(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】カテーテルアセンブリと共に使用するためのフレア付きインサート部材
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240805BHJP
A61B 90/00 20160101ALI20240805BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B90/00
(21)【出願番号】P 2022523623
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 IB2020059670
(87)【国際公開番号】W WO2021079236
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-08-30
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ロペズ・サイモン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・イー
(72)【発明者】
【氏名】タン・レイモンド・ユエ-シン
(72)【発明者】
【氏名】セイラー・ショーン・ディ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516691(JP,A)
【文献】米国特許第05997562(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0224448(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0217092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 - A61B 18/14
A61B 90/00
A61M 25/01
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備え
ており、
前記装置は前記ルーメン内に配設されたシール部材を更に備え、前記シール部材は、前記ルーメン内に配設されたカテーテルに対して液密シールを形成するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記円筒状シャフト及び前記外向きフレア付き機構は剛性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シール部材は、リッジで収束する一対の傾斜付き内部表面を含み、前記リッジは、前記シール部材内に配設されたカテーテルと係合するように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記シール部材は、ベル曲線形状の断面形状を有する内部表面を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記シール部材は、弓形の断面形状を有する内部表面を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記シール部材は波形の構成を有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備えており、
前記装置は前記円筒状シャフトから外向きに延在する複数のリブを更に含む
、装置。
【請求項8】
前記リブは前記円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、前記リブは、前記円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記リブは前記円筒状シャフトの周りで円周方向に延在し、前記リブは、前記円筒状シャフトに沿って互いから長手方向に離間している、請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備えており、
前記装置は前記円筒状シャフトから外向きに延在する複数の外部フィンを更に含み、前記外部フィンは、前記円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、前記外部フィンは、前記円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している
、装置。
【請求項11】
装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備えており、
前記装置は前記円筒状シャフトの前記ルーメン内で内向きに延在する複数の内部フィンを更に含み、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトの前記ルーメンに沿って長手方向に延在し、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトの前記ルーメンの周りで互いから角度的に離間している
、装置。
【請求項12】
前記ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成され、前記カテーテルは、第1の外径を有する第1の長手方向領域と、第2の外径を有する第2の長手方向領域と、を有し、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトが前記カテーテルの前記第1の長手方向領域に沿って摺動することを可能にするように構成され、前記内部フィンは、前記カテーテルの前記第2の長手方向領域に沿った前記円筒状シャフトの摺動に抵抗するように構成されている、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
前記円筒状シャフトの前記遠位端にある外向きフレア付き機構を更に含み、
前記遠位端にある前記外向きフレア付き機構は、前記ルーメンにつながる角度付き表面を画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備えており、
前記円筒状シャフトは第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは雄係合部分を有し、前記第2のセグメントは雌係合部分を有し、前記装置は、前記雄係合部分と前記雌係合部分との間に捕捉された変形可能部材を更に備え、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントは、互いに対して移動可能であり、それによって前記変形可能部材を変形させ、変形状態にある前記変形可能部材は、カテーテルに対して前記円筒状シャフトの位置を固定するように構成され、非変形状態にある前記変形可能部材は、前記円筒状シャフトが前記カテーテルに沿って摺動することを可能にするように構成されている
、装置。
【請求項15】
前記ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記円筒状シャフトを受容するように構成された挿入ポートを有する心血管カテーテルガイドシースを更に備え、前記挿入ポートは開口部を画定し、シールが前記開口部内に位置付けられ、前記円筒状シャフトは、前記シールを通過するように構成され、前記挿入ポート及び前記外向きフレア付き機構は、前記外向きフレア付き機構が前記挿入ポートを通過することを防止するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2019年10月22日出願の米国特許仮出願第62/924,443号、発明の名称「Flared Insert Member for Use with Catheter Assembly」の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の伝達を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0003】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内にアブレーションを提供することができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ又は2つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触させて配置し、次いでRFエネルギーで作動させることによって、接触した組織をアブレーションすることができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と組み合わせて単極電極を使用してもよい。潅注を使用することにより、アブレーションカテーテルのアブレーション構成要素から熱を引き込み、アブレーション部位付近の血液凝固の形成を防止することができる。
【0004】
アブレーションカテーテルの例は、米国特許出願公開第2013/0030426号、発明の名称「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」、2013年1月31日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2017/0312022号、発明の名称「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」、2017年11月2日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」、2018年3月15日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」、2015年2月17日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」、2017年10月31日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
一部のカテーテルアブレーション処置は、アブレーションの標的とすべき組織領域を特定するために、電気生理学(electrophysiology、EP)マッピングを用いた後に実施され得る。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実施するために使用されるのと同じカテーテル又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」、1998年4月14日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」、2018年3月6日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許出願公開第2018/0056038号、発明の名称「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」、2018年3月1日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0006】
アブレーションカテーテルを使用するとき、アブレーションカテーテルの1つ又は2つ以上の電極が標的組織に十分に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織を不必要に損傷させる傾向がある程度の力を印加することがないようにしながら、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ又は2つ以上の電極が標的組織に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。その目的の達成のために、アブレーションカテーテルの1つ又は2つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ若しくは2つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0007】
力検知又はEPマッピングを使用することに加えて、いくつかのカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することができる。一部のシステムは、Biosense Webster,Inc.(Irvine,California)によるCARTO3(登録商標)システムを含めて、EPマッピング機能とIGS機能の組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されたカテーテルの例は、米国特許第9,480,416号、発明の名称「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」、2016年11月1日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書に引用される様々な他の参照文献に開示されている。
【0008】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施され、利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、本明細書に記載、例示及び特許請求される本発明を実施又は利用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
【
図2】
図1のカテーテルアセンブリの斜視図を示す。
【
図3】
図1のカテーテルアセンブリのエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図4】
図1のカテーテルアセンブリと共に使用され得るガイドシースの一例の斜視図を示す。
【
図5】
図4のガイドシースの近位端の端面図を示す。
【
図6】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の一例の斜視図を示す。
【
図7】
図6のインサート部材の近位端の端面図を示す。
【
図8】
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配設された
図6のインサート部材の斜視図を示す。
【
図9A】
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配設された
図6のインサート部材の斜視図を示し、インサート部材及びカテーテルは、
図4のガイドシースの近位端に挿入するように位置付けられている。
【
図9B】
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配設された
図6のインサート部材の斜視図を示し、インサート部材は
図4のガイドシースの近位端に挿入されており、カテーテルはガイドシースの近位端にまだ挿入されていない。
【
図9C】
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルの遠位部分上に配設された
図6のインサート部材の斜視図を示し、インサート部材及びカテーテルは共に、
図4のガイドシースの近位端へと挿入されている。
【
図9D】
図4のガイドシースに完全に挿入された
図6のインサート部材の斜視図を示し、インサート部材は、
図1のカテーテルアセンブリのガイドシースへの挿入を阻止する。
【
図10】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の斜視図を示す。
【
図12B】
図10の線12-12に沿った、
図10のインサート部材の断面図を示し、
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルはインサート部材内に配設されている。
【
図13】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の断面図を示す。
【
図14】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の中間部分の断面図を示す。
【
図15】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の中間部分の断面図を示す。
【
図16】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の斜視図を示す。
【
図17B】
図16の線17-17に沿った、
図16のインサート部材の断面図を示し、
図1のカテーテルアセンブリのカテーテルはインサート部材内に配設されている。
【
図18】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の斜視図を示す。
【
図20】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の斜視図を示す。
【
図22】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の別の例の斜視図を示す。
【
図25】
図1のカテーテルアセンブリに組み込まれ得るカテーテルの別の例の斜視図を示す。
【
図26A】
図5のカテーテルの周りに位置付けられた
図22のインサート部材の断面側面図を示し、インサート部材は、カテーテルに沿った第1の長手方向位置にある。
【
図26B】
図5のカテーテルの周りに位置付けられた
図22のインサート部材の断面側面図を示し、インサート部材は、カテーテルに沿った第2の長手方向位置にある。
【
図27A】
図1のカテーテルアセンブリ及び
図4のガイドシースと共に使用され得るインサート部材の一例の斜視図を示し、挿入アセンブリは非把持状態にある。
【
図27B】
図27Aの挿入アセンブリの斜視図を示し、インサート部材は把持状態にある。
【
図30A】
図27Aの挿入アセンブリの端面図を示し、挿入アセンブリは非把持状態にある。
【
図30B】
図27Aの挿入アセンブリの端面図を示し、挿入アセンブリは把持状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験者」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0013】
I.カテーテルシステムの例の概要
図1は、上に言及した、EPマッピング又は心臓アブレーションを行うために使用できる心臓カテーテルシステムの例示的な医療手技及び関連する構成要素を示す。具体的には、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドルアセンブリ(110)を把持する医師(PH)を示し、カテーテルアセンブリ(100)の(
図2及び
図3には示されているが、
図1には示されていない)カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)は、患者(PA)の心臓(H)内若しくはその近くの組織の電位をマッピングするか、あるいは組織をアブレーションするように患者(PA)内に配設されている。
図2に示すように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドルアセンブリ(110)と、ハンドルアセンブリ(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドルアセンブリ(110)に関連付けられた偏向駆動アクチュエータ(114)と、を含む。
【0014】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、あるいは灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。偏向駆動アクチュエータ(114)は、ハンドルアセンブリ(110)のケーシング(112)に対して回転可能であり、それにより、エンドエフェクタ(140)及びカテーテルの遠位部分(120)をカテーテル(120)の近位部分によって規定される中心長手方向軸(LA)から離れて偏向させる。そのような機能性を提供するために、偏向駆動アクチュエータ(114)及びカテーテル(120)と結合され得る様々な好適な構成要素が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0015】
図3に示すように、カテーテル(120)は、細長可撓性シャフト(122)を含み、エンドエフェクタ(140)はシャフト(122)から遠位に延在している。カテーテルの近位端(120)は、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)から遠位に延在する。いくつかの変形例では、カテーテル(120)の近位端とノズル部材(116)との接合部において、カテーテル(120)の周りに熱収縮ラップ(図示せず)が提供される。カテーテルの遠位端(120)にあるエンドエフェクタ(140)については、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)に連結されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下に位置付けられ、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と連結されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0016】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、ディスプレイ(18)と、を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)に連結されている。いくつかの変形形態では、第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極ペア(320)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において公知のEPマッピングを提供するプロセッサ(図示せず)を含む。
【0017】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって組織をアブレーションするように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)に連結されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を作動させて、患者(PA)の心臓(H)の周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0018】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)付近のカテーテル(120)内にあるナビゲーションセンサアセンブリ(127)から位置指示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を判定するように動作可能である。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び配向を示す信号を生成するように動作可能な2つ以上のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって生成された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されている。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術には、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などが含まれ得る。ナビゲーションセンサアセンブリ(127)はカテーテル(120)の遠位端に配設されるものとして示されているが、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)はそれに代わって、エンドエフェクタ(140)に位置付けられてもよい。それに代わって、カテーテル(120)及びエンドエフェクタ(140)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)を欠いてもよい。
【0019】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサに連結されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた1組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づくことができる。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(140)のナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの対応する位置データが、コンソール(12)のプロセッサに、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新させ、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を示してもよい。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)による電気生理学的(electrophysiological、EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で検出される(例えば、専用のEPマッピングカテーテルなどを使用する)ように、異常な導電性組織部位の場所を示すようディスプレイ(18)を駆動してもよい。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、例えば、照らされたドット、十字線、又は異常な導電性組織部位の視覚的表示のいくつかの他の形式を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0020】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照らされたドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又は視覚的表示のいくつかの他の形態を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックをオペレータに提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を観察するいかなる光学機器(即ちカメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じ図で、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の場所を、同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位に関して、また患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関して、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0021】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の適切な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更に連結された可撓性チューブを含む。以下でより詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるような任意の好適な方式で提供されてもよい。
【0022】
II.エンドエフェクタの例
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡し、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を放出するように構成された様々な構成要素を含む。
図3に示すように、本実施例のエンドエフェクタ(140)は、ドーム先端を有する円筒状本体(156)を更に含んだ遠位先端部材(142)を含む。円筒状本体(156)及びドーム先端部は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。複数の開口部(158)は、円筒状本体(156)を通って形成され、遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)は、灌注流体が遠位先端部材(142)の内部から円筒状本体(156)を通って連通されることを可能にする。円筒状本体(156)及びドーム先端部はまた、組織にRF電気エネルギーを印加し、それによって組織をアブレーションするように動作可能である。そのようなRF電気エネルギーは、第1のドライバモジュール(14)から伝達され得る。遠位先端部材(142)はまた、温度感知能力を提供するように構成された1つ又は2つ以上の熱電対を含んでもよい。これは、遠位先端部材(142)又は隣接する組織の過熱を防止することになり得る。
【0023】
図3に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒状本体(156)に取り付けられた1つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成されている。したがって、EPマッピング微小電極(138)を使用して、心臓血管解剖学的構造(例えば、肺静脈など)内の組織内の異常な電気的活動の場所を決定することができる。EPマッピング微小電極(138)によって拾われた信号は、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に通信され得る。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用される様々な参考文献の教示に従って、異常な電気的活動の場所を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0024】
円筒状本体(156)が、組織アブレーションのためのRF電気エネルギーを提供する導電性材料で形成される変形形態では、円筒状本体(156)とEPマッピング微小電極(138)との間に電気的絶縁材料を介在させて、それによって、EPマッピング微小電極(138)を円筒状本体(156)から電気的に絶縁することができる。EPマッピング微小電極(138)は、本明細書に引用される様々な特許参考文献の教示に従って構築され、動作可能であってもよい。1つのEPマッピング微小電極(138)のみが示されているが、遠位先端部材(142)は、2つ又は3つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含んでもよい。あるいは、遠位先端部材(142)は、EPマッピング微小電極(138)を完全に欠いてもよい。
【0025】
いくつかの変形形態では、エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)に衝突する外力を感知するように構成された力センサを更に含み得る。単なる例として、そのような力センサは、ひずみゲージ又は任意の他の適切な構成要素(複数可)の形態をとり得る。遠位先端(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられると)、それらの外力は遠位先端(142)から力センサに伝達され、それにより、力センサはその外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得る。力センサからの信号は、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に通信され得る。第1のドライバモジュール(14)は、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなるように、任意の好適な方式に従って歪み信号を処理し得る。あくまで一例として、コンソール(12)は、遠位先端部材(142)が所定の閾値を超える力に遭遇していることを力センサが示すときに、医師(PH)に警告するために可聴フィードバックを提供してもよく、それによって、医師(PH)が遠位先端部材(142)によって心血管解剖学的構造を誤って損傷することが防止される。いくつかの変形例では、力センサは省略されてもよい。
【0026】
上記に加えて、エンドエフェクタ(140)及びカテーテルアセンブリ(100)の他の態様は、参照により本明細書に組み込まれる様々な特許文献のいずれか1つ以上の教示の少なくとも一部に従って構成されてもよく、また動作可能であってよい。それに代わって、エンドエフェクタ(140)は、任意の他の好適な構成要素、特徴、及び機能を有してよい。
【0027】
III.ガイドシースの例
処置によっては、医師(PH)は、ガイドシースを介してカテーテル(120)を患者(PA)に導入することを望む場合がある。いくつかのこのような処置では、ガイドシースは、(例えば、患者(PA)の脚又は鼠径部を介して)患者(PA)に挿入され、次いで、心臓(H)の中又はその付近の位置に到達するように静脈又は動脈に沿って前進され得る。ガイドシースが患者(PA)体内に適切に位置付けられると、医師(PA)は、エンドエフェクタ(140)がガイドシースの遠位端を抜け出すまで、ガイドシースの中へとエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を前進させてもよい。次いで、医師(PA)は、EPマッピング、アブレーション、又は患者(PA)の心臓(H)内若しくはその付近での任意の他の種類の操作を行うために、カテーテルアセンブリ(100)を操作してもよい。
【0028】
図4~
図5は、このような処置で使用され得るガイドシース(200)の実施例を示す。この実施例のガイドシース(200)は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)から遠位に延在する中空シャフト(220)を備えたハンドルアセンブリ(210)を含む。ハンドルアセンブリ(210)は、ケーシング(212)を把持するように構成されている。中空シャフト(220)の開放遠位端(240)は、シャフトの長手方向軸(LA)から離れる方向に横方向に偏向するように動作可能である。この偏向は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)にある回転ノブ(214)によって制御される。回転ノブ(214)は、長手方向軸(LA)を中心にケーシング(212)に対して回転可能であり、それによって、中空シャフト(220)の開放遠位端(240)の横方向の偏向を駆動する構成要素を作動させる。あくまで一例として、このような作動構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、バンド、又は任意の他の好適な構造体を含み得る。
【0029】
図4に示されるように、管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)の近位端(218)から横方向に延在する。この実施例の管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部(図示せず)と流体連通し、中空内部は、中空シャフト(220)の内部と流体連通している。本実施例の管(202)は、流体源(204)と更に流体連通している。あくまで一例として、流体源(204)は、生理食塩水又は任意の他の好適な流体を含んでもよい。場合によっては、流体源(204)からの流体は、管(202)を通って、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域と、中空シャフト(220)の内部とを通って連通し、それによって、管(202)によって画定された流体経路、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域、及び中空シャフト(220)の内部に流体を流す。
【0030】
図4~
図5に示すように、ハンドルアセンブリ(210)の近位端(218)は、挿入ポート(250)を更に備える。挿入ポート(250)は、以下で更に詳細に記述されるように、長手方向軸(LA)と位置合わせされ、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を中空シャフト(220)に挿入するためのポートを提供する。この実施例の挿入ポート(250)は、開口部(254)を画定する環状突出部(252)を備える。突出部(252)は、近位端(218)においてケーシング(212)から近位に突出する。いくつかの変形例では、突出部(252)は省略される。
【0031】
シール(260)は、開口部(254)内に位置付けられる。あくまで一例として、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、シール(260)は、エラストマー膜又は他の種類の構成要素を含み得る。本実施例のシール(260)は、器具(例えば、上述のカテーテル(120)又はインサート部材(300)など)をシール(260)を通して挿入するのを容易にするように構成されたスリット構成(262)を更に備える。本実施例では、スリット構成(262)は、「+」記号の形態であるが、任意の他の好適な種類の構成が使用されてもよい。シール(260)を通して何も挿入されない場合、シール(260)は、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上記の流体経路の一部分から流体が逃げ出すのを防止し、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上記の流体経路に空気が進入するのを防止する液密シールを提供するように構成される。シール(260)を通して器具が挿入されるとき、シール(260)はポート(250)の液密シールを依然として実質的に維持し、流体が挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上記の流体経路から逃げ出すのを防止し、空気が挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上記の流体経路に進入するのを防止すると共に、挿入器具がシール(260)に対して並進することを依然として可能にする。したがって、器具が挿入ポート(250)内に配置されているかどうかにかかわらず、シール(260)は、流体が挿入ポート(250)を通って漏出することを防止し、また空気が挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)内に吸引されることを防止し得る。
【0032】
IV.フレア付き端部を備えた円筒状インサート部材の例
いくつかの手順では、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、シャフト(220)に進入し、それによってシャフト(220)の遠位端(240)から抜け出すために、挿入ポート(250)の中へと直接挿入され得る。いくつかのそのような手順では、剛性の円筒状インサート部材が、最初に、スリット構成(262)にてシール(260)を通して挿入され、次いで、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、円筒状インサート部材の中空内部を通って遠位に前進される。円筒状インサートは、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)に対するシール(260)の初期貫通を提供するのを支援し得るが、そうでなければこの初期貫通は、比較的小さい直径のエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)に対しては相当に困難となり得る。そのような円筒状インサート部材は、純粋な円筒形(例えば、その全長に沿って均一な内径及び外径を有する直管)として成形され得る。カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)が円筒状インサート部材の近位端に到達する点へと遠位に前進され得る。そのような場合、円筒状インサート部材の剛性の近位端は、カテーテル(120)の近位端にひずみを提供し得るが、これは、ひずみがカテーテル(120)の構造的完全性を損ない得るため、望ましくない場合がある。同様に、円筒状インサート部材の剛性の近位端は、カテーテル(120)の近位端におけるキンクの形成を促進し得る。したがって、インサート部材の近位端においてカテーテル(120)内のひずみ又はキンクのリスクを排除するか、あるいは低減するインサート部材の変形例を提供することが望ましくなり得る。
【0033】
円筒状インサート部材が使用されるいくつかの例において、オペレータは、円筒状インサート部材の近位端がシール(260)を完全に通過する点へと過度に遠くへ、挿入ポート(250)を通じて円筒状インサート部材を誤って挿入する場合がある。このことは、ガイドシース(200)が共に使用されるように意図されたカテーテル及び円筒状インサート部材のサイズ(例えば、10フレンチ)よりも小さいサイズ(例えば、8フレンチ)を有するカテーテル(120)及び円筒状インサート部材を医師(PH)が使用する場合に、特定的なリスクとなり得る。円筒状インサート部材の近位端がシール(260)を越えて遠位に通過するいくつかの例では、円筒状インサート部材をハンドルアセンブリ(210)から取り外すことは困難又は不可能となり得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、シール(260)にインサート部材を詰まらせることは、シール(260)が挿入ポート(250)に液密シールを提供することを妨げることになり得るが、それによって空気又は他の流体が挿入ポート(250)を通じて漏出することがある。最悪のシナリオでは、円筒状インサート部材は更に、ガイドシース(200)のシャフト(220)を通過し、遠位端(216)を抜け出し得るが、それにより、円筒状インサート部材は患者(PA)体内に不所望に配置される。したがって、インサート部材がシール(260)又は挿入ポート(250)の他の部分を完全に通過するリスクを排除するか、あるいは低減するインサート部材の変形例を提供することが望ましくなり得る。
【0034】
図6~
図7は、ガイドシース(200)の挿入ポート(250)を通じてエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を挿入するのを支援するために使用され得るインサート部材(300)の一例を示す。この実施例のインサート部材(300)は、円筒状遠位部分(302)と、フレア付き近位部分(304)と、を含む。遠位部分(302)は、直線状の円筒シャフトの形態をなし、近位側ではフレア付き近位部分(304)において終端し、遠位側ではインサート部材(300)の遠位端(310)において終端するルーメン(320)を画定する。近位部分(304)は、ルーメン(320)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(300)の近位端(312)を画定する。近位部分(304)はしたがって、近位から遠位の方向に、インサート部材(300)の中心長手方向軸(LA)に向かって内側に先細になる。本実施例では、インサート部材(300)は実質的に剛性である。
【0035】
インサート部材(300)は、
図8に示されるように、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を受容するように構成されている。ルーメン(320)は、カテーテル(120)がインサート部材(300)を通じて自在に摺動することを可能にしながら、カテーテル(120)の外径を緊密に補完するようにサイズ決定される。近位部分(304)の円錐台形状は、インサート部材(300)の近位端(312)へのエンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の挿入を更に補助する導入部を提供し得る。
図8にも示されるように、インサート部材(300)の長さは、カテーテル(120)の長さよりも実質的に短く、そのため、インサート部材(300)がカテーテル(120)の周りに配設されている間、エンドエフェクタ(140)はインサート部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に突出する。
【0036】
インサート部材(300)の使用の一例では、インサート部材(300)は最初に、
図9Aに示されるように、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位端の周りに部分的に配設され得る。インサート部材(300)と、エンドエフェクタ(140)と、カテーテル(120)との組み合わせは、挿入ポート(250)への挿入のために位置付けられ得る。したがって、カテーテル(120)の長手方向軸(LA)は、ガイドシース(200)の長手方向軸(LA)と整列され得る。本実施例のこの段階では、エンドエフェクタ(140)は、インサート部材(300)の遠位端(310)とインサート部材(300)の近位端(312)との間に長手方向に配設される。
【0037】
次に、医師は、インサート部材(300)と、エンドエフェクタ(140)と、カテーテル(120)との組み合わせを挿入ポート(250)に向かって遠位に前進させることができ、それにより、
図9Bに示されるように、インサート部材(300)の遠位端(310)はスリット構成(262)をなすシール(260)を貫通する。この実施例では、インサート部材(300)の遠位端(310)がシール(260)を通過した後に、エンドエフェクタ(140)がインサート部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に前進される。
図9Cに示されるように、インサート部材(300)の遠位端(310)がシール(260)を通過すると、カテーテル(120)が前進され、それにより、エンドエフェクタ(140)がインサート部材(300)の遠位端(310)を越えて遠位に前進される。カテーテル(120)が前進される際、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)はシャフト(220)の内部を遠位に通過する。エンドエフェクタ(140)は最終的に、シャフト(220)の遠位端(240)に対してエンドエフェクタ(140)が遠位にある点に到達する。処置のいくつかの変形例では、
図9Cに示される状態に達した後、医師(PA)がカテーテル(120)を遠位に前進させ続けると、インサート部材(300)はカテーテル(120)に対して近位に後退される。言い換えれば、インサート部材(300)の遠位端(310)は、カテーテル(120)がガイドシース(200)の中へと遠位に前進される処置の少なくとも一部の間に、挿入ポート(250)に対して近位にあり得る。
【0038】
いくつかのシナリオでは、カテーテルアセンブリ(100)及びガイドシース(200)の通常動作中、エンドエフェクタ(140)がシャフト(220)の遠位端(240)に対して遠位に位置付けられるとき、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)とインサート部材(300)は共に、挿入ポート(250)から近位に離間される。したがって、カテーテルアセンブリ(100)、ガイドシース(200)、及びインサート部材(300)のいくつかの変形例は、インサート部材(300)が挿入ポート(250)に接触することを必要とせずに、またノズル部材(116)がインサート部材(300)に接触することを必要とせずに、エンドエフェクタ(140)をシャフト(220)から遠位に露出させ、したがって患者(PA)の心臓(H)内で操作することを可能にするように構成され得る。そのようなシナリオでは、インサート部材(300)は単純に、挿入ポート(250)とハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)との間に長手方向に介挿されたカテーテル(120)の領域の周りに位置付けられ得る。
【0039】
医師(PA)によって、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)がインサート部材(300)と係合する点へと遠位に、カテーテルアセンブリ(100)が前進させ続けられる場合、インサート部材(300)のフレア付きの近位部分(304)は最終的に、
図9Dに示されるように、挿入ポート(250)の環状突出部(252)と係合し得る。インサート部材(300)の円筒状遠位部分(302)は、開口部(254)の直径よりも小さい外径を有しているが、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)は、開口部(254)の直径よりも大きい外径を有している。したがって、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)は、挿入ポート(250)の環状突出部(252)と係合することになり、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)と挿入ポート(250)の環状突出部(252)との間のこの相互作用は、インサート部材(300)を拘束し、それによって、インサート部材(300)が挿入ポート(250)の中へと更に遠位に前進することを防止することになる。
【0040】
上述の例においてインサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)は挿入ポート(250)の環状突出部(252)と係合するが、他の構成が、フレア付き近位部分(304)とシール(260)との間の係合を提供してもよい。そのようなシナリオでは、環状突出部(252)は単純に存在しないこともある。それに代わって、フレア付き近位部分(304)は、環状突出部(252)によって画定された開口部を通過するが、シール(260)を通過しないようにサイズ決めされた外径を有してもよい。いずれの場合も、スリット構成(262)は、インサート部材(300)の円筒状遠位部分(302)がシール(260)を通過することは許可するが、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)がシール(260)を通過することは防止するように構成され得る。別の単なる例示的な代替として、挿入ポート(250)は、環状突出部(252)と係合し、それによって挿入ポート(250)を通じたインサート部材(300)の挿入を阻止する他の構造体を含み得る。
【0041】
挿入ポート(250)へのインサート部材(300)の遠位挿入を阻止することに加えて、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)は更に、インサート部材(300)の近位端(312)に対して横方向に偏向するようにより大きな自由度のカテーテル(120)を提供することによって、さもなければインサート部材(300)の近位端(312)とカテーテル(120)との会合部において生じ得るひずみを排除し得るか、あるいは低減し得る。
【0042】
上記の手順のいくつかの変形形態では、インサート部材(300)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)がインサート部材(300)の中へと挿入される前に、挿入ポート(250)の中へと挿入される。言い換えれば、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)は、インサート部材(300)が最初に挿入ポート(250)の中へと挿入されるときに、インサート部材(300)から完全に分離され得る。いくつかのそのような手技の変形形態では、インサート部材(300)はまず、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)がインサート部材(300)の中に挿入される前に、インサート部材(300)のフレア付き近位部分(304)が挿入ポート(250)の環状突出部(252)と係合する点へと、挿入ポート(250)の中に挿入される。
【0043】
V.シーリング部材を有する円筒状インサート部材の例
上記のように、挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)に空気が進入するのを防止することが望ましくなり得る。シール(260)によって、空気が挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)に進入することが実質的に防止される限りにおいて、インサート部材(300)が挿入ポート(250)内に配設され、カテーテル(120)がインサート部材(300)のルーメン(320)内に配設され、空気がインサート部材(300)の内径とカテーテル(120)の外径との間に画定された間隙を通過することが可能であるいくつかの例が存在し得る。したがって、そのような間隙を効果的に閉鎖するための機構を含んだインサート部材(300)の修正形態を提供することが望ましくなり得る。インサート部材(300)の修正形態の例が
図10~
図12Bに示されている。
【0044】
図10~
図12Bは、インサート部材(300)について上述されたものと同様の方式で使用され得るインサート部材(400)を示す。この実施例のインサート部材(400)は、円筒状遠位部分(402)と、フレア付き近位部分(404)と、を含む。遠位部分(402)は、近位側ではフレア付き近位部分(404)において終端し、遠位側ではインサート部材(400)の遠位端(410)において終端するルーメン(420)を画定する、直線状の円筒の形態をなす。近位部分(404)は、ルーメン(420)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(400)の近位端(412)を画定する。本実施例では、インサート部材(400)は実質的に剛性である。
【0045】
インサート部材(300)とは異なり、本実施例のインサート部材(400)は更に、ルーメン(420)内に位置付けられるシール部材(450)を含む。シール部材(450)は、生体適合性のエラストマー材料(例えば、ゴム、シリコーンなど)から形成される。いくつかの他の変形例では、シール部材(450)は、必ずしもエラストマーではなく、円筒状部分(402)のデュロメータよりも低いデュロメータを有し得る。シール部材(450)は、本体(452)から径方向外向きに延在する複数の一体型タブ(454)を備えた円筒状本体(452)を含む。タブ(454)は、インサート部材(400)の円筒状遠位部分(402)を貫いて形成された横方向開口部(406)内に配設される。タブ(454)はしたがって、シール部材(450)の位置を円筒状遠位部分(402)内に固定する。それに代わって、シール部材(450)の位置を円筒状遠位部分(402)内に固定するために、任意の他の好適な構造又は技術が用いられてもよい。
【0046】
シール部材(450)は更に、シール部材(450)の長手方向中心にあるリッジ(458)において収束する一対の傾斜付き内部表面(456)を含む。リッジ(458)は、カテーテル(120)の外径よりも小さい内径を規定する。したがって、カテーテル(120)が
図12Bに示されるようにインサート部材(400)を通じて挿入されるとき、シール部材(450)は、カテーテル(120)の外径に対して変形する。シール部材(450)はしたがって、円筒状遠位部分(402)の内径とカテーテル(120)の外径との間に液密シールを形成する。このシールは、空気が円筒状遠位部分(402)の内径とカテーテルの外径(120)との間を通過して患者(PA)の心臓(H)に到達することを防止する。シール部材(450)はカテーテル(120)に対する液密シールを形成するが、シール部材(450)はそれでもなお、カテーテル(120)がインサート部材(400)を通じて並進することを可能にし得る。インサート部材(400)はしたがって、
図9A~
図9Dの文脈で上述されたように、インサート部材(300)と同じように使用され得る。
【0047】
シール部材(450)は本実施例ではインサート部材(400)の長手方向中心の付近に位置付けられるものとして示されているが、シール部材(450)は、それに代わって、インサート部材(400)の長さ方向に沿った任意の他の好適な箇所に位置付けられてよい。例えば、シール部材(450)はそれに代わって、遠位端(410)の付近に位置付けられてもよい。それに代わって、シール部材(450)は、円筒状遠位部分(402)からフレア付き近位部分(404)への遷移部により接近して位置付けられてもよい。
【0048】
図13は、インサート部材(300)について上述されたものと同様の方式で使用され得るインサート部材(500)の別の例を示す。この実施例のインサート部材(500)は、円筒状遠位部分(502)と、フレア付き近位部分(504)と、を含む。遠位部分(502)は、近位側ではフレア付き近位部分(504)において終端し、遠位側ではインサート部材(500)の遠位端(510)において終端するルーメン(520)を画定する、直線状の円筒の形態をなす。近位部分(504)は、ルーメン(520)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(500)の近位端(512)を画定する。本実施例では、インサート部材(500)は実質的に剛性である。
【0049】
インサート部材(400)と同様に、本実施例のインサート部材(500)は、ルーメン(520)内に位置付けられるシール部材(530)を含む。シール部材(530)は、生体適合性のエラストマー材料(例えば、ゴム、シリコーンなど)から形成される。いくつかの他の変形例では、シール部材(530)は、必ずしもエラストマーではなく、円筒状部分(502)のデュロメータよりも低いデュロメータを有し得る。シール部材(530)は、円筒状遠位部分(502)に対して不動に固定された円筒状本体(532)を含む。単なる例として、円筒状本体(532)は、上述のようなタブ(454)及び開口部(406)と同様の構造体を介して、オーバーモールドプロセスを介して、接着剤を介して、あるいは、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなるような任意の他の好適な形式で、円筒状遠位部分(502)に固定され得る。
【0050】
シール部材(530)は更に、シール部材(530)の長手方向中心において成形リッジ(536)を画定する曲線状内部表面(534)を含む。リッジ(536)は、カテーテル(120)の外径よりも小さい直径を有する開口部(540)を画定する。したがって、カテーテル(120)がインサート部材(530)の内部ルーメン(520)を通じて挿入されるとき、シール部材(530)は、カテーテル(120)の外径に対して変形する。シール部材(530)はしたがって、円筒状遠位部分(502)の内径とカテーテルの外径(120)との間に液密シールを形成する。このシールは、空気が円筒状遠位部分(502)の内径とカテーテルの外径(120)との間を通過して患者(PA)の心臓(H)に到達することを防止する。シール部材(530)はカテーテル(120)に対する液密シールを形成するが、シール部材(530)はそれでもなお、カテーテル(120)がインサート部材(500)を通じて並進することを可能にし得る。インサート部材(500)はしたがって、
図9A~
図9Dの文脈で上述されたように、インサート部材(300)と同じように使用され得る。
【0051】
図13に示される例では、曲線状の内部表面(534)は、3次元的な環状のベル曲線の形態を有し、リッジ(536)はベル曲線のピークによって形成されている。曲線状の内部表面(534)によって画定されるこのベル曲線は、リッジ(536)においてシール部材(530)を二分する横断面に対して対称的である。いくつかの他の変形例では、曲線は対称的ではない。
図14はそのような変形例の一例を示す。
図14は、円筒状部分(552)内に配設されたシール部材(560)を含んだインサート部材(550)の中間領域を示す。図示されていないが、シール部材(560)はまた、上述のフレア付き部分(404、504)のようなフレア付き部分を含んでもよい。インサート部材(550)は、下記で説明する差異を除いて、インサート部材(500)と全く同様に構成され、動作可能となり得る。
【0052】
インサート部材(550)のシール部材(560)は、シール部材(560)が生体適合性エラストマー材料(例えば、ゴム、シリコーンなど)から形成されるという点で、インサート部材(500)のシール部材(530)と同様であり、シール部材(560)は、円筒状部分(552)に対して不動に固定された円筒状本体(562)を含む。インサート部材(550)のシール部材(560)はまた、シール部材(560)が成形リッジ(570)を画定する曲線状の内部表面(564)を含むという点で、インサート部材(500)のシール部材(530)と同様である。リッジ(570)は、カテーテル(120)の外径よりも小さい直径を有する開口部(572)を画定し、そのため、シール部材(560)は、インサート部材(550)のルーメン(554)を通じて挿入されるカテーテル(120)の外径に対して液密シールを形成し得る。シール部材(530)の曲線状の内部表面(534)とは異なり、シール部材(560)の曲線状の内部表面(564)は、リッジ(570)においてシール部材(560)を二分する横断面に対して対称的ではない。それに代わって、曲線状の内部表面(564)は、リッジ(570)につながる比較的浅い(すなわち、凹状の曲率半径がより大きい)曲線状の近位領域(566)を含み、リッジ(570)に対して遠位側に比較的急な(すなわち、凹状の曲率半径がより小さい)曲線状の遠位領域(568)を備える。更に、遠位領域(568)の近位領域(566)の長手方向長さはより長い。シール部材(560)のこの構成は、シール部材(560)の開口部(572)を通じたカテーテル(120)のより平滑な挿入をもたらし得る。
【0053】
図15は、上述のインサート部材(400、500、550)に類似したインサート部材(580)の別の変形形態を示す。この例のインサート部材(580)は、円筒状部分(582)内に配設されたシール部材(590)を含む。図示されていないが、シール部材(580)はまた、上述のフレア付き部分(404、504)のようなフレア付き部分を含んでもよい。インサート部材(590)は、下記で説明する差異を除いて、インサート部材(500)と全く同様に構成され、動作可能となり得る。
【0054】
インサート部材(580)のシール部材(590)は、シール部材(590)が生体適合性エラストマー材料(例えば、ゴム、シリコーンなど)から形成されるという点で、インサート部材(500)のシール部材(530)と同様であり、シール部材(590)は、円筒状部分(582)に対して不動に固定された円筒状本体(592)を含む。インサート部材(580)のシール部材(590)はまた、シール部材(590)が成形リッジ(596)を画定する曲線状の内部表面(594)を含むという点で、インサート部材(500)のシール部材(530)と同様である。リッジ(596)は、カテーテル(120)の外径よりも小さい直径を有する開口部(598)を画定し、そのため、シール部材(590)は、インサート部材(580)のルーメン(584)を通じて挿入されるカテーテル(120)の外径に対して液密シールを形成し得る。シール部材(530)の曲線状の内部表面(534)とは異なり、シール部材(560)の曲線状内部表面(564)は、ベル曲線のように付形されていない。それに代わって、曲線状の内部表面(564)は、単一の一定の曲率半径によって規定される弓形である。内部表面(564)はしたがって、凹状の様相を持たず、単に凸状である。シール部材(590)はしたがって、Oリング又は他のトロイダル形状のシール部材によって設けられるシール界面に類似した、カテーテル(120)の外径に対するシール界面を提供し得る。シール部材(590)は、それでもなお、上述のシール部材(406、530、560)と実質的に同様に機能し得る。本実施例では、曲線状の内部表面(564)によって画定される曲線は、リッジ(536)においてシール部材(530)を二分する横断面に対して対称的である。いくつかの他の変形例では、曲線は対称的ではない。
【0055】
図16~
図17Bは、インサート部材(600)の長さの中間領域にシール部材(630)を有するインサート部材(600)の更に別の例を示す。この実施例のインサート部材(600)は、円筒状遠位部分(602)と、フレア付き近位部分(604)と、を含む。遠位部分(602)は、近位側ではフレア付き近位部分(604)において終端し、遠位側ではインサート部材(600)の遠位端(610)において終端するルーメン(620)を画定する、直線状の円筒の形態をなす。近位部分(604)は、ルーメン(620)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(600)の近位端(612)を画定する。本実施例では、インサート部材(600)は実質的に剛性である。
【0056】
この実施例のシール部材(630)は、長手方向に離間された一連の環状の頂部(632)及び隣接する谷部(634)によって画定されるアコーディオン形状又は波形の輪郭を有する。ルーメン(620)内において、谷部(634)は、カテーテル(120)の外径よりも小さい直径を有する通路(638)を共に画定する複数の内部リッジ(636)を形成する。
図17Bに示されるように、カテーテル(120)がルーメン(620)を通じて挿入されるとき、カテーテル(120)の外径はリッジ(636)を支承する。シール部材(630)は、変形するのに十分な柔軟性を有し、それによって通路(638)を通じたカテーテル(120)の挿入に適応するが、シール部材(630)はまた、カテーテル(120)が通路(638)内に配設されるときに、カテーテル(120)を支承するのに十分な弾性を有する。シール部材(630)はしたがって、カテーテル(120)に対して液密シールを形成する。
【0057】
いくつかの変形例では、シール部材(630)は、インサート部材(600)の残りを形成する同じ材料で形成されるが、上述のようにカテーテル(120)によって強いられる変形に適応するために、低減された壁厚を有する。いくつかの他の変形例では、シール部材(630)は、任意の他の好適な様式でインサート部材(600)の残りの部分に固定されるエラストマー材料から形成される。エラストマー材料で形成される代わりに、シール部材(630)は、シール部材(630)の内部にエラストマーコーティングを伴って、インサート部材(600)の残りを形成する同じ材料から形成されてもよい。いくつかのそのような変形例では、エラストマーコーティングは、頂部(632)又は谷部(634)が必ずしも同様に変形することなく、通路(638)を通じてカテーテル(120)が挿入されたことに応答して変形してもよい。更に他の変形例では、シール部材(630)は、必ずしもエラストマーではなく、円筒状部分(602)のデュロメータよりも低いデュロメータを有し得る。シール部材(630)と円筒状部分(602)は、共押し出しによって、あるいは任意の他の好適なプロセスを用いて、異なる材料から同時に形成されてもよい。シール部材(630)が形成及び構成され得る他の好適な方式が、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなろう。
【0058】
上述の様々な種類のシール構造を使用することに加えて、あるいはそれに代わって、シール部材は、カテーテル(120)の外部構造に対してシールするための任意の他の好適な種類の構造を代わりに含んでもよい。そのような代替的な構造は、環状ワイパー、それを貫いて形成された1つ以上のスリットを有する膜、又は本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなる任意の他の好適な構造(ただし、これらに限定するものではない)を含み得る。
【0059】
VI.強化された構造支持体を有する円筒状インサート部材の例
いくつかのシナリオでは、インサート部材(300、400、500、550、580、600)のようなインサート部材は、使用中にインサート部材(300、400、500、550、580、600)に横荷重が加えられたことに応答して(例えば、くぼむ、曲がる、など)変形する傾向を有し得る。そのような横荷重は、カテーテル(120)を介して、挿入ポート(250)の環状突出部(252)を介して、あるいはいくつかの他の構造を介して加えられ得る。そのような変形は、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の長手方向軸から離れる、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の横曲げを含み得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、そのような変形は、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の長手方向軸に向かう、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の径方向内向きの曲げを含み得る。いずれの場合も、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の変形は、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の長手方向軸に配設されたカテーテル(120)に対してインサート部材(300、400、500、550、580、600)を固着することになり得る。それに加えて、あるいはそれに代わって、インサート部材(300、400、500、550、580、600)の変形は、さもなければインサート部材(300、400、500、550、580、600)を通じたカテーテル(120)の並進を防止し得るか、あるいは、さもなければインサート部材(300、400、500、550、580、600)を通じたカテーテル(120)の並進をより困難にし得る。前述の観点から、使用中にインサート部材(300、400、500、550、580、600)が誤って変形されることを防止するために、強化された構造的特徴をインサート部材(300、400、500、550、580、600)に追加することが望ましくなり得る。
【0060】
図18~
図19は、インサート部材(300)について上述されたものと同様の方式で使用され得るインサート部材(700)の例を示す。この実施例のインサート部材(700)は、円筒状遠位部分(702)と、フレア付き近位部分(704)と、を含む。遠位部分(702)は、近位側ではフレア付き近位部分(704)において終端し、遠位側ではインサート部材(700)の遠位端(714)において終端するルーメン(720)を画定する、直線状の円筒の形態をなす。近位部分(704)は、ルーメン(720)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(700)の近位端(712)を画定する。
【0061】
本実施例では、インサート部材(700)は実質的に剛性である。この剛性は、長手方向に延在する複数のリブ(730)によって更に強化される。リブ(730)は、円筒状遠位部分(702)及びフレア付き近位部分(704)の外部から径方向外向きに突出する。リブ(730)は、インサート部材(700)の長手方向中心軸を中心として、互いから角度的に等距離に離間している。8つのリブ(730)が示されているが、インサート部材(700)がそれに代わって、8つより多数又は少数のリブ(730)を有してもよい。インサート部材(700)はまた、限定するものではないが、本明細書に記載された様々なシール部材(406、530、560、590、630)を含めて、本明細書に記載された様々な他の特徴のうちのいずれかを含み得る。本実施例のリブ(730)は、インサート部材(700)の剛性を構造的に強化し、それによって、インサート部材(700)の使用中に、特にインサート部材(700)がガイドシース(200)の挿入ポート(250)に挿入され、またそれから引き抜かれるときに、インサート部材(700)がインサート部材(700)の中心長手方向軸から離れて、それに向かって、あるいはそれを中心として変形するリスクを低減するように構成されている。
【0062】
図20~
図21は、インサート部材(300)について上述されたものと同様の方式で使用され得るインサート部材(750)の別の例を示す。この実施例のインサート部材(750)は、円筒状遠位部分(752)と、フレア付き近位部分(754)と、を含む。遠位部分(752)は、近位側ではフレア付き近位部分(754)において終端し、遠位側ではインサート部材(750)の遠位端(764)において終端するルーメン(770)を画定する、直線状の円筒の形態をなす。近位部分(754)は、ルーメン(770)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(750)の近位端(762)を画定する。
【0063】
本実施例では、インサート部材(750)は実質的に剛性である。この剛性は、角度的に延在する複数のリブ(780)によって更に強化される。リブ(780)は、円筒状遠位部分(752)及びフレア付き近位部分(754)の外部から径方向外向きに突出する。リブ(780)は、インサート部材(750)の長手方向中心軸に沿って、長手方向に互いから等距離に離間している。7つのリブ(780)が示されているが、インサート部材(750)がそれに代わって、7つより多数又は少数のリブ(780)を有してもよい。インサート部材(750)はまた、限定するものではないが、本明細書に記載された様々なシール部材(406、530、560、590、630)を含めて、本明細書に記載された様々な他の特徴のうちのいずれかを含み得る。いくつかの変形例では、インサート部材(750)は、インサート部材(700)の長手方向延在リブ(730)と、インサート部材(750)の環状リブ(780)との組み合わせを含む。本実施例のリブ(780)は、インサート部材(750)の剛性を構造的に強化し、それによって、インサート部材(750)の使用中に、特にインサート部材(750)がガイドシース(200)の挿入ポート(250)に挿入され、またそれから引き抜かれるときに、インサート部材(750)がインサート部材(750)の中心長手方向軸から離れて、あるいはそれに向かって変形するリスクを低減するように構成されている。
【0064】
長手方向延在リブ(730)及び環状リブ(780)は、構造的強化の特徴の例として上で説明されてきたが、インサート部材は、任意の他の好適な形態をとる構造的強化の特徴を有し得る。単なる例として、いくつかの他の構造的強化の特徴が、格子構成、螺旋構成、又は任意の他の適切な構成を有し得る。
【0065】
VII.トルク駆動機構を備えた円筒状インサート部材の例
カテーテルアセンブリ(100)の使用中、一部のオペレータは、カテーテル(120)がガイドシース(200)のポート(250)に進入する点の付近でカテーテル(120)を直接、把持する傾向を有し得る。いくつかのシナリオでは、血液、生理食塩水、又は他の流体がカテーテル(120)上に存在することにより、カテーテル(120)を把持することが困難になり得る。ガイドシース(200)のポート(250)へのカテーテル(120)の挿入を容易にすることに加えて、インサート部材は、オペレータがカテーテル(120)を把持することを促進するように構成されてもよい。これは、カテーテル(120)の長手方向軸(LA)の周りでカテーテル(120)を回転させるためにインサート部材が使用され得るようにすることを含み得る。
図22~
図24は、オペレータがカテーテル(120)を把持することを多く促進して、オペレータがカテーテル(120)を把持する安定性を更に提供し、カテーテル(120)の長手方向軸(LA)の周りでのカテーテル(120)の回転を容易にする機構を含んだインサート部材(800)の例を示す。
【0066】
本実施例のインサート部材(800)は、円筒状本体(802)と、フレア付き遠位部分(812)と、フレア付き近位部分(814)と、を含む。本体(802)は、遠位側ではフレア付き遠位部分(812)で終端し、近位側ではフレア付き近位部分(814)で終端する。遠位部分(812)は、ルーメン(820)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(800)の遠位端(804)を画定する。近位部分(814)は、ルーメン(820)につながる円錐台形状を有し、インサート部材(800)の近位端(806)を画定する。遠位部分(812)は、本実施例ではフレア付きであるが、(例えば、インサート部材(300、400、500、550、580、600、700、750)のように)インサート部材(800)の他の変形例が直線状の遠位部分を有してもよい。いくつかの変形例では、遠位部分(812)のフレア付き構成は、遠位部分(812)がガイドシース(200)の挿入ポート(250)に挿入されることを防止する。いくつかの他の変形例では、遠位部分(812)のフレア付き構成は、遠位部分(812)が挿入ポート(250)の環状突出部(252)の開口部(254)の中に入り込むことは可能にするが、遠位部分(812)がシール(260)を通じて挿入されることは防止する。いずれの場合でも、「インサート部材」という用語のユーザは、「インサート部材」が挿入ポート(250)又は他の構造の中に挿入可能であることを必ずしも求めるものとして読まれるべきではない。
【0067】
本実施例では、インサート部材(800)は実質的に剛性である。インサート部材(800)は更に、長手方向に、また本体(802)から径方向外向きに延在する複数の外部フィン(830)を含む。外部フィン(830)は、インサート部材(800)の長手方向軸の周りで角度的に等距離に離間している。インサート部材(800)は本実施例では3つの外部フィン(830)を有するが、他の変形例が、3つより多数又は少数の外部フィン(830)を有してもよい。
図24に最良に示されるように、各外部フィン(830)は、外部フィン(830)の近位端から外部フィン(830)の遠位端へと曲線に沿って延在する外側縁部(832)を有する。外部フィン(830)は、オペレータによるインサート部材(800)の把持を容易にし得る。外部フィン(830)はまた、オペレータによるインサート部材(800)の長手方向軸を中心としたインサート部材(800)の回転を容易にし得る(またそれによって、以下に示されるように、カテーテル(120)の長手方向軸を中心としたカテーテル(120)の回転を容易にし得る)。
【0068】
図23~
図24に最良に示されるように、インサート部材(800)は更に、ルーメン(820)内で長手方向及び径方向内向きに延在する複数の内部フィン(840)を含む。内部フィン(840)は、インサート部材(800)の長手方向軸の周りで角度的に等距離に離間している。インサート部材(800)は本実施例では3つの内部フィン(840)を有するが、他の変形例が、3つより多数又は少数の内部フィン(840)を有してもよい。
図24に最良に示されるように、各内部フィン(840)は、内部フィン(840)の近位端から内部フィン(840)の遠位端へと曲線に沿って延在する縁部(842)を有する。
【0069】
内部フィン(840)は、カテーテル(120)の外部に係合し、インサート部材(800)をカテーテル(120)に実質的に(それでいて取り外し可能に)固定するように構成されている。そのような係合は、カテーテル(120)が2つの異なる外径を有するように修正されているときに強化され得る。そのような修正されたカテーテル(850)の例が
図25~
図26Bに示されている。カテーテル(850)は、カテーテル(120)に代わって、カテーテルアセンブリ(100)に容易に組み込まれ得る。本実施例では、カテーテル(850)は、遠位部分(852)と近位部分(854)とを含み、各部分(852、856)の間に遷移領域(856)がある。
図26A~26Bに最良に示されるように、遠位部分(852)は第1の外径(OD
1)を有し、近位部分(854)は第2の外径(OD
2)を有する。第2の外径(OD
2)は、第1の外径(OD
1)よりも大きい。遷移領域(856)は、第1の外径(OD
1)から第2の外径(OD
2)への先細り遷移部を提供する。本実施例では、近位部分(854)は更に、長手方向に延在する複数の凹部(858)を含む。凹部(858)は、インサート部材(800)の内部フィン(840)のサイズ及び位置に対応するように寸法決め及び位置決めされる。いくつかの他の変形例では、凹部(858)は必ずしも必要ではないため、凹部(858)は省略される。
【0070】
インサート部材(800)は、遠位位置(
図26A)と近位位置(
図26B)との間でカテーテル(850)の長さ方向に沿って摺動され得る。第1の外径(OD
1)は、インサート部材(800)の内部フィン(840)によって規定される有効内径よりも小さくなるようにサイズ決定される。したがって、内部フィン(840)は、インサート部材(800)が
図26Aに示されるように遠位位置にある間に、カテーテル(850)の遠位部分(852)の外部と接触し得るが、内部フィン(840)は、インサート部材(800)がカテーテル(850)の遠位部分(852)に沿って自在に摺動することを妨害しない。
【0071】
インサート部材(800)が
図26Bに示されるように近位位置へと近位に摺動されるとき、内部フィン(840)はカテーテル(850)の近位部分(854)の外部と係合する。いくつかの変形例では、第2の外径(OD
2)は、インサート部材(800)の内部フィン(840)によって規定される有効内径よりも大きくなるようにサイズ決定される。いくつかのそのような変形例では、内部フィン(840)とカテーテル(850)の近位部分(854)の外部との間の係合が摩擦をもたらし、それにより、インサート部材(800)は、インサート部材が
図26Bに示される近位位置にあるときに、カテーテル(850)の近位部分(854)の上を効果的に把持する。いくつかの他の変形例では、内部フィン(840)はカテーテル(850)よりも高いデュロメータを有し、そのため、内部フィン(840)は、インサート部材が
図26Bに示される近位位置にあるときに、カテーテル(850)の近位部分(854)に嵌まり込む、又はさもなければこれを変形させる。いくつかの変形例では、カテーテル(850)の近位部分(854)は、エラストマーコーティング、エラストマーオーバーモールド、又は内部フィン(840)との摩擦若しくは変形係合を促進する他の機構を含む。いずれの場合も、内部フィン(840)とカテーテル(850)の近位部分(854)の外部との間の係合は、インサート部材(800)をカテーテル(850)の把持点として使用することを可能にし、それによって、限定するものではないが、カテーテル(850)の長手方向軸を中心としたカテーテル(850)の回転を含めて、オペレータによるカテーテル(850)の操作が容易となり得る。それにもかかわらず、内部フィン(840)とカテーテル(850)の近位部分(854)の外部との間の係合はまた、オペレータがカテーテル(850)とインサート部材(800)とを同時にしっかりと把持することを可能にし、また、
図26Aの遠位位置に向かってカテーテル(850)に沿って遠位にインサート部材(800)を摺動させ、それによって、カテーテル(850)の近位部分(854)の外部から内部フィン(840)を係合解除することを可能にし得る。
【0072】
カテーテル(850)が凹部(858)を含むいくつかの変形例では、内部フィン(840)は、カテーテル(850)の近位部分(854)の外部との摩擦又は変形による適合を必ずしももたらさない。いくつかのそのような変形例では、内部フィン(840)は、インサート部材(800)がカテーテル(850)の近位部分(854)に沿って自在に摺動可能な状態で、単純に凹部(858)に進入し、カテーテル(850)の長手方向軸を中心としてカテーテル(850)を回転させるためのインサート部材(800)の使用を容易にするように構成される。それに代わって、内部フィン(840)は、内部フィン(840)が凹部(858)内に配設されているときに、カテーテル(850)の近位部分(854)の外部との摩擦又は変形による適合をもたらし得る。上記のように、凹部(858)は、いくつかの変形例において省略され得る。
【0073】
VIII.カテーテルの選択的把持を伴うインサート部材アセンブリの例
上記のように、カテーテル(120)の把持及びカテーテル(120)の他の操作(例えば、回転など)を容易にするインサート部材を提供することが望ましい場合がある。上述のインサート部材(800)は、インサート部材(800)とカテーテル(850)の近位部分(854)との間の選択的なロッキングによる係合を提供するが、インサート部材とカテーテル(120)の他の長手方向領域との間の選択的ロッキング係合を提供することが望ましくなり得る。言い換えれば、オペレータが、カテーテル(120)の近位部分のみを越えて、カテーテル(120)の長さに沿った様々な位置にインサート部材を選択的に固定することを可能にすることが望ましくなり得る。そのような選択的な位置決め及びロックは、オペレータの選好、手近の患者の解剖学的構造、又は他の要因に基づき得る。
図27A~
図30Bは、そのような操作が可能なインサート部材アセンブリ(900)を示す。
【0074】
本実施例のインサート部材アセンブリ(900)は、雄部材(910)と、変形可能部材(950)と、雌部材(960)と、を含む。以下でより詳細に説明するように、変形可能部材(950)は、雄部材及び雌部材(910、960)の各部分の間に捕捉され、選択的に圧縮されてインサート部材アセンブリをカテーテル(120)の外部に対して選択的にロックするように構成される。
【0075】
本実施例の雄部材(910)は、円筒状本体(912)と、フレア付き部分(916)と、ヘッド部分(930)と、を含む。本体(912)は、フレア付き部分(916)においては一方の端部(914)で終端し、ヘッド部分(930)においてはもう一方の端部(934)において終端する。ヘッド部分(930)は、本体(912)に対して拡大した直径を有し、雄ねじ(930)を含む。雄部材(910)は、カテーテル(120)を受容するようにサイズ決めされたルーメン(920)を画定し、カテーテル(120)が最初に雄部材(910)を介してインサート部材アセンブリ(900)に挿入されるシナリオにおいて、フレア付き部分(916)がルーメン(920)への導入部を提供する。
【0076】
本実施例の変形可能部材(950)は、ルーメン(954)を画定する円筒状本体(952)を含む。変形可能部材(950)は、インサート部材アセンブリ(900)が完全に組み立てられたとき、雄部材(910)の端部(934)に当接するように位置付けられる。変形可能部材(950)は、この例においては、生体適合性がありエラストマー性の変形可能材料から形成される。単なる例として、変形可能部材(950)はシリコーンから形成されてもよい。変形可能部材(950)を形成するために使用され得る他の好適な材料が、本明細書の教示に鑑みれば当業者に明らかとなろう。
【0077】
本実施例の雌部材(950)は、円筒状本体(962)と、フレア付き部分(966)と、ヘッド部分(970)と、を含む。本体(962)は、フレア付き部分(966)においては一方の端部(964)で終端し、ヘッド部分(970)においてはもう一方の端部(986)において終端する。
図29に最良に示されるように、ヘッド部分(970)は、本体(962)に対して拡大された直径を有し、また、雌ねじ(982)と内部ボス表面(984)とを有する凹部(980)を含む。雌部材(960)の雌ねじ(982)は、雄部材(910)の雄ねじ(932)を補完する。雌部材(950)は、カテーテル(120)を受容するようにサイズ決めされたルーメン(990)を画定し、カテーテル(120)が最初に雌部材(950)を介してインサート部材アセンブリ(900)に挿入されるシナリオにおいて、フレア付き部分(966)がルーメン(990)への導入部を提供する。
【0078】
インサートアセンブリ(900)が完全組立状態にあるとき、変形可能部材(950)は、凹部(980)内に位置付けられ、雄部材(910)の端部(934)と雌部材(950)の内部ボス表面(984)との間で長手方向に捕捉される。雄部材(910)のねじ(932)は、雌部材(960)のねじ(932)内に受容される。ルーメン(920、954、990)は互いに長手方向に整列される。インサートアセンブリ(900)が完全に組み立てられた状態で、カテーテル(120)がルーメン(920、954、99)に挿入され得る。インサートアセンブリ(900)が
図27A及び
図30Aに示されるようにロック解除状態にあると、雌部材(950)は、実質的弛緩状態にあり、そのため、ルーメン(954)は、少なくともカテーテル(120)の外径と同等の大きさである第1の内径(ID
1)を規定する。インサートアセンブリ(900)はしたがって、インサートアセンブリ(900)が
図27A及び
図30Aに示されるようにロック解除状態にあるとき、カテーテル(120)の外部に沿って自在に摺動し得る。
【0079】
オペレータがカテーテル(120)の長さに沿った選択された長手方向位置にインサートアセンブリ(900)の位置をロックすることを望むとき、オペレータは、雌部材(950)に対して雄部材(910)を回転させることができ、あるいは、雄部材(910)に対して雌部材(950)を回転させることができる。そのような相対回転は、
図27B及び
図30Bに示されるように、インサートアセンブリをロック状態に遷移させ得る。
図27A及び
図30Aのロック解除状態から
図27B及び
図30Bのロック状態への遷移において、雄部材(910)のねじ(932)と雌部材(960)のねじ(932)との間の係合は、雌部材(960)に向かう雄部材(910)の並進をもたらし、次いでこれによって、雄部材(910)の端部(934)と雌部材(950)の内部ボス表面(984)との間の変形可能部材(950)の長手方向の圧縮をもたらす。変形可能部材(950)のこの長手方向の圧縮は、変形可能部材(950)を内向きに変形させることになり、次にこれによって、ルーメン(954)の内径(ID
2)が低減される。この状態では、ルーメン(954)の内径(ID
2)はカテーテル(120)の外径よりも小さく、そのため、変形可能部材(950)は、カテーテル(120)を内向きに支承する。この結果として、インサートアセンブリ(900)がカテーテル(120)を摩擦によって把持することになる。
【0080】
インサートアセンブリ(900)が
図27A及び
図30Bに示されるロック状態でカテーテル(120)を摩擦によって把持している状態で、オペレータは、インサートアセンブリ(900)を把持して(例えば、カテーテルを並進させる、カテーテル(120)の長手方向軸を中心としてカテーテル(120)を回転させるなど)カテーテル(120)を更に操作することができる。インサートアセンブリ(900)は更に、オペレータの手とインサートアセンブリ(900)との間の把持性を向上させるために、フィン、リッジ、ローレット、又は他の機構を含み得る。
【0081】
インサートアセンブリ(900)の端部(914、964)は共に、本実施例ではフレア付きであるが、インサートアセンブリ(900)のいくつかの変形例は、フレア付き部分(916)又はフレア付き部分(966)を欠くことがある。例えば、雄部材(910)は、挿入ポート(250)のシール(260)を通じて端部(914)を挿入することが望ましいシナリオにおいて、フレア付き部分(916)を欠いてもよい。同様に、雌部材(960)は、挿入ポート(250)のシール(260)を通じて端部(964)を挿入することが望ましいシナリオにおいて、フレア付き部分(966)を欠いてもよい。いずれかの端部(914、964)が挿入ポート(250)のシール(260)を通じて挿入可能である変形例では、圧縮された変形可能部材(950)は、カテーテル(120)に対して液密シールを形成し得るが、そのため、変形可能部材(950)は、本明細書に記載された様々なシール部材(406、530、560、590、630)と同様に機能し得る。
【0082】
インサートアセンブリ(900)の端部(914、964)が共に、
図27A~
図30Bに示されるようにフレア付きである変形例では、端部(914、964)のフレア付き構成は、いずれかの端部(914、964)がガイドシース(200)の挿入ポート(250)の中に挿入されることを防止し得る。いくつかの他の変形例では、端部(914、964)のフレア付き構成は、いずれかの端部(914、964)が挿入ポート(250)の環状突出部(252)の開口部(254)の中に入り込むことは可能にするが、いずれかの端部(914、964)がシール(260)を通じて挿入されることは防止する。
【0083】
IX.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の適用範囲をも限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、その他の多くの方式で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者らによって又は本発明者らの利益の承継者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。いずれの特許請求が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0084】
装置であって、(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、(i)近位端と、(ii)遠位端と、(iv)近位端から遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、(b)円筒状シャフトの近位端にある外向きフレア付き機構であって、ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備える装置。
【実施例2】
【0085】
円筒状シャフト及び外向きフレア付き機構は剛性材料を含む、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0086】
ルーメン内に配設されたシール部材を更に備え、シール部材は、ルーメン内に配設されたカテーテルに対して液密シールを形成するように構成されている、実施例1又は2に記載の装置。
【実施例4】
【0087】
シール部材はエラストマー材料を含む、実施例3に記載の装置。
【実施例5】
【0088】
シール部材は、近位端と遠位端との間の、円筒状シャフトに沿った中間位置に位置付けられる、実施例3又は4に記載の装置。
【実施例6】
【0089】
シール部材は、1つ以上の外向きに延在するタブを含み、1つ以上の外向きに延在するタブは、ルーメン内のシール部材の位置を固定するように構成されている、実施例3~5のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例7】
【0090】
円筒状シャフトは、1つ以上の外向きに延在するタブを受容するように構成された1つ以上の開口部を画定する、実施例6に記載の装置。
【実施例8】
【0091】
シール部材が、リッジで収束する一対の傾斜付き内部表面を含み、リッジは、シール部材内に配設されたカテーテルと係合するように構成されている、実施例3~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0092】
ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成されている、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0093】
カテーテルは、エンドエフェクタを有する遠位端を含む、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0094】
エンドエフェクタは、組織から電位を拾い上げるように構成された少なくとも1つのマッピング電極を含む、実施例10に記載の装置。
【実施例12】
【0095】
エンドエフェクタは、組織をアブレーションするように構成された少なくとも1つのアブレーション電極を含む、実施例10又は11に記載の装置。
【実施例13】
【0096】
円筒状シャフトを受容するように構成された挿入ポートを有する心血管カテーテルガイドシースを更に備える、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0097】
挿入ポートは開口部を画定し、シールが開口部内に位置付けられる、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0098】
円筒状シャフトは、シールを通過するように構成されている、実施例14に記載の装置。
【実施例16】
【0099】
シールは、シャフトがシールを通過することを可能にするように構成されたスリット構成を含む、実施例15に記載の装置。
【実施例17】
【0100】
挿入ポート及び外向きフレア付き機構は、外向きフレア付き機構が挿入ポートを通過することを防止するように構成されている、実施例13~16のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例18】
【0101】
外向きフレア付き機構は円錐台形状を有する、実施例1~17のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例19】
【0102】
キットであって、(a)カテーテル器具であって、(i)遠位端を有するカテーテルと、(ii)カテーテルの遠位端にあるエンドエフェクタであって、カテーテル及びエンドエフェクタは、心血管系の解剖学的構造に適合するようにサイズ決定されている、エンドエフェクタと、を含んだカテーテル器具と、(b)インサート部材であって、(i)円筒状シャフトであって、(A)近位端と、(B)遠位端と、(C)近位端から遠位端まで延在するルーメンであって、エンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決定されているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、(ii)円筒状シャフトの近位端にある外向きフレア付き機構であって、ルーメンへとつながる傾斜付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を含んだインサート部材と、を含んだキット。
【実施例20】
【0103】
エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、実施例19に記載のキット。
【実施例21】
【0104】
心血管カテーテルガイドシースを更に含み、心血管カテーテルガイドシースは、円筒状シャフト及びカテーテルを受容するように構成された挿入ポートを含む、実施例19又は20に記載のキット。
【実施例22】
【0105】
外向きフレア付き機構は、挿入ポートへのインサート部材の挿入を阻止するように構成されている、実施例21に記載のキット。
【実施例23】
【0106】
外向きフレア付き機構は、挿入ポートへのカテーテルの挿入を阻止するように構成されている、実施例21又は22に記載のキット。
【実施例24】
【0107】
方法であって、カテーテル上にインサート部材を位置付けすることであって、インサート部材は、(i)円筒状シャフトであって、(A)近位端と、(B)遠位端と、(C)近位端から遠位端まで延在するルーメンであって、ルーメンはカテーテルを受容する、ルーメンと、を含む円筒状シャフトと、(ii)円筒状シャフトの近位端にある外向きフレア付き機構であって、ルーメンへとつながる傾斜付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を含み、カテーテルは、心血管系の解剖学的構造への挿入のためにサイズ決めされている、位置付けすることを含む方法。
【実施例25】
【0108】
心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートを通じて円筒状シャフトの遠位端を通過させることを更に含む、実施例24に記載の方法。
【実施例26】
【0109】
カテーテル上にインサート部材を位置付けするステップは、心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートを通じて円筒状シャフトの遠位端を通過させるステップの前に実施される、実施例25に記載の方法。
【実施例27】
【0110】
カテーテルは、エンドエフェクタを備えた遠位端を有し、エンドエフェクタは、心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートを通じて円筒状シャフトの遠位端を通過させるステップの間に、円筒状シャフトの近位端と円筒状シャフトの遠位端との間に位置付けられる、実施例25又は26に記載の方法。
【実施例28】
【0111】
心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートを通じて円筒状シャフトの遠位端を通過させるステップを実施した後に、インサート部材に対して、また心血管カテーテルガイドシースに対して遠位にカテーテルを前進させることを更に含む、実施例25~27のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例29】
【0112】
心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートに外向きフレア付き機構を係合させることであって、係合された外向きフレア付き機構は、挿入ポートに対するインサート部材の遠位移動を阻止する、外向きフレア付き機構を係合させることを更に含む、実施例28に記載の方法。
【実施例30】
【0113】
外向きフレア付き機構にカテーテルの近位端にあるハンドルアセンブリの一部分を係合させることであって、外向きフレア付き機構は、ハンドルアセンブリの一部分との係合を介してカテーテルの遠位移動を阻止する、ハンドルアセンブリの一部分を係合させることを更に含む、実施例29に記載の方法。
【実施例31】
【0114】
インサート部材はルーメン内にシールを更に含み、シールは、カテーテルの外側表面に対して液密シールを形成する、実施例24~30のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例32】
【0115】
シールは、カテーテルの外側表面に対して液密シールを形成するように弾性的に変形する、実施例31に記載の方法。
【実施例33】
【0116】
患者の心血管系の解剖学的構造内にカテーテルの遠位部分を位置付けすることを更に含む、実施例24~32のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例34】
【0117】
シール部材は、ベル曲線形状の断面形状を有する内部表面を含む、実施例3~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例35】
【0118】
シール部材は、弓形の断面形状を有する内部表面を含む、実施例3~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例36】
【0119】
シール部材は波形の構成を有する、実施例3~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例37】
【0120】
円筒状シャフトから外向きに延在する複数のリブを更に含む、実施例1~36のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例38】
【0121】
リブは円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、リブは、円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している、実施例37に記載の装置。
【実施例39】
【0122】
リブは円筒状シャフトの周りで円周方向に延在し、リブは、円筒状シャフトに沿って互いから長手方向に離間している、実施例37又は38に記載の装置。
【実施例40】
【0123】
円筒状シャフトから外向きに延在する複数の外部フィンを更に含み、外部フィンは、円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、外部フィンは、円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している、実施例1~39のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例41】
【0124】
円筒状シャフトのルーメン内で内向きに延在する複数の内部フィンを更に含み、内部フィンは、円筒状シャフトのルーメンに沿って長手方向に延在し、内部フィンは、円筒状シャフトのルーメンの周りで互いから角度的に離間している、実施例1~39のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例42】
【0125】
ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成され、カテーテルは、第1の外径を有する第1の長手方向領域と、第2の外径を有する第2の長手方向領域と、を有し、内部フィンは、円筒状シャフトがカテーテルの第1の長手方向領域に沿って摺動することを可能にするように構成され、内部フィンは、カテーテルの第2の長手方向領域に沿った円筒状シャフトの摺動に抵抗するように構成されている、実施例41に記載の装置。
【実施例43】
【0126】
円筒状シャフトの遠位端にある外向きフレア付き機構を更に含み、外向きフレア付き機構は、ルーメンにつながる傾斜付き表面を画定する、実施例1~42のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例44】
【0127】
円筒状シャフトは第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、第1のセグメントは雄係合部分を有し、第2のセグメントは雌係合部分を有し、装置は、雄係合部分と雌係合部分との間に捕捉された変形可能部材を更に備え、第1のセグメントと第2のセグメントは、互いに対して移動可能であり、それによって変形可能部材を変形させ、変形状態にある変形可能部材は、カテーテルに対して円筒状シャフトの位置を固定するように構成され、非変形状態にある変形可能部材は、円筒状シャフトがカテーテルに沿って摺動することを可能にするように構成されている、実施例1~43のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0128】
X.その他
本明細書に記載される器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバッグなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で公知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0129】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含み得ることを理解されたい。単に一例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴部のうちの1つ以上を含むことができる。
【0130】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0131】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0132】
本発明の種々の変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0133】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)心血管カテーテルガイドシースの挿入ポートの中への挿入のためにサイズ決めされている円筒状シャフトであって、
(i)近位端と、
(ii)遠位端と、
(iii)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、心血管カテーテル器具のエンドエフェクタ及びカテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(b)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を備える装置。
(2) 前記円筒状シャフト及び前記外向きフレア付き機構は剛性材料を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記ルーメン内に配設されたシール部材を更に備え、前記シール部材は、前記ルーメン内に配設されたカテーテルに対して液密シールを形成するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記シール部材は、リッジで収束する一対の傾斜付き内部表面を含み、前記リッジは、前記シール部材内に配設されたカテーテルと係合するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記シール部材は、ベル曲線形状の断面形状を有する内部表面を含む、実施態様3に記載の装置。
【0134】
(6) 前記シール部材は、弓形の断面形状を有する内部表面を含む、実施態様3に記載の装置。
(7) 前記シール部材は波形の構成を有する、実施態様3に記載の装置。
(8) 前記円筒状シャフトから外向きに延在する複数のリブを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記リブは前記円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、前記リブは、前記円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記リブは前記円筒状シャフトの周りで円周方向に延在し、前記リブは、前記円筒状シャフトに沿って互いから長手方向に離間している、実施態様8に記載の装置。
【0135】
(11) 前記円筒状シャフトから外向きに延在する複数の外部フィンを更に含み、前記外部フィンは、前記円筒状シャフトに沿って長手方向に延在し、前記外部フィンは、前記円筒状シャフトの周りで互いから角度的に離間している、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記円筒状シャフトの前記ルーメン内で内向きに延在する複数の内部フィンを更に含み、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトの前記ルーメンに沿って長手方向に延在し、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトの前記ルーメンの周りで互いから角度的に離間している、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成され、前記カテーテルは、第1の外径を有する第1の長手方向領域と、第2の外径を有する第2の長手方向領域と、を有し、前記内部フィンは、前記円筒状シャフトが前記カテーテルの前記第1の長手方向領域に沿って摺動することを可能にするように構成され、前記内部フィンは、前記カテーテルの前記第2の長手方向領域に沿った前記円筒状シャフトの摺動に抵抗するように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記円筒状シャフトの前記遠位端にある外向きフレア付き機構を更に含み、前記外向きフレア付き機構は、前記ルーメンにつながる角度付き表面を画定する、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記円筒状シャフトは第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメントは雄係合部分を有し、前記第2のセグメントは雌係合部分を有し、前記装置は、前記雄係合部分と前記雌係合部分との間に捕捉された変形可能部材を更に備え、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントは、互いに対して移動可能であり、それによって前記変形可能部材を変形させ、変形状態にある前記変形可能部材は、カテーテルに対して前記円筒状シャフトの位置を固定するように構成され、非変形状態にある前記変形可能部材は、前記円筒状シャフトが前記カテーテルに沿って摺動することを可能にするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0136】
(16) 前記ルーメン内に配設されたカテーテルを更に備え、前記カテーテルは、心血管系の解剖学的構造内に適合するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記円筒状シャフトを受容するように構成された挿入ポートを有する心血管カテーテルガイドシースを更に備え、前記挿入ポートは開口部を画定し、シールが前記開口部内に位置付けられ、前記円筒状シャフトは、前記シールを通過するように構成され、前記挿入ポート及び前記外向きフレア付き機構は、前記外向きフレア付き機構が前記挿入ポートを通過することを防止するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(18) キットであって、
(a)カテーテル器具であって、
(i)遠位端を有するカテーテルと、
(ii)前記カテーテルの前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記カテーテル及び前記エンドエフェクタは、心血管系の解剖学的構造に適合するようにサイズ決定され、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、を含んだカテーテル器具と、
(b)インサート部材であって、
(i)円筒状シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、前記エンドエフェクタ及び前記カテーテルを受容するようにサイズ決めされているルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(ii)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を含んだインサート部材と、を含むキット。
(19) 心血管カテーテルガイドシースを更に含み、前記心血管カテーテルガイドシースは、前記円筒状シャフト及び前記カテーテルを受容するように構成された挿入ポートを含む、実施態様18に記載のキット。
(20) 方法であって、
カテーテル上にインサート部材を位置付けすることであって、前記インサート部材は、
(i)円筒状シャフトであって、
(A)近位端と、
(B)遠位端と、
(C)前記近位端から前記遠位端へと延在するルーメンであって、前記カテーテルを受容するルーメンと、を含んだ円筒状シャフトと、
(ii)前記円筒状シャフトの前記近位端にある外向きフレア付き機構であって、前記ルーメンへとつながる角度付き表面を画定する、外向きフレア付き機構と、を含み、
前記カテーテルは、心血管系の解剖学的構造への挿入のためにサイズ決めされている、インサート部材を位置付けすることを含む方法。