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特許7532467受光機光サブアセンブリ、コンボ双方向光サブアセンブリ、コンボ光モジュール、OLT及びPONシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】受光機光サブアセンブリ、コンボ双方向光サブアセンブリ、コンボ光モジュール、OLT及びPONシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240805BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20240805BHJP
   H04B 10/272 20130101ALI20240805BHJP
   H04B 10/40 20130101ALI20240805BHJP
   H04B 10/67 20130101ALI20240805BHJP
【FI】
G02B6/42
H01L31/02 D
H04B10/272
H04B10/40
H04B10/67
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161301
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2020536205の分割
【原出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2023021961
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】201711456316.1
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュウ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ゥリーシアーン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ゾーァリン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,スゥリン
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-290097(JP,A)
【文献】特開平08-201666(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107360481(CN,A)
【文献】特開2016-212409(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0215240(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106888066(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26- 6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/42- 6/43
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
H01L 31/00-31/0264
H01L 31/08-31/10
H01L 31/18
H01L 51/42
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタアウトライン缶を含む受信機光サブアセンブリであって、
前記第1のトランジスタアウトライン缶は、ヘッダと、前記ヘッダ上に配置されたキャップとを含み、光入射孔が前記第1のトランジスタアウトライン缶上に配置され、第1のデマルチプレクサ、第1の光受信機、第2の光受信機及び光レンズの組み合わせが前記キャップの中に配置され、前記第1の光受信機及び前記第2の光受信機が前記ヘッダに接続され、
光は、前記光入射孔を通じて前記第1のデマルチプレクサに入射し、前記第1のデマルチプレクサは、第1の波長の光信号を透過し、第2の波長の光信号を反射するように構成され、
前記第1の光受信機は、前記第1のデマルチプレクサの透過光路上に配置され、前記第1の光受信機は、前記第1の波長の前記光信号を受信するように構成され、
前記光レンズの組み合わせは、前記第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、前記光レンズの組み合わせは、前記第1のデマルチプレクサにより反射した前記第2の波長の前記光信号を前記第2の光受信機に導くように構成され、前記第2の光受信機は、前記第2の波長の前記光信号を受信するように構成される、受信機光サブアセンブリ。
【請求項2】
前記光レンズの組み合わせは、屈折器と、少なくとも1つの反射器とを含み、前記屈折器は、前記第1のデマルチプレクサの前記反射光路上に配置され、前記屈折器により屈折した前記第2の波長の前記光信号は、前記反射器により相次いで反射した後に、前記第2の光受信機に入射する、請求項1に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項3】
前記反射器は、第1の反射器と、第2の反射器とを含み、前記屈折器は、前記第1のデマルチプレクサの前記反射光路上に配置され、前記第1の反射器は、前記屈折器の屈折光路上に配置され、前記第2の反射器は、前記第1の反射器の反射光路上に配置される、請求項2に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項4】
第1のコンデンサレンズ及び第1のフィルタが、前記第1の光受信機の光入射方向において前記第1の光受信機の受信光路上に順に配置され、第2のコンデンサレンズ及び第2のフィルタが、前記第2の光受信機の光入射方向において前記第2の光受信機の受信光路上に順に配置される、請求項3に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項5】
前記光レンズの組み合わせは、一体式光プリズムであり、屈折面、第1の反射面及び第2の反射面は、前記光プリズム上に配置され、前記屈折面は、前記第1のデマルチプレクサの前記反射光路上に配置され、前記第1の反射面は、前記屈折面の屈折光路上に配置され、前記第2の反射面は、前記第1の反射面の反射光路上に配置され、前記第2の反射面の反射光路は、前記第2の光受信機の前記受信光路と一致する、請求項4に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のコンデンサレンズは、前記光プリズムの表面上の第1の集光面であり、前記第2のコンデンサレンズは、前記光プリズムの前記表面上の第2の集光面であり、前記第1の集光面は、前記第1の光受信機に対応し、前記第2の集光面は、前記第2の光受信機に対応する、請求項5に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のフィルタ及び前記第2のフィルタは、前記光プリズムに挿入され、前記第1のフィルタは、前記第1の集光面と前記第1の光受信機との間に位置し、前記第2のフィルタは、前記第2の集光面と前記第2の光受信機との間に位置する、請求項6に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項8】
前記光プリズム上に設置面が存在し、前記第1のデマルチプレクサは、前記設置面に固定され、前記第1のデマルチプレクサの前記反射光路は、前記屈折面を通過する、請求項5乃至7のうちのいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項9】
記光プリズムは、前記ヘッダに固定され、前記光プリズムと前記ヘッダとの間に設置空間が存在し、前記第1の光受信機及び前記第2の光受信機は、前記設置空間内に配置され、前記ヘッダに確実に接続される、請求項5乃至8のうちいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項10】
前記ヘッダはピンに接続され、前記第1の光受信機及び前記第2の光受信機の電気信号出力端は、増幅器を使用することにより前記ピンに接続される、請求項9に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項11】
前記光レンズの組み合わせは、少なくとも1つの反射器を含み、前記第1のデマルチプレクサにより反射した前記第2の波長の前記光信号は、前記反射器により相次いで反射した後に、前記第2の光受信機に入射する、請求項1に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の光受信機及び前記第2の光受信機は、並んで配置され、前記第1の光受信機の受信光路は、前記第2の光受信機の受信光路と平行である、請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の波長の前記光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号であり、前記第2の波長の前記光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号であるか、或いは、
前記第1の波長の前記光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号であり、前記第2の波長の前記光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号である、請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリ。
【請求項14】
コンボ双方向光サブアセンブリであって、
ハウジングであり、光伝送チャネルが前記ハウジング内に配置され、第2のデマルチプレクサが前記光伝送チャネル上に配置され、前記光伝送チャネルと通信する光受信ポート、光送信ポート及び光ファイバ接続ポートが前記ハウジング内に配置される、ハウジングと、
受信機光サブアセンブリであり、前記受信機光サブアセンブリは、請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリであり、前記受信機光サブアセンブリは、前記光受信ポートにパッケージングされる、受信機光サブアセンブリと
を含み、
前記第2のデマルチプレクサは、前記光ファイバ接続ポートから入射する前記第1の波長の前記光信号及び前記第2の波長の前記光信号を前記光受信ポートに反射するように構成される、双方向光サブアセンブリ。
【請求項15】
前記光伝送チャネルは、前記光送信ポートと前記光ファイバ接続ポートとを接続する第1の光チャネルと、前記光受信ポートと前記第1の光チャネルとを接続する第2の光チャネルとを含み、前記第2のデマルチプレクサは、前記第1の光チャネルと前記第2の光チャネルとの接合部に配置される、請求項14に記載の双方向光サブアセンブリ。
【請求項16】
請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の受信機光サブアセンブリを含むか、或いは、請求項14又は15に記載のコンボ双方向光サブアセンブリを含むコンボ光モジュール。
【請求項17】
請求項16に記載のコンボ光モジュールを含む光回線終端装置。
【請求項18】
受動光ネットワークシステムであって、
光回線終端装置であり、前記光回線終端装置は、請求項17に記載の光回線終端装置である、光回線終端装置と、
光分配ネットワークであり、前記光分配ネットワークは、前記光回線終端装置に接続される、光分配ネットワークと、
複数の光ネットワークユニットであり、前記複数の光ネットワークユニットは、前記光分配ネットワークに接続される、複数の光ネットワークユニットと
を含む受動光ネットワークシステム。
【請求項19】
前記複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはGPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールはXGPON光モジュールであるか、或いは、
前記複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはEPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールは10G-EPON光モジュールである、請求項18に記載の受動光ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2017年12月27日に中国国家知識産権局に出願された「RECEIVER OPTICAL SUB-ASSEMBLY, COMBO BI-DIRECTIONAL OPTICAL SUB-ASSEMBLY, COMBO OPTICAL MODULE, OLT, AND PON SYSTEM」という名称の中国特許出願第201711456316.1号に対する優先権を主張し、その全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
この出願は、光通信技術の分野に関し、特に、受信機光サブアセンブリ、コンボ双方向光サブアセンブリ、コンボ光モジュール、光回線終端装置及び受動光ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会の発展、情報量の爆発的な増加、及び特にビッグデータ時代の到来によって、ネットワークスループット能力に対するますますの要件が存在する。超高帯域幅及び低電磁波干渉のような固有の特徴によって、光伝送は、次第に現代の通信のための主流の解決策になっている。特に、現在の新たなネットワーク、例えば、ファイバ・トゥ・ザ・ホームにより表されるアクセスネットワークは、大規模に展開されている。
【0004】
アクセスネットワークシナリオに適用される光通信ネットワークは、主に受動光ネットワーク(Passive Optical Network, PON)の形式で存在する。光ネットワークの広い採用に伴い、多数のPONネットワークが展開され、多数の通信デバイスが必要とされる。光回線終端装置(Optical Line Terminal, OLT)のような関連する通信デバイスは、主に光モジュールと、光モジュールが配置された基板と、サブラックとを含む。図1に示すように、光回線終端装置01内の1つの光モジュールは、1つの光分配ネットワーク(Optical distribution network, ODN)02に対応し、特定数の光ネットワークユニット(Optical Network Unit, ONU)03にサービス提供する。図1において、光分配ネットワーク02は、x個の光ネットワークユニット03(ONU1~ONUx)に対応し、各光ネットワークユニット03は、1人のユーザを表してもよい。光ネットワークにおける必須のコンポーネントとして、光回線終端装置01及び光ネットワークユニット03内の光モジュールは、ネットワーク信号に対して光電気変換及び伝送を実行することを担い、ネットワークの通常の通信の基礎となる。
【0005】
現在、大規模に展開されているPONネットワークは、2つのタイプ、すなわち、イーサネット受動光ネットワークEPON(Ethernet Passive Optical Network, EPON)及びギガビット可能受動光ネットワーク(gigabit-capable passive optical network, GPON)を含む。2つのタイプの光ネットワークは、2.5Gbit/s又は1.25Gbit/sのレートをサポートする。ネットワーク帯域幅のアップグレードによって、展開予定の次世代ネットワークは、10G-EPON及び10G-GPON(XGPONとも呼ばれる)であり、10Gbit/sのレートをサポートする。以下では、GPONが説明のための例として使用される。同じことがEPONシナリオについても当てはまる。光信号の波長に関して、GPONにおける光回線終端装置は、送信用の1490ナノメートルの波長及び受信用の1310ナノメートルの波長を使用し、XGPONにおける光回線終端装置は、送信用の1577ナノメートルの波長及び受信用の1270ナノメートルの波長を使用する。現在のGPONネットワークが10G PONにアップグレードされると仮定すると、ODNネットワークを再構築する可能性は低い。したがって、サービス拡張が現在のネットワークに対して実行される必要があるとき、以下のシナリオが明らかに存在する。ユーザ側では、何人かのユーザはXGPONへのアップグレードを望むが、何人かのユーザは望まない。その結果、図2に示す場合が生じる。同じ光分配ネットワーク02において、GPONサービスとXGPONサービスとの双方が存在する。図2に示すように、いくつかの光ネットワークユニット03における光モジュールはGPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニット03における光モジュールはXGPON光モジュールである。これは、XGPON光サブアセンブリと膨大な数の以前のGPONサブアセンブリとの共存という問題を提起する。光回線終端装置01の側には、2つのタイプのOLT光モジュール、すなわち、GPON光モジュール及びXGPON光モジュールが共に必要とされる。このようなネットワーク環境では、波長分割多重(wavelength division multiplexing, WDM)モジュール04がGPON及びXGPONのアップストリーム及びダウンストリーム波長を多重するために使用される。しかし、実際の用途では、図2に示すように、WDMモジュール04が外部に配置された場合、構築コストが高く、大きい装置室の空間が占有され、構築及びケーブル敷設が複雑であり、管理及び保守が困難である。
【発明の概要】
【0006】
この出願の実施形態は、アップストリーム及びダウンストリーム波長を多重し、したがって、構築コストを低減し、装置室の空間を節約し、構築及びケーブ敷設を簡略化し、管理及び保守を容易にするための、受信機光サブアセンブリ、送信機光サブアセンブリ、コンボ双方向光サブアセンブリ、コンボ光モジュール、光回線終端装置及び受動光ネットワークシステムを提供する。
【0007】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決策がこの出願の実施形態において使用される。
【0008】
第1の態様によれば、この出願は、第1のトランジスタアウトライン缶を含む受信機光サブアセンブリを提供し、光入射孔が第1のトランジスタアウトライン缶上に配置され、第1のデマルチプレクサ、第1の光受信機、第2の光受信機及び光レンズの組み合わせが第1のトランジスタアウトライン缶にパッケージングされ、光は、光入射孔を通じて第1のデマルチプレクサに入射し、第1のデマルチプレクサは、第1の波長の光信号を透過し、第2の波長の光信号を反射するように構成され、第1の光受信機は、第1のデマルチプレクサの透過光路上に配置され、第1の光受信機は、第1の波長の光信号を受信するように構成され、光レンズの組み合わせは、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、光レンズの組み合わせは、第1のデマルチプレクサにより反射した第2の波長の光信号を第2の光受信機に導くように構成され、第2の光受信機は、第2の波長の光信号を受信するように構成される。
【0009】
この出願の実施形態において提供される受信機光サブアセンブリによれば、受信機光サブアセンブリ内の第1の光受信機は、第1の波長の光信号を受信でき、第2の光受信機は、第2の波長の光信号を受信でき、第1のデマルチプレクサは、第1の波長の光信号を透過し、第2の波長の光信号を反射するように構成される。このように、異なる波長のアップストリーム光信号が分離され、それにより、アップストリーム光信号は、多重分離されて受信できる。さらに、第1のデマルチプレクサは、受信機光サブアセンブリ内に配置され、すなわち、内臓式のデマルチプレクサが実現される。このように、構築コストが低減され、装置室の空間が節約され、構築及びケーブル敷設が簡単であり、簡便な管理及び保守が実現される。さらに、トランジスタアウトライン缶がパッケージングに使用され、したがって、既存のTOパッケージングプロセスと互換性がある。これは、複雑な注文制作のハウジングを回避し、製造コストを低減する。
【0010】
可能な実現方式では、光レンズの組み合わせは、屈折器と、少なくとも1つの反射器とを含み、屈折器は、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、屈折器により屈折した第2の波長の光信号は、反射器により相次いで反射した後に、第2の光受信機に入射する。第1のデマルチプレクサの反射光路と第1のデマルチプレクサの入射光路との間のはさみ角が比較的小さいとき、屈折器は、第1のデマルチプレクサの入射光路に近いほぼ垂直方向に沿って配置されてもよい。このように、屈折器に入射した後、第1のデマルチプレクサにより反射した光信号は、第1のデマルチプレクサの入射光路から離れた方向に偏向し、それにより、反射器を配置するのに十分な空間が存在する。
【0011】
可能な実現方式では、反射器は、第1の反射器と、第2の反射器とを含み、屈折器は、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、第1の反射器は、屈折器の屈折光路上に配置され、第2の反射器は、第1の反射器の反射光路上に配置され、第2の反射器の反射光路は、第1のデマルチプレクサの透過光路と平行であり、第2の光受信機の受信光路と一致する。したがって、第1の光受信機及び第2の光受信機は、同じ側に配置できる。これは、既存のTOパッケージ構造により適合しており、よりコンパクトな構造を有する。さらに、2つの光受信機の受信光路が垂直にカップリングでき、カップリング効率が改善されることが確保される。
【0012】
可能な実現方式では、第1のコンデンサレンズ及び第1のフィルタが、第1の光受信機の光入射方向において第1の光受信機の受信光路上に順に配置され、第2のコンデンサレンズ及び第2のフィルタが、第2の光受信機の光入射方向において第2の光受信機の受信光路上に順に配置される。このように、光信号に対する他の迷光の影響を防止するために、集光及びフィルタリングが実現できる。
【0013】
可能な実現方式では、光レンズの組み合わせは、一体式光プリズムである。屈折面、第1の反射面及び第2の反射面は、光プリズム上に配置され、屈折面は、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、第1の反射面は、屈折面の屈折光路上に配置され、第2の反射面は、第1の反射面の反射光路上に配置され、第2の反射面の反射光路は、第2の光受信機の受信光路と一致する。光レンズの組み合わせは、1つの光学プリズムに一体化され、それにより、構造がコンパクトであり、設置及び製造がより容易である。
【0014】
可能な実現方式では、第1のコンデンサレンズは、光プリズムの表面上の第1の集光面であり、第2のコンデンサレンズは、光プリズムの表面上の第2の集光面であり、第1の集光面は、第1の光受信機に対応し、第2の集光面は、第2の光受信機に対応する。このように、第1のコンデンサレンズ及び第2のコンデンサレンズは、光プリズムに一体化されてもよく、全体構造がよりコンパクトである。
【0015】
可能な実現方式では、第1のフィルタ及び第2のフィルタは、光プリズムに挿入され、第1のフィルタは、第1の集光面と第1の光受信機との間に位置し、第2のフィルタは、第2の集光面と第2の光受信機との間に位置する。したがって、フィルタが容易に設置できる。
【0016】
可能な実現方式では、光プリズムは、支持脚部を含み、第1のフィルタ及び第2のフィルタは、光プリズムの支持脚部に挿入される。
【0017】
可能な実現方式では、第1のフィルタと第2のフィルタとの双方は、0度フィルタである。
【0018】
可能な実現方式では、第1の反射器と第2の反射器との双方は、全反射器である。このように、光信号の減衰が防止できる。
【0019】
可能な実現方式では、第1の光受信機と第2の光受信機との双方は、フォトダイオードである。このように、第1の波長の光信号及び第2の波長の光信号は、出力のために電気信号に変換されてもよい。
【0020】
可能な実現方式では、光プリズム上に設置面が存在し、第1のデマルチプレクサは、設置面に固定され、第1のデマルチプレクサの反射光路は、屈折面を通過する。このように、設置空間の利用率を改善するために、第1のデマルチプレクサは、光プリズムに固定されてもよい。
【0021】
可能な実現方式では、第1のトランジスタアウトライン缶は、ヘッダと、ヘッダ上に配置されたキャップとを含み、光プリズムは、ヘッダに固定され、光プリズムとヘッダとの間に設置空間が存在し、第1の光受信機及び第2の光受信機は、設置空間内に配置され、ヘッダに確実に接続される。このように、設置空間が節約できる。
【0022】
可能な実現方式では、ヘッダはピンに接続され、第1の光受信機及び第2の光受信機は、増幅器を使用することによりピンに接続される。したがって、第1の光受信機及び第2の光受信機により光電気変換の後に生成された電気信号は増幅されてもよく、それにより、電気信号は出力のために増強される。
【0023】
他の可能な実現方式では、光レンズの組み合わせは、少なくとも1つの反射器を含み、第1のデマルチプレクサにより反射した第2の波長の光信号は、反射器により相次いで反射した後に、第2の光受信機に入射する。
【0024】
可能な実現方式では、光レンズの組み合わせは、第3の反射器を含み、第3の反射器は、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置される。このように、光路がより短くなり、より小さい信号損失が引き起こされる。
【0025】
可能な実現方式では、第1の光受信機及び第2の光受信機は、並んで配置され、第3の反射器の反射光路は、第1のデマルチプレクサの透過光路と平行であり、第2の光受信機の受信光路と一致する。
【0026】
可能な実現方式では、第3のコンデンサレンズ及び第3のフィルタが、第1の光受信機の光入射方向において第1の光受信機の受信光路上に順に配置され、第4のコンデンサレンズ及び第4のフィルタが、第2の光受信機の光入射方向において第2の光受信機の受信光路上に順に配置される。このように、光信号に対する他の迷光の影響を防止するために、集光及びフィルタリングが実現できる。
【0027】
可能な実現方式では、透明支持部が更に含まれ、透明支持部は、底部プレートと、頂部プレートとを含む。第1のデマルチプレクサは、底部プレートに固定され、第3の反射器は、頂部プレートに固定され、第1のデマルチプレクサの反射光路上に位置し、第1の光受信機及び第2の光受信機は、底部プレートの底面上に配置される。したがって、第1のデマルチプレクサ及び第3の反射器は、同じ透明支持部に固定されてもよく、それにより、構造がコンパクトである。
【0028】
可能な実現方式では、透明支持部が更に含まれ、透明支持部は、第1の支持プレートと、第2の支持プレートとを含む。第1の支持プレート及び第2の支持プレートは、間隔を置いて配置され、第3の反射器は、第1の支持プレート及び第2の支持プレートの上に配置される。したがって、第1のデマルチプレクサにより分割された後に、受信光の一部は直接透過し、第1の光受信機に入射する。受信光の他の部分は、第1のデマルチプレクサにより反射し、第1の支持プレートと第2の支持プレートとの間のギャップを通じて第3の反射器に入射し、次いで、第3の反射器により反射し、第2の光受信機の受信光路に沿って第2の光受信機に入射する。実施形態では、第1の支持プレート及び第2の支持プレートは、透明な材料で作られてもよく、或いは、不透明な材料で作られてもよい。
【0029】
可能な実現方式では、第3のコンデンサレンズは、底部プレートの底面上の第3の集光面であり、第4のコンデンサレンズは、底部プレートの底面上の第4の集光面である。第3の集光面は第1の光受信機に対応し、第4の集光面は第2の受信機に対応する。
【0030】
可能な実現方式では、第3のフィルタ及び第4のフィルタは、透明支持部に挿入される。第3のフィルタは、第3の集光面と第1の光受信機との間に位置し、第4のフィルタは、第4の集光面と第2の光受信機との間に位置する。
【0031】
可能な実現方式では、透明支持部は、支持脚部を含み、第3のフィルタ及び第4のフィルタは、透明支持部の支持脚部に挿入される。
【0032】
可能な実現方式では、第1のトランジスタアウトライン缶は、ヘッダと、ヘッダ上に配置されたキャップとを含み、透明支持部は、ヘッダに固定され、透明支持部とヘッダとの間に設置空間が存在し、第1の光受信機及び第2の光受信機は、設置空間内に配置され、ヘッダに確実に接続される。このように、設置空間が節約できる。
【0033】
可能な実現方式では、第1の波長の光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号であり、第2の波長の光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号であるか、或いは、第1の波長の光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号であり、第2の波長の光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号である。このように、GPON及びXGPONの光信号が受信できる。
【0034】
第2の態様によれば、この出願は、第2のトランジスタアウトライン缶を含む送信機光サブアセンブリを提供し、出光孔が第2のトランジスタアウトライン缶上に配置され、マルチプレクサ、第1の光送信機及び第2の光送信機が第2のトランジスタアウトライン缶にパッケージングされ、第1の光送信機は、第3の波長の光信号を送信でき、第2の光送信機は、第4の波長の光信号を送信でき、光マルチプレクサは、第1の光送信機及び第2の光送信機の送信光路上に位置し、光マルチプレクサは、第3の波長の光信号と第4の波長の光信号とを結合し、結合された光信号を出光孔に送信できる。
【0035】
この出願の実施形態において提供される送信機光サブアセンブリによれば、第1の光送信機は、第3の波長の光信号を送信でき、第2の光送信機は、第4の波長の光信号を送信でき、マルチプレクサは、送信のために第3の波長の光信号と第4の波長の光信号とを結合できる。このように、ダウンストリーム光信号は、多重されて送信できる。さらに、マルチプレクサは、送信機光サブアセンブリ内に配置され、したがって、外部マルチプレクサは必要とされない。この場合、構築コストが低減され、装置室の空間が節約され、構築及びケーブル敷設が簡単であり、簡便な管理及び保守が実現される。さらに、トランジスタアウトライン缶がパッケージングに使用され、したがって、既存のTOパッケージングプロセスと互換性がある。これは、複雑な注文制作のハウジングを回避し、製造コストを低減する。
【0036】
第2の態様の可能な実現方式では、マルチプレクサは、導波管マルチプレクサである。導波管マルチプレクサは、第1の入力端子と、第2の入力端子と、出力端子とを含む。第1の入力端子及び第1の光送信機においてカップリング及び整合が実行され、第2の入力端子及び第2の光送信機においてカップリング及び整合が実行される。出力端子は、第2のトランジスタアウトライン缶の出光孔に対応する。
【0037】
第2の態様の可能な実現方式では、第1の入力端子及び第2の入力端子は、それぞれ、導波管マルチプレクサの2つの反対側の壁上に位置し、出力端子の出光方向に垂直である。第1の光送信機の送信光路及び第2の光送信機の送信光路は、出力端子の出光方向において互い違いに配置される。したがって、設置空間が節約でき、第1の光送信機により放射された光と第2の光送信機により放射された光との間の相互干渉が防止できる。
【0038】
第2の態様の他の可能な実現方式では、光マルチプレクサは、スライドマルチプレクサであり、スライドマルチプレクサは、第3の波長の光信号を透過でき、第4の波長の光信号を反射できる。第1の光送信機及び第2の光送信機は、並んで配置される。スライドマルチプレクサと出光孔との双方は、第1の光送信機の送信光路上に位置する。第4の反射器は、第2の光送信機の送信光路上に配置され、第4の反射器は、第2の光送信機により放射された第4の波長の光信号をスライドマルチプレクサに反射してもよい。スライドマルチプレクサは、第3波長の光信号と第4波長の光信号とを結合し、結合された光信号を出光孔に送信できる。スライドマルチプレクサが使用される構造は、第1の光送信機及び第2の光送信機が、既存のTOパッケージングプロセスに適合するように、並んで配置されることを可能にしてもよい。
【0039】
第2の態様の可能な実現方式では、コリメーションレンズが、出光孔に配置される。このように、方向ずれからの光信号を防止するように、光が出光孔から直線状に放射できる。
【0040】
第2の態様の可能な実現方式では、第1のコリメーションレンズは、第1の光送信機とマルチプレクサとの間に配置され、第2のコリメーションレンズは、第2の光送信機とマルチプレクサとの間に配置される。このように、方向ずれからの光信号を防止するように、光が第1の光送信機及び第2の光送信機から直線状に放射できる。
【0041】
第2の態様の可能な実現方式では、第1の光送信機及び第2の光送信機は、レーザダイオードである。
【0042】
第2の態様の可能な実現方式では、第1の光送信機又は第2の光送信機は、冷却レーザであり、冷却レーザは、温度コントローラに接続される。このように、冷却レーザの動作温度が調節できる。
【0043】
第2の態様の可能な実現方式では、第1の光送信機及び第2の光送信機は、モニタフォトダイオード(Monitor Photo-diode, MPD)に接続され、モニタフォトダイオードは、第1の光送信機及び第2の光送信機の動作状態を監視するように構成される。
【0044】
第2の態様の可能な実現方式では、第3の波長の光信号は、1577ナノメートルの波長の光信号であり、第4の波長の光信号は、1490ナノメートルの波長の光信号である。代替として、第3の波長の光信号は、1490ナノメートルの波長の光信号であり、第4の波長の光信号は、1577ナノメートルの波長の光信号である。このように、GPON及びXGPONの光信号が送信できる。
【0045】
第3の態様によれば、この出願は、コンボ双方向光サブアセンブリを更に提供し、
ハウジングであり、光伝送チャネルがハウジング内に配置され、第2のデマルチプレクサが光伝送チャネル上に配置され、光伝送チャネルと通信する光受信ポート、光送信ポート及び光ファイバ接続ポートがハウジング内に配置される、ハウジングと、
受信機光サブアセンブリであり、受信機光サブアセンブリは、第1の態様のいずれかの技術的解決策による受信機光サブアセンブリであり、受信機光サブアセンブリは、光受信ポートにパッケージングされる、受信機光サブアセンブリと
を含む。
【0046】
第2のデマルチプレクサは、光ファイバ接続ポートから入射する第1の波長の光信号及び第2の波長の光信号を光受信ポートに反射できる。
【0047】
第4の態様によれば、この出願は、コンボ双方向光サブアセンブリを提供し、
ハウジングであり、光伝送チャネルがハウジング内に配置され、第2のデマルチプレクサが光伝送チャネル上に配置され、光伝送チャネルと通信する光受信ポート、光送信ポート及び光ファイバ接続ポートがハウジング内に配置される、ハウジングと、
送信機光サブアセンブリであり、送信機光サブアセンブリは、第2の態様のいずれかの技術的解決策による送信機光サブアセンブリであり、送信機光サブアセンブリは、光送信ポートにパッケージングされる、送信機光サブアセンブリと
を含む。
【0048】
第2のデマルチプレクサは、送信機光サブアセンブリにより放射された第3の波長の光信号及び第4の波長の光信号を光ファイバ接続ポートに透過できる。
【0049】
第5の態様によれば、この出願は、コンボ双方向光サブアセンブリを提供し、
ハウジングであり、光伝送チャネルがハウジング内に配置され、第2のデマルチプレクサが光伝送チャネル上に配置され、光伝送チャネルと通信する光受信ポート、光送信ポート及び光ファイバ接続ポートがハウジング内に配置される、ハウジングと、
受信機光サブアセンブリであり、受信機光サブアセンブリは、第1の態様のいずれかの技術的解決策による受信機光サブアセンブリであり、受信機光サブアセンブリは、光受信ポートにパッケージングされる、受信機光サブアセンブリと
送信機光サブアセンブリであり、送信機光サブアセンブリは、第2の態様のいずれかの技術的解決策による送信機光サブアセンブリであり、送信機光サブアセンブリは、光送信ポートにパッケージングされる、送信機光サブアセンブリと
を含む。
【0050】
第2のデマルチプレクサは、光ファイバ接続ポートから入射する第1の波長の光信号及び第2の波長の光信号を光受信ポートに反射でき、送信機光サブアセンブリにより放射された第3の波長の光信号及び第4の波長の光信号を光ファイバ接続ポートに透過できる。
【0051】
この出願の実施形態において提供されるコンボ双方向光サブアセンブリによれば、受信機光サブアセンブリは、第1の態様のいずれかの技術的解決策における受信機光サブアセンブリであり、送信機光サブアセンブリは、第2の態様のいずれかの技術的解決策における送信機光サブアセンブリである。したがって、コンボ双方向光サブアセンブリは、アップストリーム光信号の多重分離及び受信と、ダウンストリーム光信号の多重及び送信とを実現し得る。さらに、コンボ双方向光サブアセンブリのハウジング構造は、既存のBOSAパッケージ構造に適用可能であり、それにより、パッケージングプロセスが実現するのが容易であり、複雑な外部チューブ本体の製造が回避され、製造効率及び歩留り率が改善される。
【0052】
第5の態様の可能な実現方式では、光伝送チャネルは、光送信ポートと光ファイバ接続ポートとを接続する第1の光チャネルと、光受信ポートと第1の光チャネルとを接続する第2の光チャネルとを含む。第2のデマルチプレクサは、第1の光チャネルと第2の光チャネルとの接合部に配置される。光チャネルは、簡単な構造を有し、既存のBOSAハウジング製造プロセスに適合する。これは、製造効率を改善する。
【0053】
第5の態様の可能な実現方式では、アイソレータが、送信機光サブアセンブリと第2のデマルチプレクサとの間の光伝送チャネル内に配置される。アイソレータは、ネットワークにおける送信機光サブアセンブリの性能に対する反射光の影響を低減する。
【0054】
第6の態様によれば、この出願は、第1の態様における受信機光サブアセンブリ、又は第2の態様における送信機光サブアセンブリ、又は第3の態様、第4の態様及び第5の態様における技術的解決策のうちいずれか1つのコンボ双方向光サブアセンブリ及び電気サブアセンブリを含むコンボ光モジュールを提供し、電気サブアセンブリは、双方向光サブアセンブリにおける受信機光サブアセンブリ及び送信機光サブアセンブリに電気的に接続される。
【0055】
第7の態様によれば、この出願は、第6の態様の技術的解決策におけるコンボ光モジュールを含む光回線終端装置を提供する。
【0056】
第7の態様の可能な実現方式では、光回線終端装置は、コンボ光モジュールを取り付けるように構成されたボードと、サブラックとを更に含む。
【0057】
第8の態様によれば、この出願は、受動光ネットワークシステムを提供し、
光回線終端装置であり、光回線終端装置は、第7の態様のいずれかの技術的解決策における光回線終端装置である、光回線終端装置と、
光分配ネットワークであり、光分配ネットワークは、光回線終端装置に接続される、光分配ネットワークと、
複数の光ネットワークユニットであり、複数の光ネットワークユニットは、光分配ネットワークに接続される、複数の光ネットワークユニットと
を含む。
【0058】
複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはGPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールはXGPON光モジュールである。
【0059】
代替として、複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはEPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールは10G-EPON光モジュールである。
【0060】
複数の光ネットワークユニット内の光モジュールは、GPON光モジュール、XGPON光モジュール、25G-GPON光モジュール及び50G-GPON光モジュールのうち少なくとも2つを含むことが理解され得る。代替として、複数の光ネットワークユニット内の光モジュールは、EPON光モジュール、10G-EPON光モジュール、25G-EPON光モジュール及び50G-EPON光モジュールのうち少なくとも2つを含む。
【0061】
この出願の実施形態において提供されるコンボ光モジュール、光回線終端装置及び受動光ネットワークシステムによれば、コンボ光モジュールは、第1の態様における送信機光サブアセンブリ、第2の態様における受信機光サブアセンブリ、又は第3の態様、第4の態様及び第5の態様の技術的解決策のうちいずれか1つにおけるコンボ双方向光サブアセンブリを使用する。したがって、コンボ光モジュールは、アップストリーム光信号の多重分離及び受信と、ダウンストリーム光信号の多重及び送信とを実現できる。さらに、コンボ光モジュール内の双方向光サブアセンブリのハウジング構造は、既存のBOSAパッケージ構造に適用可能であり、それにより、製造及びパッケージングプロセスが実現するのが容易であり、外部チューブ本体の複雑な製造が回避され、製造効率及び歩留り率が改善される。したがって、光伝送モジュール及び受動光ネットワークシステムの構築コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】受動光ネットワークにおけるネットワークデバイス構成の図である。
図2】この出願の実施形態がこの出願の実施形態に適用可能なネットワークデバイス構成の概略構造図である
図3】双方向光サブアセンブリの典型的なパッケージ構造の概略図である。
図4】送信機光サブアセンブリの典型的なパッケージ構造の概略図である。
図5】受信機光サブアセンブリの典型的なパッケージ構造の概略図である。
図6】コンボ双方向光サブアセンブリの概略構造図である。
図7】この出願の実施形態によるコンボ双方向光サブアセンブリの全体アーキテクチャの概略図である。
図8】この出願の実施形態によるコンボ双方向光サブアセンブリのパッケージ構造の概略図である。
図9】この出願の実施形態による受信機光サブアセンブリのパッケージ構造の概略図である。
図10】この出願の実施形態による受信機光サブアセンブリの光路の概略図である。
図11】この出願の実施形態による受信機光サブアセンブリ内の光プリズムの概略構造図である。
図12】この出願の他の実施形態による受信機光サブアセンブリの光路の概略図である。
図13】この出願の他の実施形態による受信機光サブアセンブリのパッケージ構造の概略図である。
図14】この出願の他の実施形態による受信機光サブアセンブリ内の透明支持部の概略構造図である。
図15】他の構造が透明支持部に使用されるときの受信機光サブアセンブリの概略構造図である。
図16】方向Aからの図15の構造の部分概略図である。
図17】この出願の実施形態による送信機光サブアセンブリの光路の概略図である。
図18】この出願の実施形態による送信機光サブアセンブリのパッケージ構造の概略図である。
図19】この出願の他の実施形態による送信機光サブアセンブリの光路の概略図である。
図20】この出願の更に他の実施形態による送信機光サブアセンブリのパッケージ構造の概略図である。
図21】この出願の実施形態による受動光ネットワークシステムのネットワーク構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
この出願の実施形態は、受信機光サブアセンブリ、送信機光サブアセンブリ、コンボ双方向光サブアセンブリ、コンボ光モジュール及び受動光ネットワークシステムに関する。以下に、上記の実施形態における概念について簡単に説明する。
【0064】
受動光ネットワーク(Passive Optical Network, PON):受動光ネットワークは、OLTとONUの間の光分配ネットワーク(ODN)であり、PONには能動電子デバイスが存在しない。
【0065】
光分配ネットワーク(Optical distribution network, ODN):ODNは、PONデバイスに基づくファイバ・トゥ・ザ・ホーム・ネットワークである。ODNの機能は、OLTとONU間の光伝送チャネルを提供することである。
【0066】
波長分割多重(wavelength division multiplexing, WDM):波長分割多重は、異なる波長の2つ以上の光搬送波信号(様々な情報を搬送する)が、マルチプレクサを使用することにより送信端で結合され、伝送のために光路上の同じ光ファイバにカップリングされる技術を示す。受信端では、様々な波長の光搬送波がデマルチプレクサを使用することにより分離され、次いで、光受信機は、元の信号を復元するために更なる処理を実行する。同じ光ファイバ内で異なる波長の2つ以上の光信号を同時に伝送する技術は、波長分割多重と呼ばれる。
【0067】
光伝送モジュール:光伝送モジュールは、略称で光モジュールと呼ばれ、主に2つの部分、すなわち、双方向光サブアセンブリ(Bi-directional Optical sub-assembly, BOSA)及び電気サブアセンブリ(Electrical Subassembly, ESA)を含む。光伝送モジュールは、双方向光サブアセンブリのピンを周辺電気サブアセンブリ(ESA)に電気的に接続し、次いで、双方向光サブアセンブリ及び周辺電気サブアセンブリを光モジュールのハウジングに取り付けることにより形成される。
【0068】
双方向光サブアセンブリ(Bi-directional Optical sub-assembly, BOSA):BOSAは、主に、送信機光サブアセンブリ(transmitter Optical sub-assembly, TOSA)及び受信機光サブアセンブリ(Receiver Optical sub-assembly, ROSA)を含む。
【0069】
送信機光サブアセンブリ(Transmitter Optical sub-assembly, TOSA):TOSAの機能は、電気信号を光信号に変換し、伝送のために光信号を光ファイバに入力することである。
【0070】
受信機光サブアセンブリ(Receiver Optical sub-assembly, ROSA):ROSAの機能は、光ファイバを通じて伝送された光信号を受信し、光信号を電気信号に変換することである。
【0071】
双方向光サブアセンブリ(BOSA)は、光モジュール内の必須のコンポーネントであり、光信号を送信及び受信するために使用されてもよい。典型的なBOSA構造が図3に示されており、ハウジング05と、ハウジング05内の内臓式の送信機光サブアセンブリ(Transmitter Optical sub-assembly, TOSA)06と、受信機光サブアセンブリ(Receiver Optical sub-assembly, ROSA)07と、ハウジング05内に配置されたデマルチプレクサ08と、ハウジング05の端部に接続された光ファイバ接続フェルール(ferrule)09及び光ファイバ091とを含む。送信機光サブアセンブリ06の機能は、電気信号を光信号に変換し、伝送のために光信号を光ファイバ091に入力することである。受信機光サブアセンブリ07の機能は、光ファイバから光信号入力を受信し、光信号を電気信号に変換することである。一般的に、送信及び受信光の波長が異なるので、2つの波長を分離するために、デマルチプレクサ08がハウジング05内に必要とされる。デマルチプレクサの機能は、いくつかの波長の光を透過し、他の波長の光を反射することである。光送信路は、図3において実線の矢印により示されている。送信機光サブアセンブリ06により放射された光は、直線状にデマルチプレクサ08を通じて透過し、次いで、伝送のために光ファイバ091に入射する。光受信路は、図3において破線の矢印により示されている。光ファイバ091を通じて伝送された光信号は、デマルチプレクサ08において反射し、受信機光サブアセンブリ07は、光信号を受信するために、正確に反射光路上にある。
【0072】
別個のTOSA及びROSAについて、送信機(レーザダイオード)及び受信機(フォトダイオード)のようなデバイスの材料の特徴のため、TOSA及びROSAは環境における水蒸気及び酸素に敏感である。TOSA及びROSAが対応するガスにさらされた場合、デバイスの性能が時間と共に低下する可能性があり、故障を引き起こす。したがって、トランジスタアウトライン缶(Transistor-Outline can, TO CAN)の形式が、通常ではパッケージングに使用され、気密技術が製造プロセスにおいて使用される。具体的な方法は、純粋な窒素環境においてキャップをヘッダに溶接することである。
【0073】
具体的には、図4は、TOSAのパッケージ構造の図である。TOSAは、主に、ピンを有する金属ヘッダ(Header)061と、キャップ(Cap)062と、ヘッダ上に配置されたフォトダイオード(photodiode, PD)063と、サブマウント(Submount)064と、レーザダイオード(Laser diode, LD)065と、ヒートシンク(Heat Sink)066と、ウインドウ(Window)067とを含む。ヘッダ上のピン068は、金ワイヤを通じてレーザダイオード065上の信号電極に接続され、それにより、外部電気信号が、電子光変換のためにレーザダイオード065に伝送できる。
【0074】
図5は、ROSAのパッケージ構造の図である。ROSAは、主に、ピンを有する金属ヘッダ(Header)071と、キャップ(Cap)072と、トランスインピーダンス増幅器(Trans-impedance amplifier, TIA)073と、サブマウント(Submount)074と、フォトダイオード(Photodiode)075と、キャパシタ076と、球面レンズ077とを含む。フォトダイオード075による光電気変換の後に取得された信号は、ヘッダ上のピン078を通じて出力されてもよい。
【0075】
外部に配置されたWDMモジュールを有する構造は、高い構築コストと、大きい装置室の空間と、複雑な構築及びケーブル敷設と、困難な管理及び保守とをもたらす。したがって、WDMモジュールは、光モジュール内に配置されてもよい。
【0076】
以下に、説明のための例としてGPONを使用する。同じことがEPONシナリオについても当てはまる。
【0077】
いずれか2つの異なる伝送レートを同時にサポートできる光モジュールは、コンボ(Combo)光モジュールと呼ばれてもよい。例えば、コンボ光モジュールは、GPON、XGPON、25G GPON及び50G GPONのうちいずれか2つのレートを同時にサポートしてもよく、或いは、EPON、10G EPON、25G EPON及び50G EPONのうちいずれか2つのレートを同時にサポートしてもよい。コンボ光モジュールはまた、光モジュールと呼ばれてもよいことが理解され得る。
【0078】
光信号の使用波長に関して、GPONにおける光回線終端装置は、送信用の1490ナノメートルの波長及び受信用の1310ナノメートルの波長を使用し、XGPONにおける光回線終端装置は、送信用の1577ナノメートルの波長及び受信用の1270ナノメートルの波長を使用する。コンボ双方向光サブアセンブリでは、2つの波長の光信号の受信及び送信は、特別な構造設計を使用することにより共存する必要がある。これは、2つの波長の光信号を結合及び分離するための一連のWDMモジュール(マルチプレクサ又はデマルチプレクサ)を必要とする。さらに、他の可能性のある迷光を更に除去するために、特定の狭帯域フィルタが受信機の前に配置される必要がある。例えば、1270ナノメートルの帯域のみを通過する0度フィルタが1270ナノメートルの受信機の前に配置されるべきであり、1310ナノメートルの帯域のみを通過する0度フィルタが1310ナノメートルの受信機の前に配置されるべきである。
【0079】
図6は、コンボ双方向光サブアセンブリの概略構造図である。コンボ双方向光サブアセンブリは、主にハウジング05aを含む。ハウジング05aは、第1の送信機光サブアセンブリ06aと、第2の送信機光サブアセンブリ06bと、第1の受信機光サブアセンブリ07aと、第2の受信機光サブアセンブリ07bとを備える。第1のデマルチプレクサ08a、第2のデマルチプレクサ08b及びマルチプレクサ08cがハウジング05a内に配置される。ハウジング05aの左端は光ファイバアクセスポート051aである。光ファイバアクセスポート051aを通じてハウジング05aに入射した後に、1270ナノメートルの光信号は、第1のデマルチプレクサ08aにより反射し、第1の受信機光サブアセンブリ07aに入射する。光ファイバアクセスポート051aを通じてハウジング05aに入射した後に、1310ナノメートルの光信号は、第1のデマルチプレクサ08aを通じて透過し、第2のデマルチプレクサ08bにより反射し、第2の受信機光サブアセンブリ07bに入射する。マルチプレクサ08cにより反射した後に、第1の送信機光サブアセンブリ06aにより送信された光は、第2のデマルチプレクサ08b及び第1のデマルチプレクサ08aを相次いで通過し、光ファイバアクセスポート051aから放射される。第2の送信機光サブアセンブリ06bにより送信された光は、光マルチプレクサ08c、第2のデマルチプレクサ08b及び第1のデマルチプレクサ08aを相次いで通過し、光ファイバアクセスインターフェース051aから放射される。図6におけるアイソレータは、ネットワークにおけるレーザの性能に対する反射光の影響を低減する機能を有する。図6における0度フィルタ010は、他の可能性のある迷光を除去するように構成される。
【0080】
図6における構造は、2つの完全に独立した双方向サブアセンブリを使用する。注文制作のハウジングが設計及び製造され、複数のWDMモジュール、0度フィルタ及びアイソレータを配置するために、一連の固定構造がハウジング内に提供される。さらに、2つのTOSA及び2つのROSAが正方形ハウジングの周囲に配置される。全体構造は、GPON及びXGPONにおける2つのトランシーバ機能を実現するために使用される。しかし、出願人は、この解決策において、複雑な構造を有する注文制作のハウジングが必要とされることを見出している。これは、製造精度に対して高い要件を課し、特に、様々な波長フィルタ及び双方向サブアセンブリが配置される構造の製造精度に対してより高い要件が課される。さらに、長い光路条件での製造ずれのため、カップリングが困難になる可能性がある。一般的に、デバイス製造プロセスにおいて、TOSAのカップリングは、能動的な方式(具体的には、TOSAに電力供給し、TOSAの位置をわずかに調整し、出力端で出力光パワーを監視すること)でもよく、ROSAのカップリングは、通常では受動的な方式(位置調整なしに黒色接着剤でROSAを直接配置して固定すること)である。この構造の複雑さは、カップリングに大きい困難性を引き起こし、歩留り率を効果的に確保できない。さらに、第1のデマルチプレクサが配置される位置は、第1の受信機光サブアセンブリの受信光ファイバの非垂直入射を引き起こす。その結果、受信効率が最適化できない。
【0081】
さらに、複数のトランジスタアウトライン缶が使用されるので、光路は比較的長い。その結果、この解決策に従って製造された双方向サブアセンブリの全長が低減できない。その結果、以降の光モジュール製造プロセスにおいて、制御回路及び光サブアセンブリの全長が制御できず、光モジュールのハウジングが長くされる必要がある。しかし、光モジュールのサイズは特定の標準に従う必要がある。GPONについての標準は、スモールフォームファクタプラガブル(Small Form-Factor Pluggable, SFP)であり、XGPONについての標準はSFP+である。2つの標準に従った光モジュールのサイズは同じである。光モジュールの全長が制御不能である場合、最終的なモジュールのサイズが制御できず、したがって、標準の要件を満たすことができない。
【0082】
上記の問題を解決するために、図7及び図8に示すように、この出願の実施形態は、コンボ双方向光サブアセンブリを提供し、
ハウジング1であり、光伝送チャネル11がハウジング1内に配置され、第2のデマルチプレクサ2が光伝送チャネル11上に配置され、光伝送チャネル11と通信する光受信ポート、光送信ポート及び光ファイバ接続ポート12がハウジング内に配置される、ハウジング1と、
受信機光サブアセンブリ3であり、受信機光サブアセンブリ3は、光受信ポートにパッケージングされる、受信機光サブアセンブリ3と、
送信機光サブアセンブリ4であり、送信機光サブアセンブリ4は、光送信ポートにパッケージングされる、送信機光サブアセンブリ4と
を含む。
【0083】
第2のデマルチプレクサ2は、光ファイバ接続ポート12から入射する第1の波長の光信号及び第2の波長の光信号を光受信ポートに反射でき、受信機光サブアセンブリ4により放射された第3の波長の光信号及び第4の波長の光信号を光ファイバ接続ポート12に透過できる。
【0084】
光送信路は、図8において実線の矢印により示されている。送信機光サブアセンブリ4により放射された光は、直線状に第2のデマルチプレクサ2を通じて透過し、次いで、伝送のために光ファイバ接続ポート12に入射する。光受信路は、図8において破線の矢印により示されている。光ファイバ接続ポート12を通じて伝送された光信号は、第2のデマルチプレクサ2において反射し、受信機光サブアセンブリ3は、光信号を受信するために、正確に反射光路上にある。受信機光サブアセンブリ3について、2つの受信機サブアセンブリが、同じトランジスタアウトライン缶にパッケージングされ、アップストリーム光信号の多重分離及び受信を実現するために、デマルチプレクサがトランジスタアウトライン缶の中に配置される。同様に、送信機光サブアセンブリ4について、2つの送信機サブアセンブリが、同じトランジスタアウトライン缶にパッケージングされ、ダウンストリーム光信号の多重及び送信を実現するために、マルチプレクサがトランジスタアウトライン缶の中に配置される。したがって、図8に示すように、構造は、既存のBOSAパッケージ構造に適用可能であり、注文制作のハウジングは不要である。これは、製造コストを低減し、パッケージングプロセスを簡略化し、光モジュールのサイズについての既存の標準の要件を満たす。さらに、構造は簡単であり、光路は短く、カップリングの困難性は低い。
【0085】
具体的なパッケージ構造は、図8に示されるものでもよい。光伝送チャネル11は、光送信ポートと光ファイバ接続ポート12とを接続する第1の光チャネル11aと、光受信ポートと第1の光チャネル11aとを接続する第2の光チャネル11bとを含む。第2のデマルチプレクサ2は、第1の光チャネル11aと第2の光チャネル11bとの接合部に配置される。光チャネルは、簡単な構造を有し、既存のBOSAハウジング製造プロセスに適合する。これは、製造効率を改善する。
【0086】
ネットワークにおける送信機光サブアセンブリ4の性能に対する反射光の影響を低減するために、図7に示すように、アイソレータ5が、送信機光サブアセンブリ4と第2のデマルチプレクサ2との間の光伝送チャネル11に配置されてもよい。
【0087】
光路をコリメートするために、コリメーションレンズ13が光ファイバ接続ポート12内に配置されてもよい。
【0088】
受信機光サブアセンブリ3及び送信機光サブアセンブリ4の具体的な実現方式について、例を使用することにより以下に説明する。
【0089】
受信機光サブアセンブリ3の実現方式が図9及び図10に示されている。受信機光サブアセンブリ3は、第1のトランジスタアウトライン缶31を含み、光入射孔311が第1のトランジスタアウトライン缶31上に配置され、第1のデマルチプレクサ32、第1の光受信機33、第2の光受信機34及び光レンズの組み合わせ35が第1のトランジスタアウトライン缶31にパッケージングされる。第1の光受信機33は、第1の波長の光信号を受信でき、第2の光受信機34は、第2の波長の光信号を受信できる。光は、光入射孔311を通じて第1のデマルチプレクサ32に入射し、第1のデマルチプレクサ32は、第1の波長の光信号を透過し、第2の波長の光信号を反射するように構成される。第1の光受信機33は、第1のデマルチプレクサ32の透過光路上に配置され、光レンズの組み合わせ35は、第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に配置される。光レンズの組み合わせ35は、第1のデマルチプレクサ32により反射した第2の波長の光信号を第2の光受信機34に導くように構成される。
【0090】
この出願の実施形態において提供される受信機光サブアセンブリ3によれば、受信機光サブアセンブリ3内の第1の光受信機33は、第1の波長の光信号を受信でき、第2の光受信機34は、第2の波長の光信号を受信でき、第1のデマルチプレクサ32は、第1の波長の光信号を透過し、第2の波長の光信号を反射できる。このように、異なる波長のアップストリーム光信号が分離され、それにより、アップストリーム光信号は、多重分離されて受信できる。さらに、第1のデマルチプレクサ32は、受信機光サブアセンブリ3内に配置され、すなわち、内臓式のデマルチプレクサが実現され、それにより、過剰なデマルチプレクサがコンボ双方向光サブアセンブリのハウジング内に配置される必要がなく、注文制作のハウジング構造は、デマルチプレクサを固定するために必要とされない。これは、コンボ双方向光サブアセンブリのハウジング製造コストを低減する。さらに、トランジスタアウトライン缶は、受信機光サブアセンブリ3のパッケージングに使用され、したがって、既存のTOパッケージングプロセスと互換性がある。これは、複雑な注文制作のハウジングを回避し、製造コストを低減する。
【0091】
光レンズの組み合わせは、屈折器と、少なくとも1つの反射器とを含む。屈折器は、第1のデマルチプレクサの反射光路上に配置され、屈折器により屈折した第2の波長の光信号は、反射器により相次いで反射した後に、第2の光受信機に入射する。1つの反射器のみが存在する場合、反射器は、屈折器の屈折光路上に配置され、反射器の角度は、第2の波長の反射光信号が第2の光受信機に入射することを可能にするように調節される。複数の反射器が存在する場合、反射器のうち1つは、屈折器の屈折光路上に配置され、残りの反射器は順に配置され、反射器は、前の反射器の反射光路上に位置し、最後の反射器の反射光路は、第2の光受信機の受光光路と一致する。第1のデマルチプレクサ32の反射光路と第1のデマルチプレクサ32の入射光路との間のはさみ角が比較的小さいとき、屈折器は、第1のデマルチプレクサ32の入射光路に近いほぼ垂直方向に沿って配置されてもよい。このように、屈折器に入射した後、第1のデマルチプレクサ32により反射した光信号は、第1のデマルチプレクサ32の入射光路から離れた方向に偏向し、それにより、反射器を配置するのに十分な空間が存在する。
【0092】
第1の光受信機33及び第2の光受信機34が、例えば、並列に並んで配置されるか、互いに垂直に配置されるか、或いは特定の角度で配置されるとき、複数の相対位置が存在してもよい。図5に示すように、既存のTOパッケージングプロセスでは、光受信機(すなわち、フォトダイオード075)がヘッダ071上に配置される。この出願における受信機光サブアセンブリ3が既存のTOパッケージングプロセスに適合することを可能にするために、図10に示すように、第1の光受信機33及び第2の光受信機34が並んで配置されてもよい。この場合、2つの光受信機が対応する光信号を受信することを可能にするために、図10に示すように、光レンズの組み合わせ35は、屈折器351と、第1の反射器352と、第2の反射器353とを含んでもよい。屈折器351は、第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に配置され、第1の反射器352は、屈折器351の屈折光路上に配置され、第2の反射器353は、第1の反射器352の反射光路上に配置される。第2の反射器353の反射光路は、第1のデマルチプレクサ32の透過光路と平行であり、第2の光受信機34の受信光路と一致する。図10において矢印により示すように、光信号が入射孔から入射した後に、第1の波長の光信号は、第1のデマルチプレクサ32を直接透過し、第1の光受信機33に入射し、第2の波長の光信号は、第1のデマルチプレクサ32により反射し、屈折器351により屈折して第1の反射器352及び第2の反射器353により相次いで反射した後に第2の光受信機34の受信光路に沿って第2の光受信機34に入射する。したがって、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、同じ側に配置できる。これは、既存のTOパッケージ構造により適合しており、よりコンパクトな構造を有する。さらに、2つの光受信機の受信光路が垂直にカップリングでき、カップリング効率が改善されることが確保される。第1の反射器352及び第2の反射器353が配置され、屈折器351と協働し、それにより、第2の光受信機34のカップリング効率を改善するために、第2の波長の光信号は、第2の光受信機34に垂直に入射するように調節できる。
【0093】
集光及びフィルタリングを実現するために、図10に示すように、第1のコンデンサレンズ36a及び第1のフィルタ37aが、第1の光受信機33の光入射方向において第1の光受信機33の受信光路上に順に配置され、第2のコンデンサレンズ36b及び第2のフィルタ37bが、第2の光受信機34の光入射方向において第2の光受信機34の受信光路上に順に配置される。したがって、第1のコンデンサレンズ36a及び第2のコンデンサレンズ36bは、集光を実現でき、それにより、信号が増強される。第1のフィルタ37a及び第2のフィルタ37bは、光信号に対する他の迷光の影響を防止するために、フィルタリングを実現してもよい。
【0094】
フィルタは、光入射孔311に更に配置されてもよい点に留意すべきである。この場合、第1のフィルタ37a及び第2のフィルタ37bは配置される必要はない。
【0095】
光レンズの組み合わせ35は、複数の光レンズ35を含んでもよく、或いは、全体構造として設計されてもよい。図9及び図11に示すように、光レンズの組み合わせ35は、一体式光プリズム35'である。屈折面351'、第1の反射面352'及び第2の反射面353'は、光プリズム35'上に配置される。屈折面351'は、第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に配置され、第1の反射面352'は、屈折面351'の屈折光路上に配置され、第2の反射面353'は、第1の反射面352'の反射光路上に配置され、第2の反射面353'の反射光路は、第2の光受信機34の受信光路と一致する。図11において矢印により示すように、第1の波長の光信号は、第1のデマルチプレクサ32及び光プリズム35'を直接透過し、第1の光受信機33に入射する。第2の波長の光信号は、第1のデマルチプレクサ32により反射し、光プリズム35'の屈折面351'により屈折し、次いで、光プリズム35'内で伝達される。第2波長の光信号は、光プリズム35'内の第1の反射面352'に伝達され、最初に反射し、次いで、光プリズム35'内の第2の反射面353'に伝達され、2回目に反射する。第2回目に反射した光は、第2の光受信機34の受信光路に沿って光プリズム35'の底面から放射され、第2の光受信機34に入射する。光レンズの組み合わせ35は、光プリズム35に一体化され、それにより、構造がコンパクトであり、設置及び製造がより容易である。
【0096】
さらに、第1のコンデンサレンズ36a及び第2のコンデンサレンズ36bは、光プリズム35'に更に一体化されてもよい。具体的には、図9及び図11に示すように、第1のコンデンサレンズ36aは、光プリズム35'の底面上の第1の集光面36a'であり、第2のコンデンサレンズ36bは、光プリズム35'の底面上の第2の集光面36b'である。第1の集光面36a'は、第1の光受信機33に対応し、第2の集光面36b'は、第2の光受信機34に対応する。したがって、全体構造がよりコンパクトである。
【0097】
図9に示すように、第1のフィルタ37a及び第2のフィルタ37bは、光プリズム35'に更に挿入されてもよく、第1のフィルタ37aは、第1の集光面36a'と第1の光受信機33との間に位置し、第2のフィルタ37bは、第2の集光面36b'と第2の光受信機34との間に位置する。したがって、フィルタが容易に設置できる。図11に示すように、光プリズム35'は、2つの支持脚部354'を含んでもよく、支持脚部354'上にスロット355'が存在する。第1のフィルタ37a及び第2のフィルタ37bは、2つの支持脚部354'上のそれぞれのスロット355'に挿入される。
【0098】
光プリズム35'は、モールド構造を通じて光路内の全ての機能要素を実現でき、例えば、高分子ダイカスト方式で一度に形成されてもよい。
【0099】
第1のフィルタ37a及び第2のフィルタ37bは、0度フィルタでもよい。さらに、第1の反射器352及び第2の反射器353は、全反射器でもよく、それにより、光信号強度が反射中に減衰することを防止する。第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、フォトダイオードでもよく、それにより、第1の波長の光信号及び第2の波長の光信号は、出力のために電気信号に変換されてもよい。
【0100】
第1のデマルチプレクサ32は、プリズム本体に更に固定されてもよい。具体的には、図11に示すように、設置面356'がプリズム本体上に形成され、第1のデマルチプレクサ32が設置面356'に固定される。設置面356'と屈折面351'との間のはさみ角を調整することにより、屈折面351'が第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に位置することを確保できる。したがって、設置空間の利用を改善するために、第1のデマルチプレクサ32は、プリズム本体に固定されてもよい。
【0101】
第1のトランジスタアウトライン缶31の構造は、図9に示されるものでもよく、第1のヘッダ312と、第1のヘッダ312上に配置された第1のキャップ313とを含む。光プリズム35'は、第1のヘッダ312に固定され、光プリズム35'と第1のヘッダ312との間に設置空間314が存在し、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、設置空間314内に配置され、第1のヘッダ312に確実に接続される。したがって、第1の光受信機33及び第2の光受信機34の設置空間が節約でき、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、光プリズム35'を使用することにより効果的に保護されてもよい。
【0102】
光受信機により受信される光は比較的弱いので、生成された電気信号は非常に弱く、処理される前に増幅される必要がある。このことを考慮して、図9に示すように、光受信機により生成された電気信号は、増幅のために増幅器39に出力されてもよく、すなわち、光受信機は増幅器39に接続され、増幅器39はピンに接続される。したがって、第1の光受信機33及び第2の光受信機34により光電気変換の後に生成された電気信号は、増幅されてもよく、それにより、電気信号は出力のために増強される。
【0103】
第1のヘッダ312上の第1の光受信機33及び第2の光受信機34のパッケージングの間に、以下のステップが実行される。まず、基板が第1のヘッダ312上に表面実装され、特定の金属回路が基板上に構築される。次いで、第1の光受信機33及び第2の光受信機34が基板上に表面実装され、金ワイヤボンディングが、金属回路によって第1の光受信機33及び第2の光受信機34に対して実行される。金ワイヤボンディングはまた、金属回路及び周辺TIAに対しても実行される。2つの0度フィルタが光プリズム35'に挿入され、光プリズム35'が基板上に表面実装される。この場合、2つの光受信機のカップリング効率は、実装精度によって確保される。第1のデマルチプレクサ32は、光プリズム35上'に表面実装され、最後に、第1のキャップ313が、気密パッケージングを実現するように全体のデバイスをカバーするために使用される。ピン及び第1のヘッダ312は、ガラスセメントを使用することにより分離されてもよく、ピン及び第1のヘッダ312は、互いに電気的に絶縁される。一般的に、全体の第1のヘッダ312は、接地面として使用されるように構成され、第1のヘッダ312に接続された特殊なピンを使用することにより外部接地に接続される。上記の電気接続は、金ワイヤ溶接により実現されてもよい。
【0104】
受信機光サブアセンブリ3の他の実現方式では、光レンズの組み合わせは、屈折器を含まなくてもよいが、少なくとも1つの反射器のみを含む。第1のデマルチプレクサにより反射した第2の波長の光信号は、反射器により相次いで反射した後に、第2の光受信機に入射する。1つの反射器のみが存在する場合、反射器は、第1のデマルチプレクサの屈折光路上に配置され、反射器の角度は、第2の波長の反射光信号が第2の光受信機に入射することを可能にするように調節される。複数の反射器が存在する場合、反射器のうち1つは、第1のデマルチプレクサの屈折光路上に配置され、残りの反射器は順に配置され、反射器は、前の反射器の反射光路上に位置し、最後の反射器の反射光路は、第2の光受信機の受光光路と一致する。
【0105】
図12は、受信機光サブアセンブリ3が屈折器を含まない実現方式を示す。第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、並んで配置され、これらの受信光路は、互いに平行である。光レンズの組み合わせ35は、第3の反射器354を含み、第3の反射器354は、第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に配置され、第3の反射器354の反射光路は、第1のデマルチプレクサ32の透過光路と平行であり、第2の光受信機34の受信光路と一致する。第1のデマルチプレクサ32により分割された後に、受信光の一部は直接透過し、第1の光受信機32に入射する。受信光の他の部分は、第3の反射器354に入射し、第3の反射器354により反射し、第2の光受信機34の受信光路に沿って第2の光受信機34に入射する。この実現方式では、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、同じ側に配置でき、それにより、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、既存のTOパッケージ構造と互換性があり、光路がより短くなる可能性があり、より小さい信号損失が引き起こされる。
【0106】
同様に、集光及びフィルタリングを実現するために、第3のコンデンサレンズ36c及び第3のフィルタ37cが、第1の光受信機33の光入射方向において第1の光受信機33の受信光路上に順に配置され、第4のコンデンサレンズ36d及び第4のフィルタ37dが、第2の光受信機34の光入射方向において第2の光受信機34の受信光路上に順に配置される。このように、光信号に対する他の迷光の影響を防止するために、集光及びフィルタリングが実現できる。したがって、第3のコンデンサレンズ36c及び第4のコンデンサレンズ36dは、集光を実現してもよく、それにより、信号が増強される。光信号に対する他の迷光の影響を防止するために、第3のフィルタ37c及び第4のフィルタ37dは、フィルタリングを実現してもよい。
【0107】
第1のデマルチプレクサ32及び第3の反射器354の固定を容易にするために、図13及び図14に示すように、透明支持部38が配置されてもよい。透明支持部38は、底部プレート381と、頂部プレート382とを含む。第1のデマルチプレクサ32は、底部プレート381に固定され、第3の反射器354は、頂部プレート382に固定され、第1のデマルチプレクサ32の反射光路上に位置し、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、底部プレート381の底面上に配置される。したがって、第1のデマルチプレクサ32及び第3の反射器354は、透明支持部38に固定されてもよく、それにより、構造がコンパクトである。底部プレート381及び頂部プレート382は、透明な材料を使用することにより一体的に形成されてもよく、或いは、独立して作られてもよい。これは、ここでは限定されない。
【0108】
他の可能な実現方式では、図15及び図16に示すように、透明支持部38は、第1の支持プレート383と、第2の支持プレート384とを更に含む。第1の支持プレート383及び第2の支持プレート384は、間隔を置いて配置され、第3の反射器は、第1の支持プレート382及び第2の支持プレート384の上に配置される。第1のデマルチプレクサ32により分割された後に、受信光の一部は直接透過し、第1の光受信機33に入射する。受信光の他の部分は、第1のデマルチプレクサ32により反射し、第1の支持プレート383と第2の支持プレート384との間のギャップを通じて第3の反射器354に入射し、次いで、第3の反射器354により反射し、第2の光受信機34の受信光路に沿って第2の光受信機34に入射する。この実施形態では、第1の支持プレート383及び第2の支持プレート384は、透明な材料で作られてもよく、或いは、不透明な材料で作られてもよい。これは、ここでは限定されない。
【0109】
さらに、第3のコンデンサレンズ36c及び第4のコンデンサレンズ36dは、透明支持部38に更に一体化されてもよい。具体的には、図13及び図14に示すように、第3のコンデンサレンズ36cは、底部プレート381の底面上の第3の集光面36c'であり、第4のコンデンサレンズ36dは、底部プレート381の底面上の第4の集光面36d'である。第3の集光面36c'は第1の光受信機33に対応し、第4の集光面36d'は第2の受信機34に対応する。したがって、全体構造がよりコンパクトである。
【0110】
図13に示すように、第3のフィルタ37c及び第4のフィルタ37dは、透明支持部38に更に挿入されてもよい。第3のフィルタ37cは、第3の集光面36c'と第1の光受信機33との間に位置し、第4のフィルタ37dは、第4の集光面36d'と第2の光受信機34との間に位置する。したがって、フィルタが容易に設置できる。図14に示すように、透明支持部38は、支持脚部383を含んでもよく、支持脚部383上に支持スロット384が存在する。第3のフィルタ37c及び第4のフィルタ37dは、2つのそれぞれの支持スロット384に挿入される。
【0111】
第1のトランジスタアウトライン缶31の構造は、図13に示されるものでもよい。第1のトランジスタアウトライン缶31は、第1のヘッダ312と、第1のヘッダ312上に配置された第1のキャップ313とを含み、透明支持部38は、第1のヘッダ312に固定され、透明支持部38と第1のヘッダ312との間に設置空間が存在し、第1の光受信機33及び第2の光受信機34は、設置空間内に配置され、第1のヘッダ312に確実に接続される。このように、設置空間が節約できる。
【0112】
GPON及びXGPONの送信及び受信波長を例として使用すると、第1の波長の光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号でもよく、第2の波長の光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号でもよい。代替として、第1の波長の光信号は、1270ナノメートルの波長の光信号でもよく、第2の波長の光信号は、1310ナノメートルの波長の光信号でもよい。このように、GPON及びXGPONの光信号が受信できる。
【0113】
送信機光サブアセンブリ4の具体的な実現方式は、図17及び図18に示されるものでもよい。送信機光サブアセンブリ4は、第2のトランジスタアウトライン缶41を含み、出光孔411が第2のトランジスタアウトライン缶41上に配置される。マルチプレクサ42、第1の光送信機43及び第2の光送信機44が第2のトランジスタアウトライン缶41にパッケージングされる。第1の光送信機43は、第3の波長の光信号を送信でき、第2の光送信機44は、第4の波長の光信号を送信できる。マルチプレクサ42は、第1の光送信機43及び第2の光送信機44の送信光路上に位置する。マルチプレクサ42は、第3の波長の光信号と第4の波長の光信号とを結合し、結合された光信号を出光孔411に送信できる。
【0114】
この出願の実施形態において提供される送信機光サブアセンブリ4によれば、第1の光送信機43は、第3の波長の光信号を送信でき、第2の光送信機44は、第4の波長の光信号を送信でき、マルチプレクサ42は、送信のために第3の波長の光信号と第4の波長の光信号とを結合できる。このように、ダウンストリーム光信号は、多重されて送信できる。さらに、マルチプレクサ42は、送信機光サブアセンブリ4内に配置され、すなわち、内臓式のマルチプレクサ42が実現され、それにより、過剰なマルチプレクサ42がコンボ双方向光サブアセンブリのハウジング内に配置される必要がなく、注文制作のハウジング構造は、光マルチプレクサ42を固定するために必要とされない。これは、コンボ双方向光サブアセンブリのハウジング製造コストを低減する。さらに、トランジスタアウトライン缶は、送信機光サブアセンブリ4のパッケージングに使用され、したがって、既存のTOパッケージングプロセスと互換性がある。これは、複雑な注文制作のハウジングを回避し、製造コストを低減する。
【0115】
マルチプレクサ42は、導波管マルチプレクサ、スライドマルチプレクサ等でもよい。これは、ここでは限定されない。マルチプレクサ42が導波管マルチプレクサであるとき、具体的なパッケージ構造が図18に示されている。第2のトランジスタアウトライン缶41は、第2のヘッダ41aと、第2のキャップ41bとを含む。導波路マルチプレクサ42aを保持するための保持構造412が、第2のヘッダ41a上に配置される。導波管マルチプレクサ42aは、第1の入力端子と、第2の入力端子と、出力端子とを含む。第1の入力端子及び第1の光送信機43においてカップリング及び整合が実行され、第2の入力端子及び第2の光送信機44においてカップリング及び整合が実行される。出力端子は、第2のトランジスタアウトライン缶41の出光孔411に対応する。第2のキャップ41bは、気密パッケージングを実現するように構成される。図17に示すように、第1の光送信機43及び第2の光送信機44から放射された光信号は、導波路マルチプレクサ42aにより多重され、次いで、第2のトランジスタアウトライン缶41上の出光孔411により放射される。
【0116】
図18に示すように、第1の入力端子及び第2の入力端子は、それぞれ、導波管マルチプレクサ42aの2つの反対側の壁上に位置し、出力端子の出光方向に垂直である。この場合、第1の光送信機43の送信光路及び第2の光送信機44の送信光路は、出力端子の出光方向において互い違いに配置され、すなわち、図18に示すように、高低差が垂直方向に生成される。したがって、第1の光送信機43により放射された光と第2の光送信機44により放射された光との間の相互干渉が防止できる。
【0117】
マルチプレクサ42がスライドマルチプレクサであるとき、スライドマルチプレクサは、第3の波長の光信号を透過でき、第4の波長の光信号を反射できる。具体的な構造は、図19及び図20に示されるものでもよい。第1の光送信機43及び第2の光送信機44は、並んで配置される。第2のトランジスタアウトライン缶41上のスライドマルチプレクサ42bと出光孔411との双方は、第1の光送信機43の送信光路上に位置する。第4の反射器45は、第2の光送信機44の送信光路上に配置され、第4の反射器は、第2の光送信機44により放射された第4の波長の光信号をスライドマルチプレクサ42bに反射してもよい。スライドマルチプレクサ42bは、第3波長の光信号と第4波長の光信号とを結合し、結合された光信号を出光孔411に送信できる。スライドマルチプレクサが使用される構造は、第1の光送信機43及び第2の光送信機44が、既存のTOパッケージングプロセスに適合するように、並んで配置されることを可能にしてもよい。
【0118】
突発的な光をコリメートするために、コリメーションレンズが配置されてもよい。コリメーションレンズが配置される位置は、図18に示されるものでもよい。コリメーションレンズ46は、第2のトランジスタアウトライン缶上の出光孔411に配置される。このように、方向ずれからの光信号を防止するように、光が出光孔411から直線状に放射できる。さらに、図20に示すように、第1のコリメーションレンズ46aは、第1の光送信機43とマルチプレクサとの間に配置されてもよく、第2のコリメーションレンズ46bは、第2の光送信機44とマルチプレクサとの間に配置されてもよい。このように、方向ずれからの光信号を防止するように、光が第1の光送信機43及び第2の光送信機44から直線状に放射できる。
【0119】
第1の光送信機43及び第2の光送信機44は、レーザダイオードでもよい。
【0120】
GPON及びXGPONの送信及び受信波長を例として使用すると、第3の波長の光信号は、1577ナノメートルの波長の光信号でもよく、第4の波長の光信号は、1490ナノメートルの波長の光信号でもよい。代替として、第3の波長の光信号は、1490ナノメートルの波長の光信号でもよく、第4の波長の光信号は、1577ナノメートルの波長の光信号でもよい。このように、GPON及びXGPONの光信号が送信できる。
【0121】
1577ナノメートルの波長の光信号の透過率は高く、光送信機の熱量は比較的大きい。したがって、光送信機の動作温度を制御して過度の高温を防止するために、冷却レーザが必要とされる。具体的には、図18及び図20に示すように、温度コントローラ47は、温度コントローラ47を使用することにより冷却レーザの動作温度を調整するために、1577ナノメートルの波長に対応する冷却レーザのもとで配置されてもよい。
【0122】
第1の光送信機43及び第2の光送信機44の動作状態を監視するために、図18及び図20に示すように、モニタフォトダイオード(MPD)48が配置されてもよい。モニタフォトダイオード48は、第1の光送信機43及び第2の光送信機44の動作状態を監視するように構成される。具体的には、図18に示すように、2つのモニタフォトダイオード48は、それぞれ、第1の光送信機43及び第2の光送信機44に沿って配置されてもよい。図20に示すように、2つのモニタフォトダイオード48は、代替として、それぞれ、第1の光送信機43及び第2の光送信機44の下に配置されてもよい。
【0123】
具体的には、図20に示すパッケージ構造のパッケージプロセスは以下の通りである。キャリア構造49が第2のヘッダ41a上に一体的に形成され、次いで、温度コントローラ及びレーザキャリアがキャリア構造49上に配置される。2つの光送信機は、キャリア構造49上に別々に表面実装される。MPDは、第2のヘッダ41a上に直接配置される。レンズは、2つの光送信機のそれぞれの上に配置される。第4の反射器45は、一方のレンズの上に配置され、マルチプレクサは、他方のレンズの上に配置される。最後に、第2のキャップ41bが、気密パッケージングを実現するために使用される。
【0124】
受信機光サブアセンブリ3及び送信機光サブアセンブリ4の上記の具体的な実現方式の解決策は、図7に示すコンボ双方向光サブアセンブリに全て適用されてもよく、それにより、コンボ双方向光サブアセンブリは、既存のBOSAパッケージ構造に適用可能でもよく、したがって、注文制作のハウジングは必要とされない。これは、製造コストを低減し、パッケージングプロセスを簡略化し、光モジュールのサイズに対する既存の標準の要件を満たす。さらに、構造が簡単であり、光路が短く、カップリングの困難性は低い。
【0125】
コンボ双方向光サブアセンブリは、代替として、上記の実施形態における受信機光サブアセンブリ3のみを使用し、送信機光サブアセンブリとして2つの独立したパッケージングされていない送信機光サブアセンブリを使用してもよい点に留意すべきである。同様に、コンボ双方向光サブアセンブリは、代替として、上記の実施形態における送信機光サブアセンブリ4のみを使用し、受信機光サブアセンブリとして2つの独立したパッケージングされていない受信機光サブアセンブリを使用してもよい。
【0126】
例えば、可能な実現方式では、コンボ双方向光サブアセンブリは、上記の実施形態における受信機光サブアセンブリ3のみを使用し、2つの送信機光サブアセンブリは、同じトランジスタアウトライン缶にパッケージングされる代わりに、別々に設置されてもよい。この場合、2つの光送信ポートが、コンボ双方向光サブアセンブリ内のハウジング1内に配置されてもよい。独立した送信機光サブアセンブリは、2つの光送信ポートのそれぞれに配置され、一方の送信機光サブアセンブリは、第3の波長の光信号を送信するように構成され、他方の送信機光サブアセンブリは、第4の波長の光信号を送信するように構成される。マルチプレクサは、光伝送チャネル11上に配置され、送信のために2つの送信機光サブアセンブリにより送信される光信号を結合するように構成される。
【0127】
上記の実施形態のいずれか1つにおけるコンボ双方向光サブアセンブリは、周辺電気サブアセンブリ(ESA)に電気的に接続され、次いで、コンボ双方向光サブアセンブリと周辺電気サブアセンブリとの組み合わせが、コンボ光モジュールを形成するように、光モジュールのハウジングに配置される。
【0128】
例えば、図7に示す双方向光サブアセンブリ内の受信機光サブアセンブリ及び送信機光サブアセンブリのピンは、周辺電気サブアセンブリ(ESA)に電気的に接続され、次いで、双方向光サブアセンブリ及び周辺電気サブアセンブリの組み合わせが、コンボ光モジュールを形成するように、光モジュールハウジングに配置される。
【0129】
上記のコンボ光モジュールを基板に接続し、コンボ光モジュールをサブラックに配置することにより、光回線終端装置が形成される。
【0130】
上記の光回線終端装置が受動光ネットワークシステムに適用されるとき、受動光ネットワークシステムの構造は図21に示されており、
光回線終端装置100であり、コンボ光モジュール101は、光回線終端装置100内に配置される、光回線終端装置100と、
光分配ネットワーク200であり、光分配ネットワーク200は、光回線終端装置100に接続される、光分配ネットワーク200と、
複数の光ネットワークユニット300であり、複数の光ネットワークユニット300は、光分配ネットワーク200に接続される、複数の光ネットワークユニット300と
を含む。
【0131】
複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはGPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールはXGPON光モジュールである。
【0132】
代替として、複数の光ネットワークユニット内のいくつかの光ネットワークユニットの光モジュールはEPON光モジュールであり、他の光ネットワークユニットの光モジュールは10G-EPON光モジュールである。
【0133】
この出願の実施形態において提供される光伝送モジュール及び受動光ネットワークシステムによれば、コンボ光モジュール101は、アップストリーム光信号の多重分離及び受信と、ダウンストリーム光信号の多重及び送信とを実現できる。さらに、コンボ光モジュール101内のコンボ双方向光サブアセンブリのハウジング構造は、既存のBOSAパッケージ構造に適用可能であり、それにより、製造及びパッケージングプロセスが実現するのが容易であり、外部チューブ本体の複雑な製造が回避され、製造効率及び歩留り率が改善される。したがって、光伝送モジュール及び受動光ネットワークシステムの構築コストが低減される。
【0134】
この明細書の説明において、記載の特定の特徴、構造、材料又は特性は、実施形態又は例のうちいずれか1つ以上において、適切な方式で組み合わされてもよい。
【0135】
上記の説明は、単に本発明の具体的な実現方式であるが、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者により容易に理解されるいずれかの変更又は置換は、本発明の保護範囲に入るものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
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