(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】土工機械
(51)【国際特許分類】
E01C 19/28 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
E01C19/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022164136
(22)【出願日】2022-10-12
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10 2021 126 363.8
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508123375
【氏名又は名称】ハム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Hamm AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ダグナー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クライン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブラウンシュレーガー
(72)【発明者】
【氏名】ロニー・ピーシュケ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ゴルブス
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-168149(JP,A)
【文献】特許第5572764(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0298950(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120747(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械フレームと、前記機械フレームに支持された、又は/及び、前記機械フレームを少なくとも部分的に供給し、ユニット受容空間(24)を画定するカバー(26、28)と、を含む土工機械であって、
前記カバー(26、28)は、前記ユニット受容空間(24)を貫流する冷却空気のための冷却空気流入領域(30)と冷却空気流出領域(32)とを有しており、
前記ユニット受容空間(24)には、前記ユニット受容空間(24)を前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)まで貫流する冷却空気が周囲を流れることが可能である複数のユニットが配置されており、
前記ユニット受容空間(24)に配置された少なくとも2つのユニットは、互いに異なる最高許容動作温度を有しており、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが、前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)への冷却空気の流れる方向において、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットの上流に配置されて
おり、
前記ユニット受容空間(24)を、低温空間領域(44)と、冷却空気の流れる方向(R)において前記低温空間領域(44)の下流に配置された高温空間領域(46)と、に分割する第1の隔壁(42)が設けられており、
前記低温空間領域(44)には、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されており、前記高温空間領域には、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されており、
前記低温空間領域(44)に、前記低温空間領域(44)を、冷却空気主流量(58)と冷却空気副流量(60)とに分割する第2の隔壁(56)が設けられており、前記第1の隔壁(42)には、前記冷却空気主流量(58)と前記高温空間領域(46)との間の冷却空気流の接続を供給する、少なくとも1つの冷却空気貫流開口部(52)が設けられており、又は/及び、50%以上の前記冷却空気流が、前記冷却空気主流量(58)から前記高温空間領域(46)に流れる、土工機械。
【請求項2】
前記ユニット受容空間(24)に配置された、より高い最高許容動作温度を有するユニットが、
-電動機(62)として構成された少なくとも1つの駆動ユニット、又は/及び、
-少なくとも1つの油圧流体冷却器(64)、又は/及び、
-少なくとも1つの油圧作業ユニット、又は/及び、
-少なくとも1つの冷却空気送風機(54)、
を含んでいること、並びに、
前記ユニット受容空間(24)に配置された、より低い最高許容動作温度を有するユニットが、
-少なくとも1つの電気エネルギー源、又は/及び、
-少なくとも1つのパワーエレクトロニクスシステム領域、
を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の土工機械。
【請求項3】
前記ユニット受容空間(24)に配置された、より高い最高許容動作温度を有するユニットが、少なくとも1つの油圧ポンプ又は/及び油圧弁又は/及び油圧モータ(70)を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の土工機械。
【請求項4】
少なくとも1つの前記電気エネルギー源が、バッテリ(78)又は/及び燃料電池を含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の土工機械。
【請求項5】
少なくとも1つの前記パワーエレクトロニクスシステム領域が、少なくとも1つのインバータ(80)、又は/及び、少なくとも1つのDC/DCコンバータ(86、88)を含んでいることを特徴とする、請求項2又は4に記載の土工機械。
【請求項6】
少なくとも1つのトラクション電動機が、トラクション油圧ポンプのための駆動ユニットとして設けられており、少なくとも1つのステアリング電動機が、ステアリング油圧ポンプのための駆動ユニットとして設けられていること、
前記トラクション電動機には、前記トラクション電動機のためにトラクション動作電圧を供給するために、少なくとも1つのトラクションインバータ(82)が配設されていること、
前記ステアリング電動機には、ステアリング動作電圧を供給するために、少なくとも1つのステアリングインバータ(84)が配設されていること、並びに、
少なくとも1つの前記トラクションインバータ(82)、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー源が、冷却空気の流れる方向(R)において、少なくとも1つの前記ステアリングインバータ(84)、又は/及び、少なくとも1つの前記DC/DCコンバータ(86、88)の上流に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の土工機械。
【請求項7】
前記トラクションインバータ(82)それぞれ、又は/及び、前記電気エネルギー源それぞれが、冷却空気の流れる方向(R)において、前記ステアリングインバータ(84)それぞれ、又は/及び、前記DC/DCコンバータ(86、88)それぞれの上流に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の土工機械。
【請求項8】
より高い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を超えており、より低い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を下回っていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項9】
前記温度境界値が、80℃から100℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項8に記載の土工機械。
【請求項10】
前記第1の隔壁(42)が、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成されていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項11】
前記第2の隔壁(56)が、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成されていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項12】
少なくとも1つの前記パワーエレクトロニクスシステム領域が、前記第2の隔壁(56)の前記冷却空気副流量(60)に対向する側に配置されている、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー源が、前記冷却空気主流量(58)内に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の土工機械。
【請求項13】
前記パワーエレクトロニクスシステム領域それぞれが、前記第2の隔壁(56)の前記冷却空気副流量(60)に対向する側に配置されている、又は/及び、前記電気エネルギー源それぞれが、前記冷却空気主流量(58)内に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の土工機械。
【請求項14】
冷却空気を前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)まで、前記ユニット受容空間(24)を貫通して運ぶための、少なくとも1つの冷却空気送風機(54)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の土工機械。
【請求項15】
少なくとも1つの前記冷却空気送風機(54)が、前記第1の隔壁(42)の、冷却空気貫流開口部(52)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の土工機械。
【請求項16】
土工機械がソイルコンパクタであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の土工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソイルコンパクタとして構成されていてよい、例えばアスファルト材料、岩屑又は土壌等の地面を締固めるための土工機械に関する。このような土工機械は、例えばホイールローダ、浚渫機フライス盤又は農業機械としても構成されていてよい。
【背景技術】
【0002】
電動機で駆動される土工機械への移行に伴って、当該土工機械にユニット、特に電気ユニット又は電子ユニットを組み込む要求が増してきているが、当該ユニットは、従来のようにこのような土工機械に配置されている機械的に機能又は動作するユニットに比べて、比較的高い温度感受性を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、温度感受性の高いユニットに関しても、動作中に十分な放熱が保証された、ソイルコンパクタ等の土工機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、本課題は、機械フレームと、機械フレームに支持された、又は/及び、機械フレームを少なくとも部分的に供給し、ユニット受容空間を取り囲むカバーと、を含む土工機械、特にソイルコンパクタによって解決され、当該カバーは、ユニット受容空間を貫流する冷却空気のための冷却空気流入領域と冷却空気流出領域とを有しており、ユニット受容空間には、ユニット受容空間を冷却空気流入領域から冷却空気流出領域まで貫流する冷却空気が周囲を流れることが可能である複数のユニットが配置されており、当該ユニット受容空間に配置されたユニットの内の少なくとも2つは、互いに異なる最高許容動作温度を有しており、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが、冷却空気流入領域から冷却空気流出領域への冷却空気の流れる方向において、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットの上流に配置されている。
【0005】
より低い温度感受性、従ってより高い最高許容動作温度を有する1つ以上のユニットの周囲を冷却空気が流れる前にまず、より高い温度感受性、すなわちより低い最高許容動作温度を有する1つ以上のユニットの周囲を流れ、これによって冷却が行われるように、ユニット受容空間において冷却されるべきユニットを体系的に配置することによって、冷却空気が、ユニット受容空間を貫流する際に最も低い温度を有する場所において、より温度感受性の低いユニットの周囲を流れ、これによって熱を当該ユニットから吸収する前に、まず温度感受性のより高いユニットを冷却することが保証される。冷却空気は、より温度感受性の高いユニット、すなわちより低い最高許容動作温度を有するユニットの周囲を流れる際に熱せられるものの、その後のより低い温度感受性を有するユニット、すなわちより高い最高許容動作温度を有するユニットの周囲を流れる空気は、依然として、このより温度感受性の低いユニットをその最高許容動作温度よりも低い温度に維持するために十分低い温度を有している。
【0006】
例えば、ユニット受容空間に配置された、より高い最高許容動作温度を有するユニットは、
-電動機として構成された少なくとも1つの駆動ユニット、又は/並びに、
-少なくとも1つの油圧流体冷却器、又は/並びに、
-少なくとも1つの油圧作業ユニット、好ましくは油圧ポンプ若しくは/及び油圧弁若しくは/及び油圧モータ、又は、並びに、
-少なくとも1つの冷却空気送風機、
を含み得る。
【0007】
ユニット受容空間に配置された、より低い最高許容動作温度を有するユニットは、
-少なくとも1つの電気エネルギー源、又は/及び、
-少なくとも1つのパワーエレクトロニクスシステム領域、
を含み得る。
【0008】
上述のリストからは、より低い最高許容動作温度を有するユニットは一般的に、土工機械の電気駆動ユニットを動作させるために必要なユニットであることが認識される。これは一般的に、電気駆動ユニットに適切に動作電圧を供給するために設けられた、又は、必要である電気部品又は電子部品である。より高い最高許容動作温度を有するユニットは、1つ以上の当該電気駆動ユニットの他に、一般的に機械的に機能するコンポーネントであり、例えば電気駆動ユニットによって供給される駆動エネルギーを、動作すべきシステム領域に誘導するために設けられている。
【0009】
少なくとも1つの電気エネルギー源は、例えばバッテリ又は/及び燃料電池を含み得る。
【0010】
少なくとも1つのパワーエレクトロニクスシステム領域は、例えば少なくとも1つのインバータ、又は/及び、少なくとも1つのDC/DCコンバータを含み得る。
【0011】
本発明に従って構成された土工機械においては、少なくとも1つのトラクション電動機が、トラクション油圧ポンプのための駆動ユニットとして、少なくとも1つのステアリング電動機が、ステアリング油圧ポンプのための駆動ユニットとして設けられていてよく、トラクション電動機には、トラクション電動機のためにトラクション動作電圧を供給すべく、少なくとも1つのトラクションインバータが配設されていてよく、ステアリング電動機には、ステアリング動作電圧を供給するために、少なくとも1つのステアリングインバータが配設されていてよい。このようなトラクションインバータ又は電気エネルギーの供給のために用いられるバッテリも、土工機械の動作中には一般的に、ステアリングインバータ又はDC/DCコンバータよりも大きい負荷を与えられており、この理由から、より多くの放出すべき熱を生成するので、少なくとも1つの、好ましくは各トラクションインバータ、又は/及び、少なくとも1つの、好ましくは各電気エネルギー源が、冷却空気の流れる方向において、少なくとも1つの、好ましくは各ステアリングインバータ又は/及び少なくとも1つの、好ましくは各DC/DCコンバータの上流に配置されていることが提案される。
【0012】
ユニットを、より高い最高許容動作温度を有するユニット、又は、より低い最高許容動作温度を有するユニットとして分類することは、例えば、より高い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を超えていること、かつ、より低い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を下回っていることによって行われ得る。
【0013】
例えば、温度境界値は、80℃から100℃の範囲にあってよい。
【0014】
より高い最高許容動作温度を有するユニット、又は、より低い最高許容動作温度を有するユニットを、構造的に互いに分離して配置することを可能にするために、ユニット受容空間を、低温空間領域と、冷却空気の流れる方向において低温空間領域の下流に配置された高温空間領域と、に分割する第1の隔壁が設けられていてよい。低温空間領域には、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されていてよく、高温空間領域には、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されていてよい。
【0015】
第1の隔壁を通じて、効率的に熱を放出することを可能にするために、第1の隔壁を、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成することが提案される。これによって、アルミニウムの特に優れた熱伝導性が利用され得る。
【0016】
より低い最高許容動作温度を有するユニットの効果的な冷却のために、低温空間領域に、低温空間領域を、冷却空気主流量と冷却空気副流量とに分割する第2の隔壁が設けられていてよい。流れの接続を形成するために、第1の隔壁には、冷却空気主流量と高温空間領域との間の冷却空気流の接続を供給する、少なくとも1つの冷却空気貫流開口部が設けられていてよい。代替的又は付加的に、50%以上の冷却空気流が、冷却空気主流量から低温空間領域に流れると規定してもよい。
【0017】
第2の隔壁の領域、及び、当該領域に設けられている可能性のある、熱を生じさせるユニット又はシステム領域から熱を良好に放出させるためには、第2の隔壁が、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成されていると有利である。
【0018】
このように低温空間領域を分割する際に、少なくとも1つの、好ましくは各パワーエレクトロニクスシステム領域、すなわち例えば少なくとも1つの、好ましくは各インバータ、若しくは/及び、少なくとも1つの、好ましくは各DC/DCコンバータが、第2の隔壁の冷却空気副流量に対向する側に配置されている、又は/並びに、少なくとも1つの、好ましくは各電気エネルギー源、すなわち例えば少なくとも1つの、好ましくは各燃料電池若しくはバッテリが、冷却空気主流量内に配置されていると、特に有利である。有利には例えばアルミニウム材料等の金属材料で形成された第2の隔壁は、冷却空気が周囲を流れる大きな表面を供給し、当該表面を通じて、第2の隔壁に支持されたユニットから第2の隔壁に伝達された熱が効率的に放出され得る。
【0019】
冷却空気流を形成すべく、冷却空気を冷却空気流入領域から冷却空気流出領域までユニット受容空間を貫通して運ぶための、少なくとも1つの冷却空気送風機が設けられていてよい。
【0020】
この際、効率的な輸送のために、例えば少なくとも1つの冷却空気送風機が、第1の隔壁において、冷却空気貫流開口部の領域に配置されていてよい。
【0021】
以下に、本発明を、添付の図面を参照して詳細に記載する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ソイルコンパクタとして構成された土工機械の側面図である。
【
図2】ユニット受容空間に配置されたユニットを描写した、
図1に対応する側面図である。
【
図3】ユニット受容空間に配置されたユニットを共に示した、
図1に係る土工機械の車両前部の一部の斜視図である。
【
図4】ユニット受容空間に配置されたユニットの原理を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下において、本発明を、ソイルコンパクタ10として構成された土工機械を基に、例示的に説明する。
図1及び
図2の側面図で示された土工機械10は、車両後部12と、関節連結14の領域において、ステアリング軸の周りに旋回可能に車両後部12と接続された車両前部16と、を含んでいる。車両後部12及び車両前部16には、それぞれ土工ローラ18又は20が、
図1及び
図2の投影面に直交するローラ回転軸の周りに回転可能に支持されている。図示された実施例では、両方の土工ローラ18、20が、ソイルコンパクタ10を締め固められるべき地面の上で移動させるために回転するように駆動される。車両後部12にはさらに、操作台22が配置されており、操作者は操作台22に着席し、ソイルコンパクタ10を運転するために、操作台22に配置された操作機構を操作することができる。
【0024】
図1及び
図2に示されたソイルコンパクタ10の場合、ソイルコンパクタ10の運転のために設けられたユニットの大部分は、車両前部16に形成されたユニット受容空間24内に配置されている。ユニット受容空間24は、外側に向かって部分的に、車両前部16の機械フレームに設けられた、又は/及び、機械フレームを少なくとも部分的に供給する、固定されたカバー26と、固定されたカバー26若しくは車両前部16に例えば旋回可能に取り付けられた可動のカバー28と、によって、ユニット受容空間24が、概ね冷却空気流入領域30の領域においてのみ、冷却空気の流入のために開かれており、冷却空気流出領域32の領域において、冷却空気の流出のために開かれているように画定されている。この際、冷却空気流入領域30は、ソイルコンパクタ10の正面34に方向付けられていてよく、例えば
図3の固定されたカバー26において認識できる、複数の冷却空気流入開口部36と、可動のカバー28の対応する冷却空気流入開口部と、を含み得る。冷却空気流出領域32は、固定されたカバー26のソイルコンパクタ10の両側に方向付けられた平面領域に、流出開口部38又は流出開口部40も含み得る。車両後部12と車両前部16との間の関節連結14の領域においても、固定されたカバー26は、流れの矢印が示すように、当該領域においても冷却空気をユニット受容空間24から流出させることを可能にするために開かれていてよい。固定されたカバー26又は可動のカバー28のその他の領域では、ユニット受容空間24は、外側に向かって概ね閉じられていてよく、ここでは、完全に気密の端板を供給することは必ずしも必要ではないことが指摘される。重要なのは、冷却空気は、
図1、
図3及び
図4の流れの矢印によって示された、ユニット受容空間24を通過する冷却空気の流れる方向Rを供給するために、大部分が冷却空気流入領域30の領域においてユニット受容空間24に流入し、大部分が冷却空気流出領域32を通ってユニット受容空間24から流出することである。
【0025】
ユニット受容空間24は、第1の隔壁42によって、
図4において左に認識され得る低温空間領域44と、
図4において右に認識され得る高温空間領域46と、に分割されている。隔壁42は、複数の壁部分から組み立てられていてよく、例えば冷却空気の流れる方向Rにおいて、互いにずらされて位置する壁領域48又は50を有し得る。可動のカバー28との協働において、冷却空気流入領域30を通って低温空間領域44に流入する冷却空気が、概ね第1の隔壁42の壁領域48内に形成された冷却空気貫流開口部52の領域においてのみ、低温空間領域44から高温空間領域46に到達するようにされる。この流れを生じさせるために、冷却空気送風機54が設けられていてよく、冷却空気送風機54は、好ましくは第1の隔壁42内の冷却空気貫流開口部52の領域において、高温空間領域46に対向する側に位置している。
【0026】
低温空間領域44は、概ねU字形の第2の隔壁56によって、第2の隔壁56及び下面では固定されたカバー26によって画定された冷却空気主流量58と、概ね第2の隔壁56の外面に形成され、外側に向かって、固定されたカバー26及び可動のカバー28によっても画定された冷却空気副流量60と、に分割されている。冷却空気副流量60は、高温空間領域46に向かって、実質的に、第1の隔壁42のフレーム状の壁領域50によって閉じられており、これによって、低温空間領域44に導入された冷却空気は、概ね完全に、冷却空気主流量58を通り、第1の隔壁42の壁領域48における冷却空気貫流開口部52を通って、高温空間領域46に誘導される。
【0027】
ソイルコンパクタ10の車両前部16に配置されたユニットは、互いに異なる最高許容動作温度を有している。このような最高許容動作温度は、例えば当該ユニットの製造者によって、又は、ソイルコンパクタ10の製造者によっても、各ユニットが当該温度において、破損せずに依然として動作可能であることを保証する温度として決定、又は、予め設定され得る。このような最高許容動作温度は、例えば最大の可能性でもって各ユニットの破損又は故障につながるであろうことが知られている温度に対して、温度間隔を有し得る。
【0028】
以下に記載される、異なるユニットを車両前部16に配置する際の体系は、より低い温度感受性、従ってより高い最高許容動作温度を有するユニットの周囲に、冷却空気が流れる前に、より高い温度感受性、従ってより低い最高許容動作温度を有するユニットの周囲にまず、冷却空気が流れるようにすることを目標としている。この際特に、80℃から100℃の範囲にある温度境界値が、より低い最高許容動作温度を有するユニットとより高い最高許容動作温度を有するユニットとの間の境界を成すと規定してよい。より低い最高許容動作温度を有するユニットとみなされるべきユニットは、さらに上流に、すなわち特に低温空間領域44に配置されるが、より高い最高許容動作温度を有するユニットとみなされるべきユニットは、さらに下流に、特に高温空間領域46に配置されている。以下に言及するように、低温空間領域44及び高温空間領域46においても、それぞれ配置されたユニットが、これらの異なる空間領域においても、まず例えばより低い最高許容動作温度を有するユニットの内、より低い最高許容動作温度を有するユニットの周囲に流れるように、互いに対して位置決めされてもよい。
【0029】
電動機によって動作するソイルコンパクタ10の場合、高温空間領域46には、1つ以上の電動機62が配置されている。電動機62は、トラクション電動機を含んでおり、トラクション電動機は、トラクション油圧ポンプによって、トラクション油圧回路内で、圧力下にある流体、例えば油圧オイルを形成するか、又は輸送し、これによって、両方の土工ローラ18、20に配設されたトラクション油圧モータに供給を行う。電動機62はさらに、ステアリング電動機を含むことが可能であり、ステアリング電動機は、ステアリング油圧ポンプによって、圧力流体をステアリング油圧回路に供給し、これによって、ソイルコンパクタ10を操縦するために設けられたステアリング機構、例えばピストン/シリンダユニット、に圧力流体が供給される。ステアリング油圧回路内を流れる圧力流体、すなわち例えば油圧オイルは、土工ローラ18、20内に設けられた不釣り合い装置を駆動するため、土工ローラ18、20を振動運動又は/及び揺動運動させるためにも用いられ得る。
【0030】
高温空間領域46に配置されたさらなるユニットは冷却器64であり、冷却器64は、トラクション油圧回路又は/及びステアリング油圧回路の流体によって貫流され、当該流体を冷却する。冷却器64には、冷却器送風機66が配設されていてよく、冷却器送風機66は、冷却空気を、高温空間領域46から、固定されたカバー26の側に設けられた冷却空気流出開口部40を通じて、外側に向かって放出する。冷却空気送風機54の動作とは無関係に、冷却器送風機66も、冷却空気に冷却空気の流れる方向Rにおいてユニット受容空間24を貫流させる冷却空気流を形成する。
【0031】
高温空間領域46に配置されたさらなるユニットは、流体タンク68及び油圧弁又は油圧モータ70である。これらのユニットを通じて、流体は、要求される動作に応じて、異なる油圧回路において、圧力流体が供給されるべきシステム領域に当該流体が到達するか、又は、再びタンク68に戻るか、又は、冷却器64を貫流するように誘導される。
【0032】
さらなるユニットとして、図示された例では、高温空間領域46内に、隣り合って配置され、第1の隔壁42に支持され、固定して取り付けられ、従ってソイルコンパクタから基本的に解除不可能である充電器72、74が設けられている。充電器72、74は、コネクタプラグ76を通じて、外部電圧源に接続可能であり、これによって、電動機62の動作に必要なエネルギーが供給され、低温空間領域44、特に冷却空気主流量58の上流側端部領域に位置するバッテリ78が節約される。当該バッテリ78は、例えば燃料電池によって補充又は代替され得る電気エネルギー源を形成する。電気エネルギー源として専ら燃料電池を用いる場合、充電器72、74を設けなくてもよいこともある。
【0033】
第1の隔壁42の、高温空間領域46に対向する側において支持された充電器72、74には、例えばソイルコンパクタ10が非アクティブである場合に行われる充電動作において、充電器72、74の周囲を流れる冷却空気流を形成するために、独立して動作可能である換気装置が配設されていてよい。しかしながら、基本的に、充電器72は、ソイルコンパクタ10が、例えばコネクタプラグ76を通じて、ケーブルによっても動作可能である場合、ソイルコンパクタ10の動作中にも、バッテリ78を充電するために用いられ得る。つまり、当該状態においては、異なる電気的に動作すべきシステム領域、特に電動機62には、当該接続ケーブル及びコネクタプラグ76を通じて、電気エネルギーが同時に供給され、バッテリ78は、充電器72、74によって充電される。当該状態においては、冷却空気流は、冷却空気送風機54によって、又は、冷却器換気装置66によっても形成され得る。同時に、充電器72、74に配設された換気装置も、当該充電器から十分に熱を放出させるために動作し得る。
【0034】
低温空間領域44には、概ね第2の隔壁56によって包囲された冷却空気主流量58内に配置されたバッテリ78の他に、第2の隔壁56の冷却空気副流量60に対向する側で、例えばその両方の側方に方向付けられた領域においてパワーエレクトロニクスシステム領域を供給するインバータ80が支持されており、インバータ80は、バッテリによって供給されるべき直流電圧から、特に電動機62の動作に必要な3相電圧を生成する。インバータ80は、トラクション電動機に必要な電圧を生成するトラクションインバータ82と、ステアリング電動機に必要な電圧を生成するステアリングインバータ84と、を含んでいる。
図4からは、冷却空気流入領域30を通って導入された、従ってより低温の冷却空気が、ステアリングインバータ84の周囲を流れる前に、まず、動作中にステアリングインバータ84よりも大きく負荷を与えられるトラクションインバータ82の周囲に流れることが認識される。この際、冷却空気と様々なインバータ80との間の冷却相互作用は、第1に、ユニット受容空間24を貫流する冷却空気の比較的少ない部分のみが流れる、又は、循環する冷却空気副流量60内に、インバータ80が配置されており、従って、冷却空気が周囲を流れることができる比較的大きな表面を供給する第2の隔壁56に熱を伝達することによって得られる。当該表面は、例えばアルミニウム材料等の、優れた熱伝導性を有する材料から形成されているので、インバータ80の領域で生成された熱が効率的に取り除かれる。
【0035】
上述したように、一方での低温空間領域44、他方での高温空間領域46への分類は、低温空間領域44に配置されるべきユニットの最高許容動作温度が、このために設けられた、例えば80℃から100℃の範囲にある温度境界値よりも低い温度である一方で、高温空間領域46に受容されるべきユニットの最高許容動作温度は、当該温度境界値よりも高い温度であり得ることによって行われ得る。ユニット受容空間が、例えば隔壁によって、互いに分離した流れ領域に分割されていない場合、例えば、冷却空気の流れる方向において連続する、より低い最高許容動作温度を有するユニットは、より高い最高許容動作温度を有するユニットの上流に、例えば冷却空気の流れる方向において連続するユニットの最高許容動作温度が増大するように配置されている、と規定してよい。基本的に、構造的な所与条件に依存して、体系が局所的に中断していてもよく、従って、例えばこれが熱的な理由から必要でないにもかかわらず、より高い最高許容動作温度を有するユニットが、さらに、上流において例えば低温空間領域内に、又は、例えばより低い、しかしながら互いに対して上昇する最高許容動作温度を有する2つのユニットの間に位置している。
[付記項1]
機械フレームと、前記機械フレームに支持された、又は/及び、前記機械フレームを少なくとも部分的に供給し、ユニット受容空間(24)を画定するカバー(26、28)と、を含む土工機械、特にソイルコンパクタであって、
前記カバー(26、28)は、前記ユニット受容空間(24)を貫流する冷却空気のための冷却空気流入領域(30)と冷却空気流出領域(32)とを有しており、
前記ユニット受容空間(24)には、前記ユニット受容空間(24)を前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)まで貫流する冷却空気が周囲を流れることが可能である複数のユニットが配置されており、
前記ユニット受容空間(24)に配置された少なくとも2つのユニットは、互いに異なる最高許容動作温度を有しており、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが、前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)への冷却空気の流れる方向において、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットの上流に配置されている土工機械。
[付記項2]
前記ユニット受容空間(24)に配置された、より高い最高許容動作温度を有するユニットが、
-電動機(62)として構成された少なくとも1つの駆動ユニット、又は/並びに、
-少なくとも1つの油圧流体冷却器(64)、又は/並びに、
-少なくとも1つの油圧作業ユニット、好ましくは油圧ポンプ若しくは/及び油圧弁若しくは/及び油圧モータ(70)、又は/並びに、
-少なくとも1つの冷却空気送風機(54)、
を含んでいること、並びに、
前記ユニット受容空間(24)に配置された、より低い最高許容動作温度を有するユニットが、
-少なくとも1つの電気エネルギー源、又は/及び、
-少なくとも1つのパワーエレクトロニクスシステム領域、
を含んでいることを特徴とする、付記項1に記載の土工機械。
[付記項3]
少なくとも1つの前記電気エネルギー源が、バッテリ(78)又は/及び燃料電池を含んでいることを特徴とする、付記項2に記載の土工機械。
[付記項4]
少なくとも1つの前記パワーエレクトロニクスシステム領域が、少なくとも1つのインバータ(80)、又は/及び、少なくとも1つのDC/DCコンバータ(86、88)を含んでいることを特徴とする、付記項2又は3に記載の土工機械。
[付記項5]
少なくとも1つのトラクション電動機が、トラクション油圧ポンプのための駆動ユニットとして設けられており、少なくとも1つのステアリング電動機が、ステアリング油圧ポンプのための駆動ユニットとして設けられていること、
前記トラクション電動機には、前記トラクション電動機のためにトラクション動作電圧を供給するために、少なくとも1つのトラクションインバータ(82)が配設されていること、
前記ステアリング電動機には、ステアリング動作電圧を供給するために、少なくとも1つのステアリングインバータ(84)が配設されていること、並びに、
少なくとも1つの、好ましくは前記トラクションインバータ(82)それぞれ、又は/及び、少なくとも1つの、好ましくは前記電気エネルギー源それぞれが、冷却空気の流れる方向(R)において、少なくとも1つの、好ましくは前記ステアリングインバータ(84)それぞれ、又は/及び、少なくとも1つの、好ましくは前記DC/DCコンバータ(86、88)それぞれの上流に配置されていることを特徴とする、付記項4に記載の土工機械。
[付記項6]
より高い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を超えており、より低い最高許容動作温度を有するユニットの最高許容動作温度が、温度境界値を下回っていることを特徴とする、付記項1から5のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項7]
前記温度境界値が、80℃から100℃の範囲内にあることを特徴とする、付記項6に記載の土工機械。
[付記項8]
前記ユニット受容空間(24)を、低温空間領域(44)と、冷却空気の流れる方向(R)において前記低温空間領域(44)の下流に配置された高温空間領域(46)と、に分割する第1の隔壁(42)が設けられていること、及び、
前記低温空間領域(44)には、より低い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されており、前記高温空間領域には、より高い最高許容動作温度を有する少なくとも1つのユニットが配置されていることを特徴とする、付記項1から7のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項9]
前記低温空間領域(44)に、前記低温空間領域(44)を、冷却空気主流量(58)と冷却空気副流量(60)とに分割する第2の隔壁(56)が設けられており、前記第1の隔壁(42)には、前記冷却空気主流量(58)と前記高温空間領域(46)との間の冷却空気流の接続を供給する、少なくとも1つの冷却空気貫流開口部(52)が設けられており、又は/及び、50%以上の前記冷却空気流が、前記冷却空気主流量(58)から前記高温空間領域(46)に流れること、並びに、
少なくとも1つの、好ましくは前記パワーエレクトロニクスシステム領域それぞれが、前記第2の隔壁(56)の前記冷却空気副流量(60)に対向する側に配置されている、又は/及び、少なくとも1つの、好ましくは前記電気エネルギー源それぞれが、前記冷却空気主流量(58)内に配置されていることを特徴とする、付記項2を引用する場合の、付記項8に記載の土工機械。
[付記項10]
冷却空気を前記冷却空気流入領域(30)から前記冷却空気流出領域(32)まで、前記ユニット受容空間(24)を貫通して運ぶための、少なくとも1つの冷却空気送風機(54)が設けられていることを特徴とする、付記項1から9のいずれか一項に記載の土工機械。
[付記項11]
少なくとも1つの前記冷却空気送風機(54)が、前記第1の隔壁(42)の、冷却空気貫流開口部(52)の領域に配置されていることを特徴とする、付記項8又は9を引用する場合の、付記項10に記載の土工機械。
【0036】
第2の隔壁56の上面には、例えばハウジング90に収められて、例えばヒューズ等のさらなる電気部品が設けられていてよい。これらの部品は、基本的に温度感受性が高くはないが、図示された例では、第2の隔壁の当該領域に、これらの部品の受容のための空間が存在するという事情で、当該領域に位置している。基本的に、例えば当該領域に、一方又は両方の充電器72、74が位置していると規定してもよい。特に、ソイルコンパクタ10が、ケーブルに接続されて動作すべきではなく、従って充電器72、74が一般的に、ソイルコンパクタ10の残存するシステム領域がアクティブではない場合に動作しているならば、一方での充電器72、74の熱的負荷と他方でのユニット受容空間24に配置された他のユニットの熱的負荷との間には相互作用は存在しないので、充電器72、74は、どの場所で十分な設置空間が利用できるかに応じて、高温空間領域46又は低温空間領域44に配置され得る。
【0037】
ソイルコンパクタ10の様々なユニットを、上述したようにユニット受容空間24内で区分することによって、より高い温度感受性を有し、従ってより低い最高許容動作温度で動作すべきユニットは、低温空間44内に配置されており、従ってより低温な冷却空気がまずその周囲を流れることが保証される。より低い温度感受性を有し、従ってより高い最高許容動作温度で動作可能であるユニットは、高温空間領域46内に配置され、当該ユニットが低温空間領域44内で熱を吸収し、その温度が上昇した後で、冷却空気が当該ユニットの周囲を流れる。しかしながら、当該冷却空気は、高温空間領域46の貫流の際、依然として、高温空間領域46に配置された、より高い最高許容動作温度を有するユニットから熱を放出させ、当該ユニットをその動作に適した温度レベルに維持するために十分である程度に低温である。
【0038】
熱の効率的な放出のためには、さらに、第1の隔壁42又は/及び第2の隔壁56が、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成されており、例えばアルミニウム板を曲げて形成されていると有利である。アルミニウムは、鋼に比べて明らかに高い熱伝導性を有しているので、特に、これらの壁に、壁に支持された、熱を生じさせるユニットを通じて熱が誘導される領域から、熱が速やかに、これらの壁の別の、熱を冷却空気又は周囲空気に放出するために露出した領域に誘導され得る。特に、様々なユニットがこれらの壁と境を接する領域においても、優れた伝熱接触を保証するためには、これらのユニット上に、第1の隔壁42又は第2の隔壁56と接するように設けられた、アルミニウム又はアルミニウムを含有する材料で形成された冷却要素又は伝熱要素が設けられていると有利である。
【0039】
上述したように、一方での低温空間領域44、他方での高温空間領域46への分類は、低温空間領域44に配置されるべきユニットの最高許容動作温度が、このために設けられた、例えば80℃から100℃の範囲にある温度境界値よりも低い温度である一方で、高温空間領域46に受容されるべきユニットの最高許容動作温度は、当該温度境界値よりも高い温度であり得ることによって行われ得る。ユニット受容空間が、例えば隔壁によって、互いに分離した流れ領域に分割されていない場合、例えば、冷却空気の流れる方向において連続する、より低い最高許容動作温度を有するユニットは、より高い最高許容動作温度を有するユニットの上流に、例えば冷却空気の流れる方向において連続するユニットの最高許容動作温度が増大するように配置されている、と規定してよい。基本的に、構造的な所与条件に依存して、体系が局所的に中断していてもよく、従って、例えばこれが熱的な理由から必要でないにもかかわらず、より高い最高許容動作温度を有するユニットが、さらに、上流において例えば低温空間領域内に、又は、例えばより低い、しかしながら互いに対して上昇する最高許容動作温度を有する2つのユニットの間に位置している。
【符号の説明】
【0040】
10 土工機械、ソイルコンパクタ
12 車両後部
14 関節連結
16 車両前部
18、20 土工ローラ
22 操作台
24 ユニット受容空間
26、28 カバー
30 冷却空気流入領域
32 冷却空気流出領域
34 正面
36 冷却空気流入開口部
38、40 流出開口部
42 第1の隔壁
44 低温空間領域
46 高温空間領域
48、50 壁領域
52 冷却空気貫流開口部
54 冷却空気送風機
56 第2の隔壁
58 冷却空気主流量
60 冷却空気副流量
62 電動機
64 冷却器
66 冷却器送風機、冷却器換気装置
68 流体タンク
70 油圧モータ
72、74 充電器
76 コネクタプラグ
78 バッテリ
80 インバータ
82 トラクションインバータ
84 ステアリングインバータ
86、88 DC/DCコンバータ
90 ハウジング
R 冷却空気の流れる方向