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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】肩峰骨折修復システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A61B17/80
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022507541
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020045206
(87)【国際公開番号】W WO2021026354
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】62/883,414
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501441669
【氏名又は名称】イグザクテック・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ロシュ,クリストファー ピー
(72)【発明者】
【氏名】ゲイドス,コリー
(72)【発明者】
【氏名】ベンダー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】クーグル,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】アスワル,ジョージ エス
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス-ソテロ,ホアキン
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-531939(JP,A)
【文献】特表2014-514005(JP,A)
【文献】特表2015-516221(JP,A)
【文献】特開2019-069142(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0012569(US,A1)
【文献】中国実用新案第204364103(CN,U)
【文献】特表2017-524440(JP,A)
【文献】特表2007-503885(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103505279(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107280751(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-18/00
A61F 2/01
A61N 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプレート、および
複数のフック
を備えるキットであって、
前記少なくとも1つのプレートの各々は、該少なくとも1つのプレートの各々に沿って離隔している複数の固定点を含み、該少なくとも1つのプレートは、第1の端部および該第1の端部の反対側の第2の端部を有する長尺プレートである少なくとも1つの第1のプレートを含み、
該第1のプレートは、第1の端部が肩甲棘三角に近接し、第2の端部が肩甲骨の肩峰に近接し、肩甲棘に固定されるように構成されるように、患者の肩甲骨の肩甲棘に沿って配置され延在するように構成されるサイズおよび形状であり、
該フックの各々は、該少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成され、
該複数のフックは、少なくとも
(a)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成される取り付け部、(b)取り付け部に近接して配置され、取り付け部から第1の方向に離れるように延在する第1のフック部、(c)第1の方向と直交する横方向に第1のフック部から離れるように延在するスペーサ部、および(d)第1のフック部と反対側のスペーサ部の端部から延在し、第1の方向に延在する第2のフック部、を含む第1のフックと、
(a)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成された取り付け部、(b)取り付け部から離れるように延在し、該取り付け部に向かって湾曲する湾曲部、および(c)第2のフックの取り付け部と反対側である該湾曲部の端部に設けられたフック部と、を含む第2のフックとを備え、
第1のフックは、該プレートの第2の端部に近接する第1のプレートの固定点のうちの第1の固定点に固定される時、第1および第2のフック部が肩峰の側方端の周りに延在するように構成されたサイズおよび形状であり、
第2のフックは、第2のフックが第1のプレートの第1の端部に近接する第1のプレートの固定点のうちの第2の固定点に固定される時、第2のフックのフック部が肩甲棘三角の周りに延在するように構成されたサイズおよび形状である、キット。
【請求項2】
前記第1のプレートは、肩甲棘に適合するように輪郭を形成している、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプレートの少なくとも1つが、ユーザーがプレートを肩甲骨の一部に適合させることを可能にするように適合可能である、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記第2のフックのフック部は、Y字形状である、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記第1のプレート、前記第1のフック、および前記第2のフックは、(a)前記第1のプレートが肩甲棘に固定される時、(b)第1のフックが、第1のプレートの固定点のうちの第1の固定点に固定され、第1のフックの第1および第2のフック部が肩峰の側方端の周りに延在するように配置される時、および(c)第2のフックが、第1のプレートの固定点のうちの第2の固定点に固定され、第2のフックのフック部が肩甲棘三角の周りに延在するように配置される時、前記肩甲棘に沿った骨折に圧縮力を加えるために協働するように構成される、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプレートの1つを肩甲骨に固定するように、前記少なくとも1つのプレートの1つの固定点のうちの1つに、および肩甲骨に固定されるように構成された少なくとも1つの締結具を更に含む、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
複数のフックのうちの選択された1つを少なくとも1つのプレートのうちの1つに固定するように、少なくとも1つのプレートの1つの固定点のうちの1つに、および複数のフックのうちの選択された1つに固定されるように構成された少なくとも1つの締結具を更に含む、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプレートは、第2のプレートも含み、
該第2のプレートは、第1の端部と、該第2のプレートの該第1の端部の反対側の第2の端部とを有し、
第2のプレートは、第2のプレートの第1の端部が患者の肩甲棘三角に近接して配置され、該プレートが患者の肩峰の頂部に近接して配置される第2の端部まで患者の肩峰および患者の肩甲棘に沿って延在するように患者の肩甲棘および患者の肩峰に隣接して配置されるように構成されるサイズおよび形状である湾曲プレートである、請求項1に記載のキット。
【請求項9】
前記第2のフックが、第2のプレートの第2の端部に近接して位置する第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、第2のフックのフック部が患者の肩峰の頂部の周りに延在するように構成されるサイズおよび形状である、請求項1に記載のキット。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプレートが、第1の端部と、第2のプレートの第1の端部の反対側の第2の端部とを有する長尺プレートである第2のプレートを含み、第2のプレートが、肩甲棘に沿って配置され、肩甲棘の下面に沿って配置される第1の端部から肩峰の後面に配置される第2の端部に肩甲棘に沿って延在するように構成されるサイズおよび形状である、請求項1に記載のキット。
【請求項11】
前記複数のフックが、(1)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成される取り付け部と、(2)取り付け部から離れるように延在し、取り付け部に向かって湾曲する湾曲部と、(3)第2のフックの取り付け部の反対側にある湾曲部の端部のフック部と、(4)フック部を通るように延在する固定穴と、
を含む第3のフックを備え、
固定穴がフック部を肩甲骨に固定するように締結具を受けるように構成される、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記第3のフックは、第2のプレートが肩甲棘に沿って配置され、第2のフックが肩甲棘の下面に沿って配置される第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、フック部が肩甲棘の上面上にて延在するように構成されるサイズおよび形状である、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
前記第3のフックの取り付け部および固定穴の両方に固定されるように構成される締結具を更に含む、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
第3のフックのフック部が肩甲棘の上面上にて延在するように、(a)第2のプレートが肩甲棘に沿って位置決めされ、(b)第3のフックが、肩甲棘の下面に沿って位置決めされた第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、締結具が取り付け部、肩甲棘、および第3のフックの固定穴を通って延びるように構成される、請求項13に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年8月6日に出願された、発明の名称「ACROMION FRACTURE REPAIR SYSTEM」である共同出願の、同時係属中の米国仮特許出願第62/883,414号に関連し、その利益を主張する国際特許出願(PCT)であり、それら両方の内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明の分野は、整形外科用のデバイスに関する。より詳細には、本発明の分野は、リバース型全人工肩関節置換術後に発生し得る肩峰および肩甲骨の疲労骨折/不全骨折の再建術に使用するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
リバース型全人工肩関節置換術(Reverse total shoulder arthroplasty;「rTSA」)は、肩甲骨の関節窩(即ち、ソケット)と接続する球状の上腕骨頭(即ち、ボール)を有する、生体の肩の球関節(または臼関節、またはボールアンドソケット関節;ball‐and‐socket joint)を、肩に埋め込まれ、上腕骨に埋め込まれたカップ(即ち、ソケット)と嵌合する関節窩球(即ち、ボール)を有する、リバース型球関節に置換する外科的手法である。時折、rTSA後に肩峰と肩甲骨に疲労骨折/不全骨折が発生することがある。rTSA後の肩峰と肩甲骨の疲労骨折/不全骨折の再建は、困難で未解決の問題である。これらの骨折は常に整復できるわけではなく、整復後の治癒は、血管の少ない比較的薄い骨で構成されることが多い非常に多様な解剖学的構造のため、最高の肩関節専門医や外傷専門医でさえも必ずしも再現性が高いとは言えない。肩峰および肩甲骨の疲労骨折を修復する理想的な方法はなく、観血的整復固定術(open reduction and internal fixation;「ORIF」)手術のための数少ない現在利用可能な解決策だけである。ORIFが使用される場合、肩専門医や外傷専門医は、主にロッキングスクリュー、圧縮スクリュー、および/または、それぞれの組み合わせで、1つ以上の直線状プレート/非輪郭形成(noncontoured)プレートを使用する。肩甲骨の解剖学的構造はサイズ、形状、輪郭ともに非常に多様であるため、解剖学的にコンターされたプレートはほとんどなく、外科医はより良好にフィットさせるために直線状プレートを曲げることがしばしば要求される。修復と治癒の懸念から、最も一般的な治療法は、骨折が治癒するまで患者の腕をスリングで固定する方法である。ORIFも固定術も、治癒のスピードは予測できない。図1Aは、rTSA後、肩甲骨骨折前の肩関節の代表的なX線写真画像を示し、図1Bは、rTSA後の肩甲骨骨折後の肩関節の代表的なX線写真画像を示す。
【0004】
最近、rTSAの結果研究は、疲労骨折/不全骨折が治癒しても、患者が骨折前に経験したレベルの結果および機能を達成しないことを実証している。骨折が治癒しない場合、三角筋中部起点が肩峰上にあり、三角筋後部起点が肩峰外側および肩甲棘上にあるので、結果は悪くなる。三角筋が適切に機能しないと、リバース式肩関節は日常生活動作に必要なトルクを発生することができず、関節安定性は損なわれる。
【0005】
肩峰および肩甲骨の疲労骨折/不全骨折は、最初のrTSA処置の後いつでも起こり得、早ければ手術の最初の日に起こり、遅くとも手術処置の10年以上後に起こり得る。rTSA後の肩峰および肩甲骨の疲労骨折/不全骨折は、肩峰と肩甲棘のさまざまな部位で発生する可能性がある。これらの骨折は、タイプ1(三角筋剥離を伴う肩峰外側の骨折)、タイプ2(肩甲骨ノッチの位置またはその周辺の肩甲骨中突起の骨折)、タイプ3(肩甲棘の基部の骨折)に分類されている。図2A図2B図2Cは、これらの異なるタイプの骨折の結果として骨折する肩峰の部分の上面図、後面図、上斜視図をそれぞれ示している。図3Aおよび図3Bは、それぞれ、健康な肩甲骨の上面図および後面図である。図3Cおよび図3Dは、それぞれ、タイプ1骨折を経験した肩甲骨の上面図および背面図である。図3Eおよび図3Fは、それぞれ、タイプ2の骨折を経験した肩甲骨の上面図および背面図である。図3G図3Hは、それぞれタイプ3の骨折をした肩甲骨の上面図と後面図である。rTSA後の肩峰および肩甲骨の疲労骨折/不全骨折の発生率は比較的低いが、一般に1~10%と報告されている。タイプ2の骨折は、rTSA後の肩甲骨不全骨折のタイプとして最も一般的である。
【0006】
これらの肩峰および肩甲骨の不全骨折/疲労骨折の原因として、数多くの可能性がある。ある者は、骨折が先端の関節板ネジから肩甲棘に伝播すると考え、他の者は、骨折が過剰運動或いは激しい運動および/または外傷の発作により発生すると仮定し、更に他の者は、骨折が、所定の患者の体格に対して厚すぎるインプラントまたは遠すぎるインプラント構成で関節を過度に詰め込む関数として、三角筋を過度に緊張させ、および/または腕を伸ばすことにより生じると考えている。更に、三角筋のモーメントアームが小さすぎる(特定の患者の腕を上げるための三角筋の力が大きすぎる結果となる)生体力学的に効率の悪いインプラントの使用も考えられる。また、肩甲骨や肩峰が薄い、骨粗鬆症や骨減少症、肩甲骨病変やCTA病変の存在、肩甲骨の張り出しや筋肉量が不十分で日常動作で異常な生理的負荷がかかるといった生体力学的に不利な解剖学的要因/形態的要因も、この種の不全骨折を起こしやすい患者特有のものと思われる。rTSA患者は、非rTSA患者に比べ肩甲骨の動きが大きく、肩甲骨の回転量がこの合併症に影響する可能性がある。また、リハビリテーションプログラムの時期と厳しさのレベルも、肩峰または肩甲骨の疲労骨折/不全骨折の割合と重症度に関与している可能性がある。また、これらの骨折は、手術中に関節窩を露出させようとする際に、開創器で牽引することによって引き起こされる可能性もある。具体的な原因(または複数の原因の組み合わせ)が何であれ、患者層は主に女性、骨粗鬆症、および高齢者である。これらの要因の結果として、骨折は治癒に不利であり、患者の健康の質および患者の併存疾患もまた、骨折の再建の質および時間の経過とともに骨折の治癒の速度および確率に影響を及ぼす。
【0007】
2003年に米国で認可されて以来、rTSAが広く世界的に使用され、この合併症のタイプに対する解決策が確立されていないことから、rTSA後の肩峰/肩甲骨の不全骨折に対するより良好な解決策の必要性を強調するが、その骨折再建が失敗した場合の解決策の必要性も強調し、それは患者因子および解剖学的因子のために比較的高い割合で報告されてきた。これらの理由から、肩峰/肩甲骨の不全骨折/疲労骨折後のrTSA患者の機能と安定性を回復するための、より効果的な解決策が必要とされているのである。
【発明の概要】
【0008】
例示的な実施形態は、肩峰骨折/肩甲骨骨折の修復のためのデバイスに関するものである。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載のデバイスは、肩峰または肩甲骨の不全骨折を有するrTSA患者の肩峰および肩甲骨を再建するために使用するのに適している。
【0009】
1つの実施形態において、肩甲骨修復デバイスは、
第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間でプレートに沿って配置された少なくとも1つの固定点とを有する骨折固定骨プレート(簡潔さのために本明細書では「プレート」と呼ぶ);
少なくとも1つのフックの各々がプレートの少なくとも1つの固定点の対応する1つに取り付けられる、少なくとも1つのフック;および
少なくとも1つの固定要素の各々は、少なくとも1つのフックの対応する1つを少なくとも1つの固定点の対応する1つに固定し、かつプレートを患者の肩甲骨に固定するように配置される、少なくとも1つの固定要素;を含み、
プレートが患者の肩甲骨に固定される時、プレートは、プレートが肩甲骨の肩甲棘の少なくとも一部および肩甲骨の肩峰の少なくとも一部に沿って延在するように構成され、
プレートが患者の肩甲骨に固定される時、プレートおよび少なくとも1つのフックは、プレートおよび少なくとも1つのフックが協働して、肩峰および/または肩甲骨を所望の位置に保持するように構成される。いくつかの実施形態では、肩峰および/または肩甲骨のそのような保持は、(例えば、図3A図3Hを参照して上述したように)rTSA後に生じる3つの異なる骨折タイプのうちの1つの骨折などの骨折の治癒を促すのに好適である。
【0010】
1つの実施形態において、キットは、
第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間でプレートに沿って配置された少なくとも1つの固定点とを有する少なくとも1つのプレート;
複数のフックの各々は、該少なくとも1つのプレートの選択された1つのプレートの固定点に固定されるように構成されている、複数のフック;
固定要素の各々は、該複数のフックのうちの選択された1つのフックを、該少なくとも1つのプレートのうちの選択された1つのプレートの該少なくとも1つの固定点のうちの選択された1つに固定し、該少なくとも1つのプレートのうちの選択された1つを患者の肩甲骨に固定するように構成されている、複数の固定要素;
を含み、
それぞれの少なくとも1つのプレートは、少なくとも1つのプレートが患者の肩甲骨に固定される時、少なくとも1つのプレートが、肩甲骨の肩甲棘の少なくとも一部および肩甲棘の肩峰の少なくとも一部に沿って延在するように構成され、
該少なくとも1つのプレートの各々と該少なくとも1つのフックの各々は、少なくとも1つのフックのうちの選択された少なくとも1つが少なくとも1つのプレートのうちの選択された1つに固定され、少なくとも1つのプレートのうちの選択された1つが患者の肩甲骨に固定される時、少なくとも1つのプレートのうちの選択された1つと少なくとも1つのフックのうちの選択された少なくとも1つが協働して、肩峰を所望の位置に保持するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、キットは、少なくとも1つのプレートおよび複数のフックを含み、少なくとも1つのプレートの各々は、少なくとも1つのプレートの各々に沿って離隔している(または、間隔を置いて配置されている)複数の固定点を含み、少なくとも1つのプレートは、第1の端部と第1の端部の反対側の第2の端を有する長尺(または細長い)プレートである第1のプレートを少なくとも含み、第1のプレートは、第1の端部と第2の端の反対側の長尺プレートを含む。前記第1のプレートは、前記第1の端部が前記肩甲骨の三角形部(または肩甲棘三角;trigonum)に近接し、前記第2の端部が前記肩甲骨の肩峰に近接し、前記肩甲棘に固定(secure)されるように構成され、患者の肩甲棘に沿って延在するようにサイズおよび形状が設定される、方法。ここで、フックの各々は、少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点に固定(fix)されるように構成され、複数のフックは、(1)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点に固定されるように構成された取り付け部、(2)取り付け部に近接して位置し、取り付け部から第1の方向に離れるように延在する第1のフック部、を含む少なくとも第1のフックを含み、複数のフックは、以下の通りである。(3)第1の方向と直交する横方向に第1のフック部から離れるように延在するスペーサ部、および(4)第1のフック部と反対側にあるスペーサ部の端部から延在し、第1の方向に延在する第2のフック部であって、第1のフックが、第1のプレートの固定点のうちの第2の端部に近接している第1のプレートに固定される時、第1および第2のフック部が肩峰の側方端(または外側端;lateral end)の周りに延在するように構成されたサイズと形状であることを特徴とする、第2のプレート。および、(1)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点に固定されるように構成された取り付け部、(2)取り付け部から離れるように延在し、取り付け部に向かって湾曲する湾曲部、および(3)第2のフックの取り付け部と反対側にある湾曲部の端部にあるフック部を含む第2のフックを提供する。ここで、第2のフックは、第2のフックが第1のプレートの第1の端部に近接する第1のプレートの固定点の第2の1つに固定される時、第2のフックのフック部が肩甲骨の三角形部の周りに延在するように構成されるサイズおよび形状である。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のプレートは、肩甲棘に適合するように輪郭を形成している。
【0013】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプレートの少なくとも1つは、ユーザーがプレートを肩甲骨の一部に適合させることを可能にするように、適合可能である。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2のフックのフック部は、Y字形状である。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1のプレート、第1のフック、および第2のフックは、(a)第1のプレートが肩甲棘に固定される時、(b)第1のフックが、第1のプレートの固定点のうちの第1の固定点に固定され、第1のフックの第1および第2のフック部が肩峰の側方端の周りに延在するように配置される時、および(c)第2のフックが、第1のプレートの固定点のうちの第2の固定点に固定され、第2のフックのフック部が肩甲骨の三角形部の周りに延在するように配置される時、肩甲棘に沿った骨折に圧縮力を加えるために協働するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1つのプレートの1つを肩甲骨に固定するように、少なくとも1つのプレートの1つの固定点のうちの1つに、および肩甲骨に固定されるように構成された少なくとも1つの締結具をも含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、キットは、複数のフックのうちの選択された1つを少なくとも1つのプレートのうちの1つに固定するように、少なくとも1つのプレートの1つの固定点のうちの1つに、および複数のフックのうちの選択された1つに固定されるように構成された少なくとも1つの締結具も含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプレートは、第2のプレートも含み、第2のプレートは、第1の端部と、第2のプレートの第1の端部の反対側の第2の端部とを有し、第2のプレートは、第2のプレートの第1の端部が患者の三角形部に近接して配置され、該プレートが患者の肩峰の頂部に近接して配置される第2の端部まで患者の肩峰および患者の肩甲棘に沿って延在するように患者の肩甲棘および患者の肩峰に隣接して配置されるように構成されるサイズおよび形状である湾曲プレートである。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2のフックが、第2のプレートの第2の端部に近接して位置する第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、第2のフックのフック部が患者の肩峰の頂部の周りに延在するように構成されるサイズおよび形状である。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプレートが、第1の端部と、第2のプレートの第1の端部の反対側の第2の端部とを有する長尺プレートである第2のプレートを含み、第2のプレートが、肩甲棘に沿って配置され、肩甲棘の下面に沿って配置される第1の端部から肩峰の後面に配置される第2の端部に肩甲棘に沿って延在するように構成されるサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、複数のフックが、(1)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成される取り付け部と、(2)取り付け部から離れるように延在し、取り付け部に向かって湾曲する湾曲部と、(3)第2のフックの取り付け部の反対側にある湾曲部の端部のフック部と、(4)フック部を通るように延在する固定穴と、を含む第3のフックを備え、固定穴がフック部を肩甲骨に固定するように締結具を受けるように構成される。いくつかの実施形態では、第3フックは、第2のプレートが肩甲棘に沿って配置され、第2のフックが肩甲棘の下面に沿って配置される第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、フック部が肩甲棘の上面上にて延在するように構成されるサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、キットは、第3のフックの取り付け部および固定穴の両方に固定されるように構成される締結具をも含む。いくつかの実施形態では、第3のフックのフック部が肩甲棘の上面上にて延在するように、(a)第2のプレートが肩甲棘に沿って位置決めされ、(b)第3のフックが、肩甲棘の下面に沿って位置決めされた第2のプレートの固定点のうちの1つに固定される時、締結具が取り付け部、肩甲棘、および第3のフックの固定穴を通って延びるように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、方法は、
(1)少なくとも1つのプレート、複数のフック、および複数の締結具を含むキットを提供する工程、
(2)第1のフックを、複数の締結具のうちの第1の締結具を用いて、第1のプレートの固定点のうちの第1の固定点に固定する工程、
(3)第2のフックを、複数の締結具のうちの第2の締結具を用いて、第1のプレートの固定点のうちの第2の固定点に固定する工程、
(4)第1の端部が肩甲骨の三角形部に近接し、第2の端部が肩甲骨の肩峰に近接するように、第1のプレートを患者の肩甲骨の肩甲棘に沿って位置付ける工程、並びに
(5)第1のフックが肩峰の側方端の周りにて延在するように、第2のフックが三角形部の周りにて延在するように、第1のプレート、第1のフック、および第2のフックが協働して肩甲棘に沿って圧縮力を加えるように、複数の締結具の少なくとも第3の締結具を用いて、第1のプレート、第1のフック、および第2のフックを肩甲棘に固定する工程
を含み、
少なくとも1つのプレートの各々は、該少なくとも1つのプレートの各々に沿って離隔している(または、間隔を置いて配置されている)複数の固定点を含み、該少なくとも1つのプレートは、第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有する長尺プレートである少なくとも1つの第1のプレートを含み、
前記第1のプレートは、第1の端部が肩甲骨の三角形部に近接し、第2の端部が肩甲骨の肩峰に近接し、肩甲棘に固定されるように構成されるように、患者の肩甲骨の肩甲棘に沿って配置され延在するように構成されるサイズおよび形状であり、
前記フックの各々は、前記少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成され、
複数のフックの第1のフックが、(a)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成される取り付け部と、(b)取り付け部に近接して配置され、取り付け部から第1の方向に離れるように延在する第1のフック部と、(c)第1の方向と直交する横方向に第1のフック部から離れるように延在するスペーサ部と、(d)第1のフック部と反対側のスペーサ部の端部から延在し、第1の方向に延在する第2のフック部と、を含み、第1のフックが、該プレートの第2の端部に近接する第1のプレートの固定点のうちの第1の固定点に固定される時、第1および第2のフック部が肩峰の側方端の周りにて延在するように構成されるサイズおよび形状であり、
複数のフックのうちの第2のフックが、(a)少なくとも1つのプレートの選択された1つの固定点のうちの選択された1つに固定されるように構成される取り付け部と、(b)取り付け部から離れるように延在し、取り付け部に向かって湾曲する湾曲部と、(c)第2のフックの取り付け部と反対側にある湾曲部の端部にあるフック部と、を含み、
第2のフックは、第2のフックが第1のプレートの第1の端部に近接する第1のプレートの固定点のうちの第2の固定点に固定される時、第2のフックのフック部が肩甲骨の三角形部の周りにて延在するように構成されるサイズおよび形状である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のいくつかの実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ、本明細書中に記載されている。今、図面を詳細に具体的に参照すると、示された特定事項は、例として、本発明の実施形態の例示的な議論のためのものであることが強調される。この点で、図面と共に取られる説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0023】
図1A】rTSA後および肩甲骨骨折前の肩関節の前方-後方X線写真図である。
図1B】肩甲骨骨折後の図1AのrTSA肩関節を示す図である。
図2A】異なる肩甲骨骨折の位置の上面図である。
図2B図2Aに示された肩甲骨骨折の後方図である。
図2C図2Aに示された肩甲骨骨折の上方斜視図である。
図3A】健康な肩甲骨の上面図である。
図3B図3Aに示された健康な肩甲骨の後方図である。
図3C】タイプ1骨折後の肩甲骨の上面図である。
図3D図3Cに示された骨折した肩甲骨の後方図である。
図3E】タイプ2の骨折後の肩甲骨の上面図である。
図3F図3Eに示された骨折した肩甲骨の後方図である。
図3G】タイプ3の骨折後の肩甲骨の上面図である。
図3H図3Gに示された骨折した肩甲骨の後方図である。
図4A】第1の例示的なモジュール式フックを示す。
図4B】第2の例示的なモジュール式フックを示す。
図4C】第3の例示的なモジュール式フックを示す。
図4D】例示的な基部に取り付けられた、図4Cの第3の例示的なモジュール式フックの2つを示す。
図5A】第1の例示的なプレートを示す。
図5B図5Aの第1の例示的なプレートの裏面図である。
図5C】例示的なフックを用いて構成されたような図5Aの第1の例示的なプレートを示す。
図5D図5Cの例示的なプレートおよび例示的なフックの裏面図である。
図5E】代表的な肩甲骨に固定された、図5Cの第1の例示的なプレートおよび例示的なフックを示す図である。
図5F図5Dの第1の例示的なプレートおよび例示的なフックと代表的な肩甲骨の別図である。
図6A】第2の例示的なプレートの斜視図である。
図6B図6Aの第2の例示的なプレートの逆斜視図である。
図6C】例示的なフックを用いて構成されたような図6Aの第2の例示的なプレートを示す。
図6D図6Cの第2の例示的なプレートおよび例示的なフックの別図である。
図6E】代表的な肩甲骨に固定されたような図6Cおよび図6Dの第2の例示的なプレートおよび例示的なフックを示す。
図6F図6Eの第2の例示的なプレートおよび例示的なフックと代表的な肩甲骨の別図である。
図7A】第3の例示的なプレートを示す。
図7B図7Aの第3の例示的なプレートの裏面図である。
図7C】例示的なフックを用いて構成されたような図7Aの第3の例示的なプレートを示す。
図7D図7Cの第3の例示的なプレートおよび例示的なフックの別図である。
図7E】代表的な肩甲骨に固定されたような図7Cおよび図7Dの第3の例示的なプレートおよび例示的なフックを示す。
図7F図7Eの第3の例示的なプレートと例示的なフックと代表的な肩甲骨の別図である。
図8A】調節可能なプレートである第4の例示的なプレートを示す。
図8B図8Bの第4の例示的なプレートの別の構成を示す。
図8C】その肩甲骨プレートが2つの別の位置に配置されている図8Aの第4の例示的なプレートを示す。
図8D】代表的な肩甲骨を参照して位置決めされた図8Aおよび図8Bの第4の例示的なプレートを示す。
図8E図8Dの第4の例示的なプレートおよび代表的な肩甲骨の別図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的な実施形態は、rTSA後の肩峰および肩甲骨を骨折した患者のための骨折固定システムに関するものである。いくつかの実施形態では、例示的な骨折固定システムは、少なくとも1つの対応する解剖学的肩甲骨特徴(例えば、肩峰、肩甲棘、または肩甲骨三角形部)の周りに固定する少なくとも1つのモジュール式フックを含む肩甲骨プレーティングシステムの使用を通じて、肩峰および/または肩甲骨を骨折した肩への安定性を回復させる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフックは、プレートと一体である(例えば、プレート材料の単一ピースから一体的に形成される)。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフックは、機械的ロック機構を用いてプレートにモジュール式に固定される。いくつかの実施形態では、プレート構成体(例えば、少なくとも1つの一体形成されたフックを含むプレート、少なくとも1つのモジュール式に取り付けられたフックを含むプレートなど)は、ネジ、縫合糸、ワイヤ、および/またはピンの助けによって肩甲骨に固定され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモジュール式フックと関連して使用されるプレートは、より小さな切開を通じてより単純な外科技術を容易にする一方で、可変の肩甲骨の解剖学的構造/形態を考慮するために、複数の種々の解剖学的構造サイズ範囲(例えば、種々の形状およびサイズのモジュール式フックを提供することによって)を考慮する利用性を改善し、それによって世界市場に求められる解剖学的構造の可変性を考慮するために必要な全体の範囲およびキット費用を低減することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモジュール式フックと関連して使用されるプレートは、製造プロセスを簡略化し、(例えば、異なる構成の混合およびマッチングを可能にすることによって)キット内のすべてのインプラントに対してより低いコストを要求する。
【0026】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモジュール式フックと関連して使用されるプレートは、各患者の個々の骨折タイプ(例えば、タイプ1、2、または3)に合わせて、骨上の形態的/解剖学的に戦略的な場所に配置することが可能である。例えば、そのようなモジュール式フックは、外側肩峰に配置することができ(例えば、図5Eおよび図5Fを参照)、または肩峰の内側部分に向けて配置することができる。図5Eおよび図5Fはまた、これらの穴が、内側の肩甲骨境界に沿って、肩甲骨三角形部に、またはその周りに固定されているのを示す。同様に、モジュール式フックは、整形外科医/外傷医がその場所が最良の再建を促進するとみなす場合、肩峰の前部分に沿って配置され得るか(例えば、図6Eおよび図6Fを参照)、または代わりに肩峰の後部分に向けられ得る。同様に、プレートおよびモジュール式フックは、肩甲棘の上、肩甲棘の下、または肩甲棘の側面に沿って、肩甲棘に固定され得る(例えば、図7A図7Fを参照されたい)。いくつかの実施形態では、更に複合的な形態的可変性のために、または複雑な骨折の粉砕をより良好にサポートするために、プレート自体もモジュール式であり(例えば、図8A図8E参照)、モジュール式フックと接続して使用することも可能である。いくつかの実施形態では、このようなモジュール式接続は、角度/傾きの可変性を有し、また、回転および位置の可変性を有することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、ネジ固定のための穴は、骨折線にわたる再建および圧縮を容易にし、異なる骨折タイプのそれぞれに対して追加の安定性を付与するために、プレート上の異なる位置および向きに配置することができる。いくつかの実施形態において、これらのモジュール式フックはまた、追加の固定のためのネジを受け入れ得る(例えば、図4Cおよび図4Dを参照されたい)。更に、いくつかの実施形態において、縫合糸およびワイヤのための様々なサイズの多数の穴が、再建を容易にするために設計され得る。いくつかの実施形態において、そのような穴のサイズは、プレートが骨に対して圧縮された状態で、様々なサイズの針がそこを容易に通過することを可能にするように選択される。いくつかの実施形態では、縫合穴の縁は、縫合糸がプレートに対して固定される時に縫合糸をすり減らさないように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態において、例示的なプレートおよびモジュール式フックは、整形外科医がrTSA後に提示され得る様々な肩峰骨折および肩甲骨骨折のタイプ、即ち、上述したようにタイプ1、タイプ2、およびタイプ3の肩甲骨骨折を考慮して、複数の異なるサイズと形状で提供される。例示的な実施形態に付随する図は、骨折の異なる可能な位置を考慮するために、提案されたデバイスの異なる設計バリエーションの複数の図を示す。例えば、図5E図5F図6E図6F図7E、および図7Fに示されるように、タイプ1またはタイプ2の骨折に対して、モジュール式フックは、肩峰の側方に、肩峰の異なる領域に沿ってまたはその周りに、および/または異なる場所(例えば、肩甲骨の後方、前方または内側等)に配置されてもよい。逆に、図5E図5F図7E、および図7Fに示されているようなタイプ2またはタイプ3の骨折の場合、モジュール式フックは、肩甲棘の上または下、肩甲骨の内側、肩甲骨三角形部またはその周りに、および/または異なる位置(例えば、肩甲骨の後側、前側、または内側など)に配置されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、例示的なプレートおよびモジュール式フックは、各骨折タイプに対して複数の異なる形状およびサイズで提供され、肩峰および肩甲棘の異なる解剖学的形態の通常のばらつきを考慮して、サイズおよび形状の範囲内で提供される。例えば、図5B図5Dおよび図6C図6Fに示されているように、例示的なプレートおよびモジュール式フックは、肩甲棘および肩峰の上部に固定し、その後、追加の多平面支持のために肩甲棘の側面または下面へ回転するように構成されてもよい。逆に、図7C図7Fに示されているように、例示的なプレートは、肩甲棘の上側に配置されてもよく、肩峰の下面まで回転してもよい。いくつかの実施形態では、異なる拡張部および形状が、肩甲骨へのネジ/縫合糸/ワイヤの固定のための複数の様々な選択肢および位置を提供するように構成されるか、またはモジュール式に取り付けられる。
【0030】
図4Aは、例示的な肩峰骨折/肩甲骨骨折修復システムの一部を形成し得る第1の例示的なフック400の斜視図である。いくつかの実施形態では、フック400は、外側肩峰に隣接する固定のための大きさおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、フック400は、フック400をプレートに取り付けるように構成された取り付け部402と、取り付け部402に近接する第1のフック部404と、第1のフック部404から離れるように延在するスペーサ部406と、第1のフック部404とは反対のスペーサ部406の端部にある第2のフック部408とを含んでいる。
【0031】
図4Bは、例示的な肩峰骨折/肩甲骨骨折修復システムの一部を形成し得る第2の例示的なフック410の斜視図である。いくつかの実施形態において、フック410は、三角形部の近くの内側肩甲骨に隣接して固定するための大きさおよび形状を有する。いくつかの実施形態では、フック410は、肩峰の上部に固定するための大きさおよび形状である。いくつかの実施形態では、フック410は、フック410をプレートに取り付けるように構成された取り付け部412と、取り付け部412から離れるように延在し、取り付け部412に向かって湾曲する湾曲部414と、取り付け部412とは反対側の湾曲部414の端部にあるY字形状フック部416とを含んでいる。
【0032】
図4Cは、例示的な肩峰骨折/肩甲骨骨折修復システムの一部を形成し得る第3の例示的なフック420の斜視図である。いくつかの実施形態では、フック420は、肩甲棘に沿った固定のための大きさおよび形状を有している。いくつかの実施形態では、フック420は、フック420をプレートに取り付けるように構成される取り付け部422と、取り付け部422から離れるように延在し、取り付け部422に向かって湾曲して戻る湾曲部424と、取り付け部422と反対側の湾曲部424の端部にあるフック部426と、フック部426を通って延び、向上した固定を提供するためにそこを通って延びる取り付け要素(例えば、ネジ)を受けるように構成された固定穴428とを含む。図4Dは、例示的なプレート430の一部と、第3の例示的なフック420の2つを示す斜視図である。図4Dに示すように、いくつかの実施形態では、例示的なフック420のそれぞれについて、ネジ440が、プレート430の穴432、フック420の取り付け部422、およびフック420の固定穴428を通して取り付けることにより、例示的なフック420をプレート430に固定する。
【0033】
図5Aおよび図5Bは、第1の例示的なプレート500の斜視図である。いくつかの実施形態では、プレート500は、患者の肩甲棘に沿って位置決めされるようなサイズおよび形状である。いくつかの実施形態において、プレート500は、第1の端部502(例えば、内側端部)および第2の端部504(例えば、外側端部)を含む。いくつかの実施形態では、プレート500は、その中を延びる複数の固定点506(例えば、穴)を含み、ネジ、縫合糸、ワイヤ、ピンなどの機械的固定デバイスによってプレート500を骨に固定することを容易にするように構成される。図5Aおよび図5Bに示すプレート500の実施形態では、プレート500は固定点506の10個を含むが、この数量は例示に過ぎず、プレート500は任意の数の固定点506を含んでもよいことは当業者には明らかであろう。
【0034】
図5Cおよび図5Dは、患者の肩甲骨に固定するために作製されたプレート500の斜視図である。図5Cおよび図5Dに示すように、プレート500は、第2の例示的なフック410の1つを第1の端部502に固定し、第1の例示的なフック400の1つを第2の端部504に固定することによって作製されてきた。いくつかの実施形態では、図5Cおよび図5Dに示すように、第1の例示的なフック400および第2の例示的なフック410は、ネジ510によってプレート500に固定される。プレート500、第1の例示的なフック400、第2の例示的なフック410、およびネジ510の組み合わせは、本明細書では構成体520と称される。
【0035】
図5Eおよび図5Fは、構成体520がそれに固定された代表的な肩甲骨Sの斜視図である。図5Eは後面図であり、図5Fは前面図である。図5Eおよび図5Fに示されるように、第2の例示的なフック410は、三角形部の近くの内側肩甲骨の周りにて延在し、プレート500は肩甲棘に沿って延在し、第1の例示的なフック400は外側肩峰の周りに延在している。いくつかの実施形態では、ネジ510は、構成体520をそこに固定するために肩甲骨の中に延びる。いくつかの実施形態では、第1の例示的なフック400、プレート500、第2の例示的なフック410、およびネジ510は、所望の(例えば、解剖学的に正しい)位置に肩峰を保持するように協働する。
【0036】
図6Aおよび図6Bは、第2の例示的なプレート600の斜視図である。いくつかの実施形態では、プレート600は、患者の肩甲棘および肩峰に沿って延在するようにサイズ、形状、および湾曲されている。いくつかの実施形態において、プレート600は、第1の端部602(例えば、内側端部)および第2の端部604(例えば、外側端部)を含む。いくつかの実施形態では、プレート600は、その中を延びる複数の固定点606(例えば、穴)を含み、ネジ、縫合糸、ワイヤ、ピンなどの機械的固定デバイスによってプレート600を骨に固定することを容易にするように構成される。図6Aおよび図6Bに示すプレート600の実施形態では、プレート600は13個の固定点606を含むが、この数量は例示に過ぎず、プレート600は任意の数の固定点606を含んでもよいことは当業者には明らかであろう。
【0037】
図6Cおよび図6Dは、患者の肩甲骨に固定するために作製されたプレート600の斜視図である。図6Cは後方斜視図であり、図6Dは前方斜視図である。図6Cおよび図6Dに示すように、プレート600は、第3の例示的なフック420のうちの1つを第2の端部604に固定することによって作製された。いくつかの実施形態では、図6Cおよび図6Dに示すように、第3の例示的なフック420は、ネジ610によってプレート600に固定される。プレート600、第3の例示的なフック420、およびネジ610の組み合わせは、本明細書中では構成体620と称される。
【0038】
図6Eおよび図6Fは、構成体620がそれに固定された代表的な肩甲骨Sの斜視図である。図6Eは後面図であり、図6Fは側面図である。図6Eおよび図6Fに示すように、プレート600は、肩甲棘に沿って延在し、肩峰に沿って延在するように湾曲し、第3の例示的なフック420は、肩峰の頂部の周囲にて延在する。いくつかの実施形態では、ネジ610は、構成体620をそこに固定するために、肩峰を通って延びる。いくつかの実施形態では、プレート600、第3の例示的なフック420、およびネジ610は、協働して、肩峰を所望の(例えば、解剖学的に正しい)位置に保持する。
【0039】
図7Aおよび図7Bは、第3の例示的なプレート700の斜視図である。いくつかの実施形態では、プレート700は、患者の肩甲棘および肩峰に沿って延在するように、サイズ、形状が決定され、かつ湾曲されている。いくつかの実施形態において、プレート700は、第1の端部702(例えば、内側端部)および第2の端部704(例えば、外側端部)を含む。いくつかの実施形態において、プレート700は、プレート700が患者の肩甲骨に隣接して配置される時、第1の端部702が肩甲棘の下側に沿って配置され、第2の端部704が肩峰の後側に沿って配置されるように湾曲されている。いくつかの実施形態では、プレート700は、その中を延びる複数の固定点706(例えば、穴)を含み、ネジ、縫合糸、ワイヤ、ピンなどの機械的固定デバイスによってプレート700を骨に固定することを容易にするように構成される。図7Aおよび図7Bに示すプレート700の実施形態では、プレート700は固定点706の8つを含むが、この数量は例示に過ぎず、プレート700が任意の数の固定点706を含んでもよいことは当業者には明らかであろう。
【0040】
図7Cおよび図7Dは、患者の肩甲骨に固定するために作製されたプレート700の斜視図である。図7Cは後方斜視図であり、図7Dは前方斜視図である。図7Cおよび図7Dに示すように、プレート700は、第3の例示的なフック420の第1のフックを第1の端部702に固定し、第3の例示的なフック420の第2のフックを第1および第2の端部702、704の中間に固定し、例示的なフック420の第3のフックを第2の端部704に固定することによって作製された。いくつかの実施形態では、図7Cおよび図7Dに示すように、第3の例示的なフック420は、ネジ710によってプレート700に固定される。プレート700、第3の例示的なフック420、およびネジ710の組み合わせは、本明細書では、構成体720と呼ばれる。
【0041】
図7Eおよび図7Fは、構成体620がそれに固定された代表的な肩甲骨Sの斜視図である。図7E(後面図)および図7F(後面斜視図)に示すように、プレート700は、プレート700の第1の端部702から肩甲棘の下側に沿って延在し、プレート700の第2の端部704に向かって延在するように肩甲棘および肩峰の後側に沿って延在するように湾曲している。第3の例示的なフック420の第1のフックおよび第2のフックは、プレート700を肩甲棘に固定し、例示的なフック420の第3のフックは、プレートを肩峰に固定する。いくつかの実施形態では、ネジ710は、肩甲棘および肩峰を通るように延在し、構成体710をそこに固定する。いくつかの実施形態では、プレート700、例示的なフック420、およびネジ710は、協働して、所望の(例えば、解剖学的に正しい)位置に肩峰を保持する。
【0042】
図8Aおよび図8Bは、第4の例示的なプレート800の斜視図である。第4の例示的なプレート800は、調節可能なプレートである。図8Aおよび図8Bは、第4の例示的なプレート800を互いに実質的に同じ視点から示しており、プレート800は、図8Aでは第1の位置に、図8Bでは第2の位置に調節されたように示されている。プレート800は、肩甲骨プレート810と、肩峰プレート820と、肩峰プレートと肩甲骨プレートとを接続するモジュール式接合部830とを含む。いくつかの実施形態では、モジュール式接合部は、肩甲骨プレート810と肩峰プレート820との間の接合角度の調節を可能にする球状の接続部であり、それによって、各患者の肩峰の形態および骨の形状(例えば、肩峰の傾斜)を考慮するために、肩峰プレート820の位置を調節することを可能にする。いくつかの実施形態では、モジュール式接合部830は、例えばネジで固定/クランプされることができ、それによって肩甲骨プレート810および肩峰プレート820の位置を互いに対して固定する。いくつかの実施形態において、肩甲骨プレート810は、患者の肩甲棘に沿って延在するようなサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、肩峰プレート820は、患者の肩甲棘に沿って延在するようなサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、プレート800は、その中を延び、ネジ、縫合糸、ワイヤ、ピンなどの機械的固定デバイスによってプレート800を骨に固定することを容易にするように構成される複数の固定点840(例えば、穴)を含む。図8Aおよび図8Bに示されるプレート800の実施形態では、プレート800は、固定点840の12個を含み、そのうち、固定点840の9個は肩甲骨プレート810に沿って位置し、固定点840の3個は肩峰プレート820に沿って位置するが、当業者には、この数は例示でしかなく、プレート800が任意の数の固定点840を含んでもよいことは明らかである。いくつかの実施形態では、プレート800は、肩甲骨への固定を容易にするために、本明細書中で議論される例示的なフック(例えば、第1の例示的なフック400、第2の例示的なフック410、および/または第3の例示的なフック420)のいずれかがそれに固定されることを可能にするように構成される。
【0043】
図8Cは、図8Aおよび図8Bの例示的なプレート800の側面図である。図8Cの図において、肩峰プレート820は、肩甲骨プレート810に対して2つの別の位置820Aおよび820Bに位置決めされていることが示されている。図8Cから、肩峰プレート820の調節可能な位置決めは、例示的なプレート800が、様々な解剖学的構造、例えば、異なる角度の肩峰を有する患者に適切に適合するように調節されることを可能にすることが分かる。
【0044】
図8Dおよび図8Eは、プレート800がそれに隣接して配置された、代表的な肩甲骨Sの斜視図である。図8D(後面図)および図8E(後面斜視図)は、任意のフック(例えば、第1の例示的フック400、第2の例示的フック410、および/または第3の例示的フック420)およびネジ(または他の同様の固定機構)がない状態のプレート800を示しているが、これらの図は例示に過ぎず、例示的プレート800の実際の適用にはかかる追加の要素を含み得ることは当業者にとって明らかであるだろう。図8Dおよび図8Eに示すように、肩甲骨プレート810は肩甲棘の上側に沿って延在し、モジュール式接合部830は肩峰の基部に近接して配置され、肩峰プレート820は肩峰に沿って延在している。いくつかの実施形態では、プレート800は、1つ以上のフック(例えば、第1の例示的フック400、第2の例示的フック410、および/または第3の例示的フック420)およびネジと共に使用されて、肩峰を望ましい(例えば、解剖学的に正しい)位置に保持するよう構成される。
【0045】
いくつかの実施形態において、例示的なデバイスは、整形外科医が直面するかもしれない様々な骨折のタイプを考慮して、複数の異なるサイズおよび形状で提供される。いくつかの実施形態では、例示的なデバイスは、前述した肩甲骨骨折の異なるタイプ(即ち、図3Cおよび図3Dに示すようなタイプ1骨折、図3Eおよび図3Fに示すようなタイプ2骨折、並びに図3Gおよび図3Hに示すようなタイプ3骨折)に対して異なる形状で提供され、各々は肩甲骨内の異なる位置での骨折に相当する。
【0046】
いくつかの実施形態では、デバイスは、生来の(native)骨への固定を強化するのに肩甲骨へのネジ固定のために複数のオプションを提供するために、1つ以上の拡張部または形状を含む。いくつかの実施形態において、そのような拡張部は、例示的な肩甲骨固定デバイスと一体的に形成される。いくつかの実施形態では、そのような拡張部は、例示的な肩甲骨固定デバイスに対してモジュール式に取り付け可能であり、かつ、そこから取り外し可能である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのような拡張部は、肩甲棘の上方に面するネジ固定のためのオプションを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのような拡張部は、肩甲棘の下方に面するネジ固定のためのオプションを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのような拡張部は、肩甲棘の上側への内側境界に隣接するネジ固定のためのオプションを提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのそのような拡張部は、肩甲棘の下側への内側境界に隣接するネジ固定のためのオプションを提供するように構成されている。
【0047】
本明細書中に記載された例示的な実施形態の各々は、初期のリバース式肩関節形成術の時(即ち、骨折が生じる前)に更に強度および剛性を提供するために、肩峰または肩甲棘の1つ以上の領域に固定することができることに注意すべきである。rTSA後に高い応力にさらされる肩甲骨の領域にそのようなプレートを予防的に固定することによって、例示的なデバイスのいずれかが骨に負荷を与えず、負荷をより良好に分散させ得るので、rTSA後の肩峰骨折および/または肩甲骨骨折の発生率は低減され得る。いくつかの実施形態では、肩甲骨の他の部分への負荷(例えば、応力伝達)を軽減し、より良好に分散させるために、烏口突起および/または鎖骨の間に支柱を固定する。実際には、本明細書中に記載された例示的な実施形態のいずれかは、骨折が発生した後または予防的に、骨折した骨を最もよく解剖学的に再建し、断片圧縮を達成するために、整形外科医の裁量で個々にまたは互いに組み合わせて使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態において、前述の例示的な実施形態のいずれかは、患者の肩峰および肩甲骨を修復する際に、更なる患者固有の整形を容易にして初期固定を改善するために、曲げ可能であるかまたは他の方法で適合するように製造することが可能である。いくつかの実施形態では、モジュール式フック(例えば、第1の例示的フック400、第2の例示的フック410、および/または第3の例示的フック420)の各々の形状および輪郭は、肩甲骨の内側、外側、前方、または後方の領域のいずれかに沿って患者の肩甲骨形態により良好に適合するように、曲げ可能であってもよい。いくつかの実施形態では、縫合糸、テープ、アンカー、またはネジが、本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれかに軟組織を固定するために使用されてもよい。本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれも、Co‐Cr、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、炭素繊維強化ポリマー、セラミック、PMMA骨セメント、パイロカーボン、および/または骨移植片を含む異なる生体適合性材料から製造することが可能である。本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれも、追加の機械的固定を提供し、かつ骨結合(またはオッセオインテグレーション;osteo‐integration)を促進するために、表面テクスチャおよび/またはコーティングを含んでいてもよい。本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれも、従来のコンピュータ支援製造プロセス、鍛造、鋳造、射出成形、または添加剤製造もしくは類似のプロセスの使用によって作製することができる。本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれも、CT再建およびコンピュータモデリングの使用を通じて、患者の実際の解剖学的構造(または反対側解剖学的構造)に基づいて設計することができる。本明細書中に記載される例示的な実施形態のいずれも、軟組織、筋肉、および/または骨への固定を促すために、表面コーティングまたは様々な処理で処理することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、例示的なデバイスは、所望のサイズおよび形状に切断および成形される金属プレートから形成される。いくつかの実施形態では、プレートは、3mm~10mmの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、厚さは、3mm~9mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは、3mm~8mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは、3mm~7mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは、3mm~6mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは、3mm~5mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは、3.5mm~4.5mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、厚さは約4mmである。いくつかの実施形態では、厚さは4mmである。
【0050】
いくつかの実施形態において、例示的なデバイスのネジ穴は、1.0mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.5mm~4.0mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、2.0mm~3.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、2.5mm~3.0mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~4.0mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~3.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~3.0mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~2.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~2.0mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.0mm~1.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、1.5mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、2.0mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、2.5mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、3.0mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、3.5mm~4.5mmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、ネジ穴は、4.0mm~4.5mmの範囲の直径を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、ネジ穴が存在するデバイスの領域において、ネジ穴は、(即ち、中心から中心までまたは端から端まで測定して)間隔距離だけ互いに離間していてもよい。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~4.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.5cm~3.5cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、2.0cm~3.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、2.5cm~3.5cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~3.5cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~3.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~2.5cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~2.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.0cm~1.5cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、1.5cm~4.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、2.0cm~4.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、2.5cm~4.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、3.0cm~4.0cmの間である。いくつかの実施形態では、間隔距離は、3.5cm~4.0cmの間である。
【0052】
明細書中にそうでないとする明確な指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、以下の用語は、本明細書中で明示的に関連付けられた意味を有する。本明細書中で使用される句「1つの実施形態では(in one embodiment)」、「1つの実施形態では(in an embodiment)」および「いくつかの実施形態では(in some embodiment)」は、そうかもしれないが、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、本明細書中で使用される句「別の実施形態では(in another embodiment)」および「他のいくつかの実施形態では(in some other embodiment)」は、そうかもしれないが、必ずしも異なる実施形態を指すものではない。従って、本明細書中に記載のように、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を容易に組み合わせてもよい。
【0053】
また、本明細書中で使用される「~に基づいて(based on)」という用語は、明細書中にそうでないとする明確な指示がない限り、排他的ではなく、記載されていない追加の要因に基づくことが可能である。また、明細書全体を通して、「a」、「an」および「the」の意味は、複数の指示するものを含む。「in」の意味には、「in」および「on」を含む。
【0054】
本発明の多数の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は例示に過ぎず、制限的なものではなく、当業者には多くの変更が明らかになる可能性があることが理解される。例えば、本明細書で議論された任意の寸法は、例としてのみ提供され、例示的であり、制限的ではないことを意図している。
【符号の説明】
【0055】
400、410、420 … フック
402、412、422 … 取り付け部
404 … 第1のフック部
406 … スペーサ部
414、424 … 湾曲部
416 … Y字形状フック部
426 … フック部
428 … 固定穴
430、500、600、700、800 … プレート
432 … 穴
440、510、610、710 … ネジ
502、602、702 … 第1の端部
504、604、704 … 第2の端部
506、606、706、840 … 固定点
520、620、720 … 構成体
810 … 肩甲骨プレート
820 … 肩峰プレート
830 … モジュール式接合部
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
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図5E
図5F
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図8A
図8B
図8C
図8D
図8E