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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】検査室システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240805BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20240805BHJP
【FI】
G16H40/20
H04L67/12
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022090405
(22)【出願日】2022-06-02
(65)【公開番号】P2022186660
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】21382497.2
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル リラ ルエダ
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204537(JP,A)
【文献】特開2013-178825(JP,A)
【文献】特開2007-082888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
H04L 67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査室システムであって、
検査室機器と、
前記検査室機器からデータを受信して処理するように構成され、検査室管理モジュール通信プロトコルに従って機器データ処理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するように構成された検査室管理モジュールであって、前記機器データ処理モジュールが前記検査室機器から分析データを取得して処理するように構成され、機器通信プロトコルに従って前記検査室管理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するように構成されている、検査室管理モジュールと、
を備え、
前記検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと前記機器データ処理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルとを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
メッセージ変換モジュールであって、
前記検査室管理モジュール通信プロトコルが、前記機器データ処理モジュールによってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がない、又は
前記機器通信プロトコルが、前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がない
と判定された場合に、前記機器データ処理モジュール及び前記検査室管理モジュールの一方から送信される前記メッセージ又は各メッセージを、前記検査室管理モジュール及び前記機器データ処理モジュールのもう一方によってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
をさらに備え、
前記機器データ処理モジュールが、前記機器通信プロトコルが前記検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを前記機器通信プロトコルに従って前記検査室管理モジュールに送信するように構成され、且つ/又は
前記検査室管理モジュールが、前記検査室管理モジュール通信プロトコルが前記機器データ処理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを前記検査室管理モジュール通信プロトコルに従って前記機器データ処理モジュールに送信するように構成されている、
検査室システム。
【請求項2】
前記プロトコル識別モジュール及び前記メッセージ変換モジュールが、前記検査室管理モジュール、前記検査室機器、又は、前記検査室管理モジュールと前記検査室機器の両方に接続された中間装置、の内部に配置されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項3】
前記検査室管理モジュールが、検査室情報システムの一部を形成するか、又は検査室情報システムに接続されたミドルウェアである、請求項1又は2に記載の検査室システム。
【請求項4】
前記機器データ処理モジュールが、機器データモデルを使用して前記検査室機器から分析データを取得して処理するように構成され、
前記メッセージ変換モジュールが、前記機器データモデルが前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がないないと判定された場合に、前記分析データを前記機器データモデルから前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルと互換性があるデータモデルに変換するようにさらに構成され、
前記機器データ処理モジュールが、前記機器データモデルが前記検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、前記検査室機器から取得した前記分析データを前記機器データモデルで前記検査室管理モジュールに送信するように構成されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項5】
前記検査室機器が、分析前機器、分析器、又は分析後機器のうちの1つである、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項6】
前記プロトコル識別モジュールが、前記検査室管理モジュール及び前記機器データ処理モジュールのいずれか又は両方から、前記検査室管理モジュール、前記機器データ処理モジュール、又は両方によってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルの指示を含むステータスインジケータを受信するように構成されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項7】
前記検査室管理モジュール、前記機器データ処理モジュール、又は前記プロトコル識別モジュールが、前記検査室管理モジュール又は前記機器データ処理モジュールの一方又は両方に、前記検査室管理モジュール又は前記機器データ処理モジュールがサポートする前記1つ又は複数の通信プロトコルの指示で応答するように要求する照会メッセージを送信するように構成されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項8】
前記メッセージ変換モジュールが、前記機器通信プロトコル又は前記検査室管理モジュール通信プロトコルから、ヘルスレベル7(HL7)プロトコル、ASTM-LIS2-A2プロトコル、POCT1-Aプロトコル、又は高速ヘルスケア相互運用性リソース(FHIR)プロトコルのうちのいずれか1つに変換するように構成されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項9】
前記検査室機器がユーザ入力モジュールを含み、前記機器データ処理モジュールが、前記ユーザ入力モジュールを介して接続を確立するように促されたときに、前記検査室管理モジュールへの接続を確立するように構成されている、請求項1に記載の検査室システム。
【請求項10】
検査室通信エンジンであって、
コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュールと検査室管理モジュールとの間の接続を確立するように構成された通信モジュールと、
前記機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと前記検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルとを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
メッセージ変換モジュールであって、
前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記通信プロトコルが、前記機器データ処理モジュールによってサポートされる前記通信プロトコルと互換性がない、又は
前記機器データ処理モジュールによってサポートされる前記通信プロトコルが、前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記通信プロトコルと互換性がない
と判定された場合に、前記機器データ処理モジュール及び前記検査室管理モジュールの一方から送信されるメッセージを、前記検査室管理モジュール及び前記機器データ処理モジュールのもう一方によってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
を備え、
前記通信モジュールが、機器通信プロトコルが前記検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを前記機器通信プロトコルに従って前記検査室管理モジュールに送信するように構成され、且つ/又は
前記通信モジュールが、検査室管理モジュール通信プロトコルが前記機器データ処理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを前記検査室管理モジュール通信プロトコルに従って前記機器データ処理モジュールに送信するように構成されている、
検査室通信エンジン。
【請求項11】
前記検査室通信エンジンが、検査室機器、前記検査室管理モジュール、又は、検査室機器と前記検査室管理モジュールに接続された中間装置、の内部に設置されている、請求項10に記載の検査室通信エンジン。
【請求項12】
前記検査室通信エンジンが、コンピュータソフトウェアとして実装され、機械実行可能命令を含む非一過性コンピュータ可読記憶媒体に記憶されており、前記機械実行可能命令は、プロセッサ上で実行されると、前記通信モジュール、プロトコル識別モジュール、及びメッセージ変換モジュールを実装する、請求項10又は11に記載の検査室通信エンジン。
【請求項13】
前記プロトコル識別モジュールが、前記検査室管理モジュール若しくは前記機器データ処理モジュールのいずれか、又は両方から、前記検査室管理モジュール、前記機器データ処理モジュール、又は両方によってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルの指示を含むステータスインジケータを受信するように構成されている、請求項10に記載の検査室通信エンジン。
【請求項14】
前記通信モジュールが、前記検査室管理モジュール若しくは前記機器データ処理モジュールのいずれか、又は両方に照会メッセージを送信して、前記検査室管理モジュール又は前記機器データ処理モジュールがサポートする1つ又は複数の通信プロトコルの指示で応答することを要求するように構成される、請求項10に記載の検査室通信エンジン。
【請求項15】
検査室管理モジュールに接続可能な検査室機器であって、
分析データを取得して処理し、機器通信プロトコルに従って前記検査室管理モジュールに送信されるメッセージを生成するように構成された機器データ処理モジュールと、
前記検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
前記機器通信プロトコルが前記検査室管理モジュールによってサポートされる前記1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がないと判定された場合、前記検査室管理モジュールに送信される前記メッセージを前記検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
を備え、
前記機器データ処理モジュールが、前記機器通信プロトコルが検査室管理モジュール通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、生成されたメッセージを前記機器通信プロトコルで前記検査室管理モジュールに送信するように構成されている、
検査室機器。
【請求項16】
コンピュータ実装方法であって、
通信モジュールによって、コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュールと検査室管理モジュールとの間の接続を確立するステップと、
プロトコル識別モジュールによって、前記機器データ処理モジュールによってサポートされる機器通信プロトコルと前記検査室管理モジュールによってサポートされる検査室管理モジュール通信プロトコルとを識別するステップと、
前記機器通信プロトコルが前記検査室管理モジュール通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、前記通信モジュールによって、前記機器通信プロトコルで前記機器データ処理モジュールから前記検査室管理モジュールにメッセージを送信するステップ、及び
前記検査室管理モジュール通信プロトコルが前記機器通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、前記通信モジュールによって、前記検査室管理モジュール通信プロトコルで前記検査室管理モジュールから前記機器データ処理モジュールにメッセージを送信するステップ、
の一方又は両方と、
を含むコンピュータ実装方法。
【請求項17】
1つ又は複数のプロセッサ上で実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項16に記載の方法を実行させる機械実行可能命令を含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
請求項10に記載の検査室通信エンジンが設置された検査室であって、前記検査室管理モジュールが、複数の、請求項15に記載の検査室機器に接続されており、前記検査室通信エンジンが、前記検査室内で、前記検査室機器、前記検査室管理モジュール、又は、前記検査室機器と前記検査室管理モジュールに接続された中間装置、の内部に設置されている、検査室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査室システム、検査室通信エンジン、検査室機器、コンピュータ実装方法、非一過性コンピュータ可読記憶媒体、及び検査室に関する。
【背景技術】
【0002】
検査室情報管理システム(LIMS)は、検査室情報システム(LIS)又は検査室管理システム(LMS)とも呼ばれ、検査室の運営をサポートするソフトウェアベースのソリューションである。例えば、これらのソフトウェアシステムは、ワークフロー及びデータの追跡管理、並びに検査室内の試料の追跡及び管理を容易にする。
【0003】
例えば、多数の検査室機器を含む検査室では、これらの機器は、結果をLISに報告して、クライアント又は臨床医にさらに配布するようにする。同様に、機器は、試料をどのように処理すべきかに関するLISからの命令、又は他のワークフロー関連命令を受信する。
【0004】
LISと検査室機器とが効率的に通信することが望まれ、そのために多くの場合検査室ミドルウェアが展開される。検査室ミドルウェアは、各検査室機器とLISとの中間にソフトウェアベースで提供される。検査室ミドルウェアは、あるプロバイダからのLISが別のプロバイダからの機器で確実に動作可能となるように役立つことができる。
【0005】
検査室ミドルウェアは、多くの場合、標準通信プロトコル(例えば、ヘルスレベル7プロトコル又はASTM-LIS2-A2プロトコル)を利用して、機器とLISとの間の相互運用性を提供する。しかしながら、これらの標準は、所与の機器の特定のニーズ又は能力をモデル化することができない。したがって、機器のメーカは、標準通信プロトコルのシンタックスの制約下で、可能な限り多くの関連情報をLISに含めるために、標準を独自に解釈することになる。その場合、機器又は検査室ミドルウェアは、LISに送信(又はその逆に)されるあらゆるメッセージを、内部通信プロトコルから、メッセージの受信側がサポートするこれらの標準通信プロトコルのいずれかに変換する必要がある。
【0006】
米国特許第9,268,619号は、接続ドライバを使用して分析機器とクライアントとの間で通信する方法を提案している。接続ドライバは、分析機器又はクライアントからのすべてのメッセージを、相手側で使用するのに適したフォーマットに変換する。
【0007】
しかしながら、このような変換は計算コストが高い。さらに、(LISから見た)機器の見かけ上の機能性は、標準通信プロトコルのシンタックスで表現され得るものに限定される。
【発明の概要】
【0008】
したがって、第1の態様では、本発明の実施形態は、検査室システムであって、
検査室機器と、
検査室機器からデータを受信して処理し、検査室管理モジュール通信プロトコルに従って機器データ処理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するように構成された検査室管理モジュールであって、機器データ処理モジュールが検査室機器から分析データを取得して処理し、機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するように構成されている、検査室管理モジュールと、
を備え、
検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと機器データ処理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルとを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
メッセージ変換モジュールであって、
検査室管理モジュール通信プロトコルが、機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がない、又は
機器通信プロトコルが、検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がない
と判定された場合に、機器データ処理モジュール及び検査室管理モジュールの一方から送信されるメッセージ又は各メッセージを、検査室管理モジュール及び機器データ処理モジュールのもう一方によってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
をさらに備え、
機器データ処理モジュールが、機器通信プロトコルが検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信するように構成され、且つ/又は
検査室管理モジュールが、検査室管理モジュール通信プロトコルが機器データ処理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを検査室管理モジュール通信プロトコルに従って機器データ処理モジュールに送信するように構成されている、
検査室システムを提供する。
【0009】
このようなシステムは、メッセージが検査室機器から検査室管理モジュールに、又はその逆に送信されるときの計算負荷を低減することができ、さらに、検査室管理モジュールに対する検査室機器の見かけ上の機能性を高めることができる。
【0010】
ここで、任意の特徴について説明する。これらは、単独で、又は本発明の任意の態様と任意に組み合わせて適用することができる。
【0011】
プロトコル識別モジュール及びメッセージ変換モジュールは、検査室管理モジュール、検査室機器、又は、検査室管理モジュールと検査室機器の両方に接続された中間装置、の内部に配置されてもよい。プロトコル識別モジュール及びメッセージ変換モジュールは、これらのいずれか1つの上で動作するコンピュータソフトウェアとして実装されてもよい。
【0012】
検査室管理モジュールは、検査室情報システムの一部を形成することができ、又は検査室管理システムに接続されたミドルウェアであってもよい。
【0013】
機器データ処理モジュールは、機器データモデルを使用して、検査室機器から分析データを取得して処理するように構成されてもよく、
メッセージ変換モジュールは、機器データモデルが検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がないと判定された場合に、分析データを機器データモデルから検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと互換性があるデータモデルに変換するようにさらに構成されてもよく、
機器データ処理モジュールは、機器データモデルが検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、検査室機器から取得した分析データを機器データモデルで検査室管理モジュールに送信するように構成されてもよい。
【0014】
検査室機器は、分析前機器、分析器、又は分析後機器のうちの1つであってもよい。複数の検査室機器があってもよい。
【0015】
プロトコル識別モジュールは、検査室管理モジュール及び機器データ処理モジュールのいずれか又は両方から、検査室管理モジュール、機器データ処理モジュール、又は両方によってサポートされる1つ若しくは複数の通信プロトコルの指示を含むステータスインジケータを受信するように構成されてもよい。
【0016】
検査室管理モジュール、機器データ処理モジュール、又はプロトコル識別モジュールは、検査室管理モジュール又は機器データ処理モジュールの一方若しくは両方に、検査室管理モジュール又は機器データ処理モジュールがサポートする1つ又は複数の通信プロトコルの指示で応答することを要求する照会メッセージを送信するように構成されてもよい。
【0017】
メッセージ変換モジュールは、機器通信プロトコル又は検査室管理モジュール通信プロトコルを、ヘルスレベル7(HL7)プロトコル、ASTM-LIS2-A2プロトコル、POCT1-Aプロトコル、又は高速ヘルスケア相互運用性リソース(FHIR)プロトコルのうちのいずれか1つに変換するように構成されてもよい。
【0018】
検査室機器は、ユーザ入力モジュールを含んでもよく、機器データ処理モジュールは、ユーザ入力モジュールを介して接続を確立するように促されたときに検査室管理モジュールへの接続を確立するように構成されてもよい。
【0019】
メッセージ変換モジュールは、
機器通信プロトコルが検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がないと判定された場合、機器データ処理モジュールから検査室管理モジュールに送信されるメッセージ又は各メッセージを、検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルに変換し、
検査室管理モジュール通信プロトコルが機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がないと判定された場合、検査室管理モジュールから機器データ処理モジュールに送信されるメッセージ又は各メッセージを、機器データ処理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルに変換するように構成されてもよい。
【0020】
第2の態様では、本発明の実施形態は、検査室通信エンジンであって、
コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュールと検査室管理モジュールとの間の接続を確立するように構成された通信モジュールと、
機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルとを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
メッセージ変換モジュールであって、
検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルが、機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がない、又は
機器データ処理モジュールによってサポートされる通信プロトコルが、検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルと互換性がない
と判定された場合に、機器データ処理モジュール及び検査室管理モジュールの一方から送信されるメッセージを、検査室管理モジュール及び機器データ処理モジュールのもう一方によってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
を備え、
通信モジュールが、機器通信プロトコルが検査室管理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信するように構成され、且つ/又は
通信モジュールが、検査室管理モジュール通信プロトコルが機器データ処理モジュールによってサポートされていると判定された場合に、その生成された1つ又は複数のメッセージを検査室管理モジュール通信プロトコルに従って機器データ処理モジュールに送信するように構成されている、
検査室通信エンジンを提供する。
【0021】
このような通信エンジンは、メッセージが検査室機器から検査室管理モジュールに、又はその逆に送信されるときの計算負荷を低減することができ、検査室管理モジュールに対する検査室機器の見かけ上の機能性をさらに高めることができる。
【0022】
検査室通信エンジンは、検査室機器、検査室管理モジュール、又は、検査室機器と検査室管理モジュールに接続された中間装置、の内部にインストールされてもよい。
【0023】
検査室通信エンジンは、コンピュータソフトウェアとして実装されてもよく、機械実行可能命令を含む非一過性コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、機械実行可能命令は、プロセッサ上で実行されると、通信モジュール、プロトコル識別モジュール、及びメッセージ変換モジュールを実装する。実装とは、説明した機能を提供するソフトウェアをインストールし、動作させることを意味することができる。
【0024】
プロトコル識別モジュールは、検査室管理モジュール若しくは機器データ処理モジュールのいずれか、又は両方から、検査室管理モジュール、機器データ処理モジュール、又は両方によってサポートされる1つ若しくは複数の通信プロトコルの指示を含むステータスインジケータを受信するように構成されてもよい。
【0025】
通信モジュールは、検査室管理モジュール又は機器データ処理モジュールのいずれか、又は両方に照会メッセージを送信して、検査室管理モジュール又は機器データ処理モジュールがサポートする1つ又は複数の通信プロトコルの指示で応答することを要求するように構成されてもよい。
【0026】
第3の態様では、本発明の実施形態は、検査室管理モジュールに接続可能な検査室機器であって、
分析データを取得して処理し、機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信されるメッセージを生成するように構成された機器データ処理モジュールと、
検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルを識別するように構成されたプロトコル識別モジュールと、
機器通信プロトコルが検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと互換性がないと判定された場合、検査室管理モジュールに送信されるメッセージを検査室管理モジュールによってサポートされる通信プロトコルに変換するように構成されたメッセージ変換モジュールと、
を備え、
機器データ処理モジュールが、機器通信プロトコルが検査室管理モジュール通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、生成されたメッセージを機器通信プロトコルで検査室管理モジュールに送信するように構成されている、
検査室機器を提供する。
【0027】
このような検査室機器エンジンは、メッセージが検査室機器から検査室管理モジュールに、又はその逆に送信されるときの計算負荷を低減することができ、検査室管理モジュールに対する検査室機器の見かけ上の機能性をさらに高めることができる。
【0028】
検査室機器は、第1又は第2の態様を参照して説明した任意の特徴のうちのいずれか1つ、又はそれらが互換性がある限り任意の組合せを含むことができる。
【0029】
第4の態様では、本発明の実施形態は、コンピュータ実装方法であって、
通信モジュールによって、コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュールと検査室管理モジュールとの間の接続を確立するステップと、
プロトコル識別モジュールによって、機器データ処理モジュールによってサポートされる機器通信プロトコルと検査室管理モジュールによってサポートされる検査室管理モジュール通信プロトコルとを識別するステップと、
機器通信プロトコルが検査室管理モジュール通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、通信モジュールによって、機器通信プロトコルで機器データ処理モジュールから検査室管理モジュールにメッセージを送信するステップ、及び
検査室管理モジュール通信プロトコルが機器通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、通信モジュールによって、検査室管理モジュール通信プロトコルで検査室管理モジュールから機器データ処理モジュールにメッセージを送信するステップ、
の一方又は両方と、
を含む、コンピュータ実装方法を提供する。
【0030】
このようなコンピュータ実装方法は、メッセージが検査室機器から検査室管理モジュールに、又はその逆に送信されるときの計算負荷を低減することができ、検査室管理モジュールに対する検査室機器の見かけ上の機能性をさらに高めることができる。
【0031】
コンピュータ実装方法は、第1又は第2の態様を参照して説明した任意の特徴のいずれか1つ、又はそれらが互換性がある限り任意の組合せを含むことができる。
【0032】
第5の態様では、本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサ上で実行されると、1つ又は複数のプロセッサに第4の態様の方法を実行させる機械実行可能命令を含む、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0033】
第6の態様では、本発明の実施形態は、第2の態様の通信エンジンを含む検査室を提供し、検査室管理モジュールが第3の態様に記載される複数の検査室機器に接続されている。
【0034】
本発明のさらなる態様は、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに第4の態様の方法を実行させるコードを含むコンピュータプログラムと、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに第1の態様の方法を実行させるコードを含むコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読媒体と、第4の態様の方法を実行するようにプログラムされたコンピュータシステムと、を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照して例として説明する。
【0036】
図1】検査室システムの概略図である。
図2】検査室情報システムの概略図である。
図3】ミドルウェアの概略図である。
図4】検査室通信エンジンの概略図である。
図5】検査室機器の概略図である。
図6】コンピュータ実装方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明及びさらなる任意の特徴
ここで、本発明の態様及び実施形態を、添付の図面を参照して説明する。さらなる態様及び実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0038】
図1は、検査室システム100の概略図である。検査室システムは、ミドルウェア(MW)104に接続された検査室情報システム(LIS)102を含む。LIS及びMWは両方とも、1つ又は複数のコンピュータ上で動作するソフトウェアパッケージとして実装可能である。これらは、同じコンピュータ(物理的又は仮想的)上で動作していることによって接続されてもよく、又は別個のコンピュータ上に配置される場合はネットワークを介して接続されてもよい。図1に示す例では、LISとMWは、別個のコンピュータ上に実装されており、ネットワーク106を介して互いに接続されている。LIS及びMWは、検査室管理モジュールの機能を提供するソフトウェアを含むことができるという点で、検査室管理モジュールの例である。
【0039】
ネットワーク106は、LISと、MWと、1つ又は複数の検査室機器108a~108nとの間の接続も容易にする。検査室機器は、例えば、分析前機器、分析器、又は分析後機器であってもよい。例えば、1つ又は複数の検査室機器は、タンパク質、酵素、基質及び電解質の測定、直接抗グロブリン検査、及び治療薬モニタリングを行うように構成されたcobas(RTM)6000分析器、又は核酸、例えば病原体の測定用のcobas(RTM)6800/cobas(RTM)8800であってもよい。使用時、LISは、検査を依頼し、消耗品を監視し、エラーコードを受信し、ステータスインジケータを受信し、検査結果を受信するなどのために、検査室機器と通信する。この通信は、LISと所与の検査室機器との間で直接的であってもよく、又はミドルウェアを介してであってもよい。ミドルウェアは、典型的には、LISに利用可能な機能を強化し、検査室機器とLISとの間の仲介役として動作する。
【0040】
使用時、LIS及び/又はMW(ここでは検査室管理モジュールと呼ぶ)は、検査室機器108又は各検査室機器からデータを受信して処理するように構成されている。検査室管理モジュールは、機器データ処理モジュール(以下で詳細に論じる)に送信される1つ又は複数のメッセージを生成するようにさらに構成され、機器データ処理モジュールは、本例では、それぞれの検査室機器内に位置する。一部の例では、機器データ処理モジュールは、少なくとも1つの検査室機器の外部に位置するが、それに接続されている。検査室管理モジュールからのこれらのメッセージは、検査室管理モジュール通信プロトコルに従って生成される。
【0041】
それぞれの機器108aに位置する機器データ処理モジュール又は各機器データ処理モジュールは、検査室機器から分析データを取得して処理するように構成されている。1つ又は複数の機器データ処理モジュールは、機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するようにも構成されている。これらのメッセージは、例えば、検査室機器から取得され、処理された分析データを含むことができる。
【0042】
システムは、プロトコル識別モジュール(PIM)も備える。以下で詳述するように、PIMは、ソフトウェアとして実装され、LIS102、MW104、又は検査室機器108のうちのいずれか1つにインストールすることができる。プロトコル識別モジュールは、検査室管理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと機器データ処理モジュールによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルとを識別するように構成されている。これは、例えば、検査室管理モジュール及び/又は機器データ処理モジュールが、これらによってサポートされるすべての通信プロトコルのリストをPIMに送信することを要求することによって実行することができる。この要求は、照会メッセージの形態で送信することができる。一部の例では、検査室管理モジュール及び機器データ処理モジュールは、ステータスインジケータをPIMに(例えば、プロンプトなしで)送信するように構成されてもよく、ステータスインジケータがサポートされる1つ又は複数のプロトコルの指示を含む。
【0043】
システムは、メッセージ変換モジュール(MCM)も備える。以下で詳述するように、MCMは、ソフトウェアとして実装され、LIS102、MW104、又は検査室機器108のうちのいずれか1つにインストールすることができる。MCMは、メッセージが互換性のない通信プロトコルであると判定された場合に、検査室管理モジュールから機器データ処理モジュールに、又はその逆に送信されるメッセージを変換するように構成されている。例えば、検査室管理モジュールがヘルスレベル7プロトコルに従って機器データ処理モジュールにメッセージを送信しようとするが、機器データ処理モジュールがこの通信プロトコルと互換性がないと判定された場合(例えばPIMによって、しかしこの判定はMCM又は検査室管理モジュール自体によってなされ得る)、MCMは、メッセージを機器データ処理モジュールと互換性がある通信プロトコルに変換する。これらの変換されたメッセージは、ネットワークを介して送信側から受信側に転送される。
【0044】
一方、検査室管理モジュール通信プロトコルが機器データ処理モジュールによって(又はその逆によって)サポートされていると判定された場合、メッセージは、変換されることなく一方から他方へ直接送信される。例えば、検査室管理モジュールが検査室管理モジュール通信プロトコルに従って機器処理モジュールにメッセージを送信しようとし、PIMが、機器データ処理モジュールがこのプロトコルをサポートしていることを確認した場合、通信は、ネットワークを介して直接且つ変換なしに行われる。
【0045】
図2は、検査室情報システム102の概略図である。本例における検査室情報システムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の揮発性短期メモリ204に接続されたCPU又は処理ユニット202を含む。使用時、プロセッサは、当技術分野でそれ自体知られているやり方で、コンピュータソフトウェアを不揮発性ストレージ206から読み出させ、実行のために揮発性メモリにロードさせる。処理ユニットは、例えば、キーボード及びマウスなどのヒューマンマシンインターフェース、ディスプレイなどを含むことができる1つ又は複数の入力/出力(I/O)インターフェース210にも接続されている。ヒューマンマシンインターフェースを使用して、例えば、LISと1つ又は複数の検査室機器との間の接続を確立することができる。さらに、CPU202は、LIS102とシステムの他の要素との間でネットワーク106を介した通信を可能にするネットワークインターフェース208に接続されている。
【0046】
本例では、不揮発性ストレージ206は、以下のソフトウェアを含む。LISソフトウェア212、プロトコル識別モジュール214、及びメッセージ変換モジュール216。LISソフトウェア212は、LIS102がLISとして動作することを可能にし、したがって、LISから期待される機能のタイプ(例えば、ワークフローの閲覧、検査の依頼、結果のレビューなどの能力)を含む。プロトコル識別モジュール214及びメッセージ変換モジュール216は、プロセッサが上述したようなPIM及びMCMの機能を実行することを可能にする。PIM及びMCMがシステムの他の場所に位置する他の例では、不揮発性ストレージ206は、PIM及びMCMを含まなくてもよい。代替として、不揮発性ストレージは、LISから送信されるメッセージに対して動作するPIM及びMCMのさらなるコピーを含むことができる。
【0047】
図3は、ミドルウェア104の概略図である。ミドルウェアは、LIS102と共通の特徴を共有しているため、同様の特徴は、同様の参照番号によって示す。具体的には、ミドルウェア104も、プロセッサ202と、揮発性メモリ204と、ネットワークインターフェース208と、1つ又は複数のI/Oインターフェース210とを含む。ミドルウェアでは、不揮発性ストレージ302に含まれるソフトウェアに違いがある。ここでは、ミドルウェアの不揮発性ストレージ302は、MWソフトウェア306と、PIM214及びMCM216とを含む。MWソフトウェア306は、MW104がミドルウェアとして動作することを可能にし、したがって、ミドルウェアから期待される機能のタイプ(例えば、機器の管理及びLISへのデータの提供)を含む。プロトコル識別モジュール214及びメッセージ変換モジュール216は、プロセッサが上述したPIM及びMCMの機能を実行することを可能にする。PIM及びMCMがシステムの他の場所に位置する他の例では、不揮発性ストレージ302は、PIM及びMCMを含まなくてもよい。代替として、不揮発性ストレージは、MWから送信されるメッセージに対して動作するPIM及びMCMのさらなるコピーを含むことができる。
【0048】
図4は、検査室通信エンジン400の概略図である。検査室通信エンジン400は、1つ又は複数のコンピュータ上で動作可能なソフトウェアモジュールの集合体である。検査室通信エンジンは、コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュール(例えば、検査室機器内のもの)と検査室管理モジュール(例えば、LIS及び/又はMW)との間の接続を確立するように構成された通信モジュール402を含む。検査室通信エンジンも、前述したようなプロトコル識別モジュール214、並びに同じく前述したようなメッセージ変換モジュール216を含む。検査室通信エンジン400は、LIS、MW、検査室機器、LIS若しくはMWと検査室機器との間に接続された仲介装置(図示せず)、又は仮想コンピューティングネットワーク(例えば、クラウドコンピューティング空間)にインストール可能である。
【0049】
図5は、検査室機器108aの概略図である。検査室機器108aは、揮発性メモリ204、I/Oインターフェース508、ネットワークインターフェース208、及び不揮発性ストレージ502に接続された処理ユニット202を含むという点で、LIS102及びMW104と同様の要素を含む。しかしながら、検査室機器108aは、I/Oインターフェース508に接続されたデータ取得ユニット510も含む。データ取得ユニット510は、検査室機器がどの特定の機能を実行するかによって異なるが、一般に生の測定データを取得する。例えば、検査室機器がポリメラーゼ連鎖反応分析器である場合、データ取得ユニットは、標的DNAの濃度又は量を導き出すことができる生の測定データを取得することができる。この情報は、I/Oインターフェース508を介して処理ユニット202に転送される。I/Oインターフェース508は、1つ又は複数のヒューマンマシンインターフェース、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを含むこともできる。ヒューマンマシンインターフェースを使用して、例えば、検査室機器とLIS及び/又はMWとの間の接続を確立することができる。
【0050】
検査室機器の不揮発性ストレージ502は、MW及びLISとは異なるソフトウェアも含む。本例では、検査室機器の不揮発性ストレージは、上述した機器データ処理モジュール(IDPM)504と、機器ソフトウェア(IS)506と、上述したプロトコル識別モジュール(PIM)214と、上述したメッセージ変換モジュール(MCM)216と、を含む。PIM及びMCMがシステムの他の場所に位置する他の例では、不揮発性ストレージ502は、PIM及びMCMを含まなくてもよい。代替として、不揮発性ストレージは、IDPMから送信されるメッセージに対して動作するPIM及びMCMのさらなるコピーを含むことができる。機器ソフトウェア506は、検査室機器が検査室機器の機能を実行する(例えば、検査を実行する、データ取得ユニットからデータを検索する、ネットワークを介して又はローカルヒューマンマシンインターフェースを介して命令を受信する)ことを可能にする。機器データ処理モジュール504は、前述したように、検査室機器からの分析データ(例えば、データ取得ユニット510からのデータ)を取得して処理し、機器通信プロトコルに従って検査室管理モジュールに送信される1つ又は複数のメッセージを生成するように構成されている。
【0051】
IDPM504も、機器データモデルを使用して、データ取得ユニット510から分析データを取得して処理するように構成されてもよい。機器データモデルは、例えば、XML、JSON、又はYAMLで実装されてもよい。機器データモデル内に記憶されたデータの例を以下に示す。
【0052】

’’LISCommunication’’:{
’’metadata’’:{
’’senderName’’:’’instrument1’’,
’’receiverName’’:’’host’’,
’’dateTime’’:’’20101020091052’’,
’’messageType’’:’’TSREQ’’,
’’messageID’’:’’15161’’,
’’standardVersion’’:’’HL7-2.5’’,
’’applicationAckPolicy’’:’’Error’’,
’’characterEncoding’’:’’UNICODE UTF-8’’
},
’’analytical’’:{
’’query’’:{
’’queryID’’:’’15161’’,
’’queryName’’:’’TSREQ’’,
’’queryPriority’’:’’Routine’’,
’’queryType’’:’’R1’’,
’’sample’’:{
’’sampleID’’:’’321070’’,
’’sampleType’’:{
’’name’’:’’S1’’
},
’’container’’:{
’’containerType’’:’’SC’’,
’’rack’’:{
’’rackID’’:’’50094’’,
’’positionInRack’’:’’2’’




【0053】
MCM216は、このような例において、機器データモデルからの分析データを、LIS及び/又はMWによってサポートされる1つ又は複数の通信プロトコルと互換性があるデータモデルに変換するようにさらに構成されてもよい。例えば、上記の例をHL7プロトコルに変換することができる。
【0054】
MSH|^~¥&|instrument1||host||20101020091052||TSREQ|15161||2.5||||ER||UNICODE UTF-8|
QPD|TSREQ|15161|321070||50094|2||||S1|SC|R1|R|
RCP|I|1|R|
【0055】
又は、ASTM-LIS2-A2プロトコルに変換することができる。
H|¥^&|15220||instrument1^1.04|||||host|TSREQ|P|1|20101020091706|
Q|1|^^321070^0^50094^2^^S1^SC^R1||ALL|||||||R|O|
L|1|N|
【0056】
図2図5から明らかなように、PIM及びMCMは、LIS、MW、検査室機器、又は、LIS若しくはMWと検査室機器の両方に接続された中間装置(図示せず)、のうちのいずれか1つ又は複数に実装されてもよい。
【0057】
図6は、コンピュータ実装方法600のフロー図である。最初のステップ602において、コンピュータネットワークを介して機器データ処理モジュールと検査室管理モジュールとの間の接続が接続モジュール(例えば、検査室通信エンジン400の通信モジュール402)によって確立される。次に、ステップ604において、機器データ処理モジュールによってサポートされる機器通信プロトコル及び検査室管理モジュールによってサポートされる検査室管理モジュール通信プロトコルが、プロトコル識別モジュール214によって識別される。
【0058】
次に、ステップ606及び608の一方又は両方が、同時に又は順次に実行される。ステップ606は、機器通信プロトコルが検査室管理モジュール通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、通信モジュールによって、機器通信プロトコルで機器データ処理モジュール(IDPM)から検査室管理モジュール(LMM)にメッセージを送信するステップを含む。ステップ608は、検査室管理モジュール通信プロトコルが機器通信プロトコルと同じであるか又は互換性があると判定された場合に、通信モジュールによって、検査室管理モジュール通信プロトコルで検査室管理モジュールから機器データ処理モジュールにメッセージを送信するステップを含む。
【0059】
機器通信プロトコルが検査室管理モジュール通信プロトコルと互換性がない、又はその逆に検査室管理モジュール通信プロトコルが機器通信プロトコルと互換性がないと判定された場合、前述したようにメッセージ変換が実行されてもよい。このメッセージ変換は、上述したメッセージ変換モジュール216を使用することによって達成される。
【0060】
本明細書、又は以下の特許請求の範囲、又は添付の図面に開示され、具体的な形態で、又は開示した機能、若しくは開示した結果を得るための方法若しくはプロセスを適宜実行するための手段の観点から表現された特徴は、個別に、又はそのような特徴の任意の組合せで、様々な形態において、本発明を実現するために利用することができる。
【0061】
本発明を上述の例示的な実施形態と併せて説明してきたが、本開示が与えられると、多くの同等の修正及び変形が当業者には明らかであろう。したがって、上述した本発明の例示的な実施形態は、例示的なものであり、限定的ではないとみなされる。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に対する様々な変更を行うことができる。
【0062】
誤解を避けるために、本明細書に提供されるあらゆる理論的説明は、読者の理解を向上させる目的で提供されている。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0063】
本明細書で使用されるいかなる項目の見出しも、構成上の目的のみのためであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0064】
以下の特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「備える(comprise)」及び「含む(include)」、並びに「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」及び「含んでいる(including)」などの変形は、記載された整数若しくはステップ又は整数若しくはステップのグループの包含を意味するが、いかなる他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップのグループの排除を意味するものではないと理解される。
【0065】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈による別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現されることがある。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」の使用によって、値が近似値として表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。数値に関する「約」という用語は任意であり、例えば+/-10%を意味する。
【符号の説明】
【0066】
100 検査室システム
102 検査室情報システム
104 ミドルウェア
106 ネットワーク
108a/n 検査室機器
202 CPU/処理ユニット
204 RAM/揮発性メモリ
206、302、502 不揮発性ストレージ
208 ネットワークインターフェース
210 1つ又は複数のI/Oインターフェース
212 LISソフトウェア
214 プロトコル識別モジュール
216 メッセージ変換モジュール
306 ミドルウェアソフトウェア
400 検査室通信エンジン
402 通信モジュール
504 機器データ処理モジュール
506 機器ソフトウェア
508 1つ又は複数の機器I/Oインターフェース
510 データ取得ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6