き込む期間である。
【0162】
期間T1では、配線831_1と配線831_2の両方に、トランジスタをオン状態にする電位を供給する。また、配線832_1には固定電位である電位Vrefを供給し、配線832_2には電位Vを供給する。
【0163】
ノードN1には、トランジスタ511を介して配線832_1から電位Vrefが供給される。また、ノードN2には、トランジスタ513を介して配線832_2から電位Vが供給される。したがって、容量素子515には電位差V-Vrefが保持された状態となる。
【0164】
続いて期間T2では、配線831_1にはトランジスタ511をオン状態とする電位を供給し、配線831_2にはトランジスタ513をオフ状態とする電位を供給する。また、配線832_1には電位Vdataを供給し、配線832_2には所定の定電位を供給する。なお、配線832_2の電位はフローティングとしてもよい。
【0165】
ノードN1には、トランジスタ511を介して電位Vdataが供給される。このとき、容量素子515による容量結合により、電位Vdataに応じてノードN2の電位が電位dVだけ変化する。すなわち、回路401には、電位Vと電位dVを足した電位が入力されることとなる。なお、図20BではdVが正の値であるように示しているが、負の値であってもよい。すなわち、電位Vdataが電位Vrefより低くてもよい。
【0166】
ここで、電位dVは、容量素子515の容量値と、回路401の容量値によって概ね決定される。容量素子515の容量値が回路401の容量値よりも十分に大きい場合、電位dVは電位差Vdata-Vrefに近い電位となる。
【0167】
このように、画素834は、2種類のデータ信号を組み合わせてノードN2に供給する電位を生成することができるため、画素アレイ833に表示される画像を画素834の内部で補正することができる。ここで、2種類のデータ信号の一方は、前述の画像信号とすることができ、2種類のデータ信号の他方は、例えば補正信号とすることができる。例えば、期間T1に補正信号に対応する電位VをノードN2に供給した後、期間T2に画像信号に対応する電位VdataをノードN1に供給することにより、画素アレイ833に表示される画像は、画像信号を補正信号により補正したものとすることができる。なお、画像信号だけでなく、補正信号等も表示装置810が有するソースドライバ回路822により生成することができる。
【0168】
また、図20Aに示す構成の画素834は、ノードN2の電位を、配線832_1及び配線832_2に供給可能な最大電位を超える電位とすることができる。これにより、発光デバイス572に高電圧を供給することができる。具体的には、例えば配線537の電位を高くすることができる。よって、発光デバイス572を有機ELデバイスとする場合は、発光デバイスを後述するタンデム構造とすることができる。これにより、発光デバイス572の電流効率及び外部量子効率を高めることができる。よって、表示装置810に高輝度の画像を表示することができる。また、表示装置810の消費電力を低減することができる。
【0169】
なお、図20Aで例示した回路に限られず、別途トランジスタや容量素子等を追加した構成としてもよい。例えば、図20Aに示す構成に、トランジスタと容量素子を1個ずつ追加することにより、電位を保持することができるノードを3つとすることができる。つまり、電位を保持することができるノードを、ノードN1とノードN2以外にもう1個、画素834に設ける構成とすることができる。これにより、ノードN2の電位をさらに高いものとすることができる。よって、発光デバイス572にさらに大きな電流を流すことができる。
【0170】
図21A乃至図21Eは、図20Aとは異なる回路401の構成例を示す図である。図21Aに示す構成の回路401は、図20Aに示す構成の回路401と同様に、容量素子517と、トランジスタ521と、発光デバイス572と、を有する。
【0171】
図21Aに示す構成の回路401において、ノードN2には、トランジスタ521のゲート、及び容量素子517の一方の電極が電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの一方は、配線537と電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの他方は、容量素子517の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子517の他方の電極は、発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、配線539と電気的に接続されている。
【0172】
図21Bに示す構成の回路401も、図20Aに示す構成の回路401と同様に、容量素子517と、トランジスタ521と、発光デバイス572と、を有する。
【0173】
図21Bに示す構成の回路401において、ノードN2には、トランジスタ521のゲート、及び容量素子517の一方の電極が電気的に接続されている。発光デバイス572の一方の電極は、配線537と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、トランジスタ521のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの他方は、容量素子517の他方の電極と電気的に接続されている。容量素子517の他方の電極は、配線539と電気的に接続されている。
【0174】
図21Cには、図21Aに示す回路401にトランジスタ525を付加した場合の、回路401の構成例を示している。トランジスタ525のソース又はドレインの一方は、トランジスタ521のソース又はドレインの他方、及び容量素子517の他方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ525のソース又はドレインの他方は、発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。トランジスタ525のゲートは、配線541と電気的に接続されている。配線541は、トランジスタ525の導通を制御する走査線としての機能を有する。
【0175】
図21Cに示す構成の回路401を有する画素834では、ノードN2の電位がトランジスタ521のしきい値電圧以上となっても、トランジスタ525をオン状態としなければ発光デバイス572に電流が流れない。このため、表示装置810の誤動作を抑制することができる。
【0176】
図21Dには、図21Cに示す回路401にトランジスタ527を付加した場合の、回路401の構成例を示している。トランジスタ527のソース又はドレインの一方は、トランジスタ521のソース又はドレインの他方と電気的に接続されている。トランジスタ527のソース又はドレインの他方は、配線543と電気的に接続されている。トランジスタ527のゲートは、配線545と電気的に接続されている。配線545は、トランジスタ527の導通を制御する走査線としての機能を有する。
【0177】
配線543は、基準電位等の特定の電位の供給源と電気的に接続することができる。つまり、配線543は、電源線としての機能を有する。配線543からトランジスタ521のソース又はドレインの他方に特定の電位を供給することで、画像信号の画素834への書き込みを安定化させることができる。
【0178】
また、配線543は回路520と電気的に接続することができる。回路520は、上記特定の電位の供給源、トランジスタ521の電気特性を取得する機能、及び補正信号を生成する機能の1つ以上を有することができる。
【0179】
図21Eに示す構成の回路401は、容量素子517と、トランジスタ521と、トランジスタ529と、発光デバイス572と、を有する。
【0180】
図21Eに示す構成の回路401において、ノードN2には、トランジスタ521のゲート、及び容量素子517の一方の電極が電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの一方は、配線537と電気的に接続されている。トランジスタ529のソース又はドレインの一方は、配線543と電気的に接続されている。
【0181】
容量素子517の他方の電極は、トランジスタ521のソース又はドレインの他方と電気的に接続されている。トランジスタ521のソース又はドレインの他方は、トランジスタ529のソース又はドレインの他方と電気的に接続されている。トランジスタ529のソース又はドレインの他方は、発光デバイス572の一方の電極と電気的に接続されている。
【0182】
トランジスタ529のゲートは、配線831_1と電気的に接続されている。発光デバイス572の他方の電極は、配線539と電気的に接続されている。
【0183】
<表示装置の構成例2>
図22は、画素834が図20Aに示す構成である場合の、表示装置810の構成例を示す図である。図22に示す構成の表示装置810には、図5に示す表示装置810の構成要素に加え、デマルチプレクサ回路824が設けられる。デマルチプレクサ回路824は、図22に示すように、例えば層820に設けることができる。なお、デマルチプレクサ回路824の個数は、例えば画素アレイ833に設けられた画素834の列数と同数とすることができる。
【0184】
ゲートドライバ回路821は、配線831-1を介して画素834と電気的に接続されている。ゲートドライバ回路821は、配線831-2を介して画素834と電気的に接続されている。配線831-1及び配線831-2は、走査線としての機能を有する。
【0185】
ソースドライバ回路822は、デマルチプレクサ回路824の入力端子と電気的に接続されている。デマルチプレクサ回路824の第1の出力端子は、配線832-1を介して画素834と電気的に接続されている。デマルチプレクサ回路824の第2の出力端子は、配線832-2を介して画素834と電気的に接続されている。配線832-1及び配線832-2は、データ線としての機能を有する。
【0186】
なお、ソースドライバ回路822と、デマルチプレクサ回路824と、をまとめてソースドライバ回路と呼んでもよい。つまり、デマルチプレクサ回路824は、ソースドライバ回路822に含まれるとしてもよい。
【0187】
図22に示す構成の表示装置810において、ソースドライバ回路822は、画像信号S1及び画像信号S2を生成する機能を有する。デマルチプレクサ回路824は、配線832-1を介して画像信号S1を画素834に供給する機能を有し、配線832-2を介して画像信号S2を画素834に供給する機能を有する。ここで、図22に示す構成の表示装置810を図20Bに示す方法で動作させるとすると、電位Vdataを画像信号S1に対応する電位とすることができ、電位Vを画像信号S2に対応する電位とすることができる。
【0188】
図20Bに示すように、ノードN2に電位Vを供給した後、ノードN1に電位Vda taを供給することにより、ノードN2の電位は“V+dV”となる。ここで、前述のように、電位dVは電位Vdataに対応する電位である。よって、画像信号S2に画像信号S1を付加することができる。つまり、画像信号S2に画像信号S1を重ね合わせることができる。
【0189】
画像信号S1に対応する電位Vdata、及び画像信号S2に対応する電位Vの大きさは、ソースドライバ回路822の耐圧等に応じて制限される。そこで、画像信号S1と画像信号S2を重ね合わせることにより、ソースドライバ回路822が出力可能な電位より高い電位の画像信号に対応する画像を、画素アレイ833に表示することができる。これにより、発光デバイス572に大電流を流すことができるので、高輝度の画像を画素アレイ833に表示することができる。また、画素アレイ833が表示することができる画像の輝度の幅である、ダイナミックレンジを拡大することができる。
【0190】
画像信号S1に対応する画像と、画像信号S2に対応する画像と、は同一でもよいし、異なっていてもよい。画像信号S1に対応する画像と、画像信号S2に対応する画像と、が同一である場合、画素アレイ833には、画像信号S1に対応する画像の輝度、及び画像信号S2に対応する画像の輝度より高い輝度の画像を表示することができる。
【0191】
図23は、画像信号S1に対応する画像P1を、文字(TREE)のみを含む画像とし、画像信号S2に対応する画像P2を、絵と文字が含まれる画像とする場合を示している。この場合、画像P1と画像P2を重ね合わせることで、文字の輝度を高めることができ、例えば文字を強調することができる。また、図20Bに示すように、ノードN2に電位Vが書き込まれた後に、ノードN2の電位が電位Vdataに応じて変化することから、画像信号S2に対応する電位Vを書き換える場合は、画像信号S1の電位Vdataを再度書き込まなければならない。一方、電位Vdataを書き換える場合は、図20Bに示す時刻T1においてノードN2に書き込まれた電荷が、トランジスタ513等からリークせずに保持されている限り、電位Vを書き換える必要がない。よって、図23に示す場合において、電位Vdataの値を調整することにより、文字の輝度を調整することができる。
【0192】
ここで、前述のように、画像信号S2に対応する電位Vを書き換える場合は、画像信号S1に対応する電位Vdataを再度書き込まなければならない。一方、電位Vdat を書き換える場合は、電位Vを書き換える必要がない。よって、画像P2は、画像P1より書き換え頻度が低い画像とすることが好ましい。なお、画像P1は、文字のみを含む画像に限定されず、画像P2は、絵と文字が含まれる画像に限定されない。
【0193】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0194】
(実施の形態2)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図24に示す。
【0195】
図24Aははビデオカメラであり、第1筐体971、第2筐体972、表示部973、操作キー974、レンズ975、接続部976等を有する。操作キー974およびレンズ975は第1筐体971に設けられており、表示部973は第2筐体972に設けられている。当該ビデオカメラにおける表示部973に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外での視認性を向上させ、かつ低消費電力化することができる。
【0196】
図24Bは携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイク905、スピーカ906、操作キー907、スタイラス908、カメラ909等を有する。なお、図24Eに示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。当該携帯型ゲーム機における表示部903に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外での視認性を向上させ、かつ低消費電力化することができる。
【0197】
図24Cはデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966等を有する。当該デジタルカメラにおける表示部965に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外での視認性を向上させ、かつ低消費電力化することができる。
【0198】
図24Dは腕時計型の情報端末であり、筐体931、表示部932、リストバンド933、操作用のボタン935、竜頭936、カメラ939等を有する。表示部932はタッチパネルとなっていてもよい。当該情報端末における表示部932に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外でも視認性を向上させることができる。また、額縁を狭めることができ、デザイン性を向上させることができる。
【0199】
図24E携帯電話機の一例であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。当該携帯電話機における表示部952に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外でも視認性を向上させることができる。また、額縁を狭めることができ、デザイン性を向上させることができる。
【0200】
図24Fは携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。当該携帯データ端末における表示部932に本発明の一態様の表示装置を備えることで、屋外でも視認性を向上させることができる。また、額縁を狭めることができ、小型化することができる。
【0201】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0202】
SC_1:コンタクト部、SC_2:コンタクト部、SC_4:コンタクト部、SL_1:ソース線、SL_4:ソース線、11:表示装置、91:駆動回路、91_1:パルス出力回路、91_4:パルス出力回路、92:表示部、93:駆動回路、94:画素回路、94B:回路、
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F