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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】サフルフェナシルを含む微粒子組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/10 20060101AFI20240805BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20240805BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20240805BHJP
   A01N 25/28 20060101ALI20240805BHJP
   A01M 21/04 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A01N25/10
A01N43/54 F
A01P13/00
A01N25/28
A01M21/04 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021572297
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020064626
(87)【国際公開番号】W WO2020244978
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】19179063.3
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515012583
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ ベー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタインブレンナー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】スチュワーヴァルト,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】クラムシンスキー,カザリン
(72)【発明者】
【氏名】レイク,ヴォルフガング
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-531909(JP,A)
【文献】特表2019-501109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N,A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サフルフェナシルを含む微粒子組成物であって、サフルフェナシルが、1種以上のアミノ化合物及び1種以上のアルデヒドの重縮合生成物であるアミノプラストポリマーに取り囲まれた又は埋め込まれた固体サフルフェナシルを含む微粒子の形態で存在し、少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aを更に含み、前記リグノスルホン酸Aが少なくとも10,000Daの平均分子量MW、及び1キログラムの前記リグノスルホン酸A当たり1.0~2.5molのスルホン化度を有し、アミノプラストポリマーが、メラミンホルムアルデヒド樹脂及び尿素ホルムアルデヒド樹脂、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、リグニンベースのスルホン酸A中のアニオン性スルホン酸基が部分的に又は完全に中和されて塩を形成している、前記微粒子組成物。
【請求項2】
前記塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、及びアンモニウム塩から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aが、リグノスルホン酸及びエトキシル化リグノスルホン酸からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーM1の、場合によりモノマーM1とは異なる1種以上のコモノマーM2とのホモポリマー又はコポリマーである少なくとも1種のアニオン性界面活性剤A2を更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
ルキルサルフェートを更に含む、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アルキルサルフェートがラウリルサルフェートである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
アミノプラストポリマーが、メラミンホルムアルデヒド樹脂である、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
微粒子組成物中のアミノプラストポリマーの量が、アミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総重量に対して0.5~40重量%ある、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
微粒子組成物中のアミノプラストポリマーの量が、アミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総重量に対して1~35重量%である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
微粒子組成物中のアミノプラストポリマーの量が、アミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総重量に対して5~25重量%である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
微粒子が、マイクロカプセルの水性分散剤の動的光散乱で決定したとき、1~25μmの範囲の重量平均粒径d50を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
微粒子が、マイクロカプセルの水性分散剤の動的光散乱で決定したとき、50μm超の粒径を有する粒子を10重量%未満含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
微粒子の水性懸濁液である、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
微粒子の固体組成物である、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
植物保護組成物の製剤に従来用いられている1種以上の助剤を含有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、以下のステップ
i) 固体サフルフェナシル粒子の水性懸濁液又は分散剤を提供するステップ、
ii) アミノプラスト初期縮合物を前記水性懸濁液に添加するステップ、
iii) 前記アミノプラスト初期縮合物の重縮合を行うステップ
を含む、前記方法。
【請求項17】
水性懸濁液又は分散剤中のサフルフェナシル粒子が、動的光散乱で決定したとき、0.5~25μmの範囲の重量平均粒径d50を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
望ましくない植生を防除するための、請求項1~15のいずれか1項に記載の微粒子組成物の使用。
【請求項19】
望ましくない植生を防除する方法であって、請求項1~15のいずれか1項に記載の微粒子組成物を、植物、その環境及び/又は種子に作用させる、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サフルフェナシルを含む微粒子組成物、その製造方法、及び望ましくない植生を防除するためのこれらの微粒子組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サフルフェナシルは、除草活性フェニルウラシル化合物、2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1-(2H)ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]ベンズアミドのINN一般名である。
【0003】
サフルフェナシルは、国際公開第01/083459号パンフレットに最初に記載された。
【0004】
サフルフェナシルは、低施用量で望ましくない植生の成長を効率的に阻害する高活性除草剤である。残念なことに、その選択性は必ずしも十分ではなく、作物でのその使用は幾分限られている。更に、サフルフェナシルは、十分な残効性(residual activity)を有しておらず、したがってそれを施用した後まもなく再成長が起こり得る。
【0005】
除草剤、例えば、サフルフェナシルは、通常、除草剤の濃縮製剤を水で希釈することにより製造される希釈水性噴霧液の形態で施用される。このために、殺有害生物剤化合物は、水和剤(WP)及び顆粒水和剤(WG)等の固体形態で、並びにエマルション、乳剤(EC)、サスポエマルション製剤(SE)(suspoemulsion)又はフロアブル製剤(SC)(suspension concentrate)等の液体形態で製剤化され得る。製剤を水で容易に希釈できること、及び噴霧ノズルの詰まりの原因であり得るため、有効成分が分離せずに希釈物が安定した状態を一定時間保つことは、効率的なカプセル化のために特に重要である。環境保護の理由から、製剤が、大量の有機溶媒を含有しないことが好ましく、これは、固体製剤及び水性SC製剤に主として有利に働く。
【0006】
SCの使用に関連した上記利点にも関わらず、長期保存又は昇温下での保存中の沈殿、沈殿した粒子の再懸濁に対する抵抗性及び保存時の結晶性物質の形成の結果として、SCにより時々直面する、当業者に公知の多くの問題が存在する。結果として、製剤は、取り扱いが難しくなり得、生物学的有効性が一貫しない場合がある。
【0007】
サフルフェナシルを製剤化しようとすると、幾つかの問題に直面する。サフルフェナシルは、塩基性pH値で加水分解を受け得る、N-アミノ-スルホニルカルボキサミド側鎖を有する。これに加えて、サフルフェナシルは、様々な結晶及び非結晶変態、すなわち、非晶質形態、結晶性水和物及び結晶性無水物で存在することが可能であり、これは、別の結晶形態への制御されない変換を受ける場合がある。次に、この変換により、特にフロアブル製剤として製剤化されたときにサフルフェナシル粒子が粗大化する場合がある。これらの因子は、製剤の化学的安定性及び物理的安定性を低下させる場合があり、製剤が、長期間及び/又は昇温下で保存される場合に影響は特に顕著である。サフルフェナシルの粗大粒子は希釈製剤から分離しやすいため、前記因子は、低い希釈特性にもつながり得る。
【0008】
サフルフェナシルの幾つかの安定な水性農業製剤がこれまでに記載されてきた。国際公開第2011/023759号パンフレットには、サフルフェナシル無水物及び特定のアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の組み合わせを含有する水性フロアブル製剤が記載されている。国際公開第2011/023758号パンフレットには、グリホサートを共除草剤として更に含有するサフルフェナシルの水性フロアブル製剤が記載されている。
【0009】
これらの製剤は安定しているが、低い作物選択性及び不十分な残効性の問題が解決されていない。
【0010】
マイクロカプセル製剤の形態で殺有害生物剤活性化合物を提供することが主として知られている(H. Mollet、A. Grubenmann "Formulation Technology" 第1版、Wiley-VCH Verlag GmbH、Weinheim 2001、6.4章及び14.2.2章を参照)。
【0011】
マイクロカプセル化は、コアセルベーション技術、噴霧乾燥、流動床コーティング、静電マイクロカプセル化又はin-situ重合により主として達成され得る。
【0012】
これらの技術により、活性化合物がポリマー壁材料に取り囲まれた活性化合物粒子が得られる。
【0013】
国際公開第2017/037210号パンフレットは、サフルフェナシルの微粒子組成物について開示している。
【0014】
マイクロカプセル化は、殺有害生物剤の急性毒性を改善するか、又は劣化を低減することができるが、それを達成するのは、多くの場合困難である。特に、特定の殺有害生物剤化合物に対して有効であり得る一つのカプセル化法が、必ずしも別の殺有害生物剤化合物に対して有効であるとは限らない場合、カプセル化中又はその後の殺有害生物剤粒子の凝集が最大の問題である。in-situ重合技術により固体材料の水性懸濁液中で固体材料をカプセル化しようとすると、固体材料は凝集する傾向にあり、それにより、有効成分粒子の大粒子が形成され、これがポリマーマトリックスに埋め込まれる。通常、このようにして得られた懸濁液はもはや農業用途に適していない。これまでに、少量のカプセル化ポリマーを使用して、固体殺有害生物剤粒子を効率的にカプセル化することはできなかった。
【0015】
公知のサフルフェナシルの製剤の1つの課題は、他の殺有害生物剤との相溶性を高めることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】国際公開第01/083459号パンフレット
【文献】国際公開第2011/023759号パンフレット
【文献】国際公開第2011/023758号パンフレット
【文献】国際公開第2017/037210号パンフレット
【非特許文献】
【0017】
【文献】H. Mollet、A. Grubenmann "Formulation Technology" 第1版、Wiley-VCH Verlag GmbH、Weinheim 2001、6.4章及び14.2.2章
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、広範囲の他の殺有害生物剤、とりわけサフルフェナシルと一般的に組み合わせられる他のタンクミックスパートナー、例えばグリホサート、グルホシネート、ジカンバ等と相溶性があるサフルフェナシルの製剤を提供することである。更に、この製剤は、その生物学的有効性を維持しながら、長期の保存期間にわたる高い物理的安定性及び化学的安定性の両方を示すべきである。更に、この製剤は、サフルフェナシルと一般的に組み合わせられるタンクミックスパートナーとも相溶性を有するべきである。水で希釈すると、上記製剤は、粗大物質又は上清液を形成することなくサフルフェナシルの安定した水性組成物を与えるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
驚くべきことに、上記の目的は、固体サフルフェナシルの微粒子組成物であって、固体サフルフェナシルがアミノプラストポリマーに取り囲まれ又は埋め込まれており、リグノスルホン酸、エトキシル化リグノスルホン酸又は酸化リグニンなどの少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aを更に含み、前記リグノスルホン酸Aが、少なくとも10,000Daの平均分子量MWを有する、上記微粒子組成物により達成され得ることが見いだされた。
【0020】
本発明の微粒子組成物において、サフルフェナシルは劣化しにくい。したがって、本発明の微粒子組成物は、サフルフェナシルの生物学的有効性を維持しながら、長期の保存期間にわたって高い物理的及び化学的安定性の両方をもたらす。更に、本発明の微粒子組成物は、簡単に製剤化することができる。更に、水性懸濁液の形態の本発明の微粒子組成物では、タンクミックスとの相溶性が改善されるので、他の殺有害生物剤の製剤と容易にタンクミックスでき、その希釈安定性に関して他の製剤と不利に相互作用しない。
【0021】
アミノプラスト初期縮合物(pre-condensate)を使用し、以下に記載の方法を行うことにより、固体サフルフェナシルを効率的にマイクロカプセル化できることも驚くべきことに見出された。したがって、本発明の第2の態様は、本明細書に記載の微粒子組成物を製造する方法であって、該方法が以下のステップ、
i) 固体サフルフェナシル粒子の水性懸濁液を提供するステップ、
ii) アミノプラスト初期縮合物をサフルフェナシル粒子の水性懸濁液に添加するステップ、
iii) 例えば、アミノプラスト初期縮合物の重縮合が反応温度で起こるpHでステップii)の水性懸濁液を加熱することにより、アミノプラスト初期縮合物の重縮合を行うステップ
を含む、上記方法に関する。
【0022】
この方法により、安定した水性懸濁液が得られ、そこでサフルフェナシルは、アミノプラストポリマーに取り囲まれた又は埋め込まれた固体サフルフェナシルを含む微粒子の形態で存在する。必要な場合、微粒子をこの水性懸濁液から分離させてもよい。驚くべきことに、この方法は、他のin-situ重合技術で認められたようなサフルフェナシル粒子の顕著な凝集をもたらさない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明の詳細な説明
本発明の微粒子組成物において、サフルフェナシルは、コア材料として固体サフルフェナシルを含む微粒子の形態で存在し、前記組成物は、リグノスルホン酸、エトキシル化リグノスルホン酸又は酸化リグニンなどの少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aを更に含み、前記リグノスルホン酸Aは、少なくとも10,000Daの平均分子量MWを有する。上記微粒子において、固体サフルフェナシルは、少なくとも1種のアミノプラストポリマーに取り囲まれた又は埋め込まれたコア材料を形成する。これに関連して、アミノプラストポリマーは、コア材料を取り囲む又は埋め込む、規則的又は不規則なシェルを形成し得ることが理解されねばならない。微粒子は、サフルフェナシルで形成された単一の固体コア、及びアミノプラストポリマーで形成されたシェル又はマトリックスを有し得る。微粒子が、アミノプラストポリマーに埋め込まれた非晶質又は結晶性サフルフェナシルの一定数の固体サフルフェナシル粒子、例えば、3~1000個又は10~500個の粒子を含む「ドメイン構造」を有することも当然ながら可能であり得る。
【0024】
アミノプラストポリマーが完全に密閉されたシェルを形成することは不要である。
【0025】
しかし、多くの場合、シェルは膜等のコア材料を完全に取り囲み、それにより、コア材料と取り囲む材料との間にバリアを形成する。
【0026】
アミノ樹脂、アミノ縮合樹脂又はアミド樹脂とも称されるアミノプラストポリマーは、1種以上のアルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロパナール、グリオキサル又はグルタルアルデヒドと、通常は少なくとも2つの第1級アミノ基を有する1種以上のアミノ化合物、例えば、尿素、チオ尿素、完全に又は部分的にエーテル化されていてもよいメラミン、シアノグアナミン(cyanoguanamine)(=ジシアンジアミド)及びベンゾグアナミンとの重縮合生成物である。アミノプラストポリマーの例としては、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド縮合物由来の樹脂を含む、メラミン及びホルムアルデヒドの重縮合物(メラミン-ホルムアルデヒド樹脂又はMF樹脂)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF樹脂)、チオ尿素ホルムアルデヒド樹脂(TUF樹脂)、完全又は部分エーテル化メラミン-尿素-ホルムアルデヒド縮合物由来の樹脂を含む、メラミン、尿素及びホルムアルデヒドの重縮合物(MUF樹脂)、完全又は部分エーテル化メラミン-チオ尿素-ホルムアルデヒド縮合物由来の樹脂を含む、メラミン、チオ尿素及びホルムアルデヒドの重縮合物(MTUF樹脂)、尿素-グルタルアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド重縮合物、ジシアンジアミドホルムアルデヒド重縮合物及び尿素-グリオキサル重縮合物がある。マイクロカプセル化に適したアミノプラストポリマーは公知であり、とりわけ、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第2巻、440~469頁、導入部で引用した先行技術、米国特許第4,918,317号、欧州特許第26914号、欧州特許第218887号、欧州特許第319337号、欧州特許第383337号、欧州特許第415273号、独国特許第19833347号、独国特許第19835114号及び国際公開第01/51197号パンフレットに見出すことができる。UF及びTUF樹脂において、尿素又はチオ尿素とホルムアルデヒドとのモル比は、一般に、1:0.8~1:4、特に1:1.5~1:4、とりわけ1:2~1:3.5の範囲である。グルタルアルデヒドが、ホルムアルデヒドの代わりに用いられる場合、尿素又はチオ尿素とグルタルアルデヒドとのモル比は、特に1:1.2~1:3の範囲、とりわけ1:1.5~1:2.5の範囲であってよい。
【0027】
MF及びMUF樹脂において、メラミンとホルムアルデヒドとのモル比は、一般に1:1.5~1:10、特に1:3~1:8、好ましくは1:4~1:6の範囲である。
【0028】
MUF及びMTUF樹脂において、メラミン+尿素又はチオ尿素とホルムアルデヒドとのモル比は、一般に1:0.8~1:9、特に1:2~1:8、好ましくは1:3~1:6の範囲である。尿素又はチオ尿素とメラミンとのモル比は、50:1~1:100、特に30:1~1:30の範囲であってよい。
【0029】
上記アミノプラスト樹脂の調製において、初期縮合物は、アミノ化合物及びアルデヒドのエーテル化初期縮合物の形態で使用できる。これらのエーテル化初期縮合物において、メチロール基は、アミノ基と、ホルムアルデヒドと、アルカノール又はアルカンジオールとの、特にC1~C4アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール若しくはn-ブタノール、特に、メタノール、又はC2~C4アルカンジオール、例えば、エチレングリコールとの反応により形成される。これらの樹脂のエーテル化度は、典型的には10:1~1:10の範囲、好ましくは2:1~1:5の範囲である、アミノ基とアルカノールとのモル比で調整できる。
【0030】
固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込むアミノプラストポリマー材料は、最も好ましくは、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド縮合物由来のメラミンホルムアルデヒド樹脂を含むメラミンホルムアルデヒド樹脂、及び尿素ホルムアルデヒド樹脂、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。とりわけ、固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込むアミノプラストポリマー材料は、メラミンホルムアルデヒド樹脂、特に、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド縮合物由来のメラミンホルムアルデヒド樹脂であり、これはメラミンに対して少量、例えば、1~20mol%の尿素を含有し得る。
【0031】
本発明の微粒子組成物において、固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込むアミノプラストポリマー材料の量は、一般的には、組成物に含有されるサフルフェナシルの量を超えず、サフルフェナシル及びアミノプラストポリマーの総量に対して、好ましくは最大40重量%、特に最大35重量%、とりわけ最大30重量%又は最大25重量%である。固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込むアミノプラストポリマー材料の量は、カプセル総重量に対して、すなわち、サフルフェナシル及びアミノプラストポリマーの総量に対して、好ましくは0.5~40重量%、特に1~35重量%、とりわけ5~25重量%である。固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込む本発明の微粒子組成物のポリマー材料は、更なる水不溶性ポリマーを含んでいてもよい。しかし、このようなポリマーの量は、一般に、カプセル化ポリマー材料の総量の20%を超えず、好ましくは、固体サフルフェナシルを取り囲む又は埋め込むポリマー材料の総量の10重量%を超えない。
【0032】
少なくとも1種のアミノプラストポリマーに取り囲まれた又は埋め込まれた固体サフルフェナシルは、非晶質サフルフェナシル、特に、結晶性サフルフェナシル、例えば、国際公開第08/043835号パンフレットに記載のサフルフェナシルの結晶性無水物、又は国際公開第08/043836号パンフレットに記載のサフルフェナシルの結晶性水和物を含む、任意の公知の形態の固体サフルフェナシルであってよい。
【0033】
固体サフルフェナシルに加えて、微粒子のコア材料は、油、例えば好ましくは沸点100℃超を有する炭化水素溶媒、例えば、芳香族、パラフィン又はイソパラフィン炭化水素、植物油、例えば、コーン油、ナタネ油、又は脂肪酸エステル、例えば、C10~C22脂肪酸のC1~C10アルキルエステル、特に、植物油のメチル又はエチルエステル、例えば、ナタネ油メチルエステル又はコーン油メチルエステルを含有していてもよい。特定の実施形態において、コア材料は、本明細書に定義した油を含有しないか、又はコア材料の重量に対して10重量%未満の油を含有する。特に、コアは油を含有しない。
【0034】
固体サフルフェナシルに加えて、微粒子のコア材料は、好ましくは低下した水溶性、一般的には、25℃で10g/L、特に5g/l、更には1g/lを超えない水溶性(脱イオン水)を有する更なる殺有害生物剤化合物、特に、除草剤化合物又は薬害軽減剤を更に含有していてもよい。特に、固体サフルフェナシルは、微粒子に含有される殺有害生物剤の少なくとも80%、特に少なくとも90%を構成する。
【0035】
本発明の微粒子は、通常は50μm未満の粒径を有する離散粒子である。好ましくは、微粒子の粒径、すなわち、その直径は、一般に40μmを超えず、好ましくは35μmを超えず、特に30μmを超えない。得られた粒径は、いわゆるd90値であり、これは、少なくとも90重量%の微粒子の直径が超えない値と理解されるべきである。微粒子は、1~25μm、特に1.5~20μm、とりわけ2~10μmの範囲の、本明細書においてd50値とも称される平均粒径を有する。d50値は、50重量%の粒子の直径を上回り、50重量%の粒子の直径を下回る値と定義される。d90値並びにd50値は、微粒子の粒径分布から算出できる。一般に、粒子のd10値、すなわち、少なくとも10重量%の微粒子が超える直径の値は、少なくとも0.5μmであり、例えば0.5μm~10μm、特に1~5μmの範囲であり得る。微粒子の粒径分布(すなわち、直径)は、従来の方法、例えば、25℃及び0.1~1重量%の範囲の濃度での、例えば、微粒子組成物の水性分散剤の動的又は静的光散乱により決定できる。
【0036】
本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種のアニオン性ポリマー界面活性物質A1(本明細書中以降アニオン性ポリマー界面活性剤A1又はポリマー界面活性剤A1とも呼ばれる)を含有し、前記少なくとも1種のアニオン性ポリマー界面活性物質A1はリグニンベースのスルホン酸Aであり、ここで前記リグニンベースのスルホン酸A1は、少なくとも10,000Daの平均分子量MWを有する。好ましくは、前記リグニンベースのスルホン酸A1は、10,000Da~100,000Daの平均分子量MWを有する。
【0037】
好ましくは、前記リグニンベースのスルホン酸A1は、1キログラムの前記リグノスルホン酸当たり1.0~2.5molのスルホン化度を有する。
【0038】
本明細書中で適用される前記リグニンベースのスルホン酸の平均分子量MWは、DIN 55672-3に従うゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される。
【0039】
本明細書中で適用される前記リグニンベースのスルホン酸のスルホン化度は、原子発光分析法で決定される前記リグニンベースのスルホン酸の硫黄含有量から、硫酸塩の含有量(DIN 38405-D5-2に従って決定される)を引いて算出される。
【0040】
好ましいリグニンベースのスルホン酸A1は、リグノスルホン酸、エトキシル化リグノスルホン酸又は酸化リグニンである。
【0041】
好ましいリグニンベースのスルホン酸A1は、リグノスルホン酸、エトキシル化リグノスルホン酸又は酸化リグニンである。
【0042】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーM1の、場合によりモノマーM1とは異なる1種以上のコモノマーM2とのホモポリマー又はコポリマーである少なくとも1種のアニオン性ポリマー界面活性物質A2を含有する。
【0043】
これらのアニオン性ポリマー界面活性剤におけるアニオン性基は、部分的に又は完全に中和され得る。好適な対イオンは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン、マグネシウム又はカルシウムなどのアルカリ土類イオン、及びアンモニウムである。スルホネート基を有するアニオン性ポリマー界面活性剤の場合、上記のアニオン性基は、好ましくは少なくとも部分的に中和されている。
【0044】
好ましくは、ポリマー界面活性剤A2は、以下のホモポリマー及びコポリマーから選択される:
i) スルホン酸基を有する少なくとも1種のモノエチレン性不飽和モノマーM1、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スルホン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、例えば、2-アクリルオキシエチルスルホン酸、2-アクリルオキシプロピルスルホン酸又は4-アクリルオキシブチルスルホン酸、並びにスルホン酸基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー、例えば、2-アクリルアミドエチルスルホン酸、2-アクリルアミドプロピルスルホン酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、並びに
ii) モノマーM1と異なる、場合により1種以上のモノエチレン性不飽和コモノマーM2、例えば、スチレン、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート。
【0045】
一実施形態において、ポリマー界面活性剤A2は、以下のものからなるホモポリマー及びコポリマーから選択される:
i) スルホン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー、例えば、2-アクリルオキシエチルスルホン酸、2-アクリルオキシプロピルスルホン酸又は4-アクリルオキシブチルスルホン酸、及びスルホン酸基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー、例えば、2-アクリルアミドエチルスルホン酸、2-アクリルアミドプロピルスルホン酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択される、モノマーM1、並びに
i) モノマーM1と異なる場合により1種以上のモノエチレン性不飽和コモノマーM2、例えば、スチレン、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート。
【0046】
とりわけ、ポリマー界面活性剤A2は、以下からなるホモポリマー及びコポリマーを含むか、又はこれらから選択される:
i) 2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸である、モノマーM1、並びに
ii) モノマーM1と異なる、場合により1種以上のモノエチレン性不飽和コモノマーM2、例えば、スチレン、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート。
【0047】
これらの好ましい、特に好ましい又はとりわけ好ましいポリマー界面活性剤A.2において、モノマーM1の量は、ポリマー界面活性剤を形成するモノマーの総量に対して好ましくは少なくとも50重量%である。モノマーM1のホモポリマー又はコポリマーであるポリマー界面活性剤Aが更により好ましく、ここでモノマーM1の量は、ポリマー界面活性剤を形成するモノマーの総量に対して少なくとも90重量%である。これらのポリマーは、例えば、商品名Lupasol S及びLupasol PA140の下で市販されていることから公知である。
【0048】
別の特定の実施形態の群において、本発明による微粒子組成物は群A3の界面活性剤を含み、ポリマー界面活性剤A3は、アリールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物及びアリールスルホン酸ホルムアルデヒド尿素縮合物であり、特にナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物から誘導される。
【0049】
ポリマー界面活性剤A3の例としては、アリールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物及びアリールスルホン酸ホルムアルデヒド尿素縮合物、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、フェノールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、クレゾールスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。
【0050】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1を含み、界面活性剤A2又はA3は含まない。
【0051】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A2を含み、界面活性剤A3は含まない。
【0052】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A3を含み、界面活性剤A2は含まない。
【0053】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A2、及び少なくとも1種の界面活性剤A3を含む。
【0054】
組成物中のアニオン性ポリマー界面活性剤A1~A3の量は、サフルフェナシル及びアミノプラストポリマーの総量に対して、好ましくは0.1~50重量%、特に2~40重量%、及び最も好ましくは3~30重量%である。
【0055】
ポリマー界面活性剤A1~A3は、本明細書中でポリマー界面活性剤Aとも呼ばれる。
【0056】
ポリマー界面活性剤A1~A3を、それとは異なる1種以上の更なるアニオン性界面活性剤Bと組み合わせた場合、微粒子を含む水性製剤が安定するので、有益であることが見出された。好適なアニオン性界面活性化合物Bは、リン酸基又はホスホン酸基、及び硫酸基又はスルホン酸基から選択される1つのアニオン性基を有する界面活性剤であり、後者の化合物が好ましい。これらの界面活性剤Bは、通常、微粒子組成物中に、それらの塩、特に、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの塩の形態で含まれる。アニオン性界面活性剤Bの例としては、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルホスフェートの塩、アルコキシル化アルカノールと硫酸又はリン酸との半エステル、アルキルアリールスルホネート、アルキルアリールホスフェート、アルコキシル化アルキルフェノールと硫酸又はリン酸との半エステル、並びにアルコキシル化モノ、ジ又はトリスチリルフェノールと硫酸又はリン酸との半エステルが挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤Bの中で、式(I)
R-(O-A)m-O-X (I)
(式中、
Rは、8~40個の炭素原子及び好ましくは12~30個の炭素原子、並びに場合により1個の酸素原子を有する炭化水素基であり、
Aは、互いに独立して、1,2-エチレン、1,2-プロピレン又は1,3-プロピレン、とりわけ1,2-エチレンであり、
mは、0~50、好ましくは0~30、とりわけ好ましくは0~20であり、
Xは、SO3M又はPO3M2であり、Mは、H、アルカリ金属イオン、例えば、K及びNa、アルカリ土類金属イオン、例えば、1/2Ca及び1/2Mg、並びにアンモニウムから選択される。好ましくは、Mはアルカリ金属イオン、とりわけナトリウムである)
のものが好ましい。
【0057】
8~40個の炭素原子を有する好適な炭化水素基Rの例は、8~40個、好ましくは12~30個の炭素原子を有するアルキル、4~20個の炭素原子を有する1つ又は2つのアルキル基で置換されていてもよいフェニル、フェニル及び/又はフェノキシが4~20個の炭素原子を有するアルキル基を含有していてもよい、フェノキシ基で置換されているフェニル、トリスチリルフェニル基等である。本発明の好ましい実施形態において、式Iの基Rは、トリスチリルフェニル基である。
【0058】
式(I)のアニオン性界面活性剤Bが好ましく、式中、R、m及びXは以下の意味を有する:
Rは8~30個、特に10~20個の炭素原子を有するアルキルであり、
mは0であり、
XはSO3Mであり、Mはアルカリ金属イオン、例えば、K及びNa、アルカリ土類金属イオン、例えば、1/2Ca及び1/2Mg、並びにアンモニウムから選択される。好ましくは、Mはアルカリ金属、とりわけナトリウムである。
【0059】
とりわけ好ましくは、更なるアニオン性界面活性剤Bは、ラウリルサルフェートなどのアルキルサルフェート、とりわけラウリル硫酸ナトリウムである。
【0060】
存在する場合、アニオン性界面活性剤B、特に、式(I)の界面活性化合物の量は、サフルフェナシル及びアミノプラストポリマーの総量に対して、好ましくは0.1~10重量%、特に0.3~7重量%、最も好ましくは0.5~5重量%である。存在する場合、アニオン性界面活性剤B、特に、式(I)の界面活性化合物の量は、好ましくは、アニオン性ポリマー界面活性剤Aとアニオン性界面活性剤Bとの重量比が1:1~20:1、特に2:1~10:1であるように選択される。
【0061】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1を含み、界面活性剤A2又はA3は含まず、アニオン性界面活性剤Bはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0062】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A2を含み、界面活性剤A3は含まず、アニオン性界面活性剤Bはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0063】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A3を含み、界面活性剤A2は含まず、アニオン性界面活性剤Bはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0064】
一実施形態において、本発明による微粒子組成物は、少なくとも1種の界面活性剤A1、少なくとも1種の界面活性剤A2及び少なくとも1種の界面活性剤A3を含み、アニオン性界面活性剤Bはラウリル硫酸ナトリウムである。
【0065】
本発明による組成物は、非イオン性界面活性化合物(非イオン性界面活性剤)を含有していてもよい。好ましい非イオン性界面活性剤としては、式(II)
R'-(O-B)n-OH (II)
(式中、
R'は、8~40個及びより好ましくは12~30個の炭素原子、並びに場合により1個の酸素原子を有する炭化水素基であり、
Bは、C2-C4-アルカン-1,2-ジイル、例えば、1,2-エチレン、1,2-プロピレン若しくは1,2-ブチレン、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは1,2-エチレン又は1,2-エチレンと1,2-プロピレンとの組み合わせであり、
nは、3~100、好ましくは4~50、より好ましくは5~40である)
の中性界面活性化合物が挙げられる。
【0066】
好ましい非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)のブロックコポリマーなどが挙げられる。このようなブロックコポリマーは、例えば、構造R-(EO)x-(PO)y-(EO)z(RはH又はC4~C30アルキル残留物であり、x、y、zは、独立して、2~100の数である)を有し得る。
【0067】
好適な炭化水素基R'の例としては、Rについて言及した基が挙げられる。本発明の好ましい実施形態において、基R'は、1個のC4~C18アルキル基で置換されているフェニル基である。
【0068】
存在する場合、非イオン性界面活性剤、特に式(II)の界面活性化合物の量は、最終製剤中で、好ましくは1~150g/L、特に2~60g/Lである。本発明の1つの特定の実施形態において、組成物は非イオン性界面活性剤を含有しないか、又はサフルフェナシル及びアミノプラストポリマーの総量に対して1重量%未満の非イオン性界面活性剤、特に0.5重量%未満の非イオン性界面活性剤を含有する。
【0069】
特定の群の実施形態において、微粒子組成物は、水性懸濁液の形態である。このような懸濁液は、固体サフルフェナシルの微粒子を分散相として、及び水性媒体を連続相として含有する。水性懸濁液は、本明細書に記載の微粒子組成物を製造する方法により得ることができる。これは、本明細書に記載の固体微粒子組成物を水性媒体中に再分散することによっても得ることができる。
【0070】
「水性媒体」という用語は、組成物の液相を表し、水性溶媒及び場合によりそこに溶解した化合物、例えば、上記界面活性剤、並びに存在する場合、従来の1種以上の従来の製剤添加剤、例えば、増粘剤又は殺生物剤を含む。水性懸濁液の水性溶媒は、水、又は水と水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール又はtertブタノール等のC1~C4アルカノール、好ましくは、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、グリセロール及び1,4-ブタンジオールからなる群からのC2~C5アルカンジオール及びC3~C8アルカントリオールとの混合物のいずれかである。一般に、水性溶媒中の水の量は、水性溶媒に対して少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%である。水性溶媒は、主に水からなり得る。すなわち、水は、懸濁液中に存在する溶媒の総量の少なくとも95重量%を構成する。水性溶媒は、上記水混和性有機溶媒と水との混合物であってもよい。後者の場合、水性溶媒中の水と水混和性有機溶媒との重量比は、好ましくは99:1~1:1の範囲、より好ましくは50:1~3:1の範囲、最も好ましくは20:1~4:1の範囲である。別の表現では、有機溶媒の量は、水性溶媒の総重量に対して1~50重量%、より好ましくは2~25重量%、最も好ましくは5~20重量%であってよい。
【0071】
いずれの場合も水性懸濁液の総重量に対して、並びにアミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総量として算出して、水性懸濁液は微粒子を通常少なくとも5重量%の量で含有し、該量は50重量%以上であってよい。多くの場合、水性懸濁液は、いずれの場合も水性懸濁液の総重量に対して、並びにアミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総量として算出して、微粒子を10~45重量%、特に20~40重量%の量で含有するであろう。水性懸濁液中のサフルフェナシルの濃度は、水性懸濁液の総重量に対して、多くの場合5~40重量%、特に15~30重量%の範囲であろう。
【0072】
存在する場合、水性懸濁液中のポリマーアニオン性界面活性剤Aの濃度は、微粒子の水性懸濁液の総重量に対して、多くの場合0.1~15重量%、特に0.2~6重量%の範囲であろう。
【0073】
存在する場合、水性懸濁液中のアニオン性界面活性剤Bの濃度は、微粒子の水性懸濁液の総重量に対して、多くの場合0.1~15重量%、特に0.2~6重量%の範囲であろう。
【0074】
本発明による水性組成物は、慣用の製剤助剤、例えば、粘度調整添加剤(増粘剤)、消泡剤、防腐剤、緩衝液、無機分散剤等も含み得、これらは、通常、除草剤の水性製剤中で用いられる。このような助剤は、本明細書に記載の製造方法のステップiii)が行われた後で水性懸濁液に組み込むことができる。添加剤の量は、一般に水性懸濁液の総重量の10重量%、特に5重量%を超えないであろう。微粒子の凝集を防止するための凝固防止剤とも称される好適な無機分散剤としては、シリカ(例えば、DegussaのSipernat(登録商標)22等)、アルミナ、炭酸カルシウム等がある。本発明の文脈において、シリカが好ましい無機分散剤である。最終懸濁液中の無機分散剤の濃度は、一般に最終懸濁液の総重量に対して2重量%を超えず、存在する場合、これは、最終製剤の総重量に対して、好ましくは0.01~2重量%、特に0.02~1.5重量%、とりわけ0.1~1重量%の範囲である。
【0075】
好適な増粘剤は、フロアブル製剤の流動挙動に影響を与える化合物であり、微粒子の水性懸濁液を凝固に対して安定化させるのに役立ち得る。これに関連して、例えば、市販の多糖系増粘剤、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)等級)、キサンタンガム(例えば、KelcoからKelzan(登録商標)等級、又はRhodiaからRhodopol(登録商標)等級として市販されている)、合成ポリマー、例えば、アクリル酸ポリマー(Carbopol(登録商標)等級)、ポリビニルアルコール(例えば、KurarayのMowiol(登録商標)及びPoval(登録商標)等級)又はポリビニルピロロン(polyvinyl pyrrolone)、ケイ酸又はフィロシリケート、例えば、疎水化されていてもよいモンモリロナイト及びベントナイト(BASF SEからAttaclay(登録商標)等級及びAttaflow(登録商標)等級として又はR.T. VanderbiltからVeegum(登録商標)等級及びVan Gel(登録商標)等級として市販されている)を挙げることができる。本発明の文脈において、キサンタンガムが好ましい増粘剤である。水性懸濁液中の増粘剤の濃度は、水性懸濁液の総重量に対して一般に2重量%を超えず、水性懸濁液又は最終製剤各々の総重量に対して好ましくは0.01~2重量%、特に0.02~1.5重量%、とりわけ0.1~1重量%の範囲である。
【0076】
本発明による組成物に適した消泡剤としては、例えば、シリコーンエマルション(例えば、WackerのSilicone SRE-PFL又はBluestar SiliconeのRhodorsil(登録商標)等)、ポリシロキサン、及びポリシロキサンブロックポリマーを含む変性ポリシロキサン、例えば、BASF SEのFoamStar(登録商標)SI及びFoamStar(登録商標)ST製品、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、並びにこれらの混合物がある。
【0077】
本発明の組成物の微生物による腐敗を防ぐのに適した防腐剤としては、ホルムアルデヒド、p-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、安息香酸ナトリウム、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、o-フェニルフェノール、チアゾリノン、例えば、ベンズイソチアゾリノン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリノン、ペンタクロロフェノール、2,4-ジクロロベンジルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。イソチアゾリノン系の市販の防腐剤は、例えば、Proxel(登録商標)(Arch Chemical)、Acticide(登録商標)MBS(Thor Chemie)及びKathon(登録商標)MK(Rohm & Haas)の商品名で販売されている。
【0078】
適切な場合、本発明による組成物、特に、水性懸濁液は、pHを調整するための緩衝液を含んでいてもよい。緩衝液の例としては、弱無機又は有機酸、例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸及びコハク酸等のアルカリ金属塩がある。
【0079】
更に、本発明による組成物、特に水性懸濁液は、従来の結合剤、例えば、水性ポリマー分散剤、水溶性樹脂、例えば、水溶性アルキド樹脂又はワックスと共に製剤化されてもよい。
【0080】
本発明の組成物は1種以上のアジュバントを含有していてもよい。好適なアジュバントは当業者に公知であり、例えば界面活性剤、作物油濃縮物、拡展剤-展着剤(spreader-sticker)、湿潤剤及び浸透剤が挙げられる。他の特定の群の実施形態において、微粒子組成物は、固体組成物の形態である。このような固体組成物は、固体サフルフェナシルの微粒子、場合により1種以上の界面活性剤、特にポリマー界面活性剤A及び場合によりアニオン性界面活性剤B、並びに場合により不活性固体担体材料を含有する。
【0081】
固体組成物は、例えば、再分散性粉末、顆粒水和剤、水和剤等であってよい。
【0082】
固体担体としては、例えば、鉱物土、例えば、シリカ、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、及び植物性産物、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉及び堅果粉、セルロース粉末、又は他の固体担体が挙げられる。
【0083】
本発明による固体組成物は、慣用の製剤助剤、例えば、消泡剤、防腐剤、緩衝液、無機分散剤等を含んでいてもよく、これは、通常は、除草剤の固体製剤で用いられる。このような助剤は、その製造方法の任意の従来の段階で固体製剤に組み込むことができる。添加剤の量は、一般に、固体組成物の総重量の10重量%、特に5重量%を超えない。
【0084】
固体組成物は、本明細書に記載の微粒子組成物を製造する方法で主として形成される水性懸濁液から水相を除去することにより、該水性懸濁液から得ることができる。水相の除去は、例えば、遠心分離又は濾過のいずれかにより、水相を固体微粒子から分離することによって達成できる。好ましくは、水相は、蒸発法、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥により除去される。
【0085】
上に概説したように、組成物を製造する方法は、サフルフェナシル粒子の水性懸濁液を提供する第1のステップを含む。このために、固体サフルフェナシルを、水性溶媒、特に水に懸濁する。水性溶媒は、1種以上の界面活性剤、特に、保護コロイドとして作用することが想定される少なくとも1種のポリマー界面活性剤A1、及び場合により1種以上のアニオン性界面活性剤Bを含有していてもよい。
【0086】
好ましくは、カプセル化前の水性懸濁液中のサフルフェナシル粒子の粒径は、45μm未満であり、特に40μmを超えず、好ましくは30μmを超えず、特に25μmを超えない。得られた粒径は、いわゆるd90値である。好ましくは、活性物質粒子は、0.5~25μm、特に1~20μm、とりわけ1.5~15μmの範囲の、本明細書においてd50値とも称される平均粒径を有する。d50値は、50重量%の粒子の直径を上回り、50重量%の粒子の直径を下回る値と定義される。d10値は、好ましくは少なくとも0.5μmであり、例えば、0.5μm~10μm、特に1~5μmの範囲であってよい。d90値並びにd50値は、サフルフェナシル粒子の粒径分布から算出することが可能であり、これは、従来の方法、例えば、25℃及び0.1~1重量%の範囲の濃度での動的又は静的光散乱により決定できる。
【0087】
重縮合が、少なくとも1種のアニオン性ポリマー界面活性剤A2の存在下で開始されるか、又は行われる場合、有益であることが見出された。ポリマー界面活性剤A2は、多くの場合、水性懸濁液の総重量に対して0.1~10重量%、特に1~6重量%の範囲である。
【0088】
ステップi)の水性懸濁液が、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤B、特に、式(I)の界面活性剤を含むか、又はそれから選択されるアニオン性界面活性剤も含有する場合、有益であることが見出された。存在する場合、ステップi)の水性懸濁液中でのアニオン性界面活性剤Bの濃度は、水性懸濁液の総重量に対して、多くの場合0.01~2重量%、特に0.1~1重量%の範囲である。
【0089】
サフルフェナシル粒子の水性懸濁液は、例えば、国際公開第2011/023759号パンフレットに記載されているようなサフルフェナシルの水性懸濁液を製造するための公知の方法と同様に提供することができる。
【0090】
一実施形態において、ステップi)は、ステップi.a)及びステップi.b)を含む。ステップi.a)において、固体サフルフェナシル、特に、結晶形態のサフルフェナシル、例えば、サフルフェナシル無水物、又は水和物形態の1つ、並びに水性溶媒及び場合により界面活性剤の少なくとも一部を、十分にせん断できる任意の従来の混合装置で混合し、所望の懸濁液を形成する。好適な混合装置としては、特に、高せん断ミキサー、例えば、Ultra-Turrax装置、静的ミキサー、例えば、混合ノズルを有するシステム、撹拌ビーズミル、コロイドミル、コーンミル及び他のホモジナイザーが挙げられる。一般に、個々の成分を組み合わせる順序は重要ではない。最初に、水性溶媒と界面活性剤の少なくとも一部、例えば、A群の界面活性剤及び場合により界面活性剤Bとを、均一な混合物が得られるまで混合し、次いでせん断しながら固体サフルフェナシルを前記均一な混合物に添加することにより、ステップi.a)を行うことが有利であり得る。次いで、ステップi.b)において、ステップi.a)で得られた混合物、すなわち、水性溶媒中のサフルフェナシルの粗粒懸濁液を、混合物中に存在するサフルフェナシル粒子の粒径を典型的には40μm未満、好ましくは30μm未満、特に20μm未満(d90値)、例えば0.5~15μmの範囲の粒径(d90)まで低下させるための好適な手段に供する。ステップi.b)は、任意の物理的な磨砕方法、例えば、粉砕、圧潰又はミル粉砕、特に、例えば、ビーズミル粉砕、ハンマーミル粉砕、ジェットミル粉砕、空気分級ミル粉砕、ピンミル粉砕、低温粉砕法等を含む、湿式粉砕又は湿式ミル粉砕により行うことができる。ステップi.a)及びステップi.b)は、通常、連続的に行われる。しかし、これらのステップを一緒に行うことも可能である。
【0091】
本発明の別の実施形態において、ステップi)は、粉末の形態のサフルフェナシルを提供することを含み、ここで粉末粒子のd90値は、40μm未満、特に最大30μm又は最大20μmであり、例えば、粒径(d90)は、1~<40μm、特に1~30μm又は1~20μmの範囲である。粉末は、通常、従来の乾式ミル粉砕技術、例えば、空気ミル粉砕により、固体サフルフェナシル、例えば、無水物又は結晶性水和物を所望の粒径を有する粉末に粉末化することによって製造される。次いで、このようにして得られた粉末を水性溶媒又はA群の界面活性剤及び場合により界面活性剤Bの水溶液中に懸濁する。
【0092】
一実施形態において、ポリマー界面活性剤A2は、ステップi)で提供されるサフルフェナシルの懸濁液に、重縮合を始める(starting)か、又は開始する(initiating)か、又は行う(effecting)前に添加され、特に上記懸濁液にアミノプラスト初期縮合物を添加する前に添加される。特に、重縮合を始める前に、ポリマー界面活性剤A2を含有するサフルフェナシルの水性懸濁液を、しばらく、例えば10~180分間保持することが有益であり得、他方、ポリマー界面活性剤A1は、ステップi)の後でのみ添加される。ステップii)において、アミノプラスト初期縮合物はステップi)の水性懸濁液に添加され、これにより、ステップiii)における硬化の際に、固体サフルフェナシル粒子の表面上で重縮合が優先的に起こるため、固体サフルフェナシル粒子を埋め込み又は取り囲む固体の水不溶性アミノプラストポリマーが形成される。
【0093】
最終微粒子組成物中のアミノプラストポリマーの所望の量が得られるように、ステップii)で添加されるアミノプラスト初期縮合物の量を選択する。実際、重縮合中に形成される水の量により質量が減少することを考慮すると、添加される量は微粒子中のアミノプラスト樹脂の量に相当し、該量は、通常、サフルフェナシルに対して及び有機物として算出して、0.5~40重量%、特に1~35重量%、とりわけ5~25重量%の範囲である。
【0094】
ステップii)で添加することができる好適な初期縮合物としては、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を含むメラミン及びホルムアルデヒドの初期縮合物、尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物、チオ尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド初期縮合物及び尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物の混合物を含む、メラミン、尿素及びホルムアルデヒドの初期縮合物(MUF樹脂)、尿素及びグルタルアルデヒドの初期縮合物、ベンゾグアナミン及びホルムアルデヒドの初期縮合物、ジシアンジアミド及びホルムアルデヒドの混合物、並びに尿素-グリオキサル重縮合物が挙げられる。マイクロカプセル化に適したアミノプラスト初期縮合物は公知であり、とりわけ、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第2巻、440~469頁、導入部で引用した先行技術、米国特許第4,918,317号、欧州特許第26914号、欧州特許第218887号、欧州特許第319337号、欧州特許第383337号、欧州特許第415273号、独国特許第19833347号、独国特許第19835114号及び国際公開第01/51197号パンフレットに見出すことができる。好適な初期縮合物、例えば、Cymelタイプ、例えば、限定するものではないが、Cymel (登録商標)303、327、328又は385(Cytecのエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)、Maprenal(登録商標)タイプ、例えば、限定するものではないが、Maprenal(登録商標)MF900w/95、MF915/75IB、MF 920/75WA、MF 921w/85WA(Ineosのエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)、BASF SEのKauramin(登録商標)タイプ、例えば、限定するものではないが、Kauramin(登録商標)783、Kauramin(登録商標)792又はKauramin(登録商標)753(メラミンホルムアルデヒド樹脂)、Kauramin(登録商標)620又はKauramin(登録商標)621(メラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂)、BASF SEのKaurit(登録商標)タイプ、例えば、限定するものではないが、Kaurit(登録商標)210、216、217又は220(尿素ホルムアルデヒド樹脂)、Luracoll(登録商標)タイプ、例えば、Luracoll(登録商標)SD(エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)、Luwipal(登録商標)タイプ、例えば、限定するものではないが、Luwipal(登録商標)063、Luwipal(登録商標)069(エーテル化メラミンホルムアルデヒド樹脂)、又はPlastopal(登録商標)タイプ、例えば、限定するものではないが、Plastopal(登録商標)BTM、Plastopal(登録商標)BTW(エーテル化尿素ホルムアルデヒド樹脂)が市販されている。
【0095】
好適な尿素-ホルムアルデヒド又はチオ尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物において、尿素又はチオ尿素とホルムアルデヒドとのモル比は、一般に、1:0.8~1:4、特に1:1.5~1:4、とりわけ1:2~1:3.5の範囲である。
【0096】
好適なメラミン-ホルムアルデヒド又はメラミン-チオ尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物において、メラミンとホルムアルデヒドとのモル比は、一般に、1:1.5~1:10、特に1:3~1:8、好ましくは1:4~1:6の範囲である。
【0097】
好適なメラミン-ホルムアルデヒド又はメラミン-チオ尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物において、メラミン+尿素又はチオ尿素とホルムアルデヒドとのモル比は、一般に、1:0.8~1:9、特に1:2~1:8、好ましくは1:3~1:6の範囲である。尿素又はチオ尿素とメラミンとのモル比は、通常、5:1~1:50、特に30:1~1:30の範囲である。
【0098】
初期縮合物は、アミノ化合物とアルデヒドとのエーテル化初期縮合物の形態で使用できる。これらのエーテル化初期縮合物において、メチロール基は、アミノ基と、ホルムアルデヒドと、アルカノール又はアルカンジオールとの、特にC1~C4アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール若しくはn-ブタノール、特に、メタノール、又はC2~C4アルカンジオール、例えば、エチレングリコールとの反応により形成される。これらの樹脂のエーテル化度は、典型的には10:1~1:10の範囲、好ましくは2:1~1:5の範囲である、アミノ基とアルカノールとのモル比で調整することができる。
【0099】
初期縮合物は、最も好ましくは、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を含む、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素-ホルムアルデヒド初期縮合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。とりわけ、初期縮合物は、完全又は部分エーテル化メラミンホルムアルデヒド縮合物であり、メラミンに対して少量、例えば、1~20mol-%の尿素を含有し得る。
【0100】
水性懸濁液への初期縮合物の添加は、通常、初期縮合物の水溶液又はアルコール溶液の形態の初期縮合物を水性懸濁液に添加することによるか、又は好適な量の溶解した初期縮合物を混合することにより達成される。好ましくは、水性懸濁液中で初期縮合物の均一な分布を得るために、好適な混合装置、例えば、撹拌機又はインラインミキサーが用いられる。これは、好ましくは溶液の形態の初期縮合物を、サフルフェナシルの水性懸濁液に撹拌しながら添加するのに有益であり得る。好ましくは、初期縮合物の添加は、重縮合反応がゆっくりであるか、又は該反応が起こらない条件下、例えば、水性懸濁液のpHが少なくともpH6、例えば、pH6~pH10の範囲であるか又は温度が30℃を超えないかのいずれか、あるいはその両方の条件下で行われる。
【0101】
アミノプラスト初期縮合物の重縮合は、周知の方法で、例えば、重縮合が反応温度で起こるpHで水性懸濁液を一定の反応温度まで加熱することにより行うことが可能であるか、又は開始することができる。重縮合中、アミノプラスト初期縮合物は、水不溶性アミノプラスト樹脂に変換され、これは、水相から沈殿し、好ましくは固体サフルフェナシル粒子の表面に沈着し、それにより、固体サフルフェナシル粒子を埋め込むか又は取り囲む。したがって、少量のアミノプラスト初期縮合物でも効率的なカプセル化を達成することができる。好ましくは、アミノプラストの重縮合は、pH6未満のpH、特に最大pH5のpH、例えば、pH0~6の範囲、さらに特にpH1~5の範囲又はpH2~4の範囲で行われる。
【0102】
水性懸濁液のpHは、通常、好適な量の有機酸又は無機酸、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、カルボン酸(アルカン酸、アルカン二酸、又はヒドロキシカルボン酸を含む)、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、リンゴ酸又はクエン酸、及びアルキル又はアリールスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸又はトルエンスルホン酸の添加により調整される。水性懸濁液が反応温度に加熱される前に、酸の少なくとも一部、特に大部分が、水性懸濁液中に存在する場合が好ましい。
【0103】
好ましくは、アミノプラスト初期縮合物の重縮合は、高温、特に少なくとも30℃、特に少なくとも40℃又は少なくとも50℃の温度、例えば、30~100℃の範囲、特に40~95℃の範囲、又は50~90℃の範囲の温度で行われる。アミノプラストの重縮合を比較的低温、例えば、30~65℃又は35~60℃の範囲の温度で開始し、次いで、重縮合反応を、例えば、50~100℃又は60~90℃のより高温で完了することが可能であり得る。重縮合を完了する時間は、初期縮合物の反応性、水性懸濁液の温度及びpHに応じて変動し得、1時間~24時間、特に2~12時間かかり得る。好ましくは、重縮合反応は、少なくとも部分的には、少なくとも50℃、特に少なくとも60℃の温度で、例えば、50~100℃、特に60~90℃の範囲の温度で1~8時間行われる。
【0104】
このようにして得られたサフルフェナシル微粒子の水性懸濁液を、塩基の添加により中和してもよい。好ましくは、懸濁液のpHは、少なくとも6のpH、例えば、pH6~10の範囲、特にpH6.5~9.0の範囲のpHに調整される。1つの好ましい実施形態において、使用される塩基は、アンモニア、とりわけ水性アンモニアである。
【0105】
このようにして得られた水性懸濁液から、微粒子を、例えば、濾過又は遠心分離により単離してもよく、又は水性懸濁液を噴霧乾燥、造粒又は凍結乾燥して、粉末又は顆粒の形態の固体組成物を得てもよい。固体組成物を、上記の製剤助剤を用いて再分散又は製剤化してもよい。
【0106】
水性懸濁液は、そのまま使用してもよく、又は、上記の好適な製剤助剤、例えば、増粘剤、アニオン性界面活性剤B、非イオン性界面活性剤及び/又は殺生物剤などを用いて、液体製剤として、例えば、懸濁液として製剤化してもよい
【0107】
本発明は、作物を保護するための本発明の微粒子組成物の使用、並びに望ましくない植生を防除する方法であって、希釈された又は希釈されていない形態の製剤を植物、その環境及び/又は種子に施用することを含む、上記方法にも関する。
【0108】
本発明の組成物は、とりわけ高施用量で非農耕地における植生の極めて良好な防除を提供する。しかし、一般的には、同様の防除を達成するための非カプセル化サフルフェナシルの従来の製剤と比較して、より高い施用量は不要である。
【0109】
作物、例えば、ダイズ、ワタ、ナタネ、アマ、レンズマメ、イネ、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ及び穀物、例えば、トウモロコシ又はコムギ等において、本発明の組成物は、広葉雑草及びイネ科雑草に対して有効であり、非カプセル化サフルフェナシルの従来の製剤と比較して作物への損害が少ない。この効果は、特に低施用量で観察される。更に、本発明の組成物は、非カプセル化サフルフェナシルの従来の製剤の残効性を超える、長期間持続する残効性を提供する。
【0110】
本発明による組成物は、望ましくない植生に対する極めて優れた除草活性、特に、経済的に重要な有害な単子葉雑草及び双子葉雑草の広範囲のスペクトルに対する除草活性を有する。
【0111】
以下に言及するのは、特定種への限定である列挙(enumeration)を伴うことなく、本発明による組成物によって防除することが可能な幾つかの代表的な単子葉雑草及び双子葉雑草である。
【0112】
一実施形態において、本発明による組成物は、単子葉雑草を防除するために使用される。
【0113】
本発明の組成物が効率的に作用する単子葉雑草の例は、ホルデウム属種(Hordeum spp.)、エキノクロア属種(Echinochloa spp.)、ポア属種(Poa spp.)、ブロムス属種(Bromus spp.)、ジギタリア属種(Digitaria spp.)、エリオクロア属種(Eriochloa spp.)、セタリア属種(Setaria spp.)、ペニセタム属種(Pennisetum spp.)、エレウシネ属種(Eleusine spp.)、エラグロスチス属種(Eragrostis spp.)、パニクム属種(Panicum spp.)、ロリウム属種(Lolium spp.)、ブラキリア属種(Brachiaria spp.)、レプトコラ属種(Leptochloa spp.)、アベナ属種(Avena spp.)、シペルス属種(Cyperus spp.)、アキソノプリス属種(Axonopris spp.)、ソルガム属種(Sorghum spp.)、及びメリヌス属種(Melinus spp.)の属から選択される。
【0114】
本発明の組成物が効率的に作用する単子葉雑草の好ましい例は、ムギクサ(ホルデウム・ムリナム(Hordeum murinum))、イヌビエ(エキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli))、スズメノカタビラ(ポア・アニュア(Poa annua))、ブロムス・ルベンスL.(Bromus rubens L.)、ブロムス・リジダス(Bromus rigidus)、ブロムス・セカリヌスL.(Bromus secalinus L.)、ジギタリア・サングイナリス(Digitaria sanguinalis)、ジギタリア・インスラリス(Digitaria insularis)、エリオクロア・グラシリス(Eriochloa gracilis)、セタリア・ファベリ(Setaria faberi)、セタリア・ヴィリディス(Setaria viridis)、ペニセタム・グラウカム(Pennisetum glaucum)、エレウシネ・インディカ(Eleusine indica)、エラグロスチス・ペクチナセア(Eragrostis pectinacea)、パニクム・ミラセウム(Panicum miliaceum)、ロリウム・マルチフロルム(Lolium multiflorum)、ブラキアリア・プラティフィラ(Brachiaria platyphylla)、レプトコラ・フスカ(Leptochloa fusca)、アベナ・ファツア(Avena fatua)、シペルス・コンプレサス(Cyperus compressus)、シペルス・エスクレンテス(Cyperus esculentes)、アキソノプリス・オフィニス(Axonopris offinis)、ソルガム・ハラペンセ(Sorghum halapense)、及びメリヌス・レペンス(Melinus repens)の種から選択される。
【0115】
本発明の組成物が効率的に作用する単子葉雑草のとりわけ好ましい例は、エキノクロア属種(Echinochloa spp.)、ジギタリア属種(Digitaria spp.)、セタリア属種(Setaria spp.)、エレウシネ属種(Eleusine spp.)、及びブラキアリウム属種(Brachiarium spp.)の種から選択される。
【0116】
一実施形態において、本発明の組成物は、双子葉雑草を防除するために使用される。
【0117】
本発明の組成物が効率的に作用する双子葉雑草の例は、アマランサス属種(Amaranthus spp.)、エリゲロン属種(Erigeron spp.)、コニザ属種(Conyza spp.)、ポリゴヌム属種(Polygonum spp.)、メディカゴ属種(Medicago spp.)、モルゴ属種(Mollugo spp.)、シクロスペルムム属種(Cyclospermum spp.)、ステラリア属種(Stellaria spp.)、グナファリウム属種(Gnaphalium spp.)、タラクサカム属種(Taraxacum spp.)、オエノセラ属種(Oenothera spp.)、アムシンキア属種(Amsinckia spp.)、エロジウム属種(Erodium spp.)、エリゲロン属種(Erigeron spp.)、セネシオ属種(Senecio spp.)、ラミウム属種(Lamium spp.)、コキア属種(Kochia spp.)、ケノポディウム属種(Chenopodium spp.)、ラクツカ属種(Lactuca spp.)、マルバ属種(Malva spp.)、イポモエア属種(Ipomoea spp.)、ブラッシカ属種(Brassica spp.)、シナピス属種(Sinapis spp.)、ウルティカ属種(Urtica spp.)、シダ属種(Sida spp.)、ポルツラカ属種(Portulaca spp.)、リカルディア属種(Richardia spp.)、アムブロシア属種(Ambrosia spp.)、カランドリニア属種(Calandrinia spp.)、シシンブリウム属種(Sisymbrium spp.)、セスバニア属種(Sesbania spp.)、カプセラ属種(Capsella spp.)、ソンクス属種(Sonchus spp.)、ユーフォルビア属種(Euphorbia spp.)、ヘリアンサス属種(Helianthus spp.)、コロノプス属種(Coronopus spp.)、サルソラ属種(Salsola spp.)、アブチロン属種(Abutilon spp.)、ビシア属種(Vicia spp.)、エピロビウム属種(Epilobium spp.)、カルダミン属種(Cardamine spp.)、ピクリス属種(Picris spp.)、トリフォリウム属種(Trifolium spp.)、ガリンソガ属種(Galinsoga spp.)、エピメジウム属種(Epimedium spp.)、マルカンティア属種(Marchantia spp.)、ソラヌム属種(Solanum spp.)、オキサリス属種(Oxalis spp.)、メトリカリア属種(Metricaria spp.)、プランタゴ属種(Plantago spp.)、トリブルス属種(Tribulus spp.)、センクルス属種(Cenchrus spp.)、ビデンス属種(Bidens spp.)、ヴェロニカ属種(Veronica spp.)、及びヒポカエリス属種(Hypochaeris spp.)の属から選択される。
【0118】
本発明の組成物が効率的に作用する双子葉雑草の好ましい例は、アマランサス・スピノサス(Amaranthus spinosus)、ポリゴヌム・コンボルブルス(Polygonum convolvulus)、メディカゴ・ポリモルファ(Medicago polymorpha)、モルゴ・ベルティシラータ(Mollugo verticillata)、シクロスペルムム・レプトフィルム(Cyclospermum leptophyllum)、ステラリア・メディア(Stellaria media)、グナファリウム・プルプレウム(Gnaphalium purpureum)、タラクサカム・オフィシナレ(Taraxacum offi cinale)、オエノセラ・ラシニアタ(Oenothera laciniata)、アムシンキア・インテルメディア(Amsinckia intermedia)、エロジウム・シクタリウム(Erodium cicutarium)、エロジウム・モスカツム(Erodium moschatum)、エリゲロン・ボナリエンシス(Erigeron bonariensis(コニザ・ボナリエンシス(Conyza bonariensis)))、セネシオ・ブルガリス(Senecio vulgaris)、ラミウム・アンプレクシカウレ(Lamium amplexicaule)、エリゲロン・カナデンシス(Erigeron canadensis)、ポリゴヌム・アビクラレ(Polygonum aviculare)、コキア・スコパリア(Kochia scoparia)、ケノポディウム・アルブム(Chenopodium album)、ラクツカ・セリオラ(Lactuca serriola)、マルバ・パルビフロラ(Malva parviflora)、マルバ・ネグレクタ(Malva neglecta)、イポモエア・ヘデラセア(Ipomoea hederacea)、イポモエア・ラクノース(Ipomoea lacunose)、ブラッシカ・ニグラ(Brassica nigra)、シナピス・アルベンシス(Sinapis arvensis)、ウルティカ・ジオイカ(Urtica dioica)、アマランサス・ブリトイデス(Amaranthus blitoides)、アマランサス・レトロフレクサス(Amaranthus retroflexus)、アマランサス・ハイブリダス(Amaranthus hybridus)、アマランサス・リビダス(Amaranthus lividus)、シダ・スピノサ(Sida spinosa)、ポルツラカ・オレラセア(Portulaca oleracea)、リカルディア・スカブラ(Richardia scabra)、アムブロシア・アルテミシイフォリア(Ambrosia artemisiifolia)、カランドリニア・カウレッセンス(Calandrinia caulescens)、シシンブリウム・イリオ(Sisymbrium irio)、セスバニア・エクサルタータ(Sesbania exaltata)、カプセラ・ブルサパストリス(Capsella bursa-pastoris)、ソンクス・オレラセウス(Sonchus oleraceus)、ユーフォルビア・マクラート(Euphorbia maculate)、ヘリアンサス・アニュウス(Helianthus annuus)、コロノプス・ディディムス(Coronopus didymus)、サルソラ・トラグス(Salsola tragus)、アブチロン・セオフラスティ(Abutilon theophrasti)、ビシア・ベンガレンシスL.(Vicia benghalensis L. )、エピロビウム・パニクラツム(Epilobium paniculatum)、カルダミン属種(Cardamine spp.)、ピクリス・エキオイデス(Picris echioides)、トリフォリウム属種(Trifolium spp.)、ガリンソガ属種(Galinsoga spp.)、エピメジウム属種(Epimedium spp.)、マルカンティア属種(Marchantia spp.)、ソラヌム属種(Solanum spp.)、オキサリス属種(Oxalis spp.)、マトリカリア・マトリカリオイデス(Metricaria matriccarioides)、プランタゴ属種(Plantago spp.)、トリブルス・テレストリス(Tribulus terrestris)、サルソラ・カリ(Salsola kali)、センクルス属種(Cenchrus spp.)、ビデンス・ビピンナタ(Bidens bipinnata)、ヴェロニカ属種(Veronica spp.)、及びヒポカエリス・ラディカタ(Hypochaeris radicata)の種から選択される。
【0119】
本発明の組成物が効率的に作用する双子葉雑草のとりわけ好ましい例は、アマランサス属種(Amaranthus spp.)、エリゲロン属種(Erigeron spp.)、コニザ属種(Conyza spp.)、コキア属種(Kochia spp.)及びアブチロン属種(Abutilon spp.)の種から選択される。
【0120】
当該施用法に応じて、本発明の製剤を更なる数の作物に付加的に用いて、望ましくない植物を除去することができる。好適な作物は、例えば、以下のとおりである:
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、カラスムギ(Avena sativa)、サトウダイコンのアルチッシマ種(Beta vulgaris spec. altissima)、サトウダイコンのラパ種(Beta vulgaris spec. rapa)、セイヨウアブラナのナパス変種(Brassica napus var. napus)、ルタバガ(Brassica napus var. napobrassica)、ブラッシカ・ラパ変種シルベストリス(Brassica rapa var. silvestris)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、クロガラシ(Brassica nigra)、チャノキ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、コーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica))、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ニンジン(Daucus carota)、ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、ワタ(Gossypium hirsutum)(モクメン(Gossypium arboreum)、シロバナワタ(Gossypium herbaceum)、ベニバナワタ(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、シナノグルミ(Juglans regia)、レンズマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属の種(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バショウ属の種(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(ニコティアナ・ルスティカ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、オウシュウトウヒ(Picea abies)、マツ属の種(Pinus spec.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウマメ(Pisum sativum)、セイヨミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、アンズ(Prunus armeniaca)、スミノミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)及びセイヨウスモモ(Prunus domestica)、スグリ(Ribes sylvestre)、トウゴマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、シロガラシ(Sinapis alba)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ソルガム(Sorghum bicolor)(モロコシ(s. vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、アカツメクサ(Trifolium pratense)、コムギ(Triticum aestivum)、ライコムギ(Triticale)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)。
【0121】
好ましい作物は、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、サトウダイコンのアルチッシマ種(Beta vulgaris spec. altissima)、セイヨウアブラナのナパス変種(Brassica napus var. napus)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、コーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカコーヒーノキ(Coffea liberica))、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ダイズ(Glycine max)、ワタ(Gossypium hirsutum)(モクメン(Gossypium arboreum)、シロバナワタ(Gossypium herbaceum)、ベニバナワタ(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、オオムギ(Hordeum vulgare)、シナノグルミ(Juglans regia)、レンズマメ(Lens culinaris) アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属の種(Malus spec.)、アルファルファ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)(ニコティアナ・ルスティカ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウマメ(Pisum sativum)、アーモンド(Prunus dulcis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ソルガム(Sorghum bicolor)(モロコシ(s. vulgare))、ライコムギ(Triticale)、コムギ(Triticum aestivum)、デュラムコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)及びトウモロコシ(Zea mays)である。
【0122】
とりわけ好ましい作物は、穀類、トウモロコシ、ダイズ、イネ、ナタネ、ワタ、ジャガイモ、ピーナッツ又は永年作物の作物である。
【0123】
更に、本発明の組成物は、遺伝子操作法を含む育種の結果として除草剤の作用に耐性を示す作物にも使用できる。
【0124】
更に、本発明の組成物は、遺伝子操作法を含む育種の結果として昆虫又は菌による攻撃に耐性を示す作物にも使用することができる。
【0125】
本発明の組成物は、植物に新たな形質を与えるため、又は既に存在する形質を改変するために、突然変異誘発又は遺伝子操作により改変された作物にも使用することができる。
【0126】
本明細書中で使用される「作物」という用語は、植物に新たな形質を与えるため又は既に存在する形質を改変するために、突然変異誘発又は遺伝子操作により改変された(作物)植物も包含する。
【0127】
「突然変異誘発」は、植物ゲノムの特定の遺伝子座に変異を生成するために、X線又は変異原性化学物質を用いるランダム突然変異誘発の技術だけでなく、標的化突然変異誘発の技術も包含する。標的化突然変異誘発の技術は、多くの場合、CRISPR/Cas、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALEN又はメガヌクレアーゼなどのオリゴヌクレオチド又はタンパク質を用いて、標的化効果を達成する。
【0128】
遺伝子操作は、通常、組換えDNA技術を用いて、植物ゲノムに、自然環境下においては交雑育種、突然変異誘発又は天然の組換えによっては容易に得られない改変を生じさせる。典型的には、形質を加えるか又は形質を改善するために、1個又は複数の遺伝子が植物のゲノムに組み込まれる。これらの組み込まれた遺伝子は、当技術分野においてトランスジーンとも呼ばれ、他方、このようなトランスジーンを含む植物は、トランスジェニック植物と呼ばれる。植物形質転換の過程は、通常、トランスジーンが組み込まれるゲノム遺伝子座が異なる幾つかの形質転換事象を生じさせる。特定のゲノム遺伝子座に特定のトランスジーンを含む植物は、通常、特定事象名によって呼ばれる特定の「事象(event)」を含むものとして記載される。植物に導入された形質又は改変された形質としては、特に、除草剤耐性、昆虫抵抗性、収量の増加、及び干ばつなどの非生物的条件に対する耐性が挙げられる。
【0129】
除草剤耐性は、突然変異誘発を用いることにより、及び遺伝子操作を用いることによって生成された。従来の突然変異誘発及び育種の方法によりアセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤除草剤に対して耐性にされている植物は、Clearfield(登録商標)の名称の下で市販されている植物品種を包含する。しかしながら、除草剤耐性形質の大部分は、トランスジーンの使用により生成されている。
【0130】
除草剤耐性は、グリホサート、グルホシネート、2,4-D、ジカンバ、オキシニル除草剤(ブロモキシニル及びイオキシニルなど)、スルホニル尿素除草剤、ALS阻害剤除草剤及び4-ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤(イソキサフルトール及びメソトリオンなど)に対して生成されている。
【0131】
除草剤耐性形質を与えるために用いられたトランスジーンは、以下のものを包含する:グリホサートに対する耐性については、cp4 epsps、epsps grg23ace5、mepsps、2mepsps、gat4601、gat4621及びgoxv247、グルホシネートに対する耐性については、pat及びbar、2,4-Dに対する耐性については、aad-1及びaad-12、ジカンバに対する耐性についてはdmo、オキシニル除草剤に対する耐性についてはbxn、スルホニル尿素除草剤に対する耐性については、zm-hra、csr1-2、gm-hra、S4-HrA、ALS阻害剤除草剤に対する耐性についてはcsr1-2、HPPD阻害剤除草剤に対する耐性については、hppdPF、W336及びavhppd-03。
【0132】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックトウモロコシ事象は、例えば、他を排除するものではないが、DAS40278、MON801、MON802、MON809、MON810、MON832、MON87411、MON87419、MON87427、MON88017、MON89034、NK603、GA21、MZHG0JG、HCEM485、VCO-O1981-5(ここでの2番目のOは、原文中はストローク付きOで表記)、676、678、680、33121、4114、59122、98140、Bt10、Bt176、CBH-351、DBT418、DLL25、MS3、MS6、MZIR098、T25、TC1507及びTC6275である。
【0133】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックダイズ事象は、例えば、他を排除するものではないが、GTS 40-3-2、MON87705、MON87708、MON87712、MON87769、MON89788、A2704-12、A2704-21、A5547-127、A5547-35、DP356043、DAS44406-6、DAS68416-4、DAS-81419-2、GU262、SYHTOH2(ここでのOは、原文中はストローク付きOで表記)、W62、W98、FG72及びCV127である。
【0134】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックワタ事象は、例えば、他を排除するものではないが、19-51a、31707、42317、81910、281-24-236、3006-210-23、BXN10211、BXN10215、BXN10222、BXN10224、MON1445、MON1698、MON88701、MON88913、GHB119、GHB614、LLCotton25、T303-3及びT304-40である。
【0135】
除草剤耐性遺伝子を含むトランスジェニックカノーラ事象は、例えば、他を排除するものではないが、MON88302、HCR-1、HCN10、HCN28、HCN92、MS1、MS8、PHY14、PHY23、PHY35、PHY36、RF1、RF2及びRF3である。
【0136】
昆虫抵抗性は主に、殺虫タンパク質の細菌遺伝子を植物に移行させることにより生成された。最も頻繁に用いられたトランスジーンは、cry1A、cry1Ab、cry1Ab-Ac、cry1Ac、cry1A.105、cry1F、cry1Fa2、cry2Ab2、cry2Ae、mcry3A、ecry3.1Ab、cry3Bb1、cry34Ab1、cry35Ab1、cry9C、vip3A(a)、vip3Aa20などのバチルス属種(Bacillus spec.)の毒素遺伝子及びそれらの合成変異体である。しかしながら、植物由来の遺伝子も同様に、他の植物に移行された。特に、CpTI及びpinIIなどのプロテアーゼ阻害剤をコードする遺伝子である。更なるアプローチは、植物において昆虫遺伝子を標的としてダウンレギュレートする二本鎖RNAを生成するためにトランスジーンを用いる。このようなトランスジーンの例は、dvsnf7である。
【0137】
殺虫タンパク質又は二本鎖RNAの遺伝子を含むトランスジェニックトウモロコシ事象は、例えば、他を排除するものではないが、Bt10、Bt11、Bt176、MON801、MON802、MON809、MON810、MON863、MON87411、MON88017、MON89034、33121、4114、5307、59122、TC1507、TC6275、CBH-351、MIR162、DBT418及びMZIR098である。
【0138】
殺虫タンパク質の遺伝子を含むトランスジェニックダイズ事象は、例えば、他を排除するものではないが、MON87701、MON87751及びDAS-81419である。
【0139】
殺虫タンパク質の遺伝子を含むトランスジェニックワタ事象は、例えば、他を排除するものではないが、SGK321、MON531、MON757、MON1076、MON15985、31707、31803、31807、31808、42317、BNLA-601、Event1、COT67B、COT102、T303-3、T304-40、GFM Cry1A、GK12、MLS 9124、281-24-236、3006-210-23、GHB119及びSGK321である。
【0140】
収量の増加は、トウモロコシ事象MON87403に存在するトランスジーンathb17を用いて穂バイオマス(ear biomass)を増加させることにより、又は、ダイズ事象MON87712に存在するトランスジーンbbx32を用いて光合成を高めることによって生成された。
【0141】
改変された油含有量を含む作物は、トランスジーン:gm-fad2-1、Pj.D6D、Nc.Fad3、fad2-1A及びfatb1-Aを用いることによって作出された。これらの遺伝子の少なくとも1つを含むダイズ事象は:260-05、MON87705及びMON87769である。
【0142】
非生物的条件に対する耐性、特に干ばつに対する耐性は、トウモロコシ事象MON87460に含まれるトランスジーンcspBを用いることにより、またダイズ事象IND-OO41O-5(ここでの3つのOは、原文中はストローク付きOで表記)に含まれるトランスジーンHahb-4を用いることによって作出された。
【0143】
形質は、多くの場合、形質転換事象において遺伝子を組み合わせることにより、又は育種過程中に異なる事象を組み合わせることによって組み合わせられる。好ましい形質の組み合わせは、異なる群の除草剤に対する除草剤耐性、異なる種類の昆虫に対する昆虫耐性(特に鱗翅目の昆虫に対する耐性と鞘翅目の昆虫に対する耐性)、除草剤耐性と1つ又は幾つかのタイプの昆虫抵抗性、除草剤耐性と収量の増加、並びに除草剤耐性と非生物的条件に対する耐性の組み合わせである。
【0144】
単一の又は積層された形質を含む植物、並びにこれらの形質を与える遺伝子及び事象は、当技術分野において周知である。例えば、突然変異誘発された遺伝子又は組み込まれた遺伝子及び各事象についての詳細な情報は、組織「国際アグリバイオ事業団(International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications)(ISAAA)」(http://www.isaaa.org/gmapprovaldatabase)及び「環境リスクアセスメントセンター(Center for Environmental Risk Assessment)(CERA)」(http://cera-gmc.org/GMCropDatabase)のウェブサイトから、並びにEP3028573及びWO2017/011288などの特許出願において入手可能である。
【0145】
作物に対する本発明による式(I)の化合物又はそれを含む製剤若しくは組み合わせの使用は、特定の遺伝子又は事象を含む作物に特異的な作用をもたらし得る。これらの作用は、成長挙動の変化又は生物的若しくは非生物的ストレス因子に対する抵抗性の変化を包含し得る。かかる作用は、特に、収量の増大、昆虫、線虫、真菌病原体、細菌病原体、マイコプラズマ病原体、ウイルス病原体又はウイロイド病原体に対する抵抗性又は耐性の増大、並びに早期草勢(early vigour)、早期成熟又は遅延成熟(early or delayed ripening)、耐寒性又は耐熱性、並びにアミノ酸又は脂肪酸のスペクトル又は含有量の変化を包含し得る。
【0146】
更に、組換えDNA技術の使用により、特に原料生産を改善するため、改変量の成分又は新たな成分を含有する植物、例えば増加量のアミロペクチンを生産するジャガイモ(例えばAmflora(登録商標)ジャガイモ、BASF SE、ドイツ)も包含される。
【0147】
更に、本発明の組成物は、ワタ、ジャガイモ、ナタネ、ヒマワリ、ダイズ又はソラマメ(特にワタ)などの作物の植物体部分の落葉及び/又は乾燥にも適していることが見出された。これに関連して、作物の乾燥及び/又は落葉のための製剤及び/又は組み合わせ物、これらの製剤及び/又は組み合わせ物の製造方法、並びに本発明の組成物を用いて植物を乾燥及び/又は落葉させるための方法が見出された。
【0148】
乾燥剤として、本発明の組成物は、作物、例えばジャガイモ、ナタネ、ヒマワリ及びダイズの地上部分だけでなく、穀類の地上部分を乾燥させるのにも特に適している。これにより、これらの重要な作物の完全な機械収穫が可能になる。
【0149】
裂開を一定期間内に集中させることによるか、又は柑橘果実、オリーブ又は他の種、及び様々な仁果類、核果類及び堅果類の品種で木(tree)への付着を低減することにより可能になる、収穫の促進も経済的に興味深い。同じ機構、すなわち、植物の果実部分又は葉部分と枝部分との間の脱離組織の発達の促進も、有用植物、特にワタの落葉の制御に必須である。
【0150】
更に、個々のワタ植物が成熟する期間間隔の短縮は、収穫後の線維品質の向上をもたらす。
【0151】
更に、本発明の組成物は、針葉樹、特に、自生する針葉樹苗の管理、及び具体的には自生するマツ苗の管理にも適していることが見出された。
【0152】
一般に、本明細書に記載される本発明の組成物は、望ましくない植生を駆除するために有用である。この目的のため、組成物をそのまま施用してもよく、又は好ましくは水での希釈後に施用する。好ましくは、様々なエンドユーザーの施用の目的のために、本発明の組成物を水、例えば、水道水で希釈することにより、いわゆる水性噴霧液が調製される。噴霧液は、溶解、乳化又は懸濁した形態の更なる成分、例えば、肥料、他の群の除草剤の活性物質又は成長調節活性物質、更なる活性物質、例えば、動物有害生物又は植物病原性菌類若しくは細菌を防除するための活性物質、更に、栄養及び微量元素不足を緩和するために用いられる更なる無機塩、並びに非植物毒性油又は油濃縮物を含んでいてもよい。通例、これらの成分は、本発明による組成物の希釈前、希釈中又は希釈後に噴霧混合物に添加される。
【0153】
本発明の組成物は、出芽前又は出芽後方法により施用することができる。サフルフェナシルが、特定の作物に十分に耐容されない場合、この感受性作物の葉が理想的にはこれらと接触せず、活性物質が、その下で成長している望ましくない植物の葉又は露出土壌表面に達するような方法で、噴霧装置を用いて除草剤組成物を噴霧する施用技術が使用できる(散布後(post-directed)、レイバイ(lay-by))。
【0154】
防除手段の目的、季節、標的植物及び成長段階に応じて、本発明の組成物は、サフルフェナシルの施用量が、0.001~3.0、好ましくは0.01~1.0kg/ha活性物質(a.s.)であるような程度まで施用される。
【0155】
作用スペクトルを広げるため、及び相乗効果を得るために、本発明の組成物を、多くの代表的な他の群の除草剤又は成長調節活性物質と混合し、これらと一緒に施用することができる。
【0156】
好適な混合パートナーの例としては、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、アミド、アミノリン酸及びその誘導体、アミノトリアゾール、アニリド、アリールオキシ/ヘテロアリールオキシアルカン酸及びその誘導体、安息香酸及びその誘導体、ベンゾチアジアジノン、2-(ヘタロイル/アロイル)-1,3-シクロヘキサンジオン、ヘテロアリールアリールケトン、ベンジルイソオキサゾリジノン、メタ-CF3-フェニル誘導体、カルバメート、キノリンカルボン酸及びその誘導体、クロロアセトアニリド、シクロヘキセノンオキシムエーテル誘導体、ジアジン、ジクロロプロピオン酸及びその誘導体、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロフラン-3-オン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、ジピリジル、ハロカルボン酸及びその誘導体、尿素、3-フェニルウラシル、イミダゾール、イミダゾリノン、N-フェニル-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド、オキサジアゾール、オキシラン、フェノール、アリールオキシ及びヘテロアリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル、フェニル酢酸及びその誘導体、2-フェニルプロピオン酸及びその誘導体、ピラゾール、フェニルピラゾール、ピリダジン、ピリジンカルボン酸及びその誘導体、ピリミジルエーテル、スルホンアミド、スルホニル尿素、トリアジン、トリアジノン、トリアゾリノン、トリアゾールカルボキサミド並びにウラシルがある。
【0157】
本発明の組成物をタンクミックスパートナーとして他の製剤と共に使用することも可能である。したがって、本発明の組成物は、多くの異なる殺有害生物剤化合物製剤、例えば、有効成分又はアジュバント、例えば、アトラジン、グリホサート、グルホシネート、S-メトラクロール、2,4-Dエステル、イソキサフルトール、ジフルフェンゾピル、ジカンバ、メソトリオン、ジメテナミド-P、ペンジメタリン、イマゼタピル、パラフィンオイル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ポリオール脂肪酸エステル、エトキシル化アルキルアリールホスフェート、メチル化種子油、乳化剤、硫酸アンモニウム又はこれらの混合物を含むものと一緒に混合及び施用できる。
【0158】
更に、本発明のサフルフェナシル含有組成物を、個別に又は他の除草剤と組み合わせて、より更なる植物保護剤、例えば、有害生物、又は植物病原性菌類若しくは細菌を防除するための薬剤との混合物として一緒に施用することが有用であり得る。栄養及び微量元素不足を緩和するために用いられる無機塩溶液との混和性も興味深い。
【0159】
非植物毒性油及び油濃縮物を添加してもよい。
【0160】
本発明は、以下の利点を提供する:
本発明は、容易且つ経済的に実施される。
【0161】
本発明による組成物は、広範囲の他の殺有害生物剤及びその製剤、特に少なくとも1g/lの水への溶解度を有する除草剤、例えばオーキシン、ベンタゾン、ジコート及びパラコート、並びにそれらの製剤と相溶性がある。特に、ジカンバ、グリホサート、グルホシネート、MCPA、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、ベンタゾン、ジコート及びパラコート並びにそれらの製剤との相溶性が達成される。
【0162】
本発明による組成物は、それらの生物学的有効性を維持しながら、長期の保存期間にわたる高い物理的安定性及び化学的安定性の両方を示す。
【0163】
水で希釈すると、本発明による組成物は、サフルフェナシルの安定した水性組成物を与え、粗物質又は上清液を全く形成しないか、又はほんのわずかしか形成しない。
【0164】
以下の実施例は、いかなる方法によってもその範囲を限定することなく本発明を更に例示することが意図される。
【実施例
【0165】
I. 分析:
粒径分布(PSD)を、欧州規格ISO13320ENに従ってMalvern Mastersizer200を用いて、静的レーザー散乱法により決定した。データを、Malvern Instrumentsにより提供される「ユニバーサルモデル」を用いたソフトウェアによりミー理論に従って処理した。重要なパラメーターは、n=10、50及び90のdn-値、d10、d50及びd90である。
【0166】
最終分散剤の固体含有量は、小プローブの水性懸濁液の揮発性物質を105℃のオーブンで2時間蒸発させることにより測定した。実施例に示した値は、3つの並列実験からの平均値である。
【0167】
II. 成分:
消泡剤1:シリコーンオイルエマルションをベースとする消泡剤
消泡剤2:ポリジメチルシロキサンを含む消泡剤エマルション
殺生物剤1:メチルイソチアゾリノン及びクロロメチルイソチアゾリノンを含む水性殺生物製剤
殺生物剤2:ベンズイソチアゾリノンを含むグリコールベースの殺生物製剤
殺生物剤3:2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオールを含む殺生物製剤
キサンタンガム
アジュバント1:メチル化種子油、アルキルフェノールエトキシレート
非イオン性界面活性剤1:トリスチリルフェノールアルコキシレートを含む非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤2:PEO-PPO-PEO型の非イオン性界面活性剤、PPOブロックのMw 3250g/mol、分子上のポリエチレングリコールのパーセント 50重量%
アニオン性界面活性剤A1-1:リグノスルホン酸ナトリウム、表1参照
アニオン性界面活性剤A1-2:リグノスルホン酸ナトリウム、表1参照
アニオン性界面活性剤A1-3:リグニン、スルホメチル化、表1参照
アニオン性界面活性剤A1-4:リグノスルホン酸ナトリウム、表1参照
アニオン性界面活性剤A1-5:リグノスルホン酸ナトリウム、表1参照
界面活性剤A2-1:pH2.5~4を有するポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)ナトリウム塩の20%水溶液;(CAS 55141-01-0又は35641-59-9)
初期縮合物P1:エーテル化メラミンホルムアルデヒド初期縮合物の70%w/w水溶液、CAS 68002-20-0
Roundup(登録商標)Powermax II除草剤:市販のグリホサートカリウムの水溶液、1リットル当たり含量540グラムのグリホサート(グリホサート酸として算出した)
Engenia(登録商標)除草剤:ジカンバのN,N,ビス-(3-アミノピラミン)メチルアミン塩の市販の水溶液、1リットル当たり含量600グラムのグリホサート(ジカンバ酸として算出した)
Roundup WeatherMAX除草剤:グリホサートカリウムの市販の水溶液、1リットル当たり含量540グラムのグリホサート(グリホサート酸として算出した)
Honcho(登録商標)plus除草剤:グリホサートのイソプロピルアンモニウム塩の市販の水溶液、1リットル当たり含量356グラムのグリホサート(グリホサート酸として算出した)。
【0168】
III. 本発明の組成物の製造:
a) 懸濁液プレミックス
4.1kgのサフルフェナシル原体有効成分(tgai)(純度97.5%)を、静的レーザー散乱による粒径が1.1μmのd50に達するまで(装置:Malvern 3000、ソフトウェア:V3.63、散乱モデル:フラウンホーファー(Fraunhofer)、分析モデル:ユニバーサル(universal))、80gのラウリル硫酸ナトリウム、それぞれ8.0gの殺生物剤1、16.0gの殺生物剤2及び6.4gの殺生物剤3、4.0gの消泡剤1、4.5gのクエン酸及び3.78kgの水を含有する水相中のビーズ粉砕に供した。
【0169】
b) カプセルプレミックス
280gの上記の懸濁液プレミックスを、52gの界面活性剤A2-1の20重量%溶液、次いで59gの初期縮合物P1と混合し、最後に32gのクエン酸の10重量%水溶液と混合した。このプレミックスを、撹拌の際に+80℃に加熱し、+80℃で2時間保持し、その後室温に冷却した。d50=4.6μmを有するマイクロカプセル懸濁液が生じた(装置:Malvern 3000、ソフトウェア:V3.63、散乱モデル:フラウンホーファー(Fraunhofer)、分析モデル:ユニバーサル(universal))
【0170】
c) カプセル製剤
10gの上記のカプセルプレミックスに、以下の表による0.5gのポリマー界面活性剤を添加し、この懸濁液を30分間撹拌することにより平衡化した。5つの安定したカプセル製剤、CS1~CS5が生じた。
【0171】
【表1】
【0172】
d) 混和性試験
農業従事者によるタンク混合をシミュレートするため、0.7gの上記のCS1~CS5をそれぞれ、100mlのCIPAC D水中に分散させ、次いで2.1mlのRoundup Powermax II除草剤を添加し、振盪して、混合物を24時間熟成させた。その後、この流体を150μm篩上に注ぎ、篩上に残った残留物を目視で評価した。
【0173】
【表2】
【0174】
e) 相溶性の最終確認
カプセル製剤CS6:
段落b)に記載した700gのカプセルプレミックスを、1.6gの殺生物剤2、0.6gの殺生物剤3、0.8gの殺生物剤1、4.2gの消泡剤2、25gの非イオン性界面活性剤2、50gのアニオン性界面活性剤A1-3、2.5gのキサンタン、35gの酢酸アンモニウム、24gの25%水性アンモニア、及び260gの水で完成させて、サフルフェナシル製剤CS6を形成した。
【0175】
製剤CS6を100gのCIPAC D水中に分散させて、試験添加物を以下の表に従って添加し、次いで水性懸濁液を2時間熟成させ得、最後に150μm篩に注いだ。再度、篩上に残った残留物を目視で評価した。
【0176】
【表3】
【0177】
f) カプセル製剤CS7:
段落b)に記載した700gのカプセルプレミックスを、1.6gの殺生物剤2、0.6gの殺生物剤3、0.8gの殺生物剤1、4.2gの消泡剤2、25gの非イオン性界面活性剤1、50gのアニオン性界面活性剤A1-2、2.5gのキサンタン、35gの酢酸アンモニウム、24gの25%水性アンモニア、及び260gの水で完成させて、サフルフェナシル製剤CS7を形成した。
【0178】
製剤CS7を100gのCIPAC D水中に分散させて、試験添加物を以下の表に従って添加し、次いで水性懸濁液を2時間熟成させ得、最後に150μm篩に注いだ。再度、篩上に残った残留物を目視で評価した。
【0179】
【表4】
【0180】
g) カプセル製剤CS8:
段落b)に記載した700gのカプセルプレミックスを、1.6gの殺生物剤2、0.6gの殺生物剤3、0.8gの殺生物剤1、4.2gの消泡剤2、25gの非イオン性界面活性剤2、50gのアニオン性界面活性剤A1-1、2.5gのキサンタン、35gの酢酸アンモニウム、24gの25%水性アンモニア、及び260gの水で完成させて、サフルフェナシル製剤CS8を形成した。
【0181】
製剤CS8を100gのCIPAC D水中に分散させ、試験添加物を以下の表に従って添加し、次いで水性懸濁液を2時間熟成させ得、最後に150μm篩に注いだ。再度、篩上に残った残留物を目視で評価した。
【0182】
【表5】
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
サフルフェナシルを含む微粒子組成物であって、サフルフェナシルが、1種以上のアミノ化合物及び1種以上のアルデヒドの重縮合生成物であるアミノプラストポリマーに取り囲まれた又は埋め込まれた固体サフルフェナシルを含む微粒子の形態で存在し、リグノスルホン酸、エトキシル化リグノスルホン酸又は酸化リグニンなどの少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aを更に含み、前記リグノスルホン酸Aが少なくとも10,000Daの平均分子量MWを有する、前記微粒子組成物。
[実施形態2]
前記少なくとも1種のリグニンベースのスルホン酸Aが、1キログラムの前記リグノスルホン酸A当たり1.0~2.5molのスルホン化度を有する、実施形態1に記載の組成物。
[実施形態3]
スルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和モノマーM1の、場合によりモノマーM1とは異なる1種以上のコモノマーM2とのホモポリマー又はコポリマーである少なくとも1種のアニオン性界面活性剤A2を更に含む、実施形態1又は2のいずれかに記載の組成物。
[実施形態4]
ラウリルサルフェートなどのアルキルサルフェートを更に含む、実施形態1~3のいずれかに記載の組成物。
[実施形態5]
アミノプラストポリマーが、メラミンホルムアルデヒド樹脂及び尿素ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
[実施形態6]
微粒子組成物中のアミノプラストポリマーの量が、アミノプラストポリマー及びサフルフェナシルの総重量に対して0.5~40重量%、特に1~35重量%、とりわけ5~25重量%である、実施形態1~5のいずれかに記載の組成物。
[実施形態7]
微粒子が、マイクロカプセルの水性分散剤の動的光散乱で決定したとき、1~25μmの範囲の重量平均粒径d 50 を有する、実施形態1~6のいずれかに記載の組成物。
[実施形態8]
微粒子が、マイクロカプセルの水性分散剤の動的光散乱で決定したとき、50μm超の粒径を有する粒子を10重量%未満含む、実施形態1~7のいずれかに記載の組成物。
[実施形態9]
微粒子の水性懸濁液である、実施形態1~8のいずれかに記載の組成物。
[実施形態10]
微粒子の固体組成物である、実施形態1~9のいずれかに記載の組成物。
[実施形態11]
植物保護組成物の製剤に従来用いられている1種以上の助剤を含有する、実施形態1~10のいずれかに記載の組成物。
[実施形態12]
実施形態1~11のいずれかに記載の組成物を製造する方法であって、以下のステップ
i) 固体サフルフェナシル粒子の水性懸濁液又は分散剤を提供するステップ、
ii) アミノプラスト初期縮合物を前記水性懸濁液に添加するステップ、
iii) 前記アミノプラスト初期縮合物の重縮合を行うステップ
を含む、前記方法。
[実施形態13]
水性懸濁液又は分散剤中のサフルフェナシル粒子が、動的光散乱で決定したとき、0.5~25μmの範囲の重量平均粒径d 50 を有する、実施形態12に記載の方法。
[実施形態14]
望ましくない植生を防除するための、実施形態1~11のいずれかに記載の微粒子組成物の使用。
[実施形態15]
望ましくない植生を防除する方法であって、実施形態1~11のいずれかに記載の微粒子組成物を、植物、その環境及び/又は種子に作用させる、前記方法。