(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】静電気及びノイズをなくすためのカテーテル構築物
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240805BHJP
A61M 25/14 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61B18/14
A61M25/14 512
(21)【出願番号】P 2022514203
(86)(22)【出願日】2020-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2020058085
(87)【国際公開番号】W WO2021044277
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-06-29
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アッバス・ムハンマド
(72)【発明者】
【氏名】パディージャ・ジュニア・リカルド
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ウ・スティーブン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】レビー・イツハーク・ティー
(72)【発明者】
【氏名】タン・レイモンド・ユエ-シン
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02476698(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0003256(US,A1)
【文献】国際公開第2011/038353(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0117239(US,A1)
【文献】特許第5009974(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-18/00
A61F 2/01
A61N 7/00
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを備える装置であって、前記カテーテルが、
(a)第1の管腔を画定している可撓性外側シースと、
(b)前記第1の管腔の内側に位置決めされている可撓性灌注チューブであって、
(i)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、前記中空内部が第2の管腔を画定している、内側層と、
(ii)前記内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、前記ポリマー化合物が、陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体及び負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体を含む、外側コーティング層と、を含む、可撓性灌注チューブと、を備え、
前記第2の管腔が流体を輸送するよう構成されている、装置。
【請求項2】
合体した、前記可撓性灌注チューブの前記内側層と前記外側コーティング層は、前記流体が、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層を通して目視可能であるように、少なくとも部分的に光学的に透過性であるよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記内側層の前記合成ポリマー化合物がポリ塩化ビニル(PVC)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記可撓性灌注チューブの前記外側コーティング層が、導電性ポリマーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記外側コーティング層の前記ポリマー化合物の前記第1の異性体が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記外側コーティング層の前記ポリマー化合物の前記第2の異性体が、ポリ(スチレンスルホネート)である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記外側コーティング層が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記外側コーティング層が、
65%~90%の光透過率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記外側コーティング層が、少なくとも部分的に弾性がある、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
2つ以上のポンプローラを有するペリスタポンプを更に備え、前記可撓性灌注チューブが、前記ペリスタポンプに連結され、前記2つ以上のポンプローラの各々によって変形されるよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記可撓性灌注チューブの前記外側コーティング層が、自由電子が前記ペリスタポンプから接地要素に移動する経路として構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記可撓性灌注チューブが、前記外側コーティング層の一部の周囲に配設されている耐摩耗性コーティングを更に備え、前記耐摩耗性コーティングが、ポリマーから形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記耐摩耗性コーティングが、ポリウレタン又はポリオレフィンから形成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端に位置決めされているエンドエフェクタを更に備え、前記エンドエフェクタが、組織をアブレーションするよう、又は組織から電位を受け取るよう構成されている1つ以上の電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記カテーテルの前記エンドエフェクタが、複数の開口部を更に備え、前記複数の開口部が、前記第2の管腔を通り輸送された前記流体を放出するよう構成されている、請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
(a)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、前記中空内部が管腔を画定している、内側層と、
(b)前記内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、前記ポリマー化合物が、
(i)陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体、及び
(ii)負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体、を含む、
外側コーティング層と、
を備える、医療用チューブであって、
前記管腔が、流体を輸送するよう構成されており、
前記流体が、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層を通して目視可能であるように、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層が透明となるよう構成されている、
医療用チューブ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を設けることができる。
【0002】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触させて配置し、次いでRFエネルギーで作動させることによって、接触した組織をアブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と組み合わせて単極電極を使用してもよい。灌注を使用することにより、アブレーションカテーテルのアブレーション構成要素から熱を引き込み、アブレーション部位付近の血液凝固の形成を防止することができる。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、2013年1月31日に公開された、「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」と題する米国特許出願公開第2013/0030426号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);2017年11月2日に公開された、「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」と題する米国特許出願公開第2017/0312022号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);2018年3月15日に公開された、「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」と題する米国特許出願公開第2018/0071017号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);2018年3月1日に公開の、「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許出願公開第2018/0056038号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);2018年11月20日に交付された「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する米国特許第10,130,422号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2015年2月17日に交付された「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」と題する米国特許第8,956,353号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び2017年10月31日に交付された「Electrocardiogram Noise Reduction」と題する米国特許第9,801,585号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0004】
一部のカテーテルアブレーション処置は、アブレーションの標的とすべき組織領域を特定するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを用いた後に実施され得る。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実施するために使用されるのと同じカテーテル又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を正確に特定することができる。EPマッピングシステムの例は、1998年4月14日に交付された「Electromechanics」と題する米国特許第5,738,096号に記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。EPマッピングカテーテルの例は、2018年3月6日に交付された「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」と題する米国特許第9,907,480号(その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、2018年11月20日に交付された、「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する、米国特許第10,130,422号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる);及び2018年3月1日に公開の「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許出願公開第2018/0056038号(開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
アブレーションカテーテルを使用するとき、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極が標的組織に十分に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織を不必要に損傷させる傾向がある程度の力を印加することがないようにしながら、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ以上の電極が標的組織に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。その目的の達成のために、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0006】
力検知又はEPマッピングを使用することに加えて、いくつかのカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することができる。一部のシステムは、Biosense Webster、Inc.(Irvine、California)によるCARTO 3(登録商標)システムを含めて、EPマッピング機能とIGS機能の組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されたカテーテルの例は、2016年11月1日に交付された「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」と題する米国特許第9,480,416号(その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書で引用されているさまざまな他の参考文献に開示されている。
【0007】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施され、利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、本明細書に記載、例示及び特許請求される本発明を実施又は利用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示にすぎず、本願発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図を示す。
【
図2】追加の構成要素が概略的な形態で示される、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図3】内部構成要素を明らかにするために外側シースが省略されている、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図4】
図1のカテーテルの遠位部分の分解斜視図である。
【
図5】使用時の先行技術の灌注チューブであって、灌注ポンプローラに隣接する例示的な初期静電荷の帯電を有する、灌注チューブの縦方向の断面図であり、この場合、灌注チューブは、静電荷帯電を収集する単一材料層を含む。
【
図6】
図1のカテーテルの変形形態を用いて使用することができる、灌注チューブの第1の例の縦方向の断面図であり、ここで、灌注チューブの第1の実施形態は、複数の材料層を含む。
【
図7】
図6の中心線7-7に沿って切り取った、
図6の灌注チューブの横断面図である。
【
図8A】使用時の
図6の灌注チューブであって、灌注ポンプローラに隣接する例示的な初期静電荷の帯電を有する、灌注チューブの縦方向の断面図であり、この場合、灌注チューブは、複数の材料層を含む。
【
図8B】複数の材料層によって吸着された静電荷帯電を示す、
図8Aの灌注チューブの図である。
【
図9】
図1のカテーテルの変形形態を用いて使用することができる、灌注チューブの第2の例の縦方向の断面図であり、ここで、灌注チューブの第2の実施形態は、複数の材料層を含む。
【
図10】
図9の中心線10-10に沿って切り取った、
図9の灌注チューブの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、所定の実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。認識されるように、本発明は、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載されている教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本明細書で任意の数値や数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、適当の好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用するとき、用語「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」は、任意のヒト又は動物被験体を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0012】
I.例示的なアブレーションカテーテルシステムの概要
図1は、上に言及した、心臓アブレーションを行うために使用できる心臓アブレーションカテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。特に、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織をアブレーションするために、患者(PA)内に配設されたカテーテルアセンブリ(100)のカテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)を有する(
図2及び
図4に示されているが、
図1には示されていない)。カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)と、ハンドル(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドル上に位置するユーザ入力特徴部(190)と、を含む。
【0013】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成されたさまざまな構成要素を含む。同様に、以下で更に詳細に記載するように、ユーザ入力特徴部(190)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分を、カテーテル(120)の近位部分によって画定される長手方向中心軸(L-L)(
図3~図-5)から離れる方向に偏向するように構成されている。
【0014】
図2に示すように、カテーテル(120)は、細長い可撓性シース(122)を含み、エンドエフェクタ(140)は、シース(122)の遠位端に配設されている。シース(122)内に収容されるエンドエフェクタ(140)及びさまざまな構成要素について、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に連結されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結される。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に配置され、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と連結される。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0015】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、デジタルディスプレイなどのディスプレイ(18)とを含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)に結合されている。一部の変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極(138)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において公知のEPマッピングを提供するプロセッサ(図示せず)を含む。
【0016】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって組織をアブレーションするように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0017】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)内のナビゲーションセンサアセンブリ(150)から信号を示す位置を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの位置表示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を判定するように動作可能である。以下でより詳細に説明するように、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能な、それぞれのパネル(151)上に一対のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されている。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術は、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを含み得る。あるいは、エンドエフェクタ(140)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)がなくてもよい。
【0018】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサに結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた一組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づくことができる。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(140)のナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの信号に基づいて動的に変化することができる。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサに、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムに更新され、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を示すことができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)による電気生理学的(EP)マッピングによって検出されるように、又は、他の方法で検出される(例えば、専用のEPマッピングカテーテルなどを使用する)ように、異常な導電性組織部位の場所を示すようディスプレイ(18)を駆動してもよい。コンソール(12)のプロセッサはまた、照らされたドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又は視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0019】
本例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更に結合されている可撓性チューブを含む。以下により詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるような任意の好適な方式で提供されてもよい。
【0020】
II.カテーテルアセンブリの例示的なエンドエフェクタ
図2~
図4は、エンドエフェクタ(140)の例示的な構成要素、及びカテーテル(120)の遠位部分の他の構成要素をより詳細に示す。エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)と、遠位先端基部(144)と、遠位回路ディスク(146)と、歪みゲージアセンブリ(148)と、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)と、遠位スペーサスタック(152)と、一対の近位スペーサ(154)と、を含む。遠位先端部材(142)、遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)、歪みゲージアセンブリ(148)、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)、遠位スペーサスタック(152)、及び近位スペーサ(154)は、互いに同軸上に整列され、これらの構成要素(144~154)が積層回路を画定するように長手方向に積層される。一対のプッシュプルケーブル(160、170)及び灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在し、エンドエフェクタ(140)に到達する。前述の構成要素のそれぞれについて以下により詳細に説明する。可撓性シース(122)は、遠位先端部材(142)を除いて、前述の構成要素のすべてを取り囲む。
【0021】
図3~
図4に示すように、本実施例の遠位先端部材(142)は、導電性であり、ドーム先端を有する円筒状本体(156)を含む。複数の開口部(158)は、円筒状本体(156)を通って形成され、遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)は、灌注流体が遠位先端部材(142)の内部から円筒状本体(156)を通って連通されることを可能にする。円筒状本体(156)及びドーム先端部はまた、組織にRF電気エネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションするように動作可能である。このようなRF電気エネルギーは、ケーブル(30)を介して、第1のドライバモジュール(14)から最近位のスペーサ(154)に伝達されてもよい。遠位先端部材(142)はまた、温度感知能力を提供するように構成された1つ以上の熱電対を含んでもよい。
【0022】
図3~
図4に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒状本体(156)に取り付けられた1つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成されている。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用されるさまざまな参考文献の教示にしたがって、異常な電気的活動の場所を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0023】
歪みゲージアセンブリ(148)は、遠位回路ディスク(146)の近位に位置決めされ、遠位先端部材(142)に対して衝突する外力を感知するように構成されている。遠位先端部(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられるとき)、それらの外力は遠位先端部(142)から遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)に伝達され、歪みゲージが外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得るように、歪みゲージアセンブリ(148)に伝達される。
【0024】
ナビゲーションセンサアセンブリ(150)は、実質的な精度を有する3次元空間内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成することができる。ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの信号は、歪みナビゲーションセンサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。
【0025】
上述したように及び
図1~
図2に示されるように、ケーブル(30)は、カテーテルアセンブリ(100)を駆動システム(10)と連結する。
図4に示されるように、ケーブル(30)のワイヤ(32)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在し、最近位の近位スペーサ(154)に到達する。
【0026】
また上述したように、カテーテルアセンブリ(100)は、流体導管(40)を介して流体源(42)からカテーテル(120)に灌注流体を連通させることを可能にし、それによって遠位先端部材(142)の開口部(158)を介して灌注流体の排出を提供するように構成されている。本実施例では、灌注流体の流体経路は、
図3~
図4に示されている灌注チューブ(180)を含む。灌注チューブ(180)の近位端は、(例えば、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)において)流体導管(40)と連結される。灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在し、エンドエフェクタ(140)に到達する。一部の変形例では、灌注流体は、上述の中央開口部の近くの整列物によって形成された中央通路を通る灌注チューブ(180)の遠位端から連通されていてもよく、最終的に遠位先端基部(144)の開口部(158)を介して遠位先端部材(142)の内部に到達する。
【0027】
上で明記されているとおり及び
図2~
図4に示されているとおり、本実施例のカテーテル(100)は、一対のプッシュプルケーブル(160、170)を更に含む。プッシュプルケーブル(160、170)は、医師(PH)がエンドエフェクタ(140)を長手方向軸(L-L)から離れて横方向に選択的に偏向することを可能にし、それによって、医師(PH)がエンドエフェクタ(140)を患者(PA)内で能動的に操舵することを可能にする。同時に長手方向に対向する方式でプッシュプルケーブル(160、170)を駆動するために使用され得るさまざまな機構は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0028】
III.静電気及びノイズをなくすための例示的なカテーテル構築物
上述したように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端(142)は、灌注流体が遠位先端部材(142)の内部から外部に伝達されることを可能にするように構成された複数の開口部(158)を規定する。また、上述したように、エンドエフェクタ(140)は、患者(PA)の心臓(H)内又はその近くに配設されて、組織をアブレーションするように構成されている。したがって、例示的な使用中、ポンプ(44)は、流体源(42)に由来する灌注流体が、患者(PA)の心臓(H)の中又はその近くで複数の開口部(158)から流れ出ることができるように、流体源(42)から、導管(40)及び灌注チューブ(180)を通って、かつ遠位先端部材(142)の内部に灌注流体を駆動してもよい。カテーテルアセンブリ(100)の例示的な使用中、灌注流体を使用して、上記にしたがって、エンドエフェクタ(140)をRFエネルギーで起動することに応じて、エンドエフェクタ(140)又は周囲組織を十分に冷却することができる。
【0029】
利用することができるポンプ(44)のタイプの1つは、ペリスタポンプである。ペリスタポンプでは、灌注流体は、「トラック」とも称されることが多い、半円形ポンプケーシング内に装備されている、導管(40)(
図1に示されている)などの、可撓性チューブ内に含まれていてもよい。導管(40)は、その外円周に取り付けられた2つ以上のローラを備えるロータによってトラックに押圧される。ロータが回転すると、圧縮された状態の導管(40)の部分が閉塞するか、又はローラとトラックとの間で挟んで閉じられ、ポンプ注入されている流体を導管(40)に移動させる。ポンプ(44)のローラが通過した後に、導管(40)は、その普通の形状に再度、開口すると、真空が生成して流体をポンプ(44)に引き込む。次に、前方向に移動しているローラが、流体をポンプ出口の方向に押す。一部の医療処置の場合、導管(40)は、各処置の後に廃棄することができる、使い捨てチューブセットに組み立てられ、これによって、洗浄バリデーションを最小限にすることができる。
【0030】
一部のカテーテルシステムでは、ポンプ(例えば、
図1に示されているポンプ(44))のローラなどのこのシステムの移動部分に灌注チューブが接触するために、静電気帯電及び放電が、接続されている灌注チューブ(例えば、
図1に示されている導管(40))表面で発生し得る。一部の例では、静電気帯電及び放電により、灌注ポンプの流量に一致する、繰り返される高調波でRFシステムに、ノイズを発生させるおそれがある。このような静的ノイズは、EPマッピング電極(例えば、
図2及び3に示されている微小電極(138))からの読取値に悪影響を及ぼすおそれがある。更に又は代わりに、このような静的ノイズは、1つ以上のセンサ(例えば、
図3及び4に示されているナビゲーションセンサアセンブリ(150))によって発生する信号に悪影響を及ぼすおそれがある。更に又は代わりに、このような静的ノイズは、アブレーション電極(例えば、
図2~
図4に示されている円筒状本体(156))を介するアブレーションRFエネルギーの送達に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0031】
図5は、使用時の先行技術の灌注チューブ(500)であって、流体を灌注チューブ(500)に流すよう構成されているペリスタポンプのポンプローラ(502)に隣接して位置決めされている、灌注チューブ(500)の縦方向の断面図を図示している。灌注チューブ(500)は、可撓性ポリマー層などの単一材料層(504)を含む。同様に、灌注ポンプローラ(502)に隣接した例示的な初期静電荷の帯電(506)が図示されており、この場合、単一材料層(504)は、経時的に静電荷帯電(506)を収集する。この先行技術構成では、静電荷(506)は、灌注ポンプローラ(502)が灌注チューブ(500)に接触する毎に摩擦電気効果があるために、そこに帯電させることができる。静電荷(506)は、ポンプローラ(502)が灌注チューブ(500)に接触する頻度によって駆動される電気ノイズの急上昇を引き起こすおそれがあり、灌注チューブ(500)のノイズは、灌注が灌注チューブ(500)を通って流れることによってもたらされる、反対の荷電粒子(508)によって決定づけられ得る。
【0032】
静電気帯電及び放電を最小化させるため、及び静電気によって引き起こされるいかなる電気ノイズも低下させるため、1つ以上のポリマーコーティングを灌注チューブに適用することができる。
図6~7は、医療用灌注チューブ(600)の一例を図示しており、このチューブは、
図1のカテーテルアセンブリ(100)の変形形態と共に使用されてもよい。例えば、灌注チューブ(600)が、導管(40)の代わりに使用されてもよく、同様に、ポンプ(例えば、ポンプ(44))と連結して、流体源(例えば、流体源(42))から患者(PA)に灌注流体を輸送することができる。この例の灌注チューブ(600)は、底部又は内側層(602)及びコーティング層(604)を含む、複数の可撓性材料層を含む。場合により、灌注チューブ(600)は、追加の耐摩耗層(606)を含むことができ、この層は、灌注チューブ(600)の一部又はすべてを覆うことができ、コーティング層(604)を覆うよう施用されてもよい。
【0033】
一部の変形例では、内側層(602)は、可撓性合成プラスチックポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)から形成されている。内側層(602)は、長手方向中心軸(608)を画定する中空円筒チューブを形成するよう、例えば、押出成形されてもよく、又はそうでない場合には、製造されてもよい。中空内部部分(610)は、管腔又は灌注チャネルとして機能し、流体を流体源(42)と患者(PA)との間などに輸送することができる。
【0034】
外側コーティング層(604)は、1種以上の異性体、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)からなる導電性ポリマーから形成されている。PEDOT:PSSは、2種のアイオノマーのポリマー混合物である。この混合物中の構成成分の1つは、スルホン化ポリスチレンである、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムから構成されている。スルホニル基の部分は脱プロトン化されて、負電荷を帯びる。他の構成要素であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)は、コンジュゲートされているポリマーであり、正電荷を有しており、ポリチオフェンに基づいている。PEDOT:PSSは、高度に導電性、又は高度に抵抗性のある光学的に透明(例えば、約65~約90%)で、わずかに弾性を持たせることができる。
【0035】
耐摩耗層(606)は、例えば、ポリウレタン、ポリオレフィン、又は同様の特性を有する別のポリマーから形成され得る。耐摩耗層(606)は、ペリスタポンプローラ(502)に隣接した部分、又は使用中に一層大きな摩擦を受けることがある他の任意の領域などの、灌注チューブ(600)の部分を覆うことができる。
【0036】
図8Aは、使用時の
図6~
図7の灌注チューブ(600)であって、流体を灌注チューブ(600)に流すよう構成されているペリスタポンプのポンプローラ(612)に隣接して位置決めされている、灌注チューブ(600)の縦方向の断面図を図示している。灌注チューブ(600)は、2種の材料層:内側層(602)及び外側コーティング層(604)を含む。灌注チューブ(600)は、示されていないが、上記の耐摩耗層(606)などの、耐摩耗層を場合により含んでもよい。
【0037】
同様に、灌注ポンプローラ(612)に隣接する例示的な初期静電荷の帯電(614)が
図8Aに図示されており、この場合、外側コーティング層(604)は、ポンプローラ(612)が灌注チューブ(600)に接触すると、静電荷帯電(614)を受け取る。この例示的な構成では、静電荷(614)は、灌注ポンプローラ(612)が灌注チューブ(600)に接触する毎に摩擦電気効果があるために、そこに帯電させることができる。しかし、
図8Bに図示されているように、外側コーティング層(604)のPEDOT:PSSの高い抵抗性配合物を散逸性器具として使用し、
図8Aに示されているような、ポンプローラ(612)からの自由電子が1つの領域に局在するのを防止することができる。外側コーティング層(604)は、依然としてわずかに導電性であり、内側層(602)として絶縁されていないので、電子は静電状態にはないが、代わりに
図8Bに示されているように散逸する。これは散逸方法であり、したがって、電子をどこかに流す代わりに、電子が帯電するのを防止するので、灌注チューブ(600)は、電気的に接地されている必要がなくてもよい。したがって、外側コーティング層(604)は、最小限とすることができる。PEDOT:PSSによって実現されるなどの、外側コーティング層(604)の導電性により、静電荷(614)は流路を有することが可能となるが、合体した、内側層(602)と外側コーティング層(604)が透明であることにより、配管内部の気泡を検出することが可能となる。更に、合体した、内側層(602)と外側コーティング層(604)が弾性であることにより、灌注チューブ(600)は屈曲する能力及び歪む能力がもたらされる。
【0038】
IV.ポンプにより発生するECGノイズを低減するための灌注配管に関する例示的な半導電性中間層
上記のとおり、電気ノイズは、治療デバイス及び診断デバイスの両方にとってある種の環境的条件において問題となることがある。例えば、一部のカテーテルシステムでは、ポンプ(例えば、
図1に示されているポンプ(44))のローラなどのこのシステムの移動部分に灌注チューブが接触するために、接続した灌注チューブ(例えば、
図1に示されている導管(40))表面で、静電気帯電及び放電が起こるおそれがある。静電気帯電及び放電は、一部の例では、灌注ポンプの流量に一致する、繰り返される高調波でRFシステムに、ノイズを発生するおそれがある。このような静電気関連ノイズは、EPマッピング電極(例えば、
図2及び3に示されている微小電極(138))からの読取値に悪影響を及ぼすことがある。更に又は代わりに、このような静電気関連ノイズは、1つ以上のセンサ(例えば、
図3及び4に示されているナビゲーションセンサアセンブリ(150))によって発生する信号に悪影響を及ぼすことがある。更に又は代わりに、このような静電気関連ノイズは、アブレーション電極(例えば、
図2~4に示されている円筒状本体(156))を介するアブレーションRFエネルギーの送信に悪影響を及ぼすことがある。
【0039】
図9~10は、医療用灌注チューブ(900)の別の例を図示しており、このチューブは、
図1のカテーテルアセンブリ(100)の変形形態と共に使用されてもよい。例えば、灌注チューブ(900)が流体導管(40)の代わりに使用されてもよく、同様に、ポンプ(例えば、ポンプ(44))と連結して、流体源(例えば、流体源(42))から患者(PA)に灌注流体を輸送することができる。この例の灌注チューブ(900)は、底部又は内側層(902)、中間層(904)及び外側コーティング層(906)を含む、複数の可撓性材料層を含む。一部の変形例では、内側層(902)及び外側コーティング表面(906)の全体が、電気絶縁体として形成されてもよく、各々が、灌注チューブ(900)の外側から電気的に隔離されていてもよい。一部の変形例では、内側層(902)及び外側コーティング層(906)は、明確に異なる材料を含む、1つ以上の絶縁層を含むことができる。内側層(902)は、長手方向中心軸(908)を画定する中空円筒チューブを形成するよう、例えば、押出成形されてもよく、又はそうでない場合、製造されてもよい。中空内部部分(910)は、管腔又は灌注チャネルとして機能し、流体を流体源(42)と患者(PA)との間などに輸送することができる。
【0040】
内側層(902)及び外側コーティング層(906)は絶縁特性を有する材料を含んでもよいが、半導電性表面は、灌注配管の中間層(904)を完全に形成することができるか、又は灌注チューブ(900)の長さのみ伸縮させることができる。この場合、ポンプローラ(502)は、灌注チューブ(900)と接触するようになる。約100kΩ~約1MΩの範囲の抵抗を有する材料などの、中間層(904)向けの半導体材料を利用することによって、灌注チューブ(900)の外側コーティング表面(906)の電荷は、電気的に接地されることができ、感電のリスクを最小限にすることができる。しかし、一部の変形例では、灌注チューブ(900)の内側層(902)及び外側層(906)が十分な電気絶縁を有する場合、導電性中間層(904)を使用してもよい。他の変形例では、導電性又は半導電性中間層(904)は、接地ケーブルに接続されていてもよい。
【0041】
他の変形例では、灌注チューブ(900)は、灌注チューブ(900)の長さ全体に異なる材料からなる3つの層を含むことができる。例えば、1つ以上の半導電層はコーティング又はブレードを含んでもよいか、又は内側層(902)の上に共押出することができる。半導電層はまた、半導電性に加えて、帯電防止特性も有してもよい。この実施形態では、導電層は、更にノイズ低下用の接地ケーブルに電気的に接続されてもよい。
【0042】
V.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者らによって又は本発明者らの利益の承継者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。いずれの特許請求が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更に特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更に特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0043】
カテーテルを備える装置であって、カテーテルが、(a)第1の管腔を画定する可撓性外側シースと、(b)第1の管腔の内側に位置決めされている可撓性灌注チューブであって、(i)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、中空内部が第2の管腔を画定している、内側層と、(ii)内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、ポリマー化合物が、陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体及び負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体を含む、外側コーティング層と、を含む、可撓性灌注チューブと、を備え、第2の管腔が流体を輸送するよう構成されている、装置。
【実施例2】
【0044】
合体した、可撓性灌注チューブの内側層と外側コーティング層は、流体が、合体した、内側層と外側コーティング層を通して目視可能であるように、少なくとも部分的に光学的に透過性であるよう構成されている、実施例1の装置。
【実施例3】
【0045】
内側層の合成ポリマー化合物が、ポリ塩化ビニル(PVC)を含む、実施例1~2のいずれか1つ以上の装置。
【実施例4】
【0046】
可撓性灌注チューブの外側コーティング層が、導電性ポリマーを含む、実施例1~3のいずれか1つ以上の装置。
【実施例5】
【0047】
外側コーティング層のポリマー化合物の第1の異性体が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、実施例1~4のいずれか1つ以上の装置。
【実施例6】
【0048】
外側コーティング層のポリマー化合物の第2の異性体が、ポリ(スチレンスルホネート)である、実施例1~5のいずれか1つ以上の装置。
【実施例7】
【0049】
外側コーティング層が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)を含む、実施例1~6のいずれか1つ以上の装置。
【実施例8】
【0050】
外側コーティング層が、約65%~約90%の光透過率を有する、実施例1~7のいずれか1つ以上の装置。
【実施例9】
【0051】
外側コーティング層が、少なくとも部分的に弾性がある、実施例1~8のいずれか1つ以上の装置。
【実施例10】
【0052】
2つ以上のポンプローラを有するペリスタポンプを更に備え、可撓性灌注チューブが、ペリスタポンプに連結され、2つ以上のポンプローラの各々によって変形するよう構成されている、実施例1~9のいずれか1つ以上の装置。
【実施例11】
【0053】
可撓性灌注チューブの外側コーティング層が、自由電子がペリスタポンプから接地要素に移動する経路として構成されている、実施例10の装置。
【実施例12】
【0054】
可撓性灌注チューブが、外側コーティング層の一部の周囲に配設されている耐摩耗性コーティングを更に備え、耐摩耗性コーティングが、ポリマーから形成されている、実施例1~11のいずれか1つ以上の装置。
【実施例13】
【0055】
耐摩耗性コーティングが、ポリウレタンから形成されている、実施例12の装置。
【実施例14】
【0056】
耐摩耗性コーティングが、ポリオレフィンから形成されている、実施例12の装置。
【実施例15】
【0057】
カテーテルが、該カテーテルの遠位端に位置決めされているエンドエフェクタを更に備え、エンドエフェクタが、組織をアブレーションするよう、構成されている1つ以上の高周波電極を含む、実施例1~14のいずれか1つ以上の装置。
【実施例16】
【0058】
カテーテルのエンドエフェクタが、少なくとも1つのマッピング電極を更に備え、少なくとも1つのマッピング電極が、組織から電位を受け取るよう構成されている、実施例15の装置。
【実施例17】
【0059】
カテーテルのエンドエフェクタが、複数の開口部を更に備え、複数の開口部が、第2の管腔を通り輸送された流体を放出するよう構成されている、実施例15~16のいずれか1つ以上の装置。
【実施例18】
【0060】
(a)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、中空内部が管腔を画定している、内側層と、(b)内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、ポリマー化合物が、(i)陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体及び(ii)負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体を含む、外側コーティング層と、を備える、医療用チューブであって、管腔が流体を輸送するように構成されており、流体が、合体した、内側層と外側コーティング層を通して目視可能であるように、合体した、内側層と外側コーティング層が透明となるように構成されている、医療用チューブ。
【実施例19】
【0061】
外側コーティング層が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)である、実施例18の医療用チューブ。
【実施例20】
【0062】
外側コーティング層が、約65%~約90%の光透過率を有する、実施例18~19のいずれか1つ以上の医療用チューブ。
【実施例21】
【0063】
外側コーティング層の一部の周囲に配設されている耐摩耗性コーティングを更に備える、実施例18~20のいずれか1つ以上の医療用チューブであって、耐摩耗性コーティングが、ポリマーから形成されている、医療用チューブ。
【実施例22】
【0064】
耐摩耗性コーティングが、ポリウレタンから形成されている、実施例21の医療用チューブ。
【実施例23】
【0065】
耐摩耗性コーティングが、ポリオレフィンから形成されている、実施例21の医療用チューブ。
【実施例24】
【0066】
(a)合成ポリマー化合物から内側チューブ層を押出成形するステップであって、内側チューブ層が、一様な断面及び中空内部を有しており、中空内部が流体を輸送するよう構成されている管腔を確定する、ステップと、(b)内側チューブ層全体を取り囲む外側コーティング層を設けるステップであって、外側コーティング層が、ポリマー化合物から形成されており、ポリマー化合物が、陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体、負電荷を帯びるよう構成されている第2の異性体を含み、流体が、合体した、内側層と外側コーティング層を通して少なくとも部分的に目視可能であるように、合体した、内側層と外側コーティング層が、光学的に透過性であるように構成されている、ステップと、(c)外側コーティング層の一部を取り囲む耐摩耗性コーティングを設けるステップであって、耐摩耗性コーティングがポリマーから形成されている、ステップとを含む、医療用チューブを製造する、方法。
【実施例25】
【0067】
合成ポリマー化合物が、ポリ塩化ビニルから構成されている、実施例24の方法。
【実施例26】
【0068】
外側コーティング層が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)から構成されている、実施例24~25のいずれか1つ以上の医療用チューブ。
【実施例27】
【0069】
耐摩耗性コーティングが、ポリウレタン又はポリオレフィンのうちの1つから構成されている、実施例24~26のいずれか1つ以上の方法。
【実施例28】
【0070】
カテーテルを備える装置であって、カテーテルが、(a)第1の可撓性材料から構成され、流体を輸送するよう構成されている管腔を画定している内側表面を有する、内側チューブであって、第1の可撓性材料が非導電性である、内側チューブと、(b)内側チューブの周囲に配設され、第2の可撓性材料から構成されている、中間層であって、第2の可撓性材料が導電性である、中間層と、(c)中間層の周囲に配設され、第3の可撓性材料から構成されている、外側層であって、第3の可撓性材料が非導電性である、外側層とを備える、装置。
【実施例29】
【0071】
中間層の第2の可撓性材料が、約100kΩ~約1MΩの電気抵抗を有する、請求項28に記載の装置。
【実施例30】
【0072】
中間層の第2の可撓性材料が、半導電性である、実施例28~29のいずれか1つ以上の装置。
【実施例31】
【0073】
2つ以上のポンプローラを有するペリスタポンプを更に備え、カテーテルが、ペリスタポンプに連結されて、2つ以上のポンプローラの各々によって変形可能に構成されている、実施例28~30のいずれか1つ以上の装置。
【実施例32】
【0074】
カテーテルが、該カテーテルの遠位端に位置決めされているエンドエフェクタを更に備え、エンドエフェクタが、組織をアブレーションするよう構成されている1つ以上の高周波電極を含む、実施例28~31のいずれか1つ以上の装置。
【実施例33】
【0075】
カテーテルのエンドエフェクタが、少なくとも1つのマッピング電極を更に備え、少なくとも1つのマッピング電極が、組織から電位を受け取るよう構成されている、実施例32の装置。
【実施例34】
【0076】
カテーテルのエンドエフェクタが、複数の開口部を更に備え、複数の開口部が、管腔から流体を放出するよう構成されている、実施例32~33のいずれか1つ以上の装置。
【0077】
VI.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で公知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0078】
本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、上述のものに加えて又はそれに代えて、さまざまな他の特徴を含み得ることが理解されるべきである。単なる例として、本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれているさまざまな参考文献のいずれかに開示されているさまざまな特徴のうちの1つ以上を含むこともできる。
【0079】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現要素、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して、考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0080】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0081】
本発明の種々の変形例について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更に応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルを備える装置であって、前記カテーテルが、
(a)第1の管腔を画定している可撓性外側シースと、
(b)前記第1の管腔の内側に位置決めされている可撓性灌注チューブであって、
(i)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、前記中空内部が第2の管腔を画定している、内側層と、
(ii)前記内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、前記ポリマー化合物が、陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体及び負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体を含む、外側コーティング層と、を含む、可撓性灌注チューブと、を備え、
前記第2の管腔が流体を輸送するよう構成されている、装置。
(2) 合体した、前記可撓性灌注チューブの前記内側層と前記外側コーティング層は、前記流体が、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層を通して目視可能であるように、少なくとも部分的に光学的に透過性であるよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記内側層の前記合成ポリマー化合物がポリ塩化ビニル(PVC)を含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記可撓性灌注チューブの前記外側コーティング層が、導電性ポリマーを含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記外側コーティング層の前記ポリマー化合物の前記第1の異性体が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、実施態様1に記載の装置。
【0083】
(6) 前記外側コーティング層の前記ポリマー化合物の前記第2の異性体が、ポリ(スチレンスルホネート)である、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記外側コーティング層が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)を含む、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記外側コーティング層が、約65%~約90%の光透過率を有する、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記外側コーティング層が、少なくとも部分的に弾性がある、実施態様1に記載の装置。
(10) 2つ以上のポンプローラを有するペリスタポンプを更に備え、前記可撓性灌注チューブが、前記ペリスタポンプに連結され、前記2つ以上のポンプローラの各々によって変形されるよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0084】
(11) 前記可撓性灌注チューブの前記外側コーティング層が、自由電子が前記ペリスタポンプから接地要素に移動する経路として構成されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記可撓性灌注チューブが、前記外側コーティング層の一部の周囲に配設されている耐摩耗性コーティングを更に備え、前記耐摩耗性コーティングが、ポリマーから形成されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記耐摩耗性コーティングが、ポリウレタン又はポリオレフィンから形成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記カテーテルが、前記カテーテルの遠位端に位置決めされているエンドエフェクタを更に備え、前記エンドエフェクタが、組織をアブレーションするよう、又は組織から電位を受け取るよう構成されている1つ以上の電極を含む、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記カテーテルの前記エンドエフェクタが、複数の開口部を更に備え、前記複数の開口部が、前記第2の管腔を通り輸送された前記流体を放出するよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0085】
(16) (a)合成ポリマー化合物から形成された内側層であって、一様な断面及び中空内部を有しており、前記中空内部が管腔を画定している、内側層と、
(b)前記内側層の周囲に配設された、ポリマー化合物から形成されている外側コーティング層であって、前記ポリマー化合物が、
(i)陽電荷を帯びるよう構成されている第1の異性体、及び
(ii)負電荷を帯びるように構成されている第2の異性体、を含む、
外側コーティング層と、
を備える、医療用チューブであって、
前記管腔が、流体を輸送するよう構成されており、
前記流体が、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層を通して目視可能であるように、合体した、前記内側層と前記外側コーティング層が透明となるよう構成されている、
医療用チューブ。
(17) カテーテルを備える装置であって、前記カテーテルが、
(a)第1の可撓性材料から構成され、流体を輸送するように構成されている管腔を画定している内側表面を有する、内側チューブであって、前記第1の可撓性材料が非導電性である、内側チューブと、
(b)前記内側チューブの周囲に配設され、第2の可撓性材料から構成されている、中間層であって、前記第2の可撓性材料が導電性である、中間層と、
(c)前記中間層の周囲に配設され、第3の可撓性材料から構成されている、外側層であって、前記第3の可撓性材料が非導電性である、外側層と、を備える、装置。
(18) 前記中間層の前記第2の可撓性材料が、約100kΩ~約1MΩの電気抵抗を有する、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記中間層の前記第2の可撓性材料が、半導電性である、実施態様17に記載の装置。
(20) 2つ以上のポンプローラを有するペリスタポンプを更に備え、前記カテーテルが、前記ペリスタポンプに連結され、前記2つ以上のポンプローラの各々によって変形可能であるように構成されている、実施態様17に記載の装置。