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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】係止コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/18 20060101AFI20240805BHJP
   A61M 1/20 20060101ALI20240805BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A61M1/18 510
A61M1/20 500
A61M39/10 100
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022526068
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 US2020058030
(87)【国際公開番号】W WO2021091770
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】16/674,427
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522176942
【氏名又は名称】ダイアリティ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミトロヴィッチ, ミロスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ダンドラー, アンドレス
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4895570(US,A)
【文献】特開2014-030540(JP,A)
【文献】米国特許第4778203(US,A)
【文献】米国特許第4981586(US,A)
【文献】特開2007-151628(JP,A)
【文献】特表2011-515626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/18
A61M 1/20
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導管および第2の導管を受容し、継合するためのコネクタであって、前記コネクタは、
スリーブであって、前記スリーブは、内部チャンバと、第1の端部における第1の開口部と、第2の端部における第2の開口部と、遊離端において返しを有する少なくとも1つの可撓性指状突起とを有する伸長管状体を備え、前記第1の開口部は、円形形状の周囲に沿って位置付けられる少なくとも1つのスロットを伴う略円形形状を備え、前記少なくとも1つの可撓性指状突起は、第1のスロットにおける第1の端部に取り付けられ、前記内部チャンバの中に延在する、スリーブと、
コレットであって、前記コレットは、前記スリーブの内部チャンバ内に格納されるように構成され、前記コレットは、それぞれが第1の端部と、第2の端部とを有する第1および第2の円筒形本体を備え、前記第2の円筒形本体の第1の端部は、前記第1の円筒形本体の第2の端部を継合し、肩部を形成し、少なくとも1つの隆起部が、前記第1の円筒形本体の外側表面上で長手方向軸に沿って延在し、カラーが、前記第1の円筒形本体の外側表面に沿って、前記少なくとも1つの隆起部と前記肩部との間に配置され、第1の間隙が、前記少なくとも1つの隆起部と前記カラーとの間に形成され、第2の間隙が、前記カラーと前記肩部との間に形成され、第1および第2の偏向可能なフランジが、前記第2の円筒形本体の第2の端部の近傍の領域の中に位置し、それぞれ、前記第1および第2のフランジの内側において第1および第2の円周方向の隆起部を有し、前記第1の円筒形本体の第1の端部は、前記少なくとも1つの隆起部が、前記少なくとも1つのスロットを通して通過するように、前記スリーブの第1の開口部を通して通過するように構成される、コレットと
を備え、
前記第1の導管の端部が、前記第1の円筒形本体の開口部を通して前記第1の円筒形本体の管腔の中に通過するように構成され、前記第2の導管の端部が、前記第2の円筒形本体の第2の端部を通して前記第2の円筒形本体の管腔の中に通過するように構成され、
第1の位置において、前記返しが、前記第1の間隙内に格納され、
第2の位置において、前記返しが、前記第2の間隙内に格納され、前記第1および第2の円周方向の隆起部が、第1および第2の陥凹とともに前記第2の導管の外側表面内に格納される、コネクタ。
【請求項2】
前記第1の導管は、透析液を移送する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2の導管は、透析器の本体から延在する伸長管状突出部である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1の円筒形本体は、前記第2の円筒形本体より小さい直径を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記スリーブの第1の開口部はさらに、付加的スロットを備え、前記少なくとも1つのスロットおよび前記付加的スロットは、前記円形形状の周囲に沿っておよそ180°離して位置付けられる、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記コレットはさらに、前記第1の円筒形本体の外側表面上で前記長手方向軸に沿って延在する付加的隆起部を備え、前記少なくとも1つの隆起部および前記付加的隆起部は、前記第1の円筒形本体の周囲におよそ180°離して位置付けられ、前記付加的隆起部および環状カラーは、第3の間隙を形成する、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記付加的隆起部は、前記付加的スロットを通して通過するように構成される、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記スリーブはさらに、付加的な可撓性指状突起を備え、前記付加的な可撓性指状突起は、遊離端において返しを有し、前記付加的スロットにおける前記第1の端部に取り付けられ、前記内部チャンバの中に延在する、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1の位置において、前記付加的な可撓性指状突起の返しは、前記第3の間隙内に格納され、前記第2の位置において、前記付加的な可撓性指状突起の返しは、前記第2の間隙内に格納される、請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コレットはさらに、前記肩部の近傍の前記第2の円筒形本体の内部チャンバ内に配置されるOリングを備える、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第2の導管の端部は、前記第2の位置において、前記Oリングの管腔内に常駐する、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記スリーブはさらに、前記内部チャンバの表面上に第1および第2の陥凹を備え、前記第1および第2の偏向可能なフランジの少なくとも一部が、前記第2の位置にあるとき、前記第1および第2の陥凹内に格納される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記スリーブはさらに、前記スリーブの前記第1および第2の陥凹と前記第1の端部との間に位置する第1および第2の突出部を備え、前記第2の円筒形本体はさらに、前記第1および第2の偏向可能なフランジと前記肩部との間の外側表面上に位置する第1および第2の陥凹を備える、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記第1および第2の突出部は、前記第2の位置にあるとき、前記第2の円筒形本体の外側表面上に位置する前記第1および第2の陥凹内に格納される、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記第2の位置にあるとき、前記返しは、前記第2の間隙から外部アクセス点を通して除去されることはできない、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記第2の位置にあるとき、前記返しは、器具を用いて前記第2の間隙から除去されることはできない、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記返しは、前記第2の間隙内に恒久的に格納され、前記第1および第2の円周方向の隆起部は、前記第2の位置では、前記第1および第2の陥凹とともに、前記第2の導管の外側表面内に恒久的に格納される、請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血液透析システムとの併用のための、溶液を搬送する、2つの導管を継合する、コネクタに関する。
【0002】
本出願人は、本明細書によって、本願において引用または言及される、任意かつ全ての特許および公開特許出願を、参照することによって本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0003】
血液透析は、半浸透性膜を横断した溶質の拡散を伴う、患者の血液からのクレアチン、尿素、および遊離水を含む、老廃生成物の体外除去を達成するために使用される、医療手技である。これらの老廃生成物を適切に除去することができないことは、腎不全をもたらし得る。
【0004】
血液透析の間に、患者の血液が、動脈ラインによって除去され、透析機によって処理され、静脈ラインによって身体に戻される。透析機は、それを通して血液が運搬される、半浸透性膜を形成する多数の中空ファイバを含有する、透析器を含む。加えて、透析機は、適切な量の電解質と、他の不可欠な成分(グルコース等)を含有し、また、透析器を通して圧送される、透析液液体を利用する。
【0005】
典型的には、透析液は、水と適切な割合の酸濃縮物および重炭酸濃縮物を混合することによって調製される。好ましくは、酸および重炭酸濃縮物は、酸濃縮物中のカルシウムならびにマグネシウムが、重炭酸濃縮物中の高重炭酸塩レベルと接触すると、沈殿するであろうため、透析器内での使用の直前の最終混合まで、分離される。透析液はまた、適切なレベルのナトリウムと、カリウムと、塩素と、グルコースとを含み得る。
【0006】
膜を横断した透析プロセスは、拡散および対流の組み合わせによって達成される。拡散は、高濃度の領域から低濃度の領域への無作為運動による、分子の遊走を伴う。その一方で、対流は、典型的には、静水圧の差異に応答する、溶質の移動を伴う。半浸透性膜を形成するファイバは、透析液から血漿を分離し、尿素、カリウム、およびリン酸塩を含む老廃物が、透析液の中に浸透することを可能にしながら、透析液の中への血液細胞、ポリペプチド、ならびにあるタンパク質等のより大きい分子の位相を防止する、拡散が生じるためのより広い表面積を提供する。典型的には、透析液は、体外回路内の血流に対して反対方向に流動する。対向流流動は、透析の効率を向上させるように、半浸透性膜を横断して濃度勾配を維持する。
【0007】
コネクタは、大部分の医療用デバイス機械の不可欠な部分である。血液透析機等の多くの医療用デバイス内で使用されるコネクタは、多くの場合、再利用可能である。医療用デバイス内で使用される再利用可能な構成要素は、相互汚染、感染症、および医療関連感染症(HAI)のリスクを含む、多数の問題を提示する。再利用可能な構成要素およびデバイスは、それらが適切に保守ならびに洗浄されると仮定して、無期限に持続するように設計され、作成される。しかしながら、適切に汚染除去された場合でも、再利用可能なデバイスは、依然として、感染症につながり得る。使用されている消毒剤化学物質からもまた、多くの可能性として考えられる悪影響が、存在する。例えば、一般的に使用される消毒剤である、ホルムアルデヒドは、公知の発癌性物質である。これはまた、重度のアレルギー反応、肝臓損傷、貧血、CNS不調、赤血球の破壊、生殖障害、および腎移植拒絶反応を引き起こし得る。
【0008】
これらのリスクは、滅菌され、個々に梱包される、単回使用構成要素およびデバイスでは、より低くなる。これは、感染症の発散を低減させる。また、単回使用構成要素およびデバイスは、通常、コストの低下ならびに効率の向上と関連付けられる。単回使用構成要素およびデバイスは、あまり要求の厳しくない耐久性要件を有するように設計される。これは、よりコスト効率がよい、大量生産技法を可能にする。
【0009】
故に、血液透析システムとの併用のための、単回使用コネクタ、例えば、恒久的に係止し、外部アクセスを通して、例えば、器具またはユーザの指を用いて解放され得ない、コネクタの有意な必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面によると、患者から血液を収集するために患者の動脈に接続するための、動脈血液ラインと、血液を患者に戻すために患者の静脈に接続するための、静脈血液ラインと、再利用可能な透析機と、透析器と透析液との間で導管を継合するための使い捨て可能なコネクタを伴う、使い捨て可能な透析器とを含む、血液透析システムが、提供される。
【0011】
動脈血液ラインおよび静脈血液ラインは、当業者に公知である、典型的構築物であり得る。例えば、動脈血液ラインは、患者の動脈から血液を収集するための針に接続される、従来的な可撓性の中空管類であり得る。同様に、静脈血液ラインは、患者の静脈に血液を戻すための従来的な可撓性の管および針であり得る。静脈内カテーテル、動静脈瘻、または合成移植片を含む、種々の構築物および外科手術手技が、患者の血液へのアクセスを得るために採用され得る。
【0012】
好ましくは、使い捨て可能な透析器は、血流経路と、透析液流路とを含む、当業者に公知の構築物および設計を有する。用語「流路」は、流体を搬送するための、通路とも称される、1つまたはそれを上回る流体導管を指すことを意図している。可撓性の医療用管類または非可撓性の中空の金属もしくはプラスチック筐体等を含む、導管は、当業者によって判定され得るような任意の様式において構築され得る。血流経路は、患者からの血液を透析器に、および患者に戻すように搬送するための動脈血液ラインならびに静脈血液ラインに接続することによって、閉ループシステム内で血液を搬送する。その一方で、透析液流路は、透析液の供給部からコネクタを通して透析器に、およびコネクタを通して透析液供給部に戻すように、閉ループシステム内で透析液を搬送する。血流経路および透析液流路は両方とも、透析器を通して通過するが、透析器の半浸透性膜によって分離される。
【0013】
一実施形態では、本開示は、第1の導管および第2の導管を受容し、継合するためのコネクタであって、内部チャンバと、第1の端部における第1の開口部と、第2の端部における第2の開口部と、遊離端において返しを有する、少なくとも1つの可撓性指状突起とを有する、伸長管状体を備える、スリーブであって、第1の開口部は、円形形状の周囲に沿って位置付けられる少なくとも1つのスロットを伴う、略円形形状を備え、少なくとも1つの可撓性指状突起は、第1のスロットにおける第1の端部に取り付けられ、内部チャンバの中に延在する、スリーブと、スリーブの内部チャンバ内に格納されるように構成される、コレットであって、それぞれが、第1の端部と、第2の端部とを有する、第1ならびに第2の円筒形本体を備え、第2の円筒形本体の第1の端部は、第1の円筒形本体の第2の端部を継合し、肩部を形成し、少なくとも1つの隆起部が、第1の円筒形本体の外側表面上で長手方向軸に沿って延在し、カラーが、第1の円筒形本体の外側表面に沿って、少なくとも1つの隆起部と肩部との間に配置され、第1の間隙が、少なくとも1つの隆起部とカラーとの間に形成され、第2の間隙が、カラーと肩部との間に形成され、第1および第2の偏向可能なフランジが、第2の円筒形本体の第2の端部の近傍の領域の中に位置し、それぞれ、第1ならびに第2のフランジの内側において第1および第2の表面または円周方向の隆起部を有し、第1の円筒形本体の第1の端部は、少なくとも1つの隆起部が、少なくとも1つのスロットを通して通過するように、スリーブの第1の開口部を通して通過するように構成される、コレットとを備え、第1の導管の端部が、第1の円筒形本体の開口部を通して第1の円筒形本体の管腔の中に通過するように構成され、第2の導管の端部が、第2の円筒形本体の第2の端部を通して第2の円筒形本体の管腔の中に通過するように構成され、第1の位置において、返しが、第1の間隙内に格納され、第2の位置において、返しが、第2の間隙内に格納され、第1および第2の表面または円周方向の隆起部が、第1ならびに第2の陥凹とともに第2の導管の外側表面内に格納される、コネクタを提供する。
【0014】
別の実施形態では、第1の導管は、透析液を移送し、第2の導管は、透析器の本体から延在する、伸長管状突出部である。
【0015】
別の実施形態では、スリーブの第1の開口部はさらに、付加的スロットを備え、少なくとも1つのスロットおよび付加的スロットは、円形形状の周囲に沿っておよそ180°離して位置付けられる。コレットはさらに、第1の円筒形本体の外側表面上で長手方向軸に沿って延在する、付加的隆起部を備えてもよく、少なくとも1つの隆起部および付加的隆起部は、第1の円筒形本体の周囲におよそ180°離して位置付けられ、付加的隆起部ならびに環状カラーは、第3の間隙を形成する。付加的隆起部は、付加的スロットを通して通過するように構成されてもよい。
【0016】
別の実施形態では、スリーブはさらに、遊離端において返しを有し、付加的スロットにおける第1の端部に取り付けられる、内部チャンバの中に延在する、付加的な可撓性指状突起を備える。第1の位置において、付加的な可撓性指状突起の返しは、第3の間隙内に格納される。第2の位置において、付加的な可撓性指状突起の返しは、第2の間隙内に格納される。
【0017】
別の実施形態では、コレットはさらに、肩部の近傍の第2の円筒形本体の内部チャンバ内に配置される、Oリングを備える。第2の位置において、第2の導管の端部は、Oリングの管腔内に常駐する、
【0018】
別の実施形態では、スリーブはさらに、内部チャンバの表面上に第1および第2の陥凹を備え、第1ならびに第2の偏向可能なフランジの少なくとも一部が、第2の位置にあるとき、第1および第2の陥凹内に格納される。
【0019】
別の実施形態では、スリーブはさらに、スリーブの第1および第2の陥凹と第1の端部との間に位置する、第1ならびに第2の突出部を備え、第2の円筒形本体はさらに、第1および第2の偏向可能なフランジと肩部との間の外側表面上に位置する、第1および第2の陥凹を備える。第1および第2の突出部は、第2の位置にあるとき、第2の円筒形本体の外側表面上に位置する、第1ならびに第2の陥凹内に格納されてもよい。
【0020】
別の実施形態では、第2の位置にあるとき、返しは、外部アクセスによって、例えば、器具を用いて、またはユーザの指を用いて第2の間隙から除去されることはできない。返しは、第2の間隙内に恒久的に格納され、第1および第2の表面または円周方向の隆起部は、第2の位置では、第1ならびに第2の陥凹とともに、第2の導管の外側表面内に恒久的に格納される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、係止解除位置にある、本発明によるコネクタの一実施形態の斜視図である。
【0022】
図2図2は、係止解除位置にある、本発明によるコネクタの一実施形態の斜視図である。
【0023】
図3図3は、分解図内でスリーブおよびコレットを示す、本発明によるコネクタの一実施形態の斜視図である。
【0024】
図4図4は、分解図内でスリーブおよびコレットを示す、本発明によるコネクタの一実施形態の断面図である。
【0025】
図5図5は、接続される前の、コネクタおよび透析器の一部の一実施形態の斜視図である。
【0026】
図6図6は、接続される前の、本発明によるコネクタの一実施形態の断面図である。
【0027】
図7図7は、90°回転された、図6に描写されるコネクタの一実施形態の断面図である。
【0028】
図8図8は、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の斜視図である。
【0029】
図9図9は、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の断面図である。
【0030】
図10図10は、90°回転された、図9に描写される、透析器の一部およびコネクタの一実施形態の断面図である。
【0031】
図11図11は、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の斜視図である。
【0032】
図12図12は、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の断面図である。
【0033】
図13図13は、90°回転された、図12に描写される、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の断面図である。
【0034】
図14図14は、係止位置にある、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の斜視図である。
【0035】
図15図15は、係止位置にある、本発明による、コネクタの一実施形態の中に挿入された透析器の一部の断面図である。
【0036】
図16図16は、90°回転された、図15に描写される、透析器の一部およびコネクタの一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の詳細な説明
本発明は、図面に示されるような種々の形態における実施形態が可能であるが、以降、本開示が、本発明の例示として見なされるべきであること、および本発明を図示される具体的な実施形態に限定することを意図していないという理解を伴って、本発明の現在好ましい実施形態として説明されるであろう。
【0038】
血液透析システムの一部が、図5、8、11、および14に描写される。血液透析システムは、血流経路および透析液流の両方に接続される、透析器25を含む。血流経路および透析液流路は両方とも、透析器25を通して進行し、閉ループシステムを通してそれらの個別の流体を搬送し、透析液流路は、半浸透性膜(図示せず)によって血流経路から隔離される。好ましくは、透析液は、透析液を受容するための入口31と、透析液を排出ための出口(図示せず)と、患者からの血液を受容するための入口(図示せず)と、患者に血液を戻すための出口39とを保有する、透析器25内の血流に対して反対方向に流動する。血流経路および透析液流路は、導管である。導管は、およそ0.156インチ(3~5ミリメートル)の内側直径を有し得る。血流経路および透析液流路は両方とも、透析器25を通して通過するが、透析器の半浸透性膜によって分離される。透析器25は、当業者に公知の構築物および設計である。好ましくは、透析器25は、半浸透性膜を形成する、多数の中空ファイバを含む。好適な透析器が、Fresenius Medical Care、Baxter International, Inc.、およびNipro Medical Corporationから取得されることができる。
【0039】
図1-7に見られるように、透析液循環ホース等の第1の導管または溶液移送ライン3を、透析器25の入口31もしくは出口(図示せず)等の第2の導管に継合する、係止コネクタ1が、説明される。図1-4に見られるように、コネクタ1は、メス型要素またはスリーブ10を備える。スリーブ10は、第1の端部12における開口部14と、第1の端部12における開口部14と連通する、管腔または内部チャンバ16と、第2の端部20における開口部18とを有する、伸長管状体である。スリーブ10の外側表面は、ユーザがコネクタ1を把持することを補助するための、環状陥凹13を有してもよい。スリーブ10の外側表面上に据え付けられる、陥凹17もまた、ユーザがコネクタ1を把持することを補助し得る。第1の端部12における開口部14が、流体流導管3の端部部分を受容するように構成され、円内でおよそ180°離して配列される、円の周囲に沿った、2つのスロット22を伴う、略円形形状を有する。スリーブ10はまた、第1の端部12における円形開口部14の周界に沿って位置する、スロット22の縁から、スリーブ10の管腔16の中に延在する、2つの可撓性指状突起24を含み、2つの可撓性指状突起24は、拡大された遊離端または返し26を含む。管腔16を画定するスリーブ10の内部チャンバは、略円筒形であり、第2の端部20における管腔16の直径が、第1の端部12における管腔16の直径より大きくなるように、第1の端部12に向かってわずかにテーパ状である。スリーブ10は、第2の端部20において、それを通してオス型構成要素またはコレット50が受容される、略円形の開口部18を有する。図4に見られるように、スリーブ10の内部表面は、スリーブによって画定される、円内でおよそ180°離して配列される、スリーブ10の第2の端部20における領域内に、2つの湾入または陥凹28を含む。2つの湾入または陥凹28はまた、それらがそれぞれ、第1の端部12における可撓性指状突起24からおよそ90°オフセットされるように配列される。スリーブ10はまた、突出部もまた、それらがそれぞれ、第1の端部12における可撓性指状突起24からおよそ90°だけオフセットされるように配列されるように、各湾入の真上に位置する、第1および第2の突出部30を含む。
【0040】
図1-4に見られるように、コネクタ1はまた、スリーブ10の内部チャンバ16内に受容されるように構成される、オス型構成要素またはコレット50を含む。コレット50は、それぞれ、第1および第2の端部52、54を有し、それぞれが、管腔60、62を有する、第1ならびに第2の円筒形本体56、58を含む。第1の円筒形本体56の管腔60が、第2の円筒形本体58の管腔62と連通する。第1の円筒形本体56は、第2の円筒形本体58より小さい直径(内径および外径の両方)を有し、コレット50の第1の端部52において終端する。コレット50は、第2の円筒形本体58が第1の円筒形本体56に衝合、継合、または接続する、肩部もしくは棚部64を有する。コレット50は、第1の円筒形本体の長手方向軸に沿って延在する、柱または隆起部66と、第1および第2の環状隆起部70、72を形成する、カラー68とを含む、第1の円筒形本体56の外側表面を有し、第1の環状隆起部70は、第2の環状隆起部72よりもコレット50の第1の端部52に近接している。第1の環状隆起部70は、第2の環状隆起部72より小さくてもよい。柱または隆起部66は、コレット50の第1の端部52から第1の円筒形本体56の長手方向軸に沿って下方に、第1の円筒形本体のおよそ約半分(1/2)の長さ、代替として、第1の円筒形本体56の約3分の1(1/3)、代替えとして、約3分の2(2/3)、代替として、約4分の3の長さに延在し、カラー68の第1の環状隆起部70の前で終端する。柱または隆起部66および第1の環状隆起部70のそれぞれの端部は、可撓性指状突起24の拡大された端部もしくは返し26を保持するように構成される、第1ならびに第2の間隙74を形成する。カラー68の第2の環状隆起部72および肩部または棚部64は、また、可撓性指状突起24の拡大された端部もしくは返し26を保持するように構成される、環状間隙76を形成する。
【0041】
図4に見られるように、第1の円筒形本体56の内部は、第1の円筒形本体56の外側に位置する第1の環状隆起部70と第2の環状隆起部72との間に位置付けられる、第1の円筒形本体の内部表面上に置かれる、環状隆起部78を含む。第2の円筒形本体58は、コレット50の第2の端部54の近傍の領域内に、第1および第2の可撓性の偏向性または偏向可能なフランジ80を有する。フランジ80は、接続されるべき(例えば、透析器からの)入口の外側表面内の開口部、陥凹、または間隙33の中に係止するように構成される、フランジ80の水平軸に沿って延設される、助材82を含む。図3に見られるように、第2の円筒形本体58の外側表面はまた、フランジ80の上方に、フランジ80と肩部または棚部64との間に位置する、スリーブ10の内部内に突出部30を格納するように構成される、第1および第2の陥凹84を含む。第1の円筒形本体56の外径は、第1の円筒形本体56が、第1の端部12におけるスリーブ10の開口部14を通して通過するように構成され、第1の円筒形本体56の外側表面上の柱または隆起部66が、スリーブ10の第1の端部12における開口部14内のスロット22を通して通過するように、第1の端部12におけるスリーブ10の開口部14の直径よりわずかに小さい。Oリング86が、棚部または肩部64に隣接する第2の円筒形本体58の管腔62内の環状の溝88内に着座される(図4参照)。
【0042】
図5-7は、管類3が、第1の円筒形本体56の管腔60内に常駐し、第1の円筒形本体56の内部内の環状隆起部78に当接するように、スリーブ10の第1の端部12における開口部14の中に、かつコレット50の第1の端部52内の開口部51を通して挿入される、流体流導管3、例えば、透析管類を伴うスリーブ10を示す。コレット50が、スリーブ10の第2の端部20内の開口部18を通して挿入され、内部チャンバ16内に常駐する。スリーブ10に関して図6に見られるように、コレット50が、偏向可能なフランジ80がスリーブ10の内部表面内の湾入または陥凹28内に常駐しており、湾入28の上方の突出部30が、肩部もしくは棚部の近傍の第2の円筒形本体の外側表面内の第1および第2の陥凹84内に格納されるように、配向される。図6のビューから90°回転されたコネクタを示す、図7に見られるように、可撓性指状突起24の返しまたは拡大された端部26が、隆起部66および第1の環状隆起部70のそれぞれの端部の間に形成される、第1ならびに第2の間隙74内に常駐し、それによって、スリーブ10の内部チャンバ内の第1の位置の中にコレット50を一時的に係止する。
【0043】
図8-10に見られるように、入口31(または出口、図示せず)が、入口31(または出口)の遠位領域が第2の円筒形本体58の管腔62もしくは内部チャンバ内に格納されるように、コレット50の第2の端部54における開口部53を通して挿入される。入口31(または出口)が、第2の円筒形本体58の管腔62の中に挿入され、端部が肩部もしくは棚部64に当接し、Oリング86の管腔内に常駐するまで前進される。偏向可能なフランジ80の表面または円周方向の隆起部82が、入口31(もしくは出口)の外側表面内の間隙または陥凹33に隣接するが、偏向可能なフランジ80は、依然として、表面または円周方向の隆起部82が入口31(もしくは出口)の間隙または陥凹33の中に係止されないように、半径方向に外向きに延在する。図9および図9のビューの90°の回転である、図10に見られるように、コレット50が、依然として、スリーブ10の内部チャンバ16内の第1の位置内にあり、すなわち、可撓性指状突起24の返しまたは拡大された端部26が、依然として、カラー68の隆起部66ならびに第1の環状隆起部70のそれぞれの端部の間に形成される、第1および第2の間隙74内に常駐し、湾入28の上方の突出部30が、肩部もしくは棚部の近傍の第2の円筒形本体の外側表面内の第1ならびに第2の陥凹84内に格納される。
【0044】
図11-13に見られるように、第2の円筒形本体28の内部チャンバ62内に配置される入口31を伴う、コレット50が、第1の円筒形本体56の第1の端部52が、スリーブ10の第1の端部12を越えてさらに遠くに移動されるように、スリーブ10の第1の端部12の方向においてさらに前進されている。コレット50の前進は、返し26を間隙74から外に、かつ突出部30を第2の円筒形本体58の外側表面内の第1および第2の陥凹84から外に押進させる。また、スリーブ10の内部表面からの圧力が、偏向可能なフランジ80上の表面または円周方向の隆起部82を入口31(もしくは出口)の外側表面内の間隙または陥凹33内に格納されるように押進させる。
【0045】
図14-16に見られるように、スリーブ10の第1の端部12の方向におけるコレット50のさらなる前進が、可撓性指状突起24の返し26を第2の環状隆起部72と肩部または棚部64との間の環状間隙76の中に押進させる。これは、コレット50をスリーブ10に恒久的に係止されることをもたらし、それによって、透析器入口31(または出口)を流体流導管3(例えば、透析液管類)に恒久的に接続させる。スリーブ10は、ユーザが、例えば、指または器具を用いて環状間隙76から可撓性指状突起24の返し26を解放し得るような、いかなる外部アクセス点も含有しない。
【0046】
締めくくりに、本明細書に示され、説明されるような本発明の例示的実施形態に関して、血液透析システムが開示されることを理解されたい。本発明の原理は、示され、説明されるもの以外のいくつかの構成において実践され得、そのため、本発明が、例示的実施形態によっていかようにも限定されず、概して、血液透析システムを対象とし、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それを行うために多数の形態をとることが可能であることを理解されたい。また、本発明が、開示される構築物の特定の幾何学形状および材料に限定されず、代わりに、本発明の精神ならびに範囲から逸脱することなく、現在公知である、または後に開発される、他の機能的に同等の構造もしくは材料を伴い得ることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、上記に説明される実施形態のそれぞれの種々の特徴は、任意の論理様式において組み合わせられ得、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0047】
本発明の代替実施形態、要素、またはステップの群化は、限定物として解釈されないものとする。各群の構成要素は、個々に、または本明細書に開示される他の群の構成要素との任意の組み合わせにおいて言及および請求され得る。群の1つまたはそれを上回る構成要素が、便宜上ならびに/もしくは特許性の理由のために、群の中に含まれる、またはそれから削除され得ることが予期される。任意のそのような包含または削除が、生じるとき、本明細書は、修正されたものとして、群を含有すると見なされる。
【0048】
別様に示されない限り、本明細書および請求項内で使用される、特性、項目、数量、パラメータ、性質、用語等を表現する全ての数値は、用語「約」によって全ての事例において修飾されているものとして理解されるべきである。本明細書で使用されるように、用語「約」は、そのように条件付けられた特性、項目、数量、パラメータ、性質、または用語が、記載された特性、項目、数量、パラメータ、性質、もしくは用語の値の±10パーセント上方および下方の範囲を含有することを意味する。故に、そうではないことが示されていない場合、本明細書および添付の請求項に記載の数値パラメータは、変動し得る、近似値である。最低限でも、均等論の適用を本請求項の範囲に限定するような試みとしてではなく、各数値インジケーションは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を記載する数値範囲および値が近似値であるにもかかわらず、具体的実施例に記載の数値範囲ならびに値は、可能な限り、精密に報告される。しかしながら、いかなる数値範囲または値も、本質的に、それらの個別の試験測定値に見出される標準偏差から必然的に結果として生じる、ある誤差を含有する。本明細書における値の数値範囲の列挙は、その範囲内にある各別個の数値範囲を個々に指す、簡略的な方法としての役割を果たすことを意図しているにすぎない。本明細書において別様に示されない限り、数値範囲の各個々の値は、本明細書に個々に列挙されている場合と同様に、本明細書の中に組み込まれる。
【0049】
本発明の説明の文脈(特に、以下の請求項の文脈)内で使用される用語「a」、「an」、「the」、および類似の指示物は、本明細書で別様に示される、または文脈によって明確に矛盾されない限り、単数ならびに複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書に説明される方法の全てが、本明細書において別様に示される、または文脈によって明確に別様に矛盾されない限り、任意の好適な順序において実施されることができる。本明細書に提供される、ありとあらゆる実施例または例示的な言い回し(例えば、「等」)の使用は、本発明をより明瞭に照明することを意図しているにすぎず、別様に請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言い回しも、任意の非請求要素を、本発明の実践に対して不可欠であるように示しているものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書に開示される具体的な実施形態はさらに、「consisting of(~から成る)」または「本質的に~から成る(consisting essentially of)」の言い回しを使用して、本請求項において限定され得る。本請求項において使用されると、改定毎に出願されるものとして、または追加されるものとしてであるかにかかわらず、移行用語「consisting of(~から成る)」は、本請求項内で規定されていない、いかなる要素、ステップ、もしくは成分も除外する。移行用語「consisting essentially of(~から本質的に成る)」は、請求項の範囲を、規定される材料またはステップおよび基本的特性ならびに新規の特性に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。そのように請求される本発明の実施形態は、本明細書において本質的または明示的に説明され、有効にされる。
【0051】
各方法の個別の要素が実施される、プロセス、方法、および順序は、純粋に例示的であることを理解されたい。実装に応じて、それらは、本開示において別様に示されない限り、任意の順序で、または並行して実施され得る。
【0052】
本発明のいくつかの特定の形態が、図示され、説明されているが、種々の修正が、本発明の精神および発明から逸脱することなく成され得ることが、明白となるであろう。したがって、本発明が、以下の請求項によらない限り、限定されることは意図していない。
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