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特許7532413水性ガスシフト反応用のクロムを含まない鉄系触媒とその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】水性ガスシフト反応用のクロムを含まない鉄系触媒とその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 27/232 20060101AFI20240805BHJP
   B01J 35/60 20240101ALI20240805BHJP
   B01J 35/61 20240101ALI20240805BHJP
   C01B 3/16 20060101ALI20240805BHJP
   C01B 32/50 20170101ALI20240805BHJP
【FI】
B01J27/232 M
B01J35/60 Z
B01J35/61
C01B3/16
C01B32/50
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021568138
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 US2020029217
(87)【国際公開番号】W WO2020236381
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】62/849,251
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507021506
【氏名又は名称】リサーチ トライアングル インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179866
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】ジエン-ピーン シェン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ターク
(72)【発明者】
【氏名】プラディープクマール シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】デイビット デントン
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-241036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0152500(US,A1)
【文献】特開昭53-060891(JP,A)
【文献】特開2007-083197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
C01B 3/16
C01B 32/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動床反応器における水性ガスシフト反応で使用するための流動化可能で耐摩耗性のクロムを含まない触媒であって、前記触媒は、
45~70重量%のFe
5~15重量%CuO、
20~35重量%のAl
10~25重量%のZnO、
1~15重量%のKCO
を含み、前記触媒は、15以下のDavison指数(DI)を有する、クロムを含まない触媒。
【請求項2】
15重量%以下のアルカリ成分をさらに含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記アルカリ成分が、KCOとしてのカリウムである、請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
約4~6重量%のKCOを含む、請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
約50~60重量%のFeを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
約20~25重量%のAlを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項7】
約10~15重量%のZnOを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項8】
約5~10重量%のCuOおよび任意に0~15重量%のMgOおよび/または任意に0~15重量%のCeOを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項9】
前記DIが、約5~約7である、請求項1に記載の触媒。
【請求項10】
約10~60m/gのBET表面積を有する、請求項1に記載の触媒。
【請求項11】
約0.8~約1.8g/mlの密度を有する、請求項1に記載の触媒。
【請求項12】
一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換する方法であって、前記方法は、1:1~3:1のモル比を有するHOとCOを、作動温度を有する流動床反応器に導入することを含み、前記反応器は、クロムを含まない触媒を含み、前記触媒は、7以下のDavison指数を有し、約375℃~約450℃の作動温度でのCO転化率が、少なくとも60%である、方法。
【請求項13】
約375℃~約450℃の作動温度でのCO転化率が、約60%~85%である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
約375℃~410℃の作動温度でのCO転化率が、少なくとも約70%である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
約375℃~410℃の作動温度でのCO転化率が、少なくとも約75%である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
約375℃~約450℃の作動温度でのメタン生成に対する選択性が、2%未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
約375℃~約450℃の作動温度で少なくとも60%の平均CO転化率が、少なくとも200時間維持される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記触媒が、Fe、CuO、Al、ZnOおよびKCOを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2019年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/849,251号の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦資金の記録
本発明は、米国エネルギー省によって授与された協力協定番号:DE-FE0023577の下での支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【技術分野】
【0003】
流動床反応器で使用するための、クロムを含まない触媒が本明細書に記載されている。特に、高温水性ガスシフト反応で使用するためのクロムを含まない触媒が記載されている。
【背景技術】
【0004】
水性ガスシフト(WGS)反応は、HOおよびCOのHおよびCOへの変換を伴う。WGS反応は、一般に、低温で熱力学的に有利になる。WGS反応は、通常、高温シフト(HT-WGS)反応とそれに続く低温シフト(LT-WGS)反応の2段階で実行される。通常、HT-WGSとLT-WGSには異なる触媒が使用される。ほとんどの工業WGSプロセスでは、Fe/Cr系混合酸化物がHT-WGSの触媒として使用され、Cu/Zn/Al混合酸化物がLT-WGS触媒として使用される。従来、HT-WGS触媒は、錠剤の形であり、固定触媒床用途で使用されていた。
【0005】
例示的な、現在入手可能な、新鮮なHT-WGS触媒は、主に、約70~90%のFe、5~15%のCr、およびCuO、Coおよび/またはMgOなどのその他の成分から構成される。新鮮なFe/Cr触媒は、Feをその触媒活性Fe相に注意深く変化させるために、反応に使用する前に事前に還元されるが、FeOまたは金属Feに過度に還元されることはない。
【0006】
Fe/Cr触媒の寿命は、新しい触媒と交換することなく、平均3~5年である。活性の低下は、主にFeマグネタイト相の熱焼結によるものである。商業運転では、反応温度を上げることで活性の低下を補うことができる。
【0007】
Fe/Cr触媒において、主要な活性相は、部分的に還元されたFeである。触媒のクロム成分は、Feの熱焼結と触媒の表面積の損失を防ぐための安定剤として一般的に認識されている。比較的高い表面積は、例えば、触媒活性を高めることによって、触媒性能に利益をもたらすことが一般に認められている。今日、クロムは、Fe/Cr HTS触媒において、組織(熱焼結の防止)促進剤および機能(レドックス効率の向上Cr3+⇔Cr6+、Cr⇔CrO)促進剤として機能すると一般に理解されている。
【0008】
しかし、六価クロム(Cr6+)は強力な発がん物質であり、人の健康と環境を危険にさらすことも知られている。吸入および飲料水による曝露は、がんを引き起こし、人間の臓器と皮膚に深刻な損傷を与える。対照的に、三価クロム(Cr3+)は、毒性が非常に低く、人体の栄養素である。六価クロムの環境への危険性と毒性についての懸念が米国とヨーロッパで提起されている。米国労働省の環境保護庁(EPA)と労働安全衛生局(OSHA)は、六価クロムの特定と評価に関する多くの実用的なガイドラインを公開し、いくつかの業界で六価クロムへの労働者の曝露に関する厳しい規制を施行した。ヨーロッパでは、欧州有害物質規制(RoHS)により、すべての電子電気機器での六価クロムを含む6つの有害物質の使用が禁止された。これらの規制は、業界全体をカバーするように拡大されることが予測される。
【0009】
Fe/Cr HTS触媒の場合、Cr+6(CrO)は、活性および使用済み触媒中に存在し、Cr+6は、水溶性であり、凝縮蒸気または冷水によって触媒から浸出することができる。また、触媒が高温でか焼されると、沈殿しないCr+3イオンの一部が酸化されてCr+6になる可能性がある。したがって、環境と健康への懸念から、クロム成分を含まないHT-WGS触媒を開発することが望ましい。
【0010】
最小のCrを含むかまたはCrを含まないいくつかのHT-WGS鉄系触媒が文献で報告されている。このような触媒は、2つの主要なグループに要約できる:1)Cu、CeまたはCu/Ceで促進されるFe/Al系触媒と、2)Cs、Zn、Al、CeおよびZrで促進されるFe/Ni系HT-WGS触媒。クロムを含まない触媒のいくつかは、触媒活性を示するが、市販のFe/Cr触媒のレベルではない。さらに、研究によると、単一の代替促進剤は、Fe/Cr触媒でクロムが行うように、Fe焼結を防止し、レドックス効率を高める役割を提供できないことが示された。さらに、すべての低クロム/クロムを含まない触媒は、固定床反応器用途で検討されている。
【0011】
クロムを含むかどうかにかかわらず、現在利用可能なHT-WGS触媒は、固定床反応器で使用するように設計されている。現在入手可能なHT-WGS触媒は、流動床での持続使用に十分な耐摩耗性を備えていない。すなわち、利用可能な触媒材料は、流動床サービスにおいて比較的迅速かつ容易に分解する。流動床反応器で持続的に使用できるHT-WGS触媒を提供することが望ましい。さらに、流動床で使用できるHT-WGS触媒はクロムを含まないことが望ましい。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様において、流動床反応器における水性ガスシフト反応で使用するための流動化された耐摩耗性のクロムを含まない触媒は、45~70重量%のFe、5~15重量%のCuO、20~35重量%のAl、10~25重量%のZnOおよび1~15重量%のKCOを含む。その触媒のDavison指数(DI)は、15以下である。
【0013】
この態様の特徴において、触媒は、15重量%以下のカリウム成分を含む。そのカリウム成分は、KCOであり得る。例えば、約4~6重量%のKCOであり得る。この態様の別の特徴において、その触媒は、約50~60重量%のFeを含み得る。触媒は、約20~25重量%のAlを含み得る。さらに、触媒は、約10~15重量%のZnOを含み得る。追加の特徴において、触媒は、約5~10重量%のCuOおよび任意に0~15重量%のMgOおよび/または任意に0~15重量%のCeOを含み得る。
【0014】
この態様のさらなる特徴において、Davison指数は、約5~約7である。この態様の別の特徴において、触媒は、約10~60m/gのBET表面積を有する。追加の特徴において、触媒は、約0.8~約1.8g/mlの密度を有する。
【0015】
この態様の別の特徴において、触媒は、約375℃~410℃の反応温度で流動床反応器内の水性ガスシフト反応に使用される場合、少なくとも60%のCO転化率をもたらす。この特徴に関してさらに、この触媒は、約375℃~410℃の反応温度で流動床反応器内の水性ガスシフト反応に使用される場合、少なくとも70%のCO転化率をもたらし得る。
【0016】
本発明の第2の態様において、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換する方法は、1:1~3:1のモル比を有するHOとCOを、作動温度を有する流動床反応器に導入することを含み、その反応器は、クロムを含まない触媒を含み、触媒は、7以下のDavison指数を有し、約375℃~約450℃の作動温度でのCO転化率は、少なくとも60%である。この態様の特徴において、約375℃~約450℃の作動温度でのCO転化率は、約60%~85%である。この態様の別の特徴では、約375℃~410℃の作動温度でのCO転化率は、少なくとも約70%である。例えば、約375℃~410℃の作動温度でのCO転化率は、少なくとも約75%であり得る。
【0017】
この態様のさらなる特徴において、約375℃~約450℃の作動温度でのメタン形成に対する選択性は、2%未満である。この態様の追加の特徴では、約375℃~約450℃の作動温度で少なくとも60%の平均CO転化率が、少なくとも200時間維持される。さらに別の特徴では、触媒は、Fe、CuO、AlおよびZnOを含む。
【0018】
本開示の前述の態様および他の特徴は、添付の図面に関連して、以下の説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、触媒合成プロセスの概略図である。
図2図2は、実施例に使用されるマイクロリアクターシステムのプロセスフロー図である。
図3A図3Aは、3A-平衡状態での市販の触媒性能である。
図3B図3Bは、HT-WGS反応の市販の触媒性能である。
図4図4は、鉄含有量の関数としての触媒性能を示すチャートである。
図5図5は、銅含有量の関数としての触媒性能を示すチャートである。
図6図6は、K促進剤含有量の関数としての触媒性能を示すチャートである。
図7図7は、異なるタイプの促進剤を用いた触媒性能を示すチャートである。
図8図8は、TOS(時)の関数としての例示的な実施形態の触媒性能を示すチャートである。
図9図9は、TOS(時)の関数としての例示的な実施形態の触媒性能を示すチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0020】
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで実施形態を参照し、具体的な文言を使用してそれを説明する。それにもかかわらず、本開示の範囲の限定はそれによって意図されておらず、本明細書に示されるような本開示のそのような変更およびさらなる修正は、本開示が関連する当業者に通常起こるように企図されることが理解される。
【0021】
冠詞「a」および「an」は、本明細書では、冠詞の文法的目的の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。例として、「触媒」は、少なくとも1つの触媒を意味し、2つ以上の触媒を含むことができる。
【0022】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0023】
本明細書に記載されているのは、流動床反応器で使用するためのクロムを含まない触媒である。実施形態では、クロムを含まない触媒は、水性ガスシフト反応、特に高温の水性ガスシフト反応で使用するためのものである。実施形態では、クロムを含まない触媒は、流動床反応器で使用するためのものである。これに関して、実施形態では、クロムを含まない触媒は、7以下のDavison指数(DI)を有するか、または同じ条件下で測定される市販の流動分解触媒(FCC)と同等のDI値または性能基準を有する。 。
【0024】
クロムを含まない触媒は、Feを含む複数の成分と、促進剤などの追加の成分とを含む。例示的な追加の成分には、CuO、AlおよびZnOが含まれ得、これらのそれぞれは、以下でより完全に説明される。実施形態において、触媒は、化合物の総重量の70重量%未満の量でFeを含み得る。実施形態において、触媒は、カリウム成分をさらに含み得る。例えば、カリウム成分は、KCOであり得る。例えば、カリウム成分は、4~8重量%のKCOであり得る。
【0025】
前述のように、流動床反応器で持続的に使用することができる高温水性ガスシフト(HT-WGS)触媒を有することが望ましいであろう。さらに、流動床で使用するためのHT-WGS触媒は、クロムを含まないことが望ましいであろう。
【0026】
従来のクロム含有HT-WGS触媒は、主に、酸化鉄(Fe)および酸化クロム(Cr)を含み、組成パーセンテージは、それぞれ、約74~89%および6~14%である。これらの触媒では、酸化鉄が主要な活性成分であるのに対し、酸化クロムは活性還元酸化鉄(Fe)の安定剤であると考えられる。さらに、触媒性能を向上させるための少量の添加剤は、通常、市販のHT-WGS触媒に見つけることができる。
【0027】
従来、市販のHT-WGS触媒は、固定床反応器の用途で使用されてきた。これらの市販のHT-WGS触媒は、望ましい粒子サイズの範囲内で、流動床用途に使用するには弱すぎる。したがって、流動床条件に耐えるのに十分に強い新しい触媒配合物が望まれる。
【0028】
本明細書に記載のクロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、Fe、CuO、AlおよびZnOを含む複数の成分を含む。
【0029】
酸化鉄(Fe)は、HT-WGS触媒のための活性成分を提供する。上記のように、従来のHT-WGS触媒中の酸化鉄の量は、典型的には約74~89重量%である。対照的に、本明細書に記載のクロムを含まない触媒中の酸化鉄含有量は、通常、70重量%未満のFeである。例えば、酸化鉄成分は、総触媒重量の45~70重量%の量で存在し得る。酸化鉄の含有量は、触媒活性と触媒粒子の摩耗に影響し得る。
【0030】
触媒促進剤は、HT-WGS触媒配合において複数の役割を果たし得る。例えば、それらは触媒活性を改善し、それによって水性ガスシフト反応中のCO転化率を増加させ得る。促進剤はまた、望ましくない炭化水素の形成、特にメタンの形成を最小限に抑えることができる。最後に、促進剤は、比較的高い蒸気/炭素比の必要性を潜在的に下げることができる。
【0031】
異なるタイプの促進剤を、本明細書に記載のクロムを含まない触媒中の酸化鉄と共に使用することができる。例えば、Cu、Co、Ru、Ni、Pt、Os、Au、Pd、Rh、PbおよびAgなどの少量の活性成分を添加すると、触媒活性を向上し得る。一例として、銅は、効果的な促進剤として使用することができる。銅は、触媒活性を高めることができ、また比較的高い蒸気/炭素比の必要性を潜在的に下げることができる。したがって、銅含有量を変えると、触媒の性能、望ましくないメタンの生成および触媒の安定性に影響を与え得る。
【0032】
10重量%以下の様々な銅含有量を有するHT-WGS触媒を試験した。表1は、調製した例示的な触媒配合物中の銅含有量のリストを提供する。追加の成分は、表1に示していない。示している量は、触媒重量の重量%である。
【0033】
【表1】
【0034】
触媒中の塩基酸化物(アルカリ族、例えばK)の存在は、好ましくない副生成メタンの形成を抑制することができる。したがって、実施形態では、少量の第1族(K)または第2族(Mg)アルカリを触媒配合物に加えることができる。8.0重量%以下の様々なカリウム含有量(KCOとして)のHT-WGS触媒を試験した。表2は、調製した例示的な触媒配合物中のカリウム含有量のリストを提供する。追加の成分は、表2に示していない。示している量は、触媒重量の重量%である。
【0035】
【表2】
【0036】
HT-WGS反応中で使用される蒸気の量を減らすことは、経済的利益を提供し得る。従来の固定床反応器の代わりに流動床を使用すると、HT-WGS反応中で使用される蒸気の量を減らすことができる。例示的な実施形態では、流動床で使用され、銅を含むクロムを含まない触媒は、蒸気/炭素比を2.0に減少させることができ、これは、蒸気使用の減少によるコスト削減を通じて経済的利益を提供することができる。
【0037】
流動床プロセスを使用する場合、触媒の摩耗は重要な考慮事項である。触媒の摩耗は、触媒の分解または遅い破壊を伴い、これは触媒性能に懸念を生じ得る。例えば、摩耗の悪影響は、微粉の発生とその結果としての貴重な触媒材料の損失である。
【0038】
触媒の摩耗は、触媒の組成および物理的特性ならびに触媒処理条件によって影響を受け得る。例えば、触媒密度は、触媒の摩耗および流動床用途での触媒の使用に関連する。一般に、流動床で使用される触媒は、少なくとも0.8g/mlの密度を有する。本明細書に記載のクロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、少なくとも0.8g/mlの密度を有する。例えば、触媒は、約0.8~1.8g/mlの密度を有し得る。特定の触媒組成と、沈殿温度、スラリー粘度、pH制御、酸添加などの合成条件と、か焼温度、ランプ速度および雰囲気などの合成後条件とは、すべて、得られた触媒配合物の物理的特性を決定する上で役割を果たす。
【0039】
本明細書に記載のクロムを含まない触媒を開発する場合、より高い鉄含有量が触媒活性にプラスの影響を与えることが決定された。しかし、残念ながら、鉄含有量が高いと、触媒の耐摩耗性も低下する。したがって、活性と耐摩耗性のバランスをとる触媒組成物は、鉄と、促進剤を含む他の成分とが含まれる。本明細書に記載のクロムを含まない触媒の場合、一般にDavison指数(DI)値が7%以下である流動接触分解(FCC)触媒の耐摩耗性と少なくとも同等の触媒耐摩耗性を有することが望ましい。Davison指数は、米国特許第3,650,988号に概説されている手順によって取得することができ、耐摩耗性を測定するために使用される。それは、触媒の硬度または試験条件下での耐摩耗性の尺度である。低いDavison指数を有する触媒は、高いDavison指数を有する触媒よりも長持ちする。これは、次の式を使用して表すことができる。Davison指数(DI%)=(試験中に形成された0~20ミクロンの材料)/(元の20+ミクロンの割合)×100%。
【0040】
本明細書に記載のクロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、触媒活性および安定性において市販の固定床触媒の性能に匹敵することができ、耐摩耗性の点で市販のFCC触媒よりも同等または優れている。さらに、クロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、最大約75%のCO転化率の長期安定活性を示す。したがって、クロムを含まない触媒は、最大約75%のCO転化率の長期安定活性を有することができる。
【0041】
先に述べたように、HT-WGS触媒は、通常、3~5年間使用されている。クロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、最大500時間の安定した活性を示した。この長期間の活性は、かなり長い期間の活性を表すものと予想される。例えば、クロムを含まない触媒は、最大200時間、300時間、400時間または500時間安定した活性を示す。さらに、クロムを含まない触媒は、最大365日間、730日間、1095日間、1460日間および/または1825日間、および/またはその間の任意の日数間、安定した活性を有し得る。
【0042】
クロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、1.4~6.0のDI%の粒子耐摩耗性を示し、これは、FCC触媒によって示されるものに匹敵し、その多くは、6のDI%を有する。FCC触媒は、流動床用途で商業的に有効に使用される。したがって、FCC触媒と少なくとも同じくらい強い耐摩耗性を示すDI%を有する触媒は、流動床用途での使用に適している。クロムを含まない触媒の例示的な実施形態は、6%未満、5.75%未満、5.5%未満、5.25%未満、5%未満、4.5%未満、および/または4%未満のDI%を有する。
【0043】
触媒中の最も活性な成分である酸化鉄含有量の増加は、触媒活性を改善するのを助けることができるが、触媒を弱くすることもある。したがって、酸化鉄含有量が高いと、触媒が弱くなりすぎて輸送反応器の用途を維持できない可能性がある(つまり、DI%が増加する)。したがって、活性を最大化し、合理的な粒子摩耗を有するための触媒中の適切な酸化鉄含有量は、約45~65重量%であり得る。
【0044】
異なる促進剤を触媒配合物に組み込むことができる。銅の存在は水性ガスシフト反応中のCO転化率を改善するが、酸化銅の含有量が10%を超えると、触媒粒子が弱くなり得る。カリウムの存在は、副生成物メタンの形成を抑えるのに役立ち得る。試験の結果、MgOとCeOなどの他の添加剤は、触媒の性能にプラスの影響を与えなかったことが示された。
【0045】
水性ガスシフト反応では、一酸化炭素と水が二酸化炭素と水素に変換される。水性ガスシフト反応の式は、CO+HO=CO+Hと書くことができる。
【0046】
本明細書に記載のクロムを含まない触媒は、流動床反応器で行われる水性ガスシフト反応に使用することができる。クロムを含まない触媒は、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換する方法を可能にし、その方法は、約375℃~約450℃の作動温度を有する流動床反応器にHOおよびCOを導入することを含み、その反応器は、7以下のDavison指数を有するクロムを含まない触媒を含み、その作動温度でのCO転化率が少なくとも60%である。例えば、作動温度でのCO転化率は、約60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%および/または80%を超え得る。
【0047】
本明細書に記載のクロムを含まない触媒は、約375℃~約450℃の作動温度でのメタン生成に対する選択性を提供し、それは2%未満である。例えば、メタン生成に対する選択性は、2%未満、1.8%未満、1.6%未満、1.4%未満、1.2%未満、1%未満、0.8%未満および/または0.6%未満であり得る。
【0048】
概して、本明細書に記載のクロムを含まない触媒を製造するための手順を、図1に概略的に示す。例示的な実施形態では、最初に、所望の量のFe、Al、Znおよび促進剤、例えば、Cuを含む混合塩溶液が、容器内で調製される。機械的混合の条件下で、塩溶液と沈殿剤が、沈殿したスラリーのpH値を所望のpHに維持するために必要な速度で同時に容器にポンプで送られる。すべての塩溶液が排出されるまで沈殿を続ける。次に、得られたスラリーを熟成させる。次に、スラリーをろ過し、ろ液のpHが中性になるまでDIHOで洗浄する。ケーキを再スラリー化し、必要に応じて、混合しながら所定量のKCOを一定時間スラリーに加えることができる。次に、スラリーを制御された条件下で噴霧乾燥し、噴霧乾燥機から回収した粉末を炉内で2~5時間か焼する。次に、か焼された触媒粉末をふるいにかけて、所望の粒子サイズ範囲(約40~150μm)の触媒材料を得る。
【実施例
【0049】
異なる触媒配合物を評価するために試験を実施した。試験の一部として、触媒活性と耐摩耗性を評価した。
【0050】
例1.マイクロリアクターシステム
例示的な高温水性ガスシフト触媒の性能を、シミュレートされた合成ガス混合物を用いた充填床マイクロリアクターシステムにおいて評価した。マイクロリアクターシステムのプロセスフロー図を図2に示す。
【0051】
反応物およびパージガスを、高圧シリンダーから供給した。ガスフローを、マスフローコントローラー(MFC)で制御および監視した。供給ガスを予熱するためにMFCの下流のガス供給ラインをヒートトレースした。反応器は、バンドヒーターを使用して均一に加熱された加熱ジャケットに囲まれた外径0.5インチのステンレス鋼管であった。これらのバンドヒーターへの出力を、反応器容器内のK型熱電対からのフィードバックで制御した。直径0.0625インチのデュアルKタイプ熱電対を、ボアスルーSwagelokフィッティングを介して0.125インチのサーモウェルチューブに挿入し、触媒床の温度を監視し、反応器ヒーターを制御するために使用した。反応管に充填する前に、触媒粒子(~100ミクロン)をα-アルミナ粒子(~250ミクロン)と混合して、体積ベースで3:1のアルミナ:触媒比を達成した。希釈は、WGS反応の発熱による反応管内の温度変動を制御するのに役立った。
【0052】
MFC後から凝縮容器までのすべてのプロセスガスラインを、約140℃に維持した。Lookoutソフトウェアを使用してラダーロジックPIDループによって温度が制御されている加熱テープで、プロセスラインをヒートトレースした。プロセスリリーフバルブを、システムの安全のためにリアクターシステムの上流と下流に配置した。生成物と未変換の反応物は、固定床反応器を出て、3つの濃縮容器の1つに流れ込んだ。これらの容器を、K型熱電対で監視される熱電冷却器を使用して20℃未満に冷却した。回収容器のうちの2つは、50cmの内部容積を有し、3つ目は、150cmの内部容積を有し、凝縮生成物を24~72時間継続的に回収することができた。濃縮機の下流にあるボールバルブとニードルバルブの組合せを使用して、液体生成物を室温で手動で排出した。3つの濃縮機の1つは、実行中いつでも使用したが、他の2つの濃縮機は、分離したままで、必要に応じてオンラインにして、ソレノイドバルブを使用して生成物流を導くことができた。
【0053】
システムからの乾燥ガスサンプルを、Agilent 3000ガス分析器(Micro GC)によって分析した。Micro GCは、アルゴン、H、CO、COおよびC~C炭化水素(つまり、n-アルカンおよび1-アルケン)に対してキャリブレーションした。アルゴン(Ar)トレーサーを供給ガスに使用して、生成ガスの流量を定量化した。
【0054】
反応管内の活性触媒層は、アルミナの2つの不活性層の間に挟まれた体積ベースでの3:1のアルミナ:触媒比で構成されていた。反応管への触媒充填は、約2.69gであった。触媒を、合成ガス環境下でインサイチュで還元した。輸送反応器用途の触媒用途を理解するために、活性試験と長期安定性試験の2種類の触媒性能試験を設計した。ある温度範囲または300~400℃で設計した活性試験は、混合カラムから輸送反応器のライザーに輸送される触媒の性能を理解するのに役立った。低温での触媒性能は、輸送反応器の底に入る供給物の最低供給温度の限界を理解するために重要であった。表3に、触媒性能試験の反応条件を示す。
【0055】
【表3】
【0056】
例2.市販の触媒の触媒性能
本明細書に記載の触媒の性能と比較するために、市販の高温水性ガスシフト触媒の性能を評価した。比較用の市販の触媒として、クラリアントから市販されているShiftmax120(登録商標)を使用した。Shiftmax120(登録商標)は、固定床反応器での高温水性ガスシフト反応に使用されるFe/Cr触媒である。図3Aおよび3Bは、市販の触媒の性能を示している。図3Aは、温度の関数としてのCO転化率を示し、図3Bは、500時間の流通でのCO転化率を示している。
【0057】
図3Aは、最大CO転化率が約400℃で発生し、その転化率が温度の上昇および低下とともに低下することが観察されたことを示している。これらの結果は、市販の触媒でのWGS反応が400℃未満の温度で速度論的に制限され、400℃を超えると熱力学的に制限されることを示唆している。図3Bは、流通時間(時間)の関数としての触媒性能を示している。プロットからわかるように、市販の触媒は、500時間の実行時間にわたって約78%の安定したCO転化率を示した。
【0058】
例3.触媒活性に対する鉄濃度の影響
酸化鉄含有量が0~65重量%で異なる一連の触媒を調製し、性能試験を行った。表4に、調製した触媒の鉄含有量を示す。追加の成分は、表に示していない。示している量は、触媒総重量の重量%である。
【0059】
【表4】
【0060】
触媒の特性評価の結果は、最大50%の酸化鉄を含む水性ガスシフト触媒が、6%未満の耐摩耗性を示すことを明らかにした。しかし、鉄含有量が50重量%を超えて増加すると、摩耗数は1.57%から65%へと急激に上昇した。さらに、酸化鉄が50重量%を超えると、密度が大幅に低下した。BET表面積は、調査した鉄含有量の範囲にわたって比較的一定(約60~約70m/g)のままであった。
【0061】
図4は、このグループの触媒サンプルの触媒性能結果を示している。
図4からわかるように、CO転化率として表される触媒活性は、触媒サンプル中の鉄含有量の増加とともに増大した。鉄含有量が55~60重量%の触媒サンプルは、400℃以上の反応温度で平衡CO転化率値を達成した。さらに、鉄含有量がより高い触媒は、低温(350℃未満)でも優れた活性を示した。予想通り、鉄を含まない触媒は、非常に低調な性能を示した。
【0062】
50%の酸化鉄を有する例示的な触媒は、良好な耐摩耗性および適度に高い触媒活性を有することが見出された。より高い酸化鉄(55%以上)を有する触媒はより高い活性を示したが、より低い耐摩耗性で物理的に弱いことが見出された。
【0063】
例4.促進剤による触媒性能の改善
触媒性能を評価するために、3種類の促進剤を試験した。
【0064】
触媒の摩耗および活性に対する銅含有量の影響
【0065】
銅含有量が最大10重量%のHT-WGS触媒を調製し、試験した。表5に、触媒組成の銅含有量とこれらのサンプルの特性評価結果を示す。追加の成分は比較的一定に保たれており、表には含まれていない。示している量は、触媒の総重量の重量%である。
【0066】
表5に示すように、比較的少量の酸化銅の添加は、BET表面積および粒子密度にほとんど影響を及ぼさなかった。しかし、比較的少量の酸化銅の添加は、触媒の摩耗に影響があった。酸化銅の含有量が6.0から10重量%に増加すると、摩耗値は1.57から6.06または6.39に増加した。したがって、酸化銅含有量のさらなる増加は、触媒をさらに弱めることが予想される。
【0067】
【表5】
【0068】
銅含有量を変化させたサンプルについて、触媒活性を評価した。結果を図5に示す。図9からわかるように、10重量%の酸化銅を含む触媒は、6重量%の酸化銅を含む触媒と比較して高いCO転化率を示した。
【0069】
カリウム含有量が触媒性能に及ぼす影響
【0070】
水性ガスシフト触媒中のアルカリ金属の存在は、炭化水素の形成を抑制し、触媒の寿命を潜在的に増大させることができると考えられる。したがって、比較的高いK含有量(KCOとして最大約8.0重量%)を有するHT-WGS触媒を評価した。触媒組成および特性評価の結果におけるK含有量を表6に示し、触媒性能データを図6に示す。追加の成分は、比較的一定に保たれ、表には含まれていない。示している量は、触媒の総重量の重量%である。
【0071】
【表6】
【0072】
表6に示すように、K含有量を5%から8%に増加させることは、BET表面積および耐摩耗性に有意な影響を与えなかった。すべてのサンプルのFe含有量はほぼ同じであった。Kの量は、サンプルによって異なる。図6に示すように、K含有量が高いサンプル(8重量%対5重量%)では、400℃で活性が低下した。示していないが、メタン選択性として表される炭化水素形成は、非常に最小限であり、選択性の数値は、約1%であった。また、GCではより高い炭化水素の形成(C1+)は検出されなかった。
【0073】
触媒の摩耗および性能に対するMgOおよびCeOの効果
【0074】
1つは5%のMgOを含み、1つは10%のCeOを含む2つの触媒サンプルを調製し、評価した。
表7は、これらのサンプルの触媒組成と特性評価結果におけるMgOとCeOの含有量を示している。図7は、触媒性能の結果を示している。表7の触媒特性は、MgOまたはCeOの添加が、触媒のBET表面積と耐摩耗性にほとんど影響を与えなかったことを示している。しかし、図7は、両方の添加剤が触媒活性に悪影響を及ぼしたことを示している。追加の成分は、表に含まれていない。示している量は、触媒の総重量の重量%である。
【0075】
【表7】
【0076】
例6.例示的なクロムを含まない触媒の長期安定性
45~65重量%のFe酸化物、5~15重量%のCu酸化物、および4~6重量%のK酸化物を含む組成物を有する例示的な触媒を長期触媒試験で使用し、その安定性を評価した。図8は、時間単位の流通時間の関数としての触媒性能の結果を示している。図8に示すように、例示的な触媒は、メタン形成に対する無視できる選択性で、約200時間の流通時間にわたって安定したCO転化率を示した。安定したCO転化率は、約75%であることが見出され、これは、約78%のCO転化率を有する試験した市販のHT-WGS触媒によって示されたものに匹敵する。
【0077】
例7.例示的なクロムを含まない触媒の長期安定性
45~65重量%の酸化鉄、5~15重量%のCuO、4~6重量%のKCOおよび30~55重量%のZnO+Alの組成を有する追加のサンプルの長期安定性を試験した。図9は、CO転化率を時間単位の流通時間の関数としてプロットすることによる長期安定性試験の結果を示している。
【0078】
図9に示すように、平均CO転化率は、500時間で約77~78%であり、これは、市販の固定床触媒Shiftmax120(登録商標)で観察されたものに匹敵する。また、例示的なクロムを含まない流動床触媒のCO転化率曲線の性質は、市販の触媒で観察されたものと非常によく一致している。
【0079】
本明細書で言及されている特許または刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示している。これらの特許および刊行物は、個々の刊行物が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8