(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】固定部材、電池、電力使用装置および電池の製造方法と製造システム
(51)【国際特許分類】
H02G 3/32 20060101AFI20240805BHJP
H01M 50/502 20210101ALN20240805BHJP
【FI】
H02G3/32
H01M50/502
(21)【出願番号】P 2022565932
(86)(22)【出願日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2021096020
(87)【国際公開番号】W WO2022246685
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】阮生▲シェン▼
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-140921(JP,A)
【文献】国際公開第2010/001477(WO,A1)
【文献】特開2021-013230(JP,A)
【文献】特開2005-160273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/32
H01M 50/502
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を固定するための固定部材であって、
外部ベースに接続されたベースと、
前記ベースに接続され、前記ベースとの間に前記部品を収容するための収容溝が形成された上部カバーと、
前記収容溝の頂壁と前記収容溝の底壁間に設けられ、第1方向において前記部品を押し付けて前記部品を前記頂壁と前記底壁間に固定するために使用される第1弾性部材と、
前記収容溝の2つの内側壁間に設けられ、第2方向において前記部品を押し付けて、前記部品を前記収容溝の2つの前記内側壁間に固定するために使用される第2弾性部材を含み、前記第1方向と前記第2方向が交差しており、
前記上部カバーは本体部を含み、前記本体部の前記ベースに向かう内壁は前記頂壁の少なくとも一部を構成し、前記第1弾性部材が前記上部カバーの前記本体部に設けられ、
前記第1弾性部材は、前記上部カバーの前記本体部に接続された第1弾性部と、前記第1弾性部の前記本体部から離れた一端に接続された第1押し付部と、を含み、前記第1方向に、前記第1押し付部と前記底壁が間隔を空けて設けられ、前記第1押し付部は前記部品を押し付て前記部品を前記第1押し付部と前記底壁間に固定し、
前記第1弾性部は、前記第1押し付部の前記本体部に向かう表面に接続され、自分の厚さ方向に背中合わせに設けられた2つの第1表面を有する第1基板部と、前記第1基板部の前記第1押し付部から離れた一端と前記本体部を接続する第1支持部と、前記第1基板部の第1表面から突出する第1突出部と、前記第1突出部および前記本体部を接続する第2支持部とを含み、前記第1支持部および前記第2支持部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられ、前記第3方向、前記第1方向および前記第2方向が互いに交差している、
固定部材。
【請求項2】
前記第1弾性部の少なくとも一部は円弧状である請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
前記第1弾性部材は少なくとも2つの前記第1弾性部を含み、2つの前記第1弾性部は前記第2方向に沿って間隔を空けて設けられ、
前記第1方向に、2つの前記第1弾性部が前記第1押し付部と前記本体部間に位置する、請求項1または2に記載の固定部材。
【請求項4】
前記収容溝の2つの前記内側壁はそれぞれ第1内側壁と第2内側壁であり、前記第1内側壁と前記第2内側壁が前記第2方向に沿って対向して配置され、
前記第2弾性部材は、
一端が前記第1内側壁に接続された第2弾性部と、
前記第2弾性部の前記第1内側壁から離れた他端に接続された第2押し付部と、を含み、
前記第2方向に、前記第2押し付部と前記第2内側壁は間隔を空けて設けられ、前記第2押し付部は前記部品を押し付けて前記部品を前記第2押し付部と前記第2内側壁間に固定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項5】
前記ベースに窪みが形成され、前記窪みは前記収容溝の少なくとも一部を形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項6】
前記ベースは、底板と前記底板に接続された第1制限部および第2制限部を含み、前記第1制限部および前記第2制限部は前記第2方向に沿って間隔を空けて設けられ、前記底板、前記第1制限部および前記第2制限部は前記窪みを形成し、
前記上部カバーの一端が前記第1制限部に係合され、および/または、前記上部カバーの他端が前記第2制限部に係合される、請求項5に記載の固定部材。
【請求項7】
前記上部カバーの一端が前記第1制限部に係合され、前記上部カバーの他端が接続部材を介して前記第2制限部に回転可能に接続される、請求項6に記載の固定部材。
【請求項8】
前記接続部材は変形部および接続部を含み、前記変形部は前記第2制限部に回転可能に接続され、前記接続部は前記変形部と前記上部カバーを接続し、前記接続部に止め部が設けられ、
前記ベースに前記第2制限部から突出する第1リブが設けられ、前記上部カバーと前記第1制限部が係合されると、前記第1リブは前記止め部に嵌合されて、前記接続部が前記第1方向に前記ベースから離れた方向に移動するのを制限する、請求項7に記載の固定部材。
【請求項9】
前記ベースに前記第2制限部から突出する第2リブがさらに設けられ、前記第2リブは前記接続部に嵌合されて、前記接続部が前記第2制限部に向かう方向に移動するのを制限する、請求項8に記載の固定部材。
【請求項10】
前記第1リブと第2リブは一体的に形成される、請求項9に記載の固定部材。
【請求項11】
前記接続部に第1貫通穴が設けられ、前記止め部は前記第1貫通穴の前記変形部に近い一側に形成され、前記上部カバーと前記第1制限部が係合されると、前記第1リブが前記第1貫通穴に挿入され、前記止め部に嵌合される、請求項8~10のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項12】
前記止め部は前記変形部の前記第2制限部から離れた一端に接続され、
前記接続部は、
前記止め部の前記第2制限部に向かう表面から突出する第2突出部と、
前記止め部の前記変形部から離れた一端と前記上部カバーを接続する第1延伸部と、
前記第2突出部および前記上部カバーを接続する第2延伸部とを含み、前記第1延伸部および前記第2延伸部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられ、前記第3方向、前記第1方向および前記第2方向が互いに交差し、前記第1延伸部と前記第2延伸部間に前記第1貫通穴が形成される、請求項11に記載の固定部材。
【請求項13】
前記第1制限部は制限板と係合ホルダを含み、前記係合ホルダは制限板に接続され前記制限板の前記第2制限部から離れた一側に位置し、前記制限板と前記係合ホルダ間に係合溝が形成され、
前記上部カバーはスナップ部を含み、前記スナップ部は前記係合溝に挿入され前記係合ホルダに係合される、請求項7~12のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項14】
前記スナップ部は第1係合部および第2係合部を含み、前記第1係合部および第2係合部は第3方向に沿って設けられ、前記第3方向、前記第1方向および前記第2方向が互いに交差し、
前記係合ホルダは前記第3方向に沿って設けられた第3係合部および第4係合部を含み、
前記スナップ部が前記係合ホルダに係合されると、前記第1係合部が前記第3係合部の前記底壁に向かう一側に位置し、前記第2係合部が前記第4係合部の前記底壁に向かう一側に位置し、
前記第1係合部と前記第3係合部間の係合面、前記第2係合部と前記第4係合部間の係合面が前記第1方向および/または前記第2方向に千鳥に配置される、請求項13に記載の固定部材。
【請求項15】
前記上部カバーは本体部および少なくとも2つの湾曲部を含み、2つの前記湾曲部がそれぞれ前記本体部の前記第2方向に沿った両端に接続され、各前記湾曲部が前記本体部に対して前記ベースに近い側に湾曲し、
2つの前記湾曲部に第2貫通穴が設けられ、2つの前記湾曲部の前記第2貫通穴が前記第2方向に整列している、請求項1~14のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項16】
前記第1弾性部材に第3貫通穴が設けられ、前記第2貫通穴の前記第2方向への投影は前記第3貫通穴の前記第2方向への投影と少なくとも一部重なっている、請求項15に記載の固定部材。
【請求項17】
取付部材をさらに含み、前記取付部材は前記ベースの前記上部カバーから離れた一側に取り付けられベースに接続され、
前記取付部材は、前記外部ベースに取り付けられ、係合軸と前記係合軸外周面から突出する複数の弾性係合シートを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項18】
前記部品は電池のバス部材を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の固定部材。
【請求項19】
電池単体と、
前記電池単体に電気的に接続されたバス部材と、
請求項1~18のいずれか1項に記載の固定部材とを含み、前記バス部材は前記収容溝を通過するように構成される、電池。
【請求項20】
請求項19に記載の電池を含み、前記電池は電気エネルギーを供給する、電力使用装置。
【請求項21】
外部ベースを用意するステップと、
電池単体を用意し、前記電池単体を前記外部ベースに取り付けるステップと、
バス部材を用意し、前記バス部材を前記電池単体に電気的に接続させるステップと、
固定部材を用意するステップと、前記固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材と第2弾性部材を含み、前記ベースは前記上部カバーに接続され、前記ベースと前記上部カバー間に収容溝が形成され、前記上部カバーは本体部を含み、前記本体部の前記ベースに向かう内壁は前記
収容溝の頂壁の少なくとも一部を構成し、前記第1弾性部材は前記収容溝の頂壁と前記収容溝の底壁間に設けられ且つ前記上部カバーの前記本体部に設けられ、前記第2弾性部材は前記収容溝の2つの内側壁間に設けられ、
前記ベースを前記外部ベースに接続させ、前記バス部材の一部を前記収容溝内に収容するステップとを含み、
前記第1弾性部材は第1方向において前記バス部材を押し付けて前記バス部材を前記頂壁と前記底壁間に固定するために使用され、前記第2弾性部材は第2方向において前記バス部材を押し付けて前記バス部材を前記収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、前記第1方向と前記第2方向が交差しており、
前記第1弾性部材は、前記上部カバーの前記本体部に接続された第1弾性部と、前記第1弾性部の前記本体部から離れた一端に接続された第1押し付部と、を含み、前記第1方向に、前記第1押し付部と前記底壁が間隔を空けて設けられ、前記第1押し付部は前記
バス部材を押し付て前記
バス部材を前記第1押し付部と前記底壁間に固定し、
前記第1弾性部は、前記第1押し付部の前記本体部に向かう表面に接続され、自分の厚さ方向に背中合わせに設けられた2つの第1表面を有する第1基板部と、前記第1基板部の前記第1押し付部から離れた一端と前記本体部を接続する第1支持部と、前記第1基板部の第1表面から突出する第1突出部と、前記第1突出部および前記本体部を接続する第2支持部とを含み、前記第1支持部および前記第2支持部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられ、前記第3方向、前記第1方向および前記第2方向が互いに交差している、
電池の製造方法。
【請求項22】
外部ベースを用意するための第1用意装置と、
電池単体を用意し、前記電池単体を前記外部ベースに取り付けるための第2用意装置と、
バス部材を用意し、前記バス部材を前記電池単体に電気的に接続させるための第3用意装置と、
固定部材を用意するための第4用意装置と、前記固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材と第2弾性部材を含み、前記ベースは前記上部カバーに接続され、前記ベースと前記上部カバー間に収容溝が形成され、前記上部カバーは本体部を含み、前記本体部の前記ベースに向かう内壁は前記
収容溝の頂壁の少なくとも一部を構成し、前記第1弾性部材は前記収容溝の頂壁と前記収容溝の底壁間に設けられ且つ前記上部カバーの前記本体部に設けられ、前記第2弾性部材は前記収容溝の2つの内側壁間に設けられ、
前記ベースを前記外部ベースに接続させ、前記バス部材の一部を前記収容溝内に収容するための組立装置とを含み、
前記第1弾性部材は第1方向において前記バス部材を押し付けて前記バス部材を前記頂壁と前記底壁間に固定するために使用され、前記第2弾性部材は第2方向において前記バス部材を押し付けて前記バス部材を前記収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、前記第1方向と前記第2方向が交差しており、
前記第1弾性部材は、前記上部カバーの前記本体部に接続された第1弾性部と、前記第1弾性部の前記本体部から離れた一端に接続された第1押し付部と、を含み、前記第1方向に、前記第1押し付部と前記底壁が間隔を空けて設けられ、前記第1押し付部は前記
バス部材を押し付て前記
バス部材を前記第1押し付部と前記底壁間に固定し、
前記第1弾性部は、前記第1押し付部の前記本体部に向かう表面に接続され、自分の厚さ方向に背中合わせに設けられた2つの第1表面を有する第1基板部と、前記第1基板部の前記第1押し付部から離れた一端と前記本体部を接続する第1支持部と、前記第1基板部の第1表面から突出する第1突出部と、前記第1突出部および前記本体部を接続する第2支持部とを含み、前記第1支持部および前記第2支持部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられ、前記第3方向、前記第1方向および前記第2方向が互いに交差している、
電池の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電池の技術分野に関し、より具体的に、固定部材、電池、電力使用装置および電池の製造方法と製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池単体は、電子装置、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機および電気工具などに幅広く適用されている。電池単体は、カドミウムニッケル電池単体、水素ニッケル電池単体、リチウムイオン電池単体およびアルカリ性亜鉛マンガン二次電池単体などを含む。
【0003】
複数の電池単体を組で使用される場合、複数の電池単体が組み合わされて電池を形成する。関連技術では、電池が振動すると、電池中のいくつかの部品が搖動しやすく、電池の安定性に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、固定部材、電池、電力使用装置および電池の製造方法と製造システムを提供し、部品の搖動を低減して電池の安定性を向上させることができる。
【0005】
第1側面によれば、本出願の実施例は、部品を固定するための固定部材を提供し、固定部材は、
外部ベースに接続されたベースと、
ベースに接続され、ベースとの間に部品を収容するための収容溝が形成される上部カバーと、
収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられ、第1方向に部品を押し付けて、部品を頂壁と底壁間に固定する第1弾性部材と、
収容溝の2つの内側壁間に設けられ、第2方向に部品を押し付けて、部品を収容溝の2つの内側壁間に固定し、第1方向と第2方向が交差している第2弾性部材と、を含む。
【0006】
上記解決手段では、第1弾性部材が第1方向に部品を押し付て、第1方向に部品を固定し、第2弾性部材が第2方向に部品を押し付て、第2方向に部品を固定する。本出願の実施例の固定部材は、第1方向と第2方向に部品を固定して、部品の安定性を高め、部品と電池単体の接続不良のリスクを低減し、電池の動作性能を向上させることができる。
【0007】
第1弾性部材と第2弾性部材は弾性変形能力を有し、部品の位置を調整する必要があるとき、操作者または操作装置が部品に一定の力を加え、部品が第1弾性部材と第2弾性部材を押圧し、第1弾性部材と第2弾性部材が変形した後部品が移動可能である。したがって、本出願の実施例の固定部材は、部品の移動を実現し、部品位置の調整難易度を低減することができる。
【0008】
第1弾性部材は弾性変形能力を有し、第1弾性部材の弾性変形量を変更させ、つまり第1方向における第1弾性部材の占用空間を調節することで、第1弾性部材は第1方向に異なる寸法を有する部品を固定することができる。同様に、第2弾性部材は弾性変形能力を有し、第2弾性部材の弾性変形量を変更させ、つまり第2方向における第2弾性部材の占用空間を調節することで、第2弾性部材は第2方向に異なる寸法を有する部品を固定することができる。以上のように、本出願の実施例の固定部材は、様々な仕様の部品の固定に用いられ、良好な汎用性を有する。
【0009】
いくつかの実施例では、上部カバーは本体部を含み、本体部のベースに向かう内壁が頂壁の少なくとも一部を構成し、第1弾性部材が上部カバーの本体部に設けられる。
【0010】
いくつかの実施例では、第1弾性部材は、上部カバーの本体部に接続された第1弾性部、第1弾性部の本体部から離れた一端に接続された第1押し付部を含む。第1方向において、第1押し付部と底壁が間隔を空けて設けられ、第1押し付部が部品を押し付て部品を第1押し付部と底壁間に固定するために使用される。
【0011】
いくつかの実施例では、第1弾性部の少なくとも一部が円弧状である。円弧状構造は良好な弾性を有し、第1弾性部の弾性変形能力を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第1弾性部材は少なくとも2つの第1弾性部を含み、2つの第1弾性部が第2方向に沿って間隔を空けて設けられる。第1方向において、2つの第1弾性部が第1押し付部と本体部間に位置する。2つの第1弾性部により第1押し付部にかかる力の均一性が向上し、部品の安定性を向上させることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、第1弾性部は、第1押し付部の本体部に向かう表面に接続され、かつ自分の厚さ方向に背中合わせに設けられた2つの第1表面を有する第1基板部、第1基板部の第1押し付部から離れた一端と本体部を接続する第1支持部、第1基板部の第1表面から突出する第1突出部、および、第1突出部と本体部を接続する第2支持部を含み、第1支持部および第2支持部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられ、第3方向、第1方向および第2方向が互いに交差している。
【0014】
いくつかの実施例では、収容溝の2つの内側壁がそれぞれ第1内側壁と第2内側壁であり、第1内側壁と第2内側壁が第2方向に沿って対向して配置される。第2弾性部材は、一端が第1内側壁に接続された第2弾性部、第2弾性部の第1内側壁から離れた他端に接続された第2押し付部を含む。第2方向において、第2押し付部と第2内側壁が間隔を空けて設けられ、第2押し付部が部品を押し付て部品を第2押し付部と第2内側壁間に固定するために使用される。
【0015】
いくつかの実施例では、ベースに窪みが形成され、窪みが収容溝の少なくとも一部として形成される。ベースに窪みを形成することによりベースと上部カバー間の空間を大きくすることができる。
【0016】
いくつかの実施例では、ベースは、底板と底板に接続された第1制限部および第2制限部を含み、第1制限部および第2制限部が第2方向に沿って間隔を空けて設けられ、底板、第1制限部および第2制限部によって窪みを形成する。上部カバーの一端が第1制限部に係合され、および/または、上部カバーの他端が第2制限部に係合される。係合接続により、着脱が容易であり、部品の簡略化および固定部材の装着プロセスに有利である。部品を交換する必要があるとき、固定部材の構造を破壊することなく、固定部材を繰り返して使用することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、上部カバーの一端が第1制限部に係合され、上部カバーの他端が接続部材を介して第2制限部に回転可能に接続される。上部カバーは回転することで第1制限部から分離し、固定部材と部品の装着に便利である同時に、接続部材は、上部カバーが第1制限部から分離するとき上部カバーとベースの接続を維持し、上部カバーの落下を防止することができる。
【0018】
いくつかの実施例では、接続部材は、変形部および接続部を含み、変形部は第2制限部に回転可能に接続され、接続部は変形部と上部カバーを接続し、接続部に止め部が設けられる。ベースに第2制限部から突出する第1リブが設けられ、上部カバーと第1制限部が係合される場合、第1リブが止め部と協力して接続部が第1方向にベースから離れる方向に移動するのを制限する。第1リブが第2制限部の局所強度を強化することができる。上部カバーが閉じられると、上部カバーが変形部および接続部を引っ張り、上部カバーが閉じられると第1リブは止め部と協力して接続部が第1方向においてベースから離れる方向に移動するのを制限して、変形部の過度な変形を防止することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、ベースに第2制限部から突出する第2リブがさらに設けられ、第2リブは接続部と協力して接続部が第2制限部に向かう方向に移動するのを制限する。第2リブは第2制限部の局所強度を強化することができる。上部カバーが閉じられると、上部カバーが変形部および接続部を引っ張り、上部カバーが閉じられると第2リブは接続部に当接されて接続部が第2制限部に向かう方向に移動するのを制限して、変形部が接続部により過度に変形するのを防止する。
【0020】
いくつかの実施例では、第1リブと第2リブが一体的に形成される。
【0021】
いくつかの実施例では、接続部に第1貫通穴が設けられ、止め部が第1貫通穴の変形部に近い側に形成され、上部カバーと第1制限部が係合されると、第1リブが第1貫通穴に挿入されて与止め部に嵌合される。
【0022】
いくつかの実施例では、止め部は変形部の第2制限部から離れる一端に接続される。接続部は、止め部の第2制限部に向かう表面から突出する第2突出部、止め部の変形部から離れる一端と上部カバーを接続する第1延伸部、および第2突出部と上部カバーを接続する第2延伸部を含み、第1延伸部および第2延伸部が第3方向に沿って間隔を空けて設けられる。第3方向、第1方向および第2方向が互いに交差し、第1延伸部と第2延伸部間に第1貫通穴が形成される。
【0023】
いくつかの実施例では、第1制限部は制限板および係合ホルダを含み、係合ホルダは制限板に接続され制限板の第2制限部から離れる側に位置し、制限板と係合ホルダ間に係合溝が形成される。上部カバーは、係合溝に挿入されて係合ホルダに係合されるスナップ部を含む。
【0024】
いくつかの実施例では、スナップ部は第1係合部および第2係合部を含み、第1係合部および第2係合部が第3方向に沿って設けられ、第3方向、第1方向および第2方向が互いに交差している。係合ホルダは第3方向に沿って設けられた第3係合部および第4係合部を含む。スナップが係合ホルダに係合されると、第1係合部が第3係合部の底壁に向かう側に位置し、第2係合部が第4係合部の底壁に向かう一側に位置する。第1係合部と第3係合部間の係合面、第2係合部と第4係合部間の係合面は第1方向および/または第2方向に千鳥に配置される。本出願の実施例は2段のスナップ構造を形成し、2段のスナップ構造は構造安定性を高め、スナップ部が係合溝から脱出されるリスクを低減させることができる。
【0025】
いくつかの実施例では、上部カバーは本体部および少なくとも2つの湾曲部を含み、2つの湾曲部がそれぞれ本体部の第2方向に沿った両端に接続され、各湾曲部は本体部に対してベースに近い側に湾曲する。2つの湾曲部にそれぞれ第2貫通穴が設けられ、2つの湾曲部の第2貫通穴は第2方向において整列している。2つの湾曲部の第2貫通穴は外部のネクタイを通すことができる。
【0026】
いくつかの実施例では、第1弾性部材に第3貫通穴が設けられ、第2貫通穴の第2方向への投影は第3貫通穴の第2方向への投影と少なくとも一部重なっている。外部のネクタイが第2貫通穴を介して固定部材を貫通すると、第3貫通穴によりネクタイに退避空間を提供し、第1弾性部材とネクタイの干渉を回避することができる。
【0027】
いくつかの実施例では、固定部材は、ベースの上部カバーから離れる側に設けられベースに接続される取付部材をさらに含む。取付部材は、外部ベースに取り付けられ係合軸と係合軸の外周面から突出する複数の弾性係合シートを含む。弾性係合シートは外部ベースに係合されて、固定部材を外部ベースに取り付けるために使用される。
【0028】
いくつかの実施例では、部品は電池のバス部材を含む。
【0029】
第2側面によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、電池単体、電池単体に電気的に接続されたバス部材、第1側面のいずれか1つの実施例の固定部材を含み、バス部材が収容溝を通過するように構成される。
【0030】
第3側面によれば、本出願の実施例は、第2側面の電池を含み、電池が電気エネルギーを供給するために使用される電力使用装置を提供する。
【0031】
第4側面によれば、本出願の実施例は電池の製造方法を提供し、この方法は、
外部ベースを用意するステップと、
電池単体を用意し、電池単体を外部ベースに取り付けるステップと、
バス部材を用意し、バス部材を電池単体に電気的に接続させるステップと、
固定部材を用意するステップと、固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材および第2弾性部材を含み、ベースは上部カバーに接続され、ベースと上部カバー間に収容溝が形成され、第1弾性部材は収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられ、第2弾性部材は収容溝の2つの内側壁間に設けられ、
ベースを外部ベースに接続させ、バス部材の一部を収容溝内に収容するステップとを含み、その中で、第1弾性部材は第1方向においてバス部材を押し付けて、バス部材を頂壁と底壁間に固定するために使用され、第2弾性部材は第2方向においてバス部材を押し付けて、バス部材を収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、第1方向と第2方向が交差している。
【0032】
第5側面によれば、本出願の実施例は、電池の製造システムを提供し、この装置は、
外部ベースを用意するための第1用意装置と、
電池単体を用意し、電池単体を外部ベースに取り付けるための第2用意装置と、
バス部材を用意し、バス部材を電池単体に電気的に接続させるための第3用意装置と、
固定部材を用意するための第4用意装置と、固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材および第2弾性部材を含み、ベースが上部カバーに接続され、ベースと上部カバー間に収容溝が形成され、第1弾性部材は収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられ、第2弾性部材は収容溝の2つの内側壁間に設けられ、
ベースを外部ベースに接続させ、バス部材の一部を収容溝内に収容するための組立装置とを含み、その中で、第1弾性部材は第1方向においてバス部材を押し付けてバス部材を頂壁と底壁間に固定するために使用され、第2弾性部材は第2方向においてバス部材を押し付けてバス部材を収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、第1方向と第2方向が交差している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、本出願の実施例で使用される図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願のいくつかの実施例で提供される車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の分解概略図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の局所構造概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例で提供される固定部材の構造概略図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例で提供される固定部材が部品を固定する時の構造概略図である。
【
図6】
図4に示す固定部材の円形枠Aにおける拡大概略図である。
【
図7】
図4に示す固定部材の係合前の構造概略図である。
【
図8】
図4に示す固定部材の円形枠Bにおける拡大概略図である。
【
図9】本出願の別のいくつかの実施例で提供される固定部材が部品を固定する時の構造概略図である。
【
図10】本出願のさらに別のいくつかの実施例で提供される固定部材の構造概略図である。
【
図11】
図10に示す固定部材の別の角度の構造概略図である。
【
図12】
図10に示す固定部材のさらに別の角度の構造概略図である。
【
図13】
図12に示す固定部材の円形枠Cにおける拡大概略図である。
【
図14】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の製造方法の概略フローチャートである。
【
図15】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の製造システムの概略ブロック図である。 添付図面において、図面は実際の縮尺で描かれない。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本出願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下本出願の実施例の図面を参照して本出願の実施例中の技術的解決手段を明らかに説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは言うまでもない。本出願の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれる。
【0035】
特に定義しない限り、本出願で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願の技術分野に属する技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有し、本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的のみのものであり、本出願を制限するものではなく、本出願の明細書および特許請求の範囲並びに上記の図面の説明での用語「含む」、「有する」およびそれらの任意変形は、非排他的な包含を意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲または上記図面での「第1」、「第2」などの用語は異なる対象を区別するために使用され、特定の順序または優先関係を説明することを意図しない。
【0036】
本出願で言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例と相互に排他的である別個のまたは代替の実施例に言及しているわけでもない。
【0037】
本出願の説明において、明示的に規定され限定されない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「付属」という用語は広義に理解されるべきであることに留意すべきであり、例えば、固定接続であってもよい、着脱接続であってもよい、一体接続でもよい、直接接続でも中間媒体を介して間接接続でもよい、二つの構成要素の内部通信であってもよい、などが挙げられる。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0038】
本出願の「および/または」の用語は、単に関連対象の関連関係を説明するものであり、例えば、Aおよび/またはBは、A単独、AおよびBの両方、B単独という3つの意味を有する。また、本出願の「/」の文字は、一般に、前後の関連対象が「または」の関係を有することを意味する。
【0039】
本出願の実施例において、同じ参照数字は同じ構成要素を示し、簡潔さのために、異なる実施例において同じ構成要素の詳細な説明は省略される。添付図面に示された本出願の実施例における各種構成要素の厚さ、長さ、幅などの寸法や、一体型装置の全体の厚さ、長さ、幅などは、例示的な説明に過ぎず、本出願を限定するものではないことを理解されたい。
【0040】
本出願で使用する「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0041】
本出願では、電池単体は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含むが、本出願の実施例では特に限定されない。電池単体は円筒形、平板形、角形または他の形状であり得るが、本出願の実施例は特に限定されない。電池単体は一般にパッケージ方式に応じて、柱形電池単体、角形電池単体とソフトパック電池単体の3種類に分けられ、本出願の実施例は特に限定されない。
【0042】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧及び容量を提供するために、1つ以上の電池単体を含む単一の物理的なモジュールを意味する。例えば、本出願で言及される電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含んでもよい。電池は、典型的には、1つ以上の電池単体を封入するための箱を含む。箱は、液体や他の異物が電池単体の充電または放電に影響を与えることを防止することができる。
【0043】
電池単体は、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極片、負極片およびダイヤフラムから構成される。電池単体は主に正極片と負極片間の金属イオンの移動により動作する。正極片は正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極ラグとする。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであり得、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどであり得る。負極片は負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体を負極ラグとする。負極集電体の材料は銅であり得、負極活物質は炭素またはケイ素などであり得る。溶断することなく大電流を流すために、正極ラグは複数で積層され、負極ラグは複数で積層される。ダイヤフラムの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などであり得る。また、電極アセンブリは、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0044】
本発明者らは、電池が一般に電池単体に電気的に接続された部品をさらに含み、ある部品(例えばバス部材、高圧接続部材、ケーブルなど)が大きな長さを有することを見だした。電池が振動するとバス部材、ケーブルなどの部品が搖動しやすく、部品と電池単体の接続不良が発生するリスクがあり、電池の動作性能と耐用年数に影響与える。
【0045】
本発明者らは、ネクタイで部品を固定し、例えばバス部材またはケーブルを電池の他の部材に結んで部品の安定性を高め、電池が振動するときの部品搖動を低減することを試みている。しかしながら、本発明者らは、ネクタイで結んだ後、部品の位置が移動にしにくく、部品の位置の調整難易度が大きくなり、部品を取り外す必要がある場合、ネクタイを切断する必要があり、操作も煩雑になる。
【0046】
これを鑑み、本出願の実施例は、部品を固定するための固定部材を提供し、外部ベースに接続されたベースと、ベースに接続され、ベースとの間に部品を収容するための収容溝が形成された上部カバーと、第1方向において部品を押し付けて部品を頂壁と底壁間に固定するための収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられた第1弾性部材と、第2方向において部品を押し付けて部品を収容溝の2つの内側壁間に固定するための収容溝の2つの内側壁間に設けられた第2弾性部材とを含み、第1方向と第2方向が交差している。本出願の実施例の固定部材は部品を効果的に固定でき、固定部材と部品の装着プロセスを簡略化することができ、様々な仕様の部品に適用され得る。
【0047】
本出願の実施例で説明される固定部材は電池および電池を使用する電力使用装置に適用される。
【0048】
電力使用装置は、車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、航行器、電動玩具や電動工具などであり得る。車両は燃料自動車、ガス自動車または新エネルギー自動車であり得、新エネルギー自動車は純電自動車、ハイブリッド自動車または長距離自動車などであり得、航行器は飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船等を含み、電動玩具は固定式または移動式の電動玩具、例えばゲームマシーン、電気自動車玩具、電動船舶玩具および電動飛行機玩具などを含み、電動工具は金属切削電動工具、研磨電動工具、装着電動工具および鉄道用電動工具、例えば、電気ドリル、電気サンダー、電気スパナ、電気ドライバー、電気ハンマ、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーターおよび電気カンナなどを含む。本出願の実施例では、上記電力使用装置に特に限定されない。
【0049】
以下の実施例では、説明の便宜上、電力使用装置が車両である場合を例にして説明する。
【0050】
図1は本出願のいくつかの実施例で提供される車両の構造概略図である。
図1に示すように、車両1の内部に電池2が配置され、電池2は車両1の底部、前部または後部に配置されてもよい。電池2は車両1の給電に使用され、例えば、電池2は車両1の操作電源として使用され得る。
【0051】
車両1はコントローラー3とモータ4をさらに含み、コントローラー3は電池2を制御してモータ4に給電し、例えば、車両1の起動、ナビゲーションと走行時の動作電力使用要件に使用される。
【0052】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は車両1の操作電源として機能するだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料またはガスの一部または全部を代替して車両1に駆動力を提供する。
【0053】
図2は本出願のいくつかの実施例で提供される電池の分解概略図である。
図2に示すように、電池2は箱体5と電池単体(
図2で図示しない)を含み、電池単体は箱体5内に収容される。
【0054】
箱体5は電池単体を収容するために使用され、箱体5は様々な構造であり得る。いくつかの実施例では、箱体5は第1箱体部51と第2箱体部52を含み、第1箱体部51と第2箱体部52は互いにキャップされ、第1箱体部51は第2箱体部52とともに電池単体を収容するための収容空間53を限定する。第2箱体部52は一面が開放された中空構造であり、第1箱体部51は板状構造であり、第1箱体部51は第2箱体部52の開口側にキャップされ、収容空間53を有する箱体5を形成し、第1箱体部51と第2箱体部52はすべて一面が開放された中空構造であり得、第1箱体部51の開口側が第2箱体部52の開口側にキャップされ、収容空間53を有する箱体5を形成する。もちろん、第1箱体部51と第2箱体部52は、円筒形、角形などの様々な形状であってもよい。
【0055】
第1箱体部51と第2箱体部52の接続封止性を向上させるために、第1箱体部51と第2箱体部52間に、シールゴム、シールリングなどの封止部材を設置してもい。
【0056】
第1箱体部51が第2箱体部52の頂部にキャップされると、第1箱体部51を上部箱カバーと呼び、第2箱体部52を下部箱カバーと呼んでもよい。
【0057】
電池2では、電池単体は1つまたは複数であってもよい。電池単体が複数である場合、複数の電池単体が直列、並列または混在して接続されてもよく、混在とは複数の電池単体が直列および並列接続の両方があることを意味する。複数の電池単体を直接に直列、並列または混在して接続し、複数の電池単体から構成される全体を箱体5内に収容してもよく、もちろん、複数の電池単体をまず直列、並列または混在して電池モジュール6を構成し、複数の電池モジュール6をまた直列、並列または混在して一体に接続して、箱体5内に収容してもよい。
【0058】
図3は本出願のいくつかの実施例で提供される電池の局所構造概略図である。
【0059】
図3に示すように、いくつかの実施例では、電池2は複数の電池モジュール6を含み、各電池モジュール6は複数の電池単体61を含む。電池2はバス部材7をさらに含み、電池モジュール6の複数の電池単体61がバス部材7を介して電気的に接続され、電池モジュール6中の複数の電池単体61の並列または直列または混在接続を実現する。バス部材7は複数の電池モジュール6を直列、並列または混在して接続させて全体を形成してもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、電池モジュール6は、2つの端板62と2つの側板63をさらに含み、2つの端板62はそれぞれ複数の電池単体61の配列方向の両端に設けられ、2つの側板63はそれぞれ複数の電池単体61の両側に設けられ、2つの端板62と2つの側板63が固定的に接続されて概ね矩形状のフレームを形成して、複数の電池単体61を固定する。
【0061】
いくつかの実施例では、電池2は、電池単体61に電気的に接続されたケーブル(図示しない)をさらに含む。
【0062】
本出願の実施例は、固定部材8を提供し、それが部品を効果的に固定でき、固定部材8と部品の装着プロセスを簡略化することができ、様々な仕様の部品に適用され得る。本出願の固定部材8によって固定される部品はバス部材7、ケーブル、高圧接続部材または電池2に適用され得る他の部品であり得る。
【0063】
本出願の実施例の固定部材8は、電池2に接続された外部ベースを含む。外部ベースは、固定部材8を取り付けるための部材を含み、固定部材8によって固定された部品の位置に応じて決定され、例えば、外部ベースは電池2の箱体、エンドプレート62、箱体内のブラケットまたは他の固定構造であってもよい。
【0064】
図4は本出願のいくつかの実施例で提供される固定部材の構造概略図である。
図5は本出願のいくつかの実施例で提供される固定部材が部品を固定するときの構造概略図である。
図6は
図4に示す固定部材の円形枠Aにおける拡大概略図である。
図7は
図4に示す固定部材の係合前の構造概略図である。
【0065】
図4~
図7に示すように、本出願の実施例の固定部材8は部品を固定するために使用される。固定部材8は、外部ベースに接続されたベース81と、ベース81に接続された上部カバー82と、ベース81と上部カバー82間に形成され部品を収容するための収容溝83と、収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832間に設けられた第1弾性部材84と、第1弾性部材84は第1方向Xに部品を押し付けて部品を頂壁831と底壁832間に固定するために使用され、収容溝83の2つの内側壁間に設けられた第2弾性部材85とを含み、第2弾性部材85は第2方向Yに部品を押し付けて部品を収容溝83の2つの内側壁間に固定するために使用され、第1方向Xと第2方向Yが交差している。
【0066】
ベース81は外部ベースに取り付けられ、例えば、ベース81は電池の箱体、エンドプレート、箱体内のブラケットまたは他の固定構造に取り付けられる。いくつかの実施例では、ベース81は外部ベースに着脱可能に接続される。
【0067】
上部カバー82はベース81に着脱可能に接続されてもよいし、ベース81に着脱不可能に接続され(例えば熔接)、上部カバー82とベース81はそれぞれ独立した2つの部材であってもよいし、一体的に形成された部材の2つの部分であってもよく、上部カバー82とベース81は自分の構造を介して接続されてもよく、他の部材(例えば締付部材)を介して接続されてもよい。
【0068】
収容溝83は収容チャンバーとも呼ばれ、その両端が開放される。部品が収容溝83の開口を介して収容溝83を通過することができる。
【0069】
収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832が第1方向Xに沿って対向して配置され、収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832が湾曲壁や平坦壁であってもよい。例示的に、収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832がすべて平坦壁であり平行に設けられ、選択可能に、収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832が第1方向Xに垂直している。
【0070】
第1弾性部材84が収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832間に設けられ、収容溝83の頂壁831に接続されてもよいし、収容溝83の底壁832に接続されてもよい。
【0071】
第1弾性部材84は弾性構造を有し、良好な弾性を有し、ある程度弾性変形可能である。
【0072】
第1弾性部材84は1つまたは複数であってもよい。いくつかの例示では、第1弾性部材84は1つであり、収容溝83の頂壁831に設けられてもよいし、収容溝83の底壁832に設けられてもよい。別のいくつかの例示では、第1弾性部材84は少なくとも2つであり、2つの第1弾性部材84はそれぞれ収容溝83の頂壁831と収容溝83の底壁832に設けられる。いくつかの例示では、第1弾性部材84は少なくとも2つであり、2つの第1弾性部材84はそれぞれ収容溝83の頂壁831に設けられ、または2つの第1弾性部材84はそれぞれ収容溝83の底壁832に設けられてもよい。
【0073】
部品が収容溝83を通過した後、第1弾性部材84が部品の第1方向Xに沿った側から部品を押し付ける。第1弾性部材84が部品の作用下で弾性変形することに対応して、第1弾性部材84が部品に弾性力を加えて部品を押し付ける。
【0074】
部品が収容溝83を通過した後、部品の第1方向Xに沿った頂壁831に近い側に第1弾性部材84が設けられ、部品の第1方向Xに沿った底壁832の一側に第1弾性部材84が設けられ、または部品の第1方向Xに沿った両側にそれぞれ第1弾性部材84が設けられる。いくつかの例示では、第1弾性部材84は部品の第1方向Xに沿った頂壁831に近い側に設けられ、第1弾性部材84は部品を押し付けて部品を底壁832に当接させ、さらに部品を第1弾性部材84と底壁832間に固定する。別のいくつかの例示では、第1弾性部材84は部品の第1方向Xに沿った底壁832に近い側に設けられ、第1弾性部材84は部品を押し付けて部品を頂壁831に当接させ、さらに部品を第1弾性部材84と頂壁831間に固定する。いくつかの例示では、部品の第1方向Xに沿った両側にそれぞれ第1弾性部材84が設けられ、2つの第1弾性部材84は両側から部品を押し付けて両側から部品を固定する。
【0075】
収容溝83の2つの内側壁が第2方向Yに沿って対向して配置され、収容溝83の内側壁が湾曲壁や平坦壁であってもよい。例示的に、収容溝83の2つの内側壁が平坦壁であり平行に設けられ、選択可能に、内側壁が第2方向Yに垂直している。収容溝83の2つの内側壁をそれぞれ第1内側壁833と第2内側壁834と呼んでもよい。
【0076】
収容溝83を囲む周壁は頂壁831、底壁832、第1内側壁833と第2内側壁834を含む。周壁は頂壁831、底壁832、第1内側壁833と第2内側壁834を含むことに加え、他の接続壁をさらに含んでもよい。例えば、周壁は、頂壁831と第1内側壁833を接続する第1接続壁をさらに含み、第1接続壁は平坦壁、湾曲壁または他の形状の壁であってもよい。もちろん、周壁は第2接続壁、第3接続壁などをさらに含んでもよい。
【0077】
第2弾性部材85は収容溝83の2つの内側壁間に設けられ、第1内側壁833に接続されてもよいし、第2内側壁834に接続されてもよい。
【0078】
第2弾性部材85は弾性構造を有し、良好な弾性を有し、ある程度弾性変形可能である。
【0079】
第2弾性部材85は1つまたは複数であってもよい。いくつかの例示では、第2弾性部材85は1つであり、1つの内側壁に設けられる。別のいくつかの例示では、第2弾性部材85は少なくとも2つであり、2つの第2弾性部材85がそれぞれ2つの内側壁に設けられる。いくつかの例示では、第2弾性部材85は少なくとも2つであり、2つの第2弾性部材85が同一の内側壁に設けられる。
【0080】
部品が収容溝83を通過した後、第2弾性部材85が部品の第2方向Yに沿った側に部品を押し付ける。第2弾性部材85が部品の作用下で弾性変形することに対応して、第2弾性部材85が部品に弾性力を加えて部品を押し付ける。
【0081】
部品が収容溝83を通過した後、部品の第2方向Yに沿った側に第2弾性部材85が設けられ、または部品の第2方向Yの両側にそれぞれ第2弾性部材85が設けられてもい。いくつかの例示では、第2弾性部材85は部品の第2方向Yに沿った側に設けられ、第2弾性部材85が部品を押し付けて部品を1つの内側壁に当接させ、さらに部品を第2弾性部材85と内側壁間に固定する。別のいくつかの例示では、部品の第2方向Yの両側にそれぞれ第2弾性部材85が設けられ、2つの第2弾性部材85は両側から部品を押し付けて両側から部品を固定する。
【0082】
第1方向Xと第2方向Yが交差し、選択可能に、第1方向Xが第2方向Yに垂直している。収容溝83の第3方向Zの両端が開放され、第3方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yが互いに交差し、例示的に、第3方向Zが第1方向Xと第2方向Yに垂直している。
【0083】
本出願の実施例の固定部材8では、第1弾性部材84が第1方向Xに部品を押し付けて部品を第1方向Xに固定し、第2弾性部材85が第2方向Yに部品を押し付けて部品を第2方向Yに固定することができる。本出願の実施例の固定部材8は第1方向Xと第2方向Yに部品を固定して部品の安定性を高め、部品と電池単体の接続不良のリスクを低減させ、電池の動作性能を向上させることができる。
【0084】
第1弾性部材84と第2弾性部材85は弾性変形能力を有し、部品の位置を調整する必要があるとき、操作者または操作装置により部品に一定の力を加え、部品が第1弾性部材84と第2弾性部材85を押圧し、第1弾性部材84と第2弾性部材85が変形した後部品が移動可能になる。したがって、本出願の実施例の固定部材8は部品の移動を実現し、部品位置の調整難易度を低減させることができる。
【0085】
第1弾性部材84は弾性変形能力を有し、第1弾性部材84の弾性変形量を変更させ、つまり第1方向Xにおける第1弾性部材84の占用空間を調節することができるため、第1弾性部材84は第1方向Xの異なる寸法を有する部品を固定することができる。同様に、第2弾性部材85は弾性変形能力を有し、第2弾性部材85の弾性変形量を変更させ、つまり第2方向Yにおける第2弾性部材85の占用空間を調節することができるため、第2弾性部材85は第2方向Yの異なる寸法を有する部品を固定することができる。以上のように、本出願の実施例の固定部材8は様々な仕様の部品を固定でき、良好な汎用性を有する。
【0086】
本出願の実施例の固定部材8によって固定される部品はバス部材7、高圧接続部材、ケーブル中の少なくとも1つを含む。選択可能に、本出願の実施例の固定部材8によって固定される部品はバス部材7である。
【0087】
説明の便宜上、以下、バス部材7を固定部材8によって固定される部品として本出願の実施例を説明する。
【0088】
いくつかの実施例では、固定部材8は、取付部材86をさらに含み、取付部材86はベース81の上部カバー82から離れた側に取り付けられベース81に接続される。取付部材86は外部ベースに取り付けられ、係合軸861と係合軸861の外周面から突出する複数の弾性係合シート862を含む。
【0089】
外部ベースに取付部材86と嵌合される取付穴が設けられ、取付部材86の係合軸861は取付穴を通過する。係合軸861が取付穴を通過する過程中、弾性係合シート862が係合軸861と取付穴の穴壁の作用下で変形し、係合軸861が所定の位置に達すると、弾性係合シート862が自分弾性の作用下で取付穴の穴壁を押圧して、取付部材86を外部ベースに固定する。弾性係合シート862は取付穴を通過して外部ベースのベース81から離れた側に係合されてもよい。
【0090】
いくつかの実施例では、上部カバー82は本体部821を含み、本体部821のベース81に向かう内壁は頂壁831の少なくとも一部を構成し、第1弾性部材84は上部カバー82の本体部821に設けられる。
【0091】
本体部821のベース81に向かう内壁は頂壁831の一部を構成してもよいし、頂壁831全体を構成してもよい。第1弾性部材84は本体部821に接続され本体部821の内壁から突出する。バス部材7が収容溝83を通過した後、第1弾性部材84がバス部材7を収容溝83の底壁832に押し付ける。
【0092】
いくつかの実施例では、本体部821は概ね平板状である。
【0093】
いくつかの実施例では、上部カバー82は本体部821と少なくとも2つの湾曲部822を含み、2つの湾曲部822は第2方向Yの両端に沿ってそれぞれ本体部821に接続され、各湾曲部822は本体部821のベース81に近い側に向かって湾曲する。2つの湾曲部822にそれぞれ第2貫通穴823が設けられる。
【0094】
2つの湾曲部822の第2貫通穴823は第2方向Yに整列し、言い換えれば、2つの第2貫通穴823の第2方向Yへの投影の少なくとも一部が重なっている。
【0095】
2つの湾曲部822の第2貫通穴823が外部のネクタイを通すことができる。例えば、本体部821のベース81から離れた側にもバス部材(以下上部バス部材とも呼ばれる)が設けられる場合、ネクタイを用いて2つの湾曲部822の第2貫通穴823を通過させて本体部821と上部バス部材を巻き、上部バス部材と上部カバー82を固定する。
【0096】
いくつかの実施例では、第1弾性部材84に第3貫通穴841が設けられ、第2貫通穴823の第2方向Yへの投影が、第3貫通穴841の第2方向Yへの投影と少なくとも一部重なっている。
【0097】
ネクタイで上部バス部材を固定する必要があるとき、ネクタイを本体部821のベース81に向かう側から貫通させ、第3貫通穴841を設けることでネクタイに退避空間を提供し、第1弾性部材84とネクタイの干渉を回避することができる。
【0098】
いくつかの実施例では、第1弾性部材84は、上部カバー82の本体部821に接続された第1弾性部842と、第1弾性部842の本体部821から離れた端に設けられた第1押し付部843とを含む。第1方向Xにおいて、第1押し付部843と底壁832は間隔を空けて設けられ、第1押し付部843はバス部材7を押し付けてバス部材7を第1押し付部843と底壁832間に固定するために使用される。
【0099】
第1弾性部842は第1弾性部材84の弾性変形可能な部分である。バス部材7が収容溝83を通過した後、第1弾性部842が弾性変形し、弾性変形によって発生した弾性力が第1押し付部843を介してバス部材7に作用する。
【0100】
いくつかの実施例では、第1押し付部843と頂壁831が間隔を空けて設けられ、第1弾性部842が第1押し付部843と頂壁831間に設けられる。第1弾性部842の変形量を変更することで、第1押し付部843と頂壁831の間隔および第1押し付部843と底壁832の間隔を変更することができる。
【0101】
いくつかの実施例では、第1押し付部843の底壁832に向かう表面が底壁832と平行している。選択可能に、第1押し付部843が平板状であり、第1押し付部843の厚さ方向が概ね第1方向Xと平行している。
【0102】
第1押し付部843の第1方向Xに垂直する断面の面積が第1弾性部842の第1方向Xに垂直する断面の面積よりも大きい。
【0103】
いくつかの実施例では、第1弾性部842の少なくとも一部が円弧状である。円弧状構造は良好な弾性を有し、第1弾性部842の弾性変形能力を向上させることに有利である。
【0104】
いくつかの実施例では、第1弾性部材84は少なくとも2つの第1弾性部842を含み、2つの第1弾性部842が第2方向Yに沿って間隔を空けて設けられる。第1方向Xにおいて、2つの第1弾性部842が第1押し付部843と本体部821間に位置する。2つの第1弾性部842が第1押し付部843にかかる力の均一性を改善し、バス部材7の安定性を向上させることができる。
【0105】
いくつかの実施例では、第1弾性部842は第1基板部842a、第1支持部842b、第1突出部842cと第2支持部842dを含む。第1基板部842aは第1押し付部843の本体部821に向かう表面に接続され、第1基板部842aは自分の厚さ方向に背中合わせに設けられた2つの第1表面8421を有する。第1支持部842bは第1基板部842aの第1押し付部843から離れた一端と本体部821を接続する。第1突出部842cは第1基板部842aの第1表面8421から突出する。第2支持部842dは第1突出部842cと本体部821を接続し、第1支持部842bと第2支持部842dは第3方向Zに沿って間隔を空けて設けられ、第3方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yが互いに交差している。
【0106】
第1支持部842bと第2支持部842dは第3方向Zに沿って間隔を空けて設けられ、両者間に第3貫通穴841が形成され、第3貫通穴841は第1支持部842bと第2支持部842dの強度を減少し、第1支持部842bの弾性と第2支持部842dの弾性を高める。第3貫通穴841はネクタイに退避空間を提供し、第1弾性部材84とネクタイの干渉を回避することができる。
【0107】
第1支持部842bは第1基板部842aの第1押し付部843から離れた端面に接続され、第1基板部842aの端面は2つの第1表面8421を接続する。本出願の実施例では、第1突出部842cを設けることで、第2支持部842dが第1基板部842aの端面を避け、第1支持部842bと第2支持部842dを千鳥に配置する。
【0108】
第1支持部842bと第2支持部842dは打ち抜き加工により作製される。第1支持部842bと第2支持部842dは千鳥に配置されるため、両者が第3方向Zにおいて重ならなく、第1支持部842bと第2支持部842dは、第3方向Zに沿った2回の打ち抜き加工によって形成され得る。
【0109】
いくつかの実施例では、第1突出部842cは第1基板部842a内側の第1表面8421から突出する。
【0110】
いくつかの実施例では、第3方向Zは第1方向Xと第2方向Yに垂直している。
【0111】
いくつかの実施例では、第2弾性部材85は傾斜して設けられる。第2弾性部材85は第1方向Xの上部カバー82に近い一端が第1内側壁833に接続される。第2弾性部材85の第1内側壁833から離れた一端が自由端である。第2弾性部材85は平板または円弧状板であり、第1内側壁833との夾角が鋭角である。
【0112】
いくつかの実施例では、ベース81に窪み811が形成され、窪み811は溝83の少なくとも一部を収容する。ベース81の窪み811は収容溝83の一部を構成してもよいし、収容溝83全体を構成してもよい。窪み811は第1方向Xに沿った一端が開放され、上部カバー82は窪み811の上記開口を被覆するために使用される。
【0113】
本出願の実施例は、ベース81に窪み811を開設することで、ベース81と上部カバー82間の空間を増加する。
【0114】
いくつかの実施例では、ベース81は底板812と底板812に接続された第1制限部813と第2制限部814を含み、第1制限部813と第2制限部814は第2方向Yに沿って間隔を空けて設けられ、底板812、第1制限部813と第2制限部814は窪み811を形成する。
【0115】
いくつかの実施例では、第1制限部813の第2制限部814に向かう内壁は収容溝83の第1内側壁833とし、第2制限部814の第1制限部813に向かう内壁は収容溝83の第2内側壁834としてもよい。底板812の上部カバー82に向かう内壁は収容溝83の底壁832としてもよい。
【0116】
いくつかの実施例では、頂壁831と底壁832の第1方向Xの間隔が第1内側壁833と第2内側壁834の第2方向Yの間隔よりも小さい。
【0117】
上部カバー82の両端はそれぞれ第1制限部813と第2制限部814に接続される。
【0118】
いくつかの実施例では、上部カバー82の一端が第1制限部813に係合され、および/または、上部カバー82の他端が第2制限部814に係合される。言い換えれば、第1制限部813と第2制限部814中の少なくとも1つが上部カバー82に係合または接続される。
【0119】
係合により、着脱が容易であり、バス部材7と固定部材8の装着プロセスの簡略化に有利である。バス部材7を交換する必要がある場合、固定部材8の構造を破壊することなく、固定部材8を繰り返して使用することができる。
【0120】
いくつかの実施例では、上部カバー82の一端が第1制限部813に係合され、上部カバー82の他端が接続部材87をかしいて第2制限部814に回転可能に接続される。
【0121】
バス部材7と固定部材8は以下のステップによって組み立てられ、上部カバー82を開き上部カバー82を第1制限部813から分離させ、接続部材87を軸として上部カバー82を回転させ、バス部材7をベース81の窪み811に置き、上部カバー82を回転して上部カバー82を第1制限部813に係合させる。
【0122】
上部カバー82の回転により上部カバー82が第1制限部813から分離し、固定部材8とバス部材7の組立に便利である同時に、接続部材87は、上部カバー82が第1制限部813から分離する間上部カバー82とベース81の接続を維持でき、上部カバー82の落下を回避する。
【0123】
接続部材87は上部カバー82と一体的に設けられてもよいし、ベース81と一体的に設けられてもよいし、上部カバー82およびベース81と一体的に設けられてもよい。もちろん、接続部材87は上部カバー82およびベース81と独立した部材であってもよい。
【0124】
接続部材87は少なくとも一部の厚さが第2制限部814の厚さよりも小さい。
【0125】
バス部材7をベース81の窪み811に置く過程中、バス部材7は第2弾性部材85を押圧して第2弾性部材85を変形させ、第2弾性部材85はバス部材7を押し付けて第2方向Yにバス部材7を位置決め、上部カバー82が第1制限部813に係合された後、第1弾性部材84がバス部材7を押し付けて第1方向Xにバス部材7を位置決める。
【0126】
図8は
図4に示す固定部材の円形枠Bにおける拡大概略図である。
【0127】
図7および
図8を参照すると、いくつかの実施例では、第1制限部813は、制限板8131と係合ホルダ8132を含み、係合ホルダ8132は制限板8131に接続されて制限板8131の第2制限部814から離れた一側に位置し、制限板8131と係合ホルダ8132間に係合溝8133が形成される。上部カバー82は、スナップ部824を含み、スナップ部824は、係合溝8133に挿入されて係合ホルダ8132に係合される。
【0128】
制限板8131の第2制限部814に向かう内壁は収容溝83の第1内側壁833としてもよい。スナップ部824は本体部821に直接に接続されてもよいし、本体部821に間接に接続されてもよく、例えば曲げ部822を介して本体部821に接続されてもい。
【0129】
いくつかの実施例では、スナップ部824は第1係合部8241と第2係合部8242を含み、第1係合部8241と第2係合部8242は第3方向Zに沿って設けられ、第3方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yが互いに交差している。係合ホルダ8132は第3方向Zに沿って設けられた第3係合部813aと第4係合部813bを含む。スナップ部824が係合ホルダ8132に係合されると、第1係合部8241が第3係合部813aの底壁832に向かう一側に位置し、第2係合部8242が第4係合部813bの底壁832に向かう一側に位置する。第1係合部8241と第3係合部813a間の係合面、第2係合部8242と第4係合部813b間の係合面は第1方向Xおよび/または第2方向Yに千鳥に配置される。
【0130】
第1係合部8241と第2係合部8242は第3方向Zに沿って連続的に設けられてもよいし、第3方向Zに沿って間隔を空けて設けられてもよく、第3係合部813aと第4係合部813bは第3方向Zに沿って連続的に設けられてもよいし、第3方向Zに沿って間隔を空けて設けられてもよい。
【0131】
スナップ部824が係合溝8133に挿入された後、制限板8131と係合ホルダ8132は第2方向Yに制限し、第3係合部813aは第1方向Xに第1係合部8241を止め、第4係合部813bは第1方向Xに第2係合部8242を止める。
【0132】
係合ホルダ8132は弾性変形可能である。上部カバー82を開く必要があるとき、係合ホルダ8132を回転させて第3係合部813aと第1係合部8241の係合関係および第4係合部813bと第2係合部8242の係合関係を解除する。例示的に、係合ホルダ8132は制限板8131に接続された弯曲部813cを含み、第1係合部8241と第2係合部8242は弯曲部813cの制限板8131から離れた一端に接続される。弯曲部813cは付勢されると弾性変形するように構成される。
【0133】
本出願の実施例では、第1係合部8241と第3係合部813a間の係合面、第2係合部8242と第4係合部813b間の係合面は第1方向Xおよび/または第2方向Yに千鳥に配置され、このようにして2段のスナップ構造が形成され、2段のスナップ構造は構造安定性を高め、スナップ部824が係合溝8133から脱出するリスクを低減することができる。
【0134】
図9は、本出願の別のいくつかの実施例で提供される固定部材が部品を固定する時の構造概略図である。
【0135】
いくつかの実施例では、収容溝83の2つの内側壁はそれぞれ第1内側壁833と第2内側壁834であり、第1内側壁833と第2内側壁834は第2方向Yに沿って対向して配置される。第2弾性部材は第2弾性部851と第2押し付部852を含み、第2弾性部851の一端は第1内側壁833に接続され、第2押し付部852は第2弾性部851の第1内側壁833から離れた他端に接続される。第2方向Yにおいて、第2押し付部852と第2内側壁834は間隔を空けて設けられ、第2押し付部852はバス部材7を押し付けてバス部材7を第2押し付部852と第2内側壁834間に固定するために使用される。
【0136】
第2弾性部851は第2弾性部材の弾性変形可能な部分である。バス部材7が収容溝83を通過した後、第2弾性部851が弾性変形し、弾性変形によって発生した弾性力が第2押し付部852を介してバス部材7に作用する。
【0137】
いくつかの実施例では、第2押し付部852と第1内側壁833は間隔を空けて設けられ、第2弾性部851は第2押し付部852と第1内側壁833間に設けられる。第2弾性部851の変形量を変更することで、第2押し付部852と第1内側壁833の間隔および第2押し付部852と第2内側壁834の間隔を変更することができる。
【0138】
第2押し付部852の第2内側壁834に向かう表面は第2内側壁834と平行している。選択可能に、第2押し付部852は平板状であり、第2押し付部852の厚さ方向は概ね第2方向Yと平行している。
【0139】
いくつかの実施例では、第2弾性部851の少なくとも一部が円弧状である。円弧状構造により、良好な弾性を有し、第2弾性部851の弾性変形能力の向上に有利である。
【0140】
図10は本出願のさらに別のいくつかの実施例で提供される固定部材の構造概略図である。
図11は
図10に示す固定部材の別の角度の構造概略図である。
図12は
図10に示す固定部材のもう1つの角度の構造概略図である。
図13は
図12に示す固定部材の円形枠Cにおける拡大概略図である。
【0141】
図10~
図13に示すように、いくつかの実施例では、接続部材87は変形部871と接続部872を含み、変形部871は第2制限部814に回転可能に接続され、接続部872は変形部871と上部カバー82を接続し、接続部872に止め部8721が設けられる。ベース81に第2制限部814から突出する第1リブ815が設けられ、上部カバー82と第1制限部813が係合されると、第1リブ815は止め部8721に嵌合されて、接続部872が第1方向Xにベース81から離れた方向に向かって移動するのを制限する。
【0142】
変形部871は第2制限部814の第1制限部813から離れた側に位置する。上部カバー82の開放または閉じ過程中変形部871が変形する。変形部871の強度が接続部872の強度よりも小さく、選択可能に、変形部871の厚さが接続部872の厚さよりも小さい。
【0143】
第1リブ815は、第2制限部814の局所強度を高める。上部カバー82が閉じられると、上部カバー82が変形部871と接続部872を引っ張り、上部カバー82が閉じられると第1リブ815が止め部8721に嵌合され、続部872が第1方向Xにベース81から離れた方向に向かって移動するのを制限し、変形部871の過度変形を回避することができる。
【0144】
いくつかの実施例では、ベース81に第2制限部814から突出する第2リブ816がさらに設けられ、第2リブ816は接続部872に嵌合され、接続部872が第2制限部814の方向に移動するのを制限する。
【0145】
第2リブ816は第2制限部814の局所強度を高める。上部カバー82が閉じられると、上部カバー82は変形部871と接続部872を引っ張り、上部カバー82が閉じられると第2リブ816は接続部872に当接され、接続部872が第2制限部814の方向に移動するのを制限し、接続部872により変形部871が過度に変形するのを回避することができる。
【0146】
いくつかの実施例では、第1リブ815と第2リブ816が一体的に形成される。第1リブ815と第2リブ816は第3方向Zに沿って連続的に設けられる。
【0147】
別のいくつかの実施例では、第1リブ815と第2リブ816は第1方向Xに千鳥に配置される。上部カバー82がベース81に係合されると、第1リブ815が止め部8721の変形部871から離れた一側に位置し、止め部8721の第1方向Xへの移動を制限し、第2リブ816が止め部8721と第2制限部814間に位置し、止め部8721の第2方向Yへの移動を制限する。
【0148】
いくつかの実施例では、接続部872に第1貫通穴8722が設けられ、止め部8721は第1貫通穴8722の変形部871に近い側に形成され、上部カバー82と第1制限部813が係合されると、第1リブ815が第1貫通穴8722に挿入され、止め部8721に嵌合される。
【0149】
本出願の実施例では、第1貫通穴8722を開設することで接続部872の強度を減少でき、上部カバー82の開放または閉じ過程中、接続部872も適応的に変形する。第1貫通穴8722は第1リブ815に空間を提供し、第1リブ815と止め部8721の嵌合を実現しやすい。
【0150】
いくつかの実施例では、止め部8721は変形部871の第2制限部814から離れた一端に接続される。接続部872は第2突出部8723、第1延伸部8724と第2延伸部8725をさらに含む。第2突出部8723は止め部8721の第2制限部814に向かう表面から突出する。第1延伸部8724は止め部8721の変形部871から離れた一端と上部カバー82を接続する。第2延伸部8725は第2突出部8723と上部カバー82を接続し、第1延伸部8724と第2延伸部8725は第3方向Zに沿って間隔を空けて設けられ、第3方向Z、第1方向Xおよび第2方向Yが互いに交差し、第1延伸部8724と第2延伸部8725間に第1貫通穴8722が形成される。
【0151】
第1貫通穴8722は、第1延伸部8724と第2延伸部8725の強度を減少し、第1延伸部8724の弾性と第2延伸部8725の弾性を高める。
【0152】
第1延伸部8724は止め部8721の変形部871から離れた端面に接続され、本出願の実施例では、第2突出部8723の設置により、第2延伸部8725が止め部8721の端面を避けるように、第1延伸部8724と第2延伸部8725が千鳥に配置される。
【0153】
第1延伸部8724と第2延伸部8725は打ち抜き加工により作製される。第1延伸部8724と第2延伸部8725が千鳥に配置され、両者が第3方向Zに重ならないため、第1延伸部8724と第2延伸部8725は第3方向Zに沿った2回の打ち抜き加工により形成される。
【0154】
図14は本出願のいくつかの実施例で提供される電池の製造方法の概略フローチャートである。
【0155】
図14に示すように、本出願の実施例の電池の製造方法は、
【0156】
S100、外部ベースを用意するステップと、
S200、電池単体を用意し、電池単体を外部ベースに取り付けるステップと、
S300、バス部材を用意し、バス部材を電池単体に電気的に接続させるステップと、
S400、固定部材を用意するステップと、固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材と第2弾性部材を含み、ベースは上部カバーに接続され、ベースと上部カバー間に収容溝が形成され、第1弾性部材は収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられ、第2弾性部材は収容溝の2つの内側壁間に設けられ、
S500、ベースを外部ベースに接続させ、バス部材の一部を収容溝内に収容するステップとを含む。
【0157】
第1弾性部材は第1方向においてバス部材を押し付けて、バス部材を頂壁と底壁間に固定するために使用され、第2弾性部材は第2方向においてバス部材を押し付けてバス部材を収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、第1方向と第2方向が交差している。
【0158】
なお、上記電池の製造方法によって製造された電池の関連構造は、上記各実施例で提供される電池の説明を参照されたい。
【0159】
上記の電池の製造方法で電池を組み立てる場合、必ずしも上記ステップに従って順次実施する必要がなく、つまり、実施例で言及される順序でステップを実行してもよいし、実施例で言及される順序と異なる順序でステップを実行してもよいし、またはいくつかのステップを同時に実行してもい。例えば、ステップS100およびステップS400を前後に実行してもよいし、同時に実行してもよい。
【0160】
図15は本出願のいくつかの実施例で提供される電池の製造システムの概略ブロック図である。
【0161】
図15に示すように、本出願の実施例の電池の製造システム9は、外部ベースを用意するための第1用意装置91と、電池単体を用意し、電池単体を外部ベースに取り付けるための第2用意装置92と、バス部材を用意し、バス部材を電池単体に電気的に接続させるための第3用意装置93と、固定部材を用意するための第4用意装置94と、固定部材はベース、上部カバー、第1弾性部材と第2弾性部材を含み、ベースは上部カバーに接続され、ベースと上部カバー間に収容溝が形成され、第1弾性部材は収容溝の頂壁と収容溝の底壁間に設けられ、第2弾性部材は収容溝の2つの内側壁間に設けられ、ベースを外部ベースに接続させ、バス部材の一部を収容溝内に収容するための組立装置95とを含み、その中で、第1弾性部材は第1方向においてバス部材を押し付けてバス部材を頂壁と底壁間に固定するために使用され、第2弾性部材は第2方向においてバス部材を押し付けてバス部材を収容溝の2つの内側壁間に固定するために使用され、第1方向と第2方向が交差している。
【0162】
上記製造システムによって製造された電池の関連構造は、上記各実施例で提供される電池の説明を参照されたい。
【0163】
なお、矛盾しない限り、本出願中の実施例および実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0164】
最後に、以上の実施例は本出願の技術的解決手段を説明する目的でのみ使用され、制限するものではなく、前記の実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば、前記各実施例で記載される技術的解決手段を修正し、または中心の部分技術的特徴を同等置換することができるが、これらの修正または置換は、関連技術的解決手段の本質を本出願の各実施例の技術的解決手段の精神および範囲から逸脱させるものではない。