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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】水濾過ユニット
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20230101AFI20240805BHJP
   B01D 61/08 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
C02F1/44 A
B01D61/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021560640
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 SE2020050371
(87)【国際公開番号】W WO2020209782
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】1950446-3
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】521445672
【氏名又は名称】ブルーウォーター スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハグクヴィスト,ピーター
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-042704(JP,A)
【文献】特表昭55-500663(JP,A)
【文献】特開昭52-155853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/00-71/82
B01D 24/00-37/04
B01D 39/00-41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水濾過ユニット(100)に供給されている加圧水を浄化する水濾過ユニット(100)であって、
壁部分(110)、第1の端部分(111)及び第2の端部分(112)によって規定されており、前記壁部分(110)前記第1の端部分(111)及び前記第2の端部分(112)に装着されている、容器(101)と、
前記加圧水が前記容器(101)に供給されている前記第1又は第2の端部分(111、112)に配置されている水入口(120)と、
濾過膜(130)を介して前記加圧水の少なくとも一部を供給するように前記容器に配置されている濾過膜(130)と、
前記濾過膜からの濾過水用の第1の水出口(140)と
を含み、
前記水濾過ユニット(100)は、前記濾過膜(130)に供給されている前記加圧水の注入ポンプ(150)を介して流速の増加を生成するように配置されている注入ポンプ(150)を更に含み、前記注入ポンプ(150)は、前記濾過膜を介して供給されていない非濾過水を第2の入口通路(240)を介して受け入れ、前記濾過膜(130)の上流側に移送して前記容器(101)内で前記非濾過水を再循環させるように構成されており、
前記水濾過ユニット(100)は、前記第1の水出口(140)に接続されている穿孔壁を有する細長い管(160)を更に含み、前記濾過膜(130)は、前記細長い管(160)の周りに配置されている逆浸透濾過膜(130)であり、前記濾過膜からの濾過水は、前記水濾過ユニット(100)を使用する場合、前記細長い管(160)における穿孔を介して前記細長い管(160)に入り、
前記水濾過ユニット(100)は、前記注入ポンプ(150)から前記濾過膜(130)に前記加圧水及び前記注入ポンプにより再循環された再循環水を移送するように配置されている経路(170)を更に含み、
前記経路(170)は、前記細長い管(160)と前記経路(170)との間の通路を形成するように、前記細長い管(160)内に配置されている、
水濾過ユニット(100)。
【請求項2】
前記注入ポンプは、前記第1の端部分及び前記第2の端部分のうち1つに配置されている、請求項1に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項3】
前記経路(170)は、前記注入ポンプ(150)と接続しており、前記経路(170)は、前記細長い管(160)の少なくとも一端において前記細長い管(160)内で中心からずれて配置されている、請求項1又は2に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項4】
前記注入ポンプ(150)は、前記水入口(120)及び狭窄通路(260)を含み、前記狭窄通路(260)は、直径D2を有し、前記水入口(120)は、直径D1を有し、D2はD1よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項5】
前記経路(170)は、前記狭窄通路(260)の下流に配置され、前記第2の入口通路(240)は前記経路(170)に対して垂直な方向に延びる、請求項4に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項6】
比D1/D2は、1.4以上である、請求項4に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項7】
前記壁部分(110)の少なくとも一部は、前記濾過膜(130)の前記少なくとも一部に装着されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項8】
前記注入ポンプ(150)は、前記容器(101)内に配置されており、
前記注入ポンプ(150)は、前記水入口(120)から前記加圧水を受け入れるように更に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項9】
前記非濾過水の少なくとも一部用の第2の出口(190)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項10】
前記水濾過ユニットの通気を可能にする毛細管(230)を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項11】
前記壁部分(110)は、前記第1の端部分(111)及び前記第2の端部分(112)のうち少なくとも1つに装着されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の水濾過ユニット(100)。
【請求項12】
請求項1に記載の少なくとも1つの水濾過ユニット(100)と、前記少なくとも1つの水濾過ユニット(100)に加圧水を供給する供給ポンプ(310)とを含む水浄化システム(300)。
【請求項13】
前記供給ポンプ(310)は、脈動圧力を用いて前記少なくとも1つの水濾過ユニットに前記加圧水を供給する、請求項12に記載の水浄化システム(300)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の水濾過ユニットを製造する方法(500)であって、前記濾過膜(130)を、細長い管(160)の周りに配置し、
前記注入ポンプを経路(170)に接続すること(510)と、
前記細長い管(160)と前記経路(170)との間の通路を生成する前記細長い管(160)内に前記経路(170)を配置するように、接続された前記経路(170)を用いて、前記注入ポンプ(150)を前記濾過膜(130)に組み付けること(520)と、
前記壁部分(110)を前記濾過膜(130)に組み付けること(530)と、
濾過ハウジングを生成する前記壁部分(110)に第1の端部分(111)及び第2の端部分(112)を組み付けること(540)と、
前記第1の端部分(111)を前記壁部分(110)に封止し、前記壁部分(110)を前記第2の端部分(112)に封止すること(550)と
を含む方法(500)。
【請求項15】
前記水濾過ユニットを製造する方法は、さらに、
接続部(220)を前記第2の端部分(112)に付けること(560)と、
真空ポンプ(310)を前記水入口120に接続すること(570)と、
未硬化の硬化性プラスチック(200)用の容器を前記接続部(220)に接続すること(580)と、
前記硬化性プラスチックを前記濾過ハウジングの前記第2の部分に吸引するように、前記真空ポンプを用いて前記濾過ハウジングを排気すること(590)と
を含む、請求項14に記載の方法(500)
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
逆浸透(RO)、海水から塩を除去する、従来知られている水処理方法は、半透性濾過膜を介して未処理水分子を押し込むことによって、飲料水を浄化するためにも使用されている。濾過膜は、汚染物質を阻止し、その後、不純物は、環境から排出される。
【0002】
この水処理方法は、低塩分溶液が、高塩分溶液に移動する傾向がある処理であり、即ち、より低い濃度の溶液が、より高い濃度を有する溶液に自然に移動する傾向がある処理である。溶液を、より低い濃度からより高い濃度へ濃度勾配に逆らって濾過膜を横切って移動させた場合、逆浸透が行われる。例えば、通常の浸透下で、一方の側に淡水を有し、他方の側に濃縮水溶液を有する半透性濾過膜は、濃縮溶液を希釈するために、濾過膜を横切る淡水を有する。逆浸透では、濃縮溶液を有する側に圧力を加えて、水分子を、より低い濃度の側に濾過膜を横切って押し込む。
【0003】
典型的な逆浸透水濾過システムは、水から様々な不純物及び汚染物質を除去して排除する能力を有する半透性濾過膜を使用する。これらの汚染物質を、排水管の下へ自動的に洗い流す。その後、浄化水をタンクに貯蔵してもよい。
【0004】
所定の圧力を流入水に加えて、濾過膜を介して流入水を押し込む。濾過膜は、「透過」流と呼ばれる、濾過膜の他方の側で浄化水を出る流入水から不純物を濾過する。膜を貫通しない流入水の一部によって、膜に残された不純物を洗い流す。膜から洗い流された不純物を持つ水は、「濃縮流」と呼ばれる。
【0005】
ROシステムを使用する利益の一部は、純粋で清浄な飲料水、望ましくない臭い又は味の除去を含む。
【0006】
直列に接続された幾つかの濾過ユニットを含むROシステムを有することが一般的である。非濾過水の一部は、濾過膜を貫通することなく、第1の濾過ユニットで濾過膜のそばを通って流れていることがあり、従って、この水は、まだ汚れている。その後、この非濾過水を、同じ第1の濾過ユニットに、又はこの第1の濾過ユニットと(好ましくは、直列に)接続している第2の濾過ユニットに再循環させてもよい。
【0007】
幾つかのユニット、及び水を再循環させるポンプを含むROシステムを有すると、大きい場所をとることがある。循環ポンプは、機械的及び/又は電気的故障のために誤動作することもあり、従って、ポンプの交換又は修理は、いつ起こるか分からない。暫くした後、RO濾過器を交換する必要があるかもしれず、市場の一般的な問題は、消費者が、認可交換部品の代わりに、製造業者によって認可されていない予備部品を使用するかもしれないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
従って、関心は、機能性を向上させるために、本水濾過構成の欠点の少なくとも一部を克服することにある。
【0009】
この目的及び他の目的は、独立請求項における特徴を有する水濾過ユニットを提供することによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項で規定される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、水濾過ユニットに供給されている加圧水を浄化する水濾過ユニットであって、
壁部分、第1の端部分及び第2の端部分によって規定されている容器であって、壁部分は、第1の端部分及び第2の端部分に装着されている容器と、
加圧水が容器に供給されているこの第1又は第2の端部分に配置されている水入口と、
濾過膜を介して水の少なくとも一部を供給するようにこの容器に配置されている濾過膜と、
膜からの濾過水用の第1の水出口と
を含み、
水濾過ユニットは、加圧水を受け入れ、濾過膜に供給されているこの加圧水の注入ポンプを介して流速の増加を生成するように配置されている注入ポンプを更に含み、この注入ポンプは、膜を介して供給されていない非濾過水を受け入れ、容器内でこの非濾過水を再循環させるように更に配置されている、
水濾過ユニットを提供する。
【0011】
従って、本発明は、濾過機能性を高める濾過ユニットで配置されたポンプを有する水を浄化する水濾過ユニットを提供するという考えに基づいている。注入ポンプは、流速の増加を生成するために、動作下で可動部を含まない。従って、これにより、可動部を有しない濾過ユニットを提供することができる。濾過ユニット内で非濾過水に主に影響を与える吸引効果を生成する注入ポンプにわたって圧力降下がある。より具体的には、これは、注入ポンプを介してこの加圧水の流速を増加させ、非濾過水に主に影響を与える吸引効果を生成して非濾過水を再循環させることによって濾過器内で非濾過水を再循環させる可動部を有しないポンプを提供することができる。これにより、濾過膜を介して流れを増加させることができる。
【0012】
これにより、濾過器内にも注入ポンプ内にも可動部がないので、保守を必要としない又は非常に少量の保守を必要とする水濾過器を提供することができる。これによりコンパクトな水濾過器を提供することができる。
【0013】
実施形態によれば、水濾過ユニットは、第1の水出口に接続されている穿孔壁を有する細長い管を更に含んでもよく、濾過膜は、この細長い管の周りに配置されている逆浸透濾過膜であり、濾過水は、水濾過ユニットを使用する場合、細長い管における穿孔を介して細長い管に入る。
【0014】
これにより、水濾過器のコンパクトな解決策を与えることができる。これにより、大量の汚れ又は不純物から水を清浄にすることができる高性能水濾過ユニットを提供することもできる。
【0015】
実施形態によれば、水濾過ユニットは、この注入ポンプからこの濾過膜に加圧水及び再循環水を移送するように配置されている経路を更に含んでもよく、この経路は、この細長い管とこの経路との間の通路を形成するように、細長い管内に配置されていてもよい。
【0016】
これにより、濾過ユニット内の汚水の移送及び/又は再循環を容易に行うことができる。
【0017】
実施形態によれば、経路は、この注入ポンプと接続していてもよく、この経路は、この細長い管の少なくとも一端においてこの細長い管内で中心からずれて配置されていてもよい。
【0018】
これにより、装着されるべき出口用の空間が増加するので、水濾過ユニットを容易に組み立てることができる。その結果、これにより、より大きい断面を有する出口が可能であるので、水濾過ユニットの機能性を向上させることができる。
【0019】
実施形態によれば、注入ポンプは、水入口及び狭窄通路を含んでもよく、狭窄通路は、直径D2を有し、水入口は、直径D1を有し、D2はD1よりも小さくてもよい。
【0020】
実施形態によれば、注入ポンプは、第2の入口通路を含み、狭窄通路は、この第2の入口通路(240)の中心から距離Hで配置されていてもよく、この距離Hは、-1D1から1.5D1の範囲にあってもよく、この注入ポンプは、この第2の入口通路を介して非濾過水を受け入れるように更に配置されていてもよい。
【0021】
上述の実施形態の少なくとも一部は、注入ポンプを介して流量及び/又は流速を増加させることができる。更に、上述の実施形態の少なくとも一部は、非濾過水を、経路に吸引し、濾過ユニット内で再循環させることができる。
【0022】
実施形態によれば、比D1/D2は、少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、最も好ましくは少なくとも5であってもよい。
【0023】
これにより、容器に供給される加圧水の流量及び/又は流速に比べて、注入ポンプを介して所望の流量及び/又は流速を与えることができる。これにより、容器に供給される加圧水の流量及び/又は流速の、好ましくは約少なくとも2倍、より好ましくは約3倍、最も好ましくは約4倍であるように、注入ポンプを介して流量及び/又は流速を与えることができる。
【0024】
実施形態によれば、壁部分の少なくとも一部は、濾過膜の少なくとも一部に装着されていてもよい。
【0025】
これにより、濾過ユニット内の水流の一部でなく、詰まる濾過ユニット内の水量を減少することができる。これにより、濾過膜を貫通することなく濾過膜のそばを通る、漏れる非濾過水のリスクを減らすことができる。
【0026】
実施形態によれば、注入ポンプは、この容器内に配置されていてもよく、この注入ポンプ150は、水入口120から加圧水を受け入れるように更に配置されていてもよい。
【0027】
これにより、コンパクトな水濾過ユニットを提供することができる。
【0028】
実施形態によれば、水濾過ユニットは、非濾過水の少なくとも一部用の第2の出口を含む。
【0029】
これにより、汚水の追加再循環を与えることができる。更に、これにより、供給ポンプが一定流量を有する場合、清浄水の調整可能流出を与えることができる。
【0030】
実施形態によれば、水濾過ユニットは、水濾過ユニットの通気を可能にする毛細管を更に含む。
【0031】
これにより、水濾過ユニットに入る水で空気を移送することができるので、必要に応じて、水濾過ユニットの通気を容易に行うことができる。かなりの空気量が水濾過ユニット内に蓄積された場合、機能性が大幅に減少することがある。従って、水濾過ユニットを通気する毛細管により、水濾過ユニットの機能性を向上させることができる。
【0032】
実施形態によれば、壁部分は、第1の端部分及び第2の端部分のうち少なくとも1つに永続的に封止されていてもよい。
【0033】
これにより、水濾過ユニットの漏れ防止容器を提供することができる。容器を永続的に封止することができるという事実は、製造業者によって組み立てられ認可された構成要素を濾過ユニットが単に含むので、濾過ユニットの信頼性を向上させる。
【0034】
実施形態によれば、本発明の任意の上述の実施形態による少なくとも1つの水濾過ユニットと、この少なくとも1つの水濾過ユニットに加圧水を供給する供給ポンプとを含む水浄化システムを提供してもよい。
【0035】
実施形態によれば、供給ポンプは、脈動圧力を用いて少なくとも1つの水濾過ユニットに加圧水を供給する。
【0036】
これにより、供給ポンプからの脈動圧力によって引き起こされる乱流のために、濾過ユニットの機能性を向上させることができる。乱流は、粒子が濾過膜に詰まらないようにするのに役立ち、これにより、保守の必要を減らすことができ、従って、封止される可能性のある水濾過ユニットに対するより長い寿命を与えることができる。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、上述の実施形態による水濾過ユニットを製造する方法であって、濾過膜を、細長い管の周りに配置してもよく、
注入ポンプを経路に接続することと、
この細長い管とこの経路との間の通路を生成するこの細長い管内にこの経路を配置するように、接続された経路を用いて、注入ポンプを濾過膜に組み付けることと、
壁部分を濾過膜に組み付けることと、
濾過ハウジングを生成するこの壁部分に第1の端部分及び第2の端部分を組み付けることと、
この第1の端部分をこの壁部分に封止し、この壁部分をこの第2の端部分に封止することと
を含む方法を提供してもよい。
【0038】
これは、本発明の概念による水濾過ユニットを製造する方法を提供する。これにより、濾過器内にも注入ポンプ内にも可動部がないので、保守を必要としない又は非常に少量の保守を必要とする水濾過器を提供することができる。更に、これにより、注入ポンプを、この容器内に、即ち、この水濾過ユニット内に配置することができるので、コンパクトな水濾過器を提供することができる。
【0039】
実施形態によれば、方法は、
接続部を第2の端部分に付けることと、
真空ポンプを水入口に接続することと、
未硬化の硬化性プラスチック用の容器をこの接続部に接続することと、
この硬化性プラスチックをこの濾過ハウジングのこの第2の部分に吸引するように、この真空ポンプを用いてこの濾過ハウジングを排気することと
を更に含んでもよい。
【0040】
これにより、水濾過ユニット内で未使用水又は「流れない」水のリスクを減らすことができる。硬化性プラスチックがなければ、濾過器内で水の一部を捕捉する、蓄積されるポケットのリスクを増加する、即ち、濾過器内で水の循環を妨げることがある。これにより、適切に封止された容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図面の簡単な説明
図1】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニットを概略的に例示する。
図2】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニットを概略的に例示する。
図3】注入ポンプ及び濾過ユニットの一部の拡大図を概略的に例示する。
図4a】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニットを概略的に例示する。
図4b】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニットを概略的に例示する。
図4c】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニットを概略的に例示する。
図5】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による注入ポンプの拡大図を概略的に例示する。
図6】本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水浄化システムを概略的に例示する。
図7】本発明による濾過ユニットを製造する方法を概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
図1は、本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニット100を概略的に例示する。図1は、水濾過ユニットに供給されている加圧水を浄化する水濾過ユニット100を示す。水濾過ユニット100は、壁部分110、第1の端部分111及び第2の端部分112によって規定されている容器101を含み、壁部分110は、第1の端部分111及び第2の端部分112に装着されている。図1における水濾過ユニット100は、この第1の端部分111に配置されている水入口120を更に含む。水入口120は、この第2の端部分112に配置されることもできるものとする。水濾過ユニット100は、濾過膜130を介して水の少なくとも一部を供給するようにこの容器101に配置されている濾過膜130を更に含む。水濾過ユニット100は、膜からの濾過水用の第1の水出口140を含む。水濾過ユニット100は、濾過膜130に供給されているこの加圧水の注入ポンプを介して流速の増加を生成するように配置されている注入ポンプ150を更に含む。注入ポンプ150は、膜を介して供給されていない非濾過水を受け入れ、容器101内でこの非濾過水を再循環させるように更に配置されている。
【0043】
従って、本発明は、濾過機能性を高める濾過ユニットで配置されたポンプを有する水を浄化する水濾過ユニット100を提供するという考えに基づいている。注入ポンプ150は、流速の増加を生成するために、動作下で可動部を含まない。従って、これにより、可動部を有しない濾過ユニットを提供することができる。濾過ユニット100内で非濾過水に主に影響を与える吸引効果を生成する注入ポンプ150にわたって圧力降下がある。より具体的には、これは、注入ポンプ150を介してこの加圧水の流速を増加させ、非濾過水に主に影響を与える吸引効果を生成して非濾過水を再循環させることによって濾過器内で非濾過水を再循環させる可動部を有しないポンプを提供することができる。
【0044】
これにより、濾過器内にも注入ポンプ150内にも可動部がないので、保守を必要としない又は非常に少量の保守を必要とする水濾過器を提供することができる。これによりコンパクトな水濾過器を提供することができる。
【0045】
注入ポンプは、第1の端部分及び第2の端部分のうち1つに少なくとも部分的に配置されていてもよい。即ち、注入ポンプは、加圧水を受け入れ、濾過膜に供給されるこの加圧水の注入ポンプを介して流速の増加を生成するために、第1の端部分及び第2の端部分のうち1つに少なくとも部分的に配置されていてもよい。
【0046】
濾過水に供給される加圧水は、供給水とも呼ばれる。濾過膜130を通過した後に濾過ユニットを出る清浄水は、透過水としても知られている。
【0047】
濾過ユニットの漏れ防止容器を保証するために、壁部分110は、第1の端部分111及び/又は第2の端部分112に永続的に封止されていてもよい。容器を永続的に封止することができるという事実は、製造業者によって組み立てられ認可された構成要素を濾過ユニットが単に含むので、濾過ユニットの信頼性を増加させる。
【0048】
ここで、注入ポンプ150という用語は、可動部を有しないポンプを意味してもよい。換言すれば、注入ポンプ150は、可動部を含まなくてもよい。従って、注入ポンプ150を介して流速の増加を生成するために、注入ポンプ150は、可動部がなくてもよい。換言すれば、注入ポンプ150は、固定部だけを含んでもよい。換言すれば、ポンプ150は、静止部だけを含んでもよい。換言すれば、ポンプを介して流速の増加を生成するために、注入ポンプ150は、静止部又は固定部を含んでもよい。本発明によるこのような注入ポンプ150に対する既知の名称は、注入ポンプ、吸引器、水注入器、教育噴射ポンプ、ベンチュリポンプ及び水教育器である。従って、本発明による注入ポンプ150の重要な部分は、可動部を有しないポンプである。
【0049】
更に、図1は、本発明の幾つかの実施形態によって存在することができる第1の水出口140に接続されている穿孔壁を有する細長い管160を示す。本発明による少なくとも幾つかの実施形態による図1における濾過膜130は、図1に例示のように、この細長い管160の周りに配置されている逆浸透濾過膜130であってもよい。濾過水は、水濾過ユニットを使用する場合、細長い管160における穿孔を介して細長い管160に入る。
【0050】
換言すれば、水は、濾過膜130に浸透する場合、濾過され清浄にされる。その後、清浄水が、水濾過ユニットを使用する場合、細長い管160における穿孔に入るように、濾過膜130を配置してもよい。
【0051】
これにより、水濾過器のコンパクトな解決策を与えることができる。これにより、大量の汚れ又は不純物から水を清浄にすることができる高性能水濾過ユニット100を提供することもできる。
【0052】
更に、図1に示すように、水濾過ユニット100は、この注入ポンプ150からこの濾過膜130に加圧水及び再循環水を移送するように配置されている経路170を更に含んでもよい。経路170は、この細長い管160とこの経路170との間の通路を形成するように、細長い管160内に配置されていてもよい。
【0053】
これにより、濾過ユニット100内の汚水の移送及び/又は再循環を容易に行うことができる。換言すれば、水濾過ユニット100に供給された加圧水は、注入ポンプ150に入り、水濾過膜130に、この経路170によって移送されてもよい。注入ポンプ150を、濾過ユニット内に少なくとも部分的に配置してもよい。加圧水は、濾過ユニットの使用中に、汚水を含む濾過膜130の側に、濾過膜130内に配置された穿孔管内の経路170によって移送されてもよい。その後、加圧水は、濾過膜130に浸透し、又は汚水として濾過膜130を通り、濾過ユニット内で再循環され、濾過膜130に再度接近する。濾過膜130に浸透した加圧水の一部は、濾過膜130によって清浄にされ、更に、細長い管160における穿孔を介して移送されてもよい。経路170を、細長い管160内で中心に配置してもよい。
【0054】
引き続き、図1を参照する。注入ポンプ150を、容器101内に配置してもよい。注入ポンプ150の入口を、水濾過ユニットの入口から下流に配置してもよい。換言すれば、加圧水が、水入口120を介して濾過ユニット100に入ると、その後、加圧水は、注入ポンプ150に入る。加圧水は、水濾過ユニットの入口に入った後、濾過膜130の上流側に、注入ポンプ150を介して移送されてもよい。容器101内に配置された注入ポンプ150を有することによって、コンパクトな解決策を与えることができる。
【0055】
上述のように、壁部分110を、第1の端部分111及び第2の端部分112に永続的に封止してもよい。濾過ユニット内に配置された注入ポンプ150で与えられたコンパクトな解決策を有する本発明の新規な構成のために、注入ポンプ150は、可動部を含まない。幾つかの用途で有益な濾過ユニットを永続的に封止することができる。注入ポンプ150に可動部がないので、濾過ユニットの保守及び修理の必要性を、少なくとも減らすことができ、又は更に無くすことができる。
【0056】
図2a及び図2bは、本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による水濾過ユニット100を概略的に例示する。図2a及び図2bは、この注入ポンプ150と接続している経路170を示す。図2aにおける経路170は、この細長い管160内で中心からずれて配置されている。図2bにおける経路170は、この細長い管160の一端においてこの細長い管160内で中心からずれて配置されている。換言すれば、経路170は、細長い管160の一部内で中心からずれて配置されていてもよい。経路170は、この細長い管160内で斜めに配置されていてもよい。更に、経路170は、全体の細長い管160内で及び全体の細長い管160に沿って中心からずれて配置されていてもよい。これにより、装着されるべき出口用の空間が増加するので、水濾過ユニット100を容易に組み立てることができる。その結果、これにより、より大きい断面を有する出口が可能であるので、水濾過ユニット100の機能性を向上させることができる。経路170が、注入ポンプ150と接続している場合に中心からずれて配置されると、第1の水出口140との接続を容易に達成することができる。
【0057】
上述のように図1及び図2a及び図2bで分かるように、経路170を、経路170の一端において注入ポンプ150と接続して配置してもよい。経路の反対端は、濾過膜の上流側と接続していてもよい。経路170は、これらの端部分111、112のうち1つにおいて注入ポンプ150と接続して配置されてもよく、この経路の他端において濾過膜の上流側と接続していてもよい。図1及び図2a及び図2bにおいて、注入ポンプ150を、この第1の端部分111に配置する。経路170の反対端において、経路170は、この第2の端部分112で濾過膜の上流側と接続している。従って、経路170の一端を、この第1の端部分において注入ポンプ150と接続して配置し、経路170の反対端で第2の端部分112と接続して配置してもよい。
【0058】
換言すれば、経路170は、2つの端、第1及び第2の端を有してもよい。この第1の端を、この第1の端部分111において注入ポンプ150と接続して配置してもよく、この第2の端を、この第2の端部分112と接続して配置してもよい。
【0059】
上流側又は供給水側から清浄水側又は透過側に漏れる汚水を防止するために、経路を、この経路の少なくとも一端、好ましくは両端で細長い管に封止してもよい。図1及び図2a及び図2bにおいて、経路を、両端で細長い管に封止する。
【0060】
この経路170のこの第1の端において、封止体を、第1の濾過端部品176で構成してもよい。図1及び図2a及び図2bにおいて、経路を、最初に封止される第1の濾過端部品176によって細長い管160に封止し、次に、第1の濾過端部品176を、ゴム封止体及び/又は溶接によって細長い管に封止することができる。
【0061】
経路のこの第2の端において、経路を、経路170を密閉する第2の濾過端部品174によって細長い管160に封止することができ、第2の濾過端部品174を、ゴム封止体又は溶接によって細長い管160に封止することができる。
【0062】
この経路170のこの第1の端において、封止体を、図3に見られる、本発明の幾つかの実施形態による注入ポンプ150用の接続片178で構成してもよい。図3において、経路170を、接続片178によって密閉し、次に、接続片178を、ゴム封止体250によって細長い管160に封止することができる。接続片178を、溶接及び/又はゴム封止体によって細長い管160に封止することもできる。
【0063】
これにより、上流側又は供給水側から清浄水側又は透過側に漏れる汚水を防止することができる。
【0064】
壁部分110の少なくとも一部を、濾過膜130の少なくとも一部に装着してもよい。換言すれば、壁部分110の少なくとも一部を、濾過膜130の外部の少なくとも一部に装着してもよい。ここで、用語「装着」は、封止又は永続的装着を意味してもよい。濾過膜130の外部は、濾過膜130を密閉する表面の任意の一部であってもよい。濾過膜130を密閉する表面の大部分を壁部分110に装着するように、濾過膜130を壁部分110に装着してもよい。濾過膜130を密閉する表面全体を壁部分110に装着するように、濾過膜130を壁部分110に装着してもよい。濾過膜130を密閉する領域に沿って、濾過膜130を壁部分110に装着してもよい。濾過膜130の形状は、円筒形であってもよい。濾過膜130は、上部及び下部を有してもよい。濾過膜130の表面と上部及び/又は下部との間の移行部180で、濾過膜130を壁部分110に装着してもよい。
【0065】
これにより、濾過ユニット内の水流の一部でなく、詰まる濾過ユニット内の水量を減少することができる。これにより、濾過膜130を貫通することなく濾過膜130のそばを通る、漏れる非濾過水のリスクを減らすことができる。
【0066】
注入ポンプ150と濾過膜130との間の接続を、濾過膜130の細長い管160への注入ポンプ150のねじ込み部品によって溶接又は接続してもよい。注入ポンプ150と濾過膜130との間の接続を、壁部分110に装着され押下される第1又は第2の部分によって注入ポンプ150を締め付ける濾過膜130の細長い管160への注入ポンプ150の挿入部品によって接続してもよい。
【0067】
壁部分110を、第1の端部分111及び第2の端部分112のうち少なくとも1つに永続的に封止してもよい。壁部分110を、第1の端部分111及び/又は第2の端部分112に溶接してもよい。
【0068】
図3は、注入ポンプ150及び濾過ユニットの一部の拡大図を概略的に例示する。図3は、注入ポンプ150における水入口120及び狭窄通路260を示す。狭窄通路260は、直径D2を有してもよく、水入口は、直径D1を有してもよく、D2はD1よりも小さい。注入ポンプを、濾過ユニット100の外側に部分的に設置してもよく、又は注入ポンプ全体を、濾過ユニット100の内側に設置してもよい。注入ポンプ全体を濾過ユニット内側に設置することは、容器101内に、及び/又は、容器101、即ち、壁部分110、第1及び第2の端部分111、112を規定する部分の少なくとも1つに、注入ポンプを配置することを意味してもよい。注入ポンプ150を、第1の端部分111及び第2の端部分112のうち少なくとも1つに少なくとも部分的に配置してもよい。更に、注入ポンプ150を、第1又は第2の端部分111、112に部分的に配置し、容器101に部分的に配置してもよい。更に、注入ポンプ150を、濾過ユニット100の外側に部分的に配置し、第1及び第2の端部分111、112のうち少なくとも1つに部分的に配置し、容器101内に部分的に配置してもよい。
【0069】
更に、注入ポンプ150は、第1の入口通路を含んでもよい。第1の入口通路は、濾過ユニット100の水入口120と流体接続していてもよい。注入ポンプの第1の入口通路を、濾過ユニット100の水入口120内に配置してもよい。
【0070】
注入ポンプ150の第1の入口通路は、濾過ユニット100の水入口120と同じであってもよい。換言すれば、注入ポンプ150は、水入口120を含んでもよい。従って、注入ポンプ150は、第1及び第2の端部分111、112のうち少なくとも1つに少なくとも部分的に配置されてもよく、水入口120を含んでもよい。
【0071】
更に、図3は、注入ポンプ150の第2の入口通路240を示す。この第2の入口通路240を、狭窄通路260から下流に配置してもよい。第2の入口通路240を、狭窄通路260から上流に、又は狭窄通路260と平行に配置してもよい。更に、注入ポンプ150は、この第2の入口通路240を介して非濾過水を受け入れるように配置されていてもよい。換言すれば、濾過膜130に浸透することなく濾過膜130を通っている非濾過水は、第2の入口通路240に入り、注入ポンプ150及び経路170によって濾過膜130の上流側に移送される。換言すれば、濾過膜130に浸透することなく濾過膜130を通っている非濾過水は、注入ポンプ150及び経路170によって濾過膜130の上流側に再循環される。
【0072】
経路170を、狭窄通路260から下流に配置してもよい。経路170は、経路170に対して実質的に垂直な第2の入口通路240を有してもよい。第2の入口通路240を、第2の入口通路240の中心から狭窄部分260に距離Hで配置してもよい。狭窄通路260と第2の入口通路240の中心との間の距離Hは、好ましくは-1D1から1.5D1の範囲、より好ましくは-0.7D1から1D1の範囲、最も好ましくは-0.4D1から0.6D1の範囲(但し、D1は、注入ポンプ150の第1の入口通路の直径である)にあってもよい。入口通路240の中心から狭窄通路240への負の距離Hは、狭窄部分を、正の距離Hに比べて更に下流に位置決めすることを意味する。更に、距離Hは、-2D1から0D1又は-2D1から-1D1の範囲にあってもよい。第2の入口通路240の直径D3は、好ましくは、第1の入口通路の直径以下であってもよい。更に、距離Hは、-3D3から-1/2D3の範囲、代わりに、-2D3から-1D3の範囲にあってもよい。従って、狭窄通路260を、第2の入口通路240から下流に配置してもよい。少なくとも1つの狭窄通路260に集まる加圧水を受け入れるように配置されている複数の水入口通路があってもよい。再循環用の汚水を受け入れるように配置されている複数の水入口通路があってもよい。加圧水用の接続入口の収集断面積の合計は、再循環用の汚水を受け入れるように配置されている接続入口の収集断面積の合計よりも大きいことが好ましい。加圧水用の接続入口の収集断面積の合計は、再循環用の汚水を受け入れるように配置されている接続入口の収集断面積の合計の少なくとも2倍大きいことが好ましい。
【0073】
図1及び図2に例示され上述のように配置されている注入ポンプ150は、注入ポンプ150を介して流量及び/又は流速を増加させることができ、更に、非濾過水を、経路に吸引し、濾過ユニット内で再循環させることができる。
【0074】
比D1/D2は、少なくとも1.4、より好ましくは少なくとも1.7、最も好ましくは少なくとも2であってもよい。
【0075】
好ましくは、D1は、10mmから12mmの範囲にあってもよく、D2は、1.7mmから2.5mmの範囲にあってもよい。
【0076】
図3で分かるように、水入口120及びこの第1の水出口140は、細長い管と接続していてもよい。水入口120及びこの第1の水出口140を、封止体250によって細長い管に封止してもよい。水入口120及びこの第1の水出口140を細長い管160に溶接することによって、封止体を得てもよい。水入口120及びこの第1の水出口140を、第1又は第2の部分によって適所に保持してもよい。封止体は、濾過膜を通ることなく水が細長い管に入るのを防止するために、細長い管と水入口120及びこの第1の水出口140との間のゴム封止体(例えば、Oリング封止体)であってもよい。
【0077】
水入口120及びこの第1の水出口140を細長い管160に溶接する場合、この実施形態は、空間をあまり必要としないので、より大きい接続部が可能である。なぜなら、水入口120及びこの第1の水出口140を細長い管に挿入する需要は、Oリングで封止する場合ほどあまり高くないからである。
【0078】
水入口120及びこの第1の水出口140を、適所に接続部を保持する接続装置で配置してもよい。濾過膜を通ることなく水が細長い管に入るのを防止するために、溶接することによって、又は細長い管と接続装置との間にゴム封止体(例えば、Oリング封止体)を付けることによって、接続装置を、細長い管に接続してもよい。細長い管の一部及び/又は接続装置にねじ山をつけてもよく、即ち、細長い管の一部及び/又は接続装置は、ねじ込み部分を含んでもよく、接続装置を、細長い管160にねじ込んでもよい。
【0079】
接続装置を細長い管160に溶接する場合、この実施形態は、空間をあまり必要としないので、水入口120及びこの第1の水出口140に対するより大きい接続部が可能である。なぜなら、接続装置を細長い管に挿入する需要は、Oリングで封止する場合ほどあまり高くないからである。
【0080】
図4a及び図4bは、本発明の一実施形態による水濾過ユニット100を概略的に例示する。図4は、非濾過水の少なくとも一部用の水濾過ユニット100の第2の出口190を示す。換言すれば、この濾過ユニットから離れる非濾過水の少なくとも一部を移送するために、第2の出口190を設けてもよい。濾過ユニットから離れる非濾過水の少なくとも一部を移送することによって、汚水を再循環させる別の可能性を与えてもよい。これにより、濾過ユニットの使用時に供給ポンプが一定流量を有する場合、例えば第2の出口190のサイズに応じて、清浄水の調整可能流出を与えることもできる。第2の出口190に関連して、濾過ユニットからの汚水の流れを制御するために、調整可能弁を接続してもよい。供給ポンプからの一定流量を使用すると、より大量の汚水が濾過ユニットを出る場合、より少量の清浄水が濾過器を出ることができる。
【0081】
更に、図4a及び図4bは、水濾過ユニット100が、水濾過ユニットの通気を可能にする毛細管230を更に含むことを例示する。
【0082】
水濾過ユニットに入る水で空気を移送することができるので、水濾過ユニットの通気の促進が好ましい。濾過ユニットの使用時に、重力の方向と反対の方向へ、通気に適している側のいずれかに、好ましくは上方を向く濾過ユニットの側に、毛細管230を接続してもよい。濾過ユニットの通気を可能にするように、毛細管230を、濾過ユニット100に配置してもよい。使用時に、かなりの空気量が水濾過ユニット100内に蓄積された場合、機能性が大幅に減少することがある。従って、水濾過ユニット100を通気する毛細管230により、使用時に、水濾過ユニット100の機能性を増加させることができる。
【0083】
第2の出口190を、この第1の端部分111及び/又はこの第2の端部分112に位置決めしてもよい。水入口120及び/又は第1の水出口140を、接続片178に接続してもよい。第2の出口190を、接続片178に接続してもよい。この接続片178を、容器101内に、又は容器101の外側に部分的に位置決めしてもよい。この第1又は第2の端部分112を壁部分110に装着する場合、接続片178を、第1又は第2の端部分112によって、適所に強制して保持してもよい。接続片178を、第1又は第2の端部分111、112に溶接してもよい。接続片178と第1又は第2の端部分111、112との間の接続部を封止するOリング封止体があってもよい。
【0084】
注入ポンプ150は、好ましくは少なくとも2バール、より好ましくは少なくとも3バール、最も好ましくは少なくとも4バールの供給圧力を有する。これにより、供給ポンプからの圧力が注入ポンプ150を駆動するので、電気部品無しで機能する注入ポンプ150を提供することができる。
【0085】
図4cは、本発明の少なくとも1つの例の実施形態による水濾過ユニット100を概略的に例示する。図4cにおいて、第2の端部分112は、硬化性プラスチック材料200を充填する接続部220を含む。
【0086】
これにより、濾過ユニットの封止を容易に行うことができる。硬化性プラスチック材料は、熱硬化性プラスチック、又は時間と共に硬化されるのに適している任意のプラスチック材料(例えば、異なるタイプのエポキシ又は同等物)であってもよい。
【0087】
図5は、本発明の少なくとも1つの可能な実施形態による注入ポンプ150の拡大図を概略的に例示する。流れ方向における狭窄通路260の直後の通路270は、図3で分かるように、直線壁を有する通路であってもよい。図5で分かるように、流れ方向における狭窄通路260の直後の通路270は、この注入ポンプ150を介して流速を更に増加させることができる第2の狭窄部分280を有してもよい。第2の狭窄部分280を、流れ方向へ第2の第2の入口通路240の後に配置することが好ましい。通路270を広げてもよく、経路170の直径が入口通路120の直径よりも大きくなるように、通路は拡大してもよい。これにより、注入ポンプ150を介してより大きい流量及び/又は流速を与えることもできる。通路270は、このポンプを介して流速及び/又は流量の増加を達成するために、当技術分野で知られている任意の形態又は形状を有してもよい。
【0088】
図6は、本発明の任意の上述の実施形態による1つの水濾過ユニット100を含む水浄化システム300を概略的に例示する。このシステムは、この少なくとも1つの水濾過ユニット100に加圧水を供給する供給ポンプ310を更に含む。
【0089】
図6における供給ポンプ310は、脈動圧力を用いて少なくとも1つの水濾過ユニット100に加圧水を供給してもよい。
【0090】
これにより、供給ポンプ310からの脈動圧力によって引き起こされる乱流のために、濾過ユニット100の機能性を増加させることができる。乱流は、粒子が濾過膜130に詰まらないようにするのに役立つことができ、これにより、保守の必要を減らすことができ、従って、封止される可能性のある水濾過ユニット100に対するより長い寿命を与えることができる。供給ポンプは、一定圧力を用いて少なくとも1つの水濾過ユニット100に加圧水を供給してもよい。交番圧力を用いて少なくとも1つの水濾過ユニット100に加圧水を供給してもよい。交番圧力は、経時変化する圧力を意味してもよい。一定圧力は、経時的に同じ値に保たれる圧力を意味してもよい。脈動圧力は、周期的特性で経時変化する圧力を意味してもよい。換言すれば、脈動圧力は、経時交番する、目標値と低値との間で交番する圧力を意味してもよい。この目標値は、濾過入力で所望の圧力に依存してもよく、この低値は、不ポンプ圧力に近くてもよい。
【0091】
供給ポンプ310は、好ましくは少なくとも18バール、より好ましくは18バールから24バールの範囲の供給圧力を加えてもよい。換言すれば、濾過ユニットに供給される水の圧力を、少なくとも18バール、より好ましくは18バールから24バールの範囲で加えてもよい。これにより、供給ポンプからの圧力が注入ポンプ150を駆動するので、電気部品無しで機能する注入ポンプ150を提供することができる。濾過ユニット内の圧力は、好ましくは少なくとも15バール、より好ましくは15バールから18バールの範囲であってもよい。
【0092】
浄化水を、濾過ユニット100から、清浄水を貯蔵する貯蔵タンク320に供給してもよい。
【0093】
図7は、本発明による濾過ユニットを製造する方法を概略的に例示する。図7は、濾過膜130を含む水濾過ユニット100を製造する方法500を示し、濾過膜130を、細長い管160の周りに配置してもよい。方法500は、注入ポンプを経路170に接続すること(510)を含む。更に、方法500は、この細長い管160とこの経路170との間の通路を生成するこの細長い管160内にこの経路170を配置することができるように、接続された経路170を用いて、注入ポンプ150を濾過膜130に組み付けること(520)を含む。更に、方法は、壁部分110を濾過膜130に組み付けること(530)を含む。更に、方法は、濾過ハウジングを生成するこの壁部分110に第1の端部分111及び第2の端部分112を組み付けること(540)を含む。方法は、この第1の端部分111をこの壁部分110に封止し、この壁部分110をこの第2の端部分112に封止すること(550)を含む。
【0094】
これは、本発明の概念による水濾過ユニットを製造する方法を提供する。これにより、濾過器内にも注入ポンプ内にも可動部がないので、保守を必要としない又は非常に少量の保守を必要とする水濾過器を提供することができる。更に、これにより、注入ポンプを、この容器内に少なくとも部分的に、即ち、この水濾過ユニット内に少なくとも部分的に配置することができるので、コンパクトな水濾過器を提供することができる。
【0095】
更に、方法500は、接続部220を第2の端部分112に付けること(560)を含んでもよい。方法は、真空ポンプ310を水入口120に接続すること(570)と、未硬化の硬化性プラスチック用の容器をこの接続部220に接続すること(580)とを含んでもよい。更に、方法は、この硬化性プラスチックをこの濾過ハウジングのこの第2の部分に吸引することができるように、この真空ポンプを用いてこの濾過ハウジングを排気すること(590)を含んでもよい。
【0096】
濾過ユニット100上の他の開口部を、濾過ユニット100の排気中に一時的に封止してもよい。好ましくは、第1の水出口140を、濾過ユニットの排気中に封止してもよい。次に、硬化性プラスチック200が適切に固定するために、真空ポンプ310の電源を切ってもよい。真空ポンプの切り換えは、硬化性プラスチック200による封止を向上させることができる。なぜなら、プラスチック内の空気経路が、さもないと、硬化プラスチック200に存在することがあるからである。硬化性プラスチック200は、熱硬化性プラスチック、又は時間と共に硬化されるのに適している任意のプラスチック材料であってもよい。硬化性プラスチック200は、エポキシ、又は記載の工程に従って硬化されるのに適している任意の材料であってもよい。硬化性プラスチックが硬化した後、空気を、濾過ユニット100内に入れてもよい。
【0097】
当業者は、本発明が上述の好ましい実施形態に決して限定されないことを分かっている。一方、添付の特許請求の範囲の範囲内で、多くの修正及び変更が可能である。例えば、注入ポンプ150は、可動部を有しない任意のポンプであってもよい。別の例は、図示/記載の向き、形状、寸法及び/又はサイズと異なる向き、形状、寸法及び/又はサイズを有することができる、細長い管160内の経路170である。更に別の例は、硬化されるのに適している任意の材料であることができる硬化性プラスチック材料である。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7