(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】グリッド上の荷積み取り扱いデバイスを充電するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240805BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240805BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
H02J7/02 A
H02J7/00 301D
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2022564293
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2021060514
(87)【国際公開番号】W WO2021214206
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フリン、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】コーサー、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】シバートン、サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ナダル、ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】パッセッティ、ジョバンニ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503731(JP,A)
【文献】特開2018-067110(JP,A)
【文献】特開2019-161721(JP,A)
【文献】特開2011-182521(JP,A)
【文献】特表2016-529181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ(10)のスタック(12)の上方にグリッドパターンで配置された経路を支持するグリッドフレームワーク構造(14)を備える保管システムにおいて積み重ねされた1つまたは複数のコンテナ(10)を持ち上げて移動させるための荷積み取り扱いデバイス(30)であって、
(i)前記グリッドフレームワーク構造(14)上で荷積み取り扱いデバイス(30)を移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する車両本体(32)と、
(ii)使用時に、下降位置にあるときに、コンテナ(10)を解放可能に把持し、上昇位置にあるときに、前記コンテナ(10)を前記スタック(12)からコンテナ受入空間(40)内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイス(39)を備える持上げデバイスと、ここにおいて、前記持上げ駆動組立体および/または前記駆動機構が、電気負荷(68)を形成する少なくとも1つのモータを備える、
(iii)前記電気負荷(68)に電力供給するためにエネルギーを提供するための再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)と、
(iv)前記車両本体(32)上に配置された少なくとも1つの電気チャージ受容要素(70)を備える前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)を充電するための第1の部分(64)と、前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)から前記電気負荷(68)にエネルギーを送達するための第2の部分(66)とを備える充電システム(60)と、前記充電システムの前記第2の部分(66)は、DC/DCコンバータ(74)が前記電気負荷(68)の両端に所定の直流電圧を与えるように構成されるように、前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)と前記電気負荷(68)の間に位置付けられた前記DC/DCコンバータ(74)を備える、
(v)補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段(102)
を備え、前記電気負荷(68)は、前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)と前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段(102)との間で共用され、前記グラバーデバイス(39)は、前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段(102)を
備え、
ここにおいて、前記車両本体(32)は、ワイヤレス充電送信コイルを備え、前記グラバーデバイス(39)が上昇位置にあるときに、前記グラバーデバイス(39)は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える、荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項2】
前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段(102)は、1つもしくは複数のバッテリおよび/または1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールを備える、請求項1に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項3】
前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)は再充電可能バッテリである、請求項1または2に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項4】
前記再充電可能エネルギー貯蔵手段(62)は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体である、請求項1または2に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項5】
前記充電システムの前記第1の部分(64)は、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素(70)と前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられた絶縁スイッチ(84)をさらに備え、ここにおいて、コントローラが、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体から前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素(70)を絶縁するために前記絶縁スイッチ(84)を作動させるように動作する、請求項4に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項6】
前記コントローラは、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の充電電圧に到達するのに応答して、前記絶縁スイッチ(84)を作動させるように構成される、請求項5に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項7】
前記充電システムの前記第2の部分(66)は、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体からの電気エネルギーが前記DC/DCコンバータ(74)を通って流れることを可能にするための第1の位置と、前記電気負荷(68)から回生された電気エネルギーが前記DC/DCコンバータ(74)をバイパスして前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に向かうように、前記DC/DCコンバータ(74)をバイパスするための第2の位置とを有するバイパススイッチ(88)を備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項8】
前記バイパススイッチ(88)を前記第1の位置から前記第2の位置へ作動させるように動作する制御ユニット(86)をさらに備える、請求項7に記載の荷積み取り扱いデバイス
(30
)。
【請求項9】
前記制御ユニット(86)は、前記電気負荷(68)の両端の電圧が所定の電圧を超えたとき、前記バイパススイッチ(88)を前記第1の位置から前記第2の位置へ作動させるように動作する、請求項8に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項10】
前記DC/DCコンバータ(74)は、第1のDC/DCコンバータ(74)であり、前記充電システム(60)の前記第1の部分(64)は、前記第1のDC/DCコンバータ(74)の上流に第2のDC/DCコンバータ(82)を備え、前記第2のDC/DCコンバータ(82)は、前記少なくとも1つのチャージ受容要素(70)と前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられる、請求項4から9のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項11】
前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体(62)は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体であり、前記荷積み取り扱いデバイスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの前記第1の組立体の下流に第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段(100)をさらに備え、前記第1のDC/DCコンバータ(74)が前記第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段(100)の両端に所定の電圧を与えるように構成されるように、前記第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段(100)は、前記第1のDC/DCコンバータ74と前記電気負荷(68)の間に位置付けられる、請求項10に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項12】
前記グラバーデバイス(39)は、4つのコーナー部、上側部、および下側部を備えるフレームと、コンテナ(10)に係合するための少なくとも2つの把持要素(106)とを備え、前記持上げ駆動組立体は、前記車両本体(32)内の上昇位置から下降位置への垂直方向に前記グラバーデバイス(39)を移動させるように前記持上げ駆動組立体が配置されるように、スプールまたはリールに巻かれた一端部と、前記グラバーデバイス(39)に接続された第2の端部とを有するウインチケーブル(38)を備えるウインチ機構を備え、ここにおいて、前記電気負荷(68)は、前記少なくとも2つの把持要素(106)のそれぞれを作動させるための1つまたは複数の回転ソレノイドをさらに備える、請求項1から11いずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項13】
前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段(102)は前記フレームに取り付けられる、請求項12に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項14】
前記充電システムの前記第1の部分は、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素がAC電力供給源から電力を受け取るように構成されるように、AC/DCコンバータをさらに備える、請求項4から13いずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項15】
前記AC/DCコンバータは、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素が、三相AC電源の3つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合するための3つの電気チャージ受容接触面を備えるように、三相整流器である、請求項14に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える、請求項14に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)。
【請求項17】
保管システムであって、
(i)複数の直立コラム(16)の間に積み重ねられ前記直立コラム(16)により垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナ(10)のための複数の垂直保管場所を形成するように配置された前記複数の直立コラム(16を備えるグリッドフレームワーク構造(14)と、ここにおいて、前記複数の直立コラム(16)は、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材(18)と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材(20)とによって相互連結され、前記第2のセットのグリッド部材(20)は、複数のグリッドセル(23)を備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に前記第1のセットのグリッド部材(18)に対して延びている、
(ii)前記グリッドフレームワーク構造(14)において積み重ねられたコンテナ(10)を持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス(30)と、前記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス(30)のそれぞれは、請求項4から15のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)を備える、
(iii)前記荷積み取り扱いデバイス(30)の少なくとも1つの電気チャージ受容要素(70)と電気的に結合するための充電ヘッド(52)を備える充電ステーション(50)と
を備える保管システム。
【請求項18】
保管システムであって、
(i)複数の直立コラム(16)の間に積み重ねられ前記直立コラム(16)により垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナ(10)のための複数の垂直保管場所を形成するように配置された前記複数の直立コラム(16)を備えるグリッドフレームワーク構造(14)と、ここにおいて、前記複数の直立コラム(16)は、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材(18)と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材(20)とによって相互連結され、前記第2のセットのグリッド部材(20は、複数のグリッドセル(23)を備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に前記第1のセットのグリッド部材(18)に対して延びている、
(ii)前記グリッドフレームワーク構造(14)において積み重ねられたコンテナ(10)を持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス(30)と、前記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス(30のそれぞれは、請求項16に記載の荷積み取り扱いデバイス(30)を備える、
(iii)AC電源に電気的に結合された充電ヘッド(52)を備える充電ステーション(50)と、前記充電ヘッド(52)は、前記荷積み取り扱いデバイス(30)の前記ワイヤレス充電受信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電送信コイルを備える、を備える保管システム。
【請求項19】
請求項17または18に記載の保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイス(30)を動作させる方法であって、
(i)再充電時間として定義される時間の期間に、48Vから100Vの範囲の電圧限界を有する1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するステップと、
(ii)第1のグリッドセルを訪問するステップと、
(iii)前記第1のグリッドセルからコンテナ(10)を持ち上げるステップと、 (iv)前記コンテナ(10)を第2のグリッドセルに移送するステップと、
(v)前記コンテナ(10)を前記第2のグリッドセル内に下降させるステップと、 (vi)前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の閾値電圧に到達するまで動作時間にわたってステップ(ii)からステップ(v)を繰り返すステップと、
(vii)前記所定の閾値電圧が1つまたは複数のスーパーキャパシタの電圧制限の10%から50%の範囲であるように、DC/DCコンバータによるスーパーキャパシタの組立体にわたる前記電圧を調整するステップと、
を備える、方法。
【請求項20】
前記荷積み取り扱いデバイスと前記充電ステーションとの間の距離は、0から28グリッドセルの範囲内である、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ねられたコンテナのグリッドを備える保管庫(store)において保管コンテナまたは容器(bin)を取り扱うための荷積み取り扱いデバイスの分野に関し、より詳細には、荷積み取り扱いデバイスの充電システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ/容器が互いの上に積み重ねられる3次元保管グリッド構造を備える保管システムがよく知られている。PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、容器またはコンテナのスタックがグリッドフレームワーク構造内に配置されている既知の保管および履行システムを説明している。容器またはコンテナは、グリッドフレームワーク構造の上に位置付けられている軌道上で動作する荷積み取り扱いデバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムは、添付図面の
図1から
図3に概略的に示されている。
【0003】
図1および
図2に示されるように、容器10として知られる積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように互いの上に積み重ねられる。前記スタック12は、倉庫または製造環境においてグリッドフレームワーク構造14内に構成される。前記グリッドフレームワークは、複数の保管コラムまたはグリッドコラムで構成される。前記グリッドフレームワーク構造における各グリッドは、コンテナのスタックの保管のための少なくとも1つのグリッドコラムを有する。
図1は、グリッドフレームワーク構造14の概略斜視図であり、
図2は、フレームワーク構造14内に配置された容器10のスタック12を示す上面図である。各容器10は、典型的には複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、容器10内の製品アイテムは、同じであってよく、または用途に応じて異なる製品タイプのものであってもよい。
【0004】
前記グリッドフレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材16を備える。第1のセットの平行水平部材18が、直立部材16により支持された複数のグリッドセル23を備える複数の水平グリッド構造を形成するように、第2のセットの平行水平部材20に対して直角に配置される。前記部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。グリッドフレームワーク構造14が、容器10のスタック12の水平移動を防止し、容器10の垂直移動をガイドするように、容器10は、グリッドフレームワーク構造14の部材16、18、20の間でグリッドセル23内に積み重ねられる。
【0005】
グリッドフレームワーク構造14の上面は、スタック12の上部にわたって複数のグリッドセル23を備えるグリッドパターンで配置されたレール22を含む。さらに
図3を参照すると、レール22は、複数の荷積み取り扱いデバイス30を支持している。平行レール22の第1のセット22aが、グリッドフレームワーク構造14の上部にわたって第1の方向(例えば、X方向)にロボット荷積み取り扱いデバイス30の移動をガイドし、第1のセット22aに直角に配置された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して直角の第2の方向(例えば、Y方向)に荷積み取り扱いデバイス30の移動をガイドする。このように、レール22は、水平X-Y平面において2次元で横方向にロボット荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のいずれかの上の位置に移動され得る。
【0006】
車両本体32を備える
図4および
図5に示される既知の荷積み取り扱いデバイス30は、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公開番号WO2015/019055号(Ocado)に記載されており、各荷積み取り扱いデバイス30は、グリッドフレームワーク構造14の1つのグリッド空間またはグリッドセル23のみをカバーしている。ここで、前記荷積み取り扱いデバイス30は、第1の方向にデバイスの移動をガイドするために第1のセットのレールまたは軌道と係合するための車両本体32の前部の一対の車輪および車両32の後部の一対の車輪34からなる第1のセットの車輪34と、第2の方向にデバイスの移動をガイドするために第2のセットのレールまたは軌道と係合するための車両32の各側部の一対の車輪36からなる第2のセットの車輪36とを備える、車輪組立体を備える。セットの車輪のそれぞれは、レールに沿ってそれぞれX方向およびY方向に車両の移動を可能にするように1つまたは複数のモータによって駆動される。一方または両方のセットの車輪を垂直に移動させて各セットの車輪をそれぞれのレールから離して持ち上げることができ、それにより、車両が所望の方向に移動することを可能にする。
【0007】
荷積み取り扱いデバイス30は、上方から最大30kgの重量を有し得る保管コンテナを持ち上げるために、1つまたは複数のモータによって駆動される持上げデバイスまたはクレーン機構を装備している。前記クレーン機構は、スプールまたはリール(図示せず)に巻かれたウインチテザーまたはケーブル38と、グラバーデバイス(grabber device)39とを備える。前記持上げデバイスは、垂直方向に延び、持上げフレーム39の四隅またはその近くに接続された持上げテザー38のセットを備え、持上げフレーム39は、保管コンテナ10に対する解放可能な接続のためのグラバーデバイス(グラバーデバイスの四隅の各々の近くに一本のテザーがある)としても知られている。前記グラバーデバイス39は、
図1および
図2に示されるタイプの保管システム内のコンテナのスタックから保管コンテナ10を持ち上げるために、保管コンテナ10の上部を解放可能に把持するように構成される。
【0008】
前記車輪34、36は、下方部において、コンテナ受入凹部40として知られる空洞または凹部の周囲に配置されている。凹部は、
図5(a)および
図5(b)に示されるように、コンテナ10がクレーン機構によって持ち上げられたときにコンテナ10を収容する大きさにされている。凹部にあるとき、コンテナは、異なる場所へ車両が横方向に移動できるように、下のレールから離して持ち上げられる。目標の場所、例えば、別のスタック、保管システムにおけるアクセスポイント、またはコンベアベルトに到達すると、容器またはコンテナはコンテナ受入部から下降され、グラバーデバイスから解放され得る。
【0009】
図1から
図3には示されていないが、荷積み取り扱いデバイス30は、オンボード再充電可能バッテリによって動作中に電力供給される。再充電可能バッテリの例として、リチウムイオン電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素化物電池、リチウムイオンポリマー電池、薄膜電池、およびスマートバッテリカーボンフォームベースの鉛蓄電池(Smart battery Carbon Foam-based Lead Acid battery)がある。
図6に示される充電ステーション50によって荷積み取り扱いデバイス30がグリッドフレームワーク構造上で動作する間にバッテリが再充電される。充電ステーション50は、典型的には、グリッドフレームワーク構造に近接して固定されたL字型構造を有し、グリッド構造の縁部において公称グリッドセル上に延びる。前記充電ステーション50は、充電ステーション50に対して所定の位置に固定された充電端子を備える充電ヘッド52を備える。充電ヘッドは、グリッドフレームワークの少なくとも2つのグリッド空間にわたって充電ヘッド52が懸架されるように、L字型構造の1つのアーム54に取り付けられる。荷積み取り扱いデバイス30は、充電ヘッド52が位置付けられるグリッドフセルの上方に移動するように命令されることによって充電され得る。荷積み取り扱いデバイス30がグリッドフセル内に移動すると、荷積み取り扱いデバイスの上面にある充電端子パッドと充電ヘッドの充電端子の間で接触が行われる。充電は、充電端子から、荷積み取り扱いデバイスの上面に位置付けられた充電端子パッドを通して、荷積み取り扱いデバイスに提供される。
【0010】
しかしながら、充電ステーションにはいくつかの問題がある。特に、充電ステーションへのロボット荷積み取り扱いデバイスの移動により、充電端子とロボット荷積み取り扱いデバイスの間にクランプ力が存在する。しかしながら、この力の大きさは、ある時間の期間にわたって問題を引き起こす可能性がある。例えば、充電ステーションが上方に位置付けられるグリッドセル内にロボット荷積み取り扱いデバイスが繰り返し入ることが、充電ステーションの疲労を引き起こし、このため、その後、充電ヘッドおよび支持構造の保守または交換を必要とすることになる。さらに、ロボット荷積み取り扱いデバイスの移動によって引き起こされるグリッドフレームワーク構造の振動が、充電ステーションの充電端子とロボット荷積み取り扱いデバイスの間の位置合わせに悪影響を与える。さらに、グリッドフセルの損傷、摩耗、および材料クリープが、充電端子と充電パッド端子の間の位置合わせの問題を引き起こし、充電端子と接触をするロボット荷積み取り扱いデバイスの能力に悪影響を与える。同様に、グリッドフレームワーク構造と充電ステーションの両方の製造における公差、および/または充電ステーションに関するグリッドフレームワーク構造の設置位置合わせのわずかな変動、および/または充電ステーションに関するグリッドフレームワーク構造の熱膨張も、位置合わせの問題を引き起こす可能性があり、これは、充電端子と接触をするロボット荷積み取り扱いデバイスの能力に悪影響を与える。さらに、充電端子は時間とともに摩耗し、したがって定期的なサービスまたは修理を必要とする。しかしながら、充電端子の保守は、グリッドフレームワーク構造上での人間の介入を必要とし、これは、グリッドフレームワーク構造上のロボット荷積み取り扱いデバイスがそれらを動作不能状態にする「セーフモード」にある場合にのみ行われ得る。荷積み取り扱いデバイスがアイドル状態である結果としてのダウンタイムは、システム全体の生産の損失につながる。さらに重要なことに、バッテリは直流充電を必要とするため、充電ステーションは直流充電を提供するように動作する。荷積み取り扱いデバイスをグリッドフレームワーク構造上でXおよびY方向に駆動するための電力、およびウインチ機構を駆動するための電力は、ピークの600ワットからアイドル時の約100ワットに増加し得る。グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの最大動作時間を提供するために、充電ステーションは、約48ボルトで約150アンペアから160アンペアの充電を再充電可能バッテリに提供する。これは、典型的には、4時間の使用ごとに各15分の充電頻度を与える。しかしながら、再充電可能バッテリに直流電圧を供給する必要があるため、荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションに取り付けられまたは充電ステーションから取り外されるたびに、充電ステーションの充電ヘッドと荷積み取り扱いデバイスの充電パッドの間の接点がアーク放電の影響を受けやすく、これは、場合によっては、接触面の損傷、例えば、孔食、極端な場合には火災を引き起こすことになる。
【0011】
WO2019/215221(Ocado Innovation Limited)では、荷積み取り扱いデバイスの上面にある充電パッドに向かって充電ヘッドが引き寄せられる充電ステーションを提供することによって、この問題に対処しようとした。充電ユニットは、荷積み取り扱いデバイスの吊り上げ要素とインターフェースするように配置された複数の外形部分と、吊り上げ要素が複数の外形部分と係合するとき、荷積み取り扱いデバイスに電力を転送するように配置された電力転送コンポーネント60とを備える。荷積み取り扱いデバイスの上部に位置付けられた吊り上げ要素が、荷積み取り扱いデバイスの手動移動のために使用される。吊り上げ要素は、下側を形成する球根状ヘッドの下の切り落としを備える。吊り上げ要素は、格子セルから荷積み取り扱いデバイスを持ち上げるための吊り上げ装置の取り付けを可能とするように設計されている。電力転送コンポーネントは、典型的には、銅で構成され、取り扱いデバイスの上面にある電荷パッドと接触する電力転送ユニットの衝撃を軽減するために、弾性部材、例えば、ばねによって外方に付勢される。電力転送ユニットに加えて、カートリッジがその下側に複数の充電端子を備える。電力転送ユニットと同様に、複数の充電端子が、取り扱いデバイスの上面にある電荷パッドと接触する充電端子の衝撃を軽減するために、弾性部材、例えば、ばねによって外方に付勢される。電力転送ユニットと対照的に、追加の充電端子は、電力転送ユニット間のアーク放電の防止または充電中のデータ転送を目的としてもよい。他の方法は、荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションから取り外される前に充電ヘッドに対するチャージを分離する制御システムを提供することを含む。
【0012】
複数の外形部分および電力転送ユニットは、吊り上げ要素と複数の外形部分の間の接触が可動カートリッジを荷積み取り扱いデバイスに向けて移動させ、それにより、可動カートリッジのクランプ力の量、特に荷積み取り扱いデバイスの上面の電荷パッドと電力転送ユニットのクランプ力の量を制御するように、可動カートリッジ内に配置される。弾性的に付勢された電力転送ユニットおよび/または複数の弾性的に付勢された充電端子と共に、カートリッジおよび/またはロボット荷積み取り扱いデバイスの上面の損傷/摩耗が、最小限に抑えられる。
【0013】
アーク放電を軽減し、したがって充電ヘッドの接触面と荷積み取り扱いデバイス上のチャージ受容パッドの接触面の間の損傷を軽減する試みがなされてきたが、接触面間のアーク放電のリスクは依然として業界に存在する。
【0014】
第2に、主にリチウムイオン電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素化物電池、またはリチウムイオンポリマー電池をベースにした再充電可能バッテリの比較的長い充電時間は、数時間の長さになる可能性があり、荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク構造上で非活動または動作不能のままである、かなりのダウンタイムを表す。所与の時間スロット内にオンラインで購入された注文を満たすために、複数の荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク上で動作する場合、1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスをかなりの量の時間にわたりアイドル状態を維持することは、タイムリーに注文を満たす履行または物流倉庫の能力に悪影響を及ぼす。これは特に、荷積み取り扱いデバイスが、商品の注文を受け付けると顧客の施設に商品を宅配する、例えば、ホームデリバリーを提供する物流システムに寄与する場合に当てはまる。ここでは、配送先住所を含む配送情報は、Amazonや英国のOcadoのようなオンライン小売業者によって顧客の配送先住所に商品を配達するために使用される。そのような問題を軽減するために、英国のOcadoのようなオンライン小売業者は、充電のためにアイドル状態のままである荷積み取り扱いデバイスに対応するために、グリッドフレームワーク上で動作する荷積み取り扱いデバイスのバッファを提供する。極端な事例では、このダウンタイムに対応するために、注文の配達のためのタイムスロットが延長される。
【0015】
第3に、主にリチウムイオン電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素化物電池、またはリチウムイオンポリマー電池をベースにしたバッテリの有効性は、電気エネルギーを貯蔵する化学反応に依存し、リチウムイオン電池の故障により充電が繰り返されると低下し、したがって、長い時間期間にわたり電荷を貯蔵するバッテリの能力は、時間経過と共に低下する。
【0016】
したがって、
(i)荷積み取り扱いデバイスが安全に充電されること可能にする、および/または
(ii)再充電可能エネルギー貯蔵手段が従来のバッテリに比べて急速に充電されることを可能にする、および/または
(iii)再充電可能エネルギー貯蔵手段の貯蔵容量に影響を与えることなく、再充電可能エネルギー貯蔵手段が複数サイクルの充放電を受けることを可能にし、したがって、再充電可能エネルギー貯蔵手段の寿命を長くする
保管システムが必要とされる。
【0017】
本明細書では、用語「再充電可能エネルギー貯蔵手段」、「エネルギー貯蔵手段」、「再充電可能貯蔵手段」、「再充電可能エネルギー貯蔵デバイス」、「再充電可能貯蔵デバイス」、および「再充電可能電源」は、交換可能に使用される。
【0018】
本出願は、参照により内容が本明細書に組み込まれる、2020年4月24日に出願された英国出願番号GB2006089.3および2020年7月10日に出願された英国出願番号GB2010704.1の優先権を主張する。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、コンテナのスタックの上方にグリッドパターンで配置された経路を支持するグリッドフレームワーク構造を備える保管システムにおいて積み重ねされた1つまたは複数のコンテナを持ち上げて移動させるための荷積み取り扱いデバイスであって、
(i)グリッドフレームワーク構造上で荷積み取り扱いデバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する車両本体と、
(ii)使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをスタックからコンテナ受入空間内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイスを備える持上げデバイスと、ここにおいて、持上げ駆動組立体および/または駆動機構が、電気負荷を形成する少なくとも1つのモータを備える、
(iii)電気負荷に電力供給するためにエネルギーを提供するための再充電可能エネルギー貯蔵手段と、
(iv)車両本体上に配置された少なくとも1つの電気チャージ受容要素を備える再充電可能エネルギー貯蔵手段を充電するための第1の部分と、再充電可能エネルギー貯蔵手段から電気負荷にエネルギーを送達するための第2の部分とを備える充電システムと
を備え、
充電システムの第2の部分は、DC/DCコンバータが電気負荷の両端に所定の直流電圧を与えるように構成されるように、再充電可能エネルギー貯蔵手段と電気負荷の間に位置付けられたDC/DCコンバータを備えることを特徴とする、荷積み取り扱いデバイス
を提供することによって上述の問題を軽減する。
【0020】
再充電可能エネルギー貯蔵手段は、リチウムイオン電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素化物電池、リチウムイオンポリマー電池、薄膜電池、およびスマートバッテリカーボンフォームベースの鉛蓄電池を含むがこれらに限定されない再充電可能バッテリであり得る。任意選択で、再充電可能エネルギー手段は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体とすることができる。本発明において、語句「1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体」、「1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンク」および「スーパーキャパシタモジュール」は、本出願では、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクを説明するために交換可能に使用される。本出願において、用語「少なくとも1つの電気チャージ受容要素」、「少なくとも1つのチャージ受容要素」および「チャージ受容要素」は、本特許明細書全体を通じて「少なくとも1つの電気チャージ受容要素」を説明するために交換可能に使用される。同様に、用語「少なくとも1つの電気チャージ提供要素」、「少なくとも1つのチャージ提供要素」および「チャージ提供要素」は、本特許明細書全体を通じて「少なくとも1つの電気チャージ提供要素」を説明するために交換可能に使用される。任意選択で、車両本体は、使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをフレームワークにおけるスタックからコンテナ受入空間内へ持ち上げるようにグラバーデバイスが構成されるように、持上げ駆動組立体およびグラバーデバイスを備える持上げデバイスを収容する。コンテナ受入空間は、例えば、WO2015/019055(Ocado Innovation Limited)に記載されているように車両本体内に配置された空洞または凹部を備えてよい。代替的に、荷積み取り扱いデバイスの車両本体は、WO2019/238702(Autostore Technology AS)に教示されているようにカンチレバーを備えてよく、その場合、コンテナ受入空間は荷積み取り扱いデバイスのカンチレバーの下に位置付けられる。この場合、グラバーデバイスがコンテナに係合しコンテナをスタックから持ち上げてカンチレバーの下方のコンテナ受入空間に入れることができるように、グラバーデバイスはカンチレバーによって吊り上げられる。任意選択で、車両本体は、電気負荷に電力供給するためにエネルギーを提供するための1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を収容する。任意選択で、経路が複数のレールまたは軌道を備える。複数のレールまたは軌道はグリッドパターンで配置される。
【0021】
スーパーキャパシタは、数秒のオーダーで迅速に充電されることが可能であり、従来のバッテリよりも寿命が長く、したがって、比較的短い時間期間で大量の電力を貯蔵する能力を有するので、バッテリのような他のタイプの再充電可能エネルギー貯蔵手段よりも有利である。これにより、スーパーキャパシタモジュールの高速再充電を可能とし、充電による回復時間を短縮する。他の利点として、ライフサイクルがバッテリと比較して長いことが挙げられる。バッテリは、一定数の充放電サイクルしか管理することができず、キャパシタは、それよりかなり多くを管理することができる。
【0022】
スーパーキャパシタは、全容量まで急速に充電される能力を有するが、その逆が放電にもあてはまる。従来のキャパシタと同様に、スーパーキャパシタは、従来のバッテリよりも急速に電荷/電力を失う傾向がある。スーパーキャパシタ(ウルトラキャパシタとしても知られる)は、従来の固体誘電体を持たず、代わりに、電解質に対する電極の作用によって仮想プレートが形成される、2つの電極間の電解質を利用するタイプのキャパシタである。具体的には、電極の表面と電解質の間に二重層が形成され、この二重層を横切る電荷分離があり、それが電気エネルギーの静電蓄積を可能とする。したがって、このタイプのスーパーキャパシタは「電気二重層キャパシタ」として知られている。典型的には、電気層キャパシタは、電極が互いに接触するのを防止するためにセパレータを利用する。スーパーキャパシタは、一般に、大量の電力が比較的短時間に必要とされる用途、または非常に多数の充放電サイクルが予想され、もしくはより長い寿命が必要とされる用途において利点を有する。スーパーキャパシタと比較して、主に化学反応に基づくバッテリ、例えば、リチウムイオンバッテリの放電率またはバッテリ時間は、かなり少なく、したがって、より長い時間期間にわたり電荷を保持することができる。
【0023】
スーパーキャパシタは、線形放電電圧を有し、したがって、スーパーキャパシタの出力電圧は、1つまたは複数のスーパーキャパシタの組立体において動作する電気負荷の最小動作電圧を下回る傾向がある。電気負荷は、駆動機構および/または持上げ駆動組立体を動作させるための少なくとも1つのモータを備える。この動作電圧の低下を軽減するために、DC/DCコンバータが、電気負荷にわたる最小動作電圧を上回る電圧を維持するために使用される。DC/DCコンバータは、パワー段および制御回路を備える。パワー段は、1つのスイッチングセル(例えば、トランジスタおよびダイオード)と、出力フィルタ(例えば、インダクタおよびキャパシタ)とを含む。DC/DCコンバータの出力電圧は、スイッチングセルのデューティサイクルを調整することによって調整される。好ましくは、DC/DCコンバータは、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの入力直流電圧を電気負荷にわたる動作電圧へ低下させる降圧コンバータである。これは特に、スーパーキャパシタモジュールのバンクにわたり電気負荷の動作電圧より高く充電電圧を増大させることによって、スーパーキャパシタモジュールのバンクの放電時間が増大され、すなわち、スーパーキャパシタモジュールの放電のためのより多くの時間が可能になる場合に当てはまる。次いで、DC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクを横切る出力電圧を電気負荷の動作電圧に低下させる。任意選択で、DC/DCコンバータは、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの入力電圧を電気負荷にわたる動作電圧へ上昇させる昇圧コンバータであり、スーパーキャパシタモジュールのバンクを横切る放電電圧が動作電圧を下回る場合に特に重要である。より好ましくは、DC/DCコンバータは、両方のシナリオに対応する降圧/昇圧コンバータの組み合わせである。
【0024】
1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体と比較して、DC/DCコンバータは、電気負荷にわたる動作電圧以上の電圧を供給することにより、再充電可能バッテリの有用性を拡張するために使用されることも可能である。例えば、DC/DCコンバータは、再充電可能バッテリからの電圧を電気負荷にわたる動作電圧へ降圧または昇圧するために使用され得る。これは、再充電可能バッテリからの電圧が電気負荷の動作電圧を下回る場合に、再充電可能バッテリが電気負荷に動作電圧を供給できる動作時間を延長するという利点を有する。結果として、かなり高い電圧の再充電可能バッテリが、再充電可能バッテリからの電圧を電気負荷の動作電圧へ低下させるための降圧コンバータと組み合わされて使用され得る。言い換えれば、再充電可能バッテリの両端の電圧が動作電圧を下回る前に、グリッドフレームワーク構造上で動作する荷積み取り扱いデバイスの動作時間を延長するために、より高い電圧の再充電可能バッテリが使用されることを可能にする。
【0025】
任意選択で、本発明は、コンテナのスタックの上方にグリッドパターンで配置された経路を支持するグリッドフレームワーク構造を備える保管システムにおいて積み重ねされた1つまたは複数のコンテナを持ち上げて移動させるための荷積み取り扱いデバイスであって、
(i)グリッドフレームワーク構造上で荷積み取り扱いデバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する車両本体と、
(ii)使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをスタックからコンテナ受入空間内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイスを備える持上げデバイスと、ここにおいて、持上げ駆動組立体および/または駆動機構が、電気負荷を形成する少なくとも1つのモータを備える、
(iii)電気負荷に電力供給するためにエネルギーを提供するための再充電可能バッテリと、
(iv)車両本体上に配置された少なくとも1つの電気チャージ受容要素を備える再充電可能エネルギー貯蔵手段を充電するための第1の部分と、再充電可能エネルギー貯蔵手段から電気負荷にエネルギーを送達するための第2の部分とを備える充電システムと
を備え、
充電システムの第2の部分は、DC/DCコンバータが電気負荷の両端に所定の直流電圧を与えるように構成されるように、再充電可能バッテリと電気負荷の間に位置付けられたDC/DCコンバータを備えることを特徴とする、荷積み取り扱いデバイス
を提供する。
【0026】
好ましくは、再充電可能バッテリの両端の電圧は、電気負荷の両端の所定の電圧にわたる電圧よりも大きい。同様に、昇圧コンバータが再充電可能バッテリと組み合わされて使用されて、再充電可能バッテリの両端の電圧を上昇させ、それにより、再充電可能バッテリの動作時間を延長して電力負荷に電力を供給することができる。例えば、再充電可能バッテリの両端の電圧が電気負荷の動作電圧を下回るとき、昇圧コンバータが再充電可能バッテリからの電圧を上昇させることができる。任意選択で、降圧コンバータが、再充電可能バッテリからの電圧を電気負荷の動作電圧へ低下させるために使用され得る。任意選択で、DC/DCコンバータは降圧/昇圧コンバータである。
【0027】
スーパーキャパシタはまた、バッテリと比べて、例えば、比較的大きい比エネルギーを有するリチウムイオン電池と比べて、比較的低い比エネルギーを有する。比エネルギーは、再充電可能エネルギー貯蔵手段に貯蔵されたエネルギーの総量がその重量で割られた尺度である。したがって、バッテリと同じレベルの充電容量を提供するために、より重い重量の(直列および並列に接続された)スーパーキャパシタモジュールが必要とされる。キャパシタが貯蔵できる電荷の量は、以下の式に従って、そのキャパシタンスとキャパシタの両端に印加される電圧との積によって決定される。
【0028】
【0029】
スーパーキャパシタの放電は線形放電パターンに従い、すなわちスーパーキャパシタが放電するとスーパーキャパシタの両端の電圧が低下するので、複数のスーパーキャパシタモジュールを直列に並列に組み合わせることにより、キャパシタンスを維持しながらスーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の最大電圧を増大する能力を提供する。したがって、より大きな電圧が1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクの両端に印加され、それにより、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧が、電気負荷の「有用な」動作電圧を上回る時間期間を長くすることができる。残留電圧は、スーパーキャパシタが放電を開始するときにスーパーキャパシタの両端間に残っている電圧である。したがって、所与の電圧に対して、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体内により多くの電荷を貯蔵する能力が増大されると、より長い時間期間にわたって所定の電圧で電荷を送達するようにスーパーキャパシタモジュールのバンクの能力が増大され、結果として放電時間が増大する。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを直列に組み合わせることによって、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端に印加できる最大電圧が増大する。同様に本発明において適用できるように、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクにおける各モジュールは、必要とされる定格充電電圧およびキャパシタンスを提供するために直列および/または並列に接続された1つまたは複数のスーパーキャパシタセルを備える。したがって、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクの充電電圧およびキャパシタンスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを一緒に組み合わせることによって調整されることが可能であり、各モジュールは所与の最大充電電圧を有する。
【0030】
増大された電圧は、より低い電圧でより長い時間期間でなく、より高い電圧でより短い時間期間に、増大された量の電荷が1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールに送達されることを可能にし、以下の式に従って同じレベルの電力を生成する。
【0031】
【0032】
好ましくは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクのそれぞれは、130Fから188Fの範囲のキャパシタンスと、48ボルトから62.1ボルトの範囲の公称最大定格電圧とを有し、より好ましくは、130Fのキャパシタンスと、62.1ボルトの公称電圧とを有する。充電電圧として知られる公称電圧は、スーパーキャパシタを損傷することなくスーパーキャパシタの両端に安全に印加できる電圧を表す。スーパーキャパシタが長い時間期間にわたって過剰な電圧にさらされた場合、スーパーキャパシタは本質的に開回路状態へ徐々に劣化する。本発明によれば、スーパーキャパシタの最大電圧を増大させるために、複数のスーパーキャパシタが直列に接続され得る。
【0033】
1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の接触面を人間が偶発的に短くする場合の安全性を高めるために、好ましくは、充電システムは、少なくとも1つの電気チャージ受容要素と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられた絶縁スイッチをさらに備え、ここにおいて、コントローラが、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体から少なくとも1つの電気チャージ受容要素を電気的に絶縁するように動作する。より好ましくは、コントローラは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の電圧に到達するのに応答して、絶縁スイッチを作動させるように構成される。これは、バッテリなどの他の形態のエネルギー貯蔵手段と比較して、スーパーキャパシタが短い時間期間に大量の電荷を急速に放電できる場合に特に重要である。そのような急速な放電は、例えばメンテナンス中に、スーパーキャパシタモジュールの接触面を人間が不注意に短くした場合に、潜在的な健康障害となり得る。例えば、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクは、非常に短い時間期間に大電流を迅速に送達できる100kWを超える電力を貯蔵することができる。絶縁スイッチは、スーパーキャパシタモジュールのバンクを、少なくとも1つの電気チャージ受容要素から絶縁する。
【0034】
電力負荷の少なくとも1つのモータによってより多くのエネルギーが消費されるにつれて、荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク構造上で加速されるときにピークとなる、電力負荷の少なくとも1つのモータによる正の電力消費がある。逆のことは、電気負荷の少なくとも1つのモータがエネルギーすなわち、負の電力消費を生成するにつれて荷積み取り扱いデバイスが減速する場合に当てはまる。この回生エネルギーを捕捉するために、好ましくは、充電システムは、1つまたは複数のスーパーキャパシタの組立体からの電気エネルギーがDC/DCコンバータを通って電気負荷に流れることを可能にする(すなわち、電気負荷が、DC/DCコンバータを介して所定の電圧で1つまたは複数のスーパーキャパシタの組立体から電流を引き出すことを可能にする)ための第1の位置と、電気負荷から回生された電気エネルギーがDC/DCコンバータをバイパスして1つまたは複数のスーパーキャパシタの組立体に向かうように、DC/DCコンバータをバイパスするための第2の位置とを有するバイパススイッチを備える。好ましくは、充電システムは、コントローラからの信号に応答して、バイパススイッチを第1の位置から第2の位置へ作動させるように動作するコントローラをさらに備える。好ましくは、コントローラは、電気負荷が所定の電圧を超えたとき、バイパススイッチを第1の位置から第2の位置へ作動させるように動作する。これは、電気負荷、すなわち、少なくとも1つのモータが、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端に提供される電圧に加えて、荷積み取り扱いデバイスの減速中に電圧を生成するためである。
【0035】
充電ステーションにおける荷積み取り扱いデバイスの充電中に、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の最大充電電圧以下の所定の電圧を提供するために、好ましくはDC/DCコンバータは、第1のDCコンバータであり、充電システムの第1の部分は、第1のDC/DCコンバータの上流に第2のDC/DCコンバータをさらに備え、第2のDC/DCコンバータは、少なくとも1つのチャージ受容要素と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられる。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は、充電システムの第1の部分と充電システムの第2の部分の間に位置付けられる。本発明を説明し、本発明で使用される用語との整合性を維持するために、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体と電気負荷の間のDC/DCコンバータは、第1のDC/DCコンバータとして定義され、少なくとも1つの電荷受容要素と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられるDC/DCコンバータは、第2のDC/DCコンバータとして定義される。第1および第2のDC/DCコンバータはそれぞれ、電気負荷の両端、および1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端で、定常的な所定の電圧を維持するように構成される。第2のDC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の過充電を防止するために、電圧が安全なレベルに維持されることを保証する。第2のDC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が安全なレベルに調整され、すなわち昇圧または降圧されることを保証する。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体からの電力は、電気負荷によって消費される。本発明では、電気負荷は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体からの電力を消費する負荷である。本発明の一態様では、電気負荷は、持上げ駆動組立体および/または荷積み取り扱いデバイスの駆動機構を駆動するための少なくとも1つのモータを備える。
【0036】
好ましくは、充電システムの第1の部分は、AC/DCコンバータをさらに備える。AC/DCコンバータは、充電システムの第2の部分に直流を所定の電圧で供給する。好ましくは、AC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端に直流を所定の電圧で供給するように構成され、すなわち、少なくとも1つのチャージ受容要素と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられる。任意選択で、AC/DCコンバータは、第2のDC/DCコンバータの両端に直流を所定の電圧で供給するように構成され、すなわち、少なくとも1つのチャージ受容要素と第2のDC/DCコンバータの間に配置位置付けられる。AC電力供給源から、より詳細には充電ステーションの充電ヘッドにおいて電力を受け入れることができる荷積み取り扱いデバイスにおける充電システムを提供することによって、電圧および電流が常に変化し反転するので、アーク放電の問題は劇的に減少するかまたは消滅し、すなわち、ACシステムにおけるアークは自己消火性であるので、アーク放電による損傷のリスクはかなり少なくなる。好ましくは、第2のDC/DCコンバータは、AC/DCコンバータと1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられる。任意選択で、AC/DCコンバータは、少なくとも1つの電気チャージ受容要素が、三相AC電源の3つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合するための3つの電気チャージ受容接触面を備えるように、三相整流器である、AC/DCコンバータからの電圧を調整するために、第2のDC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端に印加される所定の直流電圧で電流を引き出すように構成される。
【0037】
1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に対する要求は、駆動機構を動作させることから、荷積み取り扱いデバイスをグリッドフレームワーク構造上のあるグリッドセルから別のグリッドセルに移動させること、荷積み取り扱いデバイスの方向変更を動作させることから、最大30kgの重さであり得るコンテナまたはトートをグリッドフレームワーク構造内から保管コラムに垂直に取り上げるための持ち上げ機構を動作させることまで、非常に様々であり得る。実際には、グリッドフレームワーク上で動作可能な荷積み取り扱いデバイスの負荷は、4時間にわたって100Wから600Wを超えるピークまでの範囲となる可能性があり、電気負荷で1つまたは複数のスパイクを引き起こす。そのような負荷での突然のスパイクは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を過度のストレス下に置くので理想的ではない。そのようなスパイクをフィルタリングまたは平滑化して電気負荷から除去するとともに、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体における余剰エネルギーを貯蔵するための手段を提供するために、好ましくは、スーパーキャパシタの組立体は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と、1つまたは複数のスーパーキャパシタの第2の組立体とを備える。より好ましくは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体であり、荷積み取り扱いデバイスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体の下流に1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体をさらに備え、第1のDC/DCコンバータが1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の両端に所定の電圧を与えるように構成されるように、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体は、第1のDC/DCコンバータと電気負荷の間に位置付けられる。
【0038】
結果として、第1のDC/DCコンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の間に位置付けられ、第2のDC/DCコンバータは、少なくとも1つのチャージ受容要素と1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体の間に位置付けられる。第1および第2のDC/DCコンバータはそれぞれ、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体および1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体にわたって定常的な所定の電圧を維持するように構成され、それにより、スーパーキャパシタモジュールの過充電を防止する。好ましくは、第1のDC/DCコンバータは、スーパーキャパシタモジュールの第1のバンクが放電して1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体を充電するとき、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体からの直流電圧を上昇させる昇圧コンバータであり、すなわち、昇圧コンバータは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体から電流を抽出し、所定の電圧で1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体に電力を送達する。第1のDC/DCコンバータは、電気負荷によって電力が消費されるとき、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の両端の定常電圧を維持する。好ましくは、第2のDC/DCコンバータは、充電ステーションで1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体に充電する間に、電源、例えば、AC/DCコンバータからの直流電圧を低下させるための降圧コンバータであり、それにより、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の(主)組立体を過充電するのを防止する。
【0039】
好ましくは、荷積み取り扱いデバイスは、補助的エネルギー貯蔵手段をさらに備え、ここにおいて、電気負荷は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体と補助的エネルギー貯蔵手段の間で共用される。より好ましくは、補助的エネルギー貯蔵手段は、1つまたは複数のバッテリ、例えば、リチウムイオンバッテリである。これら2つをハイブリッドエネルギー貯蔵手段に組み合わせることが、両方のニーズ(急速充電および長期エネルギー)を満たし、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に対するストレスを低減し、これは、より長い耐用寿命に反映する。
【0040】
好ましくは、グラバーデバイスは、4つのコーナー部、上側部、および下側部を備えるフレームと、コンテナに係合するための少なくとも2つの把持要素とを備え、持上げ駆動組立体は、車両本体内の上昇位置から下降位置への垂直方向にグラバーデバイスを移動させるように持上げ駆動組立体が配置されるように、スプールまたはリールに巻かれた一端部と、グラバーデバイスに接続された第2の端部とを有するウインチケーブルを備えるウインチ機構を備え、ここにおいて、電気負荷は、少なくとも2つの把持要素のそれぞれを作動させるための1つまたは複数の回転ソレノイドをさらに備える。任意選択で、グラバーデバイスは、例えばグラバーデバイスのフレームに取り付けられた、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段を備える。電気負荷のエネルギーの一部を補助エネルギー貯蔵手段にオフロードすることによって、本発明の荷積み取り扱いデバイスは、例えば駆動機構および持ち上げ機構のための、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の電力を節約し、それにより、グリッドフレームワーク構造上で動作する1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの主組立体の寿命を長くすることができる。グラバーデバイスが把持要素を作動させるために使用する電力は少量であるので、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの主組立体ほど大きくなくてよい。補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段は、バッテリ、例えば、リチウムイオンバッテリであり、または追加のスーパーキャパシタ、すなわち、より小さい比エネルギーを有するものであり得る。補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段の充電は、グラバーデバイスが荷積み取り扱いデバイスの車両本体内の上昇位置にあるときに行われ得る。好ましくは、車両本体は、補助的チャージ提供要素を備え、グラバーデバイスは、補助的チャージ受容要素を備え、補助的チャージ受容要素は、グラバーデバイスが上昇位置にあるとき、補助的チャージ提供要素と電気的または磁気的に結合するように配置されている。任意選択で、車両本体のコンテナ受入空間は、直流を提供する2つの充電パッドを備え、すなわち、チャージ提供パッドの一方はDC-であり、他方はDC+であり、それらは、グラバーデバイス上の対応する2つのチャージ受容パッドと嵌合し、グラバーデバイス上の補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段に直流電荷を送達する。
【0041】
任意選択で、補助的チャージ提供要素は、ワイヤレス充電送信コイルであり、補助的チャージ受容要素は、グラバーデバイスが上昇位置にあるときにワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルである。グラバーデバイス内の適切な補助的AC/DCコンバータは、補助的チャージ受容要素に誘導された電荷を、グラバーデバイスの補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段を充電するために適切な直流電圧に変換することができる。任意選択で、グラバーデバイスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するための上述の充電システムに基づくことができ、すなわち、補助的電力供給源から電力を受け取るための第1の部分と、把持要素に電力供給するように補助的電気エネルギー貯蔵手段からのエネルギーを送るための、第1の部分の下流の第2の部分とを備え、ここにおいて、第1の部分は、グラバーデバイス上に配置された少なくとも1つの補助的電気チャージ受容要素を備える。
【0042】
充電システムの第1の部分が、充電システムの第2の部分にわたり所定の電圧でDC供給を与えるように構成されたAC/DCコンバータを備える本発明の態様において、少なくとも1つのチャージ受容要素は、チャージ提供要素からエネルギーが流れることを可能にする任意の手段を含むものと解釈され、AC電源の接触面の間の物理的接触、ならびにAC電源による非接触充電、例えばワイヤレス充電を含むが、これらに限定されない。本発明の目的のために、少なくとも1つのチャージ受容要素は、充電ステーションから荷積み取り扱いデバイスの充電システムに電力を転送するために充電ステーションの少なくとも1つのチャージ提供要素と結合する電力結合であると広く解釈される。荷積み取り扱いデバイスにAC/DCコンバータを組み込んだ充電システムを有することにより、荷積み取り扱いデバイスはAC電源から充電を受けることができる。AC/DCコンバータは、AC電力供給源からの交流電荷入力を、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するのに適切な直流電荷に変換する。AC/DCコンバータと組み合わせて、本発明の充電システムは、AC/DCコンバータからの直流電圧を、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を安全に充電するのに必要な電圧に調整するためのDC/DCコンバータをさらに備える。
【0043】
好ましくは、AC/DCコンバータは整流器であり、より好ましくは、三相AC供給をDC供給に変換するための三相整流器である。整流器が三相整流器である場合、少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、充電ヘッドの三相AC電源の3つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合する(係合する)ための3つの電気チャージ受容接触面を備える。2つの導体(相および中性)を使用する単相AC電力供給源に対して、3相の使用は、単相供給源のわずか1.5倍の数のワイヤを使用して2倍の電力を提供するという利点をもたらす。したがって、導体材料の容量の比は2倍にされ、すなわち3:1であり、また、単相AC電力供給源と比較して2倍の電力を提供する。したがって、言い換えれば、同じレベルの電力を提供するために必要とされるケーブルが、単相AC供給源を使用するよりも少ない、
任意選択で、3つの電気チャージ受容接触面は、充電ヘッドの対応する同心円状に配置された3つの環状リングと電気的に結合するように同心円状に配置された3つの環状リングを備える。例えば、充電ステーションの電力転送ユニットの3つの電気チャージ提供面は、典型的には、銅で構成され、取り扱いデバイスの車両本体上の接触面と接触する電力転送ユニットの衝撃を軽減するために、弾性部材、例えば、ばねによって外方に付勢される。好ましくは、三相整流器は、公称電圧48ボルトで130アンペアから160アンペアの範囲で直流出力を提供するためにAC供給を変換するように定格される。
【0044】
代替的に、本発明の充電システムに電力を転送するために、少なくとも1つの電気チャージ受容要素と充電ステーションのチャージ提供要素との接触面の間の物理的接触を確立する必要性に代えて、少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える。当技術分野で一般的に知られているように、ワイヤレス充電は、近接しているが、典型的には空隙である間隙により離隔された2つのコイルを備える。1つのコイル(送信コイル)は、ワイヤレス電力送信機として働き、充電ステーションに取り付けられる。他方のコイル(受信コイル)は、ワイヤレス電力受信機として働き、荷積み取り扱いデバイスの充電システムの一部を形成する。送信コイルを流れる交流電流は、時間的に変化する磁場を生成する。時間的に変化する磁場は、ファラデーの法則に従って受信コイルに電流を誘導し、これは、AC/DCコンバータを介して1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するために使用され得る。チャージ受容要素の接触面またはパッドを充電ステーションの充電ヘッドの接触面と物理的に係合することと比較して、ワイヤレス充電は、充電端子面と物理的に接触する必要なしに、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電する能力を提供する。ワイヤレス充電は、充電システムのワイヤレスチャージ受容コイルに高電圧が誘導され得るという利点を提供する。充電ステーションで高電圧源に接続された荷積み取り扱いデバイスの接触面に物理的に係合することは、高電圧を供給する接触面と偶発的に接触が起きた場合、50ボルト程度の電圧源でも重大な負傷やさらに死亡につながる可能性があるので、安全への配慮から望ましくない。ワイヤレス充電は、充電ステーションの充電ヘッドとの物理的接触の必要性がなく、したがって、充電ステーションの充電ヘッドの接触面と偶発的に接触が起きた場合の安全性を改善する。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するときの充電ステーションと荷積み取り扱いデバイスとの接触面の間の物理的接触の除去は、また、摩耗および引き裂きの結果として充電ステーションと荷積み取り扱いデバイスの間の接触面またはパッドを修理または交換する必要性を軽減する。以前より、摩耗および材料クリープは、充電ステーションと充電ヘッドとの接触面の間の位置合わせ問題を引き起こす可能性があり、それが、充電ステーションのチャージ提供端子と接触する荷積み取り扱いデバイスの能力に悪影響を与える可能性がある。
【0045】
充電ステーションの充電ヘッドと荷積み取り扱いデバイスのチャージ受容面の間に物理的な接触がないため、ワイヤレス充電受信コイルは、車両本体の壁のいずれにも取り付けられ得る。好ましくは、少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、車両本体の少なくとも1つの壁に配置される。任意選択で、車両本体の少なくとも1つの壁は、車両本体の少なくとも1つの側壁である。任意選択で、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体が、車両本体の単一の面からではなく車両本体の複数の異なる側面または面から充電されることを可能にするように、少なくとも1つの電気チャージ受容要素が、車両本体の1つまたは複数の壁上に複製される、これは、荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションの充電ヘッドに電気的に結合するために行う必要がある操作の数を減少させる。
【0046】
本発明の実施形態は、保管システムであって、
(i)複数の直立コラムの間に積み重ねられ直立コラムにより垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナのための複数の垂直保管場所を形成するように配置された複数の直立コラムを備えるグリッドフレームワーク構造と、ここにおいて、複数の直立コラムは、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材とによって相互連結され、第2のセットのグリッド部材は、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に第1のセットのグリッド部材に対して延びている、
(ii)グリッドフレームワーク構造において積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスと、1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスのそれぞれは、上述された本発明による荷積み取り扱いデバイスを備える、
(iii)荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つの電気チャージ受容要素と電気的に結合するための充電ヘッドを備える充電ステーションと
を備える保管システムを提供する。
【0047】
本発明の別の実施形態では、保管システムであって、
(i)複数の直立コラムの間に積み重ねられ直立コラムにより垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナのための複数の垂直保管場所を形成するように配置された複数の直立コラムを備えるグリッドフレームワーク構造と、ここにおいて、複数の直立コラムは、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材とによって相互連結され、第2のセットのグリッド部材は、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に第1のセットのグリッド部材に対して延びている、
(ii)グリッドフレームワーク構造において積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスと、1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスのそれぞれは、上述された本発明による荷積み取り扱いデバイスを備える、
(iii)AC電源に電気的に結合された充電ヘッドを備える充電ステーションと、充電ヘッドは、荷積み取り扱いデバイスのワイヤレス充電受信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電送信コイルを備える、
を備える保管システムが提供される。
【0048】
バッテリと比べて比較的低い比エネルギーは、スーパーキャパシタが、より長い時間期間に所与の電圧で同じレベルの充電を送達するために頻繁に充電される必要があることを意味している。しかしながら、スーパーキャパシタは、バッテリと比べて、数時間ではなく秒または分のオーダーで大幅に短い充電時間で急速に充電され得る。本発明は、スーパーキャパシタの短い放電時間を考慮に入れながら、スーパーキャパシタの短い充電時間を活用する充電最適化システムを提供する。スーパーキャパシタの短い充電時間は、荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク構造上で動作している間に、スーパーキャパシタに短いエネルギーバーストを送達するために複数の充電ステーションを提供する際にスーパーキャパシタに有利に使用され得る。
【0049】
本発明は、上述された本発明による保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイスを充電するための充電最適化システムであって、
経路上の荷積み取り扱いデバイスの移動を制御するための制御システムを備え、ここにおいて、荷積み取り扱いデバイスは、基地局および/またはトランスポンダのセットを介して確立された周波数チャネルのセットを介して、制御システムと通信するように動作可能であり、制御システムは、
(i)動作は、グリッドフレームワーク構造上で第1の位置または場所から第2の位置または場所にコンテナを移送するために動作を実施することと、
(ii)荷積み取り扱いデバイスの1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量を決定することと、
(iii)動作を実施するために必要とされる電荷の量を決定することと
を行うために命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備え、
ここにおいて、制御システムの1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体内の電荷の量が、動作を実施するために必要とされる電荷の量よりも少ない場合、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するために充電ステーションを訪問するように荷積み取り扱いデバイスに対して命令を実行するようにさらに構成される、充電最適化システムを提供する。
【0050】
グリッドフレームワーク構造上で、第1の位置または場所は第1のグリッドセルとすることができ、第2の位置または場所は第2のグリッドセルとすることができる。例えば、動作は、荷積み取り扱いデバイスが、第1のグリッドセルから第2のグリッドセルへコンテナまたはトートを取り上げて移送するために経路に沿って移動するように指示されることを含むことができる。荷積み取り扱いデバイスは、好ましくは、グリッドフレームワーク構造内でコンテナまたはトートを取り上げ送達する場所の情報に関して、制御システムの無線通信ユニットまたは中央制御システムから制御信号を受信する制御ユニットを備える。電気的負荷によって消費されるエネルギーは、荷積み取り扱いデバイスを第1のグリッドセルから第2のグリッドセルに推進することと、最大30kgの重さであり得るコンテナを直立カラム間の保管カラムに対し上および/または下にウインチで動かすように、持上げデバイスを動作させることとを含む。制御システムは、動作を実施するための電荷の量を決定し、荷積み取り扱いデバイスの1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量を決定または測定する。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷(エネルギー)の量が、グリッドフレームワーク構造上で動作を行うために必要とされる電荷の量よりも少ない場合、制御システムは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するために充電ステーションを訪問するように荷積み取り扱いデバイスに対して命令を送る。この動作は、荷積み取り扱いデバイスが、第1のグリッドセルからコンテナを取り上げて第2のグリッドセルにコンテナを移送するように命令されることを含み、コンテナは、移送されるとすぐに第2のグリッドセル内へ下降される。
【0051】
本発明の充電最適化システムは、第1のグリッドセルから第2のグリッドセルに移動するときに、経路に沿ったルート上の1つまたは複数の充電ステーションにドッキングするように、荷積み取り扱いデバイスに命令する。好ましくは、コントローラシステムの1つまたは複数のプロセッサは、
(iv)荷積み取り扱いデバイスの1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量に基づいて、動作を実施するためのグリッド構造に沿った経路を選択するための命令を実行するようにさらに構成される。
【0052】
グリッド構造は、交差するグリッド部材によって形成された複数のグリッドセルを備えるので、コンテナを第1のグリッドセルから第2のグリッドセルに移送するためにグリッド構造上で経路が選択される。経路の選択は、荷積み取り扱いデバイスの1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量を考慮に入れる。
【0053】
充電時間は、バッテリと比べて比較的短く、例えば、数秒または数分ほどであるので、動作を実行する時間と比較して、荷積み取り扱いデバイスが1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するのに費やす時間の割合は、所与の時間内の経路に沿った荷積み取り扱いデバイスの動作に大きく影響しないであろう。充電最適化システムは、あるグリッドセルから別のグリッドセルへ経路に沿って移動するときに、エネルギーのバーストがスーパーキャパシタモジュールのバンクに供給されるリレーとして考えられ得る。
【0054】
時間を節約するために、好ましくは、1つまたは複数の充電ステーションは、第1の位置/場所および/または第2の位置/場所にある。例えば、荷積み取り扱いデバイスが第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルに駐車されたとき、すなわちピッキング動作中に、荷積み取り扱いデバイスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を再充電するように命令される。動作を実施するのに必要とされる電荷またはエネルギーの量を決定する際に、これは、荷積み取り扱いデバイスが第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルのいずれかで充電を必要とすることを含み得る。ピッキング動作は、典型的には約30秒かかるので、スーパーキャパシタモジュールのバンクの再充電は、ピッキング動作またはデカント(下降)動作中に同時に実施され得る。任意選択で、荷積み取り扱いデバイスが経路に沿って移動するときに1つまたは複数の充電ステーションでピットストップするように、1つまたは複数の充電ステーションは経路に沿っていてよい。本発明では、経路は、荷積み取り扱いデバイスが、第1のグリッドセルから第2のグリッドセルに移動するとき、1つまたは複数の充電ステーションへ移動しおよびそこから戻るために回り道または迂回をするように命令されることを含むように、経路は、第1のグリッドセルと第2のグリッドセルの間の1つもしくは複数の充電ステーション、ならびに/または第1のグリッドセルおよび/もしくは第2のグリッドセルにおける1つもしくは複数の充電ステーション、ならびに/または第1のグリッドセルと第2のグリッドセルの間とは異なる位置もしくは場所における1つもしくは複数の充電ステーションを含み得るが、これらに限定されない。
【0055】
本発明のさらなる特徴および態様は、図面を参照して行われる例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】既知のシステムによるグリッドフレームワーク構造の概略図。
【
図2】
図1のフレームワーク構造内に配置された容器または保管コンテナのスタックを示す上面図の概略図。
【
図3】グリッドフレームワーク構造上で動作する既知の荷積み取り扱いデバイスのシステムの概略図。
【
図4】上方からコンテナを把持している持上げデバイスを示す、荷積み取り扱いデバイスの概略斜視図。
【
図5(a)】荷積み取り扱いデバイスのコンテナ受入空間を示す、
図4の荷積み取り扱いデバイスの概略斜視断面図。
【
図5(b)】荷積み取り扱いデバイスのコンテナ受入空間に対応するコンテナを示す、
図4の荷積み取り扱いデバイスの概略斜視断面図。
【
図6】既知の配置による充電ステーションにドッキングされた荷積み取り扱いデバイスの側面図の概略斜視図。
【
図7】本発明の例示的な実施形態による荷積み取り扱いデバイスの充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図7b】本発明の別の例示的な実施形態による、補助的コンポーネントのためのDC/DCコンバータを組み込んだ荷積み取り扱いデバイスの充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図8】本発明の別の例示的な実施形態による、AC/DCコンバータを組み込んだ充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図9】本発明の別の例示的な実施形態による、ワイヤレス充電を組み込んだ充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図10】本発明の別の例示的な実施形態による、第1および第2のDC/DCコンバータを組み込んだ充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図11】エネルギー含量が同じであるが電圧およびキャパシタンスが異なる2つのスーパーキャパシタモジュール(スーパーキャパシタ1およびスーパーキャパシタ2)のエネルギーのシナリオの概略図である。
【
図12】本発明の別の例示的な実施形態による、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を絶縁するための絶縁スイッチを組み込んだ充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図13】本発明の別の例示的な実施形態による、DC/DCコンバータをバイパスするためのバイパススイッチを組み込んだ回生システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図14】本発明の別の例示的な実施形態による、DC/DCコンバータをバイパスするためのバイパススイッチを組み込んだ回生システムの段階を示す概略図。
【
図15】本発明の別の例示的な実施形態による、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの二重の組立体を組み込んだ回生システムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図16】本発明の別の例示的な実施形態による、補助的エネルギー貯蔵手段を組み込んだハイブリッドシステムの主な電気コンポーネントを示す概略図。
【
図17】本発明の一実施形態による持上げデバイスのグラバーデバイスの側面図の概略斜視図。
【
図18】本発明の一実施形態によるコンテナとのグラバーデバイスの係合の段階を示す概略斜視図。
【
図19】本発明の別の例示的な実施形態による、第2の配置における充電ステーションにドッキングされた荷積み取り扱いデバイスの側面図の概略斜視図。
【
図20】本発明の別の例示的な実施形態による、第3の配置における充電ステーションにドッキングされた荷積み取り扱いデバイスの側面図の概略斜視図。
【
図21】充電ステーションまでの距離がグリッドセル28個である、残留ボットエネルギー(residual bot energy)(荷積み取り扱いデバイス)のモンテカルロシミュレーションプロファイルを示す図。
【
図22】充電ステーションまでの距離がグリッドセル28個である、荷積み取り扱いデバイスの動作時間のモンテカルロシミュレーションプロファイルを示す図。
【
図23】充電ステーションまでの距離がグリッドセル28個である、荷積み取り扱いデバイスの再充電時間のモンテカルロシミュレーションプロファイルを示す図。
【
図24】充電ステーションまでの距離がグリッドセル28個である、動作時間/再充電時間の比のモンテカルロシミュレーションプロファイルを示す図。
【
図25】充電ステーションまでの距離がグリッドセル0個、グリッドセル14個、およびグリッドセル28個の範囲である、動作時間/再充電時間の比のモンテカルロシミュレーションプロファイルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1から
図6を参照して上述されたグリッドフレームワーク構造および荷積み取り扱いデバイスのような保管システムの既知の特徴と対照して、本発明は考案されている。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態による、(ボットとしても知られる)荷積み取り扱いデバイスの充電システム60の主な電気コンポーネントを示す。荷積み取り扱いデバイスは、(トートとしても知られる)1つまたは複数のコンテナをあるグリッドセルから別のグリッドセルに移送するために、グリッドフレームワーク構造上で移動するように動作する。
図4および
図5に関して論じられたように、荷積み取り扱いデバイスは、コンテナ受入空間を収容する車両本体と、使用時に、コンテナを解放可能に把持し、コンテナをスタックからコンテナ受入空間内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイスを備える持上げデバイスとを備える。個々のコンテナは、垂直層で積み重ねられてよく、グリッドフレームワーク構造または「ハイブ(hive)」におけるそれらの場所は、荷積み取り扱いデバイスまたはコンテナの位置およびコンテナの深さを表すために三次元の座標を使用して示されてよい(例えば、(X,Y,Z)、深さWのコンテナ)。同様に、グリッドフレームワーク構造における場所は、荷積み取り扱いデバイスまたはコンテナの位置およびコンテナの深さを表すために二次元で示されてもよい(例えば、コンテナの深さ(例えば、(X、Y)、深さZのコンテナ))。例えば、Z=1は、グリッドの最上層、すなわち、レールまたは軌道システムの直下の層を識別し、Z=2は、レールまたは軌道システムの下の第2の層であり、同様に、グリッドの最も下の底層までを識別する。クレーン機構によりコンテナが持ち上げられたときにコンテナを収容するためのコンテナ受入空間40が、
図5(a)および
図5(b)に示される車両本体32内に配置されているが、本発明は、車両本体32内に位置付けられるコンテナ受入空間40に限定されない。本発明は、例えば、荷積み取り扱いデバイスの車両本体がWO2019/238702(Autostore Technology AS)に記載されたカンチレバー構造を有する場合などのように、カンチレバーの下方に位置付けられたコンテナ受入空間にも適用可能である。本発明では、用語「車両本体」は、任意選択で、カンチレバーの下方にグラバーデバイスが位置付けられるようにカンチレバーを含むと解釈される。しかしながら、本発明の説明を容易にするために、コンテナを受け入れるためのコンテナ受入空間は、車両本体内の空洞または凹部内に配置されているものとして説明される。
【0059】
同様に、本発明の特定の実施形態は、荷積み取り扱いデバイスがレールまたは軌道に沿って移動するように説明しているが、荷積み取り扱いデバイスは、グリッドフレームワーク構造上の任意の経路に沿って移動することができ、レールまたは軌道上を移動することに限定されない。経路は、レールまたは軌道を含むがこれらに限定されない任意の表面であり得る。
【0060】
本発明の一実施形態による充電システム60は、荷積み取り扱いデバイス内に組み込まれ、再充電可能エネルギー貯蔵手段または貯蔵デバイス62を充電するために電源から充電を受けるように構成される。再充電可能エネルギー貯蔵手段62は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体であってよい。任意選択で、再充電可能エネルギー貯蔵手段は、リチウムイオン電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-金属水素化物電池、リチウムイオンポリマー電池、薄膜電池、およびスマートバッテリカーボンフォームベースの鉛蓄電池を含むがこれらに限定されない再充電可能バッテリであり得る。言い換えれば、本発明の例示的実施形態による充電システム60は、少なくとも1つの再充電可能バッテリに充電を供給するために使用され得る。電源は、DC電源またはAC電源であり得る。後者の例では、AC/DCコンバータが、充電ステーションにおける交流電圧を直流電圧に変換して1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端に印加するために充電システムに組み込まれる。任意選択で、車両本体は、電気負荷に電力供給するためにエネルギーを提供するための1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を収容する。
【0061】
説明を容易にするために、充電システム60は、供給電圧を送達し再充電可能エネルギー貯蔵手段(例えば、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体)を充電する充電ステーションの充電ヘッドから充電を受けるように配置された第1の部分64と、エネルギー貯蔵手段または貯蔵デバイス62から電気負荷68にエネルギーを送達するための第2の部分66とに分割され得る。エネルギー貯蔵手段は、充電システム60の第1の部分64と第2の部分66の間に位置付けられる。充電システムの第1の部分64は、チャージ提供要素72を介して電源から充電を受けるように配置されたチャージ受容要素70を備える。本発明の一実施形態では、充電ステーション60のチャージ受容要素70は、充電ステーションの充電ヘッドのチャージ提供要素72と物理的に接触するように配置される。この実施形態では、チャージ受容要素70は、充電ステーションのチャージ提供要素72に物理的に接触するように配置された端子パッドまたは接触面を備える。充電端子パッドまたは充電ヘッドの表面は、荷積み取り扱いデバイスのチャージ受容要素70の端子パッドと接触する充電端子の衝撃を軽減するために、ばねをベースにしてよい。チャージ受容要素70は、荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つの壁に配置され得る。荷積み取り扱いデバイスの車両本体上のチャージ受容要素70の配置のさらなる詳細は、以下でさらに論じられる。チャージ提供要素72および充電受容要素70は、それぞれの接触面の間で電力を伝達するために互いに物理的に接触するように説明されているが、本発明では、チャージ提供要素72およびチャージ受容要素70という用語は、ワイヤレス充電を介する非接触配置を含むようにも解釈され得る。少なくとも1つのチャージ提供要素および少なくとも1つのチャージ受容要素は、接触手段または非接触手段のいずれかを介して電力結合を提供する。
【0062】
図7に示される特定の実施形態では、充電システム60の第1の部分64は、DC電源と電気的に結合するように適合された少なくとも1つのチャージ受容要素70を備える。少なくとも1つのチャージ受容要素70は、2つのチャージ受容パッドを備え、すなわち、チャージ受容パッドの一方はDC-であり、他方は、対応する2つのチャージ供給パッドと嵌合するDC+である。充電システムの第2の部分66は、エネルギー貯蔵手段62の下流にDC/DCコンバータ74を備える。DC/DCコンバータ74は、エネルギー貯蔵手段62からの電圧を電気負荷68の動作電圧に調整する。エネルギー貯蔵手段62からの電力は、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの動作に消費される電力を含むが、これに限定されない電気負荷68によって消費される。これらは、荷積み取り扱いデバイスの持上げ組立体および/または駆動組立体および/または方向変更機構を駆動するための少なくとも1つのモータによって消費される電力、ならびに荷積み取り扱いデバイスの通信ポートと中央制御システムの間の通信を提供するために必要とされる電力を含むが、これらに限定されない。本発明の一例では、少なくとも1つのモータはDCモータである。本発明では、電力負荷68は、グリッドフレームワーク上で動作中に荷積み取り扱いデバイスによって消費される電力を表す。DC/DCコンバータ74を通る入力電圧および電気負荷68の動作電圧に応じて、DC/DCコンバータ74は、エネルギー貯蔵デバイス62からのDC入力電圧を、電気負荷68の両端の適切な電圧にまで低下および/または上昇させることができる。例えば、DC/DCコンバータ74は、DC/DC電圧を低下させる当技術分野で一般に知られる降圧コンバータ、または直流電圧を上昇させる昇圧コンバータ、またはそれらの組み合わせ、例えば、降圧/昇圧コンバータであり得る。当技術分野で一般に知られるように、DC/DCコンバータ74は、パワー段と制御回路とを備える。パワー段は、1つのスイッチングセル76(例えば、トランジスタおよびダイオード)と、出力フィルタ(例えば、インダクタおよびコンデンサ)を含む。DC/DCコンバータ74の出力電圧は、スイッチングセルのデューティサイクルを調整することによって調整される。放電中に所定の電圧を維持するバッテリと比較して、スーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体は、線形放電パターンに従い、これは、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの出力電圧が低下して電気負荷の動作電圧未満に達することを意味する。DC/DCコンバータ74は、電気負荷68の両端の定常電圧を維持するように、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの出力電圧を調整する。本発明では、DC/DCコンバータに関する「調整する」という用語は、直流電圧を低下させるか、または直流電圧を上昇させるか、またはその両方の組み合わせの動作を含む。
【0063】
保管システムからピッキングステーションまでのアイテムのスループットを達成し、したがって需要を満たすために、荷積み取り扱いデバイスがグリッド上で最大の可能な加速で動作することが非常に重要である。グリッド上で動作可能な荷積み取り扱いデバイスの加速が大きいほど、荷積み取り扱いデバイスは、所与の保管コラムから保管コンテナを取り出しまたは保管するときに、所望のグリッドセルに迅速に到達することが可能である。逆に、グリッド上で動作する荷積み取り扱いデバイスの加速が小さいほど、荷積み取り扱いデバイスが所望のグリッドセルに到達するのにかかる時間が長くなり、したがって、荷積み取り扱いデバイスが所与の保管コラムから保管コンテナを取り出すのに消費する時間が長くなる。結果として、保管システムからのアイテムのスループットを維持するため、したがって、より小さい加速で需要を満たすために、より多数の荷積み取り扱いデバイスがグリッド上で動作する必要がある。
【0064】
保管システムは、グリッド上の荷積み取り扱いデバイスの移動を管理する制御システムを備える。制御システムは、荷積み取り扱いデバイスのそれぞれの位置を追跡し、新しい位置へ移動するように荷積み取り扱いデバイスに命令し、衝突を回避する。要求される加速度を荷積み取り扱いデバイスが達成できない場合、予測された時間内に要求される移動を実現できない可能性がある。衝突を回避するために、他の荷積み取り扱いデバイスが減速するか、または経路変更される必要があり得る。これは、制御を非常に複雑にすると共に、加速が不十分な荷積み取り扱いデバイスだけでなく、グリッド上の他の荷積み取り扱いデバイスを減速させ、または他の荷積み取り扱いデバイスのルートを妨害する可能性がある。
【0065】
再充電可能エネルギー貯蔵手段がバッテリである場合、使用中にバッテリが放電されると、バッテリ電圧は時間と共に低下し得る。バッテリ電圧が閾値レベルより低下したとき、バッテリの低下した出力電圧は、モータに十分な電圧を提供できない可能性があることを意味し、したがって、モータは、荷積み取り扱いデバイスが必要とされる加速に到達するのに十分なトルクを提供できない可能性がある。上述のように、DC/DCコンバータ74は、電気負荷68の両端の定常電圧を維持するように、再充電可能エネルギー貯蔵手段からの出力電圧を調整する。これは、バッテリが部分的に放電され、また他の形でモータへの電圧が低下する場合、さらに重要である。
【0066】
グリッド上の荷積み取り扱いデバイスの加速は、駆動機構(例えば、車輪を駆動する1つまたは複数のモータ)のトルク応答に依存する。一般に、再充電可能エネルギー貯蔵手段は、所望の加速度で荷積み取り扱いデバイスを駆動するために必要なトルクを提供するのに十分な電流を供給するように定格される。しかしながら、車輪におけるトルク要求を満たすように再充電可能エネルギー貯蔵手段を定格することの1つの問題は、再充電可能エネルギー貯蔵手段の電力定格が荷積み取り扱いデバイスの他の補助的コンポーネントには大きすぎる可能性があることである。補助的コンポーネントは、回路基板、センサ、アクチュエータ、および他のコンポーネントを含み得る。
【0067】
この問題を軽減する第1の選択肢は、再充電可能エネルギー貯蔵手段からの電圧を、補助的コンポーネントの両端の必要とされる電圧に低下させ、駆動機構(例えば、車輪モータ)を、再充電可能エネルギー貯蔵手段を通る電圧から直接駆動することであろう。第2の選択肢、または第1のオプションと組み合わせた第2の選択肢は、必要なトルクを供給するために駆動機構(例えば、車輪モータ)の両端の電圧を上昇させることであろう。両方の選択肢において、再充電可能エネルギー貯蔵手段から電圧を低下または上昇させるために、DC/DCコンバータが使用され得る。例えば、降圧コンバータが、再充電可能エネルギー貯蔵手段からの電圧を低下させるために使用され、昇圧コンバータが、駆動機構(例えば、車輪モータ)の両端の電圧を上昇させるために使用され得る。代替的に、降圧/昇圧コンバータが、必要な電力消費に応じて降圧変換と昇圧変換の両方を提供するために使用される。
【0068】
昇圧コンバータは、再充電可能エネルギー貯蔵手段から、特にグリッド上の荷積み取り扱いデバイスの加速段階中に、より多くの電流を引き出すので、駆動機構(例えば、車輪モータ)の両端の電圧を上昇させるための昇圧DC/DCコンバータの使用は、再充電可能エネルギー貯蔵手段をより強く駆動する効果を有する。再充電可能エネルギー貯蔵手段がバッテリ、例えば、電解型バッテリである場合、これは、バッテリのセルがより強く駆動され、発熱を引き起こすので、バッテリの寿命を短くする効果を有する。再充電可能エネルギー貯蔵手段としての1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールは、特にグリッド上の荷積み取り扱いデバイスの加速中に、電力消費の急激なスパイクをより良好に処理できるという意味で、より頑強である。補助的コンポーネントにわたる電気負荷は、特にグリッド上の荷積み取り扱いデバイスの加速中に、駆動機構(例えば、車輪モータ)にわたる電気負荷よりも一般にはるかに小さいので、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールにわたる1つまたは複数のDC/DCコンバータが、補助的コンポーネントに過負荷をかけることなく、補助的コンポーネントにわたる電圧および駆動機構(例えば、車輪モータ)にわたる電圧を調整するために使用され得る。また、1つまたは複数のDC/DCコンバータの使用により、荷積み取り扱いデバイスにおける異なる電気負荷に対応するように定格化された別々の電源を提供する必要がなくなる。
【0069】
図7bは、本発明の別の例示的な実施形態による、補助的コンポーネント77のための補助的DC/DCコンバータ75を組み込んだ荷積み取り扱いデバイスの充電システムの主な電気コンポーネントを示す概略図である。上述のように、DC/DCコンバータ74は、エネルギー貯蔵手段62から電気負荷68の一部である駆動機構(例えば、車輪モータ)への電圧を上昇させるために使用され得る。補助的DC/DCコンバータ75は、再充電可能エネルギー貯蔵手段62から補助的コンポーネント77への電圧を低下させるために使用され得る。
【0070】
1つまたは複数の分岐がスーパーキャパシタモジュールのバンクから提供されることが可能であり、各分岐は、電圧を各分岐にわたる所定量の電圧に調整するためのDC/DCコンバータを備える。例えば、1つまたは複数の分岐は、補助的コンポーネントに電力供給することができ、1つまたは複数の分岐は、車輪を駆動するモータに電力供給し、1つまたは複数の分岐のそれぞれの電圧は、DC/DCコンバータによって所定の電圧に調整される。例えば、
図7bに示された実施形態では、補助的DC/DCコンバータ75を使用して補助的コンポーネント77に電力を供給する1つの分岐と、DC/DCコンバータ74を介して電力負荷68に電力を供給する別の分岐とがある。
【0071】
図7bの実施形態は例示的な例に過ぎず、異なる電圧定格を有する異なる補助的コンポーネントのために設けられる複数の補助的DC/DCコンバータがあってよく、および/または異なる電圧定格を有する電気負荷の異なるコンポーネントのために設けられる複数のDC/DCコンバータがあってよいことは理解されよう。例えば、駆動機構(例えば、車輪モータ)は、持上げ機構に対して異なる定格電圧を有し、したがって、異なるDC/DCコンバータによってサービスされてもよい。
【0072】
再充電可能エネルギー貯蔵手段が再充電可能バッテリである場合、DC/DCコンバータは、再充電可能バッテリが電気負荷の両端の動作電圧を供給できるオプションの時間を延長するために使用され得る。例えば、再充電可能バッテリの「サイズ」は、再充電可能バッテリに蓄積され得る電荷の量に依存する。電気化学バッテリは、エネルギーが、充電の大部分の間において高い状態に留まり、その後に充電が消耗すると急速に低下するという点で、他のエネルギー貯蔵デバイスよりも有利である。
【0073】
しかしながら、電気負荷の動作電圧より下への電圧の急速な低下は、再充電可能バッテリの両端の電圧が電気負荷の動作電圧よりも低い場合に、再充電可能バッテリが有用ではないことを意味する。より高い電圧(電気負荷の動作電圧より大きい電圧)の再充電可能バッテリを提供するという意味で、および再充電可能バッテリからの電圧を低下させるためにDC/DCコンバータ(降圧コンバータ)と組み合わせて、再充電可能バッテリのサイズを増大させることによって、再充電可能バッテリの動作時間が増大され得る。例えば、48ボルト再充電可能バッテリの代わりに64ボルト再充電可能バッテリが使用されることが可能であり、DC/DCコンバータは、64ボルト再充電可能バッテリの両端の電圧を48ボルトの動作電圧に低下させる。これは、より高い電圧の再充電可能バッテリにより多くの電荷が蓄積されているので、再充電可能バッテリが電気負荷に必要な動作電圧を供給する時間を延長することになる。
【0074】
同様に、DC/DCコンバータは、再充電可能バッテリ、すなわち、昇圧コンバータの両端の電圧を上昇させることができる。しかしながら、再充電可能バッテリからの電圧を上昇させることの問題は、電気負荷の動作電力を達成するために、電圧の低下を補償するようにバッテリセルからより多くの電流が引き出され、バッテリセルがストレス下に置かれることである。再充電可能バッテリからの電圧を上昇させるためのDC/DCコンバータの使用は、より有用な充電を再充電可能バッテリから抽出するために、比較的短時間の間に適用可能である。
【0075】
本発明の別の例示的な実施形態では、充電システム160は、AC電源から電力を受け取り、エネルギー貯蔵手段または貯蔵デバイスを充電するために交流電圧を直流電圧に変換するように構成される(
図8参照)。充電システム160は、交流電圧を送達し交流電圧を直流電圧に変換する充電ステーションの充電ヘッドからの充電を受けるように配置されたた第1の部分164と、エネルギー貯蔵手段または貯蔵デバイス62からの直流電荷を電気負荷68に送達するための第2の部分66とに分割され得る。充電システム160の第1の部分164は、少なくとも1つのチャージ提供要素72を介してAC電源からの充電を受けるように配置された少なくとも1つのチャージ受容要素70を備える。充電システム160の第2の部分166は、
図7に関して上述された充電システム60と同様に挙動し、それにより、第2の部分は、エネルギー貯蔵手段からの電圧を電気負荷の両端の動作電圧に調整するためにエネルギー貯蔵手段の下流にDC/DCコンバータ74を備える。
【0076】
図8には示されていないが、本発明の特定の実施形態では、充電ヘッドは、三相AC電圧供給源に接続されることが可能であり、したがって、少なくとも1つのチャージ提供要素は、荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つのチャージ受容要素の3つの接触面または接触パッドに物理的に接触するように配置された3つの接触パッドまたは接触面を備える。AC単相電圧供給源と比較して、三相電力供給源の使用は、わずか1.5倍の数のワイヤ(すなわち、2本の代わりに3本)を使用して3倍の電力を送信する能力という利点をもたらす。例えば、英国では、単相AC供給源が2本のワイヤ(ライブおよび中性)を介して230~240ボルトである場合、三相供給は3本のワイヤを介して415ボルトである。荷積み取り扱いデバイスの車両本体上の少なくとも1つのチャージ受容要素の接触面積を節約するために、3つの電気チャージ受容接触面は、接触面を提供する3つの充電の対応する同心円状に配置された3つの環状リングと電気的に結合するように同心円状に配置された3つの環状リングを備えることができる。少なくとも1つのチャージ受容要素の端子パッドを介して受け取られた交流電圧は、その後、再充電可能エネルギー貯蔵手段62を充電するために直流電圧を提供するのに適したAC/DCコンバータまたは整流器80によって直流電圧に変換される。約160Aまでの三相48V交流充電用途の市販の三相AC/DCコンバータの例として、200アンペアのピーク平均順方向電流を有するVishay VS-160MT140KPBFの三相ブリッジ整流器モジュールが挙げられる。充電ステーションは、荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つのチャージ受容要素の両端に印加される前に交流電圧供給を適切な交流電圧に低下させる変圧器を備えることができる。例えば、充電ステーションにおける交流電圧は、三相AC/DCコンバータの両端に供給されるのに適した48ボルトで160アンペアの充電を提供するために、1つまたは複数の変圧器によって低下され得る。
【0077】
上述された実施形態では、充電ステーションから荷積み取り扱いデバイスにおける再充電可能エネルギー貯蔵手段62に電力を転送するために、充電ステーションにおける少なくとも1つのチャージ提供要素72と荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つのチャージ受容要素70との接触パッドの間の物理的接触を説明しているが、本発明の別の例示的実施形態では、少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導的に結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える。当技術分野で一般的に知られるように、ファラデー効果を使用して、ある場所から別の場所へ電力がワイヤレスで伝達されることが可能であり、ここにおいて、変化する磁場が、電気的に絶縁された二次回路内に電流が流れるようにする。
図9には、ワイヤレス電力転送の1つの形態を組み込んだ充電システム260が示されている。ワイヤレス電力転送は、近接しているが間隙(典型的には空隙)により離隔された2つのコイルを備える。ワイヤレス電力転送の一方のコイル172(送信コイル)は、少なくとも1つのチャージ提供要素として作用し、他方のコイル170(受信コイル)は、少なくとも1つのチャージ受容要素として作用する。時変電流は、適切な電子回路(図示せず)によって、少なくとも1つのチャージ提供要素172内に流れるようにされる。少なくとも1つのチャージ提供要素172内を流れる交流電流は、時変磁場(
図9における磁束線として示される)を生成する。時変磁場は、AC/DCコンバータ80を介して少なくとも1つのチャージ受容要素170に電気的に結合された再充電可能エネルギー貯蔵手段62を充電するために使用されるチャージ受容要素170に、電流を誘導する。充電パッドへの物理的接触と比べたワイヤレス電力伝送の利点は、少なくとも1つのチャージ提供要素172および少なくとも1つのチャージ受容要素170が保護層、例えば、防水コーティングで覆われることが可能であり、ワイヤレスチャージ提供要素またはワイヤレスチャージ受容要素が不注意に接触された場合に安全であることである。他の利点は、ワイヤレスチャージ受容要素にわたって高電圧供給を転送する能力を含む。電力転送の効率は、ワイヤレスチャージ提供要素(少なくとも1つのチャージ提供要素)とワイヤレスチャージ受容要素(少なくとも1つのチャージ受容要素)の間のコイルの分離に依存する。本発明では、少なくとも1つのチャージ提供要素および少なくとも1つのチャージ受容要素はそれぞれ、ワイヤレスチャージ提供要素およびワイヤレスチャージ受容要素を含む。市場で入手可能な様々な誘導充電システムは、5mmから48mmの範囲の空隙にわたってコイル間の電力を効果的に転送することができるIn
2Power(登録商標)によって供給される誘導充電システム(Inductive Charging System)を含むが、これに限定されない。
【0078】
少なくとも1つのチャージ提供要素と少なくとも1つのチャージ受容要素の間の物理的接触を介して電力を転送することとは異なり、ワイヤレス充電は、400V以上の領域での高電圧の電力がワイヤレスチャージ受容コイルに転送され得るという利点を提供する。ワイヤレスチャージ受容要素の下流の電気コンポーネントは、
図8に関して上述された電気コンポーネントと同様に挙動し、それにより、交流電圧が、その後、エネルギー貯蔵手段62を充電するために、AC/DCコンバータ80によって直流電圧に変換され、DC/DCコンバータ74は、エネルギー貯蔵手段62からの出力電圧を電気負荷の両端の動作電圧に調整する(すなわち、直流電圧を上昇または低下させる)。典型的には、荷積み取り扱いデバイスのバッテリを充電するための動作電圧は、48Vの領域にある。
【0079】
任意選択の第2または2次のDC/DCコンバータ82(
図10参照)は、AC/DCコンバータ80からの直流電圧(出力電圧)を、再充電可能エネルギー貯蔵デバイス62の両端の適切な電圧に低下または上昇させることができる。第2のDC/DCコンバータ82は、再充電可能エネルギー貯蔵手段62の両端に過度に高い電圧を印加して、それにより再充電可能エネルギー貯蔵手段を過充電することを防止する。同様に、第2のDC/DCコンバータ82は、充電可能エネルギー貯蔵手段62の両端に十分な充電電圧を印加し、それにより充電可能エネルギー貯蔵手段62を適切な電圧に充電するのに必要なAC/DCコンバータ80からの直流電圧を上昇させるように構成され得る。
【0080】
図10に示され本発明の特定の実施形態では、充電システム360は、AC/DCコンバータ80とエネルギー貯蔵手段62、例えば、1つまたは複数のスーパーキャパシタの組立体またはバンクの間に位置付けられたDC/DCコンバータ82と、エネルギー貯蔵手段、例えば、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュール62の組立体62と電気負荷68の間に位置付けられたDC/DCコンバータ74とを備える。本発明を説明し、本発明で使用される用語との整合性を維持するために、エネルギー貯蔵デバイスと電気負荷の間のDC/DCコンバータ74は、第1のDC/DCコンバータ74として定義され、AC/DCコンバータ80とエネルギー貯蔵手段82の間に位置付けられるDC/DCコンバータは、第2のDC/DCコンバータ82として定義される。
【0081】
第2のDC/DCコンバータ82は、AC/DCコンバータ80からのDC電圧を、スーパーキャパシタモジュール62のバンクの両端に印加される所定の電圧へ低下または上昇させるように構成され得る。過剰な充電電圧がスーパーキャパシタモジュールのバンクに損傷をもたらす可能性があるので、所定の電圧は、過剰な充電電圧がスーパーキャパシタモジュールのバンクの両端に印加されないように、スーパーキャパシタモジュール62のバンクの最大充電電圧に依存している。例えば、第2のDC/DCコンバータ82は、第1の電圧でAC/DCコンバータ80から直流電流を引き込み、第1の電圧を、スーパーキャパシタモジュール62のバンクの両端に印加されるのに適した第2の電圧、すなわち、スーパーキャパシタモジュールのバンクの最大定格充電電圧、例えば48ボルトに変換する。本発明の特定の実施形態では、第2のDC/DCコンバータ82は降圧コンバータであり、第1のDC/DCコンバータ74は昇圧コンバータである。任意選択で、また、AC/DCコンバータ80を通した出力電圧に応じて、第2のDC/DCコンバータ82は、AC/DCコンバータ80からの電圧を上昇または低下させることができ、第1のDC/DC74は、スーパーキャパシタモジュール62のバンクからの電圧を上昇または低下させることができ、すなわち、第1のDC/DC74および/または第2のDC/DCコンバータ82は、降圧/昇圧コンバータとすることができる。
【0082】
AC/DCコンバータ80とスーパーキャパシタモジュール62のバンクの間に位置付けられる第2のDC/DCコンバータ82は任意選択であり、AC/DCコンバータ80がエネルギー貯蔵手段の両端の最大電圧で定常電圧を提供できるかどうかに依存する。AC/DCコンバータ80からの出力電圧を調整するために第2のDC/DCコンバータ82を除去することは任意選択であるが、再充電可能エネルギー貯蔵手段62の過充電または充電不足を防止するために、第2のDC/DCは、再充電可能貯蔵デバイス62の過充電を防止し、それにより再充電可能エネルギー貯蔵手段62の寿命を長くするための追加の安全装置を提供する。しかしながら、スーパーキャパシタの線形放電電圧パターンのため、スーパーキャパシタモジュール62のバンクと電気負荷68の間に位置付けられたDC/DCコンバータ(第1のDC/DCコンバータ74)が必要とされ、それにより、スーパーキャパシタモジュール62から引き出された電流が、電気負荷の動作電圧、例えば。48ボルトで電気負荷68に提供されるようになる。
【0083】
図10に示される特定の実施形態では、チャージ受容要素270が交流充電を受信するように適合され、その後、荷積み取り扱いデバイス内のAC/DCコンバータ80によって交流電力供給源が直流に変換されることを説明しているが、本発明は、第2のDC/DCコンバータ82が、少なくとも1つのチャージ受容要素からの直流電圧をエネルギー貯蔵手段の両端の電圧に調整するように構成されるように、少なくともチャージ受容要素が、DC電力供給源から直流充電を直接受ける場合に、同様に適用可能である。
【0084】
図7から
図15を参照して説明された実施形態のすべてにおいて、エネルギー貯蔵手段に貯蔵されたエネルギーは制御ユニット86によって制御される。制御ユニット86は、グリッド構造上の荷積み取り扱いデバイスの動作、充電ステーションでのドッキング、エネルギー貯蔵デバイスに貯蔵されたエネルギーの監視に関する命令を実行するように命令される。制御ユニット86は、通信デバイス(図示せず)を介して、グリッド上の荷積み取り扱いデバイスのナビゲーション/ルーティングを制御するように構成された中央制御システムから命令を受け取り、これは、ある位置から別の位置への移動、衝突回避、移動経路の最適化、行われるアクティビティの制御などを含むが、これらに限定されない。
【0085】
バッテリは、より長い時間期間に充電を保持することができ、スーパーキャパシタと比べて比較的高い比エネルギーを有するが、それらは、環境危険、容易に過充電で損傷されることなどの欠点を有し、充電および放電サイクルの数がはるかに少なく、充電時間がはるかに長く、比較的短い寿命を有し、したがって、グリッドフレームワーク構造上で動作する荷積み取り扱いデバイスのアイドル時間を増大させることになる。
【0086】
スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタ
本発明は、荷積み取り扱いデバイスの電気負荷に電力供給するための電力システムを備える改良された充電システムに関係し、ここにおいて、改良された電力システムは、スーパーキャパシタモジュールの組立体またはバンクを備える。上述された
図7から
図15に関して、エネルギー貯蔵手段は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体を備える。
【0087】
スーパーキャパシタは、主に、二重層スーパーキャパシタおよび/またはタンタルスーパーキャパシタを含む。本発明における最も広く使用されるスーパーキャパシタは、主に電気二重層スーパーキャパシタであり、非常に大量の電荷を貯蔵するために使用され得る。スーパーキャパシタは、従来のキャパシタに見られるような従来の誘電体を使用する代わりに、電気エネルギーを貯蔵するために2つの機構、すなわち、二重層キャパシタンスおよび擬似キャパシタンスを使用する。二重層キャパシタンスは起源が静電的であるが、擬似キャパシタンスは電気化学的であり、これはスーパーキャパシタが、通常のキャパシタの動作と通常のバッテリの動作とを組み合わせていることを意味する。
【0088】
スーパーキャパシタは、通常のキャパシタに匹敵する充電および放電時間、例えば、数秒または数分を有する。そのような充電プロセスは、バッテリよりはるかに速い。例えば、バッテリが完全に充電された状態に達するまで最大数時間を要する場合に、スーパーキャパシタは、数分未満で同じ充電状態にされ得る。バッテリと比べると、最大電力出力が再充電可能エネルギー貯蔵手段の総質量で割られた尺度であるスーパーキャパシタの比電力は、バッテリよりもはるかに大きい。例えば、約1~3kW/kgの比出力を有するリチウムイオン電池と比べると、典型的なスーパーキャパシタの比電力は10kW/kgほどの高さであり得る。スーパーキャパシタはまた、高温および低温で許容されており、これは、荷積み取り扱いデバイスが食料品の輸送の際に冷蔵および/または冷凍環境で動作する場合に特に重要であり、バッテリが同様によく満たすことはできない利点である。本発明では、異なる保存温度として、周囲制御温度、冷却温度、および凍結温度を含む。冷凍温度は、実質的に-25℃から実質的に0℃、より好ましくは実質的に-21℃から実質的に-18℃の範囲にわたり、冷蔵温度は、実質的に0℃から実質的に4℃の範囲にわたり、周囲制御温度は、実質的に4℃から実質的に21℃の範囲にわたる。
【0089】
しかしながら、スーパーキャパシタには、バッテリと比べていくつかの欠点がある。主な欠点の1つは、電池と比べて比較的低い比エネルギーである。比エネルギーは、再充電可能エネルギー貯蔵手段に貯蔵されたエネルギーの総量がその重量で割られた尺度である。リチウムイオンバッテリは、100~200Wh/kgの比エネルギーを有するが、スーパーキャパシタは、典型的には、5Wh/kgしか貯蔵できない。スーパーキャパシタの別の欠点は、それらの線形放電電圧プロファイルである。放電時に定常電圧を維持することができるバッテリと比べて、スーパーキャパシタの両端の電圧は、放電時に直線的に低下する。これは、スーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体の出力電圧が、スーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体上に延びる電気負荷の最小動作電圧を比較的迅速に下回ることを意味し、スーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体内のすべての電荷が完全に放電される前に、荷積み取り扱いデバイスが動作不能になることを意味する。
【0090】
本発明は、スーパーキャパシタの欠点を克服しながら、スーパーキャパシタの利点を活用する荷積み取り扱いデバイスに電力供給するための充電システム60、160、260、360、460、560、660を提供する。上述された充電システムと同様に、充電システム60、160、260、360、460、560、660は、電力供給源からの電力を受け取るための第1の部分64、164、264、364、464、564、664と、電気負荷68に電力を送達するための第2の部分66、166、266、366、466、566、666とを備える。電力供給源は、DC電力供給源はまたはAC電力供給源であり得る。電力供給源がAC供給源である場合、充電システムの第1の部分は、
図8、
図9、および
図10を参照して上述されたようにAC/DCコンバータ80を備える。
【0091】
スーパーキャパシタの両端の電圧が放電時に直線的に低下すると、スーパーキャパシタ62と電気負荷68の間に位置付けられたDC/DCコンバータ74は、電気負荷68の両端で定常的な所定の動作電圧を維持するように構成される。例えば、荷積み取り扱いデバイスのモータは48Vの電圧で動作する。この例では、DC/DCコンバータ74は、スーパーキャパシタモジュール62から電流を抽出し、48Vで電力を電力負荷に提供するように構成される。スーパーキャパシタモジュール62の放電中に電圧が低下すると、DC/DCコンバータ74は、電気負荷68の両端の所定の動作電圧を維持するように、スーパーキャパシタ62からの直流電圧を上昇させるように構成される。スーパーキャパシタモジュール62のバンクを横切る出力電圧に応じて、DC/DCコンバータ74は、スーパーキャパシタモジュール62のバンクからの電圧を上昇させる、すなわち、昇圧コンバータ、および/またはスーパーキャパシタモジュール62のバンクからの電圧を低下させる、すなわち、降圧コンバータ、または両方の組み合わせ、すなわち、降圧/昇圧であり得る。スーパーキャパシタの線形放電電圧パターンのため、スーパーキャパシタモジュール62のバンクと電気負荷68の間に位置付けられたDC/DCコンバータ74が必要とされ、それにより、スーパーキャパシタモジュール62から引き出された電流が、電気負荷の動作電圧、例えば、48ボルトで電気負荷68に提供されるようになる。
【0092】
しかしながら、DC/DCコンバータが入力直流電圧を低下または上昇させるのが理想的であるが、DC/DCコンバータは充電回路において損失を示す。この損失は、入力電圧を上昇または低下する必要がある程度に依存する。所与の出力電圧について、DC/DCコンバータの効率は、閾値電圧より上に達するDC/DCコンバータを通る入力電圧に依存し、閾値電圧より下では、DC/DCが、DC電圧を上昇または低下させる効率が低下する。スーパーキャパシタの線形放電電圧は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの残留電圧が、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの入力電圧を電気負荷の両端の動作電圧に効率的に上昇または低下させるのに十分なDC/DCコンバータ74の閾値電圧を上回ることを確実にするための課題を提示する。残留電圧は、放電中にスーパーキャパシタモジュールのバンクにわたり残存する電圧である。
【0093】
本発明は、キャパシタ、特にスーパーキャパシタの理論的側面をまず考慮することによって最もよく説明される。電気負荷に送達され得るエネルギーの量は、キャパシタに蓄積された電荷の量に依存する。前述の式1によれば、スーパーキャパシタ上の全電荷は、スーパーキャパシタの全キャパシタンスおよびスーパーキャパシタの両端の電圧に依存する。スーパーキャパシタのキャパシタンスが大きいほど、スーパーキャパシタに蓄積できる電荷は大きい。同様に、スーパーキャパシタの両端の電圧が大きいほど、スーパーキャパシタ上に蓄積できる電荷は大きくなる。エネルギーに関しては、スーパーキャパシタに貯蔵されたエネルギーは次の式によって与えられる。
【0094】
【0095】
スーパーキャパシタに貯蔵されたエネルギーは、
図11に示される概略図で表され得る。ここでは、2つのスーパーキャパシタ90、92のそれぞれが、式3に従って同じ量のエネルギーを貯蔵するように示されている。左側の第1のスーパーキャパシタ90が、スーパーキャパシタの両端の仮想最大電圧70Vを有し、右側の第2のスーパーキャパシタ92が、スーパーキャパシタの両端の仮想最大電圧48Vを有すると仮定する。スーパーキャパシタを2つのバケツと仮定すると。電圧はバケツの高さ、容量(すなわちキャパシタンス)はその幅である。最小抽出電圧(この例では30V)を有するDC/DCコンバータ74の物理的限界のために、高電圧で低容量スーパーキャパシタが、30Vマークに対してより多くの電圧マージンを有するので、より多くのエネルギーを抽出するのを可能にする。したがって、より多くの残留電荷がより低いキャパシタンスのスーパーキャパシタに残るので、スーパーキャパシタの両端の電圧が閾値電圧に達する時間の尺度である放電時間は、より高いキャパシタンスのスーパーキャパシタよりも低いキャパシタンスのスーパーキャパシタの方が大きい。閾値電圧は、DC/DCコンバータ74が電圧を動作電圧まで上昇させることができないので、荷積み取り扱いデバイスがその下で動作不能である電気負荷の動作サイクルと等価であり得る。スーパーキャパシタの最大充電電圧のパーセンテージとして表すと、閾値電圧は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの最大充電電圧のX%を表すことができ、ここで、Xは、10%から50%、好ましくは20%から50%、より好ましくは30%から50%である。
【0096】
1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクまたは組立体の総キャパシタンス、ひいては最大電圧は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを直列および/または並列に接続することによって制御され得る。直列に接続されたスーパーキャパシタモジュールの総キャパシタンスは、次の式によって与えられる。
【0097】
【0098】
同様に、並列に接続されたスーパーキャパシタモジュールの総キャパシタンスは、次の式によって与えられる。
【0099】
【0100】
並列および直列に接続されたスーパーキャパシタの数を制御することにより、スーパーキャパシタのバンクまたは組立体の総キャパシタンス、ひいては最大電圧は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧がDC/DCコンバータの閾値電圧を上回るように調整され、それにより、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧がDC/DCコンバータの閾値電圧を下回るときからの放電時間を増大させることができる。
【0101】
スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧が、DC/DCコンバータ74が電気負荷68の両端に動作電圧を効率的に印加するために必要な閾値電圧を下回ると、荷積み取り扱いデバイスはスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するように命令される。荷積み取り扱いデバイス内の制御ユニット86は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧を監視し、電圧が所定の電圧すなわち閾値電圧を下回るかそれに達すると、充電ステーションを訪問するように荷積み取り扱いデバイスに命令する。同様に、制御ユニット86は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの状態に関する情報を含む信号を中央制御システムに送り、次いで、それは、スーパーキャパシタモジュールの両端の電圧が閾値電圧に相当する所定の電圧に達したときに充電ステーションを訪問するように制御ユニット86を介して荷積み取り扱いデバイスに命令を送る。制御システムは、1つまたは複数のサーバを備えることができ、各サーバは、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された1つまたは複数のセットの命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む。
【0102】
スーパーキャパシタの充電時間は、バッテリと比べて比較的短いので、スーパーキャパシタモジュールのバンクの再充電は、荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク構造上で有用な作業を行うことができる全体の時間のうちの小さな割合に相当し得る。例えば、グリッドフレームワーク構造上の動作は、荷積み取り扱いデバイスが、第1のグリッドセルから第2のグリッドセルへの経路に沿ってコンテナまたはトートを移送するように命令されることを含むことができる。荷積み取り扱いデバイスは、基地局および基地局コントローラのセットを介して確立された周波数チャネルのセットを介して制御システムと通信することが可能であり得る。荷積み取り扱いデバイスと制御システムの間の通信については、WO2015/185628(Ocado Innovation Limited)でさらに論じられており、その内容は参照により組み込まれる。この動作は、第1のグリッドセルからコンテナを取り上げ、第2のグリッドセルにコンテナを降下することを含む。上述されたように、グリッドフレームワーク構造における場所は、荷積み取り扱いデバイスまたはコンテナの位置およびコンテナの深さ(例えば、コンテナの深さ(例えば、(X、Y)、深さZのコンテナ))を表すために、二次元で示され得る。
【0103】
本発明の一態様では、直列および/または並列に接続された1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組み合わせは、荷積み取り扱いデバイスが、グリッドフレームワーク構造上の動作においてスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するために、より少ない充電ステーションを訪問するように、調整され得る。上記の例を挙げると、経路は、荷積み取り扱いデバイスを第1の位置または場所から第2の位置に移動することを含み得、グリッド構造上で、第1の位置または場所は第1のグリッドセルであり、第2の位置または場所は第2のグリッドセルである。所与の電圧で蓄積された所定量の充電を有するスーパーキャパシタモジュールのバンクは、スーパーキャパシタモジュールのバンクの最大電圧定格によって決定され得る。制御ユニットは、スーパーキャパシタの両端の電圧がグリッドフレームワーク構造上の作業の際に低下するので、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧を定期的に監視する。スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧が閾値電圧に相当する電圧に達したとき、荷積み取り扱いデバイスは、スーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電または再ロードするために充電ステーションを訪問するように命令される。この電圧は、DC/DCコンバータ74の閾値電圧以上であり得る。
【0104】
荷積み取り扱いデバイスは、スーパーキャパシタモジュールバンクにおける残留電圧、および残留電圧が閾値電圧を下回るかどうかに応じて、経路に沿って1つまたは複数の充電ステーションを訪問するように命令され得る。閾値電圧を決定する際に、スーパーキャパシタモジュールのバンクは、スーパーキャパシタモジュールのバンクを再ロードまたは再充電するために充電ステーションを訪問するのに十分なエネルギーを有するべきである。制御システムは、ストレージデバイスに格納されたグリッド全体に分散された充電ステーションのマップにアクセスし、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧の量を考慮に入れて、荷積み取り扱いデバイスに最も近い充電ステーションを決定する。
【0105】
動作時間は、グリッドフレームワーク構造上で荷積み取り扱いデバイスが動作する時間の尺度である。スーパーキャパシタモジュールのバンクの放電時間は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の残留電圧が所定の充電電圧(すなわち、閾値電圧)に達する時間の尺度である。動作時間と放電時間の両方が、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の最大電圧に依存する。スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の最大電圧がより高いと、放電時間を増大され、したがって、より長い動作時間をもたらす。上述されたように、スーパーキャパシタモジュールのバンクの最大電圧は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを直列に接続することによって調整され得る。各スーパーキャパシタモジュールは所与の重量を有するので、複数のスーパーキャパシタモジュールを一緒に接続することが、スーパーキャパシタモジュールのバンクの重量を増大させる。100~200Wh/kgのオーダーのスーパーキャパシタよりもはるかに高い比エネルギーを有するリチウムイオン電池のようなバッテリと比べて、スーパーキャパシタモジュールのバンクに貯蔵されたエネルギーと、スーパーキャパシタモジュールの数、したがってスーパーキャパシタモジュールのバンクの重量との間のバランスがとられる。複数のスーパーキャパシタモジュールを一緒に接続することによって最大電圧を増大させることは、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの動作時間を増大させるだけでなく、スーパーキャパシタモジュールのバンクの重量を増大させ、したがって、グリッドフレームワーク構造上で増大された重量を推進するために、少なくとも1つのモータによってより多くの作業が行われる必要があるので、電気負荷を増大させる。
【0106】
荷積み取り扱いデバイスがスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するために充電ステーションを訪問する必要があるであろう訪問回数は、動作時間に依存し、動作時間は、電気負荷の動作電圧を提供することができるスーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧に依存し、その電圧は、DC/DCコンバータ(
図10に関する第1のDC/DCコンバータ74)の閾値電圧に依存する。これは、スーパーキャパシタモジュールのバンクに貯蔵されたエネルギーの量に依存し、このエネルギー量は、上記の
図11に従い、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の最大電圧に依存する。スーパーキャパシタは、電気負荷の動作サイクルを超える所定の電圧を提供する点でバッテリと競合し得るが、スーパーキャパシタモジュールのバンクの動作時間を増大させることは、荷積み取り扱いデバイスがスーパーキャパシタモジュールのバンクを再ロードまたは再充電するために充電ステーションを訪問する必要があるであろう頻度を減少させる。異なる市販のスーパーキャパシタモジュールの動作時間および放電時間の例が以下の例で論じられる。
【0107】
追加の安全を提供するために、本発明の充電システム460は、再充電可能エネルギー貯蔵手段の損傷を防止するために、再充電可能エネルギー貯蔵手段62の両端の電圧が再充電可能エネルギー貯蔵手段62の最大充電電圧に相当する所定の電圧に達したときに、再充電可能エネルギー貯蔵手段62を絶縁する、少なくとも1つの電気チャージ受容要素70と再充電可能エネルギー貯蔵手段62の間に位置付けられた絶縁スイッチ84を備えることもできる(
図12参照)。より具体的には、制御ユニット86は、再充電可能エネルギー貯蔵手段62の両端の電圧が再充電可能エネルギー貯蔵手段62の最大充電電圧に相当する所定の電圧に達したときに、電気エネルギー貯蔵手段62から少なくとも1つの電気チャージ受容要素70を絶縁するように絶縁スイッチ84を作動させるように動作する。これは、再充電可能エネルギー貯蔵手段62が1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクである場合に特に重要である。約10kW/kgのスーパーキャパシタの高い比電力は、スーパーキャパシタの接触部が不注意に接触されると、スーパーキャパシタが非常に短時間に大量の電力を供給することを意味する。スーパーキャパシタモジュールのバンクを絶縁することによって、スーパーキャパシタモジュールが、少なくとも1つのチャージ受容要素70の接触による、あらゆる偶発的な短絡を軽減するのに役立つ。
図12は、少なくとも1つのチャージ受容要素70と絶縁スイッチ84とを備える充電システム460の第1の部分464を示しているが、第1の部分464は、
図8、
図9、および
図10に関して上述されたように、AC/DCコンバータ80および/または第2のDC/DCコンバータ82をさらに備えることができる。すべての場合において、絶縁スイッチは、充電システムの第1の部分をエネルギー貯蔵手段から絶縁できるように配置され、例えば、絶縁スイッチは、エネルギー貯蔵手段に隣接して位置付けられる。
【0108】
回生システム
充電システム、特に本発明の第2の部分は、任意選択で、回生システムを含むことができる。
図13に示される本発明の特定の実施形態では、充電システム560の第2の部分564は、回生システムを備え、それにより、グリッド上の荷積み取り扱いデバイスの減速または制動中に生成された運動エネルギーが、再充電可能エネルギー貯蔵手段62内に取り込まれる。
【0109】
本発明の実施形態では、電気負荷68によって回生されたエネルギーは、第1のDC/DCコンバータ74をバイパス88して、主再充電可能エネルギー貯蔵手段62に流れることができる。
図14(a)、
図14(b)、および
図14(c)に示される特定の実施形態では、充電システム560の第2の部分566は、バイパススイッチ88を備え、再充電可能エネルギー貯蔵手段62は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクである。バイパススイッチ88は、
図14(a)に示されるように、電気エネルギーがスーパーキャパシタモジュール62のバンクから第1のDC/DCコンバータ74を介して電気負荷68に流れることを可能にするための第1の位置と、
図14(b)に示されるように、少なくとも1つのモータから回生された電気エネルギーがスーパーキャパシタモジュール62のバンクに流れるように、第1のDC/DCコンバータ74をバイパスするための第2の位置とを有する。例えば、実際には、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの加速中は、バイパススイッチ88は、
図14(a)に示されるように第1の位置にあり、したがって、電力が第1のDC/DCコンバータ74を通って流れ、そこで上昇または低下されて、少なくとも1つのモータ68にわたって提供される。グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの減速中は、バイパススイッチ88は、
図14(b)に示されるように第2の位置にあり、したがって、少なくとも1つのモータから取り込まれた電力がスーパーキャパシタモジュール62のバンクを充電するように流れ、すなわち回生される。また、
図14(a)、
図14(b)、および
図14(c)には、上述された中央制御システム(図示せず)から命令を受信し、またそれに命令を提供するための通信デバイス96が示されている。通信デバイス96は、充電の状態およびグリッド上の荷積み取り扱いデバイスの位置に関して荷積み取り扱いデバイスの制御ユニットが中央制御システムと通信できるように、絶えず電力供給されている。中央制御システムからの命令は、通信デバイス96を介して荷積み取り扱いデバイスの制御ユニットに通信される。
【0110】
充電ステーションでスーパーキャパシタモジュールのバンクを充電する際に荷積み取り扱いデバイスがアイドル状態になる期間に、バイパススイッチ88は、通信デバイス96が電力供給され続けるように第1の位置にある。充電するときのバイパススイッチ88の位置は、
図14(c)に示されている。バイパススイッチ88は、電気負荷の両端の電圧が所定の電圧を超えるのに応じて、第1の位置から第2の位置へ移動する。第1のDC/DCコンバータ74は、電気負荷にわたる出力電圧を荷積み取り扱いデバイスの公称動作電圧に維持する。グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの減速または制動中に、スーパーキャパシタモジュールのバンクから引き出されるエネルギーに加えて、エネルギーが少なくとも1つのモータによって生成される。これにより、出力電圧が荷積み取り扱いデバイスの公称動作電圧を超えることになる。出力電圧が公称電圧を超えると、荷積み取り扱いデバイスの制御ユニットは、DC/DCコンバータ74を保護するために電力がスーパーキャパシタモジュールのバンクに流れるように、バイパススイッチを第2の位置に切り替える。任意選択の保護回路98は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端に印加される最大充電電圧を超える過電圧を防止する。
【0111】
本発明の充電システムの一部を形成するバイパススイッチ88の代わりに、
図15に示される本発明の別の実施形態による回生システムは、主再充電可能貯蔵手段62の下流に追加の再充電可能エネルギー貯蔵手段100を備え、すなわち、エネルギー貯蔵1とラベル付けされた第1の再充電可能エネルギー貯蔵手段62と、エネルギー貯蔵2とラベル付けされた第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100とを備える。本発明の好ましい実施形態では、第1および第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段62、100は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクである。グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの減速または制動中に電気負荷68の少なくとも1つのモータから生成されたエネルギーは、第1の再充電可能エネルギー貯蔵手段62の下流の第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100内に取り込まれる。
図13および
図14に教示されるように、第1のDC/DCコンバータ74をバイパスするバイパススイッチ88の必要性に代えて、第2の再充電可能貯蔵手段100は、荷積み取り扱いデバイスの減速または制動中に少なくとも1つのモータから回生されたエネルギーを充電システムが捕捉するための方法を提供する。
【0112】
第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100が1つまたは複数のスーパーキャパシタのバンクである場合、第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100は、主または第1の再充電可能エネルギー貯蔵手段が通常動作で経験するであろうスパイクをフィルタリングする追加の機能も提供する。再充電可能貯蔵手段における電気負荷は、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスのピーク動作中、例えば、持上げ機構のウインチの加速および/または動作中の電気負荷スパイクとして、一般にノイズを伴う。第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100は、電気負荷によって消費されるエネルギーのこれら突然のバーストを吸収し、それにより、主または第1の再充電可能貯蔵手段62を、そのようなエネルギーの頻繁なバーストから保護することができる。例えば、再充電可能バッテリは、例えば、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの加速および/または持ち上げ機構の動作中に、電気負荷によって消費されるエネルギーの突然のバーストによって、バッテリセルの加熱および損傷を受けやすい。再充電可能バッテリの損傷を軽減し、したがって寿命を延ばすために、再充電可能バッテリの下流にある1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体(第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段)が、電気負荷における突然のスパイクおよびノイズを吸収するのを助ける。
【0113】
また、
図15には、
図12に関して上述されたように第1のエネルギー貯蔵手段62内の電荷が全容量に達したときに第1のエネルギー貯蔵手段62を絶縁するように、第2のDC/DCコンバータ82と第1のエネルギー貯蔵デバイスまたは手段62の間に配置された任意選択の絶縁スイッチ84が示されている。
【0114】
ハイブリッドシステム
スーパーキャパシタは、短期の電力需要を満たすために急速充電が必要とされる場合に理想的であるのに対し、バッテリは、長期のエネルギーを提供するために選択される。比エネルギー5Wh/kgを有するスーパーキャパシタに比べて、バッテリは比エネルギーが約120~240Wh/kgであり、この2つを組み合わせるハイブリッドバッテリは、両方のニーズを満たし、バッテリストレスを低減し、より長い耐用寿命をもたらす。
図16に示すような本発明の代替実施形態では、再充電可能エネルギー貯蔵デバイスまたは手段62と補助的エネルギー貯蔵手段102の間で電気負荷が共用されるように、荷積み取り扱いデバイスの電気負荷68に電力供給するための電力システムが、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102をさらに備える。長期エネルギーを提供するために、好ましくは、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102は、1つまたは複数のバッテリ、たとえば、リチウムイオン電池であり、エネルギー貯蔵手段は、スーパーキャパシタモジュールのバンクである。プロセッサを備えるエネルギー管理システムまたは制御ユニット86は、電気負荷のエネルギーの取り込みを制御し、スーパーキャパシタモジュールのバンク(再充電可能エネルギー貯蔵手段)62と補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102の間で電気負荷を共用する。制御ユニット86は、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧を監視するための上述されたのと同じ制御ユニットとすることができる。充電システムの第1の部分64、164、264、364、464、564、664、および第2の部分66、166、266、366、466、566、666は、
図7から10および
図12から15に関連して説明された充電システム60、160、260、360、460、560、660のいずれかのものと同様である。
【0115】
補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102のエネルギーは、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧が電気負荷の動作電圧に相当する所定の電圧よりも低下した場合、少なくとも1つのモータに電力を供給するように作動させることができる。例えば、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102は、メインの第1の再充電可能エネルギー貯蔵手段62の両端の電圧が、電気負荷の動作電圧に相当し得る所定のレベルを下回った場合に、予備電源として機能することができる。補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102はまた、スーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するために荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションに移動することを可能にするのに十分なエネルギーを提供する。制御ユニット86は、スーパーキャパシタモジュールのバンク(スーパーキャパシタモジュールの第1または第2のバンク)の両端の電圧を監視し、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧が、電気負荷の動作電圧に相当する所定の値、またはDC/DCコンバータ74の閾値電圧を下回った場合、制御ユニット86は、荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレーム構造上でその動作を継続すること、および/または再充電可能エネルギー貯蔵手段(スーパーキャパシタモジュールのバンク)62を再充電するために充電ステーションに移動することを可能にするために、電源を補助的再充電可能貯蔵デバイスまたは手段102に切り替えるようにアクチュエータに命令する。再充電可能エネルギー貯蔵手段62および補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102からのエネルギーは、電気負荷、すなわち少なくとも1つのモータに無停電電源を提供するように共用され得る。
【0116】
再充電可能エネルギー貯蔵手段62と補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102の間で電気負荷68についての要求を共有することにより、再充電可能エネルギー貯蔵手段62と補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102が荷積み取り扱いデバイスの異なる領域に別々に電力を供給する形態をとることもできる。特に、1つは、
図4および
図5を参照して上述されたように、グリッドフレームワーク構造内からコンテナを把持するためのグラバーデバイス104の把持要素106の作動である。
図17に示される特定の実施形態では、グラバーデバイス104は、4つのコーナー部、上側部108、および下側部110を有するフレームとして形成される。コンテナ10を把持するために、グラバーデバイス104は、コンテナ10の四隅に形成された対応する切欠きまたは孔114と嵌合するグラバーデバイス104の各隅またはその近くにある4つの位置決めピンまたはガイドピン112と、コンテナの縁に係合するためにグラバーデバイス104の底面に配置された4つの把持要素106とを備える(
図18参照)。位置決めピン114は、把持要素106をコンテナの縁の対応する孔に適切に位置合わせするのを助ける。グリッパ要素のそれぞれは、コンテナの縁の対応する孔116内に収容可能に折り畳める一対のウィングを備え、それは、コンテナにロックするようにコンテナの縁の孔116よりも少なくとも一方向で大きいサイズを有する開放拡大構成を備える(
図18参照)。ウィングは、駆動ギアによって開放構成へ駆動される。より具体的には、ウィングの少なくとも1つのヘッドは、把持要素106が作動されたときに、駆動ギアの回転によって対のウィングが折り畳まれた構成から開放拡大構成へ回転するように、駆動ギアと噛合する複数の歯を備える(
図18)。
【0117】
折り畳まれたまたは閉じられた構成のとき、把持要素106は、
図18に示されるように、コンテナの縁の対応する孔116に受け入れ可能な大きさにされている。対のウィングのそれぞれの足部は、ストップ118、例えば、ボスを備え、これにより、コンテナの縁の対応する孔116に受け入れられたとき、ストップは、縁の下側と係合し、拡大された開放構成の場合、グラバーデバイス104が荷積み取り扱いデバイスのコンテナ受入部に向かって上方にウインチで動かされたときにコンテナにロックする。
【0118】
把持要素106は、グラバーデバイスの下側に取り付けられた1つまたは複数の深さセンサ(図示せず)によって測定されるように、グラバーデバイス104がコンテナの縁より上の所定の高さにあるときに、コンテナの縁の孔に受け入れられる。この深さにおいて、把持要素106は、グラバーデバイス104の下側に取り付けられた深さセンサの1つまたは複数からの信号に応答してコンテナ10を把持するように作動される。グラバーデバイスが深さセンサによって測定されるようにコンテナより上の所定の高さにあるとき、これは、
図18に示されるように把持要素がコンテナの縁の穴に受け入れられることを示しているが、コントローラは、コンテナを把持するように、少なくとも1つの方向で孔よりも大きいサイズを有する拡大された開放構成になるように把持要素106を作動させるために駆動ギアに信号を送る。
【0119】
把持要素106は、1つまたは複数の回転ソレノイド(図示せず)によって作動され、グラバーデバイス104から荷積み取り扱いデバイスの車両本体、特に荷積み取り扱いデバイスのコンテナ受入空間への延長可能な電力ケーブルを介して、電力を受け取る。本発明の特定の実施形態では、把持要素を作動させるための1つまたは複数の回転ソレノイドの電力供給源は、荷積み取り扱いデバイスの駆動機構および/または持ち上げ機構(ウインチ)に電力供給するエネルギー貯蔵手段62によって提供される電力から独立した補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102によって提供され得る。補助エネルギー貯蔵手段102は、グラバーデバイス、すなわち、把持要素に電力供給する回転ソレノイドに別個の電源を提供するように、グラバーデバイス104のフレームに取り付けられる。上述された本発明の充電システムと同様に、把持デバイス104は、把持デバイスが車両本体のコンテナ受入空間内の上昇位置にあるときに、車両本体、特に車両本体のコンテナ受入空間に取り付けられた少なくとも1つの補助的チャージ提供要素(図示せず)と協働するように配置された、少なくとも1つの補助的チャージ受容要素(図示せず)を備えることができる。したがって、補助的再充電電源供給源は、グラバーデバイスが荷積み取り扱いデバイスのコンテナ受入空間の上昇位置にあるときに再充電され、グリッドフレームワーク構造内からコンテナまたはトートを取り上げるためにグラバーデバイスが下降されるときに切断される。把持要素は、コンテナと係合するために短い時間期間しか作動しないので、補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102は、頻繁な間隔でエネルギーのそのような短いバーストに耐えることができるスーパーキャパシタモジュールのバンクとされ得る。低い比エネルギー(約5Wh/kg)と高い比電力(約10kW/kg)のため、スーパーキャパシタは、そのような動作のために電力を供給する理想的な候補となる。
【0120】
本発明の充電システムが、電気負荷からエネルギーを取り込むために、
図15に関して実施形態で上述されたように、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体とに電力を送達するように構成されている場合、電気負荷は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と補助的エネルギー貯蔵手段の間で共用されることが好ましい。これは、電気負荷、例えば、少なくとも1つのモータから回生されたエネルギーが、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体に取り込まれることが好ましいからである。
【0121】
上述された本発明の実施形態における充電システムと同様に、グラバーデバイスに取り付けられた少なくとも1つの補助的チャージ受容要素は、車両本体上の少なくとも1つの補助的チャージ提供要素の少なくとも2つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合するための少なくとも2つの電気チャージ受容接触面を備える。これは、グラバーデバイスがコンテナ受入空間における上昇位置にあるときに電気的に接触をするばねベースの物理的接触パッドを使用し得る。代替的に、少なくとも1つの補助的チャージ受容要素は、少なくとも1つの補助的チャージ提供要素のワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える。グラバーデバイスは、
図7から
図10を参照して上述された本発明の充電システムと同様の概念に基づく補助的充電システムを備えることができる。例えば、補助的チャージ提供要素と結合するように配置された補助的チャージ受容要素に加えて、補助的充電システムは、把持要素を動作させるために回転ソレノイドの両端に適切な動作直流電圧を供給するために、補助的AC/DCコンバータと、少なくとも1つの補助的DC/DCコンバータとを備える。
【0122】
充電ステーション
本発明によれば、充電システム60、160、260、360、460、560、660の少なくとも1つのチャージ受容要素は、充電ステーションの充電ヘッドにチャージ提供要素を介してDC電源またはAC電源から電力を受け取るように構成される。上述されたように、充電ステーションのチャージ提供要素と充電システムの少なくとも1つのチャージ受容要素の間の電力結合は、ばねベースの接触面またはパッドに基づく物理的接触、または磁気誘導を介したワイヤレス充電を介することが可能である。結合が電気接点を介している場合、チャージ提供要素は、荷積み取り扱いデバイスの充電システムの少なくとも2つの対応するチャージ受容パッドまたは面と電気的に結合するための少なくとも2つのチャージ提供端子パッドまたは面(例えば、ライブおよびニュートラル)を備える。同様に、結合がワイヤレス充電を介する場合、少なくとも1つのチャージ提供要素は、変化する磁場を提供する送信コイルを備え、少なくとも1つのチャージ受容要素は、少なくとも1つのチャージ受容要素と誘導結合する受信コイルを備える。
【0123】
少なくとも1つのチャージ受容要素は、充電ヘッドの少なくとも1つのチャージ提供要素と結合するために、荷積み取り扱いデバイスの少なくとも1つの壁に取り付けられる。
図6、
図19、および
図20は、本発明の一実施形態による再充電可能エネルギー貯蔵手段を充電するための充電ヘッドの代替的構成を示す。例えば、
図6に示されるように、チャージ受容要素は、導入で先述されたように、チャージ受容要素が上述の充電ヘッドと結合するように、荷積み取り扱いデバイスの車両本体の上壁に取り付けられる。
図19には、荷積み取り扱いデバイス30の車両本体の側壁120を介して結合が行われる、他の構成が示される。ここで、少なくとも1つのチャージ提供要素72は、エッジまたはグリッドフレームワーク構造において壁またはポストに側面で取り付けられ、荷積み取り扱いデバイス30は、少なくとも1つのチャージ受容要素70が充電ヘッド52の少なくとも1つのチャージ提供要素72と結合するように、壁またはポストに対してそれ自体を位置決めするように命令される。同様に、本発明で適用可能なように、少なくとも1つのチャージ受容要素70と少なくとも1つのチャージ提供要素72の間の結合は、荷積み取り扱いデバイスのベース部を介して行われ得る(
図20参照)。ここで、少なくとも1つのチャージ受容要素70は、グリッドフレーム構造上の軌道またはレール22のような経路に取り付けられた充電ヘッド52と結合するように配置された車両本体の底壁に取り付けられる。少なくとも1つのチャージ受容要素70は、再充電可能エネルギー貯蔵手段が荷積み取り扱いデバイスの複数の異なる面から充電され得るように、車両本体の1つまたは複数の壁上に複製され得る。
【0124】
スーパーキャパシタモジュールのバンクのワイヤレス充電は、長い時間期間にグリッドフレームワーク構造上の経路を過度にブロックすることなく、スーパーキャパシタモジュールのバンクを充電するバッテリと比べて、荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションで比較的短い時間期間にドッキングするように命令されることが可能であるという利点を提供する。1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスが、例えばピッキング動作中に、グリッド上で急速に再充電することが可能なように、複数の充電ステーションがグリッドの周りまたはグリッド上に分散され得る。例えば、動作は、第1のグリッドセルからコンテナを取り上げ、コンテナを第2のグリッドセルに移送し、コンテナは第2のグリッドセル内へ下降されることを含むミッションまたは動作を行うように、荷積み取り扱いデバイスが命令されることを含むことができる。荷積み取り扱いデバイスは、ミッションを実施するためにグリッドフレームワーク構造上の経路に沿って移動するように命令される。上述された制御システムは、ミッションを実施するための電荷の量、およびグリッド構造上の各荷積み取り扱いデバイスにおける電荷の量を決定する。ミッションを実施するために1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に十分な電荷を有する荷積み取り扱いデバイスが選択され得る。再充電可能エネルギー手段デバイスが、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクである場合、ミッションを実施するために必要なエネルギーは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクに貯蔵されたエネルギーを超えることがある。経路は、ミッションを実施するときに荷積み取り扱いデバイスが1つまたは複数の充電ステーションを訪問するように、グリッドフレームワーク構造上で延長されてもよい。例えば、荷積み取り扱いデバイスは、第2のグリッドセルへの移動を続行する前に、スーパーキャパシタモジュールのバンクを再ロードするために、充電ステーションへ行くために第2のグリッドセルへ移動するときに回り道または迂回を行うように命令され得る。同様に、本発明の範囲内で、制御システムは、荷積み取り扱いデバイスに、ミッションを実施する前に、最初に充電ステーションを訪問するように命令することができる。
【0125】
荷積み取り扱いデバイスがグリッドセルからコンテナを取り上げるとき、荷積み取り扱いデバイスがグリッドセル上に静止している時間期間、例えば、30秒間は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するのに十分な長さであるので、充電ステーションは、第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルにあることが可能である。例えば、荷積み取り扱いデバイスは、第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルで充電するように命令され得る。第1のグリッドセルはピックステーションであってよく、第2のグリッドセルはデカントステーションであってよい。上述された1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を誘導充電する能力は、第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルで動作を行うときに、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を同時に充電する荷積み取り扱いデバイスの能力を提供する。この動作は、第1のグリッドセルおよび/または第2のグリッドセルでコンテナを取り上げまたは堆積(下降)することを含むことができる。例えば、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は、持ち上げ機構のウインチを動作させながら誘導充電されることが可能である。
【0126】
代替的に、荷積み取り扱いデバイスが、グリッド上の経路に沿って第1のグリッドセルから第2のグリッドセルへ移動している場合に、ミッションを実行しているときに、1つまたは複数の充電ステーションを訪問するように、1つまたは複数の充電ステーションが、経路に沿って分散されてよい。
【実施例1】
【0127】
エネルギー貯蔵手段としての1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクの実現可能性と、それらがグリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの性能に及ぼす影響とを評価するために、計算が行われた。リチウムイオン電池のバンクによって電力供給される荷積み取り扱いデバイスとの比較が行われた。
【0128】
比較として、荷積み取り扱いデバイスは、従来、リチウムイオンバッテリモジュールのバンクによって電力供給されている。リチウムイオンバッテリモジュールのパラメータが以下の表1に示されている。
【0129】
【0130】
表1の結果によれば、電気負荷の動作電圧は48ボルトであり、160アンペアの電流を提供する。以下の表2は、重量30kgのリチウムイオン電池モジュールにより制約され、本発明による充電システムで使用され得る市販のスーパーキャパシタモジュールの例であり、表1に示されたリチウムイオン電池によって生成された電圧、例えば48ボルトに等しい電圧を電気負荷の両端に提供する。表2において、2つ以上のスーパーキャパシタモジュールが、スーパーキャパシタモジュールのバンクのキャパシタンスを増大させるために、並列に接続されてよく、例えば30kgの再充電可能エネルギー貯蔵手段の重量要件に入ることが明らかである。例えば、48Vの最大定格電圧と165ファラドのキャパシタンスとを有するYunaskoからの製品名EDLCの市販されている2つのスーパーキャパシタモジュールが、並列に組み合わされて、330ファラドの総キャパシタンス(式5を参照)を与え、48ボルトのスーパーキャパシタモジュールの最大定格電圧を提供することができる。各スーパーキャパシタモジュールは13.5kgの重量を有するので、これは、組み合わされた重量が27kgであり、同等のリチウムイオン電池の目標値の30kgよりも軽い。
【0131】
【0132】
表3は、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスに電力供給するリチウムイオンバッテリのバンクの性能を示す。
【0133】
【0134】
典型的には、リチウムイオンバッテリは4時間の放電ごとに15分の充電を必要とする。4時間の期間のグリッドフレームワーク構造上での動作中に、荷積み取り扱いデバイス内の制御デバイス(制御ユニット)と中央制御システムの間の通信デバイス96(
図14参照)を介する通信によって電力が消費されるとき、電力負荷における電力は600Wのピークに達し、アイドル時に96Wである。電力負荷によって消費される平均電力は、4時間にわたって400W、すなわち100Whあるとされる。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクは、等価な電力を提供するために、完全に充電されたときに少なくとも100Whのエネルギーを貯蔵する必要があることになる。リチウムイオン電池の寿命は、周囲制御温度(10~30℃)では3年、冷蔵温度(0.5℃)では0.5年である。
【0135】
例として、表4は、初期エネルギー100Whで充電された市販のスーパーキャパシタモジュールに印加された48ボルトでの異なる充電電流において計算された充電時間および放電時間を示す。表2に示されるようにリチウムイオン電池の4時間の期間の平均消費電力は400Wであると考えられる。表4の右側には、スーパーキャパシタモジュールの放電の33%から100%の範囲の異なる放電深度(DoD)で消費されるエネルギーを示している。48Vでの計算された充電電流は、スーパーキャパシタモジュールに提供され得る最大電力によって制限される。市販のスーパーキャパシタモジュールは、48Vの最大定格電圧および165ファラドのキャパシタンスを有する、Yunaskoの製品名EDLCに属する(表2参照)。表4で明らかなように、48Vにおいて充電電流が大きいほど、充電時間は短くなる。したがって、より小さい電流でより長い時間充電するのと比較して、スーパーキャパシタモジュールは、同じレベルの電力を提供するために、より多い電流で5秒未満で充電されることが可能である。実際には、充電ステーションは、48Vで150アンペアから160アンペアの範囲で電流を提供する。表4によれば、これは、15秒から20秒の充電時間に相当するが、放電時間は5分にすぎない(表4の太字の電流値を参照)。充電時間を減少させ、放電時間を増加させると共に、より小さい充電電流、例えば、150アンペアから160アンペアで同じレベルの電力を供給するために、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧は、式3にしたがって増大され、DC/DCコンバータは、スーパーキャパシタモジュールのバンクからの出力電圧を電気負荷の両端の動作電圧、例えば、48Vへ調整する。しかし、これは当然ながら、スーパーキャパシタモジュールの最大定格電圧に依存する。表2に示されるように、スーパーキャパシタモジュールの最大定格電圧は、48ボルトから102ボルトの範囲である。1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを直列に同様に接続することは、スーパーキャパシタモジュールのバンクの最大定格電圧を増大させるという同じ所望の効果を有する。12~18分の充電の間に4時間の放電時間を提供できるバッテリと比べて、スーパーキャパシタの使用は、グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスの同じレベルの動作を提供するために、より頻繁な充電をやはり必要とするであろう。しかしながら、スーパーキャパシタは、より多くの充電および放電サイクルに耐えることができ、各充電サイクルは短く、すなわち、印加するエネルギーのバーストが頻繁であるが短い。
【0136】
表4の右側には、異なる放電時間で使用される等価エネルギー、および100Wh初期充電スーパーキャパシタの等価なDoDを示す。平均消費電力が400Wの場合、5分の放電時間では、33%のDoD、33Whの等価エネルギーを示す。同様に、100%放電では、100Whのスーパーキャパシタについて100Whのエネルギーを示す。表3に示されるように荷積み取り扱いデバイスによって消費される平均電力は4時間の期間にわたって400Wであるため、100Whを提供するように最初に充電されたスーパーキャパシタの場合、これは15分の放電時間で100%のDoDを示し、すなわち、100Wで4×15分=1時間である。
【0137】
グリッドフレームワーク構造上の荷積み取り扱いデバイスのミッションに応じて、したがって、グリッドフレームワーク構造上でミッションを実施する際に荷積み取り扱いデバイスによって消費される電力に応じて、荷積み取り扱いデバイスがミッションを完了することを可能にするために十分にスーパーキャパシタモジュールに補充をするために、1つまたは複数の充電ステーションを訪問することによって、短いエネルギーバーストがスーパーキャパシタモジュールに提供され得る。グリッドフレームワーク構造上でミッションを実施している時間と比べて、スーパーキャパシタモジュールのバンクの充電時間は、この時間のうちの小さな割合に相当する。充電時間は比較的短く秒のオーダーであり、スーパーキャパシタは複数の充電サイクルに耐えることができるので、荷積み取り扱いデバイスは、グリッドフレームワーク構造上で動作中に複数の充電ステーションを訪問することができる。例えば、スーパーキャパシタは、100%のDoDで290K回にわたってサイクルを繰り返すことができ、これは、約8年の耐用寿命に相当し、典型的なバッテリの耐用寿命よりもはるかに長い。
【0138】
【実施例2】
【0139】
スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧がある時間または再充電時間の期間において充電ステーションでスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するのに必要な閾値電圧を下回る前に荷積み取り扱いデバイスがグリッドフレームワーク構造上で動作する時間の尺度である動作時間の比を確定するために、モンテカルロシミュレーションが行われた。再充電時間は、スーパーキャパシタモジュールのバンクを完全に充電された状態に再充電するために要する時間の尺度である。モンテカルロシミュレーションを行うにあたり、充電ステーションに到達するために荷積み取り扱いデバイスが移動しなければならないグリッド上のx方向の距離の21.3メートルに対応する28個のグリッドセルの距離と共にミッションを行う際に、3つの市販のスーパーキャパシタモジュールが調査された。このミッションは、第1のグリッドセルからコンテナを取り上げ、コンテナを第2のグリッドセルに移送し、そこにコンテナが送達され、すなわち下降されることを含む。本質的に、ミッションは、場所に到達し、ある深さからコンテナまたはトートを取り上げ、別の場所に移動し、ある深さにそれを下げるためのX、Y、およびZでの移動のセットである。各移動は、関連付けられた時間、距離、エネルギー消費があり、各ミッションからの出力を作成するために合計される。充電ステーションまでの距離は、ミッションのための荷積み取り扱いデバイスに利用可能なエネルギー(残留)の量に影響を与えるが、これは、充電ステーションに戻るのに十分な量を残しておく必要があり、後で充電ステーションから戻るのにいくらかを使用するからである。ミッションを「実行」する前に、荷積み取り扱いデバイスは、それを実行するのに十分なエネルギーを有しているかどうかをチェックし、その後、最小電圧(最小閾値エネルギーレベルに対応する)を下回らずに充電ステーションに到着する。
【0140】
【0141】
スーパーキャパシタA、B、およびCの電圧およびキャパシタンスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールを直列および/または並列に接続することによって調整される(表5参照)。例えば、並列に表2に示されている48VスーパーキャパシタモジュールYunaskoを接続することによって、スーパーキャパシタAについて312.5のキャパシタンスが達成される。上述されたDC/DCコンバータの効率に関係する最小入力電圧に対応する閾値電圧は、30Vに設定される。モンテカルロシミュレーションの結果が表6に要約され、
図21~
図24にプロットされている。
【0142】
【0143】
表6での移動距離は、荷積み取り扱いデバイスが充電ステーションに移動するのに必要なエネルギーを考慮に入れ、この場合、28グリッドセルに設定され、すなわち、移動距離=y-xであり、ここで、yは荷積み取り扱いデバイスによる総距離移動であり、xは充電ステーションまでの距離である。グリッド上を移動する距離およびグリッド上での動作時間に関して、100v定格スーパーキャパシタモジュールが、より良好な性能を提供することが、表6および
図21~
図24から明らかである。これは、式3に従って、閾値を上回る高電圧スーパーキャパシタでは、低電圧スーパーキャパシタよりも多くのエネルギーが利用可能であるからである。表6に示される残留エネルギーは、残されたエネルギーの量を示し、それ未満では、スーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧がDC/DCコンバータの閾値電圧に達し、閾値未満ではDC/DCが有効ではない。DC/DCコンバータは、DC/DCコンバータの出力電圧が電気負荷の動作電圧になるように、すなわち、少なくとも1つのモータを駆動するように、スーパーキャパシタモジュールのバンクの両端の電圧を調整する。これは、表6において、スーパーキャパシタモジュールの両端の電圧が閾値電圧に達する前に、荷積み取り扱いデバイスを駆動するために、閾値電圧よりも高く、より多くのエネルギーが利用可能であるので、より高い電圧のスーパーキャパシタのより少ない残留エネルギーによって示されている。結果として、より高い電圧のスーパーキャパシタでは、スーパーキャパシタモジュールに残る残留エネルギーがより低く、その結果、再充電プロセスがより長く続くので、再充電時間はより長くなる。
【0144】
動作時間と充電時間の間の比(O/R)はバッテリとスーパーキャパシタの間の比較を可能にするため、重要なパラメータである。バッテリの場合、平均で、動作時間は4時間であり、充電時間は15分である。バッテリの平均O/Rは、約16または16:1である。表6および
図24から明確に明らかなように、再充電可能エネルギー貯蔵手段が1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクを含む場合、動作時間と再充電時間の間の比(O/R)が16または16:1より大きく、好ましくは16から25(16:1から25:1)の間、より好ましくは17から21(17:1から21:1)の間、より好ましくは18から21(18:1から21:1)の間である。これは、荷積み取り扱いデバイスが、充電ステーションに到達するためにグリッド上の28個のグリッドセルの距離をカバーしなければならない場合で計算される。荷積み取り扱いデバイスが1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールのバンクを再充電するために充電ステーションに移動しなければならない距離が短くなると、この比は増加する。これは、充電ステーションを訪問するのに消費されるエネルギーがより少なくなるからである。
【0145】
以下の表7および
図25に示されるプロットは、充電ステーションまでの距離が48Vスーパーキャパシタモジュールについて0グリッドセル、14グリッドセル、および28グリッドセルと変化する、動作時間/再充電時間(O/R)の比を示す。充電ステーションまでの距離は、ミッションのために荷積み取り扱いデバイスに利用可能なエネルギーの量に影響を与えるが、これは、充電ステーションに戻るのに十分なエネルギーを残しておく必要があり、後でそこから戻るのにいくらかを使用するからである。予想されるように、充電ステーションまでの距離が短いほど、充電ステーションに移動するのに消費されるエネルギーが少ないので、O/R比はより大きい。
図25の破線は、リチウムイオン電池のO/R比を表す。48ボルトの初期電圧で動作するスーパーキャパシタモジュールの場合、O/R比は、充電ステーションまでの距離が28セルである18.27(18.27:1)から、充電ステーションまでの距離が0である30(30:1)まで変動し、すなわち、荷積み取り扱いデバイスは、充電ステーションへの迂回路を取る必要はない。
【0146】
【0147】
本発明のさらなる特徴は以下を含む。
[1] コンテナのスタックの上方にグリッドパターンで配置された経路を支持するグリッドフレームワークを備える保管システムにおいて積み重ねされた1つまたは複数のコンテナを持ち上げて移動させるための荷積み取り扱いデバイスであって、
(i)上記グリッドフレームワーク上で荷積み取り扱いデバイスを移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する車両本体と、
(ii)使用時に、コンテナを解放可能に把持し、上記コンテナを上記スタックからコンテナ受入空間内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイスを備える持上げデバイスと、ここにおいて、上記持上げ駆動組立体および/または上記駆動機構が、電気負荷を形成する少なくとも1つのモータを備える、
(iii)上記電気負荷に電力供給するためにエネルギーを提供するための上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体と、
(iv)上記車両本体上に配置された少なくとも1つの電気チャージ受容要素を備える上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するための第1の部分と、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体から上記電気負荷にエネルギーを送達するための第2の部分とを備える充電システムと
を備える荷積み取り扱いデバイスにおいて、
上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体とを備え、
上記充電システムの上記第1の部分は、上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素がAC電力供給源から電力を受け取るように構成されるように、AC/DCコンバータをさらに備え、
上記充電システムの上記第2の部分は、DC/DCコンバータが上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の両端に所定の直流電圧を与えるように構成されるように、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の間に位置付けられた上記DC/DCコンバータを備えることを特徴とする、荷積み取り扱いデバイス。
[2] 上記DC/DCコンバータは、降圧コンバータ、または昇圧コンバータ、またはこれらの組み合わせである、特徴1に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[3] 上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、上記車両本体の少なくとも1つの壁に配置される、特徴1または2に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[4] 上記車両本体の上記少なくとも1つの壁は、上記車両本体の少なくとも1つの側壁である、特徴3に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[5] 上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、上記車両本体の1つまたは複数の壁上に複製される、特徴3または4に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[6] 上記充電システムの上記第1の部分は、上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素と上記1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体および/または1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の間に位置付けられた絶縁スイッチをさらに備え、ここにおいて、コントローラが、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体から上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素を絶縁するために上記絶縁スイッチを作動させるように動作する、上記特徴のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。
[7] 上記コントローラは、上記1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体および/または1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体の両端の電圧が所定の充電電圧に到達するのに応答して、上記絶縁スイッチを作動させるように構成される、特徴6に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[8] 上記DC/DCコンバータは、第1のDCコンバータであり、上記充電システムの上記第1の部分は、上記第1のDC/DCコンバータの上流に第2のDC/DCコンバータを備え、上記第2のDC/DCコンバータが上記電気負荷の両端に所定の電圧を与えるように構成されるように、上記第2のDC/DCコンバータは、上記少なくとも1つのチャージ受容要素と上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体の間に位置付けられる、上記特徴のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。
[9] 上記第1のDC/DCコンバータは昇圧コンバータおよび/もしくは降圧コンバータであり、ならびに/または上記第2のDC/DCコンバータは降圧コンバータおよび/もしくは昇圧コンバータである、特徴8に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[10] 上記1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体および/または上記1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールの第2の組立体のうちの1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールは、直列および/または並列に接続される、上記特徴のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。
[11] 補助的エネルギー貯蔵手段をさらに備え、ここにおいて、上記電気負荷は、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体と上記補助的エネルギー貯蔵手段の間で共用される、上記特徴のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。[12] 上記グラバーデバイスは、4つのコーナー部、上側部、および下側部を備えるフレームと、コンテナに係合するための少なくとも2つの把持要素とを備え、上記持上げ駆動組立体は、上記車両本体内の上昇位置から下降位置への垂直方向に上記グラバーデバイスを移動させるように上記持上げ駆動組立体が配置されるように、スプールまたはリールに巻かれた一端部と、上記グラバーデバイスに接続された第2の端部とを有するウインチケーブルを備えるウインチ機構を備え、ここにおいて、上記電気負荷は、上記少なくとも2つの把持要素のそれぞれを作動させるための1つまたは複数の回転ソレノイドをさらに備える、特徴11に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[13] 上記補助的エネルギー貯蔵手段は上記フレームに取り付けられる、特徴12に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[14] 上記車両本体は、補助的チャージ提供要素を備え、上記グラバーデバイスは、補助的チャージ受容要素を備え、上記補助的チャージ受容要素は、上記グラバーデバイスが上記上昇位置にあるとき、上記補助的チャージ提供要素と電気的または磁気的に結合するように配置される、特徴13に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[15] 上記補助的チャージ提供要素は、ワイヤレス充電送信コイルであり、上記補助的チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルである、特徴14に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[16] 上記補助的エネルギー貯蔵手段は、1つもしくは複数のバッテリおよび/または1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールを備える、特徴11から15のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。
[17] 上記充電システムの上記第1の部分は、上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素がAC電力供給源から電力を受け取るように構成されるように、AC/DCコンバータをさらに備える、上記特徴のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイス。
[18] 上記AC/DCコンバータは、上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素が、三相AC電源の3つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合するための3つの電気チャージ受容接触面を備えるように、三相整流器である、特徴17に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[19] 上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える、特徴17に記載の荷積み取り扱いデバイス。
[20] 保管システムであって、
(i)複数の直立コラムの間に積み重ねられ上記直立コラムにより垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナのための複数の垂直保管場所を形成するように配置された上記複数の直立コラムを備えるグリッドフレームワーク構造と、ここにおいて、上記複数の直立コラムは、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材とによって相互連結され、上記第2のセットのグリッド部材は、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に上記第1のセットのグリッド部材に対して延びている、 (ii)上記グリッドフレームワークにおいて積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスと、上記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスのそれぞれは、特徴1から18のいずれかに記載の荷積み取り扱いデバイスを備える、
(iii)上記荷積み取り扱いデバイスの上記少なくとも1つの電気チャージ受容要素と電気的に結合するための充電ヘッドを備える充電ステーションと
を備える保管システム。
[21] 保管システムであって、
(i)複数の直立コラムの間に積み重ねられ上記直立コラムにより垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナのための複数の垂直保管場所を形成するように配置された上記複数の直立コラムを備えるグリッドフレームワーク構造と、ここにおいて、上記複数の直立コラムは、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材とによって相互連結され、上記第2のセットのグリッド部材は、複数のグリッドセルを備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に上記第1のセットのグリッド部材に対して延びている、 (ii)上記グリッドフレームワークにおいて積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスと、上記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイスのそれぞれは、特徴19に記載の荷積み取り扱いデバイスを備える、 (iii)AC電源に電気的に結合された充電ヘッドを備える充電ステーションと、上記充電ヘッドは、上記荷積み取り扱いデバイスの上記ワイヤレス充電受信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電送信コイルを備える、
を備える保管システム。
[22] 上記充電ステーションは、上記グリッドフレームワーク構造全体に分散された1つまたは複数の充電ステーションを備える、特徴21に記載の保管システム。
[23] 特徴20から22のいずれかに記載の保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイスを充電するための充電最適化システムであって、
上記グリッド構造における上記荷積み取り扱いデバイスの移動を制御するための制御システムを備え、ここにおいて、上記荷積み取り扱いデバイスは、基地局および/またはトランスポンダのセットを介して確立された周波数チャネルのセットを介して、上記制御システムと通信するように動作可能であり、上記制御システムは、
(i)動作を実施することと、上記動作は、上記グリッドフレームワーク構造上で第1の場所から第2の場所にコンテナを移送することを備える、
(ii)上記荷積み取り扱いデバイスの上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量を決定することと、
(iii)上記動作を実施するために必要とされる電荷の量を決定することと
を行うために命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備え、
ここにおいて、上記制御システムの上記1つまたは複数のプロセッサは、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体内の上記電荷の量が、上記動作を実施するために必要とされる上記電荷の量よりも少ない場合、上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するために充電ステーションを訪問するように上記荷積み取り扱いデバイスに対して命令を実行するようにさらに構成される、充電最適化システム。
[24] 上記制御システムの上記1つまたは複数のプロセッサは、
(iv)上記荷積み取り扱いデバイスの上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された上記電荷の量に基づいて、上記動作を実施するための上記グリッド構造に沿った経路を選択するための命令を実行するようにさらに構成される、特徴23に記載のシステム。
[25] 上記1つまたは複数の充電ステーションは、上記第1の場所および/または上記第2の場所にある、特徴23または24に記載のシステム。
[26] 上記1つまたは複数の充電ステーションは、上記第1の場所と上記第2の場所の間にある、特徴23から25のいずれかに記載のシステム。
[27] 特徴20から22のいずれかに記載の保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイスを動作させる方法であって、
(i)再充電時間として定義される時間の期間に1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するステップと、
(ii)第1のグリッドセルを訪問するステップと、
(iii)上記第1のグリッドセルからコンテナを持ち上げるステップと、
(iv)上記コンテナを第2のグリッドセルに搬送するステップと、
(v)上記コンテナを上記第2のグリッドセル内に下降させるステップと、
(vi)上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の閾値電圧に到達するまで動作時間にわたってステップ(ii)からステップ(v)を繰り返すステップと
を備え、
ここにおいて、上記再充電時間に対する上記動作時間の比は、16から35の範囲内である、方法。
[28] 上記再充電時間に対する上記動作時間の上記比は、17から35、または18から35の範囲内である、特徴27に記載の方法。
[29] 上記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は、48Vから100Vの範囲の電圧限界を有する、特徴27または28に記載の方法。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] コンテナ10のスタック12の上方にグリッドパターンで配置された経路を支持するグリッドフレームワーク構造14を備える保管システムにおいて積み重ねされた1つまたは複数のコンテナ10を持ち上げて移動させるための荷積み取り扱いデバイス30であって、
(i)前記グリッドフレームワーク構造14上で荷積み取り扱いデバイス30を移動させるように動作可能に配置された駆動機構を収容する車両本体32と、
(ii)使用時に、コンテナ10を解放可能に把持し、前記コンテナ10を前記スタック12からコンテナ受入空間40内へ持ち上げるように構成された持上げ駆動組立体およびグラバーデバイス39を備える持上げデバイスと、ここにおいて、前記持上げ駆動組立体および/または前記駆動機構が、電気負荷68を形成する少なくとも1つのモータを備える、
(iii)前記電気負荷68に電力供給するためにエネルギーを提供するための再充電可能エネルギー貯蔵手段62と、
(iv)前記車両本体32上に配置された少なくとも1つの電気チャージ受容要素70を備える前記再充電可能エネルギー貯蔵手段62を充電するための第1の部分64と、前記再充電可能エネルギー貯蔵手段62から前記電気負荷68にエネルギーを送達するための第2の部分66とを備える充電システム60と
を備える荷積み取り扱いデバイス30において、
前記充電システムの前記第2の部分66は、DC/DCコンバータ74が前記電気負荷68の両端に所定の直流電圧を与えるように構成されるように、前記再充電可能エネルギー貯蔵手段62と前記電気負荷68の間に位置付けられた前記DC/DCコンバータ74を備えることを特徴とする、荷積み取り扱いデバイス30。
[2] 前記再充電可能エネルギー貯蔵手段62は再充電可能バッテリである、[1]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[3] 前記再充電可能エネルギー貯蔵手段62は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体である、[1]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[4] 前記DC/DCコンバータ74は、降圧コンバータ、または昇圧コンバータ、またはこれらの組み合わせである[3]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[5] 前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素70は、前記車両本体32の少なくとも1つの壁に配置される、[3]または[4]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[6] 前記車両本体32の前記少なくとも1つの壁は、前記車両本体32の少なくとも1つの側壁である、[3]から[5]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[7] 前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素70は、前記車両本体32の1つまたは複数の壁上に複製される、[3]から[6]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[8] 前記充電システムの前記第1の部分64は、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素70と前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられた絶縁スイッチ84をさらに備え、ここにおいて、コントローラが、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体から前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素70を絶縁するために前記絶縁スイッチ84を作動させるように動作する、[3]から[7]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[9] 前記コントローラは、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の充電電圧に到達するのに応答して、前記絶縁スイッチ84を作動させるように構成される、[8]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[10] 前記充電システムの前記第2の部分66は、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体からの電気エネルギーが前記DC/DCコンバータ74を通って流れることを可能にするための第1の位置と、前記電気負荷68から回生された電気エネルギーが前記DC/DCコンバータ74をバイパスして前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に向かうように、前記DC/DCコンバータ74をバイパスするための第2の位置とを有するバイパススイッチ88を備える、[3]から[9]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[11] 前記バイパススイッチ88を前記第1の位置から前記第2の位置へ作動させるように動作する制御ユニット86をさらに備える、[10]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[12] 前記制御ユニット86は、前記電気負荷68の両端の前記電圧が所定の電圧を超えたとき、前記バイパススイッチ88を前記第1の位置から前記第2の位置へ作動させるように動作する、[11]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[13] 前記DC/DCコンバータ74は、第1のDCコンバータ74であり、前記充電システム60の前記第1の部分64は、前記第1のDC/DCコンバータ74の上流に第2のDC/DCコンバータ82を備え、前記第2のDC/DCコンバータ82は、前記少なくとも1つのチャージ受容要素70と前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の間に位置付けられる、[3]から[12]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[14] 前記第1のDC/DCコンバータ74は昇圧コンバータおよび/もしくは降圧コンバータであり、ならびに/または前記第2のDC/DCコンバータ82は降圧コンバータおよび/もしくは昇圧コンバータである、[13]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[15] 前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体62は、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの第1の組立体であり、前記荷積み取り扱いデバイスは、1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの前記第1の組立体の下流に第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100をさらに備え、前記第1のDC/DCコンバータ74が前記第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100の両端に所定の電圧を与えるように構成されるように、前記第2の再充電可能エネルギー貯蔵手段100は、前記第1のDC/DCコンバータ74と前記電気負荷68の間に位置付けられる、[13]または[14]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[16] 前記組立体の前記スーパーキャパシタモジュールの前記1つまたは複数は、直列および/または並列に接続される、[3]から[15]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[17] 補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102をさらに備え、ここにおいて、前記電気負荷68は、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体と前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102の間で共用される、[3]から[16]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[18] 前記グラバーデバイス39は、4つのコーナー部、上側部、および下側部を備えるフレームと、コンテナ10に係合するための少なくとも2つの把持要素106とを備え、前記持上げ駆動組立体は、前記車両本体32内の上昇位置から下降位置への垂直方向に前記グラバーデバイス39を移動させるように前記持上げ駆動組立体が配置されるように、スプールまたはリールに巻かれた一端部と、前記グラバーデバイス39に接続された第2の端部とを有するウインチケーブル38を備えるウインチ機構を備え、ここにおいて、前記電気負荷68は、前記少なくとも2つの把持要素106のそれぞれを作動させるための1つまたは複数の回転ソレノイドをさらに備える、[17]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[19] 前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102は前記フレームに取り付けられる、[18]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[20] 前記車両本体32は、補助的チャージ提供要素を備え、前記グラバーデバイス39は、補助的チャージ受容要素を備え、前記補助的チャージ受容要素は、前記グラバーデバイス39が前記上昇位置にあるとき、前記補助的チャージ提供要素と電気的または磁気的に結合するように配置される、[19]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[21] 前記補助的チャージ提供要素は、ワイヤレス充電送信コイルであり、前記補助的チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルである、[20]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[22] 前記補助的再充電可能エネルギー貯蔵手段102は、1つもしくは複数のバッテリおよび/または1つもしくは複数のスーパーキャパシタモジュールを備える、[17]から[21]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[23] 前記充電システムの前記第1の部分は、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素がAC電力供給源から電力を受け取るように構成されるように、AC/DCコンバータをさらに備える、[3]から[22]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[24] 前記AC/DCコンバータは、前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素が、三相AC電源の3つの電気チャージ提供接触面に電気的に結合するための3つの電気チャージ受容接触面を備えるように、三相整流器である、[23]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[25] 前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素は、ワイヤレス充電送信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電受信コイルを備える、[23]に記載の荷積み取り扱いデバイス30。
[26] 保管システムであって、
(i)複数の直立コラム16の間に積み重ねられ前記直立コラム16により垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナ10のための複数の垂直保管場所を形成するように配置された前記複数の直立コラム16を備えるグリッドフレームワーク構造14と、ここにおいて、前記複数の直立コラム16は、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材18と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材20とによって相互連結され、前記第2のセットのグリッド部材20は、複数のグリッドセル23を備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に前記第1のセットのグリッド部材18に対して延びている、
(ii)前記グリッドフレームワーク構造14において積み重ねられたコンテナ10を持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス30と、前記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス30のそれぞれは、[3]から[24]のいずれか一項に記載の荷積み取り扱いデバイス30を備える、
(iii)前記荷積み取り扱いデバイス30の前記少なくとも1つの電気チャージ受容要素70と電気的に結合するための充電ヘッド52を備える充電ステーション50と
を備える保管システム。
[27] 保管システムであって、
(i)複数の直立コラム16の間に積み重ねられ前記直立コラム16により垂直方向にガイドされる1つまたは複数のコンテナ10のための複数の垂直保管場所を形成するように配置された前記複数の直立コラム16を備えるグリッドフレームワーク構造14と、ここにおいて、前記複数の直立コラム16は、それらの上端部において、第1の方向に延びる第1のセットのグリッド部材18と第2の方向に延びる第2のセットのグリッド部材20とによって相互連結され、前記第2のセットのグリッド部材20は、複数のグリッドセル23を備えるグリッド構造を形成するように、実質的に水平面で横方向に前記第1のセットのグリッド部材18に対して延びている、
(ii)前記グリッドフレームワーク構造14において積み重ねられたコンテナ10を持ち上げて移動させるための1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス30と、前記1つまたは複数の荷積み取り扱いデバイス30のそれぞれは、[25]に記載の荷積み取り扱いデバイス30を備える、
(iii)AC電源に電気的に結合された充電ヘッド52を備える充電ステーション50と、前記充電ヘッド52は、前記荷積み取り扱いデバイス30の前記ワイヤレス充電受信コイルと誘導結合するためのワイヤレス充電送信コイルを備える、
を備える保管システム。
[28] 前記充電ステーション50は、前記グリッドフレームワーク構造14全体に分散された1つまたは複数の充電ステーション50を備える、[26]または[27]に記載の保管システム。
[29] [26]から[28]のいずれか一項に記載の保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイス30を充電するための充電最適化システムであって、
前記グリッド構造における前記荷積み取り扱いデバイス30の移動を制御するための制御システムを備え、ここにおいて、前記荷積み取り扱いデバイス30は、基地局および/またはトランスポンダのセットを介して確立された周波数チャネルのセットを介して、前記制御システムと通信するように動作可能であり、前記制御システムは、
(i)動作を実施することと、前記動作は、前記グリッドフレームワーク構造14上で第1の場所から第2の場所にコンテナ10を移送することを備える、
(ii)前記荷積み取り扱いデバイス30の前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された電荷の量を決定することと、
(iii)前記動作を実施するために必要とされる電荷の量を決定することと
を行うために命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備え、
ここにおいて、前記制御システムの前記1つまたは複数のプロセッサは、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体内の前記電荷の量が、前記動作を実施するために必要とされる前記電荷の量よりも少ない場合、前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するために充電ステーション50を訪問するように前記荷積み取り扱いデバイス30に対して命令を実行するようにさらに構成される、充電最適化システム。
[30] 前記制御システムの前記1つまたは複数のプロセッサは、
(iv)前記荷積み取り扱いデバイス30の前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体に蓄積された前記電荷の量に基づいて、前記動作を実施するための前記グリッド構造に沿った経路を選択するための命令を実行するようにさらに構成される、[29]に記載のシステム。
[31] 前記1つまたは複数の充電ステーション50は、前記第1の場所および/または前記第2の場所にある、[29]または[30]に記載のシステム。
[32] 前記1つまたは複数の充電ステーション50は、前記第1の場所と前記第2の場所の間にある、[29]から[31]のいずれか一項に記載のシステム。
[33] [26]から[28]のいずれか一項に記載の保管システムにおいて荷積み取り扱いデバイス30を動作させる方法であって、
(i)再充電時間として定義される時間の期間に1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体を充電するステップと、
(ii)第1のグリッドセルを訪問するステップと、
(iii)前記第1のグリッドセルからコンテナ10を持ち上げるステップと、
(iv)前記コンテナ10を第2のグリッドセルに移送するステップと、
(v)前記コンテナ10を前記第2のグリッドセル内に下降させるステップと、
(vi)前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体の両端の電圧が所定の閾値電圧に到達するまで動作時間にわたってステップ(ii)からステップ(v)を繰り返すステップと
を備え、
ここにおいて、前記再充電時間に対する前記動作時間の比は、16から35の範囲内である、方法。
[34] 前記再充電時間に対する前記動作時間の前記比は、17から35、または18から35の範囲内である、[33]に記載の方法。
[35] 前記1つまたは複数のスーパーキャパシタモジュールの組立体は、48Vから100Vの範囲の電圧限界を有する、[33]または[34]に記載の方法。