IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホルテック インターナショナルの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】核廃棄物の貯蔵および輸送キャスク
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/32 20060101AFI20240805BHJP
   G21F 5/12 20060101ALI20240805BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G21C19/32 080
G21F5/12
G21F9/36 501C
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2022549784
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021019018
(87)【国際公開番号】W WO2021168401
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】62/979,640
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520481747
【氏名又は名称】ホルテック インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】シン、クリシュナ、ピー
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04883637(US,A)
【文献】米国特許第05037147(US,A)
【文献】実開平02-095898(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/32
G21F 5/00- 5/14
G21F 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質を収容するためのキャスクであって、
キャスクの内部貯蔵空洞への通路を形成する開口部を含むキャスク本体と、
前記キャスク本体に取り外し可能に結合されて前記開口部を密閉するように構成された閉鎖蓋と、
少なくとも1つの第1の係止部材および少なくとも1つの第2の係止部材を含む係止機構であって、前記第1および第2の係止部材は互いに対して摺動可能であり、それにより前記係止機構を(1)前記閉鎖蓋を前記キャスク本体から取り外すことができる第1の状態と、(2)前記第1および第2の係止部材が互いに係合して前記閉鎖蓋が前記キャスク本体から取り外されるのを防止する第2の状態の間で変更する、係止機構と、
を備え、
前記キャスク本体が細長い直方体の構成を有し、前記蓋が長方形の構成を有する、キャスク。
【請求項2】
前記係止機構が前記第1の状態から前記第2の状態に変更されると、前記閉鎖蓋と前記キャスク本体とが一緒に引っ張られて前記内部貯蔵空洞を流体的に密閉するように構成されている、請求項1に記載のキャスク。
【請求項3】
前記係止機構が前記第1の状態から前記第2の状態に変更されるとき、前記第1および第2の係止部材が互いに対して平行移動する、請求項1または2に記載のキャスク。
【請求項4】
前記キャスク本体と前記閉鎖蓋との間の界面に位置するガスケットをさらに含み、前記ガスケットは、前記第1の状態よりも前記第2の状態でより多く圧縮される、請求項1~3のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項5】
前記第1および第2の係止部材の一方が前記キャスク本体または前記閉鎖蓋に対して固定され、そして前記第1および第2の係止部材の他方が前記キャスク本体および前記閉鎖蓋の両方に対して摺動可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項6】
前記係止機構は、前記第2の状態においてねじ付きファスナを含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項7】
前記第1の係止部材が複数の離間した第1の係止突起を備え、前記第2の係止部材が前記蓋を前記キャスク本体に係止するように前記第1の係止突起と選択的にインターロック可能な複数の離間した第2の係止突起を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項8】
前記第1の係止突起を有する前記第1の係止部材が前記蓋上に配置され、前記第2の係止部材が、前記第2の係止突起が前記キャスク本体上に固定配置されている前記貯蔵空洞内の前記キャスク本体の部分を含む、請求項7に記載のキャスク。
【請求項9】
前記第1および第2の係止突起はそれぞれ、先細りの第1および第2の係止面を画定するくさび形であり、前記第1の係止面は、前記係止機構が前記第2の状態にあるとき、前記第2の係止面と摺動可能に係合することができる、請求項7または8に記載のキャスク。
【請求項10】
前記第1の係止面が前記第2の係止面と摩擦係合し、前記蓋を前記キャスク本体に向かって及び前記キャスク本体に対して引き寄せるくさび作用を介して前記蓋を前記キャスク本体に係止する、請求項9に記載のキャスク。
【請求項11】
前記第1の係止部材が細長い係止バーを含み、前記第1の係止突起がその上に配置され、前記係止バーが前記蓋に形成された対応する細長いガイドチャネル内に摺動可能に配置されて、前記係止バーが前記蓋に対して可動である、請求項8~10のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項12】
前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の間に挿入可能であり、その逆も可能である、請求項8~11のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項13】
前記係止バーは、前記蓋が前記キャスク本体に結合されるとき、前記キャスク本体に対して前記蓋を動かすことなく、前記第1および第2の係止突起を連結するように移動可能である、請求項11に記載のキャスク。
【請求項14】
前記係止バーは、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを防止するために前記第1および第2の係止突起が相互に係合する係止位置と、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを可能にするために前記第1および第2の係止突起が外される係止解除位置との間で移動可能である、請求項11または13に記載のキャスク。
【請求項15】
前記係止バーが前記係止位置にあるとき、前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の下に配置される、請求項14に記載のキャスク。
【請求項16】
前記第1の係止突起が、前記第2の係止突起の下の前記キャスク本体の前記第2の係止部材に形成された細長く内側に開いた係止凹部内に受け入れられ、摺動可能である、請求項8~15のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項17】
前記第1の係止部材に結合され、前記第1の係止部材をスライドさせて前記係止機構を前記第1の状態と前記第2の状態との間で変更するように動作可能な油圧または空気圧アクチュエータをさらに備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項18】
各アクチュエータが、前記第1の係止部材に固定結合された伸縮自在のピストンロッドを含む、請求項17に記載のキャスク。
【請求項19】
前記キャスク本体に取り付けられた係止ハンドル組立体をさらに備え、前記係止ハンドル組立体は、前記係止機構を前記第2の状態に保持するように構成され、移動可能である、請求項5~18のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項20】
前記蓋が複数の第1の係止部材を含み、前記キャスク本体が互いに摺動可能に係合できる複数の第2の係止部材を含む、請求項1に記載のキャスク。
【請求項21】
放射性物質を収容するためのキャスクであって、
長手方向軸と、
放射性廃棄物を保持するように構成された非円筒形断面構成の内部貯蔵空洞への入口を形成する上部開口部を画定する軸方向に細長いキャスク本体と、
前記上部開口部で前記キャスク本体に取り外し可能に結合された閉鎖蓋と、
前記蓋を前記キャスク本体に係止するように、前記キャスク本体上で間隔をあけて配置された複数の第2の係止突起と選択的にインターロック可能である、前記蓋上で間隔をあけて配置された複数の第1の係止突起を含むボルトフリーのキャスク係止機構と、
を備え、
前記蓋の前記複数の第1の係止突起が、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の間に挿入可能であり、その逆も可能であり、
前記蓋の前記第1の係止突起のグループが、前記蓋に形成された対応する細長いガイドチャネル内に摺動可能に配置された複数の細長い係止バー上に固定配置され、前記第1の係止突起を有する係止バーが前記蓋に対して移動可能であり、
前記第1の係止突起は、前記蓋が前記キャスク本体に結合されているときに前記キャスク本体に対して前記蓋を動かさずに前記蓋を前記キャスク本体に係止するように、前記係止バーを介して前記キャスク本体の前記第2の係止突起に対して摺動可能であり、
前記係止バーは、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを防止するために前記第1および第2の係止突起が相互に係合する係止位置と、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを可能にするために前記第1および第2の係止突起が外される係止解除位置との間で移動可能であり、
前記係止バーが前記係止位置にあるとき、前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の下に配置され、
前記第1の係止突起が、前記第2の係止突起の下の前記キャスク本体の長手方向側壁および端壁に形成された長手方向に細長く内側に開いた摺動凹部内に受け入れられ、摺動可能である、キャスク。
【請求項22】
前記第1の係止突起がそれぞれくさび形で、先細りの第1の係止面を画定し、前記第2の係止突起がそれぞれくさび形で、前記第1の係止面の1つと摺動可能に係合可能な先細りの第2の係止面を画定する、請求項21に記載のキャスク。
【請求項23】
前記第1の係止突起の前記先細りの係止面は、前記第2の係止突起の前記先細りの係止面と摩擦係合可能であり、それにより、前記蓋を引き寄せるくさび作用を介して前記蓋を前記キャスク本体に係止する、請求項22に記載のキャスク。
【請求項24】
前記キャスク本体と前記蓋との界面との間の界面に配置されたガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記蓋が前記キャスク本体に対して引き寄せられると、前記くさび作用によって圧縮される、請求項23に記載のキャスク。
【請求項25】
前記蓋が、一対の長手方向側部および一対の横方向端部を備え、前記長手方向側部および前記横方向端部のそれぞれが、第1の係止突起を有する少なくとも1つの係止バーを含む、請求項21に記載のキャスク。
【請求項26】
前記蓋の長手方向側部の各々は、一対の係止バーを含み、前記長手方向側部上の前記係止バーは、互いに向かって移動可能であるため、前記係止解除位置を形成し、互いに離れるように移動可能であるため、前記係止位置を形成する、請求項25に記載のキャスク。
【請求項27】
前記蓋の横方向端部の各々は、一対の係止バーを含み、前記横方向端部の前記係止バーは、前記係止位置を形成するために互いに向かって移動可能であり、前記係止解除位置を形成するために互いに離れるように移動可能である、請求項26に記載のキャスク。
【請求項28】
前記蓋の前記横方向端部上の前記係止バーが一緒に前記係止位置に配置されると、前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーの端部が、前記蓋の前記横方向端部上の前記係止バーと係合して前記係止解除位置に離れないように配置される、請求項27に記載のキャスク。
【請求項29】
前記係止バーを前記蓋に対してスライドさせるために、前記係止バーのそれぞれに結合された油圧または空気圧アクチュエータをさらに備える、請求項21~28のいずれか一項に記載のキャスク。
【請求項30】
各アクチュエータが、前記蓋のスロットを通してそれぞれの係止バーに固定して結合された伸縮自在のピストンロッドを含む、請求項29に記載のキャスク。
【請求項31】
前記キャスク本体の前記長手方向側壁のそれぞれに摺動可能に取り付けられた係止ハンドル組立体をさらに備え、前記係止ハンドル組立体は、前記蓋の前記ガイドチャネルの内外に選択的に移動可能な遠位係止ブロックを含む、請求項26~30のいずれか1項に記載のキャスク。
【請求項32】
前記係止ハンドル組立体が、前記係止ブロックが前記蓋の前記ガイドチャネル内に配置されて、前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーが前記係止位置から外れて移動するのを防止する内側ブロック位置と、前記係止ブロックが前記ガイドチャネルから取り外されて前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーが前記係止位置と前記係止解除位置との間で自由に移動可能となっている外側非ブロック位置との間で移動可能である、請求項31に記載のキャスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月21日に出願された米国仮出願第62/979,640号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、高レベル放射性核廃棄物を輸送および貯蔵するためのシステムおよび容器に関し、より詳細には、放射性核廃棄物を輸送および貯蔵するための一実施形態における箱型キャスクに関する。
【背景技術】
【0003】
中性子活性化金属および他の放射性非核分裂性高レベル放射性廃棄物、例えば原子力発電所または他のタイプの施設の運転から生じる廃棄物を貯蔵するために使用されるオーバーパックまたはキャスクは、典型的には、ボルトで固定された円形の蓋を有する上部が開いた円筒構造である。このようなキャスクは、使用済み核燃料に限定されないあらゆる種類の核廃棄物をキャスクに装填するには効率が悪い。放射線廃棄物は、内部貯蔵空洞に通じるこのような円筒形キャスクの狭い上部アクセス開口部を通して挿入するには大きすぎることが多く、および/または不規則な形状であり得る。さらに、円筒形キャスクに核廃棄物が詰め込まれた後にボルトを締める作業は時間がかかり、閉鎖ボルトの退屈な取り付けを完了するのに必要な時間に比例して、作業員は放射線量にさらされる。
【0004】
したがって、多種多様な廃棄物材料を収容でき、キャスクを扱う作業員の放射線被ばくを低減するために適切な方法でさらに密閉および密閉できる改良された核廃棄物貯蔵キャスクが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、多種多様な異なる核廃棄物を貯蔵するための上述の円筒型貯蔵キャスクの欠点を克服する放射線遮蔽核廃棄物貯蔵キャスクを含む核廃棄物貯蔵システムを提供する。一実施形態では、核廃棄物を保持するように構成された直線的な断面の内部貯蔵空洞を備えた本質的に長方形の本体と、対応する長方形の閉鎖蓋とを含む、長手方向に細長い箱型キャスクが開示される。貯蔵空洞に通じる細長い大きな上部開口部は、キャスクの長手方向の長さの大部分にわたって延びている。円筒形のキャスクの上部にある小さな円形の開口部とは対照的に、本発明の長方形の開口部により、大きくて不規則な形状の放射性金属廃棄物を、作業員が過度に取り扱うことなく、効率的かつ適切な方法でキャスク貯蔵空洞内に装填することができるので、潜在的な放射線量が減少する。
【0006】
一実施形態では、閉鎖蓋は、キャスク本体に連結されて密封され、ねじ付きファスナを使用しない迅速な接続-分離ジョイントを介して上部開口部を閉鎖する。代わりに、キャスク上部開口部の周囲の蓋および対応するキャスク本体のそれぞれの周辺部分に設けられた機械的に結合する突起を含むスライダ係止機構が採用される。蓋がキャスク本体上で静止したままである間、蓋の係止突起は、係止位置又は状態と、係止解除位置または状態の間でキャスク本体の係止突起に対して摺動可能である。係止突起は、蓋およびキャスク本体の周りに配列され、周囲に間隔を空けて配置され得る。係止突起は、一実施形態ではくさび形であり、相互に係合するとくさび作用を生じ、蓋をキャスク本体に効果的に係止し、キャスク内の核廃棄物内容物を密閉する。蓋とキャスク本体との界面にあるガスケットは、くさび作用によって圧縮され、キャスク貯蔵空洞の気密シールを形成し、格納バリアを完成させる。一実施形態では、周囲環境と貯蔵空洞との間で空気の交換はない。
【0007】
本明細書で使用される「核廃棄物」という用語は、放射線源によって照射された放射性廃棄物の任意のタイプまたは形態を意味すると広く解釈されるべきである。このような照射は、原子炉を備えた原子力発電所やその他の種類の施設で発生し得る。非限定的な一例として、放射性核廃棄物は、原子力施設の廃止または修理/保守に関連し得るので、照射されて放射線を発生させるさまざまなサイズおよび形状の機器(原子炉の部品を含む)、構造的要素/部材、部品、破片、スクラップなどを含み得る。
【0008】
一態様では、放射性物質を収容するためのキャスクは、キャスクの内部貯蔵空洞への通路を形成する開口部を備えるキャスク本体と、キャスク本体に取り外し可能に結合されて開口部を密閉するように構成された閉鎖蓋と、少なくとも1つの第1の係止部材および少なくとも1つの第2の係止部材を含む係止機構であって、第1および第2の係止部材は互いに対して摺動可能であり、係止機構を(1)閉鎖蓋をキャスク本体から取り外すことができる第1の状態と、(2)第1および第2の係止部材が互いに係合して閉鎖蓋がキャスク本体から取り外されるのを防止する第2の状態との間で変更する、係止機構と、を備える。
【0009】
別の態様によれば、放射性物質を収容するためのキャスクは、長手方向軸と、非円筒形断面構造の内部貯蔵空洞への入口を形成する上部開口部を画定する軸方向に細長いキャスク本体と、上部開口部でキャスク本体に取り外し可能に結合された閉鎖蓋と、を備え、前記空洞は、放射性廃棄物を保持するように構成されている。
【0010】
別の態様によれば、放射性廃棄物貯蔵キャスクを係止する方法は、内部貯蔵空洞に通じる開口部を覆ってキャスク本体に閉鎖蓋を配置することと、前記開口部の周りの前記キャスク本体に配置された第2の係止突起の周辺アレイの間に、前記蓋の第1の係止突起の周辺アレイを挿入することと、前記第1の係止突起を前記第2の係止突起の下に摺動可能に移動させることと、前記第1の係止突起を前記第2の係止突起と摩擦係合することと、を含み、前記キャスク本体から前記蓋を取り外すことができない。
【0011】
本発明の適用可能性のさらなる領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0013】
図1】本開示の一実施形態による、核廃棄物を貯蔵するために構成された多角形キャスクの上面斜視図である。
【0014】
図2図1の拡大詳細図である。
【0015】
図3図1のキャスクの底面斜視図である。
【0016】
図4】蓋が取り外された状態を示す分解上面斜視図である。
【0017】
図5】その分解底面斜視図である。
【0018】
図6】その長手方向側部図である。
【0019】
図7】その横端立面図である。
【0020】
図8】その上面図である。
【0021】
図9】その底面図である。
【0022】
図10】その長手方向横断面図である。
【0023】
図11図10からの拡大詳細図である。
【0024】
図12】閉鎖蓋の上面斜視図である。
【0025】
図13】蓋の端部の拡大上面斜視図である。
【0026】
図14】蓋の底面斜視図である。
【0027】
図15A】蓋の上面分解斜視図である。
【0028】
図15B図15Aから取られた拡大詳細図である。
【0029】
図16】蓋の底面分解斜視図である。
【0030】
図17A】キャスク係止機構が係止位置または係止状態にあることを示す蓋の部分長手方向断面図である。
【0031】
図17B】キャスク係止機構が係止解除位置または係止解除状態にあることを示す、蓋の部分長手方向断面図である。
【0032】
図18】キャスク本体係止突起配置を示す上部開口部のキャスク内部の一部の拡大詳細斜視図である。
【0033】
図19】係止ハンドル組立体も分解図で示す、キャスク本体の長手方向側壁の一部の分解斜視図である。
【0034】
図20】ケーブル係止セキュリティタグ/シールが適所に係止された内側ブロック位置にある係止ハンドル組立体の拡大斜視図である。
【0035】
図21】キャスク本体上の外側の非ブロック位置にある係止ハンドル組立体の第2の拡大斜視図である。
【0036】
図22】キャスク本体の隣接する壁上のキャスク本体係止突起配置を示す、角領域の上部開口部におけるキャスク内部の一部の拡大詳細斜視図である。
【0037】
図23】蓋が取り外された状態を示す、キャスク本体および蓋の横断面図である。
【0038】
図24】外側非ブロック位置にあるキャスク本体の長手方向側壁上の係止ハンドル組立体を示す、図23からの拡大詳細図である。
【0039】
図25】キャスク本体上の適所にある蓋を示す、キャスク本体と蓋の横断面図である。
【0040】
図26】内側ブロック位置にある係止ハンドル組立体を示す、図25から取った拡大詳細図である。
【0041】
図27】蓋の係止バーを移動させるためのアクチュエータ組立体の斜視図である。
【0042】
図28】その断面図である。
【0043】
図29図1のキャスクを係止するための順次方法の第1の概略図である。
【0044】
図30】その第2の模式図である。
【0045】
図31】その第3の模式図である。と
【0046】
図32】その第4の模式図である。
【0047】
図面はすべて概略図であり、必ずしも縮尺どおりではない。特定の図では番号が付けられていて、他の図では番号が付けられていないように見える特徴は、本明細書で特に断りのない限り、同じ特徴である。同じ整数を共有するが異なるアルファベット接尾辞を有する関連する図を含む整数による図への本明細書における一般的な参照は、特に断りのない限り、それらの図のすべてへの参照として解釈されるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の特徴および利点は、非限定的な例示的(「例」)の実施形態を参照することによって、本明細書で例示および説明される。例示的な実施形態のこの説明は、添付の図面に関連して読まれることを意図しており、これらの図面は、記述された説明全体の一部と見なされるべきである。したがって、本開示は、単独で、または他の特徴の組み合わせで存在し得るいくつかの可能な特徴の非限定的な組み合わせを示す例示的な実施形態に明確に限定されるべきではない。
【0049】
本明細書に開示される実施形態の説明において、方向または配向への言及は、単に説明の便宜を意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。「下の」、「上の」、「水平」、「垂直」、「上に」、「下に」、「上へ」、「下へ」、「上」、「下」などの相対的な用語、およびその派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」など)は、そのとき説明されている、または議論中の図面に示されている向きを指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜のためだけのものであり、装置が特定の向きで構築または操作されることを必要としない。「取り付けられた」、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」などの用語は、特に明記されていない限り、構造物が介在する構造物を介して直接的または間接的に互いに固定または取り付けられている関係や、可動または固定の付属品または関係を指す。
【0050】
全体を通して使用されるように、本明細書に開示される任意の範囲は、範囲内にあるすべての値を記述するための略記として使用される。範囲内の任意の値を範囲の終点として選択できる。さらに、本明細書で引用された参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示における定義と引用文献の定義に矛盾がある場合、本開示が優先する。
【0051】
本明細書で使用される「シール溶接または溶接」という用語は、当技術分野におけるその従来の意味に従って、溶接によって接合された部品間に気密密閉接合を形成する連続溶接であると解釈されるべきである。本明細書で使用される場合がある「密封された」という用語は、気密気密シールを意味すると解釈されるものとする。
【0052】
図1~28は、核廃棄物の輸送および貯蔵システムのさまざまな側面を示している。このシステムは、高レベル核廃棄物を輸送および/または貯蔵するのに使用できる核廃棄物移送および貯蔵キャスク100(以下、簡潔にするために核廃棄物キャスク)を含む。キャスク100は、長手方向軸LAおよび核廃棄物用の封じ込め障壁の下部を規定する細長い直線形状のキャスク本体101を備える。本体101は、軸方向に細長い底壁102、該底壁に取り付けられた平行な一対の長手方向側壁103、および側壁の間の底壁の対向する端部に取り付けられた一対の側端壁104を備える(図示のような)一実施形態では、直方体形状を有し得る。長手方向の側壁は、底壁の長手方向の側面または縁に取り付けられている。端壁104は、長手方向軸LAおよび長手方向側壁103に対して横方向かつ垂直に配向され、長手方向側壁は軸に平行に配向されて、図示の箱状構造を形成する。一実施形態では、側壁および端壁を互いに溶接し、次いで底壁に溶接して溶接物を形成することができる。キャスク本体101の高さに沿って垂直に延びる端壁104と側壁103との交差によって4つの角107が形成される。
【0053】
底壁102は、平坦な上面102aと、平行に対向する平坦な底面102bとを有する。底壁は、コンクリートパッドなどの水平支持面に着座するように構成されている。長手方向の側壁103および端壁104のそれぞれの内面および外面は、ほぼ平坦であり、互いに平行であってもよい。
【0054】
キャスク100は、核廃棄物を輸送および保管する際に、図示のように水平位置で使用することができる。この場合、垂直方向は、参照の便宜上、長手方向軸LAに対して横方向で垂直であると定義される。横方向は、水平方向の参照の便宜上、長手方向軸に対して横方向で垂直であると定義される。
【0055】
底壁102、長手方向側壁103、および端壁104は、本明細書で前述した核廃棄物を貯蔵するように構成された内部貯蔵空洞105を集合的に画定する。底壁、長手方向側壁、および端壁は、核廃棄物をその中に装填するための空洞への入口を形成する軸方向に細長い上部開口106を画定し、外接する。長手方向に延びる上部開口106は、キャスク本体の全長の実質的に大部分(側壁および端壁の厚さを除く)にわたって延びる。これは、多くの異なる形状およびサイズの核廃棄物をキャスク100に装填することを容易にする大きな開口部を提供する。
【0056】
キャスクの長手方向側壁103および横方向端壁104はそれぞれ、貯蔵空洞105に隣接する金属製の内側格納プレート110と、それに隣接する金属製の外側放射線量遮断プレート111とを含む複合構造を有することができる。同様に、底壁102は、貯蔵空洞に隣接する金属製の内側格納プレート112と、金属製の外側放射線量遮断プレート113とを含む複合構造を有し得る。いくつかの実施形態では、図示したように、追加の放射線遮蔽を提供する必要がある場合は、内側格納プレートと外側放射線量遮断プレートとの間に中間放射線量遮断プレート114を設けてもよい。一部の非限定的な実施形態では、格納プレートは鋼合金で形成され、放射線量遮断プレートは、外部周囲環境による腐食から保護するために、例えばステンレス鋼などの異なる鋼材料で形成されてもよい。必要に応じて、格納容器および遮断プレートの適切な厚さを使用して、格納容器キャスクの規制に準拠した外部レベル内にキャスクから放出される放射線を効果的に低減することができる。言及したように、キャスク100の底壁および壁は、コンクリートを使用しない全金属構造を有することができる。しかし、他の可能な実施形態では、追加の放射線遮断が必要な場合、中性子減衰用のホウ素含有材料およびそれらの様々な組み合わせを含む、コンクリートおよび追加のまたは他の放射線遮蔽材料を提供することができる。したがって、使用される底壁および壁構成材料は、本発明を限定しない。
【0057】
引き続き図1~28を参照すると、キャスク100は、上部封じ込め障壁を形成する長手方向に細長い閉鎖蓋200をさらに含む。蓋200は、一実施形態では、図示のキャスク本体101の直方体形状に適合するように、長方形であってもよい。蓋200は、キャスクおよび核廃棄物の内部貯蔵空洞105を完全に囲み密閉するために、キャスクの上部開口部を完全に閉鎖するのに十分な長さおよび幅を有する。蓋200は、キャスク本体101の上に配置されたときにキャスク本体101の空洞105に面する外向きの上面201および平行な底面202、平行な長手方向側部203(すなわち、蓋の長い側面)、長手方向側部管に延びる平行な横方向端部204(すなわち、蓋の短い側面)、および長手方向側部と横方向端部との交差のところの角205(図示のように4つ)を含む。上面201および底面202は、蓋の他の表面よりも大きな表面積を有する蓋の主表面である。
【0058】
さらに図10~17Bを参照すると、閉鎖蓋200は、蓋がキャスク本体101上に配置されたときに貯蔵空洞105に隣接して配置される底部の金属製内側格納プレート206と、上部の金属製外側放射線量遮断プレート207とを含む複合構造を有することができる。格納プレート206は蓋の底面202を画定し、遮断プレート207は上面201を画定する。断熱ボード(insulation board)208は、火災から保護するためにプレート206と207との間に挟まれてもよい。
【0059】
一実施形態では、周辺蓋スペーサフレーム209を蓋200の底部格納プレート206に取り付けることができる。フレーム209は、蓋の底面202の周りに周囲に延びるオープンスペースフレーム構造を有する。フレーム209は、フレームの周囲の線形部材によって画定される内部空間を通って延びるXブレース209aを含んで、構造的補強およびブレーシングを追加することができる。蓋200がキャスク本体101上に配置されると、内部格納プレート206およびフレーム209は、キャスクの貯蔵空洞105内に完全に受け入れられる(例えば、図10および11を参照)。
【0060】
蓋200の底面202に圧縮可能なガスケット220を配置して、蓋とキャスク本体との間の界面に気密シールを形成することができる。ガスケット220は、すべての側でキャスク本体101の上端に適合し、外接するように寸法的に相補的に構成された、周囲に沿って連続的に延びる形状を有する。したがって、ガスケット220は、キャスクの長手方向側壁103および横方向端壁104の頂部に沿って周方向に延在し、効果的なシールを形成する。ガスケット220は、いくつかの実施形態では、エラストマー材料などの任意の適切な圧縮可能な材料で形成することができる。
【0061】
本開示の一態様によれば、蓋200をキャスク本体101に係止してシールするために、ボルトを使用しないキャスク係止機構が提供される。特に、図10~18および22~28は、ボルトフリーのキャスク係止機構の様々な態様を示しており、これについてさらに詳細に説明する。
【0062】
蓋200およびキャスク本体101は、協働して係止機構を形成する複数の係止機構を含む。キャスク係止機構は、蓋をキャスク本体に係止するために、キャスク本体上で間隔を空けて配置された複数の第2係止突起214と選択的かつ機械的にインターロック可能であり、蓋上で間隔をあけて配置された複数の第1係止突起212を備えることができる。第1の係止突起212は、蓋およびキャスク本体101に対して移動可能であるが、第2の係止突起214は、キャスク本体に対して定位置に固定され、キャスク本体に対して静止している。
【0063】
蓋200の係止機能は、少なくとも1つの第1の係止部材212aを含み、これは、蓋をキャスク本体に係止するための直線的に細長い係止バー210の形態であってもよい(例えば、図15Bおよび29~32を参照)。一実施形態では、複数の細長い係止バー210が、長手方向側部203および横方向端部204上で蓋の外周部分の周りに周方向に配置される。第1の係止突起212は、係止バー上に形成され、係止バーの一体的な単一構造部分であり得る。一実施形態では、鋳造または鍛造金属の単一モノリシック片で形成される。それほど好ましくはないが満足できる他の可能な実施形態では、係止突起212は、機械的ファスナまたは溶接によって係止バー210に別々に取り付けられた別個の要素であってもよい。
【0064】
係止バー210は、蓋200の長手方向側部および横方向端部に形成された対応する外向きの細長い線形ガイドチャネル211内に摺動可能に配置される。係止バーは、ガイドチャネル内で蓋に対して反対方向に前後に移動可能である。各係止バー210は、蓋の長手方向側部203および横方向端部204の外向き表面を越えてバーから外向きに突出する複数の第1係止突起212を含む。本明細書でさらに説明するように、係止突起212の線形アレイは間隔をあけて配置され、隣接する係止突起の間に開口部213を形成し、キャスク本体101上の第2の係止突起214を通過させる。
【0065】
蓋200の長手方向側部203および横方向端部204はそれぞれ、少なくとも1つの係止バー210を含んでもよい。1つの好ましいが非限定的な実施形態によれば、図示のように、蓋の横方向端部204は一対の係止バー210を含み、蓋の長手方向側部203は、同様に一対の係止バーを含み得る。これは、本明細書でさらに説明するように、係止位置を維持するために係止バー間に独自の配置および相互作用を形成する。
【0066】
キャスク本体101上のボルトフリーのキャスク係止機構の対応する係止機能は、第2の係止突起214を含む少なくとも1つの第2の係止部材214aを含む。係止部材214aは、キャスク本体101の上部を含み得る。ここで、突起214および以下に説明する係止スロット216などの関連する特徴は、貯蔵空洞105の内部でキャスク本体と一体的に形成される。係止突起214は、本体の長手方向側壁103および横方向端壁104の上端部およびキャスク本体上部開口部106に隣接するキャスク本体上に線形配列で固定的に配置される。したがって、第2の係止突起214は静止しており、キャスク本体に対して移動できない。第2の係止突起214は、キャスク本体の長手方向側壁103および横方向端壁104の内面から核廃棄物貯蔵空洞105内に内側に突出する。したがって、第2の係止突起214は、キャスク本体の周囲全体に配置され、蓋200の第1の係止突起212とインターフェースする。
【0067】
第2の係止突起214の線形配列は、蓋の第1の係止突起212を通過させるために、隣接する係止突起の間に開口部215を形成するように離間されている。直線状に細長い係止スロット216が形成され、キャスク本体の長手方向側壁103および端壁104の各々の第2の係止突起214の直下でキャスク本体101内に凹入される。係止スロット216は、図示のように、キャスク本体の長手方向側壁103および横方向端壁104のそれぞれの第2の係止突起の少なくともすべての下に延びる長さを有する、連続的で途切れのない内側に開いた構造を形成する。したがって、係止スロット216は、キャスク本体の長手方向側壁および端壁の長さ/幅の大部分にわたって延在する。係止スロット216は、第2の係止突起214間の開口215と連通して、蓋200の第1の係止突起212が係止スロットに入る挿入経路を形成する。
【0068】
1つの好ましいが非限定的な構造では、第2の係止突起214と細長い係止スロット216との間の開口部215は、長手方向側壁103および横方向端壁104から材料を除去することによって、キャスク本体101に機械加工された凹部として形成され得る。したがって、残りの材料は、第2の係止突起214を浮き上がった(in relief)ままにする。したがって、この場合、第2の係止突起214は、キャスク本体材料の単一の一体的な部品として形成される。しかし、他の可能な構造では、第2の係止突起214は、キャスク本体101に溶接または他の方法で固定して取り付けられた別個の構造であってもよい。後者の可能な構造では、いかなる係止スロット216も形成されないが、それにもかかわらずキャスク係止機構は、蓋をキャスク本体に十分に係止し得る。さらに他の可能な構造では、第2の係止突起214および係止スロット216は、本明細書で前述した長手方向側壁103および端壁104と同じ複合構造を有する金属の直線状に細長い閉鎖バー上に形成され得る。閉鎖バーは、次に、各長手方向側壁および端壁の頂部に溶接されて、本明細書に示されているのと同じ構造を最終的に生成する。
【0069】
引き続き図10~18および22~28を参照すると、第1および第2の係止突起212、214は、長方形の構成を有するほぼブロック形状の構造であってもよい。好ましいが非限定的な一実施形態では、第1および第2の係止突起はそれぞれ、少なくとも1つの先細りの係止面217または218を有する係止ウェッジを画定するくさび形(wedge-shaped)であってもよい。係止突起は、蓋200上の第1の係止突起212の先細りの係止面がそれぞれキャスク本体101の対応する第2の係止突起214の先細りの係止面218の1つと摺動可能に係合可能となるように、構成され、配置され得る。1つの実施形態において、蓋200上の第1の係止突起212の先細りの係止面217は、その上面に形成されてもよく、キャスク本体101上の第2の係止突起214の先細りの係止面218はその底面に形成されてもよい。第1および第2の係止突起が係合して蓋をキャスク本体に係止すると、先細りの係止面217、218が摺動可能に係合し、その間にほぼ平坦な(flat-to-flat)界面を形成する。これにより、蓋200をキャスク本体101に向かって引き寄せてその間のガスケット220を完全に圧縮し、キャスク内部貯蔵空洞105とその核廃棄物内容物の気密シールを形成するくさび作用が生じる。
【0070】
先細りの係止面217および218は、好ましくは、同じテーパ角度A1(例えば、図29を参照)を有し、くさび(wedging)作用によって相互に摩擦係合するとき、それらの間にほぼ平坦な界面を形成する。任意の適切なテーパ角度A1を使用することができる。代表的であるが非限定的な一例では、テーパ角度A1は、好ましくは、約2°~20°であり得る。必要に応じて、他のテーパ角度を使用することもできる。
【0071】
蓋200上に第1の係止突起212を有する係止バー210は、第1および第2の突起212、214が相互に係合してキャスク本体101から蓋200の取り外し(例えば、図11を参照)を防止する係止位置または係止状態(例えば、図17Aを参照)と、キャスクの長手方向軸LAを横切る垂直方向にキャスク本体から蓋の取り外しを可能にするために第1および第2の突起が係合解除された係止解除位置または状態(例えば、図17Bを参照)との間で摺動可能に移動可能である。
【0072】
第1および第2の係止突起212、214を摩擦で連結するのに十分な加えられた力で係止バー210を動かし、同時に操作者への放射線量を最小限に抑えるために、遠隔蓋操作システムを設けることができる。このシステムは、係止バー210のそれぞれに動作可能に結合され、係止バー210を遠隔の放射線安全距離および領域から係止位置と係止解除位置との間で有利に移動させるように構成される。これにより、蓋対キャスク本体の閉鎖および係止プロセス中に、オペレーターがキャスクで係止バーを直接手動で操作する必要がなくなる。
【0073】
一実施形態では、遠隔操作式蓋操作システムは、蓋200の上面201に取り付けられ、係止バー210のそれぞれに結合されたローカルアクチュエータ240を備える。図27および28は、アクチュエータ240を分離して詳細に示している。各アクチュエータ240は、一般に、シリンダ245と、シリンダ内に摺動可能に収容された伸縮自在のピストンロッド242とを含むシリンダ-ピストン組立体241を備え得る組立体である。シリンダ-ピストン組立体は、蓋200に固定して取り付けられる。シリンダ245は、図示のように、管状の近位取り付け端242bを通過するボルト249を介して蓋に固定して取り付けられてもよい。ピストルロッド242は、蓋を貫通して形成された細長い操作スロット243を介して係止バー210に固定結合された管状の遠位作業端242aを有する。したがって、ピストンロッド242は、本明細書に記載の方法で係止バー210を動かす。一実施形態では、スロット243は、蓋に取り付けられる蓋インサートプレート243aに形成されてもよい。ねじ付きボルト249を使用して、上部取り付けブロック246および下部取り付けブロック247を含む中間ブロック組立体を介してピストンロッドを係止バー210に結合することができる。一部の実施形態では、上部ブロック246は、蓋インサートプレート243aの一体部分として形成されてもよい。ピストンロッド242は、上部取り付けブロック246にボルトで固定されている。上部取り付けブロック246は、上部取り付けブロックを貫通して延び、係止バー210と螺合する複数のねじ付きファスナ248を介して、下部取り付けブロック247に固定的に取り付けられている。(例えば、図28を参照)。取り付けブロック組立体は、蓋200およびキャスク本体101の係止突起212、214を係止係合へ駆動するためにシリンダ-ピストン組立体241が作動されるときに発生するせん断力に耐えることができる係止バー210へのピストンロッド242の堅牢な結合を提供する。
【0074】
シリンダ-ピストン組立体241は、(1)作動流体が油である油圧作動、または(2)作動流体が圧縮空気である空気圧作動のいずれかであり得る。オイルまたはエアホースは、シリンダ-ピストン組立体(図示せず)に流体的に結合され、提供されるシステムのタイプに応じて適切なバルブを備えたエアコンプレッサーまたは油圧ポンプを含む従来の方法で、リモートの油圧または空気圧制御ユニットから操作される。係止バーアクチュエータ240は、作動すると、ピストンロッド242を伸長または後退させることにより、係止バー210を係止位置と係止解除位置(図17Aおよび17B)との間でスライドさせるように機能する。係止バー210を移動させるための油圧手段または空気圧手段の使用は、係止バーに、係止バー210を手動で操作することによって提供されるよりも、蓋とキャスク本体の第1および第2の係止突起との間のくさび作用を介して緊密な係止係合を形成するより大きな力を加えることに留意すべきである。この利点は、操作要員または労働者の放射線量への曝露を回避することと相まって、本遠隔蓋操作システムの顕著な利点である。
【0075】
係止突起212、214と、核廃棄物キャスク100(すなわち、キャスク本体101に対する蓋200)を係止するための関連プロセス/方法との間の相互作用は、以下でさらに説明される。しかしながら、係止バー210の動きおよび機能は、最初にさらに説明される。
【0076】
図17Aおよび17Bは、蓋200上の係止バー210の係止位置および係止解除位置を示す。係止バーを係止位置に係止および保持して、蓋200がキャスク本体から意図せずに係止解除されるの(例えば、キャスクの輸送および取り扱い中(例:キャスクの持ち上げ、下降、または輸送車両/容器への積み込み)、または規制で想定されるキャスクの落下事象中に発生する実質的な力の影響から潜在的に生じる可能性がある。)を防止する安全機構として、保持機能が提供される。
【0077】
一実施形態では、蓋200の長手方向側部203上の係止バー210は、互いに向かって移動可能であり、図示の係止解除位置を形成し、互いに離れて図示の係止位置を形成する。逆に、蓋の横方向端部204の係止バー210は、互いに向かって移動可能であり、係止位置を形成し、互いから離れるように移動可能であり、係止解除位置を形成する。この明らかな二分法は目的を果たす。したがって、蓋の横方向端部204の係止バー210が配置され、係止位置で一緒に突き合わされると、蓋の長手方向側部203の係止バーの終端部分210aは、蓋の横方向端部204の係止バーと重なり合って係合し/離れて係止解除位置に動かされないように配置される(例えば、図17Aを参照)。これは、蓋の横方向端部係止バー210を係止位置に係止する第1の係止バー保持機能を形成する。
【0078】
第2の係止バー保持機能は、蓋200の長手方向側部203上の係止バー210に作用して、蓋の長手方向側部係止バーを係止位置に係止する。この保持機能は、キャスク本体101の長手方向側壁103のそれぞれに摺動可能に取り付けられた係止ハンドル組立体230を備える(例えば、図17A~B、19~21、および23~26を参照)。各係止ハンドル組立体230は、把持またはツールなどを介してユーザによって生成された加えられた力を受けるように構成された細長い近位ハンドル231、遠位の細長い係止ブロック233、および固定バー235を含む。係止ブロック233は、ハンドル231に、任意の適切な多角形または非多角形の断面形状の1つまたは複数の細長い結合ロッド232によって連結される。好ましくは、一対の結合ロッド232が提供される。固定バー235は、キャスク本体の長手方向側壁103の外面に固定的に取り付けられ(例えば、溶接)、ハンドル231の開口236を通して挿入可能な近位端235aを有する。近位端235aは、ハンドル組立体が完全に内側にあるときに開口236を通って突出し、所定の位置に固定できる(例えば、本明細書でさらに説明する図20を参照)。
【0079】
係止ハンドル組立体230は、キャスク本体101の各長手方向側壁103に配置されて、係止ブロック233をキャスク本体側壁の係止スロット216に手動で選択的に出し入れできるようにする。各長手方向側壁103に形成された窓234は、係止ブロック233がガイドチャネル216にアクセスできるようにする。より具体的には、窓234は、キャスク本体の長手方向側壁103の内側格納プレート110に形成され、完全に貫通して延在する。係止ブロック233は、係止バー210上の第1の係止突起212をキャスク本体の第2の係止突起214の下の係止スロット216に挿入し、それに沿って摺動可能に移動できるように、係止スロット216から格納プレート110内に完全に格納可能である。外側放射線量遮断プレート111は、2つの結合ロッド232が、内側格納プレート110の窓234内の遮断プレートの内側に配置された係止ブロック233に結合されることを可能にする一対の穴237を備える(例えば、図18を参照)。一対の円筒形取り付けフランジユニット239を使用して、各係止ハンドル組立体230をキャスク本体101の長手方向側壁103上の放射線量遮断プレート111に固定して取り付けることができる(例えば、図20を参照)。フランジユニット239は、外側遮断プレート111にボルト止め/ねじ止めまたは溶接することができる。フランジユニット239はさらに、係止ブロック233のキャスク本体の係止スロット216への最大内方突出を制限するスタンドオフとして機能する。結合ロッド232は、フランジユニットを通って内向き/外向きに摺動可能であり、係止ハンドル組立体230の位置を変更する。
【0080】
係止ハンドル組立体230は、ハンドル231を介して、(1)係止ブロック233が第2の係止突起214の下のキャスク本体101の係止スロット216内に突出する内側ブロック位置と、(2)係止ブロック233が係止スロットから完全に引っ込められる外側の非ブロック位置との間に移動可能である。非ブロック位置は、蓋200がキャスク本体101上に配置されたときに、第1の係止突起212を有する係止バー210が、係止位置と係止解除位置との間で係止スロット216に入り、前後にスライドすることを可能にする(両方とも本明細書で前述した)。係止バーが係止位置に来ると、蓋の長手方向側部203上の係止バーの各対の間にギャップGが形成される(例えば、図12および17Aを参照)。係止ハンドル組立体230を内側ブロック位置に動かすと、係止ブロック233が配置され、キャスク本体の各長手方向側壁103のギャップGを埋める(蓋200のガイドチャネル211内)。したがって、係止バー210は、それらの係止解除位置に一緒に引き戻すことができず、それにより、係止ブロック233と係止バーとの間の干渉により、係止バーを係止位置に係止する。長手方向側壁103上の係止バー210を係止解除位置に移動させるために、係止ブロック233は、係止ハンドル組立体230のハンドル231を介して最初に引き出され、ギャップGを再び開き、それにより、長手方向側壁係止バーが再び係止解除位置にスライドすることができる。
【0081】
各ハンドル組立体230が内側ブロック位置にあるとき、固定バー235の固定端235aは、ハンドル231の開口236を通って突出する。任意の適切な市販のケーブル-係止セキュリティタグまたは図示のシールタグ238は、固定バー235の穴235bを通して連結され、ハンドル組立体を内側ブロック位置に係止し得る。取り扱い中にキャスク100が衝突または落下した場合、蓋の係止を解除するためにハンドル組立体230を外側に動かすことができないため、蓋200はキャスク本体101に係止されたままになる。また、セキュリティタグは、蓋が係止位置にあることを操作担当者に視覚的に示す。これは、キャスク蓋200に放射性物質を装填し、キャスク本体101の1つの位置に係止し、その後、キャスクをより離れた受け取り場所に輸送する場合に特に有用である。受け取り場所の作業員は、蓋が係止された位置または状態にあることを容易に確認できる。
【0082】
前述の特徴を使用して核廃棄物貯蔵キャスク100を係止するためのプロセスまたは方法をここで簡単に説明する。図29~32は、蓋の取り付けおよびキャスクの係止プロセス中の第1および第2の係止突起212、214の間の関係を示す連続図である。
【0083】
プロセスまたは方法は、一般に、最初に蓋200の長手方向側壁103および横方向端壁104上の係止バー210を係止解除位置に配置し、係止ハンドル組立体230上の係止ブロック233を非ブロック位置に配置することを含む。非ブロック位置では、キャスク本体101の長手方向側壁103上の係止スロット216から係止ブロック233を引っ込ませる(図17Bを参照)。係止バークチュエータ240または手動手段を使用して、前述のステップを実行することができる。蓋200の長手方向側部203上の係止バー210は一緒であり、蓋の横方向端部204上の係止バーは離間して図示のようにその間にギャップGを形成する。蓋は、キャスク本体101の上に位置され、かつ位置合わせされ、蓋の第1係止突起212は、キャスク本体の第2係止突起214の間の開口部215と垂直に位置合わせされる(図29を参照)。
【0084】
次に、閉鎖蓋200が下げられ、キャスク本体101の上部開口部106の上に配置される。このステップは、最初に、蓋200の係止バー201上の第1の係止突起212の周辺アレイを、キャスク本体101の上部開口部の周りに配置された第2の係止突起214の周辺アレイ間に垂直に挿入する(図30)。蓋がキャスク本体101の上部に係合すると、第1の係止突起は、第2の係止突起214の間の開口部215を完全に通過し、第2の係止突起の下の位置で水平に細長い係止スロット216に入る(図31)。次に、第2の係止突起214は、第1の係止突起212の間の開口部213を通過し、第1の係止突起の上に配置される。
【0085】
プロセスまたは方法は、次に係止バー210をそれらの係止位置(図17Aおよび31)にスライドさせることで、底壁102に平行に配向された水平係止平面内で第2の係止突起214の下に第1の係止突起212を移動させ、係止スロット216を通過させることで継続する。このステップは、キャスクから離れた場所から係止バーアクチュエータ240の油圧または空気圧シリンダ-ピストン組立体241を作動させて、作業員の放射線被ばくを最小限に抑えることによって実行することができる。係止バー210をスライドさせると、蓋の第1の係止突起212が、キャスク本体101の第2の係止突起214の底面と摺動可能に摩擦係合する。具体的には、くさび形のロッキング突起212、214の先細りのロッキング面217、218は、生じるくさび作用を介してますますきつくなる摩擦係合で相互に係止されるようになる。これにより、蓋のみの重量を超える追加の力で蓋200がキャスク本体101上へおよびキャスク本体101に対して下方に引き寄せられて、ガスケット220が完全に圧縮し、キャスク空洞105が密閉する。ガスケットは、キャスク係止機構が作動して蓋をさらに下方に引き下げる前に、蓋200が最初にキャスク本体と係合するときよりもさらに圧縮されている。
【0086】
蓋200がキャスク本体101に完全に結合されたので、係止ハンドル組立体230は、キャスク本体101の長手方向側部103上の係止バー210の各対の間に係止ブロック233を挿入するために、それらの内側ブロック位置に移動され得る。これにより、長手方向側部係止バーの摺動と係止解除が防止される(図17A)。したがって、ハンドル組立体は、キャスクの長手方向側壁103上の係止バーの係止位置を保持し、これは、本明細書で前述したように、キャスク端壁上の係止バーを係止位置に保持する。
【0087】
一実施形態において、係止突起212を有する係止バー210は、蓋200に摺動可能に取り付けられるものとして本明細書に示され、説明され、係止突起214は、キャスク本体101に固定して取り付けられるものとして示され、説明されているが、他の実施形態では、配置を逆にすることができることに留意すべきである。したがって、係止バー210は、キャスク本体に形成されたガイドチャネル211に摺動可能に取り付けられ、代わりに、固定係止突起214は閉鎖蓋に固定的に取り付けられ得る。この代替構成は、同じ利点を提供し、本明細書で前述したのと同じ方法で操作される。次に、係止バー油圧または空気圧アクチュエータ240は、係止バー210を操作するためにキャスク本体に取り付けられる。
【0088】
係止バー210および係止突起212、214を有するキャスク係止機構は、本明細書では、箱形の直方体のキャスク本体および矩形の蓋に適用されるものとして示され、説明されているが、係止機構は、従来の円筒形のキャスク本体と円形の蓋に適用されても同様の利益をもたらす。固定された第2の係止突起214は、円筒形のキャスク本体または蓋のいずれかに配置することができ、係止バー210は、キャスク本体または蓋の他方に取り付けることができる。円筒キャスク用途の係止バーおよびガイドチャネルは、弓状に湾曲し、キャスク本体または円形蓋のいずれかに取り付けられている場合、本明細書で前述した油圧または空気圧係止バーアクチュエータ240を介して操作することができる。あるいは、係止突起212、214の両方を円筒形のキャスク本体および蓋に固定して取り付けることができ、摺動可能な係止バーを省略することができる。この場合、蓋を円筒形のキャスク本体に対して単に回転させて、くさび形の係止突起と摺動可能かつ摩擦的に係合して、ブリーチ係止タイプのクロージャを形成することができる。蓋は、油圧/空気圧アクチュエータからの補助によって回転させることができる。キャスク係止機構の前述の代替実施形態および本明細書ですでに提供された説明に基づいて、過度の実験を行うことなくこれらのオプションのいずれかを実施することは当業者の範囲内である。
【0089】
一般的に図1~10および21~23を参照すると、キャスク100および封じ込めバリアを、キャスクが輸送および取り扱い中に強制的に衝撃または落下された場合に過度の損傷から保護するために、衝撃吸収システムが提供される。一実施形態では、キャスク本体101の長手方向側壁103および横方向端壁104のそれぞれは、それに固定的に結合された複数の外側に突出する衝撃吸収バー140を備える。密閉蓋200およびキャスク本体の底面102はまた、それらに固定的に結合された複数の衝撃吸収バー140を含み得る。バー140はそれぞれ、想定されるキャスク衝突/落下事象に耐えるための規制要件(例えば、原子力規制委員会またはNRC)を満たすのに適切なパターンで、そして適切な位置に構成および配置され得る。一実施形態では、衝撃吸収バー140は、意図した目的に適した厚さと寸法の長方形ブロックとして構成することができる。キャスク本体101の長手方向側壁103上の係止ハンドル組立体230は、各側で組立体に近接して配置された少なくとも一対の吸収バー140の間でそれぞれ保護され得る。これらの保護衝撃吸収バーは、キャスク本体の長手方向側壁103の外面に対して垂直に測定された深さを有して、ハンドル組立体230がバーを越えて外側に突出しないようにする。一実施形態では、衝撃吸収バー140は、キャスク本体および蓋にボルトで固定することができる(例えば、図23~26を参照)。これにより、キャスクの落下/衝撃事象中にバーが損傷した場合でも、バーを簡単に交換できる。他の実施形態では、バー140はそれに溶接されてもよい。
【0090】
キャスク本体101の各角107および蓋200の角205は、角領域に固定的に結合された角衝撃吸収体141によって保護され得る。キャスク本体の蓋と隣接する上部角領域、およびキャスク本体の底壁102と隣接する下部角領域をそれぞれ覆い、遮蔽するために、上部および下部角衝撃吸収体のセットが設けられる。一実施形態では、角衝撃吸収体141は、内側角ブラケット142と、それに固定的に結合された外側角ブロック143とを含む組立体であってもよい。内側角ブラケット142は、本体の下隅でキャスク本体101に固定結合され、上隅で蓋および/またはキャスク本体に固定結合されてもよい。一実施形態では、内側角ブラケット142および角ブロック143は、本明細書に示されるように、蓋200に固定して連結され、蓋200とともに移動可能である。内側角ブラケット142は、キャスク本体および蓋の直角の角に適合するように構成された内向きの凹状の凹部を有する。外側角ブロック143は、内側角ブラケット142の外形に適合するように構成された凹状の凹部を有する。上隅の衝撃吸収体141は、蓋から垂直に下向きにキャスク本体の上隅を覆って延び、キャスク本体101と蓋200の両方の隅の側部領域の周りを長手方向および横方向に水平に包む。上部角衝撃吸収体はまた角で蓋の上部を部分的に覆う。下部角衝撃吸収体141は、キャスク本体101および底壁102の隅の側部領域の周りを長手方向および横方向に水平に包み、部分的に底壁の下にある。一実施形態では、内側角ーブラケット142および外側角ブロック143は、ねじ付きファスナを介して一緒にボルト締めまたはねじ止めすることができる。内側角ブラケット142は、キャスク本体101およびキャスク本体および/または蓋200に、必要に応じてネジ留め具を介してボルト締めまたはねじ止めされてもよい。
【0091】
キャスク100の取り扱いを容易にするために、キャスク本体101の長手方向側壁103の各々は、それに固定的に取り付けられた複数の外向きに突出する持ち上げトラニオン150を含むことができる。持ち上げトラニオン150は、構成がほぼ円筒形であり、当技術分野で知られている一実施形態では格納式である。蓋200は、蓋を取り扱うための複数の持ち上げラグ151を含むことができる。ラグ151は、蓋にしっかりと取り付けられている。持ち上げラグは、一実施形態では、構成がほぼ円筒形であってもよい。キャスク本体と蓋を安全に持ち上げて操作するために、必要に応じて適切な数の持ち上げトラニオンとラグを設けることができる。キャスク本体および蓋の重量を安定した方法で持ち上げて操作するのに適した、持ち上げトラニオンおよびラグの他の構成および構造が提供されてもよい。
【0092】
前述の説明および図面はいくつかの例示的なシステムを表しているが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲および均等物の範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、修正、および置換を行うことができることが理解されよう。特に、当業者には、本発明が、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率、サイズ、および他の要素、材料、および構成要素で具現化され得ることが明らかであろう。さらに、本明細書に記載された方法/プロセスにおいて多数の変更を行うことができる。当業者はさらに、本発明が、構造、配置、比率、サイズ、材料、および構成要素の多くの修正と共に使用されてもよく、そうでなければ、特定の環境に特に適合され、動作する本発明の実施において使用されてもよいことを理解するであろう。本発明の原理から逸脱することなく、要件を満たしている。したがって、現在開示されている実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義され、前述の説明または実施形態に限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本発明の均等物の範囲および範囲から逸脱することなく当業者によってなされ得る、本発明の他の変形および実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
なお、本開示は以下の通りです。
1.放射性物質を収容するためのキャスクであって、
キャスクの内部貯蔵空洞への通路を形成する開口部を含むキャスク本体と、
前記キャスク本体に取り外し可能に結合されて前記開口部を密閉するように構成された閉鎖蓋と、
少なくとも1つの第1の係止部材および少なくとも1つの第2の係止部材を含む係止機構であって、前記第1および第2の係止部材は互いに対して摺動可能であり、それにより前記係止機構を(1)前記閉鎖蓋を前記キャスク本体から取り外すことができる第1の状態と、(2)前記第1および第2の係止部材が互いに係合して前記閉鎖蓋が前記キャスク本体から取り外されるのを防止する第2の状態の間で変更する、係止機構と、
を備える、キャスク。
2.前記係止機構が前記第1の状態から前記第2の状態に変更されると、前記閉鎖蓋と前記キャスク本体とが一緒に引っ張られて前記内部貯蔵空洞を流体的に密閉するように構成されている、1に記載のキャスク。
3.前記係止機構が前記前記第1の状態から前記第2の状態に変更されるとき、前記第1および第2の係止部材が互いに対して平行移動する、1または2に記載のキャスク。
4.前記キャスク本体と前記閉鎖蓋との間の界面に位置するガスケットをさらに含み、前記ガスケットは、前記第1の状態よりも前記第2の状態でより多く圧縮される、1~3のいずれか一項に記載のキャスク。
5.前記第1および第2の係止部材の一方が前記キャスク本体または前記閉鎖蓋に対して固定され、そして前記第1および第2の係止部材の他方が前記キャスク本体および前記閉鎖蓋の両方に対して摺動可能である、1~4のいずれか一項に記載のキャスク。
6.前記係止機構は、前記第2の状態においてねじ付きファスナを含まない、1~5のいずれか一項に記載のキャスク。
7.前記第1の係止部材が複数の離間した第1の係止突起を備え、前記第2の係止部材が前記蓋を前記キャスク本体に係止するように前記第1の係止突起と選択的にインターロック可能な複数の離間した第2の係止突起を備える、1~6のいずれか一項に記載のキャスク。
8.前記第1の係止突起を有する前記第1の係止部材が前記蓋上に配置され、前記第2の係止部材が、前記第2の係止突起が前記キャスク本体上に固定配置されている前記貯蔵空洞内の前記キャスク本体の部分を含む、7に記載のキャスク。
9.前記第1および第2の係止突起はそれぞれ、先細りの第1および第2の係止面を画定するくさび形であり、前記第1の係止面は、前記係止機構が前記第2の状態にあるとき、前記第2の係止面と摺動可能に係合することができる、7または8に記載のキャスク。
10.前記第1の係止面が前記第2の係止面と摩擦係合し、前記蓋を前記キャスク本体に向かって及び前記キャスク本体に対して引き寄せるくさび作用を介して前記蓋を前記キャスク本体に係止する、9に記載のキャスク。
11.前記第1の係止部材が細長い係止バーを含み、前記第1の係止突起がその上に配置され、前記係止バーが前記蓋に形成された対応する細長いガイドチャネル内に摺動可能に配置されて、前記係止バーが前記蓋に対して可動である、8~10のいずれか一項に記載のキャスク。
12.前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の間に挿入可能であり、その逆も可能である、8~11のいずれか一項に記載のキャスク。
13.前記係止バーは、前記蓋が前記キャスク本体に結合されるとき、前記キャスク本体に対して前記蓋を動かすことなく、前記第1および第2の係止突起を連結するように移動可能である、11に記載のキャスク。
14.前記係止バーは、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを防止するために前記第1および第2の突起が相互に係合する係止位置と、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを可能にするために前記第1および第2の突起が外される係止解除位置との間で移動可能である、11~13のいずれか一項に記載のキャスク。
15.前記係止バーが前記係止位置にあるとき、前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の下に配置される、14に記載のキャスク。
16.前記第1の係止突起が、前記第2の係止突起の下の前記キャスク本体の前記第2の係止部材に形成された細長く内側に開いた係止凹部内に受け入れられ、摺動可能である、8~15のいずれか一項に記載のキャスク。
17.前記第1の係止部材に結合され、前記第1の係止部材をスライドさせて前記係止機構を前記第1の状態と前記第2の状態との間で変更するように動作可能な油圧または空気圧アクチュエータをさらに備える、1~16のいずれか一項に記載のキャスク。
18.各アクチュエータが、前記第1の係止部材に固定結合された伸縮自在のピストンロッドを含む、17に記載のキャスク。
19.前記キャスク本体に取り付けられた係止ハンドル組立体をさらに備え、前記係止ハンドル組立体は、前記係止機構を前記第2の状態に保持するように構成され、移動可能である、5~18のいずれか一項に記載のキャスク。
20.前記キャスク本体が細長い直方体の構成を有し、前記蓋が長方形の構成を有する、1~19のいずれか一項に記載のキャスク。
21.前記蓋が複数の第1の係止部材を含み、前記キャスク本体が互いに摺動可能に係合できる複数の第2の係止部材を含む、20に記載のキャスク。
22.放射性物質を収容するためのキャスクであって、
長手方向軸と、
放射性廃棄物を保持するように構成された非円筒形断面構成の内部貯蔵空洞への入口を形成する上部開口部を画定する軸方向に細長いキャスク本体と、
前記上部開口部で前記キャスク本体に取り外し可能に結合された閉鎖蓋と、
を備える、キャスク。
23.前記キャスク本体が直方体形状を有し、前記蓋が複数の角を画定する長方形形状を有する、22に記載のキャスク。
24.前記キャスク本体は、底壁、前記底壁に取り付けられた一対の長手方向側壁、および前記側壁間の前記底壁の両端に取り付けられた一対の横方向端壁を含み、
前記端壁および前記側壁は、軸方向に細長い前記開口部を取り囲み、画定する上端を有し、
各側壁と前記端壁との交差によって、前記キャスク本体の複数の角領域が画定される、23に記載のキャスク。
25.前記キャスク本体の前記側壁および前記端壁のそれぞれが、外側に突出する複数の衝撃吸収バーを備える、24に記載のキャスク。
26.前記衝撃吸収バーは、ねじ付きファスナで前記端壁および前記側壁に取り外し可能に取り付けられる、25に記載のキャスク。
27.前記蓋の各角に固定結合された複数の角衝撃吸収体をさらに備える、23~26のいずれか一項に記載のキャスク。
28.前記角衝撃吸収体の各々が、前記蓋の各角に固定結合された内側角ブラケットと、前記内側角ブラケットに固定結合された外側角ブロックと、を備える、27に記載のキャスク。
29.前記蓋が前記キャスク本体に結合されたとき、前記角衝撃吸収体はそれぞれ、前記キャスク本体のそれぞれの角領域にわたって下方に延びる、27または28に記載のキャスク。
30.前記角衝撃吸収体の各々が、前記蓋の側部および端部領域ならびに前記キャスク本体の前記角領域の1つの周りを長手方向および横方向に包む、27~29のいずれか一項記載のキャスク。
31.前記蓋を前記キャスク本体に係止するように、前記キャスク本体上で間隔をあけて配置された複数の第2の係止突起と選択的にインターロック可能である、前記蓋上で間隔をあけて配置された複数の第1の係止突起を含むボルトフリーのキャスク係止機構をさらに備える、22~30のいずれか一項に記載のキャスク。
32.前記第1の係止突起が前記蓋の全側面の周囲に間隔をあけて配置され、前記第2の係止突起が前記キャスク本体の上部開口部全体の周囲に間隔をあけて配置される、31に記載のキャスク。
33.前記蓋の前記第1の係止突起が、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の間に挿入可能であり、その逆も可能である、31または32に記載のキャスク。
34.前記蓋の前記第1の係止突起のグループが、前記蓋に形成された対応する細長いガイドチャネル内に摺動可能に配置された複数の細長い係止バー上に固定配置され、前記第1の係止突起を有する係止バーが前記蓋に対して移動可能である、33に記載のキャスク。
35.前記キャスク本体の前記第2の係止突起が、前記開口部に隣接する前記キャスク本体の前記長手方向側壁および前記横方向端壁のそれぞれの頂部付近に固定結合される、34に記載のキャスク。
36.前記第1の係止突起は、前記蓋が前記キャスク本体に結合されているときに前記キャスク本体に対して前記蓋を動かさずに前記蓋を前記キャスク本体に係止するように、前記係止バーを介して前記キャスク本体の前記第2の係止突起に対して摺動可能である、34または35に記載のキャスク。
37.前記係止バーは、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを防止するために前記第1および第2の突起が相互に係合する係止位置と、前記キャスク本体からの前記蓋の取り外しを可能にするために前記第1および第2の突起が外される係止解除位置との間で移動可能である、36に記載のキャスク。
38.前記係止バーが前記係止位置にあるとき、前記蓋の前記第1の係止突起は、前記キャスク本体の前記第2の係止突起の下に配置される、37に記載のキャスク。
39.前記第1の係止突起が、前記第2の係止突起の下の前記キャスク本体の前記長手方向側壁および前記端壁に形成された長手方向に細長く内側に開いた摺動凹部内に受け入れられ、摺動可能である、38に記載のキャスク。
40.前記第1の係止突起がそれぞれくさび形で、先細りの第1の係止面を画定し、前記第2の係止突起がそれぞれくさび形で、前記第1係止面の1つと摺動可能に係合可能な先細りの第2の係止面を画定する、31~39に記載のキャスク。
41.前記第1の係止突起の前記先細りの係止面は、前記第2の係止用突起の前記先細りの係止面と摩擦係合可能であり、それにより、前記蓋を引き寄せるくさび作用を介して前記蓋を前記キャスク本体に係止する、40に記載のキャスク。
42.前記キャスク本体と前記蓋との界面との間の界面に配置されたガスケットをさらに備え、前記ガスケットは、前記蓋が前記キャスク本体に対して引き寄せられると、前記くさび作用によって圧縮される、41に記載のキャスク。
43.前記蓋が、一対の長手方向側部および一対の横方向端部を備え、前記長手方向側部および前記横方向端部のそれぞれが、第1の係止突起を有する少なくとも1つの係止バーを含む、34~42のいずれか一項に記載のキャスク。
44.前記蓋の長手方向側部の各々は、一対の係止バーを含み、前記長手方向側部上の前記係止バーは、互いに向かって移動可能であるため、前記係止解除位置を形成し、互いに離れるように移動可能であるため、前記係止位置を形成する、43に記載のキャスク。
45.前記蓋の横方向端部の各々は、一対の係止バーを含み、前記横方向端部の前記係止バーは、前記係止位置を形成するために互いに向かって移動可能であり、前記係止解除位置を形成するために互いに離れるように移動可能である、44に記載のキャスク。
46.前記蓋の前記横方向端部上の前記係止バーが一緒に前記係止位置に配置されると、前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーの端部が、前記蓋の前記横方向端部上の前記係止バーと係合して前記係止解除位置に離れないように配置される、45に記載のキャスク。
47.前記係止バーを前記蓋に対してスライドさせるために、前記係止バーのそれぞれに結合された油圧または空気圧アクチュエータをさらに備える、34~46のいずれか一項に記載のキャスク。
48.各アクチュエータが、前記蓋のスロットを通してそれぞれの係止バーに固定して結合された伸縮自在のピストンロッドを含む、47に記載のキャスク。
49.前記キャスク本体の前記長手方向側壁のそれぞれに摺動可能に取り付けられた係止ハンドル組立体をさらに備え、前記係止ハンドル組立体は、前記蓋の前記ガイドチャネルの内外に選択的に移動可能な遠位係止ブロックを含む、44~48のいずれか1項に記載のキャスク。
50.前記係止ハンドル組立体が、前記係止ブロックが前記蓋の前記ガイドチャネル内に配置されて、前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーが前記係止位置から外れて移動するのを防止する内側ブロック位置と、前記係止ブロックが前記ガイドチャネルから取り外されて前記蓋の前記長手方向側部上の前記係止バーが前記係止位置と前記係止解除位置との間で自由に移動可能となっている外側非ブロック位置との間で移動可能である、49に記載のキャスク。
51.放射性廃棄物貯蔵キャスクを係止する方法であって、
内部貯蔵空洞に通じる開口部を覆ってキャスク本体に閉鎖蓋を配置することと、
前記開口部の周りの前記キャスク本体に配置された第2の係止突起の周辺アレイの間に、前記蓋の第1の係止突起の周辺アレイを挿入することと、
前記第1の係止突起を前記第2の係止突起の下に摺動可能に移動させることと、
前記第1の係止突起を前記第2の係止突起と摩擦係合することと、
を含み、前記キャスク本体から前記蓋を取り外すことができない、方法。
52.前記第1の係止突起が、前記蓋に摺動可能に取り付けられた複数の係止バー上に離間したグループで配置され、前記係止バーが前記蓋に対して摺動可能である、51に記載の方法。
53.前記摺動可能に移動させることは、前記第1の係止突起が前記第2の係止突起と係合しない係止解除位置から、前記第1の係止突起が前記第2の係止突起の下に位置する係止位置まで、前記係止バーのそれぞれをスライドさせることを含む、52に記載の方法。
54.前記摩擦係合することが、前記第1の係止突起のそれぞれの先細りの係止面を、前記第2の係止突起のそれぞれにある対応する先細りの係止面と係合させて、くさび作用で前記キャスク本体に前記蓋を係止させることを含む、51~53のいずれか一項に記載の方法。
55.前記第1および第2の係止突起の前記先細りの係止面を係合させることにより、前記蓋が前記キャスク本体に対して引き寄せられ、しっかりと係合する、54に記載の方法。
56.前記蓋が前記キャスク本体に対して引き寄せられるときに、前記蓋と前記キャスク本体との間のガスケットを圧縮することをさらに含む、55に記載の方法。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32