(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】ブロワー
(51)【国際特許分類】
F04D 25/10 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
F04D25/10 301B
F04D25/10 301E
(21)【出願番号】P 2022183992
(22)【出願日】2022-11-17
(62)【分割の表示】P 2021082126の分割
【原出願日】2021-05-14
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0057728
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0066278
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0066279
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0066280
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒュク ジャン
(72)【発明者】
【氏名】キドン キム
(72)【発明者】
【氏名】ホジン キム
(72)【発明者】
【氏名】ヘイン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ソクホ チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンホ パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨンミン キム
(72)【発明者】
【氏名】チユン チェ
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-115630(JP,A)
【文献】特開2020-045830(JP,A)
【文献】特開2019-060294(JP,A)
【文献】実開昭50-155457(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2021/0277911(US,A1)
【文献】中国実用新案第208587996(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロワーであって、
吸入口を備えたベースケースと;
前記ベースケースに配置されたファンと;
前記ベースケースの上に配置された第1タワーと;
前記ベースケースの上に配置され
、かつ、前記第1タワーから離隔された第2タワーと;
前記第1タワーと前記第2タワーの間に形成されたブローイングスペースと;
後方側端及び前方側端は開放され、
前記第1タワーに配置され、及び、前記ブローイングスペースに向かって開口された、第1吐出口と;
前記第2タワーに配置され、及び、前記ブローイングスペースに向かって開口された、第2吐出口と;
前記ブローイングスペースの前方に配置され、及び、前記ブローイングスペースの前記前方側端の少なくとも1つを塞ぐ、ガイドボードと;
前記ガイドボードの配置を変更する為のガイドモータと;を備えてなる、ブロワー。
【請求項2】
前記第1タワー及び前記第2タワーは、中心線L-L’を基準に上下方向に対称となり、
前記第1吐出口及び前記第2吐出口は、中心線L-L’を基準に上下方向に対称となるように配置される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項3】
前記ブローイングスペースの上側が開放される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項4】
前記ベースケース、前記第1タワー、及び前記第2タワーの少なくとも1つは、直径が前記上側に向かって漸進的に減少するよう形成される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項5】
前記ブローイングスペースの上端及び下端は、同一の間隔で形成される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項6】
前記第1タワーは、
前記第2タワーに対向する第1内側壁と、及び
前記第2タワーと反対方向に配置された第1外側壁と、を備え、
前記第2タワーは、
前記第1タワーに対向する第2内側壁と、及び
前記第1タワーと反対方向に配置された第2外側壁と、を備え、
前記第1内側壁、前記第1外側壁、前記第2内側壁、前記第2外側壁の少なくとも1つは、前記前後方向を基準に流線型に形成される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項7】
前記第1内側壁と前記第2内側壁の其々は、対向方向に凸な曲面を形成する、請求項6に記載のブロワー。
【請求項8】
前記第1外側壁と前記第2外側壁の其々は、反対方向に凸な曲面を形成する、請求項6に記載のブロワー。
【請求項9】
前記第1吐出口及び前記第2吐出口の上下の長さは、前記ブローイングスペースの左右幅よりも長く形成される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項10】
前記第1吐出口は、前記第1タワーの前端より後端近くに配置され、及び、
前記第2吐出口は、前記第2タワーの前端より後端近くに配置される、請求項1に記載のブロワー。
【請求項11】
前記第1吐出口は、垂直方向(V)に対する予め定められた傾き(a1)で前方方向に傾き、
前記第1タワーの後端は、垂直方向(V)に対する予め定められた傾き(a2)で前方方向に傾き、
前記傾き(a1)は、前記傾き(a2)より大きい、請求項1に記載のブロワー。
【請求項12】
前記ガイドボードは、単一(singular)である、請求項1に記載のブロワー。
【請求項13】
前記ガイドボードは、
前記第1タワーに配置された第1ガイドボードと、
前記第2タワーに配置された第2ガイドボードと、を備え
前記ガイドモータは、
前記第1ガイドボードに回転力を提供する第1ガイドモータと、
前記第2ガイドボードに回転力を提供する第2ガイドモータと、を備える、請求項1に記載のブロワー。
【請求項14】
前記ガイドボードは、
特定の曲率半径を有するアーク(arc:円弧)形状を形成し、及び、
曲率中心は前記ブローイングスペースに位置する、請求項1に記載のブロワー。
【請求項15】
前記ガイドモータを支持する為の、及び、
前記ガイドモータを前記第1タワー又は前記第2タワーに固定する為の、モータマウントを更に備える、請求項1に記載のブロワー。
【請求項16】
前記ガイドモータのモータ軸に結合された駆動ギアと、
前記ガイドボードに結合されたラックと、を更に備える、請求項1に記載のブロワー。
【請求項17】
前記ガイドボードに結合され、前記ガイドボードと一緒に回転される移動ガイダーと、
前記第1タワー及び前記第2タワーの少なくとも1つに結合される一の側と、
前記移動ガイダーが挿入されるガイド溝と一緒に形成される他の側と、を備える固定ガイダーと、を更に備える、請求項16に記載のブロワー。
【請求項18】
前記移動ガイダーは、前記ガイド溝に沿って移動し、
前記ガイド溝の其々の端部は、前記移動ガイダーの移動を制限する、請求項17に記載のブロワー。
【請求項19】
前記移動ガイダーと前記固定ガイダーの間で転がり摩擦を提供する摩擦低減部材を更に備える、請求項17に記載のブロワー。
【請求項20】
前記ラックは、前記ガイドボードの内側面に結合され、及び、
前記移動ガイダーは、前記ガイドボードの外側面に配置される、請求項17に記載のブロワー。
【請求項21】
前記ベースケースに配置され、及び、
前記第1タワー及び前記第2タワーに結合する、タワーベースを更に備える、請求項1に記載のブロワー。
【請求項22】
前記タワーベースは前記ベースケースから供給された空気を分配する、請求項21に記載のブロワー。
【請求項23】
前記ベースケース、前記タワーベース、前記第1タワー、及び前記第2タワーは連続して形成される、請求項21に記載のブロワー。
【請求項24】
前記タワーベースの上側面は、下側に凹んだ曲面として形成される、請求項21に記載のブロワー。
【請求項25】
第1吐出ケースを更に備え、
前記第1吐出ケースは、
前記第1タワーを貫通して設置
し;並びに、
前記第1タワーのインナースペースに連通する入口と、及び、
前記第1吐出口を形成する出口と、を備える吐出チャンネルを形成する;請求項1に記載のブロワー。
【請求項26】
前記吐出チャ
ンネルの幅は、前記入口と前記出口の間に配置された中間部分で最も狭い、請求項25に記載のブロワー。
【請求項27】
前記吐出チャ
ンネルの幅は、
前記入口から前記中間部分まで徐々に狭くなり、及び、
前記中間部分から前記出口まで徐々に広くなる、請求項26に記載のブロワー。
【請求項28】
前記第1吐出ケースは、内側が前記第1タワーのインナースペースに向けて配置され、及び、外側が前記ブローイングスペースに向けて配置された、第1吐出ガイド及び第2吐出ガイドを備え、
前記吐出チャ
ンネルは、前記第1吐出ガイド及び前記第2吐出ガイドの間に形成され、前記第1吐出ガイドは前記第2吐出ガイドから離隔される、請求項25に記載のブロワー。
【請求項29】
前記第1吐出ガイドの外側面及び前記第2吐出ガイドの外側面は、前記第1タワーに連続した表面を提供する、請求項28に記載のブロワー。
【請求項30】
前記第1吐出ガイドの外側面の曲率中心は、前記第1吐出ガイドの外側面の前方に位置し、及び、前記第1タワーのインナースペースの内側に形成され、
前記第2吐出ガイドの内面の曲率中心は、第1吐出ガイド側に位置し、及び、前記第1タワーのインナースペースの内側に形成される、請求項28に記載のブロワー。
【請求項31】
前記第2吐出ガイドの内側面の曲率半径は、前記第1吐出ガイドの外側面の曲率半径よりも大きい、請求項30に記載のブロワー。
【請求項32】
前記第1吐出口及び前記第2吐出口は、前記ブローイングスペースが形成される高さに位置する、請求項1に記載のブロワー。
【請求項33】
前記ブロワーが上向きの気流を提供する場合、
前記ガイドモータは、前記ガイドボードを前記ブローイングスペースの前方側を塞ぐように設定する、請求項3に記載のブロワー。
【請求項34】
前記ブロワーが水平気流を提供する場合、
前記ガイドモータは、前記ガイドボードを前記第1タワー又は前記第2タワー内に隠すように設定する、請求項3に記載のブロワー。
【請求項35】
前記第1ガイドボードの内側端及び前記第2ガイドボードの内側端はお互いに接触する、請求項13に記載のブロワー。
【請求項36】
前記第1ガイドボードは前記第1タワーの内側に隠され、
前記第2ガイドボードは前記第2タワーの内側に隠される、請求項13に記載のブロワー。
【請求項37】
前記第1タワーは、前記第2タワーに面する第1内側壁を備え、及び
前記第2タワーは、前記第1タワーに面する第
2内側壁を備え、
吐出角度(A)は、前記第1タワーの中心線L-L’及び前記第2タワーの中心線L-L’と、前記第1内側壁の前方端又は前記第2内側壁の前方端に形成される接線と、の間の角度として定義され、
前記吐出角度(A)は、11.5度以上30度以下の範囲で設定される、請求項36に記載のブロワー。
【請求項38】
前記第1ガイドボードは、前記第1タワーに形成された第1ボードスリットを介して吐出し、
前記第2ガイドボードは、前記第2タワーに形成された第2ボードスリットを介して吐出し、
吐出角(B)は、前記第1ボードスリット又は前記第2ボードスリットを通る点で、前記第1ガイドボードの接線又は前記第2ガイドボードの接線と、前記第1タワーと前記第2タワーの間の中心線L-L’と、の間の角度として定義され、
離隔長さ(D)は、前記第1ガイドボードの内側端又は前記第2ガイドボードの内側端から前記第1ボードスリット又は前記第2ボードスリットまでの長さとして定義され、
前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードは、所定の吐出角度及び隔離長さで吐出される、請求項13に記載のブロワー。
【請求項39】
前記所定の隔離長さは5mm以上7mm以下である、請求項38に記載のブロワー。
【請求項40】
前記所定の吐出角度は50度以上60度以下で形成される、請求項38に記載のブロワー。
【請求項41】
前記第1タワーから吐出する前記第1ガイドボードの長さは、前記第2タワーから吐出する前記第2ガイドボードの長さと異なるように形成される、請求項13に記載のブロワー。
【請求項42】
前記第1ガイドボード及び前記第2ガイドボードの一方は、前記ブローイングスペースに吐出するように配置され、及び、
前記第1ガイドボード及び前記第2ガイドボードの他方は、前記ブローイングスペースに吐出しないように配置される、請求項13に記載のブロワー。
【請求項43】
ユーザーの位置を認識する為のカメラと、
前記カメラを介して認識された前記ユーザーの位置に向かって自動的に配置される前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードの間の隙間と、を更に備える、請求項41又は42に記載のブロワー。
【請求項44】
前記第1ガイドボード及び前記第2ガイドボードの一方の吐出長さが徐々に増加される場合、
前記第1ガイドボード及び前記第2ガイドボードの他方の吐出長さは徐々に減少される、請求項13に記載のブロワー。
【請求項45】
前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードの間の距離は均一に維持される、請求項44に記載のブロワー。
【請求項46】
前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードの一方が吐出長さを形成しながら徐々に往復運動する場合、
前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードの他方は隠れた状態を維持する、請求項13に記載のブロワー。
【請求項47】
前記第1ガイドボード又は前記第2ガイドボードは、前記第1タワーと前記第2タワーの間の中心線L-L’を越えて吐出できない、請求項41、42、44及び46の何れか一項に記載のブロワー。
【請求項48】
前記第1吐出口及び前記第2吐出口から吐出された空気は、前記ブローイングスペースで混合され、外側に流れる、請求項1に記載のブロワー。
【請求項49】
前記ブローイングスペースの後方側の空気は、前記ブローイングスペースに導かれる、請求項48に記載のブロワー。
【請求項50】
前記第1内側壁及び前記第2内側壁は、前記第1吐出口及び前記第2吐出口から吐出される空気を前記ブローイングスペース前方側に案内する、請求項6に記載のブロワー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロワーに関する。特に、本開示は、送風方向を調節できるブロワーに関する。
〔関連技術〕
本発明は、韓国特許出願第10-2020-0057728号(出願日:2020年5月14日)、韓国特許出願第10-2020-0066278号(出願日:2020年6月2日)、韓国特許出願第10-2020-0066279号(出願日:2020年6月2日)、及び韓国特許出願第10-2020-0066280号(出願日:2020年6月2日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0002】
ブロワー(ブロアー:blower)は、空気の流動を起こして、室内空間で空気を循環させるか、使用者に向かう気流を形成することができる。最近、使用者に快適感を与えるブロアーの空気吐出構造に対して多くの研究が行われている。
【0003】
これに関連して、大韓民国公開特許第2011-0099318号、第2011-0100274号、第2019-0015325号、及び第2019-0025443号は送風装置又はコアンダ効果を利用して空気を送風させるファンを開示する。
【0004】
一方、従来のブロワーは、送風方向を調節するために個別に駆動される複数のモータを備えるか、ブロワーを移動又は回転させるものが必要であった。これにより、送風方向を効果的かつ段階的に調節しにくいか、過度な電力が消費されるなどの問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、前述の問題及び他の問題を解決することを目的とする。
【0006】
また他の目的は、水平気流又は上昇気流を選択的に提供できるブロワーを提供することである。
【0007】
また他の目的は、前方に偏向した気流を提供するブロワーを提供することである。
【0008】
また他の目的は、全体的なボディの回転なしに排出される空気の領域が変更されるブロワーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するために、本開示の実施形態によるブロワーは、第1壁に第1吐出口が形成された第1タワーと、前記第1壁と対向する第2壁が前記第1壁から離隔配置され
、前記第2壁に第2吐出口が形成された第2タワーと、前記第1タワー及び前記第2タワーの下側に配置され、前記第1タワーと前記第2タワーのそれぞれへ空気流動を形成するファンと、前記第1タワーの内部に配置されるか、前記第1壁から突出して配置される第1ガイドボードと、前記第2タワーの内部に配置されるか、前記第2壁から突出して配置される第2ガイドボードと、前記第1ガイドボードの配置を変更させる第1ガイドモータと、前記第2ガイドボードの配置を変更させる第2ガイドモータとを含む(備える;構成する)。ブロワーの前記第1壁と前記第2壁の間には、前記第1吐出口と前記第2吐出口
から吐出された空気が一方向に流動するブローイングスペースが形成され、前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードのそれぞれは、前記ブローイングスペースから流動する空気の風向を変更するように前記ブローイングスペースの下流に配置されて、ブローイングスペースから排出される空気の風向を調節することができる。
【0010】
前記第1ガイドモータは、前記第1ガイドボードを前記第1タワーの内部に配置させるか、前記第1壁から突出した高さを調節し、前記第2ガイドモータは、前記第2ガイドボードを前記第2タワーの内部に配置させるか、前記第1壁から突出した高さを調節することにより、第1ガイドボードと第2ガイドボードがブローイングスペース方向に突出する高さを調節することができる。
【0011】
前記第1ガイドモータと前記第2ガイドモータは個別に作動するため、第1ガイドボードと第2ガイドボードがブローイングスペースに突出する高さを異なるように設定することができる。
【0012】
前記第1壁と前記第2壁のそれぞれは対向方向に凸な曲面を形成して、ブローイングスペースを流動する空気が第1壁と第2壁に沿って流動することができる。
【0013】
前記第1壁と前記第2壁の間の幅は、前記第1吐出口及び前記第2吐出口が形成される地点と前記第1ガイドボード及び前記第2ガイドボードが配置される地点との間において最短距離を形成して、ブローイングスペースを流動する空気が第1壁と第2壁に沿って流動することができる。
【0014】
前記第1壁の下流端と前記第2壁の下流端のそれぞれは、前記第1タワーと前記第2タワーの中心を通る仮想の中心線から遠くなる方向に傾斜角を形成して、ブローイングスペースから排出される空気が広い領域に流動することができる。
【0015】
前記第1吐出口は、前記第1吐出口から排出された空気が前記第1壁に沿って流動するように開口され、前記第2吐出口は、前記第2吐出口から排出された空気が前記第2壁に沿って流動するように開口されて、ブローイングスペースを流動する空気が第1壁と第2壁に沿って流動することができる。
【0016】
前記第1タワーの内部に配置され、前記第1ガイドボードの移動をガイドする第1ボードガイダーと、前記第2タワーの内部に配置され、前記第2ガイドボードの移動をガイドする第2ボードガイダーとを含んで、第1ガイドボードと第2ガイドボードが安定的に移動することができる。
【0017】
前記第1ボードガイダーと前記第2ボードガイダーのそれぞれには、前記第1タワー又は前記第2タワーの内部に固定配置される固定ガイダーと、前記第1ガイドボード又は前記第2ガイドボードに連結され、前記固定ガイダーに移動可能に配置される移動ガイダーとを含み、前記第1ガイドボード又は前記第2ガイドボードの一面には、前記第1ガイドモータ又は前記第2ガイドボードに連結されて前記第1ガイドボード又は前記第2ガイドボードを移動させるラックが配置され、前記第1ガイドボード又は前記第2ガイドボードの他面には前記第1移動ガイダーが配置されて、第1ガイドボードと第2ガイドボードの配置が変更されることができる。
【0018】
前記ブローイングスペースの前方に空気が排出される水平気流モードにおいて、前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードのそれぞれは前記第1タワーと前記第2タワーの内部に配置され、ブローイングスペースを流動する空気が前方に吐出されることができる。
【0019】
前記ブローイングスペースの上側に空気が排出される上昇気流モードにおいて、前記第1ガイドボードの端部は前記第2ガイドボードの端部と接触して、ブローイングスペースを流動する空気が上側に流動することができる。
【0020】
前記ブローイングスペースから排出される空気が偏向気流を形成する偏向気流モードにおいて、前記第1ガイドボードが前記第1壁から突出した長さと、前記第2ガイドボードが前記第2壁から突出した長さが相異なるように形成されて、ブローイングスペースを流動する空気が前方一側に偏向するように流動することができる。
【0021】
前記偏向気流モードにおいて、前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードのいずれか1つが前記ブローイングスペースへ突出するように配置され、残りの1つは前記ブローイングスペースへ突出しないように配置されて、ブローイングスペースを流動する空気が前方一側に偏向するように流動することができる。
【0022】
前記偏向気流モードにおいて、前記第1ガイドボードが前記第1壁から突出するか、前記第2ガイドボードが前記第2壁から突出するように前記第1ガイドモータと前記第2ガイドモータを作動させて、ブローイングスペースを流動する空気が前方一側に偏向して流動することができる。
【0023】
前記ブローイングスペースから排出される空気の風向が継続的に変更されるムービングモードにおいて、前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードとを交互に突出させて、前方に流動する空気の風向が継続的に変更されることができる。
【0024】
前記ムービングモードにおいて、前記第1ガイドボードが前記第1壁から突出するときは、前記第2ガイドボードが前記第2タワーの内部に配置され、前記第2ガイドボードが前記第2壁から突出するときは、前記第1ガイドボードが前記第1タワーの内部に配置されて、前方の広い領域に空気の風向が変更されることができる。
【0025】
前記ムービングモードにおいて、前記第1ガイドボードの前記第1壁から突出した長さが変更されるときは、前記第2ガイドボードが前記第2タワーの内部に配置され、前記第2ガイドボードの前記第2壁から突出した長さが変更されるときは、 前記第1ガイドボ
ードが前記第1タワーの内部に配置され、前方の広い領域に空気の風向が変更されることができる。
【0026】
前記ムービングモードにおいて、前記第1ガイドボードと前記第2ガイドボードとの離隔距離が一定に維持されて、集中した領域に空気の風向が変更されることができる。
【0027】
前記ムービングモードにおいて、前記第1ガイドボードの前記第1壁から突出した長さを増加するときは、前記第2ガイドボードの前記第2壁から突出した長さを減少させ、前記第2ガイドボードの前記第2壁から突出した長さが増加するときは、前記第1ガイドボードの前記第1壁から突出した長さを減少させて、集中した領域に空気の風向が変更されることができる。
【0028】
その他の実施形態の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0029】
本開示のブロワーによると、以下のような効果が1つあるいはそれ以上存在する。
【0030】
第1に、ブロワー自体が回転せずに、ブロワーから吐出される空気の風向を変更できる
という長所がある。
【0031】
第2に、ブロワーから排出される空気が水平気流以外にも上昇気流を形成して、室内空間の空気循環を形成できるという長所もある。
【0032】
第3に、ブロワーから吐出される空気の風向を偏向するように送ることができるという長所もある。
【0033】
第4に、ブロワー自体を回転させずに、ブロワーから排出される空気の風向が継続的に変更できるという長所もある。
【0034】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されるものではなく、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の第1実施形態によるエアクリーンファンの斜視図である。
【
図7】
図1の第2タワーの内部が示された一部分解斜視図である。
【
図16】本開示の第1実施形態によるブロワーの水平気流が示された例示図である。
【
図17】本開示の第1実施形態によるブロワーの上昇気流が示された例示図である。
【
図18】本開示の第1実施形態によるブロワーのワイド気流が示された例示図である。
【
図19】本開示の第1実施形態によるブロワーの片側気流が示された例示図である。
【
図20】突出長さに応じる片側気流が示されたグラフである。
【
図21】本開示の第1実施形態によるブロワーのワイド気流が示された例示図である。
【
図22】本開示の第1実施形態によるブロワーの片側気流が示された例示図である。
【
図23】突出長さに応じる片側気流が示されたグラフである。
【
図24】突出長さに応じる気流中心点の移動角度が示されたグラフである。
【
図25】本開示の第1実施形態によるブロワーの集中回転が示された例示図である。
【
図26】本開示の第2実施形態によるブロワーの右側断面図である。
【
図27】エアガイドの角度に対する前方50cmでの気流速度が表示されたグラフである。
【
図28】エアガイドの角度に対する上側端での気流速度が表示されたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる他の多様な形態で実現されることができ、但し、本実施形態は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は請求請求の範疇により定義されるに過ぎない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を示す。
【0037】
図1ないし
図11、
図16ないし
図17、
図21において表示された上(U)、下(D)、左(Le)、右(Ri)、前(F)及び後(R)の方向表示は、発明の説明の便宜のためのものであり、発明の範囲を制限するものでがない。従って、基準が変更されると、前記方向も異なるように設定されることができる。
【0038】
図1ないし
図4を参照すると、ブロワー1は外形を提供するケース100を含む。ケース100は、フィルタ200が設置されるベースケース150と、コアンダ効果により空気を吐出すタワーケース140とを含む。
【0039】
タワーケース140は、2つの柱の形態に分離して配置された第1タワー110及び第2タワー120を含む。第1タワー110は左側に配置され、第2タワー120は右側に配置される。
【0040】
第1タワー110及び第2タワー120は離隔配置される。第1タワー110と第2タワー120の間にはブローイングスペース105が形成される。
【0041】
ブローイングスペース105は、前方、後方及び上方が開口され、ブローイングスペース105の上端及び下端の間隔が同一に形成される。
【0042】
第1タワー、第2タワー及びブローイングスペースを含むタワーケース140は円錐台状に形成される。
【0043】
第1タワー110及び第2タワー120にそれぞれ配置された吐出口117、127は、ブローイングスペース105に空気を吐出する。第1タワー110には第1吐出口117が形成され、第2タワー120には第2吐出口127が形成される。
【0044】
第1吐出口及び第2吐出口のそれぞれは、ブローイングスペースが形成される位置において第1タワー110及び第2タワー120のそれぞれに形成される。第1吐出口117又は第2吐出口127を介して吐出される空気はブローイングスペース105を横切る方向に吐出される。
【0045】
第1タワー110及び第2タワー120を介して吐出される空気の空気吐出方向は、前後方向及び上下方向に形成される。
【0046】
図2を参照すると、ブローイングスペース105を横切る空気吐出方向は水平方向に配置される第1空気吐出方向(S1)と、上下方向に形成される第2空気吐出方向(S2)を含む。
【0047】
第1空気吐出方向(S1)に流動する空気を水平気流と、第2空気吐出方向(S2)
に流動する空気を上昇気流と定義する。
【0048】
水平気流は、主な空気の流動方向が水平方向であるものであり、水平方向に流動する空気の流量がより多く形成されることを意味する。同様に、上昇気流は主な空気の流動方向が上側方向であるものであり、上側方向に流動する空気の流量がより多く形成されることを意味する。
【0049】
ブローイングスペース105の上端間隔と下端間隔は同一に形成されてもよい。ただし、本実施形態とは異なってブローイングスペース105の上端間隔が下端間隔より狭く形成されるか広く形成されることも可能である。
【0050】
ブローイングスペース105の左右幅を一定に形成することにより、ブローイングスペースの前方において流動する空気の流動をより均一に形成させることができる。
【0051】
例えば、上側の幅と下側の幅が異なる場合、広い側の流動速度が低く形成され、上下方向を基準に速度の偏差が発生する可能性がある。上下方向に対して空気の流速偏差が発生する場合、吐出する空気の到達長さが変化する可能性がある。
【0052】
第1吐出口及び第2吐出口から吐出された空気はブローイングスペース105において合流した後、流動する。
【0053】
すなわち、第1吐出口117の吐出空気及び第2吐出口127の吐出空気が個別に使用者に流動することではなく、第1吐出口117の吐出空気及び第2吐出口127の吐出空気がブローイングスペース105において合流した後、前方や上方に流動する。
【0054】
ブローイングスペース105は吐出空気が合流してミックスされる空間として利用される。また、ブローイングスペース105に吐出される吐出空気によりブローイングスペースの後方の空気もブローイングスペースに流動させることができる。
【0055】
第1吐出口117の吐出空気及び第2吐出口127の吐出空気がブローイングスペースにおいて合流することにより、吐出空気の直進性を向上させることができる。また、第1吐出口117の吐出空気及び第2吐出口127の吐出空気をブローイングスペースにおいて合流させることにより、第1タワー及び第2タワー周辺の空気も空気吐出方向に間接流動させることができる。
【0056】
図2を参照すると、第1空気吐出方向(S1)は後方から前方に形成され、第2空気吐出方向(S2)は下方から上側方向に形成される。
【0057】
図1を参照すると、第2空気吐出方向(S2)のために第1タワー110の上側端111及び第2タワー120の上側端121が離隔される。すなわち、第2空気吐出方向(S2)に吐出される空気はブロワー1のケースと干渉を発生させない。
【0058】
図1を参照すると、第1空気吐出方向(S1)のために、第1タワー110の前端112及び第2タワー120の前端122が離隔され、第1タワー110の後端113及び第2タワー120の後端123も離隔される。
【0059】
第1タワー110及び第2タワー120においてブローイングスペース105に向かう面は内側面といい、ブローイングスペース105に向かわない面は外側面という。
【0060】
図4を参照すると、第1タワー110の外側壁114及び第2タワー120の外側壁124は互いに反対方向に配置される。第1タワー110の内側壁(又は、第1壁115)及び第2タワー120の内側壁(又は、第2壁125)は互いに対向して配置される。
【0061】
第1内側壁115は第2タワーに向かって凸に形成され、第2内側壁125は第1タワーに向かって凸に形成される。
【0062】
第1タワー110及び第2タワー120は空気の流動方向に対して流線型に形成される。
【0063】
具体的に、第1内側壁115及び第1外側壁114は前後方向に対して流線型に形成され、第2内側壁125及び第2外側壁124は前後方向に対して流線型に形成される。
【0064】
図4を参照すると、第1吐出口117は第1内側壁115に配置され、第2吐出口127は第2内側壁125に配置される。
【0065】
第1内側壁115の中央部115aと第2内側壁125の中央部125aにおいて第1内側壁115と第2内側壁125が最短距離(B0)で離隔される。第1内側壁115の中央部115aは、第1内側壁115の前端112と後端113の間に位置する領域であり得る。同様に、第2内側壁125の中央部125aは、第2内側壁125の前端122と後端123の間に位置する領域であり得る。第1吐出口117と第2吐出口127のそれぞれは第1内側壁115の中央部115aと第2内側壁125の中央部125aより後方側に配置される。すなわち、第1吐出口117は、第1内側壁115の中央部115aと後段113の間に配置される。第2吐出口127は、第2内側壁125の中央部125aと後端123の間に配置される。
【0066】
第1タワー110の前端112と第2タワー120の前端122の間の離隔距離を第1離隔距離(B1)という。第1タワー110の後端113と第2タワー120の後段123の間の離隔距離を第2離隔距離(B2)という。
【0067】
第1離隔距離(B1)と第2離隔距離(B2)は、最短距離(B0)より長く形成される。第1離隔距離(B1)と第2離隔距離(B2)は、互いに同一の長さを有するか、異なるように形成されてもよい。
【0068】
吐出口117、127が後端113、123に近く配置されるほど、後述するコアンダ効果による気流制御が容易になる。
【0069】
第1タワー110の内側壁115及び第2タワー120の内側壁125はコアンダ効果を直接的に提供し、第1タワー110の外側壁114及び第2タワー120の外側壁124はコアンダ効果を間接的に提供する。
【0070】
内側壁115、125は、吐出口117、127から吐出された空気を前端112、122まで直接的にガイドする。すなわち、内側壁115、125は、吐出口117、127から吐出された空気を水平気流として直接提供する。
【0071】
ブローイングスペース105における空気流動により外側壁114、124においても間接的な空気流動が発生する。
【0072】
外側壁114、124は、前記間接的な空気流動に対してコアンダ効果を誘発し、間接空気流動を前記前端112、122に案内する。
【0073】
ブローイングスペースの左側は第1内側壁115により塞がれ、ブローイングスペースの右側は第2内側壁125により塞がれるが、ブローイングスペース105の上側は開放される。
【0074】
後述する気流変換器がブローイングスペースを通過する水平気流を上昇気流に転換することができ、上昇気流はブローイングスペースの開放された上側に流動される。上昇気流は、吐出空気が使用者に直接流動することを抑制し、室内空気を積極的に対流させる。
【0075】
また、ブローイングスペースにおいて合流した空気の流量により吐出空気の幅を調節することができる。
【0076】
ブローイングスペースの左右幅B0、B1、B2より第1吐出口117及び第2吐出口127の上下の長さをはるかに長く形成することにより、第1吐出口の吐出空気及び第2吐出口の吐出空気がブローイングスペースにおいて合流するように誘導することができる。
【0077】
図1ないし
図3を参照すると、ブロワー1のケース100は、フィルタが着脱可能に設置されるベースケース150と、ベースケース150の上側に配置され、ベースケース150に支持されるタワーケース140とを含む。
【0078】
タワーケース140は、第1タワー110及び第2タワー120を含む。
【0079】
第1タワー110及び第2タワー120を連結するタワーベース130が配置され、タワーベース130がベースケース150に組み立てられる。タワーベース130は、第1タワー110及び第2タワー120と一体で製作されてもよい。
【0080】
本実施形態とは異なって第1タワー110及び第2タワー120は、タワーベース130なしでベースケース150に直接組み立てられてもよく、ベースケース150と一体で製作されてもよい。
【0081】
ベースケース150はブロワー1の下部を形成し、タワーケース140は前記ブロワー1の上部を形成する。
【0082】
ブロワー1は、ベースケース150において周囲の空気を吸入し、タワーケース140において濾過された空気を吐出する。タワーケース140は、ベースケース150より高い位置において空気を吐出する。
【0083】
ブロワー1は、上部に行くほど直径が小さくなる柱の形状を有してもよい。ブロワー1は、全体的に円錐又は円錐台(Truncated cone)形状であってもよい。
【0084】
本実施形態とは異なってブロワー1は2つのタワーが配置された形態を全て含む。また、本実施形態とは異なって上側に行くほど断面が狭くなる形態でなくても構わない。
【0085】
ただし、本実施形態のように、上側に行くほど断面が狭くなる場合、重心が低くなり、外部からの衝力による転倒の危険が低減するという長所がある。
【0086】
組み立ての利便性のために、本実施形態では、ベースケース150及びタワーケース140に分離して製作してもよい。本実施形態とは異なってベースケース150及びタワーケース140が一体で形成されてもよい。例えば、ベースケース及びタワーケースが一体
で製作されたフロントケース及びリアケースの形態で製作した後、組み立ててもよい。
【0087】
ベースケース150は、上端に行くほど直径が漸進的に小さくなるように形成される。タワーケース140も、上端に行くほど直径が漸進的に小さくなるように形成される。
【0088】
ベースケース150及びタワーケース140の外側面は連続して形成されてもよい。特に、タワーベース130の下端とベースケース150の上端が密着し、タワーベース130の外側面とベースケース150の外側面が連続した面を形成する。
【0089】
このために、タワーベース130の下端直径がベースケース150の上端直径と同一であるか、やや小さく形成される。
【0090】
タワーベース130はベースケース150から供給された空気を分配し、分配された空気を第1タワー110及び第2タワー120に提供する。
【0091】
タワーベース130は第1タワー110及び第2タワー120を連結する。ブローイングスペース105はタワーベース130の上側に配置される。
【0092】
また、タワーベース130の上側に吐出口117、127が配置され、上昇気流及び水平気流はタワーベース130の上側において形成される。
【0093】
空気との摩擦を最小化するために、タワーベース130の上側面131は曲面で形成される。特に、上側面は下側に凹んだ曲面で形成され、前後方向に延長して形成される。
図2を参照すると、上側面131の一側131aは第1内側壁115に連結され、上側面131の他側131bは第2内側壁125に連結される。
【0094】
図4を参照すると、第1タワー110及び第2タワー120は中心線L-L'を基準に
左右対称となる。特に、第1吐出口117及び第2吐出口127は中心線L-L'を基準
に左右対称に配置される。
【0095】
中心線L-L'は、第1タワー110と第2タワー120間の仮想の線であり、本実施
形態では前後方向に配置され、上側面131を通るように配置される。
【0096】
本実施形態と異なって第1タワー110及び第2タワー120が非対称の形態で形成されても構わない。しかしながら、中心線L-L'を基準に、第1タワー110及び第2タ
ワー120が対称に配置されることが水平気流及び上昇気流の制御にさらに有利である。
【0097】
図1、
図5 又は
図6を参照すると、ブロワー1はケース100の内部に配置されたフ
ィルタ200と、ケース100の内部に配置されて空気を吐出口117、127に流動させるファン装置300とを含む。
【0098】
フィルタ200及びファン装置300はベースケース150の内部に配置される。ベースケース150は円錐台状に形成され、上側が開口する。
【0099】
図5を参照すると、ベースケース150は、地面に安着するベース151と、ベース151の上側に結合し、内部に空間が形成され、吸入口155が形成されたベースアウター152とを含む。
【0100】
ベース151は円形に形成されてもよい。
【0101】
ベースアウター152は、上側及び下側が開口した円錐台状に形成される。
図2を参照すると、ベースアウター152の側面の一部は開口して形成される。ベースアウター152の開口した部分をフィルタ挿入口154という。
【0102】
図2を参照すると、ケース100は、フィルタ挿入口154を遮蔽するカバー153をさらに含む。カバー153は、ベースアウター152において着脱可能に組み立てられ、カバー153にフィルタ200が据え置かれるか、または組み立てられる。
【0103】
使用者は、カバー153を分離してフィルタ200をケース100外に引き出すことができる。
【0104】
吸入口155は、ベースアウター152及びカバー153の少なくとも1つに形成されてもよい。吸入口155はベースアウター152及びカバー153の両方ともに形成され、ケース100の周辺360度全方向から空気を吸入することができる。
【0105】
吸入口155はホールの形態で形成され、吸入口155の形態は多様に形成される。
【0106】
フィルタ200は、内部に上下方向の中空が形成された円筒状に形成される。フィルタ200の外側面は、ベースアウター152又はカバー153に形成される吸入口155と対向して配置される。
【0107】
屋内の空気はフィルタの外側から内側に貫通して流動し、この過程で空気中の異物又は有害なガスが除去される。
【0108】
ファン装置300はフィルタ200の上側に配置される。ファン装置300はフィルタ200を通過した空気を第1タワー110及び第2タワー120に流動させる。
【0109】
図5を参照すると、ファン装置300は、ファンモータ310と、ファンモータ310により回転されるファン320とを含み、ベースケース150の内部に配置される。
【0110】
ファンモータ310はファン320より上側に配置され、ファンモータ310のモータ軸は下側に配置されたファン320に結合される。ファン320の上側にファンモータ310が設置されるモータハウジング330が配置される。
【0111】
モータハウジング330は、ファンモータ310全体を包む形状である。モータハウジング330がファンモータ310全体を包んでいるため、下側から上側に流動する空気との流動抵抗を低減させることができる。
【0112】
本実施形態と異なってモータハウジング330はファンモータ310の下部のみを包む形状で形成されてもよい。
【0113】
モータハウジング330は、ロアーモータハウジング332及びアッパーモータハウジング334を含む。ロアーモータハウジング332及びアッパーモータハウジング334のうち少なくとも1つはケース100に結合される。
【0114】
ロアーモータハウジング332の上側にファンモータ310が設置された後、アッパーモータハウジング334を覆ってファンモータ310を囲む構造であってもよい。ファンモータ310のモータ軸はロアーモータハウジング332を貫通し、下側に配置されたファン320に組み立てられる。
【0115】
ファン320は、ファンモータの軸が結合されるハブと、前記ハブと離隔配置されるシュラウドと、ハブ及びシュラウドを連結する多数のブレードとを含む。
【0116】
フィルタ200を通過した空気は、シュラウドの内側に吸入された後、回転する前記ブレードにより加圧されて流動する。ハブはブレードの上側に配置され、シュラウドはブレードの下側に配置される。ハブは下側に凹んだボール(BOWL)形状で形成され、ロアーモータハウジング332の下側が一部挿入されてもよい。
【0117】
ファン320は斜流ファンが使用される。斜流ファンは軸中心に空気を吸入し、半径方向に空気を吐出すが、吐出される空気が軸方向に対して傾斜して形成される。
【0118】
全体的な空気流動が下側から上側に流動するため、一般的な遠心ファンのように半径方向に空気を吐出する場合、流動方向転換による流動損失が大きく発生する。
【0119】
斜流ファンは、半径方向の上側に空気を吐出すことにより、空気の流動損失を最小化することができる。
【0120】
図5を参照すると、ファン320の上側にディフューザ340がさらに配置されてもよい。ディフューザ340は、ファン320による空気流動を上側方向にガイドする。ディフューザ340は空気流動から半径方向成分をさらに低減し、上側方向空気流動成分を強化する。
【0121】
モータハウジング330は、ディフューザ340とファン320の間に配置される。
【0122】
モータハウジングの上下方向の設置高さを最小化するために、モータハウジング330の下端はファン320に挿入されるように配置される。モータハウジング330の下端は、ファン320と上下方向にオーバーラップするように配置されてもよい。また、モータハウジング330の上端はディフューザ340に挿入されるように配置されてもよい。モータハウジング330の上端はディフューザ340と上下方向にオーバーラップするように配置されてもよい。
【0123】
モータハウジング330の下端はファン320の下端より高く配置され、モータハウジング330の上端はディフューザ340の上端より低く配置される。
【0124】
モータハウジング330の設置位置を最適化するために、モータハウジング330の上側はタワーベース130の内部に配置され、モータハウジング330の下側はベースケース150の内部に配置される。本実施形態とは異なってモータハウジング330がタワーベース130又はベースケース150の内部に配置されてもよい。
【0125】
図5を参照すると、ベースケース150の内部に吸入グリル350が配置される。吸入グリル350は、フィルタ200が分離されたとき、ファン320側に使用者の指が侵入することを遮断し、これにより使用者及びファン320を保護するためのものである。
【0126】
吸入グリル350の下側にフィルタ200が配置され、上側にファン320が配置される。吸入グリル350は、空気が流動するように多数の通孔が上下方向に形成される。
【0127】
図5を参照すると、ケース100の内部には、吸入グリル350の下側空間にフィルタ200が配置されるフィルタ設置空間101が形成される。
図5を参照すると、ケース100の内部には、吸入グリル350と吐出口117、127の間で空気が流動する送風空間102が形成される。
図6を参照すると、第1タワー110及び第2タワー120の内
部には、上側に空気流動を形成し、第1吐出口117又は第2吐出口127に空気が流動する吐出空間103が形成される。ここで、送風空間102は、吐出空間103を含んでもよい。
【0128】
室内空気は吸入口155を介してフィルタ設置空間101に流入した後、送風空間102及び吐出空間103を経て吐出口117、127に吐出される。
【0129】
図5ないし
図8を参照すると、吐出空間103には空気の流動方向を水平方向に転換させるためのエアガイド160が配置される。エアガイド160は複数配置されてもよい。
【0130】
エアガイド160は、下側から上側に流動する空気を水平方向に方向転換させる。エアガイド160は、上側に流動する空気を第1吐出口117又は第2吐出口127が形成された方向にガイドする。
【0131】
エアガイド160は、第1タワー110の内部に配置された第1エアガイド161と第2タワー120の内部に配置された第2エアガイド162とを含む。
【0132】
図6を参照すると、第1エアガイド161は、第1タワー110の内側壁及び/又は外側壁に結合する。第1エアガイド161は、前方側端161aが第1吐出口117に近接し、後方側端161bは第1タワー110の後端と離隔して配置される。
【0133】
下側において流動する空気を第1吐出口117に案内するために第1エアガイド161は下側から上側に凸な曲面で形成され、後方側端161bが前方側端161aより低く配置される。
【0134】
図6を参照すると、第1エアガイド161の左側端161cの少なくとも一部は第1タワー110の左側壁に密着又は結合する。第1エアガイド161の右側端161dの少なくとも一部は第1タワー110の右側壁に密着又は結合する。
【0135】
従って、吐出空間103に沿って上側に移動される空気は、第1エアガイド161の後端から前端に流動する。
【0136】
第2エアガイド162は第1エアガイド161と左右対称に配置される。
【0137】
図6を参照すると、第2エアガイド162は第2タワー120の内側壁及び/又は外側
壁に結合できる。
図8を参照すると、第2エアガイド162aは前方側端162aが第2吐出口127に近接し、後方側端162bは第2タワー120の後端と離隔される。
【0138】
下側において流動する空気を第2吐出口127に案内するために、第2エアガイド162は下側から上側に凸な曲面で形成され、後方側端162bが前方側端162aより低く配置される。
【0139】
図6を参照すると、第2エアガイド162の左側端162cのうち少なくとも一部は第2タワー120の左側壁に密着又は結合される。第2エアガイド162の右端162dの少なくとも一部は前記第1タワー110の右側壁に密着又は結合される。
【0140】
次に、
図5又は
図8を参照すると、第1吐出口117及び第2吐出口127は上下方向に長く延長して配置される。
【0141】
第1吐出口117は、第1タワー110の前端112と後端113の間に配置される。
第1吐出口117は前端112より後端113に隣接して配置される。第1吐出口117から吐出された空気は、コアンダ効果により第1内側壁115に沿って流動する。第1内側壁115に沿って流動する空気は、前端112に向かって流動する。
【0142】
図5を参照すると、第1吐出口117は、空気吐出側(本実施形態において前端)が縁部を形成する第1ボーダー117aと、空気吐出反対側(本実施形態において後端)の縁部を形成する第2ボーダー117bと、第1吐出口117の上側縁部を形成する上側ボーダー117cと、第1吐出口117の下端縁部を形成する下側ボーダー117bとを含む。
【0143】
図5を参照すると、第1ボーダー117a及び第2ボーダー117bは互いに平行に配置される。上側ボーダー117c及び下側ボーダー117dは互いに平行に配置される。
【0144】
図5を参照すると、第1ボーダー117a及び第2ボーダー117bは垂直方向(V)に対して傾斜して配置される。また、第1タワー110の後端113も垂直方向(V)に対して傾斜して配置される。
【0145】
吐出口117の傾き(a1)がタワーの外側面の傾き(a2)より大きく形成されてもよい。
図5を参照すると、垂直方向(V)に対する第1ボーダー117a及び第2ボーダー117bの傾き(a1)は4度で形成され、後端113の傾き(a2)は3度で形成されてもよい。
【0146】
第2吐出口127は、第1吐出口117と左右対称に形成されてもよい。
【0147】
図8を参照すると、第2吐出口127は空気吐出側(本実施形態において前端)縁部を形成する第1ボーダー127aと、空気吐出反対側(本実施形態において後端)の縁部を形成する第2ボーダー127bと、第2吐出口127の上側縁部を形成する上側ボーダー127cと、第2吐出口127の下端縁部を形成する下側ボーダー127cとを含む。
【0148】
図9を参照すると、第1タワー110の第1吐出口117は第2タワー120に向かって配置され、第2タワー120の第2吐出口127は第1タワー110に向かって配置される。
【0149】
第1吐出口117から吐出される空気は、コアンダ効果により第1タワー110の内側壁115に沿って流動する。第2吐出口127から吐出される空気は、コアンダ効果により第2タワー120の内側壁125に沿って流動する。
【0150】
ブロワー1は、第1吐出ケース170及び第2吐出ケース180をさらに含む。
【0151】
図9を参照すると、第1吐出口117は第1吐出ケース170に形成される。第1吐出ケース170は第1タワー110に組み立てられる。第2吐出口127は第2吐出ケース180に形成される。第2吐出ケース180は第2タワー120に組み立てられる。
【0152】
第1吐出ケース170は、第1タワー110の内側壁115を貫通して設置されてもよい。第2吐出ケース180は第2タワー120の内側壁125を貫通して設置されてもよい。
【0153】
第1タワー110に第1吐出開口部118が形成された第1吐出ケース170が配置され、第2タワー120に第2吐出開口部128が形成された第2吐出ケース180が配置される。
【0154】
図9を参照すると、第1吐出ケース170は第1吐出口117を形成し、第1吐出口117の空気吐出側に配置された第1吐出ガイド172と、第1吐出口117を形成し、第1吐出口117の空気吐出反対側に配置された第2吐出ガイド174とを含む。
【0155】
図10を参照すると、第1吐出ガイド172及び第2吐出ガイド174の外側面172a、174aは第1タワー110の内側壁115の一部を提供する。
【0156】
第1吐出ガイド172の内側は第1吐出空間103aに向かって配置され、外側はブローイングスペース105に向かって配置される。第2吐出ガイド174の内側は第1吐出空間103aに向かって配置され、外側はブローイングスペース105に向かって配置される。
【0157】
第1吐出ガイド172の外側面172aは曲面で形成される。第1吐出ガイド172の外側面172aは、第1内側壁115と連続した面を提供する。第1吐出ガイド172の外側面172aは、第1内側壁115の外側面と連続した曲面を形成する。
【0158】
第2吐出ガイド174の外側面174aは、第1内側壁115と連続した面を提供する。第2吐出ガイド174の内側面174bは曲面で形成される。第2吐出ガイド174の内側面174bは、第1内側壁115の内側面と連続した曲面を形成し、これにより、第1吐出空間103aの空気を第1吐出ガイド172側に案内することができる。
【0159】
第1吐出ガイド172及び第2吐出ガイド174の間に第1吐出口117が形成され、第1吐出空間103aの空気は第1吐出口117を介してブローイングスペース105に吐出される。
【0160】
第1吐出空間103aの空気は第1吐出ガイド172の外側面172aと第2吐出ガイド174の内側面174bの間に吐出される。第1吐出ガイド172の外側面172aと第2吐出ガイド174の内側面174bの間に空気が吐出される吐出チャンネル175が形成される。
【0161】
吐出チャンネル175は、入口175a及び出口175cに比べて中間部分175bの幅が狭く形成される。中間部分175bは、第2ボーダー117bと第1吐出ガイド172の外側面172aが最短距離を形成する部分として定義されてもよい。
【0162】
図10を参照すると、吐出チャンネル175の入口から中間部分175bまで漸進的に断面積が狭くなり、中間部分175bから出口175cまで断面積が再び広くなる。中間部分175bは第1タワー110の内側に位置する。外部から見ると、吐出チャンネル175の出口175cが吐出口117として見える可能性もある。
【0163】
コアンダ効果を誘発させるために、第1吐出ガイド172の外側面172aの曲率半径より第2吐出ガイド174の内側面174bの曲率半径が大きく形成されてもよい。
【0164】
第1吐出ガイド172外側面172aの曲率中心は外側面172aより前方に位置し、第1吐出空間103aの内部に形成される。第2吐出ガイド174の内側面174bの曲率中心は第1吐出ガイド172側に位置し、第1吐出空間103aの内部に形成される。
【0165】
図10を参照すると、第2吐出ケース180は第2吐出口127を形成し、第2吐出口127の空気吐出側に配置された第1吐出ガイド182と、第2吐出口127を形成し、第2吐出口127の空気吐出反対側に配置された第2吐出ガイド184とを含む。
【0166】
第1吐出ガイド182と第2吐出ガイド184の間に吐出チャンネル185が形成される。
【0167】
第2吐出ケース180は第1吐出ケース170と左右対称であるため、詳細な説明を省略する。
【0168】
一方、
図4、
図9、
図10、及び
図18を参照して、コアンダ効果による気流幅についてより詳細に説明する。
【0169】
図4を参照すると、第1吐出口117に吐出された空気は第1内側面115に沿って第1前端112に流動され、第2吐出口127から吐出された空気は第2内側面125に沿って第2前端122に流動される。
【0170】
コアンダ効果により吐出空気を前方に集中的に吐出するために、第1内側壁115及び第2内側壁125の最短距離(B0)が決定される。
【0171】
最短距離(B0)が長くなるほど、コアンダ効果が弱くなる代わりに、広いブローイングスペース105を確保することができ、最短距離(B0)が短くなるほど、コーアンダ効果が強くなる代わりに、ブローイングスペース105が狭くなる。
【0172】
最短距離(B0)は20mmないし30mmで形成され、この場合、前端112、122前方の1.5mの距離において1.2mの気流幅(左右幅)を確保することができる。
【0173】
また、吐出空気が左右拡散範囲を制限するために、第1内側壁115及び第2内側壁125の吐出角(A)を設計することができる。
【0174】
図4を参照すると、吐出角(A)は第1タワー110及び第2タワー120の中心線(L-L')と内側壁115、125の前端112において形成される接線間の角として定
義できる。
【0175】
図18を参照すると、吐出角(A)が11.5度である時、気流幅が1.1mに形成され、吐出角(A)が18.5度である時、気流幅が1.2mに形成され、吐出角(A)が25.5度である時、気流幅が1.22mであることが確認できる。
【0176】
すなわち、吐出角(A)が小さいほど吐出空気の気流幅(左右方向)が狭くなり、吐出角(A)が大きいほど吐出空気の気流幅が広くなることが確認できる。
【0177】
吐出角(A)は11.5度ないし30度に設定されてもよい。吐出角(A)が11.5度未満である場合、吐出空気の気流幅が非常に狭くなる可能性があり、吐出角(A)が30度を超える場合、吐出領域に集中した気流を形成しにくくなる可能性がある。
【0178】
一方、ブロワー1は、ブローイングスペース105の空気流動方向を変える気流変換器(Airflow converter)400をさらに含む。
【0179】
以下では、
図7、
図11ないし
図15を参照して上昇気流を形成できる気流変換器400について説明する。
【0180】
気流変換器400は、ブローイングスペース105を介して流動する水平気流を上昇気流に転換させる。
【0181】
図11を参照すると、気流変換器400は、第1タワー110に配置された第1気流変換器401と、第2タワー120に配置された第2気流変換器402とを含む。第1気流変換器401と第2気流変換器402は左右対称であり、構成が同一であり得る。
【0182】
気流変換器400は、タワーに配置され、ブローイングスペース105に突出するガイドボード(guide board)410と、ガイドボード410の移動のために駆動力を提供するガイドモータ420と、ガイドモータ420の駆動力をガイドボード410に提供する動力伝達部材430と、タワーの内部に配置され、ガイドボード410の移動を案内するボードガイダー440とを含む。
【0183】
ガイドボード410はタワーの内部に隠されるか、ブローイングスペース105に突出されてもよい。
【0184】
ブローイングスペース105を流動する空気は、第1吐出口117又は第2吐出口127からブローイングスペース105の前方に流動する。すなわち、ブローイングスペース105を基準に、第1吐出口117と第2吐出口127が配置される部分をブローイングスペース105の上流と設定し、第1ガイドボード411と第2ガイドボード412が配置される部分をブローイングスペース105の下流と設定する。
【0185】
図11を参照すると、ガイドボード410は第1タワー110に配置された第1ガイドボード411と、第2タワー120に配置された第2ガイドボード412とを含む。
【0186】
第1ガイドボード411は第1タワー110の内部に配置され、選択的にブローイングスペース105に突出されてもよい。第2ガイドボード412は第2タワー120の内部に配置され、選択的にブローイングスペース105に突出されてもよい。
【0187】
第1タワー110の内側壁115には第1ボードスリット119が形成され、第2タワー120の内側壁125には第2ボードスリット129が形成される。
【0188】
第1ボードスリット119及び第2ボードスリット129は左右対称に配置される。第1ボードスリット119及び第2ボードスリット129は、上下方向に長く延長して形成される。第1ボードスリット119及び第2ボードスリット129は、垂直方向(V)に対して傾斜するように配置されてもよい。
【0189】
第1ガイドボード411の内側端411aは、第1ボードスリット119に露出され、第2ガイドボード412の内側端412aは第2ボードスリット129に露出される。
【0190】
第1ガイドボード411が第1タワー110の内側に配置されるとき、第1ガイドボード411の内側端411aは、内側壁115から突出しないように配置される。第2ガイドボード412が第2タワー120の内側に配置されるとき、第2ガイドボード412の内側端412aは、内側壁115から突出しないように配置される。
【0191】
垂直方向を基準に第1ボードスリット119と第2ボススリット129のそれぞれは第1タワー110の前端112又は第2タワー120の前端122よりさらに傾斜して配置される。
【0192】
例えば、第1タワー110の前端112は3度の傾きで形成され、第1ボードスリット119は4度の傾きで形成される。同様に、第2タワー120の前端122は3度の傾きで形成され、第2ボードスリット129は4度の傾きで形成される。
【0193】
第1ガイドボード411は第1ボードスリット119と平行に配置され、第2ガイドボード412は第2ボードスリット129と平行に配置される。
【0194】
ガイドボード410は平面又は曲面の板状に形成されてもよい。ガイドボード410は、上下方向に長く延長して形成され、ブローイングスペース105の前方に配置される。
【0195】
ガイドボード410は、ブローイングスペース105に流動する水平気流を遮って上側方向に方向転換させることができる。
【0196】
第1ガイドボード411の内側端411a及び第2ガイドボード412の内側端412aが接するか近接して上昇気流を形成する。本実施形態とは異なって1つのガイドボード410が反対側タワーに密着して上昇気流を形成することもできる。
【0197】
図16に示すように、ブロワー1が水平気流を形成するとき、第1ガイドボード411の内側端411aが第1ボードスリット119を閉鎖し、第2ガイドボード412の内側端412aが第2ボードスリット129を閉鎖する。
【0198】
図17に示すように、ブロワー1が上昇気流を形成するとき、第1ガイドボード411の内側端411aが第1ボードスリット119を貫通してブローイングスペース105に突出し、第2ガイドボード412の内側端412aが第2ボードスリット129を貫通してブローイングスペース105に突出する。
【0199】
第1ガイドボード411が第1ボードスリット119を閉鎖することにより、第1吐出空間103aの空気が第1ボードスリット119に漏れることを防止する。第2ガイドボード412が第2ボードスリット129を閉鎖することにより、第2吐出空間103bの空気が第2ボードスリット129に漏れることを防止する。
【0200】
第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412は回転動作でブローイングスペース105に突出する。本実施形態とは異なって第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412の少なくとも1つがスライド方式で直線移動されてブローイングスペース105に突出しても構わない。
【0201】
図11を参照すると、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412は弧形状に形成される。第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412は所定の曲率半径を形成し、曲率中心はブローイングスペース105に位置する。
【0202】
ガイドボード410は透明な材質で形成されてもよい。
図14を参照すると、ガイドボード410にLEDのような発光部材450を配置し、発光部材450から発生した光によりガイドボード410の全体を発光させることができる。発光部材450はタワー内部の吐出空間103に配置され、ガイドボード410の外側端412bに配置されてもよい。
【0203】
発光部材450はガイドボード410の長さの方向に沿って複数配置されてもよい。
【0204】
図11を参照すると、ガイドモータ420は、第1ガイドボード411に回転力を提供する第1ガイドモータ421と、第2ガイドボード412に回転力を提供する第2ガイドモータ422とを含む。
【0205】
図13を参照すると、第2ガイドモータ422は、第2ガイドボード412の上部に配
置される上側第2ガイドモータ422aと、第2ガイドボード412の下部に配置される下側第2ガイドモータ422bとを含む。
【0206】
同様に、第1ガイドモータ421は、上側第1ガイドモータ及び下側第1ガイドモータを含む。
【0207】
第1ガイドモータ421及び第2ガイドモータ422の回転軸は垂直方向に配置され、駆動力を伝達するためにラック-ピニオン構造が使用される。
【0208】
図14を参照すると、動力伝達部材430はガイドモータ420のモータ軸に結合された駆動ギア431と、ガイドボード410に結合されたラック432を含む。
【0209】
駆動ギア431は、ピニオンギアが使われ、水平方向に回転される。
【0210】
図14を参照すると、ラック432はガイドボード410の内側面に結合される。ラック432は、ガイドボード410に対応する形状に形成されてもよい。ラック432は弧状に形成される。ラック432の歯形はタワーの内側壁に向かうように配置される。
【0211】
ラック432は吐出空間103に配置され、ガイドボード410と共に旋回運動できる。
【0212】
以下では、
図12ないし
図15を参照して、ボードガイダー440を説明する。
図12ないし
図15に示されたボードガイダー440は、第2タワー120に配置されたボードガイダー440であるが、これは、第1タワー110に配置されたボードガイダーにも同様に適用できる。
図12ないし
図15に示されたボードガイダー440は、第1タワー110に配置される第1ボードガイダーと第2タワー120に配置される第2ボードガイダーとに区分される。また、以下で説明されるボードガイダー440の構成は、第1タワー110に配置される場合は「第1」に、第2タワー120に配置される場合は「第2」に区分される。
【0213】
ボードガイダー440はガイドボード410の旋回運動を案内することができる。ボードガイダー440はガイドボード410の旋回運動のとき、ガイドボード410を支持することができる。
【0214】
図14を参照すると、ガイドボード410を基準に、ボードガイダー440はラック432の反対側に配置される。ボードガイダー440はラック432で加えられる力を支持することができる。本実施形態とは異なってボードガイダー440にガイドボードの旋回半径に対応する溝を形成し、溝に沿ってガイドボードを移動させても構わない。
【0215】
ボードガイダー440はタワーの外側壁114、124に組み立てられる。ボードガイダー440は、ガイドボード410を基準に半径方向外側に配置され、これにより、吐出空間103を流動する空気との接触を最小化することができる。
【0216】
図14を参照すると、ボードガイダー440は、移動ガイダー442と、固定ガイダー444と、摩擦低減部材446とを含む。
【0217】
移動ガイダー442は、ガイドボードと一緒に移動する構造物に結合されてもよい。移動ガイダー442は、ラック432又はガイドボード410に結合され、ラック432又はガイドボード410と一緒に回転する。
【0218】
図14を参照すると、移動ガイダー442はガイドボード410の外側面410bに配置される。
【0219】
移動ガイダー442は弧状に形成され、ガイドボード410と同一の曲率中心を有してもよい。
【0220】
移動ガイダー442の長さはガイドボード410の長さより短く形成される。
【0221】
移動ガイダー442は、ガイドボード410と固定ガイダー444の間に配置される。移動ガイダー442の半径はガイドボード410の半径より大きく、固定ガイダー444の半径より小さい。
【0222】
移動ガイダー442は、固定ガイダー444に接触して移動が制限される。
【0223】
固定ガイダー444は、移動ガイダー442より半径方向外側に配置され、移動ガイダー442を支持することができる。
【0224】
固定ガイダー444には移動ガイダー442が配置されるガイド溝445が形成される。ガイド溝445は、移動ガイダー442の回転半径及び曲率に対応して形成される。
【0225】
ガイド溝445は弧状に形成され、移動ガイダー442の少なくとも一部が挿入される。ガイド溝445は、下側方向に凹んで形成される。
【0226】
移動ガイダー442は、ガイド溝445に沿って移動する。
【0227】
ガイド溝445の前方側端445aは、移動ガイダー442の一側方向(ブローイングスペースに突出される方向)移動を制限する。ガイド溝445の後方側端445bは、移動ガイダー442の他側方向(タワーの内部に収納されるための方向)移動を制限する。
【0228】
摩擦低減部材446は、移動ガイダー442と固定ガイダー444の摩擦を低減することができる。摩擦低減部材446はローラーが使用されてもよい。摩擦低減部材446は、移動ガイダー442と固定ガイダー444の間で転がり摩擦を提供する。ローラーの軸は上下方向に形成される。摩擦低減部材446は、移動ガイダー442に結合される。
【0229】
摩擦低減部材446により摩擦及び作動騒音を低減することができる。摩擦低減部材446の少なくとも一部は、移動ガイダー442より半径方向の外側に突出して配置される。
【0230】
摩擦低減部材446は弾性材質で形成されてもよく、半径方向に対して固定ガイダー444に弾性支持される。
【0231】
摩擦低減部材446は、ガイド溝445の前方側端445a又は後方側端445bに接触する。
【0232】
ブロワー1は、ガイドモータ420を支持し、ガイドモータ420をタワーに固定するためのモータマウント460をさらに含む。
【0233】
図13を参照すると、モータマウント460はガイドモータ420の下部に配置され、ガイドモータ420を支持する。ガイドモータ420は、モータマウント460に組み立てられる。
【0234】
モータマウント460はタワーの内側壁115、125に結合される。モータマウント460は内側壁115、125と一体で製作されてもよい。
【0235】
以下では、
図16ないし
図17を参照して、水平気流と上昇気流におけるブロワー1の配置及び空気の流動を説明する。
【0236】
図16を参照すると、水平気流を提供するとき、第1ガイドボード411は第1タワー110の内部に隠され、第2ガイドボード412は第2タワー120の内部に隠される。
【0237】
第1吐出口117の吐出空気と第2吐出口127の吐出空気はブローイングスペース105において合流し、前端112、122を通過して前方に流動する。
【0238】
ブローイングスペース105の後方の空気はブローイングスペース105の内部に誘導された後、前方に流動される。
【0239】
また、第1タワー110周辺の空気は第1外側壁114に沿って前方に流動され、第2タワー120周辺の空気は第2外側壁124に沿って前方に流動される。
【0240】
第1吐出口117及び第2吐出口127は、上下方向に長く延長して形成され、左右対称に配置されるため、第1吐出口117及び第2吐出口127の上側において流動する空気と下側において流動する空気をより均一に形成することができる。
【0241】
また、第1吐出口及び第2吐出口から吐出された空気がブローイングスペースにおいて合流することにより、吐出空気の直進性を向上させ、より遠くまで空気を流動させることができる。
【0242】
図17を参照すると、上昇気流を提供するとき、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412がブローイングスペース105に突出し、ブローイングスペース105の前方を塞ぐ。
【0243】
このとき、第1ガイドボード411の内側端411aと第2ガイドボード412の内側端412aは互いに密着するか、やや離隔してもよい。
【0244】
第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412によりブローイングスペース105の前方が塞がれることにより、吐出口117、127から吐出された空気は、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412の後面に沿って上昇し、ブローイングスペース105の上部に吐出される。
【0245】
ブロワー1において上昇気流を形成することにより、吐出空気が使用者に直接流動することが抑制できる。また、室内空気を循環させようとするとき、ブロワー1を上昇気流として作動させることができる。
【0246】
例えば、空気調和器とブロワーを同時に使用する場合、ブロワー1を上昇気流に作動させて室内空気の対流を促進することができ、室内空気をより迅速に冷房又は暖房することができる。
【0247】
一方、
図4、
図11、
図19 又は
図20を参照して、気流変換器400を用いた集中
気流についてより詳細に説明する。
【0248】
ガイドボードが隠された状態で前方に吐出される空気をワイド気流といい、ワイド気流より中心線L-L'に集中された気流を集中気流という。
【0249】
集中気流は、コアンダ効果により吐出される空気を中心線L-L'側に集中させ、直進
距離を増加させるためのものである。
【0250】
ガイドボード410が内側壁115、125を貫通してブローイングスペース105側に突出した場合、ガイドボード410が左右方向に拡散する空気を中心線L-L'側に集
中させることができる。
【0251】
効果的な集中気流を形成するために、第1ボードスリット119及び第2ボードスリット129の位置及びガイドボード410の突出角度(B)が決定されなければならない。
【0252】
図11を参照すると、突出角度(B)はガイドボード410の外側面410bと中心線L-Lの間の角であり得る。ガイドボード410が曲面で形成されるため、突出角度(B)はボードスリット119、129を通過する地点のガイドボード410の接線と中心線L-L'の間の角として定義されることもできる。
【0253】
図11を参照すると、ガイドボード410の前端112、122からボードスリット119、129までの離隔長さをDとする。
【0254】
ガイドボード410の前端112、122からボードスリット119、129までの離隔長さ(D)は、5mmないし10mmで形成される。具体的に、離隔長さ(D)は、吐出空気と直接触れるガイドボード410の内側面410aと、前端112、122の間の長さであり得る。そして、突出角度(B)は0度ないし60度で形成されてもよい。
【0255】
図19は、突出角度と離隔長さに対する集中気流のグラフであり、
図20は突出角度と離隔長さに対する最高気流速度のグラフである。
【0256】
図19を参照すると、離隔長さ(D)を10mmと同一にし、突出角度(B)を60度から0度に変更するとき、最高風速が増加してから減少することを確認することができる。すなわち、突出角度(B)が60度から20度に減少するときは、最高風速が2.3m/sまで増加することが把握できる。また、突出角度(B)が20度から0度に減少するときは、最高風速が2.3m/sから1.7m/sに減少することが確認できる。
【0257】
また、突出角度(B)を60度と同一にし、離隔長さ(D)を10mmから5mmに変更するとき、最高風速が1.5msから2.4msに増加することが確認できる。
【0258】
図19又は
図20を参照すると、離隔長さ(D)が長くなるほど気流の最高速度が低くなることが確認できる。突出角度(B)が大きくなるほど気流の最高速度が低くなることが確認できる。
【0259】
図19を参照すると、離隔距離(D)を7mm、突出角(B)を50度とすとき、気流が上下又は左右方向に拡散することを最小化し、気流が中央に集中することが確認できる。離隔距離(D)を7mm、突出角(B)を50度とするとき、気流が最高風速を形成することが確認できる。
【0260】
図20を参照すると、離隔距離(D)を5ないし7mmで形成し、突出角度を50度ないし60度で形成するとき、2m/s以上の最高風速が形成できることが確認できる。
【0261】
ブロワー1の前方に空気が流動する水平気流は、第1タワー110の内側壁115と第2タワー120の内側壁125に沿って前方に空気流動を形成するワイド気流と、第1タワー110の内側壁115と第2タワー120の内側壁125に沿って流動する空気が第1ガイドボード411又は第2ガイドボード412により左側に偏る片側気流とを含む。
【0262】
図21は、本発明の第1実施形態によるブロワーのワイド気流が示された例示図である。以下では、
図14又は
図21を参照して、ブロワーのワイド気流を説明する。
【0263】
ワイド気流が設定された場合、第1ガイドボード411はブローイングスペース105側に突出しなく、第2ガイドボード412はブローイングスペース105側に突出しないように配置される。ワイド気流が設定された場合、第1ガイドボード411は第1タワー110内に隠され、第2ガイドボード412は第2タワー120内に隠される。ワイド気流は、使用者が直接選択するか、デフォルト値と選択することができる。
【0264】
具体的には、第1ガイドボード411の内側端411aは、内側壁115の外に突出しなく、第1ボードスリット119内に位置する。第2ガイドボード412の内側端412aは内側壁125の外に突出しなく、第2ボードスリット129内に位置する。
【0265】
ワイド気流を選択するとき、ブローイングスペース105を介して流動する吐出空気は吐出角(A(
図4を参照)によって左右方向に拡散しながら流動される。
【0266】
以下では、
図22ないし
図24を参照して、ブロワーの片側気流を説明する。
【0267】
第1ガイドボード411が第1内側壁115から突出した第1突出長さ(t1)と第2ガイドボード412が第2内側壁125より突出した第2突出長さ(t2)が相異なるとき、片側気流が形成される。
【0268】
第1ガイドボード411の第1突出長さ(t1)と第2ガイドボード412の第2突出長さ(t2)を相異なるように形成することにより、吐出空気を操向することができる。ここで、第1ガイドボード411又は第2ガイドボード412は、中心線L-L'を超過
して突出することはできない。
【0269】
気流最高速度が形成される地点は気流中心点と定義し、中心線L-L'と気流中心点が
形成する間の角を操向角と定義する。
【0270】
図22の(a)を参照すると、右向片側気流が設定された場合、第1ガイドボード411の内側端411aは第1ボードスリット119からブローイングスペース105の方向に突出し、第2ガイドボード412は第2タワー120内部に配置される。
【0271】
右向片側気流の角度を調節するように、第1ガイドボード411の第1突出長さ(t1)が調節されることができる。第1突出長さ(t1)が長くなるほど右向偏向角が大きくなる。
【0272】
図22の(b)を参照すると、左向片側気流が設定された場合、第2ガイドボード412の内側端412aは第2ボードスリット129からブローイングスペース105方向に突出し、第1ガイドボード411は第1タワー110内部に配置される。
【0273】
第2ガイドボード412の第2突出長さ(t2)を調節して左向偏向気流の角度を調節することができる。第2突出長さ(t2)が長くなるほど左向偏向角が大きくなる。
【0274】
左向偏向気流及び右向偏向気流は、リモコン、コントロールパネルボタンなどにより入力されて作動することができる。これとは異なり、室内の使用者の位置を認識できるカメラが配置された場合、カメラにより認識された使用者の位置に応じて左向偏向気流及び右向偏向気流が自動的に選択される。
【0275】
図23は、床75cmにおいて第1ガイドボードの第1突出長さ(t1)による片側気流が示されたグラフである。
【0276】
第1突出長さ(t1)が長くなるほど最高速度を形成する気流の中心が右側に移動することが確認できる。
【0277】
図24を参照すると、第1突出長さ(t1)が0ないし10mmまで増加する場合、気流の最高速度が増加し、10mmを超過した場合、気流の最高速度が再び減少することが確認できる。
【0278】
第1突出長さ(t1)が臨界地点まではコアンダ効果により吐出空気を集中させて気流の最高速度を増加させるが、臨界地点を超過する場合、吐出空気の抵抗を増加させて気流の最高速度を減少させる。
【0279】
図24を参照すると、第1突出長さ(t1)が長くなるほど最高速度を形成する気流の中心点の方向が片側に移動することが確認できる。
【0280】
図25は、本発明の第1実施形態によるブロワーの集中回転が示された例示図である。
【0281】
集中回転は、吐出空気を左側から右側に又は右側から左側に往復させるモードを意味する。集中回転の時、気流の中心点は左右方向に往復運動されることができる。
【0282】
集中回転が設定された場合、第1気流変換器401及び第2気流変換器402が同時に作動する。集中回転が設定された場合、ブローイングスペース105に第1ガイドボード411と第2ガイドボード412が突出する。
【0283】
このとき、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412は停止せずに往復運動される。
【0284】
具体的に、集中回転の時、第1突出長さ(t1)は漸進的に増加し、第2突出長さ(t2)は漸進的に減少する。逆に、第2突出長さ(t2)が漸進的に増加し、第1突出長さ(t1)が漸進的に減少する。ここで、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412の内側端411a、412aの間隔は一定に維持されることができる。
【0285】
第1ガイドボード411又は第2ガイドボード412は、中心線L-L'を超過して突
出することはできない。
【0286】
第1突出長さ(t1)が漸進的に増加し、第2突出長さ(t2)が漸進的に減少するとき、吐出空気は漸進的な右向片側気流に形成される。
【0287】
集中回転において形成される右向片側気流は、回転されない片側気流より気流幅が狭く形成される。これは、第1ガイドボード411及び第2ガイドボード412の内側端411a、412aの間の間隔が狭く形成されるためである。
【0288】
同様に、第2突出長さ(t2)が漸進的に増加し、第1突出長さ(t1)が漸進的に減
少するとき、吐出空気は漸進的な左向片側気流に形成される。
【0289】
集中回転は、右向片側気流及び左向片側気流を交互に提供することができる。また、集中回転は、右向片側気流又は左向片側気流のみを提供するときより狭い範囲の気流を高風量で提供できるだけでなく、より広い角度の範囲に提供することができる。
【0290】
一方、集中回転とは異なりワイド回転が選択されてもよい。
【0291】
ワイド回転は吐出空気を左側から右側に又は右側から左側に往復させ、気流の中心点が左右方向に往復運動される。ただ、ワイド回転は集中回転より広い気流幅を提供する。
【0292】
ワイド回転の時、第1気流変換器401と第2気流変換器402は順次作動する。
【0293】
第1ガイドボード411が第1突出長さ(t1)を形成しながら漸進的に往復運動されるとき、第2ガイドボード412は第2タワー120に収納された状態を維持する。逆に、第2ガイドボード412が第2突出長さ(t2)を形成しながら漸進的に往復運動されるとき、第1ガイドボード411は第2タワー110に収納された状態を維持する。
【0294】
すなわち、ワイド回転は、第1ガイドボード411が中心線L-L'まで突出した後、
第1ボードスリット119に収納され、第2ガイドボード412が中心線L-L'まで突
出した後、第2ボードスリット129に収納される過程を繰り返す。
【0295】
以下では、
図26ないし
図28を参照して、第3エアガイド133を含むブロワーを説明する。
【0296】
図26を参照すると、タワーベース130の上側面131を上下方向に貫通する第3吐出口132が形成される。第3吐出口132には上昇する空気をガイドする第3エアガイ
ド133が配置される。
【0297】
図26を参照すると、第3エアガイド133は上下方向に対して傾斜して配置される。第3エアガイド133の上側端133aが下側端133bより前方に配置される。
【0298】
第3エアガイド133は、前後方向に離隔配置された複数のベーンを含む。
【0299】
第3エアガイド133は、第1タワー110及び第2タワー120の間に配置される。第3エアガイド133はブローイングスペース105の下側に配置される。第3エアガイド133は、ブローイングスペース105に向かって空気を吐出するように形成される。
【0300】
図26を参照すると、垂直方向に対する第3エアガイド133の傾きをエアガイド角度(C)と定義する。
【0301】
図27は、上側端133aの前方50cm地点(P)において測定したエアガイド角度(C)に対する気流速度を測定した値である。エアガイド角度(C)に対する気流速度は、ベーンの個数に応じてそれぞれ測定した。
【0302】
図27を参照すると、ベーンの個数が4つ以上である場合、エアガイド角度(C)が30度未満であると、前記地点(P)の気流速度は0に収束することが確認できる。ベーンの個数が2つである場合、エアガイド角度(C)を減らしても地点(P)から前方に向かう気流が測定された。
【0303】
図28は、上側端111での気流速度を測定した値である。
図28を参照すると、ベーンの個数が2つ、4つ、6つである場合、いずれも上側端111において気流速度を測定することができる。
【0304】
特に、ベーンの個数が4つ、6つである場合、エアガイド角度(C)が増加すると、気流速度が減少することが確認できる。
【0305】
図27及び
図28の結果を総合すると、第3エアガイド133は、少なくとも4つのベーンを配置することで前方に流動する空気を最小化することができ、上側に流動する空気の気流速度を確保することができる。
【0306】
本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、前記した実施形態は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本願の範囲に含まれることと解釈されなければならない。